JP2009264972A - Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 - Google Patents
Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009264972A JP2009264972A JP2008115932A JP2008115932A JP2009264972A JP 2009264972 A JP2009264972 A JP 2009264972A JP 2008115932 A JP2008115932 A JP 2008115932A JP 2008115932 A JP2008115932 A JP 2008115932A JP 2009264972 A JP2009264972 A JP 2009264972A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antenna
- inspection
- nqr
- wave
- coils
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
Abstract
【課題】 その磁場の均一性を向上することが可能なNQR検査用アンテナ及びこれを用いたNQR検査装置を提供する。
【解決手段】 NQR検査装置において送信器及び受信器に接続して用いられるNQR検査用アンテナ4であって、互いに間隔G1,G2を有してソレノイド状に配置された2以上のコイル4A〜4Cで構成され、両端のコイル4A,4Cの外端部が送信器及び受信器に接続される(11A,11B)ようにして用いられる。
【選択図】 図3
【解決手段】 NQR検査装置において送信器及び受信器に接続して用いられるNQR検査用アンテナ4であって、互いに間隔G1,G2を有してソレノイド状に配置された2以上のコイル4A〜4Cで構成され、両端のコイル4A,4Cの外端部が送信器及び受信器に接続される(11A,11B)ようにして用いられる。
【選択図】 図3
Description
本発明はNQR検査用アンテナ及びこれを用いたNQR検査装置に関する。
一般に出入国に際しては、金属検知器による金属物のチェックだけではなく、麻薬や爆発物等の所定薬物(化学物質)の所持チェックが行われている。そこで、このような所定薬物のチェックを行うための手荷物検査装置の1つとしてNQR(Nuclear Quadrapole Resonance:核四極共鳴)を利用した検査装置(以下、NQR検査装置という)が提案されている(例えば特許文献1参照)。このNQR検査装置によれば、所定薬物の検知が可能な小型の検査装置を提供することができる。
特開2004−177131号公報
上記NQR検査装置では、被検査物(手荷物)を、ソレノイドコイルからなるアンテナの内部空間を通過せしめ、その際にアンテナから特定周波数のラジオ波を被検査物に放射し、その応答波中のNQR信号を解析することにより、被検査物が所定薬物を含むか否か判定する。航空手荷物が被検査物である場合には、検知領域であるソレノイドコイルの内部空間の入口が60cm×60cm程度の大きさであることが要求される。NQR検査では、検知領域内の磁場が均一であることが望ましいが、このような大口径のソレノイドでは、その径方向及び軸方向に磁場強度の分布に偏りが生じてしまう。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その磁場の均一性を向上することが可能なNQR検査用アンテナ及びこれを用いたNQR検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のNQR検査用アンテナは、NQR検査装置において送信器及び受信器に接続して用いられるNQR検査用アンテナであって、互いに間隔を有してソレノイド状に配置された2以上のコイルで構成され、両端の前記コイルが前記送信器及び前記受信器に接続されるようにして用いられる。
また、本発明のNQR検査装置は、所定のラジオ周波数の検査波信号を出力する送信器と、コイルからなり、その内部空間を通過する被検査物に前記送信器から出力される検査波信号に応じた検査波を放射し、この検査波に対し前記被検査物から放出される応答波を受波するアンテナと、前記アンテナの電気出力から前記応答波の受波信号を抽出する受信器と、前記受信器で抽出された前記応答波の受波信号中のNQR信号を利用して前記被検査物が所定の薬物を含むか否かを判定する判定器と、を備え、前記アンテナは、互いに間隔を有してソレノイド状に配置された2以上のコイルで構成され、両端の前記コイルが前記送信器及び前記受信器に接続されている。
上記のような構成とすると、アンテナを構成する2以上のコイルが互いに磁気結合するので、各々の互いに対応する部分において、電流密度及び電流の向きが実質的に一致し、それによりアンテナの軸方向における磁場強度の均一性が向上する。
前記2以上のコイルが互いにコンデンサによって接続されていてもよい。
本発明は以上に説明したように構成され、その磁場の均一性を向上することが可能なNQR検査用アンテナ及びこれを用いたNQR検査装置を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態に係るNQR検査装置の概略の構成を示す模式図である。
図1は本発明の実施の形態に係るNQR検査装置の概略の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態のNQR検査装置100は、送信回路(送信器)1を備えている。送信回路1は、ラジオ周波数(0.1−10MHz)の高周波パルス状の検査波信号(電気信号)を生成してこれを分配器2に出力する。正確には、この検査波の周波数は、後述する所定薬物が核四極共鳴を生じるような特定の周波数である。所定薬物として、例えば、麻薬、爆薬等が挙げられる。送信機1には分配器2が接続されている。この分配器2の一方のターミナルには、整合器3を介してアンテナ4が接続され、他方のターミナルには、増幅器5を介して受信回路(受信器)6が接続されている。整合器3はアンテナ4側の伝送インピーダンスと送信回路1及び受信回路6側の伝送インピーダンスとのマッチングを取るものである。この構成により、送信回路1で生成された検査波信号が分配器2で整合器3に向けられ、整合器3を経由してアンテナ4に伝達される。この検査波信号はアンテナ4でラジオ波(電波)に変換されて検査波として放射される。換言すると、アンテナ4が検査波信号で励磁されて、アンテナ4の内部空間に高周波磁界が形成される。一方、アンテナ4が電波を受波するとこれが電気信号に変換されてアンテナ4から出力される。この電気信号は整合器4を経由し、分配器2で増幅器5に向けられ、そこで増幅されて受信回路6に伝達される。受信回路6は、この電気信号をさらに増幅し、位相検波して後述する被検査物10からの応答波の受波信号を検出する。そして、この応答波の受波信号をA/D変換してこれを制御計測装置(判定器)7に出力する。制御計測装置7は、例えばパーソナルコンピュータで構成されていて、入力された応答波の受波信号中のNQR信号を利用して被検査物10が所定薬物を含むか否か判定する。また、制御計測装置7は送信回路1及び受信回路6の動作を含むNQR検査装置100の全体の動作を制御する。
アンテナ4は検査領域20において、筒状の電磁波シールド8の内部に、当該電磁波シールド8と同軸状に設置されている。この電磁波シールド8及びアンテナ4を軸方向に貫通するようにベルトコンベア9が配設されている。このベルトコンベア9上に被検査物(手荷物)10が載置されて電磁波シールド8及びアンテナ4を通過する。このベルトコンベア9の動作は制御計測装置7によって制御される。
次に、本発明を特徴付けるアンテナ(本発明の実施の形態に係るNQR検査用アンテナ)4の構成を詳しく説明する。図2はアンテナ4の構造を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、アンテナ4は第1乃至第3のコイル4A,4B,4Cが互いに間隔(以下、コイル間隔という)G1,G2を有して全体としてソレノイド状に配置されている。ここで、本発明において「ソレノイド」とは、導体が一様にかつ密に巻かれたコイルをいう。このようなソレノイドにおいては、実用上、導体1本1本を別個に考えないで電流がコイルの縦断面全体に分布して流れているとして取り扱うことができる。また、「複数のコイルが全体としてソレノイド状に配置されさている」とは、複数のコイルが、当該複数のコイルと同じ断面形状のコイルで互いに接続されると単一のソレノイドになるように配置されていることをいう。
従って、第1乃至第3のコイル4A,4B,4Cは互いに同じ形状を有している。すなわち、第1乃至第3のコイル4A,4B,4Cは、ここでは、短筒状に形成され、互いに同じ断面形状及び長さを有し、かつ互いに、同軸状に配置されている。第1のコイル4Aと第2のコイル4Bとの間のコイル間隔G1と第2のコイル4Bと第3のコイル4Cとの間のコイル間隔G2とは互いに同じである。これらのコイル間隔G1,G2は、アンテナ4の形状及び使用条件等によって決定されるが、ここでは、各コイル4A〜4Cの1巻分の寸法に設計されている。換言すれば、アンテナ4は、単一のソレノイドを2つの均等な間隔G1,G2を有するように3等分した形状を有している。なお、コイル4A〜4Cの断面形状は半長円状であるが、これに限定されることはなく、任意の形状にすることができる。そして、全体としてソレノイド状に配置された第1乃至第3のコイル4A〜4Cのうち、両端に位置する第1のコイル4A及び第3のコイル4Cの外端部(ここでは外端)がそれぞれ配線11A及び11Bを通じて整合器4に接続されている。配線11A及び11Bは高周波伝送路を構成する配線である。コイルの数は、ここは3つとしたが、2以上であればよい。
図3はアンテナ4の等価回路を示す回路図である。アンテナ4の等価回路は、現時では、正確に特定されていない。但し、アンテナ4の全体において、磁場の強度が均一化されるという実測結果が得られている。また、後述するシミュレーションによれば、アンテナ4を構成する第1乃至第3のコイル4A,4B,4Cの各々の電流位相が揃うという結果が得られている。本発明者等は、図3に示すように、アンテナ4は、第1のコイル4AのインダクタンスL1と第2のコイル4BのインダクタンスL2とがコイル間隔G1に対応するキャパシタンスC1で接続され、第2のコイル4BのインダクタンスL2と第3のコイル4CのインダクタンスL3とがコイル間隔G2に対応するキャパシタンスC2で接続され、かつ、第1乃至第3のコイル4A〜4Cが互いに磁気結合(図3に点線12で示す)してなる等価回路で表すことができるのはないかと考えている。このような等価回路によれば、第1乃至第3のコイル4A〜4Cは、互いに磁気結合しているので、各々に誘起される電圧、ひいては電流の位相が実質的に一致するのであると推測される。そして、その結果、アンテナ4の全体において、磁場の強度の均一性が向上するのであると推測される。。
図4は整合器4の構成を示す回路図である。
図4に示すように、整合器3は、高周波伝送路11A,11Bに、アンテナ4に対して直列に接続された可変コンデンサC3とアンテナ4に対して並列に接続された可変コンデンサC4とを備えている。なお、高周波伝送路を構成する配線10,11Bの一方(ここでは11B)が接地される。
次に、以上のように構成されたNQR検査装置の動作を説明する。
図5は図1のNQR検査装置の動作を示す図であって、(a)は検査波信号の波形を示すグラフ、(b)は応答波の受波信号の波形を示すグラフ、(c)は応答波の受波信号の周波数スペクトルを示すグラフである。
図1において、NQR検査装置100全体の動作は制御計測装置7によって制御される。従って以下の動作は制御計測装置7の制御によって遂行される。
まず、ベルトコンベア9に被検査物10が載置されると、検査員の所定の操作入力により、ベルトコンベア9が作動し、被検査物10がアンテナ4の内部空間(検知領域)に位置すると、これを図示されないセンサが検知してベルトコンベア9が停止する。次いで、送信回路1が検査波信号を出力する。図5(a)に示すように、この検査波信号W1は、上述の特定のラジオ周波数の電流が極短い時間継続するパルス状の高周波信号である。この検査波信号w1が分配器2及び整合器3を経てアンテナ4に伝達され、そこでラジオ波の検査波として被検査物10に放射される。一方、アンテナ4は電波を受波してこの受波信号を出力する。被検査物10が所定薬物を含んでいる場合には、被検査物10からこの検査波に対する応答波が放出され、アンテナ4はこの応答波を受波してこの受波信号を出力する。被検査物10が所定薬物を含んでいる場合には、被検査物10からこの検査波に対する応答波(NQR信号)が放出され、アンテナ4はこの応答波を受波してこの受波信号を出力する。この応答波の受波信号(応答波信号)W2は、図5(b)に示すように、所定薬物からのNQR信号の減衰W2aを含んでいる。つまり、所定薬物が検査波に共鳴してこれを吸収しその後に放出されるので、検査波が図5(b)に示すように減衰する。NQR信号の減衰W2aはこの検査波の減衰カーブを表す信号である。従って、被検査物10が所定薬物を含んでいない場合には、アンテナ4の受波信号は応答波信号W2(及びNQR信号の減衰W2a)を含んではいない。この応答波信号W2は増幅器5で増幅されて受信回路6に入力される。この受波信号W2は、元の検査波が変調されたものであるので、受信回路6は、入力された信号を位相検波して、この応答波信号W2を検出する。そして、これをA/D変換して制御計測装置7に出力する。制御計測装置7は、入力される応答波の受波信号W2を高速フーリエ変換して、その周波数スペクトルを求める。被検査物10が所定薬物を含んでいる場合には、応答波の受波信号W2がNQR信号の減衰W2aを含んでいて、図5(c)に示すように、この周波数スペクトルにおいて、当該NQR信号の減衰W2aの共鳴周波数f0にピークが現われる。この共鳴周波数f0は薬物(化学物質)に固有のものである。そこで、制御計測装置7は、所定薬物に固有の共鳴周波数f0の信号強度が所定レベル以上であるか否かにより、被検査物10が所定薬物を含んでいるか否か判定する。そして、制御計測装置7は、その判定結果を出力し(図示されない表示器による表示等を行う)、その後、ベルトコンベア9を作動させて、被検査物10を検査領域20の外に移動させる。
次に本実施の形態のNQR検査装置100及びアンテナ4の作用効果を実施例及びシミュレーション結果によって説明する。
[実施例]
実施例として、図2に示すような全体形状を有するアンテナ4を作製した。具体的には、幅20mm、厚さ0.5mmの銅リボンからなる導体を、幅600mm×高さ600mmmの断面形状と、450mmの長さと、15巻の総巻数と有するソレノイドに巻き上げた。そして、このソレノイドを、2つの1巻分の間隔を有するようにして、3等分してアンテナ4を作製した。すなわち、互いに同一断面形状を有する5巻の第1乃至第3のコイル4A〜4Cが2つの1巻分の間隔G1,G2を有するようにして同軸状に配置されてなるアンテナ4が作製された。
実施例として、図2に示すような全体形状を有するアンテナ4を作製した。具体的には、幅20mm、厚さ0.5mmの銅リボンからなる導体を、幅600mm×高さ600mmmの断面形状と、450mmの長さと、15巻の総巻数と有するソレノイドに巻き上げた。そして、このソレノイドを、2つの1巻分の間隔を有するようにして、3等分してアンテナ4を作製した。すなわち、互いに同一断面形状を有する5巻の第1乃至第3のコイル4A〜4Cが2つの1巻分の間隔G1,G2を有するようにして同軸状に配置されてなるアンテナ4が作製された。
そして、このアンテナ4を周波数3.3MHz(波長=90.3m)で励磁した。
図6はこの実施例のアンテナの軸方向における磁場強度の分布を示すグラフである。図6において、横軸はアンテナ4の軸方向における位置(単位:mm)を示し、縦軸は磁場強度(単位:任意単位[a.u.])を示す。図6には、アンテナ4の断面における中央部の磁場強度が示されている。図6によれば、アンテナ4の軸方方向において、磁場強度は、アンテナ4の中央部で高く、両端に向かうに連れて低くなっているが、ほぼ均一な磁場が得られている。
[シミュレーション1]
本発明のアンテナモデルとして、実施例と同様の全体形状を有するアンテナモデルを用いた。但し、各寸法は以下の通りである。導体は、幅20mm、厚さ0.5mmの銅リボンで構成されている。アンテナのサイズは、断面が幅600mm×高さ600mmmの大きさであり、長さが450mmの長さであり、総巻数が15巻である。第1乃至第3のコイルの2つの間隔は、1巻き分である。
本発明のアンテナモデルとして、実施例と同様の全体形状を有するアンテナモデルを用いた。但し、各寸法は以下の通りである。導体は、幅20mm、厚さ0.5mmの銅リボンで構成されている。アンテナのサイズは、断面が幅600mm×高さ600mmmの大きさであり、長さが450mmの長さであり、総巻数が15巻である。第1乃至第3のコイルの2つの間隔は、1巻き分である。
図7は比較例のアンテナモデルの外観を示す斜視図である。この比較例のアンテナモデルとして、上記本発明のアンテナモデルにおいて、間隔が形成されていないソレノイド14が用いられた。
そして、これらのアンテナモデルを周波数3.3MHz(波長=90.3m)で励磁した場合の磁場強度を求めた。
図8はこれらのアンテナモデルの軸方向における磁場強度の分布を示すグラフである。
図8において、横軸はアンテナの軸方向における位置(単位:mm)を示し、縦軸は磁場強度(単位:任意単位[a.u.])を示す。図8には、アンテナの断面における中央部の磁場強度が示されている。また、実線は本発明のアンテナモデルの磁場強度を示し、破線は比較例のアンテナモデルの磁場強度を示す。図8によれば、比較例のアンテナモデルでは、アンテナの軸方方向において、磁場強度は、アンテナ4の中央部で高く、両端に向かうに連れて急激に低くなっているが、本発明のアンテナモデルでは、この低下の程度が緩和され磁場強度の均一性が向上している。
図9はアンテナモデルの電流密度を示す図であって、(a)は本発明のアンテナモデルの電流密度を示す図、(b)は比較例のアンテナモデルの電流密度を示す図である。なお、図9に示すアンテナモデルは上記モデルとは巻数が異なっていて、本発明のアンテナモデルは各コイルの巻数が6巻であり、比較例のアンテナモデルの総巻数が20巻である。しかし、傾向は上記アンテナモデルと同じである。図9は導体表面の電流密度を示しており、淡い部分は図面下向きの電流であり、濃い部分は図面上向きの電流であることを示しいる。
図9(b)に示すように、比較例のアンテナモデルでは、アンテナの両端部と中央部とで電流密度や電流の向きが異なっているのに対し、図9(a)に示すように、本発明のアンテナモデルでは、分割された各コイルの互いに対応する部分において、電流密度及び電流の向きが実質的に一致していることが確認された。電流密度及び電流の向きが実質的に一致していることにより、本発明のアンテナモデルでは磁場の均一性が向上しているのであると本発明者等は推察している。
[シミュレーション2]
図10は他のシミュレーションのアンテナモデルにおける電流密度を示す図である。
[シミュレーション2]
図10は他のシミュレーションのアンテナモデルにおける電流密度を示す図である。
本シミュレーションではアンテナが全体としてソレノイド状に配置された2つのコイル(巻数は10巻)で構成されている。このような構成としても、図10に示すように、分割された各コイルの互いに対応する部分において、電流密度及び電流の向きが実質的に一致している。従って、上記と同様の効果が得られる。
[まとめ]
以上に説明した本実施の形態の効果をまとめると以下のようになる。
以上に説明した本実施の形態の効果をまとめると以下のようになる。
NQR検査においては、検査の精度を高くするために検知領域(アンテナ4の内部空間)における磁場強度が均一であることが望ましい。このため、従来は、アンテナとして、一定の磁場を効率的に発生できるソレノイドが用いられている。しかし、このようにアンテナが単一のソレノイドで構成されていると、いわゆる端効果により、両端部の磁場強度が中央部の磁場強度より低くなり、かつ両端部においては、径方向にも磁場強度の分布が生じる(中心から外方に向かって磁場強度が低下する)。もし、ソレノイドが直流電流で励磁されるのであれば、良く知られているように、ソレノイドを長くすることによって軸方向及び径方向に置ける磁場強度の分布を低減することができる。しかし、NQR検査では、ラジオ周波数の電流でアンテナが励磁されるので、ソレノイドを長くすると、励磁電流(検査波信号)の波長に比べてソレノイドの導体長さが十分小さくない場合には、ソレノイドの導体において、励磁電流の波長に対応した電流分布が生じるため、磁場強度の分布を改善することができない。実際、NQR検査では励磁電流の周波数は数MHzであるので、従来のソレノイドの導体長さは、励磁電流の波長の2分の1程度となる。
これに対し、本実施の形態のアンテナ4によれば、アンテナ4が、互いに間隔を有してソレノイド状に配置された2以上のコイル4A〜4Cで構成され、両端のコイル4A,4Cの外端部が送信回路1及び受信回路6に接続されるので、アンテナ4を構成する2以上のコイル4A〜4Cが互いに磁気結合し、それにより、各々の互いに対応する部分において、電流密度及び電流の向きが実質的に一致する。その結果、アンテナ4の軸方向における磁場強度の均一性が向上する。しかも、この効果は、アンテナ4の長さ、アンテナ4の導体の長さに関わらず得られる。
なお、上記では、アンテナを構成する各コイルは単に間隔(空隙)を置いて配置されているだけであるが、各コイルが電気部品としてのコンデンサ(コイル間に形成される等価キャパシタンスとは別個のもの)によって互いに接続されてもよい。このような構成としても上記と同様の効果を得ることができる。
本発明のNQR検査用アンテナは、NQR検査装置のアンテナとして有用である。
本発明のNQR検査装置は、航空機の手荷物検査装置等として有用である。
1 送信回路
2 分配器
3 整合器
4 アンテナ
4A〜4C 第1乃至第3のコイル
5 増幅器
6 受信回路
7 制御計測装置
8 電磁波シールド
9 ベルトコンベア
10 被検査物
11A,11B 配線
12 磁気結合
14 比較例のアンテナモデル
20 検査領域
100 NQR検査装置
W1 検査波信号
W2 応答波の受波信号(NQR信号)
W2a NQR信号の減衰
2 分配器
3 整合器
4 アンテナ
4A〜4C 第1乃至第3のコイル
5 増幅器
6 受信回路
7 制御計測装置
8 電磁波シールド
9 ベルトコンベア
10 被検査物
11A,11B 配線
12 磁気結合
14 比較例のアンテナモデル
20 検査領域
100 NQR検査装置
W1 検査波信号
W2 応答波の受波信号(NQR信号)
W2a NQR信号の減衰
Claims (4)
- NQR検査装置において送信器及び受信器に接続して用いられるNQR検査用アンテナであって、
互いに間隔を有してソレノイド状に配置された2以上のコイルで構成され、両端の前記コイルが前記送信器及び前記受信器に接続されるようにして用いられる、NQR検査用アンテナ。 - 前記2以上のコイルが互いにコンデンサによって接続されている、請求項1に記載のNQR検査用アンテナ。
- 所定のラジオ周波数の検査波信号を出力する送信器と、
コイルからなり、その内部空間を通過する被検査物に前記送信器から出力される検査波信号に応じた検査波を放射し、この検査波に対し前記被検査物から放出される応答波を受波するアンテナと、
前記アンテナの電気出力から前記応答波の受波信号を抽出する受信器と、
前記受信器で抽出された前記応答波の受波信号中のNQR信号を利用して前記被検査物が所定の薬物を含むか否かを判定する判定器と、を備え、
前記アンテナは、互いに間隔を有してソレノイド状に配置された2以上のコイルで構成され、両端の前記コイルが前記送信器及び前記受信器に接続されている、NQR検査装置。 - 前記2以上のコイルが互いにコンデンサによって接続されている、請求項3に記載のNQR検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008115932A JP2009264972A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008115932A JP2009264972A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009264972A true JP2009264972A (ja) | 2009-11-12 |
Family
ID=41390999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008115932A Pending JP2009264972A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009264972A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013049270A1 (en) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | Ami Research & Development, Inc. | Nqr detection from continuous rabi transitions |
US8912788B2 (en) | 2012-11-09 | 2014-12-16 | AMI Research & Development, LLC | Low power stimulated emission nuclear quadrupole resonance detection at multiple reference power levels |
US9052370B2 (en) | 2013-03-14 | 2015-06-09 | AMI Research & Development, LLC | Detection processing for NQR system |
US9170311B2 (en) | 2013-08-22 | 2015-10-27 | AMI Research & Development, LLC | Nuclear quadrupole resonance system |
-
2008
- 2008-04-25 JP JP2008115932A patent/JP2009264972A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013049270A1 (en) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | Ami Research & Development, Inc. | Nqr detection from continuous rabi transitions |
US8660803B2 (en) | 2011-09-29 | 2014-02-25 | AMI Research & Development, LLC | Using phase matched filters for NQR detection of continuous Rabi transitions |
US8901926B2 (en) | 2011-09-29 | 2014-12-02 | AMI Research & Development, LLC | Arrangement for multiple frequency, multiple portal NQR detection |
US9030202B2 (en) | 2011-09-29 | 2015-05-12 | AMI Research & Development, LLC | NQR detection from continuous Rabi transitions |
US8912788B2 (en) | 2012-11-09 | 2014-12-16 | AMI Research & Development, LLC | Low power stimulated emission nuclear quadrupole resonance detection at multiple reference power levels |
US9052370B2 (en) | 2013-03-14 | 2015-06-09 | AMI Research & Development, LLC | Detection processing for NQR system |
US9170311B2 (en) | 2013-08-22 | 2015-10-27 | AMI Research & Development, LLC | Nuclear quadrupole resonance system |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1060403B1 (en) | Apparatus for and method of nuclear quadrupole resonance testing a sample in the presence of interference | |
AU759922B2 (en) | Magnetic resonance detection coil that is immune to environmental noise | |
US8525515B2 (en) | Equipment for inspecting explosives and/or illicit drugs, antenna coil and method for inspecting explosives and/or illicit drugs | |
US20050146331A1 (en) | Transmit-receive coil system for nuclear quadrupole resonance signal detection in substances and components thereof | |
CN106324536B (zh) | 磁共振成像系统和方法 | |
WO2008075614A1 (ja) | 核磁気共鳴計測装置およびコイルユニット | |
US20210103018A1 (en) | Line with sensor for detecting line-conducted interference in a magnetic resonance tomography apparatus | |
RU2597068C2 (ru) | Поперечно-электромагнитная (пэм) радиочастотная катушка для магнитного резонанса | |
CA2995597C (en) | On-line magnetic resonance measurement of conveyed material | |
JP2009264972A (ja) | Nqr検査用アンテナ及びこれを用いたnqr検査装置 | |
US20190310331A1 (en) | Array coil and magnetic resonance imaging apparatus | |
EP3719522B1 (en) | Nuclear quadrupole resonance detection system and antenna thereof | |
WO2006081615A1 (en) | Method and apparatus for detecting significant shielded volumes | |
AU2014274554B2 (en) | Techniques for co-sitting a metal detector with another detector | |
US20130069647A1 (en) | Targeted travelling wave mri | |
CN107255790B (zh) | 一种基于核四极矩共振的爆炸物和毒品检测系统的天线部分 | |
RU2797293C1 (ru) | Устройство измерения тока, напряжения в передающей линии | |
US11460599B2 (en) | Shielded-loop-resonator based gradiometer probe | |
JP2009264971A (ja) | Nqr検査用信号処理器及びこれを用いたnqr検査装置 | |
CN207908664U (zh) | 基于核四极矩共振的爆炸物和毒品检测系统的天线部分 | |
AU2002301342B2 (en) | Magnetic Resonance | |
CN108414956A (zh) | 一种核四极矩共振检测系统及其天线 | |
JP2005055218A (ja) | パルス核四極子共鳴装置を用いた物質の同定・検知方法とこの方法を実施する装置 |