JP2009502748A - 抗腫瘍に使用されるプシムベリン/イルシニアスタチンの合成及び完全な立体化学的分析 - Google Patents

抗腫瘍に使用されるプシムベリン/イルシニアスタチンの合成及び完全な立体化学的分析 Download PDF

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Abstract

本発明は、化合物(28-a)及びその立体異性体などのような細胞毒性化合物の合成及び完全な立体化学的分析に関する。本発明は、さらに、それら化合物の調製方法、それらの合成中間体、並びに、腫瘍性疾患を治療するためのそれら化合物及びそれらの医薬組成物の使用方法も提供する。
【化1】
Figure 2009502748

【選択図】 図1

Description

本発明は、概して、腫瘍性疾患に対して効力を示す化合物の有機合成及び立体化学的分析(stereochemical assignment)の分野に関する。
哺乳動物細胞において特異的且つ特有の生物学的反応を惹起する天然物は、さまざまな疾患状態を治療するための新しい薬剤に関して貴重なツールを提示する。これに関連して、海洋に生息しているカイメンであるイルシニア・ラモセ(Ircinia ramose)及びプサモシニア属種(Psammocinia sp.)からそれぞれ最近単離されたイルシニアスタチン(irciniastatin)及びプシムベリン(psymberin)は、注目すべきである。イルシニアスタチン及びプシムベリンは、いずれも、ヒト腫瘍細胞アッセイにおいて、強力な阻害活性を示す。それらは、さらにまた、天然物のペデリンファミリーに対して部分的な構造の類似性も有しており、従って、強力な真核生物タンパク質合成阻害薬としてのペデリンファミリーの充分に立証されている薬理学的役割を共有し得るものと考えられる。これら天然物、その類似体及び作用機序研究用プローブ試薬の全合成は、ヒト癌の分野におけるリード化合物の同定(lead identification)及び前臨床試験に対して堅実な基礎を提供するであろう。
2004年、Pettit及びCrewsによって先導された2つの研究グループは、独立に、構造的に新規で構成的に同一の細胞毒の単離について開示した。イルシニアスタチン及びプシムベリン(下記に示されている)は、いずれも、ヒト腫瘍細胞アッセイにおいて、それらの強力な阻害活性に基づいて単離された。イルシニアスタチンAは、インド太平洋海域の海洋に生息しているカイメンであるイルシニア・ラモセ(Ircinia ramose)から単離され(Pettit, G.R. et al. J. Med. Chem. 2004, 47, 1149)、プシムベリンは、パプアニューギニアの海水から採集された海洋性カイメンであるプサモシニア属種(Psammocinia sp.)から得られた(Cichewicz, R.H. et al. Org. Lett. 2004, 6, 1951)。WO 2005/054809も参照されたい。
Figure 2009502748
高磁場多次元NMR(high field multidimensional NMR)研究及びキロプティカルデータ(円偏光二色性;ジヒドロイソクマリンのn→π*遷移におけるコットン効果)によって、C4における不確定な配置を除き、プシムベリンについて提案された相対配置及び絶対配置が立証された(Cichewicz, R.H. et al., 前掲)。イルシニアスタチンAの相対立体化学は、C8-C13アミナールフラグメントについてのみ解明された(Pettit, G.R. et al., 前掲)。とりわけ、イルシニアスタチンAにおけるC8-アミナールの配置(nOe-データに基づいた配置)は、プシムベリンに付いて特定された対応する中心と反対であった。イルシニアスタチン及びプシムベリンについてのスペクトルが異なったNMR溶媒中で得られたという事実と合わせて、イルシニアスタチンについての上記刊行物(Pettit, G.R. et al., 前掲)には実際のNMRスペクトルのコピーは含まれていなかったので、これら2種類の構成的に同一な代謝産物が、全くの同一性を有しているのか又はジアステレオマー的な同一性を有しているのかについて、結論を出すことができなかった。
WO 2005/054809 Pettit, G.R. et al. J. Med. Chem. 2004, 47, 1149 Cichewicz, R.H. et al. Org. Lett. 2004, 6, 1951
従って、これらの精製された活性細胞毒を製造するための合成経路と共に、それらの細胞毒の立体化学を明確にすることが必要である。
本発明は、一実施形態において、式(28-a):
Figure 2009502748
で表される化合物の製薬上許容される塩又はプロドラッグを提供することによって、上記要求などを満たす。
別の実施形態では、本発明は、下記式:
Figure 2009502748
のうちの1つで表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを提供する。他の実施形態は、本発明化合物と製薬上許容される担体を含んでいる医薬組成物を企図している。
本発明のさらに別の実施形態は、腫瘍性疾患を患っている対象を治療する方法である。該方法は、該対象に、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)又は式(29-b)で表される化合物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、さらにまた、別の実施形態において、式(28-a)で表される化合物及び特定の合成中間体化合物を調製する方法も提供する。それに関連して、別の実施形態は、それらの合成中間体化合物に関する。
本発明者らは、本発明による細胞毒性化合物の高度に収束的な合成を見いだした。当該化合物の分光分析により、初めて、全てのキラル中心についての正確な立体化学的割り当てが成された。これらの化合物並びにその製薬上許容される塩及びプロドラッグは、対象における腫瘍性疾患の治療に有用である。
化合物
上記で述べたように、本発明は、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物を提供する。これらの化合物は、製薬上許容される塩、溶媒和物又はプロドラッグとしても存在し得る。これらについては、以下でさらに詳細に説明する。
一般に、「塩」は、当業者には理解されるように、本発明の遊離塩基化合物の塩形態を意味する。塩は、当業者には既知の慣習的な方法で調製することができる。用語「製薬上許容される」は、塩に関連して使用される場合、摂取及び/又は対象への投与についての行政規則安全指針(governmental regulatory safety guidelines)に含まれている所与の化合物の塩形態を意味する。用語「製薬上許容される塩」には、遊離酸又は遊離塩基のアルカリ金属塩及び付加塩を形成させるのに通常使用される塩が包含される。製薬上許容されるものであるならば、そのような塩の種類は重要ではない。
式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物の製薬上許容される適切な塩基付加塩の範疇には、以下のものが包含される:金属塩、例えば、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛などから形成される塩、並びに、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び置換アミン(これらは、環状アミンを包含する)などの有機塩基、例えば、カフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N-エチルピペリジン、アイスチジン(aistidine)、グルカミン、イソプロピルアミン、リシン、モルホリン、N-エチルモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、トリエチルアミン及びトリメチルアミンなどから形成される塩。一実施形態では、該製薬上許容される塩は、リチウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である。
そのような酸付加塩及び塩基付加塩のさらなる例は、文献(Berge et al., J. Pharm. Sci. 66: 1(1977))中に見いだすことができる。これらの塩は、全て、本発明の対応する化合物から、慣習的な方法で、例えば、適切な酸又は塩基を、それぞれ、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物と反応させることにより、調製することができる。
本発明は、本明細書で記載されている化合物のプロドラッグも企図している。「プロドラッグ」は、哺乳動物などの対象の身体に投与されたときに、その体内で変換を受けて、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)又は式(29-b)で表される活性物質を生じる化合物である。さらに具体的には、プロドラッグは、該プロドラッグが対象又は患者へ投与された後、インビボにおける生理学的な作用(例えば、加水分解、代謝など)を介した化学的修飾を受けて本発明の化合物となる、「マスクされた」活性な又は不活性な化合物である。プロドラッグの調製及び使用についての適合性及び技術は、よく知られている。例えば、一実施形態では、本発明は、エステルプロドラッグを提供する。エステル類を包含するプロドラッグについての議論は、文献(Svensson and Tunek, Drug Metabolism Reviews 165(1988))及び文献(Bundgaard, DESIGN OF PRODRUGS(Elsevier 1985))中に見られる。
さらにまた、ヒドロキシ基は、それぞれ、エステル基及びエーテル基としてマスクすることができる。EP 039,051(Sloan and Little, 4/11/81)には、マンニッヒ-塩基ヒドロキサム酸プロドラッグについて、それらの調製及び使用と一緒に開示されている。かくして、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物内の1以上のヒドロキシ置換基は、エステルとしてマスクすることができる。さらに、該ヒドロキシル基は、ホスフェートエステル又はホスホネートエステルとしてマスクすることもできる。そのようなヒドロキシ基としては、脂肪族ヒドロキシル基、例えば、炭素C5、炭素C11及び炭素C15に結合しているヒドロキシル基、並びに、本発明化合物内のフェノール性ヒドロキシ基などがある。
別の実施形態では、本発明は、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物の溶媒和物を企図している。一般に、用語「溶媒和物」は、化合物に関連して使用される場合、溶媒(例えば、有機溶媒、無機溶媒、水性溶媒又はそれらの混合物など)の1個以上の分子が結合している化合物を意味する。
例えば、幾つかの実施形態では、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)及び式(29-b)で表される化合物は、水和物として存在している。水和は、当該化合物の製造中若しくは当該化合物を含んでいる組成物の製造中に起こり得るか、又は、水和は、当該化合物の吸湿性に起因して経時的に起こり得る。
本発明の化合物は、有機溶媒和物としても存在することが可能であり、例えば、とりわけ、DMF溶媒和物、エーテル溶媒和物及びアルコール溶媒和物などとしても存在し得る。任意の特定の溶媒和物の同定及び調製は、合成有機化学又は合成医薬品化学の当業者の技術の範囲内である。
一般的な合成手順
本発明の化合物は、合成中間体化合物と共に、以下に記載されている調製方法に従って調製することができる。
概して、本発明化合物の調製への合成アプローチは、C15-C17ステレオトリアド(stereotriad)の立体化学を制御するための炭素結合形成によるフラグメント(6)-(7)のカップリングと、それに続くカルボン酸(5)の付加に集中した。
Figure 2009502748
これまで知られていないC4の立体化学を考慮して、酸(anti-5)についての下記スキーム1Aに示されている順序によって(anti-5)と(syn-5)の両方を調製した。
Figure 2009502748
かくして、アルデヒド(8)を不斉メタリル化(文献(Jadhav, P.K.;Bhat et al. J. Org. Chem. 1986, 51, 432)を参照されたい;酸(syn-5)は、文献(Evans, D.A. et al. Tetrahedron Lett. 1993, 34, 6871)に記載されているように、対掌体のIpc-ボラン試薬を用いて調製した)に付し、次いで、メチル化及びアセトニドの加水分解に付すことにより、ジオール(9)を生成させた。ジオール(9)は、シリル化、ベンゾイル化及び脱シリル化によって、ベンゾエート(10)に変換した。化合物(10)における相対立体化学は、アセタール(11)の1H NMR-分析によって確認した。最後に、アルコール(10)を2ステップの酸化に付して、(anti-5)を生成させた(8ステップ, (8)から49%)。
下記スキーム1Bは、アリールフラグメント(6)を7ステップ(全収率41%)で既知アルデヒド(12)から得た方法について表している。文献(Lambooy, J.P., J. Am. Chem. Soc. 1956, 78, 771)を参照されたい。
Figure 2009502748
Figure 2009502748
かくして、化合物(12)を、(1)酸化/アミド化(CHO→CONEt2)に付し;(2)オルト-メタル化(metallation)/アリル化に付して化合物(13)を生成させ(以下の文献を参照されたい:Kamila, S. et al., Tetrahedron 2003, 59, 1339;Casas, R.;et al., Tetrahedron Lett. 1995, 36, 1039);(3)BBr3が介在するメチルエーテル脱保護に付し;(4)文献(Keck, G.E. et al. Tetrahedron 2000, 56, 9875)に記載されているプロトコルを用いたメチルエステル形成に付し;(5)フェノールの保護に付し;及び、(6)酸化的二重結合開裂に付して、化合物(6)を生成させた。
下記スキーム1Cに表されているように、中央のフラグメント(7)の合成は、ホモキラルなC2-対称ジオール(17)の調製から開始した。
Figure 2009502748
該反応順序は、レイトンのシラン試薬(15)(Kubota, K. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 946)を用いた、モノ保護ジアルデヒド(14)のアリル化(以下の文献を参照されたい:Johnson, P.R. et al., Org. Chem. 1984, 49, 4424)で開始し、次に、アルデヒド(16)の第2のアリル化を行った。これは、後処理に際してマスクしなかった。モノシリル化(18)及びオゾン分解により対称性が破壊され、アセテートとして捕捉されたラクトール(19)(これは、鎖の末端を区別化する)が生成された。Takahashi, H.ら(Tetrahedron 1992, 48, 5691)によって記述された条件を用いてジエチル亜鉛を添加することにより第2級アルコールが得られ、これを酸化し、アセテートをTMSCNと置き換えた後、ケトン(7)が得られた(8ステップ, (14)から30%)。
下記スキーム2は、最終化合物(28-a)、(28-b)、(29-a)及び(29-b)を調製するのに用いた二重収束的(double convergent)カップリング方法を表している。かくして、(7)から誘導された(Z)-クロロフェニルボリルエノラートをアルデヒド(6)で処理して、β-アルコキシ置換基によって強いられるエノラート面の偏りから予期された1つの主要なシン-アルドール生成物(20)が得られた(Evans. et al., 前掲)。
Figure 2009502748
(20)をカテコールボランで還元することにより、塩基性後処理の直後にラクトン(21)が得られた。文献(Evans, D.A. et al. J. Org. Chem. 1990, 55, 5190)を参照されたい。(下記実施例において記載されているように、アセトニド誘導体として誘導体化するために、化合物(21)を水性Na,K-酒石酸塩を用いた後処理に付すことにより当該ジオールを単離することができた。これにより、C15-C17における相対的1,2-シン、2,3-シンの立体化学が確認された)。(21)をシリル脱保護に付して、アルコール(22)が得られた。ベンジルエーテル(22a)から得られた結晶の結晶学的分析により、指定された構造及び相対立体化学が完全に確認された(図1)。Ghaffar及びParkins(Ghaffar, T. et al., Tetrahedron Lett. 1995, 36, 8657;Ghaffar, T. et al., J. Mol. Catal. A 2000, 160, 249)のパラジウム(II)触媒を用いて(22)のニトリル基を加水分解することにより、95%を超える収率でアミド(23)が生成された。(23)を加水素分解に付すことにより(24)が生成され、次に、過アセチル化して、テトラアセテート(25)が得られた(>90%, 2ステップ)。
Me3OBF4を用いてイミデートを形成させる際、ポリビニルピリジンを添加することにより、便利で有益な手順によってイミデート(26)が生成された。TLC-分析によって変換が完結したことが示された後、その反応混合物を濾過及び濃縮し、次に、その粗製イミデート(26)をトルエンに溶解させ、ヒューニッヒ塩基及び酸塩化物(27)((COCl)2を用いて(5)から得たもの)を添加した。その混合物を40℃に2時間加熱し、0℃まで冷却し、エタノール性水素化ホウ素ナトリウム溶液で処理した。
後処理した後、その粗製最終化合物を鹸化して、(28-a)及び(28-b)(71:29 比率)と酸塩化物(anti-27)((25)から56%)の分離可能な混合物、又は、(29-a)及び(29-b)(75:25 比率)と(syn-27)(50%)の分離不可能な混合物が得られた。上記4種類のジアステレオマーのうち(28)について記録したスペクトルデータ(1H, 13C)のみ、プシムベリン(CD3OD;Cichewicz, R.H. et al, 前掲)及びイルシニアスタチンA(CDCl3;個人的な通信によってCherry Herald教授及びGeorge Pettit教授から入手したもの)と正確に一致した。合成品(28-a)の旋光(rotation)([α]D=+25.2, c 0.11, MeOH)は、プシムベリン([α]D=+29, c 0.02, MeOH;Cichewicz, R.H. et al, 前掲)及びイルシニアスタチンA([α]D=+24.4, c 0.55, MeOH;Pettit, G.R. et al., 前掲)について報告されたものと符合した。
調製方法及び中間体化合物
本発明は、さらに、式(28-a)で表される化合物及び上記で記載した合成中間体化合物の一部を調製する方法も企図している。さらに別の実施形態により、当該中間体化合物自体も提供する。
従って、一実施形態は、式(28-a):
Figure 2009502748
で表される化合物を調製する方法に関する。
該調製方法は、式(25):
Figure 2009502748
で表される化合物を、式(anti-27):
Figure 2009502748
で表される化合物と反応させるステップ、及び、次に、脱保護して式(28-a)の化合物を生成させるステップを含んでいる。
上記調製方法から得られた反応混合物は、式(28-a)で表される化合物の1種類以上の立体異性体を含み得る。従って、別の実施形態において、該調製方法は、式(28-a)で表される化合物を単離するステップをさらに含んでいる。その単離は、当業者にはよく知られている任意の手順を含み得る。限定するものではないが、代表的な手順には、さまざまな種類のクロマトグラフィー(例えば、フラッシュクロマトグラフィーなど)が含まれている。 別の実施形態において、本発明は、式(20):
Figure 2009502748
で表される中間体化合物を提供する。
さらに別の実施形態において、本発明は、式(20)で表される化合物を調製する方法を提供する。該調製方法は、式(6):
Figure 2009502748
で表される化合物を式(7):
Figure 2009502748
で表される化合物と反応させるステップを含んでいる。
本発明の別の実施形態は、式(7)で表される中間体化合物に関する。従って、一実施形態は該中間体化合物であり、もう一つの実施形態は、式(7)で表される中間体化合物を調製する方法である。該調製方法は、
(a) 式(19):
Figure 2009502748
で表される化合物をエチル化して式(x):
Figure 2009502748
で表される化合物を生成させるステップ;
(b) 式(x)の化合物をTMSCNと反応させて、式(xi):
Figure 2009502748
で表される化合物を生成させ、次いで、単離するステップ;及び、
(c) 式(xi)の化合物を酸化して式(7)の化合物を生成させるステップ;
を含んでいる。
当業者は、上記調製方法における「TBS」がt-ブチルジメチルシリルを意味しているということを理解するであろう。上記調製方法は、別の既知アルコール保護基(例えば、下記実施例に記載されているアルコール保護基など)を用いるために容易に改変することができる。
医薬組成物
別の実施形態において、本発明は、式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)又は式(29-b)で表される化合物及び製薬上許容される担体を含んでいる医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、本発明化合物の有効量を含有し得るか、又は、本発明化合物の有効投与量を含有し得る。本発明化合物の有効投与量には、該化合物の有効量より少ない量、該化合物の有効量に等しい量又は該化合物の有効量よりも多い量が含まれる。例えば、当該化合物の有効量を投与するのに2以上の単位用量(例えば、錠剤及びカプセル剤などに入れられた2以上の単位用量)が必要とされる医薬組成物、又は、組成物の一部を投与することによって当該化合物の有効量を投与することができる複数用量医薬組成物(例えば、粉末剤及び液剤など)。
該医薬組成物は、一般に、癌などの腫瘍性疾患を治療又は改善するために投与可能な所望の製剤を形成させるための製薬上許容される担体、賦形剤、結合剤、アジュバント及び希釈剤などと式(28-a)、式(28-b)、式(29-a)又は式(29-b)で表される化合物(ここで、該化合物には、その互変異性体、溶媒和物、製薬上許容される塩、誘導体又はプロドラッグが包含される)によって調製することができる。
医薬組成物は、当技術分野で知られている方法、例えば、とりわけ、慣習的な造粒プロセス、混合プロセス、溶解プロセス、カプセル化プロセス、凍結乾燥プロセス、乳化プロセス又は製粉化プロセスなどによって製造することができる。該組成物は、例えば、顆粒剤、粉末剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、エマルション剤、エリキシル剤、懸濁液剤又は溶液剤などの形態であることができる。
本発明の組成物は、種々の投与経路に対して、例えば、経口投与、経粘膜投与、直腸内投与又は皮下投与による投与経路に対して、さらに、くも膜下注入、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、鼻腔内注入、眼内注射又は脳室内注射に対して、製剤することができる。本発明の1種類又は複数種類の化合物は、さらにまた、全身への投与ではなく、むしろ、局所に投与することもできる(例えば、徐放性製剤としての注入)。一実施形態において、静脈内投与が提供される。
本明細書に記載されている代表的な投与形態に加えて、製薬上許容される賦形剤及び担体も、概して当業者には知られており、従って、本発明に含まれる。そのような賦形剤及び担体は、例えば、「REMINGTONS PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Publ. Co. 2000)」、及び、「PHARMACEUTICS: THE SCIENCE OF DOSAGE FORM DESIGN、2nd ed.(Churchill Livingstone 2002)」に記載されている。以下の投与形態は、例証を目的として提供されており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
経口投与、口腔内投与及び舌下投与に関しては、固形投与形態として、粉末剤、懸濁液剤、顆粒剤、錠剤、丸薬、カプセル剤、ジェルキャップ剤及びカプレット剤を使用することができる。これらは、例えば、本発明の1種類以上の化合物又はその溶媒和物、プロドラッグ、製薬上許容される塩若しくは互変異性体を、少なくとも1種類の添加剤又は賦形剤、例えば、デンプン又は別の添加剤と混合させ、錠剤化するか、カプセル化するか、又は、慣習的な投与のための別の望ましい形態にすることにより調製することができる。適切な添加剤又は賦形剤は、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、ソルビトール、デンプン、寒天、アルギネート、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成若しくは半合性のポリマー又はグリセリド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース及び/又はポリビニルピロリドンである。経口投与形態には、投与における補助用の別の成分、例えば、不活性希釈剤、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、保存剤(例えば、パラベン又はソルビン酸)、又は、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、トコフェロール又はシステイン)、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味剤、矯味矯臭剤又は賦香剤などを場合により含ませることができる。さらに、識別のために、染料又は顔料を添加することもできる。錠剤及び丸薬は、当技術分野では知られている適切なコーティング材料でさらに処理することもできる。
経口投与用の液体投与形態は、製薬上許容されるエマルション、シロップ、エリキシル、懸濁液、スラリー及び溶液の形態であることができる。これらには、水などの不活性な希釈剤を含ませることができる。医薬製剤は、無菌の液体(例えば、限定するものではないが、油、水、アルコール及びそれらの組合せなど)を用いて、液状の懸濁液又は溶液として調製することができる。経口投与又は非経口投与又に対して、製薬上適切な界面活性剤、懸濁化剤及び乳化剤などを添加することができる。
鼻内投与に関しては、該医薬組成物は、適切な溶媒及び場合により他の化合物(例えば、限定するものではないが、安定剤、抗菌剤、抗酸化剤、pH調節剤、界面活性剤、生物学的利用能調節剤及びそれらの組合せなど)を含んでいるスプレー又はエーロゾルであり得る。エーロゾル製剤用の噴射剤としては、圧縮された空気、窒素、二酸化炭素又は炭化水素系低沸点溶媒などを挙げることができる。本発明の1種類又は複数種類の化合物は、好都合には、噴霧器などからエーロゾルスプレーの形態で送達する。
非経口投与用の注射可能な投与形態としては、一般に、水性懸濁液又は油性懸濁液などがあり、これらは、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて調製することができる。注射可能な形態は、溶液相にあり得るか、又は、溶液として再構成させるのに適した粉末であり得る。いずれも、溶媒又は希釈剤を用いて調製する。本発明の一実施形態において、例えば、該医薬組成物の凍結乾燥された粉末が提供される。許容される溶媒又はビヒクルとしては、滅菌水、リンゲル液又は等張食塩水などがある。あるいは、溶媒又は懸濁化剤として無菌の油を使用することができる。典型的には、該油又は脂肪酸は、非揮発性であり、例えば、天然油、合成油、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリドなどがある。一実施形態において、例えば、該製薬上許容される担体は、ポリエチレングリコール及び食塩水を含んでいる。
注射用の該製剤には、安定剤、pH調節剤、界面活性剤、生物学的利用能調節剤及びそれらの組合せを場合により含ませることができる。該化合物は、注射による非経口投与用に、例えば、ボーラス注射又は持続注入などによる非経口投与用に製剤することができる。注射用の単位投与形態は、アンプル又は複数用量容器(multi-dose containers)に入れられたものであり得る。
直腸内投与に関しては、該医薬製剤は、腸、S字結腸及び/又は直腸の中で化合物を放出するための坐剤、軟膏剤、浣腸剤、錠剤又はクリーム剤の形態であり得る。直腸用坐剤は、本発明の1種類以上の化合物又は該化合物の製薬上許容される塩若しくは互変異性体を、室温では固相であるが体内(例えば、直腸内)で薬物を放出するのに適した温度では液相である許容されるビヒクル(例えば、カカオバター又はポリエチレングリコール)と混合させて調製する。当業者にはよく知られているように、坐剤の調製においてはさまざまな他の作用剤及び添加剤を使用することができる。
本発明の製剤は、下記で記載しているように、短時間で作用するように、速く放出するように、長時間にわたり作用するように、及び、持続放出するようにデザインすることができる。かくして、該医薬製剤は、制御放出用にも製剤し得るか、又は、徐放用にも製剤し得る。本発明の組成物には、さらにまた、例えば、ミセル若しくはリポソーム又は別のカプセル化形態なども包含され得る。又は、本発明の組成物は、長期に渡る貯蔵及び/又は送達効果を提供するため、長期放出形態で投与することができる。従って、該医薬製剤は、圧縮してペレット又は円柱状とすることができ、そして、デポー注射剤として筋肉内若しくは皮下に注入することができるか、又は、ステントなどのインプラントととして埋め込むことができる。そのようなインプラントには、既知の不活性材料、例えば、シリコーン類及び生物分解性ポリマーなどを使用することができる。
具体的な投与量は、疾患の状態、対象の年齢、体重、身体全体の健康状態、性別及び食事、投与間隔、投与経路、排出速度、並びに、薬物の組合せに応じて、調節することができる。有効量を含んでいる上記投与形態はいずれも、充分に、日常的な実験の範囲内にあり、従って、充分に、本発明の範囲内にある。
治療上有効な用量は、投与経路及び投与形態に応じて変動し得る。典型的には、本発明の1種類又は複数種類の化合物は、高い治療指数を示す製剤をもたらすように選択する。治療指数は、毒性効果と治療効果の間の用量比であり、LD50とED50の間の比として表すことができる。LD50は、当該個体群の50%を死に至らしめる用量であり、ED50は、当該個体群の50%において治療上有効な用量である。LD50及びED50は、動物細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順により決定される。
本発明化合物及び/又は本発明組成物の腫瘍性疾患に対する用法(以下で、さらに詳細に説明する)は、疾患の種類、患者の年齢、体重、性別及び病状、病状の重症度、投与経路、並びに、用いる特定の化合物などの、さまざまな要因に基づく。従って、該用法は、広い範囲でさまざまであり得るが、標準的な方法を用いて日常的に決定することができる。本明細書に開示されている全ての使用方法に対して、一般に、1日当たり体重1kg当たり、約0.01mg〜30mg程度の投与レベル、例えば、約0.1mg〜10mg/kgの投与レベル、又は、約0.25mg〜1mg/kgの投与レベルなどで有効である。一実施形態においては、該投与量は、約0.1〜約2.0mg/kgである。例えば、化合物(28-a)は、この範囲内の投与量で投与することができる。別の実施形態においては、該投与量は、約0.1〜約30mg/kgであり、これは、化合物(28-b)、化合物(29-a)及び化合物(29-b)についての投与量を例証する。
経口投与に関して、該医薬組成物は、例えば、カプセル剤、錠剤、懸濁液剤又は液剤などの形態であり得る。該医薬組成物は、所与の量の活性成分を含んでいる投与単位の形態に作ることができる。例えば、それらには、約1〜2000mgの量の活性成分、例えば、約1〜500mg又は約5〜150mgの量の活性成分を含ませることができる。ヒト又は別の哺乳動物についての適切な1日用量は、患者の状態及び別の要因に応じて広い範囲でさまざまであり得るが、今度の場合も前と同じように、日常的な方法を用いて決定することができる。
上記で述べたように、本発明の化合物、製薬上許容される塩、互変異性体、溶媒和物及びプロドラッグは、食塩水、デキストロース又は水などの適切な担体を含んでいる組成物として注射により投与することも可能である。非経口による1日の用法は、体重1kg当たり約0.1〜約30mgであり、例えば、約0.1〜約10mg/kg又は約0.25mg〜1mg/kgなどである。
局所投与に適した製剤には、皮膚を通して浸透させるのに適した液体又は半液体の調製物(例えば、リニメント剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤又はペースト剤など)、及び、目、耳又は鼻への投与に適した滴剤などがある。
本発明化合物の局所投与の用量は、0.1mg〜150mg(1日当たり1〜4回、例えば、1回又は2回投与する)であり得る。局所投与に関して、該活性成分は、その製剤の0.001%(w/w)〜10%(w/w)、例えば、1重量%〜2重量%を構成し得る。該活性成分は、10%(w/w)もの量を構成することも可能ではあるが、典型的には、5%(w/w)以下である。一実施形態においては、その濃度は、製剤の0.1%〜1%である。
該医薬組成物は、滅菌などの慣習的な製薬工程に付すことができるか、及び/又は、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などのアジュバントを含有することができる。本発明の医薬的に活性な化合物は、慣習的な調剤法に従って加工処理して、ヒト及び別の哺乳動物などの患者に投与するための薬剤を製造することができる。
治療方法
本発明は、別の実施形態として、対象における腫瘍性疾患を治療する方法も提供する。そのような疾患を治療するために、本発明の化合物は、何種類かの異なった方法(例えば、限定するものではないが、上記で論じたような、経口、非経口、噴霧吸入(spray inhalation)、直腸又は局所など)で、治療有効量で投与することができる。用語「非経口」は、本明細書においては、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与及び胸骨内投与、並びに、注入技術及び腹腔内投与を包含するために使用される。
疾患及び障害の治療は、本明細書においては、予防的処置(preventative treatment)(例えば、痛み及び炎症などに対する予防的処置)が必要であると考えられる対象に本発明化合物(又は、その製薬用の塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ)又は該化合物を含んでいる医薬組成物を治療的に投与することも包含することが意図されている。「対象」には、限定するものではないが、動物、例えば、哺乳動物(ヒトを包含する)などが包含され得る。
治療には、該化合物又は医薬組成物を投与する必要があると診断されなかった対象への該化合物又は医薬組成物の投与、即ち、該対象への予防的投与(prophylactic administration)も包含される。一般に、該対象は、免許を受けた医師及び/又は認可された開業医によって最初に診断され、そして、本発明の1種類又は複数種類の化合物又は組成物の投与による予防的及び/又は治療的処置についての療法が、示唆されるか、推奨されるか、又は、指示される。
「治療する(treating)」又は「〜の治療(treatment of)」は、本発明に関連して、障害若しくは疾患に関連する症状の全体的若しくは部分的な緩和、又は、それら症状のさらなる進行若しくは悪化の停止、又は、疾患若しくは障害の予防(prevention)若しくは予防(prophylaxis)を意味する。同様に、本明細書で使用される場合、本発明化合物の「有効量」又は「治療有効量」は、障害若しくは疾患に関連する症状を全体的若しくは部分的に緩和する該化合物の量、又は、それら症状のさらなる進行若しくは悪化を停止させる該化合物の量、又は、疾患若しくは障害を予防するか(prevent)若しくは予防する(provide prophylaxis)該化合物の量を意味する。例えば、腫瘍性疾患を患っている患者の治療に関連して、成功した治療(successful treatment)には、以下のものが包含され得る:腫瘍の付着(adhesion)及び定着(anchorage)の低減;癌性増殖若しくは腫瘍に関連した症状又は病変組織の増殖に関連した症状の緩和;癌などの疾患の進行の停止又は癌細胞の増殖の停止。本発明の化合物又は医薬組成物で治療可能な代表的な腫瘍性疾患としては、限定するものではないが、膵臓癌、膀胱癌、乳癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、消化器癌、頭部癌、頸部癌及び白血病などを挙げることができる。
本発明化合物は、上記方法において単独で投与することが可能であり得るが、投与される該化合物は、通常、望ましい投与単位製剤中の活性成分として、例えば、上記で記載した慣習的な製薬上許容される担体を含んでいる製薬上許容される組成物中の活性成分として、存在させる。
以下の実施例は、上記で説明した本発明について単に例証するために提供されている。それらは、決して本発明の範囲を限定するものではない。
一般的な合成についての詳細
特に別途示されていない限り、市販されている材料は、それ以上精製することなく使用した。全ての溶媒は、HPLCグレード又はACSグレードのものであった。感湿性工程に使用した溶媒は、窒素雰囲気下で乾燥剤から蒸留させた:Et2O及びTHFは、ナトリウムベンゾフェノンケチルから;ベンゼン及びトルエンはナトリウムから;CH2Cl2はCaH2から、固形KOH上のピリジン、無水N,N-ジメチルホルムアミド及びCH3CNは、商業的供給元から購入した。反応は、特に別途示されていない限り、窒素雰囲気下で磁気撹拌しながら実施した。フラッシュクロマトグラフィー(FC)は、Still、Kahn及びMitra(J. Org. Chem. 1978, 43, 2923)のプロトコルに従い、E Merck シリカゲル 60(240-400 mesh)を用いて、実施した。
薄層クロマトグラフィーは、E. Merckから購入したプレコートプレート(シリカゲル 60 PF254, 0.25mm)を用いて実施し、KMnO4又はCe(IV)染色剤を用いて視覚化した。
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、400/300MHz(1H NMR)又は100/75MHz(13C NMR)の運転周波数で、Varian Inova-400又はMercury-300分光計で記録した。化学シフト(δ)は、残留溶媒(通常はクロロホルム 1H NMRについてδ 7.26 又はプロトンデカップル13C NMRについてδ 77.23)に対して「ppm」で与えられ、結合定数(J)は「Hz」で与えられる。多重度は、一重線は「s」で、二重線は「d」で、三重線は「t」で、四重線は「q」で、及び、多重線は「m」で表示されており、接頭語「app」は真の多重度が未定の場合に適用され、また、「br」は当該シグナルが広がっている場合に適用される。
赤外スペクトルは、塩プレート間の薄膜として調製されたサンプルを用いて、Perkin-ElmerI 1000 シリーズ FTIRで、波数を「cm-1」で表して記録した。エレクトロスプレーイオン化質量スペクトル(ESI-MS)は、Shimadzu 2010-LCMSで記録した。旋光度は、20℃で、Rudolph Research Analytical Autopol(登録商標) IV 旋光計で測定した。
実施例1:化合物(i)の調製
Figure 2009502748
Et2O(12mL)中のTMEDA(3.03mL, 20.00mmol)及びn-BuLi(ヘキサン中2.5M, 8.0mL, 20mmol)を含んでいる丸底フラスコに、N2下、-78℃で、2-メチルプロペン(3.40g, 60.00mmol)を添加した。その反応物を-78℃で1時間撹拌し、室温で一晩撹拌した。(-)-(Ipc)2BOMe(6.34g, 20.00mmol)をEt2O(20mL)に溶解させた溶液を-78℃で撹拌しながら、それに、上記で得られた混合物を添加した。-78℃で1時間撹拌し、室温で1時間撹拌した後、その反応物を-78℃に冷却し、アルデヒド(8)(Ahrendt, K.A.; Williams, R.M. Org. Lett. 2004, 6, 4539)(2.60g, 20.00mmol)をEt2O(34mL)に溶解させた溶液を滴下して加えた。1時間経過した後、その反応物を、pH7緩衝液(120mL)、MeOH(120mL)及び30% H2O2(60mL)を添加することによりクエンチし、室温で30分間撹拌した。その粗製物質をEt2Oで抽出し、有機相を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘキサン 1:4)で精製して、アリル型アルコール(i)2.6g(70%, dr 95:5)をイソピノカンフェオールで汚染された無色の油状物として得た。これは、それ以上精製することなく使用した。
[α]D=+16.38(CHCl3, c=1.0);
1H NMR(CDCl3)δ 1.37(s, 3H), 1.44(s, 3H), 1.78(s, 3H), 2.01(d, 1H, J=2.4Hz), 2.11(dd, 1H, J=9.4, 14.2Hz), 2.30(dd, 1H, J=4.0, 14.2Hz), 3.85(m, 1H), 4.00(m, 3H), 4.82(s, 1H), 4.89(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 22.3, 25.3, 26.6, 41.7, 65.4, 68.8, 78.4, 109.1, 113.7, 141.9;
IR vmax 3477, 1219, 1066 cm-1
MS(ES)m/z: 209.05([MNa]+)。
実施例2:化合物(ii)の調製
Figure 2009502748
NaH(鉱油中60%, 620mg, 15.4mmol)をTHF(70mL)に懸濁させた懸濁液に、アリル型アルコール(i)(2.6g, 13.98mmol;実施例1)をTHF(14mL)に溶解させた溶液を、0℃で添加した。0℃で30分間撹拌した後、MeI(1.05mL, 16.77mmol)を添加し、その反応物を周囲温度で一晩撹拌した。その粗製物質をEt2Oで抽出した。有機相を合してMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をFC(シリカゲル, Et2O/ヘキサン 1:1)で精製して、メチルエーテル(ii)2.52g(90%)を無色の揮発性油状物として得た。
[α]D=+1.92(CHCl3, c=1.0);
1H NMR(CDCl3)δ 1.35(s, 3H), 1.43(s, 3H), 1.80(s, 3H), 2.22(m, 2H), 3.45(s, 3H), 3.47(m, 1H), 3.90(dd, 1H, J=6.4, 7.6Hz), 4.02(app t, 1H, J=6.8Hz), 4.06(app q, 1H, J=6.4Hz), 4.80(d, 1H, J=0.8Hz), 4.83(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 22.9, 25.3, 26.5, 39.5, 58.8, 65.8, 77.5, 79.7, 109.0, 113.0, 142.4;
IR vmax 1219, 1104, 1078 cm-1
MS(ES)m/z: 223.05([MNa]+)。
実施例3:化合物(9)の調製
Figure 2009502748
MeOH(40mL)中のメチルエーテル(ii)(1.53g, 7.65mmol;実施例2)とPPTS(408mg, 1.63mmol)と水(2.55mL)の混合物を、50℃で一晩撹拌し、次いで、室温とした。NaHCO3(600mg, 7.14mmol)を添加し、減圧下に溶媒を除去した。得られた残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた残渣をFC(シリカゲル, EtOAc)で精製して、1.13g(93%)の化合物(9)を無色の油状物として得た。
[α]24 D=+29.0(EtOAc, c=0.29);
1H NMR(CDCl3)δ 1.78(s, 3H), 2.17(dd, 1H, J=6.0, 14.4Hz), 2.36(dd, 1H, J=6.9, 14.4Hz), 2.53(bs, 1H), 2.58(bs, 1H), 3.41(s, 3H), 3.52(m, 1H), 3.68(m, 2H), 3.77(ddd, 1H, J=1.2, 6.3, 12.0Hz), 4.79(bs, 1H), 4.83(t, 1H, J=1.5Hz);
13C NMR(CDCl3)δ 22.7, 38.7, 58.3, 63.0, 72.3, 81.8, 113.3, 142.2;
IR vmax 3391, 2919, 1646, 1448, 1094 cm-1
MS(ES)m/z: 183.00([MNa]+)。
実施例4:化合物(iii)の調製
Figure 2009502748
化合物(9)(640mg, 4.0mmol)とイミダゾール(408mg, 6.0mmol)をCH2Cl2(15mL)に溶解させた溶液に、CH2Cl2(3mL)中のTBSCl(724mg, 4.8mmol)を0℃で添加した。30分間経過した後、その反応混合物を飽和NaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、その残渣をFC(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc, 10:1)で精製して、(iii)1.04g(95%)を無色の油状物として得た。
[α]22 D=+8.57(EtOAc, c=0.28);
1H NMR(CDCl3)δ 0.08(s, 3H), 0.08(s, 3H), 0.90(s, 9H), 1.80(s, 3H), 2.30(m, 2H), 2.45(d, 1H, J=3.3Hz), 3.40(s, 3H), 3.42(m, 1H), 3.69(m, 3H), 4.81(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ -5.4, 18.3, 22.9, 25.9, 38.5, 58.2, 63.4, 72.7, 79.9, 112.7, 142.9;
IR vmax 3468, 1650, 1463, 1255, 1103 cm-1
MS(ES)m/z: 297.10([MNa]+)。
実施例5:化合物(10)の調製
Figure 2009502748
(iii)(1.00g, 3.65mmol)をピリジン(8mL)に溶解させた溶液に、塩化ベンゾイル(1.69mL, 7.30mmol)を添加した。室温で30分間経過した後、再度、塩化ベンゾイル(0.56mL, 2.43mmol)を添加し、さらに30分間撹拌した。飽和NaHCO3溶液を添加し、その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して1N HCl及び水で洗浄し、濃縮した。その粗製ベンゾエートをTHF(30mL)に溶解させた溶液に3N HCl(6mL)を添加した。室温で2時間撹拌した後、NaHCO3(2.0g)を添加し、減圧下に溶媒を除去した。得られた残渣をCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を除去した後、残渣をFC(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc, 3:1)で精製して、化合物(10)(914mg, 95%)を無色の油状物として得た。
[α]24 D=-26.4(EtOAc, c=0.55);
1H NMR(CDCl3)δ 1.81(s, 3H), 2.30(dd, 1H, J=6.0, 14.4Hz), 2.42(dd, 1H, J=7.5, 14.4Hz), 3.49(s, 3H), 3.80(ddd, 1H, J=3.9, 6.0, 7.5Hz), 3.92(dd, 1H, J=3.9, 12.0Hz), 3.97(dd, J=4.8, 12.0Hz), 4.80(m, 1H), 4.84(m, 1H), 5.13(ddd, 1H, J=3.9, 3.9, 4.8Hz), 7.45(m, 2H), 7.58(m, 1H), 8.07(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ 22.6, 39.6, 58.9, 61.8, 76.2, 80.2, 113.5, 128.4, 129.7, 129.9, 133.2, 141.6, 166.3;
IR vmax 3439, 2918, 1715, 1250, 1272, 1114 cm-1
MS(ES)m/z: 287.00([MNa]+), 319.05([MNa+MeOH]+)。
実施例6:化合物(11)の調製
Figure 2009502748
化合物(10)(30mg, 114μmol)をCH2Cl2(10mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、その溶液が僅かに青色になるまでオゾンを通気させた。Me2S(1mL)を添加し、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 1:1)で精製して、4種類のヘミケタールの混合物(24mg, 89%)を粘性の油状物として得た。ヘミケタール(24mg, 90μmol)をMeOH(3mL)に溶解させた溶液に、HC(OMe)3(0.2mL)及び触媒量のpTsOHを添加した。室温で1時間撹拌した後、Et3N(50μL)を添加し、5分間撹拌した。減圧下に溶媒を除去し、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 3:1)で精製して、化合物(11)(20mg, 80%)を無色の油状物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 1.42(s, 3H), 1.96(dd, 1H, J=12.0, 12.4Hz), 2.06(dd, 1H, J=4.8, 12.4Hz), 3.23(s, 3H), 3.37(s, 3H), 3.75(dd, 1H, J=1.0, 12.8Hz), 3.81(ddd, 1H, J=2.8, 4.8, 12.0Hz), 3.92(dd, 1H, J=2.0, 12.8Hz), 5.44(ddd, 1H, J=1.0, 2.0, 2.8Hz), 7.44(t, 2H, J=7.6Hz), 7.56(t, 1H, J=7.6Hz), 8.08(d, 2H, J=7.6Hz);
13C NMR(CDCl3)δ 23.3, 37.2, 48.2, 56.1, 62.3, 66.5, 73.3, 99.7, 128.3, 129.8, 133.0, 166.2;
MS(ES)m/z: 303.00([MNa]+)。
実施例7:化合物(anti-5)の調製
Figure 2009502748
CH2Cl2(6mL)中の(10)(115mg, 435μmol)とNaHCO3(73mg, 870μmol)の混合物に、0℃で、デス・マーチンペルヨージナン(369mg, 870μmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、エーテル(20mL)及び10% Na2S2O3(10mL)を添加した。5分間経過した後、有機層を分離させ、飽和NaHCO3及び水で充分に洗浄し、MgSO4で脱水した。濾過及び濃縮して、粗製アルデヒドを得た。その粗製アルデヒドとt-BuOH(13mL)と水(3.3mL)と2-メチル-2-ブテン(3.3mL)の混合物に、0℃で、NaH2PO4(197mg, 1.43mmol)及びNaClO2(197mg, 1.74mmol)を添加した。室温で1.5時間撹拌した後、EtOAc(30mL)及び0.05N NaHSO4(30mL)を添加した。5分間経過した後、その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, MeOH/CH2Cl2, 1:5)で精製して、(anti-5)(105mg, 87%)を粘性の油状物として得た。
[α]22 D=-13.6(EtOAc, c=0.36);
1H NMR(CDCl3)δ 1.68(s, 3H), 2.31(dd, 1H, J=3.6, 14.0Hz), 2.41(dd, 1H, J=8.4, 14.0Hz), 3.45(s, 3H), 3.86(m, 1H), 4.76(bs, 2H), 5.45(bs, 1H), 7.38(m, 2H), 7.52(m, 1H), 8.02(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ 22.5, 38.7, 57.9, 73.7, 79.5, 113.0, 128.2, 129.4, 129.9, 133.2, 141.8, 166.1, 174.2;
IR vmax 3438, 2918, 1726, 1601, 1273, 1116 cm-1
MS(ES)m/z: 301.00([MNa]+)。
実施例8:化合物(syn-5)の調製
Figure 2009502748
エナンチオマーボラン((+)-(Ipc)2BOMe)から出発した以外は、(anti-5)の合成手順と同じ手順を用いて、アルデヒド(8)から(syn-5)を合成した。
1H NMR(CDCl3)δ 1.75(s, 3H), 2.33(dd, 1H, J=7.8, 13.8Hz), 2.45(dd, 1H, J=6.6, 13.8Hz), 3.42(s, 3H), 4.04(ddd, 1H, J=2.1, 6.6, 7.8Hz), 4.68(bs, 1H), 4.79(t, 1H, J=1.5Hz), 5.25(d, 1H, J=2.1Hz), 7.42(m, 2H), 7.55(m, 1H), 8.09(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ 22.5, 38.2, 58.2, 73.3, 78.8, 114.1, 128.4, 129.2, 129.9, 133.3, 140.9, 166.1, 172.9;
IR vmax 3446, 2938, 1726, 1602, 1266, 1107, 1072 cm-1
MS(ES)m/z: 301.00([MNa]+)。
実施例9:化合物(iv)の調製
Figure 2009502748
ベンズアルデヒド(12)(Lambooy, J.P. J. Am. Chem. Soc. 1956, 78, 771)(4.19g, 23.28mmol)をDMSO(67mL)に溶解させた溶液に、10℃で、H2O(9mL)中のNaH2PO4(8.03g, 58.20mmol)及びH2O(33mL)中のNaClO2(5.26g, 46.56mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、飽和Na2CO3(200mL)を添加した。5分間経過した後、その粗製物質をEtOAc(100mL)で抽出し、水相を濃HClで酸性化してpH2とした。形成された白色の沈澱物を濾過により集め、酸(iv)(3.88g, 85%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ 2.16(s, 3H), 3.92(s, 3H), 4.07(s, 3H), 6.46(s, 1H), 7.91(1H, d, J=0.8Hz), 10.61(br, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 15.1, 55.6, 56.7, 94.1, 108.8, 120.6, 134.7, 158.2, 162.9, 165.6,;IR vmax 3242, 1725, 1621, 1280, 1021, 828 cm-1
MS(ES)m/z: 197.05([MH]+), 219.00([MNa]+)。
実施例10:化合物(v)の調製
Figure 2009502748
安息香酸(iv)(3.88g, 19.79mmol)をベンゼン(110mL)に溶解させた溶液に、室温で、塩化チオニル(8.52mL, 77mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を2時間還流してから、冷却した。減圧下に溶媒及び余分な塩化チオニルを除去して、粗製酸塩化物を得た。粗製酸塩化物をベンゼン(56mL)に溶解させた溶液に、0℃で、ジエチルアミン(6.14mL, 59.38mmol)を滴下して加えた。0℃で2時間撹拌し、室温で一晩撹拌した後、その反応物を濃縮した。得られた粗製油状物をFC(シリカゲル, EtOAc/ヘキサン/NEt3 9:1:0.05)で精製して、化合物(v)(4.82g, 97%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ 1.03(t, 3H, J=7.2Hz), 1.23(t, 3H, J=7.2Hz), 2.13(s, 3H), 3.17(q, 2H, J=7.2Hz), 3.55(q, 2H, J=7.2Hz), 3.81(s, 3H), 3.85(s, 3H), 6.41(s, 1H), 6.95(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 12.9, 14.0, 15.2, 38.8, 42.8, 55.4, 55.9, 95.0, 118.5, 118.6, 129.2, 154.5, 158.7, 169.0;
IR vmax 1614, 1462, 1207, 1143, 1033 cm-1
MS(ES)m/z: 252.10([MH]+)。
実施例11:化合物(13)の調製
Figure 2009502748
アミド(v)(1.61g, 6.40mmol)をTHF(16mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、s-BuLi(シクロヘキサン中1.4M, 10.06mL, 14.09mmol)を滴下して加えた。-78℃で1時間経過した後、CuBr・Me2S(2.63g, 12.81mmol)を添加し、その反応物を-15℃まで昇温させた。30分間経過した後、-78℃で、アリルブロミド(1.12mL, 12.81mmol)を添加し、その温度で1時間維持した。その反応物を室温まで昇温させ、シリカゲルのパッドで濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液をMgSO4で脱水し、濃縮し、FC(シリカゲル, EtOAc/ヘキサン/NEt3 85:15:0.5)で精製して、化合物(13)(1.41g, 76%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ 1.02(t, 3H, J=6.8Hz), 1.23(t, 3H, J=7.2Hz), 2.09(s, 3H), 3.04(dt, 1H, J=7.6Hz), 3.15(dt, 1H, J=7.6Hz), 3.24-3.40(3H, m), 3.79(s, 3H), 3.84(s, 3H), 4.97(m, 2H), 5.84(m, 1H), 6.36(m, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 10.8, 12.5, 13.5, 34.7, 38.1, 42.7, 55.4, 55.5, 93.2, 115.3, 117.9, 119.2, 135.4, 136.1, 154.0, 158.3, 168.5;
IR(フィルム)1626, 1594, 1460, 1436, 1318, 1207, 1140, 1094 cm-1
MS(ES)m/z: 292.10([MH]+).
実施例12:化合物(vi)の調製
Figure 2009502748
(13)(1.00g, 3.61mmol)をCH2Cl2(60mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、BBr3(2.05mL, 21.7mmol)をCH2Cl2(20mL)に溶解させた溶液を添加した。-78℃で30分間、0℃で4時間及び25℃で1時間撹拌した後、0℃で水を添加し、その粗製物質をCH2Cl2で抽出した。抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。得られた残渣をFC(シリカゲル;CH2Cl2/EtOAc, 20:1)で精製して、(vi)(730mg, 81%)を白色固体として得た。
1H NMR(CD3OD)δ 1.07(t, 3H, J=6.9Hz), 1.22(t, 3H, J=6.9Hz), 2.04(s, 3H), 3.11-3.45(m, 5H), 3.65(m, 1H), 4.98(m, 2H), 5.82(m, 1H), 6.28(s, 1H);
13C NMR(CD3OD)δ 11.3, 13.1, 14.1, 36.0, 40.2, 45.0, 101.6, 116.0, 116.3, 117.5, 137.1, 137.3, 153.1, 157.8, 172.3;
IR vmax 3307, 1600, 1577, 1439, 1144 cm-1
MS(ES)m/z: 264.10([MH]+), 286.05([MNa]+)。
実施例13:化合物(vii)の調製
Figure 2009502748
(vi)(845mg, 3.21mmol)をCH2Cl2(25mL)に溶解させた溶液に、室温で、Me3OBF4(590mg, 3.99mmol)を添加した。20時間経過した後、その反応物を濃縮し、MeOH(9mL)及び飽和Na2CO3溶液(9mL)と混合させた。室温で6時間撹拌した後、エーテル(50mL)を添加した。水相を、0.5N HClを用いてpH2に調節した。その粗製物質をエーテルで抽出した。エーテル抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 6:1)で精製して、(vii)(520mg, 73%)を白色の固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 2.11(s, 3H), 3.70(dt, 2H, J=1.7, 5.8Hz), 3.91(s, 3H), 4.95(m, 2H), 5.52(s, 1H), 5.91(m, 1H), 6.33(s, 1H), 11.30(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 10.9, 35.6, 52.0, 101.5, 106.1, 114.9, 117.2, 136.2, 142.1, 159.2, 161.6, 171.9;
IR vmax 3330, 1654, 1597, 1439, 1329, 1262, 1159 cm-1
MS(ES)m/z: 286.05([MNa+MeCN]+)。
実施例14:化合物(viii)の調製
Figure 2009502748
化合物(vii)(520mg, 2.34mmol)とK2CO3(971mg, 7.03mmol)とPMBCl(953uL, 7.02mmol)とBu4NI(173mg, 0.47mmol)とDMF(30mL)の混合物を80℃で20時間加熱した。減圧下(5mmHg)に50℃でDMFを除去し、水を添加し、その粗製物質をCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 9:1)で精製して、(viii)(990mg, 92%)を白色の固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 2.12(s, 3H), 3.35(m, 2H), 3.78(s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.82(s, 3H), 4.93(s, 2H), 4.97(s, 2H), 4.99(m, 2H), 5.85(m, 1H), 6.46(s, 1H), 6.91(m, 4H), 7.27(m, 4H);
13C NMR(CDCl3)δ 11.0, 35.0, 51.9, 55.15, 55.18, 70.1, 70.6, 97.1, 113.8, 113.9, 115.6, 117.7, 118.6, 128.6, 128.8, 128.8, 128.9, 135.4, 136.9, 154.4, 158.1, 159.2, 159.3, 169.2;
IR vmax 2949, 1725, 1593, 1515, 1250, 1155 cm-1
MS(ES)m/z: 485.10([MNa]+)。
実施例15:化合物(6)の調製
Figure 2009502748
(viii)(462mg, 1mmol)をTHF(5mL)とH2O(1mL)に溶解させた溶液に、0℃で、4-メチル-モルホリン-N-オキシド(234mg, 2mmol)及びOsO4(t-BuOH中の0.1M溶液, 800μL, 0.08mmol)を添加した。周囲温度で12時間撹拌した後、10% Na2S2O3溶液を添加した。30分間経過した後、その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をショートカラム(シリカゲル)で濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を合したものから溶媒を除去して、粗製ジオールを得た。粗製ジオールを90% MeOH(25mL)に溶解させた溶液に、NaIO4(321mg, 1.5mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、EtOAc(50mL)を添加した。その反応混合物を水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;CH2Cl2/EtOAc, 20:1)で精製して、化合物(6)(408mg, 88%)を白色の結晶として得た。
1H NMR(CDCl3)δ 2.08(s, 3H), 3.68(d, 2H, J=1.8Hz), 3.81(s, 3H), 3.82(s, 3H), 3.83(s, 3H), 4.97(s, 2H), 5.01(s, 2H), 6.53(s, 1H), 6.91(m, 4H), 7.30(m, 4H), 9.64(t, 1H, J=1.8Hz);
13C NMR(CDCl3)δ 11.6, 45.8, 52.1, 55.2, 55.2, 70.1, 70.8, 98.2, 113.9, 114.0, 117.6, 119.5, 128.5, 128.6, 128.7, 128.8, 130.7, 155.3, 158.6, 159.3, 159.4, 168.6, 198.6;
IR vmax 3000, 2951, 1722, 1594, 1515, 1250, 1156 cm-1
MS(ES)m/z: 487.10([MNa]+)。
実施例16:化合物(16)の調製
Figure 2009502748
(14)(Johnson, P.R.;White, J.D. J. Org. Chem. 1984, 49, 4424)(2.0g, 14.1mmol)をトルエン(20mL)に溶解させた溶液に、-15℃で、アリルシラン(15)(5.69g, 21.1mmol)を添加した。-10℃で48時間経過した後、その反応混合物に0.5N HCl(20mL)を添加し、室温で30分間撹拌した。その粗製物質をエーテルで抽出した。有機抽出物を合して水、飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 15:1)で精製して、(16)(1.38g, 69%, 94% ee)を無色の油状物として得た。
[α]23 D=+3.73(CH2Cl2, c=2.0);
1H NMR(CDCl3)δ 1.08(s, 3H), 1.11(s, 3H), 2.07(m, 1H), 2.15(d, 1H, J=3.6Hz), 2.32(m, 1H), 3.78(dt, 1H, J=3.6, 10.4Hz), 5.17(m, 2H), 5.85(m, 1H), 9.57(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 16.5, 19.0, 36.2, 50.0, 73.8, 118.6, 134.9, 206.2;
IR vmax 3417, 3077, 2977, 1724, 1642 cm-1
MS(ES)m/z: 307.10([M2Na]+)。
エナンチオマー過剰率は、(S)-(-)-MTPAを用いて調製したMosherエステル誘導体のH NMRスペクトルから求めた:主要な異性体は、1.064ppm及び1.067ppmにMe-共鳴を有しており;少ない方の異性体は、1.094ppm及び1.100ppmにMe-共鳴を有している。Me-共鳴の積分を用いて、eeを94%と計算した。
実施例17:化合物(17)の調製
Figure 2009502748
(16)(1.30g, 9.15mmol)をトルエン(15mL)に溶解させた溶液に、-15℃で、アリルシラン(15)(4.93g, 18.3mmol)を添加した。その温度で20時間維持した後、その反応混合物に0.5N HCl(15mL)を添加し、室温で15分間撹拌した。その粗製物質をエーテルで抽出した。有機抽出物を合して水、飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 15:1)で精製して、(17)(1.33g, 79%, dr=17:1)を白色の固体として得た。
[α]22 D=+21.4(CHCl3, c=1.43);
1H NMR(CDCl3)δ 0.94(s, 6H), 2.11(m, 2H), 2.32(m, 2H), 3.13(dm, 2H, J=3.4Hz), 3.57(ddd, 2H, J=2.9, 3.7, 10.7Hz), 5.16(m, 4H), 5.90(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ 20.9, 36.4, 40.0, 77.4, 117.6, 136.2;
IR vmax 3350, 3077, 2974, 1641, 1471, 1431 cm-1
MS(ES)m/z: 207.05([MNa]+).
13C NMRのデータは、ラセミ(17)に関して報告されているデータ(Trieselmann, T.;Hoffmann, R.W.;Menzel, K. Eur. J. Org. Chem. 2002, 1292)と一致している。
実施例18:化合物(18)の調製
Figure 2009502748
(17)(465mg, 2.53mmol)と2,6-ルチジン(0.44mL, 3.80mmol)をCH2Cl2(20mL)に溶解させた溶液に、0℃で、TBSOTf(0.64mL, 2.78mmol)を添加した。10分間撹拌した後、MeOH(1mL)を添加し、10分間撹拌した。減圧下に溶媒を除去し、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 50:1)で精製して、(18)(692mg, 92%)を無色の油状物として得た。
[α]23 D=+29.2(EtOAc, c=1.05);
1H NMR(CDCl3)δ 0.09(s, 3H), 0.10(s, 3H), 0.80(s, 3H), 0.90(s, 9H), 1.00(s, 3H), 2.13(m, 2H), 2.33(m, 1H), 2.52(m, 1H), 3.57(dd, 1H, J=4.6, 6.4Hz), 3.87(dd, 1H, J=4.1, 8.7Hz), 5.10(m, 4H), 5.91(m, 2H);
13C NMR(CDCl3)δ -4.2, -3.8, 18.1, 20.4, 23.3, 26.0, 36.4, 37.7, 41.2, 75.0, 83.2, 116.3, 116.8, 136.5, 136.8;
IR vmax 3494, 3077, 2955, 1641, 1470, 1255 cm-1
MS(ES)m/z: 299.15([MH]+), 321.15([MNa]+)。
実施例19:化合物(19)の調製
Figure 2009502748
(18)(692mg, 2.32mmol)をCH2Cl2(50mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、その溶液が僅かに青色になるまで、オゾンを通気させた。Ph3P(2.43g, 9.28mmol)を添加し、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 10:1から3:1まで)で精製して、ヘミアセタール(ix)(692mg, 99%)を粘性の油状物として得た。(ix)をCH2Cl2(18mL)に溶解させた溶液に、0℃で、順次、Et3N(1.27mL, 9.19mmol)、DMAP(50mg)及びAc2O(431μL, 4.59mmol)を添加した。10分間経過した後、飽和NaHCO3(20mL)を添加し、その粗製物質をエーテルで抽出した。エーテル抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 6:1)で精製して、(19)(633mg, 81%)を2種類のエピマーの混合物として得た。これは、それ以上分離させることなく使用した。
アキシャルOAcを有する化合物の1H NMR(CDCl3)δ 2.13(s, 3H), 3.75(dd, 1H, J=5.2, 11.3Hz), 4.13(dd, 1H, J=2.9, 10.1Hz), 6.12(dd, 1H, J=0.9, 3.7Hz), 9.71(t, 1H, J=1.5Hz);
エクアトリアルOAcを有する化合物の1H NMR(CDCl3)δ 2.09(s, 3H), 3.49(dd, 1H, J=4.9, 11.6Hz), 3.71(dd, 1H, J=3.1, 9.8Hz), 5.68(dd, 1H, J=2.8, 10.1Hz), 9.74(t, 1H, J=2.1Hz);
IR vmax 2929, 2856, 1727, 1367, 1235, 1076, 833 cm-1
MS(ES)m/z: 399.15([MNa+MeOH)+)。
実施例20:化合物(xi)の調製
Figure 2009502748
(R,R)-1,2-ビス(トリフルオロメタンスルホンアミド)シクロヘキサンを無水トルエン(10mL)に懸濁させた懸濁液に、室温で、Ti(OiPr)4(2.16mL, 7.32mmol)を添加した。45℃で40分間撹拌した後、その反応物を-78℃に冷却し、ZnEt2(ヘキサン中1.0M, 7.32mL, 7.32mmol)を滴下して加えた。10分間経過した後、化合物(19)(630mg, 1.83mmol)をトルエン(10mL)に溶解させた溶液を添加した。-10℃で8時間撹拌した後、飽和NH4Cl(30mL)を添加した。その反応混合物をセライトのパッドで濾過した。その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機相を合して水及びブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 20:1)で精製して、(x)(569mg, 84%)を4種類のジアステレオマーの混合物として得た。これは、それ以上分離させることなく使用した。
(x)(569mg, 1.53mmol)にTMSCN(0.81mL, 6.09mmol)を添加し、室温で15分間撹拌した。0℃まで冷却した後、順次、MeCN(20mL)、TMSCN(0.41mL, 3.08mmol)及びZnI2(114mg, 0.36mmol)を添加し、40分間撹拌した。飽和NaHCO3溶液(20mL)を添加し、その反応物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して1N HClと一緒に20分間振盪させ、水性NaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 8:1)で精製して、化合物(xi)(471mg, 91%)を2種類のアルコールエピマーの混合物(比率 3:1)として得た。
主要な異性体は、無色の油状物である。
[α]24 D=+67.6(EtOAc, c=0.55);
1H NMR(CDCl3)δ 0.05(s, 3H), 0.06(s, 3H), 0.81(s, 3H), 0.87(s, 9H), 0.89(s, 3H), 0.93(t, 3H, J=7.4Hz), 1.49(m, 4H), 1.76(ddd, 1H, J=1.2, 4.5, 13.8Hz), 1.97(ddd, 1H, J=6.0, 11.7, 13.8Hz), 2.10(s, 1H), 3.65(m, 2H), 3.76(dd, 1H, J=5.1, 6.6Hz), 4.83(dd, 1H, J=1.2, 6.0Hz);
13C NMR(CDCl3)δ -5.1, -4.3, 10.1, 12.3, 17.9, 22.5, 25.6, 30.4, 33.5, 35.4, 39.5, 63.7, 69.7, 72.3, 78.5, 117.8;
IR vmax 3436, 2959, 1472, 1258, 1104, 1082, 880 cm-1
MS(ES)m/z: 364.20([MNa]+)。
少量の異性体は、無色の油状物である。
[α]25 D=+50.2(EtOAc, c=0.69);
1H NMR(CDCl3)δ 0.06(s, 3H), 0.07(s, 3H), 0.85(s, 3H), 0.88(s, 9H), 0.89(s, 3H), 0.94(t, 3H, J=7.4Hz), 1.49(m, 2H), 1.60(dd, 1H, J=7.5, 10.2Hz), 1.68(ddd, 1H, J=2.7, 3.3, 11.4Hz), 1.75(ddd, 1H, J=1.2, 4.5, 13.5Hz), 1.99(ddd, 1H, J=6.0, 11.4, 13.5Hz), 2.03(s, 1H), 3.69(m, 3H), 4.88(dd, 1H, 1.2, 6.0Hz);
13C NMR(CDCl3)δ -5.02, -4.22, 9.66, 12.35, 17.90, 22.60, 25.66, 29.76, 33.41, 35.11, 39.88, 63.81, 71.99, 72.65, 82.85, 117.35;
IR vmax 3306, 2857, 1461, 1082, 884 cm-1
MS(ES)m/z: 364.20([MNa]+)。
実施例21:化合物(xi)の調製
Figure 2009502748
(xi)(468mg, 1.38mmol)をCH2Cl2(30mL)に溶解させた溶液に、0℃で、デス・マーチンペルヨージナン(2.0g, 4.72mmol)を添加した。周囲温度で3時間撹拌した後、10% Na2S2O3溶液(20mL)を添加し、10分間撹拌した。その反応物をCH2Cl2で抽出した。抽出物を合してNaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 10:1)で精製して、化合物(7)(444mg, 95%)を白色の固体として得た。
[α]24 D=+40.6(EtOAc, c=0.16);
1H NMR(CDCl3)δ 0.08(s, 3H), 0.09(s, 3H), 0.85(s, 3H), 0.90(s, 9H), 0.91(s, 3H), 1.07(t, 3H, J=7.3Hz), 1.79(ddd, 1H, J=1.5, 4.6, 13.7Hz), 1.98(ddd, 1H, J=6.1, 11.3, 13.7Hz), 2.52(m, 4H), 3.74(dd, 1H, J=4.6, 11.3Hz), 4.07(dd, 1H, J=2.8, 9.8Hz), 4.80(dd, 1H, J=1.5, 6.1Hz);
13C NMR(CDCl3)δ -5.0, -4.2, 7.5, 12.5, 17.9, 22.7, 25.7, 33.6, 36.1, 39.4, 42.4, 63.7, 72.1, 77.8, 117.2, 208.4;
IR vmax 3402, 2958, 1716, 1462, 1256, 1099, 885 cm-1
実施例22:化合物(20)の調製
Figure 2009502748
化合物(7)(100mg, 0.296mmol)をCH2Cl2(3mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、PhBCl2(46μL, 0.35mmol)を添加した。20分間経過した後、DIPEA(75uL, 0.43mmol)を添加した。その反応物を-78℃で1時間撹拌し、0℃で1時間撹拌した。-78℃で、CH2Cl2(1.5mL)中のアルデヒド(6)(165mg, 0.35mmol)を添加し、その反応物をその温度で3.5時間維持した。-78℃で、MeOH(4mL)とpH7緩衝液(4mL)の混合物を添加し、そのpHを、pH8緩衝液を用いて中性に調節した。0℃で1.5時間撹拌した後、その反応物をCH2Cl2で抽出した。有機相を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をFC(シリカゲル;CH2Cl2/EtOAc, 20:1)で精製して、化合物(20)(210mg, 88%, dr=12:1)を白色の泡状物として得た。
[α]24 D=+42.3(EtOAc, c=0.40);
1H NMR(CDCl3)δ 0.07(s, 3H), 0.09(s, 3H), 0.86(s, 3H), 0.90(s, 9H), 0.92(s, 3H), 1.21(d, 3H, J=7.0Hz), 1.77(ddd, 1H, J=1.3, 4.6, 13.6Hz), 1.96(ddd, 1H, J=6.0, 11.5, 13.6Hz), 2.17(s, 3H), 2.57(m, 2H), 2.73(m, 2H), 2.88(dd, 1H, J=3.3, 14.3Hz), 3.75(m, 2H), 3.80(s, 3H), 3.82(s, 3H), 3.85(s, 3H), 4.02(m, 1H), 4.13(dd, 1H, J=2.1, 9.0Hz), 4.77(d, 1H, 5.1Hz), 4.95(s, 4H), 6.47(s, 3H), 6.89(m, 4H), 7.28(m, 4H);
13C NMR(CDCl3)δ -5.1, -4.3, 11.4, 11.6, 12.6, 17.8, 22.6, 25.6, 33.6, 35.2, 39.2, 42.0, 52.5, 52.7, 55.1, 55.1, 63.6, 70.0, 70.7, 71.4, 72.1, 77.3, 97.2, 113.7, 113.9, 117.2, 117.3, 118.7, 128.55, 128.64, 128.7, 136.6, 155.0, 158.8, 159.2, 159.3, 170.8, 210.5;
IR vmax 3430, 2954, 1715, 1593, 1515, 1250, 1159, 1082 cm-1
MS(ES)m/z: 826.35([MNa]+)。
実施例22:化合物(21)の調製
Figure 2009502748
(20)(100mg, 125μmol)を無水THF(10mL)に溶解させた溶液に、-78℃で、カテコールボラン(THF中1.0M, 3.74mL, 3.74mmol)を添加した。0℃で20時間撹拌した後、2N NaOH(12mL)を添加し、得られた反応混合物を周囲温度で0.5時間撹拌した。その反応物をCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を合して水相が無色になるまで1N NaOH溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄した。その抽出物をMgSO4で脱水し、濃縮して、白色の固体を定量的収率で得た。これは、化合物(21)とそのジアステレオマーの(8:1)混合物である。CH2Cl2/アセトンから再結晶させて、純粋な化合物(21)を得た。
[α]22 D=39.4(CH2Cl2, c=0.20);
1H NMR(CDCl3)δ 0.08(s, 3H), 0.10(s, 3H), 0.88(s, 3H), 0.90(s, 9H), 0.93(s, 3H), 1.12(d, 3H, J=7.2Hz), 1.74(t, 2H, J=6.0Hz), 1.79(dd, 1H, J=4.6, 13.7Hz), 1.91(m, 1H), 2.01(ddd, 1H, J=6.2, 11.9, 13.7Hz), 2.10(s, 3H), 2.83(dd, 1H, J=12.0, 16.3Hz), 2.96(dd, 1H, J=2.6, 16.3Hz), 3.68(m, 2H), 3.80(s, 3H), 3.82(s, 3H), 4.07(m, 1H), 4.41(ddd, 1H, J=2.7, 4.9, 12.0Hz), 4.87(d, 1H, J=5.3Hz), 4.98(s, 2H), 5.09(d, 1H, J=12.0Hz), 5.16(d, 1H, J=12.0Hz), 6.49(s, 1H), 6.90(m, 4H), 7.30(d, 2H, J=8.6Hz), 7.44(d, 2H, J=8.6Hz);
13C NMR(CDCl3)δ -5.0, -4.2, 8.8, 11.1, 12.4, 17.9, 22.7, 25.7, 29.6, 32.9, 33.4, 40.0, 41.5, 55.2, 55.3, 63.8, 69.9, 70.9, 71.97, 72.0, 78.7, 83.0, 98.2, 107.5, 113.9, 114.0, 116.0, 117.4, 128.3, 128.5, 128.8, 141.4, 159.2, 159.5, 160.2, 161.0, 163.1;
IR vmax 3364, 1671, 1588, 1515, 1249, 1098 cm-1
MS(ES)m/z: 796.50([MNa]+), 812.45([MK]+)。
実施例23:化合物(xii)の調製
Figure 2009502748
相対立体化学を決定するために、(20)から塩基性後処理を省略して(代わりに、Na,K-酒石酸塩による後処理)得たジオールのアセトニド-誘導体(xii)を調製した。アセトニドMeのピークと第四級炭素の13C NMR(CDCl3)共鳴(19.5ppm, 29.8ppm 及び 98.9ppm)によって、C15,C17-シン配置が確認される(Rychnovsky, S.D.;Rogers, B.;Yang, G. J. Org. Chem. 1993, 58, 3511)。2.4Hzの1H NMR H16-H17結合定数(δ 4.02ppm)はH16のエクアトリアル配置に一致しているが、これによって、C16,C17-アンチ配置が確認される。
1H NMR(CD3OD)δ 0.11(s, 3H), 0.12(s, 3H), 0.87(s, 3H), 0.92(s, 9H), 0.95(d, 3H, J=6.4Hz), 0.96(s, 3H), 1.22(s, 3H), 1.29(s, 3H), 1.58(m, 1H), 1.62(m, 1H), 1.67(m, 1H), 1.80(ddd, 1H, J=1.2, 4.4, 14.0Hz), 2.00(ddd, 1H, J=5.6, 11.6, 14.0Hz), 2.14(s, 3H), 2.54(dd, 1H, J=2.4, 14.4Hz), 3.01(dd, 1H, J=8.8, 14.4Hz), 3.44(dd, 1H, J=2.0, 11.8Hz), 3.69(dd, 1H, J=8.4, 11.6Hz), 3.79(s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.82(s, 3H), 4.02(ddd, 1H, J=2.4, 2.4, 8.8Hz), 4.07(ddd, 1H, J=1.6, 4.8, 13.2Hz), 4.99(bs, 4H), 6.60(s, 1H), 6.90(m, 4H), 7.30(m, 4H);
13C NMR(CDCl3)δ -5.0, -4.2, 4.8, 11.8, 12.3, 17.9, 19.5, 22.6, 25.7, 29.8, 31.2, 33.5, 33.8, 34.2, 39.8, 52.1, 55.2, 55.3, 63.7, 70.1, 70.6, 70.8, 72.4, 74.8, 77.8, 97.3, 98.9, 113.8, 113.9, 117.6, 118.2, 119.6, 128.6, 128.8, 129.0, 129.1, 137.8, 154.3, 158.0, 159.2, 159.3, 169.3;
MS(ES)m/z: 868.45([MNa]+)。
実施例24:化合物(22)の調製
Figure 2009502748
(21)(50mg, 65μmol)をTHF(10mL)に溶解させた溶液に、室温で、TBAF(THF中1.0M, 100μL, 0.1mmol)を添加した。2時間経過した後、その反応物を濃縮した。残渣をFC(シリカゲル;ヘキサン/EtOAc, 1:2からEtOAcまで)で精製して、(22)(43mg;定量的)を粘性の油状物として得た。
[α]26 D=+33.6(EtOAc, c=0.60);
1H NMR(CDCl3)δ 0.91(s, 3H), 1.02(s, 3H), 1.11(d, 3H, J=6.8Hz), 1.76(m, 2H), 1.89-2.06(m, 3H), 2.10(s, 3H), 2.84(dd, 1H, J=12.0, 16.0Hz), 2.94(dd, 1H, J=2.8, 16.0Hz), 3.68(dd, 1H, J=4.6, 7.8Hz), 3.76(dd, 1H, J=4.8, 11.6Hz), 3.80(s, 3H), 3.83(s, 3H), 4.07(m, 1H), 4.43(ddd, 1H, J=2.8, 4.4, 11.6Hz), 4.91(d, 1H, J=4.8Hz), 4.98(s, 2H), 5.10(d, 1H, J=12.2Hz), 5.16(d, 1H, J=12.2Hz), 6.49(s, 1H), 6.90(t, 4H, J=8.4Hz), 7.29(d, 2H, J=8.4Hz), 7.43(d, 2H, J=8.4Hz);
13C NMR(CDCl3)δ 8.8, 11.1, 12.1, 22.2, 29.6, 32.5, 32.6, 39.5, 41.4, 55.2, 55.3, 64.0, 69.9, 70.9, 71.5, 72.0, 78.6, 82.7, 98.1, 107.4, 113.9, 114.0, 116.0, 117.2, 128.2, 128.5, 128.7, 128.8, 141.4, 159.2, 159.5, 160.2, 161.1, 163.2;
IR vmax 3394, 2966, 1674, 1588, 1514, 1248, 1097 cm-1
MS(ES)m/z: 682.35([MNa]+)。
実施例25:化合物(22a)の調製
A.合成
Figure 2009502748
M.p.(アセトン)197℃;
1H NMR(CDCl3)δ 0.95(s, 3H), 1.00(s, 3H), 1.11(d, 3H, J=7.2Hz), 1.74(m, 2H), 1.89(m, 1H), 1.97(m, 1H), 2.04(m, 1H), 2.10(s, 3H), 2.83(s, 1H), 2.84(dd, 1H, J=12.0, 16.0Hz), 2.95(dd, 1H, J=2.8, 16.0Hz), 3.44(dd, 1H, J=4.6, 11.4Hz), 3.68(dd, 1H, J=6.8, 6.8Hz), 3.80(s, 3H), 3.83(s, 3H), 4.06(m, 1H), 4.42(ddd, 1H, J=2.8, 4.8, 12.0Hz), 4.50(d, 1H, J=11.6Hz), 4.63(d, 1H, J=11.6Hz), 4.93(d, 1H, J=4.8Hz), 4.98(s, 2H), 5.10(d, 1H, J=12.0Hz), 5.16(d, 1H, J=12.0Hz), 6.49(s, 1H), 6.90(m, 4H), 7.28〜7.45(m, 9H);
13C NMR(CDCl3)δ 8.9, 11.1, 13.1, 22.4, 29.6, 32.6, 39.5, 41.5, 55.2, 55.3, 64.0, 69.9, 70.9, 71.9, 72.0, 78.6, 78.7, 83.3, 98.2, 107.5, 113.9, 114.0, 116.0, 117.2, 127.6, 127.8, 128.3, 128.4, 128.5, 128.7, 128.8, 138.0, 141.4, 159.2, 159.5, 160.2, 161.0, 163.1;
IR vmax 3369, 2963, 1669, 1513, 1247, 1097 cm-1
MS(ES)m/z: 772.25, ([MNa)+)。
B.結晶学的分析
単結晶X線分析用の(22a)の結晶は、アセトンからゆっくりと蒸発させることにより得た(無色の針状物, m.p.:197℃)。X線データは、Bruker Kappa CCD(電荷結合デバイス)に基づく回折計を用いて収集した。適切な結晶(0.2mm×0.2mm×0.8mm)をガラス繊維上に載せた。「collect」データ収集ソフトウェア(Nonius 1999)を用いたフレーム当たり2°のφスキャンを60秒間用いて、データを測定した。データは、HKL2000(Z. Otwinowski et al., "Processing of X-ray Diffraction Data Collected in Oscillation Mode", Methods in Enzymology, Volume 276: Macromolecular Crystallography, part A, p.307-326, 1997,C.W. Carter, Jr. & R.M. Sweet, Eds., Academic Press(New York))を用いて処理した。削滅則(systematic absence)に基づいて、当該結晶は、空間群P21に属する単斜晶系であった。その構造は、SHELXS-90(Sheldrick, G.M. SHELXS-90 Program for the solution of Crystal Structure, University of Gottingen, Germany, 1990)を用いて解明し、SHELXL-97(Sheldrick, G.M . SHELXL-97 Program for the refinement of Crystal Structure, University of Gottingen, Germany, 1997)を用いて、F2上の最小二乗法により精密化した。非水素原子は、異方的に精密化し、種々のフーリエ密度(fourier density)に位置している水素原子は、等方的に精密化した。データ収集を行っている間、当該結晶は安定であった。図1の線画は、ORTEP(Michael N. Burnett et al., ORTEP-III: Oak Ridge Thermal Ellipsoid Plot Program for Crystal Structure Illustrations, Oak Ridge National Laboratory Report ORNL-6895, 1996)を表している。
実施例26:化合物(23)の調製
Figure 2009502748
(22)(42mg, 64μmol)を80%エタノール(8mL)に懸濁させた懸濁液に、[PtH(PMe2OH)(PMe2O)2H](7mg, 16μmol)を添加した。空気中で80分間還流した後、その反応物を室温まで冷却した。水を添加し、その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して水で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮して、残渣を得た。その残渣をFC(シリカゲル;CH2Cl2/MeOH 20:1)で精製して、(23)(42mg, 97%)を粘性の油状物として得た。
[α]27 D=+37.5(EtOAc, c=0.43);
1H NMR(CDCl3)δ 0.89(s, 3H), 0.91(s, 3H), 1.13(d, 3H, J=7.2Hz), 1.67(m, 2H), 1.79(m, 1H), 1.88(m, 1H), 2.09(s, 3H), 2.46(dd, 1H, J=3.8, 13.0Hz), 2.82(dd, 1H, J=3.2, 16.4Hz), 2.89(dd, 1H, J=12.0, 16.4Hz), 3.37(d, 1H, J=8.0Hz), 3.41(dd, 1H, J=4.4, 11.6Hz), 3.80(s, 3H), 3.83(s, 3H), 4.11(bd, 1H, J=7.6Hz), 4.42(ddd, 1H, J=3.2, 3.6, 11.6Hz), 4.45(d, 1H, J=6.4Hz), 4.99(s, 2H), 5.08(d, 1H, J=12.0Hz), 5.16(d, 1H, J=12.0Hz), 5.59(bs, 1H), 6.51(s, 1H), 6.91(t, 4H, J=8.0Hz), 7.29(d, 2H, J=8.8Hz), 7.42(d, 2H, J=8.8Hz), 7.75(bs, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 7.9, 11.1, 11.9, 22.5, 29.2, 29.2, 34.2, 38.6, 41.7, 55.3, 55.3, 70.0, 70.9, 71.9, 73.8, 74.1, 80.0, 81.2, 98.0, 107.0, 114.0, 114.1, 115.9, 128.1, 128.5, 128.6, 128.9, 141.3, 159.3, 159.6, 160.5, 161.3, 162.7, 174.0;
IR vmax 3402, 2965, 1682, 1596, 1515, 1247, 1157, 1081 cm-1
MS(ES)m/z: 700.35([MNa]+)。
実施例27:化合物(24)の調製
Figure 2009502748
(23)(40mg, 59mmol)をエタノール(10mL)に溶解させた溶液に10% Pd/C(10mg)を添加し、24時間、水素化した(H2, 1気圧)。その触媒を濾過し、減圧下にエタノールを除去した。得られた残渣をFC(シリカゲル;CH2Cl2/MeOH 10:1)で精製して、定量的な収率で(24)(26mg)を粘性の油状物として得た。
[α]22 D=+34.0(EtOAc, c=0.20);
1H NMR(CDCl3/CD3OD, 10/1)δ 0.85(s, 3H), 0.88(s, 3H), 1.09(d, 3H, J=6.8Hz), 1.67(m, 2H), 1.78(ddd, 1H, J=6.8, 12.0, 13.2Hz), 1.88(m, 1H), 2.01(s, 3H), 2.30(ddd, 1H, J=1.4, 4.6, 9.0Hz), 2.88(m, 2H), 3.30(dd, 1H, J=4.4, 11.6Hz), 3.34(m, 1H), 4.01(ddd, 1H, J=2.4, 7.8, 7.8Hz), 4.39(dd, 1H, J=6.0Hz), 4.52(ddd, 1H, J=4.4, 6.0, 10.0Hz), 5.97(bs, 1H), 6.25(s, 1H), 7.78(bs, 1H);
13C NMR δ 8.2, 10.3, 11.9, 22.4, 27.9, 28.9, 33.7, 38.4, 42.0, 71.3, 73.1, 73.3, 81.0, 81.1, 100.5, 114.1, 139.1, 161.8, 162.0, 162.9, 170.6, 175.1;
IR vmax 3401, 2967, 1659, 1651, 1376, 1254 cm-1
MS(ES)m/z: 460.20([MNa]+)。
実施例28:化合物(25)の調製
Figure 2009502748
(24)(25mg, 57μmol)をピリジン(2.5mL)に溶解させた溶液に、室温で、Ac2O(1.25mL)を添加した。20時間経過した後、0℃で、EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO3(10mL)を添加し、室温で15分間撹拌した。有機相を分離し、水、1N HCl及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、得られた残渣をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘキサン 2:1)で精製して、化合物(25)(32mg, 92%)を粘性の油状物として得た。
[α]22 D=+48.4(CH2Cl2, c=0.80);
1H NMR(CDCl3)δ 0.94(s, 3H), 0.95(s, 3H), 1.17(d, 3H, J=7.2Hz), 1.79(ddd, 1H, J=2.4, 4.8, 15.2Hz), 1.91(ddd, 1H, J=5.2, 9.2, 13.6Hz), 2.06(s, 3H), 2.08(s, 3H), 2.10(s, 3H), 2.12(m, 1H), 2.26(m, 2H), 2.33(s, 3H), 2.35(s, 3H), 2.78(dd, 1H, J=12.0, 16.4Hz), 3.04(dd, 1H, J=2.8, 16.4Hz), 3.46(dd, 1H, J=2.4, 11.6Hz), 4.38(m, 2H), 4.83(dd, 1H, J=4.0, 8.4Hz), 5.29(m, 1H), 5.48(bs, 1H), 6.82(bs, 1H), 6.84(s, 1H);
13C NMR(CDCl3)δ 9.4, 12.1, 14.2, 16.7, 20.8, 21.0, 21.1, 21.4, 24.2, 27.4, 28.7, 30.6, 37.0, 40.5, 72.2, 73.4, 78.3, 79.6, 115.7, 117.0, 125.7, 141.1, 150.5, 153.1, 161.5, 168.3, 169.5, 170.0, 171.0, 173.4;
IR vmax 3466, 2975, 1771, 1727, 1693, 1598, 1371, 1241, 1192, 1060 cm-1
MS(ES)m/z: 628.15([MNa]+)。
実施例29:化合物(28-a)及び化合物(28-b)の調製
Figure 2009502748
酸(anti-5)(43mg, 155μmol)をCH2Cl2(2.5mL)に溶解させた溶液に、0℃で、塩化オキサリル(54μL, 620μmol)及び触媒量のDMFを添加した。室温で2時間撹拌した後、N2を流して溶媒を除去した。得られた酸塩化物を真空ポンプで5分間乾燥させ、CH2Cl2(770μL)に溶解させて、化合物(anti-27)の0.2M溶液を得た。
CH2Cl2(1.5mL)中の化合物(25)(14.5mg, 24μmol)とポリ(2-ビニルピリジン)(30mg, 286μmol)の混合物に、室温で、Me3OBF4(17.7mg, 120μmol)を添加した。1.5時間経過した後、エーテル(3mL)を添加し、5分間撹拌して、余分なMe3OBF4を沈殿させた。その反応混合物を濾過し、N2を流して溶媒を除去した。得られた残渣を無水トルエン(2mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。0℃で、DIPEA(83μL, 0.48mmol)及び(anti-27)(その場で調製した0.2M溶液, 360μL, 72μmol)を添加し、その反応混合物を40℃で80分間撹拌した。(anti-27)(CH2Cl2中の0.2M溶液, 120μL, 24μmol)を再度添加し、さらに40分間撹拌し、0℃まで冷却した。NaBH4(45mg)及びエタノール(2mL)を添加し、その反応混合物を0℃で2時間撹拌した。EtOAcを添加し、その粗製物質を水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をFC(シリカゲル, EtOAc/ヘキサン, 1.5:1)で大まかに精製して、過アセチル化化合物の混合物を得た。この混合物をMeOH(3mL)に溶解させ、1N LiOH(0.6mL)を添加した。室温で6時間撹拌した後、EtOAcを添加した。水相を、0.05N NaHSO4を用いて、pH6に調節した。その粗製物質をEtOAcで抽出した。有機抽出物を合して飽和NaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。濃縮した後、残渣をFC(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 20:1)で精製して、(25)からの総収率56%で、化合物(28-a)(5.8mg)及び化合物(28-b)(2.4mg)を得た(粗製混合物のH NMRにより求めた比率: 71:29)。
(28-a):
[α]23 D=+25.2(MeOH, c=0.11);
1H NMR(CD3OD;図2)δ 0.89(s, 3H), 0.97(s, 3H), 1.09(d, 3H, J=6.8Hz), 1.71(s, 3H), 1.74(m, 2H), 1.77(ddd, 1H, J=6.4, 11.0, 13.2Hz), 1.91(ddq, 1H, J=2.4, 6.0, 6.8Hz), 2.01(ddd, 1H, J=2.8, 4.2, 13.2Hz), 2.08(dd, 1H, J=3.2, 14.4Hz), 2.10(s, 3H), 2.35(dd, 1H, J=9.4, 14.4Hz), 2.85(dd, 1H, J=12.2, 16.6Hz), 3.13(dd, 1H, J=3.2, 16.6Hz), 3.21(s, 3H), 3.35(s, 3H), 3.50(dd, 1H, J=1.6, 11.2Hz), 3.59(dd, 1H, J=4.2, 11.0Hz), 3.67(ddd, 1H, J=2.8, 3.2, 9.4Hz), 3.94(m, 2H), 4.35(d, 1H, J=2.4Hz), 4.49(ddd, 1H, J=3.2, 6.0, 12.2Hz), 4.72(bs, 1H), 4.74(bs, 1H), 5.38(d, 1H, J=8.0Hz), 6.25(s, 1H);
1H NMR(CDCl3)δ 0.92(s, 3H), 0.98(s, 3H), 1.09(d, 3H, J=7.2Hz), 1.62(m, 2H), 1.76(s, 3H), 1.80(m, 1H), 1.88(m, 1H), 2.04(s, 3H), 2.07(m, 1H), 2.18(dd, 1H, J=4.0, 14.6Hz), 2.37(dd, 1H, J=8.8, 14.6Hz), 2.82(dd, 1H, J=12.0, 16.8Hz), 2.91(dd, 1H, J=4.0, 16.8Hz), 3.38(s, 6H), 3.53(d, 1H, J=10.0Hz), 3.67(dd, 1H, J=4.4, 11.8Hz), 3.74(ddd, 1H, J=3.2, 4.0, 8.8Hz), 3.88(ddd, 1H, J=2.4, 6.4, 8.0Hz), 3.95(dm, 1H, J=8.8Hz), 4.40(d, 1H, J=3.2Hz), 4.54(ddd, 1H, J=4.0, 4.8, 12.0Hz), 4.80(bs, 2H), 5.45(dd, 1H, J=8.8, 10.0Hz), 7.09(d, 1H, J=10.0Hz), 6.30(s, 1H), 11.15(bs, 1H);
13C NMR(CD3OD;図3)δ 7.7, 9.4, 12.5, 21.5, 22.2, 28.1, 29.0, 32.9, 37.2, 38.4, 41.8, 55.1, 56.1, 70.6, 71.7, 72.0, 72.8, 78.4, 80.5, 80.8, 81.2, 99.9, 111.6, 113.8, 139.7, 142.2, 162.3, 163.1, 171.0, 174.9;
13C NMR(CDCl3)δ 9.2, 10.4, 13.5,?22.7, 23.0, 28.4, 29.6, 32.1, 37.5, 38.7, 42.6, 56.2, 57.9, 71.4, 73.0, 73.9, 78.2, 79.5, 80.5, 81.9, 101.3, 101.4, 113.0, 113.3, 139.6, 142.0, 161.1, 162.3, 170.5, 173.6;
IR vmax 3368, 2932, 1660, 1652, 1622, 1506, 1456, 1378, 1253, 1174, 1108, 1069, 973, 896 cm-1
MS(ES)m/z: 632.25([MNa]+)。
(28-b):
[α]D=-19.2(MeOH, c=0.12);
1H NMR(CD3OD;図4)δ 0.89(s, 3H), 0.97(s, 3H), 1.13(d, 3H, J=6.8Hz), 1.73(m, 4H), 1.77(s, 3H), 2.00(m, 1H), 2.06(s, 3H), 2.14(dd, 1H, J=3.2, 14.6Hz), 2.34(dd, 1H, J=9.2, 14.6Hz), 2.85(dd, 1H, J=12.4, 16.8Hz), 3.17(dd, 1H, J=3.0, 16.8Hz), 3.38(s, 3H), 3.41(s, 3H), 3.53(dd, 1H, J=4.0, 8.0Hz), 3.58(dd, 1H, J=6.0, 10.0Hz), 3.69(ddd, 1H, J=3.2, 3.6, 9.2Hz), 3.93(m, 1H), 4.11(m, 1H), 4.35(d, 1H, J=3.2Hz), 4.49(ddd, 1H, J=3.0, 6.8, 12.4Hz), 4.77(bs, 1H), 4.79(bs, 1H), 5.48(d, 1H, J=8.8Hz), 6.25(s, 1H);
1H NMR(CDCl3)δ 0.92(s, 3H), 0.99(s, 3H), 1.15(d, 3H, J=7.2Hz), 1.76(s, 3H), 1.77(m, 1H), 1.88(m, 1H), 1.94(m, 1H), 2.05(s, 3H), 2.11(dd, 1H, J=3.0, 14.4Hz), 2.29(dd, 1H, J=8.8, 14.4Hz), 2.91(dd, 1H, J=12.0, 16.4Hz), 3.02(dd, 1H, J=2.8, 16.4Hz), 3.14(bs, 1H), 3.41(s, 3H), 3.42(s, 3H), 3.63(d, 1H, J=10.4Hz), 3.73(m, 2H), 3.90(m, 1H), 4.07(m, 2H), 4.41(bs, 1H), 4.58(ddd, 1H, J=3.0, 5.2, 12.0Hz), 4.80(bs, 1H), 4.83(bs, 1H), 5.35(dd, 1H, J=7.6, 9.6Hz), 6.00(bs, 1H), 6.30(s, 1H), 7.17(d, 1H, J=9.6Hz), 11.2(s, 1H);
13C NMR(CD3OD;図5)δ 9.9, 10.8, 13.6, 23.2, 23.5, 29.5, 30.5, 34.2, 38.9, 40.1, 42.9, 56.2, 58.1, 72.5, 72.7, 73.2, 74.5, 79.9, 80.1, 82.5, 83.1, 101.4, 101.6, 113.4, 115.2, 141.2, 144.0, 163.8, 164.9, 172.6, 176.2;
IR vmax 3396, 2931, 1652, 1511, 1462, 1376, 1254, 1173, 1108, 1067 cm-1
MS(ES)m/z: 632.25([MNa]+)。
実施例30:化合物(29-a)及び化合物(29-b)の調製
Figure 2009502748
(28-a)及び(28-b)の合成について記載した手順と同様の手順を用いて、化合物(25)(5mg, 8.2μmol)と(syn-27)から、化合物(29-a)及び化合物(29-b)を調製した(2.4mg, 収率48%, 比率 75:25)。それらは分離不可能であったが、アセテートの加水分解の前に、部分的に分離することができた。(29-a)は、ジアステレオマー的に純水に得ることができた。
(29-a):
1H NMR(CD3OD;図6)δ 0.90(s, 3H), 0.97(s, 3H), 1.08(d, 3H, J=7.2Hz), 1.64(m, 1H), 1.70(s, 3H), 1.78(m, 2H), 1.88(ddq, 1H, J=2.4, 6.4, 7.2Hz), 2.04(m, 1H), 2.09(s, 3H), 2.25(dd, 1H, J=8.0, 14.0Hz), 2.37(dd, 1H, J=6.0, 14.0Hz), 2.83(dd, 1H, J=12.0, 16.8Hz), 3.09(dd, 1H, J=3.2, 16.8Hz), 3.34(s, 3H), 3.36(s, 3H), 3.51(dd, 1H, J=1.6, 10.4Hz), 3.60(dd, 1H, J=4.4, 10.8Hz), 3.83(ddd, 1H, J=1.8, 6.0, 8.0Hz), 3.93(m, 2H), 4.01(d, 1H, J=1.8Hz), 4.44(ddd, 1H, J=3.2, 6.4, 12.0Hz), 4.64(bs, 1H), 4.72(bs, 1H), 5.41(d, 1H, J=8.4Hz), 6.26(s, 1H);
1H NMR(CDCl3)δ 0.92(s, 3H), 1.00(s, 3H), 1.09(d, 3H, J=6.8Hz), 1.55(m, 1H), 1.74(s, 3H), 1.78(m, 1H), 1.86(m, 2H), 2.03(m, 1H), 2.07(s, 3H), 2.35(m, 2H), 2.80(dd, 1H, J=12.0, 16.4Hz), 2.94(dd, 1H, J=3.6, 16.4Hz), 3.38(s, 3H), 3.39(s, 3H), 3.53(d, 1H, J=10.0Hz), 3.68(m, 1H), 3.85(ddd, 1H, J=2.0, 7.6, 8.4Hz), 3.92(m, 2H), 4.09(d, 1H, J=2.0Hz), 4.25(s, 1H), 4.53(ddd, 1H, J=3.6, 5.2, 12.0Hz), 4.71(bs, 1H), 4.75(bs, 1H), 5.40(dd, 1H, J=8.0, 10.4Hz), 6.30(s, 1H), 7.14(d, 1H, J=10.4Hz), 11.21(bs, 1H);
MS(ES)m/z: 632.25([MNa]+)。
(29-b)は(29-a)との混合物として得られた。同定可能なピークは、以下のとおりである:
1H NMR(CD3OD;図7)δ 1.14(d, 3H, J=6.8Hz), 1.64(m, 1H), 1.81(s, 3H), 3.17(dd, 1H, J=2.8, 16.4Hz), 3.36(s, 3H), 3.37(s, 3H), 4.49(ddd, 1H, J=2.8, 6.4, 12.0Hz), 4.60(bs, 1H), 4.67(bs, 1H), 5.50(d, 1H, J=8.8Hz), 6.26(s, 1H);
1H NMR(CDCl3)δ 0.92(s, 3H), 0.98(s, 3H), 1.15(d, 3H, J=7.2Hz), 1.79(s, 3H), 2.07(s, 3H), 3.05(dd, 1H, J=3.0, 16.8Hz), 3.37(s, 3H), 3.41(s, 3H), 4.80(bs, 1H), 4.86(bs, 1H), 5.35(dd, 1H, J=6.8, 10.0Hz), 6.30(s, 1H), 7.16(d, 1H, J=10.0Hz), 11.23(bs, 1H)。
生物学的試験
化合物(28-a)、化合物(28-b)及び化合物(29-a)の細胞毒性を、多くのヒト癌細胞系に対して評価した。当該細胞毒性の評価は、「Promega's Technical Bulletin No.288」に詳述されているプロトコルに従い、CellTiter-GloTM Luminescent Cell Viability Assay (Promega Corporation (Madison, Wisconsin USA)の製品)を用いて、0.2nM〜20μMの濃度範囲に渡って実施した。
表1は、これらのアッセイから得られた結果のうちの幾つかを示している。各値は、3回の実験から得られた平均値である。GI50は、成長を50%阻害する濃度である。TGIは、成長を100%阻害する濃度である。LC50は、薬物による処理の終わりに開始時と比較して当該細胞の50%を殺す濃度(これは、測定された分析物(生きている細胞によって産生されるATP)における50%の低減によって示される)である。
表2は、広範な範囲の細胞系についてのさらなるLC50の結果(nM濃度)を示しており、これらは、2反復実験又は3反復実験についての平均LC50±SEMとして表されている。
Figure 2009502748
Figure 2009502748
化合物(22a)のORTEPである(明瞭のために水素原子は示されていない)。 CD3OD中における化合物(28-a)の1H-NMRスペクトルである。 CD3OD中における化合物(28-a)の13C-NMRスペクトルである。 CD3OD中における化合物(28-b)の1H-NMRスペクトルである。 CD3OD中における化合物(28-b)の13C-NMRスペクトルである。 CD3OD中における化合物(29-a)の1H-NMRスペクトルである。 CD3OD中における化合物(29-a)と化合物(29-b)の混合物の1H-NMRスペクトルである。

Claims (22)

  1. 式(28-a):
    Figure 2009502748
    で表される化合物の製薬上許容される塩又はプロドラッグ。
  2. 前記塩又はプロドラッグが、リチウム誘導体、ナトリウム誘導体、カリウム誘導体、ホスフェート誘導体、エステル誘導体、ホスフェートエステル誘導体又はホスホネートエステル誘導体である、請求項1に記載の製薬上許容される塩又はプロドラッグ。
  3. 下記式:
    Figure 2009502748
    のうちの1つで表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ。
  4. 請求項3に記載の製薬上許容される塩又はプロドラッグ及び製薬上許容される担体を含んでいる、医薬組成物。
  5. 前記製薬上許容される担体がポリエチレングリコール及び食塩水を含んでいる、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物が凍結乾燥した粉末として存在している、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 請求項1記載の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ及び製薬上許容される担体を含んでいる、医薬組成物。
  8. 前記製薬上許容される担体がポリエチレングリコール及び食塩水を含んでいる、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物が凍結乾燥した粉末として存在している、請求項7に記載の医薬組成物。
  10. 腫瘍性疾患を患っている対象を治療する方法であって、当該対象に、下記式:
    Figure 2009502748
    Figure 2009502748
    のうちの1つで表される化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  11. 前記腫瘍性疾患が癌である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記癌が、膵臓癌、膀胱癌、乳癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、消化器癌、頭部癌、頸部癌及び白血病からなる群から選択される癌である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記化合物が式(28-a):
    Figure 2009502748
    で表される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記化合物を静脈内に投与する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記化合物の投与量が約0.1mg/kg〜約30mg/kgである、請求項11に記載の方法。
  16. 前記化合物の投与量が約0.1mg/kg〜約2.0mg/kgである、請求項15に記載の方法。
  17. 式(28-a):
    Figure 2009502748
    で表される化合物を調製する方法であって、
    式(25):
    Figure 2009502748
    で表される化合物を、式(anti-27):
    Figure 2009502748
    で表される化合物と反応させるステップ;
    及び
    脱保護して式(28-a)の化合物を生成させるステップ;
    を含んでいる、前記方法。
  18. 式(28-a)の化合物を単離するステップをさらに含んでいる、請求項17に記載の方法。
  19. 式(20):
    Figure 2009502748
    で表される中間体化合物。
  20. 式(20):
    Figure 2009502748
    で表される中間体化合物を調製する方法であって、
    式(6):
    Figure 2009502748
    で表される化合物を式(7):
    Figure 2009502748
    で表される化合物と反応させるステップ;
    を含んでいる、前記方法。
  21. 式(7):
    Figure 2009502748
    で表される中間体化合物。
  22. 式(7):
    Figure 2009502748
    で表される中間体化合物を調製する方法であって、
    (a) 式(19):
    Figure 2009502748
    で表される化合物をエチル化して式(x):
    Figure 2009502748
    で表される化合物を生成させるステップ;
    (b) 式(x)の化合物をTMSCNと反応させて、式(xi):
    Figure 2009502748
    で表される化合物を生成させ、次いで、単離するステップ;
    (c) 式(xi)の化合物を酸化して式(7)の化合物を生成させるステップ;
    を含んでいる、前記方法。
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