JP2009278179A - 画像復号装置、画像復号方法、プログラム、及び、記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレフィルタ処理に対応するポストフィルタ処理を行なうことができない場合、積極的にポストフィルタ処理を省略し、処理量を低減することができる画像復号装置、画像復号方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】画像復号装置であって、画像における所定の画像領域を指定する指定手段201と、指定手段により指定された画像領域に対応する矩形領域で構成される第2の領域に対し、第2の領域の符号に基づいて生成された部分符号を取得する取得手段202と、取得手段により取得された部分符号に対し、周波数逆変換を行なう逆変換手段205と、逆変換手段により変換された画素値に対して、フィルタ逆演算を行なう逆演算手段206とを備え、逆演算手段は、第1の領域の境界周辺の画素値に対して、フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、フィルタ逆演算を行なわない画像復号装置。
【選択図】図23

Description

本発明は、画像復号装置、画像復号方法、プログラム、及び、記録媒体に関する。
近年、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)で採用されているDCT(離散コサイン変換)に代わる周波数変換として、ウェーブレット変換の採用が増加している。その代表例は、2001年に国際標準になったJPEG後継の画像圧縮伸長方式JPEG2000である。
これに対し、画像を分割し、分割単位でエントロピー符号化を行うことで、部分的なエントロピー復号や、エントロピー符号の部分的な抽出を可能にする方式が幾つか提案されている。最近では、画像をタイルと呼ばれる矩形に分割し、タイル内で周波数変換を行い、タイル単位でエントロピー符号化を行うJPEG−XRと呼ばれる方式が提案されている。
JPEG−XRでは、タイルを4×4画素のブロックに分割し、このブロック単位で周波数変換が行なわれる。また、JPEG−XRでは、このブロック境界においてブロックノイズが生じるのを防ぐため、ブロックをまたぐ4×4画素ごとにプレフィルタ処理が施される。また、画像境界部に関してはブロックをまたぐことができないので4×1のプレフィルタ処理が施される。
このプレフィルタ処理に関する従来技術として、特開2001−257596(特許文献1)には、ウェーブレット変換を用いて符号化する符号化方式において、タイル内の係数値を、タイル近傍の係数値を用いて補正することにより、タイル境界の歪を除去する技術が開示されている。
一方、JPEG−XRでは、エントロピー復号なしにタイル単位で符号を抽出することが可能であるため、例えば、ユーザが表示したい領域に関するタイルの符号のみ(部分符号ともいう)をサーバが送信し、クライアント側では、受信した符号だけでエントロピー復号を行うことが可能である。
例えば、サーバにある大きな画像をクライアント側で表示する場合に必要な画質だけの符号、必要な解像度だけの符号、見たい場所だけの符号、見たいコンポ−ネントだけの符号をサーバから受信し、復号することができる。
この様に、サーバに記憶されている符号から、必要な符号だけを受信するためのプロトコルをJPIP(JPEG2000 Interactive Protocol)と呼ぶ。このような階層的な画像を部分的にアクセスするためのプロトコルは、画像の多重解像度表現であるFlashPix(登録商標)と、それにアクセスするためのプロトコルであるIIP(Internet Imaging Protocol)に見ることができる。
例えば、特開平11−205786号公報(特許文献2)には、画像が格納されたサーバから、解像度、表示範囲、フレームレートのうち少なくとも1つを指定して、動画の1フレームに対応する画像を、画素群素片単位でダウンロードできる技術が開示されている。
特開2001−257596号公報 特開平11−205786号公報
JPEG−XRで符号化された符号に対し、所定の画像領域に対応する部分符号を取得して復号する場合、タイルの境界の係数に対してポストフィルタ処理を行なう際、隣接する他のタイルがない(取得していない)場合がある。かかる場合、タイル境界の係数であり、4×4のプレフィルタ処理を施した係数に対して、4×1のポストフィルタ処理を施していた。
しかし、4×4のプレフィルタ処理を施した係数に対して、4×1のポストフィルタ処理を施しても正確な逆変換とはならず、余計な処理となってしまう可能性がある。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ポストフィルタ処理を行なう際、プレフィルタ処理に対応する適切なポストフィルタ処理を行なうことができない場合は、積極的にポストフィルタ処理を省略し、処理量を低減することができる画像復号装置、画像復号方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の一局面の画像復号装置は、画像を矩形領域に分割し、分割された矩形領域の画素値に対し、前記矩形領域に隣接する矩形領域の画素値を用いてフィルタ演算を行ない、フィルタ演算後の画素値に対して前記矩形領域毎に周波数変換を行ない、周波数変換後の係数に対して複数の前記矩形領域で構成される第1の領域毎に量子化及び符号化が行なわれた符号を復号する画像復号装置であって、前記画像における所定の画像領域を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された画像領域に対応する矩形領域で構成される第2の領域に対し、該第2の領域の符号に基づいて生成された第1の部分符号を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された第1の部分符号に対し、周波数逆変換を行なう逆変換手段と、前記逆変換手段により変換された画素値に対して、フィルタ逆演算を行なう逆演算手段とを備え、前記逆演算手段は、前記第1の領域の境界周辺の画素値に対して、前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、前記フィルタ逆演算を行なわない。
本発明の他の局面の画像復号方法は、画像を矩形領域に分割し、分割された矩形領域の画素値に対し、前記矩形領域に隣接した矩形領域の画素値を用いてフィルタ演算を行ない、フィルタ演算後の画素値に対して前記矩形領域毎に周波数変換を行ない、周波数変換後の係数に対して複数の前記矩形領域で構成される第1の領域毎に量子化及び符号化が行なわれた符号を復号する画像復号方法であって、前記画像における所定の画像領域を指定する指定ステップと、前記指定ステップにより指定された画像領域に対応する矩形領域で構成される第2の領域に対し、該第2の領域の符号に基づいて生成された第1の部分符号を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された第1の部分符号に対し、周波数逆変換を行なう逆変換ステップと、前記逆変換ステップにより変換された画素値に対して、フィルタ逆演算を行なう逆演算ステップとを有し、前記逆演算ステップは、前記第1の領域の境界周辺の画素値に対して、前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、前記フィルタ逆演算を行なわない。
本発明によれば、ポストフィルタ処理を行なう際、プレフィルタ処理に対応する適切なポストフィルタ処理を行なうことができない場合は、積極的にポストフィルタ処理を省略し、処理量を低減することができる。
本発明における実施例を図面に基づいて説明する。
<JPEG−XRの基本的な符号化処理について>
まず、本発明の前提となるJPEG−XRの符号化処理について説明する。図1は、JPEG−XRの基本的な符号化処理を示すフローチャートである。図1を用いて、JPEG−XRの基本的な符号化処理を説明する。
JPEG−XR符号化方式では、まず、原画像をYCgCoの各成分に変換する。次に、タイルに分割し、分割されたタイルをさらに4×4画素のブロック(矩形領域)に分割する。なお、図6は、JPEG−XR符号化方式でのRGBからYUVへの色変換を示す図である。
ここで、図2は、JPEG−XRにおける画像、タイル、マクロブロック、ブロック、画素の関係を示す図である。図2に示すように、画像はタイルに分割され、タイルはマクロブロックに分割され、マクロブロックは16個のブロックに分割され、1ブロックは4×4の画素から成る。よって、これらの大小関係は、画像≧タイル≧マクロブロック≧ブロック≧画素となる。
また、JPEG−XRでは、この4×4画素のブロック単位で周波数変換を行うため、圧縮率が高い場合には従来技術のJPEG同様のブロックノイズが生じる恐れがある。そこで、ブロックノイズを低減させるため、プレフィルタ処理が行われる。
図1に戻り、ブロックをまたぐ4×4画素ごとにプレフィルタ処理が行われる。また、このプレフィルタ処理はタイル境界をまたいで行われる。つまり、このプレフィルタの逆変換を施す場合には注目タイルの上下左右のタイルの画素が必要となる。
図3は、プレフィルタをかける4×4画素(a〜p)と、周波数変換をする4×4画素の位置関係を示す図である。さらに、図4は、プレフィルタの式を仮想的なプログラムで表した図である。図3、図4に示す「a」は、プレフィルタをかける単位の左上の画素を表す。図4に示すプログラムを実行することにより、プレフィルタ処理を行うことができる。
図1に戻り、各タイル内でブロックごとに周波数変換が行なわれる。また、各タイル内で、マクロブロック内のDC成分が集められて、4×4係数の第2のブロックが形成される。この時、集められたDC成分以外の係数は、ハイパス(HP)係数として扱われる。
次に、前述した第2のブロックが集められることにより形成される第2の画像(係数群)に対して、第2のブロックをまたぐ4×4係数ごとにプレフィルタ処理が行われる。
再び各タイル内で、第2のブロックごとに周波数変換が行われる。前回同様に、各タイル内でマクロブロック内のDC成分が集められ、これをDC係数として扱う。また、DC成分以外の係数は、ローパス(LP)係数として扱う。
ここで、図5は、DC係数、LP係数、HP係数の階層的な位置関係を示す図である。わかりやすく説明するため、1マクロブロックに着目して説明する。図5に示すHP係数について、1回目の周波数変換後に各ブロックごとにDC成分が集められて(一番上のブロックの場合を例にとって、DC成分が集められる様子を図5に示す)、集められなかった係数がHP係数である。
LP係数について、1回目の周波数変換後に集められたDC成分に対して2回目の周波数変換を行い、2回目の周波数変換後のDC成分が集められて、集められなかった係数がLP係数である。DC係数について、2回目の周波数変換後に集められたDC成分がDC係数である。
さらに、図7、8は、周波数変換式を、仮想的なプログラムで表した図である。図7、8のプログラムを実行することで周波数変換処理を行うことができる。
図1に戻り、量子化処理によって、各タイル毎にDC係数、LP係数、HP係数が線形量子化される。最後に、エントロピー符号化処理によって、量子化後の係数に対して所定のエントロピー符号化が行われる。本願では、エントロピー符号化の詳細は詳述しない。なお、JPEG−XRで符号化された符号を伸張する場合は、前述した処理の逆順を辿ればよい。
<タイルと表示ウィンドウとについて>
次に、本発明においての前提となるタイルと表示ウィンドウについて説明する。以下、説明を簡単にするため図9に示す画像を想定する。図9は、16×16画素のタイル2つから成る画像を示す図である。
次に、ユーザ(クライアント)が表示したい領域について説明する。図10は、タイル内のウィンドウを示す図である。図10に示すようにタイル1内の斜線領域であるウィンドウ1を、ユーザ(クライアント)から表示するよう指示された場合を考える。
この場合、ユーザ(クライアント)はサーバに対して、ウィンドウ1に相当する符号を要求し、サーバはウィンドウ1をカバーする最小限の符号として、タイル1全体の符号を抽出し送信するよう構成することが可能である。
<ポストフィルタ処理について>
クライアント側では、受信(取得)したウィンドウ1を表示するため、タイル1全体の符号をエントロピー復号し、周波数逆変換を行う。そしてこの場合、図11に示すように、タイル1内部の領域1(タイル境界から3画素以上離れた画素領域)の画素に対しては、4×4のポストフィルタ処理を施し、画像の境界である領域2(画像の境界から2画素以内の画素領域)の画素に対しては、4×1のポストフィルタ処理を施すのが通常である。ただし、タイル左端の画素に関しては,ポストフィルタ処理を省略することも可能である。さて、ここで、画像の境界には位置しないが、タイル境界に位置する領域3(隣接タイルを有するタイル境界から2画素以内の画素領域)の画素に対して、ポストフィルタ処理を施すべきかどうかが問題となる。
こうした場合従来は、領域3の画素に対して、4×1のポストフィルタ処理を施していた。これは、4×4のポストフィルタ処理が施せないためであるが、そもそも4×4のプレフィルタ処理に対して4×1のポストフィルタ処理を施しても正確に逆変換できため、本発明では、ポストフィルタ処理を積極的に省略する。
さらに、実施例1では、図10に続いて、図12に示すように、クライアントの要求する領域が、スクロール等の結果、ウィンドウ1からウィンドウ2に遷移した場合を考える。この場合、ユーザ(クライアント)はサーバに対して、ウィンドウ2に相当する符号を要求する。
かかる場合、サーバは、ウィンドウ2をカバーする最小限の符号として、タイル2全体の符号を抽出し送信する。また、タイル1の符号に関しては、既に送信済みなので送信を省略するのが通常である。
この場合、タイル2に対しても図11と同様のポストフィルタ処理が施され、画像の境界には位置しないが、タイル境界に位置する領域3の画素に対して、前述したポストフィルタの問題が生じる。
しかし、かかる場合に、タイル1の画素をキャッシュとして保持しておけば、図13の斜線部に示すように、ポストフィルタ処理を施していないタイル1の画素値と、ポストフィルタ処理を施していないタイル2の画素値とを用い、プレフィルタ処理に対応する正確なポストフィルタ処理を施すことができる。
つまり、タイル1で不正確なポストフィルタ処理(4×4のプレフィルタ処理に対し4×1のポストフィルタ処理を施すこと)を抑制し、かつ、ポストフィルタ処理を施していないタイル1の画素値を保持しておけば、タイル2の符号を受信したときに、タイル1、2の境界周辺の画素値に対して正確なポストフィルタ処理(4×4のポストフィルタ処理)を施すことができる。
<JPEG−XR符号の構成について>
図14は、JPEG−XRの符号構成を示したものであり、画像全体に関するヘッダ、符号化条件等を格納した画像プレーンヘッダ、各タイルのエントロピー符号の位置を示すインデックステーブル、各タイルのエントロピー符号という順で並んでいる。
図15は、JPEG−XRの符号構成を仮想的なプログラム(以降の図でも同様)で表した図である。
図16は、イメージヘッダをプログラムで表した図である。図16に示すように、プレフィルタの有無や画像サイズ、タイルサイズ等のパラメータが格納されている。
図16に示すように
画像の幅 = WIDTH_MINUS1 +1 ・・・式(1)
画像の高さ = HEIGHT_MINUS1 +1 ・・・式(2)
で画像の幅と高さが求められる。また、
垂直方向のタイル数 = NUM_VERT_TILES_MINUS1 +1 ・・・式(3)
水平方向のタイル数 = NUM_HORIZ_TILES_MINUS1 +1 ・・・式(4)
で水平、垂直方向のタイル数が求められる。この結果、画像の総タイル数は
N =(NUM_VERT_TILES_MINUS1 +1)× (NUM_HORIZ_TILES_MINUS1 +1) ・・・式(5)
で与えられる。実施例1においては、各タイルに対し、左上からラスター順に番号を振ることにする。タイルの番号は1から始まりNで終わる。また本実施例においては、画像の右端や下端では端数サイズのタイルが生じうるが、各タイルのサイズは基本的に同一とする。
また、
タイルの幅TILEWIDTH = (TILEWIDTH_INMB_MINUS1+1)×16 ・・・式(5)
タイルの高さTILEHEIGHT = (TILEHEIGHT_INMB_MINUS1+1)×16 ・・・式(6)
で与えられる。
図17は、イメージプレーンヘッダをプログラムで表した図である。図17に示すように、イメージプレーンヘッダには、量子化等の条件が格納されている。
図18は、インデックステーブルをプログラムで表した図である。図18に示すように、インデックステーブルには、インデックステーブルの終端から、各タイルのエントロピー符号へのオフセット値が格納されている(最初のタイルへのオフセット値は0である)。
図19は、タイルの符号をプログラムで表した図である。各タイルのエントロピー符号を「マクロブロックの場所→周波数」の順で並べる場合(スペーシャルモード)と、「周波数毎→マクロブロック場所毎」の順で並べる場合(周波数モード)の2通りがあるが、ここではスペーシャルモードを採用している。図20は、2通り(スペーシャルモードと周波数モード)のタイルの符号の配列を示す図である。
また、図21は、スペーシャルモードのタイルの符号の詳細をプログラムで表した図である。図21に示すように、冒頭にTILE_STARTCODEが位置する。このTILE_STARTCODEは、もともと各タイルのエントロピー符号の始まりを表す所定24ビットのマーカに過ぎないが、実施例1においては、このTILE_STARTCODEに、各タイルの番号Nを入力している。
つまり、各タイルの符号は各タイルの番号を有しており、前記画像サイズ、タイル数とこの番号をもとに、復号側は、画像全体中の各タイルの位置を知ることができる。以上、説明した内容を踏まえ、実施例1における画像復号装置について説明する。
<本発明に係るシステム構成について>
図22は、本発明に係るシステムの概略構成を示す図である。本発明に係る情報処理装置(サーバ)は、HDD101(Hard Disk Drive)、RAM(Random Accesses Memory)102、CPU(Central Processing Unit)103を含み、クライアントPC(Personal Computer)104とデータバスを介して接続されている。
図22を用いて、本発明に係るシステムの概略処理を説明する。まず、HDD101上に記憶された原画像の符号(JPEG−XRで符号化された符号)が、CPU103からの命令によって、RAM102上に読み込まれる。
次に、CPU103は、RAM102上の符号を読み込み、符号の抽出処理を行なって、所定の画像領域に対応する第2の符号(部分符号)を抽出する。CPU103は、第2の符号をRAM102上の別の領域に書き込む。また、CPU103からの命令によって、第2の符号が復号される。このとき、第2の符号を復号するときに、本発明では条件に応じてポストフィルタ処理を省略するが、詳細は後述する。
また、さらにバス上にクライアントPC104(画像復号装置)が接続されている場合、クライアントPC104は、所定の画像領域を情報処理装置(サーバ)に対して指定し、情報処理装置は、指定された画像領域を受け付ける。
情報処理装置が受け付ける情報は、クライアントPCが指定した画像の符号(符号ファイル名)、画像の解像度、表示ウィンドウ(リクエストウィンドウ)のサイズ(roff,rsize)などである。リクエストウィンドウについては図24を用いて後述する。
次に、HDD101上に記録された原画像の符号が、CPU103からの命令によってRAM102上に読み込まれる。次に、CPU103は、RAM102上の符号を読み込み、符号の抽出処理を適用してクライアントPC104が要求する矩形領域に相当する第2の符号を抽出する。次に、CPU103からの命令によって、第2の符号がクライアントPC104に送信され、クライアントPC104は、第2の符号を復号する。
本願における、クライアントPC104から情報処理装置(サーバ)へ所望する画像領域の指定は、JPIPと同様に、表示したい解像度と領域との両方が少なくとも指定されることとする。
<実施例1に係る画像復号装置の主要機能の構成について>
図23は、実施例1に係る画像復号装置の主要機能の構成を示す図である。画像復号装置200は、指定手段201、取得手段202、エントロピー復号手段203、逆量子化手段204、周波数逆変換手段205、ポストフィルタ手段206、記憶手段207を含む機能構成である。
指定手段201は、表示したい画像領域の指定をユーザから受け付け、サーバ側に指定された画像情報を送信する。ここで、指定された画像情報とは、符号ファイル名、解像度、画像領域のサイズ情報、画像領域の位置情報などである。
ここで、図24を用いてリクエストウィンドウについて説明する。図24は、リクエストウィンドウの一例を示す図である。例えば、図24に示すような320×320画素の画像に対し、左上を原点として、(128,128)を頂点とした、大きさ128×128画素の領域が、所定の画像領域として指定される場合、
fsize=(fx,fy)=(320,320) (解像度の指定)
roff=(ox,oy)=(128,128) (領域オフセットの指定)
rsize=(rx,ry)=(128,128) (領域サイズの指定)
なる指定がなされる。指定手段201は、これらの情報をサーバに送信する。
取得手段202は、指定した画像領域に対応する部分符号をサーバから受信し、受信した部分符号をエントロピー復号手段203に出力する。
エントロピー復号手段は、取得手段202より部分符号を取得し、取得した部分符号に対してエントロピー復号処理を行ない、復号した係数を逆量子化手段204に出力する。
逆量子化手段204は、エントロピー復号手段203より取得した係数に対して逆量子化処理を行って周波数係数を得て、周波数逆変換手段205に周波数係数を出力する。
周波数逆変換手段205は、逆量子化手段204より取得した周波数係数に対し、周波数逆変換を行って画素値に戻す。また、周波数逆変換手段205は、周波数逆変換後の画素値をポストフィルタ手段206に出力する。
ポストフィルタ手段206は、周波数逆変換手段205より取得した画素値に対し、ポストフィルタ処理を行なう。ここで、ポストフィルタ手段206は、フィルタ対象ブロックに対して、プレフィルタ処理に対応する適切なポストフィルタ処理が可能なブロックであるか否かの判定を行なう。
適切なポストフィルタ処理が可能なブロックとは、例えば、4×4のプレフィルタ処理に対しては4×4のポストフィルタ処理、4×1のプレフィルタ処理に対しては4×1のポストフィルタ処理を施すことができるブロックである。図11を例にすると領域1と領域3内のブロックが、適切なポストフィルタ処理が可能なブロックである。
実施例1では、プレフィルタ処理に適切な対応するポストフィルタ処理を行うことができない場合は、ポストフィルタ処理を行なわない。図11を例にすると、領域3のブロックについては、ポストフィルタ処理を施さない。
つまり、領域3の画素は、領域3の画素に隣接するタイルが存在しないので、4×4のポストフィルタ処理を行なうことができないため、かかる場合に従来行なっていた4×1のポストフィルタ処理を積極的に省略する。
記憶手段207は、ポストフィルタ手段206による処理後の画素値を記憶する。この画素値には、図11に示す領域3のように、ポストフィルタ処理が行なわれなかった画素値も含む。また、記憶手段207は、周波数逆変換とポストフィルタ処理とが一体となって行なわれる場合は、周波数係数を記憶する。かかる場合の詳細については変形例2で説明する。
<部分符号の生成処理1について>
ここでは、画像復号装置200が取得する部分符号の生成処理1について説明する。図25は、部分符号の生成処理1のフローチャートである。ここでは部分符号はサーバ側で生成されるとして説明する。また、部分符号の生成処理1は、クライアントPC側から1回のみ、画像領域の指定があることを想定している。
ステップ101では、指定された画像情報である符号ファイル名と、表示に必要な解像度,領域オフセット,領域サイズ(fsize,roff,rsize)をサーバが受け付ける(以下、表示に必要な解像度、領域オフセット、領域サイズのセットを、ウィンドウ要求と呼ぶ)。
ステップ101に続いてステップ102に進み、サーバは、fsizeのfx,fyから、送信に必要な解像度レベルを算出する。解像度算の仕方については図26を用いて後述する。JPEG−XRの場合、選択可能な解像度は、原画像の1/16、1/4、等倍の3種類である(1/16,1/4,等倍のとき、それぞれd=16,4,1としておく)。
ステップ102に続いてステップ103に進み、サーバは、解像度と領域オフセット、領域サイズをもとに、表示に必要なタイルの番号を求める。
表示に必要なタイルの内、左上のタイルの番号は、
floor{(Height /(oy×d))×(NUM_HORIZ_TILES_MINUS1+1)+ceiling{ (ox×d)}/ TILEWIDTH} ・・・式(7)
であり、右下のタイルの番号は
floor{(Height/{(oy+ry)×d})}×(NUM_HORIZ_TILES_MINUS1+1)+ceiling{{(oy+ry)×d}}/ TILEWIDTH} ・・・式(8)
である、ここでfloor(x)は、実数xのフロア関数、ceiling(x)は、実数xのシーリング関数である。
ステップ103に続いてステップ104に進み、サーバは、上記左上、右下のタイルで構成される矩形領域のタイルのエントロピー符号だけを残し、その他のタイルのエントロピー符号を破棄する。
ステップ104に続いてステップ105に進み、サーバは、残ったタイルの符号用にインデックステーブルを書き換える。例えば、図14に示す符号構成において、7番〜12番までのタイルだけが必要な場合は、これらのタイルのエントロピー符号だけ残し、インデックステーブルは、順にこれらを指すように修正する。これらの処理によって、原符号からエントロピー復号なしに表示に必要な部分符号が生成される。
ステップ105に続いてステップ106に進み、サーバは、生成した部分符号を、画像領域を要求したクライアントPCに送信する。
<解像度算出処理について>
ステップ102において、サーバにより行なわれる解像度算出について、図26を用いて説明する。図26は、解像度算出処理のフローチャートである。
ステップ201では、サーバは、受け付けた画像情報からfsizeのfx,fyを取得する。ステップ201に続いてステップ202に進み、取得した符号ファイル名の画像符号ファイルのイメージヘッダから、原画像の横方向画素数Width,縦方向画素数Heightを検出する。
ステップ202に続いてステップ203に進み、解像度判定に用いるmの値を算出する。解像度判定に用いるmは、
m = max [ fx / Width , fy / Height ] ・・・式(9)
の算出式で求められる。
ステップ203に続いてステップ204に進み、mが1/16以下であるか否かを判定する。ステップ204の判定結果がYESである場合、ステップ205に進み、必要な解像度はDC符号のみであると決定する。
ステップ204の判定結果がNOである場合、ステップ206に進み、mが1/4以下であるか否かを判定する。ステップ206の判定結果がYESである場合、ステップ207に進み、必要な解像度は、DC符号とLP符号のみであると決定する。
ステップ206の判定結果がNOである場合、ステップ208に進み、必要な解像度は全ての符号(DC、LP、HP、Flexbits全ての符号)であると決定する。
以上の処理により、必要な解像度を求めることができる。
<復号処理1について>
次に、実施例1に係る画像復号装置の復号処理1について説明する。図27は、画像復号装置における復号処理1のフローチャートである。復号処理1は、部分符号の生成処理1に対応する復号処理である。
ただし、図27に示す例では説明を簡単にするため、原符号は、2回プレフィルタが施されており、表示に必要な部分符号としては、原符号の1/4の解像度に相当する所定のタイルの符号のみが画像復号装置に入力されるものとする。
ステップ301では、取得手段202が、サーバから部分符号を取得する。ステップ301に続いてステップ302では、エントロピー復号手段203が、取得した部分符号のイメージヘッダから画像サイズ、タイルサイズ、原画像におけるタイル数を検知する。なお、ステップ302では、取得手段202がかかる検出を行なってもよい。
ステップ302に続いてステップ303に進み、エントロピー復号手段203が、インデックステーブルをもとに、各タイルの符号をエントロピー復号する。ステップ303に続いてステップ304に進み、周波数逆変換手段205は、タイル符号の冒頭にあるタイル番号をもとに各タイルの位置を検出する。
ステップ304に続いてステップ305に進み、周波数逆変換手段205は、各タイルの係数を周波数逆変換する。ステップ305に続いてステップ306に進み、ポストフィルタ手段206が、適切なポストフィルタ処理が可能なブロックであるか否かを判定する。
ステップ306の判定結果がYESである場合、ステップ307に進み、ポストフィルタ手段206が、適切なポストフィルタ処理を施す。ステップ306の判定結果がNOである場合、又はステップ307の処理が終了した場合、ステップ308に進み、ポストフィルタ手段206が、全ブロックに対してステップ306の判定を行なったか否かを判定する。判定結果がNOである場合は、ステップ306に戻る。
以上、前述したように取得した部分符号に対する復号処理を行なうことで、タイル境界の画素値に対して、隣接するタイルが存在しないことにより適切なポストフィルタ処理ができない場合は、積極的にポストフィルタ処理を省略することにより処理量を低減することができる。
<部分符号の生成処理2について>
次に、実施例1に係る画像復号装置が取得する部分符号の生成処理2について説明する。図28は、サーバ側における部分符号の生成処理2のフローチャートである。部分符号の生成処理2では、1つの画像に対して、複数の画像領域が指定され、複数の部分符号をクライアントPC側に送信する場合を想定している。なお、図28に示す処理において、図25と同様の処理を行なうものは図25と同じ符号を付し、その説明を省略する。
ステップ401では、サーバは、クライアントPC等から符号ファイル名を受け付ける。ステップ401に続いてステップ402に進み、サーバは、受け付けた符号ファイル名に対応するイメージヘッダ、イメージプレーンヘッダをクライアントPC側に送信する。
ステップ402に続いてステップ403に進み、サーバは、クライアントPC側から画像情報を受け付けたか否かを判定する。ステップ403の判定結果がYESである場合は、ステップ102に進み、以降は図25に示す処理と同様の処理を行なう。
これにより、クライアントPC側から一度符号ファイル名が指定された場合、同じ画像において、画像領域を指定される毎に、画像領域に対応する部分符号をクライアントPC側に送信することが可能になる。
<復号処理2のフローチャート>
次に、実施例1に係る画像復号装置の復号処理2について説明する。図29〜31は、画像復号装置における復号処理2のフローチャートである。復号処理2は、部分符号の生成処理2に対応する復号処理である。
なお、図29〜31に示す例でも説明を簡単にするため、原符号は、2回プレフィルタが施されており、表示に必要な部分符号としては、原符号の1/4の解像度に相当する所定のタイルの符号のみが画像復号装置に入力されるものとする。
図29〜31に示す処理において、図27に示す処理と同様の処理を行なうものは、図27と同じ符号を付し、その説明を省略する。
ステップ501では、指定手段201が、ユーザにより復号(表示)したい画像の符号ファイル名を指定される。ステップ501に続いてステップ502に進み、取得手段202が、サーバからイメージヘッダ、イメージプレーンヘッダを取得する。
ステップ502に続いてステップ503に進み、指定手段201が、ユーザにより第1の画像領域を指定され、クライアントPC側に指定された画像領域に対応する画像情報を送信する。
ステップ503に続いてステップ504に進み、図27に示す復号処理(ステップ301〜ステップ308)を行なう。
ステップ504に続いてステップ505に進み、記憶手段207が、第1の部分符号に対応する部分画像を記憶する。なお、ステップ505では、ステップ504の復号処理が終了した時点で、部分画像を記憶するようにしたが、ステップ307のポストフィルタ処理を行なった後の画素値をその都度記憶するようにしてもよい。また、その際、ステップ306によりポストフィルタ処理が省略された場合は、ポストフィルタ処理がされていない画素値を記憶するようにする。
ステップ505に続いてステップ506に進み、指定手段201が、第1の画像領域とは異なる第2の画像領域が指定されたか否かを判定する。
ステップ506の判定結果がYESである場合、ステップ601に進み、取得手段202が、第2の画像領域に対応する第2の部分符号を取得する。ステップ601の処理が終了すると、ステップ302〜305までは図27に示す処理と同様の処理を行なう。
ステップ602では、ポストフィルタ手段206が、ポストフィルタ処理をする対象のブロックが、第2の部分符号のみで適切なポストフィルタ処理が可能なブロック否かを判定する。
ステップ602の判定結果がYESである場合はステップ307の処理を行う。ステップ602の判定結果がNOである場合は、ステップ603に進み、ポストフィルタ手段206が、第1の部分符号を用いて適切なポストフィルタ処理が可能なブロックか否かを判定する。
ここで、第1の部分符号を用いて適切なポストフィルタ処理が可能なブロックとは、記憶手段207に記憶されている第1の部分符号に対応する部分画像を用いて、適切なポストフィルタ処理ができるブロックのことを言う。たとえば、図13に示す領域3のブロックのうち、タイル1に隣接するタイル2のブロックである。
ステップ603の判定結果がYESである場合、ステップ604に進み、ポストフィルタ手段206は、記憶手段207に記憶されている部分画像を用いて適切なポストフィルタ処理を行なう。
例えば、図13に示すタイル2における領域3のブロックは、タイル1における領域3のブロックが記憶手段207に記憶されているため、かかる領域3のブロックについて適切なポストフィルタ処理が可能となる。
以上、前述したように複数の部分符号を復号する場合に、隣接するタイルが存在しない場合に、ポストフィルタ処理を積極的に省略し、その画素値を記憶しておくことで、後にその画素値を用いて適切なポストフィルタ処理を行なうことができる。また、不適切なポストフィルタ処理を行なった画素値を用いてポストフィルタ処理を行なうことがないため、画質の劣化を防ぐことができる。
[変形例1]
変形例1に係る画像復号装置について説明する。変形例1では、復号処理2における変形例であり、復号処理2では、部分符号に対応する部分画像を記憶していたが、変形例1では、部分符号自体を記憶する。
部分符号の生成処理は実施例1における生成処理2と同様であるので、その説明を省略する。以下、変形例1における復号処理について図32〜34を用いて説明する。図32〜34は、変形例1における復号処理のフローチャートである。なお、図32〜34に示す処理において、図27、29〜31に示す処理と同様の処理を行なうものは、図27、29〜31と同じ符号を付し、その説明を省略する。
復号処理装置が、復号(表示)したい画像の符号ファイル名と画像領域を指定されるまでは、ステップ501〜503と同様の処理を行なう。次に、ステップ701では、取得手段202が第1の部分符号を取得し、取得した第1の部分符号を保持する。取得手段202は記憶部を備え、その記憶部に部分符号を保持するようにしてもよいし、外部の記憶部(例えば記憶手段207)に保持するようにしてもよい。
ステップ701の処理が終了すると、ステップ302〜307の処理を行う。ここで、ステップ306の判定結果がNOである場合、ステップ702に進み、ポストフィルタ手段206が、ポストフィルタ処理を省略せず4×1のポストフィルタ処理を行なう。
次に、ステップ506において、第2の部分画像が指定されると、ステップ703に進み、取得手段202が、第2の部分符号を取得し、取得した第2の部分符号を保持する。保持の仕方はステップ701の処理と同様とする。
ステップ704では、エントロピー復号手段203が、記憶されている第1の部分符号と取得手段202より取得した第2の部分符号とのそれぞれのインデックステーブルをもとに各タイルの符号をエントロピー復号する。
ステップ704に続いてステップ705に進み、周波数逆変換手段205が、タイル符号の冒頭にあるタイル番号をもとに、第1及び第2の部分符号中の各タイルの位置を検出する。
ステップ705に続いてステップ706に進み、周波数逆変換手段205が、第1及び第2の部分符号中の各タイルの係数を周波数逆変換する。ステップ306以降の処理は前述した処理と同様である。
以上、変形例1によれば、同一の画像において、複数の画像領域を指定する場合であっても、取得した部分符号を記憶しておくことで、表示する画像領域を復号する際に、必要な部分符号を記憶部から取得して適切に復号することができる。
また、部分符号自体を記憶するため、適切なポストフィルタ処理ができなくても、ステップ702に示すように、4×1のポストフィルタ処理を施すことができる。後に、この画素をポストフィルタ処理で用いる場合でも、ポストフィルタ処理を施した画素値を用いるのではなく、部分符号から変換した画素値を用いることができるので、適切なポストフィルタ処理が可能となる。また、この場合、処理量を削減したいのであれば、ステップ702は、実施例1同様省略することも可能である。
[変形例2]
変形例2に係る画像復号装置について説明する。変形例2では、プレフィルタ処理と周波数変換処理とが一体化されて処理することを想定し、同様に周波数逆変換処理とポストフィルタ処理とが一体化されて処理することを想定している。
前述した実施例、変形例では、ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理とが独立した構成となっていたが、これらの処理は一体化して構成する場合が多い。なぜなら、ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理とは、線形処理のシーケンシャル結合が可能であるので、計算式としての一体化が容易だからである。
線形処理を一体化した場合の典型的な変換は、重複直交変換(Lapped Orthogonal Transform)や重複双直交変換がある。ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理との一体化の処理は、これらの重複直交変換や重複双直交変換においても適用可能である。
実施例1や変形例1と比較して、ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理とを一体化することで相違する点は、復号化対象のタイルの隣接タイルが存在しない場合、ポストフィルタ演算部分を行なわずに周波数逆変換処理を行なう点である。よって、ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理とを一体化して行なう場合でも、本発明を実施することができる。
また、実施例1では、複数の画像領域が指定される場合、部分符号に対応する部分画像を記憶しておくようにしたが、変形例2では、部分画像ではなく周波数逆変換する前の周波数係数を記憶するようにすればよい。また、複数の画像領域が指定される場合、部分符号自体を記憶する変形例1においても、ポストフィルタ処理と周波数逆変換処理とを一体化して処理するようにすれば適用可能である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、前述した変形例以外にも種々の変形・変更が可能である。
なお、実施例1や変形例において説明した処理内容をプログラムとして記録媒体に記録し、このプログラムが記録された記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前述した処理を画像復号装置に実行させることも可能である。
また、本発明に係る画像復号装置では、クライアントPCは必ずしも必要ではなく、自装置で所定の領域を指定し、自装置内に記憶する符号から所定の領域に対応する符号を抽出して復号し、表示するようにしてもよい。
JPEG−XRの圧縮・伸張処理のフローチャート。 JPEG−XRにおける画像、タイル、マクロブロック、ブロック、画素の関係を示す図。 プレフィルタをかける4×4画素と、周波数変換をする4×4画素の位置関係を示す図。 プレフィルタの式を仮想的なプログラムで表した図。 DC係数、LP係数、HP係数の階層的な位置関係を示す図。 JPEG−XRの色変換を示す図。 周波数変換式を仮想的なプログラムで表した図。 周波数変換式を仮想的なプログラムで表した図。 16×16画素の2つのタイルを示す図。 タイル1内のウィンドウを示す図。 タイル1内のポストフィルタを示す図。 タイル1、2をまたがるウィンドウを示す図。 本発明におけるポストフィルタを示す図。 全体画像の符号構成を示す図。 JPEG−XRにおける全体画像の符号構成をプログラムで表した図。 JPEG−XRにおけるイメージヘッダをプログラムで表した図。 JPEG−XRにおけるイメージプレーンヘッダをプログラムで表した図。 JPEG−XRにおけるインデックステーブルをプログラムで表した図。 JPEG−XRにおける各タイルの符号をプログラムで表した図。 JPEG−XRにおける2通りのタイル符号の配列を示す図。 JPEG−XRにおけるタイルの符号の詳細をプログラムで表した図。 本発明に係るシステムの概略構成を示す図。 実施例1に係る画像復号装置の主要機能構成を示すブロック図。 リクエストウィンドウの一例を示す図。 部分符号の生成処理1のフローチャート。 解像度算出処理のフローチャート。 復号処理1のフローチャート。 部分符号の生成処理2のフローチャート。 復号処理2のフローチャート。 復号処理2のフローチャート。 復号処理2のフローチャート。 変形例1における復号処理のフローチャート。 変形例1における復号処理のフローチャート。 変形例1における復号処理のフローチャート。
符号の説明
101 HDD
102 RAM
103 CPU
104 クライアントPC
200 画像復号装置
201 指定手段
202 取得手段
203 エントロピー復号手段
204 逆量子化手段
205 周波数逆変換手段
206 ポストフィルタ手段
207 記憶手段

Claims (9)

  1. 画像を矩形領域に分割し、分割された矩形領域の画素値に対し、前記矩形領域に隣接する矩形領域の画素値を用いてフィルタ演算を行ない、フィルタ演算後の画素値に対して前記矩形領域毎に周波数変換を行ない、周波数変換後の係数に対して複数の前記矩形領域で構成される第1の領域毎に符号化が行なわれた符号を復号する画像復号装置であって、
    前記画像における所定の画像領域を指定する指定手段と、
    前記指定手段により指定された画像領域に対応する矩形領域で構成される第2の領域に対し、該第2の領域の符号に基づいて生成された第1の部分符号を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された第1の部分符号に対し、周波数逆変換を行なう逆変換手段と、
    前記逆変換手段により変換された画素値に対して、フィルタ逆演算を行なう逆演算手段とを備え、
    前記逆演算手段は、前記第1の領域の境界周辺の画素値に対して、前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、前記フィルタ逆演算を行なわない画像復号装置。
  2. 前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合の前記逆演算手段の逆演算結果である前記第1の領域の画素値を記憶する記憶手段を備え、
    前記取得手段は、
    前記受付手段により受け付けた画像領域に対応する矩形領域が、前記第1の領域に隣接する他の領域と前記第1の領域とに跨る第3の領域である場合、前記第1の領域に含まれない領域に対応する符号に基づいて生成される第2の部分符号を取得し、
    前記逆演算手段は、前記他の領域の境界周辺の画素値に対して、前記記憶手段に記憶されている画素値を用いてフィルタ逆演算を行なう請求項1記載の画像復号装置。
  3. 前記第1の部分符号を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段は、
    前記受付手段により受け付けた画像領域に対応する矩形領域が、前記第1の領域に隣接する他の領域と前記第1の領域とに跨る第3の領域である場合、前記第1の領域に含まれない領域に対応する符号に基づいて生成される第2の部分符号を取得し、
    前記逆変換手段は、前記第1の部分符号と前記第2の部分符号との両方の部分符号に対し、周波数逆変換を行い、
    前記逆演算手段は、前記他の領域の境界周辺の画素値に対して、前記逆変換手段により変換された前記第1の部分符号に対応する画素値を用いてフィルタ逆演算を行なう請求項1記載の画像復号装置。
  4. 前記フィルタ逆演算を一体化して前記周波数逆変換を行なう場合、
    前記逆変換手段は、前記第1の領域の境界周辺の周波数係数に対して、前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、前記フィルタ逆演算における演算を行なわずに周波数逆変換を行なう請求項1記載の画像復号装置。
  5. 前記第1の領域の周波数係数を記憶する記憶手段を備え、
    前記取得手段は、
    前記受付手段により受け付けた画像領域に対応する矩形領域が、前記第1の領域に隣接する他の領域と前記第1の領域とに跨る第3の領域である場合、前記第1の領域に含まれない領域に対応する符号に基づいて生成された部分符号を取得し、
    前記逆変換手段は、前記他の領域の境界周辺の周波数係数に対して、前記記憶手段に記憶されている周波数係数を用いて前記フィルタ逆演算と一体化した周波数逆変換を行なう請求項4記載の画像復号装置。
  6. 前記第1の部分符号を記憶する記憶手段と、
    前記取得手段は、
    前記受付手段により受け付けた画像領域に対応する矩形領域が、前記第1の領域に隣接する他の領域と前記第1の領域とに跨る第3の領域である場合、前記第1の領域に含まれない領域に対応する符号に基づいて生成された第2の部分符号を取得し、
    前記逆変換手段は、前記第1の部分符号と前記第2の部分符号との両方の部分符号におけるエントロピー復号結果に対し、周波数逆変換を行なう請求項4記載の画像復号装置。
  7. 画像を矩形領域に分割し、分割された矩形領域の画素値に対し、前記矩形領域に隣接した矩形領域の画素値を用いてフィルタ演算を行ない、フィルタ演算後の画素値に対して前記矩形領域毎に周波数変換を行ない、周波数変換後の係数に対して複数の前記矩形領域で構成される第1の領域毎に符号化が行なわれた符号を復号する画像復号方法であって、
    前記画像における所定の画像領域を指定する指定ステップと、
    前記指定ステップにより指定された画像領域に対応する矩形領域で構成される第2の領域に対し、該第2の領域の符号に基づいて生成された第1の部分符号を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにより取得された第1の部分符号に対し、周波数逆変換を行なう逆変換ステップと、
    前記逆変換ステップにより変換された画素値に対して、フィルタ逆演算を行なう逆演算ステップとを有し、
    前記逆演算ステップは、前記第1の領域の境界周辺の画素値に対して、前記フィルタ逆演算に用いる画素値がない場合に、前記フィルタ逆演算を行なわない画像復号方法。
  8. 請求項7記載の情報処理方法が記載された、コンピュータにより実行可能なプログラム。
  9. 請求項8記載のプログラムを記録した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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