JP2009277614A - バックライト装置及び光測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプル交換によるバックライト内部の温度変化が引き起こす測定値の変化を防止し、光学部材の光学測定を短時間できるバックライト装置を提供する。
【解決手段】光源11と、光拡散箱13と、光拡散箱13に設けられた開口部17と、開口部17を閉塞する透光性蓋部材14と、光源11の光を光拡散箱13内に導く光ファイバ12とを備え、光拡散箱13の内面を、光ファイバ12を通して入射される光を拡散し反射させて透光性蓋部材14を通し出射させる光拡散反射層18により構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に液晶表示素子を用いたディスプレイ装置の照明光路制御に使用される光学部材の光学測定に好適なバックライト装置及び光測定装置に関する。
バックライトの方式には、大別して冷陰極管(CCFT:Cold Cathode Fluorescent Tube)等の光源を光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板の側端部に沿って取り付け、光源からの光を導光板内で多重反射させる導光板ライトガイド方式、いわゆるエッジライト方式と、導光板を用いず液晶パネルの背面に光源を配置した直下型方式とがある。
最近では、ノート型パーソナルコンピュータや携帯情報端末などに用いられる20インチ以下の画面サイズの小型液晶表示装置には、低消費電力化が図れ、薄型化の容易なエッジライト方式の採用が主流となり、20インチ以上の画面サイズの中ないし大型の液晶表示装置では直下型方式の採用が主流となっている。
従来、光学部材の高額測定に用いられるバックライト装置としては、図1に示すように、複数本の棒状の冷陰極ランプ(CCFL)1を同一平面上に定間隔で配列し、これら冷陰極管1の背面には、これら冷陰極ランプ1を背面から覆うようにして反射部材2が配置される。そして、冷陰極ランプ1の光出射側である反射部材2の開口部2aには、これを覆うように反射部材が設けられている。この拡散板3は、冷陰極ランプ1の輝度ムラを緩和し、均一な光源とするために使用される。また、拡散板3の光出射面上には種々の光学シート4が配置されている。この光学シート4には、例えば拡散シート、レンズシート、偏光分離シートやこれらを適宜組み合わせたものが使用される。
レンズシートとしては、例えばRBEF(3M社製)が挙げられ、偏光分離シートとしてはDBEF(3M社製)が挙げられる。これらの光学シートのうち、拡散シートやレンズシートは、拡散板のみでは完全に消すことができなかった冷陰極ランプの光ムラを消し、拡散光を集光させて正面輝度を上げる役割を果たす。また、偏光分離シート(DBEF)は、バックライト光をP偏光とS偏光に分離して、液晶パネルの下側の偏光板を透過しない偏光光を反射させることでその偏光光を再利用し、これにより、液晶の輝度を上げることができる。
光学シート4の輝度測定を行う場合は、図1に示すように、バックライト装置の光出射面上に光学シート4をセットし、この光学シート4上に液晶パネル5を被せた後、液晶パネル5の上方に配置した輝度計6を用いて輝度の測定を行う(特許文献1参照)。
特許第3642723号
ところで、光学部材の輝度測定を行う場合、バックライト装置の内部及び測定環境の温度変化に特に注意を払わなければならない。特にバックライト装置に用いるランプ(CCFL)は、温度特性が大きく、測定環境の温度が変化するとランプの輝度が変化してしまう。もし、密閉した環境で測定を行った場合、バックライト装置の発熱による温度上昇で、初期の測定値と数時間後の測定値に差が生じる可能性がある。従って、バックライト装置を用いて輝度測定を行う場合は必ず厳密に温度管理を行った状態のもとで測定を行わなければならない。
また、バックライト装置を用いて光学部材(光学シート)の輝度測定を行う場合は、液晶パネルを開いて測定サンプルを交換し、再び液晶パネルを閉じてから測定を開始するという煩雑な作業が必要であり、さらに液晶パネルを開けることによるバックライト装置内部の温度変化や、サンプル交換によりバックライト装置に加わる振動や衝撃によりランプの輝度安定性が損なわれるという問題がある。
また、一度測定サンプルを交換したら、バックライト装置内部の温度が安定するまで数十分から1時間程度の待ち時間が必要になり、ランプの輝度が安定したら始めて測定が可能になる。このような方法では、数量の多いサンプルを測定する場合に非常に時間がかかり著しく不都合である。
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、光学部材の光学測定において、サンプル交換によるバックライト内部の温度変化が引き起こす測定値の変化を防止し、光学部材の光学測定を短時間で行うことができるバックライト装置及びこれを用いた光測定装置を提供することが目的とする。
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、バックライト装置であって、光源と、光拡散箱と、前記光拡散箱に設けられた開口部と、前記開口部を閉塞する透光性蓋部材と、
前記光源の光を前記光拡散箱内に導く光ファイバとを備え、前記光拡散箱の内面は、前記光ファイバを通して入射される光を拡散し反射させて前記透光性蓋部材を通して出射させる光拡散反射層により構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のバックライト装置において、前記光源がハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、レーザーの何れかであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のバックライト装置において、前記透光性蓋部材が光拡散材からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載のバックライト装置において、前記光拡散箱は、前記透光性蓋部材の光出射面に載置される被測定用光学部材を保持する保持具を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、光測定装置であって、請求項1ない4の何れか1項に記載のバックライト装置と、前記バックライト装置に前記透光性蓋部材に対向して配置された光測定器とを備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5記載の光測定装置において、前記光測定器は前記透光性蓋部材の光出射面上の一点を中心に回転するように設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5記載の光測定装置において、前記バックライト装置は、前記光拡散箱を前記透光性蓋部材の光出射面と平行な方向に延在する軸を中心に回転するように設けられていることを特徴とする。
本発明のバックライト装置及びこれを用いた光測定装置によれば、光源と光拡散箱を分離し、光源からの光を光ファイバを通して光拡散箱へ入射し、入射された光を光拡散反射層により拡散し反射させて開口部から透光性蓋部材を通して出射するように構成し、かつ開口部が透光性蓋部材で閉塞される構成にしたので、被測定用光学部材のサンプル交換によるバックライト内部の温度変化を防止でき、被測定用光学部材の輝度などの光学的測定を短時間で行うことができる。
以下、本発明にかかるバックライト装置及びこれを用いた光測定装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本発明にかかるバックライト装置及びこれに光測定器を組み合わせて光測定装置を構成した場合の実施の形態を示す概略斜視図であり、図3は発明にかかるバックライト装置の縦断側面図である。
バックライト装置10は、図2に示すように、光源11と、光拡散箱13と、光源11の光を光拡散箱13内に導く光ファイバ12とを備えて構成される。
光源11には、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、レーザー発光素子などが使用される。これらの発光源はハウジング内に収納され、そして、これら発光源から発する光が効率良く光ファイバ12に入射できるように構成されている。
光ファイバ12には、石英ファイバ、多成分ガラスファイバ、プラスチックファイバなどを用いられる。
光拡散箱13は、図2及び図3に示すように、矩形状の底板13aと、この底板13aの四辺に沿って設けられた側壁13bを有し、かつ上面が開放された直方体形状を呈しており、この開放された箇所が光出射用の開口部17を構成する。
開口部17は、平板状の透光性蓋部材14により閉塞されている。
また、光拡散箱13の内面、すなわち底板13aの内面及び側壁13bの内面は、光ファイバ12を通して入射される光を拡散し反射させて透光性蓋部材14を通して出射させる光拡散反射層18により覆われるように構成されている。
なお、光源11と光拡散箱13との間を光ファイバ12で連結することにより、光源11と光拡散箱13を互いに分離して配置することが可能になる。この場合、光ファイバ12の一端が光源11にその光出射部分に対向して連結され、光ファイバ12の他端は光拡散箱13の側壁13bを貫通するようにして側壁13bに固定され、光拡散箱13内に光が出射されるようになっている。
透光性蓋部材14上には、図3に示すように、測定サンプルとして、各種の被測定用の光学シート19が載置される。
また、透光性蓋部材14の周囲に対向する光拡散箱13の箇所には、図3に示すように、光学シート19を透光性蓋部材14上に固定状態に保持するためのクレンメルのような複数のサンプル保持具16が設けられている。
一方、透光性蓋部材14の上方には、透光性蓋部材14上に載置されたサンプル用光学シート19の輝度等の光学特性を測定する光測定器15が配置されている。これにより、光測定装置を構成できる。
光拡散反射層18には、発砲PET(ポリエチレンテレフタレート)のような白色反射シートや、硫酸バリウムのコーティング、四フッ化エチレンのような高反射性白色樹脂や酸化アルミニウムのような白色セラミクスを成型、焼結したものを用いても良い。また、光ファイバ12を通しての光のムラを緩和するためにも、なるべく反射率が高く、拡散効果の高い材料を用いるのが望ましい。
また、透光性蓋部材14は、外気中の水分吸着による光拡散反射層18の劣化や、汚れの付着による反射率の低下を防止するためのものであり、これには光透過性のガラス板や光透過性の樹脂板が用いられる。この場合、透明な材質のものでも良いし、または光拡散性のある材質のものを用いても良い。光拡散性の蓋部材14を用いた場合、透明な蓋部材14を用いた場合と比べて光ファイバ12を通しての光のムラを緩和することができる。蓋部材14の材料に関しては、光透過性があり、ある程度強度があるものであれば、特に制限されない。
光測定器15には、例えば色彩輝度計、或いは分光放射輝度計を用いられる。
光学シートの正面方向の光学特性を測定する場合は、図4(a)に示すように、光測定器15を透光性蓋部材14に対して鉛直線L上に配置し固定して測定を行う。
また、光学シートの光学特性の角度分布を測定する場合は、光測定器15を回転ステージ(図示せず)に設置し、この光測定器15を回転ステージごと図4(b)に示すように、透光性蓋部材14の光出射面上の一点Oを中心に回転するように構成する。これにより、光学特性の角度分布を測定することができる。
また、光学シートの光学特性の角度分布を測定する別の手法としては、光拡散箱13を回転ステージに取り付け、この光拡散箱13を回転ステージごと透光性蓋部材14の光出射面と平行な方向に延在する軸L2を中心に回転するように構成する。これにより、光学特性の角度分布を測定することができる。
図5は、測定サンプルである被測定用光学シート19の一例を示すもので、透光性基材20と、この透光性基材20の一方の面である光出射面20aに一定のピッチで配列したシリンドリカルレンズからなる複数の単位レンズ21と、透光性基材20の光出射面20aと反対の面である光入射面20bの各単位レンズ21の集光部分に位置する箇所に設けられた複数の開口部22、及び光入射面20bの各単位レンズ16の非集光部分に位置する箇所に設けられた複数の反射層23とを含んで構成されている。
なお、測定サンプル用の光学部材は、上記した光学シート19に限定されない。
このような本実施の形態に示すバックライト装置及びこれを用いた光測定装置によれば、光源11と光拡散箱13を分離し、光源11からの光を光ファイバ12を通して光拡散箱13へ入射し、入射された光を光拡散反射層18により拡散し反射させて開口部17から透光性蓋部材14を通して出射するように構成し、かつ開口部17は透光性蓋部材14で閉塞される構成にしたので、被測定用光学シートのサンプル交換によるバックライト内部の温度変化を防止でき、被測定用光学しーとの輝度などの光学的測定を短時間で行うことができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施の形態に示したバックライト装置と一般的な直下型CCFLバックライト装置を用いて光学シートの輝度を測定した時の実施例について説明する。
以下の条件でバックライト装置を試作した。
光源にハロゲンランプを用い、光ファイバに石英ファイバ(φ=5mm)を用いた。
光拡散箱において、光拡散反射層をプラスチック板に白色発泡PETフィルムを貼り付けて作成した。光拡散箱の形状を、100mm×100mm×30mmとした。また、透光性蓋部材に透明ガラス用いた。
光測定器にTOPCON製色彩輝度計(BM7)を使用し、この光測定器を透光性蓋部材に対し鉛直な線上に設置し固定した。
また、測定に用いる光学シートには、図5に示すような構成の反射層付きレンズシート、すなわち光学シートを用いた。この光学シートは、反射層の開口率を変更することで、自由に正面輝度を変えられることが特徴である。今回、開口率の異なる7種類の反射層付きレンズシートを用意し、正面輝度の測定を行った。
また、測定に用いた光学シートの反射層の開口部を広げた場合、傾斜角の大きな光が単位レンズ内部へ入射するため、拡散性が増加し、正面輝度が低下する。一方、反射層の開口部を狭めた場合、傾斜角の小さな光のみが単位レンズ内部へ入射するため、拡散性が低下し、正面輝度が上昇する。
開口率の異なる光学シートの正面輝度に関して、本発明のバックライト装置を用いた場合の測定値と、一般的な直下型CCFLバックライト装置を用いた場合の測定値の相関を図6に示す。
光学シートの正面輝度は、リファレンス用レンズシートに対する比として表している。その結果、図6の相関グラフの傾きが1に近い値となり、本発明のバックライト装置を用いて光学シートの輝度を測定しても、一般的なバックライト装置を用いた場合と同等の測定結果が得られることが示された。
従来における直下型CCFLバックライト装置の構成と光測定器の配置関係を示す説明図である。 本発明にかかるバックライト装置の構成と光測定器の配置関係を示す斜視図である。 本発明にかかるバックライト装置の縦断側面図である。 本発明にかかるバックライト装置を用いた光測定装置の概略構成図である。 反射層付き光学シートの構成図である。 本発明のバックライト装置と一般的なバックライト装置とを用いた時の光学シートの輝度比を比較した場合の結果を示す相関グラフである。
符号の説明
10……バックライト装置、11……光源、12……光ファイバ、13……光拡散箱、14……透光性蓋部材、15……光測定器、16……サンプル保持具、17……開口部、18……光拡散反射層、19……光学シート、20……基材、21、単位レンズ、22……開口部、23……反射層。

Claims (7)

  1. 光源と、
    光拡散箱と、
    前記光拡散箱に設けられた開口部と、
    前記開口部を閉塞する透光性蓋部材と、
    前記光源の光を前記光拡散箱内に導く光ファイバとを備え、
    前記光拡散箱の内面は、前記光ファイバを通して入射される光を拡散し反射させて前記透光性蓋部材を通して出射させる光拡散反射層により構成されている、
    ことを特徴とするバックライト装置。
  2. 前記光源がハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、レーザーの何れかであることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
  3. 前記透光性蓋部材が光拡散材からなることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
  4. 前記光拡散箱は、前記透光性蓋部材の光出射面に載置される被測定用光学部材を保持する保持具を備えることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
  5. 請求項1ない4の何れか1項に記載のバックライト装置と、
    前記透光性蓋部材に対向して配置された光測定器と、
    を備えることを特徴とする光測定装置。
  6. 前記光測定器は前記透光性蓋部材の光出射面上の一点を中心に回転するように設けられていることを特徴とする請求項5記載の光測定装置。
  7. 前記バックライト装置は、前記光拡散箱を前記透光性蓋部材の光出射面と平行な方向に延在する軸を中心に回転するように設けられていることを特徴とする請求項5記載の光測定装置。
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