JP2009504265A - 組織の酸化還元状態を決定するための方法 - Google Patents

組織の酸化還元状態を決定するための方法 Download PDF

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Abstract

動物組織中の目的の領域の酸化還元状態を決定するための方法が開示される。この方法は、ニトロキシル造影剤を目的の領域に投与する工程、この目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、この目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程、及び、それによりこの目的の領域の酸化還元状態を決定する工程を包含する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニトロキシル造影剤を用いた動物組織の磁気共鳴画像法(MRI)に関する。
組織、特に腫瘍をモニタリングするための、MRIの使用が知られている。MRIは、固形腫瘍の大きさを測定し、そしてこの腫瘍の大きさの変化は、この腫瘍が癌処置(即ち、化学療法、放射線療法)に影響されてきたかを示す。MRIは、多くの利点を有する。例えば、MRIは、非侵襲性であり、かつ、組織に関する有用な解剖学的情報を提供する。しかし、現在利用可能なMRI技術は、組織のより基本的な情報を、特に、組織の化学的性質(例えば、酸化−還元(oxidation−reduction)、即ち「酸化還元(redox)」状態)についての情報(これは、当該組織の放射線損傷又は処置に対する感受性を示す)を、十分には提供しない。
前述のものは、目的の組織(特に腫瘍組織)の酸化還元状態を決定する方法が必要であることを示す。本発明は、このような方法を提供する。本発明のこれら及び他の利点、並びに更なる発明的特徴は、本明細書中に記載される本発明の説明から明らかとなろう。
(発明の要旨)
本発明は、動物組織における目的の領域の酸化還元状態を決定するための方法を提供し、該方法は、以下:a)ニトロキシル造影剤を目的の領域に投与する工程、b)該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、及びc)該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定し、該目的の領域の酸化還元状態を決定する工程、を包含する。
本発明はまた、動物組織中の目的の領域中の腫瘍を診断するための方法を提供し、該方法は、以下:a)ニトロキシル造影剤を動物組織に投与する工程であって、該動物組織の目的の領域が、モニタリングされる、工程、b)該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、c)目的の領域に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程、d)該目的の領域に隣接する組織中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程、e)該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の減少量を決定し、該目的の領域に隣接する組織の酸化還元状態を、該目的の領域の酸化還元状態と比較して決定する工程、及び該目的の領域の酸化還元状態に基づき腫瘍が存在するかを診断する工程を包含する。
本発明はまた、癌処置プロトコールを決定するための方法を提供し、該方法は、以下:a)ニトロキシル造影剤を、腫瘍を有する被検体に投与する工程、b)該腫瘍の磁気共鳴画像を得る工程、c)該腫瘍に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程、d)該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、e)該腫瘍に隣接する組織中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、及びf)該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量を、該腫瘍に隣接する組織におけるニトロキシル造影剤の量と比較して差異を決定し、放射線の線量を投与するのに適切な時間を決定する工程を包含する。本発明はまた、これに基づく放射線治療による癌処置の方法を提供する。
腫瘍組織は、成育可能ではあるが低酸素の領域を示し、これにより、腫瘍組織は、正常組織よりも効率的に窒素酸化物を還元できる。本発明の根拠は、還元能力の差異にあり、そして本発明は、動物組織中の目的の領域(例えば、腫瘍)の酸化還元状態を決定する方法を提供する。腫瘍の酸化還元状態を決定することにより、腫瘍では細胞内窒素酸化物造影剤の還元が増強されることにより腫瘍を診断することのみならず、適切な放射線処置野(radiation treatment field)を空間的に決定し、放射線の治療線量を送達すること、及び窒素酸化物造影剤の投与後に適切なタイミングシーケンスを決定してその結果放射線防護形態の窒素酸化物に関する正常組織と腫瘍組織との間の最大の差異が、正常組織に存在するようにすることもまた可能であり、これらにより、正常組織への付随的損傷を制限することも可能である。化合物の常磁性緩和度が0.2(mM s)−1の範囲にあるために、化合物の窒素酸化物等級により与えられるT1−造影により、標準的なMRIスキャナーを用いて本発明の方法における酸化還元情報を得ることが可能になる。種々のニトロキシル造影剤の典型的な緩和度及び緩和時間が、標準造影剤、Gd−DTPAと比較して、示される(表1)。MRI造影は、主として、水プロトンの、スピン密度、T1及びT2に基づく、優れた解剖学的マッピングを示す。如何なる特定の理論にも縛られることなく、プロトンのT1緩和は、常磁体性電子スピンにより影響され得ると考えられている。従って、ニトロキシルスピンプローブ(即ち、窒素酸化物造影剤)の投与の前後のMRI造影の変化は、解剖学的マッピングを同時提供することに加えて、ニトロキシルの量を反映するはずである。このような解剖学的マッピングは、腫瘍の存在を診断する能力、腫瘍の状態を決定する能力、放射線処置野の境界線を決定する能力、放射線処置に適したタイミング及び投与量(dosage)を決定する能力並びに放射線及び他の形態の癌処置の効力を決定する能力を提供する。
従って、一実施形態では、本発明は、動物組織における目的の領域の酸化還元状態を決定する方法を提供する。この方法は、ニトロキシル造影剤を目的の領域に投与する工程、該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程及び該目的の領域の酸化還元状態を決定する工程を包含する。
ニトロキシル造影剤(これはまた、本明細書中では窒素酸化物とも呼ばれる)は、細胞膜を透過し、従って細胞内に蓄積する、任意の窒素酸化物であり得る。適切な窒素酸化物造影剤としては、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン−N−オキシル(Carbamoyl−PROXYL、即ち「3CP」)、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリニルオキシ(Carboxy−PROXYL)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール−N−オキシル(Tempol)、N−d16−トリアセトンアミン−N−オキシル(N−d16−Tempone)並びにトリアセトンアミン−N−オキシル(Tempone)が挙げられるが、これらに限定されない。
この方法は、動物組織中の目的の領域(ROI)の酸化還元状態を決定するのに有用である。好ましくは、この動物はヒトである。この目的の領域は、組織の一部であっても組織全体であってもよい。この目的の領域は、任意の形状(例えば、円形、四角形、三角形、台形)であり得、そしてこの目的の領域の面積は、任意であり得る(例えば、0.1mm〜100mm、1mm〜10mm、2mm〜6mm、又はそれより多い)。この目的の領域は、正常酸素圧の組織中又は低酸素の組織中で規定され得る。
低酸素の組織は、種々の状態のために低酸素となり得る。低酸素の組織の一つの例は、腫瘍組織である。腫瘍組織には、低酸素ではあるが成育可能な領域を含む、任意の形態の固形腫瘍が包含される。この腫瘍は、身体内の如何なる場所にも位置し得、そしていずれの段階(即ち、I〜IV、低、中、高など)のものであっても、起源が如何なるものであっても、大きさが如何なるものであってもよい。例えば、この腫瘍は、身体の任意の臓器又は腺(脳、肺、胃、肝臓、膵臓、胆嚢、小腸、大腸、腎臓、外皮、骨、卵巣、子宮、子宮頸部(cervix)、前立腺、精巣、膀胱、口、咽喉、甲状腺、副腎、下垂体、頭部、頸部(neck)、脳幹、脊髄などが挙げられるが、これらに限定されない)に位置し得る。この腫瘍は、原発性腫瘍又は転移性腫瘍であり得る。
正常酸素圧の組織は、正常な酸化還元状態を示す任意の組織であり得る。この正常酸素圧の組織は、腫瘍に隣接する組織であり得る。更に、この正常酸素圧の組織は、腫瘍に隣接し得、この腫瘍による浸潤のリスクがあり得る。この正常酸素圧の組織は、さらに、放射線処置野内の組織であり得る。或いは、正常酸素圧の組織は、腫瘍に隣接しない場所に位置し得、そしてコントロール(これに対して腫瘍組織の酸化還元状態が比較される)として役立ち得る。
本発明の方法では、動物組織中の目的の領域(ROI)(即ち、正常酸素圧の組織、低酸素の組織又はこれらの両方)の磁気共鳴画像(MRI)が得られる。この組織の画像は、ニトロキシル造影剤の投与に先立って、投与の際に、及び/又は投与後に、得られ得る。さらに、一枚より多くの、各組織の画像が、ニトロキシル造影剤の投与後に得られ得る。つまり、画像は、目的の組織中のニトロキシル剤の蓄積及びクリアランスプロファイルを決定するために、一定期間にわたって得ることができる。時間の関数として得られた複数の画像は、正常酸素圧の組織及び/又は低酸素の組織の放射線防護状態に関する有用な情報を提供し得る。例えば、画像は、ニトロキシル造影剤の投与後に、一定期間(例えば、1分間、5分間、10分間、20分間、30分間、40分間若しくは60分間、またはこれらの間の任意の整数)にわたって得られ得る。画像は、数秒毎の間隔又は数分毎の間隔で撮影され得る。
本発明の方法では、動物組織中の還元されたニトロキシル造影剤(即ち、ヒドロキシルアミン)の量が決定される。この決定は、任意の適切な方法を用いてなされ得る。例えば、MRI造影変化及びニトロキシル造影剤(例えば、3CP)の濃度の差異は、低濃度レベル(即ち、1.5mM未満)では線形を示す。T1及びT2マッピングを遂行するために、スピンエコー画像が、マルチスライスマルチエコー(MSME)シーケンスを用いて得られ得る。例えば、SPGR画像の総数の時間シーケンスが決定され得る。次いで、画像は平均化され、そして各画像は、平均化された初期画像により除算され得る。所定の目的の領域の、平均化された画像強度の片対数値(semi−logarithmic value)が、注射後の時間に対してプロットされ得る。この強度の変化は、ニトロキシル造影剤の注射後の、一以上の時点で決定され得る。例えば、強度の変化は、ニトロキシル造影剤の注射後、10秒ごとに、20秒ごとに、30秒ごとに、40秒ごとに、50秒ごとに、又は1分ごとに、5分ごとに、7分ごとに、10分ごとに、15分ごとに、20分ごとに、又はこれらの間の任意の整数ごとに、生じ得る。減衰速度は、ピーク後の傾きの線形部分から、最小二乗法(least squares method)により、得られ得る。ニトロキシル造影剤 3CPを用いた減衰速度のサンプル計算は、以下の通りである:ニトロキシル造影剤注射後の時間tでのスポイルドグラジエントエコー(SPGR)画像強度Mtは、式:
を用いて計算され得る。
上記式において、M0はプロトン密度であり、αはフリップ角度である。組織(又はサンプル)T1は、3CPの濃度(Ct)に依存して、特定の時間t(分)(Tlt)と共に変化し得る。Tlt=1/Rltであり、Rlt=1/Tli+rl×Ctであり、ここで、RltはT1緩和時間tであり、3CPの緩和度rlは0.17mM−1s−1であり、Tliは初期T1ベースライン(固有組織T1)である。特定の時間t(分)での3CPの最初の濃度であるCt(mM)は、一次減衰を、式Ct=Cmax×EXP(=ktrue×t)(式中、ktrueは、所定の減衰速度である)により示されるものと想定することにより計算される。ベースラインからの強度変化の対数値(即ち、ΔM%t=(Mt/Mi−1)×100すなわちΔMt=Mt−Mi)は、時間tに対してプロットされ得る。Miは、組織(又はサンプル)の固有シグナル強度であり、Ct=0として算出される。減衰定数kMRIは、プロットΔM%t及びΔMtの傾きから、最小二乗フィット(least square fit)により、得られ得る。
時間にともなう強度の変化により決定される代表的な減衰速度は、正常組織、腫瘍、血液並びに左側及び右側の腎臓組織において、ニトロキシル造影剤であるTempol、Carbamoyl−PROXYL、Carboxyl−PROXYLに関して、表1及び図1において示される。次いで、これらの減衰速度が使用され、組織の酸化還元状態が決定され得る。減衰速度が画素に関して計算される場合、酸化還元マッピングが得られ得る。つまり、より速い速度の減衰を示す領域は、低酸素の領域に対応する。図2は、インビボMRI及びニトロキシル造影剤であるTempolを用いた、正常組織と腫瘍組織との間の、時間の関数としての強度の変化により決定される酸化還元状態の比較を示す。示されるように、減衰の速度は、正常組織においてよりも腫瘍組織においての方がより大きい。
考察されるように、組織中の還元されたニトロキシル造影剤の量は、当該組織の酸化還元状態を決定するために用いられる。酸化還元状態は、正常酸素圧の組織、低酸素の組織、又はこれら両方に関して決定され得る。好ましくは、低酸素の腫瘍組織及び該腫瘍に隣接する正常酸素圧の組織の酸化還元状態が決定される。好ましくは、組織の酸化還元状態は、ニトロキシル造影剤の投与後の一以上の時点で得た画像を比較することにより決定される。得られた画像は、組織中の還元されたニトロキシル造影剤の量及び還元されていないニトロキシル造影剤の量に対応し、従って、動物組織の酸化還元状態と相関する。
任意の適切なMRI技術が、本発明において利用され得る。好ましい実施形態では、スポイルドグラジエントエコー(SPGR)MRI技術が用いられる。
別の実施形態では、動物組織中の目的の領域中の腫瘍を診断するための方法が提供される。この方法は、ニトロキシル造影剤を動物に投与する工程であって、この動物の目的の領域がモニタリングされる、工程、該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、該目的の領域に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程;該目的の領域に隣接する組織中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程、並びに、該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程を包含する。さらに、還元されたニトロキシル造影剤の量は、該目的の領域の酸化還元状態を、該目的の領域の酸化還元状態と比較して決定するために用いられる。次いで、酸化還元状態情報は、該目的の領域中に腫瘍が存在するかを診断するのに用いられる。
なお別の実施形態では、放射線治療による癌処置の方法が提供される。この方法は、ニトロキシル造影剤を動物組織に投与する工程、該動物組織中の目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程及び該目的の領域の酸化還元状態を決定する工程を包含する。次いで、該目的の領域に対する放射線の線量を投与する時間に関して決定がなされる。該目的の領域は、腫瘍、該腫瘍に隣接する正常組織又はこれら両方であり得る。つまり、腫瘍、及び該腫瘍に隣接する、該腫瘍により浸潤されるリスクがある正常な組織であって、従って、放射線処置野内にある組織である。この方法は、更に、腫瘍に隣接する組織がいつ最大濃度のニトロキシル造影剤を含有するかを決定することにより、該腫瘍に隣接する組織が、放射線治療から最も防御される時間を決定する工程を包含し得る。この方法は、更に、腫瘍と該腫瘍に隣接する組織との間の境界を決定する工程及びこれに従って放射線治療を投与する工程を包含し得る。
正常酸素圧の酸化還元状態及び/又は低酸素の組織の酸化還元状態は、癌処置プロトコールを開発するのに利用され得る。例えば、酸化還元情報は、腫瘍組織に対する放射線の線量を投与するのに適切な時間を決定するのに用いられ得る。例えば、正常酸素圧細胞内のニトロキシル造影剤の最大量及び低酸素の細胞内の還元されたニトロキシル造影剤の最大量に対応する時間が決定され得る。従って、放射線の線量は、正常酸素圧の組織に対する付随的損傷の程度が最小となるような、そして同時に、低酸素の腫瘍組織に対する有効性(effectiveness)の程度が最大になるような時間に投与され得る。更に、得られた画像及び決定された酸化還元状態は、癌処置の形態(例えば、放射線治療、化学療法またはこれらの組み合わせ)の後に、腫瘍が増殖したか又は大きさが小さくなったかを決定するために用いられ得る。従って、本発明の方法は、腫瘍の状態及び癌処置レジメンの効力を評価する、非侵襲性の手段を提供する。
別の実施形態では、ニトロキシル造影剤を、腫瘍を有する被検体に投与する工程、該腫瘍及び該腫瘍に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程、該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、該腫瘍に隣接する組織中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、並びに該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量と該腫瘍に隣接する組織中のニトロキシル造影剤の量とを比較して差異を決定し、放射線の線量を投与する適切な時間を決定する工程を包含する、癌処置プロトコールを決定するための方法が提供される。好ましくは、放射線の線量は、腫瘍中の還元されたニトロキシル造影剤の量と該腫瘍に隣接する組織における還元されたニトロキシル造影剤の量とを比較した差異が最大である時に投与される。被検体は、動物であり得、好ましくはヒトである。適切な窒素酸化物種(これは、環式有機フリーラジカルである)は、正常組織に対して、選択的な放射線防護を提供することが示されているが(Mitchell,Biochem.Biophys.,289,62−70(1991))、その一方で、腫瘍に対しては如何なる放射線改変作用をも有しない。実験的な観測により、電離放射線の致死的効果に対して正常組織に与えられる選択的防護は、正常組織と比較して腫瘍中で、窒素酸化物種が、より効率的にその還元されたヒドロキシルアミン形態へと転換されることに起因することが示唆される(Mitchell,Mil.Med.,167,49−50(2002))。腫瘍は、低酸素の領域を示し、そして窒素酸化物は、低酸素の条件下で、より迅速に還元される。従って、正常組織内のニトロキシル造影剤と腫瘍組織内のニトロキシル造影剤との差異に関する知識は、放射線の線量をいつ投与すべきかを決定するのに有用である。つまり、好ましくは、放射線の線量は、正常組織が最大量のニトロキシル造影剤をその非還元形態で含有し、かつ、腫瘍組織が最大量の還元されたニトロキシル造影剤を含有する時に投与される。このようにして、正常組織には、放射線の損傷作用からの防御が与えられ、そして腫瘍組織は、放射線治療の効果に対し最も感受性となるであろう。
以下の実施例は、本発明を更に例示するが、当然、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本実施例は、組織の酸化還元状態を、本発明の一実施形態に従って決定するための、MRIベースの造影プロトコールにおいて、ニトロキシル造影剤を用いることの有効性を実証する。
材料及び方法。Carbamoyl−PROXYL(3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル:3CP)は、Sigma−Aldrich Chem.Co.(St.Louis,MO)より購入した。脱イオン水(Milli−Qシステムによる脱イオン化)を、全ての実験に使用した。使用した他の材料は、解析等級であった。3CPを、脱イオン水中300mMの等張性溶液として調製した。
雌C3Hマウスは、Frederick Cancer Research Center,Animal Production(Frederick,MD)より供与された。動物(これは、6週齢で受け取った)を、気候制御サーカジアンリズム調節室中に、1ケージに付き5匹、収容し、そしてこの動物に、食物及び水を、随意に与えた。実験は、Guide for the Care and Use of Laboratory Animal Resources(1996),National Research Councilに従って実行し、National Cancer Institute Animal Care and Use Comitteeにより認可された。実験を、施設への動物の到着の4週以内に遂行した。実験前に測定した動物の体重は、25g〜28gの範囲であった。扁平上皮癌を右後肢に移植し、一週間増殖させた。
マウスを、医療用空気(medical air)中のイソフルラン(1.5%)により麻酔した(700mL/分)。腫瘍の脚及び正常な脚の両方を、特別なマウス保持器の上に置き、そして接着テープで両脚間のデバイダー(divider)上で固定した。このマウスを、25×25mm(直径×長さ)の11ループ平行コイル共鳴器中に置いた(Devasahayam,J.Magn.Reson.,142,168−176(2000))。ニトロキシル造影剤の注射のために、尾静脈にカニューレを挿入した。データ獲得は、ニトロキシル造影剤の注射(1.8μmol/g b.w.即ち300mM溶液の6.0μL/g b.w.)と同時に開始した。EPRIデータ獲得は、自家製の300MHz CW EPR造影機を用いて実行した(Koscielniak,Rev.Sci.Inst.,71,4273−7281(2000))。12の映像を、1.85分毎に得た。他のEPR条件は、以下の通りであった:マイクロ波の振動数=300MHz、マイクロ波電力=2.5mW、磁界変調振動数=13.5kHz、磁界変調振幅=2.0ガウス、時定数=0.03秒、掃引幅=15ガウス、スキャン時間=8秒、及び磁界グラジエントの振幅は、2.5ガウス/cmであった。EPR画像を、Shepp−Loganフィルタを用いたフィルタ補正逆投影(filtered back−projection)により、128×128マトリックス上に再構築した。FOV(撮影視野(field of view))は、6×6cmであった。
ニトロシキルプローブのインビボのEPR分光学的測定を得た。マウスを麻酔し、そして特別のマウス保持器上に置き、そして接着テープで固定した。単一ループ表面コイル(7.3mm 内径)を、正常な脚又は腫瘍の脚の上に置いた。EPRシグナルを、CW EPRにより、700MHzにて測定した。EPR条件は、以下の通りであった:マイクロ波振動数=700MHz、マイクロ波電力=10mW、磁界変調振動数=13.5kHz、磁界変調振幅=0.3ガウス、時定数=0.03秒、掃引幅=60ガウス、スキャン時間=8秒。三重線の中心の線を、20分間、20秒ごとに、繰り返し得た。
MRI及びパルスシーケンス測定もまた得た。MRI測定を、Para Vision(登録商標)3.0.1(Bruker BioSpin MRI GmbH,Rheinstetten,Germany)で制御される4.7Tにて遂行した。T及びTマッピングを遂行するために、スピンエコー画像を、2つの異なるTR(保持時間:4000ms及び800ms)でマルチスライスマルチエコー(MSME)シーケンスを用いて、そして15msのエコー時間で16エコートレインを用いて得た。MSMEシーケンスによる、T及びTマッピング造影セット(NEX=1)に関するスキャン時間は、10分であった。SPGR(グラジエントエコーファスト造影、GEFIとも呼ばれる)(TR=75ms,TE=3ms、FA=45°、NEX=2)を用いて、T効果を観測した。SPGRシーケンスによる画像セット(2スライスを含む)のためのスキャン時間は、20秒であった。他の共通の画像パラメータは、以下の通りである:画像解像度(image resolution)は、256×256であり、FOVは、3.2×3.2cmであり、そしてスライス厚さは、2.0mmであった。スライスの数は、2であった。
MRI測定において、マウスを、医療用気体中のイソフルラン(1.5%)により麻酔し(700ml/分)、そして特別のマウス保持器上で、接着皮膚テープにより、胃を下側にして固定した。呼吸センサー(breathing sensor)(SA Instruments,Inc.,NY)を、マウスの背中に置いた。非磁性温度プローブ(FISO、Quebec、Canada)を、マウスの直腸に挿入した。造影剤の注射のために、尾静脈にカニューレを挿入した。次いで、このマウスを、予め熱水サイクリングパッド(cycling pad)により温めておいたMR共鳴器の中に置いた。マウスを含んだ共鳴器ユニットを、4.7T磁石の中に置いた。MR測定を、マウスの体温が37℃にまで上昇した後に開始した。マウス体温は、実験の間、37±1℃に維持した。実験に先立ち、MSMEベースのT及びTマッピングを観測した。SPGRベースのT1増強画像データセットを、繰り返し20分間スキャンした。1.5μmol/g b.w. 3CPを、スキャンの開始後、尾静脈カニューレ挿入から2.0分、注射した。
EPRI及びMRIデータを、ImageJソフトウェアパッケージ(プラグインにより拡張され得る、NIH ImageよりインスパイアされたパブリックドメインJava画像処理プログラム、http://rsb.info.nih.gov/ij/)を用いて解析した。T及びTマッピングを、ImageJにおいて入手可能なプラグイン(MRI解析計算機、Karl Schmidt、HypX Laboratory,Brigham and Women’s Hospital)を用いて計算した。
ニトロキシル造影剤の注射後のCW EPR造影の時間経過を決定した。腫瘍の脚及び正常な脚の両方が、各画像においてはっきりと得られ、そして両脚の画像強度は、時間と共に徐々に減少する。しかし、マウスの脚の解剖学的構造の細部は、いずれもEPR画像において識別できない。ROIにおける平均化した画像強度の片対数値を、注射後の時間に対してプロットした(図3)。画像強度は、一旦上昇してピークに達し、次いで、減少し始めた。正常な脚は、最大強度に達するのに僅かな遅延を示した。減衰速度を、最小二乗法により、ピーク後の線形部分から得た。腫瘍の脚におけるシグナル減衰は、正常な脚よりも速かった。正常な脚の最大強度は、腫瘍の脚よりも小さかった。
図4は、700MHzで作動する表面コイル共鳴器を用いたEPR分光学的測定により得られた典型的な減衰プロファイルを示す。減衰プロファイルは、EPRIにより得られたものと同様の減衰パターンを示した。減衰速度は、最小二乗法により、線形部分(7.5分から測定の終了(20分)まで)から得た。腫瘍の脚におけるシグナル減衰は、正常な脚よりも速かった。しかし、正常な脚と腫瘍の脚との間の、最大シグナル強度の差異は、EPRIより得られた結果より小さい。両ROIの減衰定数を、最小二乗法により得た。正常な脚及び腫瘍の脚の両方の減衰定数は、EPRIからの結果よりも大きかった。
腫瘍の中心部分を含む二の冠状スライス(厚さ2mm)を、注意深く選択する。ROI−1及びROI−2を、Tマッピングに基づいて決定した。SPGRベースのT強調画像は、ニトロキシル造影剤の投与後に強度が増強されることを示した。全部で60枚のSPGR画像の時間シーケンスを、20分のスキャンの間に得た。従って、各画像(2スライスを含む)を、20秒ごとに得た。最初の6枚の画像(これらは、注射の前に得た)を、平均化した。次いで、各画像を、平均化した初期画像により除算した。
SPGR画像強度は、迅速に、ほぼ60%に上昇し、そして徐々に減少した。正常な組織は、最大強度に達するのに僅かな遅延を示す。注射の0.5分後に得た画像は、腫瘍組織においてのみシグナル増加を示した。しかし、注射の1.8分後に得た画像は、腫瘍組織及び正常な組織の両方において、同様のシグナルレベルを示した。図5は、ROIにおける平均化した百分率差異の片対数プロットを示す。両ROIの減衰定数値は、最小二乗法により得た。腫瘍の脚における減衰速度は、正常な脚よりも大きかった。
インビボEPR分光学的測定、EPRI及びMRIより得られた、マウスの腫瘍組織及び正常組織におけるニトロキシル造影剤の減衰定数を表3に要約する。
全ての方法は、腫瘍の脚において、より速い減衰を示した。MRIにより推定された減衰定数の値は、これらの方法の中で最大であった。
前述のものにより、ニトロキシル造影剤を用いたMRI技術が、腫瘍組織及び正常組織の酸化還元状態に関する、信頼性ある情報を提供することが実証される。
本明細書中に引用された全ての参考文献(刊行物、特許出願及び特許を含む)は、各参考文献が、個々に及び具体的に、参照により援用されていると指摘され、そしてその全体が本明細書中に記載されているのと同じ程度に、本明細書中に、参照により援用される。
本発明を記載する文脈において(特に、添付の請求項の文脈において)、用語「一の(a)」及び「一の(an)」及び「この(the)」及び同様の指示対象の使用は、本明細書中に他に示唆なき限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「が挙げられる(including)」及び「含有する(containing)」は、他に注釈なき限り、オープンエンドの用語として解釈されるべきである(即ち、「が挙げられるが、これ(ら)に限定されない」を意味する)。本明細書中での値の範囲の列挙は、本明細書中に他の示唆なき限り、単に、当該範囲内に収まる別個の各々の値に、個々に言及する便法として役立つことを意図しているに過ぎず、そして各々の別個の値は、本明細書中に、当該値が、本明細書中に個々に列挙されているかのように援用される。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に他の示唆なき限り、又はそうでなければ文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で遂行され得る。本明細書中に記載される任意の及び全ての例、又は例示的な言い回し(例えば、「例えば(such as)」の使用は、他に特許請求されない限り、単に、より十分に本発明を示すことを意図するのみであって、本発明の範囲を限定するわけではない。本明細書中の如何なる言い回しも、本発明の実施に必要不可欠な、特許請求されていない任意の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態(本発明を実行するための、発明者らの知っている最良の形態を含む)が、本明細書中に記載される。好ましい実施形態の変形は、前述の記載を読めばすぐに当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が、このような変形を適宜用いることを予期し、そして本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されるのとは別の様式で実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法により許可される、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修飾及び均等物を包含する。更に、本明細書中に他の示唆なき限り、又はそうでなければ文脈に明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形での上述の要素の任意の組み合わせが、本発明により包含される。
図1は、ニトロキシルラジカルの減衰速度を比較する一連のグラフである。この減衰速度は、経時的な種々の組織におけるTempol、Carbamoyl−PROXYL及びCarboxyl−PROXYLの、MRIにおける造影の、経時的な変化により決定される。 図2は、T1造影変化(左側のY軸)及び全窒素酸化物体積(右側のY軸)のグラフであり、これは、腫瘍組織の酸化還元状態と正常な組織の酸化還元状態(これらは、MRIにおける造影の経時変化により決定される)とを、本発明に従って、インビボMRI及びニトロキシル造影剤Tempolを用いて比較する。 図3は、正常な脚及び腫瘍の脚における、電子常磁性共鳴(EPR)シグナル強度の経時変化を示すグラフである。 図4は、EPR分光測定法により観測した、正常な脚及び腫瘍の脚中の、ニトロキシル造影剤Carbamoyl−PROXYL(3CP)の減衰プロファイルのグラフである。 図5は、本発明に従う、MRIによる、正常な脚及び腫瘍の脚における、3CPの造影シグナル強度の経時的変化の時間経過のグラフである。

Claims (25)

  1. 動物組織中の目的の領域の酸化還元状態を決定するための方法であって、以下:
    a)該目的の領域にニトロキシル造影剤を投与する工程、
    b)該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、及び
    c)該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定し、該目的の領域の該酸化還元状態を決定する工程
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記目的の領域中の前記ニトロキシル造影剤の減衰速度を決定する工程を包含する、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記減衰速度が、時間の関数としての磁気共鳴画像強度の変化として計算される、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記目的の領域が、正常酸素圧の組織及び低酸素の組織からなる群より選択される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、前記低酸素の組織が、腫瘍組織である、方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、前記正常酸素圧の組織が、前記低酸素の組織と隣接している、方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の方法であって、前記動物組織が、ヒト組織である、方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の方法であって、前記目的の領域の磁気共鳴画像を少なくとも一つ得、その後、前記ニトロキシル造影剤を、該目的の領域に投与する工程を包含する、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記動物組織の酸化還元状態が、前記ニトロキシル造影剤の投与後の一以上の時点で得た磁気共鳴画像を比較することにより決定される、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記磁気共鳴画像が、スポイルドグラジエントエコー(SPGR)磁気共鳴画像技術により得られる、方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記ニトロキシル造影剤が、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン−N−オキシル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール−N−オキシル、N−d16−トリアセトンアミン−N−オキシル及びトリアセトンアミン−N−オキシル並びにこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記正常酸素圧の組織中の目的の領域及び低酸素の組織中の目的の領域の、磁気共鳴画像が得られ、該正常酸素圧の組織が、該低酸素の組織に隣接して位置し、かつ、該正常酸素圧の組織及び低酸素の組織の酸化還元状態が決定される、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記低酸素の組織が、腫瘍組織である、方法。
  14. 動物組織中の目的の領域中の腫瘍を診断するための方法であって、以下:
    a)ニトロキシル造影剤を、動物組織に投与する工程であって、該動物の目的の領域が、モニタリングされる、工程、
    b)該目的の領域の磁気共鳴画像を得る工程、
    c)目的の領域に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程、
    d)該目的の領域に隣接する組織中の、還元されたニトロキシル造影剤の量を決定する工程、
    e)該目的の領域中の還元されたニトロキシル造影剤の量を決定し、該目的の領域に隣接する組織の酸化還元状態を、該目的の領域の酸化還元状態と比較して決定する工程、並びに
    f)腫瘍が存在するかを、該目的の領域の酸化還元状態に基づいて診断する工程
    を包含する、方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、前記目的の領域中のニトロキシル造影剤の減衰速度を決定する工程を包含する、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記減衰速度が、時間の関数としてのMRI画像強度の変化として計算される、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記目的の領域中の酸化還元状態を、該目的の領域中の前記ニトロキシル造影剤の減衰速度に基づいて決定する工程を包含する、方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記目的の領域の還元されたニトロキシル造影剤の量と該目的の領域に隣接する組織の還元されたニトロキシル造影剤の量との間の差異が最大になる時間を決定する工程を包含する、方法。
  19. 請求項14〜請求項18のいずれかに記載の方法であって、前記目的の領域が、腫瘍である、方法。
  20. 癌処置プロトコールを決定するための方法であって、以下:
    a)ニトロキシル造影剤を、腫瘍を有する被検体に投与する工程、
    b)該腫瘍の磁気共鳴画像を得る工程、
    c)該腫瘍に隣接する組織の磁気共鳴画像を得る工程、
    d)該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、
    e)該腫瘍に隣接する組織中のニトロキシル造影剤の量を決定する工程、及び
    f)該腫瘍中のニトロキシル造影剤の量と該腫瘍に隣接する組織中のニトロキシル造影剤の量とを比較して差異を決定し、放射線の線量を投与するのに適切な時間を決定する工程を包含する、方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記目的の領域中のニトロキシル造影剤の減衰速度を決定する工程を包含する、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、前記減衰速度が、時間の関数としてのMRI画像強度の変化として計算される、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、前記目的の領域の酸化還元状態を、該目的の領域中のニトロキシル造影剤の減衰速度に基づいて決定する工程を包含する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記放射線処置の線量を投与する時間が、前記腫瘍中の還元されたニトロキシル造影剤の量と該腫瘍に隣接する組織中の還元されたニトロキシル造影剤の量との差異が最大になる時であるように決定される、方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、前記ニトロキシル造影剤が、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン−N−オキシル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール−N−オキシル、N−d16−トリアセトンアミン−N−オキシル及びトリアセトンアミン−N−オキシル並びにこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、方法。
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