JP2009286576A - 機能性フィルムの製造装置および機能性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の機能性フィルムの製造装置は、真空中を、長尺な基体の表面に有機膜が形成された基板を長手方向に搬送する搬送手段と、この搬送手段により長手方向に搬送される記基板の有機膜の表面に無機膜を真空成膜法によって成膜する成膜手段とを有する。搬送手段は、有機膜の表面に接触するローラを有し、ローラと有機膜の表面とが接触する接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲で、基板を長手方向に搬送する。
【選択図】図1
Description
真空成膜法によって、効率良く、高い生産性を確保して成膜を行なうためには、長尺な基板に連続的に成膜を行なうのが好ましい。
このような成膜方法を実施する設備として、長尺な基板(ウェブ状の基板)をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いる、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置が知られている。このロール・ツー・ロールの成膜装置は、プラズマCVDによって基板に成膜を行なう成膜室を通過する所定の経路で、供給ロールから巻取りロールまで長尺な基板を挿通し、供給ロールからの基板の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基板の巻取りとを同期して行いつつ、成膜室において、搬送される基板に連続的に成膜を行なう。
長尺な基板を搬送する場合、基板の表面が擦れたりするなどして傷がついてしまうことがある。このように搬送時に基板の表面に傷がつくことは、最終的に得られる製品の品質を低下させることになり好ましくない。
そこで、搬送時において、基板にキズが付くことを防止するために、種々の搬送手段が提案されている(特許文献1参照)。
ところが、有機膜を成膜した後に、真空成膜法によって無機膜を成膜する機能性フィルムの製造においては、有機膜の種類によっては、真空中での基板の搬送に搬送ローラ対などの通常の搬送手段を利用すると、有機膜の平坦性が低下してしまい、例えば、十分なガスバリア性など、目的とする性能を有する機能性フィルムを製造することができない場合もある。
この現象は、有機膜自身の表面性状が劣化するので、成膜前に異物の除去を行なっても、効果を得ることはできない。
さらには、上述の特許文献1のフィルム搬送ロールは、エアー等の流体を流すものであるため、真空チャンバ内の真空度を保持することも困難である。このようなことから、真空中の基板の搬送に、特許文献1のフィルム搬送ロールを用いることは難しい。
また、本発明において、さらに、改質処理、脱ガス処理および除塵処理のうち、少なくとも1の処理を前記搬送手段により搬送される前記基板の前記有機膜の表面に施す処理手段を有し、前記処理手段は、前記成膜手段よりも前記搬送方向の上流側に設けられている
ことが好ましい。
さらに、本発明において、前記成膜手段は、ドラムに前記基板を巻き掛けて前記長手方向に搬送しつつ、前記無機膜を成膜することが好ましい。
なお、前記搬送手段において、有機膜の表面に接触するローラは、1でも複数あってもよい。有機膜の表面に接触するローラが複数ある場合には、個々のローラについて、前記接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲で前記基板を搬送する。
また、本発明において、前記無機膜を真空成膜法によって成膜する工程の前に、改質処理、脱ガス処理および除塵処理のうち、少なくとも1の処理を前記基板の前記有機膜の表面に施す工程を有することが好ましい。
さらに、本発明において、前記前記基板の前記有機膜の表面に無機膜を真空成膜法によって成膜する工程においては、前記基板をドラム巻き掛けて長手方向に搬送しつつ、前記無機膜を成膜することが好ましい。
なお、本発明において、有機膜の表面に接触するローラは、1でも複数あってもよい。有機膜の表面に接触するローラが複数ある場合には、個々のローラについて、前記接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲で前記基板を搬送する。
これにより、有機膜を形成した基板の搬送(ハンドリング)の際、有機膜に接触しても、有機膜の表面性状が劣化することなく無機膜を成膜することができるため、目的とする性能および特性を適正に発現する、高機能な機能性フィルムを安定して製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る機能性フィルムの製造装置を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態に係る機能性フィルムの製造装置により製造された機能性フィルムを示す模式的断面図である。
製造装置10は、長尺の基体Bの表面Bfに有機膜bが形成された基板Z(図2参照)を用い、この基板Zの表面Zf、すなわち、有機膜bの表面bfに所定の機能を有する無機膜f(図2参照)を形成して、例えば、光学フィルムまたはガスバリアフィルム等の機能性フィルムF(図2参照)を製造するものである。
有機膜bは、後述するように、エチレン性不飽和結合を有するアクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーを重合することにより作製されるものである。
また、製造装置10において、供給室12と第1の搬送室14とを区画する壁15a、第1の搬送室14と前処理室16とを区画する壁15b、前処理室16と第2の搬送室18とを区画する壁15c、第2の搬送室18と成膜室20とを区画する壁15d、第2の搬送室18と第3の搬送室22とを区画する壁15eには、それぞれ基板Zが通過するスリット状の開口15fが形成されている。また、第3の搬送室22にも巻取り室(図示せず)に基板Z(機能性フィルムF)を搬送するためのスリット状の開口15fが形成されている。
この真空排気部24により、供給室12、第1の搬送室14、前処理室16、第2の搬送室18、成膜室20、第3の搬送室22、巻取り室(図示せず)の内部が所定の真空度にされる。
真空排気部24は、供給室12、成膜室14および巻取り室16を排気して所定の真空度に保つものであり、ドライポンプおよびターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有するものである。また、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、それぞれ内部の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
なお、真空排気部24による供給室12、第1の搬送室14、前処理室16、第2の搬送室18、成膜室20、第3の搬送室22、巻取り室(図示せず)の到達真空度、すなわち、到達圧力には、特に限定はなく、実施する成膜方法等に応じて、十分な真空度(圧力)を保てればよい。この真空排気部24は、制御部26により制御される。
回転軸30aは、長尺な基板Zを連続的に送り出すものであり、この回転軸30aには、例えば、反時計回りに基板Zが巻回された基板ロール30が取り付けられる。
回転軸30aには、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって回転軸30aが基板Zを巻き戻す方向rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、基板Zが基板ロール30から連続的に送り出される。
本実施形態の製造装置10においては、ガイドローラ31は、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ31は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するローラであってもよい。
第1の搬送室14内には、第1の搬送ローラ32と第2の搬送ローラ34とを有する。
第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34は、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34は、基板Zの搬送方向Dと直交する方向(以下、軸方向という)に回転軸を有し回転可能であり、かつ第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34は、軸方向の長さが、基板Zの長手方向と直交する幅方向における長さ(以下、基板Zの幅という)よりも長い。
第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34により、基板Zの弛み部36が構成される。
後に詳細に説明するが、弛み部36における基板Zの弛み量αによりパスローラ46の接触領域における面圧Psが10〜200gf/cm2(490Pa〜19.6kPa)の範囲に調節される。
この弛み量αは、第1の搬送ローラ32および第2の搬送ローラ34の回転軸(図示せず)からループの先端までの距離である。
前処理室16には、搬送される基板Zの有機膜bの表面bfに対向して、改質処理手段、脱ガス処理手段および除塵処理手段のうち、少なくとも1つの手段が、前処理部40として設けられている。
この脱ガス処理により、基板Zの内部もしくは有機膜bの内部、または基板Zの表面Zfもしくは有機膜bの表面Bfに付着したMEK(メチルエチルケトン)等の溶媒、水分、酸素および窒素等を、基板Zおよび有機膜bから放出させる。
除塵処理手段としては、また、イオナイザ(静電気除電器)であってもよい。このイオナイザにより、基板Zの有機膜bの表面bfの静電気が除去して、基板Zの有機膜bの表面bfにゴミ、埃などの異物の付着を抑制するようにしてもよい。
イオナイザとしては、例えば、コロナ放電方式、およびイオン生成方式のものを用いることができる。
第1のガイドローラ42および第2のガイドローラ44は、それぞれ、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させ、かつ所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されている。
パスローラ46は、第1のガイドローラ42と第2のガイドローラ44との間の空間Hの下方に、1つ設けられている。パスローラ46は、その長手方向を、第1のガイドローラ42および第2のガイドローラ44の長手方向に対して平行にして配置されている。
また、第1のガイドローラ42、第2のガイドローラ44およびパスローラ46は、上記構成以外は、供給室12に設けられたガイドローラ31と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
第1のガイドローラ42および第2のガイドローラ44は、基板Zの裏面Zbに接触しつつ、基板Zを搬送するものである。
本実施形態において、基板の有機膜bの表面bfとパスローラ46との接触する接触領域における面圧Psが10〜200gf/cm2(490Pa〜19.6kPa)の範囲で、第1のガイドローラ42、パスローラ46および第2のガイドローラ44により前処理室16から搬送された基板Zを成膜室20へ搬送する。
なお、本発明において、有機膜bの表面bfに接触するパスローラ46は、1つに限定されるものでなく、有機膜bの表面bfに接触するパスローラ46は複数あってもよい。
このように、有機膜bの表面bfに接触するパスローラ46が複数ある場合、個々のパスローラ46について、接触領域における面圧Psを10〜200gf/cm2の範囲で基板Zを搬送する必要がある。
なお、本発明で規定する面圧Ps(10〜200gf/cm2(490Pa〜19.6kPa))は、弛み部36における基板Zの弛み量αにより調節される。
本実施形態においては、パスローラ46の面圧Psを測定し、弛み部36における基板Zの弛み量αとパスローラ46の面圧Psとの関係を予め求めておき、基板Zの搬送時には面圧Psが上記範囲となるように弛み量αについて所定の量を維持しつつ搬送する。
さらには、有機膜bの表面bfに接触するパスローラ46が複数ある場合には、弛み部36における基板Zの弛み量αと個々のパスローラ46の面圧Psとの関係を予め求めておき、基板Zの搬送時には、個々のパスローラ46の接触領域における面圧Psが上記範囲となるように弛み量αについて所定の量を維持しつつ搬送する。
そこで、張力Tとパスローラ46の面圧Psとの関係、および弛み部36における基板Zの弛み量αと張力Tとの関係を予め求めておき、基板Zの搬送時には面圧Psが上記範囲となる張力Tが発生するように弛み量αについて所定の量を維持しつつ搬送する。
この場合においても、有機膜bの表面bfに接触するパスローラ46が複数ある場合には、張力Tと個々のパスローラ46の面圧Psとの関係、および弛み部36における基板Zの弛み量αと張力Tとの関係を予め求めておき、基板Zの搬送時には、個々のパスローラ46の面圧Psが上記範囲となる張力Tが発生するように弛み量αについて所定の量を維持しつつ搬送する。
本実施形態においては、ドラム48は、その表面48a(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転方向ωに回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
ヒータ、ポンプおよび温度センサは、温度調節部(図示せず)に接続されている。この温度調節部は、制御部26に接続されており、制御部26により、温度調節部を介して、ドラム48の温度が調節され、ドラム48の温度は所定の温度に保持される。ヒータ(図示せず)、冷却手段(図示せず)、温度センサ(図示せず)および温度調節部(図示せず)により、温度調節手段が構成される。
温度調節手段により、ドラム48が、形成する無機膜fの組成などに応じて、適切な温度に加熱される。これにより、更に一層品質の良い無機膜fを得ることができる。
成膜部50は、真空成膜法のうち、例えば、プラズマCVD法により膜を形成するものである。このプラズマCVD法としては、例えば、容量結合型プラズマCVD法(CCP−CVD法)が用いられる。
成膜部50は、成膜電極52a〜52d、高周波電源54および原料ガス供給部56を有する。制御部26により、成膜部50の高周波電源54および原料ガス供給部56が制御される。
また、各成膜電極52a〜52dと高周波電源54とは、必要に応じて、インピーダンス整合をとるためのマッチングボックスを介して接続してもよい。
本実施形態において、各成膜電極52a〜52dとドラム48との表面48aとの隙間Sの間隔は同じであり、各隙間Sで間隔に、ばらつきがあっても、例えば、20%以内であることが好ましい。
本実施形態においては、原料ガスは、無機膜fとして、例えば、SiO2膜を形成する場合、TEOSガス、および活性種ガスとして酸素ガスが用いられる。また、無機膜fとして、窒化珪素膜を形成する場合、SiH4ガス、NH3ガス、およびN2ガスが用いられる。
また、原料ガス供給部56においては、原料ガスのみならず、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス、および酸素ガス等の活性種ガス等、CCP−CVD法などで用いられている各種のガスを、原料ガスと共に、隙間Sに供給してもよい。このように、複数種のガスを導入する場合には、各ガスを同じ配管で混合して、各成膜電極52a〜52dの複数の穴を通して隙間Sに供給してもよく、各ガスを異なる配管から各成膜電極52a〜52dの複数の穴を通して隙間Sに供給してもよい。
さらに、原料ガスまたはその他、不活性ガスおよび活性種ガスの種類または導入量も、形成する膜の種類、または目的とする成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
このガイドローラ60は、成膜室20から搬送された基板Z(機能性フィルムF)を、所定の搬送経路で巻取り室の巻取りロール(図示せず)に案内するものである。このガイドローラ60は、先の供給室12のガイドローラ31と同様の構成であり、供給室12のガイドローラ31と同様に、ガイドローラ60も、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ31は、テンションローラとして作用するローラであってもよい。
なお、有機膜bの表面bfに、上記圧力範囲外で接触することがなければ、基体Bを搬送しつつ、有機膜bおよび無機膜fを連続して成膜するものであってもよい。
図3は、本発明の実施形態の機能性フィルムの製造装置に用いられる基板の有機膜の製造装置を示す模式図である。
有機成膜装置70は、有機膜bとなるモノマー(モノマー混合物)を含む塗料を基体Bに塗布/乾燥して、モノマーを重合させることにより、基体Bの表面に有機膜bを成膜する装置である。
この有機成膜装置70は、塗布手段72、乾燥手段74、UV照射装置76、回転軸78、および巻取り軸80を有する。
この有機成膜装置70においては、塗布手段72によって、予め調製したモノマーを含む塗料を基体Bに塗布し、乾燥して、重合することにより、有機膜bを成膜する。
なお、本発明において、UV照射または可視光照射などの光重合などの光重合によって有機膜bを成膜する場合には、モノマーを含む塗料は光重合開始剤を含有するのが好ましいのは、後に説明する。
回転軸78に基板ロール82が装填されると、基体Bは、基板ロール82から、塗布手段72、乾燥手段74およびUV照射装置76の下部を通過して巻取り軸80に至る、所定の搬送経路を搬送される。有機成膜装置70においては、基板ロール82からの基体Bの送り出しと、巻取り軸80における基板Zの巻き取りとを同期して行なって、長尺な基体Bを所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ、基体Bに有機膜bの成膜を連続的に行い、基板Zを形成する。
乾燥手段74は、塗布手段72が塗布した塗料を乾燥するものである。塗料の乾燥方法には、特に限定はなく、ヒータによる加熱乾燥、温風による加熱乾燥等、基体Bの搬送速度等に応じて、UV照射装置76に至る前に、塗料を乾燥可能なものであれば、公知の乾燥手段が全て利用可能である。
UV照射装置76は、塗布手段72が塗布し乾燥手段74が乾燥した塗料に、先の例と同様にUV光(紫外線)を照射することにより、モノマーを重合させて、有機膜bを成膜するものである。
照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.5J/cm2以上が好ましく、2J/cm2以上がより好ましい。
このように、光重合を行う場合は、塗布手段72によって塗布する塗料が、光重合開始剤を含有するのが好ましい(光重合開始剤を併用するのが好ましい)。
光重合開始剤としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZTなど)、同じくオリゴマー型のエザキュアKIPシリーズ等が挙げられる。
加熱重合を行う場合、基体Bは相応の耐熱性を有する必要がある。この場合、少なくとも、加熱温度よりも基体Bのガラス転移温度(Tg)が高いことが必要である。
従って、本発明において、有機膜bとしてこれらを利用する場合には、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。
窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。中でも特に、米国特許4842893号、同4954371号、同5032461号の各明細書に記載のフラッシュ蒸着法が好ましい。フラッシュ蒸着法はモノマー中の溶存酸素を低下させる効果を有し、重合率を高めることができるため特に有用である。
本発明においてはポリマーを溶液塗布しても良いし、特開2000−323273号、同2004−25732号の各公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。また、ポリマーの前駆体(例えば、モノマー)を成膜後、重合することによりポリマー層を形成させても良い。さらに、有機膜bは、市販の重合性接着剤を塗布、硬化させて形成することもできる。
有機膜bの膜硬度はある程度以上の硬さを有することが好ましい。好ましい硬さとしては、ナノインデンテーション法で測定したときの押し込み硬度として100N/mm2以上が好ましく、200N/mm2以上がより好ましい。また、鉛筆硬度としてはHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
有機膜bの膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難となるし、厚すぎると外力によりクラックを発生し、バリア性能が低下する。かかる観点から、有機膜bの厚みは、10nm〜2μmが好ましく、100nm〜1μmがさらに好ましい。
この場合、各有機膜が、同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、有機膜を2層以上成膜する場合は、各々の有機膜が前述の好ましい範囲内となるようにするのが好ましい。
有機膜bは、具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂(以下、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を併せてアクリレート重合物ともいう)、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他有機珪素化合物の層である。
有機膜bは単独の材料からなっていても混合物からなっていてもよい。2層以上の有機膜を積層してもよい。この場合、各層は同じ組成でも異なる組成であってもよい。また、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機膜との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
市販の接着剤としては、ダイゾーニチモリ製エポテックシリーズ、ナガセケムテックス製XNR−5000シリーズ、スリーボンド製3000シリーズ等が挙げられる。
アクリレートおよびメタクリレートの好ましい例としては、例えば、米国特許6083628号、同6214422号の各明細書に記載の化合物が挙げられる。これらの一部を以下に例示する。
一般式(I)
(Z−COO)m−L
[一般式(I)において、Zは下記の(a)または(b)で表され、前記構造中のR1およびR2は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、*は一般式(I)のカルボニル基と結合する位置を表し、Lはm価の連結基を表す。また、m個のZは、互いに同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも1つのZは下記の(a)で表される。]
あるいは、これらのポリマーの複数を有して、総合して有機膜bの主成分となってもよい。
mが2の場合、Lは2価の連結基である。このような2価の連結基の例として、アルキレン基(例えば、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロピレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基等)、エーテル基、イミノ基、カルボニル基、およびこれらの2価基が複数個直列に結合した2価残基(例えば、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、プロピオニルオキシエチレン基、ブチロイルオキシプロピレン基、カプロイルオキシエチレン基、カプロイルオキシブチレン基等)等が例示される。これらの中ではアルキレン基が好ましい。
Lを置換することのできる置換基の例としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基などが挙げられる。置換基として好ましくは、含酸素官能基を持たない基が後述の理由から好ましく、特にアルキル基である。
すなわち、mが2の場合、Lは含酸素官能基を持たないアルキレン基が最も好ましい。このような基を採用することにより、本発明をガスバリアフィルムの製造に利用した際に、得られるガスバリアフィルムの水蒸気透過率をより低くすることが可能になる。
mが4以上の場合、Lは4価以上の連結基を表す。そのような4価以上の連結基の例も、同様に挙げられる。好ましい例も同様に挙げられる。特に、アルキレン基から任意の水素原子を2個除いて得られる、含酸素官能基を含まない4価残基が好ましい。このような基を採用することにより、本発明を機能性フィルムのうち、ガスバリアフィルムの製造に利用した際に、得られるガスバリアフィルムの水蒸気透過率をより低くすることが可能になる。
このような範囲とすることにより、膜硬度と重合率の両立がより効果的に発揮され好ましい。
例えば、アクリレートモノマーやメタクリレートモノマーを共重合したときに形成される構造単位を有していてもよい。前記ポリマーにおいて、一般式(I)で表されない構造単位は20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
有機膜bに含有させることができる一般式(I)で表される構造単位を有さないポリマーには、特に限定はないが、一例として、ポリエステル、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル等が例示される。
一般式(II)
また、モノマー混合物中における、nが2であるモノマーと、nが3以上であるモノマー(nが3であるモノマー、nが4以上であるモノマー)との含有量の好ましい範囲も、前述の一般式(I)において、nが2の構造単位とnが3以上の構造単位(nが3の構造単位とnが4以上の構造単位)の含有量の好ましい範囲と同じである。
あるいは、これらのモノマー混合物を、複数用いて重合を行なって、有機膜bを成膜してもよい。
以下に、一般式(II)のnが4以上であるモノマーの具体例を示すが、本発明で用いることができる4以上のモノマーはこれらに限定されるものではない。
有機膜bの硬度を高めるには、下記の方法が例示される。
(1)モノマーの重合率を高める
(2)多官能モノマーを用いる
(3)モノマーの連結基として柔軟性の高い含酸素官能基を用いない。
重合率と官能基数はトレードオフの関係にあり、官能基数が増えるほど重合度が低くなるという関係にある。本発明者らの検討によれば、モノマーの官能基数を上げ、かつ、重合度を上げるための処方を検討した結果、前述のようなモノマー混合比率が好ましい。
例えば、モノマー混合物中に、一般式(II)で表されるモノマー成分として、nが2であるモノマーと、nが3であるモノマーのみを用いる場合、nが2であるモノマーの混合比は60〜80質量%であることが好ましく、65〜75質量%であることがより好ましい。nが3であるモノマーは20〜40質量%であることが好ましく、25〜35質量%であることがより好ましい。
さらに、モノマー混合物中に、一般式(II)で表されるモノマー成分として、nが2であるモノマーと、nが3であるモノマーと、nが4以上であるモノマーのみを含む混合物を用いる場合は、nが2または3であるモノマーの混合比の合計で75〜95質量%含むことが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましく、75〜85質量%であることがさらに好ましい。nが4以上であるモノマーの混合比は、5〜25質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表されないモノマーは、例えば、単官能モノマーであり、好ましくは、単官能のアクリレートモノマーや単官能のメタクリレートモノマーである。単官能のアクリレートモノマーや単官能のメタクリレートモノマーの分子量は特に制限されないが、通常は150〜600であるものを用いる。これらのモノマーは、モノマー混合物中に一種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。単官能モノマーは重合率を高める作用があるが、含有量が多すぎると成膜される有機膜の硬さを損なうため、前述の通り、含有率を20質量%以下にすることが好ましい。より好ましい範囲は、上記の一般式(I)で表されない構造単位の好ましい含有量の範囲と同じである。
以下にリン酸系モノマーもしくはシランカップリング基含有モノマーの好ましい具体例を示すが、本発明で用いることができるものはこれらに限定されるものではない。
製造装置10においては、先ず、真空排気部24により、供給室12、第1の搬送室14、前処理室16、第2の搬送室18、成膜室20、第3の搬送室22、巻取り室(図示せず)の内部を所定の真空度にする。
そして、長尺な基板Zが、例えば、反時計回り巻回された基板ロール30からガイドローラ31を経て、供給室12から第1の搬送室14に搬送される。
本実施形態の製造装置10においては、基板Zを弛み部36で所定の弛み量αを維持しつつ、有機膜bに接するパスローラ46の面圧Psを10〜200gf/cm2(490Pa〜19.6kPa)の範囲を維持しながら、第2の搬送ローラ34を経て前処理室16および成膜室29に基板Zを搬送する。
次に、成膜室20に搬送し、この成膜室20内では成膜部50の高周波電源54に、高周波電源54から高周波電圧を印加するとともに、原料ガス供給部56から配管58を介して、各成膜電極52a〜52dの表面に形成された複数の貫通孔から隙間Sに無機膜fを形成するための原料ガスを供給する。
以上のように、本実施形態の製造装置10による機能性フィルムFの製造方法においては、基板Zの表面Zfに無機膜fが形成された機能性フィルムFが製造される。
本発明者らは、高性能なガスバリアフィルムなどの機能性フィルムを実現するために、鋭意、検討を重ねた。その結果、目的とする機能を発揮する無機膜の下層に、有機膜を有することにより、機能性フィルムの性能が向上できることを見出した。
本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、有機膜bとして、アクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーを重合してなるポリマーを主成分とする有機膜、その中でも特に、先に詳述した一般式(1)で示される、mが2である構成単位と、mが3以上である構成単位とを有するポリマーを主成分とする有機膜bを用いることにより、機能性フィルムの性能を、より良好に向上できることを見出した。
これらの有機膜bは、非常に表面平滑性および表面性状に優れている。そのため、有機膜bの上に、真空成膜法で無機膜fを成膜することにより、無機膜fの結晶性および結晶の成長方向が良好になり、非常に緻密で結晶性に優れ、かつ平滑な無機膜fを成膜できる。そのため、無機膜fが、目的とする機能を非常に好適に発現する結果となり、目的とする性能を有する高品位な機能性フィルムを得ることができる。
この問題点とは、有機膜bは、大気圧中(常圧下)または減圧度の低い真空(高圧の真空)では、何の変化も生じることはなく、搬送ローラ対による搬送(ハンドリング)、または表面に何らかの部材を接触させつつ表面処理等を行なっても、何の問題もない。
しかし、真空成膜を行なうような真空中(例えば、1000Pa以下)では、有機膜b中に残存する未反応モノマーが真空中では有機膜bの表面bfに析出する。この析出物が搬送するローラなどに接触すると、ローラなどにより析出物が有機膜bの表面bfに押込まれるか、または圧着され、これにより、有機膜bの表面bfの平坦性が悪化する。このため、有機膜bの表面bfに無機膜fを成膜すると、無機膜fの結晶性や結晶の成長方向が大幅に低下し、有機膜bの表面bfに成膜した無機膜fについては割れ、抜け等の欠陥が発生する。これにより、目的とする性能を発揮する機能性フィルムが製造できなくなってしまう。
この現象は、有機膜bを製造するときに、特に、単官能基または2官能基を有するモノマーを用いた場合、このモノマーは析出が起こりやすく、多くの欠陥が発生する。これにより、最終的に形成する機能フィルムの性能を劣化させ、品質を著しく低下させることとなる。なお、アクリレートモノマーおよび/またはメタクリレートモノマーの分子量が700以下でもモノマーの析出が起こりやすくなる。
なお、接触領域における面圧Psが10gf/cm2(490Pa)未満であると、基板Zを搬送(ハンドリング)することができない。
このように、パスローラ46が複数ある場合、パスローラ46のうち、1つでも、接触領域における面圧Psが200gf/cm2(19.6kPa)を超えると、パスローラ46による有機膜bの表面bfへ析出物が押込まれるか、または圧着されて、有機膜bの表面bfの平坦性が悪化し、有機膜bの表面bfに形成される無機膜fにおける割れ、抜け等の欠陥が発生する。このため、所定の性能を有する機能性フィルムを製造することができない。
また、パスローラ46が複数ある場合、パスローラ46のうち、1つでも、接触領域における面圧Psが10gf/cm2(490Pa)未満であると、基板Zを搬送(ハンドリング)することができない。
また、無機膜fの厚さにも、特に限定はなく、成膜する無機膜fおよび機能性フィルムFに要求される性能に応じて、必要な膜厚を、適宜、決定すればよい。
また、機能性フィルムFとして、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイのような表示装置など、各種のデバイスまたは装置の保護フィルムを製造する際には、無機膜fとして、酸化ケイ素膜等を成膜すればよい。
さらに、機能性フィルムFとして、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する際には、無機膜fとして、目的とする光学特性を有する無機膜または目的とする光学特性を発現する材料からなる無機膜を成膜すればよい。
本発明においては、機能性フィルムFとして形成するガスバリアフィルム(水蒸気バリアフィルム)、保護フィルムおよび光学フィルムのいずれにおいても、有機膜bの優れた表面平滑性および表面性状によって、緻密で、かつ、割れおよび抜けが極めて少なく、さらに平滑性に優れた無機膜fを成膜できるため、所望の性能を有する機能性フィルムFを得ることができる。
また、本発明においては、基板Zの裏面Zb(有機膜bを形成される表面bfの反対側の面)であれば、大気中および真空中を問わず、部材を接触させてもよい。さらに、大気中であれば、搬送ローラ対など、有機膜bの表面に接触する各種の部材を用いてもよい。
本実施例においては、図1に示す製造装置10において、パスローラ46の面圧Psを下記表1に示すように種々変えて、機能性フィルムとして、ガスバリアフィルムを製造し、下記表1に示すハンドリング、バリア性能を評価した。
本実施例においては、ガスバリアフィルムの基板として、PETフィルムの表面にアクリル系樹脂の有機膜が形成された基板を用い、無機膜として酸化アルミニウム膜を形成した。
有機膜は、アクリル系樹脂をPETフィルムの表面にバー塗布した後、UV硬化させて形成したものである。
弛み部36における基板Zの弛み量αと張力Tとの関係を予め求めておき、所定の面圧Psとなる張力Tが発生する弛み量αを変えて調節した。
本実施例において、張力Tが約1.5kgf/m(約14.7N/m)で、面圧が200gf/cm2(19.6kPa)であった。
ハンドリングの評価においては、基板がスリップして搬送(ハンドリング)できないものを「×」とし、基板がスリップなく搬送(ハンドリング)できるものを「○」とし、基板がスリップなく搬送(ハンドリング)でき、かつ特に搬送(ハンドリング)が優れたものを「◎」とした。
なお、下記表1に示すハンドリングの欄で「−(不可)」は、基板を搬送することができなかったことを示す。
バリア性能の評価においては、測定されたバリアフィルムの水蒸気透過率について、5×10−3(g/m2/day)を判定基準値として用いた。バリア性能の評価は、判定基準値よりも水蒸気透過率が小さいものを「○」とし、判定基準値よりも水蒸気透過率が大きいものを「×」とした。
12 供給室
14 第1の搬送室
16 前処理室
18 第2の搬送室
20 成膜室
22 第3の搬送室
24 真空排気部
26 制御部
30 基板ロール
30a、78 回転軸
31、60 ガイドローラ
32 第1の搬送ローラ
34 第2の搬送ローラ
36 弛み部
40 前処理部
42 第1のガイドローラ
44 第2のガイドローラ
46 パスローラ
48 ドラム
50 成膜部
52a〜52d 成膜電極
54 高周波電源
56 原料ガス供給部
70 有機成膜装置
72 塗布手段
74 乾燥手段
76 UV照射装置
80 巻取り軸
B 基体
b 有機膜
f 無機膜
Z 基板
Claims (8)
- 真空中を、長尺な基体の表面に有機膜が形成された基板を長手方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により前記長手方向に搬送される前記基板の前記有機膜の表面に無機膜を真空成膜法によって成膜する成膜手段とを有し、
前記搬送手段は、前記有機膜の表面に接触するローラを有し、前記ローラと前記有機膜の表面とが接触する接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲で、前記基板を前記長手方向に搬送することを特徴とする機能性フィルムの製造装置。 - 前記搬送手段は、前記基板の搬送方向と直交する方向に前記基板の一部をループ状に弛ませる弛み部を前記ローラよりも前記搬送方向の上流側を備え、前記弛み部における前記基板の弛み量を調整して、前記接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲とする請求項1に記載の機能性フィルムの製造装置。
- さらに、改質処理、脱ガス処理および除塵処理のうち、少なくとも1の処理を前記搬送手段により搬送される前記基板の前記有機膜の表面に施す処理手段を有し、
前記処理手段は、前記成膜手段よりも前記搬送方向の上流側に設けられている請求項1または2に記載の機能性フィルムの製造装置。 - 前記成膜手段は、ドラムに前記基板を巻き掛けて前記長手方向に搬送しつつ、前記無機膜を成膜する請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造装置。
- 真空中を、長尺な基体の表面に有機膜が形成された基板を長手方向に搬送しつつ、前記基板の前記有機膜の表面に無機膜を真空成膜法によって成膜する工程を有し、
前記基板の前記有機膜の表面に前記無機膜を成膜するために前記基板を搬送する際、前記有機膜の表面に接触するローラを用いて搬送するものであり、前記ローラと前記有機膜の表面とが接触する接触領域の面圧は10〜200gf/cm2の範囲であることを特徴とする機能性フィルムの製造方法。 - 前記長尺な基体の表面に有機膜が形成された基板を長手方向に搬送する工程においては、前記ローラよりも前記搬送方向の上流側で、前記基板の搬送方向と直交する方向に前記基板の一部をループ状に弛ませて前記基板を搬送しており、前記基板の弛み量を調整することにより、前記接触領域の面圧を10〜200gf/cm2の範囲とする請求項5に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記無機膜を真空成膜法によって成膜する工程の前に、改質処理、脱ガス処理および除塵処理のうち、少なくとも1の処理を前記基板の前記有機膜の表面に施す工程を有する請求項5または6に記載の機能性フィルムの製造方法。
- 前記前記基板の前記有機膜の表面に無機膜を真空成膜法によって成膜する工程においては、前記基板をドラム巻き掛けて前記長手方向に搬送しつつ、前記無機膜を成膜する請求項5〜7のいずれか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
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