JP2009522262A - 生物起源のシリカ材料を含む歯磨剤 - Google Patents

生物起源のシリカ材料を含む歯磨剤 Download PDF

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Abstract

独自の研磨性生物起源シリカ材料を含む独自の歯磨剤を提供する。そのような組成物は、単独でも又は他の種類の研磨剤と組み合わせてもすぐれた研磨特性を示す。そのような組合せにおいては(一例として沈降シリカ材料との)、高い被膜清掃性と穏やかな象牙質研磨レベルが同時に可能であるので、そのような生物起源シリカ添加剤がたとえ少量でも歯の表面を有害に研磨することなく該表面を効果的に清掃する歯磨剤をユーザーに提供することができる。そのような生物起源シリカ粒子は、このように驚くほど有益な性質を歯磨剤組成物において提供する。本発明に包含されるのは、歯磨剤におけるそのような生物起源シリカ製品の、主たる研磨剤成分としての又はいずれかその他の種類の常用研磨材料と組み合わせての利用法である。

Description

発明の分野
本発明は、独自の研磨性生物起源シリカ材料を含む独自の歯磨剤に関する。そのような組成物は、単独でも又は他の種類の研磨剤と組み合わせてもすぐれた研磨特性を示す。そのような組合せにおいては(一例として沈降シリカ材料との)、高い被膜(ペリクル)清掃性と穏やかな象牙質研磨レベルが同時に可能であるので、そのような生物起源シリカ添加剤がたとえ少量でも、歯磨剤の研磨性を低減しつつ効果的に歯表面を清掃する歯磨剤をユーザーに提供することができる。そのような生物起源シリカ粒子は、このように驚くほど有益な性質を歯磨剤組成物において提供する。本発明に包含されるのは、歯磨剤におけるそのような生物起源シリカ製品の、主たる研磨剤成分としての又はいずれかその他の種類の常用研磨材料と組み合わせての利用法である。
先行技術の背景
研磨物質は、被膜を含む様々な付着物を歯の表面から除去するために従来の歯磨剤組成物にも通常含まれている。被膜は固く付着し、褐色又は黄色の材料を含有することも多いため歯の変色を招く。清掃は重要であるが、研磨剤は歯を損傷するのであまり攻撃的でないほうがよい。理想的には、効果的な歯磨剤の研磨材料は、被膜は最大限除去するが、歯の硬組織に対する研磨及び損傷は最小限にとどめるものである。結果的に、とりわけ、歯磨剤の性能は研磨成分による研磨の程度に非常に左右される。従来、研磨清掃材料は流動性乾燥粉末の形態で歯磨剤組成物に導入されていた。あるいは、歯磨剤の製剤前又は製剤時に調製された流動性乾燥粉末形の研磨剤の再分散によって導入されていた。また、より最近では、そのような研磨剤がスラリー形で提供されるようになり、貯蔵、輸送、及び標的歯磨剤への導入が容易になっている。
合成の低構造性シリカ製品がそのような目的に利用されているが、それは該材料の研磨剤として提供する有効性のほか、低毒性及び他の歯磨剤成分(一例を挙げるとフッ化ナトリウムなど)との適合性のためである。合成シリカ製品を製造する場合、その目的は最大の清掃性と硬い歯表面への最小の衝撃性を提供するシリカ製品を得ることである。歯科研究者はそうした目的に適合する研磨材料を見つけることに絶えず取り組んでいる。
そのような成分は、歯磨剤組成物内において、活性成分との適合性、適切な歯磨剤の形態(機能的にもユーザーの審美眼的にも)のために製剤中でレオロジー改質を示す能力、そして費用効果的であると同時に十分な研磨及び清掃性能を有する存在量という点に関して、成分として通用するものでなくてはならない。歯磨剤及びその他の類似ペースト材料は、粘度上昇、立ち上がり、ブラシ垂れなどの制御を改良するために適切なレオロジー特性を示す必要がある。練り歯磨き剤の場合、例えば、消費者の求めるいくつかの要件を満足できる安定なペーストの提供が求められている。消費者の求める要件とは、例えば、圧をかけることにより(すなわちチューブを絞り)容器(チューブなど)から寸法安定性のあるペーストとして移し替えられるが、そうした圧を取り除けば元の状態に戻る能力、歯ブラシヘッドにそのようにして容易に移し替えることができ、そのような移動後はチューブから連続的に流れ出さない能力、ブラシ上で使用前及びブラッシング前に標的の歯に適用する際に寸法安定性を維持する性向、そして少なくともユーザーの利益のために審美目的にかなう適切な口当たりの提供などであるが、これらに限定されない。
一般的に、歯磨剤は、口腔ケア製品の適切な懸濁及び送達を可能にするための大半を占める一つ又は複数の湿潤剤(例えば、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコールなど)、対象歯の適切な機械的清掃及び研磨のための研磨剤(例えば典型的には沈降シリカ)、水、並びにその他の活性成分(例えば虫歯予防利益のためのフッ化物系化合物)及び発泡性や感覚に訴えるその他の機能を提供するその他の成分で構成される。そのような歯磨剤に適切なレオロジー利益を付与する能力は、増粘剤(例えば含水シリカ、ハイドロコロイド、ガムなど)の適切な選択及び利用を通じて、そのような重要な湿潤剤、研磨剤、及び虫歯予防成分を適切に含有させるための適正な支持ネットワークを形成させることによって得られる。
いくつかの水不溶性研磨剤が歯磨剤組成物に使用又は記載されている。これらの研磨剤は、天然及び合成の研磨粒子材料を含む。一般に知られている合成研磨剤は、アモルファス沈降シリカ製品及びシリカゲル及び沈降炭酸カルシウム(PCC)などである。歯磨剤用のその他の研磨剤は、チョーク、炭酸マグネシウム、リン酸二カルシウム及びその二水和物形、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、メタリン酸カリウム、オルトリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、パーライトなどである。
特に、合成的に製造された沈降性低構造性シリカ製品は、それらの清掃能、相対的安全性、及び湿潤剤、増粘剤、フレーバー、虫歯予防剤などの典型的な歯磨剤成分との適合性のために、歯磨剤の研磨成分として使用されている。知られているように、合成沈降シリカは一般的に、可溶性アルカリケイ酸塩から、鉱酸及び/又は酸性ガスの添加によるアモルファスシリカの不安定化及び沈降によって製造される。そのときの製造条件は、最初に形成される一次粒子は互いに会合して複数の集合体(aggregate、すなわち一次粒子の離散クラスター)を形成する傾向にあるが、三次元ゲル構造に凝集(agglomeration)しない条件下で行われる。得られた沈降物は、反応混合物の水性フラクションから、ろ過、洗浄、及び乾燥工程によって分離される。次いで該乾燥生成物は、適切な粒径及びサイズ分布にするために機械的に粉砕される。
シリカの乾燥工程は、噴霧乾燥、ノズル乾燥(例えばタワー又は噴水)、ホイール乾燥、フラッシュ乾燥、ロータリーホイール乾燥、オーブン/流動床乾燥などを用いて従来式に達成される。
ところが実際は、ある種の従来型研磨材料は、清掃の最大化と象牙質研磨の最小化に伴う限界に多少なりとも苦しんでいる。原料の輸送、購入、及び最終的な改質に関する問題を含めて集約的な製造手順に関する複雑さは言うまでもない。そのような原料は、ケイ砂及び鉱酸(例えば硫酸)などであるが、それら自体の輸送、利用、精製、貯蔵、及び最終廃棄物処理における問題を含んでいる。それらの完成研磨剤製品は優れた歯科処置結果を示しているが、製造及び/又は最終用途製剤への配合が容易な新規タイプの歯科用研磨剤(及びその歯磨剤)の開発を求める一般的ニーズが常にある。
さらに、歯の研磨及び清掃特性を最適化するための従来の能力と言えば、一般的にそのような目的に使用される個々の沈降シリカ成分の構造を制御することくらいであった。そのような歯磨剤用の沈降シリカ構造の改質例は、Wasonの米国特許第3,967,563号、3,988,162号、4,420,312号、及び4,122,161号、Aldcroftらの米国特許第4,992,251号及び5,035,879号、Newtonらの米国特許第5,098,695号、並びにMcGillらの米国特許第5,891,421号及び5,419,888号のような文献中の技術に記載されている。シリカゲルの改質も、McGillらの米国特許第5,647,903号、Dewolf,IIらの米国特許第4,303,641号、Seybertの米国特許第4,153,680号、及びPaderらの米国特許第3,538,230号のような文献中に記載されている。これらの開示物は、歯磨剤の利益のために被膜清掃能の向上と象牙質研磨レベルの削減を付与するためにそのようなシリカ材料に施した改良を教示している。しかしながら、これらの典型的改良は、歯磨剤製造業者がそのような個々の材料を異なる量で他の類似成分と共に配合して異なる結果レベルの清掃及び研磨特性を達成できるような好適な性質水準を提供する能力に欠けている。こうした限界を補うために、異なる目標レベルを可能にする様々なシリカの組合せを提供しようとする試みがなされてきた。異なる粒径及び比表面積の組成を伴うそのようなシリカの組合せが、Karlheinz Schellerらの米国特許第3,577,521号、Macyareaらの米国特許第4,618,488号、Muhlemannの米国特許第5,124,143号、及びPlogerらの米国特許第4,632,826号に開示されている。しかしながら、そのようにして得られた歯磨剤は、所望レベルの研磨性と高い被膜清掃性を同時に提供できていない。
ある構造の沈降シリカとシリカゲルの物理的混合物を提供しようとする別の試みもなされている(特にRiceの米国特許第5,658,553号の中で)。シリカゲルはエッジを見せるので、たとえ低構造型であっても理論的には沈降シリカよりも大きく表面を研磨する能力を発揮することは一般に認められている。従って、この特許においてそのような材料を一緒にブレンドしたことは、沈降シリカ単独の場合より制御されてはいるが高いレベルの研磨と高い被膜清掃能とを合体させたという点で、当時は改良を提供した。該開示において、別個に製造され共配合されたシリカゲルと沈降シリカは、PCR(pellicle cleaning ratio)及びRDA(radioactive dentin abration)レベルの向上を可能にするが、非常に高いPCR結果を示す従来シリカの場合より低い研磨特性に関して明らかに大きな調整を要することが示されている。残念ながら、これらの結果は確かに正しい方向へのステップではあるが、十分に高い被膜清掃性と同時に、被膜の除去が有害な象牙質破壊を招くことなく達成できるような低い放射性象牙質研磨特性を示すシリカ系歯科用研磨剤を提供するという、まだ大きく満たされていないニーズがある。実際、歯科用シリカ業界内で以前に提供されていたものよりも著しく高いPCRレベル対RDAレベルを示す低研磨製品が求められている。繰り返すが、Rice特許は望ましい研磨特性へのスタートにすぎない。異なる形態の物理的混合シリカの組合せの利益を、非常に高レベルの被膜清掃と比較的低い〜中程度の象牙質研磨で提供する方法はこのように現時点では業界に殆どない。そこで、製造時の複雑さがあまり要求されない歯磨剤用の新たな可能性ある研磨シリカが歯磨剤へのドロップイン(drop-in)成分として入手でき、そのレオロジー挙動及び/又は改質が予測可能であり、他の標準的歯磨剤成分との適合性を示し、歯の研磨品質に関して優れた結果を有し、業界内での費用を削減する可能性があるだけでなく注文どおりの研磨レベルを持つ改良された被膜清掃を提供できれば、歯磨剤業界で特に有用な進歩となるであろう。しかしながら、今日までそのような改良はまだなされていない。
本発明の利点及び要旨
ある種の生物起源シリカ、すなわち籾殻由来のシリカが、歯磨剤における単独の研磨成分としても又はその他の研磨材料と組み合わせた共添加剤としても、非常に効果的な歯の研磨結果を提供できることが見出された。その特別の利点は、特別に選ばれた共添加剤の研磨化合物との組合せを通じて、所望の被膜清掃比(PCR)対放射性象牙質研磨値(RDA)比を調整できる能力である。特別に選ばれた共添加剤とは、それらの一般的研磨品質及び標的歯磨剤中に存在する籾殻由来のシリカの量に対するそれらの割合に関して特別に選ばれた共添加剤ということである。
特に、籾殻由来のシリカとその他の歯科用研磨剤(例えば沈降シリカ、炭酸カルシウムなど)との組合せは、非常に望ましい低い範囲の放射性象牙質研磨結果に比べて高レベルの可能性がある被膜清掃性を提供するようであるので、最終ユーザーに対して研磨からの保護には大きな余裕を提供しながら最適化された清掃が提供される。
そのような籾殻由来シリカ製品を歯磨剤に利用することは、驚くほど効果的な研磨特性を提供することが分かった。他の公知の歯科用研磨剤と組み合わせると、そのような組合せによって効果的な被膜清掃と同時に低レベルの(しかし効果的な)研磨が可能になるという点において結果は極めて予想外である。総合結果は、そのような総合研磨剤の被膜清掃及び放射性象牙質研磨特性を向上させる可能性を提供するものであることが分かった。そのような能力は、歯磨剤業界内のあるレベルのニーズを満たすものである。なぜならば、高い被膜清掃比(PCR)性と同時に低い放射性象牙質研磨(RDA)結果を示す研磨剤又は研磨剤の組合せの可能性が長い間追求され続けてきたからである。研磨成分として歯磨剤中に(全研磨剤の)約20重量%まで添加すると、これらの特性におけるそのような増加はプラトーになるようである(驚くべきことに1.0に非常に近い比率まで)。しかしながら、その量が過剰になると、この比率は著しく低下しうる。歯磨剤への添加が20重量%を超えると、その比率はほとんどの場合0.80未満に低下するといった具合である。さらに、籾殻由来シリカが存在する唯一の研磨剤である場合、その比率はさらに低く0.71未満に低下する。しかしながら、各分類におけるそのようなPCR:RDA比は、歯磨剤中に見られるいずれかその他の研磨剤の清掃及び研磨レベルにも依存するようである。
本明細書中で使用しているすべての部、パーセンテージ及び比率は特に明記しない限り重量による。本明細書中に引用したすべての文献は参照によって本明細書に援用する。
従って、製剤及び製造の簡便性のために籾殻由来シリカを唯一の研磨剤として含む歯科用研磨剤を提供するのが本発明の一つの利点である。本発明の別の利点は、所望のPCR及びRDAのレベルの性質を特別の最終用途に所望される結果に適合するように調整できることである。この調整は、同時に存在する選択された量のその他の研磨剤と共に導入された籾殻シリカの量に応じて行われる。さらに本発明の利点は、籾殻由来シリカを含有する研磨材料を含む歯磨剤を提供することである。該歯磨剤は、存在するそのような研磨材料の量にも応じて様々なPCR対RDA比を示す。
従って、本発明は、籾殻シリカ由来の研磨剤を含み、所望によりいずれかその他の歯科用研磨成分も含む歯磨剤を包含する。前記歯磨剤は、最大で0.70のPCR:RDA;あるいはそのような比率が0.70を超えて0.80まで;及び第二の選択肢として0.80を超える比率を示す。
一般的に、合成沈降シリカは、希アルカリケイ酸塩溶液を強鉱酸水溶液と、ゾル及びゲルへの凝集が起こりえない条件下で混合し、撹拌し、次いでろ過して沈降シリカを取り出すことによって製造される。得られた沈降物は次に洗浄、乾燥され、そして所望サイズに粉砕される。一つのそのような例は、McGillらの米国特許第5,891,421号に見ることができる。
好適な生物起源シリカ材料は、米国特許第6,406,678号に見られるように籾殻から誘導される。そのようなシリカ製品の製造法は該特許に十分記載されており、該特許はその範囲で引用によって本明細書に援用する。そのような製造法の記載自体は、該引用文献に提供されているように次の通りである。
籾殻に含有されるシリカの量は、それが育った地理的地域、及び米の品種によって多少変動しうるが、籾殻のシリカ含有量は一般的に乾燥重量の13〜15%の範囲である。ほとんどの生物起源材料、例えば籾殻に含有されているシリカは、実質的にすべてが非常に望ましいアモルファス形であるが、多くのその他の不純物、特にリグニン及びセルロースのような長鎖炭化水素(カルシウム、マグネシウムなど及びそれらの化合物のような多数の無機鉱物も含む)の生物起源マトリックス中に結合されている。籾殻シリカは、生物起源材料中に見られるその他の不純物、主としてその炭化水素からのシリカの必要な分離を要する。炭化水素の除去後、残留する少量の無機鉱物は容易に実質的に除去できる。最終製品は、微粉砕された白色粉末の高純度アモルファスシリカである。
籾殻シリカ生成の第一のステップ(所望による)は籾殻のクリーニングである。典型的には、このステップは、籾殻をふるいにかけて、茎、汚れや泥の塊、葉及びその他の大きい物を籾殻から除去し、その後籾殻を水(界面活性剤を含有する水性溶液)で洗浄して籾殻の湿潤性を高める。水性界面活性剤溶液による籾殻の洗浄は、細断(シュレッド)、圧潰(クラッシュ)又はその他の従来手段による籾殻の微粉砕もそうであると考えられているのと同様に、次のステップの酸化溶液の吸収を促進する。従って、この製造スキームでは、プロセス促進のために籾殻をふるいにかけ、界面活性剤溶液で洗浄し、そして微粉砕する。しかしながら、これらのステップは必須でないことに注意する。これらのステップを採用しなくても、高純度のアモルファスシリカは籾殻から抽出できる(ただし次のステップにかかる時間は増大しうる)。
所望による籾殻のクリーニング及び粉砕の後は、それらを水(高めた温度でありうる)に浸漬する所望によるステップである。籾殻を、高めた温度でありうる水、好ましくは高めた温度の水にそのように浸漬することは、様々な可溶性不純物をそれから除去し、籾殻の多孔性を増大する(次のステップで酸化溶液による浸透をより受けやすくなる)。また、籾殻に含有されるリグニン及びセルロースにも何らかの有益な変化をもたらしうる。籾殻を水の沸点付近で12時間以上浸漬すると、それらを水性酸化溶液に浸漬することによって籾殻の有機物を削減する次のステップが促進されることが観察されている。
籾殻シリカ製造スキームの第一の必須ステップは、酸化溶質を含有する水性溶液中に籾殻を浸漬することによって籾殻の有機物を削減することである。これは、任意の数の物質、例えば多くの塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、過マンガン酸塩及びある種の過酸化物化合物(例えばフェントン試薬)を用いて達成できる。それらは好適ではないが、本発明に包含される。過酢酸が好適な酸化溶質である。なぜならば、その残渣はプロセスの最終ステップ(所望による)で容易に除去できるからである。しかしながら、過酸化水素は、その使用後における唯一の残留物は水であるため、最も好適な酸化剤である。籾殻の有機物の完全削減を確実にするために過酸化物が籾殻の処理中に完全に使い尽くされなかった場合(典型的なことであるが)、残留酸素は短時間にわたって自然発生する。この発生は、加熱、機械的撹拌、電解又は様々なその他の公知手段によって促進できる。従って、本明細書中に開示された方法は非常に環境に優しいものである。
本発明の好適な態様の過酸化水素(水溶液中に含有される)の初期用量は、1キログラムの籾殻あたり約0.1モルの過酸化水素(約3.4gの過酸化水素)を含有する。そのような溶液の温度を上げると、籾殻に対する作用が加速することに注意する。前記溶液の温度を90〜100℃の範囲に6〜8時間にわたって維持すると十分効果的であることが見出された。100℃を超える温度を用いると圧力容器の使用が必要になる。削減は少なくとも室温以下の温度でも可能であるが、温度が低いと削減に要する時間が指数関数的に増加しがちであることに注意する。従って、(本発明に)包含されるが好適ではない。過酸化水素の初期用量は、削減中モニタリングによって少なくとも一部の未反応過酸化物が溶液中に十分な時間残存し、籾殻の有機物の所望の削減が達成されることが保証される限り、実質的に少なくてもよい。
上記削減ステップの後、籾殻を水で徹底的に濯いでもよく、好ましくは次に水分含有量10重量%以下にまで乾燥させる。籾殻の濯ぎは、行う場合、濯ぎ水自体がシリカへの望ましくない不純物に寄与しないように、鉄又は重金属含有量の極めて低い脱イオン水又はさらには蒸留水のような、なるべく純粋な水で行うべきである。
乾燥はいずれかの従来手段によって実施できるが、熱風による乾燥が好適である。なぜならば、本明細書中に開示された方法は、容易に利用できる熱源を作り出すからである。籾殻からの有機物の削減ステップ後、そして好ましくは前述のような濯ぎ及び乾燥後、次に籾殻を“焼く”(酸素化ガスの存在下、熱によって燃焼、又は酸化する)。籾殻を焼く好適な温度範囲は約500〜950℃である。該範囲より実質的に低い温度では籾殻の炭素質不純物が完全酸化するのに過度に長い時間がかかり、ある点では全く酸化しなくなることもある。該範囲より実質的に高い温度では、不純物、特に炭素質不純物の局所的発熱酸化のために発生するホットスポットが一部のシリカをアモルファス形から結晶形に変換し始めるリスクが増大するので望ましくない。
籾殻は前述のように酸素含有ガスの存在下、高めた温度で酸化される。すべての籾殻の良好な酸素化を確実にするために、典型的には籾殻を薄床に置き、それに上方向の気流を通す。籾殻の酸化は空気中約600℃でとても迅速に起こるので、籾殻が温度設定点に達するまでに、視覚的に検出可能な炭素残渣なしに微細な白色アモルファスシリカへの酸化が完了する。
シリカは安定で極めて多孔性で水及び酸(フッ化水素以外)に不溶性であるという事実により、酸化後に残留するカルシウム化合物のような特別の不純物を除去するために設計された様々な酸及びその他の溶液でさらに洗浄、濯ぎ、フラッシュを行うことができる。
発明的な籾殻由来シリカ研磨組成物は、歯磨剤(dentifrice)、練り歯磨き(toothpaste)などの口腔清掃組成物の製造におけるすぐに使える(ready-to-use)添加剤である。特に練り歯磨き製造プロセスにおける原料として適している。他の研磨剤(例えばJ.M.Huber CorporationがZEODENT(登録商標)の商品名で提供するいずれかの製品)と混合する場合、そのような研磨剤は任意の量で添加してよいが、一般的には高いPCR:RDA比(0.80より大)の場合、その量は存在する研磨剤の総量の最大でも20重量%、そのような特性の比率が低い場合(0.70より大きく0.80まで)、その量は20%を超えて50重量%まで、そして比率が0.70未満の場合、その量は籾殻由来シリカの50重量%を超える。
発明的な籾殻由来シリカ研磨組成物は、本発明の歯磨剤組成物中に提供される清掃剤成分として単独で利用できるが、少なくとも高清掃カテゴリーの材料の場合、中程度に高いRDAレベルは一部の消費者には受け入れ難いであろう。そこで、この点に関しては発明的複合材料と、それと物理的にブレンドされた他の研磨剤とを適切な歯磨剤の中で組み合わせることが、目標とする歯の清掃及び研磨結果を所望の保護レベルと一致させるために好ましいかもしれない。従って、任意の数の他の従来型研磨添加剤が、本発明に従って発明的歯磨剤中に存在してもよい。その他のそのような研磨粒子は、例えば、沈降炭酸カルシウム(PCC)、重質炭酸カルシウム(GCC)、リン酸二カルシウム又はその二水和物形、シリカゲル(あらゆる構造のもの)、アモルファス沈降シリカ(単独で、及びあらゆる構造のもの)、パーライト、二酸化チタン、ピロリン酸カルシウム、水和アルミナ、焼成アルミナ、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、不溶性炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウムなどであるが、これらに限定されない。これらを、目標とする製剤(例えば歯磨剤など)の研磨特性を調整するために、また所望であれば、所望の研磨組成物中に導入することができる。
研磨剤(前述のように、籾殻シリカ単独でも籾殻シリカといずれかその他の研磨材料との組合せでもよい)は、歯磨剤組成物に配合する場合、約5重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約10重量%〜約35重量%の量で存在する(特に歯磨剤が練り歯磨きの場合)。本発明の研磨組成物を配合した総合歯磨剤又は口腔清掃剤は、好適には下記の可能な成分及びその相対量を含むことができる(すべての量ともwt%)。
Figure 2009522262
さらに、前述のように、発明的研磨剤は、その他の研磨材料、例えば沈降シリカ、シリカゲル、リン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、メタケイ酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、アルミナ、焼成アルミナ、ケイ酸アルミニウム、沈降及び重質炭酸カルシウム、チョーク、ベントナイト、粒状熱硬化性樹脂、及び当業者に公知のその他の適切な研磨材料と共に使用してもよい。
研磨成分のほかに、歯磨剤は一つ又は複数の感覚刺激向上剤を含有していてもよい。感覚刺激向上剤は、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、フレーバー、着色剤及び増粘剤(時にバインダ、ガム、又は安定剤としても知られる)などである。
湿潤剤は、歯磨剤に質感又は“口当たり”を加えると共に歯磨剤の乾燥を防止する役割を果たしている。適切な湿潤剤は、ポリエチレングリコール(様々に異なる分子量の)、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、及び加水分解水添デンプン、並びにこれらの化合物の混合物などである。湿潤剤の典型的な量は、練り歯磨き組成物の約20wt%〜約30wt%である。
甘味剤は、製品に良味を付与するために練り歯磨き組成物に加えられる。適切な甘味剤は、サッカリン(ナトリウム、カリウム又はカルシウムサッカリンとして)、シクラメート(ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩として)、アセスルファム−K、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、アンモニア化グリチルリチン、デキストロース、レブロース、スクロース、マンノース、及びグルコースなどである。
界面活性剤は、本発明の組成物に該組成物をより美容的に受け入れられるようにするために使用される。界面活性剤は好ましくは洗浄材料で、組成物に洗浄性及び発泡性を付与する。適切な界面活性剤は、安全かつ有効量のアニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、両性及びベタイン界面活性剤で、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシネート、ミリストイルサルコシネート、パルミトイルサルコシネート、ステアロイルサルコシネート及びオレオイルサルコシネートのアルカリ金属又はアンモニウム塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、イソステアレート及びラウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン、N−ラウロイル、N−ミリストイル、又はN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、及びエタノールアミン塩、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、パルミチルベタインなどである。ラウリル硫酸ナトリウムが好適な界面活性剤である。界面活性剤は典型的には本発明の口腔ケア組成物中に約0.1〜約15重量%、好ましくは約0.3重量%〜約5重量%、例えば約0.3重量%〜約2重量%の量で存在する。
フレーバーは所望により歯磨剤組成物に加えることができる。適切なフレーバーは、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、スペアミント油、サッサフラス油、及びクローブ油、シナモン、アネトール、メントール、チモール、オイゲノール、ユーカリプトール、レモン、オレンジ及びフルーツの香り、スパイスの香りなどを加えるためのその他のフレーバー化合物などであるが、これらに限定されない。これらのフレーバーは、化学的には、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、酸、並びに脂肪族、芳香族及びその他のアルコールの混合物からなる。
着色剤は製品の美的外観を改良するために加えることができる。適切な着色剤は、FDAのような適切な規制機関によって承認されている着色剤及び欧州食品医薬品指令(European Food and Pharmaceutical Directives)にリストされているものから選ばれ、TiOのような顔料並びにFD&C及びD&C色素のような着色剤を含む。
増粘剤は、練り歯磨きを相分離に対して安定化させるゼラチン構造を提供するため、本発明の歯磨剤組成物に有用である。適切な増粘剤は、シリカ増粘剤;デンプン;グリセリンデンプン;カラヤガム(ステルクリアガム)、トラガカントガム、アラビアガム、ガティガム、アカシアガム、キサンタンガム、グアガム及びセルロースガムのようなガム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum);カラギーナン;アルギン酸ナトリウム;寒天;ペクチン;ゼラチン;セルロース化合物、例えばセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及び硫酸化セルロース;天然及び合成クレイ、例えばヘクトライトクレイ;並びにこれらの化合物の混合物などである。増粘剤又はバインダの典型的な量は練り歯磨き組成物の約0wt%〜約15wt%である。
本発明の組成物には、虫歯、歯周病及び温度感受性の予防及び治療を提供するために、所望により治療薬(薬用成分)を使用してもよい。治療薬の例は、フッ化物源、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化スズ、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウムなど;縮合リン酸塩、例えばピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸一水素三ナトリウム;トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート、トリメタホスフェート及びピロホスフェートなど;抗微生物剤、例えばトリクロサン、ビスグアニド、例えばアレキシジン、クロルヘキシジン及びグルコン酸クロルヘキシジン;酵素、例えばパパイン、ブロメライン、グルコアミラーゼ、アミラーゼ、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、タンナーゼ、及びプロテアーゼ;第四級アンモニウム化合物、例えば塩化ベンザルコニウム(BZK)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、及び臭化ドミフェン;金属塩、例えばクエン酸亜鉛、塩化亜鉛、及びフッ化スズ;サンギナリア(血根草)エキス及びサンギナリン;精油、例えばユーカリプトール、メントール、チモール、及びサリチル酸メチル;フッ化アミン;過酸化物などであるが、限定を意図してはいない。治療薬は、歯磨剤に単独で又は組み合わせて治療上安全及び有効レベルで使用されうる。
保存剤も、細菌成長を防止するために所望により本発明の組成物に加えてもよい。メチルパラベン、プロピルパラベン及び安息香酸ナトリウム、又はそれらの組合せのような口腔組成物への使用が承認されている適切な保存剤を安全かつ有効量加えることができる。
本明細書中に開示された歯磨剤には、様々な追加成分、例えば脱感作薬、治療薬、その他の虫歯予防剤、キレート剤/封鎖剤、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、その他の歯垢防止/歯石防止剤、乳白剤、抗生物質、抗酵素、酵素、pH調整剤、酸化剤、抗酸化剤なども加えることができる。
言及した添加剤のほかに組成物の残り部分には水が供給される。水は好ましくは脱イオン化され、不純物が除去されたものである。歯磨剤は通常、約0〜約60wt%の水を含むが、約5〜約35%というより狭い範囲(全供給源)を有するものもあれば、20wt%〜約35wt%というさらに狭い範囲を有するものもある。
そのような練り歯磨剤に利用するのに有用なシリカ増粘剤は、非制限的例として、ZEODENT(登録商標)165シリカのようなアモルファス沈降シリカなどである。その他の好適な(非制限的)シリカ増粘剤は、ZEODENT(登録商標)163及び/又は167及びZEOFREE(登録商標)153、177、及び/又は265シリカで、すべて米国メリーランド州ハバー・ド・グラースのJ.M.Huber Corporationから入手できる。
本発明の目的のために、“歯磨剤(dentifrice)”は、Oral Hygiene Products and Practice,Morton Pader著,Consumer Science and Technology Series,Vol 6,Marcel Dekker出版、NY 1988,p.200に定義の意味を有する。前記文献は引用によって本明細書に援用する。すなわち、“歯磨剤”は、“手の届く歯表面を清掃するために歯ブラシと共に使用される物質である。歯磨剤は主に、水、洗剤、湿潤剤、バインダ、フレーバー、及び主成分としての微粉砕研磨剤で構成される。歯磨剤は、虫歯予防剤を歯に送達するための研磨剤含有剤形とみなされる。”歯磨剤は、歯磨剤に配合する前に溶解されるべき成分を含有する(例えば、虫歯予防剤、例えばフッ化ナトリウム、リン酸ナトリウム、フレーバー、例えばサッカリン)。
本明細書中に記載の様々なシリカ及び練り歯磨き(歯磨剤)の性質は、別途記載のない限り以下のように測定した。
メジアン粒径は、ペンシルバニア州Boothwyn、Horiba Instrumentsから入手できるModel LA−300レーザ光散乱装置を用いて決定する。
白色度を測定するために、平滑表面を持つペレットにプレス成形した微粉末材料をTechnidyne Brightmeter S−5/BCを用いて評価した。この装置はデュアルビーム光学系を有し、サンプルを45°の角度で照射し、反射光を0°で見る。これは、TAPPI試験法T452及びT646、並びにASTM標準D985に準拠している。粉末材料は十分な圧力を用いて約1cm厚のペレットにプレスして、滑らかで平坦な、ばら粒子も光沢もないペレット表面にする。
本願に報告された沈降シリカ/シリカゲルの硬度を測定するのに使用したBrass Einlehner(BE)摩耗試験は、米国特許第6,616,916号(引用によって本明細書に援用する)に詳述されているが、一般的に以下のように使用されるEinlehner AT−1000摩耗試験機を使用する。(1)Fourdrinier真鍮ワイヤスクリーンを秤量し、10%水性シリカ懸濁液の作用に一定時間さらす;(2)次に摩耗量をFourdrinierワイヤスクリーンから100,000回転あたり失われた真鍮のミリグラムとして測定する。mg損失の単位で測定された結果を10%Brass Einlehner(BE)摩耗値とすることができる。
本発明で使用されたシリカ組成物を含有する歯磨剤の放射性象牙質研磨(Radioactive Dentin Abration, RDA)値は、HefferenのJournal of Dental Res.,July−August 1976,55(4),pp.563−573に示され、Wasonの米国特許第4,340,583号、4,420,312号及び4,421,527号に記載された方法に従って決定する。前記文献及び特許は引用によって本明細書に援用する。
歯磨剤組成物の清掃性は典型的には被膜清掃比(Pellicle Cleaning Ratio,“PCR”)値で表される。PCR試験は、固定されたブラッシング条件下で歯から被膜を除去する歯磨剤組成物の能力を測定する。PCR試験は“In Vitro Removal of Stain with Dentifrice” G.K.Stookeyら、J.Dental Res.,61,1236−9,1982に記載されている。PCR及びRDAの結果はいずれも歯磨剤組成物の成分の性質及び濃度によって変動する。PCR及びRDA値は無単位である。
発明の好適な態様
歯磨剤用研磨剤としての生物起源シリカの利用
実施例1−4
これらの実施例では、籾殻由来のSTRATOSIL(登録商標)S−100シリカのいくつかのサンプルを上記方法に従って様々な性質について試験した。結果を表1にまとめた。
Figure 2009522262
STRATOSIL(登録商標)S−100シリカは籾殻由来であり、テキサス州ザ・ウッドランズのInternational Silica Technologies,LLCから入手できる。実施例1は、その大きな粒径から分かるように、STRATOSIL S−100の未粉砕噴霧乾燥サンプルとして得た。実施例2〜4はSTRATOSIL S−100の粉砕サンプルとして得た。非常に小さい粒径サンプルでも約20〜25mg損失という極めて高いEinlehner摩耗値を有していた。これに対して沈降シリカ研磨剤のEinlehner摩耗値は、典型的には約3〜8mg損失である。
最適な歯保護利益を示すために練り歯磨剤を上記シリカ実施例のいくつかを用いて製造した。
歯磨剤を製造するために、グリセリン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール及びソルビトールを一緒に混合し、成分が溶解するまで撹拌して第一の混合物を作製した。脱イオン水、フッ化ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム及びナトリウムサッカリンも一緒に混合し、これらの成分が溶解するまで撹拌して第二の混合物を作製した。次にこれら二つの混合物を撹拌しながら合わせた。この後、所望により着色剤を撹拌しながら加え、“プレミックス”を得た。プレミックスをRossミキサー(Model 130 LDM)に入れ、シリカ増粘剤、発明的研磨シリカ及び二酸化チタンを減圧なしに混合した。30インチの真空に引き、得られた混合物を約15分間撹拌した。最後にラウリル硫酸ナトリウムとフレーバーを加え、混合物を減速した混合速度で約5分間撹拌した。得られた歯磨剤をプラスチックラミネートの練り歯磨き用チューブに移し、今後の試験のために保管した。歯磨剤の配合を以下の表2に示す。使用した歯磨剤は、発明的清掃研磨剤のPCR及びRDAを測定する目的にふさわしい試験用の歯磨剤であるとみなされた。
Figure 2009522262
ZEODENT(登録商標)165は、メリーランド州ハバー・ド・グラースのJ.M.Huber Corporationから入手できるアモルファス沈降高構造シリカ増粘剤である;CARBOWAX(登録商標)600は、ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Companyから入手できるポリエチレングリコールである;そしてCEKOL(登録商標)2000は、オランダ・アルンヘムのNoviant Groupから入手できるCMCである。
上のようにして製造した歯磨剤を上記方法に従ってPCR及びRDAの性質について評価した。各歯磨剤の測定値を以下の表3に示す。
Figure 2009522262
驚いたことに、RDA値はシリカの粒径に依存しておらず、48μm〜4μmの粒子について本質的にほとんど同じRDAを有していた。また、Einlehner摩耗値によって示されるSTRATOSILシリカの粒子硬度も練り歯磨きのRDAに相関しておらず、RDAは練り歯磨きへのシリカの配合量にも依存しない。しかしながら、PCR値及びPCR/RDA比は、シリカ粒径の減少及びこの籾殻シリカ由来材料の配合量の増加に従って増加する傾向である。
籾殻由来シリカとその他の歯科用研磨剤との組合せ
実施例5−12
アモルファス沈降シリカと実施例4の籾殻シリカのブレンドのいくつかの実施例を、表4に示した成分の量をプラスチックサンプルバッグに秤量し、バッグを閉じて数回反転させることによって混合物が均一になるまでシリカを一緒に混合して製造した。2種類の市販沈降シリカ製品サンプルを上記籾殻由来シリカとの組合せに使用した。これらの製品は以下の特性を示していた。
Figure 2009522262
Figure 2009522262
上記シリカブレンドの実施例を実施例1に記載の方法に従って歯磨剤に配合した。歯磨剤の配合を以下の表5に示す。
Figure 2009522262
上のようにして製造した歯磨剤を上記方法に従ってPCR及びRDAの性質について評価した。各歯磨剤の測定値を以下の表6に示す。
Figure 2009522262
ZEODENT 114はZEODENT 119シリカよりも低研磨性シリカであることがそれらのEinlehner値によって示されている。練り歯磨剤6〜8はSTRATOSIL籾殻シリカとZEODENT 119シリカのブレンドを、籾殻シリカとZEODENT 114シリカを含有する練り歯磨剤9〜11と同じ比率で含有していた。籾殻シリカに対する沈降シリカのブレンド比が高い場合(製剤11と製剤8)、低研磨性のZEODENT 114を使用した場合に高いPCR/RDA比が得られている。製剤13に見られるように、STRATOSILシリカの従来シリカに対する比率を変えることによって1に近いPCR/RDA比を有する練り歯磨きを得ることが可能である。籾殻シリカとブレンドされる従来シリカの適当な研磨性は、高いPCR/RDA比を有する歯磨剤を提供する。
本発明をある好適な態様及び実施と関係づけて説明及び開示してきたが、本発明をそのような特定の態様に制限することは全く意図していない。それどころか添付の特許請求の範囲及びその等価物によって定義されうる等価の構成、構成上等価物並びにあらゆる代替の態様及び変形もカバーするものとする。

Claims (7)

  1. 籾殻由来のシリカ研磨剤を含み、所望によりいずれかその他の歯科用研磨成分も含む歯磨剤であって、前記歯磨剤は0.80を超えるPCR:RDAを示す歯磨剤。
  2. 別の歯科用研磨成分が存在する、請求項1に記載の歯磨剤。
  3. 前記その他の歯科用研磨成分が、沈降シリカ製品、シリカゲル、沈降炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、チョーク、炭酸マグネシウム、リン酸二カルシウム及びその二水和物形、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、メタリン酸カリウム、オルトリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、パーライト、及びそれらのいずれかの混合物からなる群から選ばれる、請求項2に記載の歯磨剤。
  4. 前記その他の歯科用研磨成分が沈降シリカ製品である、請求項3に記載の歯磨剤。
  5. 前記歯磨剤中に存在する研磨剤の総量がその中において30重量%までであり、前記籾殻由来のシリカがその中において25重量%までの量で存在する、請求項2に記載の歯磨剤。
  6. 前記歯磨剤中に存在する研磨剤の総量がその中において30重量%までであり、前記籾殻由来のシリカがその中において25重量%までの量で存在する、請求項3に記載の歯磨剤。
  7. 前記歯磨剤中に存在する研磨剤の総量がその中において30重量%までであり、前記籾殻由来のシリカがその中において25重量%までの量で存在する、請求項4に記載の歯磨剤。
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