JP2009521481A - 安定なs−ニトロソチオール製剤 - Google Patents

安定なs−ニトロソチオール製剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、S−ニトロソグルタチオンなどの安定したS−ニトロソチオール、長期保存用の製剤、およびS−ニトロソチオールのin vivo送達を提供する。本発明は、S−ニトロソグルタチオンなどのS−ニトロソチオールを含む安定したエアゾール製剤、ならびにS−ニトロソグルタチオンなどのS−ニトロソチオールおよび/または一酸化窒素での治療を必要とする罹患体を治療する方法を提供する。本組成物および製剤は、長期保存を可能にし、SNOを必要とする罹患体に送達するのに有効な手段を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、安定したS−ニトロソグルタチオンを含む組成物および製剤、ならびにその使用方法に関する。
(発明の背景)
一酸化窒素(NO)は、血圧の低下や血小板機能の阻害を含めたいくつかの生物学的機能を有する、遍在する分子である。NOはそれ自体が高い反応性を有するために体内の所望の治療部位に到達させることができないことから、生理学的条件下でNO活性を示すためには、NOを安定させる必要がある。現在の送達法では、体内でNOを放出する、S−ニトロソ−D,L−ペニシラミン(SNAP)やS−ニトロソシステイン(CysNO)などの、ポリマーおよび小分子が一般的に使用されている。しかし、これらの方法では生理学的条件下でNOを急速に放出し、かつ/または保存期間が非常に短いことから、これらの方法には欠点がある。このような方法では、長期間にわたり、あるいは制御された方法で、十分な量のNOを所望の部位に送達することができない。天然のNO供与体であるS−ニトロソグルタチオン(GSNO)やS−ニトロソシステインなどのS−ニトロソチオール(SNO)は、特に不安定である。これらの内因性一次SNOはいずれも三次SNOより熱力学的に安定しているが、いずれも室温以上の温度では動力学的に極めて不安定である。これらの問題点から、S−ニトロソチオールの代替の送達法には期待が寄せられており、罹患体への送達前にS−ニトロソチオールを安定させながらも、生理学的条件下におけるNOの生物活性の自然発生を可能にする方法の発見に関連する場合は、期待が高い。すなわち、SNOを動的に安定させる(すなわち酸化還元反応や他の反応から保護する)方法を発見することが、特に有益である。
NO活性の重要な内在性供給源であるGSNOは、特に心臓血管および気管支肺の障害および障害において、臨床上の関心を呼び起こしたいくつかの生物学的機能を有する。例えば、GSNOは血小板の活性化に対する阻害作用を有する。またGSNOは、核内因子カッパB(NF−κB)の活性化および平滑筋細胞の増殖も阻害する。さらにGSNOは特定の心臓保護作用を有し、バルーン血管形成術を受けた罹患体、ならびに急性心筋梗塞および不安定狭心症の罹患体に有益であることが明らかにされている。GSNOは脳梗塞の発症率を低減させることができ、またT細胞内でアポトーシスを誘導することも明らかにされている。GSNOは、心臓血管系に有益であるだけでなく、強力な気管支拡張剤でもある。GSNOは、嚢胞性線維症における気道上皮分子の欠損を回復させ、上皮細胞表面のΔF508嚢胞性線維性膜貫通調節因子の発現および機能を増強することが、in vitroおよびex vivoで明らかにされている。また、内因性GSNOのレベルは、肺炎の罹患体の気道において上昇し、嚢胞性線維症または重度の喘息を患う罹患体では低下する。
GSNOは種々の障害の治療に魅力的な化合物であるが、この化合物は上述の通りそれ自体が不安定であり、水溶液中でも不安定で、数時間のうちに分解してしまう。したがって、十分な期間保存することができ、かつGSNOの治療を必要とする罹患体への送達、および組織へのNO生物活性の付与に有用である、GSNOの安定した組成物および製剤が必要とされている。
(発明の要旨)
本発明は、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)などのS−ニトロソチオール(SNO)を安定させる組成物および製剤を提供する。本組成物および製剤は、長期保存を可能にし、SNOを必要とする罹患体に送達するのに有効な手段を提供する。
本発明は、約1.5μm〜約6.0μmの粒子に微粉化したS−ニトロソグルタチオンを含む組成物を提供する。S−ニトロソグルタチオンは、HPLC測定で95.0%を超える純度を有してもよい。本組成物は、5.0%未満の酸化型および還元型L−グルタチオン、2.5%未満のグルタチオン、2.5%未満のグルタチオンジスルフィド、および/または2.0%未満のHOを含有してもよい。
本発明は、S−ニトロソグルタチオンおよびハイドロフルオロカーボン噴射剤を含むS−ニトロソグルタチオン製剤を提供する。S−ニトロソグルタチオンは、約1.5μm〜約6.0μmの粒子中に存在してもよい。ハイドロフルオロカーボン噴射剤はHFA 134であってもよければ、HFA 227であってもよい。本製剤はさらに、1種以上の共溶媒を含んでもよい。共溶媒はエタノールであってもよく、エタノールは約1%〜約20%存在してもよい。本製剤はさらに、1種以上の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤はオレイン酸であってもよければ、オレイン酸塩であってもよく、オレイルアルコールであってもよい。界面活性剤は、S−ニトロソグルタチオンの量に対して約1%〜約2%w/w存在してもよい。製剤中のS−ニトロソグルタチオンは、約0.1mg/回〜約2.0mg/回存在してもよい。S−ニトロソグルタチオンは、約0.15mg/回〜約1.5mg/回であってもよい。製剤中のS−ニトロソグルタチオンは、約0.1mg/日〜約160.0mg/日の単位投与量で投与してもよい。S−ニトロソグルタチオンは、約1.5mg/日〜約25mg/日投与する。
本発明は、金属キャニスターに充填されたS−ニトロソグルタチオンおよびハイドロフルオロカーボン噴射剤を含むS−ニトロソグルタチオン製剤を提供する。キャニスターは、内部金属面の一部またはすべてがステンレススチール製であってもよければ、不活性有機コーティングでライニングされた陽極処理アルミニウム製であってもよく、あるいは不活性有機コーティングでライニングされていない陽極処理アルミニウム製であってもよい。不活性有機コーティングは、エポキシ−フェノール樹脂、ペルフルオロアルコキシアルカン、ペルフルオロアルコキシアルキレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのペルフルオロアルキレン、フッ化エチレンプロピレン、ポリエーテルスルホン、および共重合体フッ化エチレンプロピレンポリエーテルスルホンであってもよい。
本発明は、S−ニトロソグルタチオン、HFA 134、5%エタノール、および2%オレイン酸を含むS−ニトロソグルタチオン製剤を提供する。
本発明は、約1.5μm〜約6.0μmの粒子に微粉化したS−ニトロソグルタチオン、HFA 134、5%エタノール、および2%オレイン酸を含むS−ニトロソグルタチオン製剤を提供する。
特に定義がない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語はすべて、本発明の属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等などの方法および材料を、本発明の実施または試験で使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。文脈上得に要求がある場合を除き、本明細書で使用する単数形の用語は複数を包含するものとし、複数形の用語は単数を包含するものとする。本明細書に記載する刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献はすべて、全体が参考として本明細書で援用される。矛盾が生じた場合は、本明細書が定義を含め優先される。また、材料、方法および実施例は単に例示的なものであり、限定的なものとしては意図されない。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
(発明の詳細な説明)
本発明は、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)などのS−ニトロソチオール(SNO)を安定させる組成物および製剤を提供する。本組成物および製剤は、長期保存を可能にし、SNOを必要とする罹患体に送達するのに有効な手段を提供する。本明細書で使用される「S−ニトロソチオール」という用語には、S−ニトロソ−β−メルカプトコハク酸、1−S−ニトロソチオ−β−D−ガラクトピラノース、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)、S−ニトロソ−N−アセチルシステイン(SNAC)、S−ニトロソチオグリセロール、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP)、S−ニトロソホモシステイン、S−ニトロソシステイン(CysNO)、S−ニトロソシステインイルグリシンが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、SNOはGSNOである。
粒子
本発明は、所望の粒径範囲の粒子を産生するために組成物または製剤に封入する前にSNOが加工される、組成物および製剤を提供する。例えば、SNOは、エアジェットミル、ハンマーミル、ボールミルなどの適切な装置を使用して、または微細流動化装置を使用して、粉砕または微粉化してもよい。あるいは、所望の粒径範囲の粒子は、噴霧乾燥、または制御された結晶化法(例えば、超臨界流体を使用した結晶化法)、または微細流動化もしくは均質化のようなエマルジョン法によって得られる場合がある。あるいは、SNOは、以下に詳述する製剤化プロセスで、上述の通り加工してもよい。
本発明の組成物または製剤を、エアゾール式の定量噴霧吸入器を介して肺に送達して、薬理作用を示すようにした場合、SNOの粒子は、約0.5μm〜約10μm、約1μm〜約8μm、または約1μm〜約5μm(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。一実施形態において、本発明の組成物または薬剤中のSNO粒子は、約1.5μm〜約6μm(または前記範囲内の任意の値)である。組成物および製剤の中には、本発明のSNOを安定させる製剤中のSNO粒子の約90%が約6μm未満であり、約50%が約3μm未満であるものもある。一実施形態において、SNOはGSNOである。
本粒子の表面は、例えば薬剤および界面活性剤の溶液を噴霧乾燥させるか、または界面活性剤をSNO粒子に吸着させることによって、分散前に改質してもよい。凍結乾燥、微細流動化および粉砕などのその他の粒子表面改質法を使用してもよい。
ハイドロフルオロカーボン
本発明は、SNOおよびハイドロフルオロカーボン(HFA)噴射剤を含む本発明の製剤を提供する。HFA噴射剤は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA−134)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA−227)、またはHFA−134およびHFA−227の混合物、例えばHFA−134およびHFA−227の密度均一混合物であってもよい。製剤中のHFA噴射剤の量は、約80%w/w〜約98%w/w(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。一実施形態において、HFA噴射剤の量は、約90%w/w〜約98%w/w(または前記範囲内の任意の値)である。例えば、HFA噴射剤の量は、約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または98%w/wである。
共溶媒
本発明は、SNOおよびハイドロフルオロカーボン(HFA)噴射剤を含み、さらに共溶媒も含む製剤を提供する。共溶媒はエタノールであってもよい。エタノールは、通常短い肺内滞留時間後に排出される超小型粒子(0.5μm〜2μm)の低減に関与することから、少量のエタノール(約1%〜8%w/w、または約1%〜約5%w/w(または前記範囲内の任意の値))であっても、エアゾール薬剤の蒸着特性に影響を及ぼし、それによって全身への送達を改善する。さらにエタノールは、排出材料が吸入器のアクチュエーター開口部に付着するのも低減する。したがって、アクチュエーター開口部には障害物が付着しないことから、反復投与後の用量の再現性が改善される。エタノールの量は0%〜約20%w/wであってもよければ、0%〜約10%w/wであってもよく、0%〜約5%w/w(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。一実施形態において、エタノールの量は約5%w/wである。
共溶媒はまた、エタノールよりも優れた極性を有してもよい。エタノールより優れた極性を有する共溶媒の存在によって、エタノール量を低減することができ、製造するエアゾール液滴の粒径を調節することができる。エタノールより優れた極性を有する共溶媒は、例えば、低級アルキル(C−C)アルコール、ポリオール、またはポリアルキレングリコールであってもよい。ポリオールには、プロピレングリコールおよびグリセロールが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態において、ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールである。
本発明の製剤は、エタノール、ならびにエタノールよりも優れた極性を有する他の共溶媒の両方を含んでもよく、前記の他の共溶媒は、約0.1%〜約10%w/w、約0.2%〜約10%w/w、約0.5%〜約6%w/w、または約1%〜約2%w/w(または前記範囲内の任意の値)存在する。
界面活性剤
本発明は、SNO、ハイドロフルオロカーボン(HFA)噴射剤、共溶媒を含み、さらに界面活性剤も含む製剤を提供する。本発明のSNOを安定させる製剤中に含まれてもよい界面活性剤の量は、SNOに対して約0.1%w/w〜約10%w/w(または前記範囲内の任意の値)の範囲であってもよい。一実施形態において、界面活性剤の含量は、SNOに対して少なくとも1%w/wである。一実施形態において、界面活性剤の含量は、SNOに対して最大約5%w/wである。
適切な界面活性剤の例には、脂肪酸、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸塩)、オレイルアルコール、ソルビタンモノオレイン酸塩、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、天然レシチン、オレイルポリキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、オキシエチレンおよびオキシプロピレンのブロック共重合体、オレイン酸、オレイン酸塩、合成レシチン、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、塩化セチルピリジニウム、オリーブ油、モノラウリン酸グリセリル、トウモロコシ油、綿実油、ヒマワリ種子油、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、三オレイン酸ソルビタン、乳酸オリゴ、レシチン、(ポリ)アルコキシ誘導体(例えば、ポリアルコキシアルコール、特に2−(2−エトキシエトキシ)エタノール)が含まれるが、これらに限定されない。他の(ポリ)アルコキシ誘導体には、ポリオキシアルキルエーテルおよびエステル(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびステアリン酸ポリオキシエチレンを含むがこれらに限定されないポリオキシエチレンエーテルおよびエステル)が含まれる。一実施形態において、界面活性剤は、オレイン酸、オレイン酸塩、またはオレイルアルコールである。オレイン酸、オレイン酸塩、またはオレイルアルコールは、SNOに対して約2%w/w存在してもよい。本発明の組成物または製剤は、防腐剤、酸化防止剤、ラジカルクエンチャー、甘味剤、味覚マスキング剤、薬学的活性剤、アジュバント、担体、緩衝剤、化学安定剤、および/またはポリマーの役割を果たす添加剤などの他の成分を場合により含んでもよい。本発明の製剤中に含まれる他の成分の量は、例えば0%〜1%w/w(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。
不純物
本発明は、限られれた不純物しか含有しない組成物および製剤を提供する。本発明の化合物および製剤は、HPLCなどの当該技術分野で既知の方法による測定で約95.0%以上の純度を有する。一実施形態において、本発明の化合物および製剤は、約95.0%〜約100%の範囲(または前記範囲内の任意の値)の純度を有する。
本発明の組成物および製剤の薬力学的および治療効果を最大限発揮するには、酸化型および還元型L−グルタチオンの不純物の濃度を制限するのが有益である。これらの不純物は望ましくない毒性を引き起こす可能性がある。本発明の化合物および製剤は、約5.0%未満の酸化型および還元型L−グルタチオンを含有する。一実施形態において、本発明の化合物および製剤は、約0.0%〜約5.0%の範囲(または前記範囲内の任意の値)の酸化型および還元型L−グルタチオンを含有する。本組成物および製剤中に含まれるグルタチオン(GSH)およびグルタチオンジスルフィド(GSSG)の濃度を制限するのが有益であり、そのため、本発明の化合物および製剤は、約2.0%〜約2.5%未満のグルタチオン、および約2.0%〜約2.5%未満のグルタチオンジスルフィドを含有する。一実施形態において、本発明の化合物および製剤は、それぞれ約0.0%〜約2.5%の範囲(または前記範囲内の任意の値)のグルタチオンおよびグルタチオンジスルフィドを含有する。組成物または製剤中に含まれるHOの濃度を制限するのも有益であり、そのため、本発明の化合物および製剤は、約2.0%未満のHOを含有する。一実施形態において、本発明の化合物および製剤は、約0.0%〜約2.0%の範囲(または前記範囲内の任意の値)のHOを含有する。
障害
本発明はまた、NO供与体療法によって改善される障害(すなわち、SNO治療が望ましい病態または障害)に罹患する被験体を治療する方法であって、上で定義する治療有効量の組成物および製剤、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグもしくは代謝物を、薬学的に許容される担体とともに前記被験体に投与することを含む、方法も提供する。被験体はいずれの哺乳動物、例えばヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタであってもよい。例えば、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、本明細書に記載の通り治療する障害の少なくとも1つの症状を緩和するのに必要となる量を意味する。一実施形態において、治療有効量は、薬力学的効果をもたらすことが可能な吸入器の1回または複数回の作動で送達されるいずれかのSNO量である。
本明細書で使用される「治療」とは、疾患、病態または障害と戦うために罹患体の管理およびケアすることを表し、症状または合併症の発症を予防するために本発明の化合物を投与すること、症状および合併症を緩和すること、または疾患、病態もしくは障害を根絶することを含む。より具体的には、治療は、疾患(障害)状態、病勢進行、疾病疾患原因物質(例えば細菌またはウイルス)、または他の異常状態の少なくとも1つの有害な症状または影響を回復、軽減、緩和、最小限に低減、抑制、または阻止することを包含する。治療は、症状および/または病状が改善される限り継続される。
疾患、病態または障害には、ガス交換の低下または炎症を伴う、嚢胞性線維症、喘息および他の肺障害(例えば、肺線維症、および肺炎、心臓血管増殖性、炎症性、収縮性および高血圧障害(高血圧症、動脈硬化、再狭窄、虚血および心不全));心臓および脳のプレコンディショニングに関連する障害;食道痙攣、胆管痙攣および疝痛を含めた、消化管の運動障害および平滑筋障害;勃起不全発作;感染症(ウイルス性、細菌性など)、SNOの欠如を特徴とする赤血球の障害、鎌状赤血球病および保存血に関連する素因などのレオロジー異常または血管拡張不全、および血栓障害が含まれるが、これらに限定されない。
薬学的組成物/製剤
薬学的組成物は、被験体への投与に適切な形態の開示化合物を含有する製剤である。本発明の薬学的組成物は、所期の投与経路に適合するように配合するのが好ましい。投与経路の例には、経口および非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、吸入投与、経皮的(局所的)投与、経粘膜投与、および直腸投与が含まれる。溶液または懸濁液は、以下の成分を含んでもよい:すなわち、注射用蒸留水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩、および塩化ナトリウムまたはテキストロースなどの張度調節剤などの緩衝剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を使用して調節してもよい。非経口製剤は、アンプル、使い捨て注射器、またはガラス製もしくはプラスチック製のバイアルびんに封入してもよい。一実施形態において、本発明の組成物および製剤は、吸入投与用のエアゾールとして投与される。化合物は、適切な噴射剤、例えば二酸化炭素、HFAなどのガスを含有する加圧容器もしくはディスペンサーから、またはネブライザーから、エアゾールスプレーの形態で送達される。
活性試薬は、体内からの急速な排出を防ぐ担体を使用して調製してもよい。例えば、移植片やマイクロカプセル化した送達システムをはじめとする徐放性製剤を使用してもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性ポリマーを使用してもよい。このような製剤を調製する方法は、当業者に明らかになるであろう。これらの材料はさらに、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から購入してもよい。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)を薬学的に許容される担体として使用してもよい。これらの製剤は、例えば米国特許第4,522,811号に記載されるような当業者に既知の方法に従って調製してもよい。
本発明の組成物および製剤はさらに、1種以上の乾燥剤を含んでもよい。本発明で使用することができる適切な乾燥剤は、薬学的に安全なものであり、これには例えば、製薬等級のシリカゲル、結晶ナトリウム、アルミノケイ酸カリウムまたはカルシウム、コロイダルシリカ、無水カルシウム硫酸塩などが含まれる。乾燥剤は、約1.0%〜約20.0%w/w、または約2%〜約15%w/w(または前記範囲内の任意の値)含まれる場合がある。
本発明は、SNOを含む組成物および製剤であって、組成物または製剤中に含まれるSNOの濃度は、少なくとも約0.01%w/w(本明細書においてw/wとは、缶充填総重量、すなわち、本明細書に記載されるすべての成分を充填する缶の全容量の重量に対する、任意の成分の重量を指す)、好ましくは少なくとも約0.05%w/w、より好ましくは約0.1%w/w〜約1.0%w/w、さらにより好ましくは少なくとも約1.0%w/wである。SNOは、上述の噴射剤、共溶媒および/または界面活性剤中に溶解または分散させてもよい。一実施形態において、SNOはGSNOである。
本発明は、約25μL〜約200μL(または前記範囲内の任意の値)を送達することができる計量弁を使用し、加圧定量噴霧吸入器(pMDI)を介して、SNOを必要とする罹患体の肺に治療量のSNOを1日約1〜約200回(または前記範囲内の任意の値)送達するのに適した、組成物および製剤を提供する。一実施形態において、本組成物および製剤は、1日約1〜約4回(または前記範囲内の任意の値)送達される。一実施形態において、計量弁は、約50μL〜約100μL(または前記範囲内の任意の値)を送達することができる。本製剤は、少なくとも約0.1mg/回〜約2.0mg/回(または前記範囲内の任意の値)の治療量を送達するのに適しているのが好都合である。
投与を容易にし、かつ投与量を均一にするために、組成物を単位投与量の形態で配合するのが特に好都合である。本明細書で使用する単位投与量形態とは、治療する被験体への単一投与量として適した、物理的に分かれた単位を指し、すなわち必要な薬学的担体とともに、所望の治療効果をもたらすように算出された、既定量の活性試薬を含有する各単位を指す。本発明の単位投与量形態の仕様は、活性試薬に特有の特性、達成する特定の治療効果、および個体の治療用活性剤を配合する技術に固有の制限によって決定され、かつこれらに直接左右される。
製剤内に含まれSNOがGSNOの場合、本製剤は、約0.1mg/回〜約2.0mg/回(または前記範囲内の任意の値)を含む。一実施形態において、本製剤は、約0.15mg/回〜約1.5mg/回(または前記範囲内の任意の値)を含む。SNOを含む製剤の単位投与量は、約0.1mg/日〜約160mg/日(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。一実施形態において、本製剤は、約1.5mg/日〜約25mg/日(または前記範囲内の任意の値)であってもよい。
SNOの懸濁(または分散)製剤は、以下の3つの基本的手法、すなわち低温充填、2段階充填、および1段階充填のうちの1つを使用して調製してもよい。低温充填の場合は、SNO(API)、噴射剤、共溶媒、およびその他いずれかの賦形剤を、低温容器(一般的に−50℃)で混合かつ均質化し、ヘッド計量装置を介して再循環させてもよい。製剤の容積は、開放型キャニスター内に移して低温で測定した後、弁を素早く配置し、圧着してもよい。キャニスターが室温に戻ると、キャニスター内の圧力が所期の値に上昇する。
あるいは、2段階充填プロセスを使用してもよい。例えば、APIおよび賦形剤を、共溶媒中に分解または分散させた後、この混合物を開放型キャニスターに移して正確な容積を測定してもよい。その後、キャニスターに弁を配置して圧着してもよく、すると弁からキャニスターに噴射剤が投入される。
あるいは、1段階充填プロセスを使用してもよい。例えば、API、噴射剤、共溶媒、およびその他いずれかの賦形剤を、加圧した混合容器内で混合かつ均質化し、ヘッド計量装置を介して再循環させてもよい。弁は、しばしば何らかのパージ(排気)法を使用して、キャニスターに圧着してもよい。その後、混合物を含有する正確な容積の液体が、弁からキャニスターに投入される。
懸濁(または分散)製剤は、粒子を賦形剤と同時に調製すること(例えば、噴霧乾燥)によって調製し、複合粒子を形成してもよい。本発明の溶液製剤は、加圧充填または低温充填法を使用して、API、共溶媒、およびその他いずれかの賦形剤をHFA噴射剤に添加することによって、調製してもよい。
pMDI成分
本発明の製剤は、エアゾール医薬品製剤を送達するのに適したキャニスター(本明細書では「缶」とも称する)に充填してもよい。本発明の製剤とともに使用するエアゾールキャニスターは、特定の組織部位へのSNOおよび/または一酸化窒素のin vivo送達が有益となる疾患および/または病態の治療を目的として罹患体へ送達するための弁およびアクチュエーターを含んでもよい。
キャニスターは、金属缶、例えば計量弁で密閉されたアルミニウム缶であってもよい。本発明の方法に従って使用するのに適した缶は、例えばPresspart T&M(米国コネティカット州ウォータータウン)および3M Neotechnic Ltd(英国)から入手してもよい。一実施形態において、製剤は、内部表面の一部またはすべてが陽極処理アルミニウム製であるか、ステンレススチール製であるか、または不活性有機コーティングでライニングされた缶に充填してもよい。好ましいコーティング剤の例には、エポキシフェノール樹脂、ペルフルオロアルコキシアルカン、ペルフルオロアルコキシアルキレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのペルフルオロアルキレン、フッ化エチレンプロピレン、ポリエーテルスルホン、および共重合体フッ化エチレンプロピレンポリエーテルスルホンが含まれるが、これらに限定されない。他の適切なコーティング剤は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィドまたはそれらの組み合わせであってもよい。本発明の製剤を含むのに適した缶は、巻き込み型リム、または部分的もしくは完全なロールオーバー型リムを有してもよい。
計量弁とガスケットの型は、当業者の知識に従って選択してもよい。ガスケットは、低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、クロロプレン、ブチル(すなわちブロモブチル)、および熱可塑性エラストマー(TPE)などの、いずれか適切なエラストマー材料を含む場合がある。適切な弁の非限定的な例には、エアゾール業界で有名な製造業者、例えばValois(フランス)、Bespak Europe(英国キングズリン)、および3M Neotechnic Ltd(英国)から販売される製品が含まれる。さらなる実施形態において、本発明の製剤と接触する金属弁部品の内部表面は、不活性材料でコーティングしてもよい。
弁のアクチュエーターは、本発明のエアゾール製剤で一般的に使用することができる直径約0.10mm〜約0.50mm(または前記範囲内の任意の値)の開口部を含んでもよい。一実施形態において、開口部の直径は、約0.12mm、0.14mm、0.16mm、0.18mm、0.22mm、0.33mm、0.42mmまたは0.48mmであってもよい。
以下の実施例は、実施した実験例および達成した結果を含めて、単に例示のために提供されるものであり、本発明を限定するものとして解釈してはならない。
GSNO安定性試験
噴射剤HFA−134a(Ineos Fluor、米国ルイジアナ州セントガブリエル)に異なる割合のエタノールを添加してpMDI製剤を製造することにより、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)を安定させるHFAの能力を試験した。
1回0.15mg、キャニスターあたり合計120回の作動の場合:
GSNOキャニスターの調製には2段階充填プロセスを使用した。第1段階では、0.0180gのGSNO(Chemical Synthesis Services,Craigavon,Co.、北アイルランドアーマー州)を、内部がフッ化エチレンプロピレンおよびポリエーテルスルホン(FEP/PES)でコーティングされた(IntraPac Inc.、米国バージニア州ハリソンバーク)3M Neotechnicの19mL開放型缶に入れた。GSNOを添加したら、0.1436g(噴射剤の1%w/w)、0.6906g(噴射剤の5%w/w)、または1.3183g(噴射剤の10%w/w)のエタノールを、0.0004gのオレイン酸(活性剤の2%w/w)とともに缶に添加した。第2段階では、100μLの計量チャンバーを備えたBK357弁(Bespak Europe、英国キングズリン)を缶に圧着し、弁を介して噴射剤HFA−134a(Ineos Fluor、米国ルイジアナ州セントガブリエル)を缶へ分注した。缶への充填は室温にて行った。各キャニスターには、直径0.48mmの開口部を有するBespakアクチュエーター(Bespak Europe、英国キングズリン)を取り付けた。
1回1.50mg、キャニスターあたり合計120回の作動の場合:
GSNO吸入器の調製には2段階充填プロセスを使用した。第1段階では、0.1800gのGSNOを、内部がフッ化エチレンプロピレンおよびポリエーテルスルホン(FEP/PES)でコーティングされた3M Neotechnicの19mL開放型缶に入れた。GSNOを添加したら、0.1419g(噴射剤の1%w/w)、0.6837g(噴射剤の5%w/w)、または1.3033g(噴射剤の10%w/w)のエタノールを、0.0036gのオレイン酸(活性剤の2%w/w)とともに缶に添加した。第2段階では、100μLの計量チャンバーを備えたBK357弁(Bespak Europe、英国キングズリン)を缶に圧着し、弁を介して噴射剤HFA−134a(Ineos Fluor、米国ルイジアナ州セントガブリエル)を缶へ分注した。缶への充填は室温にて行った。各キャニスターには、直径0.48mmの開口部を有するBespakアクチュエーター(Bespak Europe、英国キングズリン)を取り付けた。
GSNO粉剤の安定性を、3ヵ月間にわたり異なる温度で試験した。また、各製剤の安定性も、6ヵ月間にわたり異なる温度で試験した。安定性は、試験期間を通して何度かHPLC解析を行うことによって測定した。この結果を表1〜表4に示す。
表1は、5℃、−20℃および−80℃にて3ヵ月間試験を行ったGSNO粉剤の安定性を示す。
Figure 2009521481
表の通り、GSNOは、極低温(例えば−20℃および−80℃)の方が安定性が高くなり、0℃を超える温度で急速に分解する。
表2は、低温(5℃)、室温(25℃)および加速保存温度(相対湿度75%で40℃)で保存した1%のエタノールを含む製剤の結果を示す。
Figure 2009521481
表3は、低温(5℃)、室温(25℃)および加速保存温度(相対湿度75%で40℃)で保存した5%のエタノールを含む製剤の結果を示す。
Figure 2009521481
表4は、低温(5℃)、室温(25℃)および加速保存温度(相対湿度75%で40℃)で保存した10%のエタノールを含む製剤の結果を示す。
Figure 2009521481
表2〜4に要約した試験結果では、無配合の粉剤と比べると、本明細書に記載の通りHFA中で配合した場合の方がGSNOの安定性が大幅に高くなることが示されている。これにより、HFAを使用したGSNO製剤を室温および低温にて首尾よく製造および保存することが可能となる。これらのデータでは、HFA噴射剤が、特に高温(すなわち、室温以上)の場合よりも低温(すなわち、4℃〜5℃または−20℃)にてGSNOの安定性を高め、それにより室温および低温にてGSNOをHFA中で首尾よく保存できたことが示されている。
前述の開示内容は本発明の特定の実施形態に焦点を置いたものであり、本発明と同等の改変または代替案がすべて、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨および適用範囲内に含まれることを理解しなければならない。

Claims (24)

  1. 約1.5μm〜約6.0μmの粒子に微粉化されたS−ニトロソグルタチオンを含む組成物。
  2. 前記S−ニトロソグルタチオンがHPLC測定で95.0%を超える純度を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が5.0%未満の還元型および酸化型L−グルタチオンを含有する、請求項3に記載の組成物。
  4. 前記組成物が2.5%未満のグルタチオンを含有する、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記組成物が2.5%未満のグルタチオンジスルフィドを含有する、請求項3に記載の組成物。
  6. 前記組成物が2.0%未満のHOを含有する、請求項3に記載の組成物。
  7. S−ニトロソグルタチオンおよびハイドロフルオロカーボン噴射剤を含む、S−ニトロソグルタチオン製剤。
  8. 前記S−ニトロソグルタチオンが約1.5μm〜約6.0μmの粒子中に存在する、請求項7に記載の製剤。
  9. 前記ハイドロフルオロカーボン噴射剤がHFA 134またはHFA 227である、請求項7に記載の製剤。
  10. 1種以上の共溶媒をさらに含む、請求項7に記載の製剤。
  11. 前記共溶媒がエタノールである、請求項10に記載の製剤。
  12. 前記エタノールが約1%〜約20%の量で存在する、請求項11に記載の製剤。
  13. 界面活性剤をさらに含む、請求項7に記載の製剤。
  14. 前記界面活性剤がオレイン酸、オレイン酸塩、またはオレイルアルコールである、請求項13に記載の製剤。
  15. 前記界面活性剤がS−ニトロソグルタチオンの量に対して約1%〜約2%w/wの量で存在する、請求項13に記載の製剤。
  16. 前記S−ニトロソグルタチオンが約0.1mg/回〜約2.0mg/回の量で存在する、請求項7に記載の製剤。
  17. 前記S−ニトロソグルタチオンが約0.15mg/回〜約1.5mg/回の量で存在する、請求項16に記載の製剤。
  18. 前記S−ニトロソグルタチオンが約0.1mg/日〜約160.0mg/日の単位投与量で投与される、請求項7に記載の製剤。
  19. 前記S−ニトロソグルタチオンが約1.5mg/日〜約25mg/日の量で投与される、請求項18に記載の製剤。
  20. 金属キャニスターに充填される、請求項7に記載の製剤。
  21. 前記キャニスターの内部金属面の一部または全体が、ステンレススチール製であるか、不活性有機コーティングでライニングされた陽極処理アルミニウム製であるか、または不活性有機コーティングでライニングされていない陽極処理アルミニウム製である、請求項20に記載の製剤。
  22. 前記不活性有機コーティングが、エポキシフェノール樹脂、ペルフルオロアルコキシアルカン、ペルフルオロアルコキシアルキレン、ポリテトラフルオロエチレンなどのペルフルオロアルキレン、フッ化エチレンプロピレン、ポリエーテルスルホン、および共重合体フッ化エチレンプロピレンポリエーテルスルホンから選択される、請求項21に記載の製剤。
  23. S−ニトロソグルタチオン、HFA 134、5%エタノール、および2%オレイン酸を含む、S−ニトロソグルタチオン製剤。
  24. 約1.5μm〜約6.0μmの粒子に微粉化したS−ニトロソグルタチオン、HFA 134、5%エタノール、および2%オレイン酸を含む、S−ニトロソグルタチオン製剤。
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