JP2009295456A - Induction cooker - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、調理器の鍋温度検出手段としてサーモパイルを備えた誘導加熱調理器に関する。 The present invention relates to an induction heating cooker provided with a thermopile as a pan temperature detecting means of a cooker.
誘導加熱調理器の鍋温度検出方法として、鍋を載置するトッププレート裏に接触させたサーミスタ等の感温素子で鍋底の温度を間接的に検出するものがある(特許文献1)。 As a method for detecting the pan temperature of the induction heating cooker, there is a method in which the temperature at the bottom of the pan is indirectly detected by a temperature sensitive element such as a thermistor brought into contact with the back of the top plate on which the pan is placed (Patent Document 1).
また、他の鍋温度検出方法として、鍋底から放射される赤外線をトッププレート越しに赤外線センサで観測し温度を検出するものもある(特許文献2)。さらに赤外線センサを用いた鍋温度検出法では、異なる調理鍋の底面温度が同じでも、鍋の放射率が異なるとセンサの検出温度が異なるという問題が生じ、これを解決する技術もある(特許文献3)。 As another method for detecting the pan temperature, there is a method for detecting the temperature by observing infrared rays emitted from the bottom of the pan with an infrared sensor through the top plate (Patent Document 2). Furthermore, in the pot temperature detection method using an infrared sensor, even if the bottom surface temperature of different cooking pans is the same, there is a problem that the detection temperature of the sensor is different if the emissivity of the pan is different (Patent Document) 3).
特許文献1の鍋温度検出方法は、ガラスなどでできたトッププレートを介して鍋の温度を間接的に検出するため、検出温度と実際の鍋温度の差が大きいという問題があった。また、鍋底の温度とトッププレートの温度が一致すれば鍋底温度を正確に検出することができるが、鍋底の温度と検出温度が一致するまでのタイムラグが大きいため鍋底温度を正確に検出できないという追従性の問題もあった。また鍋底の中央が反っており鍋底とトッププレートの間に空気層がある場合には鍋底の温度がトッププレートに十分に伝わらず鍋底温度を正確に検出できないという問題もあった。このように、特許文献1の鍋温度検出方法を用いた場合には、鍋底温度を正確に検出できないため、適切かつ応答性の良い加熱制御が困難であった。
The pan temperature detection method of
特許文献2の鍋温度検出方法は、トッププレート上の鍋底が放射する赤外線をトッププレート下の赤外線センサで受光し、受光した赤外線エネルギーに基づいて温度を検出する。ここで、ある温度の鍋底が放射する赤外線エネルギーは、鍋底の赤外線放射率に依存する。
In the pan temperature detection method of
加熱調理時の鍋底の温度範囲(約100℃〜250℃)における放射エネルギー量(W/cm2)はプランクの分布則より、約1μm〜40μmの波長帯域にあり、そのピークは5μm〜8μmにある。一方トッププレートに用いられる結晶化ガラスは、0.2μm〜2.9μmの波長の光を80%以上透過し、3〜4.5μmの波長の光を30%程度透過し、4.5μmよりも長い波長、及び、0.2μmよりも短い波長の光をほとんど透過しない。このため赤外線センサで受光する赤外線エネルギーは制限されて微弱となり、赤外線センサで電気信号に変換しても大きな増幅度の回路が必要でこの安定度、S/Nの改善が課題である。また赤外線センサに用いる光学フィルタとしては、トッププレートの温度の影響を受けずに鍋の温度を検出するためには狭波長帯の高価ものを必要とした。 The amount of radiant energy (W / cm 2 ) in the temperature range (about 100 ° C. to 250 ° C.) at the time of cooking is in the wavelength band of about 1 μm to 40 μm according to Planck's distribution law, and its peak is 5 μm to 8 μm. is there. On the other hand, the crystallized glass used for the top plate transmits 80% or more of light having a wavelength of 0.2 μm to 2.9 μm, transmits about 30% of light having a wavelength of 3 to 4.5 μm, and is less than 4.5 μm. Light with a long wavelength and a wavelength shorter than 0.2 μm is hardly transmitted. For this reason, the infrared energy received by the infrared sensor is limited and weak, and even when converted to an electrical signal by the infrared sensor, a circuit with a large amplification degree is required, and improvement of the stability and S / N is a problem. Moreover, as an optical filter used for the infrared sensor, an expensive filter in a narrow wavelength band is required to detect the temperature of the pan without being affected by the temperature of the top plate.
特許文献3の技術は、赤外線発光および受光素子を用いて鍋底の反射率すなわちこれから導く放射率を計測し、これにより鍋底の相違により赤外線による温度検出が異なるのを補正するものである。鍋底の赤外線放射率は、鍋底の材質,色,加工状態(鍋底の塗装や鍋底の刻印,ヘアライン加工,リング加工,打ち込み加工等)に大きく依存する。また同じ鍋であっても鍋底に付着した調理油等の汚れによって放射率が異なってくる。すなわち、同じ温度,同じ材質の鍋底であっても、色,加工あるいは汚れ状態が異なると放射する赤外線エネルギーが異なるため赤外線センサで受光する赤外線エネルギーも異なり、異なる温度が検出されるという問題を解決するものである。しかし、従来技術では反射率を測定する手段を誘導加熱調理器へ組み込む具体的方法および組み込みに伴う誘導磁界の妨害への対応が開示されてない。また調理動作における鍋底の反射率測定タイミングや赤外線センサによる温度検出への補正適用方法の具体的開示もない。
The technique of
本発明は、検出する温度と実際の鍋温度の差を小さくすること、鍋底の温度と検出温度の追従性をよくすること、鍋底の一部に変形があっても正確に鍋温度を検出すること、鍋底の材質,色,加工状態に拘らず正確に鍋温度を検出することを実現する誘導加熱調理器を提供することを目的とする。 The present invention reduces the difference between the detected temperature and the actual pan temperature, improves the followability of the pan bottom temperature and the detected temperature, and accurately detects the pan temperature even if there is a deformation in a part of the pan bottom. It is an object of the present invention to provide an induction heating cooker that can accurately detect the pot temperature regardless of the material, color, and processing state of the pot bottom.
上記課題は、調理容器を上面に置く結晶化ガラスのトッププレートと、該トッププレートの下に設けた誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルへの高周波供給電力を制御する電力制御回路と、誘導加熱コイル中央部下のコイル冷却風路に設けた結晶化ガラスを窓材とした樹脂ケースに防風された光学フィルタを有するサーモパイル赤外線センサと、前記樹脂ケースを磁性体で磁気遮蔽した鍋温度検出手段と、赤外線発光および受光素子をこの鍋温度検出手段の近傍に配置し、赤外線発光素子が鍋底面に一定量の赤外線を投光し、この反射光を赤外線受光素子で受光し、この反射光の量から鍋温度検出手段の出力を補正する鍋温度補正手段を持つ誘導加熱調理器によって解決できる。 The above-described problems include a crystallized glass top plate having a cooking vessel on the top surface, an induction heating coil provided under the top plate, a power control circuit for controlling high-frequency power supplied to the induction heating coil, and induction heating. A thermopile infrared sensor having an optical filter windproofed on a resin case with crystallized glass provided in a coil cooling air passage below the center of the coil, and a pan temperature detecting means magnetically shielding the resin case with a magnetic material; An infrared light emitting and receiving element is arranged in the vicinity of the pan temperature detecting means, the infrared light emitting element projects a certain amount of infrared light on the bottom of the pan, and the reflected light is received by the infrared light receiving element. This can be solved by an induction heating cooker having a pot temperature correcting means for correcting the output of the pot temperature detecting means.
本発明によれば、安価な赤外線センサを用いて検出する温度と実際の鍋温度の差を小さくすることができる。また鍋底の温度と検出温度の追従性を良くすることもできる。 According to the present invention, the difference between the temperature detected using an inexpensive infrared sensor and the actual pan temperature can be reduced. Moreover, the followability of the temperature of the pan bottom and the detected temperature can be improved.
さらに鍋底の状態によらず正確に鍋温度を検出すること、すなわち鍋底の材質,色,加工状態あるいは汚れの状態に拘らず正確に鍋温度を検出することができ、正確に検出した温度を用いて加熱の制御を行うことができるので、上手に調理をすることが可能となる。 Furthermore, it can accurately detect the pan temperature regardless of the state of the pan bottom, that is, the pan temperature can be accurately detected regardless of the material, color, processing state or dirt state of the pan bottom. Therefore, it is possible to cook well, because the heating can be controlled.
本発明の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。 A specific embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
図1は本発明の誘導加熱調理器の斜視図であり、図2は図1中に一点鎖線AA′で示される部分に調理鍋6を載せたときの縦断面図である。以下では、誘導加熱が可能な鍋置き場所が2口、ラジエントヒータやハロゲンヒータ等のヒーター(加熱源)の放射熱で加熱可能な鍋置き場所が1口ある3口の誘導加熱調理器を例に挙げ説明を行うが、本発明の適用対象はこれに限られず例えば誘導加熱が可能な鍋置き場所を3口設けた誘導加熱調理器であっても良い。なお、調理鍋6は、誘導加熱に適した鉄鍋(磁性体)とするが、非磁性体のアルミ鍋,銅鍋であっても良い。
FIG. 1 is a perspective view of an induction heating cooker according to the present invention, and FIG. 2 is a longitudinal sectional view when a
図1および図2に示すように、本体1の上面には、非磁性体(結晶化ガラス等)によって形成されたトッププレート2が装着されている。またトッププレート2の手前には、各口の加熱開始あるいは加熱コースを指示するスイッチ、各口の加熱状態(温度等)を表示する表示器が配置される操作表示部3が装着されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, a
トッププレート2の上面には、その下に配置される誘導加熱コイル7あるいはラジエントヒータの最外半径におよそ一致する半径の円4が加熱可能な鍋置き場所を示すために印刷されている。またトッププレート2は普通可視光に対して透明であるため、上面にはフリットガラスに耐熱塗料を混入した耐熱耐久性の意匠印刷、下面には耐熱面塗装を施し、機器内部が見えないようにしてある。誘導加熱が可能な鍋置き場所2口の円4のほぼ中央には後述する鍋温度検出のため前述塗装がなされていない赤外線透過窓5が設けられている。この赤外線透過窓5は赤外光を透過させるためであり、この部分だけ赤外光に対しては透明な可視光カット部材(耐熱フィルムまたはガラス)を下面に装着しても良い。
On the upper surface of the
トッププレート2の上面の各口(円4)に、調理鍋6を置き加熱調理を行う。図2に示すように、誘導加熱コイル7にインバータ回路8からの高周波電流を供給すると、誘導加熱コイル7が高周波磁界9(図中破線で示す)を発生し、この高周波磁界が鍋6と鎖交して、渦電流を発生し、そのジュール損により調理鍋6自身が誘導加熱され発熱する。従って、調理鍋6内の調理物は、調理鍋6自身の発熱によって加熱調理される。このとき、調理鍋6の下にあるトッププレート2も、発熱した調理鍋6から伝わる熱により高温になる。
A
図3に誘導加熱コイル周辺の断面を詳しく示す。図3に示すようにトッププレート2下面には誘導加熱コイル7が耐熱プラスチックで構成されるコイルベース10内に渦巻き状に巻かれて配置される。誘導加熱コイル7の下側にはコイルベース部材内部に棒状のフェライト11が放射状に配置されている。このフェライト11は誘導加熱コイル7が発生する磁束をトッププレート2上の調理容器である調理鍋6に効率良く導くために配置される。コイルベース10は本体1に固定されるコイルベース受け12からバネ13で押され、トッププレート2の下面に押し付けられる。
FIG. 3 shows a detailed cross section around the induction heating coil. As shown in FIG. 3, an
このコイルベース中心部は円筒状の空洞14になっており、この空洞部の下部に円筒状の空洞14から誘導加熱コイル7に冷却風を導くコイル冷却風路15が本体1に固定されて配置される。コイル冷却風路15上面には、先の円筒状の空洞14下面円周に沿うコイル冷却風送出孔16が開けられている。コイル冷却風送出孔16の周囲にはグラスウール等のシール材17が設けられ先の円筒状の空洞14に接続される。この冷却風路15中のコイル冷却風送出孔16には鍋温度検出装置18が配置される。鍋温度検出装置18は誘導加熱された調理鍋6の底面温度をトッププレート2の赤外線透過窓5を透過する赤外線から検出する。
The central portion of the coil base is a
鍋温度検出装置18の横には反射型フォトインタラプタ19が配置される。反射型フォトインタラプタ19はトッププレート2の赤外線透過窓5を通して鍋底面の反射率を検出して鍋温度検出装置18の検出する温度を補正するものである。鍋温度検出装置18および反射型フォトインタラプタ19の詳細動作は後述する。
A reflection
更に空洞14のほぼ上面中央にはトッププレート2の下面に接するセラミックケース20内にサーミスタ21が配置される。
Further, a
冷却風路15には本体1に内蔵されるファン(図示せず)から外気が導入され、冷却風は鍋温度検出装置18を冷却するとともにコイル冷却風送出孔16から円筒状の空洞14を上昇しトッププレート2に遮られ空洞14上部から誘導加熱コイル7の方向に流れ誘導加熱コイル7を冷却する。
Outside air is introduced into the cooling
図4にトッププレート2を除いた図3の上面図を示す。誘導加熱コイル7および空洞14とこの直下に設置される鍋温度検出装置18,反射型フォトインタラプタ19およびサーミスタ21の水平面での位置関係を示す。図中に太い一点鎖線で赤外線透過窓5の位置を示している。
FIG. 4 shows a top view of FIG. 3 excluding the
図5に鍋温度検出装置18の詳細斜視図を示す。鍋温度検出装置18は、赤外線検出センサであるサーモパイル25を中心に構成される。サーモパイル25はサーモパイルの出力信号を増幅する電子回路基板26に実装され、このサーモパイル25にはプラスチック部材で構成されるリフレクタ27が装着されている。このサーモパイル25と電子回路基板26は、全体をプラスチック部材の赤外線センサケース28内に密封される。この赤外線センサケース28には赤外線を透過させるためにケース窓29が開けられ、このケース窓29にはトッププレート2を構成する結晶化ガラスと同じ光学特性の薄い正方形の結晶化ガラス光学フィルタ30が嵌め込んである。そして更にこの赤外線センサケース28は、周りを磁性体である鉄板ケース31で覆っている。なお、鉄板ケース31のケース窓29に対応する部分は開口されている。そしてこの鉄板ケース31には接地線32が接続され、3端子商用電源線の接地線が接続される本体1の金属部に接地される。
FIG. 5 shows a detailed perspective view of the pan
図6に図5中のB−B′線に沿った断面図を示す。リフレクタ27の内面33にはアルミ蒸着膜で鏡面を形成し、図中の一点鎖線に示すごとくケース窓29,結晶化ガラス光学フィルタ30を透過した赤外線をサーモパイル25の後述する光学フィルタを通して赤外線吸収膜に集光する。
FIG. 6 is a cross-sectional view taken along line BB ′ in FIG. A mirror surface is formed on the
図7にサーモパイル25の詳細を示す。サーモパイル25は熱電対(サーモカップル)を多数縦列接続した(パイリング)したもので、ニッケルめっき鋼板等の金属キャン35と金属ステム36からなる金属ケース内にこれが内蔵されている。およそ300μm厚のシリコン基材38表面に電気的および熱的に絶縁するためシリコン酸化膜39を形成し、この上にポリシリコン,アルミを順次パターン蒸着し図示しないポリシリコン蒸着膜40,アルミ蒸着膜41で熱電対を多数作成し、これを従属接続する。ポリシリコン,アルミ接合点(測温接点)のあるシリコン基材38中央部には、黒体に近い酸化ルビジウム膜等の赤外線吸収膜43を形成する。ポリシリコンおよびアルミ蒸着膜の一端は冷接点部44であり、これはシリコン基材38の周囲に配置する。シリコン基材38の裏面を周囲(冷接点部)を残して299μmまでエッチングし、測温接点部分のあるシリコン基材の厚みを1μmに形成する。これは熱伝導の良好なシリコンを薄くすることで、測温接点部42と冷接点部44の熱伝導を少なくし測温接点部と冷接点部を熱的に絶縁するためである。
FIG. 7 shows details of the
このシリコン基材38を金属ケース内の金属ステム36にボンド等で固定する。同時に金属ステム36にはセラミック上に膜形成したNTCサーミスタ45を同様に配置する。これは金属ケース内にある熱電対の雰囲気温度を検出し、熱電対の熱起電力を補正するためである。詳細は後述する。金属ステム36には絶縁シールされた4本の金属ピン46が貫通配置されており、この金属ピンに先の熱電対の出力とNTCサーミスタ45がワイヤ接続される。ステム36には、筒状の金属キャン35が不活性ガス中で被せられ溶着される。この金属キャン35の上面には小穴の窓47が開けられ、ここに内側から光学フィルタ48(ある波長域の光線を透過する部材)が装着されている。この小穴の垂直下に先の測温接点部42(赤外線吸収膜43の下にある)が位置するようにシリコン基材38が固定される。
The
サーモパイル25内の熱電対測温接点部42(赤外線吸収膜43の下にある)にはこの小穴の窓47を通過した赤外線で加熱され、この加熱温度上昇は通過した赤外線エネルギーに比例し、熱電対の冷接点部44と測温接点部42の温度差に比例した電圧が熱電対出力の金属ピン46に出力される。
The thermocouple temperature measuring contact portion 42 (below the infrared absorption film 43) in the
図8は図7中C−C′で示す線での断面の平面図である。ポリシリコン蒸着膜40,アルミ蒸着膜41で作成された熱電対が見えるように、赤外線吸収膜43を省略して示してある。
FIG. 8 is a plan view of a cross section taken along the line CC ′ in FIG. The
図9に図3で説明した反射型フォトインタラプタ19の詳細を示す。反射型フォトインタラプタ19は赤外線発光素子としての赤外線LED50と赤外線受光素子としての赤外線フォトトランジスタ51を同一プラスチック部材に並べてモールドしたものである。赤外線LEDの発光面上にはプラスチックでレンズが構成され細いビームで930nm付近の赤外光を上方に照射する。赤外線フォトトランジスタ51の受光面上には可視光阻止のプラスチックでレンズが構成され、先の照射赤外光の物体(鍋底面)での反射赤外光を狭い視野角で受光し、その受光量に比例した電流を出力する。この反射型フォトインタラプタ19は赤外線発光素子と受光素子の対で構成されるものでトッププレート2上に置かれた調理鍋6底面の反射率を計測するものである。
FIG. 9 shows details of the
図10に本実施例の誘導加熱調理器の制御ブロック図を示す。マイクロコンピュータ60が誘導加熱調理器の動作を制御する。ここでは符号Rを付したブロックは図1の手前右にある誘導加熱口に関するブロックを表し、符合Lを付したブロックは図1の手前左にある誘導加熱口に関するブロックを表す。2つのインバータ回路8Rおよび8Lは誘導加熱コイル7R及び7Lに高周波電流を供給する。このインバータ回路8R,8Lの動作周波数及びコイルへの供給電力を調整するのが周波数制御回路61R,61L及び電力制御回路62R,62Lである。動作周波数を変化させるのは、鍋の金属種類によって高周波電流の周波数で誘導加熱効率が変化するためである。一般に鉄では20kHz、これより抵抗率の低い銅、アルミでは70kHz以上の周波数が用いられる。この周波数切り替えは図示しない鍋種類判別手段の判断に基づいてマイクロコンピュータ60が周波数制御回路を制御して行う。
The control block diagram of the induction heating cooking appliance of a present Example is shown in FIG. The
各インバータ回路8R,8Lには整流回路63から直流電圧が供給される。この整流回路63には電源スイッチ64を介して3端子200Vの商用電源65が接続されている。商用電源の接地端子は本体1の金属部に接地線で接続される。ラジエントヒータ66にはラジエントヒータ回路67を介して商用電源65が接続され、ラジエントヒータ回路67がラジエントヒータ66に供給する電力を制御する。
A DC voltage is supplied from the
マイクロコンピュータ60には、表示操作部の操作スイッチ68,表示回路69が接続され使用者の操作指示を受け付け、機器の動作状態表示を行う。またブザー70が接続され使用者の操作ボタン押しあるいはエラー等の警告などを報知する。マイクロコンピュータ60は使用者の指示に従い、周波数制御回路61R,61Lと電力制御回路62R,62L及びラジエントヒータ回路67を制御して、トッププレート2上の調理鍋6を加熱する。
The
サーモパイル25はサーモパイル温度検出回路72に接続され出力が増幅され、マイクロコンピュータ60のAD端子に入力される。フォトインタラプタ19は反射率検出回路73に接続され、マイクロコンピュータ60のポート出力で発光素子の発光を制御され、調理鍋6で反射された赤外光は受光素子で受光され、その出力信号は増幅されマイクロコンピュータ60のAD端子に入力される。サーモパイル温度検出回路72および反射率検出回路73の動作の詳細は後述する。更にサーミスタ21はサーミスタ温度検出回路74に接続され、その出力もマイクロコンピュータ60のAD端子に入力される。
The
マイクロコンピュータ60は反射率検出回路73の出力から調理鍋6の赤外線反射率を知り、サーモパイル温度検出回路72の出力を反射率で補正して調理鍋の温度を検出する。そして、電力制御回路62を介して、調理鍋6の加熱を制御する。
The
以下本実施例の動作を説明する。 The operation of this embodiment will be described below.
トッププレート2上に置かれた調理鍋6は誘導加熱により発熱する。この加熱により鍋6底面からは赤外線が放射される。この全放射エネルギーEは鍋温度Tの4乗に比例したものである(E=σT4;ステファン・ボルツマンの法則)。図11にプランクの分布則から算出される黒体温度の分光放射エネルギーを示す。この分光放射エネルギーを全波長域で積分すれば、全放射エネルギーEが求まり、これは温度(絶対温度)の4乗に比例する。これが前述のステファン・ボルツマンの法則であり、この係数σがステファン・ボルツマン係数である。分光放射エネルギーのピーク波長はウィーンの変移則から、調理温度100〜300℃で5μm〜8μmである。
The
誘導加熱された鍋底は、黒体温度の全放射エネルギーEに鍋底の放射率εを乗じた全放射エネルギーを温度に応じて放出する。すなわち黒体温度の全放射エネルギーEと鍋底温度のそれ(E′=εσT4)との比が放射率εである。 The induction-heated pan bottom emits the total radiant energy obtained by multiplying the total radiant energy E of the black body temperature by the emissivity ε of the pan bottom according to the temperature. That is, the ratio of the total radiant energy E of the black body temperature to that of the pan bottom temperature (E ′ = εσT 4 ) is the emissivity ε.
一方非磁性体である結晶化ガラスの光学特性を図12に示す。図12に示すように、結晶化ガラスは、0.2μm〜2.9μmの波長の光を80%以上透過し、3〜4.5μmの波長の光を30%程度透過し、4.5μmよりも長い波長、及び、0.2μmよりも短い波長の光をほとんど透過しない。この光学特性のため鍋から放射される赤外線放射エネルギーの大部分はトッププレートを通過できない。 On the other hand, the optical characteristics of crystallized glass, which is a non-magnetic material, are shown in FIG. As shown in FIG. 12, the crystallized glass transmits 80% or more of light having a wavelength of 0.2 μm to 2.9 μm, transmits about 30% of light having a wavelength of 3 to 4.5 μm, and from 4.5 μm. However, light having a longer wavelength and shorter than 0.2 μm is hardly transmitted. Because of this optical property, most of the infrared radiation energy emitted from the pan cannot pass through the top plate.
赤外線センサとしては、赤外線フォトダイオード,赤外線フォトトランジスタのような量子型とサーモパイル,焦電素子のような熱型とがある。量子型センサは量子効果で赤外線を検出するため狭い波長帯域で高い感度を持ち、熱型は広い波長帯域で低い感度を持つのが特徴である。量子型は半導体の種類で感度波長が決められ、シリコンのように安価に購入できるものは実用感度波長が可視光外(0.8μm)から1μm以下のため、検出温度の範囲が300℃以上となる。一方熱型は量子型に比べ、可視光から20μm以下の広い波長帯域で均一の低い感度を持つ。(原理的には波長依存性を持たない。)このためセンサへの赤外線受光面の前に光学フィルタを設け、検出温度範囲波長を狭めて外乱を防ぐ。 Infrared sensors include a quantum type such as an infrared photodiode and an infrared phototransistor and a thermal type such as a thermopile and a pyroelectric element. The quantum type sensor is characterized by high sensitivity in a narrow wavelength band because it detects infrared rays by the quantum effect, and the thermal type has low sensitivity in a wide wavelength band. For the quantum type, the sensitivity wavelength is determined by the type of semiconductor, and those that can be purchased at a low cost, such as silicon, have a practical sensitivity wavelength of 1 μm or less from outside visible light (0.8 μm), so the detection temperature range is 300 ° C. or more. Become. On the other hand, the thermal type has a uniform low sensitivity in a wide wavelength band of 20 μm or less from visible light as compared with the quantum type. (In principle, it does not have wavelength dependence.) For this reason, an optical filter is provided in front of the infrared light receiving surface of the sensor to prevent the disturbance by narrowing the detection temperature range wavelength.
本実施例では、調理温度範囲が100から250℃であるため、赤外線センサとして熱型であるサーモパイルを用いる。同じ熱型の焦電素子は微分型のセンサであるため、赤外線入射を断続する必要があり、普通機械的なチョッパ機構が使われる。このため、信頼性の点で加熱調理器のような家電品に用いるのは不向きである。一方サーモパイルはこのような機構を必要とせず、また近年MEMS等の技術により半導体プロセスを用い構成する熱電対を微小化し多数堆積して感度を向上させたものが安価に供給されている。 In this embodiment, since the cooking temperature range is 100 to 250 ° C., a thermopile thermopile is used as the infrared sensor. Since the pyroelectric element of the same thermal type is a differential type sensor, it is necessary to interrupt infrared incidence, and a normal mechanical chopper mechanism is used. For this reason, it is unsuitable to use for household appliances like a heating cooker in terms of reliability. On the other hand, the thermopile does not require such a mechanism, and in recent years, a thermocouple configured by using a semiconductor process by using a technique such as a MEMS is miniaturized and a large number of the thermocouples are deposited to improve sensitivity.
近年多くの体温計に用いられるサーモパイルの光学フィルタとしては透過波長が1〜15μmのものが使われる。これはウィーンの変移則から人体の赤外線放射エネルギーのピーク波長が約10μm(体温36℃)であり、上記光学フィルタを用いるのが最適なためである。
In recent years, a thermopile optical filter used in many thermometers has a transmission wavelength of 1 to 15 μm. This is because the peak wavelength of the infrared radiation energy of the human body is about 10 μm (
この光学フィルタを有するサーモパイルを用いて、調理鍋の温度(25〜300℃)を非接触で計測するとサーモパイルの出力として図13に一点鎖線で示す出力が得られる。これは前述のように調理鍋底面を黒体とみなして、これが放射する赤外線エネルギー(プランクの分布則に従う)がサーモパイルの感度で電圧に変換され所定の増幅をしたとして得たものである。このときサーモパイルの感度は波長1〜15μmである一定値とし、波長1〜15μmの赤外線は光学フィルタを一律に90%透過してサーモパイルに入射すると仮定している。 If the temperature (25-300 degreeC) of a cooking pan is measured non-contactingly using the thermopile which has this optical filter, the output shown with a dashed-dotted line in FIG. 13 will be obtained as an output of a thermopile. As described above, the bottom surface of the cooking pan is regarded as a black body, and the infrared energy (according to Planck's distribution law) radiated from the cooking pan is converted into a voltage by the sensitivity of the thermopile and obtained as a result of a predetermined amplification. At this time, it is assumed that the sensitivity of the thermopile is a constant value having a wavelength of 1 to 15 μm, and infrared light having a wavelength of 1 to 15 μm is uniformly transmitted through the optical filter by 90% and enters the thermopile.
さてこのサーモパイルを図3の構成で鍋温度検出に使用した場合には、鍋底面からの赤外線はトッププレート2を透過してサーモパイル25に入射する。したがってトッププレート2の光学特性(図12)で透過する各波長の赤外線は制限される。前述したように約5μm以上の赤外線はほとんど透過せず、サーモパイル25に入射しない。上述と同様にこの場合の出力を計算すると図13に実線で示すものとなる。出力は1桁程度低下するのが分かる。このためサーモパイル25の出力を、従来の体温計等での使用される直流増幅器の増幅度(約1000倍)に比べ1桁高い増幅度(約10000倍)で直流増幅することが必要になる。このため本実施例の鍋温度検出装置18は同一防風ケースである赤外線センサケース28内部にサーモパイル25とこの出力を増幅する回路基板(後述するサーモパイル温度検出回路72)を設置し、温度変化に対して安定にサーモパイル25の出力を直流増幅した後低い出力インピーダンスの信号電圧として後述するマイクロコンピュータ60のAD端子に出力している。更にこのケースを磁性体である鉄板ケース31で蔽うことで、誘導加熱コイル7の強磁界に対して防磁するとともに、他の回路特にインバータ回路からのパルス雑音に対してこの鉄板ケース31を接地線32で本体1の金属部に接地することで静電シールドをも施している。
Now, when this thermopile is used for detecting the pan temperature in the configuration of FIG. 3, the infrared rays from the bottom of the pan pass through the
図14にサーモパイル温度検出回路72の詳細を示す。サーモパイル25の熱電対出力(熱起電力)(図中(+),(−)記号間の電圧)はオペアンプ72−1,72−2で約10000倍に増幅され出力端子72−3に出力される。この電圧はマイクロコンピュータ60のAD端子に入力される。またサーモパイル内のNTCサーミスタ45は、回路電源電圧を抵抗72−4,72−5,72−6で分圧された電圧源(抵抗72−5の両端)に抵抗72−7と直列接続された状態で接続され、この抵抗72−7との接続点aは熱電対出力端子(−)に接続されている。周知のようにNTCサーミスタ45は負の温度特性を持った抵抗素子であり温度上昇で抵抗値が低下する。このため、サーモパイル25内の温度が上昇すると先の接続点aの電圧は上昇する。熱電対出力(図中(+),(−)記号間の電圧)は測温接点部42(赤外線エネルギーで加熱される点)と冷接点部(熱電対出力端子)44の温度差に比例する。このためサーモパイル25の設置される雰囲気温度で金属ケース37内雰囲気(NTCサーミスタが内蔵される)温度が上昇すると熱電対出力は減少する。この減少を接続点aの電圧上昇で補償する。すなわちNTCサーミスタ45はサーモパイル(熱電対)25の出力が周囲温度で変化するのを防ぐために使用される。
FIG. 14 shows details of the thermopile
調理中、誘導加熱コイル7に十数アンペアの高周波電流を流すためコイル自身が発熱する。また誘導加熱コイル7上のトッププレート2には誘導加熱された高温の調理鍋が載置されており、本体1内の誘導加熱コイル下部は調理中70℃の高温になる。サーモパイル25とサーモパイル温度検出回路72からなる鍋温度検出装置18は誘導加熱コイル7の中央下部に設置されるためこの高温雰囲気中に置かれることになる。前述のように、サーモパイル25の出力が雰囲気温度で変化しないように、内蔵のNTCサーミスタ45を用いて温度補償をしているが、サーミスタの非線形性のため広い温度範囲で十分な温度補償を行うのは難しく、鍋温度検出装置18はなるべく低温の一定温度雰囲気におくのが望ましい。このため本実施例では、外気が導入されるコイル冷却風路15内に鍋温度検出装置18を設置して、外気でサーモパイル25とサーモパイル温度検出回路72を冷却しこれらの温度上昇を防止している。またコイル冷却風路内の気流がサーモパイル25の金属ケースおよび回路の半導体,抵抗等に直接当たり熱ゆらぎを起こすのを防ぐため、防風ケースである赤外線センサケース28でこれを覆っている。またサーモパイル25とサーモパイル温度検出回路72は赤外線センサケース28内の空気で空気断熱されることにもなる。つまり、赤外線センサケース28は断熱ケースとしての機能も有する。さらにこの赤外線センサケース28を磁性体である鉄板ケース31で覆い、磁気遮蔽することでサーモパイル25の金属ケースが誘導加熱コイル7の発生する高磁界で誘導加熱され温度上昇しないようにしている。この結果、高温,高磁界の中でも安定に鍋底の温度検出を可能にしている。
During cooking, a high frequency current of ten and several amperes flows through the
さてトッププレート2は誘導加熱された調理鍋6から赤外線放射を吸収することおよび接触熱伝導とで加熱される。図12に示したトッププレート2の光学特性から0.2μm〜2.9μmの波長の光を80%以上透過し、3〜4.5μmの波長の光を30%程度透過し、4.5μmよりも長い波長、及び、0.2μmよりも短い波長の光をほとんど透過しない。
Now, the
放射エネルギーが物質表面に入射すると、その一部ρは反射され、一部αは吸収され、残りτは透過する。これらの量の間には、エネルギー保存則からρ+α+τ=1が成立する。トッププレート2上に調理鍋6が置かれた状態では、調理鍋6の赤外線放射エネルギーのトッププレート2での反射はほとんどゼロとみなせるため、トッププレート2では吸収率α+透過率τ=1が成立していると見てよい。キルヒホフの法則より吸収率α=放射率εであるため、トッププレート2は調理鍋6からの赤外線放射エネルギーのうち、0.2μm〜2.9μmの波長では80%以上透過し、残り20%を吸収しこれを放射する。また3〜4.5μmの波長では30%程度透過し、残り70%を吸収しこれを放射する。4.5μmよりも長い波長、及び、0.2μmよりも短い波長ではほとんど透過せず、すべてを吸収してこれを放射する。熱伝導で加熱された分も同様である。波長4.5μm以上では熱伝導加温の赤外線エネルギーはほとんどトッププレート2表面から放射される。
When the radiant energy is incident on the surface of the material, a part ρ is reflected, a part α is absorbed, and the remaining τ is transmitted. Between these quantities, ρ + α + τ = 1 holds from the law of conservation of energy. In the state where the
このため、サーモパイル25を使用して、トッププレート2上の調理鍋6の温度を検出する場合にはトッププレート2自身の加熱が放射する赤外線が問題となる。特に図12に斜線で示す波長の赤外線が問題となる。例えばサーモパイル25に付属する光学フィルタ48の透過波長が1〜15μmであれば、トッププレート2が放射する4.5μmよりも長い波長の赤外線によってサーモパイル25の出力が大きく影響を受け、トッププレート2上の調理鍋底の温度を正確に検出できないことになる。トッププレート2を透過する鍋の放射赤外線エネルギーは1μm〜2.9μmの約2μmの帯域、これに対しトッププレート2自身が放射する赤外線エネルギーは4.5μm〜15μmの約10μmの帯域であり、同じ温度であればサーモパイル出力のうち、調理鍋6の温度による分の5倍がトッププレート2の温度によることになる。
For this reason, when detecting the temperature of the
本実施例では、上記を防止するためサーモパイル25で構成される鍋温度検出装置18の赤外線センサケース28に、赤外線を透過させるためのケース窓29を開け、このケース窓29にトッププレート2を構成する結晶化ガラスを薄く正方形に切り出したものを結晶化ガラス光学フィルタ30として嵌め込んである。そしてサーモパイル25に入射する赤外線の内トッププレート2が放射する分を除去する。トッププレートが放射する図12に斜線で示す部分の波長は結晶化ガラス光学フィルタ30の光学特性によって(図12に斜線で示す部分の波長は透過しない)サーモパイル25への入射が阻止される。
In the present embodiment, in order to prevent the above, a
結晶化ガラス光学フィルタ30をトッププレート以外の材料で作成しても良いが図12に示すような急峻な特性を示す光学フィルタを作成するのは非常に困難で高価なものになる。
Although the crystallized glass
更に、サーモパイル25の光学フィルタ48として波長5μm以上を透過させない5μmショートパスフィルタを用いている。これは周囲温度で暖められる結晶化ガラス光学フィルタ30自身および赤外線センサケース28が放射する赤外線をも波長5μm以上は透過させないようにするためである。というのは先に述べたように鍋から放射される1〜2.9μmの赤外線エネルギーはトッププレートで通過を制限されているため非常に微小であり、サーモパイル25の出力増幅を大きくせざるを得ないため周囲温度での5μm以上の赤外線放射に敏感であり、徹底的に鍋底以外からの4.5μm以上の赤外線がサーモパイルの赤外線吸収膜43に入射するのを防止する必要があるためである。
Further, a 5 μm short pass filter that does not transmit a wavelength of 5 μm or more is used as the
結晶化ガラス光学フィルタ30自身および赤外線センサケース28が70℃であるとして、これが放射する赤外線によってサーモパイル25が出力する電圧を計算すると図13にAで示すものになる。ここでサーモパイル25の光学フィルタ48としては1〜15μmの波長を90%透過するものとした。この電圧は同図実線で示すトッププレート2上の鍋底が300℃のときのサーモパイル25が出力する電圧とほぼ同じである。つまり、光学フィルタ48の通過帯域を5μm以下に制限しないと、鍋温度検出装置18が70℃以上の雰囲気ではトッププレート2上の鍋温度を検出できない。
Assuming that the crystallized glass
以上の理由からも、本実施例では鍋温度検出装置18をコイル冷却風路15内に設置している。
For the above reason, the pan
図15(a)に黒体に近い状態の鍋底面を有するテンプラ鍋を図3の実施例で誘導加熱した場合の、鍋底面温度Tとサーモパイル温度検出回路72出力端子72−3の出力電圧Vの関係を示す。常温から100℃まではほぼ0.5Vであり、100℃を越えると温度のほぼ4乗に比例した電圧が出力される。0.5Vはサーモパイル温度検出回路72の電源電圧(5V)を抵抗72−4,72−5,72−6で分圧した電圧(図14中a点で示す)0.5Vがオペアンプ72−1,72−2のバイアス電圧として与えてあるためである。100℃を越えるとサーモパイル25の出力電圧が大きくなり、オペアンプ72−1,72−2で約10000倍に増幅されて0.5V以上の電圧として観測される。このバイアス電圧はサーモパイル温度検出回路72の故障検出用に与えてある。出力端子72−3の出力電圧値からこの0.5Vを引いた値(0.5Vからの電圧上昇値)が検出した鍋底面温度に比例したものである。図15(b)にこれを示す。マイクロコンピュータ60はサーモパイル温度検出回路72出力端子72−3の出力電圧をAD変換して読み込むが、この電圧から0.5Vを引いた値である鍋温度検出電圧Vt(=V−0.5)をもとに鍋温度を得る。図15(b)の関係は予めマイクロコンピュータ60のROMにテーブルデータとして記憶しておく。
FIG. 15A shows the pan bottom temperature T and the output voltage V of the thermopile
図16に反射率検出回路73の詳細を示す。図16において、50は発光素子である赤外線LEDであり、例えばその発光波長は930nmである。51はフォトトランジスタであり、例えばピーク感度波長が800nmで赤外線LED50の発光波長930nmでもピーク感度の80%の感度をもつものである。図17に反射率検出回路73の動作タイミングチャートを示す。フォトインタラプタ19の発光素子である赤外線LED50はトランジスタ73−1で駆動される。この駆動はマイクロコンピュータ60の出力ポートから駆動信号端子73−2に入力される信号で制御される。図17中(a)にこの信号を示す。デューティ50%の矩形波信号を駆動信号端子73−2に入力すると、赤外線LED50は信号が5Vのとき発光し、0Vのときは消灯する間歇的投光を行う。この発光強度は赤外線LED50に流す電流に比例し、この電流は抵抗73−3の値で決められる。本実施例では抵抗値を固定して発光強度は一定である。この赤外発光が調理鍋底面で反射され、受光素子であるフォトトランジスタ51で受光されると光電流により抵抗73−4に電圧が発生する。この電圧を図17中(b)に示す。反射が大きく(受光量が多く)なれば電圧は比例して大きくなる。この信号電圧はコンデンサ73−5で直流分がカットされ、交流信号(図17中(c)に示す)としてオペアンプ73−6で構成される正転直流増幅器に入力される。ここで交流信号のプラス側成分のみが増幅される。図17中(d)にこれを示す。この増幅されたデューティ50%の信号は充放電回路73−7で直流の平均値電圧に変換され、出力端子73−8から出力される。この出力はマイクロコンピュータ60のAD端子に入力される。
FIG. 16 shows details of the
このように反射率検出回路73は発光強度が一定のキャリア変調された赤外光を鍋底面に放射し、鍋で反射される赤外光を受光してその平均値電圧を反射電圧として得ることで反射率に相当する値を検出する。赤外発光をキャリア変調し、受光経路で直流成分をカットしているのは、自然光あるいは白熱電灯,蛍光灯などの照明機器に含まれる赤外光が鍋の反射率検出に影響するのを防止するためである。また、フォトトランジスタ51の暗電流の影響も防止している。
In this way, the
フォトインタラプタ19を図3に示すように配置するとトッププレート2上に調理鍋がない場合、赤外線LED50の放射した赤外光は大部分がトッププレート2を透過するが、一部はトッププレート2で反射される。これはトッププレート2の透過率が波長930nmで90%であり、残り10%の赤外光は反射されるためである。また、赤外線LEDの放射角度のため、トッププレート下面に到達せず経路途中にある物体で反射される赤外光もある。このため図18に示すように反射率検出回路73の出力は、トッププレート上に鍋がある場合(a)V1となり、鍋がない場合(b)V2となる。正味の鍋での反射電圧VrはVr=V2−V1となる。
When the
図19に反射率検出回路73を図3に示すように配置して、トッププレート上に反射率が既知の金属板を配置したときの反射率検出回路73の出力から得られる先の反射電圧Vrと反射率の関係を示す。図中に近似線も示す。この関係を用いれば、反射率検出回路73の出力電圧から反射率が得られる。そしてこの関係をテーブルデータにあるいは近似式の係数値をあらかじめマイクロコンピュータ60のROMに記憶しておく。
In FIG. 19, the
調理鍋のような金属物質ではキルヒホフの法則により温度Tの物質表面から放射される赤外線エネルギー(E=εσT4)の放射率εと表面の反射率ρの間にはε+ρ=1の関係が成立する(透過率α=0とする)。調理鍋では放射率の違いにより同じ鍋底温度でありながら、放射される赤外線エネルギーが異なる。このためサーモパイル出力すなわち鍋温度検出装置18の出力が異なるという問題が生じる。そこで調理鍋の反射率を検出して放射率を求め鍋温度検出装置18の出力を補正してから温度に換算する必要がある。これを行うために先に説明した反射率に相当する量である反射電圧Vrを求め、これから反射率を得るのが反射率検出回路73である。この反射率を1から引いて放射率を得る。
In a metal material such as a cooking pot, a relationship of ε + ρ = 1 holds between the emissivity ε of infrared energy (E = εσT 4 ) emitted from the surface of the material at temperature T and the reflectance ρ of the surface according to Kirchhoff's law. (Transmittance α = 0). In a cooking pan, the infrared energy radiated differs due to the difference in emissivity, while the same pan bottom temperature. For this reason, the problem that a thermopile output, ie, the output of the pan
図20にトッププレート2に置かれた数種の鍋について、鍋温度検出装置18の出力(サーモパイル温度検出回路72の出力V)から前述した0.5Vのオフセット電圧Voを引いた値Vt(鍋温度検出電圧)と鍋底面温度Tとの関係を示す。図中の各鍋底面の放射率は、(a)は0.9と黒体に近く、(b)は0.57、(c)は0.43、(d)は0.24である。図20の上図に示すように放射率によって鍋温度検出装置18の出力と鍋底温度の関係が異なることがわかる。(a)〜(d)の電圧値を放射率で除算すると、図20の下図に破線で示すものとなり、ほぼ1本の曲線に集約することができることが分かる。各出力Vtは各鍋の全放射エネルギー(E′=εσT4)に比例し、これを放射率で除算するのは、前述したように黒体の全放射エネルギー(E=σT4)に換算することを意味する。そして各鍋の放射率が分かれば、各鍋の鍋温度を黒体の放射温度に還元できることを意味している。例えば図3実施例でトッププレート上に黒体を配置して、黒体温度Tと鍋温度検出装置18の出力Vから0.5を引いた値である鍋温度検出電圧Vtを求め、このTとVtの関係(図15(b))を記録し、これをテーブルデータにあるいは近似式の係数値としてあらかじめマイクロコンピュータ60のROMに記憶しておく。そして、鍋を誘導加熱しているとき、一定時間ごとに鍋温度検出装置18の出力VをAD変換して読み込み、鍋温度検出電圧Vt=V−0.5の演算を施した後、反射率検出回路73で反射率を前述したように得て、この反射率ρをもとにキルヒホフの法則(ρ+ε=1)から放射率εを得、鍋温度検出電圧Vtをこれで除算した後、この値でテーブルデータを牽くあるいは近似式に代入して、鍋温度検出電圧Vtから温度Tを求め、これを検出鍋温度とする。本実施例の鍋温度補正は以上に基づいて行う。
FIG. 20 shows a value Vt (pot) obtained by subtracting the above-described 0.5 V offset voltage Vo from the output of the pot temperature detecting device 18 (output V of the thermopile temperature detecting circuit 72) for several kinds of pots placed on the
図21に、各鍋において放射温度計を用いて計測した放射率と図3実施例で反射率検出回路73を用いて得た反射率(図19の関係の近似式を適用)の関係を示す。鍋によってキルヒホフの法則からはずれるものもあるが、放射率と反射率の間には強い相関がある。キルヒホフの法則から外れるのは反射率の検出において、鍋表面での散乱により反射赤外線の全てを受光していないためである。反射率を求める際には、赤外線LED50の放射光がトッププレート2になるべく垂直に入射させ、鍋での反射光をなるべく垂直にフォトトランジスタ51に導くのが望ましい。このため、フォトインタラプタ19の受発光面の上に導光筒を配置するのが良い。また鍋温度検出装置18のトッププレート2上位置での視野面とこの反射率検出発光のトッププレート2上での反射面は同一面であるのが望ましい。このため、図4に示すように鍋温度検出装置18と反射型フォトインタラプタ19を並べて配置するのが良い。
FIG. 21 shows the relationship between the emissivity measured using a radiation thermometer in each pan and the reflectance obtained by using the
以下では、本実施例の動作について、手前右側の口に調理鍋6を置き、所定温度で所定時間調理鍋を加熱して調理を行う場合として説明する。図22にこの動作のフローチャートを示す。図示していない電源を投入し、調理鍋6を置いた誘導加熱口の操作スイッチで所定の温度および調理時間を設定し(ステップS1)調理開始を指示すると(ステップS2)、マイクロコンピュータ60はまず反射率検出回路73を制御して載置された鍋の反射データ(反射率に相当)を取り込み反射率を検出する(ステップS3)。
Below, the operation | movement of a present Example demonstrates the case where the
図23に反射率検出(ステップS3)の詳細なフローチャートを示す。マイクロコンピュータ60は反射率検出回路73の端子73−2にポートから図16(a)の赤外線LED駆動信号を出力する(ステップS3−1)。所定時間例えば200ms出力した後(ステップS3−2)、端子73−8に出力される電圧V2をAD端子より読み込む(ステップS3−3)。そして赤外線LED駆動信号を停止する(ステップS3−4)。次に予め記憶されている鍋が置かれていない時の電圧V1を先の読み込んだ電圧V2から引き反射電圧Vrを算出する(ステップS3−5)。そして予め記憶されている反射電圧と反射率の関係から反射率ρを得る(ステップS3−6)。
FIG. 23 shows a detailed flowchart of the reflectance detection (step S3). The
続いて対応する電力制御回路62,周波数制御回路61,インバータ回路8を制御して誘導加熱コイル7に電力を供給する(ステップS4)。誘導加熱コイル7に電力が供給されると、誘導加熱コイル7から誘導磁界が発せられ、トッププレート2上の調理鍋6が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理鍋6の温度が上昇し、調理鍋6内の被加熱物の調理が開始される。マイクロコンピュータ60は誘導加熱を開始すると、一定時毎に鍋温度検出装置18の出力を読み込み、鍋温度を検出する(ステップS5)。ここで鍋温度検出動作を説明する。
Subsequently, the corresponding power control circuit 62, frequency control circuit 61, and
図24に鍋温度検出(ステップS5)の詳細なフローチャートを示す。マイクロコンピュータ60は鍋温度検出装置18(鍋温度検出回路72)の出力電圧を読み込み(ステップS5A−1)、この値から0.5Vを引きこれを鍋温度検出電圧Vtとする(ステップS5A−2)。そして、誘導加熱直前に検出した反射率から、放射率(=1−反射率)を得て(ステップS5A−3)、この鍋温度検出電圧Vtを除算する(ステップS5A−4)。除算後のVtを用い予め記憶してある図15(b)に示すVtとTの関係であるデータテーブルを引いて(ステップS5A−5)、温度Tに変換し鍋温度Tを出力する(ステップS5A−6)。
FIG. 24 shows a detailed flowchart of the pan temperature detection (step S5). The
なお放射率を算出する過程(ステップS5A−3)と鍋温度検出電圧Vtを放射率で除算する過程(ステップS5A−4)の代わりに、予め倍率a=1/放射率(a=1/ε)の値(1以上の値になる)と反射率(あるいは反射電圧Vr)の関係をテーブルとして記憶し、反射率(あるいは反射電圧Vr)から前記テーブルで倍率aを得て、鍋温度検出電圧Vtに倍率を乗算したのち、VtとTの関係であるデータテーブルを引いて鍋温度Tを出力してもよい。こうすれば、マイクロコンピュータの処理時間を要する除算を使用しなくてすみ処理の高速化が図れる。 Instead of the process of calculating the emissivity (step S5A-3) and the process of dividing the pan temperature detection voltage Vt by the emissivity (step S5A-4), the magnification a = 1 / emissivity (a = 1 / ε). ) (Which becomes a value of 1 or more) and the reflectance (or reflection voltage Vr) are stored as a table, the magnification a is obtained from the reflectance (or reflection voltage Vr) using the table, and the pan temperature detection voltage is obtained. After multiplying Vt by a magnification, the pan temperature T may be output by drawing a data table that is a relationship between Vt and T. In this way, it is possible to speed up the processing without using a division requiring a processing time of the microcomputer.
所定の温度に到達したら(ステップS6)、電力制御回路62を制御して誘導加熱コイル7に供給する電流を所定量減少させる(ステップS7)。そして調理時間タイマーをスタートさせる(ステップS8)。一定時毎の鍋温度検出(ステップS9)を続けながら(ステップS10)、誘導加熱コイル7に供給する電流を所定量増減させて(ステップS11,S12)、鍋温度を一定(Tc)に保つ。そして所定の調理時間が経過したら(ステップS13)、調理終了をブザーで使用者に報知して、誘導加熱コイル7への電力投入を停止する(ステップS14)。こうして、調理鍋6の被調理物は設定された温度および時間で調理される。
When the predetermined temperature is reached (step S6), the power control circuit 62 is controlled to reduce the current supplied to the
以上説明では反射率検出を誘導加熱直前に1度だけ行う例を示したがこれに限ることはない。通常の鍋では誘導加熱中(温度が高温になっても)反射率は変化しない。また赤外線発光LEDでは長時間連続発光において寿命の問題がある。また反射率検出回路73が誘導加熱中の高磁場で妨害を受ける。本説明ではこれらの点を考慮して1調理につき誘導加熱直前の1回の反射率検出に限定した。当然、発光電流を低減して調理中に一定周期で反射率検出を行っても良い。特に薄手の鍋では高温による鍋底変形で反射率が変化することもある。さらに色塗装を底面に施した鍋では、高温で塗装が変性し反射率が変化することもある。この場合には加熱中でも定期的に反射率検出を行うのが望ましい。この場合当然磁場の影響を避けるために、後述する図25実施例のように磁性体で反射型フォトインタラプタ19および反射率検出回路73を囲うのが望ましい。あるいは、反射率検出を行うタイミングで誘導加熱コイル7への電力供給を短時間停止しても良い。
In the above description, the example in which the reflectance detection is performed only once just before induction heating is shown, but the present invention is not limited to this. In ordinary pans, the reflectance does not change during induction heating (even when the temperature rises). In addition, the infrared light emitting LED has a problem of life in continuous light emission for a long time. Further, the
また、調理中に鍋を別の鍋に交換する場合もある。この時反射率は当然変化する。この場合には今ある鍋を退かした時点で鍋温度検出装置18の検出する電圧が急激に低下する。そして別温度の鍋を置いた時点で鍋温度検出装置18の検出する電圧はこの鍋底面温度に対応する値に復帰する。この変化を捉え再度反射率の検出するのが望ましい。
In some cases, the pan may be replaced with another pan during cooking. At this time, the reflectivity naturally changes. In this case, the voltage detected by the pan
鍋温度検出装置18の他の実施例を図25に示す。図5,図6,図9と同一符号は同一物を示す。本実施例は鍋温度検出装置18の赤外線センサケース28内にサーモパイル25と反射型フォトインタラプタ19を組み込んだものである。赤外線センサケース28のケース窓29に嵌めた結晶化ガラス光学フィルタ30の一部を凸レンズとし、この下にサーモパイル25を配置して、リフレクタ27を省略している。また反射型フォトインタラプタ19の発光,受光部を結晶化ガラス光学フィルタ30の下面直下に配置している。これは赤外線発光が直上の結晶化ガラス光学フィルタ30で反射され、受光されるのを防止するためである。
Another embodiment of the
赤外線LED50の赤外線発光は結晶化ガラス光学フィルタ30を90%以上透過するが、残り10%は反射され、すぐ横のフォトトランジスタ51で受光される。反射面との距離が短いとこのレベルは大きく、本来目的であるトッププレート2上にある鍋底面での反射光の受光に影響する。このため本実施例では、図示するように結晶化ガラス光学フィルタ30と反射型フォトインタラプタ19(赤外線LED50およびフォトトランジスタ51)の発光・受光面との距離を500μm以内程度にまで接近させ、発光赤外線の反射がフォトトランジスタ51で受光されないようにしている。理想的には結晶化ガラス光学フィルタ30下面と反射型フォトインタラプタ19の上面を接触させたほうが望ましいが、組み立て公差の点で難しい。
Infrared light emitted from the
またトッププレート2の温度影響を避けるために、サーモパイル25の光学フィルタ48にトッププレート2の光学特性を持たせても良いのはあきらかである。つまり図7の光学フィルタ48を図5実施例での結晶化ガラス光学フィルタ30に置き換えることである。この場合、赤外線センサケース28のケース窓29に嵌めた結晶化ガラス光学フィルタ30は簡略な石英ガラス等に置き換えればよい。石英ガラスは波長5μmまでの赤外線を90%透過する。またサーモパイル25の光学フィルタとした結晶化ガラスを凸レンズとすればこれで集光できるようになり、リフレクタ27を省略することもできる。
Obviously, the
本実施例での鍋温度検出とその補正動作は前述した第1実施例と同様であるので説明を省略する。 Since the pan temperature detection and its correction operation in this embodiment are the same as those in the first embodiment described above, description thereof is omitted.
前述した鍋温度補正の他の一実施例を説明する。これは前述のように反射率を求め、放射率に変換して演算処理する方法でなく、反射電圧Vrによるグループ分けとテーブル引きのみで検出鍋温度を補正するものである。 Another embodiment of the above-described pan temperature correction will be described. This is not a method of calculating the reflectance and converting it into emissivity as described above, but correcting the detected pan temperature only by grouping and table lookup based on the reflected voltage Vr.
図26に、各種鍋での図3実施例での鍋底面温度Tが200℃時の鍋温度検出電圧Vt(鍋温度検出装置18の出力から0.5Vを引いた値)と反射電圧Vrの関係を示す。このように反射電圧Vrと鍋温度検出電圧Vtの間には強い相関がある。そこで反射電圧Vrで図示するように例えば4つのグループ(a,b,c,d)に鍋を分類する。そしてそのグループの中で代表的な鍋を一つ選びこの鍋温度検出電圧Vtと鍋底面温度Tの関係をテーブルとして予め記憶する。例えば図20の(a)(b)(c)(d)を各グループの代表として鍋温度検出電圧Vtと鍋底面温度Tの関係をテーブルとして予め記憶する。この場合4つのグループに対応して4つのテーブルを作成する。そして鍋温度検出電圧Vtを得ながら、反射電圧Vrでグループ分けし、そのグループの鍋温度検出電圧Vtと温度Tのテーブルを切り替えて引き、温度Tを出力する。 FIG. 26 shows the pan temperature detection voltage Vt (the value obtained by subtracting 0.5 V from the output of the pan temperature detection device 18) and the reflected voltage Vr when the pan bottom temperature T in the embodiment of FIG. Show the relationship. Thus, there is a strong correlation between the reflected voltage Vr and the pan temperature detection voltage Vt. Therefore, for example, the pans are classified into four groups (a, b, c, d) as shown by the reflected voltage Vr. A representative pan is selected from the group, and the relationship between the pan temperature detection voltage Vt and the pan bottom temperature T is stored in advance as a table. For example, the relationship between the pan temperature detection voltage Vt and the pan bottom temperature T is stored in advance as a table with (a), (b), (c), and (d) of FIG. In this case, four tables are created corresponding to the four groups. Then, while obtaining the pan temperature detection voltage Vt, it is grouped by the reflected voltage Vr, the table of the pan temperature detection voltage Vt and the temperature T of that group is switched, and the temperature T is output.
図27に上記方法による鍋温度検出フローチャートを示す。鍋温度検出装置18の出力を読み込み(ステップS5B−1)、これからオフセットの0.5Vを引き鍋温度検出電圧Vtを得る(ステップS5B−2)。そして反射電圧Vrでグループのどこに入るかを判断し(ステップS5B−3)、そのグループの代表である鍋温度検出電圧Vtと鍋底面温度Tの関係テーブルを引いて(ステップS5B−4)、温度Tを出力する(ステップS5B―5)。テーブルとしてオフセット電圧0.5Vを含んだ形すなわち図15(a)に示すような鍋温度検出装置18の出力電圧Vと鍋底温度Tの形で予め記憶しておけば、ステップS3−2の引き算処理をなくすことができる。本実施例によれば、より簡易に温度Tを補正して出力することができる。
FIG. 27 shows a pan temperature detection flowchart according to the above method. The output of the
以上で説明した本発明の加熱調理器によれば調理温度150から300℃の広い温度範囲において、鍋の材質,鍋底の形状,汚れの強弱そしてトッププレート温度の影響を受けることなく、調理鍋6の温度を正確に捉えたものとなっている。このため、マイクロコンピュータ60の誘導加熱コイル7に対する電力制御も、調理鍋6の温度変化に即応したものにすることができ、結果的に巧く調理を行うことができる。また、サーミスタのように温度検出遅れがないため空焚き等の急激な鍋温度上昇にも追随でき、これを検出して油発火等の恐れがあるときには誘導加熱を即停止することも可能になり、安全な誘導加熱調理器を提供できる。
According to the heating cooker of the present invention described above, the
1 誘導加熱調理器本体
2 トッププレート
3 操作表示部
4 調理鍋を置く位置を示す円表示
5 赤外線透過窓
6 調理鍋
7 誘導加熱コイル
8 インバータ回路
10 コイルベース
14 円筒状の空洞
15 コイル冷却風路
16 コイル冷却風送出孔
18 鍋温度検出装置
19 反射型フォトインタラプタ
25 サーモパイル
26 電子回路基板
27 リフレクタ
28 赤外線センサケース
29 ケース窓
30 結晶化ガラス光学フィルタ
31 鉄板ケース
32 接地線
37 金属ケース
38 シリコン基材
39 シリコン酸化膜
40 ポリシリコン蒸着膜
41 アルミ蒸着膜
42 測温接点部
43 赤外線吸収膜
44 冷接点部
45 NTCサーミスタ
46 金属ピン
47 窓
48 光学フィルタ
50 赤外線LED
51 赤外線フォトトランジスタ
60 マイクロコンピュータ
61 周波数制御回路
62 電力制御回路
63 整流回路
64 電源スイッチ
68 操作スイッチ
69 表示回路
70 ブザー
72 サーモパイル温度検出回路
72−1,72−2,73−6 オペアンプ
73 反射率検出回路
73−5 コンデンサ
73−7 充放電回路
DESCRIPTION OF
51
Claims (18)
前記トッププレートの下に設けた誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルへの高周波供給電力を制御する電力制御回路と、
前記調理容器底面からの放射赤外線量を検出するサーモパイルと、
前記サーモパイルの受光前面に配置される前記トッププレートと同一光学特性の窓材と、
前記サーモパイル出力から調理容器底面温度を検出する温度検出手段とを具備し、
前記サーモパイルをトッププレート下方に配して調理容器底面温度を検出しこの温度に基づいて前記誘導加熱コイルへの供給電力を制御することを特徴とする誘導加熱調理器。 A top plate made of crystallized glass with a cooking vessel on top;
An induction heating coil provided under the top plate;
A power control circuit for controlling the high-frequency supply power to the induction heating coil;
A thermopile for detecting the amount of infrared radiation emitted from the bottom of the cooking container;
A window material having the same optical characteristics as the top plate disposed on the light-receiving front surface of the thermopile;
Temperature detecting means for detecting a cooking vessel bottom surface temperature from the thermopile output,
An induction heating cooker characterized in that the thermopile is arranged below the top plate, the bottom temperature of the cooking container is detected, and the power supplied to the induction heating coil is controlled based on this temperature.
前記サーモパイルを防風箱体で蔽うことを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 1,
An induction heating cooker characterized in that the thermopile is covered with a windproof box.
前記サーモパイルを断熱箱体で蔽うことを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 1,
An induction heating cooker characterized in that the thermopile is covered with a heat insulating box.
前記サーモパイルを磁性体からなる箱体で蔽うことを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 1,
An induction heating cooker, wherein the thermopile is covered with a box made of a magnetic material.
前記トッププレートの下に設けた誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルへの高周波供給電力を制御する電力制御回路と、
赤外線を透過する光学フィルタを有し前記光学フィルタを透過した赤外線で赤外線吸収膜を加熱し前記赤外線吸収膜直下に配した複数熱電対の熱起電力から入射赤外線量を検出するサーモパイルと、
前記トッププレートと同一光学特性の窓材を有し前記サーモパイルを内包した防風箱体と、
前記サーモパイル出力から調理容器底面温度を検出する温度検出手段とを具備し、
前記防風箱体をトッププレート下方に配して調理容器底面温度を検出しこの温度に基づいて前記誘導加熱コイルへの供給電力を制御することを特徴とする誘導加熱調理器。 A top plate made of crystallized glass with a cooking vessel on top;
An induction heating coil provided under the top plate;
A power control circuit for controlling the high-frequency supply power to the induction heating coil;
A thermopile for detecting the amount of incident infrared rays from the thermoelectromotive force of a plurality of thermocouples having an optical filter that transmits infrared rays and heating the infrared absorption film with infrared rays that have passed through the optical filter;
A windproof box having a window material having the same optical characteristics as the top plate and containing the thermopile;
Temperature detecting means for detecting a cooking vessel bottom surface temperature from the thermopile output,
An induction heating cooker characterized in that the windproof box is disposed below the top plate, the bottom surface temperature of the cooking container is detected, and the power supplied to the induction heating coil is controlled based on this temperature.
前記トッププレート下方、サーモパイル近傍に前記調理容器底面およびトッププレート下面に投光する赤外線発光手段と前記調理容器およびトッププレート下面からの反射光を受光する赤外線受光手段と、前記赤外線受光手段の出力より前記温度検出手段の出力を補正する温度補正手段とを備え、前記赤外線受光手段の出力より前記トッププレート上面に調理容器が置かれないときの前記赤外線受光手段の出力を減算した後、前記補正手段に入力することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 1,
From the output of the infrared light receiving means, the infrared light emitting means for projecting the reflected light from the cooking container and the lower surface of the top plate, the infrared light emitting means for projecting the bottom surface of the cooking container and the lower surface of the top plate near the thermopile Temperature correction means for correcting the output of the temperature detection means, and subtracting the output of the infrared light receiving means when a cooking container is not placed on the top plate from the output of the infrared light receiving means, then the correction means An induction heating cooker characterized by being input to.
前記温度補正手段は調理容器底面の反射率を検出して放射率=1−反射率を得、この放射率で前記温度検出手段の出力を除算して調理容器底面の温度を検出することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The temperature correction means detects the reflectance of the bottom surface of the cooking container to obtain emissivity = 1-reflectance, and divides the output of the temperature detection means by this emissivity to detect the temperature of the bottom surface of the cooking container. Induction heating cooker.
前記温度補正手段は前記赤外線受光手段の出力と倍率=1/放射率の関係テーブルを有し、前記赤外線受光手段の出力から倍率を得て、前記温度検出手段の出力に倍率を乗算して調理容器底面の温度を検出することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 11,
The temperature correction means has a relationship table between the output of the infrared light receiving means and the magnification = 1 / emissivity, obtains the magnification from the output of the infrared light receiving means, and multiplies the output of the temperature detection means by the magnification to cook. An induction heating cooker that detects the temperature of the bottom of the container.
前記温度補正手段はサーモパイル出力と調理容器底面温度との関係テーブルを複数有し、前記赤外線受光手段の出力で調理容器を複数グループの一つに分類し、各グループの関係テーブルを引いて調理容器底面の温度を検出することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The temperature correction means has a plurality of relationship tables between the thermopile output and the cooking vessel bottom surface temperature, classifies the cooking containers into one of a plurality of groups based on the output of the infrared light receiving means, and draws the relationship table for each group to prepare the cooking containers. An induction heating cooker characterized by detecting the temperature of the bottom surface.
前記赤外線発光手段は前記誘導加熱コイルへの電力供給前に投光を開始し、前記赤外線受光手段が反射光を受光後、その投光を停止し前記誘導加熱コイルへの電流供給を開始することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The infrared light emitting means starts projecting before supplying power to the induction heating coil, and after the infrared light receiving means receives reflected light, the light emitting means stops projecting light and starts supplying current to the induction heating coil. Induction heating cooker characterized by.
前記赤外線発光手段は間歇的に投光し、前記赤外線受光手段の出力からコンデンサで直流成分を除去したのち充放電回路で平均値を得、これを前記温度補正手段に入力することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The infrared light emitting means emits light intermittently, a DC component is removed by a capacitor from the output of the infrared light receiving means, an average value is obtained by a charge / discharge circuit, and this is input to the temperature correction means. Induction heating cooker.
前記赤外線発光手段の投光時、前記電力制御回路は前記誘導加熱コイルへの電力供給を停止することを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The induction heating cooker, wherein the power control circuit stops supplying power to the induction heating coil when the infrared light emitting means is projected.
前記赤外線発光手段は所定時間の間歇的投光を誘導加熱中に一定周期毎に行うことを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The induction heating cooker, wherein the infrared light emitting means performs intermittent light projection for a predetermined time at regular intervals during induction heating.
前記赤外線発光手段は所定時間の間歇的投光を温度検出手段の出力が所定値を越えて変化したとき行うことを特徴とする誘導加熱調理器。 The induction heating cooker according to claim 10,
The induction heating cooker characterized in that the infrared light emitting means performs intermittent light projection for a predetermined time when the output of the temperature detecting means changes beyond a predetermined value.
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