JP2009518921A - 通信機における音声区間の検出に基づく無線通信システムモード及び衛星測位システムモードの切り替え - Google Patents

通信機における音声区間の検出に基づく無線通信システムモード及び衛星測位システムモードの切り替え Download PDF

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Abstract

第1ワイヤレス通信デバイスが、ワイヤレス通信システム・モードおよび衛星測位システム・モードで動作する方法。第1ワイヤレス通信デバイスは、第2ワイヤレス通信デバイスと通信する。通信デバイスのうちの少なくとも1つの音声区間が判断され、判断された音声区間に基づいて、第1ワイヤレス通信デバイスが、ワイヤレス通信システム・モードと衛星測位システム・モードとを切り換える。音声区間は、通信デバイスのうちの少なくとも1つにある音声区間検出器を用いて判断することができる。
【選択図】図5

Description

本発明の実施形態は、組み合わせられた全地球的航法衛星システム(GNSS:global navigation satellite system)受信機とセルラ・システム受信機とに関する。特に、本発明の実施形態は、その中でGNSS信号とセルラ・システム信号との間の電波伝搬路を共用することのできる、受信機に関する。さらに本発明の実施形態は、対応する方法、システム、モジュールおよびコンピュータ・プログラムに関する。
発明の背景
セルラ・システムでは、セルラ・システム標準に応じて様々な多重アクセス技術を適用することができる。移動体通信用グローバル・システム(GSM:global system for mobile communications)では、時間および周波数の分割多重アクセス技術を組み合わせて適用している(TDMA/FDMA:time division multiple access/frequency division multiple access)。FDMA技術によって、25MHzの帯域幅が、200kHz間隔の124個の搬送波周波数に分割される。いくつかの搬送波周波数を、各基地局(BS:base station)に割り当てることができる。これらの搬送波周波数は、次にTDMA技術に従って、時間領域に分割される。このTDMA技術における基本的時間単位は、バースト期間(またはタイム・スロット)と称され、15/26ms(すなわち約0.577ms)継続する。8個のバースト期間またはタイム・スロットが、TDMAフレーム(120/26msすなわち約4.615ms)にまとめられ、論理チャネルを定義する基本単位を形成する。1個の物理チャネルは、TDMAフレームごとの1個のバースト期間と定義される。
ネットワークにおける干渉を最小化することは、所与のセル・サイズに対するより優れたサービス、またはより小さいセルの使用を可能にし、ひいてはシステムの全体的な容量を増加させるので、あらゆるセルラ・システムの目標である。不連続伝送(DTX:discontinuous transmission)は、情報の観点から必須でない場合には無線信号の送信を抑制することにより干渉レベルを低減することを通じて、システム効率を高めることを目的としている。DTXは、標準的な会話において人が話す時間は40パーセントに満たないという事実を利用している。DTXの付加的な利点は、移動体ユニットにおいて電力が節約される点である。DTXモードになると、人が話している状況下よりも送信ビット・レートが低くなることから、DTXは、可変ビット・レートとも称される。
DTXの最も重要なコンポーネントは、音声区間検出器(VAD:voice activity detector)である。このコンポーネントは、雑音と音声入力とを区別する必要がある。送信機の電源が切れているとき、受信機に聞こえるのは完全なサイレントである。接続が生きていることを受信側に確認させるために、受信機にて、送信側の背景雑音特性に合わせて快適雑音を作り出す。例えばGSMでは、無音記述子(SID:silence descriptor)フレームと称される特定のフレームによって雑音特性を受信側へ伝送する。SIDフレームは、各非活動期間の開始時に送信され、その後、追加のSIDフレームが定期的に、少なくとも1秒間に2回は、非活動状態が継続する限り送信される。故に、受信側は、受信するSIDフレームに基づいて快適雑音を生成することができる。DTXは、さらに、符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access)技術を採用しているシステムにおいても使用することができる。かかるセルラ・システムの一例として、広帯域CDMAを採用しているユニバーサル移動体通信システム(UMTS:universal mobile telecommunication system)が挙げられる。
現在では、GNSS受信機が、セルラ・システム端末に統合されてきている。図1は、従来技術のソリューションを示し、ここでは2つの別個の無線周波数(RF:radio frequency)セクションが使用されている:1つはセルラ信号用であり、1つは衛星信号用である。GNSSおよびセルラ・システム双方の受信機用に、共通の共用型RFセクションを用いることも可能である。図2はこのソリューションを示しており、GNSS受信とセルラ・システム受信との間で共通のRFセクションを共用している。GNSS受信機およびセルラ・システム受信機が同時に動作する必要がある場合、これら2つの受信機の間で、RFセクションを時分割方式で使用しなければならない。このことは、双方の受信機の性能を低下させる。
アシュバッタ・セミコンダクタ社(Ashvattha Semiconductor Inc)による米国特許第6831911号は、一般に、全地球測位システム(GPS:global positioning system)およびワイヤレス電話の信号を、併用型の受信機を用いて受信および処理するシステムおよび方法に関し、特に、ワイヤレス信号が受信されている期間はGPS信号の受信を一時中断することにより、交互の時間セグメントを通じてGPS信号およびワイヤレス信号を受信および処理することに関する。ユーザが、時分割技術のワイヤレス電話を用いて、ワイヤレス電話をかけたい、あるいは受けたいと望む場合には、受信機は、GPS信号の受信を一時中断してワイヤレス電話信号を受信または送信するようにする。従って、GPS受信機とワイヤレス電話とを単一の集積回路を使用して組み合わせることが可能となるが、それはGPS受信機またはワイヤレス電話のいずれか一方が動作しているからであって、双方同時には動作しない。TDMAワイヤレス電話信号は、GPS信号と交互に、時間セグメントで受信および処理可能である。TDMAデータは、個別の時分割標準に従って所定の期間継続する信号バーストで送られる。従って、GPS受信機は、GPS信号を受信するために電源を入れ、その後TDMA信号を受信するために電源を切ることができる。TDMA信号が受信されたら、受信機を再度GPS動作モードへ切り換えることができる。
米国特許第6831911号
発明の摘要
出願人は、セルラ信号とGNSS信号との間で、検出される送信機の音声区間に基づいて、受信機のRFセクション部分を共用する必要性のあることを認識した。
本発明の第1態様によれば、第1ワイヤレス通信デバイスがワイヤレス通信システム・モードおよび衛星測位システム・モードにおいて動作する方法が提供され、衛星測位システム・モードでは、第1ワイヤレス通信デバイスが衛星測位システムから信号を受信し、通信システム・モードでは、第1ワイヤレス通信デバイスが通信システムからの信号を受信する。本方法は、第2通信デバイスと通信し、通信デバイスのうちの少なくとも1つの音声区間を判断し、判断された音声区間に基づいて、ワイヤレス通信システム・モードと衛星測位システム・モードとを切り換える、第1ワイヤレス通信デバイスを含む。
一実施形態によれば、本発明は、通話品質の低下を最小限に抑えつつ通信デバイスの性能を最適化する方法を提供するという利点を有する。本発明によって、衛星システム信号受信と通信システム信号受信とを切り換えることが可能になる。
さらに、本発明の第1態様によれば、ワイヤレス通信デバイスは、移動電話ハンドセットである。
本発明の別の態様は、本明細書に添付された請求項に記載される。
発明の実施形態の詳細な説明
本発明の上記および他の特徴の典型が、以下の詳細な説明を添付の図面と共に考察することにより明らかになる。

動作環境
図3は、本発明の実施形態が存在し得る動作環境を示す。具体的には、図3は、この場合は移動電話ハンドセットである携帯用電子デバイス310、350を示す。
図3は、さらに、2つの通信ネットワーク要素を示す。第1ネットワーク要素はアクセス・ポイント320であり、この場合は基地局(BS)である。第1ネットワーク要素は、通信デバイス310と通信可能な他の任意のアクセス・ポイントとすることもできると考えられる。基地局320は、例えばGSM、GPRS、EDGE、HSCSD、UMTS、CDMA2000、IS95などあらゆる既存の標準、または将来的なセルラ・ネットワーク標準に従って機能することが可能である。あるいは、基地局320が、Bluetooth、WiMAX、または802.11標準の各種バリエーションといったワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワークのアクセス・ポイントとして機能することもできると考えられる。さらに基地局320は、他のあらゆる適切なワイヤレス接続方法によっても移動電話ハンドセットに接続することができると考えられる。第2ネットワーク要素は、移動交換局(MSC:mobile switching centre)330である。MSC330は、セルラ・ネットワークの動作を制御する。さらに図3の環境には、4個のGNSS衛星340が含まれる。本通信ネットワークには、例えば基地局コントローラ(BSC:base station controller)など、図には示さない他のネットワーク要素が含まれてもよい。
移動電話ハンドセット310、350は、BS320およびMSC330を含む通信ネットワークを介して、互いに通信する。BS320は、移動電話ハンドセット310、350へ信号を送るために、RF伝送または他の任意の適切な通信手段を用いて移動電話ハンドセット310、350と通信する。その結果、移動電話ハンドセット310、350が、BS320によって送られた送信信号を受信する。移動電話ハンドセット310、350も、同様にBS320へ信号を送る。故に、通信は双方向性である。BSおよびMSCは、GSMネットワークなどのセルラ通信ネットワークの一部を形成する。この特定の例示的な実施形態では、移動電話ハンドセット310、350が互いに通信し合い、さらにハンドセット310は、衛星340の少なくとも1つから信号を受信することも可能である。衛星340は、移動電話ハンドセット310、350へ、通信ネットワークの介在なく直接信号を送信するか、または、通信ネットワークが移動電話ハンドセット310、350へ支援データを送れるように、セルラ通信ネットワークを介して信号を送信する。衛星340からの、ハンドセット310、350およびBS320への信号伝送用に、ワイヤレス通信リンクが使用される。通信ネットワークでは、衛星信号は位置測定ユニット(LMU:location measurement unit)によって受信されるが、この位置測定ユニットは、BS320と物理的に同じ場所に設置されているとよい。一方、LMUがBS320と異なる場所に設置されている場合には、信号はBS320へ伝達される必要があり、それによりその後BS320がこの信号を移動電話ハンドセット310、350へ送ることが可能になる。衛星340から受信した信号は、移動電話ハンドセット310、350へ送る前に、支援データとして処理することもできる。

ハンドセット
図4は、移動電話ハンドセット310または350のブロック図である。ハンドセット310は、例えば以下の標準の1つまたは多数に従ってセルラ電話として機能する:GSM、GPRS、EDGE、HSCSD、UMTS、CDMA2000、IS95など。ハンドセット310は、メモリ405を含む。メモリは、ランダム・アクセス(RAM:random access)および読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)部分を有するとよい。このメモリへ適切なデータを保存することができる。さらに、ハンドセット310は、入力/出力(I/O:input/output)手段408を含む。入力手段は、例えばキーボードとしてもよいが、同様にタッチ・パッドまたはタッチ・スクリーンとすることもできる。入力手段としてマイクロフォンをさらに設けて、音声情報を受信するとよい。出力手段は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal dislay)などのディスプレイによって用意されるとよい。出力手段としてさらに拡声器を設けて、通話または音声を出力してもよい。他の適切な入力/出力手段も実行可能である。
ハンドセット310は、さらに、GSMネットワークなどのセルラ通信ネットワークでの通信機能を備えるように、セルラ・エンジン406も含む。衛星伝送を受信および処理するために、ハンドセットには、測位エンジン(pos(positioning)エンジン)407が含まれる。ハンドセット310は、さらにトランシーバ・ユニット(TRX)402を含む。信号を受信および送信するために、ハンドセット310には、アンテナ401が含まれる。2つ以上の、物理的に別個のアンテナを使用することもできると考えられるが、本実施形態では、セルラ・システムのアンテナおよび衛星システムのアンテナが単一の物理アンテナに組み合わされており、このアンテナは、セルラ・システムの信号を送受信し、衛星システムの信号を受信することができる。
ハンドセット310は、さらに中央処理ユニット(CPU:central processing unit)403を含み、ハンドセット310の機能を一元的に制御する。CPUは、ハンドセット310の実装に応じて1つ以上の処理ユニットを含む。音声区間を検出するために、ハンドセット310にはVAD404が含まれ、アンテナ401によって受信される快適雑音を検出するために、ハンドセット310には快適雑音検出器(CND:comfort noise detector)409が含まれる。

一般的手法
図5は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセット310が、ハンドセット350といずれかの衛星340との双方から信号を受信する方法を表した、簡略化したフロー図を示す。ハンドセット310および350は双方とも信号の送受信が可能であるが、分かりやすくするために、この例示的な実施形態では、ハンドセット310を受信ハンドセット310と表し、ハンドセット350を送信ハンドセット350と表す。ステップ501にて、セルラ・システムおよび衛星測位システム双方の信号の、デュアル・モード受信が必要か否かを判断する。デュアル・モード受信とは、受信機が、時分割多重化などの適当な多重化方法を用いて、セルラ・ネットワークおよび衛星からの信号を受信可能となる状態を指す。
デュアル・モード信号受信が必要でない場合、ステップ505にて、これらの信号のいずれかが一度に受信可能となり、または何の信号受信も必要とされないこともある。一方、ステップ501にてデュアル・モード信号受信が必要であると判断された場合は、ステップ502にて、送信ハンドセット350の音声区間を判断する。ステップ502で判断された送信ハンドセット350の音声区間に応じて、ステップ503にて、セルラ・システム受信と衛星システム受信との間で信号受信を切り換える。送信ハンドセット350がサイレントである場合、受信ハンドセット310のRFセクションは、主に衛星信号の受信に使用することができる。送信ハンドセット350がサイレントではないと判断された場合は、受信機のRFセクションは主にセルラ・システム信号の受信に使用することができる。ステップ504にて、衛星340およびセルラ・システムからの信号のデュアル・モード受信が必要か否かを、再度判断する。デュアル・モード信号受信が必要である場合は、再度ステップ502にて音声区間を判断する。デュアル・モード信号受信が必要でない場合は、ステップ505にて、衛星信号またはセルラ・システム信号のいずれかが一度に受信可能となり、または何の信号受信も必要とされないこともある。

受信機のアーキテクチャ
図6は、本発明の一実施形態に従って、セルラ・システムおよび衛星測位システムから信号を受信する、信号受信およびRF部分を図示している。信号受信部分は、2つのブランチから成る:1つのブランチはセルラ・システム信号受信用であり、もう1つのブランチは衛星システム信号受信用である。各ブランチは、RF信号を受信するアンテナ601、602と、低周波数および高周波数を除去する帯域通過フィルタ(BPF:band pass filter)603とを含む。各ブランチは、BPFを経た信号を増幅する低雑音増幅器(LNA:low noise amplifier)604をさらに含む。セルラ・システム受信部分は、アンテナ601によって受信されたSIDフレームを検出する、快適雑音検出器(CND)605をさらに含む。CND605は、ハンドセット310の生成する快適雑音を検出することもできる。信号受信部分の次には、セレクタまたはスイッチ606が存在し、セルラ・システム信号受信ブランチからの信号か、衛星システム信号受信ブランチからの信号かのいずれかを選択する。スイッチ606と機能的に接続して、音声区間検出器607も存在する。本発明によれば、スイッチ606は、CND605および/またはVAD607から受信した情報に応じて、衛星システム受信部分とセルラ・システム受信部分との間を切り換えるようにプログラムされている。CND605ブロックは、必ずしもLNA604とスイッチ606との間に物理的に設置されなくてもよい。
セレクタ606を経ると、信号はRFセクションに入り、ここで信号は2つの異なるブランチに分けられる。これら2つのブランチには同じコンポーネントが含まれ、2つのブランチの差異は、信号が、位相オフセット・ブロック608によって、他方のブランチでは90度の位相オフセットをかけられることである。セレクタ606を経ると、信号は、ローカル発振器609の信号と混合され、他方のブランチにある信号に対して90度の位相オフセットが付加される。混合器610の次には、低域通過フィルタ(LPF:low pass filter)611があり、高周波数を除去する。LPF611を経ると、信号は可変利得増幅器(VGA:variable gain amplifier)612によって増幅され、最終的に、このアナログ信号が、アナログ・デジタル(A/D:analogue−to−digital)変換器613によってデジタル形式へ変換される。その後、信号は、受信機のデジタル・ベースバンド部分へと導かれる。

手法の詳細
これから、図3および4のハンドセット310の動作について、図4と、図5、7、10のフロー図とを参照してさらに詳細に説明する。図5では、ステップ501にて、受信ハンドセット310が、セルラ・システムの送信ハンドセット350および衛星測位システムの衛星340からのデュアル・モード信号受信が必要か否かを判断する。これらの例示的な実施形態では、通信システムはセルラ・システムであって、特にGSM標準に従って機能しているシステムであるが、通信システムがセルラ・システム以外であることも可能と考えられる。衛星340は、以下の標準に従って動作するとよい:全地球測位システム(GPS)、ロシアのGLONASS、欧州の代替案である未稼働のGalileo、あるいは他の何らかの衛星航法システム。デュアル・モード信号受信が必要でない場合には、ステップ505にて、セルラ・システムまたは衛星システムのいずれかからの1つの信号のみが一度に受信される。信号を全く受信しない可能性もあり、例えば受信機のスイッチが切れている場合などである。あるいは、単に制御チャネル信号のみを受信することも可能である。
一方、ステップ501にて送信ハンドセット350および衛星340の双方からのデュアル・モード信号受信が必要であると判断された場合は、次にステップ502にて、送信ハンドセット350の音声区間が判断される。このことは、送信ハンドセット350から送られたデータ・フレームを、受信ハンドセット310が検出することによって行うことができる。送信ハンドセット350が、例えばSIDフレームなど、送信ハンドセット350はインアクティブであることを示す特定のフレームを送ったことが検出された場合、受信ハンドセット310は、送信ハンドセット350が話していないこと、言い換えればインアクティブであることを判断することができる。送信ハンドセット350は、受信ハンドセット310へ快適雑音を送ることもできる。この場合に、ハンドセット350のVAD404がハンドセット350のユーザはアクティブでないことを検出したら、快適雑音は、通話が送信されるビット・レートよりも低いビット・レートで送信される。これにより、通信ネットワークの負荷が軽減される。受信ハンドセット310にVADを置くこともでき、受信ハンドセット310がサイレントであることが検出された場合には、送信ハンドセット350は話していると予想することができる。あるいは、受信ハンドセット310が話していることが検出された場合には、送信ハンドセット350はサイレントであると予想することができる。
次にステップ503では、判断された送信ハンドセット350における音声区間に応じて、図6のセレクタ606が、送信ハンドセット350および衛星340からの受信の間で切り換えを行うように、プログラムされている。例えばSIDフレームの受信などにより送信ハンドセット350がサイレントであると判断された場合には、送信ハンドセット350から有意な情報が送信されることはないので、セレクタ606によって衛星340からの受信へ切り換えることができる。その後或る一定の期間が過ぎたら、送信ハンドセット350が依然としてインアクティブであるか否かを検出するべく再びセルラ・システム受信へ切り換えるように、セレクタ606をプログラムすることができる。送信ハンドセット350のユーザが話し始めていることが検出された場合、受信ハンドセット310は、送信ハンドセット350のユーザが再度インアクティブになるまでの間は、セルラ・システム受信モードにとどまる。一方、送信ハンドセット350のユーザがアクティブであっても、短期間、衛星システム・モードへ切り換えるように、セレクタをプログラムすることができる。受信ハンドセット310が衛星システム・モードで動作している場合、送信ハンドセット350がサイレントであったとしても、例えば制御チャネル信号などを或る一定の間隔でセルラ・システムから受信する必要があり得る。従って、送信ハンドセット350のユーザがサイレントであっても、セルラ・システムからの信号は、送信ハンドセット350のユーザが話すときに使用されるビット・レートよりも低い或る一定のビット・レートで受信する必要があると考えられる。
ステップ504にて、送信ハンドセット350および衛星340からのデュアル・モード信号受信が依然として必要であるか否かを再度確認する。必要である場合は、再度ステップ502にて、送信ハンドセット350の音声区間について判断する。一方、デュアル・モード信号受信が必要でない場合、ステップ505にて、単に衛星340からの信号か、または送信ハンドセット350からの信号かだけを、一度に受信することができる。

例1
図7は、本発明の一実施形態による方法のさらに詳細なフロー図を示す。本実施形態では、VAD404は、送信ハンドセット350においてのみ必要とされる。ステップ701にて、衛星340および送信ハンドセット350からのデュアル・モード受信が必要であると判断される。ステップ702にて、デュアル・モード受信を開始する。
ステップ703にて、受信ハンドセット310が、送信ハンドセット・アクティブ・モードで機能する。送信ハンドセット・アクティブ・モードでは、GNSS受信部分は、例えば1秒間に100msアクティブになる。この場合、大部分の時間、例えば1秒間に900msは、セルラ・システム信号受信がアクティブになると考えられる。これについて図8に示す。受信ハンドセット310が、送信側350はアクティブであると判断すると、ハンドセットはセルラ・システム・モードで動作できる。例示的な本実施形態によれば、ハンドセットは、一度に900ms、このモードを保つことができる。この期間中は、衛星システムからの信号は全く受信しない。
次にステップ704にて、受信ハンドセット310が、デュアル・モード受信が必要か否かを判断する。デュアル・モード受信が必要でない場合には、ステップ709にて、デュアル・モード受信を終了することができる。一方、デュアル・モード受信が必要である場合、ステップ705にて、送信ハンドセット350がアクティブか否かを判断する。このことは、セルラ・システム・モード中に送信ハンドセット350によって送られたデータ・フレームを、受信ハンドセット310がデコードすることによって、行うことができる。SIDフレームが検出された場合、受信ハンドセット310は、送信ハンドセット350のユーザはインアクティブであると判断することができる。一方、受信ハンドセット310によって通話フレームが受信された場合、送信ハンドセット350のユーザは話しており、故にアクティブであると判断することができる。送信ハンドセット350のユーザがアクティブか否かを検出するのに、送信ハンドセット350においてVAD404が必要とされる。ユーザがアクティブでない場合、通話が送信されるビット・レートよりも低いビット・レートで、データを受信ハンドセット310へ送信することができる。送信ハンドセット350のユーザがアクティブである場合、ステップ703にて、送信ハンドセット・アクティブ・モードが使用される。
送信ハンドセット350はアクティブでないと受信ハンドセット310が判断した場合、ステップ706にて、送信ハンドセット・サイレント・モードが使用される。送信ハンドセット・サイレント・モードでは、GNSS受信部分が、例えば1秒間に900ms、アクティブになる。この場合、セルラ・システム信号受信は、ごく一部の時間、例えば1秒間に100ms、アクティブになると考えられる。これについて図9に示す。衛星システム・モードの動作を最適化するべく、送信ハンドセット350によって送信されたバーストの一部が省かれる。省かれるバーストには、例えばSIDフレーム情報が含まれていることが考えられる。送信ハンドセット350が突然アクティブになった場合にも受信通話品質が過度に低下することのないように、ハンドセットが衛星システム・モードで動作する期間は長すぎてはならない。同様に、それぞれの受信部分に関する他の適切なアクティブ期間を用いることもできる。受信ハンドセット310には、いつSIDフレームを受信し得るかが分かっているので、ハンドセットがセルラ・システム・モードで動作している時期とSIDフレームの受信とが合致することが好ましい。セルラ受信モードの間に、送信ハンドセット350がアクティブになったことを受信ハンドセット310が検出したら、受信ハンドセット310は、セルラ受信モードにとどまることができる。
ステップ707にて、デュアル・モード信号受信が必要か否かを再度判断する。デュアル・モード受信が必要でない場合、ステップ709にてデュアル・モード受信を終了することができる。デュアル・モード受信が依然として必要である場合、ステップ708にて、送信ハンドセット350はアクティブであるか否かを受信ハンドセット310が判断する。送信ハンドセット350がアクティブでない場合、ステップ706にて、送信ハンドセット・サイレント・モードを使用する。一方、送信ハンドセット350がアクティブである場合、ステップ703にて送信ハンドセット・アクティブ・モードを使用する。

例2
図10には、本発明を実現する別の実施形態を提示する。本実施形態では、VAD404が、ハンドセット310および350の双方において必要とされる。ステップ1001にて、衛星340および送信ハンドセット350からのデュアル・モード受信が必要であると判断される。ステップ1002にて、デュアル・モード受信を開始する。
ステップ1003にて、受信ハンドセット310は、送信ハンドセット・アクティブ・モードで機能する。送信ハンドセット・アクティブ・モードでは、GNSS受信部分は、例えば1秒間に100ms、アクティブになる。この場合、セルラ受信が、大部分の時間、例えば毎秒900ms、アクティブになると考えられる。同様に、それぞれの受信部分に関する他の適切なアクティブ期間を用いることもできる。
次に、ステップ1004にて、デュアル・モード受信が必要であるか否かを判断する。デュアル・モード受信が必要でない場合、ステップ1012にて、デュアル・モード受信を終了することができる。一方、デュアル・モード受信が必要である場合は、ステップ1005にて、送信ハンドセット350がアクティブであるか否か、言い換えれば送信ハンドセット350のユーザが話しているか否かを、受信ハンドセット310が判断する。送信ハンドセット350がアクティブである場合、ステップ1003にて、送信ハンドセット・アクティブ・モードを使用する。音声区間を検出するのには、先に説明したものと同じ方法を採用することができる。本実施形態では、VAD404が受信ハンドセット310にも置かれているため、それを用いて送信ハンドセット350のユーザの音声区間を予想することができる。受信ハンドセット310のユーザがサイレントであることが検出された場合、送信ハンドセット350のユーザは話していると予想することができる。あるいは、受信ハンドセット310のユーザが話していることが検出された場合、送信ハンドセット350のユーザはサイレントであると予想できる。送信ハンドセット350はアクティブでないと判断された場合、ステップ1006にて、受信ハンドセット310は両側サイレント・モードを使用する。両側サイレント・モードでは、セルラ・システム受信部分を、例えば1秒間に500msアクティブとすることができ、対する衛星受信部分も同等の期間アクティブとすることができる。これについて図11に示す。一方の受信部分が、もう一方の受信部分よりも長くアクティブになることも可能である。妥当な値を見出すことは、衛星システム・モードの最適な動作と受信通話品質の低下との、トレードオフの問題になる。両側がサイレントであるのだから、ほどなく一方の側が話し始めるものと考えられる。従って、500msよりもかなり長い期間になると、受信機が衛星システム・モードにある場合に送信ハンドセット350のユーザがちょうど話し始めたとき、受信通話品質が過度に低下しかねない。この点において、300msなどの、より短い切り換え周期が好ましい可能性もある。
次に、ステップ1007にて、受信ハンドセット310は、デュアル・モード受信が依然として必要か否かを判断する。デュアル・モード受信が必要でない場合、ステップ1012にて、デュアル・モード受信を終了することができる。一方、デュアル・モード受信が必要である場合は、ステップ1008にて、送信ハンドセット350のユーザがアクティブであるか否かを判断する。送信ハンドセット350のユーザはアクティブであると判断された場合、ステップ1003にて、送信ハンドセット・アクティブ・モードが使用される。送信ハンドセット350のユーザがアクティブでない場合、ステップ1009にて、受信ハンドセット310のユーザがアクティブであるか否かを、受信ハンドセット310が判断する。これは、受信ハンドセット310にあるVAD404を使用して判断することができる。受信ハンドセット310のユーザがアクティブである場合、ステップ1010にて、受信ハンドセット・アクティブ・モードが使用される。このモードでは、GNSS受信が、例えば1秒間に900msアクティブになり、それに対してセルラ受信部分は、残りの時間、言い換えれば1秒間に100msアクティブになると考えられる。ステップ1009で受信ハンドセット310のユーザはアクティブでないと受信ハンドセット310が判断した場合、ステップ1006にて、両側サイレント・モードを使用する。
次にステップ1011にて、受信ハンドセット310が、デュアル・モード信号受信が必要か否かを再度判断する。デュアル・モード受信が必要でない場合、ステップ1012にてデュアル・モード受信を終了することができる。一方、デュアル・モード受信が必要である場合は、ステップ1013にて、送信ハンドセット350のユーザがアクティブであるか否かを、受信ハンドセット310が判断する。送信ハンドセット350のユーザはアクティブであると受信ハンドセット310が判断した場合、ステップ1003にて送信ハンドセット・アクティブ・モードを使用する。送信ハンドセット350のユーザがアクティブでない場合は、ステップ1014にて、受信ハンドセット310のユーザがアクティブであるか否かを、受信ハンドセット310が判断する。受信ハンドセット310のユーザはアクティブであると受信ハンドセット310が判断した場合、ステップ1010にて受信ハンドセット・アクティブ・モードを使用する。受信ハンドセット310のユーザがアクティブでない場合は、ステップ1006にて、両側サイレント・モードを使用する。
本発明は、さらに、上述の実施形態に従った方法の少なくとも一部を実現することのできる、対応するコンピュータ・プログラムにも関する。
受信ハンドセット310において、創意に富んだ機能を全て単一のモジュールに組み込むことができると考えられる。モジュールには、少なくともセレクタ・スイッチが含まれる必要があり、一部の実施形態ではVAD404および/またはCND409も含まれる必要がある。
本発明は、さらに、上述の方法を実現する手段を含む、受信ハンドセット310および送信ハンドセット350にも関する。受信ハンドセット310および送信ハンドセット350が、さらに、上述のモジュールを含んでもよい。
さらに本発明は、受信ハンドセット310をその中で使用可能なシステムに関する。システムは、少なくとも受信ハンドセット310および送信ハンドセット350と、少なくとも1つの衛星340とを含む。
なお、記載された実施形態は、様々に変化させることが可能であり、上記は、本発明の単なる例示的な実施形態に過ぎない。
セルラおよび衛星測位システムの信号を受信する、従来技術のソリューションのブロック図である。 セルラおよび衛星測位システムの信号を受信する、別の従来技術のソリューションのブロック図である。 本発明の実施形態を適用可能な環境を示す図である。 本発明の一実施形態による、ワイヤレス端末を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による、簡略化したフロー図である。 本発明の一実施形態による、受信機の信号受信およびRF部分のブロック図である。 本発明の一実施形態による、フロー図である。 本発明の一実施形態による、受信機の1つの動作モードを時間との関係で示す図である。 本発明の一実施形態による、受信機の別の動作モードを時間との関係で示す図である。 本発明の別の実施形態による、フロー図である。 本発明の一実施形態による、受信機の別の動作モードを時間との関係で示す図である。

Claims (18)

  1. 第1ワイヤレス通信デバイスが、ワイヤレス通信システム・モードおよび衛星測位システム・モードで動作する方法であって、前記衛星測位システム・モードにおいて、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記衛星測位システムから信号を受信し、前記通信システム・モードでは、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記通信システムから信号を受信し、前記方法は、前記第1ワイヤレス通信デバイスが、
    第2通信デバイスと通信することと、
    前記通信デバイスのうちの少なくとも1つの音声区間を判断することと、
    前記判断された音声区間に基づいて、前記ワイヤレス通信システム・モードと前記衛星衛星測位システム・モードとを切り換えることと、
    を含む、方法。
  2. 前記方法が、前記第2通信デバイスが音声区間を有すると判断される場合に前記第1通信デバイスがワイヤレス通信システム・モードで動作することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法が、前記第2通信デバイスが音声区間を有しないと判断される場合に前記第1通信デバイスが衛星測位システム・モードで動作することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法が、前記第1ワイヤレス通信デバイスが音声区間を有すると判断される場合に前記第1通信デバイスが衛星測位システム・モードで動作することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法が、前記第1ワイヤレス通信デバイスが音声区間を有しないと判断される場合に前記第1通信デバイスがワイヤレス通信システム・モードで動作することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ワイヤレス通信システム・モードにおいて、前記ワイヤレス通信システムからの信号が、前記衛星測位システムからの信号よりも高いビット・レートで受信される、請求項1、2または5に記載の方法。
  7. 前記衛星測位システム・モードにおいて、前記衛星測位システムからの信号が、前記ワイヤレス通信システムからの信号よりも高いビット・レートで受信される、請求項1、3または4に記載の方法。
  8. 前記方法が、前記第1および第2通信デバイスが音声区間を有しないと判断される場合に前記ワイヤレス通信システムからの信号と前記衛星測位システムからの信号とが実質的に等しいビット・レートで受信されることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記音声区間が、前記第1ワイヤレス通信デバイスにある音声区間検出器を用いて判断される、請求項1、4、5または8に記載の方法。
  10. 前記音声区間が、前記第2通信デバイスによって送信されたデータ・フレームをデコードすることにより前記第1ワイヤレス通信デバイスによって判断される、請求項1から3、または8に記載の方法。
  11. 前記音声区間が、無音記述子フレームを受信することにより前記第1ワイヤレス通信デバイスによって判断される、請求項1から3、または8に記載の方法。
  12. 前記通信デバイスが移動電話ハンドセットである、請求項1から5、8、または10から11に記載の方法。
  13. 前記通信システムがセルラ通信システムである、請求項1、2、5、6または8に記載の方法。
  14. ワイヤレス通信システム・モードおよび衛星測位システム・モードで動作可能な第1ワイヤレス通信デバイスであって、前記衛星測位システム・モードにおいて、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記衛星測位システムから信号を受信し、前記通信システム・モードでは、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記通信システムから信号を受信し、前記第1ワイヤレス通信デバイスは、
    第2通信デバイスと通信する手段と、
    前記通信デバイスのうちの少なくとも1つの音声区間を判断する手段と、
    前記判断された音声区間に基づいて、ワイヤレス通信システム・モードと衛星測位システム・モードとを切り換える手段と、
    を含む、第1ワイヤレス通信デバイス。
  15. 前記通信デバイスが移動電話ハンドセットである、請求項14に記載のワイヤレス通信デバイス。
  16. ワイヤレス通信システム・モードと衛星測位システム・モードとを切り換える第1ワイヤレス通信デバイスの中のモジュールであって、前記衛星測位システム・モードにおいて、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記衛星測位システムから信号を受信し、前記通信システム・モードでは、前記第1ワイヤレス通信デバイスは前記通信システムから信号を受信し、前記モジュールは、
    第2通信デバイスと通信する手段と、
    前記通信デバイスのうちの少なくとも1つの音声区間を判断する手段と、
    前記判断された音声区間に基づいて、ワイヤレス通信システム・モードと衛星測位システム・モードとを切り換える手段と、
    を含む、モジュール。
  17. 請求項14に記載のワイヤレス通信デバイスと、少なくとも1つの衛星と、少なくとも第2通信デバイスとを含む、システム。
  18. 請求項1から13のいずれか1項の前記ステップ群を実行するプログラム・コード・セクションを含む、コンピュータ・プログラム。
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