JP2009530386A - パクリタキセル組み合わせ物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、化合物の新規な組み合わせおよびこれの製造方法、前記組み合わせを投与することを含んで成る病気治療、特に癌治療方法、および疾患、特に癌を治療または予防するための前記製薬学的組成物を製造する方法に関する。
Description
本発明は、化合物の新規な組み合わせ物およびこれの製造方法、前記組み合わせ物を投与することを含んで成る病気治療、特に癌治療方法、および疾患、特に癌を治療または予防するための前記製薬学的組成物を製造する方法に関する。
癌は組織の異常な増殖の結果として起こる病気である。特定の癌は局所的組織の中に侵入する可能性がありかつまた遠方の器官に転移する可能性もある。この病気は幅広く多様ないろいろな種類の器官、組織および細胞の中で発症し得る。従って、用語「癌」は一群の千種類を超えるいろいろな病気を指す。
2002年に世界中で4.4百万人以上の人が乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌または前立腺癌として診断されかつ2.5百万人を超える人がそのような破滅的な病気で死亡した(非特許文献1)。米国単独でも2005年には癌による新しい症例が1.25百万人を超えかつ癌による死亡が500,000人を超えると予測された。そのような新しい症例の大部分は結腸癌(〜100,000)、肺癌(〜170,000)、乳癌(〜210,000)および前立腺癌(〜230,000)であろう。癌の発生率と有病率は両方とも次の10年の間に約15%増加すると予測されており、このことは、平均増加率が1.4%であることを示している(非特許文献2)。
癌の治療は治癒または緩和のいずれかの主要な2種類の治療である。癌の主な治癒的療法は手術および放射線療法である。そのような任意選択が成功するのは一般に癌が初期局所段階の時に見つかった場合のみである。この病気が局所進行性癌または転移性癌にまで進行するとそのような治療はあまり効果がなくなることで、治療の目的が症状の緩和および良好な生活の質の維持になる。いずれの治療様式においても最も普及している治療プロトコルは、手術、放射線療法および/または化学療法の組み合わせを伴う。
癌の治療では治癒的療法としてか或は寿命を長くするか或は症状緩和の目的で細胞毒性薬(また腫瘍縮小薬としても知られる)が用いられる。細胞毒性薬をネオアジュバント療法(最初の化学療法は腫瘍の縮小を目的としたものであり、それによって、局所的治療、例えば手術および放射線などの効果をより高くする)またはアジュバント化学療法(手術および/または局所的治療と組み合わせるか或はそれの後に用いられる)として放射線療法および/または手術と組み合わせることができる。いろいろな薬剤を組み合わせる方がしばしば単一の薬剤を用いた場合よりも有効である:即ち、それによって、特定の腫瘍が示す応答性が向上し、薬剤耐性の発生が低下しそして/または生存率が高くなると言った利点がもたらされ得る。このことがいろいろな癌の治療で組み合わせ細胞毒性療法が用いられるのが極めて一般的である理由である。
現在使用されている細胞毒性薬は、細胞の増殖を阻止しかつ細胞死を誘発するいろいろな機構を利用したものである。ある群のそのような薬剤は、微小管の重合または解重合を妨害する微小管モジュレーターである。化学名がベンゼンプロピオン酸,ベータ−(ベンゾイルアミノ)−アルファ−ヒドロキシ−,6,12b−ビス(アセチルオキシ)−12−(ベンゾイルオキシ)−2a,3,4,4a,5,6,9,10,11,12,12a,12b−ドデカヒドロ−4,11−ジヒドロキシ−4a,8,13,13−テトラメチル−5−オキソ−7,11−メタノ−1H−シクロデカ(3,4)ベンゾ(1,2−b)オキセト−9−イルエステル,(2aR−(2aアルファ,4ベータ,4aベータ,6ベータ,9アルファ(アルファR*,ベータS*),11アルファ,12アルファ,12aアルファ,12bアルファ))−または(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンのタキソ−11−エン−9−オン,5ベータ,20−エポキシ−1,2アルファ,4,7ベータ,10ベータ,13アルファ−ヘキサヒドロキシ−,4,10−ジアセテート2−ベンゾエート,13−エステル(Chemical Abstracts Service Registry Number[33069−62−4]、Bristol Myers SquibbによるOrange Book application No.020262)であるタキソール(Taxol)(商標)(パクリタキセル)(本明細書では以降パクリタキセルと呼ぶ)がそのような微小管モジュレーターである。
Globocan 2002 Report American Cancer Society、Cancer Facts and Figures 2005
Globocan 2002 Report American Cancer Society、Cancer Facts and Figures 2005
本発明は、1つの態様において、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン:
とパクリタキセルの組み合わせを提供する。
特に明記しない限り、本明細書および請求項の全体に渡って用いる技術的表現の目的で下記の定義を適用する。
組み合わせは、2種以上の個々の単位、材料または化合物を組み合わせた結果としてもたらされた物または生成物を指す。1番目の意味として、組み合わせは、空間的な関係を指す。このような組み合わせでは前記単位、材料または化合物は変化しないままであり得るか、或はそれらは程度の差はあるが反応または相互作用を起こす可能性がある。また、それらを物理的に一緒にして一緒に混合することである混合物を生じさせてもよいか、或はそれらを混合することなく一緒にして容器の中に入れてもよい。組み合わせ物は、また、前記材料を組み合わせた後に更に加工または処理する場合にはその組み合わせの結果としてもたらされた物または生成物も指す。例えば、組み合わせ物の一例はクッキーの生地であり、これは一緒に混ざり合った数種の材料で構成されている。この上に示した例におけるクッキーの生地が焼かれかつ砂糖衣で被覆されたとしても、それはそれでも組み合わせ物のままである。別の例として、組み合わせ物は、2種以上の製薬学的材料、例えば製薬学的に有効な化合物を一緒にすることでもたらされた生成物を指し、かつまた、その生成物が更に加工されかつ包装されたとしてもその生成物も指し、例えば2種類の製薬学的に有効な化合物を一緒にして混合物を生じさせた後にその混合物を圧縮して錠剤にしそして次に前記錠剤に被覆を受けさせかつそれを包装したとしても、その生成物を指す。その錠剤はそれでも組み合わせ物のままである。
2番目の意味として、組み合わせは、時間的な関係を指す、即ち2種以上の行動を同時または時間的に近接して実施することを指す。行動を時間的に同じ時点でか或は重なり合った時間の間に実施する場合のそれらの実施は同時である。例えば、tvセットは音と画像を同時に送信し、従って前記2者の組み合わせ物を送信する。
2つ以上の行動をまた時間的に近接して実施、即ち次々に実施することでも組み合わせ物を生じさせることができる。何を時間的に近接と見なすかは状況全体に依存し、1つの指標は、特定の目的を達成する目的で行動を実施することにあり、別の指標は、実際のシステムに関連した時間スケールで短い間隔で次々に行動を実施することにある。
例えば、一連のチェスの動きはしばしば組み合わせと呼ばれるが、その動きは断続的に動かす対戦相手と交互に行う動きである。それらは最終的に対戦相手を負かす目的で行われる。このように、ある組み合わせの中で行われる行動と行動の間で経過する実時間は無関係であり得る。
時間的に近接して行われる行動としての組み合わせの別の例としての組み合わせ物は、病気を治療する目的で患者に2種以上の薬剤を投与する薬物療法を指す。その薬剤を投与する正確な状況は病気または疾患に応じて多様であり得るが、それでも組み合わせ物に相当するであろう。例えば、急性の細菌感染を治療しようとする場合、医者は2種類の抗菌薬を患者に投与することを考慮する可能性があり、その場合に数分から数時間または数日間の間隔でそれらの薬剤を投与することも組み合わせ物であると見なされるであろう。慢性病の場合、数日または数週間の間隔で2種類の薬剤を投与することは、それを医者が治療の一部として、即ち個々の病気を治療する意図で実施する限り、組み合わせ物であると見なすことができるであろう。
組み合わせるは、2種以上の個々の単位、材料または化合物を密な関係にする行動を指す。それらを空間的な意味で一緒にしてもよく、例えば一緒にして1つの混合物にしてもよく、これをまた混合またはブレンドとも呼ぶ。例えば、クッキーの生地を調製する場合、数種の材料を一緒に混合する。これは、それらの全部を容器の中に充填してそれらを混合するか或は1つの材料を容器の中に入れた後に混合しながら残りの材料を加えることによって起こり得る。この上に記述した例では、2種以上の製薬学的材料を一緒にして混合物を生じさせ、その混合物を圧縮して錠剤にした後、その錠剤に被覆を受けさせそしてそれを包装してもよい。材料を一緒にすることは、本発明の意味の範囲内でそれらを組み合わせることである。2番目の意味として、「組み合わせる」は、この上に示した組み合わせの下で考察したように、時間的な関係を指す、即ち2つ以上の行動を同時に実施するか或は時間的に近接して実施することを指す。
本明細書全体に渡って、簡潔さの目的で、言葉を単数形で用いる方が言葉を複数形で用いるよりも好都合ではあるが、特に明記しない限り、一般に、それに複数形の言葉を包含させることを意味する。例えば、表現「患者に請求項1記載の化合物を有効量で投与することを含んで成る患者の病気を治療する方法」に2種以上の病気を同時に治療することばかりでなく請求項1記載の2種以上の化合物を投与することを包含させることを意味する。
本発明は、別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を製造する方法を提供し、この方法は、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルを組み合わせることを含んで成る。この方法は例えば製薬学的技術分野の技術者に公知の技術などを用いて実施可能である。
本発明は、別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を含んで成る製薬学的組成物、および6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を含んで成る製薬学的組成物を製造する方法を提供し、この方法は、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルを組み合わせた後にそれらを適切な製薬学的組成物に加工することを含んで成る。この方法は例えば製薬学的技術分野の技術者に公知の技術などを用いて実施可能である。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物および製薬学的に許容される担体を含んで成る製薬学的組成物、そして6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物および製薬学的に許容される担体を含んで成る製薬学的組成物を製造する方法を提供し、この方法は、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルと製薬学的に許容される担体を組み合わせることを含んで成る。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物および製薬学的に許容される担体を含んで成っていて非経口投与に適する製薬学的組成物を提供する。
非経口投与は吸収段階を回避する投与(例えば静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰内投与)または吸収を包含する投与(例えば筋肉内、皮下、皮内または腹腔内投与)で実施可能である。適切な非経口投与形態物は、例えば溶液、懸濁液、乳液、凍結乾燥物および無菌粉末などの形態の注射および輸液製剤などである。そのような非経口製薬学的組成物はRemington’s Pharmaceutical Sciencesの18版(1990、Mack Publishing Group、Enolo)の84章のパート8に記述されている。
1つの態様において、本発明は、活性化合物を静脈内(i.v.)投与、例えばボーラス注射(即ち、例えばシリンジなどで1回分として)、短時間(例えば1時間以内)に渡る輸液または長時間(例えば1時間以上)に渡る輸液などとして投与することに関する。この投与をまた断続的投薬で実施することも可能である。その投与する容量は疾患に応じて変え得るが、通常はボーラス注射の場合の0.5から30または1から20ml、短時間の輸液の場合の25から500または50から250ml、そして長時間の輸液の場合の50から1000または100から500mlである。このように、更に別の態様において、本発明は、短時間または長時間に渡って静脈内投与するに適した製薬学的組成物を提供する。
そのような投与形態物は無菌でありかつ発熱物質を含有すべきではない。それらは水性溶媒または水性溶媒と有機溶媒の混合物が基になっていてもよい。例はエタノール、ポリエチレングリコール(PEG)300または400、シクロデキストリンまたは乳化剤、例えばレシチン、Pluronic F68(商標)、Solutol HS15(商標)またはCremophor(商標)などが入っている水溶液である。水溶液が好適である。
静脈内投与の場合の溶液は一般に等張性で体水分正常であり、例えばpHは3から11、6から8または約7.4である。i.v.溶液用のパッケージとしてガラスまたはプラスチック製容器、例えばゴムシール瓶などを用いることができる。それらに入れる液体の体積は1から1000または5から50mlであってもよい。患者に投与すべき溶液を前記瓶から直接取り出してもよい。この目的で、活性化合物を固体形態で(例えば凍結乾燥物として)提供しそして投与する直前に溶媒を瓶に加えることでそれを溶解させるのが有利であり得る。
輸液用溶液を有利にはガラスまたはプラスチックで出来ている容器、例えばボトルまたは折り畳み可能な容器、例えばバッグなどに入れて包装してもよい。それらに入れる液体の体積は1から1000または50から500mlであってもよい。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、パクリタキセル、精製Cremophor ELおよび無水エチルアルコールを含んで成る製薬学的組成物を提供する。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせと製薬学的に許容される担体が入っている容器および当該製薬学的組成物を患者の病気の治療で用いるための使用説明書を含んで成る包装された製薬学的組成物、および前記容器がボトルまたは折り畳み可能なバッグである包装された製薬学的組成物を提供する。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンおよびパクリタキセルまたは両方が入っている複数の容器を含有しかつ更に場合によりパーツで出来ているキット(kit−of−parts)を患者の病気の治療で用いるための使用説明書を含有していてもよいパーツで出来ているキットを提供する。
本発明は、更に別の態様として、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせを製造する方法を提供し、この方法は、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセル、精製Cremophor ELおよび無水エチルアルコールを組み合わせることを含んで成る。
本発明は、別の態様として、患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせを製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法、または患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせおよび製薬学的に許容される担体を含んで成る製薬学的組成物を製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法、または静脈内投与に適した前記方法、または静脈内投与が短時間または長時間の静脈内投与である前記方法、または静脈内投与に適した前記製薬学的組成物、または患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、パクリタキセル、精製Cremophor ELおよび無水エチルアルコールの組み合わせを含んで成る製薬学的組成物を製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法を提供する。
本発明は、更に別の態様として、前記疾患が癌である前記疾患治療方法を提供する。本発明は、更に別の態様として、前記癌が小細胞肺癌である癌治療方法を提供する。
本発明は、更に別の態様として、患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせを製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法を提供し、この方法では、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルを同時または時間的に近接して投与、例えば24時間以内に投与する。
本発明は、更に別の態様として、患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせを製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法を提供し、この方法では、6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンを6mgのパクリタキセル、527mgの精製Cremophor(商標)EL(ポリオキシエチル化ヒマシ油)および1ml当たり49.7%(体積/体積)の無水アルコールと一緒に0.9%の塩化ナトリウム注射液、USP;5%のデキストロース注射液、USP;5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウム注射液、USPまたはリンガー液中5%のデキストロースに入れて希釈した後に静脈内に投与する(静脈内輸液、場合によりひどいアレルギー反応が起こる可能性を低下させるか或は予防する目的で特定の前投薬を更に施しておいてもよい)。
本発明は、更に別の態様として、患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせを製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患治療方法を提供し、この方法では、投与量を最大耐量未満にするか或は患者の体重損失を最小限にする。
パクリタキセルは商業的に入手可能であるか或は公知方法と同様にして調製可能である。6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンは色が白色からアイボリーまたは明黄色の範囲の乾燥粉末であり、下記のようにして調製可能である:
4−アミノフェノール(44.9g、410ミリモル)を1Lの3つ口フラスコに加えた後、N,N−ジメチルアセトアミド(600mL)を用いてそれを溶解させた。次に、その混合物を撹拌しながら9℃に冷却した後、カリウムt−ブトキサイド(46.18g、410ミリモル)を分割して加えると、その溶液が緑色に変わり、そしてカリウムt−ブトキサイドの添加が完了する前に固化した。撹拌を再開し、4−クロロ−2−ピコリン(50g、390ミリモル)をN,N−ジメチルアセトアミド(400mL)に入れることで生じさせた溶液をゆっくり加えた後、その混合物を90℃に17時間加熱した。次に、その混合物を45℃に冷却し、濾過した後、真空下で濃縮してほぼ乾固させると褐色の残留物が残存した。その残留物を水(1L)に激しく撹拌しながらゆっくり加えた後、その懸濁液を1時間撹拌した。次に、固体を吸引濾過で集め、少量のイソプロパノールそしてエーテルで洗浄した後、乾燥させることで{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(49.9g、64%)を明黄褐色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ8.21(d、1H)、6.78(d、2H)、6.57−6.63(m、4H)、5.10(s、2H)、2.35(s、3H);MS ES 201(M+H)+、計算値201、RT=1.04分。
{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(47.5g、237ミリモル)と2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(40.8g、249ミリモル)を水(900mL)と2−プロパノール(300mL)に入れることで懸濁させた。次に、2Mの塩酸水溶液(23.7mL)を加えた後の混合物を95℃に17時間加熱した。次に、その混合物を室温にし、固体を吸引濾過で集めた後、少量のイソプロパノールで洗浄した。次に、その固体をDMFに入れて再び懸濁させた後、90℃に加熱した。次に、トリエチルアミン(20mL)を加えた後の混合物を90℃で更に10分間撹拌した。次に、水を曇りが高温で持続するまで過剰量で加えた。それを約5℃に冷却し、生じた沈澱物を吸引濾過で集め、水で洗浄した後、真空オーブンに入れて40℃で乾燥させることで所望生成物(50g、64%)を明黄褐色の固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ9.40(s、1H)、8.27(d、1H)、7.76(d、2H)、7.06(d、2H)、6.75(brs、2H)、6.72(d、1H)、6.66(s、1H)、5.98(s、1H);MS ES 328(M+H)+、計算値328、RT=1.45分。
段階3:6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N 4 −{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
6−クロロ−N4−(4−{[2−メチルピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(2.0g、6.1ミリモル)と2−アミノ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.6g、7.3ミリモル)をDMF(30mL)に入れることで生じさせた混合物にNa2CO3水溶液(2M、9.0mL)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロライド(223mg、0.3ミリモル)を加えた。その結果として得た混合物に脱気を10分間受けさせた後、それを80℃に一晩加熱した。その結果として得た混合物を室温に冷却した後、それを真空下で濃縮しそしてEtOAcに溶解させた。その結果として得た混合物を水そして食塩水で洗浄した後、その有機層をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去することで粗材料を得て、それに40Mのバイオタージを用いた精製を最初に100%のEtOAcに続いてCH2Cl2が95%でMeOH中2Nのアンモニアが5%の溶離剤を用いて受けさせることで表題の化合物をオフホワイトの固体(1340mg、57%)として得た:1H NMR(DMSO−d6):δ9.20(s、1H)、8.51(dd、1H)、8.27(d、1H)、7.81−7.88(m、3H)、7.03−7.06(m、2H)、6.72(d、1H)、6.68(dd、1H)、6.47(dd、1H)、6.33(s、1H)、6.32(s、2H)、6.23(s、2H)、2.39(s、3H)ppm;MS ES 386(M+H)+、RT=1.06分。
6−クロロ−N4−(4−{[2−メチルピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(2.0g、6.1ミリモル)と2−アミノ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.6g、7.3ミリモル)をDMF(30mL)に入れることで生じさせた混合物にNa2CO3水溶液(2M、9.0mL)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロライド(223mg、0.3ミリモル)を加えた。その結果として得た混合物に脱気を10分間受けさせた後、それを80℃に一晩加熱した。その結果として得た混合物を室温に冷却した後、それを真空下で濃縮しそしてEtOAcに溶解させた。その結果として得た混合物を水そして食塩水で洗浄した後、その有機層をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去することで粗材料を得て、それに40Mのバイオタージを用いた精製を最初に100%のEtOAcに続いてCH2Cl2が95%でMeOH中2Nのアンモニアが5%の溶離剤を用いて受けさせることで表題の化合物をオフホワイトの固体(1340mg、57%)として得た:1H NMR(DMSO−d6):δ9.20(s、1H)、8.51(dd、1H)、8.27(d、1H)、7.81−7.88(m、3H)、7.03−7.06(m、2H)、6.72(d、1H)、6.68(dd、1H)、6.47(dd、1H)、6.33(s、1H)、6.32(s、2H)、6.23(s、2H)、2.39(s、3H)ppm;MS ES 386(M+H)+、RT=1.06分。
A. 生理学的活性
本発明の化合物が示す有用性は、例えば以下に記述するインビトロ腫瘍細胞増殖検定でそれらがインビトロで示す活性などで例証可能である。インビトロ腫瘍細胞増殖検定における活性と臨床設定における抗腫瘍活性の間の関連は当技術分野で非常に良好に確立されている。例えば、インビトロ腫瘍増殖検定を用いることでタキソール(Silvestrini他、Stem Cells 1993、11(6)、528−35)、タキソテール(Bissery他、Anti Cancer Drugs 1995、6(3)、339)およびトポイソメラーゼ阻害剤(Edelman他、Cancer Chemother.Pharmacol.1996、37(5)、385−93)などの治療的有用性が立証された。
本発明の化合物が示す有用性は、例えば以下に記述するインビトロ腫瘍細胞増殖検定でそれらがインビトロで示す活性などで例証可能である。インビトロ腫瘍細胞増殖検定における活性と臨床設定における抗腫瘍活性の間の関連は当技術分野で非常に良好に確立されている。例えば、インビトロ腫瘍増殖検定を用いることでタキソール(Silvestrini他、Stem Cells 1993、11(6)、528−35)、タキソテール(Bissery他、Anti Cancer Drugs 1995、6(3)、339)およびトポイソメラーゼ阻害剤(Edelman他、Cancer Chemother.Pharmacol.1996、37(5)、385−93)などの治療的有用性が立証された。
本発明に従う化合物が示すインビトロ効果を以下の細胞増殖検定で実証することができる:
0日目に腫瘍細胞をFBSが10%のRPMI増殖用培地に集密以下の密度で接種した後、CO2含有量が5%の加湿インキュベーターに入れて37℃でインキュベートした。1日目に培養物をいろいろな濃度の6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセル[0−10μM、最終的DMSO(ジメチルスルホキサイド)濃度0.1%]で72時間処置した。Alamar Blue染色を製造業者(Trek Diagnostic Systems,Inc.、Cleveland、Ohio)のプロトコルに従って用いるか或はATP含有量をCellTiter−Glo Assay(Promega、Wisonsin、USA)を用いて測定することで細胞生存度を評価する。
0日目に腫瘍細胞をFBSが10%のRPMI増殖用培地に集密以下の密度で接種した後、CO2含有量が5%の加湿インキュベーターに入れて37℃でインキュベートした。1日目に培養物をいろいろな濃度の6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセル[0−10μM、最終的DMSO(ジメチルスルホキサイド)濃度0.1%]で72時間処置した。Alamar Blue染色を製造業者(Trek Diagnostic Systems,Inc.、Cleveland、Ohio)のプロトコルに従って用いるか或はATP含有量をCellTiter−Glo Assay(Promega、Wisonsin、USA)を用いて測定することで細胞生存度を評価する。
本発明に従う化合物が生体内で示す効果をNCI−H460 NSCLC異種移植モデルで実証することができる:
動物
メスのNcr nu/nuマウス(Taconic Farms、Germantown、NY、USA)をあらゆる生体内検定で用いた。これらのマウスをケージに入れて、Bayer CorporationのComparative Medicine Department(West Haven、CT)内で実験室動物の人道的扱いおよび世話に関するBayer IACUC、州および政府の指針に従って維持した。マウスに餌および水を随意に与えた。
メスのNcr nu/nuマウス(Taconic Farms、Germantown、NY、USA)をあらゆる生体内検定で用いた。これらのマウスをケージに入れて、Bayer CorporationのComparative Medicine Department(West Haven、CT)内で実験室動物の人道的扱いおよび世話に関するBayer IACUC、州および政府の指針に従って維持した。マウスに餌および水を随意に与えた。
化合物
6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン(ここでは化合物1と呼ぶ)を使用時まで暗所に貯蔵した。
6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン(ここでは化合物1と呼ぶ)を使用時まで暗所に貯蔵した。
臨床品質のパクリタキセル(Bristol Myers Squibb、USA)の供給を乾燥粉末として受けた。それをパッケージの挿入片に示されているようにして室温で貯蔵した。
媒体
Cremophor EL/エタノール(50:50)(Sigma Cremophor EL カタログ番号C−5135;500g、95%のエチルアルコール)をストック溶液として調製し、アルミ箔で包んだ後、室温で貯蔵した。このCremophor EL/エタノール(50:50)溶液中のパクリタキセルが最大用量の4倍(4X)になるように調製した。この4Xストック溶液を毎日新しく調製した。最終的投与用溶液の調製では、投与直前に内毒素除去(endotoxin screened)蒸留H2O(GIBCO、カタログ番号15230−147)を用いて1Xに希釈して渦巻き撹拌で混合することで調製を実施した。
Cremophor EL/エタノール(50:50)(Sigma Cremophor EL カタログ番号C−5135;500g、95%のエチルアルコール)をストック溶液として調製し、アルミ箔で包んだ後、室温で貯蔵した。このCremophor EL/エタノール(50:50)溶液中のパクリタキセルが最大用量の4倍(4X)になるように調製した。この4Xストック溶液を毎日新しく調製した。最終的投与用溶液の調製では、投与直前に内毒素除去(endotoxin screened)蒸留H2O(GIBCO、カタログ番号15230−147)を用いて1Xに希釈して渦巻き撹拌で混合することで調製を実施した。
Solutol HS15/エタノール(50:50)(BAXF Solutol HS15、95%のエチルアルコール)をストック溶液として調製し、アルミ箔で包んだ後、室温で貯蔵した。このSolutol/エタノール(50:50)溶液中の化合物1が最大用量の5倍(5X)になるように調製した。この5Xストック溶液を毎日新しく調製した。最終的投与用溶液の調製では、投与直前に0.9%の食塩水を用いて1Xに希釈して渦巻き撹拌で混合することで調製を実施した。
腫瘍株
NCI−H460ヒト非小細胞肺癌株をAmerican Type Tissue Culture Collection Repositoryから入手した。熱不活化ウシ胎仔血清(JRH Biosciences カタログ番号12106−500)を10%、L−グルタミン(GIBCO カタログ番号25030−81)を2mM、HEPES緩衝液(GIBCO カタログ番号15630−080)を10mMおよびペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO カタログ番号15140−122;5ml/50ml DMEM)を補充しておいたDMEM(GIBCO カタログ番号11995−065:500ml)を用いてNCI−H460細胞を維持しかつインビトロで継代させた。細胞を37℃のFisher Scientific 610 CO2インキュベーターに入れて5%のCO2下に維持した。
NCI−H460ヒト非小細胞肺癌株をAmerican Type Tissue Culture Collection Repositoryから入手した。熱不活化ウシ胎仔血清(JRH Biosciences カタログ番号12106−500)を10%、L−グルタミン(GIBCO カタログ番号25030−81)を2mM、HEPES緩衝液(GIBCO カタログ番号15630−080)を10mMおよびペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO カタログ番号15140−122;5ml/50ml DMEM)を補充しておいたDMEM(GIBCO カタログ番号11995−065:500ml)を用いてNCI−H460細胞を維持しかつインビトロで継代させた。細胞を37℃のFisher Scientific 610 CO2インキュベーターに入れて5%のCO2下に維持した。
腫瘍異種移植実験
インビトロ培養物にトリプシン−EDTA(GIBCO カタログ番号25200−056)を添加して2分間置いた後に細胞を遠心分離にかけて沈澱物を生じさせることで細胞を収穫しそしてそれをHBSS(GIBCO カタログ番号14025−092)に入れて最終的細胞数が5x107個の生存細胞/mlになるように再懸濁させることを通して、NCI−H460細胞を用いた検定を開始した。その細胞懸濁液を0.1mlの体積で各マウスの右横腹にs.c.注射した。実験で用いたあらゆるマウスに大きさが100から150mgの範囲の腫瘍が定着した時点であらゆる処置を開始した。マウスの一般的健康状態を監視しかつ死亡率を毎日記録した。腫瘍の寸法および体重の記録を最初の処置日から開始して周に2から3回実施した。動物をBayer IACUCの指針に従って安楽死させた。もたらす致死率が20%未満でありそして/または正味体重損失が20%未満である最大用量であるとして最大耐量(MTD)を定義する。
インビトロ培養物にトリプシン−EDTA(GIBCO カタログ番号25200−056)を添加して2分間置いた後に細胞を遠心分離にかけて沈澱物を生じさせることで細胞を収穫しそしてそれをHBSS(GIBCO カタログ番号14025−092)に入れて最終的細胞数が5x107個の生存細胞/mlになるように再懸濁させることを通して、NCI−H460細胞を用いた検定を開始した。その細胞懸濁液を0.1mlの体積で各マウスの右横腹にs.c.注射した。実験で用いたあらゆるマウスに大きさが100から150mgの範囲の腫瘍が定着した時点であらゆる処置を開始した。マウスの一般的健康状態を監視しかつ死亡率を毎日記録した。腫瘍の寸法および体重の記録を最初の処置日から開始して周に2から3回実施した。動物をBayer IACUCの指針に従って安楽死させた。もたらす致死率が20%未満でありそして/または正味体重損失が20%未満である最大用量であるとして最大耐量(MTD)を定義する。
化合物1をq4dx3のスケジュールでi.v.投与しかつパクリタキセルをq2dx5のスケジュールでi.v.投与した。両方の化合物を投与する日、化合物1を最初に投与しそしてパクリタキセルを4時間後に投与した。両方の薬剤をそれぞれのMTD(最大耐量)以下の量で投与した。式(lxw2)/2[式中、lおよびwは、各測定で得た最大寸法および最小寸法を指す]を用いて腫瘍の重量(mg)を計算した。1グループ当たり10匹のマウスにした。
結果
腫瘍の質量が3倍増する評価終点を用いて、前記薬剤の組み合わせがこれらのMTDの時に示す抗腫瘍効力を評価して、その効力を相当する単一薬剤が示した効力と対比させて表1に示す。各々の治療薬を単独で用いた時にもたらされた腫瘍増殖遅延は約8日間であった(対照グループが評価終点に到達する時間の中央値は7日でありそして化合物1およびパクリタキセルのそれは両方とも15日であった)。組み合わせ療法によってもたらされた腫瘍増殖遅延は約14日であった(組み合わせ療法グループが評価終点に到達する時間は21日であった)。如何なる処置にも致死は見られなかった。各測定日の平均腫瘍重量(平均±平均の標準誤差、SEM)を各グループ毎に表1に要約する。
腫瘍の質量が3倍増する評価終点を用いて、前記薬剤の組み合わせがこれらのMTDの時に示す抗腫瘍効力を評価して、その効力を相当する単一薬剤が示した効力と対比させて表1に示す。各々の治療薬を単独で用いた時にもたらされた腫瘍増殖遅延は約8日間であった(対照グループが評価終点に到達する時間の中央値は7日でありそして化合物1およびパクリタキセルのそれは両方とも15日であった)。組み合わせ療法によってもたらされた腫瘍増殖遅延は約14日であった(組み合わせ療法グループが評価終点に到達する時間は21日であった)。如何なる処置にも致死は見られなかった。各測定日の平均腫瘍重量(平均±平均の標準誤差、SEM)を各グループ毎に表1に要約する。
B. 製薬学的組成物に関する具体例
本発明に従う化合物を下記のようにして製薬学的製剤に加工することができる:
静脈内投与用溶液1:
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、1mgのパクリタキセル、15gのポリエチレングリコール400および250gの水を場合により15%以下のCremophor ELおよび場合により15%以下のエチルアルコールおよび場合により2当量以下の製薬学的に適切な酸、例えばクエン酸または塩酸などと一緒にしてもよい。
調製:
本発明に従う化合物を下記のようにして製薬学的製剤に加工することができる:
静脈内投与用溶液1:
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、1mgのパクリタキセル、15gのポリエチレングリコール400および250gの水を場合により15%以下のCremophor ELおよび場合により15%以下のエチルアルコールおよび場合により2当量以下の製薬学的に適切な酸、例えばクエン酸または塩酸などと一緒にしてもよい。
調製:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、1mgのパクリタキセルおよびポリエチレングリコール400を水に撹拌しながら溶解させる。この溶液を無菌濾過(孔径0.22μm)した後、熱で殺菌しておいた輸液用ボトルに無菌条件下で充填する。その輸液用ボトルをゴム製シールで密封する。
静脈内投与用溶液2:
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、1mgのパクリタキセル、食塩溶液を場合により15重量%以下のCremophor ELおよび場合により15重量%以下のエチルアルコールおよび場合により2当量以下の製薬学的に適切な酸、例えばクエン酸または塩酸などと一緒にしてもよい。
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、1mgのパクリタキセル、食塩溶液を場合により15重量%以下のCremophor ELおよび場合により15重量%以下のエチルアルコールおよび場合により2当量以下の製薬学的に適切な酸、例えばクエン酸または塩酸などと一緒にしてもよい。
調製:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンと1mgのパクリタキセルを食塩溶液に撹拌しながら溶解させる。場合により、Cremophor EL、エチルアルコールまたは酸を加えてもよい。その溶液を無菌濾過(孔径0.22μm)した後、熱で殺菌しておいた輸液用ボトルに無菌条件下で充填する。その輸液用ボトルをゴム製シールで密封する。
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンと1mgのパクリタキセルを食塩溶液に撹拌しながら溶解させる。場合により、Cremophor EL、エチルアルコールまたは酸を加えてもよい。その溶液を無菌濾過(孔径0.22μm)した後、熱で殺菌しておいた輸液用ボトルに無菌条件下で充填する。その輸液用ボトルをゴム製シールで密封する。
静脈内投与用溶液3:
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、6mgのパクリタキセル、527mgの精製Cremophor EL、1mLの溶液当たり49.7%(体積/体積)の無水エチルアルコールを0.9%の塩化ナトリウム注射液、USP;5%のデキストロース注射液、USP;5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウム注射液、USPまたはリンガー液中5%のデキストロースで希釈する。
組成:
1mgの6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン、6mgのパクリタキセル、527mgの精製Cremophor EL、1mLの溶液当たり49.7%(体積/体積)の無水エチルアルコールを0.9%の塩化ナトリウム注射液、USP;5%のデキストロース注射液、USP;5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウム注射液、USPまたはリンガー液中5%のデキストロースで希釈する。
Claims (13)
- 6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルを組み合わせることを含んで成る6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物の製造方法。
- 6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を含んで成る製薬学的組成物。
- 非経口投与に適した請求項3記載の組成物。
- 非経口投与が静脈内投与である請求項4記載の組成物。
- 精製Cremophor ELおよび無水エチルアルコールを更に含んで成る請求項3記載の組成物。
- 6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物と製薬学的に許容される担体が入っている容器および当該製薬学的組成物を患者の病気の治療で用いるための使用説明書を含んで成る包装された製薬学的組成物。
- 6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルを組み合わせそしてそれらを適切な製薬学的組成物に加工することを含んで成る6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を含んで成る製薬学的組成物の製造方法。
- 6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンおよびパクリタキセルまたは両方が入っている複数の容器を含有しかつ更に場合によりパーツで出来ているキットを患者の病気の治療で用いるための使用説明書を含有していてもよいパーツで出来ているキット。
- 患者に6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンとパクリタキセルの組み合わせ物を製薬学的に有効な量で投与することを含んで成る疾患の治療方法。
- 疾患が癌である請求項10記載の方法。
- 疾患が非小細胞肺癌である請求項11記載の方法。
- 0.9%の塩化ナトリウム注射液、USP;5%のデキストロース注射液、USP;5%のデキストロースと0.9%の塩化ナトリウム注射液、USPおよびリンガー液中5%のデキストロースから成る群より選択した注射液、精製Cremophor(商標)ELおよびエチルアルコールを投与する段階を更に含んで成る請求項10記載の方法。
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