JP2009501520A - パラミクソウイルス科ウイルス調製物 - Google Patents

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Abstract

この文書は、パラミクソウイルス科ウイルス調製物を得ることに関する方法および材料に関連する。

Description

背景
1、技術分野
この文書は、パラミクソウイルス科ウイルス調製物を得ることに関連する方法および材料に関する。
2、背景情報
パラミクソウイルス科ウイルスは、アンチセンス1本鎖RNAゲノムを有するエンベロープウイルスのファミリーである。このファミリーの中のウイルスは、6〜10の遺伝子を含む、約15〜19キロ塩基の範囲に及ぶゲノムを有する。ウイルス粒子のFタンパク質が細胞膜とウイルスエンベロープの融合を誘導した時、宿主細胞の感染が起こる。麻疹ウイルスを含む、パラミクソウイルス科ウイルスファミリーの多くのメンバーが、感染細胞を互いに融合させて合胞体を形成させる。
概要
本文書は、パラミクソウイルス科ウイルス調製物に関連する方法および材料ならびにパラミクソウイルス科ウイルス調製物の生産に関する。例えば、この文書は、連邦規制を遵守した汚染物のレベル(例えば、食品医薬品局に許容されるレベル)で大容量、高力価、高純度のパラミクソウイルス科ウイルス(例えば、麻疹ウイルス;MV)の調製物を得るために用いることができる方法および材料を提供する。例えば、細胞(例えば、ベロ細胞培養)から臨床品質のパラミクソウイルス科ウイルスを生産するために、本明細書において記載された方法および材料を用いてもよい。そのような調製物は、研究調査、開発、および医療の分野において幅広い用途を有することができる。例えば、そのような調製物によって、(例えば、癌のウイルス療法における)様々な臨床的処置のために、医療の専門家が大量のパラミクソウイルス科ウイルスを患者に効率的に送達することが可能となる。
この文書はまた、それらのウイルスエンベロープを破壊することなく、エンベロープウイルス(例えば、MV)を収集するための方法および材料に関連する。これらの方法および材料は、宿主細胞に感染するそれらの能力をウイルスに保持させることができる。ウイルスを感染細胞から収集し、ならびに細胞および細胞材料から効果的に分離することができる。本明細書において提供された方法および材料を用いて、大量のパラミクソウイルス科ウイルスが収集されるように、多数の細胞および/または大容量の細胞上清を処理することができる。幾つかの態様において、本明細書において提供される組成物は、滅菌されていることができる。例えば、ウイルス調製物を作製するために用いられる方法の各工程を滅菌条件下で行うことができる。幾つかの態様において、適正製造基準(GMP)を用いて、本明細書において提供されたウイルス調製物を作製することができる。
一般に、この文書は、300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有し、ならびにウシ血清アルブミンを含まない、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を特色とする。組成物は滅菌されていることができる。容量は500mLを上回ることができる。パラミクソウイルス科ウイルスはモービリウイルスウイルスであることができる。パラミクソウイルス科ウイルスは、麻疹およびおたふく風邪ウイルスからなる群より選択されるウイルスの部類由来であることができる。パラミクソウイルス科ウイルスは、ウイルスにとって異種である、ポリペプチドをコードする核酸配列を含むことができる。ポリペプチドは、ヒト腫瘍胎児性抗原に存在するアミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は少なくとも長さ10アミノ酸残基である。ポリペプチドは、ヒトヨウ化ナトリウム輸送体に存在するアミノ酸配列を含むことができ、アミノ酸配列は少なくとも長さ10アミノ酸残基である。組成物の容量は20mLから100Lであることができる。組成物の容量は10Lから100Lであることができる。組成物の容量は50Lから100Lであることができる。パラミクソウイルス科ウイルス力価はmL当たり106 TCID50からmL当たり1015 TCID50であることができる。パラミクソウイルス科ウイルス力価はmL当たり109 TCID50からmL当たり1015 TCID50であることができる。パラミクソウイルス科ウイルス力価はmL当たり1012 TCID50からmL当たり1015 TCID50であることができる。組成物は、mL当たり1mg未満の全タンパク質を含むことができる。組成物はmL当たり750μg未満の全タンパク質を含むことができる。組成物はmL当たり1μg未満のDNAを含むことができる。組成物はmL当たり100ng未満のDNAを含むことができる。組成物の非ウイルスDNAの最大長は500bp未満であることができる。組成物の非ウイルスDNAの最大長は200bp未満であることができる。
別の局面において、この文書は、組成物がウシ血清アルブミンを含まず、およびウイルスが、ウイルスにとって異種である、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を特色とする。
別の局面において、この文書は、300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を作製するための方法であって、(a)血清非含有培地でパラミクソウイルス科ウイルスの試料を得る工程、および(b)試料からパラミクソウイルス科ウイルスを得て組成物を形成する工程を含む方法を特色とする。血清非含有培地は20mLから200Lの容量を有することができる。血清非含有培地は30Lから200Lの容量を有することができる。血清非含有培地は60Lから200Lの容量を有することができる。組成物はmL当たり106 TCID50からmL当たり1015 TCID50のパラミクソウイルス科ウイルス力価を有することができる。組成物はmL当たり109 TCID50からmL当たり1015 TCID50のパラミクソウイルス科ウイルス力価を有することができる。工程(a)におけるウイルスを、ベロ細胞、ベロ-αHis細胞、ヒーラ細胞、ヒーラ-S3細胞、293細胞、PC12細胞、CHO細胞、3T3細胞、またはその組み合わせからなる群より選択される細胞の中で複製することができる。工程(a)におけるウイルスをベロ細胞の中で複製することができる。ベロ細胞を多層化ディッシュの中で培養することができる。ベロ細胞を微小担体の中で培養することができる。ベロ細胞を約30℃から約33℃の温度で培養することができる。工程(a)の後、本方法は、試料を酵素と接触させる工程を含むことができる。酵素はエンドヌクレアーゼであることができる。工程(b)は、試料中のパラミクソウイルス科でない構成要素からパラミクソウイルス科ウイルスを取り除くための濾過工程を行なう工程を含むことができる。工程(b)は接線流濾過工程を含むことができる。工程(b)は透析濾過工程を含むことができる。
別の局面において、この文書は、300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を作製するための方法を特色とする。本方法は、(a)細胞当たり1未満の感染の多重度でパラミクソウイルス科ウイルスに曝露された細胞を含む試料を得る工程;および(b)試料からパラミクソウイルス科ウイルスを得て組成物を形成する工程を含む。
他に特に定義しない限り、本明細書において用いられる技術的および科学的用語は全て、この発明が属する技術分野の専門家によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載されたものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施または検査において用いることができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。本明細書において言及された刊行物、特許出願、特許、およびその他の参照は全て、完全な形で参照により組み入れられる。矛盾がある場合、定義を含む、本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は、例証的であるに過ぎず、および限定的であることが意図されるものではない。
本発明のその他の特色および利点は、以下の詳細な説明から、および特許請求の範囲から明白であると考えられる。
詳細な説明
この文書は、パラミクソウイルス科ウイルス調製物を生産することに関する方法および材料を提供する。パラミクソウイルス科ウイルス調製物は、大容量で、高力価のパラミクソウイルス科ウイルスの調製物であることができる。パラミクソウイルス科ウイルス調製物が非ウイルスポリペプチドおよび宿主細胞DNAを実質的に含まないように、調製物を精製することができる。場合によって、調製物はDNAを含むことができる。全てとは言えないにしても、ほとんど(例えば、少なくとも80、85、90、95、または99パーセント)が、長さ500bp未満(例えば、450、400、350、300、250、200、150、100bp未満)であるように、そのようなDNAを処置することができる。
調製物は任意の容量を有することができる。例えば、容量は、1μLを上回り、1mLを上回り、500mLを上回り、1Lを上回り、100Lを上回り、1000Lを上回り、または10,000Lを上回ることができる。幾つかの態様において、容量は、10,000L未満、1000L未満、100L未満、1L未満、または1mL未満であることができる。幾つかの態様において、調製物は、約5mL〜約500L(例えば、約10mL〜約250mL、約25mL〜約200L、約50mL〜約100L、約300ml〜約50L、または約300mL〜約25L)の範囲に及ぶ容量を有することができる。
調製物は、例えば、mL当たり101、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、または1012 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有することができる。幾つかの態様において、力価は、mL当たり1012、1011、1010、109、108、107、105、104、または103 TCID50未満であることができる。したがって、力価はこれらの濃度のいずれかの間であることもできるということになる。例えば、力価はmL当たり105から107 TCID50、mL当たり105から108 TCID50、mL当たり106から1010 TCID50、mL当たり107から1012 TCID50、またはmL当たり102から1012 TCID50であることができる。
調製物は、任意の濃度の宿主細胞DNAを有することができる。例えば、調製物は、mL当たり1ng、20ng、100ng、500ng、1μg、20μg、または100μg未満の宿主細胞DNAを含むことができる。幾つかの態様において、宿主細胞DNAの濃度は、mL当たり0ngからmL当たり10mg、mL当たり2から250ng、mL当たり10から300ng、mL当たり40から500ng、mL当たり500ngから5μg、またはmL当たり4μgから9mgであることができる。幾つかの態様において、調製物は、宿主細胞DNAを実質的に含まないことができる。
調製物は、任意の濃度の非ウイルスポリペプチドを有することができる。例えば、調製物は、mL当たり1ng、50ng、500ng、950ng、200μg、300μg、500μg、750μg、または1mg未満の非ウイルスポリペプチドを含むことができる。幾つかの態様において、非ウイルスポリペプチドの濃度は、mL当たり1ng〜mL当たり10mg(例えば、mL当たり約5ng〜mL当たり約250ng、mL当たり約500ng〜mL当たり約50μg、またはmL当たり約20ng〜mL当たり約1mg)の範囲に及ぶことができる。幾つかの態様において、調製物は、非ウイルスポリペプチドを実質的に含まないことができる。
調製物は、任意の濃度のアクチンポリペプチドを含むことができる。例えば、調製物は、mL当たり1ng、20ng、100ng、500ng、1μg、20μg、100μg、1mg、または10mg未満のアクチンポリペプチドを含むことができる。アクチンポリペプチドの濃度は、mL当たり2ng、10ng、50ng、700ng、3μg、45μg、または900μgを上回ることができる。アクチンポリペプチドの濃度は、mL当たり0ngからmL当たり10mg(例えば、mL当たり約2から250ng、mL当たり約10から300ng、mL当たり約40から500ng、mL当たり約500ngから5μg、またはmL当たり約4μgから9mg)であることができる。幾つかの態様において、調製物は、アクチンポリペプチドを実質的に含まないことができる。
パラミクソウイルス科調製物中のウイルスは、任意の種類のパラミクソウイルス科ウイルスであることができる。例えば、調製物は、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、犬ジステンパーウイルス、パラインフルエンザウイルス、ニューカッスル病ウイルス、シミアンウイルス5、牛疫ウイルス、または任意のその他の種類のパラミクソウイルス科ウイルスを含むことができる。調製物は、任意の組み合わせの2つまたはそれより多くの種類のパラミクソウイルス科ウイルスを含むことができる(例えば、調製物は、麻疹ウイルスおよびおたふく風邪ウイルス;麻疹ウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルス;パラインフルエンザウイルス、シミアンウイルス5、および牛疫ウイルス;またはニューカッスル病ウイルス、おたふく風邪ウイルス、およびパラインフルエンザウイルスを含むことができる)。
幾つかの態様において、パラミクソウイルス科ウイルスは、野生型ゲノムを有することができる。幾つかの態様において、調製物は、遺伝子改変されたパラミクソウイルス科ウイルスを含むことができる。遺伝子改変されたパラミクソウイルス科ウイルスは、任意の核酸配列を有することができる。例えば、パラミクソウイルス科ウイルスは、ハイブリッドゲノム、部分的に欠失したゲノム、1つもしくは複数の点突然変異があるゲノム、または組換えゲノムを有することができる。部分的に欠失したゲノムを有するパラミクソウイルス科ウイルスは、欠失したそのゲノムの任意の断片を有することができる。ある態様において、パラミクソウイルス科ウイルスのN、P、C、V、M、F、H、もしくはL遺伝子、またはパラミクソウイルス科ウイルスゲノム中に見出される任意のその他の配列の完全または部分欠失があることができる。1つまたは複数の点突然変異を有するパラミクソウイルス科ウイルスは、そのゲノム中の任意の位置で挿入され、欠失し、または置換された1つまたは複数の核酸を有することができる。例えば、パラミクソウイルス科ウイルスのN、P、C、V、M、F、H、もしくはL遺伝子、またはパラミクソウイルス科ウイルスゲノム中に見出される任意のその他の配列中に1つまたは複数の点突然変異があることができる。ある態様において、Hタンパク質の残基481および533にアラニン置換を作製することができる。幾つかの態様において、Nタンパク質の残基324、388、および502にチロシン置換を作製することができ、Fタンパク質の残基97および486にヒスチジン置換を作製することができ;Lタンパク質の残基2,103にグリシン置換を作製することができる。
組換えゲノムは任意の核酸配列を含むことができる。例えば、それは5'末端、3'末端、または5'末端と3'末端の間のどこかに1つまたは複数の異種配列を有することができる。組換えパラミクソウイルス科ウイルスゲノムは、1つまたは複数の抗原、タグ、または非ウイルスポリペプチドをコードすることができる。例えば、組換えパラミクソウイルス科ウイルスゲノムは、ヒト腫瘍胎児性抗原、ヒトヨウ化ナトリウム輸送体ポリペプチド、または両方をコードする核酸を含むことができる。
パラミクソウイルス科調製物は、1つまたは複数の種類の遺伝子改変または未改変ウイルスを含むことができる。例えば、調製物は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれより多くの遺伝子改変パラミクソウイルス科ウイルスまたは未改変ウイルスを含むことができる。
任意の方法を用いてパラミクソウイルス科ウイルス調製物を作製することができる。例えば、本明細書において提供された方法を用いて、高力価、大容量、高度の純度を有するパラミクソウイルス科ウイルス調製物を作製することができる。そのような調製物のウイルスは、安定なエンベロープを有することができる。典型的には、最初に細胞に低い感染の多重度(MOI)でパラミクソウイルス科ウイルスを感染させることによって、調製物を作製することができる。しかしながら、任意のMOIを用いることができる。例えば、細胞当たり約0.01、0.1、0.5、1.0、2.0、20、または50未満のMOIのウイルスを用いることができる。細胞当たり約0.001、0.1、0.5、1.0、2.0、20、または50を上回るMOIのウイルスを用いることもできる。幾つかの態様において、細胞当たり約0.01から50のMOIのウイルスを用いることができる(例えば、細胞当たり約0.01から1のMOIのウイルス、細胞当たり約0.5から10のMOIのウイルス、または細胞当たり約1から50のMOIのウイルス)。細胞に感染させるために用いられるパラミクソウイルス科ウイルスは、任意の源に由来することができる。幾つかの態様において、パラミクソウイルス科ウイルスをプラスミドDNA分子クローンからレスキューすることができる。別の態様において、パラミクソウイルス科ウイルスは、ウイルスシードストック、ウイルスバンク、臨床品質のウイルス調製物、接種した培地、感染細胞培養からの上清、感染細胞、または感染した細胞の合胞体由来であることができる。
ウイルスを複製するために、任意の種類の細胞にパラミクソウイルス科ウイルスを感染させることができる。例えば、ベロ細胞、ベロ-αHis細胞、ヒーラ細胞、ヒーラ-S3細胞、293細胞、PC12細胞、CHO細胞、3T3細胞、またはその組み合わせを用いることができる。場合によって、野生型または遺伝子改変細胞を用いることができる。例えば、トランスフェクトされていない、一過性にトランスフェクトされた、または安定的にトランスフェクトされた細胞にパラミクソウイルス科ウイルスを感染させることができる。
感染後、任意の条件下で任意の長さの時間、細胞を培養することができる。幾つかの態様において、1時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、または1か月を上回る間、細胞を培養することができる。任意の培養容器(例えば、ディッシュ、マルチウェルディッシュ、プレート、フラスコ、マイクロキャリア、ローラーボトル、またはチューブ)の中で、細胞を培養することができる。約27℃から39℃の任意の温度で、細胞を培養することができる。例えば、約27℃から37℃、約27℃から30℃、約29℃から32℃、または約30℃から37℃で、細胞を培養することができる。任意のCO2の濃度で、細胞を培養することができる。例えば、0.1、0.5、1.0、3.0、6.0、または20パーセント未満のCO2で、細胞を培養することができる。幾つかの態様において、0.1、0.5、1.0、3.0、6.0、または20パーセントを上回るCO2で、細胞を培養することができる。幾つかの態様において、0から15パーセントのCO2(例えば、約0.1から1パーセント、約0.5から10パーセント、約1から16パーセント、または約5から15パーセントのCO2)で、細胞を培養することができる。
任意の種類の培地中で、細胞を培養することができる。例えば、VP-SFM、RPMI、DMEM、OptiMEM、MEM Eagle's、またはHank's BSSの中で、細胞を培養することができる。2つまたはそれより多くの種類の培地の混合物中で、細胞を培養することができる。培地中で血清を伴ってまたは伴わずに、細胞を培養することができる。例えば、培地は血清を含まないことができる。幾つかの態様において、培地は、0.1、1、5、10、20、40、80、または100パーセント未満の血清を含むことができる。幾つかの態様において、培地は、0.01、2、15、50、または90パーセントを上回る血清を含むことができる。例えば、培地は、約0.001から10パーセント、約0.5から60パーセント、約1から85パーセント、または約20から90パーセントの血清を含むことができる。
パラミクソウイルス科ウイルスを感染させた細胞を培養条件下で所望の長さの時間培養した後、任意の方法を用いてパラミクソウイルス科ウイルスを収集することができる。幾つかの態様において、感染細胞溶解物または感染細胞を増殖させた上清からウイルスを収集することができる。任意の方法を用いて、溶解物または上清の中に含まれる細胞性材料からパラミクソウイルス科ウイルスを分離することができる。幾つかの態様において、溶解物または上清を前濾過および/または遠心分離することができる。前濾過の任意の方法を用いて、前濾過を行なってもよい。溶解物または上清を遠心分離する場合、遠心分離機は、1g、10g、100g、1000g、2000g、5000g、7000g、10,000g、15,000g、または20,000gを上回る力を含む、任意の力で回転することができる。遠心分離機は、任意の温度(例えば、約0.5℃から14℃、約10℃から42℃、約12℃から29℃、または約17℃から45℃)で回転することができる。
ひとたびパラミクソウイルス科ウイルスを細胞性材料から分離すれば、幾らかの残存する細胞性DNAおよび非ウイルスポリペプチドがパラミクソウイルス科ウイルスを含む試料を汚染することができる。任意の方法を用いて、パラミクソウイルス科ウイルスを含む試料から細胞性DNAを取り除くことができる。例えば、酵素を用いて、DNAを消化することができる。これらの酵素は、エンドヌクレアーゼ(例えば、ベンゾナーゼ(登録商標);Merck)またはエキソヌクレアーゼを含むが、これらに限定されるわけではない、任意のDNAヌクレアーゼであることができる。場合によって、任意の残存するDNAが長さ約500、450、400、350、300、250、200、150、または100bp未満であるように、DNAを消化することができる。
任意の方法を用いて、パラミクソウイルス科ウイルスを非ウイルスポリペプチドから分離することができる。例えば、ウイルスを含む混合物を、前濾過し、濾過し、接線流濾過し、透析濾過し、カラムから溶出し、アガロースもしくはアクリルアミドゲル中を走らせ、ショ糖勾配中で遠心分離し、または任意のその他の方法を用いて分離することができる。
特許請求項の範囲で記載された本発明の範囲を限定しない、以下の実施例において、本発明をさらに記載する。
実施例
実施例1−パラミクソウイルス科ウイルスストック調製
完全な麻疹ウイルスゲノムをプラスミドDNA中の分子クローンとして保存した。分子クローンから感染性ウイルスをレスキューするために、トランスジェニックヘルパー293細胞(T7ポリメラーゼならびに麻疹ウイルスNおよびPタンパク質を安定的に発現する293-3-46細胞)に麻疹ウイルスゲノムをコードするプラスミドをトランスフェクトした。同時に、ヘルパー293細胞に麻疹ウイルスポリメラーゼ(Lタンパク質)の触媒成分をコードするヘルパープラスミドもトランスフェクトした。両方のプラスミド中の麻疹ウイルス遺伝子の発現をT7プロモーターによって推進した。
そのN、P、およびLタンパク質によって、MV複製を制御することができる。ヘルパー293細胞で安定的に発現するT7ポリメラーゼは、ヘルパープラスミド上にコードされたLタンパク質の発現を推進することができる。安定的に発現したNおよびPタンパク質と一緒に、Lタンパク質は転写された麻疹ウイルスゲノムに作用し、麻疹ウイルス複製および会合を推進した。
トランスフェクション72時間後、ヘルパー293細胞を採取し、およびベロ細胞の培養に添加した。プラークが形成されるまで、37℃で5% CO2でベロ細胞を培養した。その後、ウイルスをベロ細胞の中でプラーク精製し、およびベロ細胞の中で2回目および3回目のプラーク精製を行なう前に、2回の継代の間増幅させた。3回の継代の間、ベロ細胞の中でウイルスを増幅させ、および感染したベロ細胞の細胞溶解物から、45〜450mLの麻疹ウイルスシードストック(MVシードストック)を収集した。TCID50アッセイによって、ウイルスシードストックのウイルス力価を決定した。ウイルスシードストックを1.0または4.5mLアリコートに分割し、および<-60℃で保存した。
MV-CEA p3 02-01シードストックの力価は2.89×107 TCID50/mLであり、およびMV-NIS p3 03-01シードストックは1.15×107 TCID50/mLであった。
実施例2−感染細胞の溶解物からのMV MVBのGMP製造
麻疹ウイルスのGMP製造のために、処理中に用いられる麻疹ウイルスストック(例えば、MVB)および細胞(例えば、マスターセルバンク;MCB)は、微生物およびウイルス汚染物を含まないべきである。MVBを生産するために、ウイルスシードストックをMCB由来の細胞の中で増幅させ、およびウイルス粒子を溶解した細胞から採取する。GMPに準拠した環境条件および実施の下で、全ての工程を完了した。MVBから製造された任意の臨床製品が使用のために発売される前に、製造されたMVBを検査し、および外来の作用物質を含まないことを見出した。
GMPを用いてMV MVBを製造するためのウイルスベクター生産実験室(VVPL)手順を以下で詳しく述べる。
試薬および備品
以下の試薬および備品をGMPプロセスで用いて、MV MVBを作製した:(1)麻疹ウイルスシードストック(例えば、MVBの生産用に細胞に感染させるために用いたウイルス)、(2)WHOベロMCB細胞、(3)VP-SFM(1×、液体;例えば、ウイルス生産用のベロ細胞の増殖のための血清非含有培地)、(4)L-グルタミンを含むVP-SFM(例えば、VP-SFM(1×、液体)およびL-グルタミン(200mM)から調製したウイルス生産用のベロ細胞の増殖のための血清非含有培地)、(5)rプロテアーゼ(例えば、組換えプロテアーゼ)、(6)ダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(D-PBS)、ならびに(7)Versene 1:5000(1×、液体;例えば、PBS中の0.2g/L EDTAの溶液)。ウイルスストックの種類は、所望のMVバンクの種類によって様々に異なった。例えば、MV-hCEAシードストックを用いて、ヒト腫瘍胎児性抗原(CEA)の遺伝子を含む麻疹ウイルスについてのMVBを作製した。
設備および器具類
以下の試薬および備品をGMPプロセスで用いて、MV MVBを作製した:
1.認定されたSterilGARD IIIアドバンス生物学的安全キャビネット、クラスIIタイプB3;クリーンルーム クラス100(米国慣習単位)
2.5% CO2の保湿組織培養インキュベーター:ThermoFormaモデル3950リーチインインキュベーター
3.遠心分離機/ローター:Sorvall SLC4000ローターおよびSorvall TC600ローター付きSorvall旋回遠心分離機
4.ウォーターバス、37℃
5.製品ウイルスの最終充填用の較正されたピペッター(例えば、Rainin Distriman)
6.約300mL/分でポンプ注入するのに好適な蠕動ポンプ
7.絶縁された液体窒素担体
8.50mLポリプロピレン円錐チューブ用のラック
9.極低温バイアル(NNI#376589または同等品)用のラック
10.極低温保存ボックス、ポリカーボネート(NNI#5026-0909およびNNI#5027-0909または同等品)
11.血清ピペット用のピペッター(例えば、ピペッティングエイド)
12.顕微鏡
品質制御および品質保証
GMP製品の製造に貢献した人々は全て、十分に訓練を受け、ならびに適用されるGMP実施に、および彼らが行なう作業に適任であると考えられた。VVPL GMP施設を清掃および維持し、明記された環境条件を保持した。GMP施設を環境モニタリングに供し、条件が満足の行くものであることを確実にするのに役立てた。設備および備品を全て維持し、ならびに書面による標準的操作手順および維持スケジュールに従って、維持を文書化した。製造プロセスの全ての局面を必要に応じて文書化し、および指定された品質保証代理人が文書を精査した。製造運転を開始する前に、必要な製品検査および検査仕様を満足させるための基準を明記した。指定された品質保証代理人は全ての検査結果を精査し、および製品が発売仕様を満たすかどうかを明らかにした。品質保証によってMV MVBが全ての発売仕様を満たすことが明らかにされるまで、MV MVBから調製されたMV臨床製品は発売されなかった。
事前手順
VVPL所長が生産されるべき麻疹ウイルスMVBの種類および量を特定した。仕様を文書化した。中間製品および最終製品の不可欠な品質制御検査を記録した。製品発売基準は、VVPL所長によって事前に決定されおよび特定された。必要とされる場合、材料を注文し、受け取り、点検し、管理し、およびGMP特別室の中に移した。品質保証代理人は、文書化時に用いられた製造運転にバッチ番号を割り当てた。
手順
MV MVB調製中、蓋の開いた容器中のベロMCBおよび麻疹を操作する手順の工程は全て、生物学的安全キャビネットの中で行なった。廃棄物は全て、出口エアロック(Hi-857B)を通って玄関(Hi-857)に運搬した。固形廃棄物は全て、蒸気滅菌によって除染した。液体廃棄物は、蒸気滅菌によって除染するか、または少なくとも1時間10%ブリーチで処置するかのいずれかにした。
第1段階:ベロ細胞の解凍および拡大
WHOベロMCB細胞を解凍し、および1つまたは複数のT175フラスコに移した。これらのMCB細胞を段階的に拡大し、およそ7〜10日の間に、多数のT500フラスコの中に入れた。拡大培地は、L-グルタミンを含み、抗生物質を含まないVP-SFMであった。各T500フラスコのコンフルエントなベロ細胞を、10層セルファクトリーCF10増殖槽に拡大した。これによって、コンフルエントなベロ細胞のフラスコ当たり1つのCF10が結果的に播種されることになった。また、T500フラスコのうちの1つのわずかな部分を用いて、生産終了細胞対照のためにT175フラスコに播種した。細胞が増殖して、典型的には3〜6日かかる、およそ80%コンフルエンシーになるまで、CF10フラスコを37℃インキュベーターの中に置いた。
CF10に拡大中のT500フラスコのうちの1つ由来の1:20継代培養を用いて、T175フラスコの中に生産終了細胞対照を準備した。さらに2回の継代培養の間(各々1:20分割で)、生産終了細胞T175培養を維持した。2回目の継代培養後、完全なコンフルエンシーに達すると同時に、この培養を顕微鏡下で調べ、任意の汚染物または細胞変性効果(CPE)の存在を探し;その後、培養を採取した。約3mLの細胞培養上清をT175フラスコの中に残し、ラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに大部分の細胞培養上清を移した。細胞を残りの3mLの細胞培養上清中にこすり落とし、および個別にラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに移した。生産終了試料を滅菌バッグの中に置き、および通路855Eのパススルーに運搬した。バッグの外側をアルコールワイプで拭き、およびパッケージをパススルーの中に置いた。VVPLスタッフメンバーが試料のパッケージを取り除き、それを?80℃冷凍庫に運搬し、および試料を冷凍庫在庫に記入した。
第2段階:セルファクトリーにおけるベロ細胞の感染
試薬ロット番号を含む、第2段階における工程についての感染情報を全て記録した。適切なMVシードストックを解凍し、ならびにその力価および量をワークシートに記録した。各CF-10に約1×108 TCID50単位のMVシードストックを感染させた。1〜2×109細胞/CF10という推定細胞数に基づくと、MOIは細胞当たり約0.05〜0.1 TCID50単位であった。
各CF10について、MVシードストックの懸濁を以下のように調製した:グルタミンを含む250mL VP-SFMを無菌的にピペットで移しまたは滅菌した、使い捨ての2L Erlenmeyerフラスコに注ぎ;1×108 TCID50単位を含む適切な容量のMVシードストックをボトルに添加し、および回転させることによって混合し;その後、オートクレーブした2Lフィードキャップでボトルに蓋をした。
感染前に、培養培地をCF10から無菌的に取り除きおよび廃棄し;その後、ウイルスの懸濁をセルファクトリーに添加した。ウイルス添加に用いたフィードボトルは取り付けたままにした。
CF10フラスコを37℃ CO2インキュベーターの中に2時間置き、その後L-グルタミンを含みかつ抗生物質を含まない1リットルのVP-SFMを各CF10に添加した。その後、感染したセルファクトリーを32℃ CO2インキュベーターの中に72〜96時間、または細胞が>90%合胞体になるまで置いた。
第3段階:セルファクトリーからのMVの採取
採取の前日に、必要とされる量のVerseneおよびD-PBSを室温で置いた。採取手順の前に、ウォーターバスを35〜37℃で平衡化した。MV MVBバルク製品の生産における手順の完了を文書化した。
1度に2つのCF10フラスコを扱い、細胞培養上清をセルファクトリーから無菌的に取り除いた。必要とされる場合、細胞培養上清のアリコートを品質制御検査用の極低温バイアルに取っておいた。各アリコートの容量をGMP製造計画に示した。アリコートを滅菌バッグの中に置いた。VVPLスタッフメンバーが、密封された試料を取り除き、それらを?80℃冷凍庫に運搬し、および試料を冷凍庫在庫に記入した。適切な検査および/または試料取扱い手順に従って、指定された施設による検査用に、これらの試料を用いた。
細胞培養上清の残りを廃棄し、または前臨床ウイルスバッチとして個別に処理した。CF10に付着した細胞をカルシウムおよびマグネシウムを含まない1LのD-PBSで洗浄した。その後、洗浄溶液を廃棄した。400mLのVerseneを各CF10に添加し、および細胞単層が剥がれ始めるまで10〜30分間インキュベートした。激しい攪拌によって、完全な剥離を助長した。細胞剥離が室温で非常にゆっくりと(>20分)進行する場合、CF10を37℃ CO2インキュベーターの中に置くことによって、細胞剥離を助長した。細胞懸濁を各CF10から無菌的に収集し、滅菌した、使い捨ての1000mLのボトルの中に入れた。各CF10をカルシウムおよびマグネシウムを含まない500mLのD-PBSで洗浄し、残りの細胞を収集した。このD-PBS洗浄をVersene細胞懸濁と共に、滅菌した、使い捨ての1000mLボトルにプールし;プールした懸濁が800mL目盛り線に達する度に、新しい1000mLボトルを用いた。プールした懸濁の多数の800mLアリコートをそのように収集した。
細胞懸濁(約800mL容量)を含む各々1000mLの使い捨てボトルからフィードキャップを取り除き、および各ボトルの中身を無菌的に1L遠心分離ボトルの中に注いだ。残りのCF10フラスコを採取する間に、一杯に詰まった遠心分離ボトルを蓋で無菌的に密封し、および予め冷却したSorvall SLC4000ローターの中に置いた。800mL未満の細胞懸濁を含み得る最後の遠心分離ボトルについては、同じ容量の滅菌D-PBSを用いてバランスボトルを作製した。その後、Sorvall旋回遠心分離機でSorvall SLC4000ローターを用いて、細胞懸濁を20分間3400rpm(2000×g)および4℃で遠心分離した。遠心分離後、上清を無菌的に廃棄して、2L使い捨てErlenmeyerフラスコまたは任意の同等の滅菌容器の中に入れ、およびCF10当たり40mLに相当する容量を用いて、細胞ペレットを(グルタミンを含まない)VP-SFMの中で再懸濁した。細胞懸濁を50mL円錐チューブ中の20mLアリコートに分割し、および2回の凍結/解凍サイクルに供して細胞を溶解した。完全な凍結/解凍サイクルは2つの工程を含み:(1)チューブを液体窒素の中に5〜10分間置いて細胞懸濁を瞬間凍結し;および(2)その後、チューブの中身を37℃ウォーターバスの中で(約15〜30分間)解凍した。この手順の間、防護用に、凍結防止グローブおよび眼鏡が着用されるべきである。
2回目の凍結/解凍サイクルの後、細胞溶解物を液体窒素の中で凍結した。2層の滅菌バッグの中に密封することによって、凍結したチューブを包装した。密封したパッケージを運搬した後、バッグの外側をアルコールワイプで拭いた。VVPLスタッフメンバーが密封した中間製品を取り除き、それを-80℃冷凍庫に運搬し、および中間製品を冷凍庫在庫に記入した。
第4段階:MV含有細胞溶解物の浄化
浄化手順の前に、ウォーターバスを35〜37℃で平衡化した。中間製品を-80℃冷凍庫から取り除き、および在庫から引き払った。バッグの外側をアルコールワイプで拭き、その後バッグを取り除いた。中間製品を収集し、およびウイルス生産室に運搬した後、残りのバッグを取り除きおよび廃棄した。細胞溶解物のチューブを37℃ウォーターバスの中で20〜30分間解凍し、3回目および最後の凍結/解凍サイクルを完了した。その後、Sorvall旋回遠心分離機の中でSorvall 600TCローターを用いて、細胞溶解物を3400rpm(2000×g)で、20分、および4℃の遠心分離によって浄化した。
第5段階:麻疹ウイルスMVBバルク製品
上清(すなわち、清澄化した細胞溶解物(CCL))を1000mLの滅菌した、使い捨てのボトルまたは同等の滅菌容器の中に無菌的にプールし、および混合した。この浄化した細胞溶解物がMV MVBバルク製品であった。
MV MVBバルク検査用に、アリコートを取り除いた。アリコートを生産バッチ番号、「バルク製品」、日付、および技術者のイニシャルでラベルし;検査用のMV MVBバルク製品のアリコートを含むラベルしたチューブをアルコールワイプで拭き、および滅菌バッグの中に密封した。バッグの外側をアルコールワイプで拭いた。VVPLスタッフメンバーが検査用のMV MVBバルク製品のアリコートを含む密封したパッケージを取り除き、それを-80℃冷凍庫に運搬し、およびバルク(中間)製品アリコートを冷凍庫在庫に記入した。
検査アリコートを取り除いた後、MV MVBバルク製品の残りの部分(すなわち、大部分)を含むボトルをアルコールワイプで拭き、および滅菌バッグの中に密封して充填室に移した。
第6段階:麻疹ウイルスMVBの最終充填
麻疹ウイルスMVBバルク製品(すなわち、1000mLボトルの中に残っている容量)を充填室に移した。MV MVBバルク製品を含むパッケージをアルコールワイプで拭き、バッグを取り除き、および中身を生物学的安全キャビネットの中に移した。最終充填プロセスについての情報は全て、MV MVB最終充填ワークシートに記録した。最終製品に用いられるバイアルのサイズおよび種類は、所定の、所望の製品パッケージに依存した。計画された数およびサイズの滅菌バイアルを、麻疹ウイルスの名前、MVBロット番号、MVBを生産したシードストックの名前および継代回数、製造の日付、容量、ならびに「<-70℃で保存」でラベルした。
凍結および保存中、印刷したラベルを固定するために、保護テープをバイアルに貼り付けた。適切なピペッティング機器を用いて、ラベルし、滅菌したバイアルの中に、一定容量のMV MVBを分注した。スクリューキャップを堅く締めることによって、MV MVB最終製品を含む、バイアルを密封した。密封およびラベルしたバイアルを極低温バイアルボックスの中に置いた。その後、ボックスを検疫ステッカーでラベルした滅菌バッグの中に置き、および前室に運搬した。バイアルを含む極低温ボックスを検疫済み保存用の?80℃冷凍庫に移した。必要とされる数のバイアルを取り除き、およびMV MVB最終バイアル化製品として検査用に発送した。
GMP生産バッチ概要
製品:MV-hCEA麻疹ウイルスマスターウイルスバンク(MVB)
以下のために生産されたバッチ:h-CEA遺伝子を含む麻疹ウイルスのマスターウイルスバンク(MVB);MV-CEA臨床製品のさらなる生産に用いるべきMV-CEA MVB。
検査用にバイアル化されたバルク製品
1.8mLチューブ中の1.1mLの19アリコート
15mLチューブ中の(必要とされる検査当たり)様々な容量の14アリコート
マスターウイルスバンク用にバイアル化された最終製品:
1.8mLチューブ中の1.1mLの26アリコート⇒容量=29mL
4.5mLチューブ中の4.5mLの87アリコート⇒容量=391mL
4.5mLチューブ中の1mLの1アリコート⇒容量=1mL
?全容量(最終充填量)=421mL
最終製品の力価:1.9×107 TCID50単位/mL
GMP製品品質制御検査結果
生産プロセス:MV-CEA麻疹ウイルスマスターウイルスバンク
(表1)
Figure 2009501520
Figure 2009501520
実施例3−感染細胞の上清由来のMV臨床製品のGMP製造物
MV臨床製品(MV CP)は、現行GMPの下で製造された高力価麻疹ウイルス調製物であり、および臨床研究に用いることができる。
MV CPを生産するために、MCB由来のベロ細胞の中でMV MVBを増殖させ、感染細胞培養の上清からウイルスを採取した。麻疹ウイルスを含む細胞培養上清を前濾過してベロ細胞を取り除き、その後塩化マグネシウムの存在下、ベンゾナーゼで処置し、汚染している核酸を消化した。その後、接線流濾過および透析濾過を用いて、処置した細胞培養上清中のMVを濃縮および精製した。製品のMV CPとしての最終的なバイアル化の前に、濃縮および透析濾過した麻疹ウイルスを最終浄化フィルターに通した。
MV CPのGMP製造物について、本プロセスで用いられるMVストック(すなわち、MVB)およびMCBは、全ての微生物およびウイルス汚染物を含まないものでなければならなかった。その特定の麻疹ウイルスMVBから製造された任意の臨床製品が使用のために発売されることができる前に、用いた製造MVBを検査し、および外来の作用物質を含まないことを見出さなければならなかった。
MV CPの製造における手順工程は全て、GMPに準拠した環境条件および実施の下で完了した。製造プロセスからの試料は、滅菌性、同一性について、および外来の作用物質の存在について検査され、ならびにMV CPが臨床的検討での使用のために発売される前に、検査仕様に合格しなければならなかった。
GMPを用いる麻疹ウイルス臨床製品の製造のためのVVPL手順を以下に詳しく述べる。この手順は、小さい(例えば、<6L)または大きい(例えば、60Lまで)バッチのMV CPの生産に適用できる。書面による手順からの任意の逸脱を文書化した。この手順によって製造されたMV CPは、第I/II相臨床試験のみにおける使用のために意図されている。
試薬および備品
以下の試薬および備品をGMPプロセスで用いて、MV CPを作製した:(1)MV MVB(特定のMVBは所望のMV製品に依存する);(2)WHOベロMCB細胞;(3)L-グルタミンを含むVP-SFM(VP-SFM(1×、液体)およびL-グルタミン(200mM)から調製したウイルス生産用のベロ細胞の増殖のための血清非含有培地);(4)rプロテアーゼ;(5)塩化マグネシウム、1.0M;(6)カルシウムおよびマグネシウムを含まないD-PBS;(7)ルアーコネクション付きの20Lバッグ中の注射用水;(8)ベンゾナーゼ(登録商標)エンドヌクレアーゼ(精製グレード1−超高純度グレード);ならびに(9)5%ショ糖、50mM Tris pH 7.4、および2mM MgCl2(CGMP製造者によるオーダーメイド)。
また、以下の試薬および備品をGMPプロセスで用いて、MV CPを作製した:(10)組織培養フラスコ(T75、T175、およびT500);(11)滅菌した使い捨て血清ピペット;(12)製品バイアルの最終充填用の滅菌ピペットチップ(例えば、Rainin Distrimanチップ);(13)使い捨て1000mLボトル、滅菌済み(Nunc Nalgene #455-1000または同等品);(14)15mLポリプロピレン円錐チューブ、滅菌済み;(15)50mLポリプロピレン円錐チューブ、滅菌(Falcon #352098または同等品);(16)滅菌バッグ(Fisher Whirl-Pakまたは同等品);(17)製品バイアルとしての使用のための内ネジ式極低温バイアル、例えば、1.0、1.8、および4.5mLサイズ、滅菌済み(1.0mL NNI#37724、1.8mL NNI#377267、および5mL NNI#379146、または同等品);(18)完全に組み立てされた、滅菌製品バイアル、様々なサイズ(例えば、Nalgene PETG診断ボトル);(19)最終製品バイアルラベル;(20)アルコールワイプ;(21)製品ラベルを固定するための保護テープ;(22)セルスクレイパー;(23)リザーバーおよび流路を完備したFlexstand接線流濾過装置(Amersham/AGT Technologies)の上に組み立てられた、ホローファイバーフィルターカートリッジ、500kD NMWCO、オートクレーブ済み;(24)フィード/採取ライン、オートクレーブ済み(管端のルアーフィッティング:オス型スリップ、オス型ロック);(25)フィードキャップ、1Lおよび2L、オートクレーブ済み;(26)採取ライン、オートクレーブ済み(管端のルアーフィッティング:オス型ロック、メス型ロック);(27)オス型およびメス型ルアー/プラグアセンブリ、オートクレーブ済み(オートクレーブしたオス型およびメス型ルアーロックプラグの源として);(28)濾過アダプター、オートクレーブ済み(管端のルアーフィッティング:オス型スリップ、メス型ロック);(29)滅菌バイオプロセスバッグ、様々なサイズ;(30)Pall 3μm Versaporカプセルフィルター付きのガンマ線照射フィルターアセンブリ;(31)Pall 1.2μm血清カプセルフィルター付きのガンマ線照射フィルターアセンブリ;(32)注射器、滅菌済み、ルアーロック、様々なサイズ;ならびに(33)使い捨てErlenmeyerフラスコ、2L、滅菌済み(NNI#4112-2000)。
セルファクトリーCF10増殖槽に特有の備品には、(a)セルファクトリーCF10;(b)CF10用のベントフィッティング、オートクレーブ済み;および(c)CF10用の培地フィッティング、オートクレーブ済みが含まれた。セルスタック増殖槽に特有の備品には、(a)セルスタック、10層;(b)セルスタック用の充填キャップ;および(c)セルスタック用の通気式充填キャップ(任意)が含まれた。
設備および器具類
1.認定されたSterilGARD IIIアドバンス生物学的安全キャビネット、クラスIIタイプB3;クリーンルーム クラス100(米国慣習単位)
2.5% CO2の保湿組織培養インキュベーター:ThermoFormaモデル3950リーチインインキュベーター
3.ウォーターバス、37℃
4.血清ピペット用のピペッター
5.Distrimanピペット
6.較正されたピペット
7.実験室規模のポンプ/ポンプヘッド;例えば、Masterflexモデル7523-60
8.大規模生産運転用:工業プロセス規模ポンプ/ポンプヘッド;例えば、Masterflexモデル77410-00
9.接線流限外濾過用のAGT/Amersham Flexstandシステム
10.顕微鏡
11.極低温保存ボックス
12.極低温バイアル用のラック
13.50mLポリプロピレンチューブ用のラック
14.充填したバイオプロセス容器を運搬および保存するためのプラスチックトート
15.50または100Lバイオプロセス容器(BPC)を収納するための台車の上のプラスチックドラム
品質制御および品質保証
GMP製品の製造に貢献した人々は全て、十分に訓練を受け、ならびに適用されるGMP実施に、および彼らが行なう作業に適任であると考えられた。VVPL GMP施設を清掃および維持し、明記された環境条件を保持した。必要とされる場合、GMP施設をVVPLのGMP特別室用の環境モニタリングプログラムに供し、条件が満足の行くものであることを確実にするのに役立てた。許容される限度から外れる条件は、環境モニタリングプログラムによって指示されている通りに扱った。設備および備品を全て維持し、ならびに書面による標準的操作手順および維持スケジュールに従って、維持を文書化した。GMPプロセスで用いられる試薬および必需品は全て、VVPL手順に従って、選択し、適格化し、および管理した。製造プロセスの全ての局面を必要に応じて文書化し、および指定された品質保証代理人が文書を精査した。製造中に手順からの任意の逸脱が生じまたは予期しない事象が起こった場合、監督者および品質保証代理人に報告し、かつ事象を文書化した。製造運転を開始する前に、必要な製品検査および検査仕様を満足させるための基準を明記した。指定された品質保証代理人は全ての検査結果を精査し、および製品が発売仕様を満たすかどうかを明らかにした。品質保証によってMV MVBが全ての発売仕様を満たすことが明らかにされるまで、MV MVBから調製されたMV CPは発売されなかった。
事前手順
VVPL所長が生産されるべきMV CPの種類および量を特定した。中間製品および最終製品の不可欠な品質制御検査をGMP生産計画:プロセス仕様および製品品質制御検査にリストアップした。製品発売基準は、VVPL所長によって事前に決定されおよび特定された。GMP生産プロセス構成要素/備品リストフォームを完成させ、および計画した製造運転について認可を受けた。VVPL手順に従って、材料を注文し、受け取り、点検し、および管理した。VVPL手順に従って、必要に応じて、材料をGMP特別室の中に移した。品質保証代理人は、全ての文書化時に用いられた製造運転にバッチ番号を割り当てた。
手順
MV CP調製中、蓋の開いた容器中のベロMCBおよび麻疹ウイルスを操作する手順の工程は全て、生物学的安全キャビネットの中で行なった。廃棄物は全て、出口エアロックを通って玄関に運搬した。固形廃棄物は全て、蒸気滅菌によって除染した。液体廃棄物は、蒸気滅菌によって除染するか、または少なくとも1時間10%ブリーチで処置するかのいずれかにした。
第1段階:ベロ細胞の解凍および拡大
WHOベロMCB細胞を解凍し、および1つまたは複数のT175フラスコに移した。これらのMCB細胞を段階的に拡大し、およそ7〜10日の間に、多数のT500フラスコの中に入れた。拡大培地は、L-グルタミンを含み、抗生物質を含まないVP-SFMであった。各T500フラスコのコンフルエントなベロ細胞を、10層セルファクトリーCF10に拡大した。これによって、コンフルエントなベロ細胞のフラスコ当たり1つのCF10が結果的に播種されることになった。また、T500フラスコのうちの1つのわずかな部分を用いて、生産終了細胞対照のためにT175フラスコに播種した。細胞が増殖して、典型的には3〜6日かかる、およそ80%コンフルエンシーになるまで、CF10フラスコを37℃インキュベーターの中に置いた。
CF10に拡大中のT500フラスコのうちの1つ由来の1:20継代培養を用いて、T175フラスコの中に生産終了細胞対照を準備した。さらに2回の継代培養の間(各々1:20分割で)、生産終了細胞T175培養を維持した。2回目の継代培養後、完全なコンフルエンシーに達すると同時に、この培養を顕微鏡下で注意深く調べ、任意の汚染物またはCPEの存在を探し;その後、培養を採取した。およそ3mLの細胞培養上清をT175フラスコの中に残し、ラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに大部分の細胞培養上清を移した。細胞を残りの3mLの細胞培養上清中にこすり落とし、および個別にラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに移した。生産終了試料を滅菌バッグの中に置き、およびパススルーに運搬した。バッグの外側をアルコールワイプで拭き、およびパッケージをパススルーの中に置いた。VVPLスタッフメンバーが入口エアロックの中のパススルーから試料のパッケージを取り除き、それを?80℃冷凍庫に運搬し、および試料を冷凍庫在庫に記入した。
第2段階:セルファクトリーにおけるベロ細胞の感染
試薬ロット番号を含む、第2段階における工程についての感染情報を全て、麻疹ウイルスMVBバルク製品ワークシートに記録した。セルファクトリーまたはセルスタックへの麻疹ウイルスMVBの添加についてのVVPL指令が指針として意図された。それらおよび用いられる材料が麻疹ウイルス臨床製品ワークシートに完全に文書化されていれば、無菌的添加の代わりの方法が許容されてもよかった。
適切なMVシードストックを解凍し、ならびにその力価および量をワークシートに記録した。各CF-10またはセルスタックにおよそ1×108 TCID50単位のMVシードストックを感染させた。1〜2×109細胞/CF10という推定細胞数に基づくと、MOIは細胞当たり約0.05〜0.1 TCID50単位であった。
CF10フラスコの中で感染させる場合、MVシードストックの懸濁を以下のように調製した:グルタミンを含む250mL VP-SFMを無菌的にピペットで移しまたは滅菌した、使い捨ての2L Erlenmeyerフラスコに注ぎ;1×108 TCID50単位を含む適切な容量のMVシードストックをボトルに添加し、および回転させることによって混合し;その後、オートクレーブした2Lフィードキャップでボトルに蓋をした。あるいは、バイオプロセスバッグの中に感染細胞培養上清を収集するために、2L Erlenmeyerフラスコを1Lの滅菌した、使い捨てボトルと取り替えてもよく、および2Lフィードキャップを1Lフィードキャップと取り替えてもよかった。
セルスタックの中で感染させる場合、各セルスタックについてのMV MVB懸濁を以下のように調製した:グルタミンを含む250mL VP-SFMを滅菌した、使い捨ての250mLボトルまたはその他の同等の容器に無菌的に注ぎ;1×108 TCID50単位を含む適切な容量のMV MVBをボトルに添加し、および回転させることによって混合した。
感染前に、培養培地をCF-10またはセルスタックから無菌的に取り除き;その後、ウイルスの懸濁を添加した。10層フラスコを37℃ CO2インキュベーターの中に2時間置き、少なくとも1度は培地を均等に行き渡らせるために手で揺り動かして、細胞層が乾燥するのを防いだ。その後グルタミンを含みかつ抗生物質を含まない1リットルのVP-SFMを各CF-10またはセルスタックに添加した。感染した10層培養槽を32℃ CO2インキュベーターの中に72(±6)時間置いた。感染の日付を0日目と指定した。
第3段階:MVバルク臨床製品の採取
その特定の種類の麻疹ウイルスを用いた前臨床プロセス開発中の実験的観察から、採取日に選ばれる感染後の日を決定した。例えば、MV-CEA生産用のプロセス開発中の観察により、3、4、5、および6日目が細胞培養上清を採取するのに最適であった。別のMV種での経験により、代わりの組の日がそのウイルスを採取するのに最適であると示されてもよい。
MVバルク臨床製品の採取についての手順の完了を麻疹ウイルス臨床製品ワークシート(VVPL形式:F-A310VP)に文書化した。MVバルク臨床製品をさらなる処理の前に10層フラスコから回収されたMV含有細胞培養上清と定義し:この未処理のMV含有細胞培養上清はまた、感染中に剥がれた任意のベロ細胞を含んでいた。
連続3または4日間毎日、MV含有細胞培養上清を各10層フラスコから採取した。1回目の採取は典型的には、感染後およそ72時間で(例えば、0日目における感染の後3日目に)10層フラスコから回収した。一般に、0日目における感染の後3、4、5、および6日目に採取を行なった。採取の最終日を除き、各10層槽から取り除いたMV含有細胞培養上清を、槽当たりL-グルタミンを含む1Lの新鮮なVP-SFMと取り替えた。各々の1日毎の採取によって、その日に処理した全ての培養槽からの採取の無菌的プール(例えば、3日目の採取プール、4日目の採取プールなど)が結果的にもたらされるはずであった。
MV含有細胞培養上清の試料を、採取物の任意のさらなる処理の前に各々の1日毎の採取物から取得し;試料を2〜8℃で保存した。(通例約50mLである、必要とされる試料の容量は、所与の生産運転についてGMP生産計画によって決定された)。各々の1日毎の採取物をサンプリングするための方法は、採取プールの回収に用いられる容器の種類によって様々に異なった。典型的には、1日毎の採取プールは、ルアーロック接続部を備え付けた、滅菌した、バイオプロセス容器の中に収集した。試料は、ルアーロック末端付きの滅菌注射器を用いて簡単に取得し、および2〜8℃での保存用の滅菌容器に移すことができる。あるいは、滅菌した使い捨ての血清ピペットを用いて、フラスコまたはボトルの中に収集した採取プールをサンプリングすることができる。採取手順の詳細は、CF10フラスコの使用かセルスタックの使用かだけによるのではなく、用いられるCF10フラスコまたはセルスタックの数によっても様々に異なった。指針として、幾つかの特定の実施例を以下に含めた(実施例AおよびB参照)。
どちらの採取物を生産用に処理するかということを決定するための基準は、CPE(例えば、合胞体)を示す細胞のパーセンテージ、感染細胞単層のコンフルエンスおよび外観、ならびに培養表面から剥がれた細胞のパーセンテージの実験的観察に基づいた。典型的には、4、5、および6日目からの採取物をさらに処理してMV臨床製品を作製した。
以下のように、臨床製品を製造するためのさらなる処理を経るよう選ばれた1日毎の採取からの試料をプールすることによって、MVバルク臨床製品の試料を調製した。さらなる処理用に選ばれた1日毎の採取プールからの試料を、例えば、1000mLの、使い捨てボトルなどの、好適なサイズの滅菌容器の中にプールした。MVバルク臨床製品検査用に、アリコートを取り除いた。アリコートを生産バッチ番号、「バルク製品」、日付、および技術者のイニシャルでラベルした。検査に用いられるべきMVバルクCPのアリコートを含む、ラベルしたチューブをアルコールワイプで拭き、その後滅菌バッグの中に密封した。密封パッケージを廊下に運搬した。バッグの外側をアルコールワイプで拭き、およびパッケージを入口エアロックに接続したパススルーの中に置いた。VVPLスタッフメンバーが、入口エアロックの中のパススルーからMVバルクCPの検査アリコートを含む密封パッケージを取り除き、パッケージを-80℃冷凍庫に運搬し、およびバルク製品アリコートを冷凍庫在庫に記入した。バルク臨床製品のさらなる処理を下の第4段階から始めて記載した。
実施例A:CF10フラスコからの1日毎の採取のための手順
i.生物学的安全キャビネットの中で1度に1つのCF10フラスコを扱い、フィード/採取ラインスリップルアーをフィードボトルからBPC(例えば、3日目の採取用の2L BPC、または5L BPC)の上のメス型ルアーに移す。無菌的技術を用いて、オス型プラグを取っておく。
ii.300mL/分を越えない速度で実験室規模の蠕動ポンプを用いて、CF10の中身をポンプでBPCの中に入れる。
iii.中身の移動が完了したら、フィード/採取ラインのスリップルアーをバッグの上のメス型ルアーから外す。残しておいたオス型プラグでバッグの上のメス型ルアーに再び栓をする。フィード/採取ラインのスリップルアーを、L-グルタミンを含む1LのVP-SFMを含む1000mLボトルの上のフィードキャップに挿入する。
iv.L-グルタミンを含むVP-SFMをポンプでCF10の中に入れる。CF10をポンプから外し、および(取り付けたフィードボトル付きの)CF10を32℃インキュベーターに戻す。
v.第2のCF10で手順を繰り返す。
vi.60mLルアーロック注射器を用いて、バッグの上のメス型ルアーを通してBPCから試料(生産計画から決定された容量、通例50mL)を取得する。サンプリング後、バッグに再びキャップをする。試料を50mLチューブに移し;チューブをバッチ番号、採取の日付(例えば、3日目)、日付、技術者のイニシャル、および「未処理バルク」でラベルし、ならびに855Gのコールドルームに1〜8℃で保存する。
vii.BPCの中身を下の第4段階で記載されたように処理する。
実施例B:20のセルスタックからの1日毎の採取のための手順
i.生物学的安全キャビネットの中で作業しながら、採取ラインのメス型ロックルアーを、プラスチックトートの中に置いた空の、滅菌した、25L BPCのオス型ルアーポートに接続する(すなわち、ラインは、一方の末端にオス型ロックルアーおよび他方にメス型ロックルアーを有する)。(無菌的技術を用いて、BPCからのメス型プラグを残しておき、またはオートクレーブしたルアー/プラグアセンブリからのメス型キャップの1つを用いることを計画する)。
ii.セルスタックを生物学的安全キャビネットに移す。(既にBPCに接続された)採取ラインのオス型ルアーをセルスタック充填キャップの上に備え付けたメス型ルアーに取り付ける。(無菌的技術を用いて、充填キャップからのオス型プラグを残しておき、またはオートクレーブしたルアー/プラグアセンブリからのオス型キャップの1つを用いる計画を立てる)。
iii.600mL/分を超えない速度で実験室規模の蠕動ポンプを用いて、セルスタックの中身をポンプでBPCの中に入れる。
iv.セルスタックが空の場合、採取ラインの上のオス型ロックルアーを処理されるべき次のセルスタックの上のメス型ルアーに移す。第2のセルスタックからのオス型プラグを用いて第1のセルスタックの上の充填キャップに栓をすることができる。1度に1つのセルスタックのみにポンプで注入するが、第2のセルスタックを生物学的安全キャビネットの中に用意しておくことによって、この手順をスピードアップし、および無菌的接続を行なうのを容易にする。検定者は、インキュベーターから生物学的安全キャビネットまでセルスタックを移すことができる。
v.第2のセルスタックの中身をポンプで吸い出しながら、L-グルタミンを含む1LのVP-SFMを、以下のように第1の(すなわち、空になった)セルスタックに添加する:セルスタックの第2のポートから標準的な33mmベントキャップをねじって外し、;L-グルタミンを含むVP-SFMの1Lボトルの中身をセルスタックの中に注ぎ;ベントキャップを取り替える。
vi.全てのセルスタックを採取しかつ全てのセルスタックに再び栄養補給するまで、この手順(第i段階から第v段階)を繰り返す。
vii.最後のセルスタックを採取した後、採取ラインをBPCから無菌的に取り除き、およびメス型プラグを用いてバッグの上のオス型ルアーを閉めることができる。
viii.60mLルアーロック注射器を用いて、バッグの上のメス型ルアーを通してBPCから試料(生産計画から決定された容量、通例50mL)を取得する。サンプリング後、バッグに再びキャップをする。試料を50mLチューブに移し;チューブをバッチ番号、採取の日付(例えば、3日目)、日付、技術者のイニシャル、および「未処理のバルク」でラベルし、ならびに855Gのコールドルームに1〜8℃で保存する。
ix.25Lバッグの中身を下の第4段階で記載されたように処理する。
第4段階:MVバルク臨床製品の前濾過およびベンゾナーゼ処置
一般的概観:さらなる処理のために選ばれた各々の1日毎の採取プールを採取の日に処置した。採取後、MVバルクCPを含む、MV含有細胞培養上清を3μmフィルターに通して前濾過し、ベロ細胞を取り除いた。その後、濾過した上清をベンゾナーゼ(エンドヌクレアーゼ)で処置し、存在する任意のベロ細胞DNAを分解した。ベンゾナーゼ処置後、さらに精製してMV CPにするまで、処理した上清を2〜8℃で保存した。MV-CEAについては、MV-CEA力価の測定可能な損失を伴わずに、少なくとも7〜10日間、採取プールを2〜8℃で保存し得るということがデータによって示された。所与の1日毎の採取プールをさらなる処理のために選ぶかどうかが不明な場合には、あたかもそれを最終製品の製造に用いるかのように、それを処理した。
前濾過:さらなる処理のために選ばれた1日毎の採取プールを、3μm Versaporカプセルフィルターを含むガンマ線照射フィルターアセンブリに通して前濾過した。前濾過されるべき採取プールの各々について:(a)フィルターアセンブリのどちらかの末端の上のオス型ロックルアーを1日毎の採取プールBPCのメス型ルアーと同じサイズの空の、滅菌したBPCのメス型ルアーの間で接続し;(b)フィルターカプセル上のベントポートの完全な閉止を確認し;および(c)好ましくは600mL/分を超えない速度で実験室規模の蠕動ポンプを用いて、MV採取プールを3μmフィルターに通して空のBPCの中にポンプで入れた。1つの3μmフィルターに通して濾過することができる全容量は、細胞培養上清中の細胞全体および細胞残屑の量に依存した。控え目に見て、1つのフィルターは、少なくとも10LのMVバルクCPを濾過する能力を有するはずである。それゆえ、大きい採取プールについて、濾過の途中でフィルターを新鮮なフィルターアセンブリと無菌的に取り替えることが必要であってもよい。
ベンゾナーゼ処置:前濾過した上清の各BPCについて、ベンゾナーゼの最終濃度が細胞培養上清のmL当たり20U(L当たり20,000Uベンゾナーゼと同等)であるように、ベンゾナーゼを前濾過したMV含有細胞培養上清に添加した。用いられるベンゾナーゼの量についての計算をMV CPワークシートに文書化した。ベンゾナーゼ活性についての最適条件を提供するために、滅菌したMgCl2も前濾過したMV含有細胞培養上清に添加し、2mMの最終濃度のMgCl2を生産した(例えば、細胞培養上清のリットル当たり2mLの1M溶液のMgCl2を添加した)。用いられるMgCl2の量についての計算をMV CPワークシートに文書化した。ベンゾナーゼおよびMgCl2を小容量のVP-SFMを含む1000mLボトルの中に入れてもよい。ベンゾナーゼを直接1M MgCl2の中には入れなかった(MgCl2溶液に対するVP-SFMの比は少なくとも1:10であるべきである)。1Lフィードキャップおよびフィード/採取ラインを用いて、ベンゾナーゼ/MgCl2/VP-SFM溶液をバッグの中にポンプで入れた。BPC上のメス型ルアーを通してベンゾナーゼ/MgCl2添加を行なうと同時に、フィルターアセンブリを外しおよび廃棄することができる。添加後、滅菌したオス型プラグでBPC上のメス型ルアーに栓をした。BPCを手で穏やかに揺り動かして中身を混合し、その後室温で1時間インキュベートした。BPCを生産バッチ番号、「処理したMVバルク臨床製品」、採取の日付(例えば、3日目)、日付、および技術者のイニシャルでラベルした。インキュベーション後、「処理したMVバルク臨床製品」を含むBPCをコールドルームに移し、ならびに少なくとも24時間およびさらなる精製の10日前まで2〜8℃で保存した。
第5段階:MV臨床製品の精製
一般的概観:MgCl2の存在下で前濾過およびベンゾナーゼ処置したMVバルクCPからMV CPを精製した。精製プロセスは、多段階の、接線流濾過プロセス、それに続く最終研磨濾過工程を伴った。接線流濾過装置は、AGT/Amersham Flexstandシステムに基づき、およびオートクレーブ可能な、ホローファイバーの、接線流濾過カートリッジが組み入れられた。第1に、前濾過し、ベンゾナーゼ処置したバルク製品を5から10倍濃縮してプロセス容量を減らした。第2に、部分濃縮製品を少なくとも5容量のTris緩衝化ショ糖で透析濾過して、麻疹ウイルスの精製および緩衝剤交換を同時に行なった。第3に、精製した麻疹ウイルスをバルク製品と比べて50倍まで濃縮した。最後に、最終研磨工程として、濃縮し、精製した麻疹ウイルスを1.2μmガラスファイバー/Versaporフィルターに通して濾過した。その後、この濃縮し、精製し、1.2μm濾過した麻疹ウイルスを最終的なMV CPとしてバイアル化するために充填室に移した。臨床製品のためのMVの精製をMV CPワークシートに文書化した。
AGT/Amersham Flexstand濾過システムの調製:スタンド、リザーバー、カートリッジ、圧力計、およびチューブ類から構成される、Flexstandシステム一式は、完全に衛生化が可能でかつオートクレーブ可能であった。新しい組の流路チューブ類を各々のGMP生産運転用に用いた。限外濾過カートリッジは、生産運転の容量に基づいてMV精製プロセス用に選択された適切なサイズで、オートクレーブ可能な、500kD NMWCO、AGT/Amershamホローファイバー接線流限外濾過カートリッジであった(表2)。
(表2)
Figure 2009501520
一般に、新しい限外濾過カートリッジを各々のGMP生産バッチ用に用いた;しかしながら、場合によって、意図される使用および以前の使用歴次第で、カートリッジのQAによる再使用を承認してもよい(GMPプロセスで用いるカートリッジを前臨床適用のために繰り返し衛生化し、オートクレーブし、および再使用してもよい)。カートリッジを完備したFlexstandシステムを使用に備えて衛生的に調製およびオートクレーブした。オートクレーブしたFlexstandシステムをGMP生産室の中に運搬した。
その後、カートリッジを平衡化した。(L-グルタミンを含むまたは含まない)VP-SFMで平衡化する場合、1000mLボトル、1Lフィードキャップ、およびフィード/採取ラインによって1LのVP-SFMをリザーバーに添加してもよい(平衡化は通常生産室で行なわれると考えられるが、処理室で行なわれることもできると考えられる)。平衡化の後、Flexstandシステムを処理室の中に運搬した。処理したバルク製品および/または緩衝剤の容器とFlexstandシステムの間の無菌的接続は、処理室の生物学的安全キャビネットの中で行なった。オートクレーブ後VP-SFMの中でカートリッジを平衡化する48時間以内にFlexstandシステムを精製プロセスに用いるように、オートクレーブ手順の予定を立てた。
接線流濾過:限外濾過による初期濃縮:精製の日に、「処理したMVバルクCP」を含むBPCをコールドルームから取り除き、および処理室の中に室温で置いた。Flexstandシステムのリザーバーに処理したMVバルク臨床製品を含むバッグを取り付けるのに用いる無菌的接続は、生産運転のサイズおよびバルク製品の1日毎の採取物を収集するのに用いる容器の種類によって様々に異なった。無菌的接続は全て、生物学的安全キャビネットの中で行なった。生産バッチのサイズによって、限外濾過プロセスを始める前に、処理したMVバルク製品の全てをポンプでリザーバーの中に入れてもよく、または初期工程が進むにつれて、接続したBPCからそれを連続的にポンプで入れてもよい。透過物(permeate)容器のサイズを生産バッチのサイズによって決定し;トートの中に置く25L BPCまたは台車の上のドラムの中に置く100L BPCは共同選択であった。透過物ラインと透過物容器の間の無菌的接続は生物学的安全キャビネットの中で行なった。接線流限外濾過に好適なパラメーターには:4psigまたはそれ未満のフィード圧力;0という透過物圧力を仮定して、膜貫通圧力降下が最小化されかつ3psigを超えないことを保証する未透過物(retentate)圧力;および4000秒-1またはそれ未満の剪断率に相当する再循環率が含まれる。操作中、プロセス流体の温度および粘度などの因子は様々に異なると考えられ、および理想の操作条件を維持するために未透過物圧力および/または再循環率を調節することが必要であり得ると考えられた。初期濃縮工程の目的は、透析濾過による精製の前に、処理したバルク製品の5〜10倍濃縮を達成することであった。
接線流濾過:透析濾過による精製:部分濃縮した処理したバルク製品を少なくとも5容量の5%ショ糖、50mM Tris、pH 7.4、2mM MgCl2(ショ糖緩衝剤と称する)で透析濾過した。ショ糖緩衝剤を含むBPCをルアー接続でFlexstandのリザーバーに無菌的に接続した。透析濾過中、蠕動ポンプで制御しかつほぼ一定のリザーバー容量を維持することによって、ショ糖緩衝剤の流れを透過物流と一致させることを除いて、透析濾過のためのパラメーターは、上の限外濾過について記載したパラメーターと同一であった。
接線流濾過:最終濃縮:透析濾過洗浄が完了した後、リザーバーの中に残っている部分濃縮および精製したMV CPを限外濾過でさらに濃縮した。MVは全体的に未透過物中に保持された。限外濾過パラメーターは上記と同じであった。未透過物容量が処理したMVバルクCPの出発容量のおよそ1/50になるまで限外濾過による濃縮を続けた。さらなる濃縮は最終的な未透過物中のウイルス濃度の増加と相関しなかったので、未透過物を開始容量の1/50よりもさらに濃縮する必要はなかった。好適なサイズの滅菌容器、例えば、滅菌した使い捨てのボトルまたはルアー接続のある滅菌したBPCの中に未透過物を無菌的に回収した。
最終研磨工程:1.2μm濾過:接線流プロセスからのMV含有最終未透過物の容器を、処理室の生物学的安全キャビネットの中でFlexstandから無菌的に外し、および1.2μm血清フィルターカプセル(ガラスファイバー/Versapor)を含むフィルターアッセンブリに接続した。フィルターアセンブリは2つのオス型ルアーロック付属品を有した。したがって、フィードキャップへの接続は濾過アダプターを必要とすると考えられた。フィルターアセンブリの下流面を、空の、滅菌したBPCに直接的に接続するか、または改良したフィード/採取ラインを用いて、フィードキャップ付きの滅菌ボトルに間接的に接続するかのいずれかにした。蠕動ポンプを用いて、未透過物を600mL/分を越えない流速で1.2μmフィルターに通して濾過し、空の容器の中に入れた。1.2μmフィルターに通して濾過した未透過物は「精製したMV CP」であった。精製したMV CPの容器をフィルターアセンブリから無菌的に外しおよび密封した。その後、容器を滅菌アルコールワイプできれいに拭き、滅菌バッグの中に置き、および充填室パススルーに移した。
処理したMVバルクCPの容量に基づいた、典型的な精製の特定の実施例を、下の実施例CおよびDで示した。
実施例C:4Lの処理したMVバルクCPの精製
i.2つの2L BPCに含まれるバルク製品をUFP-500-E-4X2MAカートリッジを含む十分にオートクレーブされかつ十分に平衡化されたFlexstandシステムの5Lリザーバーの中にポンプで入れる。
ii.初期(部分)濃縮工程によって、およそ800mLの未透過物が結果的に生じる。
iii.初期未透過物を4.0Lのショ糖緩衝剤で透析濾過する。
iv.その後、透析濾過した未透過物をおよそ80〜100mLの最終容量まで濃縮する。
v.最終未透過物をフィード/採取ラインを介して1000mLフィードボトルの中に収集する。
vi.最終未透過物を含むボトルを改良したフィード/採取ラインを介して1.2μm血清フィルターアセンブリに接続する。
vii.フィルターアセンブリの下流末端を別の改良したフィード/採取ラインおよび1Lフィードキャップを用いて清潔な1000mLボトルに接続する。
viii.最終未透過物をポンプで汲み上げて600mL/分を越えない割合で1.2□μmフィルターに通す。
vi.1.2μm濾過後の最終容量はおよそ50〜75mLの精製麻疹ウイルス臨床製品である。
実施例D:60Lの処理したMVバルクCPの精製
i.ルアー接続を介して連続的、無菌的に、互いにおよびUFP-500-E-9Aカートリッジを含む十分にオートクレーブされかつ十分に平衡化されたFlexstandシステムのリザーバーに接続された3つの25L BPCの中に、バルク製品は含まれる。
ii.初期(部分)濃縮工程の前に、およそ5Lの処理したMVバルク製品をFlexstand 5Lリザーバーの中にポンプで入れる。
iii.この初期濃縮工程の間、透過物回収と釣り合う割合(およそ300ml/分)で処理したMVバルク製品をFlexstandリザーバーの中にポンプで入れる。
iv.初期(部分)濃縮工程によって、Flexstandリザーバーの中に完全に含まれているおよそ5〜6Lの未透過物が結果的に生じる。
v.初期未透過物を少なくとも30Lのショ糖緩衝剤で透析濾過する。
vi.その後、透析濾過した未透過物をおよそ1.2Lの最終容量まで濃縮する。
vii.最終未透過物をFlexstandの試料収集ポートに接続した2L BPCの中に収集する。
viii.1.2μm血清カプセルフィルターアセンブリを、未透過物を含むBPC上のメス型ルアーと清潔で、空の2L BPCの間に接続する。
ix.最終未透過物をポンプで汲み上げて600mL/分を越えない割合で1.2μmフィルターに通す。
x.1.2μm濾過後の最終容量はおよそ1.2Lの精製麻疹ウイルス臨床製品である。
xi.最終的なバイアル化に備えるための選択肢として:(1)血清ピペットで製品に到達することができる滅菌した1000mLボトルの中にBPCの中身をポンプで入れる工程、または(2)ルアーロック注射器を用いてBPCからバイアル化するアリコートを回収し、その後小さい容量の最終的なバイアル化の前に中間容器の中に製品を置く工程が含まれる。
第6段階 麻疹ウイルス臨床製品の最終濾過
精製したMV CPを廊下から充填室パススルーに移し、および充填室側のパススルーから収集した。精製したMV CPを含むパッケージをアルコールワイプで拭き、バッグを取り除き、および容器を生物学的安全キャビネットの中に移した。最終充填プロセスについての情報は全て、MV CP最終充填ワークシートに記録した。最終製品に用いるバイアルのサイズおよび種類は、所定の、所望の製品パッケージに依存した。計画された数およびサイズの滅菌バイアルを、MVの名前およびロット番号、製造の日付、容量、「<-70℃で保存」、「1回きりの使用」、ならびに「警告:新薬−連邦法により研究的使用に限定」でラベルした。
凍結および保存中、印刷したラベルを固定するために、保護テープをバイアルに貼り付けた。適切なピペッティング機器を用いて、ラベルし、滅菌したバイアルの中に、計画された容量のMV CPを分注した。スクリューキャップを堅く締めることによって、その後MV CP最終製品を含む、バイアルを密封した。MV CPを含む充填したバイアルを補助容器の中に置いた。例えば、極低温バイアルを滅菌した15mLポリプロピレンチューブの中に置いてもよい。検疫ステッカーおよびバイアルラベルと同一の情報を含むステッカーでラベルした滅菌バッグまたはその他の閉じられた保存容器の中に置くことによって、補助容器の中に封入したバイアルを包装してもよい。QAによってMV CPロットが発売されるまで、バイアルは検疫されたままでなければならない。包装されたバイアルを検疫保存用の前室の中の-80℃冷凍庫に移した。新しい製品ロットについて、GMP製品在庫記録を開始した。必要とされる数のバイアルを取り除き、および最終バイアル化MV CPの検査用に発送した。
GMP生産バッチ概要
製品:MV-CEA麻疹ウイルス臨床製品
以下のために生産されたバッチ:癌を有する患者における麻疹ウイルスの遺伝子人工改変株から製造されたCEA発現誘導体の腹腔内投与の第I相臨床試験用の臨床製品。
検査用にバイアル化されたバルク製品
1.8mLチューブ中の1.1mLの8アリコート
15mLチューブ中の6mLの2アリコート
15mLチューブ中の10mLの8アリコート
臨床製品用にバイアル化された最終材料:
1.8mLチューブ中の1.1mLの43アリコート⇒容量=47mL
1.0mLチューブ中の0.11mLの200アリコート⇒容量=22mL
?全容量(最終充填量)=69mL
最終製品の力価:4.0×106 TCID50単位/mL
GMP製品品質制御検査結果
生産プロセス:MV-CEA麻疹ウイルス臨床製品
(表3)
Figure 2009501520
これらの方法によるがGMPを用いないで、MV-NISの臨床品質調製物を生産した。
調製物1:
ベクター構築物 MV-NIS、MH-NIS(HP)3
生産細胞株 BioRelianceベロ細胞
製品説明 精製前臨床製品(p5)
意図される使用 前臨床検討用
保存培地 ショ糖緩衝剤(5%ショ糖、50mM Tris, 2mM MgCl2、pH 7.4)
力価 4.8×107 TCID50単位/mL
全容量 320ml
全タンパク質濃度 551.8μg/mL
全DNA濃度(ベロ細胞) 370.1ng/mL
ベンゾナーゼ濃度 3.98ng/mL
滅菌性検査 TSB(20〜25℃)またはFTM(30〜35°)中で14日後に
増殖なし
保存温度 <-70℃
アリコート単位 バイアル化される量:200×1.1mL、6×10mL、
1×6mL
調製物2:
ベクター構築物 MV-NIS、MH-NIS(HP)3
生産細胞株 BioRelianceベロ細胞
製品説明 精製前臨床製品(p5)
意図される使用 前臨床検討用
保存培地 ショ糖緩衝剤(5%ショ糖、50mM Tris, 2mM MgCl2、pH 7.4)
力価 3.5×107 TCID50単位/mL
全容量 850ml
全タンパク質濃度 646.6μg/mL
全DNA濃度(ベロ細胞) 674.7ng/mL
ベンゾナーゼ濃度 3.26ng/mL
滅菌性検査 TSB(20〜25℃)またはFTM(30〜35℃)中で14日後に 増殖なし
保存温度 <-70℃
アリコート単位 バイアル化される量:300×1.1mL、6×10mL、
100×4.5mL、1×6mL
実施例4−ベロ細胞溶解物からの臨床品質パラミクソウイルス科ウイルスの生産
実施例2で記載したように、ベロ細胞を解凍し、培養し、拡大し、感染させ、およびパラミクソウイルス科ウイルスと共に培養する。実施例2で同様に記載したように、ベロ細胞を収集し、ならびに3サイクルの瞬間凍結および解凍を通して溶解する。結果として得られる細胞溶解物を2000g、20分間、4℃での遠心分離(Sorvall旋回遠心分離機中のSorvall 600TCローター)で浄化する。各チューブからの上清を1L滅菌使い捨てボトルの中にプールし、および上清のmL当たり20Uのヌクレアーゼ(ベンゾナーゼ)と共に混合する。臨床品質パラミクソウイルス科ウイルスを、実施例3で記載された技術を用いて溶解物から得られるウイルスから生産する。
実施例5−パラミクソウイルス科ウイルス調製物の評価
ベロ細胞培養上清から精製された臨床品質パラミクソウイルス科ウイルスを微生物および不純物の存在について検査した。調製物を以下について検査した:全タンパク質、ベロ細胞DNA、およびベンゾナーゼ(登録商標)。
パラミクソウイルス科ウイルスバンク製品を微生物、外来ウイルス、および特定ウイルスの存在について検査した。パラミクソウイルス科ウイルス調製物のいずれにも微生物および非パラミクソウイルス科ウイルスは発見されなかった(表4)。不純物は極めて低濃度で存在した(表4)。テストの各々についての代表的なアッセイを表5に提供する。
(表4)パラミクソウイルス科ウイルス調製物の分析
Figure 2009501520
(表5)パラミクソウイルス科ウイルス調製物を分析するために用いたアッセイ
Figure 2009501520
ベロ細胞を用いたTCID50法(5倍希釈系列)による麻疹ウイルス感染力価の決定
麻疹ウイルス(MV)ストックのパラメーターは感染性ウイルスの力価、すなわち、単位容量当たりの感染単位の数である。感染単位はアッセイで検出可能な生物学的効果を生産することができるウイルスの最小量である。ベロ細胞(アフリカミドリザル腎臓)における実験室に適応したおよびワクチンのMV株の複製によって、MV力価を定量化するために用いることができる、細胞変性効果である、合胞体形成が生産される。本明細書において記載されるMV力価の決定のための感染力アッセイは、量子アッセイ、すなわち、MV被検試料の系列希釈を感染させた細胞培養におけるMV誘導性合胞体の存在または不在を検出するアッセイである。細胞培養における合胞体を光学顕微鏡で検出する。各MV試料の1/5系列希釈系列および陽性定量対照を3通りでアッセイする。所与のバッチの細胞培養の50%を感染させるのに必要なウイルスの希釈を組織培養感染用量50(TCID50)と定義する。この手順において、Spearman Karber法を用いてTCID50を計算する。MV感染力価をTCID50単位/mLとして報告する。
ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ
ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイにおいて、Cu2+イオンはアルカリ溶液中でタンパク質と複合体を形成する。複合体を成したCu2+はその後タンパク質構成要素システイン、シスチン、トリプトファン、チロシン、およびペプチド結合によってCu1+に還元される。還元の量は存在するタンパク質の量を反映する。その後、BCAはCu1+と複合体を形成し、562nmで吸収する紫青色のクロモフォアを形成する。タンパク質濃度は562nmでの吸収に比例する。この手順における較正スキームを立てて、100〜1,000μg/mLの範囲のタンパク質を測定する。適切な場合、この手順を用いて試料の希釈物を分析することによって?1,000μgのタンパク質/mLを含む試料をアッセイしてもよい。BCAタンパク質アッセイキットはSigma(#BCA-1)から入手可能である。
ELISA法を用いたウイルス調製物中のベンゾナーゼ(登録商標)の定量
ベンゾナーゼ(登録商標)は、大腸菌(E. coli)で生産された遺伝子人工改変エンドヌクレアーゼである。ベンゾナーゼ(登録商標)は、全ての種類のDNAおよびRNAを含む、核酸中のヌクレオチド間の内部ホスホジエステル結合を加水分解する。ベンゾナーゼ(登録商標)による遊離核酸の完全消化は、5'-1リン酸末端を有する長さおよそ3〜5塩基のオリゴヌクレオチドを生み出す。ベンゾナーゼ(登録商標)をウイルスベクター生産実験室(VVPL)で用い、ウイルスを生産するのに用いられた培養細胞が起源である核酸を分解する。これらの核酸はウイルス調製物の汚染物と考えられる。ベンゾナーゼ(登録商標)によるウイルス調製物中の遊離DNAの消化後、酵素の大部分を限外濾過工程で取り除く。ウイルス調製物中の残存ベンゾナーゼ(登録商標)および残存DNAの量を測定し、ウイルス生産物を特徴付ける。EM Industries社によって開発された市販のベンゾナーゼELISAキットを用いて、ベンゾナーゼ(登録商標)を分析する。この方法を用いると、ベンゾナーゼは0.2ng/mLを上回る濃度で検出可能である。ベンゾナーゼELISAキットはMerck KgaA(#1.01681.0002)から入手可能である。
ピコグリーンdsDNA定量アッセイを用いた2本鎖DNAの定量
2本鎖DNA(dsDNA)を測定するためのピコグリーンアッセイにおいて、登録商標権を有するシアニン色素である、ピコグリーンはDNA(および/またはRNA)に結合し、高度に蛍光性の複合体を形成する。ピコグリーン単独では比較的蛍光性がない;しかしながら、dsDNAに結合すると同時にその蛍光は1000倍よりも大きく増強される。ピコグリーンはまた、1本鎖DNAに(ssDNA)およびRNAに結合するが、蛍光増強のレベルは、本アッセイの条件下において等モル量のRNA、ssDNA、またはオリゴヌクレオチドと複合体を成す色素については顕著に低く(<10%)、したがって不均質なヌクレオチド試料中のdsDNAを定量化することが困難になっている。蛍光光度計を480nmの励起波長および520nmの放出波長で用いて、ピコグリーン-dsDNA複合体の蛍光を測定する。dsDNAの濃度は、測定された相対蛍光強度に比例する。ピコグリーン試薬を用いて幅広い濃度範囲(25pg/mL〜1000ng/mL)にわたるdsDNAを測定することができるが、この手順における較正スキームを立てて、10〜250ng/mLの範囲のdsDNA濃度を測定する。適切な場合、この手順を用いて試料の希釈物を分析することによって?250ngのDNA/mLを含む試料をアッセイしてもよい。ピコグリーンdsDNA定量アッセイキットはMolecular Probes(P-11496)から入手可能である。
残存DNAサイズ範囲の決定
ウイルス調製物を培養細胞中で生産し、および前臨床検討に用いてもよく、またはGMPの下で生産される場合、臨床試験に用いてもよい。ある種の生産プロセスの間、遺伝子人工改変エンドヌクレアーゼである、ベンゾナーゼ(登録商標)を細胞培養上清にまたは浄化した細胞溶解物に添加し、培養細胞に由来する核酸を分解する。ベンゾナーゼ(登録商標)は全ての形態のDNAおよびRNAを分解し、長さ3〜5塩基であるヌクレオチドを生み出す。ベンゾナーゼ(登録商標)消化工程の効率性を確保するために、ウイルス調製物の酵素処置前および酵素処置後試料を検査して残存DNAのサイズ範囲を決定する。アッセイ前に、調製物中の残存DNAの濃度をピコグリーン(登録商標)DNA法(個別のアッセイ手順)で測定し、必要とされる試料の量を決定する。その後、DNAサイズ範囲を決定するために、残存DNAをウイルス調製物の試料から抽出し、ならびに抽出した試料をアガロースゲル電気泳動(AGE)およびポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で分析する。電気泳動中のDNA分子の移動は分子のサイズ(すなわち、塩基対における長さ)と関連する。
実施例6−感染細胞の上清からのMV MVBのGMP製造
麻疹ウイルスのGMP製造について、本プロセスで用いられる麻疹ウイルスストック(MVB)および細胞(MCB)は、全ての微生物およびウイルス汚染物を含まないものでなければならない。
VVPLは、(1)MV感染細胞の浄化した細胞溶解物から、または(2)MV感染細胞培養の上清から(すなわち、この手順)という:MV MVBを製造するための2つのプロセス選択肢を有する。両方の手順において、ウイルスシードストックをMCB由来の細胞の中で増幅する;しかしながら、浄化した細胞溶解物プロセスでは、ウイルス粒子を溶解細胞から採取するが、上清プロセスでは、ウイルス粒子をMV感染細胞培養の上清から採取する。上清プロセスにおいて、濾過を用いて採取した上清を浄化して細胞残屑を取り除き、その後MV MVBと指定する。
上清採取物からの特定の麻疹ウイルスの力価がMV MVBとしての使用に十分である時、細胞溶解物プロセスと比べた場合にMV MVBを調製するためのより簡単な手順であるため、上清からのMV MVBの製造がそのウイルスのために好ましい。
全ての工程をGMPに準拠した(VVPLは、それらが第I相または第II相臨床試験の承認研究新薬(IND)申請の下で生物学的製品を製造する学術施設に適用する程度まで、FDAの現行適正製造基準(CGMP)要件に準拠する)環境条件および実施の下で完了する。麻疹ウイルスMVBから製造された任意の臨床製品が使用のために発売されることができる前に、製造されたMVBを検査し、および外来の作用物質を含まないことを見出さなければならない。
GMPを用いたMV感染細胞の上清からのMV MVBの製造のためのVVPL手順を以下に記載する。
試薬および備品
以下の試薬および備品をGMPプロセスで用いてMV MVBを作製する:(1)麻疹ウイルスシードストック(MVBの生産用に細胞に感染させるために用いるウイルス;例えば、MV-hCEAシードストックを用いてヒトCEAの遺伝子を含む麻疹ウイルスのためのMVBを作製するように、ウイルスストック種類は所望のMVバンクの種類によって様々に異なると考えられる);(2)WHOベロMCB細胞;(3)ウイルス生産用のベロ細胞の増殖のためのVP-SFM血清非含有培地(1×、液体);(4)VP-SFM(1×、液体)およびL-グルタミン(200mM)から調製したウイルス生産用のベロ細胞の増殖のためのL-グルタミンを含むVP-SFM血清非含有培地;(5)rプロテアーゼ(組換えプロテアーゼ);ならびに(6)カルシウムおよびマグネシウムを含まないD-PBS。
また、以下の備品および設備をGMPプロセスで用いてMV MVBを作製する:(7)組織培養フラスコ(T75、T175、およびT500);(8)滅菌した使い捨ての血清ピペット;(9)製品バイアルの最終充填用の滅菌ピペットチップ(例えば、Rainin Distrimanチップ);(10)使い捨て1000mLボトル、滅菌済み(Nunc Nalgene #455-1000または同等品);(11)15mLポリプロピレン円錐チューブ、滅菌済み;(12)50mLポリプロピレン円錐チューブ、滅菌済み(Falcon #352098または同等品);(13)滅菌バッグ(Fisher Whirl-Pakまたは同等品);(14)試料または製品バイアルとしての使用のための内ネジ式の、滅菌した、極低温バイアル(例えば、1.0、1.8、および/または4.5mLサイズ);(15)最終製品バイアルラベル;(16)アルコールワイプ;(17)製品ラベルを固定するための保護テープ;(18)セルスクレイパー;(19)フィード/採取ライン、オートクレーブ済み(チューブ類末端上のルアーフィッティング:オス型スリップ、オス型ロック);(20)フィードキャップ、1L、オートクレーブ済み;(21)フィードキャップ、2L、オートクレーブ済み(任意);(22)採取ライン、オートクレーブ済み(チューブ類末端上のルアーフィッティング:オス型ロック、メス型ロック);(23)オス型およびメス型ルアー/プラグまたはキャップアセンブリ、オートクレーブ済み;(24)濾過アダプター、オートクレーブ済み(チューブ類末端上のルアーフィッティング:オス型スリップ、メス型ロック)(任意);(25)滅菌バイオプロセスバッグ、様々なサイズ;(26)注射器、滅菌済み、ルアーロック、様々なサイズ;ならびに(27)使い捨てErlenmeyerフラスコ、2L、滅菌済み(NNI #4112-2000または同等品;任意)。
セルファクトリーCF10増殖槽に特有の備品として(a)セルファクトリーCF10;(b)CF10用のベントフィッティング、オートクレーブ済み;および(c)CF10用の培地フィッティング、オートクレーブ済みが含まれる。セルスタック増殖槽に特有の備品として(a)セルスタック、10層;(b)セルスタック用の充填キャップ;および(c)セルスタック用の通気式充填キャップ(任意)が含まれる。
設備および器具類
1.認定されたSterilGARD IIIアドバンス生物学的安全キャビネット、クラスIIタイプB3;クリーンルーム クラス100(米国慣習単位)
2.5% CO2の保湿組織培養インキュベーター:ThermoFormaモデル3950リーチインインキュベーター
3.ウォーターバス、37℃
4.血清ピペット用のピペッター
5.Distrimanピペット(任意)
6.較正されたピペット(任意)
7.実験室規模のポンプ/ポンプヘッド;例えば、Masterflexモデル7523-60
8.顕微鏡
9.極低温バイアル用のならびに15mLおよび50mLポリプロピレンチューブ用でもある極低温保存ボックス
10.極低温バイアル用のラック
11.50mLポリプロピレンチューブ用のラック
12.15mLポリプロピレンチューブ用のラック
13.充填したバイオプロセス容器を運搬および保存するためのプラスチックトート
品質制御および品質保証
GMP製品の製造に貢献した人々は全て、十分に訓練を受け、ならびに適用されるGMP実施に、および彼らが行なう作業に適任であると考えられる。VVPL GMP施設を清掃および維持し、明記された環境条件を保持する。必要とされる場合、GMP施設をVVPLのGMP特別室用の環境モニタリングプログラムに供し、条件が満足の行くものであることを確実にするのに役立てる。許容される限度から外れる条件は、環境モニタリングプログラムによって指示されている通りに扱う。設備および備品を全て維持し、ならびに書面による標準的操作手順および維持スケジュールに従って、維持を文書化する。GMPプロセスで用いられる試薬および必需品は全て、VVPL手順に従って、選択し、適格化し、および管理する。製造プロセスの全ての局面を必要に応じて文書化し、および指定された品質保証代理人が文書を精査する。製造中に手順からの任意の逸脱が生じまたは予期しない事象が起こった場合、監督者および品質保証代理人に報告し、かつ事象を文書化する。製造運転を開始する前に、必要な製品検査および検査仕様を満足させるための基準を明記する。指定された品質保証代理人は全ての検査結果を精査し、および製品が発売仕様を満たすかどうかを明らかにする。品質保証によってMV MVBが全ての発売仕様を満たすことが明らかにされた後で初めて、MV MVBから調製されたMV臨床製品を発売する。
事前手順
VVPL所長が生産されるべきMVBの種類および量を特定する。仕様をGMP生産計画:プロセス仕様および製品品質制御検査に文書化する。中間製品および最終製品の不可欠な品質制御検査もまたGMP生産計画:プロセス仕様および製品品質制御検査にリストアップする。製品発売基準は、VVPL所長によって事前に決定されおよび特定される。GMP生産プロセス構成要素/備品リストフォームを完成させ、および計画した製造運転について認可を受ける。VVPL手順に従って、材料を注文し、受け取り、点検し、および管理する。VVPL手順に従って、必要とされる場合、材料をGMP特別室の中に移す。品質保証代理人は、全ての文書化時に用いられた製造運転にバッチ番号を割り当てる。
手順
MV MVB調製中、蓋の開いた容器中のベロMCBおよび麻疹ウイルスを操作する手順の工程は全て、生物学的安全キャビネットの中で行なう。廃棄物は全て、出口エアロックを通って玄関に運搬する。固形廃棄物は全て、蒸気滅菌によって除染する。液体廃棄物は、蒸気滅菌によって除染するか、または少なくとも1時間10%ブリーチで処置するかのいずれかにする。
第1段階:ベロ細胞の解凍および拡大
WHOベロMCB細胞を解凍し、および1つまたは複数のT175フラスコに移す。これらのMCB細胞を段階的に拡大し、およそ7〜10日の間に、多数のT500フラスコの中に入れる。拡大培地は、L-グルタミンを含み、抗生物質を含まないVP-SFMである。各T500フラスコのコンフルエントなベロ細胞を、10層セルファクトリーCF10に拡大する。これによって、コンフルエントなベロ細胞のフラスコ当たり1つのCF10が結果的に播種されることになる。また、T500フラスコのうちの1つのわずかな部分を用いて、生産終了細胞対照のためにT175フラスコに播種する。細胞が増殖して、典型的には3〜6日かかる、およそ80%コンフルエンシーになるまで、CF10フラスコを37℃インキュベーターの中に置く。
CF10に拡大中のT500フラスコのうちの1つ由来の1:20継代培養を用いて、T175フラスコの中に生産終了細胞対照を準備する。さらに2回の継代培養の間(各々1:20分割で)、生産終了細胞T175培養を維持する。2回目の継代培養後、完全なコンフルエンシーに達すると同時に、この培養を顕微鏡下で注意深く調べ、任意の汚染物またはCPEの存在を探し;その後、培養を採取する。およそ3mLの細胞培養上清をT175フラスコの中に残し、ラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに大部分の細胞培養上清を移す。細胞を残りの3mLの細胞培養上清中にこすり落とし、および個別にラベルし、滅菌した、50mLポリプロピレンチーブに移す。生産終了試料を滅菌バッグの中に置き、および通路855Eのパススルーに運搬する。バッグの外側をアルコールワイプで拭き、およびパッケージをパススルーの中に置く。VVPLスタッフメンバーが入口エアロックの中のパススルーから試料のパッケージを取り除き、それを?80℃冷凍庫に運搬し、および試料を冷凍庫在庫に記入する。
第2段階:10層培養槽におけるベロ細胞の感染
試薬ロット番号を含む、第2段階における工程についての感染情報を全て、バルク製品ワークシートに記録する。適切なMVシードストックを解凍し、ならびにその力価および量をワークシートに記録する。各CF-10におよそ1×108 TCID50単位のMVシードストックを感染させる。1〜2×109細胞/CF10という推定細胞数に基づくと、MOIは細胞当たり約0.05〜0.1 TCID50単位である。
CF10フラスコの中で感染させる場合、MVシードストックの懸濁を以下のように調製する:グルタミンを含む250mL VP-SFMを無菌的にピペットで取りまたは滅菌した、使い捨ての2L Erlenmeyerフラスコに注ぎ;1×108 TCID50単位を含む適切な容量のMVシードストックをボトルに添加し、および回転させることによって混合し;その後、オートクレーブした2Lフィードキャップでボトルに蓋をする。あるいは、バイオプロセスバッグの中に感染細胞培養上清を収集するために、2L Erlenmeyerフラスコを1Lの滅菌した、使い捨てボトルと取り替えてもよく、および2Lフィードキャップを1Lフィードキャップと取り替えてもよい。
セルスタックの中で感染させる場合、各セルスタックについてのMV MVB懸濁を以下のように調製する:グルタミンを含む250mL VP-SFMを滅菌した、使い捨ての250mLボトルまたはその他の同等の容器に無菌的に注ぎ;1×108 TCID50単位を含む適切な容量のMV MVBをボトルに添加し、および回転させることによって混合する。
感染前に、培養培地をCF10またはセルスタックから無菌的に取り除き;その後、ウイルスの懸濁を添加する。10層フラスコを37℃ CO2インキュベーターの中に2時間置き、少なくとも1度は培地を均等に行き渡らせるために手で揺り動かして、細胞層が乾燥するのを防ぐ。その後グルタミンを含みかつ抗生物質を含まない1リットルのVP-SFMを各CF10またはセルスタックに添加する。感染した10層培養槽を32℃ CO2インキュベーターの中に72(±6)時間置く。感染の日付を0日目と指定する。
第3段階:MV MVBバルク製品の採取
その特定の種類の麻疹ウイルスを用いた前臨床プロセス開発中の実験的観察から、採取日に選ばれる感染後の日にちを決定する。MV MVBバルク製品をさらなる処理の前に10層フラスコから回収されたMV含有細胞培養上清と定義し;この未処理のMV含有細胞培養上清はまた、感染中に剥がれた任意のベロ細胞を含む。
典型的には連続2〜4日間、毎日、MV含有細胞培養上清を各10層フラスコから採取してもよい。1回目の採取は典型的には、感染後およそ72時間で(例えば、0日目における感染の後3日目に)10層フラスコから回収する。採取の最終日を除き、各10層槽から取り除いたMV含有細胞培養上清を、槽当たりL-グルタミンを含む1Lの新鮮なVP-SFMと取り替える。各採取日に、処理された全ての培養槽からの採取物を無菌的にプールする(例えば、3日目の採取プール、4日目の採取プールなど)。MV含有細胞培養上清の試料を、採取物の任意のさらなる処理の前に各々の1日毎の採取物から取得し;試料を2〜8℃で保存する。通例約50mLである、必要とされる試料の容量は、所与の生産運転についてGMP生産計画によって決定される。各々の1日毎の採取物をサンプリングするための方法は、採取プールの回収に用いられる容器の種類によって様々に異なる。典型的には、1日毎の採取プールを、ルアーロック接続部を備え付けた滅菌バイオプロセス容器の中に収集する。試料は、ルアーロック末端付きの滅菌注射器を用いて簡単に取得し、および2〜8℃での保存用の滅菌容器に移すことができる。あるいは、滅菌した使い捨ての血清ピペットを用いて、フラスコまたはボトルの中に収集した採取プールをサンプリングすることができる。採取手順の詳細は、CF10フラスコの使用かセルスタックの使用かだけによるのではなく、用いられるCF10フラスコまたはセルスタックの数によっても様々に異なると考えられる。指針として、実施例を以下に提供する(実施例E参照)。
どちらの採取物をさらに処理するかということを決定するための基準は、CPE(例えば、合胞体などの細胞変性効果)を示す細胞のパーセンテージ、感染細胞単層のコンフルエンスおよび外観、ならびに培養表面から剥がれた細胞のパーセンテージの実験的観察に基づく。典型的には、4および/または5日目からの採取物をさらに処理してMV MVBを作製する。
最後の採取の後、最終的なMV MVBを製造するために処理されるべき1日毎の採取からのプール試料を組み合わせて、試料がMV MVBバルク製品を代表するようにする。さらなる処理のために選ばれた1日毎の採取プールからの試料を好適なサイズの滅菌容器、例えば1000mL使い捨てボトルの中で組み合わせ、および穏やかに回転させることによって混合する。バルク製品についての必要とされる検査をGMP生産計画にリストアップし;検査用のアリコートをバルク製品試料から取り除く。アリコートを生産バッチ番号、「バルク製品」、日付、および技術者のイニシャルでラベルする。検査用に用いられるべきMV MVBバルク製品のアリコートを含む、ラベルしたチューブをアルコールワイプで拭き、その後滅菌バッグの中に密封する。密封されたパッケージを廊下に運搬し、そこでバッグの外側をアルコールワイプで拭き、およびパッケージを入口エアロックに接続されたパススルーの中に置く。VVPLスタッフメンバーがMV MVBバルク製品の検査アリコートを含む密封されたパッケージを入口エアロックの中のパススルーから取り除き、パッケージを超低温冷凍庫に運搬し、およびバルク製品アリコートを-80℃冷凍庫在庫に記入する。MV MVBバルク製品のさらなる処理を下の第4段階から始めて記載する。
実施例E:複数のセルスタックからの1日毎の採取のための手順
i.生物学的安全キャビネットの中で作業をしながら、プラスチックトートの中に置かれた空の、滅菌した、適切なサイズのBPCのオス型ルアーポートに採取ラインのメス型ロックルアーを接続する(すなわち、ラインは一方の末端にオス型ロックルアーおよび他方の末端にメス型ロックルアーを有する)。無菌的技術を用いてBPCからのメス型プラグを残しておき、またはオートクレーブしたルアー/プラグアセンブリからのメス型キャップの1つを用いることを計画する。
ii.2つのセルスタックを生物学的安全キャビネットに移す。(既にBPCに接続された)採取ラインのオス型ルアーを処理されるべき第1のセルスタック充填キャップの上に備え付けたメス型ルアーに取り付ける。無菌的技術を用いて、充填キャップからのオス型プラグを残しておき、またはオートクレーブしたルアー/プラグアセンブリからのオス型キャップの1つを用いることを計画する。
iii.600mL/分を超えない速度で実験室規模の蠕動ポンプを用いて、セルスタックの中身をポンプでBPCの中に入れる。
iv.セルスタックが空の場合、採取ライン上のオス型ロックルアーを処理されるべき次のセルスタック上のメス型ルアーに移す。第2のセルスタックからのオス型プラグを用いて第1のセルスタック上の充填キャップに栓をすることができる。1度に1つのセルスタックのみにポンプで注入するが、第2のセルスタックを生物学的安全キャビネットの中に用意しておくことによって、この手順をスピードアップし、および無菌的接続を行なうのを容易にすると考えられる。検定者は、インキュベーターから生物学的安全キャビネットまでセルスタックを移すことができる。
v.第2のセルスタックの中身をポンプで吸い出しながら、L-グルタミンを含む1LのVP-SFMを、以下のように第1の(すなわち、空になった)セルスタックに添加する:セルスタックの第2のポートから標準的な33mmベントキャップをねじって外し;L-グルタミンを含むVP-SFMの1Lボトルの中身をセルスタックの中に注ぎ;ベントキャップを取り替える。
vi.全てのセルスタックを採取しかつ全てのセルスタックに再び栄養補給するまで、この手順(第i段階から第v段階)を繰り返す。
vii.最後のセルスタックを採取した後、採取ラインをBPCから無菌的に取り除き、およびメス型プラグを用いてバッグ上のオス型ルアーを閉めることができる。
viii.60mLルアーロック注射器を用いて、バッグ上のメス型ルアーを通してBPCから試料(生産計画から決定された容量、通例50mL)を取得する。サンプリング後、バッグに再びキャップをする。試料を50mLチューブに移し;チューブをバッチ番号、採取の日付(例えば、3日目)、日付、技術者のイニシャル、および「未処理のバルク」でラベルし、ならびに2〜8℃で保存する。
ix.BPCの中身を下の第4段階で記載されたように処理する。
第4段階:MV MVBバルク製品の浄化
一般的概観:さらなる処理を意図される各々の1日毎の採取プールを採取の日に濾過する。採取後、MV MVBバルク製品を含む、MV含有細胞培養上清を3μmフィルターに通して前濾過し、ベロ細胞を取り除く。濾過した上清を2〜8℃で保存しまたはすぐにその他の濾過した採取プールと共にプールし、MV MVB最終製品を作り出す。MV-CEAおよびMV-NISについては、ウイルス力価の測定可能な損失を伴わずに、少なくとも7〜10日間、濾過した採取プールを2〜8℃で保存し得るということがデータによって示されている。典型的には、3日目の採取はさらに処理しない。
濾過によるMV MVBバルク製品の浄化:さらなる処理のために選ばれた1日毎の採取プールを、3μm Versaporカプセルフィルターを含むガンマ線照射フィルターアセンブリに通して濾過する。濾過されるべき採取プールの各々について:(a)フィルターアセンブリのどちらかの末端の上のオス型ロックルアーを1日毎の採取プールBPCのメス型ルアーと同じサイズの空の、滅菌したBPCのメス型ルアーの間で接続し;(b)フィルターカプセル上のベントポートの完全な閉止を確認し;(c)好ましくは600mL/分を超えない速度で実験室規模の蠕動ポンプを用いて、MV採取プールを3μmフィルターに通して空のBPCの中にポンプで入れ;(d)1つの3μmフィルターに通して濾過することができる全容量は、細胞培養上清中の細胞全体および細胞残屑の量に依存し(控え目に見て、1つのフィルターは、少なくとも10LのMV MVBバルク製品を濾過する能力を有するはずである);(e)濾過されたMV MVBバルク製品を含むBPCを生産バッチ番号、「処理されたMV MVBバルク」、採取の日付(例えば、4日目)、日付、および技術者のイニシャルでラベルし;ならびに(f)処理されたMV MVBバルクを含むBPCを、下の第5段階で記載されたようにすぐにその他の処理された採取物と共にプールし、またはコールドルームに移しかつプーリングおよびバイアル化の前に10日まで2〜8℃で保存してもよい。それらが完全に文書化され、かつ無菌的条件が維持されるならば、フィルターアセンブリ、フィードキャップ、およびフィルターアダプターを用いて1000mLボトルまたは2LフラスコからのMV MVBバルク製品を濾過して、空の、滅菌したBPCまたはフラスコの中に入れるための代わりの手順も許容される。
第5段階:麻疹ウイルスMVB最終製品を作製するための処理されたMV MVBバルク製品のプーリング
最終充填の日に、処理されたMV MVBバルクの容器をコールドルームから取り除き、および処理室の中の生物学的安全キャビネットに移す。処理されたMV MVBバルクの容器を1つのBPCまたはフラスコの中で無菌的に組み合わせて1つのプールを作り出し;これがMV MVB最終製品である。
処理されたMV MVBバルクのプーリング中に用いられる無菌的接続は、用いられる容器の種類による。例えば、2L BPCの中に含まれる4日目または5日目の処理されたMV MVBバルクの2×2Lプールを、バッグ間の直接的接続を用いてまたはフィード採取ラインを介して、空の、滅菌した5L BPCの中にポンプで入れてもよい。BPCまたはフラスコを穏やかに揺り動かしまたは回転させることによって、MV MVB最終製品の均一な混合を達成する。
最終的なバイアル化を容易にするために、フィード採取ラインおよび適切なサイズのフィードキャップを用いて、空の、滅菌した1000mLボトルまたは2L Erlenmeyerフラスコの中にMV MVB最終製品をポンプで入れる。MV MVB最終製品を含むボトルまたはフラスコを生産バッチ番号、「MV MVB最終製品」、日付、および技術者のイニシャルでラベルする。MV MVB最終製品を含むボトルまたはフラスコを滅菌アルコールワイプできれいに拭き、各々を滅菌バッグの中に置き、および充填室パススルーに移す。
第6段階:麻疹ウイルスMVB最終製品の最終充填
MV MVB最終製品を廊下から充填室パススルーに移し、および充填室側のパススルーから収集する。MV MVBバルク製品を含むパッケージをアルコールワイプで拭き、バッグを取り除き、および容器を生物学的安全キャビネットに移す。
最終製品用に用いられるバイアルまたはチューブのサイズおよび種類は、所定の、所望の製品パッケージに依存する。計画された数およびサイズの滅菌バイアルまたはチューブをMVの名前、MVBロット番号、MVBを生産したシードストックの名前および継代数、製造の日付、容量、ならびに「<-70℃で保存」でラベルする。
凍結および保存中、印刷したラベルを固定するために、保護テープをバイアルに貼り付ける。適切なピペッティング機器を用いて、ラベルし、滅菌したバイアルまたはチューブの中に計画された容量のMV MVBを分注する。スクリューキャップを堅く締めることによって、今やMV MVB最終製品を含む、バイアルまたはチューブを密封する。密封およびラベルしたバイアルを極低温バイアルまたはチューブボックスの中に置き、検疫ステッカーでラベルした滅菌バッグの中に置き、および前室に運搬する。バイアルまたはチューブを含む極低温ボックスを-80℃での検疫済み保存用に前室の中の超低温冷凍庫に移す。必要とされる数のバイアルおよび/またはチューブを取り除き、ならびにMV MVB最終バイアル化製品の検査用に発送する。
実施例7:MV-NIS MVBのための生産プロセスの概要
細胞拡大:1または2バイアルのBioReliance/WHOベロMCBを解凍し、および細胞単層がおよそ90%コンフルエントになるまで、37℃、5% CO2でVP-SFM血清非含有培地中で2つの、10層Corningセルスタック(CS10)に拡大する。
感染(0日目):10層セルスタック中の約90%コンフルエントなベロ細胞単層を0.01 TCID50/細胞の感染の多重度で2時間、37℃、5% CO2でMV-NIS p3シードストックに感染させる。新鮮な増殖培地(CS10当たり1リットル)を添加し、および培養を37℃、5% CO2でインキュベートする。MV感染のCPEを毎日モニターする。
MV-NIS MVBバルクの採取:感染後3、4、および5日目の各CSから感染細胞上清を収集して1日毎の採取プールを作り出す。各々の1日毎の採取プールの試料をさらなる処理の前に取得する。3および4日目に上清を収集した後、新鮮な増殖培地(CS当たり1リットル)を添加し、および培養のインキュベーションを37℃、5% CO2で続ける。MV含有細胞培養上清はMV-NISバルク製品である。
MV-NIS MVBバルクの処理(「精製」):採取の日に、MV-NIS MVBバルクの各々の1日毎のプール(各々約2リットル)を3μm Versaporプレフィルターに通して濾過して任意のインタクトなベロ細胞を取り除き、かつ2〜8℃で保存する。最後の採取の後、1日毎の採取からの採取プール試料を処理およびプールして最終的なMVBを作り出し、その後組み合わせてがMV-NISバルク製品を代表するようにする。MV-NIS MVBバルク試料をバルク製品発売検査用に用いる。
MV-NIS MVB最終製品を作製するための処理したバルクのプーリング:細胞培養が過度のCPEを示しかつベロ細胞の大部分が依然としてCSに付着している2日からの処理されたバルクをプールする。以前のMV-NISウイルス生産経験に基づき、4および5日目からの処理されたバルクを用いて、MV-NIS MVB最終製品の約4Lプールを作り出す。
MV-NIS MVB最終製品の充填:その後、承認されたバイアル、30mLの120バイアルおよび10mLの40バイアル、の中にMV-NIS MVB最終製品を無菌的に分注し、ならびに<-65℃で保存する。MV-NIS MVBバイアル化製品のアリコートを発売検査用に用いる。
非-GMP実施例データ:
合計1880mLのMV-NIS p4 2004 01A MVBをバイアル化した。試料は<-60℃で保存した。
(表6)バイアルの数およびバイアルの中身の容量
Figure 2009501520
力価:4.53×106 TCID50単位/mL
その他の態様
本発明はその詳細な説明と共に記載されているが、前述の説明は例証することが意図され、かつ付随する特許請求の範囲の範囲によって規定される、本発明の範囲を制限しないことが意図されるということが理解されるべきである。その他の局面、利点、および修正は以下の特許請求の範囲の範囲内である。
パラミクソウイルス科ウイルス調製物を生産するために用いることができる工程を要約したフローチャートである。 マスターウイルスバンクとして維持することができるパラミクソウイルス科ウイルス調製物を生産するために用いることができる工程を要約したフローチャートである。 組換え麻疹ウイルスレスキュー系の要点を説明した図である。

Claims (38)

  1. 300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有し、ならびにウシ血清アルブミンを含まない、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物。
  2. 滅菌されている、請求項1記載の組成物。
  3. 容量が500mLを上回る、請求項1記載の組成物。
  4. パラミクソウイルス科ウイルスがモービリウイルスウイルスである、請求項1記載の組成物。
  5. パラミクソウイルス科ウイルスが、麻疹およびおたふく風邪ウイルスからなる群より選択されるウイルスの部類由来である、請求項1記載の組成物。
  6. パラミクソウイルス科ウイルスが、ウイルスにとって異種である、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、請求項1記載の組成物。
  7. ポリペプチドがヒト腫瘍胎児性抗原に存在するアミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が少なくとも長さ10アミノ酸残基である、請求項6記載の組成物。
  8. ポリペプチドがヒトヨウ化ナトリウム輸送体に存在するアミノ酸配列を含み、アミノ酸配列が少なくとも長さ10アミノ酸残基である、請求項6記載の組成物。
  9. 組成物の容量が20mLから100Lである、請求項1記載の組成物。
  10. 組成物の容量が10Lから100Lである、請求項1記載の組成物。
  11. 組成物の容量が50Lから100Lである、請求項1記載の組成物。
  12. パラミクソウイルス科ウイルス力価がmL当たり106 TCID50からmL当たり1015 TCID50である、請求項1記載の組成物。
  13. パラミクソウイルス科ウイルス力価がmL当たり109 TCID50からmL当たり1015 TCID50である、請求項1記載の組成物。
  14. パラミクソウイルス科ウイルス力価がmL当たり1012 TCID50からmL当たり1015 TCID50である、請求項1記載の組成物。
  15. mL当たり1mg未満の全タンパク質を含む、請求項1記載の組成物。
  16. mL当たり750μg未満の全タンパク質を含む、請求項1記載の組成物。
  17. mL当たり1μg未満のDNAを含む、請求項1記載の組成物。
  18. mL当たり100ng未満のDNAを含む、請求項1記載の組成物。
  19. 組成物の非ウイルスDNAの最大長が500bp未満である、請求項1記載の組成物。
  20. 組成物の非ウイルスDNAの最大長が200bp未満である、請求項1記載の組成物。
  21. 組成物がウシ血清アルブミンを含まず、およびウイルスが、ウイルスにとって異種である、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物。
  22. 300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)血清非含有培地でパラミクソウイルス科ウイルスの試料を得る工程、および
    (b)試料からパラミクソウイルス科ウイルスを得て組成物を形成する工程。
  23. 血清非含有培地が20mLから200Lの容量を有する、請求項22の方法。
  24. 血清非含有培地が30Lから200Lの容量を有する、請求項22の方法。
  25. 血清非含有培地が60Lから200Lの容量を有する、請求項22の方法。
  26. 組成物がmL当たり106 TCID50からmL当たり1015 TCID50のパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、請求項22記載の方法。
  27. 組成物がmL当たり109 TCID50からmL当たり1015 TCID50のパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、請求項22記載の方法。
  28. 工程(a)におけるウイルスを、ベロ細胞、ベロ-αHis細胞、ヒーラ細胞、ヒーラ-S3細胞、293細胞、PC12細胞、CHO細胞、3T3細胞、またはその組み合わせからなる群より選択される細胞の中で複製した、請求項22記載の方法。
  29. 工程(a)におけるウイルスをベロ細胞の中で複製した、請求項22記載の方法。
  30. ベロ細胞を多層化ディッシュの中で培養する、請求項29記載の方法。
  31. ベロ細胞をマイクロキャリアの中で培養する、請求項29記載の方法。
  32. ベロ細胞を約30℃から約33℃の温度で培養する、請求項26記載の方法。
  33. 工程(a)の後、試料を酵素と接触させる工程を含む、請求項22記載の方法。
  34. 酵素がエンドヌクレアーゼである、請求項33記載の方法。
  35. 工程(b)が、試料中のパラミクソウイルス科でない構成要素からパラミクソウイルス科ウイルスを取り除くための濾過工程を行なう工程を含む、請求項22記載の方法。
  36. 工程(b)が接線流濾過工程を含む、請求項22記載の方法。
  37. 工程(b)が透析濾過工程を含む、請求項22記載の方法。
  38. 300mLを上回る容量およびmL当たり106 TCID50を上回るパラミクソウイルス科ウイルス力価を有する、パラミクソウイルス科ウイルスを含む組成物を作製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)細胞当たり1未満の感染の多重度でパラミクソウイルス科ウイルスに曝露された細胞を含む試料を得る工程;および
    (b)試料からパラミクソウイルス科ウイルスを得て組成物を形成する工程。
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