JP2009529859A - ヒト胚盤胞からの幹細胞を増殖ための培養系および方法 - Google Patents

ヒト胚盤胞からの幹細胞を増殖ための培養系および方法 Download PDF

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Abstract

本願発明は酵素解離による単細胞懸濁液へヒト胚盤胞(hBS細胞)からの幹細胞を培養するための培養系に関する。ヒト胚盤胞からの幹(hBS)細胞を培養するための培養系は、i) 密度が50,000細胞/cm以上のヒト支持細胞、ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、および、iii) 有効な培養基、を含み、hBS細胞の重要特徴を保全しながら長期間の各連続的な継代において、単一細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離することによってhBS細胞を培養することを可能にする。

Description

本願発明は酵素解離により単細胞浮遊液へのヒト胚盤胞(hBS細胞)由来の幹細胞を繁殖するための培養系および方法に関する。
発明の背景
伝統的に,ヒトの胚盤胞由来の幹細胞(hBS細胞)は、mEF(mouse embryonic fibroblast(マウス胚線維芽細胞))の支持細胞層に保全されて、コロニー単片の転移及び手動カットによって繁殖される(ヘムセ他、国際公開第03/055992号パンフレット、Bresagen)。この伝統的培養系は、極度に労働と時間を要するが、長期間にわたって安定及び通常状態にhBS細胞株を保全出来て、したがって、少量培養のための適切な培養系であり、従来からの好適な培養方法である。しかし、この従来培養系は多くの技術的な欠点を有する。たとえば、単片においてどれくらいの細胞が転移されているかを定量化することはほとんど不可能であり、それは後の再現性および標準化に負の影響をもたらす。この従来の培養系に基づく大量生産は、ロボットおよびバイオリアクタのようなオートメーション技術の低い互換性のために制約されており、その代わりに大量の労働時間、研究所スペースおよび器材(例えば顕微鏡)が必要となる。さらに、分類された二次培養および末端分析のための、密度勾配、FACS(fluorescence automated cell sorting, 細胞分類に自動化された蛍光発光)または電磁ビーズソーティングなどによる細胞分類技術および、エレクトロポレーションまたはウィルス薬品などによる細胞トランスフェクション技術は、部分細胞または細胞群から解離された単細胞においてもっとよく実行される。
酵素解離はしたがって、時間および労働の観点からみてより効率的なhBS細胞の培養を可能にする。さらに、継代においてhBS細胞を単細胞への解離は、これらをより正確に定量化させ、hBS細胞用途の潜在的使用範囲を拡大させる多くの操作手順を容認させ、さらにオートメーション化の繁殖手順を容易にさせる。
いくつかのグループは、未遂の酵素解離を有するが、通過において単細胞懸濁液への解離によるhBS細胞の繁殖の成功例は極めて少なく、その代わりにコラゲナーゼIVなどを用いる通過に頼っている。それによって、特定のサイズのクラスタが得られる(Brimble他、Bresagen、Sjogren−Janssonおよびその他)。例えば、Sjogren−Janssonが非フィーダ培養系を継代している単細胞を回避における強化された粘着力および生存力を開示し、BrimbleおよびBresagenはおよそ10−100細胞の細胞群サイズの使用していることを発表し、生存能力(ヒトの胚幹細胞プロトコル)に負の影響を及ぼすとして継代において単細胞への解離を回避するようにさらに推奨している。なお、他のグループは、hBS細胞の酵素の解離に成功し、それが、細胞を酵素に適合させるために、hBS細胞の非常に初期の継代段階または樹立の段階において細胞を酵素に露光させるためには不可欠であることもすでに理解していた(Cowan他)。それによって、hBS細胞株だけが、最近の酵素のプロトコルに基づき樹立されたが、既存hBS細胞(伝統的に樹立して培養された)の大多数は、酵素継代、潜在的オートメーション化の大規模の繁殖及び拡張に適用できない。さらに、継代における単細胞への酵素解離の使用において、比較的低い継代比率または分割比(1:3)だけが記録されていた(Cowan他)。それはより大規模な繁殖への培養が不可能であることを意味している。
継代における単細胞への酵素解離に関する上述の技術的な問題点に加えて、繁殖されたhBS細胞の品質及び安定性の問題点も開示されている。(Draper他、Buzzard他、mltalipova, Enver他, Andrews他)
例えば、Draper、Buzzard及びMitalipovaは、12および17qの染色体獲得のような染色体異常の紹介を記載している。また、Cowanは、明確に遺伝子の不安定性を指摘し、さらに定期的な染色体分析を提案している。EnverおよびAndrewsは、培養適応の細胞株または試験管内適応の細胞株への転移を解説する。それは、ヒトの胎児性癌(EC)に似て来るか、または核型的後成変化および修正多分化能を呈している。hBS細胞の酵素繁殖の間に観察されるこれらの変化はおそらく特に個体数圧力に抵抗する細胞に賛成する選択的な培養系を原因とし、それはおよそ15−20継代で起こり始める。
したがって、上述の問題点をもたらさずに、高い分割比率、即ち継代における高い細胞増殖率でも単細胞へのhBS細胞の酵素解離を可能にする培養系の開発は望ましい。このような培養系は、本発明の課題である。
発明の概説
本願発明は、長期間、例えば20継代以上にわたって、細胞株の未分化、多能性および正常状態に影響を与えずに、各々の継代間において単細胞への酵素の解離を可能にするhBS細胞培養に非常に有効な培養環境を備える培養系を提供する。本願明細書において示された培養系の有効な環境は、単細胞継代の間の細胞により負せる選択的な圧力を補う。
本発明によって提供される培養系は、ヒトの胚盤胞由来の幹(hBS)細胞を繁殖するための培養系であり、本培養系は、
i) 密度が少なくとも50,000細胞/cmであるヒトの支持細胞、
ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、および
iii) 有効な培養ミディアム、
を含み、本培養系は、hBS細胞の重要な特徴を保全する拡張時間期間において各自の連続的な継代において単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離することによってhBS細胞を繁殖することを可能にする。
さらに、本願発明は本発明に基づく培養系におけるhBS細胞の繁殖方法を提供する。前記方法はその細胞の重要な特徴を保全しながら、hBS細胞を培養するために次のステップを含む:
i) 万能細胞株から得られたhBS細胞を培養系に適応させるために調整手順を選択的に実行し、
ii) 一つ以上の解離薬品を利用して単細胞懸濁液へhBS細胞を解離し、
iii) 密度が少なくとも50,000細胞/cmのヒト支持細胞を含む一つ以上の培養容器へ分割比が少なくとも1:4の単細胞懸濁液、たとえば分割比が少なくとも1:5の単細胞懸濁液を配分し、
iv) 通常の培養基変化において、約3日乃至約25日間にhBS細胞を培養し、
v) ステップii)をn回を繰り返し、ここでnは、少なくとも1である整数である。
従来技術で開示されたこととは対照的に、万能細胞株培養系から本発明の培養系へ移されるときに、hBS細胞はいずれの場合でも単に短い調整手順を必要とするだけである。さらに、本発明は、継代において単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを酵素解離することによって培養されるときに、得られたhBS細胞の品質及び低い安定性に関する上述の問題点を解決することにより、本願発明の方法によって本願発明の培養系において培養されるhBS細胞は、例えば、30継代以上のような20継代以上の通過において、hBS細胞の重要な特徴が保全されながら培養されることができる。
発明の詳細な説明
上記のように、本発明の主な態様は、hBS細胞の重要な特徴を失うことなく単細胞懸濁液へhBS細胞を酵素解離することによりhBS細胞の繁殖を可能にする培養系に関するものである。
本願発明に基づくhBS細胞を繁殖するための培養系は、
i) 密度が少なくとも50,000細胞/cmのヒトの支持細胞、
ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、および
iii)有効な培養基、を含み、
本培養系は、hBS細胞の重要な特徴を保全する長期間において各自の連続的な継代において単細胞懸濁液へhBS細胞群を解離することによってhBS細胞を繁殖できる。hBS細胞は、20継代以上(例えば25継代以上、又は30継代以上、又は35継代以上、又は40継代以上)に渡って本願発明に基づく培養系で繁殖され、その主な特徴を保全する。
本願発明のもう一つの態様はhBS細胞繁殖および後の解離のための培養システムであり、前記システムは支持細胞をBBS細胞から解離するために以下を含む:
i) 密度が少なくとも50,000細胞/cmのヒトの支持細胞、
ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、および、
iii) 有効な培養基、
iv) 支持細胞に混合される磁性粒子。
前記培養系の解離効率は、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%のような少なくとも50%であることが可能である。ここの解離効率は、適用される磁力によって引きつけられる支持細胞の総数のパーセンテージを意味する。
ここで使用されるように、「繁殖」という用語はhBS細胞、即ち、hBS細胞の数を拡大させるために、hBS細胞が培養されることを意味する。しかも、本願明細書に記載されている繁殖のための培養系および方法は、簡単にhBS細胞株を保全するために使われることもできる。
ここで使用されているように、用語「hBS細胞の重要な特徴」は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つの以下の特徴を表すことを目的とする:
i) 有糸核分裂抑制の支持細胞における成長時の未分化状態の繁殖能を示す。及び/又は
ii) 安定染色体核型を呈する。すなわちhBS細胞の繁殖の間に異常はない。および/または、
iii) インビトロおよびインビボの両方の胚葉の全ての種類の派生物に進化させるための可能性を保全する。および/または、
iv) OCT−4, アルカリホスファターゼ、炭水化物エピトープSSEA−3、SSEA−4、TRA 1−60、TRA 1−81および、単クローン性抗体GCTM−2によって認識されるケラチン硫酸塩/コンドロイチン硫酸塩細胞周囲マトリックスタンパク質ケリカンのタンパクコアから少なくとも二つの分子標識を呈する。または/および、
v) 分子マーカーSSEA−1または他の解離マーカーを呈しない。および/または、
vi) 免疫不全のマウスに注入される時に多分化能を保持し、生体内で形状奇形腫を形成する。および/または、
vii) 分化可能である。
これらの特徴は、実施例7および8にて説明されるように、あらゆる1−20代の継代、例えばあらゆる5−15代の継代、またはあらゆる10代の継代において一定の間隔で分析される。
出発原料:
本願発明の培養系は、hBS細胞または、本願明細書で「万能細胞株」と呼ばれているものに保全される細胞株を繁殖することに使われることが可能である。ここで使用しているように、「万能細胞株」は、継代でhBS細胞コロニーの機械解離を使用する従来の培養系において保全されるhBS細胞株の親培養菌を意味し、「万能細胞株」はまたガラス化された親培養菌も指す。
フィーダ:
支持細胞の緻密層は、hBS単細胞に十分に有効な前記システムを作るために本願発明の培養系において必要であり、クラスタのhBS細胞より、周囲環境に明らかに敏感である。したがって、本願発明に基づく培養系のヒトの支持細胞の密度は,約50,000細胞/cmから約500,000細胞/cmであり、例えば、約50,000細胞/cmから約400,000細胞/cm、約50,000細胞/cmからの約300,000細胞/cmまで、約50,000細胞/cmから約200,000細胞/cmまで、約60,000細胞/cmから約200,000細胞/cmまで、約70,000細胞/cmから約200,000細胞/cmまでである。通常、支持細胞はhBS細胞が接種される前に培養容器に約1日から約10日間、例えば、約1日から5日間、約2日から4日間接種される。選択的に、培養基はhBS細胞が接種される前に少なくとも1回、例えば少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回変化することが可能である。
本発明の培養系に用いられる適切なヒトの支持細胞は、ヒトの組織に由来することができ、または、それらはhBS細胞またはhBS細胞から由来する細胞などの試験管内で引き出されることができる。
ヒトの支持細胞が引き出されるヒトの組織は胚、胎児、新生児、少年または成体組織を含み、それは包皮、臍のコード、筋肉、肺、上皮、胎盤、卵管、腺、ストロマまたは胸部を含む皮膚に由来する組織を更に含む。ヒトの支持細胞は、ヒトの線維芽細胞株維細胞、筋細胞、ケラチン生成細胞、内皮細胞および上皮細胞からなる群に関連する細胞タイプに由来することができる。ヒトの支持細胞を誘導するために使われる特定の細胞タイプの実施例は、胚線維芽細胞、胚体外内胚葉細胞、胚体外中胚葉細胞、胎児の線維芽細胞および/または線維細胞、胎児の筋細胞、胎児の皮膚細胞、胎児の肺細胞、胎児の内皮細胞、胎児の上皮細胞、臍のコード間葉細胞、胎盤の線維芽細胞および/または線維細胞、胎盤の内皮細胞、出産後のヒトの包皮線維芽細胞および/または線維細胞、出産後の筋細胞、出産後の皮膚細胞、出産後の内皮細胞、成体皮膚線維芽細胞および/または線維細胞、成体筋細胞、成体卵管内皮細胞、成体腺子宮内膜細胞、成体間質子宮内膜細胞、成体乳ガン実質細胞、成体内皮細胞、成体上皮細胞または成体ケラチン生成細胞などを含む。
ヒトの支持細胞がhBS細胞に由来するときに、hBS細胞に由来する細胞は線維芽細胞であってもよくて、または間充織表現型を有する。
本願発明の特定の実施例において、ヒトの支持細胞は線維芽細胞であり、好ましくはヒトの新生児包皮線維芽細胞から由来する。ヒトの包皮線維芽細胞支持細胞株は、例えば、DMEM(ダルベッコの修正されたイーグルのミディアム)または、FBSまたはヒト血清のような哺乳類の血清、または血清代替物と1%のPEST(v/v)で補充されるIMDM(イスコブ改変ダルベッコ培地)などのベース培養基を含んでいる培養容器に割礼を行われた男の赤ちゃんからの皮膚サンプルを配置することによって、樹立される。培養基は好ましくはヒトの10%の(v/v)血清および1%の(v/v)PESTで補充されるIMDM(Invitrogen)である。細胞の融合性単層は、約5日から約30日後に得られる。支持細胞は、約2日から約10日間、例えば、約4日から約9日間、約5日から8日間、酵素解離に継代されてもよく、例えばTrypLE Select(商標)などの解離薬品を使用する。細胞樹立の後、フィーダはそれらの健康を確実にするためにヒト病原体の適切な選択として検査されることができる。具体的には、下記の実施例3にて説明されるように、ヒトの包皮線維芽細胞の支持細胞株が得られる。
もう一つの実施例では、本発明の培養系において使用される支持細胞は、市販の支持細胞、例えばhFF細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、CRL−2429 ATCC、Manassas、VA)または、ヒト胎児線維芽細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、CCL−110 ATCC、Manassas,VA)でもよい。
本発明において使用される支持細胞は、更に不死化または遺伝子組み替えられている。支持細胞の不死化は、培養により理論的に不特定な数へ成長する能力の獲得を意味する。そうするにはいくつかの方法があり、1つの方法は、例えばウイルス(レトロ・ウイルス)を有する細胞を転移することであり、および/または、テロメラーゼ後退転写酵素タンパク質(TERT)の発現による。TERTは大部分の細胞において不活発である。しかし、hTERTが外から発現されるときに、細胞は反復可能な老齢を避けるのに十分なテロメアの長さを保つことが可能である。
さらに、細胞タイプのうちのいずれの1つも、すなわち支持細胞またはhBS細胞は、磁力を適用することによって混合細胞集団の解離を許すために磁気的に修正されることができる。本発明の好適な実施例では、本発明において使用される支持細胞は磁気的に修正される。支持細胞の磁気修正は、細胞集団を磁性粒子に感光させることよって実行されることができる。それは、例えばエレクトロポレーション、エンドサイトーシスまたはファゴサイトーシス(fagocytosis)等のいくつかの手段によって細胞に混合されることができる。
加えて、支持細胞は、ゲノムに混合される特定の遺伝子を有する遺伝子組み替えでもよい。これらの遺伝子は、重要なマーカー、またはhBS細胞に有益な公知の生体分子例えばbFGF(基本的な線維芽細胞成長因子)のような成長因子の合成のためにコードすることができる。これらの遺伝子変更態様は、さらに支持細胞のアポトーシスを誘導することができ、それは、支持細胞の誘導除去を可能にする。
本発明の培養系において使用されるヒトの支持細胞は、成長抑制されるが、それは支持細胞が、hBS細胞より大きくなることを防ぐために比較的固定数の支持細胞を保全するためである。ヒトの支持細胞の成長不活化は、細胞を細胞分裂阻止性の薬品、例えばマイトマイシン(例えば周知の方法または、下記の実施例1および4において実行される通りによれば)で処理することによって実行される。または、ヒトの支持細胞は、細胞を例えば周知の方法に基づくと細胞周期停止を引き起こすのに十分なγ照射に当たらせることによって無機能化させてもよい。
支持細胞の成長活性化の前に、それらは支持細胞の特定細胞種類を支援する培養基で培養されることができる。支持細胞がヒト線維芽細胞であるときに、培養基はダルベッコの修正されたイーグルの媒体(DMEM)、ヒト血清またはFBSのような哺乳類の血清で補充されるイスコブ(Iscove)改変ダルベッコ培養基(IMDM)、または更にPESTで補充される血清代替物からなる群から選択されることができる。フィーダは、培養容器内において直接接種されることができるかまたは培養容器内の基質成分上へ接種されることができる。培地は、例えばFRSまたは、濃度が約5から約20%v/vまたは10%v/vのような約1から約40%v/vのヒト血清のような血清、および/または例えばペニシリンおよびストレプトマイシンのような一つ以上の抗生物質で補充されることができる。特定の実施形態において、培養基は、濃度が約0.1%から約10%v/vまで、約0.5%から約2%v/vまで、または好ましくは1%v/vのペニシリン・ストレプトマイシンで補充される。支持細胞は、比例が1:2から1:10の範囲, 1:2から1:8の範囲のような1:2から1:20の範囲における一つ以上の解離薬品を用いて、例えば、約3日から約10日間、約4日から約10日間、例えば7日ごとのように約2日から約21日間までの間隔で培養基に継代される。およそ2から10継代、例えば3から10継代の後に支持細胞は、上記の通りに成長抑制化される。
成長不活性化の後、細胞は培養容器に接種されることができ、以下のセクションに記述されるようにhBS細胞を支える培養基のなかで適切なマトリクス材料で被覆される。適切なマトリクス材料の実施例は、組み換えヒトフィブロネクチン、ヒトの胎盤細胞外マトリックスまたは組み換えヒトゼラチンのようなゼラチンを含むことができる。ゼラチンの適切な濃度は、約0.1%w/vである。支持細胞は、濃度が約50,000〜約500,000細胞/cm範囲、例えば、約60,000〜約200,000細胞/cm、または約70,000〜約100,000の細胞/cmにおいて接種される。理想的には、支持細胞は、例えば2から10継代まで、例えば3から8継代までの継代支持細胞として使われる。具体的には、支持細胞は、下記の実施例1および3にて説明されたように、培養されることができる。
本願発明の特定の実施例において、支持細胞は異種動物由来成分不含の支持細胞である。すなわち、それらは、直接または間接的に、ヒト以外の動物起源の材料(例えば細胞、組織、体液およびそれらの派生物)を投与されてない。実施例3および4は、共にヒトの包皮線維芽支持細胞の異種動物由来成分不含の細胞株の樹立および培養を記載する。
解離薬品:
本発明はhBS細胞コロニーが継代で単細胞懸濁液へ解離されることができる培養系に関するものである。ここで使用しているように、「単細胞懸濁液」は例えば本質的に10%未満の単細胞から成るhBS細胞(例えば8%未満、6%未満、4%未満、2%未満)の懸濁を意味することを目的とし、または、1%未満の細胞実体はクラスタであってもよい。残留するいかなるクラスタは細胞濾過器を用いて任意に取り除かれることができる。細胞濾過器は孔サイズ有するメッシュとして機能し、それによりクラスタが集められ、単細胞が通される。上記において言及されるように、これは単細胞状況が粗いので重要な手順であり、それは、細胞生存、生存細胞の安定性および品質に関して複雑化を意味する。
本発明の培養系に関連して使われるときに、一つ以上の解離薬品は酵素、キレート試薬または一つ以上の酵素および/または一つ以上のキレート試薬の組合せであってもよい。したがって、1つ以上の解離薬品は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つの解離薬品の組合せであってもよい。
本発明の培養系の使用に適する酵素は、タンパク質分解酵素およびコラーゲン分解酵素(例えばトリプシン、トリプシン様、ディスパーゼ、ディスパーゼ様、プロナーゼ、プロナーゼ様、コラゲナーゼ、コラゲナーゼ様およびマトリックス・メタロプロテイナーゼ)などを含むことができる。特に適切な酵素は、組み換え酵素であってもよい。
適切なキレート試薬は、二価陽イオン(例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス2アミノエチルエーテル四酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸))のキレート化剤であってもよい。
ステップii)のhBS細胞コロニーの解離において、破壊細胞から放出されるDNAによって引き起される凝集を妨げるために、1つ以上の解離薬品に加えてDNA’seが加えられることができる。
解離薬品の組合せは、特に本発明の培養系ための使用に適切である。実施例は、TrypLE(商標) Select(インビトロゲン)、Accutase(商標)(ケミコン)およびAccumax(商標)(ケミコン)である。TrypLE(商標)選択物(Select)は、組み換えトリプシン様酵素およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含み、動物成分を含まない。Accutase(商標)は、タンパク質分解作用及びコラーゲン分解作用とEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含み、非哺乳類又はバクテリア由来の構成要素を含まない。構成要素Accutase(商標)、Accumax(商標)に加えて、DNA’se作用を更に含む。
さらに、一つ以上の解離薬品またはその組合せは異種動物由来成分不含である。すなわち、それらは、直接または間接的に、ヒト以外の動物起源の材料(例えば細胞、組織、体液およびそれらの派生物)が投与されない。
培養基:
本発明の培養系の使用に適する培養基は、hBS細胞の成長に非常に有効とならなければならない。適切な培養基は、完全に周知の組成物を有する合成培地であってもよい。適切な支持培養基は、補充されたベース・メディア(例えばOMEMまたはIMDM)を含む。有効な培養基は、以下の構成要素の一つ以上により補充されることができる:哺乳類の血清、例えば、FBSまたはヒトの血清、KNOCKOUT(登録商標)血清代替物、ペニシリン、ストレプトマイシン、非必須アミノ酸、L−グルタミン、β−メルカプトエタノールおよびhrbFGF(ヒトの組み換え塩基性線維芽細胞成長因子)。
また、他の培養基も、本発明において使われることができる。この種の培養基は、塩、ビタミン、エネルギー源(例えばブドウ糖)、ミネラルおよびアミノ酸を含むことができる。培養基に加えられる適切な成長因子は、例えば、GABA、ピペコリン酸、塩化リチウムおよび形質転換成長因子β受容体(TGFβ)およびbFGFである。さらに、この種の培養基は、化学的に定められることができる。
培養基はまた、条件付きの培養基であってもよく、即ち、それはhBS細胞を繁殖するための培養基として使われる前に支持細胞(例えばヒトの支持細胞)と接触される。条件付きの培養基は因子を含み、それは支持細胞から放出されており、従ってそれはhBS細胞繁殖において無条件培養基より有効である。さらに、培養基は異種動物由来成分不含でもよい。それは、培養されたhBS細胞がいかなる医療応用及び臨床標準のために使われる場合に特に関連がある。
有効な培養基は、血清(例えばFBSまたはヒトの血清)または血清代替品(例えばKNOCKOUT(商標)血清代替物、)で補充されることができる。有効な培養基は、約1%から約40%血清、たとえば約5%から約20%血清、10%血清に補充されることができる。
有効な培養基は重要なhBS細胞特徴を保全するグループから選択される一つ以上の成長因子で補充されることができる。それはEGF(上皮細胞繁殖因子)、HGF(肝細胞成長因子)、神経栄養因子、線維芽細胞成長因子(例えば酸性FGFおよび/または塩基性線維芽細胞成長繁殖因子(bFGF))からなり、好ましくはヒト組み換え塩基性線維芽細胞成長繁殖因子(hrbFGF)である。一実施例において、有効な培養基は、適切な濃度のhrbFGFで補充される。hrbFGFの適切な濃度は、約0.5〜約1000ng/ml範囲内のhrbFGF、例えば約1から約500ng/ml範囲のhrbFGF、約2から約200ng/ml又は約4から約100ng/mlのhrbFGFである。
以下において、4つの適切な培養基が記載されている。しかし、液体状態においてhBS細胞に栄養的な成分を提供する限りその他の培養基も使用されることが可能である。すなわち、微量元素のような無機成分および、例えばアミノ酸、塩、ビタミン、エネルギー・プロバイダ、砂糖を含んでいる炭水化物などの有機成分である。
本発明で使用される1つの適切な培養基は、少なくとも4ng/mlのhrbFGFで補充されるVitroHES(商標)培養基である。
本発明で使われるもう一つの適切な培養基は、DMEMまたは他の基本培地、例えば、KNOCKOUT(登録商標)ダルベッコ変法イーグル培地、補充された20%のKNOCKOUT(登録商標)血清代替品及び各自の最終濃度における下記の成分である:50単位/mlのペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、0,1mMの非必須アミノ酸、2mMのL−グルタミン、100uMのβ−メルカプトエタノール、少なくとも4ng/mlのhrbFGF。
本発明で使われるさらにもう一つの適切な培養基(hBS細胞基)は、次のように構成される;KNOCKOUT(登録商標)ダルベッコ変法イーグル培地、補充された20%のKNOCKOUT(登録商標)血清代替品及び各自の最終濃度における下記の成分:
50単位/mlのペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、0,1mMの非必須アミノ酸、2mMのL−グルタミン、100μMのβ−メルカプトエタノール及び4ng/mlのhrbFGFにさらに補充された培養基。
本発明において使用されるのに適切なさらに別の培養基は異種動物由来成分不含の培養基であり、hBS細胞の繁殖に適している培養基を含む。1つの適切な基本培地は、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)である。しかし、他の培養基も同様に効果を有する。異種動物由来成分不含の基本培地に加えて、異種動物由来成分不含の培養基はヒトの血清、hrbFGF、L−グルタミンまたはグルタマックス(glutamax)、非必須アミノ酸、3−メルカプトエタノール、ペニシリンおよび/またはストレプトマイシンから構成される。異種動物由来成分不含の培養基のヒト血清の濃度は、好ましくは、約1%v/vから約30%v/vヒト血清、約10%v/vから約30%v/vヒト血清、約15%v/vから約25%v/vヒト血清であり、20%のv/vヒト血清がさらに好ましい。異種動物由来成分不含の培養基のヒト血清の濃度は、好ましくは約2ng/mlから約100ng/mlのhrbFGF、例えば約5ng/mlから約50ng/mlのhrbFGF、約5ng/mlから約25ng/mlのhrbFGF、例えば少なくとも4ng/mlのhrbFGFである約5ng/mlから約15ng/mlのhrbFGFである。異種動物由来成分不含の培養基のグルタマクス(Glutamax)(登録商標)は、好ましくは約0.5mMから約20mMまでであり、例えば約0.75mMから約10mMまで、約1mMから約10mMまで、約1mMから約10mMまで、例えば2mMである。異種動物由来成分不含の培養基の非必須アミノ酸の濃度は、好ましくは約0.01mMから約1mMまでであり、例えば、約0.03mMから約0.8mMまで、約0.05mMから約0.6mMまで、約0.07mMから約0.4mMまで、約0.09mMから約0.2mMまで、たとえば0.1mMである。異種動物由来成分不含の培養基におけるベータ−メルカプトエタノールの濃度は、好ましくは10μMから約200μMまで、例えば約25μMから約175μMまで、約50μMから約150μMまで、75μMから125μMまで、たとえば100μMである。異種動物由来成分不含の培養基におけるペニシリンの濃度は、好ましくは約5単位/mlから約200の単位/mlまで、例えば、約10単位/mlから約150単位/mlまでであり、約25単位/mlから100単位/ml、約25単位/mlから約75単位/mlまで、例えば50単位/mlである。異種動物由来成分不含の培養基のストレプトマイシンの濃度は好ましくは、約5μg/mlから200μg/mlまでであり、約10μg/mlから150μg/mlまで、約25μg/mlから75μg/mlまで、例えば約50μg/mlである。特定の実施例において、培養基は1−30%v/vヒト血清および2−100ng/mlのhrbFGFで補充されるDMEMである。別の実施例において、基本培地は、20%v/vヒト血清を含む。もう一つの実施例で、基本培地は、少なくとも4ng/mlのhrbFGFを含む。
上述の異種動物由来成分不含の培養基に用いられる優良なヒト血清は、我々の研究所において繰り返し生産されてきた。血液は、病院の血液センターで、多くの標準の病原体を見つけるため検査された(B型肝炎、C、HIV、HTLVおよび梅毒)。したがって、異種動物由来成分不含の培養基で使用されるヒトの血清は、好ましくは次の工程によって調合される:
1) 健康なヒトの血液を非ヘパリンの被覆袋に収集する。
2) 非ヘパリンの被覆袋を約0.5から約5時間、たとえば約0.5から約2時間揺り動かす。
3) 非ヘパリンの被覆袋を少なくとも10時間、最高で50℃の温度で培養する。
4) 凝結品質、例えば非凝固のフィブリンの欠如、液体の不透明度に基づく任意的な選択。
5) 血清を凝固された材料から解離する。
6) 血清を除菌する。
7) 少なくとも15人の提供者から血清をプールする。
8) 使用の前に血清を凍らせる。
好適な培養系:
本発明に係る好適な実施例において、培養系は、
i) 密度が少なくとも50,000細胞/cmのヒトの新生児包皮支持細胞、
ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するためのTrypLE(商標) Select、および
iii) 4ng/mlのhrbFGFに補充されるVitroHES(商標)、
を含み、hBS細胞の重要な特徴を保全すると共に、培養系は、各自の延長される連続的な継代において単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離することによってhBS細胞を繁殖可能である。
(hBS細胞の繁殖方法)
その他の重要な態様において、本発明は上記の培養系におけるhBS細胞を繁殖する方法に関連する。そして、細胞の重要な特徴を保全すると共に、h8S細胞を培養するために、方法は次のステップを含む:
i) 万能細胞株から得られたhBS細胞が培養系に適応するための調整処置を選択的に実行する。
ii) 一つ以上の解離薬品を使用して単細胞懸濁液にhBS細胞を解離する。
iii) 少なくとも密度が50000細胞/cmのヒトの支持細胞を含む一つ以上の培養容器へ、例えば1:5のような、少なくとも1:4の分割比の単細胞懸濁液を配分する。
iv) 通常の培養基において約3〜約25日間hBS細胞を培養する。
v) ステップii)からn回を繰り返し、そこにおいて、nは少なくとも1の整数である。
この方法によって提供される利点のうちの1つはhBS細胞の重要な特徴を保全しながら単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを酵素解離することによってhBS細胞の重複継代が可能になる。したがって、nは少なくとも5であり、例えば少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35または少なくとも40である。ステップii)を繰り返す前に、すなわちhBS細胞を継代させる前に、BS細胞の重要な特徴が保全されているかを調べるために、前記方法はさらに、次のステップを含む。
vi) ステップiv)において得られた細胞を分析することが可能である。
vii) hBS細胞の重要な特徴が保全される場合、ステップii)から繰り返す。
解離手順:
hBS細胞コロニーを一つ以上の解離薬品で処理することによって、ステップii)における単細胞懸濁液へのhBS細胞の解離が実行されることができる。使用された培養基を除去した後、hBS細胞コロニーはPBSで洗われることができる。それはカルシウムおよびマグネシウムにより劣化され得る。一つ以上の解離薬品がコロニーに加えられ、適切な期間内、すなわちhBS細胞がフィーダ層からかき集め始める期間まで、例えば37℃のような適切な温度により効果を発揮される。一つ以上の解離薬品が一つ以上の酵素を含む場合に、酵素活性範囲の好ましい量は約10単位/mLから約5000単位/mL、たとえば約100単位/mLから約500単位/mLである。培養の後、ピペットを有する重複粉砕が実行され、それはhBS単細胞を得るために細胞シートを粉砕する際の1つ以上の解離薬品を援助するためである。1つ以上の解離薬品の存在がステップiii)においてヒトフィーダ細胞上へ接種されるコロニーを形成するhBS細胞の性能に影響を及ぼすことがあるので、1つ以上の解離薬品の効果は、ステップiii)の前に減弱させられる。1つ以上の解離薬品の効果は、例えばhBS細胞を一つ以上の解離薬品からの解離、1つ以上の解離薬品の希弱化、1つ以上の解離薬品に一つ以上の抑制剤の追加または過度の1つ以上の解離薬品へ一つ以上の培養基を追加するための遠心解離、濾過または沈殿のような物理的な除去によって減弱させることができる。あるいは、一つ以上の解離薬品は、自動抑制ができてもよく、すなわち、それらは特定の時間の後、自身の機能を低下させる固有の能力を有してもよく、例えばAccutase(商標)およびAccumax(商標)の場合である。1つ以上の解離薬品の除去の後、hBS細胞の単一の細胞懸濁を得るために、得られたhBS単細胞は、本発明による有効な培養基の中で再懸濁される。
分割比:
上記方法のステップiii)において、単細胞懸濁液の中のhBS細胞は上記のように準備されたヒト支持細胞を含む一つ以上の培養容器の中へ分散され、すなわち、hBS細胞は、支持細胞に接種される。この接種の重要な特徴は、本方法および培養系がhBS細胞を例えば少なくとも1:4の分割比のような少なくとも1:5の分割比に分散させ、それはhBS細胞がステップii)の前に解離された面積より5倍大きいフィーダ細胞の面積上に分配されることを意味する。特定の分割比を選択するための基準は、密集度、成長率および、解離後の細胞計数および形態的点検に基づく培養容器内のhBS細胞コロニーの均質性に基づく。上記の基準、より高い分割比は安定性およびhBS細胞の品質に損害を与えることはなく、hBS細胞数の繁殖が達成可能である。適切な分割比は、約1:4または約1:5から1:5000の範囲内であり、例えば1:20から1:1000、1:50から1:500の範囲内である。ここにおいて、しばしば使用される分割比は、約1:20である。
培養:
特定の分割比でhBS細胞を接種した後に、細胞は湿っぽい空気(すなわち好ましくは約95%の湿度)の中で、約37℃の気温で、約3日〜約25日間、例えば、約4日〜約20日間、または約6日〜約12日間培養される。ステップiv)の培養期間中、培養基は1週間に約1から14回、例えば、1週間に2回から4回、1週間に3回である一定の間隔で変えられる。
調整手順:
単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを酵素解離するために、本願発明の重要な要素は、圧力と関連するhBS細胞のための大きな変化、潜在的低い粘着力および低い繁殖、自然発生の分化、さらに、潜在的な細胞死であり、それらを一つ以上の継代においてより穏やかな条件に適合させることによってhBS細胞を本願発明の培養系に適合させるのに必要である。穏やかな条件は、より小さい分割比および培養方法で定められたより長い培養時間を意味する。したがって、本発明の調整手順は、次のステップから成る:
a) 一つ以上の解離薬品を用いて単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離する。
b) 少なくとも1:3の分割比の単細胞懸濁液を密度が少なくとも50,000の細胞/cmであるヒトの支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分散させる。
c) 規則的な時間間隔で培養基を変えながらhBS細胞を約5日から約30日間、例えば約7日から約16日間、または約7日から約10日間培養する。
d) 均一な未分化のhBS細胞コロニーを得るために、任意に、ステップa)を最大5回繰り返す。均一なコロニーは、細胞密度を有するコロニーが蓄積構造のない面積にわたっていることを意味する。
ステップa)の解離およびステップc)の培養基の変化は、上記方法のステップii)およびステップiv)の解離として本質的に実行される。
本願発明によって提供される利点の1つは、必要な調整手順が(必要であれば)短く、例えば国際公開第03/055992号パンフレットによって樹立、培養されるような既存のhBS細胞株により実行されることができる。したがって、ステップd)が含まれる場合、5回以内、たとえば、4回、3回、2回以内に実行される。
本発明の好ましい実施例において、上記の培養系でhBS細胞を繁殖する方法は以下の内容を含む:
i) 以下のステップを含んでいる調整処置を実行する。
a) 一つ以上の解離薬品を用いて単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離する。
b) 少なくとも密度が50,000細胞/cmのヒト支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:3の単細胞懸濁液を配分する。
c) 一定時間ごとの培養基の変化において、約5日から約30日間、たとえば7日から16日間又は7日から10日間、hBS細胞を培養する。
d) 均一的な未分化のhBS細胞コロニーを得るために、ステップa)から多くとも5回を繰り返す。
ii) 例えば、一つ以上の解離薬品、例えば、TrypLE(商標)Selectの使用によって単細胞懸濁液へhBS細胞を解離する。
iii) 少なくとも密度が50,000細胞/cmのヒト支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:4、例えば1:5のような単細胞懸濁液を配分する。
iv) 一定時間ごとの培養基の変化において、約3日から約25日間hBS細胞を培養する。
v) この種の細胞の重要な特徴を保全すると共に、hBS細胞を繁殖するために、ステップii)から少なくとも20回を繰り返す。
解離:
本発明に基づく支持細胞およびhBS細胞の各自解離の適切な方法は、次の工程を含むことができる:
i) 接種の前に磁気的に修復された支持細胞を得るために磁性粒子に支持細胞を感光させる。
ii) 任意の培養基の変化後に、1日以上磁気的に修正された支持細胞上にhBS細胞を接種、培養する。
iii) 支持細胞の混合細胞集団およびhBS細胞を培養容器から解離し、一つ以上の解離薬品、例えばTrypLE(商標) Selectの使用により前記細胞集団を単細胞懸濁液へ解離する。そして、
iv) 磁力を用いて、支持細胞をhBS細胞から解離する。
前記方法の解離効率は、少なくとも50%であり、たとえば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%である。そこにおいて、解離効率は、印加される磁力によって引きつけられる支持細胞の総数のパーセンテージを意味する。
重要な特徴の分析:
本発明によって得られるhBS細胞がhBS細胞の重要な特徴を保全するかどうかを調べるために、セルアーティス(Cellartis)社のhBSC株SA001およびSA121は、本発明の培養系へ転移され、本発明の方法に基づいて連続的に20−40継代培養される。20継代において、hBS細胞は、完全に特徴づけられる。個々の細胞形態およびコロニー形態は、hBS細胞及びそのコロニーの通常の形態(図1)が顕微鏡的に明かして評価される。マーカー発現は、免疫組織化学/組織化学(Oct−4、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、Tra1−81、SSEA−1)(実施例7、図2および図5)を使用しているタンパク質表現レベルで分析された。染色体分析およびFISH分析によって実行された遺伝子の特徴描写は20継代以上に保全される核型を表す(実施例8、図3および図5)。多分化能は、20を超える継代(実施例9、図4および図5)の後に多能性未分化されるhBS細胞を表すSCIDマウスの奇形腫の形成によって、本発明によって得られるhBS細胞のために評価される。
本願発明によって培養されるhBS細胞の追加的特徴の実施例は、例えば異なる培養の組合せ、または支持種類および密度、解離薬品、解離薬品に対する感光時間のようなパラメータにおいて、接種される単細胞の等価数のコロニー形成分析の実行のような栄養系の生存分析であってもよい。本発明において識別される2つの重要なパラメータは以下である:
i) 形成されるコロニーの数に対して重要な解離薬品の選択、および
ii) 形成されるコロニーの未分化に関する品質に重要なシード種類の選択である。分化の等級は、形態顕微鏡によって順番に分析され、周知の未分化及び実分化マーカーに表現されるマーカー発現分析に潜在的に関連づける。
幹細胞および胚盤胞から派生した幹細胞は、酵素テロメラーゼ活性の特徴を有し、テロメラーゼPCRエリサ・キット(ロシュ)を用いて検出可能である。キットは、免疫吸収剤分析(ELISA)を連結した酵素を有する検出及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による製品の拡大によってテロメラーゼの内部活動を使用する。テロメラーゼ活性化は、QPCRで測定される。
本発明における細胞の分化状態は、特定の遺伝子のQPCRによってさらに試験される。これがどのように実行されるかは以下に記載されている:
未分化又は分化されたhBS細胞コロニーは全コロニーとして自動的に培養プレートから解離されることができて、PBSで洗浄され、−80℃で保管される。RNAは製造業者の指示に従い、例えばQiagen RNeasy Mini・キットを使用して、更に抽出されることができる。逆転写は、適切なキット、例えばRotorgene 3000(Corbett Research社)内で、Bio−Rad iScript First Strand Synthesis キットを用いて実行され(製造業者の指示に従って)、適切な条件の下でQPCRが実行される。全ての遺伝子は、同じ種類に定量化可能であり、可能であれば、いくつかのサンプルの分化状態は、遺伝マーカーに基づく個々のサンプルの算出数学的インデックスによって比較される。(より詳細なプロトコルは、国際公開第2006/094798号パンフレットに記載されている。)
本願明細書において使用される個々の構成要素、例えば支持細胞、培養基および使用前の胚盤胞、本願発明によって培養されるhBS細胞株は、ヒト免疫欠乏症ウイルスタイプ1および2、肝炎BおよびC、サイトメガロウイルス、単純疱疹ウイルスタイプ1および2、イプシュタイン−バーウイルスおよびヒト乳頭腫ウイルスのようなヒト病原体のために検査される。ヒト病原体の非存在は、hBS細胞株、分化細胞またはこの種の細胞株から由来のその他の生物材料のあらゆる臨床応用において重要である。
(本発明の更なる態様)
下に記載されている本発明の更なる態様において、上の主態様で議論される詳細および特徴は準用される。
更なる手順:
本発明によって得られたhBS細胞は、操作および/またはhBS細胞分析のために更なる工程を受ける。例えば、本発明によって得られるhBS細胞株は、分化細胞の準備のために使われることができる。さらに、発明のhBS細胞または細胞株は、凍結融解を受けることができる。特定の実施例において、本発明において得られたhBS細胞株は、凍結されることが可能で、Cellartisの国際公開第2004/098285号パンフレットによってすでに示されるガラス化方法によって融解されることも可能である。hBS細胞培養の均質性を増やすために、本発明において得られる細胞は、国際公開第2005/059116号パンフレットにて説明したように、クローン由来の対象になり得る。また、本願発明に基づいて得られたhBS細胞は国際公開第2004/099394号パンフレットにて説明したように、無支持培養系へ転換することが可能である。出願人によって他の場所で記載されているhES細胞の分化状態を判定するためのQPCR方法は、本発明で得られた例えばhBS細胞、または例えば本発明によって得られる細胞の誘導体に使用されることが可能であり、細胞分化手順に従う。このパラグラフにおいて参照される特許出願は、参照として援用される。
本発明によって可能になる継代での単細胞へのhBS細胞コロニーの解離は、既存の培養系及び方法に対していくつかの利点を提供する。以下において、本願発明によって得られるhBS細胞が特に適切のいくつかのアプリケーションは、更なる利点及び本発明によって提供される改良を強調するために概説される。
本願発明は本発明によって可能にされる大きい分割比により既存培養系及び方法と比較してhBS細胞の繁殖を容易にし、そして、既存の方法と比較してより高いhBS細胞数の繁殖度を可能にする。これは、本発明が、hBS細胞の繁殖の改善可能性を提供することを意味する。取得する単細胞懸濁液の継代における組合せおよび、本発明によって可能になる高い分割比は、hBS細胞の大量可能な生産を可能にし、さらに、自動化も可能にする。
したがって、大量可能な製造は、発明手順の完全的または部分的自動化によって成し遂げることができ、時間およびコストを抑えることが可能なhBS細胞培養系及び方法を提供する。したがって、本願発明の実施例の一つはここで開示されるhBS細胞の繁殖方法および/または培養系を用いるhBS細胞の大量製造に関連する。本発明の本実施例において使用される一つ以上の解離薬品は、TrypLE(商標) Select、Accutase(商標)およびAccumax(商標)の少なくとも一つを含むことが可能である。本願発明の別の実施例はhBS細胞の大量的製造のためのTrypLE(商標) Select、Accutase(商標)および/またはAccumax(商標)の応用である。拡大された培養系のためのhBS細胞の製造および操作は、バルク培養、例えばmultiwellプレート、多層フラスコおよびバイオリアクタ・モジュールのための新しい培養系を使用することができる。本願培養系による、multi−wellフォーマット・プレート、多層フラスコまたはバイオリアクタ・モジュールに由来するhBS細胞の調整、治療および分析は、手動選択または極微操作を不要とし、ロボット化により自動化、規模化が可能である。適切なロボットは、液体操作ステーションのような培養容器へまたは培養容器からのピペット操作を可能にするXYZ分配ヘッドに基づくことが可能で、培養容器とピペットハンドリングとの間において、ヒトの動きを模倣するロボット腕に基づくことも可能である。例えば温度、栄養分供給、pH、圧力、剪断力および酵素のようなロボット・システム環境パラメータの範囲内で最適限度の範囲内で保全されなければならない。
本発明によって得られた単細胞懸濁液の単細胞としてのhBS細胞の達成は、例えば、血球計算器、フローサイトメータ(Flowcytometer)計算器, 核酸塩計算器のような周知の細胞定量化装置および手順を使用してhBS細胞の正確な定量化を可能にする。この種の定量化は、hBS細胞が受ける手順の全タイプの標準化および改善を可能にするために重要である。
さらに、継代における単細胞としてのhBS細胞を有することは、これらが異なる細胞解離または細胞分類の公知技術を適用可能を意味し、その技術は、例えば支持細胞の残留からhBS細胞を解離するためである密度勾配メディア、クロマトグラフィに基づく抗体、または抗体がコーティングされた磁気ビーズなどである。あるいは、ステップii)において得られるhBS細胞の単細胞懸濁は、その他の選別技術を応用可能であり、その技術は、例えば非トランスフェクトhBS細胞からトランスフェクトhBS細胞を分別するためのFACS(蛍光自動化細胞選別)又は磁気ビーズ・ソート、密度勾配遠心解離、(類似性)クロマトグラフィ解離などである。
本発明において記載、生成されるhBS細胞の細胞溶液は、hBS細胞株からユニークな特徴を有するクローンを生成するために、希薄クローニングを制限するための良い原点になり得る。
しかも、更に本発明によって培養されるhBS細胞の応用を容易にするために、hBS細胞は、支持細胞から解離されることができる。以下では、他の方法に対して範囲を制限する意図のない解離方法が記載されている。
支持細胞からhBS細胞を解離する一つの潜在的方法は、1つの細胞タイプに小さい鉄粒子の編入を可能にする。この種の編入は、例えばエンドサイトーシスまたはfagocytosis、またはエレクトロポレーションによって自発的に実行されることができる。細胞は、接種の前に培養基懸濁液の鉄粒子に感光させる。鉄粒子に感光できる支持細胞は、鉄粒子に感光させる前にマイトマイシンCで処理されるかまたは代わりに有糸分裂的に抑制されるでもよい。鉄粒子は、何種類またはブランドのものでもよい。それらはさらに、Fe2+イオンまたはFe3+イオンまたはそれの混合物でも良い。本願発明の一つの実施例において、Endorem(商標)が使われる。鉄粒子は、直径が1.0ナノメートルから50ナノメートルまでの寸法を有することができ、例えば4.0から30ナノメートル、2.0から40ナノメートルの間である。鉄粒子の濃度は、0.1ug/mlから560のug/mlまでであり、具体的に、0.2ug/mlから300ug/mlまで、0.5ug/mlから100ug/mlまで、0.75ug/mlから10ug/mlまで、1.0ug/mlから3.0ug/mlまでである。細胞は、約1分乃至約48時間鉄を含む溶液に感光できるが、具体的に約20分から約12時間、約60分から約5時間、約2時間から3時間の範囲内である。磁性粒子への感光の後、支持細胞は培養容器および交換した培養基に接種される。支持細胞の接種後の少なくとも一周間に細胞層が形成および成長すると、すぐにhBS細胞の単一細胞溶液が支持細胞に接種されることが可能である。hBS細胞は、少なくとも1日間の含鉄支持細胞の培養系に保たれることができるが、具体的に少なくとも2日間、少なくとも4日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも20日間である。
前記の混合細胞集団の単細胞懸濁液の生成及び、前記細胞懸濁液を磁力への感光による解離は、更に実行されることができる。磁力は、細胞解離が行われる容器または管の寸法に合う適切な磁石から生じることができる。解離の1つの潜在的概略は、実施例13に記載されている。
本発明によって得られるhBS細胞は特に細胞トランスフェクション処理を受けることに適し、それはhBS細胞の単細胞状態がエレクトロポレーションにおいて細胞融合を回避するからであり、それにより、混合クローンを回避するとともにトランスフェクションの効率を改善する。したがって、本発明の一実施例で、遺伝子組み替えられたhBS細胞を得るために、例えば、ウィルス薬品、リポフェクタミン、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム媒介を用いて、得られたhBS細胞は細胞トランスフェクション処理を受ける。hBS細胞の遺伝子の変更態様は、リポータ遺伝子としての用途、創薬の開発分析及び実験に使われるノックインおよびノックアウトの用途、毒性試験用途、疾患モデル用途のようないくつかの応用に役立つ。
さらに、本発明で取得するhBS細胞は、マルチウエルプレート分析用に適切であり、それは取得した単細胞懸濁液がマルチウエルプレートにおいて均一に容易に配布されるからである。従ってhBS細胞の本願発明の単細胞懸濁液は、例えば異なる化合物の毒性テストを実行するためにマルチウエルプレート分析に使われることができ、または、薬剤候補の識別する創薬手順に使われることができる。
単細胞懸濁液:
本願発明は、更にhBS細胞の単一細胞懸濁に関し、上記にて説明したように、この種の細胞を培養する方法に応用される場合に、その単細胞懸濁液は、例えば、25継代以上、30継代以上、35継代以上または40継代以上のような20継代以上の間でhBS細胞の重要な特徴を存続、保全することができる。
hBS細胞株
本願発明は、更にhBS細胞株に関し、上記にて説明したように、この種の細胞を培養する方法に応用される場合に、そのhBS細胞株は、例えば、25継代以上、30継代以上、35継代以上または40継代以上のような20継代以上の間でhBS細胞の重要な特徴を存続して、保全することができる。
特定の使用のための低支持密度の単細胞解離されたhBS細胞の接種は、本発明の単細胞懸濁液を支持細胞に接種する場合に利点を有する。支持細胞は、例えば約50,000細胞/cm、約10,000細胞/cm、約15,000細胞/cm、約20,000細胞/cm、約25,000細胞/cmより低い密度に存在する。これは、例えば中間のステップに関係があり、すなわち、毒性テストのための解離応用の用途または、hBS細胞株から細胞タイプに分別され、派生のシステムに用いる前の本発明に記載されている手順の最後または最終ステップに関連する。この種の応用において、hBS細胞が支持細胞から解離されるときに、低いフィーダ密度は利点を有する。
本願発明のキット
一実施例において、本発明は本発明の培養系の一つ以上の構成要素を含む一つ以上のキットを関連づける。したがって、本発明のキットは以下の構成要素のうち一つ以上を含む。
i) 単一のhBS細胞集団
ii) hBS細胞の繁殖方法を記載しているユーザー・マニュアル。
さらに、本発明は以下を含んでいる第1の構成要素から成るキットにも関する:
i) 単一細胞集団および、少なくとも一つ(例えば少なくとも2または少なくとも3つ)の以下の構成要素、
ii) ヒトの支持細胞、
iii) 単細胞懸濁液へのhBS細胞コロニー解離のための一つ以上の解離薬品、および、
iv) 有効な培養基。
上記のキットにおいて、単細胞集団は異種動物由来成分不含のhBS細胞株に由来することができ、そして、構成要素ii)−iv)以外の一つ以上は異種動物由来成分不含でも可能である。
好ましくは、本願発明のキットの更なる構成要素は、本発明の方法のために記述される詳細及び特徴に従う解離方法を記述するユーザー・マニュアルまたは磁気でも可能である。
実施の形態
実施例1
人体包皮線維芽細胞の培養と支持細胞層としての使用
市販で入手可能なhFFsはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション,(CRL−2429 ATCC, Manassas VA)から得られ、Iscove’s DMEM(Gibco Invitrogen Corporation, ペイズリー、スコットランド;http://www.Invitrogen.com)に培養され、10%のFBS(Invitrogen)及び1%のペニシリン−ストレプトマイシンに補充される。トリプシン−EDTA(Invitrogen)を用いて、細胞は比率が1:2から1:8の間で規則的に(毎週)継代する。hFFの融合性単層はマイトマイシン−C(シグマ)(2.5時間に10μg/ml)で処理され、4ng/mlのヒト組換え塩基性線維芽細胞成長因子(hrbFGF,Invitrogen)で補充されたVitroHES(商標)培地の濃度が70,000−80,000 細胞/cmで、0.1%のゼラチン(シグマ)にコーティングされた体外受精膜皿に載せる。hFF細胞は継代4から継代12までのフィーダとして用いられる。
実施例2
人体胎児線芽細胞の培養及び支持細胞層としての使用
市販で入手可能な人体胎児線芽細胞はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション,(CCL−110 ATCC, Manassas VA)から得られ、Iscove’s DMEM(Gibco Invitrogen Corporation, ペイズリー、スコットランド;http://www.Invitrogen.com)に培養され、10%のFBS(Invitrogen)及び1%のペニシリン−ストレプトマイシンに補充される。トリプシン−EDTA(Invitrogen)を用いて、細胞は比率が1:2から1:8までの範囲内で規則的に(毎週)継代する。人体胎児線芽細胞はマイトマイシン−C(シグマ)(2.5時間に10μg/ml)で処理され、4ng/mlのヒト組換え塩基性線維芽細胞成長因子(hrbFGF,Invitrogen)で補充されたVitroHES(商標)培地の濃度が70,000−80,000細胞/cmで、0.1%ゼラチン(シグマ)にコーティングされた体外受精膜皿に載せる。hFF細胞は継代4から継代12までの、図8のフィーダとして用いられる。
実施例3
人体包皮線維芽細胞支持細胞株の樹立(例えば細胞株hFF003)
人体の包皮サンプルは割礼された8週間の少年から2Xゲンタマイシンを含む無菌IMDM(Invitrogen)の中で無菌採取された。皮膚外植体は、IMDM培地(Invitrogen)、1%のペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco Invitrogen Corporation)及び10%のヒト血清を含有する25cmの一次性組織培養フラスコ(Becton Dickinson)の中に入れられる。約10日後に、融合性単層が樹立された。細胞はTrypLE Select(商標)を用いて、連続的に継代される。増殖後に、細胞は人体病原体の標準パネル(マイコプラズマ、HIVのタイプ1と2、肝炎ウィルスのタイプBとC、サイトメガロウイルス、単純疱疹ウィルスのタイプ1と2、エプスタイン・バーウイルス、人体パイロマウイルス)すべての不面結果がテストされる。
実施例4
室内樹立した包皮線維芽細胞株由来の支持細胞層の調合液
異種動物由来成分不含の人体線維芽細胞フィーダを被覆する前に、組織培養処理されたウェルズが室温で最低1時間0.1%の組換え型人体ゼラチン(fibrogen)に覆われる。IMDMに培養された異種動物由来成分不含のhFF003の融合体単層(5継代から8継代)細胞、10%のヒト血清および1%のペニシリン−ストレプトマイシンがマイトマイシン−C(シグマ)で処理される(10μg/ml、2.5時間)。マイトマイシン−Cに処理されたフィーダは、10%(v/v)のヒト血清、1%のペニシリン・ストレプトマイシン、1%のグルタマックス(Glutamax)、0.5mmol/lのβ−メルカプトエタノール及び非本質アミノフェノ−ル酸(Gibco Invitrogen Corporation)に補充されたDMEM(上記のように)に基づく培養基の中のVIFウェルズ(ベクトン・ディッキンソン)の上に2.89cmあたり200,000細胞の比例で被覆される。内側細胞塊細胞及び、それ又はhBS細胞に由来する細胞に胚盤胞を配置する前に、培養基は、DMEMに変えられ(上記のように)、代わりに、20%(v/v)のヒト血清、4ng/mLのhrbFGF、1%のペニシリン・ストレプトマイシン、1%のグルタマックス(Glutamax)、0.5mmol/lのβ−メルカプトエタノール及び非必須1%のアミノ酸で補充される(Gibco Invitrogen社)。(実施例3にて説明したとおりの同じ培養基)
実施例5
酵素培養系へのhBSCの転送
hBS細胞株SA001、SA002、SA002.5、SA121、SA167、SA348、SA461及びSA502(Cellartis AB、Goteborg、スウェーデン、http://www.cellartis.com)が樹立され、前記(ハインズ、Noakssson)および国際公開第03/055992号パンフレットにて記述されたように特徴づけられる。この種の素材は、Cellartis ABから得られることができて、また、NIH幹細胞レジストリ(http://stemcells.nih.gov/research/registry/)を通して可能である。Cellartis ABは、二つのhBS細胞株(SA001およびSA002)及びNIHを通して可能なSA002(SA002.5)の1つのサブクローンを有する。それらのhBS細胞株は、本発明において多用された。使用する全てのhBS細胞株は承認されて、英国の幹細胞バンク運営委員会によって登録され、SA001、SA002およびSA002.5はMEXT(日本)に承認される。実験の前に、細胞株は、4ng/mlのhrbFGFで補充されるVitroHES(商標)培養基(Vitrolife AB、Kungsbacka、スウェーデン、http://www.vitrolife.com)のマイトマイシン−C抑制mEFフィーダ層上のIVF皿で保全され、カットおよび転送ツールとしてのミクロの毛細管を用いて手動で切られる。hBS細胞を従来の培養系から酵素解離へ移すために、使用された培養基は除去され、そして、培養皿はPBS(インビトロゲン)で一度洗われる。0.5mLのTrypLE(商標) Select(インビトロゲン)、Accutase(商標)(ケミコン)またはTrypsin/EDTA(インビトロゲン)はそれから各々のIVF皿に加えられる。hBS細胞はコロニーがフィーダ層からかき集め始まる範囲内で皿は37℃で温められる。細胞層は、次にピペットによる重複粉砕によって単一の細胞懸濁液に別々に壊され、遠心解離機管へ移されて、5分間400gで遠心解離機で解離される。上澄みは廃棄され、hBS細胞ペレットは新しいVitroHES(商標)培養基で再懸濁され、単細胞懸濁液は不活性化hFFの高密度フィーダ層を含むIVF皿に接種される。
実施例6
単細胞懸濁液としての継代を使用しているhBS細胞の酵素培養
酵素培養のために、hBS細胞は、高密度のhFF支持細胞及び4ng/mlのhrbFGFで補充されるVitroHES(商標)培養基からなる培養系で保全される。酵素解離は、PBS(インビトロゲン)で培養皿を洗う培養基を除去することによって始められる。0.5mLのTrypLE(商標) Select(インビトロゲン)、Accutase(商標)(ケミコン)又はTrypsin/EDTA(インビトロゲン)は、それから各々の皿に加えられる。hBS細胞はコロニーがフィーダ層からかき集め始まる範囲内で皿は37℃で温められる。細胞層は、次にピペットによる重複粉砕によって単一の細胞懸濁液に別々に壊される。その後、細胞懸濁液は遠心解離機管へ転送され、5分間400gで遠心解離機で解離された。上澄みは廃棄され、そして、hBS細胞ペレットは新しいVitroHES(商標)培養基で再懸濁された。単細胞懸濁液は、分割比の範囲が1:4又は1:5から1:500までである不活性化hFFの高密度フィーダ層を含むIVF皿に接種される。我々が新規培養系の第1継代で調整手順期間と称する期間で低い分割比が使われる。5継代以下の後にhBS細胞株は、分割比が1:20から1:500の範囲で分割される。培養系は、37℃で95%湿度の保育器で保全される。使用された培養基は、新しいVitroHES(商標)+4ng/mlのhrbFGFに2−3日ごとに取り替えられる。個々hBS細胞株の成長速度に従い、細胞は6−12日ごとに継代される。本出願を出願する時に各株SA001およびSA121は、通常核型を保全しながら20継代以上培養され、更に従来の緩慢凍結方法に基づいて、10%DMSOで補充される通常培養基の中で、凍死され、そして、解凍される。
実施例7
hBS細胞の免疫組織化学上及び組織化学上の分析
hBS細胞培養は、15分間4%のパラホルムアルデヒドにおいて固定され、0.5%のtrition溶液(シグマ−オールドリッチ)で5分間透過され、その後、PBS(インビトロゲン)中の5%FBSでブロックされる。細胞は、一晩4℃のプライマリ抗体溶液で培養される。使用するプライマリ抗体は、Oct−4、TRA−1−60、TRA−1−81、SSEA−1、SSEA−3およびSSEA−4(サンタクルーズバイオテクノロジー、サンタクルーズ、CA、http://www.southernbiotech.com)に特有である。FITC−またはCy3−共役第2の抗体(Jackson Immunoreserach Laboratories)での培養は室温で60分間実行される。細胞核はDAPI(シグマ)で対比染色剤で着色される。アルカリホスファターゼの活動は、製造業者の指示(シグマ−オールドリッチ)によるアルカリホスファターゼ活動検出キットを使用して測定される。染色は、ニコン・エクリプス TE−2000 U蛍光顕微鏡を使用して、評価され、整理される。SA001およびSA121は、20継代以上の後に、上記すべてのhBS細胞特徴を示した。
実施例8
遺伝子の特徴づけ
核型分析のために、hBS細胞は、コルセミドがある場合に培養され、ガラス・スライドの上で載置、固定、トリプシン処理される。染色体は、DAPI染色によって視覚化され、適切なフィルタおよびソフトウェアを備えている倒立顕微鏡を使用して、配列され、文書化される(CytoVision; Applied Imaging;サンタクララCA(http://www.appliedimagingcorp.com))。
蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH)分析のために、染色体12, 13, 17, 18, 21, X および Yの探測機を含んでいる市販キットは、製造業者の軽微な変更指示によって使われる。スライドは、適切なフィルタおよびソフトウェア(CytoVision)を備えている倒立顕微鏡で分析される。SA001およびSA121は、現在培養系20継代以上培養された後に通常核型を示した。FISHは、より高い継代でさえ正常であると確認された。
実施例9
生体内多分化能の分析
前に記載されている[ハインズ他]ように、多分化能は免疫不全マウス(SCID)の奇形腫形成によって評価される。手短に言えば、未分化のhBS細胞コロニーが機械的に200x200−μm単片に切られ、外科的に、重症複合免疫不全SCIDマウスの腎臓カプセルの下で配置される(C.B−17/lcrCrl−scidBR;Charles River Laboratories)。マウスは8週後に殺され、腫瘍は切除されて、4%のパラホルムアルデヒドに取り付けられる。ヘマトキシリン及び、パラフィン断片に染色したエオシンは、例えば、神経外胚葉、軟骨および腸様皮覆組織のような3つの全ての胎児胚葉に由来する分化ヒト組織の存在のために組織学的に評価された。全ての3つの胚葉は、現在の培養系で20継代以上後まで培養されるSA001およびSA121からの奇形腫の中で確認された。
実施例10
酵素継代培養系における追加的hBS細胞株の培養および特性解析
前述のhBS細胞株SA001およびSA121に加えて、さらにhBS細胞株SA167およびSA002が、上記の酵素継代培養系において成功的に転移、培養された。
酵素継代培養系で培養されるhBS細胞株の特徴は下記表において明らかにされる。
実施例11
方法の健全さ、再現性及び適用性
hBSC株の酵素培養のための発明方法の大きな利点は、幾つかのhBSC株が安定、頑丈であり、再生が容易であることが判明した。7つの異なるhBSC株は、方法の評価および樹立のために繰り返し使われた。その上、次の培養方法へのhBS細胞株樹立のための発明調整手順は、異なるいくつかのhBS細胞株に安定、急速であることが判明した。各株のために作られた設立回数は、括弧内に示され、SA001 (6)、SA002 (5)、SA002.5 (>3)、SA167 (3)、SA348 (>4)、SA461 (>10)およびSA502 (2)である。本発明に従う連続樹立は、工業細胞培養製品におけるhBS細胞株の大規模培養のために作られる。
実施例12
コロニー形成分析
酵素継代および培養系の支えとなる潜在能力を試験するために、伝統的に培養されたhBS細胞(機械的継代を用いるmEFs上で)は、TrypLE(商標) Select、Accutase(商標)またはTrypsin−EDTAの何れかを用いて単細胞に解離される。hBS細胞は希釈され、hFFsまたはmEFsのどちらかの上に、密度がおよそ350および700hBS細胞/cmになるように新規なIVF皿に接種される。
培養基は、2−3日ごとに変更される。ほぼ1週後で、培養基は取り外され、細胞は、製造業者の明細書(シグマ−オールドリッチ)に基づくアルカリホスファターゼ染色が続く1x PBS(Gibco、invitorgen)によって洗われた。全ての4つの試験グループから得られたhBS細胞コロニーの数は計数された。未分化のhBS細胞コロニー数の半定量的評価のために、倒立顕微鏡において視覚的に検査され、コロニーの50%以上が未分化の場合に、コロニーは陽性記録である。実験は、二重に実行され、3回を繰り返した。hBS細胞株SA002.5は、これらの実験に使用された。
どの酵素が使用されたかに関係なく、hFFs上のコロニーのほぼ90%は未分化として選別された(図6を参照)。Accutase(商標) 191で処理されるそのうちの200評価コロニーが、未分化として判断された。比較するために、解離されたhBS細胞がmEFsで平板培養される場合に、良いコロニーの数かなり減少された。コロニーの約60%だけが未分化として類別された(図6)。質的な違いは、試験される両方の希薄物において同様だった。このように、フィーダとしてのhFFsおよび解離のためのTrypLE(商標) Selectを使用することは、未分化、多能性hBS細胞のクローンの生存を容易にするために最も有利な組合せである。
実施例13
hBS細胞からhFFを解離するための磁性粒子の応用
細胞増殖を抑制するために、融合性hFF細胞を有する1つのT−75フラスコが、2−3時間マイトマイシン Cで処理される。マイトマイシン C処理の後、hFFsは、それらが1X トリプシン−EDTA又は1X TrypLE(商標) Selectを使用することによって単細胞に解離された後に1X PBSで数回洗浄される。細胞約数は、血球計算器において計数され、そして、細胞は適当な濃度に希釈された。磁性粒子(Endorem(商標))の異なる濃度が試験されることになっている場合に、細胞懸濁液は異なる管に分けられ、そして、磁性粒子の異なる量は、それから管に加えられた。懸濁液がゼラチン被覆IVF皿(ファルカン)に平板培養される前に、hFFsおよび磁性粒子はそれから管に混合される。IVF皿に約200,000hFF細胞が接種された。
試験されたEndorem(商標)の濃度は、200,000細胞以上に対して5.6ugから560のugまでの範囲であり、それは、2.8ug/mlから280ug/mlまでと一致する。
接種後の1−2日後に100%培養基変化が実行され、それは、解放された鉄分子または非取り込み鉄分子の大多数を取り除いた。培養基変化のほぼ24時間後に、hBS細胞は、hFFフィーダ細胞を有するプレートに加えられた。
磁石上でhFFsを集めるために、細胞は、1x PBSで一度すすがれ、トリプシン−EDTA又は1x TrypLE(商標) Selectによって単細胞に解離された。細胞懸濁液は、それからエッペンドルフ管へ転送され、磁石と近いところに配置された。細胞は、数分間磁石に付着し、そして、残留する溶液は、それから管から除去された。その後、チューブは磁石から取り外され、そして、適切な培養基または1x PBSがチューブに加えられ、溶液を含んでいるフィーダ細胞は、細胞計算、解離効率の確認のために再懸濁された。
hFFsの少なくとも90%は、磁石に引っかけられ(90%解離効率)(図7を参照)、異なる濃度に関係なく試験される。酵素で継代培養されたhBS細胞が磁気hFFs上へ接種されるときに、hBS細胞は付着して、増殖して、細胞コロニーを形成する(データは示されてない)。
(参考文献)
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・ アンドリュース PW他。胚幹(ES)細胞及び胎児性癌(EC)細胞:同じコインの反対側。Biochem Soc Trans. 2005年12月; 33(Pt 6):1526−30 論評
hFFsおよび酵素(TrypLE Select(商標))を使用して単細胞として培養、継代されたhBS細胞コロニーの形態を示す。 a)第1の酵素解離後の適応hBS細胞コロニー b)早期調整時(新培養系の第1継代)に観察される異種の細胞集団面積 c)クラスタ・サイズ(すなわち酵素継代期の単細胞) d)hFFs上のhBS細胞の単細胞懸濁液 e)酵素解離の2日後の本培養系に適合したhBS細胞 f)適合したhBS細胞コロニー g)同種のhBS細胞コロニー(右上と) h)hBS細胞コロニー有する培養ウェルの全体図、スケール・バー50μm(c)、100μm(a,b,g)、200μm(d)、250μm(e,f)、1.66mm(h) 以下の図において、記号「SA001 TrypLe」は、Cellartisの細胞株SA001からのhBS細胞を意味し、TrypLE Select(商標)を使用して培養され、「SA002 TE」は、同じ細胞株からのhBS細胞を意味し、代わりにトリプシン EDTAを使用して培養される。TrypLE Select(商標)およびトリプシン EDTAを使用して20以上の酵素継代した後のSA001の免疫組織化学染色:Oct−4(a)、TRA−1−81(c)、SSEA−4(e)及びアルカリホスファターゼ(g)のために染色されたSA001 TrypLe。Oct−4(b)、TRA−1−81(d)、SSEA−4(f)およびアルカリホスファターゼ(h)のために染色されたSA001 TE。スケール・バー100μm(a−g)。スケール・バー250μm(g)。 TrypLE Select(商標)を用いて、25継代後のSA001の核型およびFISH(蛍光インシトゥハイブリデーション法)(a)SA001 TrypLEからの染色体は正常2倍体である。本図面は代表的な核型を示す。細胞が染色体X(青)、Y(金)、13(赤)、18(青)および21(緑)のためのXYおよび正常2倍体であることが証明された(b)SA001 TrypLE(c)およびSA001 TE(d)から選択された染色体のSA001 TE、正常2倍体(c,d) FISH分析。 SA001の生体内多分化能分析。TrypLE Select(商標)およびトリプシン−EDTAを用いて20以上の継代後の奇形腫。27継代後のSA001 TrypLE(商標)(a,c,e)および22継代後のSA001TE(b,d,f)からの奇形腫の組織学的分析。(a,b)神経外胚葉(外胚葉)、(c,d)軟骨(中胚葉)、(e,f)腺上皮(内胚葉)スケール・バー25μm(a,c,e)と50μm(b,d,f) TrypLE Select(商標)を用いて、20酵素単細胞継代後のSA121の特性分析。(a)Oct−4免疫組織化学的染色、(b)TRA−1−60、(c)SSEA−3、(d)SSEA−4、(e)アルカリ性のリン酸塩、(f)20単細胞酵素継代後のSA121 TrypLEの正常2倍体核型、(g−i):23継代後のSA121から由来の奇形腫(g)、神経外胚葉(外胚葉)(h)、軟骨(中胚葉)、(i)、腺上皮(内胚葉)、スケール・バー:a−e:100μm;g−i:50μm。 TrypLE Select(商標)伴う単細胞酵素継代はクロ−ン生存を増強させる。細胞がTrypLE Select(商標)処理後のhFFsに転移されるとき、細胞群体の数量がトリプシン−EDTA奇形腫(p=00.1)と比較して3倍に増加する。もし、解離されたhBS細胞がhFFsの上に被覆される場合は、mEFs上に被覆される場合と比べてより取得する良い細胞群体数が著しく増大された(p=0.2)。この統計デ−タは平均値の標準誤差(n=3)として存在する。 一週間後の培養液中のhFF細胞。(A)は磁石上に付着されたhFFs細胞群体を示す、(B)は浮遊液に残っている少量残留hFF細胞を示す。 人体胎児線芽細胞上で実施されたTrypLE Select(商標)を有する単細胞酵素継代。(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection), CCL−110 ATCC, Manassas, VA)。

Claims (61)

  1. ヒトの胚盤胞から幹(hBS)細胞を培養する培養系は、
    i) 密度が50,000細胞/cm以上のヒト支持細胞、
    ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、および
    iii) 有効な培養基、を含み、
    hBS細胞の重要特徴を保全しながら長期間の各連続的な継代において、単一細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離することによってhBS細胞を培養できる培養系。
  2. ヒト支持細胞の密度が約50,000乃至約500,000細胞/cmまでの範囲、例えば、約50,000乃至約400,000細胞/cm、約50,000乃至約300,000細胞/cm、約50,000乃至約200,000細胞/cm、60,000乃至約200,000細胞/cm、70,000乃至約200,000細胞/cmである、請求項1に記載の培養系。
  3. ヒト支持細胞がヒト組織に由来する、請求項1または2のいずれかに記載の培養系。
  4. ヒト組織が胚、胎児、新生児、少年又は成体組織から由来する、請求項3に記載の培養系。
  5. ヒト組織が包皮、臍の緒、筋肉、肺、上皮、胎盤、卵管、腺、ストロマまたは乳房を含む皮膚に由来する、請求項3または4のいずれかに記載の培養系。
  6. ヒト支持細胞が例えば、hBS細胞またはhBS細胞由来の細胞から試験管に誘導される、請求項1−5のいずれかに記載の培養系。
  7. ヒト支持細胞がヒト線維芽細胞株維細胞、筋細胞、ケラチン生成細胞、内皮細胞および上皮細胞からなる群に属する細胞型に由来する、請求項1−6のいずれかに記載の培養系。
  8. ヒト支持細胞が線維芽細胞である、請求項1−7のいずれかに記載の培養系。
  9. 支持細胞がヒトの新生児包皮線維芽細胞に由来する、請求項8に記載の培養系。
  10. hBS細胞に由来する細胞が線維芽細胞であるかまたは間葉表現型を有する、請求項6に記載の培養系。
  11. 支持細胞が、胚線維芽細胞、胚体外内胚葉細胞、胚体外中胚葉細胞、胎児線維芽細胞および/または胎児皮膚細胞、胎児肺細胞、胎児内皮細胞、胎児上皮細胞、臍の緒間充織細胞、胎盤線維芽細胞および/または線維細胞、胎盤内皮細胞、出産後のヒト包皮線維芽細胞および/または線維細胞、出産後の筋細胞、出産後の皮膚細胞、出産後のヒト包皮線維芽細胞および/または線維細胞、出産後の筋細胞、出産後の皮膚細胞、出産後の内皮細胞、成人皮膚線維芽細胞及び/または線維細胞、成人筋細胞、成人卵管内皮細胞、成人腺子宮内膜細胞、成ヒト質子宮内膜細胞、成人乳ガン実質細胞、成人内皮細胞、成人上皮細胞または成体ケラチン生成細胞に由来する、請求項1−10のいずれかに記載の培養系。
  12. ヒト支持細胞が成長不活性化された請求項1−11のいずれかに記載の培養系。
  13. ヒト支持細胞がマイトマイシン処理によって成長不活性化された請求項12に記載の培養系。
  14. ヒト支持細胞が放射によって成長不活性化された請求項12に記載の培養系。
  15. hBS細胞の接種から、1日乃至10日、例えば1日乃至5日、2日乃至4日の前に支持細胞が接種される請求項1−14のいずれかに記載の培養系。
  16. hBS細胞の接種前に、培養基が1回以上、例えば2回以上、3回以上、4回以上または5回以上変わる請求項15に記載の培養系。
  17. 一つ以上の解離薬品が酵素である請求項1−16のいずれかに記載の培養系。
  18. 前記酵素がタンパク質分解酵素である請求項17に記載の培養系。
  19. 前記酵素がコラーゲン分解酵素である請求項17または18のいずれかに記載の培養系。
  20. 酵素がトリプシン、トリプシン様、ディスパーゼ、ディスパーゼ様、プロナーゼ、プロナーゼ様、コラゲナーゼ、コラゲナーゼ様およびマトリックス・メタロプロテイナーゼからなる群から選択される請求項17−19のいずれかに記載の培養系。
  21. 酵素が組み換え酵素である請求項17−20のいずれかに記載の培養系。
  22. 一つ以上の解離薬品がキレート剤である請求項1−21のいずれかに記載の培養系。
  23. キレート剤が二価陽イオンのキレート化剤である請求項22に記載の培養系。
  24. キレート剤がEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス2アミノエチルエーテル四酢酸)およびHEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸)からなる群から選択される請求項22または23のいずれかに記載の培養系。
  25. 前記解離薬品が二つ以上、例えば三つ以上、四つ以上、五つ以上の解離薬品の組合せである請求項1−24のいずれかに記載の培養系。
  26. 前記解離薬品の組合せが一つ以上の酵素および一つ以上のキレート剤を含む請求項25に記載の培養系。
  27. 前記解離薬品の組合せが異種動物由来成分不含である請求項25または26のいずれかに記載の培養系。
  28. 解離薬品の組合せがTrypLE(商標) Select、Accutase(商標)、Accumax(商標)から成る市販の組合せの群から選択される請求項25−27のいずれかに記載の培養系。
  29. 有効な培養基がDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)およびIMDM(イスコブ改変ダルベッコ培地)からなる群から選択される請求項1−28のいずれかに記載の培養系。
  30. 有効な培養基が、約0.5乃至約1000ng/mlのhrbFGF、例えば約1乃至約500ng/mlのhrbFGF、約2乃至約200ng/mlのhrbFGF又は約4乃至約100ng/mlのhrbFGFに補充される請求項1−29のいずれかに記載の培養系。
  31. 前記培養基が約1乃至約40%の血清、例えば約5乃至約20%の血清、約10%の血清に補充される請求項1−30のいずれかに記載の培養系。
  32. 前記血清がFBSまたはヒト血清である請求項31に記載の培養系。
  33. 培養系は、
    i) 密度が少なくとも70,000細胞/cmのヒト新生児包皮支持細胞、
    ii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するためのTrypLE(商標) Select、
    iii) 少なくとも4ng/mlのhrbFGFの有効な培養基で補充されるVitroHES(商標)、を含み、
    hBS細胞の重要特徴を保全しながら長期間の各連続的な継代において、単一細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離することによってhBS細胞を培養することを可能にする請求項1−32のいずれかに記載の培養系。
  34. 請求項1−33のいずれかに定義される培養系においてhBS細胞を培養する方法は、細胞の重要特徴を保全しながらhBS細胞を培養するために、
    i) 万能細胞株から得られたhBS細胞を培養系に適合させるために任意に調整手順を実行し、
    ii) 一つ以上の解離薬品を利用して単一細胞懸濁液へhBS細胞を解離し、
    iii) 密度が少なくとも50,000細胞/cmの支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:4の単細胞懸濁液を分配し、
    iv) 通常培養基変化において約3日乃至25日間hBS細胞を培養させ、
    v) ステップii)からn回を繰り返し、nは1以上の整数である、前記ステップを含むhBS細胞を培養する方法。
  35. 培養方法が、さらに
    vi) hBS細胞の重要特徴が保全されるかどうか確認するためにステップiv)において得られる細胞を分析し、
    vii) hBS細胞の重要な特徴が保全される場合、ステップii)から繰り返し実行する請求項34に記載の培養方法。
  36. nが例えば少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35または少なくとも40のように、少なくとも5である請求項34または35のいずれかに記載の培養方法。
  37. ステップii)の単一細胞懸濁液へのhBS細胞コロニーの解離は、hBS細胞コロニーを一つ以上の解離薬品で処理することによって実行される請求項34−36のいずれかに記載の方法。
  38. 一つ以上の解離薬品の効力がステップiii)の前に軽減される請求項34−37のいずれかに記載の方法。
  39. 一つ以上の解離薬品の物理的な除去、一つ以上の解離薬品の薄弱化、一つ以上の解離薬品の一つ以上の抑制剤の追加、過度の一つ以上の解離薬品に一つ以上の培養基の追加または一つ以上解離薬品の固有の自動抑制によって、一つ以上の解離薬品の効果を減弱させる請求項38に記載の方法。
  40. 分割比が約1:4乃至約1:5000の間、例えば約1:20の乃至約1:1000、約1:50の乃至約1:500の範囲内である請求項34−39のいずれかに記載の方法。
  41. 分割比が1:20である請求項40に記載の方法。
  42. ステップiii)において得られたhBS細胞が約3日乃至約25日間、例えば約4日乃至20日間、6日乃至12日間培養される請求項34−41のいずれかに記載の方法。
  43. ステップiv)の培養基の変化が一週間に約1回乃至約14回、例えば約2回乃至約6回、約2回乃至約4回、約3回行われる請求項34−42のいずれかに記載の方法。
  44. 前記調整手順が、
    a) 一つ以上の解離薬品を用いて単一細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離し、
    b) 密度が少なくとも50,000細胞/cmの支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:3の単細胞懸濁液を分配し、
    c) 通常時間間隔の培養基変化において約5日乃至30日間hBS細胞を培養させ、
    d) 均一な未分化のhBS細胞コロニーを得るために、任意に、多くとも5回ステップa)から繰り返す、ステップを含む請求項34−43のいずれかに記載の方法。
  45. ステップc)において得られたhBS細胞が約5日から約30日間、たとえば約7日から約16日間、約7日から約10日間培養される請求項44に記載の方法。
  46. ステップd)が含まれる請求項44または45のいずれかに記載の方法。
  47. ステップa)からの繰り返しを多くて5回、例えば多くて4回、多くて3回、多くて2回実行される請求項46に記載の方法。
  48. ステップc)の培養基の変更が一週間に約1回から14回、例えば一週間に約2回から6回、一週間に約2回から4回、週約3回実行される請求項44−47のいずれかに記載の方法。
  49. 細胞の重要特徴を保全しながらhBS細胞を培養するために、前記方法が、
    i) a)一つ以上の解離薬品を用いて単一細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離し、b)密度が少なくとも50,000細胞/cmの支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:3の単細胞懸濁液を分配し、c)通常時間間隔の培養基変化において約5日乃至30日間、例えば約7日乃至16日または約7日乃至10日hBS細胞を培養させ、d)均一な未分化のhBS細胞コロニーを得るために、任意に、多くとも5回ステップa)から繰り返す、ステップを含む適応手順を実行し、
    ii) 一つ以上の解離薬品、例えばTrypLE(商標) Selectの使用によって単一細胞懸濁液へhBS細胞を解離し、
    iii) 密度が少なくとも50,000細胞/cmの支持細胞を含む一つ以上の培養容器に分割比が少なくとも1:4の単細胞懸濁液を分配し、
    iv) 通常培養基変更において約3日乃至25日間hBS細胞を培養させ、
    v) ステップii)から少なくとも20回を繰り返す、ステップを含む請求項34−48のいずれかに記載の方法。
  50. 請求項34−49のいずれかに記載のこの種の細胞を培養するための方法において、10%未満の細胞、例えば5%未満の細胞、2%未満の細胞、1%未満の細胞が細胞群として現れ、20継代以上、例えば25継代以上、30継代以上、35継代以上、40継代以上において細胞の重要特徴を存続及び保全するhBS細胞の単細胞懸濁液。
  51. 請求項34−49のいずれかに記載のこの種の細胞を培養するための方法において、10%未満の細胞、例えば5%未満の細胞、2%未満の細胞、1%未満の細胞が細胞群として現れ、20継代以上、例えば25継代以上、30継代以上、35継代以上、40継代以上において細胞の重要特徴を存続及び保全するhBS細胞の異種動物由来成分不含単細胞懸濁液。
  52. 請求項34−49のいずれかに記載のこの種の細胞を培養するための方法において、20継代以上、例えば25継代以上、30継代以上、35継代以上、40継代以上においてhBS細胞の重要特徴を存続及び保全することができるhBS細胞からの改良細胞株。
  53. hBS細胞の大規模生産のための、請求項1−33のいずれかにおいて定義した培養系の応用。
  54. 一つ以上の解離薬品がTrypLE(商標) Select、Accutase(商標)、Accumax(商標)の少なくとも一つを含む請求項53に記載の培養系の使用。
  55. hBS細胞の大規模な生産のための、請求項34−49のいずれかに記載の方法の応用。
  56. 一つ以上の解離薬品がTrypLE(商標) Select、Accutase(商標)、Accumax(商標)の少なくとも一つを含む請求項55に記載の方法の応用。
  57. hBS細胞の大規模な生産のための、TrypLE(商標) Select、Accutase(商標)、Accumax(商標)のようなタンパク質分解酵素の使用。
  58. 構成要素である、
    i) 請求項34−49のいずれかに記載の方法によって入手できる単一hBS細胞集団、
    ii) hBS細胞の培養方法を記載しているユーザー・マニュアルを少なくとも一つ、例えば少なくとも二つを含むキット。
  59. hBS細胞の培養方法が請求項34−49のいずれかにおいて定義されたとおりである請求項58に記載のキット。
  60. 第1の構成要素として、
    i) 請求項34−49のいずれかに記載の方法によって入手できる単一hBS細胞集団および、二つ以上または三つ以上の下記の構成要素、
    ii) ヒト支持細胞、
    iii) 単細胞懸濁液へhBS細胞コロニーを解離するための一つ以上の解離薬品、及び、
    iv) 有効な培養基、
    ii)−iv) 請求項2−33のいずれかにおいて定義したとおりである、構成要素を含むキット。
  61. 単細胞集団が異種動物由来成分不含のhBS細胞株に由来し、その他の構成要素ii)−iv)の何れの一つ以上が異種動物由来成分不含である請求項58−60の何れかに記載のキット。
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