JP2009517847A - ガス供給制御ループを用いるビーム電流の安定化 - Google Patents

ガス供給制御ループを用いるビーム電流の安定化 Download PDF

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Abstract

本発明の1つ以上の構成は、供給ガスの流量の1つのパラメータを選択的に調整することによって、イオン注入システム内のイオンビームの電流又は密度を安定化する事に関する。ガス流量の調整は、他の作動パラメータに対する調整を必ずしも必要ではなく、これにより、安定化処理を単純化する。ビーム電流が、比較的早く安定化させるためにイオン注入は、中断されず促進的に始動されかつ続けられる。これは、関連した注入コストを削減するとともに処理能力を改善する。

Description

本発明は、一般的に、イオン注入システムに関し、特に、ガス供給制御ループを介してビーム電流を安定させることに関する。
イオン注入システムは、集積回路の製造において、ドーパント又は不純物を用いて、半導体基板にドーピングするために利用される機構である。このようなシステムにおいて、ドーパント材料はイオン化され、そこからイオンビームが生成される。イオンビームは、ドーパント元素をウエハに注入するために、半導体ウエハの表面に向かう。イオンビームのイオンは、ウエハの表面を貫き、所望の導電率の領域を形成する。一般的なイオン注入装置は、イオンビームを発生させるイオン源、磁界を用いてイオンビーム内のイオンを方向付けおよび/またはフィルタ処理(たとえば、質量分析)するための質量分析器を含むビームラインアセンブリ、及びイオンビームによって注入される1つ以上の半導体ウエハ又は加工物を収容するターゲットチャンバを含んでいる。
イオン注入装置は、シリコン基板内に注入されるドーパントの量及び配置に関して精度を維持できるので利点がある。特に、所定の利用に対する所望の注入を達成するために、注入されるイオンの線量及びエネルギーを変えることができる。イオン線量は、所定の半導体材料に対する所望の注入濃度を制御する。一般的に、高電流イオン注入機は、高い線量の注入に用いられ、一方、中電流イオン注入機は、低い線量の利用のために用いられる。他方、イオンエネルギーは、イオンが加工物に注入される度合いまたは注入されたイオンの深さを制御するのに用いられ、加工物は、例えば、半導体素子の異なる接合深さを確定するのに利用することができる。
商業的に利用されるイオン注入装置は、注入室から離れたイオン源室を含むイオン源を用い、ここで、1つ以上の加工物がイオン源からのイオンによって処理される。イオン源室に設けた出口開口は、イオンがイオン源から排出することができ、その結果、これらのイオンが整形され、分析され、そして、加速されて、イオンビーイオンビームを形成する。
イオンビームは、排気されたビーム経路に沿ってイオン注入室に向かい、この注入室で、イオンビームが1つ以上の加工物、一般的に円形ウエハに衝突する。このイオンビームは、イオンが注入室内でウエハに衝突して、ウエハを貫通するのに十分なエネルギーを有する。このように選択的なイオン注入により、集積回路を製造することができる。
イオンビームの密度又は単位面積あたりのイオンの数は、制御のために重要である。例えば、イオンを用いて加工物を均一に注入することが望ましく、その結果、一致したかつ予想可能な方法で加工物を処理することにより多数の素子が形成される。他の例では、他のものより、いくつかの加工物またはその面積内により多くのドーパントイオンを注入することが望ましい。とにかく、コストの削減、資源の節約、及び処理能力及び生産量を増加させるために、製造処理を促進させることが望ましい。
本発明の基本的ないくつかの構成を理解するために、本発明の単純化した要約を以下に示す。この要約は、本発明の拡張された全体の概要を示すものではない。また、本発明の主要部、即ち、重要な部分を識別するためのものでもなく、本発明の範囲を正確に概説するためのものでもない。むしろ、第1の目的は、後で説明する詳細な説明の序文として単純化した形式で本発明の1つまたはそれ以上の概念を単に示すことである。
本発明の1つ以上の構成は、供給ガスの流れの唯一のパラメータを選択的に調整することによって、イオン注入システム内のイオンビームの電流または密度を安定させることに関係する。ガス供給を調整することは、他の作動パラメータの調整を必ずしも必要としない。これにより、安定化処理を単純化する。これは、ビーム電流を比較的早急に安定化させることができ、イオン注入は、促進され、邪魔されることなく続けられる。これにより、処理能力が改善されるとともに、関連した注入コストを削減する。
上記および関連する目的を達成するために、以下の記載及び添付の図面により、本発明の詳細な例示的な構成及び本発明を実現するために説明される。これらは、本発明の1つ以上の構成を用いる種々の方法を例示しているにすぎない。
本発明の他の構成、利点、および新規な特徴は、添付する図面にとともに以下で詳細に説明される。
本発明の1つ以上の構成は、図面を参照して説明される。ここで、同等の参照番号は、同等の要素を指すために用いられるが、種々の構造が必ずしも寸法を同じにするものではない。説明の目的で、以下の記載では、本発明の1つ以上の構成を理解するために、多くの特定の構成例が説明されている。しかし、本発明の1つ以上の構成は、これらの特定の詳細をより少ない程度で示されていることが、当業者には明らかであろう。他の例において、良く知られた構造及び装置は、本発明の構成における説明を容易にするためにブロック図の形式で示されている。
上記で触れたように、半導体製造処理において、半導体ウエハ又は加工物は、荷電された粒子またはイオンで注入される。これらのイオンは、正電荷または負電荷による電気的特性を示す。これらの半導体処理に関連して用いられるとき、このようなイオン化された材料は、ドーピング用、またはイオン注入されるベースまたは他の層の電気的特徴を変えるためのドーパントと呼ばれ、所望の及び予想できる電気的振る舞いを有する層を生じさせる。
図1は、イオン注入システム100を形成する概略ブロック図を示しており、このシステムは、本発明の複数の構成が実現できる。イオン注入システム100は、イオン源112、ビームラインアセンブリ114、及びターゲット即ちエンドステーション116を含む。イオン源112は、イオン発生室120及びイオン引出(および/または抑制)アセンブリ122を含む。イオン化されるドーパント材料(図示略)の(プラズマ)ガスは、発生室120内に配置される。
このドーパントガスは、例えば、ガス源(図示略)から発生室120に供給される。エネルギーは、電源(図示略)を介してドーパントガスに分与され、発生室120内にイオンの発生を容易にする。
イオン源112は、例えば、RF またはマイクロ波励起源、電子ビーム注入源、電磁源、および/または発生室内にアーク放電を作り出すカソード等の適当な機構(全ての示していないが)をイオン室内に自由電子を励起するために、用いることができる。励起された電子は、発生室120内でドーパントガス分子と衝突し、そこでイオンを発生させる。一般的に、正のイオンを発生させるけれども、本発明は、イオン源112によって負のイオンを発生させるシステムにも利用可能である。イオンは、イオン引出アセンブリ122によって発生室120に設けたスリット118を介して制御されて引き出される。このイオン引出アセンブリは、複数の引出電極および/または抑制電極124を含む。引出アセンブリ122は、例えば、引出電極および/または抑制電極124をバイアスする引出電源(図示略)を含むことができ、ビームラインアセンブリ114内のイオンを質量分析磁石128に導く軌道に沿ってイオン源112からイオンを加速する。
従って、イオン引出アセンブリ122は、プラズマ発生室120からのイオンのビームを引き出す機能を有し、この引き出されたイオンは、ビームラインアセンブリ114内に向けて加速され、そして、特に質量分析磁石128によって加速される。質量分析磁石128は、約90°の角度に形成され、そこに磁界が発生する。イオンビーム126は、磁石内に入って磁界により曲げられ、その結果、不適当な電荷質量比のイオンが排除される。特に、電荷質量比が特に大きいイオンまたは特に小さいイオンは、質量分析磁石128の側壁内に偏向(130)される。このように、磁石128は、イオンビーム126のうち所望の電荷質量比を有するイオンのみをその通路を通過させる。制御機器又はコントローラ134は、特に磁界の強さと方位を調整することを含んでいる。磁界は、例えば、磁界128の界磁巻線を流れる電流の量を調整することによって制御される。コントローラ134は、プログラム可能なマイクロコントローラ、プロセッサ、および/または他の形式のシステム100(例えば、オペレータによって、以前および/または現在得られたデータおよび/またはプログラム)を制御するための計算機構を含むことができる。
ビームラインアセンブリ114は、例えば、加速器136を含み、この加速器は、イオンを加速および/または減速させるように配置されかつバイアスされる複数の電極138を含み、イオンビーム126を集束、偏向、および/または汚染物質を除去する。さらに、質量分析磁石128を含んで、イオン源112からエンドステーション116の全体のビームラインアセンブリ114が、1つ以上のポンプ(図示略)によって排気することができるように、イオンビームが、他の粒子と衝突してビーム強度を低下させることがわかるであろう。加速器136の下流には、エンドステーション116があり、このエンドステーションは、ビームラインアセンブリ114から質量分析されたイオンビーム126を受け入れる。エンドステーション116は、支持体又はエンドエフェクタ142を含む走査システム140を含み、処理される加工物144が、選択された動きができるようにエンドエフェクタ上に取付られる。エンドエフェクタ142及び加工物144は、イオンビーム126の方向に対してほぼ直交するターゲット面上に配置される。
加工物144は、第1の、即ち、高速スキャン経路174に沿って(例えば、x軸に沿って)、前後方向に154,164に(エンドエフェクタ142を介して)移動する。また、加工物144は、加工物144が第1スキャン経路174に沿って前後に揺れながら、第2の、即ち、低速スキャン経路178に沿って(例えば、y軸に沿って)、低速スキャン方向158,168に移動する。一例として、図1に示されたシステム100では、加工物144は、方向154への高速スキャンが完了すると、高速スキャン方向164に戻るようになり、加工物は、低速スキャン経路158(または168)に沿ってインデックスされる。
測定コンポーネント180(例えば、ファラデーカップ)は、エンドステーション116内に組み込まれる。測定コンポーネント180は、(例えば、イオン注入処理に対して邪魔にならないように)加工物の背後に配置される。そして、加工物144がイオンビーム126を通過するときおよび/またはイオンビームが開口を介して加工物144内を通過する場所のビーム電流を測定する。測定コンポーネント180は、コントローラ134に対する測定されたビーム電流を示す信号を出力する。
プラズマ源(図示略)は、エンドステーション116内に含むことができ、中性プラズマ内にイオンビーム126を入れて、ターゲット加工物144上に蓄積される正電荷の数を軽減する。プラズマシャワーは、例えば、正に荷電されたイオンビームによって注入される結果として、ターゲット加工物144上に蓄積される電荷を中性化させる。
従って、本発明の1つ以上の構成によれば、ビーム電流は、イオン発生室120内に供給されるガスを調整することによって安定化される。例えば、選択的に発生室120に供給されるガスの量を選択的に変化させるために、測定コンポーネント180によって読み取られた値が、コントローラ134に用いられる。イオン源ガスの流れを調整することにより、他の作動パラメータを調整することなく、ビーム電流を安定化させることができる。
図2を見ると、本発明の1つ以上の構成を実現するための他のイオン注入システム200が、概略的なブロック図で示されている。システム200は、図1のシステム100と同様であるが、より詳細にイオン源を示している。システム200は、イオンの発生するためのイオン源を含んでいる。例示において、イオン源202は、カソード204、アノード206、ミラー電極208、ガス供給源210、及び磁石コンポーネント212a、212bを含む。電源214及びアーク電源216は、カソード204に接続して作動する。他の供給源218は、例示のように、磁石コンポーネント212a、212bに接続される。
作動において、ガス供給源210は、1つ以上の前駆ガス(例えば、導管を介して)をイオン源202の領域222内に供給し、そこで、イオンが発生する。カソード204は、一例では、フィラメントの形状(例えば、タングステン又はタングステン合金で作られたロッド)で形成され、電源214(例えば、約2000度ケルビン)によって加熱され、そこに電子を励起する。次に、アーク供給源216は、カソード204に付加的なエネルギーを供給し、電子をカソード204からガスが配置された領域222内にジャンプさせる。アノード206は、電子を領域222に引き出すのを手助けし、さらに、例えば、イオン源206の側壁(図示略)を含んでいる。また、供給源216は、アノード206に接続され、カソード204とアノード206との間にあるバイアスが設定され、電子が領域222に引き出すのを容易にする。
ミラー電極208は、領域222内に電子を維持させる手助けをする。特に、ミラー電極208に付与されるバイアスは、カソードから放射された電子を反発して領域222に戻すように働く。同様に、磁石コンポーネントによってイオン源202内に磁界を導かれ、電子を領域内に維持しかつイオン源202の側壁(図示略)から遠さける。
図示した例では、磁石の2つのコンポーネント212a、212bが示されている。これらは、例えば、巻線の断面図、および/または電磁石のヨークを示している。領域222内で移動する電子は、領域222内でガス状分子と衝突し、イオンを作り出す。特に、電子は、十分な力で、ガス状分子と衝突し、1つ以上の電子が、分子から取り除かれるようになり、その結果、正電荷のガス状イオンが生じる。
イオン源磁石によって加えられた磁界は、カソードとミラー電極の間のラインに平行となり、電子経路の長さを増加させ、そして、領域内のイオンと電子との両方のプラズマを保持するのを助ける。
本発明は、負電荷イオンの場合にも考慮しておりかつ利用できることを理解してほしい。さらに、本発明では、上述したように、アーク放電源以外の他の形式のイオン源を用いることもできる。例えば、イオン源は、イオンを発生させるためにRF励起器の手段を含む。このようなイオン源は、米国特許第5,661,308号明細書に開示されており、この開示内容全体は、参考文献としてここに包含されている。付加的な例では、イオンを発生するための電子ビーム放射による励起器の手段を含むイオン源がある。これは、どきどき、「ソフトイオン化」形式のイオン源と呼ばれる。このようなイオン源の例として、米国特許第6,452,338号明細書に開示されており、この開示内容全体は、参考文献としてここに包含されている。イオン源の付加的な例として本発明に利用できるものとして、複数のイオンを発生させるためにマイクロ励起器の手段を含むイオン源がある。
イオンビーム226を構成するイオンは、電極230によってイオン源202に設けたスリット(図示略)を通って引き出される(例えば、数キロボルトで)。電極230は、一般的に、イオン源202に対して負にバイアスされている。イオン源からイオンを引き出すことに加えて、電極230は、一般的に、正のバイアスによってイオン源202に引き寄せられる電子を抑制する機能を備える。このとき、イオンビーム226は、ビームガイド236と関連する分析磁石238内を通過する。ビームガイド236及び質量分析磁石238において、所望の電荷質量比に従って分離された後、イオンビーム226は、プレート242により形成された分析開口に入り、さらに、所望種のイオンを分離する。イオンビーム226は、プラズマに曝される前に、別の一組の電極244に遭遇する。プラズマは、空間電荷を中性化し、そうでなければ、ターゲット加工物に蓄積されるであろう電荷を形成する。そして、イオンビーム226は、エンドステーション内に配置された1つ以上の加工物(図示略)に衝突する。
イオンがエンドステーション246で加工物内に注入されないとき、イオンビーム226が衝突するように配置された、測定コンポーネント268(例えば、ファラデーカップ)を含んでいる。測定コンポーネント268は、ビーム電流を測定し、コントローラ264において示される信号を供給する。本発明の1つ以上の構成によれば、ガス供給源210は、ビーム電流を安定化するために測定コンポーネント268によって測定された値に応じて調整される。ガスの流量は、測定コンポーネント268によって測定された値に応じて、イオン注入システムのオペレータにより手動で、またはコントローラ264によって自動的に調整することができる。そして、このような調整は、フィードバックループ形式の装置において、断続的に又は連続的になされる。
イオン注入システムがイオンビームを発生させるために始動するとき、ビーム電流はかなり変動し、そして、イオン注入処理中の、変動し続ける。このように、ここで記載したように、イオンビームを安定化させることは、より予想可能なイオン注入を確立するのに役に立つ。ビーム電流における変動の一例は、イオン源ガスの分離に関係し、ここで、より多くのイオンが予想以上に発生する。特に、ホスフィン(Ph3)は、イオン源ガスとして一般的に用いられ、正のイオンを発生させる。しかし、イオン源の内壁表面は、モリブデンを含んでいる。ホスフィン分子は、モリブデンと相互に作用し合って、HとP(水素とリン)および/またはHとPH2に分離することができ、例えば、室内のアークプラズマ内の電子によって、容易にイオン化できる。ホスフィンは、イオン源内の部品の温度、例えば、400〜100℃の高温度で分解を生じやすい。この分離によって生じる余分のイオンは、イオンビーム電流を安定させるのにかかる時間(例えば、10分またはそれ以上)を増加させる。
たとえば、図3を見ると、グラフ表示300は、イオンビーム302が安定するまでにかかる時間を示し、ここで、イオン注入システムは、初期状態が達成された後、ビーム電流を制御するためのパラメータを調整することなく、所望のビーム電流(例えば、所望の電流密度を有する)を生じさせるのに用いられるヒストリカルなパラメータ(historical parameters)の組を用いて始動される。イオンビーム302は、約200秒程度で安定し始め、さらに、約800秒で次第に、10ミリアンペア近くにますます安定することがわかる。ビーム電流における変化は、いくつかのファクターの関数であり、これらのいくつかは、イオン源304内の圧力及び引出電流306等の他のものより測定可能である。ここで、引出電流は、イオン源をバイアスする高電圧源を通ってイオン源に達する全電流、あるいは、終端電位/引出電圧に対してイオン源をバイアスする電源上に負荷された全電流に相当する。容易に測定されないファクターは、例えば、ホスフィン、PH2,又はイオン源内の他の汚染物質等に対するリンの割合を含んでいる。
図4を見ると、グラフ表示400は、イオン源のスリットに対する引出電極の方位404に応じたビーム電流における変化を示している。とりわけ、引出電極とイオン源の出口スリットとの間の距離は、ビーム電流402を調整することによって変化する。この距離の変化は、図4において、「ギャップ」プロット404として表される。図示する例において、引出電極は、ビーム電流402を約8ミリアンペアに増加させるために、第1の200秒の間、動かされる。しかし、一旦、電極が保持され、そして、ギャッププロット404は、平坦となり、ビーム電流は、次第に下降(約800秒後、4ミリアンペアになるまで、)する。
引出電極は、約9ミリアンペアに戻るようにビーム電流を増加させるように動く。その後、電流は安定し比較的一定にとどまる。しかし、作動パラメータを調整してビーム電流を調整することは、問題のあることである。例えば、ドーズ量の注入均一性は、(図1において、加工物が、方向154,164に移動するとき)維持されなければならない。例えば、一旦ギャップが調整されると、光学系も再調整されなければならない。そして、アーク電流もまた調整されなければならない。こうして、この方法において、ビーム電流を再調整する前に注入を(多数のインターバルで)中断することは、能率的でなく、また、所望のイオン注入を達成するために時間を消費する技術となる。
図5は、本発明の1つ以上の構成に従うイオン源ガスの流量を単に調整する結果としてのビーム電流502の安定化を示している。特に、図3に図示するように、自然にビーム電流が安定するのを待つ場合、または図4に図示するように、多数のパラメータを多数回調整(再調整)する場合、供給ガスの流量を調整することができ、他の作動パラメータに対する1つ以上の調整を行うことなく、ビーム電流を安定化させる。図3に示す状況と同様に、イオン注入システムは、図5において、所望のビーム電流を与えるために前に用いられたヒストリカルな作動パラメータ値を用いて始動される。以前のように、ビーム電流502、イオン源504内の圧力、及び引出電流506は、始めは不安定である。しかし、約200秒で、ビーム電流は、ガス流量を調整(増加)することによって約10ミリアンペアの所望レベルに落ち着く。ガス流量比は、選択的に再調整(例えば、フィードバックループを介して)され、所望のレベル(約10ミリアンペア)のビーム電流に維持される。ここに記載したように、ビーム電流の変動は、例えば、ホスフィンの分離等のイオン源ガスに関係した問題に起因するので、ビーム電流を安定化するために、イオン源のガス流量を調整ことは、好ましい安定化技術である。
このように、ここで記載した技術は、イオン源ガスの流量比率以外の作動パラメータ(例えば、アーク電源および/または電極ギャップ)が選択的に調整される場合等に起こる悪影響を単に処理するよりも、イオン源の問題に対処しまたは抑えるものである。
図5において、引出電流506がビーム電流502に比例していることに注目してほしい。これによれば、引出電流506は、ガスの流量を単に調整することによって調整又は安定化することができる。他のファクターが、ビームラインの終端において、ビーム電流の測定値をゆがめることになるので、引出電流を調整することは望ましい。例えば、ファラデーカップは、一般的に、加工物の背後に配置され、そこで、イオンビームが加工物を通過した後、又はイオンビームが加工物に設けた孔または他の形式の開口を通過するとき、ビーム電流を測定する。しかし、イオンビームと加工物との相互作用により、人工的に電流読取値を上げ下げすることができる。
例えば、イオンビームが加工物上のレジスト材料に衝突するとき、レジスト材料のいくらかは、蒸発しかついくつかのイオンビームを中性化しかつエンドステーション内の圧力を変えることができるガスを発生させる。次に、例えば、人工的にビーム電流の読取値を下げることもできる。所望レベルに引出電流を維持することにより、エンドステーションにおいて、外部要因に関係することなく、また、ビーム電流が引出電流にほぼ比例ことが与えられる人工的効果に関連することなく、安定化すべきビーム電流が可能になる。
本発明を1つ以上の実施例に関して図示しかつ記載してきたが、この明細書と添付された図面とを読んで理解すると、他の同業者にも同等の変更や修正を見出すことができるであろう。本発明は、このような修正例及び変形例の全てを含み、また、特許請求の範囲によってのみ制限される。特に上述の構成要素(アセンブリ、装置、回路、システム等)によって実行される種々の機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用される用語(「手段」に対する参照を含めて)は、他に表示されていなければ、たとえ開示された構成に構造的に同等でなくても、本発明のここで図示された例示的実施においてその機能を果たすものであれば、説明された構成要素の特定された機能を実行する(即ち、機能的に同等である)いずれかの構成要素に相当するものと意図されている。
更に、本発明の特定の特徴が幾つかの実施の内のただ一つに対して開示されてきたものであるが、そのような特徴は、いずれかの或る又は特定の用途にとって望ましくかつ有利な他の実施形態における一つ以上の特徴と組み合わせられるものである。更に、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」及びそれらの変形が詳細な説明か特許請求の範囲のいずれかで使用されている限り、これらの用語は、用語の『構成されている』と同様に包含されるものであると理解すべきである。
また、ここで用いられる「典型的」は、最善のものというよりも、単に一例であることを意味する。
本発明の1つ以上の構成によって実行されるイオン注入システムを説明するための概略ブロック図である。 本発明の1つ以上の構成によって実行されるイオン注入システムを説明するための別の概略ブロック図である。 ビーム電流の自然な安定化を説明するためのグラフである。 イオン源に対する電極の方位に応じてビーム電流の安定化を説明するグラフである。 本発明の1つ以上の構成に従うイオン源ガスの流量に対する調整に応じて、ビーム電流の安定化を説明するグラフである。

Claims (20)

  1. イオンを加工物に注入する方法であって、
    ヒストリカルな作動パラメータ値を用いてイオン注入処理を開始し、
    所望の安定化したビーム電流を達成するために、イオン源ガスの供給を調整し、
    前記加工物内にイオンを注入するために、互いに対して、イオンビームと前記加工物を選択的に指向させる、各工程を含むことを特徴とする方法。
  2. イオン源の下流で、ビーム電流を測定し、
    前記測定されたビーム電流に基づいて、前記イオン源ガスの供給を調整する、
    各工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ビーム電流は、エンドステーション内で測定されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記ビーム電流の得られた対応測定値に基づいて、前記イオン源ガスの供給に対して継続した調整を行うために、制御フィードバックループを実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 前記ビーム電流を安定化させるために、前記イオン源ガスの供給が手動で調整されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 前記イオン源ガスは、ホスフィンからなることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. イオン化室は、少なくともモリブデン及びタングステンの一方を含んでいることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. イオン源ガスの供給を調整して、所望の引出電流を達成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. イオン源の下流でビーム電流を測定し、
    前記測定されたビーム電流に基づいて、前記イオン源ガスの供給を調整する、
    各工程を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. ビーム電流は、エンドステーション内で測定されることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 前記ビーム電流の得られた対応測定値に基づいて、前記イオン源ガスの供給に対して継続した調整を行うために、制御フィードバックループを実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  12. 前記引出電流を安定化させるために、イオン源ガスの供給が手動で調整されることを特徴とする請求項9記載の方法。
  13. イオンを加工物に注入する方法であって、
    イオン注入システムを用いてイオンビームを発生させ、
    前記イオン注入システム内のビーム電流を測定し、
    前記加工物内にイオンを注入するために、互いに対して、前記イオンビームと前記加工物を選択的に指向させる、各工程を含むことを特徴とする方法。
  14. イオン源の下流で、ビーム電流を測定し、
    前記測定されたビーム電流に基づいて、前記イオン源のガス供給を調整する、
    各工程を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記ビーム電流の得られた対応測定値に基づいて、前記イオン源ガスの供給に対して継続した調整を行うために、制御フィードバックループを実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 所望の引出電流を達成するために、イオン源ガスの供給を調整する工程をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
  17. イオン注入システム内のビーム電流を安定化するための方法であって、
    前記イオン注入システムにおいて、イオンビームを発生させ、
    イオン源ガスの供給を調整して、前記ビーム電流の測定値に基づいて所望の安定したビーム電流を達成する、各工程を含むことを特徴とする方法。
  18. 前記ビーム電流の得られた対応測定値に基づいて、前記イオン源ガスの供給に対して継続した調整を行うために、制御フィードバックループを実行する工程をさらに含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 前記イオンビームは、ヒストリカルな作動パラメータ値を用いて最初に展開されることを特徴とする請求項17記載の方法。
  20. 前記イオンビームは、ヒストリカルな作動パラメータ値を用いて最初に展開されることを特徴とする請求項18記載の方法。
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