JP2009288786A - リン酸アミン含有電荷発生層光導電体 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、全般的には撮像部材、感光体、光導電体等に関する。
特許文献1には、正孔阻止層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、を含む光導電性撮像部材であって、前記正孔阻止層が、金属酸化物、および少なくとも2つのフェノール基を有するフェノール化合物とフェノール樹脂との混合物を含む正孔阻止層である、光導電性撮像部材を記載している。
本開示は、全般的には撮像部材、感光体、光導電体等に関する。より具体的には、本開示は、基板等の支持媒体と、電荷発生層と、電荷輸送層(第1の電荷輸送層および第2の電荷輸送層等の複数の電荷輸送層の場合をも含む)と、を含み、電荷発生層が添加剤またはドーパントとしてリン酸アミンを含有する、ドラム型、多層ドラム型、またはフレキシブルベルト型の撮像部材または装置;ならびに、基板等の支持媒体と、リン酸アミン含有電荷発生層と、電荷輸送層と、を含む光導電体に関する。この結果、得られる光導電体は多くの利点を有する。例えば、ある実施形態においては、電荷不足スポット(charge deficient spot;CDS)が最小化され、ゼログラフィー画像等の現像画像上での望ましくないゴースト(ghosting)発生が最小化されるまたは実質的に除去され(種々の相対湿度におけるゴースト発生の改善を含む)、優れたサイクル特性および安定な電気的特性が得られ、電荷発生および電荷輸送の樹脂バインダとの相溶性が得られ、ならびに例えば優れた側方電荷移動(lateral charge migration;LCM)抵抗等の許容可能なLCM特性が得られる。実施形態において、少なくとも1つとは、例えば1や、1〜約10や、2〜約6や、2〜約4や、2等を意味する。
本開示の範囲にはまた、本明細書に記載の光導電体装置を用いた撮像方法および印刷方法も含まれる。これらの方法では一般的に、撮像部材上に静電潜像を形成し、次いでその像を、例えば熱可塑性樹脂、顔料等の色材、帯電添加剤、および表面添加剤を含むトナー組成物で現像する。装置が印刷モードで使用される環境では、撮像方法は、露光がレーザー装置またはイメージバーで行われ得ること以外は、同じ操作を含む。より具体的には、一部のバージョンでは1分当たり100部を超えるコピーを作成するゼロックスコーポレーション(Xerox Corporation)社製iGEN3(登録商標)機用に、本明細書に記載の撮像部材およびフレキシブルベルトを選択することができる。撮像プロセス、特に、デジタルおよび/またはカラー印刷を含む、ゼログラフィーによる撮像および印刷も、本開示に包含される。
ある実施形態では、本明細書に開示されている光導電体は、例えば約400〜約900ナノメートル、特に約650〜約850ナノメートルの波長領域に感度を有し、したがって、ダイオードレーザーを光源として選択することができる。更に、本明細書に開示されている光導電体は、実施形態により、高解像度カラーゼログラフィーへの応用、特に高速カラーコピー/印刷プロセスに有用である。
電荷発生層にドーパントを含み、可能ならば、許容可能な光放電(PIDC)値、優れた側方電荷移動(LCM)抵抗、電荷不足スポット(CDS)数の減少、および優れたサイクル安定特性を有する、撮像部材および光導電体が開示される。
更に、例えばアミノシラン(本開示を通じて、その数が明記されていない要素については複数でも単数でもよい。したがって、単一のアミノシランを選択することもでき、複数のアミノシランを選択することも可能である。)と、金属酸化物と、フェノール樹脂と、場合によってはさらにフェノール化合物と、を含む正孔阻止層を所望により含んでもよい、フレキシブルベルト型撮像部材が開示される。ここでフェノール化合物は、少なくとも2つ、より具体的には2〜10個のフェノール基、または重量平均分子量が例えば約500〜約3,000のフェノール樹脂を含む。以上により、例えば非常に効率的な電子輸送を有する正孔阻止層を可能にし、通常これにより、低い残留電位VIOWを有する所望の光導電体が得られる。
本明細書に記載の光導電体は、ある実施形態では、許容可能な低い撮像ゴースト発生特性、低いバックグラウンドおよび/または最小限の電荷不足スポット(CDS)、ならびに所望のトナー洗浄性を有する。実施形態において、少なくとも1つとは、例えば1や、1〜約10や、2〜約7や、2〜約4や、2等を意味する。
本発明によれば、(1)支持基板と、電荷発生層と、少なくとも1つの電荷輸送成分を含む電荷輸送層と、を含み、前記電荷発生層が少なくともリン酸アミン(amine phosphate)を含む、光導電体が提供される。
(3)前記(1)において、前記リン酸アミンが、リン酸トリエタノールアミン、リン酸トリエチルアミン、リン酸スペルミン、リン酸スペルミジン、リン酸イソプロパノールアミン、ヒスタミン二リン酸塩水和物、リン酸ドデシルアミンセチル、酸性リン酸デシルアミンセチル、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル、酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチル、およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記電荷輸送成分が、以下の化学式の少なくとも1つを含む、(1)に記載の光導電体が提供される。
および
(式中、Xは、アルキル、アルコキシ、アリール、およびハロゲンの少なくとも1つからなる群から選択される。)
(4)前記(1)において、前記電荷輸送成分が、N,N'−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−クロロフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''ジアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアリールアミンであり、前記電荷輸送層が、1、2、3、または4つの層を含み、前記電荷発生層が、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、およびチタニルフタロシアニンの少なくとも1つを含む電荷発生顔料を含み、前記リン酸アミンが、リン酸トリエタノールアミン、リン酸トリエチルアミン、リン酸スペルミン、リン酸スペルミジン、リン酸イソプロパノールアミン、ヒスタミン二リン酸塩水和物、酸性リン酸ドデシルアミンセチル、酸性リン酸デシルアミンセチル、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル、酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、(1)に記載の光導電体が提供される。
本開示の態様は、支持基板と、電荷発生層と、少なくとも1つの電荷輸送成分を含む少なくとも1つの電荷輸送層と、を含み、その電荷発生層が少なくとも1つの電荷発生成分および本明細書に記載の添加剤またはドーパントを含む、光導電体;支持基板と、リン酸アミン含有電荷発生層と、少なくとも1つの電荷輸送成分を含む電荷輸送層と、を含む光導電体;所望により設けても設けなくともよい支持基板と、正孔阻止層と、接着層と、リン酸アミン電荷発生層と、電荷輸送層と、を順番に含む光導電体;前記電荷輸送成分が、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−クロロフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアリールアミンであり、少なくとも1つの電荷輸送層が1〜約4つの層である、光導電体;前記電荷発生顔料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ハロガリウムフタロシアニン、またはペリレンである、光導電体;前記リン酸アミンが、電荷発生層中に、例えば約0.01〜約25重量パーセント、0.5〜約10重量パーセント、または約2〜約8重量パーセントの量で存在する、光導電体;前記基板が導電性材料である光導電体;ならびに、支持基板と、該支持基板上の電荷発生層、電荷輸送層および保護トップオーバーコート層と、を順番に含むフレキシブル光導電性撮像部材;正孔阻止層および接着層を含み、接着層が正孔阻止層と前記電荷発生層との間に位置し、正孔阻止層が基板と接着層との間に位置する、光導電体;ならびに前記添加剤またはドーパントが、例えば約3〜約7重量パーセント等の種々の有効量で選択することができる、光導電体、に関する。
電荷発生性の添加剤またはドーパントの例としては、例えばリン酸アミン等の多くの公知の好適な成分が挙げられる。
電荷発生層に含まれるリン酸アミンの例としては、通常、リン酸または酸性リン酸エステル(acid phosphate)を制御の下でアミンで中和することで調製されるものが挙げられる。市販の酸性リン酸エステルは典型的には、例えば以下の化学式で表されるものの混合物である。
および
(式中、例えば、R4は炭素数約1〜約20のヒドロカルビル基であり、R5は水素または炭素数約1〜約20のヒドロカルビル基である。)酸性リン酸エステルは一般的にP2O5とアルコールとの反応によって調製される。
リン酸または酸性リン酸エステルをアミンで中和してリン酸アミンを調製する際、中和の制御は、リン酸または酸性リン酸エステルに添加するアミンの量を、アミン/酸性リン酸エステルまたはアミン/リン酸のモル比を約1.2〜1または約1.1〜1に制限することで行うことができる。
酸性リン酸エステルの例としては、酸性リン酸ブチルエステル(butyl acid phosphate)、酸性リン酸オクチルエステル(octyl acid phosphate)、酸性リン酸デシルエステル(decyl acid phosphate)、酸性リン酸ドデシルエステル(dodecyl acid phosphate)、酸性リン酸セチルエステル(cetyl acid phosphate)、酸性リン酸オクタデシルエステル(octadecyl acid phosphate)等、およびこれらの混合物が挙げられる。
例えば炭素数が約2〜約24のアミンの例としては、トリエチルアミン、スペルミン、スペルミジン、ヒスタミン、1,2−エチレンジアミン、ドデシルアミン、デシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルメチルアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等、およびこれらの混合物が挙げられる。
電荷発生層に導入されるリン酸アミン化合物の例としては、リン酸トリエタノールアミン(triethanolamine phosphate)、リン酸トリエチルアミン(triethylamine phosphate)、リン酸スペルミン(spermine phosphate)、リン酸スペルミジン(spermidine phosphate)、リン酸イソプロパノールアミン(isopropanolamine phosphate)、ヒスタミン二リン酸水和物(histamine diphosphate hydrate)、酸性リン酸ドデシルアミンセチル(dodecylamine cetyl acid phosphate)、酸性リン酸デシルアミンセチル(decylamine cetyl acid phosphate)、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル(octadecylamine cetyl acid phosphate)、酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチル(didecylmethylamine cetyl acid phosphate)等、およびこれらの混合物が挙げられる。
電荷発生層に含まれるリン酸アミンの例としては、以下の少なくとも1つで表されるものが挙げられる。
および
光導電層成分
本明細書に開示されている光導電体には、基板、電荷発生層、電荷輸送層(CTL)、正孔阻止層、接着層、保護オーバーコート層等の多くの公知の層を選択することができる。これらの層の多くの例、厚さ、具体的成分としては以下のものが含まれる。
本明細書に開示されている光導電体には、基板、電荷発生層、電荷輸送層(CTL)、正孔阻止層、接着層、保護オーバーコート層等の多くの公知の層を選択することができる。これらの層の多くの例、厚さ、具体的成分としては以下のものが含まれる。
光導電体の基板層の厚さは、経済的検討事項、所望の電気的性質、適当な柔軟性等の種々の要因に依存する。したがって、基板層は、例えば約1,000〜約2,000ミクロン、約500〜約1,000ミクロン、または約300〜約700ミクロン等(本明細書を通じて、「約」とは、記載した値の間の全ての値を含む)、3,000ミクロンを超えるような、かなりの厚さでもよく、最小限の厚さであってもよい。ある実施形態では、この層の厚さは約75ミクロン〜約300ミクロンまたは約100〜約150ミクロンである。実施形態によっては、光導電体は基板を含まなくてもよく、例えば通常基板に接触している層の厚さを大きくしてもよい。光導電体ドラムの場合、基板または支持媒体は、例えば数センチ(many centimeters)までのかなりの厚さであってもよく、1ミリメートル未満といった最小限の厚さであってもよい。同様に、フレキシブルベルトは、最終的な電子写真装置に悪影響を与えない限り、例えば約250マイクロメートルといったかなりの厚さであってもよく、約50マイクロメートル未満といった最小限の厚さであってもよい。
また、ある実施形態では、光導電体は阻止層と、接着層と、トップオーバーコート保護層と、カール防止裏引き層と、を含んでもよい。
光導電体の基板は不透明、実質的に不透明、または実質的に透明であってもよく、例えば光導電体の層が支持されるようにする任意の好適な材料が含まれてもよい。したがって、基板は多くの公知の層を含んでもよく、より具体的には、基板は無機組成物または有機組成物等の、非導電性または導電性の材料を含んでもよい。非導電性材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン等、この目的のために公知の種々の樹脂を選択することができ、これらは薄いウェブ(thin web)として柔軟である。導電性基板は、例えばアルミニウム、ニッケル、スチール、銅等といった任意の好適な金属を含んでもよく、あるいは、炭素や金属粉末等といった導電性物質で充填されたポリマー材料を含んでもよく、あるいは導電性有機材料を含んでいてもよい。絶縁性基板または導電性基板は、エンドレスフレキシブルベルト、ウェブ、剛性シリンダー、シート等の形態であってよい。
基板層に導電性を付与する実施形態では、導電性コーティングによって基板層の表面に導電性を付与してもよい。この導電性コーティングの厚さは、光学的透明性、所望の柔軟性の程度、および経済的要因に依存して異なってもよく、ある実施形態では、この層の厚さは約0.05ミクロン〜約5ミクロンとすることができる。
基板の例示的な例は、本明細書に記載されており、より具体的には本開示の光導電体に選択される支持基板層には、市販のポリマーであるMYLAR(登録商標)やチタン含有MYLAR(登録商標)等の無機または有機のポリマー材料といった絶縁性材料の層、および半導電性表面層を有する有機または無機の材料の層(例えばその上に酸化インジウムスズもしくはアルミニウムが配置された有機または無機の材料の層)、またはアルミニウム、クロム、ニッケル、黄銅等の導電性材料の層などがある。基板は柔軟性、シームレス、または剛性であってもよく、例えばプレート、円筒形ドラム、巻物(scroll)、エンドレスフレキシブルベルト等の多くの異なる形状であってよい。ある実施形態では、基板はシームレスフレキシブルベルトの形態である。いくつかの状況、特に基板が柔軟性の有機ポリマー材料である場合には、例えばMAKROLON(登録商標)として市販されているポリカーボネート材料等のカール防止層を基板の裏にコーティングすることが望ましい場合がある。
一般的に、電荷発生層は、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、より具体的にはアルキルヒドロキシガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ペリレン、特にビス(ベンズイミダゾ)ペリレン、チタニルフタロシアニン等、更により具体的にはバナジルフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、セレン、セレン合金、三方晶セレン等の無機成分等の、公知の電荷発生顔料を含んでもよい。電荷発生顔料は、電荷輸送層に選択した樹脂バインダと同様の樹脂バインダに分散させてもよいし、あるいは樹脂バインダが存在しなくてもよい。一般的に、電荷発生層の厚さは、その他の層の厚さ、電荷発生層に含まれる電荷発生材料の量等の多くの要因に依存する。したがって、電荷発生層の厚さは、例えば電荷発生組成物が約30〜約75体積パーセントの量で存在するとき、例えば約0.05ミクロン〜約10ミクロンであってもよく、より具体的には約0.25ミクロン〜約2ミクロンであってもよい。
ある実施形態では、電荷発生成分または顔料は樹脂系バインダ中に種々の量で存在し、例えば存在する電荷発生成分の重量に対して100重量パーセントでもよい。しかし、一般的に、約95体積パーセント〜約5体積パーセントの樹脂系バインダに約5体積パーセント〜約95体積パーセントの電荷発生顔料が分散されるか、約70体積パーセント〜約80体積パーセントの樹脂系バインダ組成物に約20体積パーセント〜約30体積パーセントの電荷発生顔料が分散される。一実施形態では、約10体積パーセントの樹脂系バインダ組成物に約90体積パーセントの電荷発生顔料が分散され、この樹脂は、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン等の多くの公知のポリマーから選択することができる。装置の、既にコーティングされているその他の層を実質的に乱さないか悪影響を与えない塗布溶剤を選択することが望ましい。電荷発生層の塗布溶剤の例としては、ケトン、アルコール、芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、エーテル、アミン、アミド、エステル等が挙げられる。溶剤の具体例としては、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノール、アミルアルコール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メトキシエチル等が挙げられる。
実施形態で電荷発生層成分のマトリックスとして選択することができるポリマーバインダ材料の例は公知であり、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、ポリブタジエン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が含まれる。
電荷発生層の最終的な乾燥厚さは本明細書に記載されている通りであり、例えば約40℃〜約150℃で約15〜約90分間乾燥した後に、例えば約0.01〜約30ミクロンであってよい。より具体的には、例えば約0.1〜約30ミクロンまたは約0.5〜約2ミクロンの厚さの電荷発生層を、基板上や基板と電荷輸送層との間にある他の表面等に塗布あるいは付与することができる。電荷発生層を塗布する前に、所望により電荷阻止層または正孔阻止層を導電性表面に塗布してもよい。所望であれば、電荷阻止層または正孔阻止層または界面層と電荷発生層との間に接着層を含めてもよい。通常、電荷発生層は阻止層上に塗布され、この電荷発生層の上に1または複数の電荷輸送層が形成される。この構造は、電荷輸送層の上または下に電荷発生層を有してもよい。
実施形態によっては、好適な公知の接着層を光導電体に含めてもよい。典型的な接着層材料としては、例えばポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。接着層の厚さは種々に変わり得るが、ある実施形態では、例えば約0.05マイクロメートル(500オングストローム)〜約0.3マイクロメートル(3,000オングストローム)である。接着層は、スプレー法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、巻線ロッドコーティング法(wire wound rod coating)、グラビアコーティング法、バードアプリケータコーティング法等によって正孔阻止層上に付与することができる。付与された塗膜の乾燥は、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、風乾等によって行うことができる。
通常正孔阻止層と電荷発生層に接触している、または正孔阻止層と電荷発生層の間に位置している接着層として、コポリエステル、ポリアミド、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル等の種々の公知物質を選択することができる。接着層の厚さは、例えば約0.001ミクロン〜約1ミクロンまたは約0.1〜約0.5ミクロンである。所望により、本開示の実施形態によっては、接着層は、例えば更に望ましい電気的特性および光学的特性を提供するために、例えば約1〜約10重量パーセントといった有効適量の導電性粒子および非導電性粒子(酸化亜鉛、二酸化チタン、窒化ケイ素、カーボンブラック等)を含んでもよい。
本開示の光導電体のために選択される、所望により設けてもよい、それぞれ1または複数の正孔阻止層または下引き層は、アミノシラン、ドープ金属酸化物、チタン、クロム、亜鉛、スズ等の金属酸化物等の公知の正孔阻止成分;フェノール化合物およびフェノール樹脂の混合物、または2種類のフェノール樹脂の混合物、ならびに所望により含まれるSiO2等のドーパント、等の多くの成分を含み得る。フェノール化合物は通常、ビスフェノールA(4,4'−イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールE(4,4'−エチリデンビスフェノール)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールM(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールP(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールS(4,4'−スルホニルジフェノール)、およびビスフェノールZ(4,4'−シクロヘキシリデンビスフェノール);ヘキサフルオロビスフェノールA(4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール)、レゾルシノール、ヒドロキシキノン、カテキン等の、少なくとも2つのフェノール基を含むものである。
正孔阻止層は、例えば以下を含んでもよい:約20重量パーセント〜約80重量パーセントの、より具体的には約55重量パーセント〜約65重量パーセントの、TiO2等の金属酸化物のような好適な成分;約20重量パーセント〜約70重量パーセントの、より具体的には約25重量パーセント〜約50重量パーセントの、フェノール樹脂;約2重量パーセント〜約20重量パーセントの、より具体的には約5重量パーセント〜約15重量パーセントの、ビスフェノールS等の少なくとも2つのフェノール基を含むフェノール化合物;および約2重量パーセント〜約15重量パーセントの、より具体的には約4重量パーセント〜約10重量パーセントの、SiO2等の合板抑制ドーパント(plywood suppression dopant)。得られる正孔阻止層の厚さは、例えば約0.01ミクロン〜約30ミクロン、より具体的には約0.1ミクロン〜約8ミクロンである。フェノール樹脂の例としては、VARCUM(商標)29159および29101(OxyChem Companyから入手可能)、ならびにDURITE(商標)97(Borden Chemical社から入手可能)等の、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、クレゾールのホルムアルデヒドポリマー;VARCUM(商標)29112(OxyChem Companyから入手可能)等の、アンモニア、クレゾール、およびフェノールのホルムアルデヒドポリマー;VARCUM(商標)29108および29116(OxyChem Companyから入手可能)等の、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールのホルムアルデヒドポリマー;VARCUM(商標)29457(OxyChem Companyから入手可能)、DURITE(商標)SD−423A、SD−422A(Borden Chemical社から入手可能)等の、クレゾールおよびフェノールのホルムアルデヒドポリマー;またはDURITE(商標)ESD556C(Border Chemical社から入手可能)等の、フェノールおよびp−tert−ブチルフェノールのホルムアルデヒドポリマーが挙げられる。
正孔阻止層を基板に塗布してもよい。隣接する光導電層(または電子写真撮像層)と下にある基板の導電性表面との間で正孔に対する電子障壁を形成することができる任意の好適な従来の阻止層を選択することができる。
電荷輸送層には多くの電荷輸送化合物が含まれてもよく、電荷輸送層の厚さは通常、約5ミクロン〜約75ミクロン、より具体的には約15ミクロン〜約40ミクロンである。電荷輸送成分の例としては、以下の式/構造のアリールアミンが挙げられる。
(式中、Xはアルキル、アルコキシ、アリール等の適切な炭化水素およびその誘導体;ハロゲンまたはその混合物、特にClおよびCH3からなる群から選択される置換基である。)ならびに以下の式の分子がある。
および
(式中、X、Y、およびZは独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、またはその混合物であり、YおよびZの少なくとも1つが存在する。)
アルキルおよびアルコキシは、例えば1〜約25個の炭素原子、より具体的には1〜約12個の炭素原子を含む(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、および相当するアルコキシド)。アリールは、6〜約36個の炭素原子を含み得る(例えばフェニル)。ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素、およびフッ素などが挙げられる。ある実施形態では、置換アルキル、置換アルコキシ、および置換アリールを選択することもできる。
電荷輸送層に約40〜約80重量パーセント等の種々の効果的な量で選択することができるアリールアミンの具体例としては、アルキルが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等からなる群から選択される、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(アルキルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4'−ジアミン;ハロ置換基がクロロ置換基である、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(ハロフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン;N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4'−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−クロロフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン等が挙げられる。実施形態によっては、その他の公知の電荷輸送層用分子を選択してもよい。例えば米国特許第4,921,773号および同第4,464,450号を参照できる、
正孔輸送層成分の具体例は、以下の式で表される。
電荷輸送層に選択されるバインダ材料の例としては、ポリカーボネート、ポリアリーレート、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、セルロースポリマー、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(シクロオレフィン)、エポキシ、およびこれらのランダムコポリマーまたは交互コポリマーが挙げられ、より具体的には、ポリ(4,4'−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−A−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4'−シクロヘキシリジンジフェニレン)カーボネート(ビスフェノール−Z−ポリカーボネートとも呼ばれる)、ポリ(4,4'−イソプロピリデン−3,3'−ジメチル−ジフェニル)カーボネート(ビスフェノール−C−ポリカーボネートとも呼ばれる)等のポリカーボネートが挙げられる。ある実施形態では、電気的に不活性なバインダは、分子量が約20,000〜約100,000または分子量Mwが約50,000〜約100,000のポリカーボネート樹脂を含む。一般的に、輸送層は約10〜約75重量パーセントの電荷輸送材料、より具体的には約35重量パーセント〜約50重量パーセントの電荷輸送材料を含む。
1または複数の電荷輸送層中に例えば約50〜約75重量パーセントの量で存在する正孔輸送分子の例は公知であり、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン等のアリールアミン等、本明細書に記載されているものがある。所望であれば、電荷輸送層中の電荷輸送材料は、電荷輸送ポリマー材料、または小分子電荷輸送材料と電荷輸送ポリマー材料の組合せを含んでもよい。
ある実施形態の各電荷輸送層の厚さは約5〜約90マイクロメートルであるが、実施形態によってはこの範囲外の厚さを選択することもできる。電荷輸送層は、正孔輸送層上の静電荷が、その上の静電潜像の形成および保持を防止するのに十分な割合の照射がない場合には伝導されない程度に、絶縁体であるべきである。一般的に、電荷輸送層と電荷発生層の厚さの比率は約2:1〜200:1、場合によっては400:1であってもよい。電荷輸送層は、意図された使用波長領域内の可視光あるいは放射線を実質的に吸収しないが、光生成した正孔を光導電層または電荷発生層から注入することを可能にし、この正孔を輸送して活性層表面上の表面電荷を選択的に放電することを可能にするという点で、電気的に「活性」である。
例えば優れた側方電荷移動抵抗を可能にするために複数の電荷輸送層または少なくとも1つの電荷輸送層に所望により導入してもよい成分または材料の例としては、テトラキスメチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタン(IRGANOX(商標)1010;Ciba Specialty Chemical社から入手可能)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ならびにSUMILIZER(商標)BHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、およびGS(住友化学株式会社から入手可能)、IRGANOX(商標)1035、1076、1098、1135、1141、1222、1330、1425WL、1520L、245、259、3114、3790、5057、および565(Ciba Specialties Chemicals社から入手可能)、およびADEKA STAB(商標)AO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、およびAO−330(旭電化工業株式会社から入手可能)等のその他のヒンダードフェノール系酸化防止剤;SANOL(商標)LS−2626、LS−765、LS−770、およびLS−744(三共株式会社から入手可能)、TINUVIN(商標)144および622LD(Ciba Specialties Chemicals社から入手可能)、MARK(商標)LA57、LA67、LA62、LA68、およびLA63(旭電化工業株式会社から入手可能)、SUMILIZER(商標)TPS(住友化学株式会社から入手可能)等のヒンダードアミン系酸化防止剤;SUMILIZER(商標)TP−D(住友化学株式会社から入手可能)等のチオエーテル系酸化防止剤;MARK(商標)2112、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、329K、およびHP−10(旭電化工業株式会社から入手可能)等のホスファイト系酸化防止剤;ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン(BDETPM)、ビス−[2−メチル−4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル−アミノフェニル)]−フェニルメタン(DHTPM)等のその他の分子が挙げられる。電荷輸送層の少なくとも1つにおける酸化防止剤の重量パーセントは、約0〜約20重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、または約3〜約8重量パーセントである。
通常、開示されているフレキシブル感光体ベルトは、後でシート状に切断される長いウェブ上に種々の光活性コーティングの層を付与することで作製される。各感光体シートの両端を重ね合わせて超音波溶接し、撮像ベルトを形成する。ウェブコーティング作業中の処理量を増やすために、コーティングされるウェブの幅は最終ベルトの幅の2倍にする。コーティング後、ウェブを長さ方向に細長く切り、その後、所定の長さを有するように幅方向(横方向)に切って、最終的にはベルト状に溶接されることになる正確な寸法の感光体シートを形成する。1回のコーティング作業(run)におけるウェブの長さは数千フィートであってよく、コーティング作業は各層について1時間を超えるものであってもよい。
ある実施形態では、電荷発生層に含まれるV型チタニルフタロシアニン顔料の作製は、トリハロ酢酸とハロゲン化アルキレンを含む溶液にI型チタニルフタロシアニンを溶解し;得られた溶解I型チタニルフタロシアニン含有混合物を、アルコールとハロゲン化アルキレンを含む溶液に加えることでY型チタニルフタロシアニンを沈殿させ;得られたY型チタニルフタロシアニンをモノクロロベンゼンで処理することで行う。
電荷発生層に選択されるチタニルフタロシアニンに関して更に、このようなフタロシアニンは他の公知のチタニルフタロシアニン多形体と区別可能な結晶相を示し、I型チタニルフタロシアニンをV型チタニルフタロシアニン顔料に転換することで調製されるV型多形体(polymorph)と呼ばれる。このプロセスは、I型チタニルフタロシアニンをY型チタニルフタロシアニンと呼ばれる中間体チタニルフタロシアニンに転換し、続いてこのY型チタニルフタロシアニンをV型チタニルフタロシアニンに転換することを含む。
実施例I
I型チタニルフタロシアニンの調製
I型チタニルフタロシアニンの調製
I型チタニルフタロシアニン(TiOPc)を以下のように調製した。機械式攪拌機、冷却管、および温度計を取り付け、アルゴン雰囲気下に維持された300ミリリットルの三つ口フラスコに、1,3−ジイミノイソインドリンを3.6グラム(0.025モル)、o−フタロニトリルを9.6グラム(0.075モル)、テトラヒドロナフタレンを75ミリリットル(80重量パーセント)、およびチタンテトラプロポキシドを7.11グラム(0.025モル)添加した(BASF社からフタロニトリルを入手した以外は、全てAldrich Chemical Companyから入手)。得られた混合物(固形分20重量パーセント)を撹拌し、2時間加温還流(約198℃)した。得られた黒色懸濁液を約150℃まで冷却し、沸騰したジメチルホルムアミド(DMF)で予熱した350ミリリットルのM多孔度(M−porosity)の焼結ガラス漏斗で吸引濾過した。得られた固形状のI型TiOPc産物を、150ミリリットルの沸騰したDMFで2回洗浄したところ、最初黒色だった濾液は薄い青緑色になった。この固形分を沸騰した150ミリリットルのDMFで漏斗中でスラリー状にし、その懸濁液を濾過した。得られた固形分を、25℃、150ミリリットルのDMF、次いで50ミリリットルのメタノールを用いて、漏斗中で洗浄した。得られた光沢のある紫色の固形分を70℃で一晩乾燥させ、10.9グラム(収率76パーセント)の顔料を得た。これはX線粉体回折によるトレースに基づきI型TiOPcと同定された。この産物の元素分析の結果は、Cが66.54;Hが2.60;Nが20.31;および灰(TiO2)が13.76であった。TiOPcは(理論的に)、Cが66.67;Hが2.80;Nが19.44;および灰が13.86、を必要とする。
I型チタニルフタロシアニンはまた、1−クロロナフタレンまたはN−メチルピロリドン中で以下のように調製することもできる。機械式攪拌機、冷却管、および温度計を取り付けた、アルゴン雰囲気下に維持した250ミリリットルの三つ口フラスコに、1,3−ジイミノイソインドレン(14.5グラム)、チタンテトラブトキシド(8.5グラム)、および75ミリリットルの1−クロロナフタレン(ClNp)またはN−メチルピロリドンを加えた。この混合物を撹拌および加温した。混合物は140℃で濃緑色に変わり、環流し始めた。この時、蒸気(ガスクロマトグラフィーでn−ブタノールであると同定)は、環流温度が200℃に達するまで大気中に放出した。この反応を200℃で2時間維持し、その後150℃に冷却した。この産物を、沸騰したDMFで約150℃に予熱した150ミリリットルのM多孔度の焼結ガラス漏斗で濾過し、次いで150ミリリットルの沸騰したDMFで3回十分に洗浄した後、150ミリリットルの室温のDMFで3回洗浄し、次いで50ミリリットルのメタノールで3回洗浄することで、10.3グラム(収率72パーセント)の光沢のある紫色の顔料が得られ、これはX線粉末回折(XRPD)によってI型TiOPcと同定された。
実施例II
V型チタニルフタロシアニンの調製
500ミリリットルの三角フラスコ中でマグネチックスターラーを用いて、50グラムのI型TiOPcを300ミリリットルのトリフルオロ酢酸/塩化メチレン(1/4、体積/体積)混合物に、1時間かけて溶解させた。同時に、2,600ミリリットルのメタノール/塩化メチレン(1/1、体積/体積)の急冷用混合物(quencing mixture)を3,000ミリリットルビーカー中でドライアイス浴中とマグネチックスターラーを用いて1時間冷却し、混合物の最終温度を約−25℃とした。得られたTiOPc溶液を、均圧アーム(pressure−equalization arm)付きの添加用500ミリリットル漏斗に移し、30分間かけて前記の冷却された急冷混合物に添加した。次いで、得られた混合物を更に30分間撹拌し、その後多孔度約4μm〜約8μmのガラス繊維フリットの付いた2,000ミリリットルのブフナー漏斗を通してホースを用いて吸引濾過した。次いで、得られた顔料を、漏斗中でメタノール1500ミリリットルとよく混合し、真空濾過した。次いで顔料を熱水(>90℃)1000ミリリットルとよく混合し、漏斗で4回吸引濾過した。次いで、顔料を冷水1500ミリリットルとよく混合し、漏斗で吸引濾過した。最終濾液の導電率を測定した結果、10μS未満であった。得られたウェットケーキ(wet cake)には約50重量パーセントの水分が含まれていた。このウェットケーキのごく一部を真空下、65℃で乾燥させ、青色の顔料を得た。この顔料をメタノール/塩化メチレンで急冷した後の代表的なX線粉末回折から、Y型チタニルフタロシアニンであると同定された。
V型チタニルフタロシアニンの調製
500ミリリットルの三角フラスコ中でマグネチックスターラーを用いて、50グラムのI型TiOPcを300ミリリットルのトリフルオロ酢酸/塩化メチレン(1/4、体積/体積)混合物に、1時間かけて溶解させた。同時に、2,600ミリリットルのメタノール/塩化メチレン(1/1、体積/体積)の急冷用混合物(quencing mixture)を3,000ミリリットルビーカー中でドライアイス浴中とマグネチックスターラーを用いて1時間冷却し、混合物の最終温度を約−25℃とした。得られたTiOPc溶液を、均圧アーム(pressure−equalization arm)付きの添加用500ミリリットル漏斗に移し、30分間かけて前記の冷却された急冷混合物に添加した。次いで、得られた混合物を更に30分間撹拌し、その後多孔度約4μm〜約8μmのガラス繊維フリットの付いた2,000ミリリットルのブフナー漏斗を通してホースを用いて吸引濾過した。次いで、得られた顔料を、漏斗中でメタノール1500ミリリットルとよく混合し、真空濾過した。次いで顔料を熱水(>90℃)1000ミリリットルとよく混合し、漏斗で4回吸引濾過した。次いで、顔料を冷水1500ミリリットルとよく混合し、漏斗で吸引濾過した。最終濾液の導電率を測定した結果、10μS未満であった。得られたウェットケーキ(wet cake)には約50重量パーセントの水分が含まれていた。このウェットケーキのごく一部を真空下、65℃で乾燥させ、青色の顔料を得た。この顔料をメタノール/塩化メチレンで急冷した後の代表的なX線粉末回折から、Y型チタニルフタロシアニンであると同定された。
ウェットケーキの残りの部分を1,000ミリリットルのボトル中でモノクロロベンゼン(MCB)700グラムに再度分散させ、1時間ロールがけした。この分散液を、多孔度約4μm〜約8μmのガラス繊維フリットを付けた2,000ミリリットルのブフナー漏斗で2時間かけて真空濾過した。次いで、この顔料をメタノール1,500ミリリットルとよく混合し、漏斗で2回濾過した。最終顔料を60℃〜65℃で2日間真空乾燥し、約45グラムの顔料を得た。得られた顔料のMCB転換後のX線粉末回折により、V型チタニルフタロシアニンであることが示された。V型は、ブラッグ角2Θ±0.2°が約9.0°、9.6°、24.0°、および27.2°において、特徴的な回折ピークを有するX線回折パターンを示す。
比較例1
厚さ3.5ミルの2軸延伸ポリエチレンナフタレート基板(KALEDEX(商標)2000)を用いて、光導電体を作製した。この2軸延伸ポリエチレンナフタレート基板(KALEDEX(商標)2000)上には0.02ミクロン厚のチタン層をコーティングし、続いてその上に、グラビアアプリケータまたは押し出しコータを用いて、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APS)50グラムと、水41.2グラムと、酢酸15グラムと、変性アルコール684.8グラムと、ヘプタン200グラムとを含む正孔阻止層溶液を塗布した。次いで、この層を強制エアドライヤー内で120℃で約1分間乾燥させた。得られた正孔阻止層の乾燥厚さは500オングストロームであった。次いで、この正孔阻止層上に、グラビアアプリケータまたは押し出しコータを用いて湿式塗布を行うことで、接着層を付与した。この接着層は、テトラヒドロフラン/モノクロロベンゼン/塩化メチレンの体積比60:30:10混合物中に、溶液総重量に対して0.2重量パーセントのコポリエステル接着剤(ARDEL D100(商標)、Toyota Hsutsu Inc.から入手可能)を含むものであった。次いで、接着層をコータの強制エアドライヤー中で120℃で約1分間乾燥させた。得られた接着層の乾燥厚さは200オングストロームであった。
厚さ3.5ミルの2軸延伸ポリエチレンナフタレート基板(KALEDEX(商標)2000)を用いて、光導電体を作製した。この2軸延伸ポリエチレンナフタレート基板(KALEDEX(商標)2000)上には0.02ミクロン厚のチタン層をコーティングし、続いてその上に、グラビアアプリケータまたは押し出しコータを用いて、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APS)50グラムと、水41.2グラムと、酢酸15グラムと、変性アルコール684.8グラムと、ヘプタン200グラムとを含む正孔阻止層溶液を塗布した。次いで、この層を強制エアドライヤー内で120℃で約1分間乾燥させた。得られた正孔阻止層の乾燥厚さは500オングストロームであった。次いで、この正孔阻止層上に、グラビアアプリケータまたは押し出しコータを用いて湿式塗布を行うことで、接着層を付与した。この接着層は、テトラヒドロフラン/モノクロロベンゼン/塩化メチレンの体積比60:30:10混合物中に、溶液総重量に対して0.2重量パーセントのコポリエステル接着剤(ARDEL D100(商標)、Toyota Hsutsu Inc.から入手可能)を含むものであった。次いで、接着層をコータの強制エアドライヤー中で120℃で約1分間乾燥させた。得られた接着層の乾燥厚さは200オングストロームであった。
電荷発生層分散液は、4オンスのガラスボトルに、公知のポリカーボネートIUPILON200(商標)(PCZ−200;重量平均分子量20,000;三菱ガス化学株式会社から入手可能)0.45グラムとモノクロロベンゼン(MCB)44.65グラムとを導入することで調製した。この溶液に、実施例IIで調製したチタニルフタロシアニン(V型)2.4グラムと直径1/8インチ(3.2ミリメートル)のステンレス鋼粒(stainless stell shot)300グラムとを加えた。次いで、この混合物をボールミルに3時間かけた。その後、2.25グラムのPCZ−200をモノクロロベンゼン46.1グラムに溶解し、チタニルフタロシアニン分散液に加えた。次いでこのスラリーをシェイカーに10分間置いた。その後、得られた分散液を、バードアプリケータを用いて上記接着層界面に塗布し、湿潤厚さ0.50ミルの電荷発生層を形成させた。電荷発生層を強制エアオーブン中で120℃で1分間乾燥させ、厚さ0.8ミクロンの乾燥した電荷発生層を形成させた。
(A)次いで電荷発生層を1層の電荷輸送層でコーティングした。この電荷輸送層は、褐色瓶にN,N'−ビス(メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TBD)とMW平均分子量約120,000の公知のビスフェノールAポリカーボネートであるポリ(4,4'−イソプロピリデンジフェニル)カーボネート(MAKROLON(登録商標)5705としてFarbenfabriken Bayer A.G.社から市販)とを重量比50/50で導入することで調製した。次いで、得られた混合物を塩化メチレンに溶かし、固形分(solids)を15.6重量パーセント含む溶液を得た。この溶液を電荷発生層に塗布して、乾燥(120℃、1分間)後の厚さが29ミクロンの電荷輸送層コーティングを形成させた。このコーティングプロセスの間、湿度は30パーセント以下、例えば25パーセントであった。
(B)別の実施形態では、得られた電荷発生層をその後、2重の電荷輸送層でコーティングした。第1の電荷輸送層は、褐色瓶にN,N'−ビス(メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TBD)とMW平均分子量約120,000の公知のビスフェノールAポリカーボネートであるポリ(4,4'−イソプロピリデンジフェニル)カーボネート(MAKROLON(登録商標)5705として、Farbenfabriken Bayer A.G.社から市販)とを重量比50/50で導入することで調製した。次いで、得られた混合物を塩化メチレンに溶かし、固形分を15.6重量パーセント含む溶液を得た。この溶液を電荷発生層に塗布し、乾燥(120℃、1分間)後の厚さが14.5ミクロンの電荷輸送層コーティングを形成させた。このコーティングプロセスの間、湿度は30パーセント以下、例えば25パーセントであった。
次いで、第2パス(pass)において、上記の第1パスの電荷輸送層(CTL)に上層としての第2電荷輸送層をオーバーコートした。上層の電荷輸送層溶液を、下層である第1層について前述したのと同様に調製した。この溶液を、2ミルのバードバー(Bird bar)を用いて前記下層である電荷輸送層上に塗布し、乾燥(120℃、1分間)後の厚さが14.5ミクロンのコーティングを形成させた。このコーティングプロセスの間、湿度は15パーセント以下であった。2層の電荷輸送層の合計の厚さは29ミクロンであった。
実施例III
電荷発生層に5重量パーセントのリン酸トリエタノールアミンを含めたこと以外は比較例1(A)と同じプロセスで光導電体を作製した。このリン酸アミンは、調製した電荷発生層溶液を接着層にコーティングする前に、電荷発生層溶液に添加および混合した。より具体的には、上記のリン酸アミン添加剤を最初に電荷発生層の溶剤であるモノクロロベンゼンに溶かし、次いで、得られた混合物を上記電荷発生成分に添加した。その後、得られた混合物を接着層上に付与した。
電荷発生層に5重量パーセントのリン酸トリエタノールアミンを含めたこと以外は比較例1(A)と同じプロセスで光導電体を作製した。このリン酸アミンは、調製した電荷発生層溶液を接着層にコーティングする前に、電荷発生層溶液に添加および混合した。より具体的には、上記のリン酸アミン添加剤を最初に電荷発生層の溶剤であるモノクロロベンゼンに溶かし、次いで、得られた混合物を上記電荷発生成分に添加した。その後、得られた混合物を接着層上に付与した。
実施例IV
電荷発生層に5重量パーセントのリン酸トリエチルアミン、リン酸スペルミン、リン酸スペルミジン、リン酸イソプロパノールアミン、ヒスタミン二リン酸塩水和物、酸性リン酸ドデシルアミンセチル、酸性リン酸デシルアミンセチル、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル、または酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチルを含めること以外は比較例1(A)と同じプロセスで、多くの光導電体が作製される
電荷発生層に5重量パーセントのリン酸トリエチルアミン、リン酸スペルミン、リン酸スペルミジン、リン酸イソプロパノールアミン、ヒスタミン二リン酸塩水和物、酸性リン酸ドデシルアミンセチル、酸性リン酸デシルアミンセチル、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル、または酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチルを含めること以外は比較例1(A)と同じプロセスで、多くの光導電体が作製される
電気的特性試験
上記の比較例1(A)および実施例3で作製した光導電体を、1回の帯電−除電サイクルに続けて1回の帯電−露光−除電サイクルの順で行う光誘起放電サイクルが得られるようにスキャナセットを用いて試験した。サイクルと共に光強度を漸増させて、測定した種々の露光強度における感光性および表面電位から一連の光放電特性(PIDC)曲線を得た。表面電位を漸増させながら一連の帯電−除電サイクルを行い、数本の電圧対電荷密度曲線を描き、更なる電気的特性を得た。スキャナには、種々の表面電位において一定の電圧を帯電するようにスコロトロンセットを取り付けた。光導電体を、一連の減光(ND)フィルターを調整することで露光強度を漸増させながら、表面電位500ボルトで試験した;露光光源は780ナノメートルの発光ダイオードであった。ゼログラフィーのシミュレーションは、環境を周囲の条件(相対湿度40パーセント、22℃)に調節した遮光チャンバーで行った。
上記の比較例1(A)および実施例3で作製した光導電体を、1回の帯電−除電サイクルに続けて1回の帯電−露光−除電サイクルの順で行う光誘起放電サイクルが得られるようにスキャナセットを用いて試験した。サイクルと共に光強度を漸増させて、測定した種々の露光強度における感光性および表面電位から一連の光放電特性(PIDC)曲線を得た。表面電位を漸増させながら一連の帯電−除電サイクルを行い、数本の電圧対電荷密度曲線を描き、更なる電気的特性を得た。スキャナには、種々の表面電位において一定の電圧を帯電するようにスコロトロンセットを取り付けた。光導電体を、一連の減光(ND)フィルターを調整することで露光強度を漸増させながら、表面電位500ボルトで試験した;露光光源は780ナノメートルの発光ダイオードであった。ゼログラフィーのシミュレーションは、環境を周囲の条件(相対湿度40パーセント、22℃)に調節した遮光チャンバーで行った。
光放電特性曲線に実質的な違いはなかった。すなわち、これらの曲線は上記の光導電体それぞれで本質的に同じであった。
電荷不足スポットの発生を評価および/または考慮する種々の公知の方法が開発されており、例えば米国特許第5,703,487号および同6,008,653号は、電子写真撮像部材または光導電体の微小欠陥レベルを確認する方法を開示している。
本明細書で既に引用した米国特許第6,008,653号および同第6,150,824号は、電子写真撮像部材中における表面電位電荷パターンを浮動プローブスキャナを用いて検出する方法を開示している。浮動プローブ微小欠陥スキャナ法(FPS;Floating Probe Micro Defect Scanner)は、電子写真撮像部材中の表面電位電荷パターンを検出する非接触式の方法である。このスキャナは以下のものを備える:外側シールド電極を有する容量性プローブ(capacitive probe)であって、前記外側シールド電極がプローブを撮像表面に近接かつ離間するように維持してプローブと撮像表面との間に気体を有する平行平板コンデンサを形成させる、容量性プローブ;容量性プローブと撮像表面の間の相対移動を確立する、プローブに光学的に接続されたプローブ増幅器;およびプローブと撮像表面の距離を実質的に一定に保つ浮動固定具。プローブと撮像表面とが相互に通過する相対移動に先だって、撮像表面に定電圧電荷を印加し、同時に破壊を防止するためにプローブに、撮像表面の平均表面電位の約+/−300ボルトの範囲内へとバイアスをかけ、プローブで表面電位の変動を測定し、この表面電位の変動をプローブと撮像表面の距離の変動について補正し、補正された電圧値を基準電圧値と比較して、電子写真撮像部材中の電荷パターンを検出する。この方法は、高解像度容量性プローブと、バイアス電圧増幅器に結合された低空間解像度静電電圧計と、プローブおよび電圧計に離間して容量結合した撮像表面を有する撮像部材と、を備えた非接触式走査システムを用いて行われてもよい。プローブは、同軸の外側ファラデー・シールド電極によって囲まれかつそのシールド電極から絶縁された内側電極を備え、この内側電極は光結合増幅器(opto−coupled amplifier)に接続され、ファラデー・シールドはバイアス電圧増幅器に接続されている。電荷不足スポットを測定するためには、20ボルトの閾値が一般に選択される。上記で作製した光導電体(比較例1(A)および実施例III)を、前述のFPS技術を用いてCDS数を測定した。結果は表1の通りである。
上記のデータは、実施例IIIの光導電体(電荷発生層中にリン酸トリエタノールアミンを含む)のCDSが17個/cm2であること、より具体的には、比較例1(A)のCDSの37個/cm2と比較して約40パーセントしかないことを示している。したがって、電荷発生層への上記リン酸トリエタノールアミンの導入は、光導電体CDS特性を実質的に減少させた。
Claims (4)
- 支持基板と、電荷発生層と、少なくとも1つの電荷輸送成分を含む電荷輸送層と、を含み、前記電荷発生層が少なくともリン酸アミンを含む、光導電体。
- 前記電荷輸送成分が、N,N'−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−クロロフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4''ジアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアリールアミンであり、前記電荷輸送層が、1、2、3、または4つの層を含み、前記電荷発生層が、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、およびチタニルフタロシアニンの少なくとも1つを含む電荷発生顔料を含み、前記リン酸アミンが、リン酸トリエタノールアミン、リン酸トリエチルアミン、リン酸スペルミン、リン酸スペルミジン、リン酸イソプロパノールアミン、ヒスタミン二リン酸塩水和物、酸性リン酸ドデシルアミンセチル、酸性リン酸デシルアミンセチル、酸性リン酸オクタデシルアミンセチル、酸性リン酸ジデシルメチルアミンセチル、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の光導電体。
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