高強度放電ランプは、通常、耐高温物質、例えば、石英ガラスから成る管を有し、その管の中に、電極が、通常、反対側から突き出し、前記電極は、通常、タングステンから成る。その管は、1つ又はそれ以上の希ガスが充填され、水銀ランプの場合、主に、水銀が充填されている。アーク放電は、それらの電極間に高電圧を印加することにより電極先端間に生成され、前記アーク放電は、その場合、低電圧で維持されることが可能である。それらの光学的特性にしたがって、高強度放電ランプは、特に、投影システムで用いられる可能性がある。そのようなアプリケーションのためには、有効な点状の光源である光源が必要である。更に、高光強度が必要である一方、同時に、できるだけ自然である光のスペクトル成分を有する必要がある。それらの要求はまた、今日、HIDランプと呼ばれ、特に、UHP(Ultra High Performance)ランプと呼ばれる高強度放電ランプにより最も良好に達成されている。
特に、そのようなランプが、カラー生成のために時系列的方法を用いる投影システムで用いられるとき、不所望の光強度の変動が、一の原色が投影システムにおける他の原色に対して、又は異なる画像領域に存在する異なる輝度に対して不所望に支配するようになるため、その不所望の変動が生じないことを確実にする必要がある。
現在、時系列カラー生成方法には2つの種類が存在する。
それらの第1の方法においては、カラー画像は、3つの原色における完全な画像の順次表現により生成される。この方法はまた、“フィールドシーケンシャルカラー”とも呼ばれている。この方法は、例えば、殆どのDLP(登録商標)投影器(DLP=Digital Light Processing、DLPはTexas Instruments(登録商標)の登録商標である)で用いられている。第4の白色画像はまた、任意に混合されることが可能である。
第2方法においては、カラー画像が、色ビーム又は色ストリップの形で互いにディスプレイを横断して実行される原色全てにより実質的に生成される。この方法はまた、“スクローリングカラー”とも呼ばれている。例示として、従来のLCoSディスプレイ(LCoS:Liquid Crystal on Sillicon)はそのような方法により動作される。
両方の場合、投影システムは、第1に、色分離又は色フィルタリングを実行し、第2に、光源とディスプレイとの間で色成分を変化させるように変調器を有する、所謂、色変化システムを必要とし、それ故、3つの原色の状態で光を生成することができる。その色分離及び色変調は、通常、1つの構成要素において多かれ少なかれ統合されることができる。例えば、一部の色変化システムにおいては、フィルタリング及び色変調は、カラーホイールの回転により実行される。それとは対照的には、色フィルタリングはミラーにより行われ、色変調はプリズムにより行われる。
できるだけ均一な高強度放電ランプの電極を取り込み、それ故、ランプの寿命を長くするように、殆どのランプは、AC電流で、通常は、方形波のAC電流で動作される。この場合、例えば、所謂、“アーク放電のジャンピング”または“ふらつき”のような不所望のアーク放電の不安定性を回避するためには、電源電流の特定の形状が必要である。現在、用いられている方法は、完全な安定性を有するかなり長い寿命を示すパルス化モードである。このモードにおいては、ランプは、付加電流パルス、即ち、所謂、各々の半分の期間の端において重なり合う“ふらつきのないパルス”を有する方形波AC電流により動作され、そのことは、ランプにおけるアーク放電の位置をできるだけ安定に保つことを確実にする。しかしながら、このことは、時系列の色表示により動作する上記の表示システムにおいて種々の問題点に繋がる。特に、一部のシステムにおいては、ふらつきのないパルスは、全く用いられることができず、又は、大きい不利点が対処される場合にのみ、用いられることができる。1つの特定の不利点は、良好なランプ動作について、パルスの長さ及び振幅が限定された制約内でのみ選択されることが可能である。
国際公開第02/091806号パンフレットにおいては、一定の光電流を有するランプの従来のものに変わる作動について開示されている。この場合、高強度放電ランプは、各々の場合に一定である電流振幅値を有する、250乃至20000Hzの範囲内の周波数を有する比較的高い周波数のAC電流に従う。正パルスのパルス幅と後続の又は先行する負パルスのパルス幅との間のパルス幅比は、例えば、最高250Hzまでの所定のパルス幅変調周波数を有する2つの連続する正パルス及び負パルスの平均電流値が、正の値と負の値との間で周期的に変動するように変調される。即ち、1つのフルAC電流期間内で転流時間の位置は、所定のパルス幅変調周波数により変調され、前記フルAC電流期間は、2つの連続するパルス、即ち、1つの正パルス及び1つの負パルスの長さにより規定される。その変調は、ここでは、通常、正弦波である。この方法においては、それ故、陽極及び陰極は、2つの電極の等しい付加を得るように、比較的速いリズムで交換される。しかしながら、正の値と負の値との間の平均電流値の比較的遅い変調は、2つの電極の温度付加がゆっくり及び周期的に変化されることを確実にする。そのようなパルス幅変調モード(PWMモード)により、かなり良好な寿命が、同様に、一定の光電流において単なるランプの最小のふらつきの傾向で達成される。
最近の投影システムにおいては、特に、時間順次色生成を用いるそれらのシステムは、特定の光量が特定の時間期間内に適切に規定された様式で生成されることができる場合に、かなり好ましいものである。しかしながら、投影システムで用いられるディスプレイの要求にしたがって、それらの時間は適切に順応される必要がある。その場合、例えば、階調分解能を高くするように及び画像の色ドットをより良好にバランスを取るように、全体的な輝度を改善することが可能である。このために、時間毎に、適切に規定された時間期間内に、例えば、適切に指定された色ストリップにおいて、光パワーを減少させることが、そして他の時間期間においては光パワーを増加させることが必要である。
国際公開第02/091806号パンフレット
本発明の目的は、特に、投影システムにおいて、そしてまた、適切なランプドライバ及び対応する投影システムにおいて、高強度放電ランプを動作させるための方法であって、所定の要求にしたがってより正確な光強度の制御を簡単であり、コストパフォーマンスの高い様式で可能にする、方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の方法、請求項8に記載のランプドライバ及び請求項10に記載の統制システムにより達成される。
本発明にしたがった方法においては、高強度放電ランプは、所定の電流振幅により正パルスと負パスルとの間で所定の転流周波数で転流するAC電流に従い、正パルスのパルス幅と隣接する負パルスのパルス幅との間のパルス幅比は、2つの連続する正パルス及び負パルスの、即ち、1つの正パルス及び1つの負パルスの平均電流値が、変動周波数により正値と負値との間で周期的に変動する、即ち、1つの正パルス及び1つの負パルスを有する1つのフルAC電流期間内の転流時間の位置は所定のパルス幅変調周波数により周期的に移動されるような方法で変調される。本発明にしたがって、電流振幅値は、所定の変調関数にしたがって時間の関数として変調される。
本発明は、したがって、国際公開第02/091806A1号パンフレットに記載されている動作方法を用い、この方法において、更なる変調、即ち、振幅変調を重ね合わせ、この振幅変調は、投影システムの、特に、表示装置の要求にしたがって実行されることができる。その方法に関するより具体的な詳細及びパルス幅変調の効果については、国際公開第02/091806A1号パンフレットを参照する必要があり、その文献の内容を援用することにより、本明細書についての説明の一部を代替する。パルス幅変調は、上記文献に記載されているように、正弦波であることが可能である。しかしながら、正弦波変調を含む何れの他のプロファイルがまた、想定可能である。そのような方形波変調の場合には、一定の間隔で変化するまさに2つの離れたデューティサイクルが単に存在する。唯一の重要なことは、平均電流値が負の値と正の値との間で転流することである。パルス幅変調周波数により変化し、正パルスと負パルスとの間の所定の転流周波数により交番する“基本AC電流”は方形波AC電流である。しかしながら、他のAC電流形状もまた、可能である。変調される所定の電流振幅は、最大である又は有効振幅であることが可能である。
本発明にしたがった方法により、ランプは、極めて安定な方式で動作されることが可能であり、ふらつきのないパルス及び他の付加パルスは必要ないために、パワー損失が低減される。付加的な電流振幅変調は、投影システムの全体的な性能を最適化するように、適切に規定された光強度曲線により利用的な光強度が生成されることを確実にする。
本発明にしたがった高強度放電ランプを動作させる適切なランプドライバは、それ故、DC電圧電源から高強度放電ランプについて、DC電圧電源から引き出されたDC電流が高強度放電ランプのためにAC電流に変換されるようにデザインされている転流回路を必要とし、その転流回路は、所定の電流振幅により正パルスと負パルスとの間で転流し、正パルスのパルス幅と隣接する負パルスのパルス幅との間のパルス幅比が変調されるような様式でデザインされているパルス幅変調ユニットは、2つの連続する正パルスと負パルスの平均電流値が正の値と負の値との間で周期的に変化するような様式で変調される。本発明にしたがって、電流振幅値が所定の変調関数により変調されるような様式でデザインされる振幅変調ユニットがまた、必要である。
本発明にしたがった方法及び本発明にしたがったランプドライバは、上記のように、表示装置及び対応する高強度放電ランプを有する投影システムにおいて特に有利な様式で用いられることが可能である。原理的には、しかしながら、規定された時間的強度曲線にしたがって高強度放電ランプの安定な動作を必要とする他のフィールドにおいて高強度放電ランプを用いるとき、本発明にしたがった方法及び本発明にしたがってランプドライバを用いることがまた、可能である。
従属請求項のそれぞれは、本発明の有利な改良点及び展開点を特に、有する。本発明にしたがったランプドライバ及び本発明にしたがって投影システムはまた、それらの従属する方法請求項にしたがって更に展開されることが可能であり、そしてその逆も真である。
特定の有利点を伴って、パルス幅比の変調及び電流振幅値の変調は、好適な時間期間に亘って考慮され、正の電流パルス全部に亘る積分は負の電流パルスの全部に亘る積分に実質的に対応するように、互いに適合される。この時間期間は、例えば、1つ又はそれ以上のパルス幅変調期間である、即ち、10分の数秒以下の時間期間であることが可能である。このことは、ランプが、何れの重要なDC電流成分を受け入れないことを確実にする。ランプドライバは、それ故、好適には、同期化を適合するための適切な制御ユニットを有する。
変調関数は何れかの形を取ることが可能であり、即ち、変調関数は、特に表示装置の要求に対して投影システムにおいて用いられるとき、それぞれの要求に対して原理的に適合されることが可能である。この場合、時間経過と共に変調関数を変えることがまた、可能である。しかしながら、その変調関数は、好適には、周期関数である。特に好適な変形においては、時間順次投影システムにおける使用時に、電流振幅値は段階的に変調され、それ故、一定電流、それ故、一定の光強度が、特定の時間期間において出力される。例えば、必要に応じて、異なる時間期間において、減少された又は増加された光強度が生成されることが可能である。投影システムにおいて高強度放電ランプの動作時に、電流振幅値を変調する変調関数は、特に、投影システムの色変化システムの色変化系列により、例えば、カラーホイールにより好適に同期化される。即ち、例えば、変調周期関数の場合、変調関数の周期は、色変化期間に対応することを確実にされる。投影システムは、この場合、色変化システムに加えて、電流振幅値を変調する変調関数が色変化システムの色変化系列により同期化されるように、ランプドライバ及び色変化システムを制御する、例えば、中央の制御装置において、適切な同期装置を有する必要がある。
投影システムの投影の色バランスは、変調関数を調整することにより制御されることが可能である。この場合、第1に、色バランスの正確な設定が可能であるが、更に、色バランスはまた、例えば、エージングの影響を弱めるように、本発明にしたがった方法により一定に調整される又は保たれることが可能である。即ち、例えば、可変光レベルが異なる減色に対して生成され、そして、色バランスが暖かい画像の印象と冷たい画像の印象との間で変わるように、又は投影システムの更なる特性を改善するように調整される。輝度分解能を改善するための1つの可能性は、例えば、より暗い位相を組み込むことである。好適には、ランプドライバは、例えば、ユーザインタフェースを介してユーザにより予め規定される又は開始される対応する制御コマンドの関数として変調関数が変化することができるように、即ち、変調関数が調整されることができる又は変調関数が複数の所定の変調関数から選択されることができるように、デザインされる。
本発明については、しかしながら、以下、本発明が制約されない図に示している実施形態の実施例を参照して詳述する。同じ特徴については、図における同じ参照番号で示している。
図1は、代表的なDLP(登録商標)投影システム1を示している。このシステムは、リフレクタ3に備えられている高強度放電ランプ2、好適には、所謂、UHP(超高性能)ランプを有する。ランプ2は、ドライバ10から必要な電圧又は必要な電流が供給される。ランプ2により出射される光は、束ねた形のリフレクタ3により集光レンズ5の方向に放射される。リフレクタ3と集光レンズ5との間には、この場合にはカラーホイール4の形の色変化システム4が、光のビーム経路内に備えられている。カラーホイール4は、好適には、リフレクタ3と集光レンズ5との間に位置付けられている焦点にできるだけ正確に位置付けられ、それ故、カラーホイール4における光スポットはできるだけ小さくなっている。集光レンズ5は、集光レンズ5の後に位置付けられている表示装置6であって、この場合には、所謂、DMD(Digital Mirror Devise)が、できるだけ効率的に照明されている。そのようなDMDは、表示要素7としてかなり小さいミラー7のマトリクスを有するチップであり、その表示要素は、投影レンズ8を介して投影面Fに、又は、適切に傾けられたミラー7の場合には、吸収体表面(図示せず)に、光を反射するように個別に傾けられている。
この場合のカラーホイール4は、赤色r、緑色g及び青色bを有する3つのセグメントを有する。一画像サイクルBZにおいて、このカラーホイール4は、通常、軸の周りを複数回、回転し、それ故、単色の青色画像、単色の赤色画像及び単色の緑色画像が代わるがわる生成され、それらの画像は、カラー画像を生成するように、ビューアの目の緩慢さの結果として結合される。3つのセグメントを有するカラーホイールに代えて、勿論、他のカラーホイール、例えば、4つのセグメント(1つは赤色セグメント、1つは緑色セグメント、1つは青色セグメント及び1つは白色セグメント)又は、各々の場合に、2つの緑色、2つの赤色及び2つの青色が互いに向かい合っている6つのセグメントを有するカラーホイールとして用いられることがまた、可能である。最後の変形は、カラーホイールは半分の周波数のみで回転する必要があるという有利点を有する。例えば、黄色、シアン色等の、代替としての、他の、及び異なる色のセグメントがまた、付加されることが可能である。
制御装置9は、表示装置6(以下、また、“ディスプレイ”という)、カラーホイール4及びランプドライバ10を有し、それ故、それらの構成要素6、4、10の同期を確実にする。入力信号として、制御装置9は、例えば、投影システム1により表示されるようになっている映像データを有する映像信号Vを受け入れることができる。明らかに、制御装置9はまた、複数の部分制御装置を有することが可能である。例えば、別個の制御装置がまた、ディスプレイ6の表示要素7を制御するように備えられることが可能であり、その別個の制御装置はまた、特に、基板においてDMDチップを供えることが可能である。同様に、完全な制御装置が、例えば、1つのモジュールにDMDチップを一体化する、そして、他の構成要素についての同期コマンドがそのモジュールから出力されることが可能である。また、カラーホイール又はランプドライバのような他の構成要素が、それらの他の構成要素に同期コマンドをまた、送信するそれら自体の制御装置を有することが可能である。唯一の重要なことは、投影面Fにおいて所望の画像が生成されるような必要な方式で、構成要素が互いに同期されることである。
勿論、本発明にしたがったランプドライバ及び本発明に従った方法は、図1に示す投影システムにおいてばかりでなく、異なるデザインの投影システム、例えば、LCoSシステムにおいても用いられることが可能である。
本発明にしたがった動作方法について、ここで、図2a及び2bを参照して更に詳細に説明する。
図1にしたがった投影システム1におけるカラーホイール4を回転させることにより生成される色系列FSが図2の最上部に示されている。図示しているように、青色b、緑色g及び赤色r画像は常に、代わるがわる周期的になっている。個々の原色画像b、g、r間には、通常、光スポットが2つの色のセグメント間の境界に正確に入射するために、カラー画像が規定されない、スポークといわれる所定の短い時間期間が存在する。多くのシステムでは、表示は、この“スポーク時間”において示される。他のシステムにおいては、この時間中に生成される光は、全体的な強度を増加させるように用いられる。
2つの曲線が、この色系列FSの下に示されている。この実施例においては、AC電流の振幅の値が、国際公開第02/091806A1号パンフレットに記載されているように、一定に保たれる高強度放電ランプについてのパルス幅変調重AC電流が示されている。そのAC電流IAKは、この実施例においては、1kHzで転流され、25Hzのパルス幅偏重周波数で80%パルス幅変調が行われている。上方の曲線は、1パルス幅転流周期(即ち、1パルス幅周期TPWM)における平均値
(関連単位)を示している。下方の曲線は、電流方向、即ち、一定の振幅(関連単位)を有するAC電流IAKの正パルス及び負パルスを示している。
下方図はまた、種々のパルスの対についてのパルス幅、即ち、正パルス及びそれぞれの後続する負パルスを示している。左端近くに示すパルスの対の場合、正パルスのパルス幅PWp,1は負パルスのパルス幅PWn,1に略等しい。次に示しているパルスの対の場合、正パルスのパルス幅PWp,2は負パルスのパルス幅PWn,2よりかなり小さく、そして示されている第3のパルスの場合、正パルスのパルス幅PWp,3は負パルスのパルス幅PWn,3より大きい。各々の場合、正パルスによるゼロクロスから負パルスの端におけるゼロクロスまで続く期間TIは一定であり、前記期間は、転流周波数の逆数に相当する。即ち、パルス幅変調においては、ゼロクロスの位置のみが、正パルスから負パルスへの遷移により変調される。その結果、上方の図においてプロットされている電流の平均値
は、転流期間T
PWMにおいて時間の経過と共に各々の点で変化する。この平均値
はまた、パルス幅比に相当する。図2aの上方の曲線で示しているように、パルス幅変調は正弦曲線にしたがっている。代替としては、しかしながら、異なる関数が用いられることがまた、可能である。
色変化系列FSと上方の図とにおいては、種々の時間期間が示されている。先ず、緑色g、赤色r及び青色b画像を有する、色サイクルFZの時間的距離が示されている。この実施例においては、そのような色サイクルFZは、300Hzの繰り返し周波数で繰り返される。また、PAL映像システムにおいて用いられることが可能であるような短い画像サイクルBZ及び25Hzの長い画像サイクルBZ′が示され、その25Hzの長い画像サイクルBZ′は、50Hzの短い画像サイクルの2倍に相当し、例えば、DVDフィルム素材の場合に用いられることが可能である。パルス幅変調期間TPWMがまた、示されている。
図2bは、変調関数Mにより、特定の方式でバランスがとられたカラードットを得るように、高強度放電ランプに適用されるAC電流IAMの振幅値がどのように変調されるかを示している。
図2bは再び、最上部において、色変化系列ESを、そしてこの下方には、色サイクルFZについての時間的距離、50Hzの短い画像サイクルBZ、25Hzの長い画像サイクルBZ′及びパルス幅変調期間TPWMを示している。図2aの最下部に既に示している曲線が再び、この下に直接、示され、前記曲線は、一定の電流振幅を有するパルス幅変調電流IAKを示している。前提とする電流又は電力変調関数Mが、下の更なる図に示されている。これは、0.5乃至1.5(関連単位)の範囲内の相対電流振幅IAを示している。値1は、ここでは、赤色セグメントの間に基準として選択された電流値に相当する。変調関数Mは、この場合、周期的なステップバイステップ関数である。変調関数Mは更に、図2bから理解できるように、色変化系列FSと相関関係がある。例示としての実施例においては、投影システム1及び表示システム6は、最適な画像バランスのためには、より青色が強い成分及びよりより緑色が弱い成分を必要とする。それ故、電流は、色系列FSの青色セグメントにおいて1.5に増加され、緑色セグメントにおいて0.75に減少される。
最下部の曲線は、ランプ1に適用される、それ故、変調関数Mにしたがって、パルス幅変調及び振幅変調された結果として得られたランプ電流IAMを示している。このランプ電流IAMの振幅は、1.5(関連単位)の最大電流振幅と−1.5の最小電流振幅との間の範囲内で移動する。電力調整については、電流は、それ故、平均値が必要な名目上の電流に相当するようなランプ電流にスケーリングされる必要がある。
図2a及び2bはまた、有効なDC電流成分を補償するように、パルス幅変調関数及び振幅変調関数の位置が互いに、どのように適合されなければならないかを示している。ここでは、先ず、システムの“より良好な”挙動は、正弦パスル幅変調のサンプリング値を僅かに移動させることにより得られる、即ち、そのシステムは、例えば、同期周波数における意図的でない移動のようなエラーに等しく反応することはない。更に、パスル幅変調に対して変調関数の位置を移動させることにより、DC電流成分がパルス幅変調期間TPWMにおいて完全に一様になることが確実にされる。更に、DC電流成分を抑制する更なる可能性が存在する。第1に、転流が、色セグメントr、g、b間のセグメント遷移と十分に結び付けられることが可能である。第2に、各々のパルス幅変調期間TPWMの1つ又は2つの転流サイクルにおいて、生じる及びDC電流をもたらすことが可能である何れかの非対称性のバランス化は、ランプドライバにおいて実行される測定及び演算にしたがった目標の様式で実行されることが可能である。最終的には、各々の転流サイクルは、過去に生じたエラーを考慮しながら、適合されることが可能である。即ち、例えば、スイッチング時間に対する丸め又は最小の変調が、最小のエラーの方向に常に実行されることが可能である。
図3は、高強度放電ランプ2を動作させる本発明にしたがった方法を簡単な様式で実行するように用いられることが可能であるランプドライバ10の実施形態の一実施例を示している。
ランプ2は、このドライバ10に適切なランプ端子23を介して接続されている。ランプドライバ10は、DC電圧電源V1に電圧電源端子16を介して接続されている。外部DC電源は、この場合、例えば、380Vである。入力側において、ドライバ10はDC/DC変換器12を有し、そのDC/DC変換器12は所望のランプ電流を印加する役割を果たす。このDC/DC変換器12は、スイッチM1、ダイオードD1、インダクタンスL1及び容量C1、例えば、コンデンサにより構成されている。
制御装置11は、レベルシフタ14によりスイッチM1を、それ故、ランプ2の電流を制御する。実施形態に応じて、その電流はまた、誘導測定要素19を用いて制御装置11によりモニタされる。電圧測定のために、対応して減少する電圧は、2つの抵抗器R1、R2を有する電圧ドライバ24を介してコンデンサC1においてもたらされ、アナログ/ディジタル変換器25により制御装置11において測定される。コンデンサC2は、測定信号における干渉を減少させるのみのための役割を果たす。
それに応じて事前に印加される電流は、その場合、ブリッジ回路の方式で4つのスイッチM2、M3、M4、M5を切り換える転流子ドライバ20を有し、それに応じて、ランプ2における電流を転流する。
イグニッション目的で、ランプ2はまた、イグニッション変換器22に接続されている。このイグニッション変換器22は通常、ここで示しているように、ランプ2の両方の端子23に対照的に適用される。イグニッション変換器22は、ランプ2をオンにするように最大20kVを印加する。更に、イグニッション変換器22のインダクタンスLT1、LT2はまた、ランプ2の更なる動作中に電流を平坦にする役割を果たす。
以上のおいては、図3に示すランプドライバ10は、従来のランプドライバと異なっていない。
本発明にしたがっては、しかしながら、従来のランプドライバと異なり、パルス幅変調ユニット21が、転流子回路13内に、この場合、特に、プログラマブル処理器の形でデザインされている転流子ドライバ20内に位置付けられている。このことは、上記のように、各々の場合に、正パルスと隣接する負パルスとの間のパルス幅比が好ましい変量形式にしたがって変調されるように、正パルスと後続の負パルスとの間のゼロクロスの位置は移動されることを確実にする。
更に、振幅編著ユニット15は、プログラマブル処理器の形でどうようにデザインされることが可能である制御装置11内に位置付けられ、この振幅変調ユニットは、AC電流の値の所望の振幅変調が達成されるような様式で、設定した増幅関数Mにしたがって、レベルシフタ14を介して、DC/DC変換器12に、特に、スイッチM1に影響を与える。振幅変調ユニット15は、制御装置11のプログラマブル処理器のソフトウェアの形で実施されることが可能である。
DC電流成分の生成が回避されるように、パルス幅比の変調及び電流振幅の値の変調が、上記のように、互いに対して適切に適合されることを確実にするように、この場合の制御装置11は、パルス幅変調ユニット21に内部同期信号を送信する。
電流振幅の値を変調する変調関数が投影システム1のカラーホイール4の色変化シーケンスFSを同期されることを確実にするように、ランプドライバ10の入力17を介して、制御装置11は、中央の制御装置9(図1を参照されたい)から同期信号Syncを受け入れる。
更に、制御装置9は、変調関数Mを変えることが要求されるときに、変調関数Mを変えるように、変調関数Mを変えるための信号SMをランプドライバ10の入力18を介して制御ユニット11及び振幅変調ユニット15に送信することが可能である。
例示として、色バランスは、それ故、暖かい画像の印象と冷たい画像の印象との間の変化を調整することが可能である。ディスプレイにおける異なる色温度の設定が、赤色成分と青色成分との間の比を簡単に変えることにより可能である。このことは、分解能及び光の損失を伴わずに、変調関数を適切に調整することにより本発明にしたがって迅速に実行されることが可能である。
同様に、特に暗いシーンにおいて、高階調分解能が達成され、上記の場合のように代替の概念においては、カラーホイールにおいて暗いセグメントを用いる必要はない。それに代えて、階調分解能の増加が、光損失を伴うことなく、変調関数において対応する低パワーレベルを加算することにより、簡単な方法で達成されることが可能である。この画像輝度は、例えば、映像提示のために、もう一度、最大色飽和を達成するように、いつでもオフに切り換えられることが可能である。
好適には、投影システムの制御装置9は適切なユーザインタフェース(図示せず)を有し、そのユーザインタフェースにより、オペレータが変調関数Mを手動で調整する、又は制御装置9において既に規定され、記憶されている種々の最適な変調関数M間で選択することができ、その変調関数は、その場合、対応する制御信号SMを介してランプドライバ10に送信される。代替として、既に規定されている種々の任意の変調関数Mはまた、ランプドライバ10に記憶されることが可能であり、それらの変調関数は、その場合、制御ドライバ9からの制御信号SMにより選択される。
したがって、本発明にしたがった方法及びランプドライバにより、各々の場合に、複数の自由に選択された時間期間においてふらつきのない動作のために必要な正確な光量を供給することが可能であり、それ故、一方では、例えば、リアプロジェクションテレビにおいて、画像輝度は30%又はそれ以上増加されることが可能であり、同時に、階調分解能が改善されることが可能である。同様に、異なる色温度が、損失を伴わずに簡単な方法で選択されることが可能である。殆ど何れのディスプレイに対する最適な適合が、それ故、何れの少なからぬ複雑性を伴わずに、簡単な転流により可能である。
最終的には、上記の図及び説明において示しているシステム及び方法は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者が広く変えることができる実施形態の単なる例示であることをもう一度、指摘しておく必要がある。また、完全を期すために、要素の単数表現を使用していることは、対象の特徴がまた複数の状態でも存在する可能性を除外するものではないことを指摘しておく必要がある。