JP2009516196A - アッセイにおける非特異的結合の低減 - Google Patents

アッセイにおける非特異的結合の低減 Download PDF

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Abstract

サンプル中の検体の決定のための結合アッセイにおける非特異的結合を低減するための方法及び組成物が開示され、ここで結合アッセイを行うための試薬のうちの1つは、多糖類を含む固体支持体を含む。この方法は、結合アッセイを行うための媒体に、多糖類に連結されたタンパク質を含む可溶性化合物を含有させることを含む。検体を含有することが疑われるサンプル中の検体の存在及び/又は量を決定するための方法及び組成物も開示される。この方法は、多糖類を含む固体支持体、及び多糖類に連結したタンパク質を含む可溶性化合物を試薬として含む。

Description

発明の背景
医薬及び臨床化学の分野において、生理学的反応性種、例えば細胞、タンパク質、酵素、補因子、核酸、基質、抗原、抗体などの多くの研究及び決定が、特異的結合対メンバー又は標識などを含む抱合体を使用して行われる。特異的結合対メンバーの結合を含む種々のアッセイ技術が知られている。これらのアッセイ技術は、一般的にはアッセイの検出部分で使用される標識も含む。
多糖類、特にデキストランは、例えば特異的結合対メンバーの安定性を高めるために特異的結合対メンバーと抱合されてきた。いくつかのアプローチにおいて、多糖類が支持体表面に結合され、そして特異的結合対メンバーが多糖類に連結されて多糖類で被覆された表面を提供し、及びそれらに付着された特異的結合対メンバーを有する。このような支持体は、検体についてのアッセイにおいて使用される。特異的結合対メンバーの多糖類に対する抱合は、これらの分子の嵩高さを増大し、これにより相補的な特異的結合対メンバーへの結合を妨害して特異的結合対メンバーを含むアッセイにおけるそれらの効率を高めることができる。さらに、これらの抱合体は、表面に存在する場合、非特異的結合が低減された表面への相補的特異的結合対メンバーの特異的結合を可能にする。多糖類抱合体は、血液、血清などのような生物学的サンプルに対して行われる、均一系及び不均一系のアッセイを含む多数の種類のアッセイにおいて使用される。
しかし、例えば血清サンプルのような、上述の多糖類で被覆した支持体が使用されるアッセイにおいて検体の有無と無関係にポジティブな結果を生じる特定のサンプルが存在する。この結果について考えられ得る説明は、アッセイ試薬、特に特異的結合対メンバーを連結された多糖類被覆支持体のうちの1つ又はそれ以上に対するサンプル由来の成分の非特異的結合である。非特異的結合は、ポジティブ試験結果の測定値を増加し得、そしていくつかの場合には、非特異的結合は、検体が存在しない場合にポジティブな測定値を生じ得、いずれの場合も誤解を招く恐れのあるアッセイ結果を生じる。
血清サンプルの免疫測定法におけるポリマー固相に対する非特異的IgG結合について1つのアプローチが提案されている。このアプローチは、液相に水溶性ポリマーを含有させることを含み、この場合、水溶性ポリマーは、固相表面のポリマーのモノマーと同じか又はほぼ同じ免疫学的結合親和性であるモノマーの重合により形成される。水溶性ポリマーとして使用される物質としては、ポリ(スチレン-alt-マレイン酸)及びポリ(アクリル酸)が挙げられており、これらはポリ(メタクリル酸)及びデキストラン並びに多数の他の物質より優れていることが示された。
支持体に連結された多糖類抱合体を含むアッセイにおける非特異的結合を遮断するための薬剤の必要性が依然としてある。
発明の要旨
本発明の一実施態様は、サンプル中の検体の決定のための結合アッセイにおける非特異的結合を低減するための方法であって、結合アッセイを行うための試薬のうちの1つが多糖類を含む固体支持体を含む方法である。この方法は、結合アッセイを行うためのアッ
セイ媒体に、多糖類に連結されたタンパク質を含む可溶性化合物を含有させることを含む。
本発明の別の実施態様は、検体を含有することが疑われるサンプル中の検体の存在及び/又は量を決定するための方法である。サンプル、多糖類に連結されたタンパク質を含む可溶性化合物、及び検体を検出するための試薬を含む組み合わせが提供される。検体を検出するための試薬のうち少なくとも1つは、多糖類を含む支持体である。この組み合わせは、検体が試薬の1つ又はそれ以上に結合するための条件下でインキュベートされる。試薬の1つ又はそれ以上に対する検体の結合の存在及び/又は量が決定され、ここでその結合の存在及び/又は量は、サンプル中の検体の存在及び/又は量に関連づけられる。
本発明の別の実施態様は、タンパク質に連結された多糖類を含む組成物であり、ここで多糖類とタンパク質との間の連結は、アッセイの固相試薬の表面へ特異的結合対メンバーを連結するために使用される連結と実質的に同じ構造を有する。
本発明の別の実施態様は、繰り返し単糖単位を含む、式:
Figure 2009516196
[式中、Aのうちの1つは、別の単位の(上記式に示されるように)C1グリコシド炭素に結合し、nは約3〜約50,000の整数であり、他のAはタンパク質分子、水素、水溶性を付与する基、又は結晶化度低減置換基からなる群より独立して選択され、そしてLは結合又は連結基であり、そしてタンパク質分子対単糖分子の比は約1:2〜約1:100である]
のタンパク質-多糖類抱合体である。
いくつかの実施態様において、Lが連結基であり、そしてAがタンパク質である場合、L-Aは、式:
-CH2(CH2)mCR’-NR-タンパク質
を有し、式中、mは0〜約5の整数であり、R及びR’は水素、低級アルキル、及びアリールからなる群より独立して選択されるか、又はR及びR’は一緒になって二重結合を形成する。
特定の実施態様の説明
上述のように、一局面において、サンプル中の検体の決定のための結合アッセイにおける非特異的結合を低減するための方法が提供され、この方法において結合アッセイを行うための試薬のうちの1つが多糖類を含む固体支持体を含む。この方法は、結合アッセイを行うためのアッセイ媒体に、多糖類に連結されたタンパク質を含む可溶性化合物を含有させることを含む。
一般的に、非特異的結合は、特定の表面構造と比較的無関係である分子間の非共有結合を意味する。非特異的結合は、他の分子の実質的により少ない認識と比較して他方に対して2つの異なる分子のうちの一方の特異的認識を含む特異的結合と区別される。非特異的結合は、分子間疎水性相互作用、分子間の静電又はイオン交換相互作用、分子間の種特異的相互作用(例えば、ヒト抗マウス抗体、マウス抗ヒツジ抗体など)、などを含むいくつかの要因から生じ得る。アッセイにおいて非特異的結合を生じる分子の性質は、サンプルの性質、アッセイ環境、固相試薬表面などに依存する。大部分の非特異的結合分子は、タンパク質物質、例えば、非特異的免疫グロブリン、アッセイの検体以外の分子に特異性を有する免疫グロブリン、補体カスケードタンパク質、凝固カスケードタンパク質などである。サンプルは、生物学的組織(これらとしては、宿主の器官又は他の身体部分から切除した組織)及び体液、例えば全血、血漿、血清、尿、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液などであり得る。多くの場合、サンプルは血漿又は血清である。
一般的に結合アッセイは、分子間の特異的結合を含む。これらの分子は、特異的結合対(「sbp」)のメンバーと呼ばれ得、これは、2つの異なる分子のうちの一方が、表面上又は空洞内に、他方の分子の特定の空間的構成及び極性の構成に特異的に結合し、それにより相補的と定義される領域を有することを意味する。特異的結合対のメンバーは、リガンド及び受容体(アンチリガンド(antiligand)とも呼ばれる。これらは通常は免疫対、例えば抗原-抗体のメンバーであるが、他の特異的結合対、例えばビオチン-アビジン、ホルモン-ホルモン受容体、核酸二本鎖、IgG-プロテインA、ポリヌクレオチド対、例えばDNA-DNA、DNA-RNAなどは免疫対ではないがsbpメンバーの定義に含まれる。結合アッセイは以下でより詳細に考察される。
結合アッセイを行うための試薬は、通常1つ又はそれ以上のsbpメンバーを含み、これらはその試薬が使用される特定のアッセイの性質によって他の分子に結合していてもしていなくてもよい。1つ又はそれ以上の特異的結合対を、アッセイの性質によって利用してもよい。sbpメンバーは、支持体、シグナル生成系のメンバー(例えば標識)、異なる特異的結合対からのsbpメンバーなどに結合していてもしていなくてもよい。従って、アッセイを行うための試薬は、さらなるsbpメンバー、補助試薬(例えば補助酵素基質)、シグナル生成系メンバー、緩衝液、他の形態の非特異的結合の遮断薬などを含み得る。結合アッセイを行うために利用される試薬は、行われるアッセイの性質に依存し、そして種々のアッセイ実施態様に関して以下に詳細に考察されている。1つ又はそれ以上の粒状試薬が、アッセイの性質によりアッセイにおいて使用され得る。
結合アッセイを行うための試薬の1つは、3つ又はそれ以上の単糖単位を含有する炭水化物である多糖類を含む支持体である。多糖類は、直鎖でも分枝でもよい。多糖類の分子量(ダルトン)は、約10,000〜約500万又はそれ以上であり、そして場合によっては、10,000〜約100万又はそれ以上であり、そして場合によっては、約10,000〜約500,000であり、そして場合によっては約30,000〜約350,000である。
限定ではなく例示としての多糖類の例は、デキストラン、デキストラン誘導体、シクロデキストリン、セルロース誘導体、アガロース、ゴム、デンプン、グリコゲン、ポリリボース、アミロースなどである。単糖は、アルデヒドアルコール又はケトンアルコールのようなより単純な化合物へと加水分解することができない炭水化物、例えばヘキソース又はペントースである。デキストランは、線状に1-6連結した(98%)グルコース単位からなる多糖類であり、重合グルコースと呼ばれ得る。デキストラン誘導体は、架橋、分解、官能化など、例えば、別の部分に連結することによる1つ若しくはそれ以上のヒドロキシル基の改変又は例えばカルボキシル、サルフェート、サルファイト、スルホン、アミド、スルホンアミド、ハロメチルカルボニル、エポキシド、アミノ、アルデヒド、活性エステル、マレイミドなどのような異なる官能基への改変により改変されたデキストランである。多糖類が水溶性でない場合、以下で考察されるように、改変は、水溶性を付与する1又はそれ以上の基又は官能基を含み得る。
多糖類-支持体試薬の性質は、主として結合アッセイの性質に依存する。多くの場合、多糖類は支持体の表面に非拡散的に結合される。多糖類がこのような支持体が受けるアッセイ又は他の条件下で表面に実質的に結合したままでいる限りは、多糖類は、共有結合(多糖類への直接結合又は連結基による)又は非共有結合(吸着、沈降(例えばアガロース)など)のいずれかにより支持体の表面に非拡散的に結合され得る。支持体の表面を多糖類でコーティングするためのアプローチは、当該分野で公知である。例えば、アプローチはImmunological Diagnostic Reagents, 米国特許第4,264,766号、Ernst A. Fischer, April 28, 1981(これの関連する部分は参照により本明細書に加入される)において考察されている。
支持体は一般的には固相であり、これは通常多孔性又は非多孔性の水不溶性材料であり、そしてこの材料は帯状、棒状、板状、井戸型、粒子又はビーズなどのような多数の形状のいずれか1つを有し得る。広範な種々の適切な支持体は、Ullman, et al., 米国特許第5,185,243号(本明細書に参考により加入される)の第10-11欄に開示されている。
表面は親水性であり得、又は親水性にすることができ、そしてシリカ、硫酸マグネシウム及びアルミナのような無機粉末;天然ポリマー材料、特にセルロース材料及びセルロースから誘導される材料、例えば繊維含有紙、例えばろ紙、クロマトグラフィー紙、ガラスファイバー紙など;合成又は改変した天然に存在するポリマー、例えばニトロセルロース、セルロースアセテート、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、架橋デキストラン、アガロース、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル)など;(いずれもそれ自体で、又は他の材料と組み合わせて使用される);ガラス、例えばバイオガラスとして入手可能なガラス、セラミック、金属などを含む。天然又は合成の集合体(assemblies)、例えばリポソーム、リン脂質小胞及び細胞も使用することができる。支持体は、成形品、例えばマイクロタイターウェルプレートのウェル、パドル、球などを含み得る。
粒子は、形状が均一であっても不均一であってもよく、サイズが微視的でも巨視的であってもよい。粒子は少なくとも約20nmであり、約20ミクロンを超えず、そして場合によっては、少なくとも約40nmでかつ約10ミクロン未満であり、そして場合によっては直径約0.10〜2.0ミクロンであり得る。粒子はどんな密度でもよいが、好ましくは水に近い密度であり、一般的には約0.7〜約1.5g/mlである。粒子は、電荷を有していてもいなくてもよく、それらが荷電している場合、好ましくは負である。粒子は、固体(例えば有機及び無機のポリマー又はラテックスから構成される)でも、油滴(例えば、炭化水素、フルオロカーボン、ケイ素溶液)でも、小胞(例えば、リン脂質のような合成又は細胞及び細胞小器官のような天然)でもよい。
固体粒子は、通常はポリマーであり、付加重合体又は縮合重合体のいずれでもよく、アッセイ媒体中に容易に分散可能である。固体粒子は、それらの表面において多糖類、多糖類-sbpメンバー抱合体などに直接的又は間接的に結合又は付着するように吸着性または官能基化可能であり、そして場合によってその体積内に反応性試薬を組み入れ得る。粒子は磁性であっても非磁性であってもよい。
固体粒子は、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、アクリレート及びメタクリレートの誘導体(特にエステル及びアミド)のホモポリマー及びコポリマー、シリコーンなどで構成され得る。油滴は、例えばリン脂質、スフィンゴミエリン、アルブミンなどのような両親媒性分子である乳化剤で覆われて安定化された親油性化合物からなる水不混和性の流体粒子であり、水溶液中の懸濁液、すなわちエマルションとして存在する。リポソームはほぼ球形の形状を有する1つ又はそれ以上の脂質二重層からなる微小胞であり、本発明における使用に好ましい材料のうちの1つである。
ラテックス粒子は、粒子状の水に懸濁可能で水に不溶なポリマー材料であり、通常は直径20nm〜約2000nm、場合によって約100〜約1000nmの粒子寸法を有する。ラテックスはポリスチレン-ブタジエン、ポリアクリルアミドポリスチレン、アミノ基を有するポリスチレン、置換ポリ-アクリル酸、置換ポリメタクリル酸、アクリロニトリル-ブタジエン、スチレンコポリマー、ポリビニルアセテート-アクリレート、塩化ビニルアクリレートコポリマーなどのような置換ポリエチレンであり得る。スチレン及びカルボキシル化スチレン又はアミノ、ヒドロキシル、ハロなどのような他の活性基で官能基化されたスチレンの非架橋ポリマーが好ましい。場合によって、置換スチレンとジエン、例えばブタジエンとのコポリマーが使用される。
上述のように、結合アッセイを行うための試薬のうちの1つが、多糖類を含む固体支持体を含む、サンプル中の検体の決定のための結合アッセイにおける非特異的結合を低減するために、多糖類に連結したタンパク質を含む可溶性化合物がアッセイ媒体中に存在する。可溶化合物の多糖類は、上述の多糖類から選択され得、そして支持体上の多糖類と同じでも異なっていてもよい。多糖類が異なる場合、それらは同じ多糖類の異なる誘導体から誘導されることによって異なり得、又はそれらはポリマー鎖中に異なる単糖単位を含むことによって異なり得る。異なる場合、可溶性化合物の多糖類は、化学的な構造は類似しているが分子量が異なることにより異なり得る。可溶性化合物の多糖類の分子量(ダルトン)は、約10,000〜約1,000,000、又は約40,000〜約500,000などであるべきである。多糖類が異なる他の状況において、可溶性抱合体の多糖類は、支持体上の多糖類に結合する、相違したサンプル中に見いだされる妨害する結合剤の同じ結合部位に結合することができる特徴を有しているべきである。
多糖類-タンパク質抱合体は、それが使用されるアッセイ媒体中で可溶性である。抱合体の溶解度は、アッセイ媒体の性質、アッセイ媒体の温度、抱合体の架橋の存在を決定する要因(例えばタンパク質及び多糖類の開始分子量)、さらに抱合体の合成において使用される多糖類及びタンパク質の化学量論などに依存する。多くの場合、アッセイ媒体は水性媒体であり、通常は水性緩衝化媒体である。水性媒体は水だけでも、約0.01〜約80体積パーセントの共溶媒を含んでいても、場合によっては約0.1〜約40体積パーセントの共溶媒を含んでいてもよい。共溶媒は酸素化炭化水素、例えばアルコール、エーテル、アミド、ケトンなどであり得る。低級アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどが使用され得る。媒体のpHは一般的には中程度のpHであり、約4〜約11の範囲、又は約5〜約10の範囲、又は約6.5〜約9.5の範囲である。pHは通常は、任意の特異的結合対の結合メンバーの最適な結合、シグナル生成系のメンバーなどのようなアッセイの他の試薬に最適なpHの間の折衷である。
種々の緩衝液が所望のpHを達成してアッセイの間pHを維持するために使用され得る。例となる緩衝液としては、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、tris、バルビタールなどが挙げられる。種々の補助的な物質がアッセイ媒体で使用され得る。例えば、緩衝液に加えて、媒体は媒体及び使用される試薬のための安定剤を含み得る。場合によっては、これらの添加剤に加えて、タンパク質、例えばアルブミン;ポリアニオン、例えば硫酸デキストラン;界面活性剤、特にノニオン性界面活性剤;結合増強剤、例えばポリアルキレングリコール;などを含有させてもよい。いくつかの添加剤、例えばいくつかの他の水溶性ポリマー及びいくつかの塩は、高濃度で不和合性に起因して抱合体を不溶性にし得るので、それらの使用は多糖類-タンパク質抱合体の妨げになるだろう。
多糖類-タンパク質抱合体の濃度の実際的な限界は、緩衝液中の抱合体の溶液の粘度により決定され、これが今度は抱合体の分子量により影響を受ける。分子量1000万の抱合体についての実際的な粘度限界は、約1〜約5%の範囲である。
アッセイ媒体が水性である多くの実施態様において、多糖類-タンパク質抱合体は水溶性である。用語「水溶性」は、本質的に全ての割合で水に自由に溶解し得ることに加えて、限られた溶解性のみ、すなわち上で述べた程度に限られた溶解性も指すように本明細書中で使用される。限られた水溶性の抱合体は、適切な場合にはそれらの溶解度限界より低い濃度で使用することができる。
抱合体の構成要素がそれまでは水溶性でない場合、生じる抱合体が水溶性であるように、親水性を付与する1つ又はそれ以上の基又は官能基を組み込むことにより抱合体に水溶性を付与するように構成要素の一方又は両方が官能基化され得る。当業者は、所望の効果及び/又は容易に入手可能な材料を考慮に入れて、適切な置換を容易に決定し得る。このような基又は官能基は、多くの場合親水性官能基であり、これは固体の水での湿潤性及びそれが結合している化合物の水中での溶解性を増大させる。このような官能基(functional group)又は官能基(functionality)は、1から50個又はそれ以上の原子を有する置換基であり得、そしてスルホネート、サルフェート、ホスフェート、アミジン、ホスホネート、カルボキシレート、ヒドロキシル、特にポリオール、アミン、エーテル、アミドなどを有する基を含み得る。例となる官能基は、カルボキシアルキル、スルホンオキシアルキル、CONHOCH2COOH、SO2NHCH2COOH、SO3H、CONHCH2CH2SO3H、PO3H2、OPO3H2、ヒドロキシル、カルボキシル、ケトン、及びこれらの組み合わせである。上記の官能基の大部分は、多糖類のタンパク質への付着又はその逆を可能にする付着基(attaching groups)としても利用することができる。
可溶性化合物の多糖類及び支持体上の多糖類は、本明細書中及び添付の特許請求の範囲において、第一の多糖類及び第二の多糖類と呼ぶこともあることに留意するべきである。この表示は、異なっていてもよい支持体上の多糖類と可溶性化合物の多糖類とを区別するためになされる。この表示は純粋に任意であり、使用される多糖類に対する優先、添加などのいかなる順序を伝えること意味するものではない。
可溶性化合物のタンパク質構成要素は、可溶性化合物の一部であり本明細書で考察されるように使用される場合、アッセイにおける非特異的結合の低減を生じるどんなタンパク質でもよい。使用されるタンパク質の性質は、分析されるサンプルの性質、タンパク質の分子量、その化学反応性、その溶解度特性などに依存する。大部分の場合、可溶性化合物のタンパク質は、検体のアッセイを妨害しないものである。従って、タンパク質は、アッセイのあらゆる試薬若しくは検体又は分析されるサンプルのあらゆる構成要素に対する特異的結合対メンバーであるべきではない。タンパク質は動物(昆虫、魚、鳥類などを含む)又は植物起源のタンパク質である。適切な動物タンパク質としては、血液、血清、血漿、消化コラーゲンなど由来のタンパク質が挙げられる。適切な植物タンパク質としては、パンプキンシードグロブリンなどが挙げられる。血液タンパク質としては、例としてであり限定ではなく、ガンマグロブリン、例えばヤギ、ウシ、ヒツジ、及びマウスのガンマグロブリン;アルブミン、例えばウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、オボアルブミンなどが挙げられる。他のタンパク質の例としては、カゼイン;ゼラチン、例えばゼラチン酵素加水分解物、魚ゼラチン、及び魚皮ゼラチン;などが挙げられる。
抱合体における、多糖類1つあたりのタンパク質分子の数は、抱合の間の活性化種の濃度、活性化種の活性化の程度、多糖類誘導体の大きさ及び形状、タンパク質の大きさ及び形状などに依存する。当業者は、所望の効果及び/又は容易に入手可能な材料を考慮して、適切な置換を容易に決定し得る。抱合体中の多糖類分子対タンパク質分子の比は、一般的には約5〜約1、約4〜約1、約3〜約1、約2〜約1、約1〜約1、約1〜約2、約1〜約3、約1〜約4、約1〜約5などである。一般に、この比は、多糖類の性質、例えば化学組成、分子量など、及びタンパク質の性質、例えば化学組成、分子量などに依存し、そして場合によっては経験的に決定され得る。
多糖類及びタンパク質を連結して可溶性化合物を形成するために多種多様な技術が使用され得る。1つのアプローチでは、多糖類を公知の酸化的方法(例えば、過ヨウ素酸塩、過臭素酸塩などを用いた活性化)により処理して、糖モノマー単位の少なくとも一部が酸化されてアルデヒド基を与える酸化形態を生じる。次いでこのように形成された酸化された多糖類をタンパク質と反応させて、これが第一級アミン基を通じて、酸化された多糖類のアルデヒド基と反応し、そしてSchiff塩基連結を介して多糖類に共有結合する。この型の反応は還元的アミノ化とも呼ばれる。
別の例は、 アミノ誘導体化多糖類又はカルボキシルメチル多糖類を含み、これはタンパク質と反応してアミド生成物を形成する。例えば、アミノデキストラン又はカルボキシメチルデキストランは通常、特異的結合対メンバーに対する抱合体を形成するために利用されてきた。次いでタンパク質へのデキストランのカップリングは、例えばアミドの形成により行うことができる。
種々の抗体-アミノデキストラン抱合体が米国特許第5,527,713号及び米国特許第5,658,741号において記載される。このような技術は、タンパク質を多糖類に連結するために一般に使用され得る。近年では、タンパク質と他の分子種との共有結合のためにジビニルスルホン部分を含有するポリマー担体が欧州特許第0 594 772 B1号において記載されている。
アミノデキストランは、米国特許第5,466,609号及び米国特許第5,527,713号に記載される方法により、デキストランを過ヨウ素酸塩酸化し、続いて1,3-プロパンジアミンと反応させることにより製造することができる。当然のことながら、アミノデキストランを製造する特定の方法は、上記の方法に限定されず、そして上記アミノデキストランを製造するためのあらゆる技術が充分に当業者の知識内であることが想定される。例えば、当業者は、2〜6個の炭素を有するジアミノアルカンを実施例に記載される1,3-プロパンジアミンの代わりに容易に用い得る。好ましくは、アミノデキストランは5X-Amdex又は1X-Amdexであり、そして最も好ましくは5X-Amdexである。
連結基は、標準的には炭素、酸素、硫黄、窒素、及びリン、通常は炭素及び酸素からなる群よりそれぞれ独立して選択される、1から約30又はそれ以上の原子の鎖、約1から約20個の原子の鎖、約1〜約10個の原子の鎖であり得、それぞれ独立して標準的に炭素、酸素、硫黄、窒素及び燐、通常は炭素及び酸素から選択される。連結基中のヘテロ原子の数は、標準的には約0〜約8、約1〜約6、約2〜約4の範囲である。鎖中の原子の数は、結合している基礎構造間の最も短い経路に沿って水素又は他の一価の原子以外の原子の数を数えることにより決定される。連結基の原子は、例えばアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシなどの形態で、水素以外の原子、例えば炭素、酸素などで置換され得る。一般的な規則として特定の連結基の長さは、合成を好都合にするように適宜選択することができるが、ただし連結基により引き起こされる、目的のアッセイに関連するそれらの機能を果たす連結した分子の能力に対する妨害は最少となるべきである。
連結基は、脂肪族でも芳香族でもよい。ヘテロ原子が存在する場合、酸素は通常オキシ又はオキソとして存在して炭素、硫黄、窒素又はリンに結合し;硫黄はチオエーテル又はチオノとして存在し;窒素は通常はニトロ、ニトロソ又はアミノとして存在して、通常は炭素、酸素、硫黄又はリンに結合し;リンは炭素、硫黄、酸素又は窒素に結合して、通常はホスホネート及びホスフェートモノエステル又はジエステルとして存在する。連結基に存在する官能基は、エステル、チオエステル、アミド、チオアミド、エーテル、ウレア、チオウレア、グアニジン、アゾ基、チオエーテル、カルボキシレートなどを含み得る。
本発明における使用が考えられる種々の連結基の、限定ではなく説明としての例は、米国特許第3,817,837号、特に第30欄69行〜第36欄10行において見いだされる(この開示は本明細書にその全体が加入される)。種々の連結基及び連結官能基は、Cautrecasas、J. Biol. Chem. (1970) 245:3059に開示される。市販の架橋試薬の例は、the Pierce Catalog and Handbook、Life Science and Analytical Research Products、Pierce Chemical Company、Rockford、Ill.、1994/1995に開示される。
本発明の化合物は、従来の方法、例えばクロマトグラフィー、ろ過(精密ろ過、限外ろ過、ダイアフィルトレーション(diafiltration)などを含む)、沈降、透析などを用いて精製することができる。
可溶性タンパク質-多糖類抱合体は、通常中性電荷又は負の電荷を帯びている。可溶性タンパク質-多糖類抱合体の電荷が中性でない場合、可溶性化合物が多糖類を含む支持体試薬と同じ電荷を有することが望ましい。多糖類を含む支持体試薬は、通常負電荷を有し、従って可溶性タンパク質-多糖類抱合体は負電荷又は中性電荷を有するべきである。
可溶性化合物又は多糖類を含む支持体以外の、アッセイを行うための試薬の1つ又はそれ以上は、多糖類を含んでいても含まなくてもよい追加の支持体試薬を含み得る。追加の支持体試薬が多糖類を含む場合、その多糖類は他の支持体試薬又は可溶性化合物の多糖類と同じでも異なっていてもよい。例えば、粒子試薬の2つ又はそれ以上の組は、アッセイ形式によってアッセイで使用され得る。粒子試薬の1つ又はそれ以上は、多糖類を含み得る。1つの粒子試薬が多糖類でコーティングされ得、これが特異的結合対の一方のsbpメンバーと連結され、そして別の粒子試薬が多糖類でコーティングされ得、これがことなる特異的結合対からの別のsbpメンバーに連結される。可溶性タンパク質-多糖類抱合体がアッセイにおける非特異的結合を回避するために使用され得る場合に、多数のアッセイ形式が可能であることは、当業者に明らかであるはずである。
可溶性化合物の親和性結合挙動が、支持体上の多糖類の親和性結合挙動よりも大きいことが通常望ましい。句「親和性結合挙動」は、例えば抗原-抗体型の結合のように、免疫学的結合又は親和性結合を典型的に構成する型の相互作用における親和性強度及び特異性に関連する。いくつかの実施態様において、可溶性化合物の親和性結合挙動は、支持体上の多糖類の親和性結合挙動よりも、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、少なくとも約250倍、少なくとも約300倍、又はそれ以上大きい。
使用される可溶性タンパク質-多糖類化合物の量は、通常、特異的結合アッセイにおける非特異的結合からの妨害を顕著に低減するか排除するのに十分な量である。非特異的結合からの妨害の顕著な低減は、抱合体から分離した抱合体の構成要素(例えばタンパク質単独又は多糖類単独又は別個のタンパク質及び別個の多糖類の組み合わせ)の存在下でもそうでなくても、そして妨害を低減するための他の物質が存在してもしなくても、可溶性タンパク質-多糖類抱合体が存在しない場合に達成されるよりもアッセイ応答が高い場合に達成される。任意の特定のアッセイにおいて使用される可溶性化合物の量は、通常、経験的に決定される。通常、可溶性化合物は過剰量で使用される。可溶性化合物の量は、アッセイ媒体中約0.1〜約5mg/mL、場合によっては約0.5〜約2 mg/mLである。しかし、上記の量は説明としてのものであり限定ではない。上記の範囲外の量は、その量が特異的結合アッセイにおける非特異的結合からの妨害を顕著に低減するか又は排除するのに充分である限り特定の状況で使用され得る。
タンパク質-多糖類抱合体の特定の実施態様
典型的な可溶性化合物の特定の実施態様が、限定ではなく説明として次に考察される。
いくつかの実施態様において、タンパク質-多糖類抱合体は、繰り返し単糖単位を含み、そして式:
Figure 2009516196
[式中、Aのうちの1つは、その単位の別のC1グリコシド炭素に(上記の式において示されるように)結合し、nは約3〜約50,000、又は約25〜約10,000、又は約50〜約1,000の整数であり、Lは結合であるか又は上で定義された連結基であり、そして他のAは、タンパク質分子、水素、水溶性を付与する基、又は結晶化度低減置換基からなる群より独立して選択される]である。
用語「結晶化度低減置換基」とは、多糖類の親骨格の結晶化度を低減又は排除し、それにより多糖類又はその後の抱合体の可溶性を増大させる基又は官能基を指す。結晶化度低減置換基としては、例えば、カルボキシメチル置換基(例えば、セルロース上など)、メチル、ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
タンパク質分子であるAの数は、タンパク質分子の大きさなどの要因に依存する。いくつかの実施態様において、タンパク質分子対単糖分子の比は、約1:2〜約1:100、又は約1:3〜約1:95、又は約1:4〜約1:90、又は約1:5〜約1:85、又は約1:6〜約1:80、又は約1:7〜約1:75、又は約1:8〜約1:70、又は約1:9〜約1:65、又は約1:10〜約1:60、又は約1:15〜約1:55、又は約1:20〜約1:50、又は約1:25〜約1:45、又は約1:30〜約1:40の範囲である。いくつかの実施態様において、Aのうちの1つは、少なくとも2つの単糖分子ごとに、少なくとも約3つの単糖分子ごとに、少なくとも約4つの単糖分子ごとに、少なくとも約5つの単糖分子ごとに、少なくとも約6つの単糖分子ごとに、少なくとも約7つの単糖分子ごとに、少なくとも約8つの単糖分子ごとに、少なくとも約9つの単糖分子ごとに、少なくとも約10の単糖分子ごとに、少なくとも約15の単糖分子ごとに、少なくとも約20の単糖分子ごとに、少なくとも約25単糖分子ごとに、少なくとも約30の単糖分子ごとに、少なくとも約35の単糖分子ごとに、少なくとも約40の単糖分子ごとに、少なくとも約45の単糖分子ごとに、少なくとも約50の単糖分子などごとにタンパク質分子である。
いくつかの実施態様において、Aがタンパク質である場合、Lは、タンパク質部分を含む式:
-CH2(CH2)mCHR’-NR-タンパク質
[式中、R及びR’は、水素、低級アルキル、アリールなどからなる群より独立して選択されるか、又はR及びR’は、一緒になってCHとNとの間に二重結合(すなわち、-CH2(CH2)mCH=N-)を形成し得、そしてここでmは0〜約5、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3、約1〜約2の整数であり、そしてここで窒素はタンパク質のアミノ酸からの窒素である]の連結基である。
いくつかの実施態様において、Aがタンパク質である場合、Lは式:
-CH2(CH2)mCH2-NR-CH2(CH2)pCH2-
[式中、m及びpは独立して0〜約5、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3、約1〜約2の整数であり、そしてRは、水素、低級アルキル、アリールなどからなる群より選択される]の連結基である。いくつかの実施態様において、連結基Lは、末端アルデヒド基を含む多糖類上の連結基とタンパク質分子の窒素基、例えば、タンパク質分子のアミノ酸残基の窒素基の反応により形成される。従って、上記の連結基の-NR-CH2(CH2)pCH2-部分は、タンパク質のアミノ酸残基、例えばリジン由来であり得る(この場合連結基は-NR-CH2(CH2)2CH2-CH(COOH)NH-を含み、多糖類抱合体は、多糖類-CH2(CH2)3CH2-NR-CH2(CH2)2CH2-CH(COOH)NH-タンパク質などである。いくつかの実施態様において、タンパク質分子は、アルブミン及びガンマ-グロブリンからなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、Aがタンパク質である場合、Lは式:
-CH2(CH2)mCH2-NR-CHR’(CH2)pCO-
[式中、m及びpは独立して、0〜約5、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3、約1〜約2の整数であり、そしてR及びR’は、水素、低級アルキル、アリールなどからなる群より独立して選択される]の連結基である。いくつかの実施態様において、連結基Lは、末端アルデヒド基を含む多糖類上の連結基とタンパク質分子の窒素基、例えばタンパク質分子のアミノ酸残基の窒素基の反応により形成される。従って、上記の連結基の-NR-CHR’(CH2)pCO-部分は、タンパク質のアミノ酸残基、例えばタンパク質のN-末端アミノ酸などに由来し得る。いくつかの実施態様において、タンパク質分子は、アルブミン及びガンマ-グロブリンからなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、タンパク質-多糖類抱合体は式:
Figure 2009516196
[式中、n’個の単糖単位のうちの1つ又はそれ以上は、式:
Figure 2009516196
を有し、そしてここでn’は約3,000〜約60,000の整数であり、mは上で定義されたとおりであり、Rは上で定義されたとおりであり、タンパク質は、例えば、ガンマグロブリン又はアルブミンであり、そしてここでタンパク質 -NR-タンパク質は-NR-CH2(CH2)pCH2-タンパク質であり得、ここでpは上で定義され、そしてここで上記連結基の-NR-CH2(CH2)pCH2-部分は、タンパク質のアミノ酸残基、例えば、リジンなどからの由来であり得、又はここで-NR-タンパク質は-NR-CHR’(CH2)pCO-タンパク質であり得、ここで上記連結基の-NR-CHR’(CH2)pCO-部分は、タンパク質のアミノ酸残基、例えば、タンパク質のN-末端アミノ酸などに由来し得る]のタンパク質-デキストラン抱合体である。タンパク質置換単糖単位の数は、限定ではなく例として、約3,000〜約60,000のn’(分子量約1000万に相当)に対して約20〜約500などである。
上記の特定の実施態様において、mは4であり、-NR-タンパク質は、-NR-CH2(CH2)pCH2-タンパク質[ここでpは2である]である。上記の別の特定の実施態様において、-NR-タンパク質は-NR-CH2(CH2)2CH2-C(COOH)NH-タンパク質である。
上記のタンパク質-デキストラン抱合体は、対応するデキストランアルデヒドから合成され得、これはタンパク質上のアミノ基、例えばタンパク質のN-末端のアミノ酸、例えば、リジンと反応する。
Figure 2009516196
限定ではなく説明としてのデキストランアルデヒドの合成への典型的なアプローチにおいて、デキストランを塩基性条件下で水性媒体中で適切なジオキソラン、例えば、2-(4-ハロブチル)-1,3-ジオキソラン[ここでハロはクロロ、ブロモ又はヨードである]と混合する。塩基性条件は、水性媒体に塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを含有させることにより達成され得る。塩基性媒体のpHは約14より高い。反応を約30℃〜約100℃、又は約50℃〜約90℃の高温で約6〜約48時間、又は約12〜約24時間の間行う。次いで、水を加え、そして混合物を室温まで冷却する。酸、例えば鉱酸、例えば、塩酸など、又は有機酸、例えば酢酸などを加えることによりpHを約5〜約7、又は約6〜約6.5に調整する。生じたデキストランアルデヒド生成物に、上で考察されるような単離及び精製のための種々の技術を受けさせ得る。
次いで、デキストランアルデヒドをタンパク質のアミンと反応させる。一般的に、この反応は、シアノ水素化ホウ素などのような還元剤の存在下で穏やかな酸性条件下で行われる。反応物を含有する反応媒体のpHは、適切な数のアミン基をプロトン化するのを可能にするほど充分低いべきであるが、不十分な量の遊離アミン化合物を生じるほど低くなるべきではない。pHは通常約4〜約7、又は約5〜約6.5、又は約5.5〜約6である。反応時間は通常約10〜20時間、好ましくは約14〜18時間である。反応混合物の温度は、一般的には約15〜30℃、通常、約20〜25℃である。
ポリペプチドと反応しなかったアルデヒド官能基をクエンチすることがしばしば望ましい。このために、上で製造された抱合体を、残りの遊離アルデヒド基と安定な生成物を形成する適切なクエンチング剤で処理する。上記クエンチング剤は、例えば、ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、フェニルヒドラジン、ヒドラジン、シアン化ナトリウム、カルボキシメトキシアミンなどであり得る。生じた生成物を従来の手段、例えば限外ろ過、沈降、透析などにより精製する。
上記抱合体を製造するための他のアプローチとしては、以下が挙げられる:
1つのアプローチでは、多糖類を適切なアルキル化剤、例えば、エピクロロヒドリン又はジビニルスルホンと反応させて、エポキシド又はビニルスルホンアミン反応性官能基を導入する。
別のアプローチでは、アミン反応性官能基を、過ヨウ素酸塩を用いて多糖類を酸化し、アミン反応性であるアルデヒド基を生成することにより導入することができる。
場合によっては、タンパク質-多糖類抱合体をインサイチュで形成することが望ましいかもしれない。デキストランの場合には、これは例えば、デキストランアルデヒドを、タンパク質含有媒体に加えることにより達成され得る。このような媒体は、例えば、分析される血清サンプルであり得る。抱合体を形成するためのタンパク質は、血清サンプル中に存在し得るか、又はデキストランアルデヒドを加える前に加えられ得る。インサイチュで形成された可溶性タンパク質-多糖類抱合体は、サンプル妨害のやや低い遮断がアッセイにおいて許容される場合に利用され得る。通例、別個の実体として形成され、次いで分析されるサンプルに加えられた可溶性タンパク質-多糖類抱合体は、妨害物質に対してより良好な保護をもたらし、このような妨害物質に対する保護に関してより能力が試されるサンプルに対してより良好に利用される。
上述のように、本発明の別の実施態様は、タンパク質に連結した多糖類を含む組成物であり、ここで多糖類とタンパク質との間の連結は、特異的結合対メンバーをアッセイの固相試薬の表面上の多糖類に連結するために使用される連結と実質的に同じ構造を有する。この実施態様によれば、連結の化学構造が実質的に同じ場合に、連結は実質的に同じ構造を有する。
この連結は結合でも上で考察したような連結基でもよい。連結基は、例えばホモロジーに起因する差異が3個の炭素原子のみ、2個の炭素原子のみ、1個の炭素原子のみである連結基間の相同関係が存在する場合に、実質的に同じである。 連結基が1つ又はそれ以上の官能基を含む場合、これらの連結基は1つの連結基の官能基が他の連結基の官能基と同じ場合に実質的に同じである。
水溶性化合物を使用するアッセイの例
上述のように、上で考察した可溶性タンパク質-多糖類化合物又は抱合体は、検体についての結合アッセイにおいて利用することができる。このアッセイ方法は、通常、検体を含有することが疑われるサンプルを含み、これはアッセイを行うための試薬とアッセイ媒体中で混合される。このような試薬は、多糖類を含む支持体又は固相を含み、そしてさらにsbpメンバーを含み得る。他のアッセイ試薬は、固体支持体上のsbpメンバーが検体、検体類似物、上記の試薬のうちの1つが結合している他の支持体、sbpメンバーの結合パートナーなどではない場合に、検体の結合パートナーを含み得る。試薬の1つ又はそれ以上は、試薬の少なくとも1つが標識され得るシグナル生成系の一部であり得る。試薬は、サンプル中の検体の存在又は量に関して標識からシグナルが得られるように選択される。アッセイは、アッセイ化合物又は生成物のいずれかの分離なしか(均一系)、分離して(不均一系)行うことができる。固体支持体が利用されるので、アッセイは通常不均一系であるが、このような試薬を使用する均一系形式が公知である。
不均一系アッセイは、通常1つ又はそれ以上の分離工程を含み、そして競合的でも非競合的でもよい。種々の競合的及び非競合的な不均一系アッセイ形式が、Davalian、et al.、米国特許第5,089,390号、第14欄、25行〜第15欄、9行(参照により本明細書に加入される)に開示されている。典型的な競合不均一系アッセイにおいて、多糖類によりそれに結合した検体に対する抗体を有する支持体は、サンプル及び酵素のような検出可能な標識に抱合された検体類似物(「抱合体」)を含有する媒体と接触される。サンプル中の検体は抗体への結合に関して抱合体と競合する。支持体及び媒体を分離した後、支持体又は媒体の標識活性を従来の技術により決定し、そしてサンプル中の検体の量に関連づける。
典型的な非競合サンドイッチアッセイは、David、et al.、米国特許第4,486,530号、第8欄6行〜第15欄63行(参照により本明細書に加入される)に開示されたアッセイである。この方法において、免疫サンドイッチ錯体がアッセイ媒体中で形成される。この錯体は、検体、検体に結合する第一の抗体(モノクローナル又はポリクローナル)、及び検体又は検体と第一の抗体との錯体に結合する第二の抗体を含む。その後、この免疫サンドイッチ錯体を検出し、そしてサンプル中の検体の量と関連づける。この免疫サンドイッチ錯体は、第一の抗体及び第二の抗体のいずれか又は両方が標識又は標識に結合し得る置換基を含有する標識の錯体中の存在により検出される。
サンドイッチアッセイは、抗原及び受容体検体の検出における大部分に用途を見いだす。アッセイにおいて、検体は検体に特異的な2つの抗体に結合され、従ってこのアッセイは二部位イムノメトリー検定法(two-site immunometric assay)とも呼ばれる。1つのアプローチにおいて、支持体に結合された未標識抗体(他に不溶化抗体としても知られる)の第一のインキュベーションは、検体を含有することが疑われるサンプルを含有する媒体と接触される。洗浄及び分離工程の後、この支持体を第二の抗体を含有する媒体と接触させ、これは一般的に第二のインキュベーション期間のための標識を含有する。支持体を再び洗浄し媒体から分離し、そして媒体又は支持体のいずれかを標識の存在について調べる。標識の存在及び量を検体の存在又は量と関連づける。このアプローチのより詳細な考察については米国特許Re 29,169号及び同第4,474,878号(これらの関連する開示は参照により本明細書に加入される)を参照のこと。
上記のサンドイッチアッセイの変形において、適切な媒体中のサンプルを検体に対する標識された抗体と接触させ、そして一定期間インキュベートする。次いで、この媒体を検体に対する第二の抗体を結合された支持体と接触させる。インキュベーション期間の後、支持体を媒体から分離し、そして未結合の試薬を除去するために洗浄する。支持体又は媒体を標識の存在について調べ、それを検体の存在又は量と関連づける。このアプローチのより詳細な考察については米国特許第4,098,876号(これの関連する開示は参照により本明細書に加入される)を参照のこと。
上記の別の変形において、サンプル、支持体に結合された第一の抗体、及び標識された抗体を媒体中で混合し、そして単一インキュベーション工程でインキュベートする。分離、洗浄工程、及び標識に関する調査を上記のように行う。このアプローチについてのより詳細な考察については米国特許第4,244,940号(この関連する開示は参照により本発明に加入される)を参照のこと。
可溶性タンパク質-多糖類抱合体は、上記のアッセイの全てに対して用途を有する。アッセイの特定の例は、限定でなく説明として以下に記載される。このようなアッセイは、誘導発光免疫測定法と呼ばれ、「Assay Method Utilizing Photoactivated Chemiluminescent Label」 (「induced luminescence assay」)と題する米国特許第5,340,716号(Ullman、et al.)(その開示は参照により本明細書に加入される)に記載される。1つのアプローチにおいて、アッセイは光増感剤を組み込んだ粒子、及び化学発光化合物を組み込んだ標識粒子を使用する。標識粒子は、検体の存在に関して、検体に結合し得るsbpメンバーに結合して錯体を形成するか又は第二のsbpメンバーに結合して錯体を形成する。検体が存在する場合、光増感剤及び化学発光化合物は近接近になる。光増感剤は一重項酸素を生成し、そして2つの標識が近接近である場合には化学発光化合物を活性化する。続いて活性化された化学発光化合物は発光する。生じた光の量は、形成された錯体の量に関連づけられ、今度はこれを存在する検体の量と関連づけられる。
さらなる説明として、粒子中に組み込まれるか又は粒子への付着によりそれらに付随した化学発光化合物を含む化学発光粒子が使用される。検体に結合するsbpメンバーは、これらの粒子を被覆している多糖類に結合される。検体に結合する第二のsbpメンバーはビオチン抱合体の一部である。ストレプトアビジンは、そこに付随する光増感剤を有する第二の組の粒子に結合される。粒子(光増感剤粒子)のこの第二の組に対するストレプトアビジンの結合は、粒子上の多糖類を含んでも含まなくてもよい。化学発光粒子は、上で考察されるようなタンパク質-多糖類抱合体と組み合わされ、そしてこの組み合わせを、検体を含有することが疑われるサンプル及び光増感剤粒子と混合する。sbpメンバーの検体への結合により粒子が検体に結合することを可能にするために反応媒体をインキュベートする。次いで、媒体に光照射して光増感剤を励起させ、これがその励起状態において酸素を活性化して一重項状態にすることができる。粒子の組のうちの1つである化学発光化合物は検体の存在によりここでは光増感剤に対して近接近にあるので、一重項酸素により活性化されて発光する。次いで媒体を発光又は放射される光の存在及び/又は量について調べ、その存在を検体の存在と関連づける。
本発明の可溶性抱合体が用途を有するアッセイの別の特定の例は、米国特許第5,616,719号 (Davalian、et al.)において考察され、これは蛍光酸素チャネリング免疫測定法を記載する。
一般に、アッセイを行うために中程度から比較的高い温度を使用することができる。温度は一定でも変化してもよく、行われるアッセイの型及び利用される試薬に依存する。インキュベーション温度は通常約5〜約100℃、約20〜約95℃の範囲である。測定の間の温度は一般的には5〜約100℃の範囲、約20〜約95℃の範囲である。
測定され得る検体の濃度は、一般的には約10-2〜約10-15M、約10-5〜約10-12Mで変化し得る。アッセイが(サンプル中に存在する検体の量と比較して)定性的か、半定量的か、又は定量的かどうか、特定の検出技術及び検体の濃度、並びに特異的結合物質間の結合の最適化を考慮して、通常種々の試薬の濃度を決定する。
アッセイ媒体中の種々の試薬の濃度は、一般的には目的の検体の濃度範囲により決定される。しかし、それぞれの試薬の最終濃度は、通常、その範囲にわたってアッセイの感度を最適化するように経験的に決定される。すなわち、検体濃度の重要な変化は、正確に測定可能なシグナルの差異を生じるはずである。
アッセイ媒体中の種々の試薬の濃度は一般的には検出されるべき検体の関心のある濃度範囲により決定されるが、それぞれの試薬の最終濃度は、その範囲にわたってアッセイの感度を最適化するように経験的に決定される。すなわち、検出されるべき構成要素の重要な濃度の変化は、正確に測定可能なシグナルの差異を生じるはずである。
添加の順序は広く変え得るが、アッセイの性質に依存して特定の優先傾向は存在する。添加の最も単純な順序は、全ての物質を同時に加えることである。同時でない場合、いくつかの実施態様において、サンプル及び可溶性化合物を、他のアッセイ試薬との組み合わせを形成する前に一緒に混合する。いくつかの実施態様において、可溶性化合物及び固体支持体を、他のアッセイ試薬との組み合わせを形成する前に一緒に混合する。
他のアッセイ試薬は、全体を混合しても部分的に順に混合してもよい。1つ又はそれ以上のインキュベーション工程が、試薬を混合した後に含まれ得、一般的には約1秒〜約72時間、約10秒〜約24時間、約30秒〜6時間、約2分〜1時間の範囲である。
用語の考察
上述の材料及び方法の特定の実施態様の例の説明にさらに進む前に、上で使用される多数の用語を定義する。
アルキル - 1つのH原子を除くことにより脂肪族炭化水素から誘導される分枝又は非分枝の一価ラジカル; 低級アルキル及び高級(upper)アルキルの両方を含む。
低級アルキル - 1〜5個の炭素原子を含有するアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、イソペンチルなどを含む。
高級アルキル - 6個より多い炭素原子を含有するアルキル、通常6〜20個の炭素原子、例えば、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含む。
アルキリデン - 2個の水素原子を同じ炭素から取って脂肪族炭化水素から誘導される二価の有機ラジカル、例えばエチリデン。
アリール - 1個の原子の除去により芳香族炭化水素から誘導され、かつ1つ又はそれ以上の芳香族環、通常1〜4つの芳香族環を含有するる有機ラジカル、例えば、フェニル(ベンゼンより)、ナフチル(ナフタレンより)など、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル。
アラルキル - アリール基が結合したアルキル基を有する有機ラジカル、例えば、ベンジル、フェネチル、3-フェニルプロピル、1-ナフチルエチルなど。
アルコキシ - 酸素原子により分子の残りの部分に結合したアルキルラジカル、例えば、メトキシ、エトキシなど。
アリールオキシ - 酸素原子により分子の残りの部分に結合したアリールラジカル、例えば、フェノキシ、ナフトキシなど、例えば、m-メトキシフェニル。
アラルコキシ - 酸素原子により分子の残りの部分に結合したアラルキルラジカル、例えば、ベンゾキシ、1-ナフチルエトキシなど。
アミン反応性官能基 - 通常アミンの求核性又は塩基性により、アミン官能基と反応性の官能基、例えばアルデヒド、α-ケトカルボン酸など。
ヒドロキシル基と反応する官能基を有するアルキル化剤 - 通常中性又はイオン化したヒドロキシル基の求核性によりヒドロキシル基と反応性の官能基を有する化合物、例えば、オキシラニルラジカル、脱離基(例えばハライド(ブロミド、クロリド、ヨージド)を含むアルキルラジカル; アリールスルホネート; アルキルスルホネート; アリールサルフェート; アルキルサルフェート; トシレート; アクリル酸誘導体、例えばアクリルアミド; ビニルスルホン;など。
抱合体 - 一般に連結基を通して共に結合して単一の構造を形成する2つ又はそれ以上の部分構造から構成される分子。
検体 - 検出されるべき化合物又は組成物。検体は特異的結合対(sbp)のメンバーからなり得、そしてリガンド(通常一価(モノエピトープ(monoepitopic))であり、通常ハプテン性である)であり得、そして単一の化合物又は少なくとも1つの共有エピトープ部位又は決定基を共有する複数の化合物である。
モノエピトープリガンド検体は、一般的には約100〜2,000の分子量、より通常では125
〜1,000の分子量である。検体としては、薬物、代謝産物、殺虫剤、汚染物質などが挙げられる。代表的な検体としては、限定ではなく例として、(i) アルカロイド、例えばモルヒネアルカロイド、[これには、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、デキストロメトルファン、それらの誘導体及び代謝産物が含まれる]; コカインアルカロイド、[これにはコカイン及びベンジルエクゴニン、それらの誘導体及び代謝産物が含まれる]; エルゴットアルカロイド、[これにはリセルグ酸のジエチルアミドが含まれる]; ステロイドアルカロイド; イミナゾイル(iminazoyl)アルカロイド; キナゾリンアルカロイド; イソキノリンアルカロイド; キノリンアルカロイド、[これにはキニン及びキニジンが含まれる]; ジテルペンアルカロイド、それらの誘導体及び代謝産物; (ii) ステロイド、[これにはエストロゲン、アンドロゲン、アンドレオコルチカル(andreocortical)ステロイド、胆汁酸、強心配糖体及びアグリコン、[これにはジゴキシン及びジゴキシゲニンが含まれる]、サポニン及びサポゲニン、それらの誘導体及び代謝産物が含まれる]; ステロイド模倣物質、例えばジエチルスチルベストロール; (iii) 5〜6の環員を有するラクタム、[これにはバルビツール酸塩、例えば、フェノバルビタール及びセコバルビタール、ジフェニルヒダントイン、プリミドン、エトスクシミド、及びそれらの代謝産物が含まれる]; (iv) 2〜3個の炭素原子のアルキルを有するアミノアルキルベンゼン、[これには、アンフェタミンが含まれる]; カテコールアミン、[これにはエフェドリン、L-ドパ、エピネフリンが含まれる]; ナルセイン; パパベリン; 及び上記のものの代謝産物; (v) ベンゾ複素環[これには、オキサゼパム、クロルプロマジン、テグレトール、それらの誘導体及び代謝産物が含まれる]、アゼピン、ジアゼピン及びフェノチアジンである複素環式環; (vi) プリン、[これにはテオフィリン、カフェイン、それらの代謝産物及び誘導体が含まれる]; (vii) マリファナから誘導される薬物、[これにはカンナビノール及びテトラヒドロカナビノールが含まれる]; (viii) ホルモン、例えばチロキシン、コルチゾール、トリヨードチロニン、テストステロン、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、ポリペプチド(例えば、アンギオテンシン、LHRH)、及び免疫抑制剤(例えばシクロスポリン、FK506、ミコフェノール酸(MPA))など; (ix) ビタミン類、例えばA、B(例えばB12)、C、D、E及びK、葉酸、チアミン; (x) プロスタグランジン、[ヒドロキシル化及び不飽和の程度及び部位が異なる]; (xi) 三環系抗うつ剤、[これにはイミプラミン、デスメチルイミプラミン(dismethylimipramine)、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン(chlomipramine)、ドキセピン、及びディスメチルドキセピン(dismethyldoxepin)が含まれる]; (xii) 抗新生物薬、[これにはメトトレキサートが含まれる]; (xiii) 抗生物質、[これにはペニシリン、クロロマイセチン、アクチノマイセチン(actinomycetin)、テトラサイクリン、テラマイシン、代謝産物及び誘導体が含まれる]; (xiv) ヌクレオシド及びヌクレオチド、[これには、ATP、NAD、FMN、アデノシン、グアノシン、チミジン、及びシチジン(それらの適切な糖及びホスフェート置換基を有する)が含まれる]; (xv) メタドン、メプロバメート、セロトニン、メペリジン、リドカイン、プロカインアミド、アセチルプロカインアミド、プロプラノロール、グリセオフルビン、バルプロ酸、ブチロフェノン、抗ヒスタミン剤、クロラムフェニコール、抗コリン薬(例えばアトロピン)、それらの代謝産物及び誘導体を含む種々雑多な個々の薬物; (xvi) スペルミン、ガラクトース、フェニルピルビン酸、及びポルフィリン1型(porphyrin Type 1)を含む、疾患状態に関連する代謝産物; (xvii) アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、カナマイシン、トブラマイシン、及びアミカシン; 並びに(xviii) 殺虫剤、例えばポリハロゲン化ビフェニル、リン酸エステル、チオホスフェート、カルバメート、ポリハロゲン化スルフェンアミド、それらの代謝産物及び誘導体が挙げられる。
多価検体は、通常ポリ(アミノ酸)、すなわち、ポリペプチド及びタンパク質、多糖類、核酸、及びそれらの組み合わせである。このような組み合わせは、細菌、ウイルス、染色体、遺伝子、ミトコンドリア、核、細胞膜などの構成要素を含む。大部分、ポリエピトープリガンド検体は、少なくとも約5,000、より通常には少なくとも約10,000の分子量を有する。ポリ(アミノ酸)のカテゴリーでは、重要なポリ(アミノ酸)は、一般に約5,000〜5,000,000の分子量、より通常では約20,000〜1,000,000の分子量であり; 重要なホルモンの中では、分子量は通常約5,000〜60,000の分子量の範囲に及ぶ。
広範な種々のタンパク質が、類似の構造特徴を有するタンパク質、特定の生物学的機能を有するタンパク質、特定の微生物、特に疾患を引き起こす微生物に関連するタンパク質などのファミリーと見なされ得る。このようなタンパク質としては、例えば、免疫グロブリン、サイトカイン、酵素、ホルモン、癌抗原、栄養マーカー(nutritional markers)、組織特異的抗原などが挙げられる。このようなタンパク質としては、限定ではなく説明として、プロタミン、ヒストン、アルブミン、グロブリン、硬タンパク質、リンタンパク質、ムコタンパク質、色素タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、糖タンパク質、T-細胞受容体、プロテオグリカン、HLA、未分類のタンパク質、例えば、ソマトトロピン、プロラクチン、インスリン、ペプシン、ヒト血漿中に見いだされるタンパク質、血液凝固因子、タンパク質ホルモン、例えば、毛包刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、ルテオトロピン、プロラクチン、絨毛性ゴナドトロピン、組織ホルモン、サイトカイン、癌抗原、例えば、PSA、CEA、a-フェトプロテイン、酸ホスファターゼ、CA19.9及びCA125、組織特異的抗原、例えば、アルカリホスファターゼ、ミオグロビン、CPK-MB及びカルシトニン、並びにペプチドホルモンが挙げられる。重要な他のポリマー物質はムコ多糖及び多糖類である。
受容体分析については、分子量は一般に約10,000〜約2X108の範囲、より通常では約10,000〜約106の範囲である。免疫グロブリンIgA、IgG、IgE及びIgMについては、分子量は一般に約160,000〜約106で変動する。酵素は通常約10,000〜約1,000,000の分子量の範囲である。天然受容体は、広く変化し、一般に少なくとも約25,000の分子量であり、そして約106又はそれより大きい分子量であり得、アビジン、DNA、RNA、サイロキシン結合グロブリン、サイロキシン結合プレアルブミン、トランスコルチンなどのような物質を含む。
用語検体はさらに、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド検体、例えばm-RNA、r-RNA、t-RNA、DNA、DNA-RNA二本鎖などを含む。
検体は、宿主からの生物学的組織(体液を含む)のようなサンプル中に直接見いだされる分子であり得る。サンプルを、直接的に調べることもでき、又は不要な物質を除去することにより検体をより容易に検出可能にするために前処理してもよい。サンプルは、細胞を分離又は溶解するため; タンパク質を沈降、加水分解又は変性するため; 脂質を加水分解するため; 検体を可溶化するため;などのために前処理し得る。このような前処理としては、限定されないが:遠心分離; 有機溶媒、例えばアルコール(例えばメタノール)でのサンプルの処置; 及び界面活性剤での処理が挙げられる。サンプルは、アッセイを妨害しないあらゆる都合の良い媒体中で調製され得る。水性媒体が好ましい。
関心のある検体は、サンプル中に関心のある検体が存在する場合にのみその存在が検出される、関心のある検体の証拠となる物質、例えば関心のある検体に相補的な特異的結合対メンバーを検出することにより決定され得る。従って、検体の証拠となる物質は、アッセイにおいて検出される検体になる。
生物学的組織には、宿主の器官又は他の身体部分から切除した組織及び体液、例えば、尿、全血、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液などが含まれる。多くの場合、サンプルは血漿又は血清である。
ポリヌクレオチド - 天然の状態で約50〜500,000又はそれ以上のヌクレオチドを有し、そして単離された状態で約15〜50,000又はそれ以上のヌクレオチドを有し、通常は約15〜20,000のヌクレオチド、より頻繁には15〜10,000のヌクレオチドを有するポリマーヌクレオチドである化合物又は組成物。ポリヌクレオチドは、精製又は未精製の形態で、天然に存在するか又は合成的に製造された、あらゆる供給源からの核酸を含み、DNA(dsDNA及びssDNA)及びRNA、通常はDNAを含み、そしてt-RNA、m-RNA、r-RNA、ミトコンドリアDNA及びRNA、葉緑体DNA及びRNA、DNA-RNAハイブリッド、又はそれらの混合物、遺伝子、染色体、プラスミド、微生物(例えば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、かび、菌類)、植物、動物、ヒトのような生物学的材料のゲノム、及びそのフラグメントなどであり得る。
リガンド - それに対する受容体が天然に存在するか又は製造され得る任意の有機化合物。
ハプテン - 対応する抗体に特異的に結合し得るが、それ自体は抗体の製造のための免疫原(又は抗原)として作用しない化合物。ハプテンを認識する抗体は、免疫原性(又は抗原性)担体に連結されたハプテンから構成される化合物に対して製造することができる。ハプテンはリガンドのサブセットである。
リガンド類似物 - 改変されたリガンド、有機ラジカル又は検体類似物、通常は100より大きい分子量、これは受容体に対する類似のリガンドと競合し得、この改変はリガンド類似物を別の分子に結合する手段を提供する。リガンド類似物は、通常は水素の置換よりも多くリガンドと相違し、リガンド類似物をハブ(hub)又は標識に連結する結合を有するが、必要ではない。リガンド類似物はリガンドと同様の様式で受容体に結合することができる。類似物は、例えばリガンドに対する抗体のイディオタイプに指向された抗体であり得る。
受容体(「アンチリガンド(antiligand)」) - 分子の特定の空間的及び極性の構成、例えば、エピトープ部位又は決定基を認識することができるあらゆる化合物または組成物。例となる受容体としては、天然に存在する受容体、例えば、サイロキシン結合グロブリン、抗体、酵素、Fabフラグメント、レクチン、核酸、プロテインA、補体成分 C1qなどが挙げられる。
抗体 - 別の分子の特定の空間的及び極性の構成に特異的に結合し、そしてそれにより相補的と規定される免疫グロブリン。抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよく、そして宿主の免疫そして血清の収集(ポリクローナル)のような当該分野で周知の技術により、又は連続したハイブリッド細胞株を調製し、そして分泌されたタンパク質を集める(モノクローナル)ことにより、又は少なくとも天然の抗体の特異的結合に必要なアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列又は変位変形体をクローニングし発現させることにより、製造され得る。抗体は、完全な免疫グロブリンでもそのフラグメントを含んでいてもよく、その免疫グロブリンは、種々のクラス及びアイソタイプ、例えばIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b及びIgG3、IgMなどを含む。そのフラグメントは、Fab、Fv及びF(ab’)2、Fab’などを含み得る。さらに、特定の分子に対する結合親和性が維持される限りは、免疫グロブリン及びそれらのフラグメントの凝集体、ポリマー、及び抱合体を、必要に応じて使用することができる。
置換された - 分子の水素原子が別の原子で置き換えられていることを意味し、これは単一の原子(例えばハロゲンなど)であっても、上記のような官能基を形成する原子の群の一部であってもよい、このような置換基は、親水性を付与する基又は官能基であり得る。上で考察したように、親水性は、酸素、窒素、硫黄、リンなどのような1つ又はそれ以上の原子を有する官能基により達成され得;このような基としては、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、アミジン、ホスホネート、カルボキシレート、ヒドロキシル(特にポリオール)、アミン、エーテル、アミドなどが挙げられる。
シグナル生成系(「sps」) - 1つ又はそれ以上の構成要素、検出可能な標識である少なくとも1つの構成要素、これは結合した標識及び/又は未結合の標識の量、すなわち検出される化合物に結合した標識又は結合していない標識の量に関連した検出可能なシグナルを生成する。標識はシグナルを生じるかシグナルを生じるように誘導され得るあらゆる分子であり、そして例えば、蛍光剤、放射性標識、酵素、化学発光物質(chemiluminescer)又は光増感剤であり得る。従って、シグナルは、場合によって酵素活性、発光、光吸収又は放射能を検出ことにより検出及び/又は測定される。
適切な標識としては、限定ではなく例として、酵素、例えばアルカリホスファターゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)及びホースラディシュペルオキシダーゼ; リボザイム; レプリカーゼ(例えばQBレプリカーゼ)に対する基質; プロモーター; 色素; 蛍光剤、例えばフルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン化合物、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒド、及びフルオレスカミン; 化学発光物質、例えばイソルミノール; 増感剤; 補酵素; 酵素基質; 放射性標識、例えば125l、131l、14C、3H、57Co及び75Se; ラテックス又は炭素粒子のような粒子; 金属ゾル; 晶子; リポソーム; 細胞などが挙げられ、これらは色素、触媒又は他の検出可能な基でさらに標識され得る。適切な酵素及び補酵素は、Litman、et al.、米国特許第4,275,149号、第19-28欄、及びBoguslaski、et al.、米国特許第4,318,980号、第10-14欄に開示され; 適切な蛍光剤及び化学発光物質は、Litman、et al.、米国特許第4,275,149号、第30及び31欄に開示される;これらは参照により本明細書に加入される。
外部手段により、望ましくは視覚検査により、例えば、電磁放射、熱、及び化学試薬により検出可能なシグナルを標識が生成し得る多数の方法が存在する。標識又は他のspsメンバーは、sbpメンバー、別の分子又は支持体にも結合され得る。
標識は、電磁放射により、又は電気化学的検出により検出可能な基、(色素、蛍光剤、化学発光剤、及び放射性同位体が含まれる)を含む。
標識は直接的にシグナルを生成し得、従って、シグナルを生じるためにさらなる構成要素は必要ない。多数の有機分子、例えば蛍光剤が、紫外及び可視光を吸収することができ、ここで光吸収がこれらの分子にエネルギーを移動し、そしてそれらを励起エネルギー状態に遷移させる。次いでこの吸収されたエネルギーが第二の波長での発光により消失する。直接シグナルを生じる他の標識としては、放射性同位体及び色素が挙げられる。
あるいは、標識はシグナルを生じるために他の構成要素を必要とし得、その結果シグナル生成系は測定可能なシグナルを生成するために必要とされる構成要素の全てを含む(これらには、基質、補酵素、エンハンサー、追加の酵素、酵素生成物と反応する基質、触媒、活性化剤、補因子、阻害剤、スカベンジャー、金属イオン、及びシグナル生成物質の結合に必要な特異的結合物質が含まれ得る)。適切なシグナル生成系の詳細な考察は、Ullman、et al.、米国特許第5,185,243号、第11-13欄(参照により本明細書に加入される)に見いだされ得る。
標識及び/又は他のspsメンバーは、sbpメンバー又は支持体に結合され得る。例えば、標識は、sbpメンバー、例えば、抗体; 抗体に対する受容体、抗体に抱合された低分子に結合することができる受容体、又はリガンド類似物に共有結合することができる。sbpメンバーに対する標識の結合は、標識の水素原子とsbpメンバーへの結合との置き換えを生じる化学反応により達成され得るか、又は標識とsbpメンバーとの間に連結基を含み得る。他のspsメンバーはまた、sbpメンバーに共有結合し得る。例えば、2つのspsメンバー(例えば蛍光剤および消光剤)は、検体と特異的錯体を形成する異なる抗体にそれぞれ結合され得る。錯体の形成は、蛍光剤と消光剤を近接近にし、従って消光剤が蛍光剤と相互作用してシグナルを生じることを可能にする。抱合の方法は当該分野で周知である。例えば、Rubenstein、et al.、米国特許第3,817,837号(参照により本明細書に加入される)を参照のこと。
アッセイ - 検体の存在又は量の決定のための方法。
検体の量の測定 - 定量的、半定量的、及び定性的な方法に加え、検体を測定するための他の全ての方法が、検体の量を測定する方法とみなされる。例えば、検体を含有することが疑われるサンプル中の検体の存在又は不在を単に検出するだけの方法は、本発明の範囲内に包含されるとみなされる。用語「検出(すること)」及び「決定(すること)」、さらに測定することに関する他の一般的な同義語が、本発明の範囲内に意図される。
補助物質 - 種々の補助物質が、本発明に従うアッセイにおいてしばしば使用される。例えば、緩衝液は、通常アッセイ媒体中に存在し、さらにアッセイ媒体用の安定剤及びアッセイ構成要素も存在する。しばしば、これらの添加剤に加えて、タンパク質、例えばアルブミン; 有機溶媒、例えばホルムアミド; 第四級アンモニウム塩; ポリアニオン、例えば硫酸デキストラン; 界面活性剤、特にノニオン性界面活性剤; 結合増強剤、例えば、ポリアルキレングリコール;などが含まれ得る。
全体として又は部分的に連続して - 種々の薬剤が同時に(concomitantly)(同時に(simultaneously))混合される場合以外で、1つ又はそれ以上が残りの薬剤の1つ又はそれ以上と混合されてサブコンビネーション(subcombination)を形成し得る。
本発明は、以下の実例となる実施例によりさらに明らかにされる。
本明細書における部数及びパーセンテージは、他に指示がなければ重量による。温度は摂氏度(℃)である
略号:
EDTA - エチレンジアミン四酢酸
CTNI - トロピーニン C
HAMA - ヒト抗マウス抗体
BSA - ウシ血清アルブミン
MES - 2-モルホリノエタンスルホン酸
PBS - 生理的pH及びイオン強度のリン酸緩衝化生理食塩水
CMO - カルボキシメトキシアミン
CV - 変動係数
HEPES buffer - HEPES緩衝液
kDa - キロダルトン
NSB - 非特異的結合
材料:
薬品:
他に示されていなければ、全ての薬品はSigma-Aldrich Company (St. Louis MO)から購入した。HAMA遮断剤はRoche Diagnostics Corporation (Roche Applied Science、Indianapolis IN)及びScantibodies Laboratory、Inc. 9336 Abraham Way Santee、CA 92071 USAから購入した。抱合反応に使用したBSAのグレードは「脂肪酸非含有」BSAとして知られるものである。
試験サンプル:
地方血液銀行からのサンプルをスクリーニングして、それらがトロポニンアッセイで応答を生じるか否かを決定した。トロポニン試験で陽性の結果を出したドナーサンプルはいずれも偽陽性と見なされた。陽性応答を示した全てのサンプルを少なくとも1つの市販の参照方法で試験することによりこれを確認した。本明細書において報告される結果について、試験結果を、Dade Behring DIMENSION Rxl(登録商標)トロポニン(CTNI)試験を使用して確認した。偽陽性サンプルをさらに、偽陽性の既知の原因についてスクリーニングした。偽陽性結果の主要な根本原因は、マウス抗体に結合するヒト抗体、「HAMA」(ヒト抗マウス抗体)として知られる妨害であった。サンプルがHAMA妨害を有するか否かを決定するために使用されるスクリーニング方法は、既知のHAMA結合剤(ブロック剤としても知られる)(Roche and Scantibodiesから市販されている)を加えることからなる。陽性応答を生じるサンプルがHAMA結合剤をそのサンプルに加えた場合に正常になる場合、そのサンプルはHAMAに起因する偽陽性であると見なされる。いくつかのサンプルはHAMA結合剤の添加によって修正されなかった。これらを以下の実施例に記載される試験において使用した。
試験アッセイ:
「Quantitation of Cardiac Markers by LOCITM Technology」、R. Bauer、et al.、(Clinical Chemistry 2004; 50(6 supplement): A5)に記載されるCTNIについてのアッセイを、候補遮断剤化合物の評価のために使用した。このアッセイを行うための試薬は、一重項酸素と接触した場合に発光する抗体被覆アクセプターラテックス(アクセプタービーズ)、ビオチン化抗体、及びラテックス粒子に溶解される光増感剤色素により吸収される波長の光を照射された場合に一重項酸素を生成するストレプトアビジン被覆ドナーラテックスからなる。ドナーラテックスのストレプトアビジンは、アルデヒド連結基を有するデキストランのスペーサーを通してラテックス粒子に結合された。アクセプタービーズの場合、アミノデキストラン及びデキストランアルデヒドの組み合わせから生じる連結基又はスペーサーを通して抗体を粒子に結合した。両方のラテックス試薬について、タンパク質の連結後に残っている過剰のアルデヒド基をカルボキシメトキシアミンと反応させてアルデヒドをクエンチした。
「Development and Initial Performance of a New High-Volume Multi-Detector Analyzer: The DIMENSION VISTATM Integrated System」、T. Evers、et al. (Clinical Chemistry 2004; 50(6 supplement)) A31に記載されるVISTATM自動化臨床分析機のためのレザバとして役立つFLEX(登録商標)容器にこれらの試薬をまとめた。試験キット及び分析機はDade Behring Inc.、Newark、DE、USAから入手可能である。候補遮断剤試薬(サンプル成分からの妨害を低減するか排除する可溶性タンパク質-多糖類抱合体(予め形成されるかインサイチュで形成される))を、それら(又は例えば、デキストランアルデヒドのような前駆体)を、プロトタイプFLEX(登録商標)容器中のビオチン化抗体試薬に、又は場合によってサンプルに直接加えることにより試験した。FLEX(登録商標)容器はDade Behring Inc製である。
以下の表に示される各試験結果は、4回の試験結果の平均である。一般に、測定の精度は、キャリブレータに対して、そして有効な遮断剤が使用された場合の違うサンプルの測定に対して<2% CVであった。試験を異なる日に異なる機器で行い、非常に多くのコントロール試験が、異なる組のデータの比較を可能にするために必要であった。
実施例1
可溶性タンパク質-多糖類抱合体の合成
パートA: デキストランアルデヒドの合成
100グラム(100 g)の100-200 kDa デキストランを、窒素パージを備えた1L丸底フラスコ中、0.5gのEDTAを含有する400 mLの脱イオン水に撹拌しながらゆうくりと加えた。この混合物に、40gのNaOHを加え、続いて15mLの2-(4-クロロブチル)-1.3-ジオキソランを加えた。この混合物を90°に加熱し、そして撹拌しながらその温度で24時間保持した。この時点で、250mLの水を加え、そして混合物を氷浴を使用して室温まで冷却した。次いでゆっくりと12N HClを撹拌しながら加えることによりpHを6.0-6.5に調整した。次いでこの混合物を、10,000ダルトンの分子量カットオフを有する中空糸ダイアフィルトレーションカートリッジを使用するダイアフィルトレーション(diafiltration)により精製した。合計60 Lの脱イオン水をこの過程で交換した。中間体ジオキソランをダイアフィルトレーション装置から取り出し、そして体積を1200 mLに調整した。
トルエンスルホン酸(68.5 g)をジオキソラン溶液に加え、そしてpHをピリジンを用いて1.8に調整した。この混合物を室温で16時間放置し、次いで1N NaOHを用いてpHを6.0に調整した。これを再び中空繊維10,000ダルトンカットオフダイアフィルトレーションカートリッジを使用して125 Lの水を交換することにより精製した。
ダイアフィルトレーションシステムから生成物を取り出した後、その濃度を約50 mg/mLに調整し、次いで0.69 mg/mLのリン酸一ナトリウム一水和物及び0.71 mg/mLの無水リン酸二ナトリウムを加えることによりpH 7.0に緩衝化した。固体含量を45.9 mg/mLと決定した。
同じ手順を500 kDa デキストランに使用してデキストランアルデヒドのより高分子量物を製造した。
パートB: デキストランアルデヒド/タンパク質抱合体の合成
パートAに記載されるものと同じ全体の合成スキームを、デキストランアルデヒド対タンパク質の比、デキストランアルデヒドの分子量、及びタンパク質の種類が異なる、一連の異なる抱合体に使用した。候補可溶性抱合体の組成を同定するために使用される命名は: xxmwtDexal-タンパク質yymg/100mgのデキストランアルデヒドである。例えば、100-200-dexal-BSA-30は、100部のデキストランアルデヒド対30部のBSAの比でBSAと抱合された100-200 kDaのデキストランから製造されたデキストランアルデヒドを用いて製造される生成物である。
100-200dexal-BSA30の製造:20 mg/mL BSAのpH 6.0、50 mM MES緩衝液中の溶液1.5 mLを、撹拌しながら100 mgを含有するデキストランアルデヒド溶液2.18 mLに溶解した。添加が完了した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの100 mg/mL溶液0.3 mLを加えた。この混合物を振盪機空気浴に入れて37℃に18時間保持した。次いでこれを6000-8000 分子量カットオフ透析バッグにいれて1Lの脱イオン水に対して透析し、これを3回交換した。最後の4回目の交換は1LのpH 6.0の50 mM MES緩衝液に対して行った。
パートC: カルボキシメチル デキストランアルデヒドオキシムの合成
カルボキシメトキシルアミンヘミ塩酸塩の1M溶液1mLを、2.18 mL中100 mgの100-200 kDa デキストランアルデヒドの溶液に加え、そしてこの混合物を37℃で2時間インキュベートした。次いでこれを6000-8000の分子量カットオフの透析バッグに入れ、1Lの脱イオン水に対して透析し、これを3回交換した。交換の間の持続時間は3-4時間であった。最後の4回目の交換は1LのpH 6.0 50 mM MES緩衝液に対して行った。
パートD: 脂肪族アミンで改変したデキストランアルデヒドの合成
異なるアミンで改変されたデキストランアルデヒドを製造するための方法は、本質的に同じであり、種々のアミンを種々の濃度で使用する。以下の表1は、使用した量及びアミンを列挙する。
Figure 2009516196
アミンを、撹拌しながら2.18 mL中100 mgのデキストランアルデヒドに加え、続いて100 mg/mLのストック水溶液0.3 mLを加え、そしてこの混合物を2時間37℃でインキュベートした。次いでこれを、6000-8000の分子量カットオフの透析バッグに入れ、そして1Lの脱イオン水に対して透析し、これを3回交換した。交換の間の持続時間は3-4時間であった。最後の4回目の交換は1LのpH 6.0 50 mM MES緩衝液に対して行った。
実施例2
免疫測定法試験
パートA: トロポニンについてのアッセイにおけるインサイチュで形成されたデキストラン及びデキストランアルデヒド/BSA抱合体の比較遮断活性
デキストランアルデヒドは、タンパク質と反応してアルデヒド官能基とタンパク質のリジンアミノ基との間でSchiff塩基を形成し、それにより抱合体を生じる。この反応は、5 mg/mLの500 kDa デキストランアルデヒドをCTNI FLEX(登録商標)容器(1mg/mL 100-200 KDa デキストランを含むpH 7.2 HEPES緩衝液中50 mg/mLのBSAを含有する)のビオチン化抗体試薬に加えることにより達成される。両方のキャリブレータ(Cal 0は0 ng/mlのトロポニンを表し、そしてCal 8.3は8.3 ng/mlトロポニンを表す)及び複合偽陽性サンプル(NSB 1-29と同定される)に対するアッセイの応答に対する添加の影響を以下の表2に示す。
Figure 2009516196
インサイチュで形成されたBSA抱合体は、ゼロキャリブレータ(「Cal 0 ng/mL」)と同じレベルまで危うく誤って高められた結果をもたらす作用を有していた。サンプルNSB 1、3、7、及び20のみがバックグラウンドより有意に高いままであった。比較により、データは、非改変デキストランが非特異的結合の遮断に対して比較的効果がないということを示す。
以下の表3は、上と同じプロトコルを使用した、20 mg/mLの2つの異なる分子量等級のデキストランの添加効果を示す:
Figure 2009516196
この実施例において、デキストランをビオチン化抗体試薬及びアクセプタービーズ試薬の両方に加え、そしてCal 0は0 ng/mlのトロポニンを有するキャリブレータ溶液を表し、そしてCal 8は8.3 ng/mlトロポニンを有するキャリブレータ溶液を表す。追加のデキストランを全く加えない場合と比較していくらかの改善があったが、その改善は可溶性タンパク質-多糖類抱合体、すなわち、本発明の実施態様のデキストランアルデヒド/BSA Schiff塩基抱合体を用いた場合より有意に少なかった。
パートB: デキストランアルデヒド/タンパク質抱合体の試験
以下の実施例において見られるように、インサイチュの抱合体(これは他の実験ではコントロールとして使用された)を用いた結果は、実施するごとに変動した。これは、それが形成するSchiff塩基が不安定であり、自発的に解離及び再結合するということに起因し得る。可溶性抱合体のインサイチュ形成について、デキストランアルデヒドは、最初のアッセイ試薬の前にサンプルに添加されるか、又は最初に患者サンプルと混合される試薬に加えられるべきである。インサイチュ抱合体が試薬中で形成される場合、試薬は、タンパク質(例えばBSAなど)を少なくとも0.5 mg/mL、少なくとも1 mg/mL、少なくとも1.5 mg/mL、少なくとも2.0 mg/mLなどの濃度で含有するべきである。
最初の実験において、候補遮断剤物質をキャリブレータ及びNSB-1不具合サンプルに加え、そしてこの混合物を、試験を行う前に30分間保持した。候補遮断剤を加えて、0.1 mLのサンプルに対して5 μLの20 mg/mLストックを加えることにより1 mg/mLの濃度にした。「PBSコントロール」として同定されるコントロール条件のための試薬を、ビオチン化抗体試薬を、リン酸緩衝化生理食塩水(10 mMリン酸ナトリウム、120 mM塩化ナトリウム、7.2 mM塩化カリウム、pH 7.2)を用いる試験と同じ程度まで希釈することにより調製した。結果を表4において以下に示す。
Figure 2009516196
非特異的上昇の大部分は上記の3つの遮断剤で排除されたが、NSB-1サンプルで小さい偽陽性シグナルがまだ存在した。上の結果は、多くのアッセイには許容し得る; しかし、トロポニンアッセイは、多くの他のアッセイよりも妨害制御に関してより高い要求を有する。
さらなる抱合体を、より高いレベルの合成におけるBSA、種々のタンパク質及びより高分子量のデキストランアルデヒドを使用して作製した。添加剤をビオチン化抗体試薬に5 mg/mLの濃度で入れた。これらの抱合体の試験の結果を以下の表5にまとめる:
Figure 2009516196
これらのデータは、この実験において一連のタンパク質抱合体の最も有効な遮断剤がBSAに基づくものであったことを示すが、他のタンパク質も妨害の有効な遮断を示す抱合体を生じた。さらに、この実験において、抱合体の性能は、合成におけるデキストランアルデヒド対BSAの比が2:1〜1:1の範囲にある場合に横ばい状態に達すると思われる。上記の比の範囲がデキストランアルデヒド及びBSAに関するものであることに留意するべきである。一般的に、この比は多糖類の性質、例えば、化学組成、分子量など、及びタンパク質の性質、例えば、化学組成、分子量などに依存する。
パートC: 低分子/デキストラン誘導体を用いた遮断:
一連の誘導体を、本発明の実施態様の可溶性デキストラン-タンパク質抱合体に対するデキストラン及び官能基化デキストランの遮断活性を比較するために試験した。
デキストランアルデヒドの低分子量アミン誘導体の試験を、これらをサンプルに1 mg/mLの濃度で加えることにより行った。デキストランアルデヒド添加剤の場合には、混合物を、サンプルの血清タンパク質と反応するための時間をとるために試験前に30分放置した。比較アッセイ結果を以下の表6に示す:
Figure 2009516196
デキストランアルデヒド-アルキルアミン誘導体の遮断能力は、デキストランアルデヒドとサンプルの血清タンパク質との反応生成物の遮断能力より有意に低かった。
以下の実験は、サンプル中のデキストランアルデヒドとBSAタンパク質との反応生成物の遮断能力を、血清タンパク質と反応することができないデキストランアルデヒド(dexal)のカルボキシメチルオキシム(CMO)誘導体の遮断能力と比較した。
この場合、試験添加剤を、ビオチン化抗体試薬に5mg/mLの濃度で加えた。試験結果を以下の表7に示す:
Figure 2009516196
デキストランアルデヒド及びBSAのSchiff塩基反応生成物は、デキストランアルデヒド(dexal)のカルボキシメチルオキシム誘導体よりも妨害の遮断において有意により有効である。
本明細書中に言及される全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が参照により加入されると具体的かつ個別に示されるかのように、参照により本明細書に加入される。
上述の発明は、説明及び例として理解の明確さの目的のために少し詳しく記載されてきたが、特定の変化及び改変が添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなくそれらに対してなされ得ることは、本発明の教示を考慮に入れると当業者に容易に明らかとなる。さらに、上述の記載は、説明の目的のために、本発明の深い理解を提供するために具体的な用語を使用した。しかしながら、具体的な詳細が本発明を実施するために必要ではないということは当業者に明らかであろう。従って、本発明の特定の実施態様の上述の記載は、例示及び説明の目的のために提示され;それらは包括的であることも、本発明を開示された厳密な形態に限定することも意図されない。上記の教示を考慮すれば多くの改変及び変形が可能である。実施態様は、本発明の原理及びその実用的応用を説明し、そしてそれにより他の当業者が本発明を利用することを可能にするために選択され記載された。

Claims (32)

  1. 検体を含有することが疑われるサンプル中の該検体の存在及び/又は量を決定するための方法であって、
    (a) 該サンプル、第一の多糖類に連結したタンパク質を含む可溶性化合物、及び該検体を検出するための試薬を組み合わせて提供する工程(ここで該試薬のうち少なくとも1つが第二の多糖類を含む固体支持体を含む)、
    (b) 該試薬の1つ又はそれ以上に対して該検体が結合するための条件下で該組み合わせをインキュベートする工程、並びに
    (c) 該試薬の1つ又はそれ以上への該検体の結合の存在及び/又は量を検出し、該結合の存在及び/又は量を該サンプル中の該検体の存在及び/又は量と関連づける工程、
    を含む、上記方法。
  2. 可溶性化合物が中性電荷又は負電荷を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 検体を検出するための試薬の少なくとももう1つが固体支持体を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 試薬の少なくとももう1つが、第二の多糖類を含む固体支持体を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 第一の多糖類及び第二の多糖類が同じである、請求項1に記載の方法。
  6. 可溶性化合物の親和性結合挙動が、支持体上の第二の多糖類の親和性結合挙動より大きい、請求項1に記載の方法。
  7. サンプル及び可溶性化合物が、組み合わせを形成する前に一緒に混合される、請求項1に記載の方法。
  8. 可溶性化合物及び固体支持体が、組み合わせを形成する前に一緒に混合される、請求項1に記載の方法。
  9. 多糖類がデキストラン又はデキストラン誘導体である、請求項1に記載の方法。
  10. タンパク質が血清タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  11. 血清タンパク質がアルブミンまたはガンマグロブリンである、請求項10に記載の方法。
  12. 固体支持体が粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 第二の多糖類が固体支持体に連結され、そして特異的結合対のメンバーが該第二の多糖類に連結される、請求項1に記載の方法。
  14. サンプル中の検体の決定のための結合アッセイにおける非特異的結合を低減するための方法であって、ここで該結合アッセイを行うための試薬のうちの1つが、第二の多糖類を含む固体支持体を含み、該方法が該結合アッセイを行うためのアッセイ媒体に、第一の多糖類に連結されたタンパク質を含む可溶性化合物を含める工程を含む、上記方法。
  15. 可溶性化合物が中性電荷又は負電荷を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 可溶性化合物の親和性結合挙動が、支持体上の第二の多糖類の親和性結合挙動よりも大きい、請求項14に記載の方法。
  17. サンプル及び可溶性化合物が、組み合わせを形成する前に一緒に混合される、請求項14に記載の方法。
  18. 可溶性化合物及び固体支持体が、組み合わせを形成する前に一緒に混合される、請求項14に記載の方法。
  19. 第一の多糖類がデキストラン又はデキストラン誘導体である、請求項14に記載の方法。
  20. タンパク質が血清タンパク質である、請求項14に記載の方法。
  21. 血清タンパク質がアルブミン又はガンマグロブリンである、請求項20に記載の方法。
  22. 固体支持体が粒子を含む、請求項14に記載の方法。
  23. 第二の多糖類が固体支持体に連結され、そして特異的結合対のメンバーが該第二の多糖類に連結される、請求項14に記載の方法。
  24. 第一の多糖類及び第二の多糖類が同じである、請求項14に記載の方法。
  25. 第一の多糖類及び第二の多糖類が同じ単糖ポリマーサブユニットを含むが、分子量が異なる、請求項14に記載の方法。
  26. 第一の多糖類の分子量が、第二の多糖類の分子量より大きい、請求項25に記載の方法。
  27. タンパク質及び多糖類が、請求項13に記載の固体支持体に連結された第二の多糖類に特異的結合対のメンバーを連結するために使用される連結と、実質的に同じ化学構造を有する連結で互いに連結される、タンパク質及び多糖類の可溶性抱合体を含む組成物。
  28. 連結がホモロジーにより異なる、請求項25に記載の組成物。
  29. 繰り返し単糖単位を含み、式:
    Figure 2009516196
    [式中、Aのうちの1つは別の単位のC1グリコシド炭素と(上記式に示されるように)結合し、nは約3〜約50,000の整数であり、他のAは、タンパク質分子、水素、水溶性を付与する基、又は結晶化度低減置換基からなる群より独立して選択され、そしてLは結合又は連結基であり、そしてタンパク質分子対単糖分子の比は約1:2〜約1:100の範囲であり、そして
    Lが連結基でありかつAがタンパク質である場合、
    L-Aが式:
    -CH2(CH2)mCR'-NR-タンパク質
    (式中、mは0〜約5の整数であり、R及びR'は、水素、低級アルキル、及びアリールからなる群より独立して選択されるか、又はR及びR'は一緒になって二重結合を形成し得る)を有する]
    である、タンパク質−多糖類抱合体。
  30. Lが連結基である場合、
    Lは式:
    -CH2(CH2)mCH2-NR-CH2(CH2)pCH2-
    [式中、m及びpは独立して0〜約5の整数であり、Rは水素、低級アルキル、及びアリールからなる群より選択される]を有するか、又は
    Lは式:
    -CH2(CH2)mCH2-NR-CHR'(CH2)pCO-
    [式中、m及びpは独立して0〜約5の整数であり、そしてR及びR'は水素、低級アルキル及びアリールからなる群より独立して選択される]を有する、
    請求項29に記載のタンパク質−多糖類抱合体。
  31. タンパク質分子が、アルブミン及びガンマグロブリンからなる群より選択される、請求項29に記載のタンパク質−多糖類抱合体。
  32. 多糖類がデキストラン又はデキストラン誘導体である、請求項29に記載のタンパク質−多糖類抱合体。
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