JP2009529166A - 呼吸器疾患のコンピュータモデリングのための装置および方法 - Google Patents

呼吸器疾患のコンピュータモデリングのための装置および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳類の呼吸器系コンピュータモデルを開発するための新規な方法を包含する。それらのモデルは、特に、呼吸器系の狭窄とともに、呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの表現を含む。本発明はまた、呼吸器系のコンピュータモデル、呼吸器系をシミュレートする方法、および呼吸器系をシミュレートするコンピュータシステムを包含する。上記哺乳類の呼吸器系モデルを開発する方法は、呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;各生物学的プロセスを数学的に表現して、呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの1つ以上の動的表現、および該呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの1つ以上の表現を生成する工程と;生物学的プロセスの表現を組み合わせて該呼吸器系モデルを形成する工程と、を包含する。

Description

I.関連出願への相互参照
本願は、2006年3月3日に出願された米国仮特許出願第60/779,240号の利益を主張し、この仮出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
II.序文
A.発明の分野
本発明は、一般に、哺乳類の呼吸器系をシミュレートする分野に関する。
B.発明の背景
2003年当時には、2千万人のアメリカ人が喘息にかかっており、それによって成人の労働日数が推計で2千450万日分失われると推定された。喘息の年間直接医療費は、およそ115億ドルであり;間接費(例えば、生産性の損失)がさらに46億ドルかかるため、合計で161億ドルとなる。喘息を治すことはできないが、一般に、肺気道を広げ、炎症を治療する処方薬を服用することで対処することができる。喘息の治療には、抗炎症剤、および気管支拡張剤の2種類の薬が用いられてきた。抗炎症薬は、気管支炎症の発達を妨げ、予防作用を有する。これらはまた、気道で進行中の炎症反応を改善または抑止することができる。これらの薬剤には、コルチコステロイド、クロモグリク酸ナトリウム、および他の抗炎症化合物が含まれる。最近では、気道炎症に関与するロイコトリエンと呼ばれる化学物質の活性を阻止することで異なる作用をするロイコトリエン修飾薬として知られる新種の抗炎症薬が市販されている。
現在治療不可能であるか、または少なくとも効果的かつ著しく有害な副作用がない治療法が存在しない呼吸器および肺疾患を治療する新規かつ効果的な療法に対する明確な要望が存在する。呼吸困難、喘息、気管支収縮、肺炎症、および界面活性剤アレルギー、枯渇、もしくは分泌不全等を含む、呼吸路、より特定的には、肺および肺気道を苦しめる疾患等の場合がそうである。さらに、予防的および治療的用途に用いられ、必要とする活性薬剤の量が少ないことで、より安価で、かつ有害な副作用を生じ難くする治療法が絶対的に必要とされている。
C.発明の要旨
本発明の1つの局面は、哺乳類の呼吸器系モデルを開発する方法であって、上記方法は、(a)上記呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;(b)上記呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;(c)各生物学的プロセスを数学的に表現して、上記呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの1つ以上の動的表現、および上記呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの1つ以上の表現を生成する工程と;(d)上記生物学的プロセスの表現を組み合わせて上記呼吸器系モデルを形成する工程と、を包含する、方法を提供する。上記呼吸器系モデルは、上記呼吸器系のコンピュータモデルであることが好ましい。上記呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスは、浮腫に関連する生物学的プロセス、および粘液に関連する生物学的プロセスを含むがこれらに限定されない。浮腫に関連する生物学的プロセスは、上皮剥離、血管透過性、および/または炎症仲介物質に反応するようにできる。粘液分泌に関連する生物学的プロセスは、上皮剥離、血管透過性、粘液分泌、および/または炎症仲介物質に反応するようにできる。
本発明の特定の実施態様では、上記呼吸器系モデルを開発する方法は、上記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程;および生体力学的リモデリングに関連する各生物学的プロセスを数学的に表現し、生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスの1つ以上の表現を生成する工程をさらに包含する。上記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスは、組織過形成に関連する生物学的プロセス、気道コンプライアンスに関連する生物学的プロセス、または組織コンプライアンスに関連する生物学的プロセスとすることができる。
本発明のさらに他の局面は、哺乳類の呼吸器系コンピュータモデルであって、上記呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現と;上記呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現と;上記モデルを形成するための上記生物学的プロセスの表現間の数学的関係の組とを含む、コンピュータモデルを提供する。任意に、上記コンピュータモデルは、上記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現を含むようにすることもできる。
本発明の他の局面は、プロセッサによる実行時に上記プロセッサに哺乳類の呼吸器系をシミュレートさせるコンピュータで読取可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体であって、さらに、上記命令は、(a) 上記哺乳類の呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程であって、少なくとも1つの表現が他の生物学的プロセスに応じて変化する工程と;(b) 上記哺乳類の呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;(c) 上記生物学的プロセスの表現間の数学的関係の組を定義して上記呼吸器系モデルを形成する工程とを含む、媒体を提供する。上記命令は、上記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する1つ以上の生物学的プロセス数学的に表現する工程をさらに含んでもよい。あるいは、またはさらに、上記命令は、上記数学的表現の1つ以上に関連する1つ以上のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け付ける工程をさらに含んでもよい。本発明のある実施態様では、上記命令は、上記呼吸器系モデルに擬似プロトコルを適用する工程も含んでもよい。例示的な擬似プロトコルとしては、治療計画、診断手順、時間の経過、環境有害物質に対する曝露、および運動が挙げられるがこれらに限定されない。他の実施態様では、上記命令は、1人以上の擬似患者を定義する工程を含むようにすることができる。
本発明の1つの局面は、哺乳類の呼吸器系をシミュレートする方法であって、上記方法は、呼吸器系のコンピュータモデルを実行する工程を包含する、方法を提供する。呼吸器系をシミュレートする方法は、上記コンピュータモデルに擬似プロトコルを適用して、上記生体系の表現型を表す一組の出力を生成する工程をさらに包含することができる。上記表現型は、正常状態または病的状態を表すことができる。特定の実施態様では、上記方法は、上記コンピュータモデルを実行する前に、1つ以上の数学的表現に関連する1つ以上のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け付ける工程をさらに含むことができる。上記ユーザ入力は、擬似患者の定義または擬似プロトコルの定義を含むことが好ましい。
本発明のさらに他の局面は、(a)プロセッサによる実行時に上記プロセッサに哺乳類の呼吸器系をシミュレートさせるコンピュータで読取可能な命令を格納したプロセッサと;(b)第1のユーザ端末であって、上記コンピュータで読取可能な命令により定義される1つ以上の数学的表現に関連する1つ以上のパラメータを指定するユーザ入力を受信するように動作可能な第1のユーザ端末と;(c)第2のユーザ端末であって、上記一組の出力を第2のユーザに与えるように動作可能な第2のユーザ端末とを備えたシステムを提供する。上記命令は、(i)上記哺乳類の呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;(ii)上記哺乳類の呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;(iii)上記閉塞に関連する生物学的プロセスの表現と狭窄に関連する生物学的プロセスの表現間の数学的関係の組を定義する工程と;(iv)上記数学的関係の組に擬似プロトコルを適用して一組の出力を生成する工程とを含む。
当業者は、上記に要旨を示した実施態様を任意の適切な組み合わせで用いて上記では明示的に記載していない実施態様を作成可能であること、およびそのような実施態様を本発明の一部とみなすことを理解する。
IV.詳細な説明
A.概要
本発明は、哺乳類の呼吸器系コンピュータモデルを開発する新規な方法を包含する。特に、このモデルには、呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの表現、および呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの表現が含まれる。本発明はまた、呼吸器系のコンピュータモデル、呼吸器系をシミュレートする方法、および呼吸器系をシミュレートするコンピュータシステムも包含する。
B.定義
生体系」は、例えば、個々の細胞、細胞培養等の細胞の集合、器官、組織、個々のヒト患者等の多細胞生物、多細胞生物の細胞のサブセット、またはヒト患者の群もしくは一般的なヒト集団全体等の多細胞生物集団を含む場合がある。生体系はまた、例えば、神経系、免疫系、または循環系等の多組織系を含む場合もある。
「生物学的要素」という用語は、生体系の一部を指す。生体系の一部である生物学的要素は、例えば、細胞外成分、細胞成分、細胞内成分、またはそれらの組み合わせを含む場合がある。適切な生物学的要素の例としては、代謝産物、DNA、RNA、タンパク質、表面および細胞内受容体、酵素、脂質分子(すなわち、遊離コレステロール、コレステロールエステル、トリグリセリド、およびリン脂質)、ホルモン、細胞、器官、組織、細胞、組織もしくは器官の一部、細胞内小器官、Hのような化学反応性分子、超酸化物、ATP、およびこれらのタイプの生物学的変数の組み合わせもしくは集合表現が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、生物学的要素は、β−アゴニスト(例えば、アルブテロール、またはフォルモテロール)、メチルキサンチン、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタゾン、またはデキサメタゾン)、肥満細胞安定化薬、ロイコトリエン修飾薬、および抗コリン作用薬等の治療的薬剤、ならびに組み合わせ療法(例えば、硫酸アルブテロールと臭化イプラトロピウムの組み合わせであるCombivent(登録商標)、またはプルピオン酸フルチカゾンとキシナホ酸サルメテロールとの組み合わせであるAdvair(登録商標))を含む場合がある。
本明細書では「生物学的プロセス」という用語を、生物学的要素間の相互作用または一連の相互作用の意味で用いる。適切な生物学的プロセスの例としては、マクロファージ、粘液分泌、血管透過性、仲介物産生等、特定の細胞の活性化、アポトーシス、または動員が挙げられるがこれらに限定されない。「生物学的プロセス」という用語はまた、1つ以上の治療薬を含むプロセス、例えば、治療薬と細胞仲介物を結合するプロセスを含む場合もある。生物学的プロセスの各生物学的変数は、例えば、特定する必要がないか、または理解する必要さえもない生物学的メカニズムによる生物学的プロセスの少なくとも1つの他の生物学的変数によって影響されることがある。
本明細書では「パラメータ」という用語を、2つ以上の生物学的要素間の相互作用を特徴づける値の意味で用いる。パラメータの例としては、親和定数(K、K、kcat)、半減期、または気道組織に対するマクロファージもしくは好中球等の細胞の正味フラックスが挙げられる。
本明細書で用いる「変数」という用語は、生物学的要素を特徴づける値を指す。変数の例としては、T細胞の総数、活性または不活性マクロファージの数、およびブラジキニンもしくはROS等の仲介物質の濃度が挙げられる。
本明細書では「表現型」という用語を、一連の生物学的プロセスの発生結果の意味で用いる。生物学的プロセスが相互に変化するにつれて、表現型も変化する。表現型の1つの尺度としては、特定の時点における特定の実験もしくは環境条件下での変数、パラメータ、および/または生物学的プロセスの活性レベルがある。
表現型は、例えば、個々の細胞、器官、組織、および/または多細胞生物の状態を含む場合がある。本明細書に開示する方法およびモデルに有用な生物は動物を含む。本明細書で用いる「動物」という用語は、ヒト等の哺乳類を含む。表現型はまた、FEV1で測定される系全体の作用を含むことがあるがこれに限定されない。表現型で定義する条件は、実験的に与えることができるか、または患者のタイプに該当する条件とすることができる。例えば、FEV1の表現型は、健常者に対する血管透過性の収縮性刺激仲介物質および調整剤の量を含むようにすることができる。他の例では、FEV1の表現型は、軽度の喘息患者に対する収縮性刺激仲介物質の増量を含むようにすることができる。さらに他の例では、表現型は、1つ以上の治療薬で治療されている患者に対する収縮性刺激仲介物質の量を含むようにすることができる。
本明細書では「病状」という用語を、1つ以上の生物学的プロセスが病気の要因または臨床的兆候に関連する表現型の意味で用いる。例えば、ある病状は、異常細胞、罹病器官、病変組織、または病変多細胞生物の状態とすることができる。モデル化可能な病気の例としては、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、嚢胞性繊維症、呼吸不全、肺浮腫、肺塞栓、肺高血圧症、肺炎、結核症(TB)、および肺癌が挙げられる。病変多細胞生物は、例えば、個々のヒト患者、ヒト患者の群、またはヒト集団全体とすることができる。病的状態はまた、例えば、欠陥酵素、または炎症仲介物質の過剰産生を含むようにすることもできる。
本明細書では「シミュレーション」という用語を、数学的モデルの数値または解析積分の意味で用いる。例えば、シミュレーションは、dx/dt=f(x,p,t)という等式で定義する表現型の数学的モデルの数値積分を意味する場合がある。
本明細書では「生物学的特徴」という用語を用いて、生体系の特定の表現型の特質、性質、または特性を指す。例えば、特定の病状の生物学的特徴は、その病気に関連する臨床的兆候および診断基準を含む。生体系の生物学的特徴は、生物学的変数、パラメータ、および/またはプロセスの測定値とすることができる。呼吸器系の病状に関連する生物学的特徴の適切な例としては、努力呼気容量、気道コンプライアンス、またはヒスタミンレベルの測定値が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書では「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書に記載の方法を実施するための命令シーケンスを記憶またはコード化可能なあらゆる媒体を含むように用いられ、光学および/または磁気記憶装置および/またはディスク、ならびに搬送波信号を含むことがあるがこれらに限定されない。
本明細書において生物学的プロセスと関連して用いる「動的」という用語は、変化する生物学的条件を反映するための生物学的プロセス内の生物学的要素の相互作用の特徴または範囲の変化を指す。
C.哺乳類の呼吸器系モデルを開発する方法
コンピュータモデルを設計して1つ以上の生物学的プロセスまたは機能をモデル化することができる。このコンピュータモデルは、生物学的条件、例えば、病気を示す作用の一般集合を定義することから始まる「トップダウン」アプローチを用いて構築することができる。これらの作用は、次いで、系に対する拘束として用いられ、一組のネスト化されたサブシステムが、基礎詳細の次のレベルを定義するために開発される。例えば、リウマチ性関節炎における軟骨退化等の作用については、その作用を誘発する特定のメカニズムの各々を順にモデル化して一組のサブシステムとし、これら自体を分解して、詳細にモデル化することができる。それゆえ、これらサブシステムの対照および状況は、システム全体の動態を特徴づける作用によってすでに定義されている。分解プロセスでは、所与の生物学的作用を複製するための詳細が十分に得られるまで、トップダウン方式でさらに生物学をモデル化し続ける。具体的には、上記モデルは、薬剤または他の治療薬によって操作可能な生物学的プロセスをモデル化することができる。
呼吸器系のコンピュータモデルの開発に用いられる方法の概要を図1に示す。これらの方法は、典型的には、気道狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセス、および気道閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定することから始まる。気道狭窄または気道閉塞に関連する生物学的プロセスの特定は、呼吸器系に関するデータ、またはそのいずれかの部分によって通知することができる。この方法はまた、呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程を任意で含むようにすることもできる。次に、この方法は、特定した各生物学的プロセスを数学的に表す工程を含む。生物学的プロセスは、各種方法のいずれかを用いて数学的に表すことができる。典型的には、生物学的プロセスは、後述するように、dx/dt=f(x,p,t)という等式で定義される。気道狭窄および気道閉塞に関連する生物学的プロセスの表現を組み合わせることにより、呼吸器系の予測モデルを形成することができる。上記方法は、呼吸器系の気道コンプライアンス、組織コンプライアンス、および/または組織過形成に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定して数学的に表す工程をさらに含んでもよい。
図2は、哺乳類の呼吸器系に関する各種の生物学的プロセスを示す。本発明の1つの実施態様では、呼吸器系の性能の第一の目安は、患者が1秒間に吐くことができる空気量(1秒努力呼気容量;FEV1)である。FEV1は、Lambert(J Biomech Eng.,111(3):200−5(1989))に記載されるように、肺力学のほぼ直接的な尺度である。2つの主要な生物学的プロセスは、呼吸器系の機能に影響を及ぼす:気道狭窄および気道閉塞。これらプロセスの各々は、患者の環境および表現型の変化に動的に反応する。気道コンプライアンスも呼吸器系の機能に影響を及ぼすことがある。気道コンプライアンスは、気道の弾性または剛性を指す。主に、気道コンプライアンスは、体内における肺の実質的な連結の尺度であり、肺内の経壁圧に対する肺領域の断面積に関連する。
本発明の好適な実施態様では、狭窄に関連する生物学的プロセスの特定は、平滑筋収縮および/または平滑筋短縮に関する生物学的プロセスの特定を含む。平滑筋収縮に関連する生物学的プロセスは、ROS、メタコリン、CysLT、エンドセリン1、アセチルコリン、ヒスタミン、TxA2、PGF2−α、PGD2、ニューロキニンA、サブスタンスP、ブラジキニン、by IL−5、GM−CSF、トリプターゼ、IL−2、IFN−γ、β−アドレナリン受容体(β−AR)アゴニスト、脱感作β−アドレナリン受容体の分画、およびPGE2等、1つ以上の気道平滑筋収縮性刺激および/または弛緩刺激の相互作用を組み込んでもよい。
本発明の他の好適な実施態様では、閉塞に関連する生物学的プロセスの特定は、呼吸器系の組織における組織過形成、気道粘液、および/または浮腫に関する生物学的プロセスの特定を含む。組織過形成は不可逆的であり、分、日、または週の時間的尺度を用いた呼吸器機能のシミュレーションでは呼吸器系の閉塞に対して潜在的に静的な影響を有する。組織過形成の影響は、数年または数十年等の長期間に渡る呼吸器機能のシミュレーションに関係させることができる。
気道粘液に関連する生物学的プロセスは、光液、グルココルチコステロイド、ROS、サブスタンスP、ニューロキニン、アセチルコリン、β−ARアゴニスト、粘液分泌細胞上の脱感作β−ARアゴニスト受容体の分画、CysLT、PGD2、PGE2、PAF、ヒスタミン、ブラジキニン、キマーゼ、メタコリン、およびエラスターゼ等の各種生物学的要素の相互作用を含む場合がある。
気道浮腫に関連する生物学的プロセスは、剥離上皮、繊毛上皮、気道杯細胞、気道組織液、組織液圧、血管透過性、サブスタンスP、ニューロキニンA、アセチルコリン、CysLT、PAF、ヒスタミン、ブラジキニン、ROS、メタコリン、β−ARアゴニスト、および/または脱感作β−ARアゴニスト受容体の分画等の各種生物学的要素の相互作用を含む場合がある。さらに、気道浮腫に関連する生物学的プロセスは、血管透過性の所与の変化に対する浮腫の大きさを増幅する組織コンプライアンスに関する生物学的要素の相互作用を含む場合がある。組織コンプライアンスは呼吸器系組織の弾性を指し、特に、組織の不可逆的酵素瘢痕の影響を示す。組織過形成と同様に、浮腫に対する組織コンプライアンスの影響は、分、時間、または週等の時間的尺度を用いた呼吸器機能のシミュレーションでは潜在的に静的である。組織コンプライアンスの影響は、数年または数十年等の長期間に渡る肺機能のシミュレーションに関係させることができる。
これらの長い時間尺度を有する生物学的プロセス、すなわち、気道コンプライアンス、組織過形成、および組織コンプライアンスは、呼吸器系の生体力学的リモデリングを表す。本発明の実施態様は、短期間のシミュレーションのみを目的とするモデルの場合でも、生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスを含むことが好ましい。
本発明の方法では1つ以上の生物学的プロセスを特定すると、各生物学的プロセスを数学的に表現する。例えば、上記コンピュータモデルでは、第1の数学的関係を用いて第1の生物学的プロセスを表現し、第2の数学的関係を用いて第2の生物学的プロセスを表現することができる。数学的関係は、典型的には、1つ以上の変数を含み、その作用(例えば、時間発展)をコンピュータモデルでシミュレートすることができる。より特定的には、コンピュータモデルの数学的関係により、生体系の各種生物学的要素のレベルもしくは活性、ならびにそれら各種生物学的要素の組み合わせまたは集合表現のレベルもしくは活性を示す変数間の相互作用を定義することができる。さらに、変数により、生理学系に適用可能な各種刺激を表現することができる。コンピュータで実行可能なソフトウェアコードの数学的モデルは、呼吸器機能に関する動的な生物学的プロセスを表す。使用する数式の形態は、例えば、偏微分方程式、確立微分方程式、微分代数方程式、差分方程式、セルオートマトン、結合写像、ブール回路網もしくはファジー論理網方程式等を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、上記モデルで用いる数式は、dx/dt=f(x,p,t)の形式の常微分方程式であり、xは、その要素が系の生物学的変数を表すN次元ベクトルであり、tは時間であり、dx/dtはxの変化率であり、pはシステムパラメータのM次元の組であり、fは生物学的変数間の複合相互作用を表す関数である。1つの実施態様では、上記パラメータを用いて、生体系についての固有の特徴(例えば、遺伝因子)、および外的特徴(例えば、環境因子)を表す。
いくつかの実施形態では、上記表現型は、所与の時点におけるxおよびpの値によって数学的に定義することができる。一旦モデルの表現型が数学的に特定されると、上記式をコンピュータを用いて数値積分し、例えば、生物学的変数の時間発展x(t)を決定し、それによって経時的な表現型の発展を決定する。
上記生物学的プロセスの表現を組み合わせて呼吸器系モデルを生成する。生体系モデルの生成は、例えば、「Hierarchical Biological Modeling System and Method」と題された米国特許第5,657,255号および同第5,808,918号;「System and Method for Simulating Operation of Biochemical Systems」と題された米国特許第5,914,891号;「Computer−based System and Methods for Information Storage,Modeling and Simulation of Complex Systems Organized in Discrete Compartments in Time and Space」と題された米国特許第5,930,154号;「Method of Generating a Display for a Dynamic Simulation Model Utilizing Node and Link Representations」と題された米国特許第6,051,029号;「Method of Providing Access to Object Parameters Within a Simulation Model」と題された米国特許第6,069,629号;「A Method of Managing Objects and Parameter Values Associated With the Objects Within a Simulation Model」と題された米国特許第6,078,739号;「Method of Generating a Display For a Dynamic Simulation Model Utilizing Node and Link Representations」と題された米国特許第6,539,347号;「Method and Apparatus for Conducting Linked Simulation Operations Utilizing a Computer−Based System Model」と題された米国特許第6,983,237号;および「A Method of Monitoring Values within a Simulation Model」と題されたPCT公報WO99/27443に記載されている。
上記方法は、本明細書に記載のコンピュータモデルを有効にする方法をさらに含むようにすることができる。例えば、それらの方法は、動物の呼吸器系に関連してシミュレートした生物学的特徴を生成する工程、およびシミュレートした生物学的特徴と正常または病変動物において測定した対応する参照用生物学的特徴とを比較する工程を含むようにすることができる。この比較結果と公知の動的拘束とを組み合わせて、モデルの一部を確認するか、またはモデル内での数学的関係の変化をユーザに示すことによってモデルの全体的な忠実度を改善してもよい。本明細書に記載した各種モデルを有効にする方法は、「Apparatus and Method For Validating A Computer Model」と題された米国特許公報2002−0193979、および「Method and Apparatus for Computer Modeling a Joint」と題された米国特許第6,862,561号において教示されている。
D.哺乳類の呼吸器系コンピュータモデル
本発明は、哺乳類の呼吸器系コンピュータモデルであって、呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現と;呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現と;上記モデルを形成するための生物学的プロセス表現間の一組の数学的関係とを含むモデルを提供する。任意に、上記コンピュータモデルはまた、呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスの1つ以上の数学的表現を含むようにすることもできる。
上述した呼吸器系モデルを開発する方法を用いて呼吸器系をシミュレートするモデルを生成してもよい。そのような場合、シミュレーションモデルは、各々が多数のパラメータを含み得る数百または数千ものオブジェクトを含んでもよい。シミュレーションモデルを用いて効果的な「what−if」分析を実施するためには、シミュレーション操作を実施する前に、特定のキーパラメータの入力値にアクセスし、観察することが有用であり、場合によっては、そのような操作の終了時に、これらのキーパラメータの出力値を観察することも有用である。多数のパラメータが2つのオブジェクト間の関係表現に含まれ、それらによって影響されるため、モデラーはそのような関係のいずれかの側における特定のパラメータの調査を必要とすることがある。例えば、モデラーは、特定のオブジェクトが他の多数のオブジェクトに対して有する影響を示すパラメータ、およびそれら他のオブジェクトが当該特定のオブジェクトに対して及ぼす影響を示すパラメータの調査を望む場合がある。複合モデルが、ソフトウェア機能を用いるか、または単にモデラーの慣習によってサブモデルシステムに分解されることも多い。よって、モデラーが特定のサブモデル内に属する選択パラメータを同時に見ることが有用である場合が多い。この要望を満たすことは、サブモデルの境界がパラメータに対して相互排他的であってはならないという、すなわち、単一のパラメータが多くのサブモデルで見られるという事実によって困難になる。さらに、サブモデルの境界は、モデルが発展するにつれて変化することが多い。
作成したコンピュータモデルは、生物学的プロセスを多数のレベルで表した後、その生物学的プロセスの影響を全レベルの生物学的プロセスについて評価する。このようにして、作成したコンピュータモデルは、生体系の多変数的な概観を提供する。作成したコンピュータモデルはまた、2つ以上の研究分野の情報を単一のコンピュータモデルに合成するか、または異なる研究分野を表す2つのコンピュータモデルを関連付けることによって学際的観測が行える。
例示的なコンピュータモデルは、特定の生体系、例えば、呼吸器系、およびコンピュータモデルによって調査されるべき問題に関する解剖学的要因を反映する。モデルに取り込まれる詳細度は、コンピュータモデルの特定の用途によって決定されることが多い。例えば、評価する生物学的要素は細胞下レベルで作用することが多く;それゆえ、細胞下レベルがモデルで表される最低レベルの詳細度を占める場合がある。細胞下レベルは、例えば、DNA、mRNA、タンパク質、化学反応分子、および細胞内小器官等の生物学的要素を含む。同様に、上記モデルは、多細胞レベルで評価するか、または全生物レベルで評価することも可能である。個々の生体系、すなわち、一人のヒトは、生物学的要素の最終的な影響について注目する共通の存在であるため、(例えば、臨床転帰の形態で表される)個々の生体系は、当該系内では最高レベルとして表される。より低いレベルでのパラメータの変化により疾病プロセスおよび治療的介入をモデルに導入して、それらより低いレベルでの変化の結果に応じて臨床転帰を変化させるが、臨床転帰変数を直接的に変化させて病気の影響を表すことはない。
ユーザに通知される詳細度は、当該ユーザの熟練度に応じて変更することができる。医療関係に関しては、特に一般の人が使用するために、コンピュータモデル上により高レベルの抽象度を含むことが所望される場合がある。このより高レベルの抽象度は、例えば、主要な生理学的サブシステムおよびそれらの相互接続を示すことができるが、コンピュータモデルのある詳細な要素については通知する必要はなく、少なくともユーザがそれら詳細な要素を見ることを明白に決定しない場合にはその必要はない。このより高レベルの抽象度により、擬似患者の表現型および基本的な生理学的特徴を説明することができるが、コンピュータモデルにおいてその擬似患者を作成するために用いる特定のパラメータ設定を含む必要はない。1つの療法を表す場合、このより高いレベルの抽象度では、その療法が行うことを説明可能であるが、コンピュータモデルにおいて療法をシミュレートするために用いる特定のパラメータ設定を含む必要はない。特に患者および医者に関係するコンピュータモデルの出力サブセットは、容易にアクセス可能にすることができる。
1つの実施態様では、上記コンピュータモデルは、数学的関係、ならびにおよび変数、パラメータ、および生物学的プロセス間の相互関係を視覚表示できるように構成される。この視覚表示には、分類することで生体系の大規模な複合モデルを表す多数のモジュールまたは機能領域が含まれる。
1つの実施態様では、例えば、1997年8月12日に公開され、「Hierarchical Biological Modeling System and Method」と題された米国特許第5,657,255号;1998年9月15日に公開され、「Hierarchical Biological modeling System and Method」と題された米国特許第5,808,918号;2000年4月18日に公開され、「Method of Generating a Display for a Dynamic Simulation Model Utilizing Node and Link Representations」と題された米国特許第6,051,029号;2003年3月25日に公開され、「Method of Generating a Display For a Dynamic Simulation Model Utilizing Node and Link Representations」と題された米国特許第6,539,347号;2000年1月25日に公開され、「A Method of Managing Objects and Parameter Values Associated With the Objects Within a Simulation Model」と題された米国特許第6,078,739号;および2000年5月30日に公開され、「Method of Providing Access to Object Parameters Within a Simulation Model」と題された米国特許第6,069,629号に記載されるように、シミュレーションモデリングソフトウェアを用いてコンピュータモデルを提供する。シミュレーションモデリングソフトウェアの一例は米国特許第6,078,739号に見られる。
各種図面を用いて呼吸器系モデルの要素間の動的な関係を例示することができる。適切な図面の例としては、影響図および概略図が挙げられる。
概略図は、本明細書に記載の方法およびモデルでモデル化した各種経路の概要を示す。例えば、図3に示す概略図は、FEV1で測定した肺機能に影響を及ぼし得る経路の概要を示す。この概略図では、モデルの個々のモジュールへのリンクを提供することも可能である。モジュールは、図示した矢印を使用して関係を定義した「状態」および「機能」ノードの使用により、表現型の関連構成要素をモデル化する。よって、ユーザが使い易いように、表現型の各種要素の複雑かつ動的な数学的関係が容易に表される。このようにして、通常の表現型を表すことができる。
影響図は、モデル式の視覚表示とすることができ、モデル要素間の動的な関係を示す。図4は、影響図の一例を示しており、気道閉塞および気道平滑筋(ASM)短縮が記載されている。この影響図は、分類することでモデル化した表現型の大規模な複合体生理機能を表すモジュールまたは機能領域で構成されている。
状態および機能ノードは、それらが表す変数の名前、およびモデル内でのそれらの位置を示す。矢印および修飾物は、状態および機能ノードとモデル内の他のノードの関係を示す。状態および機能ノードはまた、シミュレーション実験で表す変数の値を算出するために用いられるパラメータおよび式も含む。いくつかの実施形態では、状態および機能ノードは、「Method of generating a Display for a Dynamic Simulation Model Utilizing Node and Link Representations」と題された米国特許第6,051,029号に記載の方法に従って表される。状態および機能ノードのさらなる例については下記においてさらに議論する。
状態ノードは1本線の楕円で表され、時間に対する入力の累積効果によって値が決定される系内の変数を表す(例えば、図4参照)。「入力」とは、状態ノードによってモデル化される変数に影響を及ぼし得るあらゆるパラメータを指す。例えば、組織不活性マクロファージを表す状態ノードの入力は、マクロファージ動員または循環不活性単球である場合がある。状態ノードの値は、微分方程式によって定義される。状態ノードの所定パラメータは、その初期値(S)およびその状態を含む。いくつかの実施形態では、状態ノードは半減期を有する場合がある。これらの実施形態では、「H」を囲む円が半減期を有するノードに付加される。
機能ノードは2本線の楕円によって表され、任意の時点における値が同時点の入力によって決定される系内の変数を表す。機能ノードは、それらの入力の代数関数によって定義される。機能ノードの所定パラメータは、その初期値(F)およびその状態を含む。ノードの状態設定により、どのようにそのノードの値を決定するかが決まる。状態または機能ノードの状態は、1)算出、すなわち、その入力の結果に応じて値を計算する;2)特定−固定、すなわち、経時的に値を一定に保持する;または3)特定データ、すなわち、所定のデータ点に従って値が時間とともに変化する。
状態および機能ノードは、別名ノードとしてモジュール図内に一度以上現れることがある。別名ノードは、1つ以上の点で示される(例えば、図3の状態ノード「ASM収縮性刺激」参照)。状態および機能ノードはまた、矢印および他のノードに対するそれらの位置によりソースノード(S)または標的ノード(T)のいずれかとして定義される。ソースノードは矢印の後ろに位置し、標的ノードは矢印の前に位置する。ノードは、活性または不活性とすることができる。
矢印はソースノードと標的ノードとを結び、ノード間の数学的関係を表す。矢印にはその矢印の活性を示す円を表示する場合がある。円内の注釈に対する略語表は各モジュール図の左上に位置する。矢じりが黒塗りであれば、影響は正である。矢じりが白抜きであれば、影響は負である。矢印の種類、矢印の特徴、および矢印を用いた式に関するさらなる説明については、例えば、米国特許第6,051,029号、米国特許第6,069,629号、米国特許第6,078,739号、および米国特許第6,539,347号を参照されたい。
図4を参照して、気道閉塞および気道狭窄(平滑筋短縮)の組み合わせにより呼吸器機能を定義しており、好ましくは、FEV1で測定される。気道閉塞は、気道浮腫(組織液)と気道粘液の機能である。同様に、気道粘液は、粘液分泌と管腔液クリアランス両方の機能である。粘液分泌は、粘液腺による粘液産生、および杯細胞顆粒放出に影響される。次いで、粘液分泌は、サブスタンスP、エラスターゼ、キマーゼ、ヒスタミン、ブラジキニン、内因性β−ARアゴニスト、組織ROS、およびアセチルコリンのうちの1つ以上によって調節される。杯細胞顆粒放出は、アデノシン、ECP、EPO、EDN、IL−1、IL−8、PAF、PGD2、PGF−2α、PGE2、MBP、ニューロキニンA、グルココルチコイドステロイド、サブスタンスP、エラスターゼ、キマーゼ、およびヒスタミンのうちの1つ以上に反応する。気道浮腫は、気道組織中の液体によって生じる。この液体は調節されながら血管血漿から気道組織に移動し、最終的にはリンパ管を通過する。クリアランスおよび組織液は、組織液圧、および組織からリンパ管への液体流量によって影響され、この流量は、気道組織とリンパ管間の圧力降下、およびリンパ管透過性に影響される。血管血漿から気道組織への液体流は、血管と気道組織間の圧力降下、および血管透過性に反応する。同様に、血管透過性は、サブスタンスP、ニューロキニンA、アセチルコリン、CysLT、PAF、ヒスタミン、ブラジキニン、ROS、メタコリン、β−ARアゴニスト、および脱感作β−ARアゴニスト受容体の分画のうちの1つ以上によって調節される。
気道浮腫および気道粘液はともに上皮細胞集団に反応する。図5は、上皮細胞動態を示す影響図である。気道杯細胞は、調節変換速度で気道繊毛上皮細胞となる。杯細胞増殖速度は、PAF、IL−13、IL−9、IL−6、IL−4、組織ROS、TNF−α、およびグルココルチコイドステロイドのうちの1つ以上に反応する杯細胞化生および過形成に少なくとも部分的に反応する。気道杯細胞および気道繊毛上皮細胞の両方の集団は、上皮細胞および剥離上皮の分画の脱落に直接的に関係する。上皮脱落の速度は上皮不安定化に反応し、同様に、上皮不安定化は、ECP、EPO、EDN、MMP−9、エラスターゼ、上皮MBP、および正味ROS効果のうちの1つ以上に反応する。正味ROS効果は、ROS結合およびMPO受容体結合に関係する。上皮不安定化は、上皮脱落速度に影響を及ぼすとともに、気道壁組織損傷の定常状態測定にも影響を及ぼす。気道組織壁損傷はまた、カリクレイン活性、C5a総産生量、およびC3a総産生量のうちの少なくとも1つにも確実に影響を与える。
図5はまた、上皮および神経細胞による仲介物質産生も示す。例えば、気道杯細胞および気道繊毛上皮細胞の両方に代表されるような有効な上皮細胞集団は、GM−CSF、IL−8、IL−6、TGF−β、エオタキシン、MCP−4、RANTES、エンドセリン−1、MCP−1、MCP−3、PGE2、MDC、TARC、およびPGF2αの総産生量のうちの1つ以上に影響を与える。C繊維活性およびA繊維活性に代表されるような感覚神経活性は、ニューロキニンA、サブスタンスP、およびアセチルコリンの産生に影響を及ぼす。
気道狭窄は、気道平滑筋短縮量の関数であるが、同様に、気道平滑筋収縮性刺激および気道平滑筋弛緩刺激に反応する。気道平滑筋収縮性刺激は、ROS、メタコリン、CysLT、エンドセリン1、アセチルコリン、ヒスタミン、TxA2、PGF2−α、PGD2、ニューロキニンA、サブスタンスP、およびブラジキニンのうちの1つ以上を含む。収縮性刺激はまた、IL−5、GM−CSF、トリプターゼ、IL−2およびインターフェロンガンマによって変調される。気道平滑筋弛緩刺激は、β−ARアゴニスト、PGE2、および脱感作β−ARアゴニスト受容体の分画を含む。さらに、弛緩刺激はまた、IL−5、GM−CSF、トリプターゼ、IL−2、およびインターフェロンガンマのうちの少なくとも1つによって変調される。
図6は、本発明の例示的な実施形態におけるマクロファージ集団動態を示す。この動態は単球造血から始まり、循環不活性単球の集団が生じる。循環単球は呼吸器系に動員され、組織不活性マクロファージとなる。呼吸器系組織内では、不活性マクロファージは状態を変化させて活性マクロファージとなるか、その逆に変化することがある。活性および不活性マクロファージはともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。マクロファージ活性化は、IL−1、IFN−γ、TNF−α、GM−CSF、C5a、抗原−IgE相互作用、IL−9、およびIL−10のうちの1つ以上によって調節される。マクロファージアポトーシスは、各種サイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、MMP−9、ROS、グルココルチコステロイド、および/またはFasLを含む。自己分泌アポトーシス調節は、マクロファージ動員およびマクロファージ活性化によって仲介される。マクロファージは、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、TNF−α、GM−CSF、IFN−γ、TGF−β、MDC、TARC、FasL、エンドセリン−1、MIP−1α、RANTES、MCP−1、MCP−3、CysLT、TIMP−1、LTB4、MMP−9、ROS、PGE2、PGD2、PGF2α、TxA2、およびエオタキシンのうちの1つ以上の総産生量に寄与する。マクロファージによるこれら仲介物質の各々の産生は、図7に記載するように、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−9、IL−10、IL−13、TNF−α、IFN−γ、TGF−β、GM−CSF、エンドセリン、PGE2、PAF、FcERII、ブラジキニン、アセチルコリン、およびグルココルチコステロイドのうちの1つ以上によって調節される。
図8は、単球連結、単球管外遊出、および単球−内皮細胞接着に応じたマクロファージ動員を示す。単球連結は、VCAM−1、Eセレクチン、およびPセレクチンのうちの1つ以上に反応する。単球管外遊出は、C5a、IL−8、LTB4、MCP−1、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、PAF、PGE2、およびRANTESに影響される。循環単球は、C5a、PAF、LTB4およびRANTESによって活性化されるα4インテグリン(図面ではa4インテグリンと示す)、ならびにLTB4、RANTES、IL−8、MCP−1、およびPGE4によって活性化されるβ2インテグリン(図面ではb2インテグリンと示す)を発現する。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環する単球を停止(鈍化)し、内皮細胞に対する接着を可能にする。ICAM−1と組み合わせたβ2インテグリンの活性化も単球を停止し、これによって、単球が内皮細胞に接着することができる。
図9は、肥満細胞集団動態を示す。この動態は細胞産生から始まり、循環不活性肥満細胞集団を生じる。循環肥満細胞は呼吸器系に動員され、組織不活性肥満細胞となる。呼吸器系組織内では、不活性肥満細胞は状態を変化させて活性肥満細胞となるか、その逆に変化することがある。活性および不活性肥満細胞はともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。肥満細胞活性化は、PGE2、IL−9、および肥満細胞結合FcE−RI信号のうちの1つ以上によって調節される。肥満細胞アポトーシスは、各種のサイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、グルココルチコステロイド、およびFasLを含む。自己分泌アポトーシス調節は、肥満細胞動員および活性化によって仲介される。肥満細胞脱顆粒は、管腔浸透圧、アデノシン、SCF、β−ARアゴニスト、およびグルココルチコステロイドによって調節される。肥満細胞顆粒放出に代表されるような脱顆粒は、ヒスタミン、キマーゼ、およびトリプターゼの総産生量に影響を及ぼす。肥満細胞は、IL−5、IL−6、IL−13、TNF−α、GM−CSF、MIP−1a、MCP−1、CysLT、PGD2、アデノシン、PAF、および/またはTxA2のうちの少なくとも1つの総産生量に寄与する。肥満細胞によるこれら仲介物質の各々の産生は、図10に記載するように、β−ARアゴニスト、脱感作分画β−ARアゴニスト受容体、およびグルココルチコステロイドのうちの1つ以上によって調節される。
図11は、肥満細胞連結、肥満細胞管外遊出、および肥満細胞−内皮細胞接着に応じた肥満細胞動員を示す。肥満細胞連結は、VCAM−1、Eセレクチン、およびPセレクチンのうちの1つ以上に反応する。肥満細胞管外遊出は、エオタキシン、MCP−1、およびRANTESに影響される。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環中の肥満細胞を停止し、内皮細胞に対する接着を可能にする。ICAM−1と組み合わせたβインテグリンの活性化も肥満細胞を停止し、これによって、肥満細胞を内皮細胞に接着する。
図12は、好酸球集団動態を示す。この動態は好酸球造血およびその好酸球調節から始まり、結果として、循環不活性好酸球集団を生じる。循環好酸球は呼吸器系に動員され、組織不活性好酸球となる。呼吸器系組織内では、不活性好酸球は状態を変化させて活性好酸球となるか、その逆に変化することがある。活性および不活性好酸球はともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。好酸球活性化は、PAF、IL−5、TNF−α、GM−CSF、IL−9、IL−3、フィブロネクチン、およびTGF−βのうちの1つ以上によって調節される。好酸球アポトーシスは、各種のサイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、PGD2、IL−5、GM−CSF、IL−3、フィブロネクチン、TGF−β、β−ARアゴニスト、グルココルチコステロイド、およびFasLのうちの少なくとも1つを含む。好酸球脱顆粒は、RANTES、PGD2、PAF、C5a、IL−5、TNF−α、GM−CSF、β−ARアゴニスト、および抗原−IgEのうちの1つ以上によって調節される。好酸球顆粒放出に代表される脱顆粒は、ECP、EPO、EDN、および/またはMBPの総産生量に影響を与える。好酸球は、IL−3、IL−4、IL−5、IL−9、IL−10、IL−13、GM−CSF、TGF−β、TNF−α、RANTES、CysLT、PGE2、PAF、ROS、およびアデノシンのうちの1つ以上の総産生量に寄与する。好酸球によるこれら仲介物質の各々の産生は、図13に記載されるように、IL−1、IL−10、IL−13、フィブロネクチン、TGF−β、TNF−α、GM−CSF、IL−5、FcERII、グルココルチコステロイド、PAF、C5a、PGD2、β−ARアゴニスト、およびβ−ARアゴニスト受容体の脱感作分画のうちの1つ以上によって調節される。
図14は、好酸球連結、好酸球管外遊出、および好酸球−内皮細胞接着に応じた好酸球動員を示す。好酸球連結は、VCAM−1、Eセレクチン、およびPセレクチンのうちの1つ以上に反応する。単球管外遊出は、β−ARアゴニスト、C5a、CysLT、エオタキシン、LTB4、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、PAF、PGD2、およびRANTESのうちの少なくとも1つに影響される。循環好酸球は、C5a、エオタキシン、IL−8、MCP−3およびRANTESのうちの少なくとも1つによって活性化されるα4インテグリン、ならびにC5a、エオタキシン、IL−8、MCP−3、RANTES、グルココルチコイドステロイドおよびβ−ARアゴニストのうちの少なくとも1つによって活性化されるβインテグリンを発現する。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環中の好酸球を停止し、内皮細胞に対する接着を可能にする。ICAM−1と組み合わせたβインテグリンの活性化も好酸球を停止し、これによって、好酸球が内皮細胞に接着することができる。
図15は、好塩基球集団動態を示す。この動態は好塩基球造血から始まり、結果として、循環不活性好塩基球集団を生じる。循環好塩基球は呼吸器系に動員され、組織不活性好塩基球となる。呼吸器系組織内では、不活性好塩基球は状態を変化させて活性好塩基球となるか、その逆に変化することがある。活性および不活性好塩基球はともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。好塩基球活性化は、PAF、IL−3、IL−5、GM−CSF、好塩基球結合抗原−IgE、TNF−α、フィブロネクチン、およびTGF−βのうちの1つ以上によって調節される。好塩基球アポトーシスは、各種サイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、IL−3、IL−5、GM−CSF、TGF−β、グルココルチコイドステロイド、および/またはFasLを含む。好塩基球脱顆粒は、エオタキシン、RANTES、MCP−1、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、C5a、好塩基球結合FcE−RI、IL−3、PAF、C3a、MBP、IL−5、およびGM−CSFのうちの少なくとも1つによって調節される。好塩基球顆粒放出に代表される脱顆粒は、ヒスタミン総産生量に影響する。好塩基球は、IL−4、IL−13、およびCysLTのうちの1つ以上の総産生量に寄与する。これら仲介物質の各々の産生は、図16に記載されるように、C3a、C5a、IL−3、IL−5、IL−9、GM−CSF、グルココルチコステロイド、MCP−1、エオタキシン、RANTES、MCP−3、MCP−4、MIP−1a、およびPAFのうちの1つ以上によって調節される。
図17は、好塩基球連結、好塩基球管外遊出、および好塩基球−内皮細胞接着に応じた好塩基球動員を示す。好塩基球連結は、Eセレクチンおよび/またはPセレクチンに反応する。好塩基球管外遊出は、C5a、エオタキシン、IL−8、MCP−1、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、PGD2、およびRANTESのうちの少なくとも1つに影響される。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環中の好塩基球を停止し、内皮細胞に対する接着を可能にする。ICAM−1と組み合わせたβインテグリンの活性化も好塩基球を停止し、これによって、好塩基球が内皮細胞に接着することができる。
図18は、好中球集団動態を示す。この動態は好中球造血から始まり、結果として、循環不活性好中球集団が生じ、同様に、状態を変化させて活性循環好中球となる。呼吸器系組織内では、不活性好中球は状態を変化させて活性好中球となるか、その逆に変化することがある。活性および不活性好中球はともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。好中球活性化は、TNF−α、GM−CSF、IL−6、PAF、IL−8、LTB4、アデノシン、および抗原−IgEのうちの少なくとも1つによって調節される。好中球アポトーシスは、各種サイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、IL−10、GM−CSF、IL−8、LTB4、IL−1、IL−2、IFN−γ、グルココルチコステロイド、MMP−9、PGD2、ROS、およびFasLのうちの1つ以上を含む。好中球アズール脱顆粒は、TNF−α、GM−CSF、IL−6、PAF、IL−8、LTB4、アデノシン、およびFcERII結合のうちの少なくとも1つによって調節される。好中球アズール顆粒放出に代表される脱顆粒は、MMP−9、ラクトフェリン、エラスターゼおよび/またはMPOの総産生量に影響を与える。好中球は、IL−8、IL−1、IL−6、TNF−α、MIP−1a、PGE2、LTB4、CysLT、IL−4、GM−CSF、TGF−β、IFN−γ、MCP−1、PAF、TxA2、ROSおよびFasLのうちの少なくとも1つの総産生量に寄与する。好中球によるこれら仲介物質の各々の産生は、図19に記載するように、ROS、TGF−β、IL−9、IL−13、グルココルチコステロイド、IL−1、IL−10、IFN−γ、IL−4、GM−CSF、IL−5、PGE2、ヒスタミン、アデノシン、抗原−IgE、C5a、およびPAFのうちの1つ以上によって調節される。
図20は、好中球連結、好中球管外遊出、および好中球−内皮細胞接着に応じた好中球動員を示す。好中球連結は、Eセレクチンおよび/またはPセレクチンに反応する。好中球管外遊出は、β−ARアゴニスト、C5a、IL−8、LTB4、およびPAFのうちの少なくとも1つに影響される。循環好中球は、IL−8、PAF、グルココルチコイドステロイドおよび/またはβ−ARアゴニストによって活性化されるβインテグリンを発現する。ICAM−1と組み合わせたβインテグリンの活性化も好中球を停止し、これによって、好中球が内皮細胞に接着することができる。
図21は、本発明の例示的な実施形態におけるT細胞集団動態を示す。この動態はT細胞産生から始まり、結果として、循環不活性T細胞集団を生じる。循環T細胞は呼吸器系に動員され、組織不活性T細胞となる。予めリンパ節において抗原に曝露された活性化T細胞は、呼吸器組織に動員することができる。呼吸器系組織内では、不活性T細胞は状態を変化させて活性T細胞となるか、その逆に変化することがある。活性T細胞は増殖性T細胞となることができる。活性および不活性T細胞はともにアポトーシスを起こすか、または光液に移動して呼吸器系を通過することができる。T細胞動員は、ICAM−1、VCAM−1、e−セレクチン、エオタキシン、RANTES、MCP−1、MIP−1a、PGD2、およびPGE2のうちの1つ以上に影響される。T細胞活性化は、IL−6、IL−4、IL−10、TNF−α、IL−1、および抗原、ROS、IL−1もしくはTNF−αによるTCR刺激のうちの少なくとも1つによって調節される。T細胞アポトーシスは、各種サイトカイン、および自己分泌因子によって調節される。アポトーシスを調節するサイトカインは、PGE2、IL−10、TCR刺激、IL−10、TNF−α、IL−2、グルココルチコステロイド、IFN−γ、およびFasLのうちの1つ以上を含む。自己分泌アポトーシス調節は、T細胞動員およびT細胞活性化によって仲介される。T細胞は、図22に記載するように、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−10、IL−13、TNF−α、GM−CSF、TGF−β、RANTES、MIP−1a、PGD2、およびFasLのうちの少なくとも1つの総産生量に寄与する。T細胞によるこれらの仲介物質の産生は、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−9、IL−10、およびグルココルチコイドステロイドのうちの1つ以上により調節される。
図23は、T細胞連結、T細胞管外遊出、およびT細胞−内皮細胞接着に応じたT細胞動員を示す。T細胞連結は、VCAM−1、Eセレクチン、およびPセレクチンのうちの1つ以上に反応する。T細胞管外遊出は、エオタキシン、LTB4、MCP−3、MDC、PGD2、RANTES、TARC、およびβ−ARアゴニストのうちの1つ以上に影響される。循環T細胞は、MDC、TARCおよび/またはLTB4によって活性化されるα4インテグリン、ならびにLTB4によって活性化されるβインテグリンを発現する。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環中のT細胞を停止し、内皮細胞に対する接着を可能にする。VCAM−1と組み合わせたα4インテグリンの活性化は、循環中のT細胞を停止し、内皮細胞に対する接着を可能にする。ICAM−1と組み合わせたβインテグリンの活性化もT細胞を停止し、これによって、T細胞が内皮細胞に接着することができる。
この発明は、多数の目的に適う単一のコンピュータモデルを含むようにすることができる。あるいは、この発明は、広範囲の生理学系を対象とする一組の大規模コンピュータモデルを含むようにすることができる。上記システムは、呼吸器系のモデルを含むとともに、例えば、疫学コンピュータモデル、および病原体コンピュータモデル等の補完的なコンピュータモデルを含むようにすることができる。医療用途においては、多数の患者および療法を分析するようにコンピュータモデルを設計することができる。いくつかの例では、それらのコンピュータモデルを用いて多数の有効な擬似患者を作成し、多数の療法に対するそれらの反応をシミュレートすることができる。
本発明およびこの明細書に記載の機能操作の全ては、デジタル電子回路において実施することができるか、またはこの明細書に開示する構造的手段およびそれらの構造等価物またはそれらの組み合わせを含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて実施することができる。本発明は、データ処理装置、例えば、プログラム可能プロセッサ、1台のコンピュータ、または複数台のコンピュータによる実行のために、またはその動作を制御するために、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、情報担体、例えば、機械による読取が可能な記憶装置、または伝播信号に明白に組み込まれた1つ以上のコンピュータプログラムとして実施可能である。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても公知である)は、コンパイル型またはインタープリタ型言語を含むあらゆる形態のプログラミング言語で書き込むことができ、独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピュータ環境での使用に適した他のユニットとして等、あらゆる形態で配置可能である。1つのコンピュータプログラムは、必ずしも1つのファイルに対応する必要がない。1つのプログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部、または当該プログラム専用の単一のファイル、もしくは多数の協調ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納することが可能である。コンピュータプログラムは、一箇所にある1台のコンピュータまたは複数台のコンピュータ上で実行されるように配置可能であるか、または複数箇所に配信し、通信ネットワークによって相互接続することができる。
この明細書に記載されるプロセスおよび論理フロー(本発明の方法における工程を含む)は、1つ以上のプログラム可能プロセッサが1つ以上のコンピュータプログラムを実行し、入力データの計算、および出力の生成によって本発明の機能を遂行することにより実施することができる。それらのプロセスおよび論理フローはまた、特殊用途論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、またはASIC(特定用途向け集積回路)によっても実施することができ、本発明の装置をそのよう回路として実現することができる。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、汎用および特殊用途マイクロプロセッサ、ならびにあらゆる種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ、もしくはランダムアクセスメモリ、またはそれらの両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの本質的要素は、命令を実行するプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納する1つ以上のメモリ装置である。一般に、コンピュータはまた、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光学ディスク等のデータを格納する1つ以上の大容量記憶装置も含むか、またはそのような記憶装置と、データ受信もしくはデータ転送、またはそれらの両方を行うように動作可能に接続される。コンピュータプログラム命令およびデータの組み込みに適した情報担体は、あらゆる形態の不揮発性メモリを含み、一例としては、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク、またはリムーバルディスク;光磁気ディスク;ならびにCD ROMおよびDVD−ROMディスクが挙げられる。上記プロセッサおよびメモリは、特殊用途論理回路で補完するか、またはその内部に組み込むことができる。
ユーザとの相互作用を可能にするために、本発明は、ユーザに情報を表示する表示装置、例えば、CRT(陰極線管)、またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびにユーザがコンピュータに入力を行うことができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウス、またはトラックボールを有するコンピュータ上で実施することができる。他の種類のデバイスを用いても同様にユーザとの相互作用を可能にすることができ;例えば、ユーザに提供するフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックとすることができ;ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。
本発明は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含むか、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むか、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本発明の実施態様と相互作用を行えるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピュータシステムで実施することができる。上記システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形式または媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、および広域ネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
上記コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むようにすることができる。クライアントおよびサーバは、一般に、相互に遠隔に位置し、典型的には、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、相互にクライアント−サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。
E.哺乳類の呼吸器系をシミュレートする方法
本発明はまた、哺乳類の呼吸器系をシミュレートする方法を提供し、上記方法は、上述したような呼吸器系コンピュータモデルの実行を含む。呼吸器系をシミュレートする方法は、擬似プロトコルをコンピュータモデルに適用して一組の出力を生成し、生体系の表現型を表現することをさらに含む。この表現型は、正常状態または病的状態を表すものとすることができる。特定の実施態様では、上記方法は、コンピュータモデルを実行する前に、1つ以上の数学的表現に関連する1つ以上のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け付けることをさらに含むようにすることができる。ユーザ入力は、擬似患者の定義、または擬似プロトコルの定義を含むことが好ましい。
コンピュータモデルを作動させることにより、コンピュータモデルが表現する生体系についての一組の出力を作成する。この一組の出力は、生体系の1つ以上の表現型、すなわち、シミュレートした患者を表現し、特定の時点における特定の実行シナリオの値、または変数およびパラメータに関連する他の兆候を含む。例えば、表現型は、特定の時点の値で表される。変数の挙動は、例えば、1つ以上の数学的関係の数値または解析積分によりシミュレートされ、様々な時点における変数について値を生成することで、表現型を経時的に展開する。
コンピュータで実行可能なソフトウェアコードは、シミュレートした様々な実験条件下で、モデルの数式を数値的に解決する。さらに、コンピュータで実行可能なソフトウェアコードは、各種の刺激が与えられた異なる患者をシミュレートするために、モデル式およびそれらの関連パラメータの視覚化および操作を容易にすることができる。例えば、「Managing objects and parameter values associated with the objects within a simulation model」と題された米国特許第6,078,739号を参照されたい。このように、コンピュータモデルを用いて迅速に仮説をテストし、潜在的な薬剤標的または治療方針を精査することができる。
1つの実施態様では、上記コンピュータモデルは、生体系の正常状態、および異常(例えば、病気または中毒)状態を表現することができる。例えば、このコンピュータモデルは、異常状態または異常状態への進行をシミュレートするために変更するパラメータを含む。この病状を表現するためのパラメータの変化は、典型的には、例えば、基本的な生理機能に対する病気の遺伝的または環境的影響を表現するために行う病状に関係する基本的な生物学的プロセスの修正である。1つ以上のパラメータを選択および変更することにより、ユーザは正常状態を修正して、当該病状を誘発する。1つの実施態様では、1つ以上のパラメータの選択または変更が自動的に行われる。例示的な呼吸器疾患としては、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、嚢胞性繊維症、呼吸不全、肺浮腫、肺塞栓、肺高血圧症、肺炎、結核症(TB)、および肺癌が挙げられる。
本発明の本実施形態では、擬似的な刺激によって定義される修正とともに、上記コンピュータモデルの各種の数学的関係を、標準的なアルゴリズムを用いて1つ以上の時点における変数の値を上記修正に基づいて生成するコンピュータによって数値的に解決することができる。そして、そのような変数の値を用いて第1の擬似測定の組の第1の結果の組を作成することができる。
上記コンピュータモデルに関連する1人以上の擬似患者を、初期パラメータ値に関連する初期擬似患者に基づいて作成することができる。初期擬似患者に修正を加えることにより、異なる擬似患者を初期擬似患者に基づいて作成することができる。そのような修正としては、例えば、パラメータの変化(例えば、1つ以上の初期パラメータ値の変更または指定)、1つ以上の変数の挙動の変更もしくは指定、変数間の相互作用を表す1つ以上の機能の変更もしくは指定、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。例えば、一旦初期擬似患者を定義すると、初期パラメータ値から開始して、それら初期パラメータ値のうちの1つ以上を変更することにより、初期擬似患者に基づいて他の擬似患者を作成することが可能である。代替的なパラメータ値は、例えば、米国特許第6,078,739号に開示されるように定義することができる。これらの代替的なパラメータ値は、コンピュータモデルの異なる擬似患者を定義するために使用可能な異なるパラメータ値の組に分類することができる。特定のアプリケーションについては、上記初期擬似患者自体を、上記で議論したように、他の擬似患者(例えば、異なる初期擬似患者)に基づいて作成することができる。
あるいは、またはこれとともに、例えば、下記の公報に開示されるように、コンピュータモデル内の1人以上の擬似患者を、関連付けたシミュレーション操作を用いて初期擬似患者に基づいて作成することができる:「Method and Apparatus for Conducting Linked Simulation Operations Utilizing A Computer−Based System Model」、(米国出願公報第20010032068号、2001年10月18日公開)。この公報は、初期シミュレーション操作に基づいてさらなるシミュレーション操作を行なう方法を開示しており、例えば、1つ以上の時点において初期シミュレーション操作に修正が加えられる。本発明の本実施形態では、初期シミュレーション操作を用いて作成される初期擬似患者に基づいてコンピュータモデル内にさらなる擬似患者を作成するために、そのようなさらなるシミュレーション操作を用いることができる。特に、擬似患者をカスタマイズして特定の患者を表現することができる。所望であれば、コンピュータモデルの1人以上の「安定した」擬似患者を作成するために十分な時間だけ1つ以上のシミュレーション操作を行ってもよい。典型的には、「安定した」擬似患者は、均衡もしくは定常状態条件または実質的にそれに近似する条件下の1つ以上の変数を特徴とする。
コンピュータモデルの各種擬似患者は十分に異なる生体系の変動を表現し、所与の療法に対する生体系の反応に関するそのような変動の影響を評価することができる。特に、コンピュータモデルで表現される1つ以上の生物学的プロセスが、その療法に対する生物学的応答を変調する役割を担っていることを特定することができ、各種擬似患者を定義して当該1つ以上の生物学的プロセスの異なる修正を表現することができる。その1つ以上の生物学的プロセスの特定は、例えば、実験もしくは臨床データ、科学文献、コンピュータモデルの結果、またはそれらの組み合わせに基づくようにすることができる。その着目した1つ以上の生物学的プロセスが特定されると、コンピュータモデルに含まれる1つ以上の数学的関係(この1つ以上の数学的関係は当該1つ以上の生物学的プロセスを表す)に対する異なる修正を定義することにより各種擬似患者を作成することができる。数学的関係に対する修正としては、例えば、パラメータの変化(例えば、その数学的関係に関連する1つ以上のパラメータ値の変更または特定)、その数学的関係に関連する1つ以上の変数の挙動の変更もしくは指定、その数学的関係に関連する1つ以上の機能の変更もしくは指定、またはそれらの組み合わせが挙げられる。上記コンピュータモデルは、特定の修正に基づいて、コンピュータモデルの「安定した」構成を作成するために十分な時間だけ作動させてもよい。
特定の実施態様では、呼吸器系モデルを実行しながら、例えば、アレルゲンへの曝露または薬剤の投与を表現する擬似刺激またはプロトコルを適用する。擬似刺激は、生体系に適用可能な刺激または摂動に関連するようにできる。異なる擬似刺激は、何らかの点で相互に異なる刺激に関連するようにできる。生体系に適用可能な刺激としては、例えば、既存のまたは仮説的な治療薬、治療計画、および医学的検査を挙げることができる。刺激の他の例としては、既存のまたは仮説的な疾患前駆症状に対する曝露が挙げられる。刺激のさらなる例としては、環境要因(例えば、抗原)に対する曝露レベルの変化、および身体活動または運動レベルの変化に関係するような環境的変化が挙げられる。
実際の療法を表現する擬似プロトコル、例えば、擬似療法を擬似患者に適用し、その擬似患者に対応する実際の患者がその療法にどのように反応するかを予測することができる。生体系に適用可能な擬似プロトコルとしては、例えば、既存のまたは仮説的な治療薬および治療計画、純粋な時間経過、環境有害物質に対する曝露、運動の増加等が挙げられる。擬似患者に擬似プロトコルを適用することによって、その擬似プロトコルに関する一組の結果を作成して療法の各種効果を示すことができる。
特定の用途については、擬似プロトコルを、例えば、モデルに含まれる1つ以上の数学的関係(この1つ以上の数学的関係はその擬似プロトコルに関連する症状または効果に影響される1つ以上の生物学的プロセスを表現することができる)に対する修正を定義することにより作成することができる。擬似プロトコルは、その擬似プロトコルに関連する特定の症状および/または効果に応じて、静的に、動的に、またはそれらの組み合わせて加えられる修正を定義することができる。
本発明の特定の実施態様では、上記コンピュータモデルは、長時間作用性β−アゴニスト(例えば、硫酸アルブテロールまたはフォルモテロール)、短時間作用性β−アゴニスト(例えば、アルブテロール、ビトイテロール(bitoiterol)、ピルブテロール、テルブタリン、またはレバルブテロール)、組み合わせ療法(例えば、臭化イプラトロピウム+アルブテロール(Combivent(登録商標))、またはフルクチカゾン(flucticasone)+サルメテロール(Advair(登録商標)))、メチルキサンチン(例えば、テオフィリン)、吸入コルチコステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、またはトリアムシロノン)、経口コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン)、肥満細胞安定化薬(例えば、クロモグリク酸ナトリウム、またはネドクロミルナトリウム)、ロイコトリエン修飾薬(例えば、ザフィルルカスト、ジレウトン、またはモンテルカスト)、抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウム)、気管支拡張剤(bronchodialators)、抗消炎剤、抗TNF−α療法、抗生物質、IL−13拮抗薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、抗PAF、抗IL−5、抗IgE、および免疫系修飾薬(例えば、オマリズマブ)からなる群から選択された治療薬の療法または作用をシミュレートすることが可能である。
1つの実施態様では、CysLT受容体拮抗薬療法を図26に記載のようにシミュレートする。CysLT受容体拮抗薬により、特に、浮腫を生じる細胞、粘液分泌細胞、神経細胞においてCysLT受容体結合が減少する。CysLT受容体結合の減少範囲は、CysLT受容体拮抗薬による受容体の効果的な結合、および受容体拮抗薬の結合に対するCysLTの結合率により調節される。この療法のシミュレーションには、図26のCysLT受容体拮抗薬について示すように、治療薬の薬物動態を考慮に入れることもできる。同様に、上記モデルは、図27のCysLT受容体拮抗薬について示すように、治療薬の薬力動態をシミュレートすることができる。
1つの実施態様では、ベータ−2アドレナリン受容体(β−AR)アゴニスト療法を図28に記載するようにシミュレートする。短時間作用性β−ARアゴニストおよび長時間作用性β−ARアゴニストは、気道に直接投与するか、または消化(GI)管を介して投与してもよい。それぞれβ−ARアゴニストの血漿および気道レベルに影響を与え、最終的にはβ−AR活性の量に影響する。他の実施態様では、グルココルチコイドステロイドまたはヒスタミン受容体拮抗薬療法を図29に記載のようにシミュレートすることができる。各種のモノクローナル抗体療法を図30に記載のようにシミュレートすることができる。さらに他の実施態様では、PDE4阻害剤療法を図31〜図33に記載のようにシミュレートする。
本発明のコンピュータモデルを用いて1つ以上の生体指標を特定することができる。生体指標は、特定の結果を推測または予測するために評価可能な生物学的特徴を指す場合がある。例えば、生体指標により、療法の効果、生物活性、安全性、または副作用の予測することができる。生体指標を特定し、患者を識別するために使用可能なテストを選択または作成することができる。特定の目標が患者に対する推薦療法の特定であれば、反応者と非反応者を識別する生体指標で十分である。同様に、生体指標を特定して患者を診断または分類することができる。例えば、本発明のコンピュータモデルを利用して、βアゴニストを用いた治療においてFEVおよび症状回復の割合に基づいて喘息患者の症状に対する閉塞および狭窄の相対的寄与率を判定することができる。閉塞および狭窄の相対的寄与率の特定により、患者にとって適切な療法を見つけることができる。さらに、生体指標を特定して療法に対する患者の実際の反応を監視することができる。
本発明の1つの局面は、擬似プロトコルを用いずに本発明のコンピュータモデルを実行することにより第1の結果の組を用意して1つ以上の生体指標を特定すること;擬似プロトコルに基づいてコンピュータモデルを実行して第2の結果の組を用意すること;第1の結果の組と第2の結果の組とを比較すること;1つ以上の変数またはパラメータと予め選択した生物学的特徴を示す擬似測定の相関関係を特定することを含む。相関変数および/またはパラメータは、第1のまたは第2の結果の組の一方にだけ存在することが好ましい。
1つ以上の標準的な統計的テストに基づいて、2つ以上の擬似測定の結果が実質的に相関関係にあることを判定することができる。相関関係を特定するために使用可能な統計的テストとしては、例えば、線形回帰分析、非線形回帰分析、および順位相関テストを挙げることができる。特定の統計的テストに従って、相関係数を判定することができ、その相関係数が特定の範囲内に該当するという判定に基づいて、相関性を特定することができる。相関係数の例としては、線形回帰分析に関連する統計品質rの適合度、および順位相関テストに関連するスピアマン順位相関係数rsが挙げられる。
上記コンピュータモデルにおける擬似患者をコンピュータモデルのパラメータについての特定の値の組に関連させることができる。よって、擬似患者Aが第1のパラメータ値の組を含み、擬似患者Bが第1のパラメータ値の組とはなんらかの点において異なる第2のパラメータ値の組を含むようにしてもよい。例えば、第2のパラメータ値の組は、第1のパラメータ値の組に含まれる対応するパラメータ値と異なる少なくとも1つのパラメータ値を含んでもよい。同様に、擬似患者Cが第1および第2のパラメータ値の組となんらかの点において異なる第3のパラメータ値の組に関連するようにしてもよい。
上記療法に対する生物学的応答を変調する生物学的プロセスは、知識差または不確実性に関連させることができ、上記コンピュータモデルの各種擬似患者を、知識差に関する妥当性を有する異なる仮説または解答を表現するように定義することができる。一例として、気道平滑筋(ASM)収縮に関連する生物学的プロセスを、喘息の治療法に対する生物学的応答を変調する役割を担うものとして特定することができる。炎症仲介物質がASM収縮に影響することが理解できる一方で、ASM収縮に対する異なる種類の炎症仲介物質の相対的な影響、および異なる種類の炎症仲介物質のベースライン濃度は十分に理解できないことがある。そのような場合には、異なるベースライン濃度の炎症仲介物質を有するヒト患者を表すように各種擬似患者を定義することができる。「Hypothesis Sensitivity Analysis」と題された同時係属中の米国仮出願第60/691,809号に記載されるように、知識差を特定して調べることができる。
呼吸器系のコンピュータモデルの開発に用いられる方法の概要を示す。 例示的な呼吸器系モデルの概略図である。 気道閉塞、気道狭窄、および他の関連生物学的プロセスのモジュールを関連付ける例示的な概略図を示す。 FEV1によって測定される浮腫、粘液、および気道平滑筋の肺機能に対する寄与を示す例示的な影響図である。 上皮および感覚神経の集団動態および仲介物質産生を示す例示的な影響図である。 マクロファージ集団動態を示す例示的な影響図である。 マクロファージによる仲介物質産生を示す。 単球/マクロファージ管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 肥満細胞集団動態を示す例示的な影響図である。 肥満細胞による仲介物質産生を示す。 肥満細胞管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 好酸球集団動態を示す例示的な影響図である。 好酸球による仲介物質産生を示す。 好酸球管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 好塩基球集団動態を示す例示的な影響図である。 好塩基球による仲介物質産生を示す。 好塩基球管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 好中球集団動態を示す例示的な影響図である。 好中球による仲介物質産生を示す。 好中球管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 T細胞集団動態を示す例示的な影響図である。 T細胞による仲介物質産生を示す。 T細胞管外遊出/動員の調節を示す例示的な影響図である。 呼吸器系モデルにおける抗原、IgEおよびFcε受容体の結合動態を示す例示的な影響図である。 呼吸器系モデルにおける内皮接着分子発現の調節を示す例示的な影響図である。 呼吸器系モデルに対するCysLT受容体拮抗薬を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。CysLT受容体拮抗薬の拮抗薬療法および薬物動態から生じたモデルに対する修正を示す。 呼吸器系モデルに対するCysLT受容体拮抗薬を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。呼吸器系モデルにおけるCysLT受容体拮抗薬薬力動態の影響を示す。 呼吸器系モデルに対する短時間作用性および長時間作用性ベータアドレナリンアゴニスト療法の薬物動態を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。 グルココルチコステロイドおよびヒスタミン受容体拮抗薬療法の実施による呼吸器系モデルに対する変化を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。 呼吸器系モデルに対する可溶性IL−4受容体療法、抗IL−5mAb療法、および抗IL−13mAb療法を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。 呼吸器系モデルに対するPDE4(環状ホスホジエステラーゼ4)阻害剤療法を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。PDE4阻害剤の薬物動態のモデル表現を示す。 呼吸器系モデルに対するPDE4(環状ホスホジエステラーゼ4)阻害剤療法を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。呼吸器系モデルにおけるPDE4阻害剤薬力動態の影響を示す。 呼吸器系モデルに対するPDE4(環状ホスホジエステラーゼ4)阻害剤療法を表す擬似プロトコルの適用を示す例示的な影響図である。呼吸器系モデルにおけるPDE4阻害剤薬力動態の影響を示す。

Claims (20)

  1. 哺乳類の呼吸器系モデルを開発する方法であって、該方法は、
    該呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;
    該呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;
    各生物学的プロセスを数学的に表現して、該呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスの1つ以上の動的表現、および該呼吸器系の狭窄に関連する生物学的プロセスの1つ以上の表現を生成する工程と;
    該生物学的プロセスの表現を組み合わせて該呼吸器系モデルを形成する工程と、
    を包含する、方法。
  2. 前記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する1つ以上の生物学的プロセスを特定する工程と;
    生体力学的リモデリングに関連する各生物学的プロセスを数学的に表現し、生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスの1つ以上の表現を生成する工程と、をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する生物学的プロセスは、組織過形成に関連する生物学的プロセス、気道コンプライアンスに関連する生物学的プロセス、または組織コンプライアンスに関連する生物学的プロセスである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記呼吸器系の閉塞に関連する生物学的プロセスは、浮腫に関連する生物学的プロセス、または粘液に関連する生物学的プロセスである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記浮腫に関連する生物学的プロセスは、上皮剥離、血管透過性、および炎症仲介物質のうちの少なくとも1つに反応する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記粘液分泌に関連する生物学的プロセスは、上皮剥離、血管透過性、粘液分泌、および炎症仲介物質のうちの少なくとも1つに反応する、請求項4に記載の方法。
  7. プロセッサによる実行時に該プロセッサに哺乳類の呼吸器系をシミュレートさせるコンピュータで読取可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体であって、さらに、該命令は、
    a) 該哺乳類の呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程であって、少なくとも1つの表現が他の生物学的プロセスに応じて変化する、工程と;
    b) 該哺乳類の呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;
    c) 該生物学的プロセスの表現間の数学的関係の組を定義して該呼吸器系モデルを形成する工程と、
    を包含する、媒体。
  8. 前記命令は、前記呼吸器系の生体力学的リモデリングに関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
  9. 前記命令は、前記数学的表現の1つ以上に関連する1つ以上のパラメータを指定するユーザ入力を受け付ける工程をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
  10. 前記命令は、前記数学的表現の1つ以上に関連する1つ以上の変数を指定するユーザ入力を受け付ける工程をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
  11. 前記命令は、前記呼吸器系モデルに擬似プロトコルを適用する工程をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
  12. 前記擬似プロトコルは、治療計画、診断手順、時間の経過、環境有害物質に対する曝露、または運動を表す、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
  13. 前記命令は、1人以上の擬似患者を定義する工程をさらに含む、請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
  14. 哺乳類の呼吸器系をシミュレートする方法であって、該方法は、請求項7に記載の呼吸器系のコンピュータモデルを実行する工程を包含する、方法。
  15. 前記コンピュータモデルに擬似プロトコルを適用して、前記生体系の表現型を表す一組の出力を生成する工程をさらに包含する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記擬似プロトコルは、治療計画、診断手順、時間の経過、環境有害物質に対する曝露、または運動を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記表現型は病的状態を表す、請求項15に記載の方法。
  18. 前記コンピュータモデルを実行する前に、1つ以上の数学的表現に関連する1つ以上のパラメータまたは変数を指定するユーザ入力を受け付ける工程をさらに包含する、請求項14に記載の方法。
  19. 前記ユーザ入力は擬似患者の定義を含む、請求項18に記載の方法。
  20. a) プロセッサによる実行時に該プロセッサに哺乳類の呼吸器系をシミュレートさせるコンピュータで読取可能な命令を格納したプロセッサであって、該コンピュータで読取可能な命令は、
    i) 該哺乳類の呼吸器系の閉塞に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;
    ii) 該哺乳類の呼吸器系の狭窄に関連する1つ以上の生物学的プロセスを数学的に表現する工程と;
    iii) 該閉塞に関連する生物学的プロセスの表現と狭窄に関連する生物学的プロセスの表現間の数学的関係の組を定義する工程と;
    iv) 該数学的関係の組に擬似プロトコルを適用して一組の出力を生成する工程とを含む、プロセッサと;
    b) 第1のユーザ端末であって、該コンピュータで読取可能な命令により定義される1つ以上の数学的表現に関連する1つ以上のパラメータを指定するユーザ入力を受信するように動作可能な第1のユーザ端末と;
    c) 第2のユーザ端末であって、該一組の出力を第2のユーザに与えるように動作可能な第2のユーザ端末と、
    を備えたシステム。
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