JP2009290960A - 熱発電装置 - Google Patents

熱発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009290960A
JP2009290960A JP2008139187A JP2008139187A JP2009290960A JP 2009290960 A JP2009290960 A JP 2009290960A JP 2008139187 A JP2008139187 A JP 2008139187A JP 2008139187 A JP2008139187 A JP 2008139187A JP 2009290960 A JP2009290960 A JP 2009290960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
flow path
thermoelectric generator
piezoelectric element
power generation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008139187A
Other languages
English (en)
Inventor
Junpei Matsuzaki
純平 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008139187A priority Critical patent/JP2009290960A/ja
Publication of JP2009290960A publication Critical patent/JP2009290960A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】低温度差による発電が可能で、モバイル・ユビキタスセンサー用電源として利用可能な小型熱発電装置を提供する。
【解決手段】本発明の熱発電装置は、受熱部104と放熱部103との間を複数回往復する流路102に、気相及び液相の熱媒体を封入してなる自励振動ヒートパイプと、前記流路に配置され、前記熱媒体の相変化によって発生する圧力振動を電力に変換する圧電素子100とを有する。自励振動ヒートパイプ内に発生した核沸騰による細管軸方向の振動エネルギーを電力に変換できるため、従来の自励振動ヒートパイプを用いた発電装置よりも小型・高効率の熱発電装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、温度差により発電する熱発電装置に関する。特に、センサーネットワークや、モバイル機器、ウェアラブル機器等に搭載される熱発電装置に関する。
メンテナンスフリーのユビキタスセンサーネットワークを構築するためには、環境に存在するエネルギーを利用した自己発電装置が必要である。環境に存在するエネルギーの中でも量が多く、利用できれば多大な効果が期待できるものとして、低温度差の熱源が挙げられる。
この低温度差熱源から発電が可能な装置として、自励振動ヒートパイプを用いた熱発電装置がある。自励振動ヒートパイプとは、細管(流路)が受熱部と放熱部の間で複数回往復するように、かつループ状になるように配置され、気相と液相の二相の作動流体(熱媒体)が封入されていることを特徴とするヒートパイプである。現在、主にCPUの冷却装置として用いられている。また、自励振動ヒートパイプは、熱媒体の振動流によって熱媒体が輸送されるため、重力の影響を受け難く適用姿勢を選ばない。このためウェアラブル用途や宇宙用途にも利用可能である。
自励振動ヒートパイプの作動原理を、図を用いて説明する。
図13は自励振動ヒートパイプの断面を示す模式図である。図13に示すように、流路としての細管が受熱部901と放熱部902との間を複数回往復するように配置されている。細管内には作業流体としての熱媒体が封入されており、熱媒体は気相903と液相904とからなる。受熱部901に熱が加えられると、受熱部901では、細管内の熱媒体の液相904からの核沸騰により断続的な圧力振動が発生する。一方、放熱部902では、気相903の凝集が起こる。これらに伴い、核沸騰による気泡の急激な発生と瞬断(気泡の断熱膨張時の温度降下による)が起こり、圧力波が伝播する。この圧力波は細管内の全ての蒸気泡群に弾性的且つ間欠的圧縮作用を及ぼすことにより、作動流体の振動を促す。
また、同時に、気泡の発生と凝集による熱媒体の循環が起こる。この液相熱媒体の受放熱による顕熱輸送と、気相熱媒体による潜熱輸送の双方による効果によって、従来の毛細管力を用いたヒートパイプと比べて高い熱輸送能力を持っている。熱媒体の封入率が50%以上のとき、輸送熱量の約80%は顕熱輸送によって行われることが報告されている(非特許文献1,2)。
この自励振動ヒートパイプによって得られる振動や熱輸送能力を用いた熱発電装置が考案されている。自励振動ヒートパイプを用いた熱発電装置としては、熱電素子を組み合わせたもの(例えば、特許文献1参照)、磁性流体を組み合わせたもの(特許文献2参照)がある。特許文献1では、熱電素子の冷却面に自励振動ヒートパイプを配置し、熱電素子の熱勾配を維持することで高効率発電を行っている。特許文献2では、自励振動ヒートパイプ中に磁性流体を封入して磁界中に配置し、発生する振動を利用して鎖交磁束を変化させて発電を行っている。
特開2004−350335号公報 特開2002−034233号公報 S.Nishinoet.al.:12thInternational Heat Transfer Conference,4,477-482(2002) 永田真一ほか:第38回日本伝熱シンポジウム講演論文集, 3,731-732
しかしながら、前記従来の構成では以下の問題点がある。
特許文献1の場合、装置の小型化を考えた時に熱電素子の体積減少よる発電効率の低下が起こる。また、自励振動ヒートパイプの小型化にともなって熱媒体の量も減少するため、熱輸送量の約80%を占める液相による顕熱輸送が減少する。その結果、熱輸送量が減少するため、熱電発電に必要な温度勾配を維持できなくなる。したがって、これらの問題のため、特許文献1の装置を小型化する場合、発電効率は著しく減少してしまう。
特許文献2のように電磁流体を用いる場合においては、発生する電力が電磁流体の体積に依存しており、小型化による発電効率の減少が著しいという問題がある。また、導電性液体に、例えば金属ナトリウムを用いた場合、沸騰が発生する温度が500℃から1000℃であるため、低温度差熱源からの発電が難しい。
上記した従来の課題を解決するために、本発明の熱発電装置は、受熱部と放熱部との間を複数回往復する流路に、気相及び液相の熱媒体を封入してなる自励振動ヒートパイプと、前記流路に配置され、前記熱媒体の相変化によって発生する圧力振動を電力に変換する圧電素子とを有する。
本発明の熱発電装置によれば、自励振動ヒートパイプ内に発生した核沸騰による圧力振動のエネルギーを電力に変換でき、従来の自励振動ヒートパイプを用いた発電装置よりも小型、高効率の熱発電装置を実現できる。
本発明の熱発電装置は、受熱部と放熱部との間を複数回往復する流路に、気相及び液相の熱媒体を封入してなる自励振動ヒートパイプと、前記流路に配置され、前記熱媒体の相変化によって発生する圧力振動を電力に変換する圧電素子とを有する。
本構成により、液相状態の熱媒体からの核沸騰によって発生する圧力振動を、流路に配置した圧電素子によって電力に変換できる。核沸騰によって発生する圧力振動は装置の小型化によっても効率が低下しないため、従来の自励振動ヒートパイプを用いた発電装置よりも装置の小型化が可能である。
また、本構成によれば、熱から核沸騰、核沸騰から圧電効果による電力へとエネルギーが変換されるので、エネルギー変換過程における損失を抑えることが可能である。その結果、小型化しても発電効率を維持することができる。
さらに、作動流体に低い沸点を持つ流体を用いた場合には、低温度環境での発電が可能となる。
また、上記構成において、前記圧電素子により得られた前記電力を直流電流に整流する整流回路と、前記整流回路により得られた前記直流電流を蓄える蓄電部と、を有することが好ましい。かかる構成により、圧電素子により得られた電力を効率良く取り出すことが可能となる。
また、上記構成において、前記放熱部から前記受熱部に向かう前記流路の延長線上に、前記圧電素子が配置されていることが好ましい。また、上記構成において、前記受熱部から前記放熱部に向かう前記流路の延長線上に、前記圧電素子が配置されていることが好ましい。また、上記構成において、前記流路の延長線上であって前記流路の中心軸の延長線上に、前記圧電素子の中心が位置するように前記発電素子が配置されていることが好ましい。これらの構成によれば、圧力振動が圧電素子に効率良く伝わるため、圧電素子のたわみ量が増加し、装置の発電効率を向上することが可能となる。
また、上記構成において、前記流路において、前記圧電素子が配置されている部分の径が、他の部分よりも小さいことが好ましい。かかる構成によれば、寸法が急激に小さくなった部位において圧力の上昇が発生する。この圧力上昇のもっとも大きい部位に圧電素子の中心を配置することで、圧電素子のひずみを増加させることができる。これにより、装置の発電効率を向上できる。
また、上記構成において、前記受熱部または前記放熱部の少なくとも一方に、蓄熱材からなる蓄熱部を有することが好ましい。また、上記構成において、前記受熱部と前記放熱部との間に、断熱材からなる断熱部を有することが好ましい。これらの構成によれば、装置の微小化によって困難になった温度勾配の維持を容易にすることが出来る。このため、小型化しても発電効率を維持することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本実施の形態における熱発電装置の斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。以下、同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図1(a)(b)において、100は圧電素子、101は圧力発電部、101aは振動板、102は流路、102aは流路のターン部、103は放熱部、104は受熱部である。流路102内には作動流体としての熱媒体が、気相状態および液相状態で封入されている。105は、圧電素子100のそれぞれに接続された整流回路、106は各整流回路に接続された蓄電部である。
図1(b)において、受熱部104において熱媒体に熱が伝わり、熱媒体の気相と液相との界面で断続的な核沸騰が生じる。核沸騰の後、膨張した気泡は断熱膨張し温度降下を起こすため、膨張の瞬断が起こる。本実施の形態における熱発電装置はこの核沸騰と瞬断による圧力波と、これに付随して起こる間欠的圧縮作用による振動エネルギーとを圧電素子100に伝えることによって発電を行う。流路102に沿った圧力振動の伝播方向に対して圧電素子100を垂直に配置することにより、圧力を効率よく圧電素子に伝えることが出来る。このとき、圧電素子の曲げ中心が圧電素子の膜厚寸法の中心と一致すると、圧電膜の引張り部と圧縮部において逆位相の電界が発生し、電界が打ち消しあってしまう。このため、圧電素子100に振動板101aを結合させ、曲げ中心が圧電素子中にならないように設定することが望ましい。
圧電素子100に伝えられた振動エネルギーは、圧電素子100により電力に変換される。このとき、圧電素子100からはそれぞれ位相の異なる交流電流が発生する。発生した交流電流は、それぞれの圧電素子100に接続された整流回路105により整流され直流電流に変換される。整流回路105により得られた直流電流は、整流回路に接続された蓄電部106に電気エネルギーとして蓄えられる。蓄電部106としては、コンデンサや2次電池などを用いることができる。
(実施の形態2)
図2は、本実施の形態2における熱発電装置の断面図である。本実施形態では、圧力発電部101を放熱部103側にも設けたものである。このように圧力発電部を、放熱部103および受熱部104の双方に配置することにより、熱発電装置の単位体積あたりの発電量を増やすことが出来る。圧力発電部101の構成としては、実施の形態1と同様の構成を用いることができる。なお、圧力発電部を、放熱部側のみに設けた構成とすることも可能である。
(実施の形態3)
図3は、本実施の形態3における熱発電装置の断面図である。本実施形態では、受熱部104に蓄熱材からなる蓄熱部301を取付けている。このような構成により、熱勾配の維持時間を伸ばすことができ、不安定な温度入力に対しても安定に動作させることが可能となる。
(実施の形態4)
図4は、本実施の形態4における熱発電装置の断面図である。本実施形態では、受熱部104と放熱部103との間に、断熱材からなる断熱部401を配置することで、熱勾配の維持時間を伸ばすことができ、不安定な温度入力に対しても安定に動作させることが可能となる。
(実施の形態5)
図5は、本実施の形態5における熱発電装置の断面図である。本実施形態では、放熱部103から受熱部104に向かう流路の延長上であって、流路の中心軸502の延長線上に圧電素子100の中心がくるように構成している。この構成により、熱媒体の核沸騰により発生した圧力が圧電素子100の中心に効率的に伝わるようになる。その結果、圧電素子100のたわみ量が増し発電量を増加させることができる。
(実施の形態6)
図6は、本実施の形態6における熱発電装置の断面図である。本実施形態では、圧力発電部101を配置した部分の流路の径601を、流路の他の部位よりも小さくさせている。この構成により、流路の径が急激に小さくなった部分で圧力が高まり、圧力発生部の圧電素子100に大きな圧力が伝わる。これにより発電量を大きくすることができる。なお、流路の径を小さくした箇所を圧電素子100の中心位置に合わせることにより、より発電量を大きくすることが可能となる。
(実施例1)
本実施例における熱発電装置は、スパッタリングによる薄膜形成とフォトリソグラフィ、エッチング、陽極接合を用いて作製する。
図7に本実施例の熱発電装置の製造プロセスを示す。図7〜図9は発電部分のプロセスフローであり、図10は流路部分のプロセスフローである。図7〜図10は基板中心部の断面図と基盤上面図によって表現している。図11は発電部分と流路部分の組み立て図である。図7(a1)において701aはシリコン基板、701bは下部Pt電極、701cはPZT圧電膜である。図7(a2)において701dは犠牲層Aであり、図7(a4)に示す701eは犠牲層Bである。図7(a6)における701fは絶縁層であり、図8(a7)に示す701gは上部Pt電極である。図8(a8)の701hは犠牲層C、図8(a10)の701iは保護層、図8(a11)の701jは整流回路、701kは蓄電装置である。図8(a12)に示す701lは犠牲層Dである。図10(b)の702aはシリコン基板であり、702bは熱媒体注入口であり、702cは犠牲層Eである。図11(c1)の703aは発電部加工基板であり、703bは流路加工基板、703cはガラス基板である。
まず、発電部分の製造方法について説明する。図7(a1)に示すように、まず厚さを200μm厚に加工したシリコン基板701a上に、スパッタリングによって下部白金Pt電極701bと、1μm厚のPZT圧電膜701cを形成する。
次に図7(a2)ではPZT圧電膜701c上に犠牲層A701dを塗布し、リソグラフィにより、犠牲層A701dを図に示すパターンに加工する。その後、この犠牲層A701dを用いてエッチングすることにより、PZT圧電膜701cを同じパターンに加工し、犠牲層A701dを除去する(図7(a3))。次の工程では、図7(a4)のようなパターンに犠牲層B701eをリソグラフィにて加工し、その後エッチングにより下部Pt電極701bを加工する。その後、犠牲層B701eの剥離を行うことにより、図7(a5)のように下部電極701bをPZT圧電膜701aの側方より露出させる。
次にPZT圧電膜の両面の電極を絶縁するための絶縁層701f(レジスト)を図7(a6)のようにパターンニングする。
次に図8(a7)に示すように、上部Pt電極701gをスパッタによって膜付けする。次に上部Pt電極701g上に犠牲層C701hをリソグラフィによってパターンニングし(図8(a8))、エッチングと犠牲層C701hの剥離を行うことで図8(a8)に示すパターンと反転した形状に上部Pt電極を加工することができる(図8(a9))。ここで、図8(a9)に示すように、下部Pt電極701bを基板表面に露出させることでPZT圧電膜701cより発生する電力を取り出すことができるようにしている。
以上のようにして、形成した配線上にリソグラフィにより保護層701iを形成し、配線が必要な箇所以外は表面に露出させないようにし(図8(a10))、露出した配線上に整流回路701j及び蓄電装置701kを実装する。今回はチップ上の整流回路701jを使用するが、シリコン基板を露出する構造にして基板上に整流回路を作成しても良い。各発電素子にて発生した電力は、それぞれ位相の異なる交流電流であるため、お互いの電流を打ち消しあってしまう。このため、それぞれの素子に整流回路701jを設置し、直流電流にしてからコンデンサなどの蓄電装置701kに電力を蓄える構成を採用する。
次に図8(a12)に示すように、シリコン基板701a側に犠牲層D701lを図に示したパターンに加工する。その後ドライエッチングによって犠牲層D701lと逆パターンに流路を形成する(図9(a13))。
以上の工程によって発電部を作成する(図9(a14))。
次に、別のシリコン基板702a上に流路を加工する。まず図10(b1)に示すように、基板と水平方向にリソグラフィとドライエッチングにより、流路を形成する。このとき、熱媒体注入口702bを基板上に形成しておく。次に図10(b2)に示すようなパターンをリソグラフィによって加工し、図10(b3)のようにドライエッチングによって基板を貫通する。犠牲層E702cを取り除いた状態が図10(b4)である。この図における破線は基板裏面の流路の輪郭線を現している。
以上のようにして作成した発電部加工基板703aと流路加工基板703bとガラス基板703cを、図11(c1)のように接合することで流路を形成することができる。また、本実施例では、3つの基板のうち、パイレックス(登録商標)ガラス基板に熱媒体の封入用の流路を作製し、封止用チューブ(図示せず)を接続する。この封止用チューブに真空ポンプを接続し、流路内を真空とした後に、水を熱媒体として封入する。熱媒体の封入後、熱媒体封入用の流路を紫外線硬化樹脂で満たし、ガラス側から紫外線を照射して封止する。
以上のような製造プロセスにより、数十〜数百μmの径の流路が得られると共に、基板厚さ方向に蛇行させ、かつ流路同士を高密度に集積させることが可能となる。流路の細径化により、熱媒体の単位体積あたりの管壁面積が増大するため、熱抵抗が減少する。したがって、熱から自励振動へのエネルギー変換が容易になり、エネルギー変換過程における損失が減少する。
本実施例では、流路の径が200μm、圧力発電部における流路の長さが600μm、基板と垂直な方向の流路の長さが1000μmである。また、隣り合う流路の間隔は200μm、PZT圧電膜の膜厚は1μm、振動板の膜厚は10μmである。熱発電装置全体の大きさは、6mm×6mm、厚さ2mmであり、その中に圧力発電部を72個配置している。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施例では流路をZ方向とX−Y方向に蛇行して配置している。この構成により、従来のヒートパイプにおけるボトムヒートモード、トップヒートモードに加え、これらの方向と直行する方向からの温度勾配からでもヒートパイプの駆動が可能となる。
なお、本実施例では、ループ型流路において必須である逆支弁の加工が困難であること、熱媒体の封止が容易であるという観点から非ループ型流路形状に加工しているが、ループ型の流路形状であっても同様に圧力振動を用いて発電することができる。
本実施例の熱発電装置では、放熱部の作動体温度が38℃、受熱部作動流体温度が52℃のとき5kPaの圧力差が発生し、24V程度の電位が各圧電素子に発生する。圧電素子一つあたり最大で約41nWの発電量となり、装置全体では約3μWの発電量が得られる。
(実施例2)
図2は、本実施例における熱発電装置の断面図である。実施例1との違いは、受熱部側に加え、放熱部側にも圧力発電部を設けている点である。かかる構成によれば、装置の単位体積あたりの圧電素子の面積を増やせるため発生電力が増加する。
本実施例の熱発電装置は、実施例1と同様の製造プロセスを用いて、圧電素子を加工したシリコン基板を、流路を形成したシリコン基板の両面に配置することにより得られる。また、本実施例では熱媒体封入後の流路の封止には実施例1と同様に紫外線硬化樹脂を用いるが、より簡便に封止したいのであれば、低粘度の瞬間接着剤を用いてもよい。
かかる構成によれば、5.2mm×5.2mmの熱発電装置において、圧力発電部を144個配置することが出来る。そして、装置全体では6μW程度の発電量が得られる。
(実施例3)
図3は、本実施例における熱発電装置の断面図である。実施例1との違いは、受熱部104側に蓄熱材からなる蓄熱部301を配置したことである。かかる構成によれば、蓄熱部に熱を蓄積することができるため、熱勾配の維持時間を伸ばすことができ、不安定な温度入力に対しても安定動作が可能となる。
本実施例の熱発電装置は、実施例1と同様の製造プロセスを用いて熱発電装置を作製した後、受熱部側に蓄熱材を塗布することにより得られる。蓄熱材としては、酢酸ナトリウム系の蓄熱材を用いることができる。受熱部に蓄熱材を配置することにより、安定した熱入力を維持することができる。
(実施例4)
図4は、本実施例における熱発電装置の断面図である。実施例1との違いは、受熱部と放熱部の間に、断熱材からなる断熱部を配置している点である。本実施例においては、断熱部401をエポキシ系ドライフィルムレジストによって形成している。かかる構成によれば、断熱部により受熱部と放熱部との間の熱の伝導が低減できるため、熱勾配の維持時間を伸ばすことができ、不安定な温度入力に対しても安定動作ができる。
本実施例の熱発電装置の製造プロセスを図12に示す。圧電素子を形成したシリコン基板にドライフィルムレジスト801を塗布し、露光、現像を行う(図12(a)、(b))。その後、流路を形成したガラス基板802を圧着させながら熱処理を行い、接着する(図12(c)、(d))。この断熱部を配置することにより、熱媒体以外による熱拡散を防ぐことができ、温度勾配を維持することが可能となる。
(実施例5)
図5は本実施例における熱発電装置の断面図である。実施例1との違いは、放熱部103から受熱部104に向かう流路の延長上であって、流路の中心軸502の延長線上に圧電素子100の中心がくるように構成している点である。これにより、熱媒体の核沸騰により発生した圧力が圧電素子100の中心に効率的に伝わるようになり、圧電素子のたわみが最も大きくなる。
本実施例の熱発電装置は実施例1と同様の製造プロセスで作製できる。流路の寸法は圧力発電部における流路の長さが700μm、流路の径が200μm、基板と垂直な方向の流路の長さが1000μmである。
本実施例では、熱媒体に水を用いた場合、放熱部作動流体温度38℃、受熱部作動流体温度52℃のとき5kPaの圧力差が発生し、46V程度の電位が発生する。圧電素子一つあたり約155nWの発電量となり、装置全体では約3μWの発電量が得られる。このように、低温度差での熱発電が可能となる。
(実施例6)
図6は本実施例における熱発電装置の断面図である。実施例1との違いは圧力発電部の圧電素子100の中心において、流路102の径を他の部分よりも狭くしている点である。かかる構成によれば、圧電素子の中心で圧力が上昇し、よりも大きなひずみが得られるため、発電効率を上昇できる。
本発明にかかる熱発電装置は、例えば、ユビキタスセンサー用小型自己発電装置等として有用である。またモバイル用補助電源、集積回路用廃熱回収発電装置等の用途にも応用できる。
本発明にかかる実施の形態1及び実施例1の熱発電装置の構成図 本発明にかかる実施の形態2および実施例2の熱発電装置の断面図 本発明にかかる実施の形態3および実施例3の熱発電装置の断面図 本発明にかかる実施の形態4および実施例4の熱発電装置の断面図 本発明にかかる実施の形態5および実施例5の熱発電装置の断面図 本発明にかかる実施の形態6および実施例6の熱発電装置の断面図 本発明にかかる実施例1における熱発電装置の製造プロセスを示す図 本発明にかかる実施例1における熱発電装置の製造プロセスを示す図 本発明にかかる実施例1における熱発電装置の製造プロセスを示す図 本発明にかかる実施例1における熱発電装置の製造プロセスを示す図 本発明にかかる実施例1における熱発電装置の製造プロセスを示す図 本発明にかかる実施例4における熱発電装置の製造プロセスを示す図 従来の自励振動ヒートパイプの模式図
符号の説明
100 圧電素子
101 圧力発電部
101a 振動板
102 流路
102a ターン部
103 放熱部
104 受熱部
105 整流回路
106 蓄電部
301 蓄熱部
401 断熱部
701a シリコン基板
701b 下部Pt電極
701c PZT圧電膜
701d 犠牲層A
701e 犠牲層B
701f 絶縁層
701g 上部Pt電極
701h 犠牲層C
701i 保護層
701j 整流回路
701k 蓄電装置
701l 犠牲層D
702a シリコン基板
702b 熱媒体注入口
702c 犠牲層E
703a 発電部加工基板
703b 流路加工基板
703c ガラス基板
801 ドライフィルムレジスト
802 ガラス基板
901 受熱部
902 放熱部
903 気相
904 液相

Claims (8)

  1. 受熱部と放熱部との間を複数回往復する流路に、気相及び液相の熱媒体を封入してなる自励振動ヒートパイプと、
    前記流路に配置され、前記熱媒体の相変化によって発生する圧力振動を電力に変換する圧電素子と、
    を有する熱発電装置。
  2. 前記圧電素子により得られた前記電力を直流電流に整流する整流回路と、
    前記整流回路により得られた前記直流電流を蓄える蓄電部と、
    を有する請求項1に記載の熱発電装置。
  3. 前記放熱部から前記受熱部に向かう前記流路の延長線上に、前記圧電素子が配置されている請求項1または2に記載の熱発電装置。
  4. 前記受熱部から前記放熱部に向かう前記流路の延長線上に、前記圧電素子が配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の熱発電装置。
  5. 前記流路の延長線上であって前記流路の中心軸の延長線上に、前記圧電素子の中心が位置するように前記発電素子が配置されている請求項3または4に記載の熱発電装置。
  6. 前記流路において、前記圧電素子が配置されている部分の径が、他の部分よりも小さい請求項1〜5のいずれかに記載の熱発電装置。
  7. 前記受熱部または前記放熱部の少なくとも一方に、蓄熱材からなる蓄熱部を有する請求項1〜6のいずれかに記載の熱発電装置。
  8. 前記受熱部と前記放熱部との間に、断熱材からなる断熱部を有する請求項1〜7のいずれかに記載の熱発電装置。
JP2008139187A 2008-05-28 2008-05-28 熱発電装置 Pending JP2009290960A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008139187A JP2009290960A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 熱発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008139187A JP2009290960A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 熱発電装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009290960A true JP2009290960A (ja) 2009-12-10

Family

ID=41459591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008139187A Pending JP2009290960A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 熱発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009290960A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110235277A1 (en) * 2010-03-25 2011-09-29 Jang Yung-Li Heat pipe capable of transforming dynamic energy into electric energy and related heat-dissipating module
WO2011135970A1 (ja) * 2010-04-28 2011-11-03 ダイハツ工業株式会社 発電システム
CN102931879A (zh) * 2012-11-28 2013-02-13 浙江大学 热电-压电复合型柔性微发电装置
KR101399515B1 (ko) * 2012-08-23 2014-06-20 한영진 히트 파이프 내에서 유발시킨 기류의 속도 변화를 이용한 발전 시스템
CN104578978A (zh) * 2015-01-15 2015-04-29 苏州荷达新能源技术有限公司 一种便携可穿戴的温差发电装置
GB2547487A (en) * 2016-02-12 2017-08-23 Univ Bath Apparatus and method for generating electrical energy
US11415468B2 (en) * 2017-05-26 2022-08-16 Kelk Ltd. Thermoelectric generator transmitter

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8351207B2 (en) * 2010-03-25 2013-01-08 Wistron Corporation Heat pipe capable of transforming dynamic energy into electric energy and related heat-dissipating module
US20110235277A1 (en) * 2010-03-25 2011-09-29 Jang Yung-Li Heat pipe capable of transforming dynamic energy into electric energy and related heat-dissipating module
TWI399513B (zh) * 2010-03-25 2013-06-21 Wistron Corp 可將動能轉換為電能的熱管及其相關散熱模組
US9190597B2 (en) 2010-04-28 2015-11-17 Daihatsu Motor Co., Ltd. Power-generating system
CN102792579A (zh) * 2010-04-28 2012-11-21 大发工业株式会社 发电系统
WO2011135970A1 (ja) * 2010-04-28 2011-11-03 ダイハツ工業株式会社 発電システム
KR101399515B1 (ko) * 2012-08-23 2014-06-20 한영진 히트 파이프 내에서 유발시킨 기류의 속도 변화를 이용한 발전 시스템
CN102931879A (zh) * 2012-11-28 2013-02-13 浙江大学 热电-压电复合型柔性微发电装置
CN102931879B (zh) * 2012-11-28 2014-12-17 浙江大学 热电-压电复合型柔性微发电装置
CN104578978A (zh) * 2015-01-15 2015-04-29 苏州荷达新能源技术有限公司 一种便携可穿戴的温差发电装置
CN104578978B (zh) * 2015-01-15 2019-04-12 苏州荷达新能源技术有限公司 一种便携可穿戴的温差发电装置
GB2547487A (en) * 2016-02-12 2017-08-23 Univ Bath Apparatus and method for generating electrical energy
GB2547487B (en) * 2016-02-12 2020-08-12 Univ Bath Apparatus and method for generating electrical energy
US10811586B2 (en) 2016-02-12 2020-10-20 University Of Bath Apparatus and method for generating electrical energy
US11415468B2 (en) * 2017-05-26 2022-08-16 Kelk Ltd. Thermoelectric generator transmitter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009290960A (ja) 熱発電装置
US10561041B2 (en) Titanium thermal module
US7134486B2 (en) Control of electrolysis gases in electroosmotic pump systems
US7131486B2 (en) Electroosmotic microchannel cooling system
Ju et al. Planar vapor chamber with hybrid evaporator wicks for the thermal management of high-heat-flux and high-power optoelectronic devices
US8987891B2 (en) Heat sink apparatus for microelectronic devices
JP2005229047A (ja) 電子機器の冷却システム、及び、それを使用した電子機器
JP2002081874A (ja) プレート型ヒートパイプ及びその製造方法
JP2009141079A (ja) 熱電素子モジュール
KR20110053426A (ko) 열전모듈 장치, 방법 및 시스템
JP5872985B2 (ja) 自励振動ヒートパイプ
US20210071963A1 (en) Bendable Flat Heat Pipe Devices, Systems, and Methods
CN103943576A (zh) 集成薄膜蒸发热分散器和平面热管散热器
KR101620725B1 (ko) 적층형 열전 발전 장치
JP2007100992A (ja) フレキシブルヒートパイプおよびその製造方法
JP4380250B2 (ja) 熱輸送装置、電子機器装置及び熱輸送装置の製造方法
Yao et al. Study on heat pipe heat dissipation of high-power ultrasonic transducer
WO2012161002A1 (ja) 平板型冷却装置及びその使用方法
CN110556347B (zh) 液态金属复合振荡热管型散热器
CN102157470A (zh) 一种集成电流体动力泵的微型lhp散热系统
JP6445522B2 (ja) マイクロギャップ熱光起電力デバイス用マイクロチャネルヒートシンク
JP2012237491A (ja) 平板型冷却装置、その製造方法及びその使用方法
JP4486844B2 (ja) 熱輸送装置
KR20060085956A (ko) 마이크로핀 열 교환기
US8037693B2 (en) Method, apparatus, and system for cooling an object