JP2009270552A - ダブルアクティング型ガス加熱冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
公知のダブルアクティング型ピストンシリンダは多気筒スターリングエンジンを構成する上で有利であるが熱効率が低いという問題がある。これと同様の利点を持ちしかも熱効率が高くできるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置の開発を課題とした。
【解決手段】
熱効率が上がらない原因の一つが断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却される構造になっている点にあり、熱効率をあげるには断熱圧縮が発生しないようにするか、もし発生しても断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却されることがないようにすることが重要である。棒状加熱冷却器20を複数本数使用してシリンダ11内部で作動ガスを加熱冷却するようにすることで、断熱圧縮自体発生しないように、また発生した場合も断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却されることがないようにして問題を解決した。
【選択図】図1

Description

本発明は熱効率の優れたスターリングエンジンを構成する部材に関するもの、詳しくは作動ガスの加熱および冷却をシリンダ内部で行うことができるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置に関するものである。
スターリングエンジンはその理論熱効率があらゆる熱機関の理論上の限界値であるカルノー機関の熱効率に等しいため、その高い熱効率を実現するべく多くの学者や研究機関によって研究開発がなされてきた。しかしそれらの結果は必ずしも成功したものとは言えず、その熱効率はカルノー機関の熱効率はおろかディーゼルエンジンの熱効率にも及ばないのが現状である。
本発明者はスターリングエンジンの熱効率が上がらない原因についてその行程を詳細に分析した結果、その原因のひとつが断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却される構造になっている点にあることを究明することができた。一般的にスターリングエンジンは圧縮比が大きいほど熱効率が低くなるといわれているが、この現象は圧縮比が大きいほど断熱圧縮による温度上昇が大きくなり冷却によって失われる熱が多くなるためであると考えると説明できる。
この結果に基づいて本発明者はこの問題を回避したガンマ型スターリングエンジンを構成できるガス加熱冷却装置に関する特許を出願した。(特許文献1)
しかしながら、ガンマ型スターリングエンジンは4台を一体化してトルク変動の少ない大出力スターリングエンジンを造る場合、ディスプレーサピストンシリンダ4本とパワーピストンシリンダ4本、合計8本のピストンシリンダが必要である。これに対しダブルアクティング型ピストンシリンダを使用すると4本で構成できるため、多気筒大出力スターリングエンジンではダブルアクティング型ピストンシリンダの方が多く使われている。ただ通常のダブルアクティング型ピストンシリンダでは、シリンダ内部に入った作動ガスは加熱あるいは冷却がなされないため断熱圧縮が発生し、しかも、この断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却される構造になっていて、他の公知のスターリングエンジンと同様熱効率が低いという問題が発生する。このため本発明者はさらに研究を重ね、熱効率を高くすることができるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置を開発し本出願に至ったものである。
特願2008−094631
上記のようにダブルアクティング型ピストンシリンダは多気筒大出力スターリングエンジンを構成する上で有利であるという特徴を持っているため、これと同様の特徴を持ちしかも熱効率を高くできるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置を開発することをその課題とした。
熱効率が上がらない原因のひとつが断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却される構造になっている点にあることは上記のとおりである。この点に関してはダブルアクティング型スターリングエンジンもおなじで、熱効率をあげるためには断熱圧縮自体発生しないようにするか、もし発生したとしても断熱圧縮された作動ガスが膨張する前に冷却されることがないようにすることが重要である。このため〔特許文献1〕と同様、棒状加熱冷却器を使用して作動ガスをシリンダ内で加熱冷却することができるようにしてこの問題の解決を図った。この棒状加熱冷却器は伝熱面積が小さく1本では能力不足であるため複数本数シリンダ内に納めることが必要である。
ガンマ型スターリングエンジンのディスプレーサピストンと違い、ダブルアクティング型スターリングエンジンのピストンは作動ガスの圧力を受け止めて動力を発生させるものであるため通気性はあってはならないものである。それゆえピストンに再生熱交換器の機能を持たせることは不可能であり、再生熱交換器はダブルアクティング型スターリングエンジンを構成する際に外付けしなければならない。ダブルアクティング型ガス加熱冷却装置に使用するピストンは通気性のない剛実体で作られ、棒状加熱冷却器とシリンダ内壁面の双方に嵌合しているものである。
本発明によって得られる主たる効果として下記のものが挙げられる。
(1)断熱圧縮されて温度が上昇した作動ガスが冷却されることがなくなり熱効率が高いダブルアクティング型スターリングエンジンを構成することができる。また、余分な冷却をしないためラジエータが小さくすむ。
(2)シリンダ外部に加熱あるいは冷却のための熱交換器を設けることが不要となって死空間が小さくなり出力が増大する。死空間が小さくなると圧縮比が大きくなり通常のスターリングエンジンでは熱効率が低下するが、本発明になるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置を用いたスターリングエンジンでは断熱圧縮されて温度が上昇した作動ガスが冷却されることがないため熱効率が低下することはない。逆に、作動ガスの流路が短縮されるため流動損失が減少し熱効率の向上が期待できる。
(3)棒状加熱冷却器の本数を増すことによって伝熱面積を増すことができるので出力が大きい装置に対しても対応が可能である。
(4)気体燃料、液体燃料、固体燃料のいずれもが使用できる。ただし、固体燃料や揮発しにくい液体燃料に対しては溶融金属等の熱媒を用いた間接加熱方式としなければならない場合がある。
(5)シリンダ外壁が作動ガスの温度以上に上昇することがないので高温度に起因する材料強度の低下が少なくなり強度面で有利である
(6)構造がシンプルで小型軽量化できる。従来のスターリングエンジンは加熱器の構造が複雑で加工が難しくスターリングエンジンの製造コストが高くなる原因の一つといわれているが、これを構造が簡単な棒状加熱冷却器に変えることでコストダウンが期待できる。
(7)棒状加熱冷却器はシリンダの上壁面と下壁面とをつなぐ補強材として機能させることができる。
はじめにその概略について簡単に説明する。
一般的なシリンダは内部が空洞になっていてその中をピストンが往復するものであるが、本装置ではシリンダの中には棒状加熱冷却器がシリンダの中心軸と平行に複数本数このシリンダの内部空間を貫通するように取り付けられておりこの中をピストンが往復するようになっている。このためピストンは縦方向に細い穴が棒状加熱冷却器の本数と同数あいており練炭を長くしたような形状になっている。この穴が棒状加熱冷却器に嵌合し、さらにピストン本体がシリンダの内壁に嵌合してシリンダ内を往復する構造になっている。棒状加熱冷却器の上部の加熱器の内部は燃焼ガスまたは熱媒によって加熱され下部の冷却器は冷却水によって冷却されている。ピストンの往復に伴い棒状加熱冷却器の上部の加熱器と下部の冷却器が交互に露出して作動ガスを加熱冷却する仕組みである。通常のスターリングエンジンでは作動ガスがシリンダに送られる際にシリンダの外で加熱あるいは冷却がなされるが、本装置では作動ガスはシリンダの中で加熱あるいは冷却がなされることになる。
上記の説明で本装置の概略は理解してもらえると思うが、以下、本発明になるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置の詳細な実施形態を、図1〜図5およびこれらに付した符号を引用して具体的に説明する。
図1は直接加熱方式のダブルアクティング型ガス加熱冷却装置の要部断面図である。ただし燃料挿入管等の細管類とピストンロッド15については輪郭を図示したものである。この燃料送入管25および空気送入管26を熱媒送入管(図示せず)に変更することで比較的簡単に間接加熱方式に変更することができる。ここで言う直接加熱方式とは加熱器22内部で燃料を燃焼させその熱で作動ガスを加熱する方式のものを言い、間接加熱方式とは外部に熱交換器を設けそこで溶融金属のような熱媒を加熱しそれを加熱器22内部に送り作動ガスを加熱する方式のものを言う。
最初にこのダブルアクティング型ガス加熱冷却装置10の中心となるシリンダ11とそれに関連する部材の構造について説明する。
シリンダ11の内部にはピストン12があり作動ガスが高圧で封入されている点や、シリンダの上下に通気口35があり作動ガスが出入りできるようになっている点は公知のダブルアクティング型スターリングエンジンと変わるところはない。作動ガスとしては、水素、ヘリウム、空気、窒素等が使用できる点も公知のダブルアクティング型スターリングエンジンと同じである。
ただ、本装置は上述のようにシリンダ11内に複数本数の棒状加熱冷却器20がシリンダ11の中心軸と平行すなわちピストン12の移動方向と平行に設けられており、作動ガスをシリンダ内で加熱冷却する点と、ピストン12が特殊な形状をしている点が公知のダブルアクティング型スターリングエンジンと異なっている。
シリンダ11の上壁面には棒状加熱冷却器20の太さに相当する穴があいており棒状加熱冷却器20の上端はこの穴から突き出ておりシリンダ内部に封入されている作動ガスが漏出しないようにしてナット28で封じとめられている。棒状加熱冷却器20の上方に位置する加熱器22は燃焼ガス集合室31につながることになり燃焼ガスあるいは熱媒と作動ガスとは管壁で隔絶され混ざり合うことなく作動ガスを加熱することが出来る。この加熱器22の周辺の空間は加熱された作動ガスが集まる高温空間14である。
加熱器22の内部には燃料送入管25と空気送入管26が棒状加熱冷却器20の閉塞部分23近くまで挿入される。この部分で燃料を燃焼させて高温となしその外壁面に接触する作動ガスを加熱するものである。
図面を見やすくするため使用する棒状加熱冷却器20の数を6本(断面図に表れているものは2本)としているが、6本では容量不足であり、通常十数本ないし数十本あるいはそれ以上必要である。この棒状加熱冷却器20の必要本数はシリンダ11と棒状加熱冷却器20の直径によって大きく異なってくるものである。
燃焼には大量の空気が必要であり燃料送入管25に比べ空気送入管26は十分に太くすることが必要である。加熱器22の内部は外気につながっており燃焼は大気圧の下で行われることになる。このため燃焼ガスと加熱器22との間の熱伝達はあまり良いとは言えない。この対策については段落番号〔0023〕以降で述べるものとする。
加熱器22には燃料に点火する機構が必要であるが、気体燃料や揮発性の高い液体燃料に対しては電気火花により点火する方法が簡単でよい。これについては〔0026〕で述べるものとする。
作動ガスを加熱する熱源は、加熱器22内部で燃料を燃焼させた時に発生する熱である。固体燃料や揮発しにくい液体燃料を用いる場合には加熱器22内部で燃料を燃焼させることが困難となり熱媒を用いた間接加熱方式としなければならないが、このためには燃料送入管25と空気送入管26を熱媒送入管(図示せず)に置き換え熱媒を循環可能とするように変更することで対応できる。また、循環方式に比べると性能は劣るがヒートパイプ方式とすることもできる。ヒートパイプ方式は熱源との間の位置関係や取付け方向等、種々制約はあるが、その構造が簡単で維持管理が殆ど必要ないという利点がある。
作動ガスを加熱した燃焼ガスは燃焼ガス集合室31に集まり排気管32より排気される。しかしこの燃焼ガスはまだ多くの熱を持っておりこのまま捨てたのではエネルギーロスが大きいため、図示していないが空気予熱器による熱回収やボトミングサイクル用スターリングエンジンの熱源として利用し更なる熱効率の向上を図ることが重要である。また、脱硫、脱硝、脱PM(脱粒子状物質)等の公害対策も当然考えなければならない。ただこれらはいずれも公知の技術が利用できるので詳細は省略する。
ほかに図示していないものとして放熱対策処置がある。シリンダ11の上部は高温になるため、保温材による保温や表面の鏡面化等の処置によって熱の散逸を防止し熱効率の向上を図ることが望ましい。
下壁面にも上壁面と同様に棒状加熱冷却器20の端部の太さに相当する穴があいており棒状加熱冷却器20の下端はこの穴から突き出ており作動ガスがもれないようにしてナット28で封じとめられている。棒状加熱冷却器20の下方に位置する冷却器24は冷却水集合室33につながっている。やはり冷却水は管壁によって作動ガスと隔絶されており作動ガスと直接接触することはない。このように冷却器24は内部を冷却して低温度となしその外壁面に接触する作動ガスを冷却することが出来るものである。この冷却器24の周辺の空間は冷却された作動ガスが集まる低温空間13である。
それぞれの冷却器24には冷却水送入管27が棒状加熱冷却器20の閉塞部分23近くまで挿入されており冷却器24の内部に冷却水を送る構造になっている。これによって冷却器24の外壁面を常に低い温度に維持しこれに接触する作動ガスを冷却することが可能となる。冷却器24の周辺の空間は冷却された作動ガスが集まる低温空間13である。作動ガスを冷却した冷却水は冷却水集合室33に集まり冷却水排出口34より排出される。冷却水には新水またはラジエータで冷却した循環水を使用する。
次に図2に示す棒状加熱冷却器20について説明する。この棒状加熱冷却器20は一端の内部を加熱して高温度としてその外壁面に接触する作動ガスを加熱することができ、その他端の内部を冷却して低温度としてその外壁面に接触する作動ガスを冷却することができる機能を持っているものである。
この構造はこれまでの説明で大体推測できると思うが、図2に示すように両端に中空部分21があり、加熱器22、閉塞部分23、冷却器24等からなっている均一な太さの細管のような形状をしたものである。中空部分21の長さはピストン12のストロークにほぼ等しくなっておりこれがほぼ加熱器22および冷却器24の長さになっている。
両端とも図1に示したようにピストン12の上壁面および下壁面にナット止めされるのでこのためのネジ溝29が切られている。
シリンダ11の長さは高温空間14と低温空間13との間隔を大きくして熱伝導損失やシャトルロスを小さくするため長いほうがよい。ただシリンダ11を長くするとピストン12も長くしなければならず装置が大型化することになる。
ピストン12はピストンロッド15によって駆動される。ピストンロッド15はロッドシール17によってシールされている。
図2に示した加熱器22は構造が簡単で製造する上では都合がよいが、加熱器22の内部で燃料を燃焼させる直接加熱方式では、前述のように通常大気圧下で燃焼させるため燃焼ガスと加熱器22の内壁面との間の熱伝達係数が小さく、棒状加熱冷却器一本あたりの伝熱能力が小さいという問題がある。
図3はこの欠点を補った加熱器で、図に示すように加熱器22の中空部分21に加熱器22の内壁面と接触する伝熱材18を充填したことが特徴である。図2の棒状加熱冷却器20の加熱器22を図3のものにすることで燃焼ガスの接触面積が大きくなり伝熱性能が向上する。
冷却器については金属と水との間の熱伝達であるため熱伝達係数が大きく特別な対策は必要ないことが多いが、冷却能力をさらに上げたいときには水切り板を挿入する等して冷却水の内壁面への当たりを強め冷却能力を高める方法をとることができる。
加熱器22の内部に充填する伝熱材18は燃焼ガスから受け取った熱を加熱器22の内壁面に伝えるため、耐熱性があり、且つ熱伝導性が良好である必要がある。また、構造的には伝熱材18の内部で燃焼を維持できる空隙と燃焼ガスを流すことができる通気性を持った構造でなければならない。また燃焼ガスとの接触面積はできる限り大きい構造であることが望まれる。
このような伝熱材18として
(1)金属製のリボン又は針金を波状に折り曲げたもの。
(2)放射状に切込みを入れた金属円板の各片を適宜にねじり扇風機の羽根状としたもの。
(3)加熱器22の形状に合わせて小さな円板状に切った金網。
等を必要量重ねて使用すればよい。いずれの場合でも伝熱材18と加熱器22の内壁面との接触を完全にして熱の移動が十分に行われるよう注意する必要がある。この部分が接触していないと熱伝導による熱の移動がなくなり放射熱による熱移動だけになるため伝熱材18の効果が小さくなる。
前述したように燃料を燃焼させるに当たっては大量の空気が必要になり空気送入管26の方を太くする必要があるが、図3のように燃料送入管25を空気送入管26の中に通すようにすると伝熱材18の加工が楽である。
加熱器22に伝熱材18を充填するとその奥で燃料に点火することが困難になるので点火プラグ等による点火が必要になる。空気送入管26をセラミック等の電気絶縁材料で作りその内部を通る燃料送入管25は金属材料で作ると共に先端に放電を起こしやすくするための突起を設けることによって、燃料送入管25を燃料点火用電極として共用することができる。燃料送入管25と棒状加熱冷却器20との間に高電圧を印加することによって先端で火花放電を起こし燃料に点火するものである。勿論この場合、燃料送入管25は棒状加熱冷却器20から電気的に浮かせておくことが必要である。この方式は伝熱材18を用いない場合にも適用できるものである。
燃料と空気との混合を加熱器22の先端部分で一度に行うと、先端部分のみで燃焼が起こりこの部分の温度が異常に上昇するため燃料送入量が大きく制限されることがある。このような場合には、空気送入管26の先端部を絞り先端部に送られる空気量を少なくすると共に空気送入管26の途中に中間吐出口19を設け、空気を一次空気、二次空気という形に分けて供給して段階的に燃焼させるとよい。
次に図4に示すピストン12の構造について説明する。
ピストン12はシリンダ11に嵌合する円筒体であるが、この円筒体をシリンダ11に嵌合させた時このシリンダ11の内部に設けた棒状加熱冷却器20が邪魔にならないように棒状加熱冷却器20に対応する位置にこの棒状加熱冷却器20の直径より僅かに太い貫通孔16をこの円筒体の中心軸に平行に設けたものであり、外見は図4に示すように練炭を長くしたような形状になっている。複数本数の棒状加熱冷却器20はこの貫通孔16に嵌合してピストン12を貫通すると共にこのピストン12はシリンダ11に嵌合されている。このようにピストン12はシリンダ11と棒状加熱冷却器20の双方に嵌合しているため、棒状加熱冷却器20があってもそれに妨げられることなくシリンダ11内を自由に往復運動することができる。
ピストン12は高温のシリンダ11内を高速で往復運動するため、耐熱性があり、強度が大きく、質量が小さく、熱伝導度が低く、通気性を持たない剛実体であることが必要である。しかしこれらの条件を完全に満足することは困難であり、設計条件に対してある程度のところで妥協することが必要となる。
ピストン12の長さはシリンダ11の長さからピストン12のストローク長を差し引いた長さにほぼ等しくなっている。前述したようにピストン12にはこれを駆動するためのピストンロッド15が付いており作動ガスがもれないようにロッドシール17によってシールされている。このロッドシール17は作動ガスをシールするものであり厳密なシール性が要求されるが、シールを厳密にしすぎると摩擦抵抗が大きくなり出力に悪影響が出るので両者の兼ね合いが大切である。
次にピストン12の動きに伴う作動ガスの挙動について説明する。一般に加熱器は上に冷却器は下に持ってくるのが普通でありここでもこのようになっているものとする。
ピストン12が上昇すると上方の高温空間14にある加熱器22は隠蔽され加熱器22によって加熱されていた作動ガスは上の通気口35を通ってシリンダ11から押し出される。同時に下方の冷却器24が露出し低温空間13が形成され下の通気口35から作動ガスが入り冷却される。
ピストン12が降下すると下方の低温空間13にある冷却器24は隠蔽され冷却器24によって冷却されていた作動ガスは下の通気口35を通ってシリンダ11から押し出される。同時に上方の加熱器22が露出し高温空間14が形成され上の通気口35から作動ガスが入り加熱され膨張しピストンを押下する強い力が発生する。このようにピストン12の移動によって作動ガスが移動すると共に加熱器22および冷却器24が交互に露出、隠蔽され作動ガスが加熱、冷却されるわけである。
図5は本発明になるダブルアクティング型ガス加熱冷却装置10を用いてダブルアクティング型スターリングエンジンを構成する接続方法の一例を示した模式図である。この図は断面図をベースにしているが、厳密な断面図ではなくピストン等模式的に示している。
それぞれのダブルアクティング型ガス加熱冷却装置10の上の通気口35は再生熱交換器36を介して隣のダブルアクティング型ガス加熱冷却装置10の下の通気口35に接続されており作動ガスはこの間を往復するようになっている。この接続方法は特別なものではなく外付けの加熱器と冷却器が付いていない点が異なる他は公知のものと同じである。
夫々のピストン12は90°宛位相をずらせて駆動しなければならないが、この方法として、図5に示したクランクシャフトによる直列配置方式の他、V型配置方式、H型配置方式、スワッシュプレート方式等多くの公知の技術がある。これらのものは夫々一長一短があるため使用条件にかなったものを選択し利用すればよい。
作動ガスをシールするピストンリングやサイドスラストを避けるためのクロスヘッドピストン等については本発明の加熱冷却機構に直接関係するものではないので図示していないが、ピストンとシリンダ間の、あるいはピストンと棒状加熱冷却器間のガス漏れは出力や熱効率に影響し、ロッドシールからのガス漏れはこれらのほか作動ガスの散逸にも影響するものである。またサイドスラストはピストンの焼付きや磨耗に影響するものであり、これらはいずれも実用化する上では考慮しなければならない重要な項目である。当面公知の技術を利用せざるを得ないが、いずれ、より優れた方式を開発したいと考えている。
ダブルアクティング型ガス加熱冷却装置の要部断面図である。 棒状加熱冷却器の正面図である。 伝熱材を使用した加熱器付近の拡大断面図である。 ピストンの斜視図である。 ダブルアクティング型スターリングエンジンを構成した接続模式図である。
符号の説明
10 ダブルアクティング型ガス加熱冷却装置
11 シリンダ
12 ピストン
13 低温空間
14 高温空間
15 ピストンロッド
16 貫通孔
17 ロッドシール
18 伝熱材
19 中間吐出口
20 棒状加熱冷却器
21 中空部分
22 加熱器
23 閉塞部分
24 冷却器
25 燃料送入管
26 空気送入管
27 冷却水送入管
28 ナット
29 ネジ溝
31 燃焼ガス集合室
32 排気管
33 冷却水集合室
34 冷却水排出口
35 通気口
36 再生熱交換器

Claims (1)

  1. 一端に内部を加熱して高温度となしその外壁面に接触する作動ガスを加熱することができる加熱器を備え、他端に内部を冷却して低温度となしその外壁面に接触する作動ガスを冷却することができる冷却器を備えた棒状加熱冷却器を、両端に該作動ガスが出入りする通気口を備えたシリンダ内に該シリンダの中心軸と平行に複数本数取り付け、該棒状加熱冷却器に対応する位置に該棒状加熱冷却器と嵌合させる貫通孔を設けた通気性をもたない剛実体で作られたピストンを該シリンダ内壁面と夫々の棒状加熱冷却器の外壁面とのいずれにも嵌合するように該シリンダ内に組み込み、該ピストンを駆動する機構を取り付けて構成したダブルアクティング型ガス加熱冷却装置。
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