図および説明では、同じ参照番号が、類似の機能を有する要素を示す。
図2は、外部光ポート12と、N個の外部光ポート141、142、...、14Nからなるアレイとを有する例示的な光分岐挿入モジュール22を示す。Nは、3以上であり、8以上とすることもできる。光分岐挿入モジュール22および外部光ポート12、141、142〜14Nは、平面基板25の表面に沿って配置される。
光分岐挿入モジュール22は、光挿入モジュールまたは光分岐モジュールとして動作することができる。光分岐モジュールとしての動作中は、外部光ポート12が光信号を受け取り、光分岐挿入モジュール22は、波長選択的な形で、受け取った光信号を外部光ポート141〜14Nへ経路指定する。光挿入モジュールとして動作中は、外部光ポート141〜14Nが光信号を受け取り、光分岐挿入モジュール22は、受け取った光信号を外部光ポート12へ経路指定する。光分岐挿入モジュール22は、各光ポート141〜14Nで、様々な波長チャネルを挿入しまたは分岐させることができ、したがって、擬似カラーレス分岐挿入モジュールとして機能することができる。
光分岐挿入モジュール22は、光分波器DEMUX24と、N×N光クロスコネクトOXCマトリックス26と、N個組の光導波路281、282、...、28Nとを含む。光DEMUX24、N×N OXCマトリックス26、および光導波路281〜28Nは、同じ基板25の表面に沿って配置される。最後に、光分岐挿入モジュール装置22は、電子制御装置30を含むことができる。電子制御装置30は、同じ基板25の表面上に、または表面から離して配置される。
光DEMUX24は、波長選択的でかつ周期的な形で、光信号を、外部光ポート12からそのN個の光出力端OOへ経路指定する。すなわち、光DEMUX24は、波長チャネル1、N+1、2N+1、3N+1などの光信号をその第1のOOへ経路指定し、波長チャネル2、N+2、2N+2、3N+2などの光信号をその第2のOOへ経路指定し、より一般には、波長チャネルk、N+k、2N+k、3N+kなどの光信号をそのk番目のOOへ経路指定する。予め選択された1組の隣接する波長チャネル、すなわち1、2、3などは、ほぼ等しい帯域幅を有する。
光DEMUX24の例示的な平面構造は、第1および第2のスター・カプラと、アレイ導波路格子AWGとを含むことができる。第1のスター・カプラは、外部光ポート12を、AWGの光導波路の1つの端部に光学的に接続する。第2のスター・カプラは、AWGの光導波路の第2の端部を、光DEMUX24のOOに光学的に接続する。光DEMUXおよび光合波器MUXのそのようなAWG構造は、当業者には周知である。たとえば、米国特許第5002350号および同第5136671号は、本明細書に記載の装置に適するであろう光MUXおよび光DEMUXについて記載している。同米国特許は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
光導波路281〜28Nは、光DEMUX24のOOを、N×N OXCマトリックス26の対応する光入力端OIに接続する。
N×N OXCマトリックス26は、そのOIのそれぞれをそのOOのうちの対応する1つに光学的に接続するN個の光導波路からなるアレイを含む。これらの光導波路は、実質的に波長に依存しない光接続を生成する。これらの光接続は、基板25上にOIによって形成された空間系列の、基板25上にOOによって形成された空間系列への自明でない置換を効果的に生成する。置換によって、k番目の外部光ポート14kに、波長チャネルP(k)、P(k)+N、P(k)+2N、...を出力させる。ここで、P(k)は、k番目の対象上でのN個の対象の置換の値である。
N×N OXCマトリックス26は、そのOIの空間系列から、そのOOの空間系列への、固定または調整可能な置換を生成することができる。固定置換を生成する実施形態では、OXCマトリックス26は、そのOIを対応するOOに接続する光導波路を交差させるパターンを含み、それによって置換を生成する。調整可能な置換を生成する実施形態の場合、OXCマトリックス26は、光導波路のアレイと、光導波路を終端間接続して両端光路を形成する光スイッチとを含む。両端光路は、OXCマトリックス26のOIを、OXCマトリックス26の対応するOOに接続し、それによって置換を生成する。これらの実施形態では、光スイッチの状態が、N×N OXCマトリックス26のOIの空間系列の、N×N OXCマトリックス26のOOの空間系列への置換を決定する。OIからOOへの置換を変えるためには、光スイッチの状態が変えられる。
N×N OXCマトリックス26では、光スイッチは、たとえば熱光学スイッチまたは電子光学スイッチとすることができる。電子制御装置30は、N×N OXCマトリックス26の光スイッチを動作する制御信号を印加する。電子制御装置30は、熱光学スイッチに基づく実施形態では、加熱器を介して熱制御信号を印加し、電子光学スイッチに基づく実施形態では、電極対を介して電圧制御信号を印加する。
光分岐挿入モジュールを使用して、複数、M個、の隣接する波長チャネルを分岐させることができる。Mは、光DEMUX24のOOの数Nより小さいか、それに等しいか、またはそれより大きい。M≦Nの場合、各外部光ポート141〜14Nは、1つの波長チャネルから光信号を受け取るか、またはいずれの波長チャネルからも光信号を受け取らない。M≧Nの場合、外部光ポート141〜14Nの一部またはすべてが、複数の波長チャネルからの光信号を受け取る。後者の場合、各外部光ポート141〜14Nで、1つの波長チャネルだけが分岐されるように、光分岐挿入モジュール22を変更することが望ましいかもしれない。図3は、そのような変更された光分岐挿入モジュール32の一例を提供する。
図3を参照すると、変更された光分岐挿入モジュール32は、図2にすでに示したように、光DEMUX24と、N×N OXCマトリックス26と、光導波路281〜28Nとを含む。
変更された光分岐挿入モジュール32はまた、光フィルタ341、342、...、34Nと、光フィルタ341〜34NをN×N OXCマトリックス26の対応するOOに接続する光導波路361、362、...、36Nとを含む。光フィルタ341〜34Nのそれぞれは、N×N OXCマトリックス26の対応するOOからその光フィルタに出力される選択された波長チャネルのうちの1つまたは複数を遮断するように構成される。一部の実施形態では、各光フィルタ341〜34Nは、N×N OXCマトリックス26の対応するOOからその光フィルタに出力される波長チャネルのうちの1つだけを通過させることができる。たとえば、N×N OXCマトリックス26の対応するOOが、波長チャネルp、p+N、p+2N、およびp+3Nを出力する場合、光フィルタ36pは、波長チャネル「p」だけを通過させることができる。光フィルタ341〜34Nは、波長可変とすることができ、したがって、通過および遮断される波長チャネルの選択は、望みに応じて変更することができる。
一部の他の実施形態(図示せず)では、OXCマトリックス26のOOのうちの一部だけが、図3に示す光フィルタ34kに接続する。これらの実施形態では、OXCマトリックス26の残りのOOは、すべての受け取った波長チャネル上の光信号を、対応する外部光ポート14qに伝送する。
図2および3の光分岐挿入モジュール22、32の一部の実施形態は、図1の分岐挿入モジュール10に比べて有利となり得る。第1に、これらの光分岐挿入モジュール22、32は、光強度分割器をもたないので、外部光ポート12と外部光ポート141〜14Nの間の所望の波長チャネル上の光のうちより大きい割合を経路指定することができる。第2に、光分岐挿入モジュール32は、光分岐挿入モジュール10に比べて、より簡単な光フィルタ341〜34Nを有することができる。具体的には、光フィルタ341〜34Nは、通常、所望の波長チャネルからより広く間隔を空けた波長チャネルを遮断しなければならないので、光帯域フィルタ201〜208に比べて、より広いチャネル通過領域を有することができる。同じ理由のため、光分岐挿入モジュール32は、同じ外部光ポート構成を有する光分岐挿入モジュール10の実施形態に比べて、より簡単であり、より安価に構成でき、かつ/または単一の平面基板上でより容易に集積することができる。
様々な平面設計が、図3の光フィルタ341〜34Nで利用可能である。これらの平面設計は、N×N OXCマトリックス26から個々の光フィルタ341〜34Nに出力される波長チャネルのうちの1つまたは複数を遮断するように適合される。様々な実施形態では、光フィルタ341〜34Nは、ノッチ伝送特性、帯域伝送特性、または両方の挙動を組み合わせた伝送特性を有することができる。光フィルタ341〜34Nまたはそれらの構成要素光フィルタに対するいくつかの平面設計を、図4A〜4Eに示す。いくつかのそのような光フィルタに有用な平面設計は、たとえば米国特許第5596661号および同第6580534号に記載されているであろう。同米国特許はどちらも、その全体を参照により本明細書に組み込む。
図4A〜4Cは、帯域および/またはノッチ・スペクトル伝送特性を有する光フィルタとして機能できるマッハ−ツェンダー干渉計34A、34B、34Cを示す。マッハ−ツェンダー干渉計34A、34B、および34Cは、それぞれ1つ、3つ、および4つの段を有する。各段は、光導波路対、すなわち比較的長い光導波路OWLと比較的短い光導波路OWSとを含む。隣接する段の光導波路対OWL、OWSは、2×2光カプラOCを介して直列に結合する。2×2光カプラは、隣接する段相互間に位置する結合領域内で、光導波路対OWL、OWSを互いに近づける。この構成により、隣接する段の光導波路対OWL、OWS間に直接結合を生成し、かつ隣接する段の光導波路対OWL、OWS間に交差結合を生成する。直接および交差結合の相対的な強度は、結合領域の長さ、結合領域内の屈折率、および結合領域内の光導波路対の離隔距離によって決まる。第1の段の光導波路対OWL、OWSは、光強度分割器または2×2光カプラ、OC、の光出力端に接続し、これにより、それらの光フィルタのOOへの結合強度が決まる。最後の段の光導波路対OWL、OWSは、光強度結合器または2×2光カプラ、OC、のOIに接続し、これにより、それらの光フィルタのOOへの結合強度が決まる。
マッハ−ツェンダー干渉計34A〜34Cでは、各段の光導波路対OWL、OWSが、そこを通って伝播する光相互間にもたらす相対位相差、ならびに2×2光カプラ、光分割器、および/または光結合器、すなわちOC内の直接および交差結合の強度が、光フィルタのスペクトル伝送特性を実質的に規定する。
図4Aを参照すると、単段マッハ−ツェンダー干渉計34Aは、光カプラが強度の等しい直接および交差結合を生成する場合、光ノッチ・フィルタとして構成することができ、光導波路OWL、OWSは、そこを通って伝播する光信号間に相対位相差πをもたらす。単段マッハ−ツェンダー干渉計34Aは、図3のN×N OXCマトリックス26の対応するOOから受け取る波長チャネル上の光信号を実質的に遮断するように構成することができる。
図4Bおよび4Cを参照すると、3段および4段マッハ−ツェンダー干渉計34B、34Cは、有限のフーリエ級数、たとえば有限の奇数調波級数によって表されるスペクトル伝送特性を有する。そのようなスペクトル伝送特性を得るためには、各段の光導波路OWL、OWSは通常、そこを通って伝播する光相互間に特別な相対位相差をもたらすように制約されるべきである。具体的には、個々の段によってもたらされる相対位相差と、そのような相対位相差の最小のものをもたらす段によってもたらされる相対位相差との比は、特別な値の数列を形成するはずである。たとえば、3段マッハ−ツェンダー干渉計34Bでは、特別な値の数列は、1、約2、および約4とすることができる。また、4段マッハ−ツェンダー干渉計34Cでは、これらの特別な値の数列は、1、約2、約−2、および約−2とすることができる。3段および4段マッハ−ツェンダー干渉計34B、34Cのうち、段が上述の制約を満たし、かつ2×2光カプラ、光分割器、および/または光結合器が適切な直接および交差光結合を生成するものは、1段マッハ−ツェンダー干渉計34Aに比べて、より広いスペクトル・ノッチ領域を有することができる。本明細書の記載に照らしてみると、マッハ−ツェンダー干渉計34B、34Cの2×2光カプラ、光分割器、および/または光結合器に適した直接および交差光結合の値はまた、当業者には容易に求められるはずであり、たとえば、米国特許第5596661号に記載されているであろう。
一部の実施形態では、図3の光フィルタ341〜34Nは、波長可変である。
そのような実施形態では、電子制御装置30はまた、光フィルタ341〜34Nによって通過させる波長チャネルの選択を制御する電気信号を生成することができる。電気制御信号は、図4A〜4Cに示すように、光導波路OWL、OWSの熱的活性セグメント(S)を加熱する加熱器を動作するか、または光導波路OWL、OWSの電気光学的活性セグメント(S)間に電圧を印加する電極対を動作する。活性セグメント、S、は、その中の温度または電界の値に反応する屈折率を有する。その結果得られる屈折率の変化により、その光導波路対OWL、OWSがそこを通って伝播する光にもたらす相対位相差が変動する。
そのような実施形態では、電子制御装置30は、他の電気信号を生成して、図4B〜4Cのマッハ−ツェンダー干渉計34B、34Cの2×2光カプラ、光分割器、および/または光結合器、すなわちOC内の温度または電界を調整する加熱器または電極対を制御することができる。具体的には、屈折率および屈折率コントラストは、2×2光カプラ、光分割器、および/または光結合器、すなわちOCの結合領域内の、狭い間隔で配置された光導波路対間の結合を調整する。それらの結合領域の熱光学的活性部分への熱の印加、またはそれらの結合領域の電気光学的活性部分間への電圧の印加を制御することによって、電子制御装置30は、マッハ−ツェンダー干渉計34B、34Cの隣接する段相互間の直接および交差光結合の相対的な強度を変えることができる。
一部の実施形態は、マッハ−ツェンダー干渉計34A、34B、34Cの光導波路およびカプラを、電子制御装置30からの上述のタイプの電気制御信号に反応するように構成することができる。そのような制御信号は、図4A〜4Cのマッハ−ツェンダー干渉計34A、34B、34C内の帯域通過および/または帯域ノッチの波長範囲を制御することができる。上述の説明に照らしてみると、当業者は、不必要な実験なしで、マッハ−ツェンダー干渉計34A、34B、34C内で波長可変性を実施できるはずである。
図4Dおよび4Eに示す光フィルタ34D、34Eに図示のように、図3の光フィルタ341〜34Nは、光リング共振器ORRを含むことができる。
図4Dを参照すると、光フィルタ34Dは、入力光導波路IOWと、出力光導波路OOWと、結合された光リング共振器の系列とを含む。結合された光リング共振器の系列は、入力および出力光導波路IOW、OOW間で光カプラを形成する。この系列内では、様々な光リング共振器の共振波長は、近いが異なっており、すなわち、それらの共振波長はバーニアになる。共振波長のそのような構成により、この系列の共振波長は、個々の光リング共振器の共振波長に比べて、より広く間隔を空けることができる。これらの共振波長の間隔がより広いために、光リング共振器の系列は、入力および出力光導波路が単一の光リング共振器によって結合される光デバイス(図示せず)に比べて、より広い帯域ノッチ領域を有するように構成することができる。帯域ノッチをより広くすると、N×N OXCマトリックス26から図3の個々の光フィルタ341〜34Nへ出力される波長チャネルのうちのより多くを遮断し、それによって波長選択性を改善することができる。
図示の光帯域フィルタ34Dは、3つの光リング共振器からなる系列を含むが、そのようなフィルタの他の実施形態は、入力および出力光導波路IOW、OOWを結合する系列内に、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の光リング共振器を有することができる。
図4Eを参照すると、光フィルタ34Eは、複数の段を有するハイブリッド・マッハ−ツェンダー干渉計を含む。各段は、光導波路対OWL、OWSと、光導波路OWL、OWSに結合する1つまたは複数の光リング共振器とを含む。各段では、光導波路対OWL、OWSは、そこを通って伝播する光信号間に相対位相差をもたらす。異なる段相互間では、光リング共振器は、近い共振波長を有することができ、すなわち、様々な段の光リング共振器の共振波長は、バーニアのような関係を有することができる。そのため、一連の段は、図4Dの光フィルタ34Dの場合のように、より広い光ノッチ領域を有するスペクトル伝送特性を提供することができる。そのようなハイブリッド多段マッハ−ツェンダー干渉計の実施形態は、米国特許第6580534号にさらに記載されているであろう。
図3の光フィルタ341〜34Nの一部の実施形態は、図4Dまたは4Eの光フィルタ34D、34Eの波長可変のものを含む。そのような実施形態では、電子制御装置30は、光共振リングの熱的活性部分に熱を印加できる1つまたは複数の加熱器を動作するように構成され、または光リング共振器の電気光学的活性部分間に電圧を印加できる1つまたは複数の電極対を動作するように構成される。どちらの構成でも、電子制御装置30は、光リング共振器の活性部分内の屈折率を変動させ、それによって光リング共振器の共振波長を変動させることができる。ハイブリッド・マッハ−ツェンダー干渉計34Eを含む実施形態では、電子制御30はまた、光導波路対OWL、OWSの活性セグメント、S、間に熱を印加できる加熱器に、または電圧を印加できる電極対に、制御信号を印加することができる。光導波路OWL、OWSのそのような各対では、活性セグメント、S、は、そのような制御信号に反応する屈折率を有し、それによって、この対を通って伝播する光相互間にもたらされる相対位相差を変化させる。そのような実施形態では、電子制御30はまた、光カプラ、OC、の活性領域間に熱を印加できる加熱器に制御信号を印加するように構成することができ、または光カプラ、OC、の活性領域間に電圧を印加できる電極対に制御信号を印加するように構成されることができる。そのような制御信号により、そのような光カプラ、OC、に隣接する段の光導波路OWL、OWS間の直接および交差光結合の相対的な強度を変動させることができる。上述の説明に照らしてみると、当業者は、そのような制御構造を実施して、波長可変帯域通過および/または帯域ノッチを有する光フィルタ13D、13Eの実施形態を形成することができるはずである。
一部の実施形態では、図3の個々の光フィルタ341〜34Nは、構成要素光フィルタの直列カスケードを含むことができる。構成要素光フィルタは、図4A〜4Eに示す設計を有することができ、または前述の設計の波長可変のものを有することができる。そのようなカスケードでは、異なる構成要素光フィルタは、N×N OXCマトリックス26の対応するOOからカスケードに出力される個々の波長チャネルのうちの異なる波長チャネルを遮断するように構成することができる。すなわち、そのようなカスケードは、望ましくない波長チャネルを順次フィルタリングして除去するように構成することができる。たとえば、光フィルタ34kは、波長チャネルkに対する伝送ノッチを有する第1の構成要素光フィルタ、波長チャネルk+2Nに対する伝送ノッチを有する第2の構成要素光フィルタ、および波長チャネルk+3Nに対する伝送ノッチを有する第3の構成要素光フィルタからなるカスケードとすることができる。そのような実施形態では、光フィルタ34kは、N×N OXCマトリックス26から波長チャネルk、k+N、k+2N、およびk+3N上の光信号を受け取ると、波長チャネルk+N上の光信号だけを通過させるはずである。
図5は、第1の外部光ポートをN個の第2の外部光ポートに接続する全光学的分岐挿入モジュール、たとえば図2の光分岐挿入モジュール22または図3の光分岐挿入モジュール32を動作する方法40を示す。
方法40は、第1の外部光ポートから受け取った光信号を、N個のOOからなる第1の線形アレイへ経路指定し、それによってそれらの関連する波長チャネル群に基づき、異なるOO間に光信号を空間的に再分割するステップ(ステップ42)を含む。具体的には、この経路指定するステップは、各波長チャネル群の光信号を、基板の表面上にまたはそれに沿って配置されたOOの空間系列のうちの対応するOOに伝送する。各波長チャネル群は、1つ、2つ、またはそれ以上の波長チャネルを含むことができる。光DEMUX24は、各波長チャネル群が、単一の波長チャネルの幅のN倍だけ離隔された波長チャネルを含むとき、この経路指定するステップを実行することができる。
方法40はまた、OOの第1の線形アレイからの光信号を、同じく基板の表面上にまたはそれに沿って配置されたN個のOOからなる第2の線形アレイへ再経路指定するステップ(ステップ44)を含む。この再経路指定するステップは、波長群と線形アレイの個々のOOとの対応関係を自明でない形で置換する。具体的には、この置換するステップは、波長チャネル群の割当てを、基板の同じ表面に沿って線形に配列されたOOからなるアレイに空間的に並べ替える。たとえば、N×N OXCマトリックス26は、両端光路の交差する空間パターンで、そのN個のOIをそのN個のOOに接続することによって、そのような置換動作を実行することができる。
任意選択で、方法40は、第2の線形アレイの個々のOOのうちの1つまたは複数で受け取ったそれらの光信号をフィルタリングして、個々のOOに対応する群の波長チャネルの適切なサブセットに属さない光信号を除去するステップを含む(ステップ46)。1つまたは複数のOOで、このフィルタリングするステップにより、通過される波長チャネルの数を低減させる。そのような各OOで、フィルタリングするステップは、複数の波長チャネル上の光信号がOOに送達された場合でも、そのOOに対応する単一の選択された波長チャネルの光信号を除くすべての光信号を遮断するステップを含むことができる。光フィルタ341〜34Nは、たとえば、各外部ポート141〜14Nが、より小さい組の波長チャネル、たとえば1つのそのようなチャネル上の光信号を受け取るように、フィルタリングするステップを実行することができる。
図6は、多重チャネル光波長変換器50を示す。多重チャネル光波長変換器50は、N+1個の外部光ポートを有する波長可変光分岐挿入モジュールOADM52、たとえば図2および3に示す光分岐挿入モジュール22、32のうちの1つを含む。多重チャネル光波長変換器50はまた、N個の単一チャネル光波長変換器541、542、...、54Nと、N個のOIを有する光合波器MUX56とを含む。各単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、光導波路OWを介して光分岐挿入モジュール52のN個の外部光ポート141〜14Nのうちの対応する1つに接続するOIを有する。各単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、別の光導波路を介して光MUX56の対応するOIに接続するOOを有する。各単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、波長可変励起レーザ581、582、...、58Nによって励起される。
多重チャネル光波長変換器50では、光分岐挿入モジュール52は、1つの波長チャネルだけの光信号を各外部光ポート141〜14Nへ経路指定する。そのため、各単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、単一の波長チャネル上の光信号だけを波長変換する。波長変換は、たとえば、外部光ポート12で最初に受け取った独立したデータ・ストリームの一部に対するチャネル割当てを置換する。
多重チャネル光波長変換器50では、電子制御装置30は、単一チャネル光波長変換器541〜54N内で波長変換によって引き起こされる波長チャネルの空間的置換を予め補償するように、光分岐挿入モジュール52を構成する。具体的には、予め補償することによって確実に、波長変換された光信号が光MUX56の適切なOIに伝えられ、したがって光MUX56がその波長変換された光信号を外部光ポート14へ経路指定するようにする。実際には、光MUX56はまた、単一チャネル光波長変換器541〜54Nを通過する波長変換されていない光に対する光帯域フィルタとして機能する。そのような波長変換されていない光は通常、光MUX56から外部光ポート14へ経路指定されない。
多重チャネル光波長変換器50では、単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、波長可変レーザ581〜58Nによって励起される。具体的には、波長可変レーザ581〜58Nは、変換された波長で励起光を生成し、光信号の入力ストリームが、この励起光を変調して、波長変換された光信号を生成する。励起レーザ581〜58Nは、波長可変であり、第2の電子制御装置30’は、励起レーザ581〜58Nの出力波長を設定し、また動作中には、波長可変OADM52の電子制御装置30を制御する。
多重チャネル光波長変換器50では、単一チャネル光波長変換器541〜54Nは、たとえば半導体光増幅器SOAとすることができる。SOAでは、入力光信号の振幅が、変換された波長で励起光を変調して、波長変換された光信号を生成する。そのような変調は、SOAの半導体内の非線形光学効果によって生じる。この半導体は、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ヒ素(As)、および/またはリン(P)を含む化合物結晶材料とすることができる。たとえば、SOAは、InP基板上に製作された積層InGaAsP構造とすることができる。波長変換器として使用するためのSOAの製作は、当業者には周知である。
単一チャネル光波長変換器541〜54Nはまた、当業者に周知の他のタイプの単一チャネル光波長変換器、たとえばニオブ酸リチウムの光波長変換器とすることもできる。
多重チャネル光波長変換器50では、光MUX56は、たとえば平面AWGデバイスとすることができる。AWGを有する光MUXの構築は、前述の平面AWGおよび光スター・カプラを有する光DEMUXの構築と実質的に同様である。米国特許第5002350号および同第5136671号は、光MUX56に適するであろうAWGベースの光MUXを記載している。
誘電体と半導体の平面基板を結合するハイブリッド集積技術により、光DEMUX、スイッチング、フィルタリング、波長変換、および多重チャネル光波長変換器50の構成部品のMUXを含む、集積平面半導体モジュールの生成が可能になるかもしれない。そのようなハイブリッド集積技術は、高価な光コネクタおよびファイバ接続部を必要とすることなく、全体的な性能がより良好なモジュールを生成することができる。多重チャネル光波長変換器50の製作は最終的に、単一の平面InP基板上で可能になるかもしれない。
図7は、DWDM光通信システムの一部分60を示す。DWDM光通信システムの一部分60は、ノード62と、入力光伝送ファイバ64と、出力光伝送ファイバ66と、図6の多重チャネル光波長変換器50とを含む。ノード62では、多重チャネル光波長変換器50は、入力光伝送ファイバ64を出力光伝送ファイバ66に終端接続する。この全光学的接続は、出力光伝送ファイバ66に、その中で使用される波長チャネルのサブセット上の入力光伝送ファイバ64の光信号を転送することができる。出力光伝送ファイバ66では、転送される光信号は、入力光伝送ファイバ64で使用されるのと同じもしくは異なる波長チャネル上で、または同じ波長チャネルと異なる波長チャネルの組合せ上で転送することができる。ノード62では、波長変換は、前述の新しい波長チャネル割当てが、出力光伝送ファイバ66内のチャネル障害、チャネル輻輳、および/またはチャネル利用不能に対応するように、動的に変化することができる。最後に、多重チャネル光波長変換器50の光分岐挿入モジュール52の周期的な動作により、入力光伝送ファイバ64内の波長チャネルのセットの多くのサブセット上の波長変換を使用する光信号転送を実現することができる。
最後に図7のDWDM光伝送システムでは、ノード62はまた、多重チャネル光波長変換器50を2つ以上並列に組み合わせて、入力光伝送ファイバ64からのより多くの波長チャネル上の光信号を、出力光伝送ファイバ66へ転送することができる。
図8は、多重チャネル光通信システムの第1および第2の光伝送線間で、たとえば図7のDWDM光通信システムの伝送ファイバ64および66間で光信号を転送する全光学的方法70を示す。方法70は、第1の光伝送線の出力端から受け取った光信号を、N個のOOからなる第1の線形アレイへ経路指定して、その関連する波長チャネル群に応じて、受け取った光信号を再分割するステップ(ステップ72)を含む。各波長チャネル群は、第1の光伝送ファイバ上で光信号を輸送する波長チャネルのうちの1つまたは複数を含むことができる。方法70は、OOの第1の線形アレイからの光信号をN個のOOからなる第2の線形アレイへ再経路指定して、波長チャネル群と直列に配列された個々のOOとの対応関係を自明でない形で置換するステップ(ステップ74)を含む。第2の線形アレイのOOの一部またはすべてに対して、方法70は、そのような各OOから伝えられる光信号をフィルタリングして、波長チャネルのうちの1つを除くすべてを遮断するステップ(ステップ76)を含む。このフィルタリングするステップは、そのようなOOごとに異なる波長チャネル上の光信号を通過させる。方法70は、第2の線形アレイのOOの一部からの光信号を波長変換して、それらの光信号の波長チャネルを置換するステップ(ステップ78)を含む。方法70はまた、この波長変換された光信号を、第2の光伝送ファイバの一方の端部に接続する外部光ポートに光学的に多重化するステップ(80)を含む。
本開示、図面、および特許請求の範囲から、本発明の他の実施形態が、当業者には明らかになるであろう。