JP2009503093A - インスリン産生細胞の機能を保持する方法 - Google Patents

インスリン産生細胞の機能を保持する方法 Download PDF

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Abstract

本発明により、インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の機能を保持し、インスリン産生細胞の寿命を延ばす方法および組成物が、提供される。また、本発明により、インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞を保持するための薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用が提供される。この使用において、上記薬剤の少なくとも1つの用量が上記患者に投与され、そしてここで上記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、そして上記インスリン産生細胞の機能を保持する。

Description

(発明の分野)
本発明はインスリン産生能力があるにもかかわらず不当に早い時期にインスリンを放出するインスリン関連性疾患の患者において、膵臓への負担を減らし、インスリン産生細胞の寿命を延ばす方法に関するものである。
(発明の背景)
現在、世界中で少なくとも2億人が真性糖尿病(以後、糖尿病とする)にかかっている。糖尿病の2つの主要サブタイプは1型と2型である。1型糖尿病が2億人の糖尿病患者の約10%を占める。1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島にあるインスリン分泌性β細胞の自己免疫破壊によっておきる。2型糖尿病は患者の残る90%を占め、罹患率は増加しつつある。2型糖尿病は必ずとは言わないまでも肥満と関係していることが多く、これまでは遅発性または成人期発生性糖尿病とされていたにもかかわらず、今ではより若い人々に広がりつつある。2型糖尿病はインスリン抵抗性と不適切なインスリン分泌との組み合わせによっておきる。
(インスリンの生理的役割)
侵襲されていない健常者では、基礎的グルコースレベルが固有のフィードバック・ループによって毎日同一に保持される傾向がある。血中グルコース濃度のあらゆる増加傾向は、インスリン分泌の増加およびグルカゴンの分泌抑制によって相殺される。これらは肝グルコース産生(グルコース新生およびグリコーゲン貯蔵庫からの放出)と組織のグルコース取り込みとを調節して血中グルコース濃度を一定に保つ。患者の体重が増加するか、もしくはその他の何らかの理由でインスリン抵抗性になった場合、血中グルコースレベルは増加し、その結果インスリン抵抗性を補うためにインスリン分泌が増加する。こうして、グルコースおよびインスリン濃度の変化を最小にし、その一方でグルコースの比較的正常な産生および利用が維持されるように、グルコースおよびインスリンレベルが調節される。
異なる5つのインスリン分泌相が確認されている:(1)吸収後の状態でインスリンが放出される基礎的インスリン分泌;(2)任意の栄養が腸から吸収される前に、膵臓の神経支配が仲介する食物の外観、匂いおよび味によってインスリン分泌がトリガーされるという脳相;(3)β細胞がグルコースまたはその他の分泌促進物質の急速な増加にさらされた最初の5−10分以内にインスリンの初期大量放出が行われる第一相インスリン分泌;(4)インスリンレベルの上昇がより緩慢に、上記の刺激の程度および持続時間に関連して起きる第二相インスリン分泌;(5)in vitroにおいてのみ報告されているインスリン分泌の第三相。これらの段階において、インスリンはその他の多くのホルモンと同様に脈動的に分泌され、その結果血液中にオシレーション的濃度をもたらす。オシレーションは、血中グルコース濃度の変動に関連したより緩慢なオシレーション(80−120分ごとに発生する)に重なる速い脈動(8−15分ごとに発生する)を含む。
インスリン分泌はグルコースのほかにもその他のエネルギー物質(特にアミノ酸)によって、並びにホルモンおよび薬剤によって誘起されることがある。食物摂取後に認められるインスリン反応は単に血中グルコースレベルの上昇だけによっては説明できず、食事中の遊離脂肪酸およびその他の分泌促進物質の存在、神経的に活性化された脳相および胃腸ホルモンなど、その他の要因にも依存することは注目すべきである。
人に静脈内グルコース投与をすると、ピークを有する急速な上昇、ピーク間の最低点、およびそれに続く緩徐に増加する相を含む二相性インスリン反応が見られる。この二相性反応は、グルコース注射後またはグルコース注入後など、グルコース濃度が速やかに上昇する場合にのみ見られる。生理的条件下でみられるグルコース量の緩徐な増加は、インスリン分泌のより緩徐な増加を誘起し、グルコースの単回注射に反応した時に見られるはっきりした二相性反応は見られない。
正常な生理的条件下における第一相インスリン反応のモデル化によって、グルコース静脈内単回注射後(約3−10分でCmaxに達した)に比べて食後グルコース濃度がより緩徐に増加する(約20分後にCmaxに達した)ことが示された。
健康な膵臓β細胞は食事のようなグルコース投与に速やかに反応し、門脈循環および末梢の両方の血清インスリンを速やかに増加させる。逆に、第一相インスリン反応が侵害されている不全β細胞は食事様グルコース投与に対してにぶい反応を起こす。
証拠により、グルコース摂取後の初期の比較的速いインスリン反応は、食後のグルコースホメオスタシスの維持に重要な役割を演ずることがますます明らかになってきた。インスリン濃度の早期の急増は、主として内因性グルコース産生を阻害することによって初期グルコース可動域を制限することができる。そこで、糖尿病患者における速やかなインスリン反応の誘発は血中グルコースホメオスタシスの改善をもたらすことが期待される。
健常者において、食事は大量のインスリン分泌を誘発し、血清インスリン濃度において比較的速いスパイクを生じ、それはその後比較的速やかに崩壊する(図1参照)。この初期相のインスリン反応が、肝臓からのグルコース放出の遮断または減少の原因である。そこでホメオスタシスメカニズムは、グルコース負荷に対するインスリン分泌(および血清インスリンレベル)にマッチする。これは少し上昇した血清インスリンレベルが徐々に崩壊してベースラインに戻る様態として認められ、第二相動態である。
(糖尿病)
糖尿病の重要な特徴はβ細胞機能不全である。1型および2型糖尿病の両方における疾患の進行中の早期におきる1つの異常は、食べることにより誘起される速やかなインスリン反応の喪失である。したがって、肝臓はグルコースを生産し続け、それは消化され、食事の基礎的成分から吸収されるグルコースに加わる。
2型糖尿病は一般的には血中グルコースレベルの増加に対して遅い反応をあらわす。健常者は通常、食物消費後2−3分以内にインスリンを放出し始めるが、2型糖尿病患者は血中グルコースが上昇し始めるまで内因性インスリンを分泌せず、その後、濃度が徐々にに上昇して長いプラトーに達する第二相動態を有する。その結果内因性グルコース産生は遮断されず、消費後も続き、患者は高血糖症(高い血中グルコースレベル)になる。2型糖尿病のもう一つの特徴はインスリン抵抗性と名付けられるインスリン作用の障害である。インスリン抵抗性はそれ自体、最大グルコース排泄速度(GERmax)の低下およびGERmaxに達するために必要な高インスリン濃度の低下として示される。こうして、所定のグルコース負荷を処理するためにより多くのインスリンが必要となり、その高インスリン濃度が長期間維持されなければならない。したがって、その糖尿病患者は高いグルコース濃度にも長時間さらされ、それはインスリン抵抗性をさらに悪化させる。その上、高いグルコースレベルが長引けば、それ自体β細胞に有毒である。
1型糖尿病は、膵臓のインスリン産生細胞(β細胞)が体自体の免疫系によって破壊される結果として起きる。これは結局は完全なインスリンホルモン欠乏症を起こす。しかし発病直後の期間中、大部分の患者は“ハネムーン”期を通過する。初期相インスリン放出はなくなっても、残りのβ−細胞がまだ機能しており、若干のインスリンを産生し、それは第二相動態において放出される。糖尿病の長期合併症の多くを回避するためには一部のβ細胞の機能でも重要であるため、この糖尿病研究の1つの焦点はこれら残っているβ細胞の機能の保持である。
2型糖尿病は種々の、あまり理解されていない環境から発生する。初期相インスリン放出の早期喪失およびその結果としての連続的グルコース放出は、グルコース濃度の上昇を起こす。高グルコースレベルはインスリン抵抗性を促進し、インスリン抵抗性は血清グルコース濃度を持続的に上昇させる。この状況は、より高濃度のインスリンでも血中グルコースレベルをそれほど効果的には調節しないという自己増幅サイクルに導くことがある。その上、上記のように、上昇したグルコースレベルはβ細胞には有毒であり、機能的β細胞の数を減らす。膵島に栄養を与える微小血管系の成長または維持を損傷する遺伝的欠陥もこれらの悪化に或る役割を演じることがある(非特許文献1) 場合によっては、膵臓が打撃を受け、ある人々では亢進して1型糖尿病患者と同様なインスリン欠乏症があらわれる。
(治療)
インスリン治療は1型糖尿病の標準的治療である、というのはハネムーン期にはほとんどの患者が確定されていないからである。初期2型糖尿病は食事療法および運動で処置できる。大部分の早期2型糖尿病患者は現在は経口的抗糖尿病薬で治療されているが成功例は限られている。患者は病気が進むにつれてインスリン治療に移行する。しかしこれらの治療では治癒しない。
現在のインスリン治療方式は内因性産生インスリンを補充または置換して基礎的および第二相のようなプロフィールを作ることができるが、第一相動態をそっくり模するものではない(図2参照)。その上、従来のインスリン治療は1日にたった1回または2回のインスリン注射を含むことが多い。しかし、血中グルコースレベルをより良くコントロールするためのより強い治療、例えば1日に3回以上の投与は、明らかに有効であるが(例えば非特許文献2)、多くの患者はこれら付加的注射を受けることをいやがる。
最近までは、皮下(SC)注射がインスリンを1型および2型糖尿病患者に供給する唯一の経路であった。しかし、SCインスリン投与は、投与されたインスリンの最良の薬物動態にはつながらない。血液中への吸収は(速効性インスリン類似体でさえも)血清インスリン濃度における速スパイクの食事性生理的インスリン分泌パターンを模さない。皮下注射はインスリンを2型糖尿病に提供するためにもあまり理想的でなく、また作用の発現が遅く、変動的で、浅薄であるため、インスリン作用を実際には低下させるかも知れない。しかし、もしインスリンを食事と共に静脈注射するならば、早期2型糖尿病は肝臓のグルコース放出の遮断を経験し、高い生理的グルコースコントロールを示すことが判明した。その上、それらの遊離脂肪酸レベルはインスリン治療をしない場合と比べてより速い速度で低下する。インスリンの静脈内投与は多分2型糖尿病の治療に有効であるが、それは合理的解決ではない。なぜならば全ての食事ごとにインスリンを静脈内投与することは患者にとって安全でなく、または実行不可能だからである。
糖尿病の治療処置の進歩にもかかわらず、糖尿病は依然として、治療しないままにすると末期の器官合併症および早過ぎる死に関連するかも知れない障害性慢性疾患である。そこで多くの研究者は、慢性インスリン注射、度々行われる血液グルコース検査、および食事および運動に関する厳しい監視の必要性を緩和することを望み、移植法に期待してきた。遺伝子および細胞ベースの治療における最近の進歩は、糖尿病の治療法を見いだす希望をもたらした。これらは存在するβ−細胞を複製または新生によって再生し、胚性幹細胞を操作してβ細胞に分化させ、膵臓または肝臓前駆体細胞を利用してインスリン源として役立てる試みなどを含む。最近の研究は、糖尿病患者自身の肝臓からの移植された遺伝子工学的肝細胞からインスリンが上首尾に生産されることを証明した。臨床的利用に達している細胞性糖尿病治療の最も進歩したアプローチはβ細胞の移植である。移植患者において、これら治療を受けた患者の何人かにインスリン非依存性の証拠がみられる。β細胞移植は全器官移植より負担が少ない。なぜならば膵臓の内分泌腺部分(膵島)だけが経皮カテーテルを介して移植されるからである。この研究領域の結果は、Dr.James Shapiro of Edmonton、(カナダ)(非特許文献3)によって進捗するまでは絶望的であった。Dr.Shapiroはエドモントン(Edmonton)プロトコルを開発した。エドモントンプロトコルはコルチコステロイドを含まない抗拒絶治療体制を用い、十分な数の膵島を移植する(1回の移植につきドナー臓器約2−4個が必要であった)。このグループの報告によれば、7名の連続1型糖尿病患者が膵島移植後1年間インスリン非依存性になった。(非特許文献4)。しかし3年過ぎると、インスリン治療に戻ることからわかるように、移植した膵島は機能しなくなる。
膵島移植の背後にある前提は、臓器ドナーの膵臓を処理して、内分泌ホルモンを分泌する腺(ランゲルハンス島、またはそのβ細胞)の5%を残りの95%の外分泌機能に関係する腺(消化酵素の分泌)から分離することである。分離した後、インスリン産生膵島を肝静脈に置かれた細いチューブを介して注入する。肝静脈は血液を腸から肝臓に運搬する主要静脈である。注入されると、その血流は膵島を肝臓に運搬し、それら膵島はそこに留まり、インスリンを作り始め、血糖を調節する。この方法は約2−4個のドナー膵臓(死体からのもの)および、移植拒絶を防ぐための免疫抑制処置を用いる。
膵島移植法に関する一つの問題は、膵島細胞の寿命である。患者らは2年間もインスリン非依存性である。その後彼らは、移植前に比べて少ない用量ではあるが、インスリン療法に戻るのが一般的である。膵島が機能しなくなる理由は明らかでないが、膵島細胞が侵襲を受け、全体的機能が落ちることが示唆される。
膵島移植体レシピエントで得られる血糖コントロールは、インスリン治療で、および食事療法と運動によって得られるものより一般的にすぐれている。膵島機能が持続する限り、ひどい低血糖の症例の報告は、もしあったとしても、ごくわずかであった。しかし患者らは低血糖に対する‘正常な’カウンタレギュラトリーホルモン反応を回復しない。少数の患者だけがアメリカン・ダイアビティス・アソシエーション(American Diabetes Association)基準による正常な血中グルコースレベルに到達する。静脈内グルコース注入によって急性第一相インスリン反応を起こす際、移植に成功した患者の膵島は健常者に比較して著しく低いインスリンピークを示す。
Clee,S.M.,et al.Nature Genetics 38;688−693、2006 Nathan,D.M.et al.,N Engl J Med 353:2643−53、2005 Shapiro et al.,Diabetes July 2002,5:2148 Hirschberg B et al.,Diabetes/Metabolism Research and Reviews 2003;19:175−178
こうしてこの病気の“ハネムーン”期の1型糖尿病、2型糖尿病(β細胞機能は残っている)、およびβ細胞移植体レシピエントは異なる病因にもかかわらず全員が下記の同様な膵機能不全を示す:不十分な初期相インスリン放出および効果の薄い第二相放出。生理的初期相放出の欠乏を補い、それによってβ細胞機能を延長または保持することが本発明の目的である。
(発明の概要)
ハネムーン期の1型糖尿病、初期相2型糖尿病および膵島移植患者における膵臓への負担を減らし、インスリン産生細胞の寿命を延長するために有用な方法および組成物が提供される。この方法の実施形態は、血清プロインスリンレベルを十分に減らしおよび/またはグルコース可動域を十分にコントロールする量のインスリンを使用して、食事関連性初期相インスリン反応を模する様態でインスリンを投与することを含む。初期相動態を模して、投与後約12分〜約30分以内にピーク血清インスリンレベルに到達させることができる。血清インスリンレベルは投与の約2または3時間以内にベースラインに戻ることもある。一実施形態において、インスリン治療を必要とする患者にインスリンを食事時間に投与する、すなわち、食事開始前約10分以内、より好ましくは約5分以内、または食事開始後30、25、15、または10分以内に投与する。(正常な胃内空化を有する患者では、食事後のより短い時間が好ましく、より長い時間が適するのは胃内空化が遅い患者である)。好ましい実施形態において、単位量吸入器の使用によってフマリルジケトピペラジンとインスリンとの錯体の乾燥粉末組成物を吸入させることによって、肺内デリバリーが実現する。本明細書に使用される用語“フマリルジケトピペラジン”(FDKP)はその塩類も含むものとする。好ましい投与量はフマリルジケトピペラジンと錯化したインスリンまたはその同等物約15〜90IUの範囲、または24IUより多い量である。
インスリン産生細胞の寿命を延ばす方法の実施形態には次のような方法が含まれる:膵臓への負担を生理的(または内因性)第一相または初期相インスリン反応の喪失として測定するもの;補助的インスリン療法をせずに膵臓への負担を血清プロインスリンレベルの上昇として測定するもの;急性グルコース可動域による酸化ストレスを膵臓への負担の代わりに測定する(例えば遊離8−イソプロスタグランジンF2α(8−isoPGF2α)の24時間分泌速度として)もの;および膵臓への負担ををその他の処置をしない場合の血中グルコースレベルのコントロール能力の悪化、分泌能力(例えば刺激されたC−ペプチド)の減少、インスリン感受性の減少(例えばHOMA−S:Homeostasis Model Assessment of Insulin Sensitivity)によって決定するものなど。インスリン産生細胞の寿命はβ細胞の質量またはアポトーシスに対する感受性の測定によっても評価できる。
本発明のもう一つの局面は、インスリン産生細胞の保持のために有用な組成物を含む。その組成物は徐放性インスリン組成物である。
本発明のまた別の局面は、インスリン産生細胞の保持のために有用な組成物を含む。その組成物は、インスリン組成物を含む遅効性製剤を含む。
本発明の一実施形態において、インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者におけるインスリン産生細胞の機能を保持する方法であって、インスリン関連性疾患を有する前記インスリン非依存性患者にあるインスリン量を用意し;前記インスリン用量を前記患者に投与し;前記インスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、前記患者の前記インスリン産生細胞の機能を保持する前記方法が提供される。
もう一つの実施形態において、インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者はハネムーン期の1型糖尿病患者である。もう一つの実施形態において、インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者はインスリン産生細胞移植体レシピエントである。また別の実施形態において、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者は2型糖尿病患者である。
本発明のまた別の実施形態において、インスリン用量を経口的に投与する。また別の実施形態において、インスリン用量は吸入される。また別の実施形態においてインスリン用量は乾燥粉末組成物を含む。
本発明の一実施形態において、インスリン用量は血清プロインスリンレベルを十分に下げる量を含む。また別の実施形態において、インスリン用量はグルコース可動域を十分にコントロールする量を含む。また別の実施形態において、インスリンは投与後約15分以内にピーク血清レベルに達する。また別の実施形態において、ピーク血清インスリンレベルは少なくとも60mU/Lである。また別の実施形態において、インスリン投与量は血糖レベルを十分コントロールする。また別の実施形態において、インスリン投与は肝臓からのグルコース放出を十分減少させる。
本発明のまた別の実施形態において、前記インスリン用量はインスリンと結合したフマリルジケトピペラジン(FDKP)を含む。また別の実施形態において、インスリン用量は約15IU〜約90IUのFDKPインスリンに匹敵する範囲内である。
本発明の一実施形態において、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者における食後の膵臓への負担を緩和する方法であって:治療すべきインスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者を用意し、血中グルコースレベルを十分コントロールし、血清中プロインスリンレベルを十分減らす量のインスリンをその患者に投与し;そのインスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、膵臓への負担を緩和することを含む前記方法が提供される。
本発明のもう一つの実施形態において、患者のインスリン産生細胞移植体の寿命を延長する方法であって:治療すべきインスリン産生細胞移植体レシピエントを用意し、血中グルコースレベルを十分コントロールし、血清プロインスリンレベルを十分低下させる量のインスリンをその患者に投与し;そのインスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、膵臓への負担は減弱し、インスリン産生細胞の寿命が助長されることを含む前記方法が提供される。
本発明の一実施形態において、患者におけるインスリン産生細胞の機能を保持する方法であって:インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者、あるインスリン用量および免疫抑制剤を用意し;そのインスリン用量を患者に投与し、そのインスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し;免疫抑制剤を上記インスリン用量と組み合わせて患者に投与して自己免疫反応を緩和することを含む前記方法が提供される。
本発明の実施形態において、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の保持に有用な組成物であって、徐放性インスリン組成物を含む組成物が提供される。
本発明のもう一つの実施形態において、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の保持に有用な組成物であって、インスリン組成物を含む遅効性製剤を含む組成物が提供される。
本発明の一実施形態において、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の機能を保持するための方法であって:ハネムーン期の1型糖尿病患者またはインスリン産生細胞移植体レシピエントである、インスリン関連性異常を有するインスリン非依存性患者、およびあるインスリン用量を用意し;前記インスリン用量を前記患者に投与し;前記インスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、前記患者の前記インスリン産生細胞の機能を保持することを含む前記方法が提供される。
本発明のまた別の実施形態において、インスリン関連性異常を有する患者のインスリン産生細胞の機能を保持するための方法であって:基礎的インスリン以外のインスリン組成物で治療されたことのないインスリン関連性疾患患者とある量のインスリン用量とを用意し;前記用量のインスリンをその患者に投与し;前記インスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、前記患者のインスリン産生細胞の機能を保持することを含む前記方法が提供される。
本発明のまた別の実施形態において、インスリン関連性異常を有する患者のインスリン産生細胞の機能を保持するための方法であって:初期相インスリン放出を失い、血清グリケート化ヘモグロビン(HbA1c)レベルが8%未満であるインスリン関連性疾患患者をあるインスリン用量と共に用意し、そのインスリン用量を患者に投与し、そのインスリン用量は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、その患者のインスリン産生細胞の機能を保持することを含む前記方法が提供される。また別の実施形態において、ある用量のインスリンが15gより多い炭水化物を含む任意の食事と共に投与される。また別の実施形態において、患者は食事によるインスリン療法体制にはない。また別の実施形態において、患者は正常範囲内の血清プロインスリンレベルを有する。また別の実施形態において、患者は酸化ストレスが増加する証拠を示し、その酸化ストレスは8−isoPGF(2a)レベルによって測定される。もう一つの実施形態において、血清HbA1cレベルは7%未満である。もう一つの実施形態において、血清HbA1cレベルは6.5%未満または6%未満である。
(用語の定義)
発明について述べる前に、以後使われる幾つかの用語を理解することが有用であると思われる:
乾燥粉末:本明細書に使用される“乾燥粉末”とは噴射剤、担体またはその他の液体に懸濁または溶解されていない微細な粒状組成物を言う。水分子が全くないことを意味するものではない。
初期相:本明細書に使用する“初期相”とは食事に反応して起きるインスリン濃度の上昇を意味する。食事に反応したインスリンのこの早期の上昇は第一相と呼ばれることもある。
可動域:本明細書に使用する“可動域”とは食前のベースラインまたはその他の出発点の上または下にある血中グルコース濃度を言う。可動域は一般に時間の経過に伴う血中グルコースのプロットの曲線下面積(AUC)としてあらわされる。AUCは種々のやり方で表現できる。ある場合には正の領域および負の領域を作り出すベースラインから下への低下および上への上昇の両方がある。ある計算は正AUCから負AUCを引き、ある計算はそれらの絶対値を加える。正および負のAUCsは別々に考えることもできる。より複雑な統計的評価も使用できる。ある例では、正常範囲外に上昇または低下する血中グルコース濃度も意味することができる。正常血中グルコース濃度は空腹状態の人では通常70および110mg/dLの間であり、食事を食べた2時間後では120mg/dL未満、食後で180mg/dL未満である。
第一相:本明細書に使用する“第一相”とはグルコースの単回静脈注射によって生成するようなインスリンレベルのスパイクを言う。第一相インスリン放出は血中インスリン濃度のスパイクを生ずる。それは急速なピークであり、その後比較的速く消失する。第一相インスリン放出は初期相とも呼ばれる。
グルコース排出速度:ここに用いる“グルコース排出速度”は、グルコースが血液から消失する速度であり、試験期間中、安定血中グルコースを維持するために必要なグルコース注入量によって決定される。この安定血中グルコースは約120mg/dLとすることが多い。このグルコース排出速度は、GIRと略称されるグルコース注入速度に等しい。
ハネムーン相:本明細書に使用する1型糖尿病の“ハネムーン”相とはこの病気の早期段階を言う。ここでは初期相インスリン放出が消失し、残っているβ細胞がまだ機能して若干のインスリンを産生しており、そのインスリンは第二相動態で放出される。
高血糖症:本明細書に用いる“高血糖症”は正常な空腹時血糖濃度より高い濃度であり、通常126mg/dL以上である。幾つかの研究において、高血糖症状の発現は280mg/dL(15.6mM)を超える血中グルコース濃度と定義された。
低血糖症:本明細書に使用される“低血糖症”とは正常血糖濃度より低い、通常63mg/dL 3.5mM)未満の濃度である。臨床的に意味のある低血糖症とは63mg/dLより低い血中グルコース濃度、または公認された低血糖の症状であり、適切なカロリー摂取で回復する、低血圧、フラッシュおよび衰弱などの症状を患者におこす血中グルコース濃度と定義されている。重症低血糖とはグルカゴン注射、グルコース注入またはその他のパーティーの助けを必要とする低血糖症状と定義されている。
近接:本明細書に使用される、食事に関して用いられる“近接”とは、時間的に食事開始に近い期間を言う。
インスリン組成物:本明細書に使用される“インスリン組成物”とは、哺乳動物に投与するのに適したインスリンの任意の形であり、哺乳動物から単離されたインスリン、組換えインスリン、その他の分子と結合したインスリンを含み、肺、皮下、鼻内、経口、頬および舌下を含む任意の経路によって投与されるインスリンも含む。インスリン組成物は吸入のための乾燥粉末または水溶液;皮下、舌下、頬、鼻内または経口投与のための水溶液および経口および舌下投与のための固体投与形として処方できる。
インスリン関連性疾患:本明細書に使用する“インスリン関連性疾患”は哺乳動物においてインスリンの産生、調節、代謝および作用に関係する障害を言う。インスリン関連性疾患は非制限的に、前糖尿病、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、低血糖、高血糖、インスリン抵抗性、分泌異機能、膵臓β細胞機能の喪失、および膵臓β細胞の喪失を含む。
インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者:本明細書に使用する“インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者”とは、外因性インスリン投与が診断に対する現在の標準的治療法とはならない障害を有する患者を言う。外因性投与インスリンで治療されないインスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者には早期の2型糖尿病、ハネムーン相の1型糖尿病、前糖尿病およびインスリン産生細胞移植体レシピエントが含まれる。
インスリン抵抗性:本明細書に使用される用語“インスリン抵抗性”とは患者の細胞がインスリンを正当に使用できないことを言う。膵臓はより多量のインスリンを産生することによって細胞レベルでこの問題に反応する。結局、膵臓は体のインスリン需要に追いつくことができず、過剰のグルコースが血流中に蓄積する。インスリン抵抗性を有する患者では、彼らの血液中を高レベルの血中グルコースと高レベルのインスリンとが同時に循環していることが多い。
微粒子:本明細書に使用する用語“微粒子”はジケトピペラジン単独かまたはジケトピペラジンと1種類以上の薬剤との組み合わせのいずれかからなる外殻を有するマイクロカプセル類を含む。それは球体全体に分散した薬剤を含む微小球;不規則な形の粒子;および薬剤が粒子の表面(類)にコーティングされている粒子またはその中の隙間を薬剤が埋めている粒子も含む。
食事周辺:本明細書に使用される“食事周辺”は食事または間食を摂取する少し前に始まり、摂取後間もなく終わる時間を言う。
食後:本明細書に使用される“食後”は食事または間食の摂取後の時間を言う。ここに使用される“食後遅く”は食事または間食の摂取後、3、4時間以上の時間について言う。
強化:強化とは、一般に、ある薬剤が上記強化なしでは達し得ないレベル以上に、その薬剤の効果または活性を高める条件または作用を言う。それは上記の増加した効果または活性を直接意味することもある。本明細書に用いられる“強化”は特に、増加した血中インスリン濃度がそれに続くインスリンレベルの効果を押し上げることができ、例えばグルコース排出速度を高めることを言う。
食事の(prandial):本明細書に使用される“食事の”は食事または間食について言う。
前糖尿病患者:本明細書に用いられる用語“前糖尿病患者”は、異常な空腹時グルコースまたは異常な耐糖能を有する患者、すなわち空腹時血糖値が100mg/dL(5.5mmol/L)と126mg/dL(7.0mmol/L)との間にあり、食後2時間の血糖値が146mg/dL(7.9mmol/L)と200mg/dL(11.1mmol/L)との間にある患者を言う。
第二相:本明細書に使用する用語“第二相”は少し上昇した血中インスリンレベルが、第一相が過ぎた後に徐々に崩壊してベースラインに戻ることを指す。第二相は上昇した血中グルコースレベルに反応したインスリンの非スパイク型放出と言うこともできる。
TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリン:本明細書に用いられる“TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリン”または“TI”は、レギュラーヒトインスリンおよびドラッグ・デリバリー・システムであるTECHNOSPHERE(登録商標)微粒子を含むインスリン組成物を言う。TECHNOSPHERE(登録商標)微粒子はジケトピペラジン、特に3,6−ジ(フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジン(フマリルジケトピペラジン、FDKP)を含む。すなわち、TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンはFDKP/ヒトインスリン組成物を含む。
本明細書に使用される“ジケトピペラジン”または“DKP”はジケトピペラジンおよび塩類、誘導体類、類似体および一般式1の範囲内に入るそれらの変形物を含む。式1において、位置1および4の環原子EおよびEはOまたはNであり、位置3および6にそれぞれ位置する側鎖RおよびRの少なくとも1つはカルボン酸(カルボキシレート)基を含む。式1による化合物類は非制限的に、ジケトピペラジン類、ジケトモルホリン類およびジケトジオキサン類およびそれらの置換類似体である。
Figure 2009503093
ジケトピペラジン類は空気力学的に適した微粒子を生成することに加えて、細胞層を横切る運搬も容易にし、さらに循環内への吸収も促進する。ジケトピペラジン類は薬剤または薬剤が吸着できる粒子を組み込んだ粒子に成形できる。薬剤とジケトピペラジンとの組み合わせは改良された薬剤安定性を与えることができる。これらの粒子は種々の投与経路によって投与できる。乾燥粉末の場合これらの粒子は吸入によって、粒子サイズに応じて呼吸器系の特定領域に運ばれる。さらにこれら粒子は静脈内懸濁液の投与型に組み込まれるほど十分小さくすることができる。経口的デリバリーも、懸濁液、錠剤またはカプセルに組み込まれた粒子によって可能である。ジケトピペラジン類は結合薬剤の吸収も容易にする。
本発明のもう一つの実施形態において、DKPは3,6−ジ(4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンの誘導体であり、アミノ酸リジンの(熱的)縮合によって形成できる。典型的誘導体は3,6−ジ(スクシニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マレイル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(グルタリル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(マロニル−4−アミノブチル)−、3,6−ジ(オキサリル−4−アミノブチル)−、および3,6−ジ(フマリル−4−アミノブチル)−2,5−ジケトピペラジンを含む。ドラッグ・デリバリーのためのDKPsの使用は当業者には公知である(例えば米国特許第5,352,461号、第5,503,852号、第6,071,497号、および第6,331,318号を参照されたい。これらの各々はジケトピペラジンおよびジケトピペラジン仲介性ドラッグデリバリーに関して教示される全てについて参考として本明細書に組み込まれる)。DKP塩類の使用は2005年8月23日に出願された同時係属米国特許出願第11/210,710号に記載されている。これはジケトピペラジン塩類に関して教示する全てについて参考として本明細書に組み込まれる。DKP微粒子を使用する肺へのドラッグデリバリーは米国特許第6,428,771号に開示される。これはそのまま参考として本明細書に組み込まれる。
TECHNOSPHERE(登録商標)/プラセボ:本明細書に使用される“TECHNOSPHERE(登録商標)/プラセボ”はインスリンと結合していないTECHNOSPHERE(登録商標)粒子を指す。
測定単位:皮下および静脈内インスリン投与量は標準化生物学的測定によって決められているIUであらわされる。フマリルジケトピペラジンと共に処方されたインスリンの量も血中インスリンの測定値と同様にIUで報告される。TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンの用量は、その用量に処方されたインスリン量に数値的に等しい任意の単位(U)であらわされる。
(発明の詳細な説明)
発明の一つの局面は、β細胞機能を保持し、それによって糖尿病性疾患の進行を止め、または弱めることである。β細胞機能は、1型および2型に、およびβ細胞移植処置後に種々のメカニズムによって発生するインスリンに対する過剰需要によって誘起される侵襲を弱めることによって保持される。本明細書に記載されるように、増加したグルコース濃度への被曝を減らし、それによってグルコース毒性を弱めることによっても機能を保持することができる。過剰のインスリン需要、血中グルコースレベルのコントロールの低下、およびその結果としてのβ細胞への侵襲が、機能の喪失およびβ細胞の死と関係する。血中グルコース濃度の急性変動に起因する酸化ストレスによる膵臓の微小血管の損傷も役割を演じているかも知れない。ここに記載されるように、生理的食事時の初期相インスリン放出を模するインスリン製剤の非静脈内投与によって、生合成需要は減り、侵襲は緩和する。
本明細書に使用するインスリン産生細胞とはランゲルハンス島のβ細胞、インスリンを産生するように遺伝子工学的操作された肝細胞または膵臓前駆体細胞、β細胞に分化する胚性または成人幹細胞、インスリン遺伝子療法で治療した細胞、またはインスリンを産生および分泌できる任意の細胞型を言う。膵臓における移植または再生の可能性のあるβ細胞源が最近研究された(Bonner−Weir,S.& Weir,G.C.,Nature Biotech.23:857−861,2005)。本明細書に開示された発明の観点は、主としてそれがβ細胞に適用されるように記載されているが、ここに記載される方法および組成物はインスリン生合成の過剰要求またはグルコース毒性などの侵襲にさらされるあらゆるインスリン産生細胞の機能の保持にも有効であるのは当然である。こうして、ハネムーン相の1型糖尿病患者、早期2型糖尿病患者、および膵島移植体またはその他のインスリン産生細胞のレシピエントの初期相インスリン反応を模する方法が、膵臓への負担の減少によってインスリン産生細胞の寿命を延ばすように設計される。
本発明に使用されるように、生理的食事性初期相インスリン放出(または同様な用語)を模することは、必ずしも生理的反応の全ての特徴を正確に複製することであるとは述べていない。それは濃度の比較的速い上昇(投与からまたはベースラインを最初に離れてから30分未満、より好ましくは約20分または15分未満)および低下(ピーク後80分、好ましくは50分、より好ましくは35分までに最大値の半分に低下)の両方を構成する血中インスリン濃度の、スパイクまたはピークを形成する方法を述べていることがある。これは、最大インスリン濃度に達するまでのより緩徐な上昇(20分から数時間に及ぶ)および最大濃度付近の長引くプラトーを生成する方法とは対照的である。それはインスリン濃度のスパイクが食事開始と確実に調和し得る方法を述べることもできる。投与後約30−90分以内、より好ましくは約45−60分以内に最大グルコース排出速度(GERmax)に達する方法にも言及される。初期相放出を模する方法は一般的に、糖尿病患者が医学的トレーニング、例えば静脈注射のトレーニングなどをしなくても自分自身に実施できる方法でもある。特殊の医学トレーニングには、[訓練された]医学専門家でない人々が日常的に用いる乾燥粉末吸入器のような医学的装置を使用するトレーニングは含まれない。本明細書に使用する“食事”、“食事類”および/または“食事時間”などは、伝統的な食事および食事時間を含む;しかしこれらは大きさおよび/またはタイミングには無関係に任意の物質の摂取をも含む。それでもなお、低血糖のリスクを避けるためには、インスリン投与によって少なくとも限界血糖値負荷をもたらす食事に対してのみインスリンを投与するのが好ましい。
GERmaxに速やかに到達する一因となるGER強化は、インスリン濃度の上昇速度に依存するだけでなく、十分なピーク高さの実現にも依存することは当然である。1型糖尿病患者ではこれは少なくとも約60mU/L、より好ましくは少なくとも約80mU/Lのピークインスリン濃度である。2型糖尿病ではこの症状の一部であるインスリン抵抗性によって、より高いインスリン濃度が必要となる;典型的には、抵抗性の程度に応じて、少なくとも約100mU/L、より好ましくは少なくとも約120mU/L、少なくとも約140mU/L、またはそれ以上が必要である。これらのピークインスリン濃度は、速効性と言われるものも含む皮下投与型標準製剤、および現在開発中の同様な動態を有する非注射投与型製剤のような非スパイク型インスリン生成物の典型的用量で達せられるピークインスリン濃度よりも実質的に高い。
インスリン濃度の大きい変動および速やかな変化速度がグルカゴン生成を抑制し、肝臓の糖新生を減らすことは出願人が詳細に理解するところである。これは血糖負荷を低下させ、その結果インスリン需要は減り、グルコース可動域は減少する。
ここに開示される方法によって処置される患者集団は最も一般的にインスリン治療を受ける人々と完全には一致しない。実際この方法はこれら症状の最も早い段階、すなわち機能的β細胞集団が最大である時に非常に有益に実施される。ただし現在のインスリン療法はこれらの患者には行われていないのが一般的である。このように、本明細書に使用する“インスリン治療を必要とする患者”とはこの種の集団を含む。これらの患者はインスリン非依存性患者とも定義されている。一般に、ある程度はインスリン産生能力を有するが初期相放出が不十分である患者たちが、本発明の実施形態における治療のために選択される好ましい標的集団である。このような集団には非制限的に、膵島移植体、β細胞またはインスリンを産生するように操作した細胞のレシピエント、およびインスリン遺伝子治療のレシピエント;ハネムーン期の、または病気の初期にある1型糖尿病患者;および食事療法と運動、経口薬剤、作用持続性(基礎)インスリン単独、または短時間作用性インスリン―単独、または作用持続性インスリンと混合して―1日2回以下の食事との組み合わせによって伝統的治療を受けている2型糖尿病患者を含む。このような集団は、初期相インスリン放出が不十分でなければ容認できるHbA1c(グリケート化ヘモグロビン)レベル(慢性高血糖症の測定尺度)を有し、一般的に任意の特定モダリティによって治療されず、または全く治療されない患者を含む。正常HbA1cレベルは4.5%〜5.7%である(または精度のより低い場合4−6%と報告される)。糖尿病の治療は一般的にHbA1cレベルを7%以下に下げることを目的とする。8%より高いHbA1cレベルは、患者の現在の治療を再評価すべきであることを示す。正常HbA1cレベルに達することが望ましいが、現在市販されているインスリン製品ではこれを達成しようとすると重症低血糖症という容認しがたいリスクを伴う。本発明のインスリン製剤の実施形態において、低血糖症のリスクは著しく減少しており、7%以下のHbA1cを示す患者を治療することが可能である。例えば8%未満のHbA1cレベルを有する患者たちはよい強力な処置、すなわちインスリン治療の候補とは考えられない;またはもしすでに基礎的または混合インスリンを受けている場合は食事性インスリン療法による治療の候補とは考えられない。その上、正常範囲の上限でも血中グルコースの低下による利益が期待され、本発明の幾つかの実施形態においてはHbA1c≦6%の患者が選ばれ、治療を受ける。本発明は一般的にヒト患者に関して述べられているが、非ヒト哺乳動物に対する適用も本発明の範囲外または当業者の能力の範囲外ではない。
早期インスリン異常患者は種々の下位集団に分けられ、本発明の種々の実施形態によって治療される。ある患者らは空腹時非高血糖性血中グルコースレベルを維持するのに十分なインスリンを作るが、食後の血中グルコースレベルの急激な変動を避けることができない。空腹時グルコース異常または耐糖性障害を有する患者ら、すなわち空腹時血中グルコースレベルが100mg/dL(5.5mmol/L)と126mg/dL(7.0mmol/L)との間にあるか、または食後2時間の血中グルコースレベルが146mg/dL(7.9mmol/L)と200mg/dL(11.1mmol/L)との間にある、よく前糖尿病患者と呼ばれる人々は、糖尿病への進行を遅らせ或いは阻止するように処置することができる。早期2型糖尿病患者は食事療法および運動により実質的高血糖症でもコントロールできることが多いが、すでに彼らの初期相インスリン放出は失われている。こうして本発明のまた別の実施形態においてはこれらの患者が選択され治療される。現在の実際面において、食事療法および運動に失敗した患者らは、インスリン抵抗性を克服し、生産されたインスリンの効果を改善する目的で、次には十中八、九、メトホルミンのようなインスリン感作物質で治療される。本発明の実施形態においてこれらの患者にはインスリン感作物質の代わりに、またはインスリン感作物質に加えて、食事性の初期相模擬インスリン製剤を投与する。さほど多くの場合ではないが(そして以前には)、糖尿病患者に提供される最初の経口製剤がインスリン分泌を高めるためのスルホニル尿素のようなインスリン分泌促進剤であった。しかしインスリン分泌の増加は膵島の代謝性ストレスを高めるかも知れない。そのため好ましい実施形態において、分泌促進剤の代わりに食事性初期相模擬インスリン製剤が用いられる。
既存の皮下注射用インスリン組成物の欠点は、予測不可能の吸収変動、および生理的食事関連性初期相インスリン反応に比較して血清インスリンレベルの上昇が遅いことであった。生理的食事関連性初期相インスリン反応では血清インスリンレベルは約6分以内にピークに達する。食事関連性初期相インスリンは膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にある貯蔵小胞から出る。そこではプロインスリンが酵素的分解を受けてインスリンとC−ペプチドになる。適切な初期相反応の欠如は、1型および2型糖尿病のより早期の相、および膵島移植レシピエントにおける共通の要素である。血中インスリン濃度に特徴的スパイクを作り出すために多量のインスリンを急速に放出することは膵臓に重大な生合成的負担をかけるものである。適切な初期相放出の喪失は、負担を受けまたは損傷した膵臓のインジケータであるが、さらにβ細胞にストレスを与えることにつながる。糖尿病は血清プロインスリンレベルの上昇という特徴も有する。このような循環性完全プロインスリン(iPi)はインスリン需要がβ細胞能力を超えたことを知らせ、早期放出を誘起し、膵臓への負担を反映するものである。
初期相放出を模しないインスリン製剤類によって起きるインスリン濃度および作用持続時間の比較的緩徐で小さい増加は、これら製剤のグルコース可動域コントロール能力を制限する。投与できる用量は食事後の血中グルコースの上昇をコントロールするには一般に不十分である。それは食事による血糖負荷が弱まった後に低血糖の誘発を避ける必要があるからである。これらの問題は“Superior Control of Blood Glucose in Diabetes Treatment”と題する同時係属米国特許出願第11/278,381に詳細に述べられている。これは参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。血中グルコース濃度の急性変動(例えばMAGEとして測定。MAGE:血糖可動域の平均振幅)は、糖尿病関連性酸化ストレスに対して慢性高血糖(典型的にはHbA1cレベルとして測定される)よりも大きい影響を与え、したがってこのようなストレスの原因となる糖尿病性合併症の回避をコントロールするための重要なパラメータであることがわかってきた(Monnier,L.,et al.JAMA 295:1681−1687,2006;およびBrownlee,M.& Hirsch,I.JAMA 295:1707−1708を参照されたい。これらは参考としてそのまま本明細書に組み込まれる)。
インスリン療法は伝統的に、HbA1cによって反映される平均血中グルコース濃度のコントロールに焦点を当てている。そのため、かなりの量のインスリンを産生できる比較的少数の患者は基礎的食事療法(基礎的インスリン+食事ごとのインスリンの投与を含む)を受ける。より一般的なアプローチは、持続性(基礎的)インスリンだけ、速効的および中間的作用の混合物、および種々のその他の組合わせの注射を含む。これらの治療体制のどれか一つを採用するための臨床的基準は明確ではない。一般的に治療は基礎的インスリンで始まり、その治療によって目標のHbA1cレベルへの達成に成功しないならば、または成功しない時、追加的注射および種々の混合物(あらかじめ混合された、または自己混合物)を用いて治療を強化する。それでも目標に達しないならば、治療を進めて基礎的食事療法を行う。基礎的インスリンを受けていない患者における食事療法は一般的でなく、現在市販されている(非スパイク発生)インスリン製剤を使用するから、本発明による膵臓への負担の緩和をもたらさない。その上、現在入手できるインスリン製剤は本発明において好まれるよりもより長時間にわたって活性を与えるから、それら製剤はグルコース可動域のコントロールのためにはあまり適切でない。
本発明はHbA1cレベル(平均血中グルコース濃度)およびそれに伴うグルコース毒性を最小にするように設計されているだけでなく、初期相反応を模する外因性インスリンを与えることによってインスリンの生合成需要を軽減し、グルコース濃度(グルコース可動域)の急性変動をコントロールしてさらにインスリン需要を低減するようにも設計されている。グルコース可動域の低減は、全身的におよび膵島において酸化ストレスに起因する微小血管系に対する一般的炎症性荷重および酸化的ダメージも軽減する。これは初期相放出を模するインスリン製剤と、1日に少なくとも3回の食事、より好ましくは全ての食事または間食と組み合わせて日常的に投与することによって達成される。このような処置は、恩恵を増加する上で、また効果を高めるために、何日間、何週間、何カ月および何年かの間、患者の寿命が残っている限り、または基礎的インスリン関連性疾患が治るまで維持しなければならない。ここに記載したような支持治療の下で、時の経過につれて膵臓機能が例えばβ細胞量の増加などによって改善し、その結果初期相における内因性放出能力が回復すると考えられる。そのような条件の下で、1日の投与回数を減らすというのが出願人の非束縛的仮説である。このような条件下で、1日投与回数を減らすことができるかも知れない。日常的とは、提唱される投与スケジュールが理想的な通常の方法であるが、実際問題として、時には投与を省くなどの、このプロトコルからの偏差は本発明の範囲から逸脱するものではないことを意味する。種々の実施形態において、インスリン投与がなければ血中グルコースが140mg/dLより高くなるような任意の食事または間食と共に;1、2、3またはそれ以上のパンに等しい任意の食事または間食と共に;約15、20、30、または45g以上の炭水化物を含む任意の食事または間食と共にインスリンを投与する。
本発明の方法の実施形態は種々の投与体系を含む。それは非制限的に、すべての食事または間食時に投与、炭水化物が15gより多いすべての食事または間食時に投与、炭水化物が30gより多いすべての食事時または間食時に投与、炭水化物が45gより多いすべての食事時または間食時に投与などを含む種々の投与体系を含む。投与量および所望インスリン組成物濃度は想定される特定の使用によって種々変わる。適切な投与量または投与経路の決定は一般的医者の技術の範囲内である。さらに、本発明による治療の長さは特定の使用によって変わることがあり、治療の長さの決定は一般的医者の技術の範囲内である。
1型糖尿病の場合、最初の炎症および自己免疫攻撃は機能的β細胞の数を減らし、それによって膵島の生合成能力を制限する。同様に、移植患者において膵島の機能不全の一つの説明は、彼らは多くのドナーから細胞を得ているとはいえ、彼らに移植された膵島が少な過ぎるということである。正常な膵臓はざっと100万個の島を有するが、現在の技術はドナー膵臓からせいぜい400000細胞を抽出できるに過ぎず、これらの多くは移植後間もなく死ぬ。実際、周辺の膵島細胞塊の慢性的過剰刺激による膵島の消耗は遅発生移植体異機能の主因であることは理解される(Shapiro,A.M.J..The Scientist 20:43−48,2006)。どちらの場合も残っている膵島細胞が異常にひどく働かされ、時の経過につれて機能を失うことがある。これはインスリン濃度のスパイクの増強効果の欠如によってさらに悪化する。なぜならばそれは食事に起因するグルコース負荷を処理するために第二相放出において必要なインスリン量を増加させるからである。この増強効果は1/10/06に出願された“Potentiation of Glucose Elimination”と題する同時係属米国特許出願第11/329,686号により詳しく記載される。これは参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。2型糖尿病において、少なくとも最初は膵島細胞の明らかな不足はないが、インスリン抵抗性が、初期相放出が欠如した時におきる増強喪失によって産生されるインスリンより多く産生されるインスリンの効果を減らす。これはグルコース負荷を抑制するためのより多くのインスリンを要求し、インスリン産生のために再び膵臓に負担をかけるように見える。この非効率なグルコース排出もグルコース濃度の長引く上昇をおこし、その結果としてβ細胞にグルコース毒性を与える。これら種々の経路によって、膵島の生合成能力は侵害される。この場合、インスリン分泌は亢進的に減少し、その後第二相インスリン放出喪失がおこり、結局は完全にインスリン欠乏に陥る。
膵臓への負担は1および2型糖尿病の亢進および膵島移植体の機能喪失の原因であると考えられる。そこで膵臓への負担を減らす方法が、これら患者集団のインスリン産生細胞の機能および寿命を改善すると思われる。初期相放出を模するインスリンデリバリー法を用いて、この反応の欠如によって起きる多くの異常を緩和することができ、それによって随伴するストレス(類)を減らすことができる。食事の開始時にインスリン濃度のスパイクを生成することにより、β細胞はこの要求から免れ、その他のインスリン要求(すなわち第二相および基礎的インスリン)をより容易に供給できるようになる。その上、インスリン抵抗性が背景にあっても、初期相様スパイクから生じる増強によって、任意の特定のグルコース負荷のために第二相放出において必要となるインスリン量は減少する。インスリンのより効率的使用も正常な血中グルコースレベルからの任意の可動域の大きさおよび持続時間の減少に役立ち、グルコース毒性および酸化ストレス効果を緩和する。こうして生合成的要求を増やし、能力を減らすという循環が断ち切られ、インスリン産生要求と残っている能力とがより密接に調和する。
膵島移植の場合、シロリムス(sirolimus)のような幾つかの抗拒絶薬は膵島の血管再生を阻害し、膵島グラフトの再生能力を妨害することは理解される(Shapiro,A.M.J.,The Scientist 20:43−48、2006)。こうして、血中グルコース濃度の急性変動による酸化ストレスのような、その他の血管損傷の原因を最小にする補助的インスリン療法がこの領域では特に有益である。
インスリンの静脈注射は初期相反応を効果的に繰り返すことができるが、毎日複数回投与を一生必要とする状態においては実際的療法ではない。伝統的皮下注射は速効性組成物を使用しても比較的緩やかに血流に吸収され、最大血中濃度に達するまでに1時間かかり、プラトーが数時間続く。評価した多くの肺組成物類は効果の点で皮下インスリンに匹敵し、皮下インスリンと同様に、上に定義した初期相放出を模するために必要な速やかな動態を得ることはできなかった。それにもかかわらず、肺内および経口投与のような非注射ベースのデリバリーを使用して実際速やかに吸収する可能性は存在する。例えば、ジケトピペラジン−ベースの乾燥粉末組成物を用いる肺内デリバリーが利用されている。
糖尿病患者における初期相インスリン反応の喪失、プロインスリンレベルの増加およびグルコースコントロールの低下はそれぞれインスリン産生細胞の機能喪失の尺度である。この機能喪失は細胞死および/または膵島細胞侵襲に帰せられる。実際、糖尿病患者のインスリン産生細胞にかかる最大の負担は、この初期相反応のためのインスリンを放出することである。この反応を模する外因性インスリン源はこの負担(ストレス)を排除し、基礎的および第二相(食事関連性、グルコース依存性)インスリン放出を保持することができる。
こうして本発明の好ましい実施形態は、ジケトピペラジン微粒子に錯化したインスリンを含む乾燥粉末インスリン組成物の肺内投与によって所望の初期相動態を得る方法を提供する。この組成物は速やかに吸収され、約10〜15分以内にピーク血清レベルに達する。これは生理的食事関連性初期相インスリン反応の動態を十分速やかに模する。ピーク血清インスリン濃度の短時間の急上昇がなければβ細胞にかかる生合成の指示が減るので、前記ピーク血清インスリン濃度の急上昇は重要である。さらにこれには遅効性組成物とは対照的に、インスリン作用の大部分を食事周辺時間に圧縮するという別の効果もある。これは正常グルコースレベルからの食事関連性可動域の大きさおよび持続時間を減らし、これらに関連するグルコース毒性、並びに食後低血糖のリスクも減らす。この乾燥粉末インスリンで得られる血中グルコースレベルのこのようなコントロールの改善は、“Superior Control of Blood Glucose Lebels in Diabetes Treatment”と題する3/31/06出願の同時係属米国特許出願第11/278,381号により詳細に記載されている。これは参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。米国出願第11/329,686に開示され、上に記載されるように、あらかじめ高いインスリンレベルはグルコース排出速度を増強する、すなわちこれは、あらかじめ高いインスリン濃度スパイクがあるならばグルコースはより速やかに排除されることを意味する。このような処置は血清プロインスリンレベルの低下にもつながり、生合成のための膵臓の負担の減少を示唆するものである。
ジケトピペラジン微粒子ドラッグ・デリバリー・システムおよび関連する方法は、“Self Assembling Diketopiperazine Drug Delivery System,”および“Method for Making Self Assembling Diketopiperazine Drug Delivery System,”とそれぞれ題する米国特許第5,352,461号および第5,503,852号に記載されている。肺内デリバリーにおけるジケトピペラジンおよび生体内分解性重合体微粒子の使用は、“Method for Drug Delivery to the Pulmonary System,”および“Microparticles for Lung Delivery Comprising Diketopiperazine,”とそれぞれ題する米国特許第6,428,771号および第6,071,497号に記載されている。可能な組成物および製法の種々の局面に関する詳細は、共に“Purification and Stabilization of Peptide and Protein Pharmaceutical Agents”と題する米国特許第6,444,226号および第6,652,885号に、および“Method for Fine Powder Formation”と題する米国特許第6,440,463号に、“Methods of Drug Formation Based on Increasing the Affinity of Active Agents for Crystalline Microparticle Surfaces”と題する9/14/05出願の同時係属米国仮特許出願第60/717、524号に;および“A Method for Improving the Pharmaceutical Properties of Microparticles Comprising Diketopiperazine and an Active Agent”と題する4/14/06出願の第60/776,605号に見いだされる。好ましい呼吸促進用乾燥粉末吸入器の特性およびデザインは“Unit Dose Cartridge and Dry Powder Inhaler”と題する米国特許出願第10/655,153号に開示されている。ジケトピペラジン微粒子に錯化したインスリンを用いる治療の観点は、“A Method of Reducing Serum Proinsulin Lebels in Type2 Diabetes..”と題する米国特許第6,652,885号並びに同時係属米国特許出願第11/032,278号に開示されている。追加的に、“Diketopiperazine Salts for Drug Delivery and Related Methods”と題する米国特許出願第11/210,710号はジケトピペラジン塩類を使用して肺内および経口デリバリー両方のためのインスリンを処方することを開示している。このパラグラフに記載された特許および特許出願の各々は参考としてそのまま本明細書に組み込まれる。
任意の薬剤をここに開示するインスリンと組み合わせて投与することも考慮される。これらの薬剤としては非制限的に経口抗糖尿病薬、インクレチン模擬剤、β細胞機能を保持するもの、抗CD28抗体類またはベラタセプト(belatacept)のような同時刺激遮断剤、抗CD3_抗体類、および/または任意の免疫抑制剤(一般的には膵島移植症例に用いられる)があるが、β細胞機能を保持する薬剤がより好ましい。典型的免疫抑制剤としては非制限的にダクリズマプ、シロリムス、タクロリムス、ミコフェノール酸、ラパマイシン、グルココルチコイド類、プレニゾン、アザチオプリン、およびシクロスポリンなどがあるが、グルココルチコイド類、プレニゾン、アザチオプリン、およびシクロスポリンはあまり好ましくない部類に入る。
より詳細に述べれば、本発明の一実施形態はTECHNOSPHERE(登録商標)/インスリン(TI)を抗−CD抗体などの免疫抑制剤(類)と組み合わせて投与し、1型糖尿病のハネムーン相を持続させることを含む。これらの抗−CD3抗体は免疫T細胞の機能を遮断する。免疫T細胞は膵臓のβ膵島細胞の破壊を起こす細胞である。本明細書に用いる用語“組み合わせて”は、TIと免疫抑制剤(類)とを二重の療法として使用し、究極的に膵臓への負担を減少させることを意味する。
TIまたは初期相放出を模するまた別のインスリンを単独でまたは免疫抑制剤と組み合わせて投与する場合、そのインスリンは食事との関連において、必要に応じて1日1〜4回投与することができる。この治療の最大の利点を得るためにはこの治療を長期間、好ましくは約1カ月、より好ましくは約2カ月から約6カ月、最も好ましくは患者の寿命が残っている限り、または基礎にある糖尿病が治るまで受けるべきである。効果の一つのインジケータおよび/またはモニタリングパラメータは患者のプロインスリンレベルの定期的測定である。投与頻度および用量はこの定期的プロインスリン測定によって調節できるのは当然である。
本発明は、以下の実施例に記載されるように、糖尿病患者に初期相インスリン反応を模する十分な量の乾燥粉末TIを肺に投与して、血清プロインスリンレベルを下げおよび/または血中グルコースレベルをコントロールし、早期1型および2型糖尿病患者および膵島移植患者におけるインスリン産生細胞の寿命を改善する方法に関するものである。
(実施例1)
(2型糖尿病患者における吸入TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンの効果および安全性に関する無作為化二重盲検プラセボ対照研究)
小型の肺吸入器によって運搬されるTECHNOSPHERE(登録商標)乾燥粉末肺インスリンは、正常な食事関連性の第一相または初期相インスリン放出を模するバイオアベイラビリティを有する。この多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照研究は食事療法または経口剤治療では十分にコントロールされない2型真性糖尿病患者(HbA1c>6.5%〜10.5%)で行われた。合計123名の患者が参加し、治療に同意した119名の患者集団(ITT)を1:1に無作為化し、ヒトインスリン(rDNA由来)6〜48単位を含む単位量投与カートリッジから食事時吸入TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンを投与するか、または吸入TECHNOSPHERE(登録商標)/プラセボ(PBO)を投与した。
グリコシル化ヘモグロビンA1c(HbA1c)の結果をあらかじめ決めた統計分析プランによって、一次効果集団(PEP、ブラインド化する前に、最小量投与および糖尿病薬同時投与の調整なし、などを含む研究の要求事項に合う人々であることが確認された集団)について、PEPサブグループA(ベースラインHbA1c6.6〜7.9%の人々)について、PEPサブグループB(ベースラインHbA1c8.0〜10.5%の人々)について、並びにITTについて分析した。これらの結果を表1にまとめる。この個々の用量研究において、活性治療群で各食事前に使用したTIの平均用量は約30単位、PEPサブグループAでは28単位、そしてPEPサブグループBでは33.5単位であった。
(表1)
Figure 2009503093
Figure 2009503093
TI群には重症低血糖の症状はあらわれなかった。Dlco、FEV1および総肺胞容積を含む肺機能テストは、TI治療患者の値と彼らのベースライン値との間に、またはPBOを投与した結果と比較して、有意差は示されなかった。12週間の投与期間中、TIでインスリン抗体が誘発される証拠はなかった。
(実施例2)
(ヒトにおいて速やかにバイオアベイラブルに吸入されるインスリンの初期相インスリン反応を模することは、より緩徐なバイオアベイラビリティを有するインスリンと比較して食後のグルコース排出を加速する。)
2型糖尿病の12名の患者群におけるイソグリセミック・クランプ中の、時間とインスリン濃度とグルコース排出速度との関係を研究した。各患者に24IU(国際単位)の皮下インスリン(アクトラピド(登録商標)、ノボノルディスク社(Novo Nordisk))または48UのTECHNOSPHERE(登録商標)/インスリン(TI、マンカインド社(MannKind Corporation))を別々の日にクロスオーバーデザインで投与した。グルコース排出速度(GIR)は540分間の研究期間中、120mg/dLの安定血中グルコースを維持するために必要なグルコース注入量によって測定した(図3)。
48単位のTIはインスリンの平均最大濃度(Cmax)114.8±44.1(平均値±SD)をもたらし、最大濃度に達するまでの中間時間(Tmax)は15分であった。その一方で24IU皮下インスリン(SC)は150分のTmaxで63±10.1mU/LのCmaxを示した。TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンは45分で最大GIR値、3.33±1.35mg/分/kg、に達し、その時点にSCでは1.58±1.03に過ぎず、255分前にはほぼ一定のインスリン濃度であるにもかかわらず最大値3.38+1.45に達しなかった。最大インスリン効果に達すると、濃度―効果関係はTIおよびSCで同じであった。180分で、TIではグルコース処理は326±119mg/kgまたは全体の61%、SCでは330±153mg/kg(全体の27%)であった。
初期相インスリン反応と同様なインスリン濃度の早い急激な増加は最大のグルコース排出速度をもたらす。48単位のTIは45分以内に最大効果に達した。その一方で34IUのSCが同様な効果に達するのには270分かかった。この現象は2種類のインスリン型の用量−効果関係の差によって生ずるものではなく、TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンによって提供されるより速やかな生体適合性インスリンに対して、ある時間にわたるインスリン濃度の増加分がより小さい場合の反応の差を反映するものである。これが食後グルコースコントロールに対して影響するかも知れない。
また、投与後3時間には48UのTIと24IUのSCが同じグルコース低下効果をあらわした。しかしSC投与では総グルコース低下効果の1/3未満が得られた。もしも食事後3時間に食事性インスリン量で正常血糖の目標値に達するならば、SCインスリンの残りの大きなグルコース低下効果は、TIに比較して遅い食後低血糖のリスクを増加させるかも知れない。
皮下注射用の既存のインスリン組成物に関する一つの問題は、吸収の予想し難い変動、および血清インスリンレベルの上昇が約6分以内にピークに達する生理的食事関連性第一相インスリン反応に比較して遅いこと、である。そのため食事に代わるインスリン組成物の好ましい動態は、速やかで早期の作用開始および食事関連性グルコース吸収をカバーする十分長い作用持続時間を含むものである。肺TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンは、この機能を失った糖尿病患者において初期相インスリン反応を模することによってこの要求に合致する。膵島移植患者はまだ第一相インスリン反応をあらわさない処置ずみ糖尿病患者集団である。膵島移植患者にTECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンを投与すると第一相様インスリン反応は回復し、それによって膵臓への負担は減り、移植細胞の寿命は改善される。
(実施例3)
(肺インスリンによるヒトの治療は血清プロインスリンレベルを下げる)
TECHNOSPHERE(登録商標)/インスリン(TI)の吸入は第一相反応に比較して血清インスリンの上昇をもたらす。この研究ではTIの薬物動態および完全プロインスリン(iPi)放出に与えるその影響を研究した。2型糖尿病の24名の患者に異なる4種類のインスリン量、すなわち組換えレギュラーヒトインスリン 0、12IU、24IU、または48IUのいづれかの量を含むTECHNOSPHERE(登録商標)ベースを別々の日に、標準食の開始5分後に投与した。血中グルコース(BG)、血清インスリンおよび血清iPiを各食事開始前(0分)、各食事開始後60および120分に測定した。
TIはBGレベルを用量依存的に低下させた。昼食の60分後、BG(mg/dL)(±SD)はプラセボで183.2(±44.4);12IUで170.8(±30.5)(p=0.266);24IUで156.3(±31.9)(p=0.020)および48IUで132.6(±29.1)(p<0.001)であった。全投与量は吸入後60分では血清インスリンの上昇をおこしたが(p<0.05)、吸入後120分では増加はなかった。24IUおよび48IUインスリンを担持したTIの投与はその日1日中のあらゆる時点でiPiレベルを抑制した(p<0.05)。そこで第一相インスリン反応の速やかな発現および短い持続時間を模する吸入TIの使用は、インスリン産生細胞に対するストレスを減らすはずである。これは全体的β細胞機能、内因性グルコースホメオスタシス、および残留および移植β細胞の寿命を改善することができる。
図3はジケトピペラジン/インスリン粒子の肺内投与後のプロインスリンレベルの変化を時間に対して描いたものである。
(実施例4)
(肺インスリンで治療した糖尿病性脂肪ラットにおけるβ細胞の評価)
糖尿病性脂肪ラットは2型糖尿病のモデルである。2つの系統、ZDFおよびWDFが入手できる。WDF系統に高スクロース食を約1週間食べさせることによって糖尿病を起こすことができる。或いはZDFラットでは齢約13週に糖尿病が自発的に発生する。
20匹づつの3群を、インスリン皮下注射、TI肺内吸入または空気の肺内吸入のいづれかで毎日処置する。投与は期待される糖尿病発生の1週間前に始める。用量はヒトの用量に同等の量に近づくように選択されるが、まだ糖尿病でない動物に重症または生命に危険を及ぼす低血糖を誘起する量よりは少ない量である。動物たちは血液測定をする前の一晩は絶食させるが、それ以外は随意に食べさせる。
体重を1週間に1度測定する。血清の血中グルコース測定は1週間に2回行われる。糖尿試験は週に3回行う。250mg/dLより多い尿中グルコースレベルの場合は、糖尿病発生を確認するためにその後2日間グルコメータ試験を行う。糖尿病発生が確認されると、動物を24−48時間以内に殺す。インスリン、完全プロインスリンおよびC−ペプチドを投与前の血液試料で測定し、投与中の生存時血液試料では毎週1回測定し、最後の血液試料で測定する。投与前および生存中の血液試料を対にして、グルコース単回投与の直前および3−5分後に採取し、第一相インスリン放出を評価することができる。殺してから、全ての動物から膵臓を回収し、10%ホルマリンで固定した。膵臓組織を処理してヘモトキシリンおよびエオシン(H&E)染色し、β細胞量を評価した。増殖およびアポトーシス指数も免疫組織化学(IHC)によって評価される。
TI群における減少したストレスおよび長くなったβ細胞寿命は、より大きいβ細胞量、より高い増殖マーカーの発現、より低いアポトーシス指数、糖尿病への亢進の遅延および糖尿病発現の遅延によって示される。糖尿病への亢進は、時の経過につれて血中グルコース、インスリンおよびC−ペプチドが上昇すること;完全血清プロインスリンの欠如またはレベル低下;および第一相インスリン放出の喪失の遅れから評価される。
(実施例5)
(肺インスリンで治療したNODマウスのβ細胞の評価)
NOD(非肥満性糖尿病)マウスは1型糖尿病のモデルである。糖尿病は齢約12−14週に自発的に発生する。バラツキは雄よりも雌の方が小さい。
40匹の雌マウスの3群をインスリン皮下注射、TI吸入、または空気吸入のいづれかを毎日行って処置した。期待される糖尿病発生の前に、齢10週で投与を始める。用量はヒトの用量の同等量に近いように選択されるが、まだ糖尿病でない動物に重症または生命に危険のある低血糖を起こすよりは少ない量である。動物たちは血液測定をする前の一晩は絶食させるがそれ以外は随意に食べさせる。
体重を毎週測定する。血清中グルコース測定を週に2回行う。糖尿試験は週に3回行う。250mg/dLより多い尿中グルコースレベルの場合は、糖尿病発生を確認するためにその後2日間グルコメータ試験を行う。糖尿病発生が確認されると、動物たちを24−48時間以内に殺す。インスリンおよびC−ペプチドを投与前血液試料から測定し、等しい間隔を置いた2つの投与中生存時血液試料および最後の血液試料を測定する。投与前および生存中の試料を対にして、グルコース単回投与の直前および3−5分後に採取し、第一相インスリン放出を評価することができる。殺してから、全ての動物から膵臓を回収し、10%ホルマリンで固定した。膵臓組織を処理してH&E染色し、β細胞量を評価した。増殖およびアポトーシス指数も免疫組織化学(IHC)によって評価される。
TI群における減少したストレスおよび延長したβ細胞寿命は、より多いβ細胞量、増殖マーカーのより高い発現、より低いアポトーシス指数、糖尿病への亢進および糖尿病発現の遅延となって示される。糖尿病への亢進は、時の経過につれて血中グルコースレベルの上昇、インスリンおよびC−ペプチドの低下、および第一相インスリン放出の喪失の遅れから評価される。
別途記載がない限り、本明細書および請求項に使用される成分量、特性、例えば分子量、反応条件などをあらわす全ての数は、用語“約”によって、すべての場合に変更されると理解される。よって、その反対の記載がない限り、以下の明細書および添付の請求項に示される数字的パラメータは、本発明によって得ようとする所望特性に応じて変化し得る概算値である。少なくとも、そして本発明の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてでなく、各数字的パラメータは少なくとも報告された重要なディジットの数に照らしておよび一般的な丸める方法を用いることによって構成されるべきである。本発明の広い範囲を示す数字的範囲およびパラメータは概数であるとはいえ、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告されている。しかしいかなる数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準誤差から必然的に生ずる若干の誤差を含む。
本発明を説明する文脈で(特に下記の請求項の範囲で)用いられる用語“a”および“an”および“the”およびその種の表示は、本明細書に別途記載がない限り、または文脈によって明らかにそれに対立するものではない限り、単数および複数の両方を含むものとする。本明細書の数値の範囲の説明は、その範囲内にある別々の各数値を個々に記載することを単に簡略化した方法として役立つものとする。別途記載がない限り、各個々の数値は、それが明細書に個々に記載されているが如くに本明細書に組み込まれるものとする。個々に記載される全ての方法は、別途記載がない限り、または文脈によって明らかにそれに対立するものではない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書に使用される任意のおよび全ての実施例または例示的言語(例えば“のような(such as)”など)の使用は、単に本発明をよりよく理解するためのものであって、別途請求される本発明の範囲を制限するものではない。明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須な、請求されていない要素を示すと解釈すべきではない。
本明細書に開示される本発明のまた別の要素類または実施形態類のグループ化は制限と見做されるべきものではない。各グループのメンバーは個々に、またはそのグループのメンバーもしくは本明細書中のその他の要素類と任意に組み合わせて言及され、請求される。あるグループの1つ以上のメンバーが、有益性および/または特許資格の理由から、あるグループに含まれ、またはそのグループから抹消されることは予想される。そのような何らかの包含または抹消が起きる際に本明細書はこの変更されたグループを含み、添付の請求項に使用されている任意の、および全てのマーカッシュグループの文書による説明を実現すると考えられる。
本発明を実施するための、発明者らに公知の最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態がここに記載されている。もちろん、これらの好ましい実施形態の変形物は、これまでの説明を読むことによって一般的当業者には明らかになる。発明者らは当業者がこのような変形物を適切に使用することを期待し、発明者らは上記発明がここに詳細に記載されるものとは別の方法で実施されることを意図している。よって本発明は、適用される法律によって許されるように、添付の請求項に記載される主題の全ての変形物および同等物を含む。その上、全ての可能な変形物中の上記要素の任意の組み合わせは、別途記載がない限り、または文脈によって明らかにその反対ではない限り、本発明に含まれるものとする。
さらに、この明細書全体を通じて特許類および印刷出版物について述べられている。上記の参照および印刷出版物の各々は参考として個々に本明細書にそのまま組み込まれる。
終わりに、ここに記載される本発明の実施形態は本発明の原理を例示するものであることは当然である。用いられるその他の変形物は本発明の範囲内である。したがって、非制限的にではあるが、実施例によって、本発明の別の形態を本明細書の教示にしたがって使用できる。よって、本発明は図示および記載されたそのものだけに制限されるものではない。
図1はグルコース単回注射によって人為的に刺激した後の第一相インスリン放出動態の測定値を示す。 図2は皮下(SC)レギュラーヒトインスリンまたはSC速効性インスリン(ノボログ(Novolog)(商品名))投与後の血清中インスリン濃度を示す。 図3は、本発明の教示によってヒトにTECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンを投与した後のグルコース排泄速度を示す。 図4は、本発明の教示によりヒトにTECHNOSPHERE(登録商標)/インスリンを投与した後のプロインスリンレベルの変化を示す。

Claims (30)

  1. インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞を保持するための薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、前記薬剤の少なくとも1つの用量が前記患者に投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、そして前記インスリン産生細胞の機能を保持する、使用。
  2. 前記患者がハネムーン期の1型糖尿病、前糖尿病またはインスリン産生細胞移植体レシピエントからなる群から選択される、請求項1記載の使用。
  3. 前記薬剤が経口的に投与される、請求項1記載の使用。
  4. 前記薬剤が吸入される、請求項1記載の使用。
  5. 前記薬剤が乾燥粉末処方物を含む、請求項4記載の使用。
  6. 前記薬剤が15gを超える炭水化物を含む任意の食事時に投与される、請求項1記載の使用。
  7. 前記薬剤が血清プロインスリンレベルを低下させるために十分なインスリン用量を含む、請求項1記載の使用。
  8. 前記薬剤がグルコース可動域を制御するために十分なインスリン用量を含む、請求項1記載の使用。
  9. 前記用量が血中グルコースレベルを制御するために十分である、請求項7または8のいずれかに記載の使用。
  10. 前記用量が肝臓からのグルコース放出を低減するために十分である、請求項7または8のいずれかに記載の使用。
  11. 前記薬剤が投与後約15分以内に血清インスリンレベルのピークを誘起する、請求項1記載の使用。
  12. 前記ピーク血清インスリンレベルが少なくとも60mU/Lである、請求項11記載の使用。
  13. 前記インスリン組成物が、インスリンと結合したフマリルジケトピペラジン(FDKP)を含む、請求項1記載の使用。
  14. 前記用量が約15IU〜約90IUのFDKPインスリンに等しい範囲内にある、請求項12記載の使用。
  15. 前記患者がさらにインスリン感作物質またはインスリン分泌促進剤で処置される、請求項1記載の使用。
  16. インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者の、食後の膵臓へのストレスを減らす薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、前記薬剤の少なくとも1つの用量が前記患者に投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、そして前記用量は血中グルコースレベルをコントロールし、血清プロインスリンレベルを低減するのに十分であり、それによって膵臓ストレスは弱まる、使用。
  17. 移植体レシピエントのインスリン産生細胞移植体の寿命を延長する薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、前記薬剤の少なくとも1つの用量が前記移植体レシピエントに投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、そして前記用量は血中グルコースレベルを制御し、血清プロインスリンレベルを低減するのに十分であり、それによって膵臓ストレスは弱まり、インスリン産生細胞の寿命は長くなる、使用。
  18. インスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の機能を保持する薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、前記患者は少なくともある量の前記薬剤と免疫抑制剤とを投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、ここで、前記薬剤および前記免疫抑制剤は自己免疫反応を緩徐にする、使用。
  19. 徐放性インスリン処方物を含む、患者のインスリン産生細胞の保持に有効な組成物。
  20. インスリン処方物を含む遅効性製剤を含んでなる、患者のインスリン産生細胞の保持に有効な組成物。
  21. ハネムーン期の1型糖尿病患者、前糖尿病患者およびインスリン産生細胞移植体レシピエントからなる群から選択されるインスリン関連性疾患を有するインスリン非依存性患者のインスリン産生細胞の機能を保持する薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、前記薬剤の少なくとも1つの用量が前記患者に投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、前記インスリン産生細胞の機能を保持する、使用。
  22. インスリン関連性疾患を有し、あるインスリン用量の基礎的インスリン以外のインスリン組成物では治療されていない患者のインスリン産生細胞の機能を保持する薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、ここで、少なくとも1つの用量の前記薬剤が食事時間に前記患者に投与され、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、前記患者における前記インスリン産生細胞の機能を保持する、使用。
  23. インスリン関連性疾患を有し、初期相インスリン放出を失っており、あるインスリン用量で8%未満の血清グリケート化ヘモグロビン(HbA1c)レベルを有している患者のインスリン産生細胞の機能を保持する薬剤の製造におけるインスリン組成物の使用であって、前記薬剤の少なくとも1つの用量を前記患者に食事時間に投与し、前記薬剤は生理的食事関連性初期相インスリン反応を模し、そして前記患者の前記インスリン産生細胞の機能を保持する、使用。
  24. 前記薬剤が15gを超える炭水化物を含む任意の食事と共に投与される、請求項22記載の使用。
  25. 前記患者が食事性インスリン治療体系で処置されていない、請求項22記載の使用。
  26. 前記患者が上昇した血清プロインスリンレベルを有する、請求項22記載の使用。
  27. 前記患者がグルコース可動域の平均振幅の増加を有する、請求項22記載の使用。
  28. 前記患者が酸化ストレス増加の証拠を有する、請求項22記載の使用。
  29. 前記血清HbA1cレベルが7%未満である、請求項22記載の使用。
  30. 前記血清HbA1cレベルが6.5%未満である、請求項22記載の使用。
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