JP2009509911A - リンパ造血組織を定着させるためのmapcまたはそれらの子孫の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、PCT/US2005/015740(2005年5月5日提出)の一部継続出願であり、PCT/US2005/015740は、米国出願第10/048,757号(2002年2月1日出願)の一部継続出願であり、米国出願第10/048,757号は、PCT/US00/21387(2000年8月4日)の米国国内段階出願であり、WO01/11011として英語で2001年2月15日に公開されている。PCT/US00/21387は、米国仮出願第60/147,324号(1999年8月5日出願)および米国仮出願第60/164,650号(1999年11月10日出願)からの米国特許法第119(e)項の下での優先権を主張する。
本研究は、米国補助金RO1 DK58295号による資金援助を受けた。従って、政府は本発明の特定の権利を有する場合がある。
本発明は、非胚性幹細胞の分野に関し、具体的にはリンパ造血を提供し、機能免疫を確立するための多能性成体前駆細胞(MAPC)の使用に関する。
(造血)
原腸形成において、中胚葉は予定内胚葉によって誘導され、背腹軸(dv)に沿ってパターン化される。骨形態形成タンパク質(BMP)は、腹側の中胚葉運命に向かう細胞を特定するのに重要である(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。哺乳動物では、腹側中胚葉に由来する細胞が胚体外の卵黄嚢に移動し、そこで一次造血を行う(非特許文献4)。一次造血は一過性のものであり、主に胚型ヘモグロビンを発現する赤血球系細胞からなる。二次造血は大動脈−生殖原基−中腎(AGM)領域で行われ、そこでは造血幹細胞(HSC)が、胎児肝および脾に広がり移動して、全ての系列の造血細胞を生成する。出生後の主要な造血組織は骨髄である。
胚性幹細胞(ES細胞)は無限に自己複製することができ、あらゆる組織に分化し得る。ES細胞は、着床後胚の胚盤胞または始原生殖細胞の内部細胞塊(胚性生殖幹(EG)細胞)に由来する。これまでESおよびEG細胞はマウスから、そしてより近年になってからは非ヒト霊長類およびヒトから単離されてきた。ES細胞は、胚盤胞に導入されると、全ての組織に分化し得る。ES細胞療法の欠点は、出生後の動物に移植した場合に、ESおよびEG細胞が奇形腫を生成してしまうことである。
造血細胞移植は、悪性および非悪性造血系障害の治療に30年以上利用されてきた(非特許文献17)。自家骨髄(BM)または末梢血(PB)移植は、幾つかの悪性腫瘍の治療に利用されてきたが、汚染腫瘍細胞が再発の原因となることが多い。また、同種異系移植では幾つかの悪性腫瘍を処置し得るが、患者の多くに適切なHLA型適合ドナーが見つからず、この療法を受けることができない。また、同種異系移植片は、重症且つ時に致死的な移植片対宿主病(GVHD)を引き起こすことが多い(非特許文献18)。
Hemmati−Brivanlou A and Thomsen,Dev Genet.1995;17:78−89 Bhardwaj G,et al.,Nat Immunol.2001;2:172−180 Leung AYH,et al.,Dev Biol.2004 Yoder M,Proc Natl Acad Sci USA.1997;94:6776 Verfaillie C,et al.,J Exp Med.1991;174:693−703 Lewis ID,et al.,Blood.2001;97:3441−3449 Hurley RW,et al.,J Clin Invest.1995;96:511-521 Jiang Y,et al.,Blood.2000;95:846−854 Jiang Y,et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2000;97:10538−10543 Gupta P,et al.,Blood.1996;87:3229 Gupta P,et al.,Blood.1998;92:4641−4651 Nichols J.,et al.,Cell.1998;95:379−391 Rosfjord and Rizzino A.,Biochem Biophys Res Commun.1997;203:1795−802 Ben−Shushan E,,et al.,Mol Cell Biol.1998;18:1866−1878 Uwanogho D,et al.,Mech Dev 1995;49:23−36 Shimozaki,et al.,Development.2003;130:2505−12 Thomas ED,Semin Hematol.1999;36:95−103 Howe CWS and Radde−Stepanick T.,Hematopoietic Cell Donor Registries.Hematopoietic Cell Transplantation.Vol.2.Malden,MA:Blackwell Sciences;1999:503−512
非胚性幹細胞、特に多能性成体前駆細胞(MAPC)の集団は、リンパ造血を効率的に提供する。MAPCはインビボで徐々に分化し、そこでリンパ造血幹および前駆細胞を形成し、これらの細胞がさらに成熟したリンパ造血細胞に成熟してもよい。あるいは、エキソビボで形成されたMAPCの分化した子孫細胞を使用してリンパ造血を提供してもよい。これらの細胞を被験体に投与し、希望に応じてそこでさらに分化させてもよければ、エキソビボでMAPCから形成した最終分化細胞を投与してもよい。
MAPCは、インビトロおよびインビボにおいて全ての原始胚葉(外胚葉、内胚葉および中胚葉)の層を再生する能力を有する。この文脈において、MAPCは胚性幹細胞と同等であり、同じく骨髄から単離される間葉系幹細胞とは区別される。これらの細胞の生物学的能力は、マウス、ラット等の種々の動物モデルで、およびヒト幹細胞のラットまたはNOD/SCIDマウスにおける異種生着で明らかにされてきた(Reyes,M.and C.M.Verfaillie,2001;Jiang,Y.,et al.,2002)。この細胞集団のクローン能力が明らかにされている。単一の遺伝子標識されたMAPCをマウスの胚盤胞に注射し、胚盤胞を移植し、胚を分娩まで成長させた(Jiang,Y.,et al.,2002)。キメラ動物の出生後解析では、肝を含む全ての組織および器管が再構築されていることが明らかになった。二重染色では、遺伝子標識された幹細胞がこれらの動物における相当量の割合の見かけ上機能的な心筋細胞に寄与したことを示した。これらの動物は、胚の状態でも成体の状態でも、心臓の異常または不整を全く呈さなかった。これらの動物の何れにおいても、異常または器官の機能不全は全く認められなかった。
本明細書で使用される以下の用語は、以下の意味によって定義付けられる。
ヒトMAPCに関しては、米国特許出願番号第10/048,757号(PCT/US00/21387(WO 01/11011として発表))および第10/467,963号(PCT/US02/04652(WO 02/064748として発表))に記載があり、それらの内容は、MAPCに関する説明のために参考として本明細書に組み入れられている。MAPCはその他の哺乳動物で同定されている。例えば、マウスMAPCに関しては、PCT/US00/21387(WO 01/11011として発表)およびPCT/US02/04652(WO 02/064748として発表)に記載がある。ラットMAPCに関してもWO 02/064748に記載がある。
ヒトおよびマウスのMAPC単離方法は、当該技術分野に記載がある。また、PCT/US00/21387(WO 01/11011として発表)およびラットについてはPCT/US02/04652(WO 02/064748として発表)にも記載があり、これらの方法は、本明細書に開示されるMAPCの特徴付けと共に、参考として本明細書に組み入れられている。
当業者に利用可能な標準的手段によって得られた骨髄穿刺液から骨髄単核細胞を取り出した(例えば、Muschler,G.F.,et al.,1997;Batinic,D.,et al.,1990を参照)。成体多能性幹細胞は骨髄(または肝臓や脳等のその他の器官)内に存在するが、通常の白血球抗原CD45または赤芽球に特異的なグリコフォリンA(Gly−A)は発現しない。細胞の混合集団をFicoll Hypaque分離に付した。その後、抗CD45抗体および抗Gly−A抗体を使用してこれらの細胞を陰性選択に付し、CD45+およびGly−A+の細胞集団を除去し、残った約0.1%の骨髄単核細胞を回収した。また、フィブロネクチンをコーティングしたウェルに細胞を入れ、以下に記載の通り2〜4週間培養して、CD45+およびGly−A+細胞集団を除去してもよい。
約22〜25回の細胞倍増後に得たヒトMAPCのFACSによる免疫表現型解析では、細胞がCD31、CD34、CD36、CD38、CD45、CD50、CD62E、および−P、HLA−DR、Muc18、STRO−1、cKit、Tie/Tekを発現せず、低レベルのCD44、HLAクラスIおよびβ2マイクログロブリンを発現し、且つCD10、CD13、CD49b、CD49e、CDw90、Flk1を発現することが明らかになった(N>10)。
A.MAPCは、CD31、CD36、CD62E、CD62P、CD44−H、cKit、Tie;IL1、IL3、IL6、IL11、G CSF、GM−CSF、Epo、Flt3−L若しくはCNTFの受容体を発現せず、低レベルのHLAクラスI、CD44−EおよびMuc−18mRNAを発現した。
B.MAPCは、サイトカインBMP1、BMP5、VEGF、HGF、KGF、MCP1のmRNA;サイトカイン受容体Flk1、EGF−R、PDGF−R1α、gp130、LIF−R、activin−R1および−R2、TGFR−2、BMP−R1A;結合受容体CD49c、CD49d、CD29およびCD10を発現した。
C.MAPCは、hTRTおよびTRF1のmRNA、POUドメイン転写因子oct−4、sox−2(oct−4と共に未分化状態のES/ECの維持に必要;Uwanogho D.,1995)、sox 11(神経発達)、sox 9(軟骨形成)(Lefebvre V.,1998);ホメオドメイン転写因子Hoxa4およびHoxa5(頸部および胸部骨格への特化;気道の器官形成)(Packer,A.I.,2000)、Hox−a9(骨髄造血)(Lawrence,H.,1997)、D1x4(前脳および頭部の末梢構造への特化)(Akimenko,M.A.,1994)、MSX1(中胚葉、成体心臓および筋肉、軟骨および骨形成)(Foerst−Potts,L.,1997)、PDX1(膵臓)(Offield,M.F.,1996)を発現した。
D.Oct−4、LIF−RおよびhTRTのmRNAの存在が、RT−PCRによって確認された。
E.さらに、RT−PCRでは、Rex−1のmRNAおよびRox−1のmRNAがMAPCで発現したことが明らかになった。
本明細書に記載の通り単離したMAPCは、本明細書、およびこれらの方法の参考として組み入れられている米国第10/048,757号に開示されている方法を使用して培養してもよい。
さらなる実験では、MAPCを培養する際の密度が、約100細胞/cm2または約150細胞/cm2〜約10,000細胞/cm2、例えば、約200細胞/cm2〜約1,500細胞/cm2〜約2,000細胞/cm2まで異なる可能性があることが明らかにされている。この密度は細胞種によって異なる可能性がある。さらに、至適な密度は培養条件および細胞の源によっても異なる可能性がある。特定の培養条件および細胞に至適な密度を決定することは、当業者の能力の範囲内である。
MAPCは、先天性または後天性のリンパ造血障害を処置するための、あるいはMAPCに由来する療法に適用可能な障害の処置に同じ細胞またはその分化した子孫細胞を使用する前にキメラ現象を確立するための、代替となるHSCの源となる場合がある。MAPCはインビボでもインビトロでもリンパ造血細胞に分化する能力を有する。以下の実施例で考察する通り、マウスのMAPCをE11.5胎児肝フィーダー細胞EL08−1D2と共に、サイトカインの存在下で約2週間共培養した後、コロニー形成細胞(CFC)試験で培養したところ、赤芽球バースト形成単位(BFU−E)および混合コロニー形成単位(CFU−Mix)のコロニーが検出された。マウスのGFPトランスジェニックMAPCを、約275cGyで照射したNOD−SCIDマウスに移植し、抗NK抗体で処置したところ、約20週目の時点で最高約90%のGFP+CD45+細胞が骨髄(BM)に検出され、骨髄細胞、Bリンパ球およびTリンパ球に分化していた。同様に、ヒトのMAPCをNOD−SCIDマウスに移植したところ、リンパ造血細胞の生着が認められた。このように、HSCは、インビボでもインビトロでも、マウスだけでなくヒトのMAPCからも生成し得る。このプロセスを使用することで、リンパ造血系の細胞集団を長期にわたり放射線から保護し、提供し得る。
− 急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性多形質白血病、急性未分化白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、若年型慢性骨髄性白血病(JCML)、若年型骨髄単球性白血病(JMML)を含むがこれらに限定されない白血病(白血病は免疫系の癌であり、その細胞は白血球と呼ばれる);
− 不応性貧血(RA)、鉄芽球性不応性貧血(RARS)、芽球増加型不応性貧血(RAEB)、移行期の芽球増加型不応性貧血(RAEB−T)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含むがこれらに限定されない骨髄異形成症候群(骨髄異形成は前白血病と呼ばれることもある);
− ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫を含むがこれらに限定されないリンパ腫(リンパ腫は血管およびリンパ管を循環する白血球の癌である);
− 重症型ベータサラセミア(クーリー貧血としても知られる)、ダイアモンド・ブラックファン貧血、赤芽球癆、鎌状赤血球貧血を含むがこれらに限定されない赤血球の遺伝性異常(赤血球はヘモグロビンを含み、酸素を身体に運搬する);
− 重度の再生不良性貧血、先天性赤血球異形成貧血およびファンコーニ貧血を含むがこれらに限定されない貧血(貧血は赤血球の不全または形成異常である)、不慮の放射線照射により惹起される、または腫瘍科における骨髄移植のための放射線療法または化学療法により惹起される貧血からの回復、発作性ヘモグロビン尿症(PNH)を含むがこれらに限定されないその他の血球増殖の障害;
− 無巨核球症/先天性血小板減少症、グランツマン血小板無力症、骨髄増殖性障害、急性骨髄線維症、原発性骨髄線維症(骨髄線維症)、真性赤血球増加症、本態性血小板血症を含むがこれらに限定されない血小板の遺伝性異常(血小板は血栓形成に必要な小さな血球である);
− アデノシンデアミナーゼ欠乏症を伴うSCID(ADA−SCID)、X連鎖のSCID、T細胞およびB細胞が存在しないSCID、T細胞、正常B細胞が存在しないSCIDを含むがこれらに限定されない重症複合型免疫不全症(SCID);オーメン症候群;コストマン症候群、myelokathexis[骨髄中の顆粒球系細胞過形成を伴う好中球減少]を含むがこれに限定されない好中球減少症;毛細血管拡張性運動失調、ベアリンパ球症候群、分類不能型免疫不全症、デイジョージ症候群、白血球粘着不全症を含むがこれらに限定されない遺伝性免疫系障害;
− X連鎖リンパ増殖性障害(エプスタインバーウイルス易感染性としても知られる)、ウィスコット−アルドリッチ症候群を含むがこれらに限定されないリンパ増殖性障害(LPD);
− チェディアック・ヒガシ症候群、慢性肉芽腫症、好中球アクチン機能異常症、網膜異形成症を含むがこれらに限定されない食細胞障害(食細胞は外来生物を飲み込み、殺傷することのできる免疫系細胞である);および
− 多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、ワルデンシュトレーム・マクログロブリン血症を含むがこれらに限定されない骨髄の癌(形質細胞障害)。
MAPCまたはその分化した子孫細胞は、局所注射、カテーテル投与、全身注射、腹腔内注射、非経口投与、経口投与、頭蓋内注射、動脈内注射、静脈内注射、脳室内注射、胎盤内注射、子宮内注射、外科的心筋内注射、経心内膜注射、経血管注射、冠動脈内注射、経血管注射、筋肉内注射、目標組織への外科的注射または組織表面への直接塗布(手術中または創傷上等)を含むがこれらに限定されない当該技術分野で利用可能な種々の方法で被験体に投与し得る。
幾つかの実施形態において、宿主の移植細胞に対する免疫反応を刺激するリスクを低減するため、移植/投与前にMAPC(または分化した子孫細胞)を処置するかまたは別の方法で改変させるのが望ましい場合がある。宿主の免疫反応を刺激するリスクを低減する当該技術分野で既知のいずれかの方法が使用される場合がある。以下はその幾つかの例である。
MAPCを操作して万能ドナー細胞として使用し得る。未分化MAPCはMHC−IまたはII抗原を発現しないが、幾つかの分化した子孫細胞はこれらの抗原の一つまたは両方を発現する場合がある。MAPCを改変して、MHC−IまたはMHC−II抗原を除去し、場合によっては予定レシピエント由来のMHC抗原を導入し、細胞がNKを介した死滅のターゲットに容易にならないようにし、無制限のウイルス複製または悪性化に影響を受けにくくすることによって、万能ドナー細胞として使用し得る。MHC抗原の除去は、相同組換えまたはプロモーター領域への点変異の導入または、抗原の最初のエクソンに点変異を導入してchimeroplast等と共に終止コドンを導入することによって達成し得る。宿主のMHC抗原の運搬は、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルスまたは他のウイルスによる形質導入またはMHC抗原cDNAによる標的細胞の感染によって達成し得る。
MAPCは、遺伝異常を処置するため、または免疫系が発現する前に宿主に寛容される細胞を導入するために、子宮内移植に使用し得る。これは、大量のヒト細胞を動物内で作製する方法であってもよければ、タンパク質または酵素を処置する細胞を移植することによってヒト胚の遺伝的欠損を処置するための方法として使用してもよい。
(A.免疫認識)
免疫反応は、T細胞上の受容体(T細胞受容体またはTCR)と体組織(ClassIおよびIIのMHC)との間に起こる分子認識の事象によって制御される。このTCR/MHCの相互作用は免疫反応の抗原特異的な成分であり、自己および外来抗原の識別を可能にする。免疫反応は、T細胞が外来または非自己抗原を認識した後にしか起こらないが、不慮の免疫反応または自己免疫反応を予防するには、この他のシグナル伝達事象が必要であり機能する(Buckley,2003)。
免疫系を調節する第二のカスケードは、自己反応性T細胞を除去することによって、自己抗原への反応を制限することである。B細胞免疫およびT細胞免疫の両方で、これは、Tヘルパー細胞集団の能力の範囲を調節することによって達成される。この細胞集団が感作反応における反応性を決定するためである。T細胞は骨髄内で産生され、自己抗原と非自己抗原を区別する「学習」をするために胸腺へと循環する。自己組織を認識するT細胞は、胸腺の個体発生中に枯渇し、循環血液中に存続する自己抗原に反応するT細胞とT細胞受容体の複合体(TCR)が全く残らないようになる。これが中枢性寛容と呼ばれ、これが破壊されると自己免疫性障害となる。
骨髄移植は、化学療法薬および/または放射線療法が宿主の免疫系の骨髄を破壊した場合の癌治療において必要とされる。患者は、骨髄移植片に存在する造血幹細胞から免疫機能を再構築するため、骨髄ドナーから免疫系の細胞成分および分子成分を獲得する。ドナーの免疫系の再構築には、個体発生で認められる自己および非自己抗原の学習の反復が付随し、それによって宿主組織のドナー免疫系に対する免疫寛容が成立する。ドナー免疫系の再構築の二次的観点は、宿主がいまや当初のドナーから臓器または組織片を拒絶反応なしに受け入れることができるということである。
上記の寛容誘導の機序は、骨髄系の再構築が可能な細胞に独特のものである。同じく骨髄に由来する間葉系幹細胞は免疫原性が低く、同種異系移植でも存続し得るが、ドナーの免疫成分に対する免疫寛容は成立しない。他の系統分化幹細胞で、造血系の再構築の可能性を示すものはない。これには、神経幹細胞、脂肪由来幹細胞、肝幹細胞等が含まれる。
細胞集団からNK細胞を枯渇させることを含め、NK細胞の機能を阻害する、物質等のいずれかの手段を投与することで、免疫拒絶反応を予防する、生着を促進する、または免疫寛容を促進する場合がある。このような物質には、抗NK細胞抗体、照射、またはNK細胞の機能を阻害し得るその他いずれかの方法が含まれる。NK機能の阻害については、2005年5月5日出願のPCT出願番号第PCT/US2005/015740号に詳述されており、この出願は、インビボにおける幹細胞の存続を助けるためにNK細胞を阻害する方法を教示するために、参考として本明細書に組み入れられている。
MAPCは身体から抽出および単離することができ、未分化状態で培養にて増殖するか、培養にて分化へと誘導させ、特にウイルスによる形質導入をはじめとする種々の手法を使用して遺伝子変化させることができる。遺伝材料の取り込みおよび発現は明示でき、外来DNAの発現は発達中にわたって安定している。外来DNAを幹細胞に挿入するためのレトロウイルスおよびその他のベクターは当業者には利用可能である(Mochizuki,H.,et al.,1998;Robbins,P.,et al.,1997;Bierhuizen,M.,et al.,1997;Douglas,J.,et al.,1999;Zhang,G.,et al.,1996)。レトロウイルスベクターを使用して一度形質導入すると、強化緑色蛍光タンパク質(eGFP)の発現は単離MAPCに由来する最終分化した筋細胞、内皮細胞およびc−Kit陽性細胞で存続し、MAPCに導入されたレトロウイルスベクターの発現が分化の全プロセスにわたって存続していることを示す。最終分化は、以前にレトロウイルスベクターで形質導入された約10eGFP+細胞に始め、初期のMAPC培養期間を数週間とした培養から誘導された。
移植後、投与されたMAPCの増殖若しくは分化、またはMAPC若しくは子孫細胞の治療的効果が監視される場合がある。
MAPCまたはそこから分化した子孫細胞は、エキソビボで遺伝子変化させることができることから、遺伝子療法を阻む最も重要な障壁の一つが除去される。例えば、被験体の骨髄穿刺液を入手し、その穿刺液からMAPCを単離する。その後MAPCに遺伝子改変を加えて、1つ以上の所望の遺伝子産物を発現させる。その後、MAPCをエキソビボで選別するか、選択して、成功裏に改変された細胞を同定し、局所投与または全身投与のいずれかで、それらの細胞を被験体に導入するか、分化させてから被験体に導入し得る。あるいは、MAPCを分化させ、その後その分化細胞を投与前に遺伝子改変し得る。何れの場合も、これらの細胞は、所望の遺伝子産物を発現することのできる細胞の安定してトランスフェクションされた源を提供する。特に、患者自身の骨髄等の組織がMAPCの源である場合、この方法は移植用の細胞を作成する免疫学的に安全な方法を提供する。
本明細書に記載の方法で単離した細胞またはその分化した子孫細胞は、当業者に利用可能な種々の方法によってDNAまたはRNAを細胞内に導入することにより、遺伝子改変し得る。これらの方法は一般的に以下の4つに大きく分けることができる:(1)例えばレンチウイルス(Mochizuki,H.,et al.,1998;Martin,F.,,et al.,1999;Robbins,,et al.,1997;Salmons,B.and Gunzburg,W.H.,1993;Sutton,R.,et al.,1998;Kafri,T.,et al.,1999;Dull,T.,et al.,1998)、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス(例えば、Davidson,B.L.,et al.,1993;Wagner,E.,et al.,1992;Wold,W.,Adenovirus Methods and Protocols,Humana Methods in Molecular Medicine (1998),Blackwell Science,Ltd.;Molin,M.,et al.,1998;Douglas,J.,et al.,1999;Hofmann,C.,et al.,1999;Schwarzenberger,P.,et al.,1997を参照)をはじめとするレトロウイルス;シンドビスウイルス(米国特許番号第5,843,723号;Xiong,C.,et al.,1989;Bredenbeek,P.J.,et al.,1993;Frolov,I.,,et al.,1996)、ヘルペスウイルス(Laquerre,S.,et al.,1998)およびウシパピローマウイルスをはじめとするアルファウイルス等のDNAまたはRNAのウイルスベクターの使用を含むウイルスによる導入;(2)リン酸カルシウムによるトランスフェクションおよびDEAEデキストランによるトランスフェクション方法をはじめとする化学的導入;(3)例えば、リポソーム(Loeffler,J.and Behr,J.,1993)、赤血球ゴーストおよびプロトプラスト等のDNAを増量した膜小胞を使用した膜融合による導入;並びに(4)マイクロインジェクション、マイクロプロジェクタイル(J.Wolff,”Gene Therapeutics” (1994) page 195;Johnston,S.A.,et al.,1993;Williams,R.S.,et al.,1991;Yang,N.S.,et al.,1990)、エレクトロポレーション、ヌクレオフェクションまたは直接的な「裸の」DNA導入。
2002年、マウスLacZ+ MAPCを亜致死線量の放射線照射を行ったNOD−SCIDマウスに移植すると造血系に分化するが、造血細胞の生着率は低いことが発表された(骨髄およびBリンパ球が2〜8%、Tリンパ球なし)(Jiang Y,et al.,2002)。本明細書に示す通り、NOD−SCIDマウスに依然として存在する内在性のNK細胞を除去する場合、MAPCは95%までのGFP+血球を生じさせることができる。また、単離され低酸素(5%)で培養されたMAPCは、ES転写因子、Oct4のmRNAおよびタンパク質レベルが高く、分化能の高いMAPCとなる。このため、NK活性を低下させるため1日目、11日目および22日目に275cGyを照射し、抗asialo−GM1抗体で処理したNOD−SCIDマウスの低酸素におけるMAPCの生着を試験した。
造血細胞は、OP935等のフィーダー細胞を使用するか、ES細胞に胚様体(EB)を形成させるかのいずれかによって、マウスESCから生成することができ(Choi K,et al.,1998)、その後中胚葉と血管芽細胞との中間期で作用することが知られているサイトカインを使用して、その後は後期に作用する造血細胞サイトカインを使用して、造血細胞を誘導する(Faloon P,et al.,2000;Schuh AC,et al.,1999)。ESCは、Flk1、SCLおよびLMO2をはじめとする血管芽細胞マーカーを連続的に発現し、その後は造血細胞マーカーを発現する。原始的、次いで決定的な造血の連続的な活性化が認められる。発達中、AGM領域に生じる決定的なHSCは、c−KitおよびAA4.1陽性である。注目すべきは、汎造血細胞マーカーであるCD45が発達中にCD41を獲得してから発現し、CD45ではなくCD41の発現がLTR−HSCの運命への分化を示すと考えられる点である(Mikkola HK,et al.,2003;Bertrand JY,et al.,2005)。
Jiang,Y,et al.(2002)に記載の通り、約5%のO2下で、eGFPトランスフェニックマウス骨髄細胞からマウスMAPC細胞系を樹立した。104のeGFP+ mMAPCを、E11.5マウス胎児肝フィーダー(EFL)EL08−1D2細胞(集密状態まで増殖させ、セシウム2500cGyを照射;Dr.E.Dzierzak,Rotterdamから入手;Oostendorp RA,et al.,2000)と共に、20ng/mLのmSCF(R&D Systems)、10ng/mLのmTpo(R&D Systems)、10ng/mLのmIL3(R&D Systems)、10ng/mLのmIL6(R&D Systems)を入れた10%FCS含有培地(Myelocult M5300(Stem Cell Technologies))で15日間培養し、20ng/mLのmSCF(R&D Systems)、10ng/mLのmIL−3(R&D Systems)、10ng/mLのmIL−6(R&D Systems)および3U/mLのhEpoを含有するMethocult培地(MethoCultTMメチルセルロースを主成分とする培地(Stem Cell Technologies))を使用して14〜16日間CFC培養を行った。細胞は1×βメルカプトエタノール(Gibco)の存在下において、5%のCO2で37℃にて培養した。
ヒトMAPC細胞系を樹立し、本明細書に記載の通り培養した。GLyA、CD45およびCD34陰性であるeGFP導入MAPC(n=20)を、マウス卵黄嚢中胚葉細胞系であるYSM5と共に培養したところ、10ng/mLのbFGFおよびVEGFを添加した無血清培地において6日間で懸濁細胞が凝集した。6日後、eGFP+細胞(即ちMAPC子孫細胞)のみが残り、YSM5細胞は死滅していた。
ファンコーニ貧血(FA)は常染色体劣性遺伝によって遺伝する重度の骨髄(BM)不全症候群である。少なくとも11のFA遺伝子が存在する(A、B、C、D1(BRCA2)、D2、E、F、G、I、JおよびL)。これらの11種類は殆ど全ての症例においてファンコーニ貧血の原因となる。FA−A、FA−CおよびFA−Gにおける突然変異が最も多く、世界中のFA患者の約85%の原因となっている。FA−D1、FA−D2、FA−E、FA−FおよびFA−Lは10%を占める。FA−B、FA−IおよびFA−JはFA患者の5%未満である。ファンコーニ貧血遺伝子の大半はクローン化されている。
(FANCC+/+マウスの骨髄由来のMAPCの単離および強化)
exon9が破壊されたFANCCマウス相同遺伝子を有するFANCC−/−マウスおよびその同系の健常対照FANCC+/+マウスをDr.Markus Grompeより受領した。マウスの大腿骨から骨髄を採取した。Jiang,et al.(2002)に若干の改変を加えてMAPCを培養した。要約すれば、Ficoll−Plaque密度勾配遠心法によって骨髄単核細胞を得た(Sigma Chemicals Co.[米国ミズーリ州セントルイス])。単核細胞をプレートし、微小磁性ビーズ(Miltenyi Biotec[米国カリフォルニア州サニーベール])を使用して枯渇させた。5000個のCD45−GlyA−細胞を、10mg/mLのフィブロネクチン(FN)でコーティングした96ウェルプレートに、1×インスリン−トランスフェリン−セレン(ITS)、1×リノール酸−ウシ血清アルブミン(LA−BSA)、10−8Mデキサメタゾン、10−4Mアスコルビン酸2−リン酸塩(AA)、100Uのペニシリンおよび1000Uのストレプトマイシンを添加した、DMEM−LG(58%;Gibco−BRL[米国ニューヨーク州グランドアイランド])、MCDB−201(40%;Sigma Chemical Co.[米国ミズーリ州セントルイス])、2%FCS(Hyclone Laboratories[米国ユタ州ローガン])からなる1mLのMAPC増殖培地にプレートした。培地に10ng/mLのEGFおよび10ng/mLのPDGF−BB(R&D Systems[米国ミネソタ州ミネアポリス])および10ng/mLの白血病抑制因子を添加した。50%の集密状態に達したら、細胞をトリプシン/EDTA(Sigma)から分離し、より大きな培養器に2倍に希釈して再プレートし、細胞濃度を0.8〜2×103細胞/cm2に保った。この細胞を1×βメルカプトエタノール(Gibco)および5%のO2の存在下でも培養した。
形態:樹立したFANCC+/+MAPCは、MAPCに特徴的な小さく紡錘状の細胞となる(Jiang,et al.,2002)。単離細胞の表現型を、表面マーカーの発現に基づいてFACSを使用して解析し、Q−RT−PCRでOct4およびnanog等の幹細胞マーカーの存在を評価した(Jiang,et al.,2002)。
単離したMAPCの複数系統への分化能を、以前に記載されている通り(Jiang,et al.,2002)、内皮細胞、神経外胚葉細胞および肝細胞様細胞への分化能を試験することによって評価した。
レンチウイルスによるFANCC+/+MAPCの標識:移植前にMAPCにレンチ−GFPを導入した。但し、トランスジェニックGFP MAPCも使用し得る。Jiang,et al.(2002)の記載に従って、GFP+ MAPCを尾静脈からFANCC−/−マウスに注入した。要約すれば、1×106の未分化MAPCを、200,000個の不全骨髄細胞(Sca−1枯渇細胞)と共に、約7.5Gy〜約9.0Gyを照射した6〜9週齢のFANCC−/−マウスに尾静脈を介して注射した。不全骨髄細胞のみを移植したFANCC−/−マウスを対照として使用した。末梢血のFACS解析を移植から4〜6週間、定期的に実施した。移植から8〜10週間後、動物を屠殺して、末梢血および骨髄等の造血器官へのMAPCの分化をFACSで解析した。例えば、移植マウスの末梢血および骨髄を移植から8〜10週間後に単離した。試料から赤血球を枯渇させ、血液マーカーCD45で標識し、FACSで解析した。GFPおよびCD45陽性の細胞は、GFP+ MAPCに由来する血球である。
レンチウイルスにより緑色蛍光タンパク質(GFP)を導入した正常なMAPCは、亜致死線量の放射線を照射したFANCC−/−マウス(ファンコーニ貧血C群ノックアウトマウスモデル)に注射されると、宿主の造血系に分化した。移植から8〜10週間後、これらのマウスの骨髄中のCD45+細胞の2〜5%がドナー由来のGFP+細胞であった。GFP陽性細胞は、末梢血(PB)にも、移植動物から採取した肝、肺および筋といった種々の組織にも検出された。
慢性骨髄性白血病(CML)は、フィラデルフィア染色体(Ph)およびBCR/ABL融合遺伝子を特徴とする、HSCのクローン性骨髄増殖性障害である(Rowley J,1990)。ここ20年、CMLの治療の中心はHSC移植およびIFN−α療法であった。より最近になると、特異的p210BCR/ABL TK阻害剤であるイミチナブ(GleevecTM;Novartis Pharmaceuticals Corporation[米国ニュージャージー州イーストハノーバー])がCML患者に対する第一選択薬となっている。しかし、イマチニブを投与された患者の中には、細胞遺伝学的寛解(CR)が得られないものもおり、分子学的寛解を得た患者は再発する場合があることが確認されている(Kantarjian,et al.,2003;Gambacorti−Passerini CB,et al.,2003)。このような患者のため、その他の治療法を評価する必要がある。
Claims (19)
- リンパ造血系の組織にリンパ造血細胞を提供する方法であって、テロメラーゼに関して陽性であって外胚葉細胞型、内胚葉細胞型および中胚葉細胞型に分化し得る有効量のヒト非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含し、該非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞が該被験体においてリンパ造血を提供する、方法。
- リンパ造血系の組織にリンパ造血細胞を提供する方法であって、テロメラーゼに関して陽性であって外胚葉細胞型、内胚葉細胞型および中胚葉細胞型に分化し得る非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞をエキソビボでリンパ造血細胞に分化させることによって産生される有効量のリンパ造血細胞を、それを必要とする被験体に投与する工程を包含し、該リンパ造血細胞が該被験体において造血を提供する、方法。
- さらに、ナチュラルキラー細胞の機能を阻害する物質の有効量を投与する工程を包含する、請求項1または2に記載の方法。
- さらに、リンパ造血系を刺激する物質を投与する工程を包含する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記物質が低分子または生物学的物質である、請求項4に記載の方法。
- 前記被験体が放射線、化学療法を受けているか、または遺伝的欠損を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記被験体が、先天性のリンパ造血障害または後天性の悪性もしくは非悪性のリンパ造血障害を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記障害が、白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、遺伝性赤血球異常、貧血、遺伝性血小板異常、免疫障害、リンパ増殖性障害、食細胞障害または血液凝固障害を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記障害が慢性骨髄性白血病(CML)を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記障害がファンコーニ貧血を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞、または前記非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞から分化したリンパ造血細胞の細胞ゲノムが、(a)予め選択した単離DNAの挿入、(b)予め選択した単離DNAによる該細胞ゲノムのセグメントの置換、または(c)該細胞の該細胞ゲノムの少なくとも一部の欠失もしくは不活化によって改変されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記細胞ゲノムの前記セグメントが非機能的ファンコーニ貧血遺伝子をコードし、前記予め選択した単離DNAが機能的ファンコーニ貧血遺伝子をコードし、該細胞ゲノムの該セグメントが、相同組換えにより、該予め選択した単離DNAによって置換される、請求項11に記載の方法。
- 前記ファンコーニ貧血遺伝子がFA−Cである、請求項12に記載の方法。
- 前記被験体が哺乳動物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞が自家または同種異系である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞が、リンパ球系統、骨髄系統または赤血球系統のうちの1種以上の細胞に分化する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組織が、前記被験体の胸腺、脾臓、血液、骨髄またはリンパ節のうちの1つ以上である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- リンパ造血障害を処置する薬物を調製するための、テロメラーゼに関して陽性であってかつ外胚葉細胞型、内胚葉細胞型および中胚葉細胞型に分化し得る、非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞、または該非ESで非生殖性でかつ非胚性の生殖細胞から分化したリンパ造血細胞の使用。
- 前記障害が、白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、遺伝性赤血球異常、貧血、遺伝性血小板異常、免疫障害、リンパ増殖性障害、食細胞障害または血液凝固障害である、請求項18に記載の使用。
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