〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、サービス情報提供システムを示す図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
このサービス情報提供システム2Aは、サービス情報の提供装置、その提供方法及びその提供プログラムの一例であって、コンピュータを用いることにより、ネットワーク上に提供されたサービス情報を収集し、そのサービス情報からサービス部品を抽出し、そのサービス部品を組み合わせて統合サービス情報を生成するシステムであり、斯かる処理を実現するため、図1に示すように、統合処理部4と、サービス部品情報部6と、プロバイダ情報部8と、サービス情報・通過経路情報部10と、シナリオ構成部12と、ポリシー部14と、統合サービス情報部16とを備えている。
このサービス情報提供システム2Aにおいて、サービス情報は、ネットワーク上に提供されているあらゆる情報である。サービス部品は、そのサービス情報に含まれる部分情報、サービス情報そのもの等の情報である。統合サービス情報は、サービス部品(サービス部品群を含む)の組合せによって生成され、その生成には、シナリオやポリシー(選択基準)という異なるパラメータが用いられる。シナリオは、2以上のサービス部品の組合せ等のコンテンツであり、ポリシーは、多数のサービス部品又はサービス部品群の安定性、質、量、価値等の多面的な側面であって、サービス部品の抽出のための選択基準である。
統合処理部4はコンピュータで構成される情報処理手段であって、ネットワーク上の公開サービス情報の収集、サービス情報からポリシーに適合するサービス部品の抽出、そのサービス部品のシナリオに従う組み合わせ、複数のサービス部品からなる統合サービス情報の生成等の処理を実行する処理手段であり、この実施の形態では、公開サービス情報収集・管理機能部18と、サービス部品提供サーバ・通過ネットワーク調査機能部20と、シナリオ・ポリシー設定部21と、変化検出機能部22と、検索要素抽出機能部24と、サービス構成要素検索機能部26と、統合サービス確定機能部28とを備える。
公開サービス情報収集・管理機能部18は、ネットワーク30上に公開されている各種情報を収集し、それを管理する情報収集及び管理手段であって、ネットワーク32、34にサービス情報としてどのようなサービス部品をどこで提供しているかという情報を集め、統合サービス情報を構成する際に利用できるようにするとともに、どのネットワークプロバイダ経由でそのサービスが提供されているか等の情報(サービス部品情報)を記録する。このサービス部品情報には、プロバイダ情報が含まれ、このプロバイダ情報は、ネットワークプロバイダが提供しているサービス(例えば、帯域保証、遅延保証等)の情報である。
この公開サービス情報収集・管理機能部18は、例えば、ネットワーク32を通してネットワークプロバイダIに接続されるとともに、ネットワーク34を通してネットワークプロバイダIIに接続され、ネットワーク30に公開されている複数のサービス情報がサービス情報源36、38から提供されるとともに、ネットワークプロバイダの情報がプロバイダ情報源40、42から提供される。
公開サービス情報収集・管理機能部18で収集されたサービス部品情報はサービス部品情報部6に格納され、プロバイダ情報はプロバイダ情報部8に格納される。サービス部品情報部6は、サービス部品情報の記録手段であって、そのデータベースを構成し、また、プロバイダ情報部8は、プロバイダ情報の記録手段であって、そのデータベースを構成している。これらサービス情報、プロバイダ情報の記録及び更新等の管理は公開サービス情報収集・管理機能部18によって実行される。
サービス部品提供サーバ・通過ネットワーク調査機能部20は、ネットワーク30に接続されているサービス部品提供サーバ44、46や通過ネットワークの調査、その情報収集、その記録及び情報管理手段であるとともに、定期的に、サービス情報源(サーバ)やネットワークの安定性を調査する計測評価手段であって、サービス部品が提供されているサーバの状態、その通過するネットワーク32、34の状態を表す情報(サービス情報・通過経路情報)等の各種の情報をサービス部品やそのサービス部品を含むサービス情報毎に定期的に調査し、これを記録する。サービス部品提供サーバ44、46は、サービス部品等のサービス情報を提供するサービス情報源である。ネットワーク32、34以外の情報源としてユーザ情報源48からの口コミ情報等の情報も取り込んでもよい。これらサービス情報や通過経路情報(通過ネットワーク情報)等の情報はサービス情報・通過経路情報部10に格納される。このサービス情報・通過経路情報部10はサービス提供環境に関する情報の記録手段であって、そのデータベースを構成する。これらサービス情報や通過経路情報等の情報の記録及び更新等の管理はサービス部品提供サーバ・通過ネットワーク調査機能部20を以て実行される。また、これらのサービス提供環境に関する情報は、統合サービスを構成する際の情報として利用するものである。
サービス部品を統合するために用いられるシナリオやポリシー(選択基準)が設定され、これらシナリオ及びポリシーは、統合処理部4を管理する統合サービス事業者により定義され、追加され又は変更される。シナリオはシナリオ構成部12に格納され、ポリシーはポリシー部14に格納される。シナリオ構成部12は、シナリオを格納する記録手段であって、そのシナリオのデータベースを構成する。ポリシー部14は、サービス部品の選択基準を構成するポリシー情報を格納する記録手段であって、ポリシーのデータベースを構成する。
シナリオ・ポリシー設定部21は、既述のシナリオ及び/又はポリシーの設定手段であって、シナリオ又はポリシー、又は、シナリオ及びポリシーは、統合サービス事業者サーバを運用する事業者等の管理者により設定される。この設定には、シナリオ及び/又はポリシーの設定画面が表示される表示手段や、キーボード等の入力手段を用いて実行される。
変化検出機能部22は、シナリオやポリシーの変化を動的に検出する手段であって、シナリオの追加や変更を検出し、追加・変更されたシナリオ、ポリシーの検出情報を検索要素抽出機能部24に通知する。
検索要素抽出機能部24は、公開サービス情報収集・管理機能部18で収集されたサービス情報からポリシーに適合するサービス部品を抽出する抽出手段であって、シナリオを元に構成要素となり得るサービス部品の候補をサービス情報やサービス部品情報から抽出する。このサービス部品情報の抽出に関し、同じサービス内容のサービス部品が異なるサービス情報源(サービス事業者)から提供されている場合、それらのサービス部品は複数の候補として扱うためにそれら全てのサービス部品が抽出される。
サービス構成要素検索機能部26は、サーバやネットワークの安定情報を用いてポリシーに沿うサービス部品をシナリオに従って組み合わせることにより統合サービス情報を生成する統合サービス情報生成手段であって、ポリシー部14にあるポリシーに基づいて抽出されたサービス部品のうちどれを使うのかを決定する。その決定の際、サービス部品情報やプロバイダ情報だけでなく、サービス情報・通過経路情報といった環境情報を用いることにより、ポリシーに合う最適なサービス部品を選択することができる。異なる2種以上のポリシーを設定すれば、同じ統合サービスでも異なるサービス部品から構成されるものを作成することができる。
統合サービス確定機能部28は、ポリシーに沿う統合サービス情報を確定させる手段であって、この実施の形態では、ポリシーに沿わない場合にはそれを警告する警告手段を備えている。サービス構成要素検索機能部26で決定されたサービス部品で構成する統合サービス情報、その公開を確定させ、警告手段を備えれば、ポリシーと合致しない統合サービス情報の場合に警告を以て通知する。
統合サービス情報部16は、統合サービス情報の公開手段であって、統合サービス確定機能部28で確定した統合サービス情報の提供を受け、この統合サービス情報をユーザが実際に利用できるように公開する。
このようなサービス情報提供システム2Aによれば、一つの統合サービス情報について、単数のポリシーに沿うサービス部品から統合サービス情報を生成でき、又は複数の異なるポリシー毎に異なるサービス部品から構成される統合サービス情報のバリエーションを作成することができ、これらを公開提供することができる。ユーザは利用したい統合サービス情報をポリシーによって選択でき、サービス情報の利便性が高められ、必要なサービス情報を統合サービス情報として取得できる。
このサービス情報提供システム2Aにおいて、変化検出機能部22では、シナリオが追加・変更された場合やポリシーが追加・変更されたことを検出できるので、追加・変更されたシナリオ、ポリシーに従った統合サービス情報が迅速に提供できる。
また、このサービス情報提供システム2Aを用いる統合サービス事業者はシナリオやポリシーを追加したり変更するだけで、新たな統合サービス情報の公開を迅速に行うことができ、又は公開中の統合サービス情報の構成変更を迅速かつタイムリーに行うことができ、ユーザに対するサービス情報の提供の利便性を向上させることができる。
また、変化検出機能部22では、サービス情報・通過経路情報の変化を監視し、それを検出するので、統合サービス情報を同様の手順で再構成、更新して公開することができる。これにより、統合サービス情報を構成した時点とサービス部品提供サーバやネットワークの状況といった環境情報が変動した場合にも、ポリシー毎に作成したシナリオそれぞれを、迅速に最適な構成に変更することができ、その変更の迅速化が図られる。
次に、統合サービス情報の処理について、図2及び図3を参照する。図2は、統合サービス情報の処理手順を示すフローチャート、図3は、シナリオ及びポリシーによるコストパスの決定処理を示すフローチャートである。図2及び図3に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順では、図2に示すように、サービス情報の収集が行われる(ステップS1)。このサービス情報の収集は、ネットワーク30に公開された無数のサービス情報に対して行われ、収集されたサービス情報及び/又はサービス部品はサービス部品情報部6に格納される。
また、シナリオ及び/又はポリシーの設定が行われる(ステップS2)。このシナリオ及び/又はポリシーの設定は、統合サービス事業者サーバを運用する事業者等の管理者により設定される。シナリオはシナリオ構成部12に格納され、ポリシーはポリシー部14に格納される。これらシナリオやポリシーは、サービス部品の抽出(ステップS3)及び統合サービス情報の生成(ステップS4)に用いられる。
サービス部品の抽出では、収集されたサービス情報からシナリオに必要なサービス部品が抽出され、統合サービス情報の生成では、抽出されたサービス部品からポリシーに基づいて選択されるサービス部品を用いて統合サービス情報が生成される。この統合サービス情報の生成にあっては、シナリオやポリシーの変化が常に監視され、変更されたシナリオやポリシーに基づいて統合サービス情報が変更され、再生成される。
生成された統合サービス情報は、設定されているシナリオやポリシーに合致するか否かの確認の後、ネットワーク上に公開される(ステップS5)。生成された統合サービス情報がシナリオやポリシーに合致していなければ、その旨の通知が行われ、再生成が促される。
なお、この統合サービス情報の生成処理では、図3に示すように、シナリオの構成要素となるサービス部品の候補を抽出してグラフ化し(ステップS401)、そのグラフ上のリンクの部分にサービス情報、ネットワーク情報に基づくコストをポリシー毎に設定し、例えば、ダイクストラ法(Dijkstra's Algorithm)のような最適経路を求めるための一連の計算処理(以下、ダイクストラ計算)によって最小コストパスを決定する(ステップS402)。これにより最小コストが求められ、最小コストをポリシーとする統合サービス情報が生成される。この処理の後、ステップS4(図2)に戻る。
この統合サービス情報について、図4を参照する。図4は、サービス部品、シナリオ、ポリシー及び統合サービス情報の関係を示す図である。図4に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
サービス部品K、D、M、R・・・はシナリオによって組み合わせられ、サービス部品K1、K2、K3・・・Kn、D1、D2、D3・・・Dn、M1、M2、M3・・・Mn、R1、R2、R3・・・Rn、・・・から特定のサービス部品がポリシーによって選択される。
ここで、ポリシーP1に基づき、サービス部品K2、D2、M2及びR4が選択され、ポリシーP2に基づき、サービス部品K4、D3、M3及びR2が選択されたとすれば、ポリシーP1に基づく統合サービス情報T(P1)は、
T(P1)={K2,D2,M2,R4} ・・・(1)
で構成される。また、ポリシーP2に基づく統合サービス情報T(P2)は、
T(P2)={K4,D3,M3,R2} ・・・(2)
で構成される。
次に、サービス部品の検索について、図5、図6及び図7を参照する。図5は、シナリオ及びサービス部品を示す図、図6及び図7は、サービス部品候補の検索を示す図である。図5〜図7に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
このサービス部品の検索処理は、最適なサービス部品の構成を決定する処理手順であって、サービス構成要素検索機能部26の検索機能によって実現される。このサービス部品の検索にはシナリオ50が設定され、このシナリオ50では、図5Aに示すように、Aサービス部品の実行(ステップS11)、Bサービス部品の実行(ステップS12)及びCサービス部品の実行(ステップS13)の順序が設定されている。このシナリオ50では、図5Bに示すように、サービス部品I:Aサービス部品、サービス部品II:Bサービス部品、サービス部品III :Cサービス部品である。
この検索処理では、図6に示すように、検索要素抽出機能部24で抽出されたサービス部品I、サービス部品II、サービス部品III をノード52、54、56とし、シナリオに記述されたサービス部品I、II、III の順番にソースノード(S)58とデスティネーションノード(D)59の間に並べる。複数の候補があった場合には、縦に候補数分のノード521、522、541、542、543、561、562、563を並べる。サービス部品Iのノード52とサービス部品IIのノード54との間には中継点ノード53を置き、サービス部品IIのノード54とサービス部品III のノード56との間には中継点ノード55を置き、それぞれを接続する。複数のサービス部品にはB&Cサービス部品のノード543、563が設定され、また、二つのサービス部品を統合することにより、中継点ノード55を通過しないサービス部品とする場合には、例えば、図7に示すように、B&Cサービス部品のノード57が設定される。この場合、ソースノード58とデスティネーションノード59との間にはリンク60、62、64、66、68、70が存在している。
一つのポリシーとして例えば、中継点ノード53からノード54、中継点ノード55からノード56に接続するリンク64、68のコスト値をポリシーに従って定義し、ノード52から中継点ノード53、ノード54から中継点ノード55に接続するリンク62、66のコスト値をゼロとすれば、これは例えば、無料サービスである、というポリシーを定義した場合、利用料が発生するサービス部品へのリンクは価格に比例して大きいコスト値を定義する。最後にダイクストラ計算で最小コストパスを選択すれば、ポリシーに従った最適なサービス部品の構成が自動的に決定される。
無料サービスポリシーを定義した場合に、全てのサービス部品の利用料がゼロになるような構成が検索できればよいが、一部のサービス部品で、どの候補を選んでも利用料が発生する場合もあり得る。これを検出するために、有料でしか提供できないサービス部品のコストを次のように定義すればよい。無料ポリシーの場合は、無料のサービス部品のみを選んだときのトータルコストの上限を予め決めておく。このトータルコストとは、決定した最小コストパスを構成するリンクコストの総和である。有料でしか提供できないサービス部品のコストは、この上限値より大きい値と定義すればよい。これにより、最小コストパスのトータルコストがその上限値を超えた場合、最も安い手数料の経路を選んでいるが、無料ではないということが検知可能となる。このような場合に、統合サービス事業者に無料での構成はできなかったことを伝えるため、予めトータルコストが上限値より大きい場合は警告する、という定義をしておくことにより、統合サービス確定機能部28は、これを警告として通知する。
これにより、統合サービス事業者が利用可能なサービス部品を使った場合の最適な構成ではあるが、ポリシーには合致していない場合には、公開する前に警告によって知ることができ、斯かる警告はその統合サービス情報を公開して提供するかどうかの判断に利用できる。
次に、ネットワーク上に公開されるサービス情報及びその統合について、図8を参照する。図8は、ネットワーク上のサービス構成を示す図である。図8に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図8において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
サービス情報提供システム2Aは例えば、統合サービス提供事業者によって運用されるコンピュータシステムである統合サービス提供事業者サーバ72で構成される。統合サービス提供事業者サーバ72には既述の統合処理部4を備える。この統合サービス提供事業者サーバ72に接続されるネットワーク30には図1に記述したように、ネットワーク32、34が存在しており、ネットワーク32側にはネットワークプロバイダI、ネットワーク34側にはネットワークプロバイダIIが存在している。
ネットワークプロバイダIには例えば、サービス事業者Aによって運用されるサービス事業者Aサーバ74、サービス事業者Bによって運用されるサービス事業者Bサーバ76が接続され、また、ネットワークプロバイダIIには例えば、サービス事業者Cによって運用されるサービス事業者Cサーバ78が接続されている。この場合、ネットワーク30上に公開されているサービス情報として、サービス事業者Aサーバ74ではサービス部品741、742、サービス事業者Bサーバ76ではサービス部品761、762、サービス事業者Cサーバ78ではサービス部品781、782、783が提供されている。具体的には、サービス部品741は天気情報サービス、サービス部品742は交通機関予約サービス、サービス部品761は交通機関予約サービス、サービス部品762は宿予約サービス、サービス部品781は天気情報サービス、サービス部品782は宿予約サービス、サービス部品783は宿&交通機関予約サービスの例である。
これらサービス部品741、742、761、762、781、782、783は、ネットワーク32、34を経由し、統合サービス提供事業者サーバ72の統合処理部4に提供される。統合処理部4ではポリシーに基づいて抽出されたサービス部品を用いて設定されたシナリオに基づいて組み合わせ、ポリシー及びシナリオに沿った単数又は複数の統合サービス情報を提供する。
次に、シナリオ及びポリシーについて、図9及び図10を参照する。図9は、スキーツアー企画サポートサービス情報のシナリオを示す図、図10は、スキーツアー企画サポートサービス情報のポリシーを示す図である。図9及び図10に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図9及び図10において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
統合サービス情報のシナリオ120はシナリオテーブル122に処理されてシナリオ構成部12(図1)に格納される。このシナリオテーブル122は、図9に示すように、統合サービス情報のタイトル124とシナリオ120とで構成される。タイトル124は、特定の統合サービス情報の生成に用いられるシナリオ120を特定する識別情報であって、この実施の形態では、「スキーツアー企画サポートサービス」である。
この「スキーツアー企画サポートサービス」のシナリオ120は、
「シナリオ:
(1) 天気+情報照会(天気情報サービス)天気予報の良い場所を選択
(2) 交通機関+情報照会(交通機関予約サービス)
(3) 宿+情報照会(宿予約サービス)
(4) 交通機関+予約実行、宿+予約実行(交通機関予約サービス、宿予約サービ ス)」
である。
また、ポリシー140はポリシーテーブル142に処理されてポリシー部14(図1)に格納される。このポリシーテーブル142は図10に示すように、統合サービス情報のタイトル144とポリシー140とで構成される。タイトル144は既述のタイトル124と同一である。
この「スキーツアー企画サポートサービス」のポリシー140は、
「ポリシー:
(1) お金がかかっても、安定かつ最速で予約できる(予約がどんどん埋まるよう なハイシーズン向け)
(2) 無料で予約
(3) 価格、安定度バランス型」
である。
次に、プロバイダ情報について、図11を参照する。図11は、プロバイダ情報を示す図である。図11に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図11において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
プロバイダ情報はプロバイダ情報テーブル800に処理されてプロバイダ情報部8(図1)に格納される。このプロバイダ情報テーブル800は、図11に示すように、プロバイダ情報として、ネットワークプロバイダ802、ネットワーク状態804、遅延保証806、保証利用料808等の項目についての情報であり、ネットワークプロバイダ802にはそのサイト名等の識別情報、ネットワーク状態804には混雑状況(例えば、時々混雑等)や安定状態(例えば、安定)、遅延保証806にはその保証の有無、保証利用料808には単位時間(1分)当たりの保証料が格納される。
次に、サービス情報・通過経路情報について、図12を参照する。図12は、サービス情報・通過経路情報を示す図である。図12に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図12において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
サービス情報・通過経路情報はサービス情報・通過経路情報テーブル1000に処理されてサービス情報・通過経路情報部10(図1)に格納される。このサービス情報・通過経路情報テーブル1000は、図12に示すように、サービス情報1002、提供(者)サーバ1004、通過ネットワーク(通過経路)1006、ネットワーク状態1008、サーバ安定度1010等の項目についての情報である。サービス情報1002には、サービス部品を特定する名称等の識別情報、提供(者)サーバ1004には提供者名又はサーバ名等、情報源を表す識別情報、通過ネットワーク1006にはネットワーク名等の識別情報、ネットワーク状態1008には通過ネットワークの状態として、遅延保証の有無、安定、不安定等、サーバ安定度1010にはサーバの安定度を表す情報が格納される。図12において、N1、N2はネットワークの識別情報を示す。
次に、統合サービス情報について、図13を参照する。図13は、統合サービス情報を示す図である。図13に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図13において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
統合サービス情報160は統合サービス情報テーブル162に処理されて統合サービス情報部16(図1)に格納される。この統合サービス情報テーブル162は、図13に示すように、ポリシー1601、1602、1603と、統合サービス要素部1604、1605、1606とで構成される。ポリシー1601、1602、1603は、ポリシー140(図10)に対応する。この場合、統合サービス情報160は、
「(1) 課金ありでも安定度最優先ポリシーの場合:
{Aの天気情報サービス+遅延保証、Aの交通機関予約サービス+遅延保証、Cの宿予約サービス}
<Bの宿予約サービスはサーバ安定度が低いので、Cを選択>
(2) 無料ポリシーの場合:
{Aの天気情報サービス、Cの宿・交通機関予約サービス}
<天気情報サービスを選ぶ際に、時々混雑するNWの方が、安定度の低いサーバよりも良いと判断>
(3) バランス型ポリシーの場合:
{Aの天気情報サービス+遅延保証、Cの宿・交通機関予約サービス}
<天気情報サービスのみ遅延保証を付ける>」
である。
次に、統合サービス情報の処理について、図14を参照する。図14は、統合サービス情報の処理手順を示すフローチャートである。図14に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この統合サービス情報の処理手順は、シナリオ及びポリシーの記述による設定に基づく統合サービス情報の公開までの処理を包含している。この処理手順では、図14に示すように、シナリオ及びポリシーの設定(ステップS21)は統合サービス事業者により、統合サービス提供事業者サーバ72によって実行される。シナリオはシナリオ構成部12、ポリシーはポリシー部14に格納される。シナリオ及びポリシーの設定には、これらの追加や変更を含む。
シナリオ及びポリシーの設定を契機とし、変化検出機能に基づき、シナリオ、ポリシーの追加・変更の検出が実行され(ステップS22)、この変化検出の後、検索要素抽出機能に基づき、サービス部品情報部6にあるサービス部品を参照し、シナリオに適合するサービス部品を抽出する(ステップS23)。サービス部品情報部6には、ネットワーク30上に公開されるサービス情報が収集されて格納されており、サービス部品は、このサービス情報から抽出される。
このサービス部品の抽出の後、サービス構成要素検索機能に基づき、抽出されたサービス部品をノードとし、シナリオに従ってリンクを接続し、グラフ作成を行う(ステップS24)。
このグラフ作成を契機に、サービス構成要素検索機能に基づき、プロバイダ情報部8にあるプロバイダ情報、サービス情報・通過経路情報部10にあるサービス情報・通過経路情報を参照し、ポリシー毎にリンクコストを計算し(ステップS25)、その計算結果から最小コストパス計算の成功について判定する(ステップS26)。
最小コストパス計算が成功であれば(ステップS26のYES)、統合サービス確定機能に基づき、ポリシー毎に最短経路を構成するサービス部品群が決定され(ステップS27)、ポリシー毎に統合サービス情報の公開が実行され(ステップS28)、一連の処理を終了し、ステップS21に戻る。
また、最小コストパス計算が不成功であれば(ステップS26のNO)、統合サービス確定機能に基づき、シナリオ構成不可を通知し(ステップS29)、ステップS21に戻る。
次に、この統合サービス情報の処理例について、図15を参照する。図15は、統合サービス情報の処理手順を示すフローチャートである。図15に示す構成は一例であって、係る構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、既述のシナリオで示す統合サービス情報として「スキーツアー企画サポートサービス」について、そのポリシーを「お金がかかっても、安定かつ最速で予約できる」と定義した場合の処理である。各処理(ステップS31〜S39)は、既述の統合サービス情報の処理手順(ステップS21〜S29)(図14)に対応している。
この処理手順では、図15に示すように、新規に「スキーツアー企画サポートサービス」を作成、ポリシーとして「お金がかかっても、安定かつ最速で予約できる」を定義する(ステップS31)。この場合、既にある「スキーツアー企画サポートサービス」の追加ポリシーとして「ベストエフォート無料予約」を定義する(ステップS32)。即ち、ポリシーが追加によって変更されている。これは、変化検出機能に基づき、ポリシーが追加されたことが検出される{ステップS22(図14)}。
これらのサービス部品を列挙すれば、ステップS33に示すように、
「(1) 「天気取得」:A、Cの天気情報サービス
(2) 「交通機関情報照会」:A、Bの交通機関予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービス
(3) 「宿情報照会」:B、Cの宿予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービス
(4) 「予約実行」:(2) 、(3) で選択したサービス部品」
である。
このステップS33では、複数のサービス事業者サーバ74、76、78で公開しているサービス部品情報(図8)から検索要素抽出機能において、シナリオから統合サービスを構成する要素となる可能性のあるサービス部品を抽出する。その結果、「天気取得」について、サービス事業者サーバのA、Cの天気情報サービス、「交通機関情報照会」について、A、Bの交通機関予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービス、「宿情報照会」についてB、Cの宿予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービスが取得される。また、「予約実行」は「交通機関情報照会」、「宿情報照会」で選択したサービス部品がそれぞれ選択される。
そこで、ステップS34では、ソースノード58(図7)とデスティネーションノード59(図7)との間にサービス部品I、II、III の順に一つずつサービス部品を選択可能に接続する。サービス部品間には中継点ノードを集約点として配置する。同じサービス部品がシナリオに連続して複数登場した場合には、複数のノードではなく一つのノードとして表現する(例えば、Cの交通機関&宿予約サービス)。このステップS34では、抽出されたサービス部品からサービス構成要素検索機能によって、図16で示すサービス構成(グラフ)を作成する。
次に、ステップS35では、中継点ノードからサービス部品に接続するリンクのコストを変えることにより、サービス部品の選択容易性(選ばれ易さ)をコントロールする( サービス部品から中継点ノードへ接続するリンクのコストはゼロとする)。これらのポリシーに対応する処理を列挙すれば、次の通りである。
a)お金がかかっても安定かつ最速で予約できるポリシーの場合
リンクコスト=(α1 サーバコスト+β1 ネットワークコスト)
b)ベストエフォート無料予約ポリシーの場合
リンクコスト= if 利用料≠0 then ∞,else(α2 サーバコスト+β2 ネットワークコスト)
c)バランス型の場合
リンクコスト=(α3 サーバコスト+β3 ネットワークコスト+γ3 料金コスト)
上記のα、β、γはチューニング可能な重み付け係数である。
このステップS35では、プロバイダ情報、サービス情報、通過経路情報(図11、図12)を用いて、サービス構成要素検索機能により、ポリシー毎にグラフのリンクコストを計算する。また、ポリシーとして「お金がかかっても、安定かつ最速で予約できる」では、リンクコストはサーバコスト(サーバ安定度を表す)とネットワークコスト(ネットワーク状態を表す)の和で表される(図17、図18)。
次に、最小コストパス計算が成功したか否かを判定する(ステップS36)。このステップS36では、リンクコストの割り当てられたグラフ(図18)により、S(ソースノード)からD(デスティネーションノード)までの最小コストパスをダイクストラ法によって求める。
最小コストパス計算が成功であれば(ステップS36のYES)、統合サービス確定機能に基づき、ポリシー毎に最短経路を構成するサービス部品群が決定される(ステップS37)。即ち、ステップS37では、最小コストパスが求められた場合、統合サービス確定機能に基づいて最小コストパスを通るサービス部品を統合サービス情報の構成要素として確定する。
ポリシー毎に統合サービス情報が公開される(ステップS38)。この場合、作成された統合サービス情報を「お金がかかっても、安定かつ最速で予約できるポリシー」のサービス情報として公開する。
また、最小コストパス計算が不成功であれば(ステップS36のNO)、統合サービス確定機能に基づき、シナリオ構成不可が通知される(ステップS39)。この場合、最小コストパスが求められなかった場合、即ち、S(ソースノード)、D(デスティネーションノード)間を結ぶパスが存在しなかった場合には、統合サービス確定機能によって、シナリオに基づく統合サービス情報が構成できなかったことを通知する。
次に、サービス構成について、図16を参照する。図16は、サービス構成を示す図である。図16に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図16において、図7と対応する部分には同一符号を付してある。
このサービス構成では、図16に示すように、ソースノード58からデスティネーションノード59に至るシナリオの構成要素が推移しており、サービス部品I、サービス部品II、サービス部品III をノード52、54、56とし、シナリオに記述されたサービス部品I、II、III の順番にソースノード58とデスティネーションノード59の間に並べられ、複数の候補があった場合は、縦に候補数分のノード521、522、541、542、561、562が並べられる。サービス部品Iのノード52とサービス部品IIのノード54との間には中継点ノード53を置き、サービス部品IIのノード54とサービス部品III のノード56との間には中継点ノード55を置き、それぞれを接続する。複数のサービス部品を実現できるサービス部品が存在し、連続して使用される場合には、中継点ノード55を通過しないサービス部品としてB&Cサービス部品のノード57が設定される。この場合、ソースノード58とデスティネーションノード59との間にはリンク60、62、64、66、68、70が存在している。
各サービス部品のノード521、522、541、542、561、562、57について、ノード521はサービス事業者サーバAの天気情報サービス、ノード522はCの天気情報サービス、ノード541はAの交通機関予約サービス、ノード542はBの交通機関予約サービス、ノード561はBの宿予約サービス、ノード562はCの宿予約サービス、ノード57はCの宿&交通機関予約サービスである。
次に、ポリシー及びサービス構成について、図17及び図18を参照する。図17は、ポリシーを示す図、図18は、サービス構成を示す図である。図17及び図18の構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図17及び図18において、図16と同一部分には同一符号を付してある。
リンクコストは、図17に示すように、「リンクコスト=(α1 サーバコスト+β1 ネットワークコスト)」で与えられる。この場合のポリシー140は、課金ありで安定度最優先であり、サーバコスト1410とネットワークコスト1420とで構成されている。サーバコスト1410は、サーバコストテーブル1412に処理されてポリシー部14に格納され、ネットワークコスト1420は、ネットワークコストテーブル1422に処理されてポリシー部14に格納されている。サーバコスト1410は、サーバ安定度1414及びコスト1416で構成され、サーバ安定度1414には安定度の段階を示す、「高」、「中」又は「低」が設定され、コスト1416にはコスト値が設定されている。また、ネットワークコスト1420は、ネットワーク状態1424及びコスト1426で構成され、ネットワーク状態1424には遅延保証があるか否かの情報として例えば、「遅延保証あり」又は「遅延保証なし」が設定され、安定度を表す情報として例えば、「安定」や「不安定」が設定され、また、利用状況を表す情報として「混雑」や「空き」等が設定され、コスト1426にはコスト値が設定されている。上記式において、α1 =β1 =1とする。
このサービス構成では、図18に示すように、ソースノード58からサービス部品のノード521に至るリンク601のリンクコストは例えば、0.3、ソースノード58からサービス部品のノード522に至るリンク602のリンクコストは例えば、1.2、中継点ノード53からノード541に至るリンク641のリンクコストは例えば、0.6、中継点ノード53からノード542に至るリンク642のリンクコストは例えば、1.1、中継点ノード53からノード57に至るリンク644のリンクコストは例えば、1.2、中継点ノード55からノード561に至るリンク681のリンクコストは例えば、1.1、中継点ノード55からノード562に至るリンク682のリンクコストは例えば、0.4である。また、この場合、Aの天気情報サービスは「遅延保証あり」、Aの交通機関予約サービスも「遅延保証あり」であるから、最小コストパス220は、図18に破線で示すように、ソースノード58−リンク601−ノード521−リンク641−ノード541−リンク682−ノード562−デスティネーションノード59に至るリンクコストの低いパスで構成され、その料金は、例えば、20円/分である。これが一つのポリシー140に沿ってサービス部品の組合せからなる統合サービス情報のリンクコストである。
次に、ポリシーの追加による統合処理について、図19を参照する。図19は、ポリシーの追加による統合処理の処理手順を示すフローチャートである。図19の構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順は、現在のポリシー140に「無料ポリシー」が追加された場合の処理である。そこで、この処理手順では、図19に示すように、変化検出機能に基づき、ポリシーが新たに追加されたことが検出される(ステップS41)。これにより、追加ポリシーである「無料ポリシー」が検出される。
ステップS42では、複数のサービス事業者サーバ74、76、78で公開しているサービス部品情報(図8)から検索要素抽出機能において、シナリオから統合サービスを構成する要素となる可能性のあるサービス部品を抽出する。その結果、「天気取得」について、サービス事業者サーバのA、Cの天気情報サービス、「交通機関情報照会」について、A、Bの交通機関予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービス、「宿情報照会」についてB、Cの宿予約サービス、Cの交通機関&宿予約サービスが取得される。また、「予約実行」は「交通機関情報照会」、「宿情報照会」で選択したサービス部品がそれぞれ選択される。
また、ステップS43では、抽出されたサービス部品からサービス構成要素検索機能によって、図21で示すサービス構成(グラフ)を作成する。
また、ステップS44では、プロバイダ情報、サービス情報、通過経路情報(図11、図12)を用いて、サービス構成要素検索機能に基づき、グラフのリンクコストをポリシーで示す式(図20)に基づき割り当てる。この式は、サービス部品に遅延保証のように料金のかかる提供方法しか選択できない場合は、リンクコストに無限大を割り当て、それ以外は料金のかからない提供方法を選択することを示している。
リンクコストの割り当てられたグラフ(図21)により、S(ソースノード)からD(デスティネーションノード)までの最小コストパスをダイクストラ法によって求める(ステップS45)。
最小コストパスが求められたか否かを判定し(ステップS46)、最小コストパスが求められた場合(ステップS46のYES)には、統合サービス確定機能に基づき、最小コストパスを通るサービス部品を統合サービス情報の構成要素として確定する(ステップS47)。この統合サービス情報を「無料ポリシー」のサービス情報として公開する(ステップS48)。
また、最小コストパスが求められなかった場合、即ち、ソースノード58とデスティネーションノード59との間を結ぶパスが存在しなかった場合(ステップS46のNO)には、統合サービス確定機能に基づき、シナリオに基づく統合サービス情報を構成できなかったことを通知する(ステップS49)。
次に、ポリシー及びサービス構成について、図20及び図21を参照する。図20は、ポリシーを示す図、図21は、サービス構成を示す図である。図20及び図21の構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図20及び図21において、図17及び図18と同一部分には同一符号を付してある。
リンクコストは、図20のポリシー140に示すように、「リンクコスト= if 利用料≠0 then ∞,else(α2 サーバコスト+β2 ネットワークコスト) 」で与えられている。この式において、α2 =β2 =1とする。その他の構成は図17と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
このサービス構成では、図21に示すように、ソースノード58からサービス部品のノード521に至るリンク601のリンクコストは例えば、1.1、ソースノード58からサービス部品のノード522に至るリンク602のリンクコストは例えば、1.2、中継点ノード53からノード541に至るリンク641のリンクコストは例えば、1.4、中継点ノード53からノード542に至るリンク642のリンクコストは例えば、1.9、中継点ノード53からノード57に至るリンク644のリンクコストは例えば、1.2、中継点ノード55からノード561に至るリンク681のリンクコストは例えば、1.9、中継点ノード55からノード562に至るリンク682のリンクコストは例えば、0.4である。
最小コストパス220は、図21に破線で示すように、ソースノード58−リンク601−ノード521−リンク644−ノード57−デスティネーションノード59に至るリンクコストの低いパスで構成される。即ち、統合サービス情報は、「無料ポリシー」に基づいて、最小コストパス220により、Aの天気情報サービスと、Cの宿&交通機関予約サービスで構成される。
次に、シナリオの動的変更について、図22、図23、図24及び図25を参照する。図22は、シナリオの動的変更の処理手順を示すフローチャート、図23は、サービス情報・通過経路情報を示す図、図24は、サービス構成を示す図、図25は、統合サービス情報の変化を示す図である。図22ないし図25の構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図23、図24において、図12、図21と同一部分には同一符号を付してある。
この処理手順は、既述の「無料ポリシー」の統合サービス情報が公開されている場合のネットワーク30の状態変化に対応する動的変更の処理であって、この処理手順では、サービス情報・通過経路情報が変化したことを変化検出機能によって検出し、統合サービス情報を再構成し、公開する処理である。
そこで、この処理手順では、変化検出機能の実行により、プロバイダ情報部8、サービス情報・通過経路情報部10、シナリオ構成部12、ポリシー部14及び統合サービス情報部16を参照し、プロバイダ情報部8からプロバイダ情報、サービス情報・通過経路情報部10からサービス情報・通過経路情報の監視により、ネットワーク30の状態変化を検出する(ステップS51)。例えば、ネットワークプロバイダIの状態が混雑状態から安定状態に、ネットワークプロバイダIIの状態が安定状態から混雑状態に変化した場合等、斯かる状態変化が検出される。
検索要素抽出機能の実行により、前記状態変化に関連する統合サービス情報を統合サービス情報部16から抽出、元になっているシナリオとポリシーを読み出し(ステップS52)、変化後の情報に基づいて最小コストパスを算出する(ステップS53、S54、S55)。即ち、検索要素抽出機能の実行により、サービス部品情報部6にあるサービス部品情報を参照し、シナリオに適合するサービス部品を抽出し(ステップS53)、サービス構成要素検索機能の実行により、抽出されたサービス部品をノードとし、シナリオに従ってリンクを接続し、グラフ作成を行い(ステップS54)、サービス構成要素検索機能の実行により、ポリシー毎にリンクコストを計算し、最小コストパスを計算する(ステップS55)。ステップS55の処理には、プロバイダ情報部8にあるプロバイダ情報、サービス情報・通過経路情報部10にあるサービス情報・通過経路情報を参照する。
最小コストパスの計算に成功したか否かを判定し(ステップS56)、最小コストパスの計算に成功した場合(ステップS56のYES)には、統合サービス確定機能に基づき、ポリシー毎に最短経路を構成するサービス部品群が決定される(ステップS57)。最小コストパスの計算に成功しなかった場合(ステップS56のNO)には、統合サービス確定機能に基づき、シナリオ構成不可を通知する(ステップS58)。
サービス部品群の決定の後、その統合サービス情報の構成が変化したか否かの判定を行い(ステップS59)、その構成が変化していれば(ステップS59のYES)、公開サービスの構成変更を行い、構成を変更した統合サービス情報を公開する(ステップS60)。
統合サービス情報の構成が変化していない場合には(ステップS59のNO)、統合サービス確定機能に基づき、この処理を終了する(ステップS61)。
この動的変更処理において、ネットワークの変化状態は、図23に示すように、サービス情報・通過経路情報はサービス情報・通過経路情報テーブル1000に処理されてサービス情報・通過経路情報部10(図1)に格納されている。この場合、ネットワーク状態1008は変化前のネットワーク状態1008aと、変化後のネットワーク状態1008bとで構成され、変化前後の状態がサービス情報毎に、ネットワーク毎に格納されている。その他の構成は既述のサービス情報・通過経路情報テーブル1000(図12)と同様であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。例示した数値や状態は一例であり、ネットワーク状態等によって変化する。
この場合のサービス構成は、図24に示すように、ソースノード58からサービス部品のノード521に至るリンク601のリンクコストは1.1から0.4、ソースノード58からサービス部品のノード522に至るリンク602のリンクコストは1.2から1.9、中継点ノード53からノード541に至るリンク641のリンクコストは1.4から0.7、中継点ノード53からノード542に至るリンク642のリンクコストは1.9から1.2、中継点ノード53からノード57に至るリンク644のリンクコストは1.2から1.9、中継点ノード55からノード561に至るリンク681のリンクコストは1.9から1.2、中継点ノード55からノード562に至るリンク682のリンクコストは0.4から1.1に変化している。
このようなサービス構成において、変化前の最小コストパス220a(ソースノード58−リンク601−ノード521−リンク644−ノード57−デスティネーションノード59)に対し、変化後の最小コストパス220bは、ソースノード58−リンク601−ノード521−リンク641−ノード541−リンク682−ノード562−デスティネーションノード59に至るリンクコストの低いパスで構成されている。
この結果、統合サービス情報の構成要素(サービス部品)は、図25のAに示すように、変化前では、Aの天気情報サービス、Cの宿&交通機関予約サービスであったのに対し、図25のBに示すように、変化後では、Aの天気情報サービス、Aの交通機関予約サービス、Cの宿予約サービスに変更される。即ち、ポリシー140の変更によって統合サービス情報の構成要素が変更され、変更された統合サービス情報に更新されて公開される。
以上述べた変化検出機能に基づく統合サービス情報の再構成及びその公開に関し、その変化を例えば、数値化し、再構成するか否かの判断に閾値を設定することにより、僅かの変化で統合サービス情報の構成の変更が頻繁に生じないようにすることができる。斯かる構成とすれば、統合サービス情報の安定化が図られる。
次に、ネットワーク状態の変化について、図26を参照する。図26は、ネットワーク状態の変化検出の処理手順を示すフローチャートである。図26に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この処理手順では、ネットワーク状態が安定状態から混雑状態(又は混雑状態から安定状態)に変化したことを検出する処理であって、サービス部品提供サーバ・通過ネットワーク調査機能部20では、予め変化検出条件として例えば、次の情報を保持しているとする。この場合、条件として、統合サービス事業者サーバ−サービス部品間の往復ネットワーク遅延に対し、ネットワーク状態を安定状態から混雑状態に変化したと判断する第1の閾値を例えば、150〔ms〕、混雑状態から安定状態に変化したと判断する第2の閾値を例えば、100〔ms〕とする。これらの値は一例であって、斯かる値に本発明が限定されるものではない。
そこで、この処理手順では、図26に示すように、サービス提供サーバ・通過ネットワーク調査機能に基づき、全てのサービス部品に対してアクセス手段により統合サービス事業者サーバ−サービス部品間の往復ネットワーク遅延値を一定の時間間隔で計測し、その計測値を記憶する(ステップS71)。
その計測値から通過ネットワーク及びサービス部品について、通過ネットワークが同一のサービス部品中の最小計測値を求め、それを通過ネットワーク毎の遅延値として記憶する(ステップS72)。
この通過ネットワーク毎の遅延値について、直近の複数の計測値の平均を求める。例えば、5つの計測値の平均値を求める。現在の通過ネットワークが安定状態の場合は、平均値と閾値(150〔ms〕)とを比較し、その閾値より平均値が上回ったときに、その通過ネットワークが混雑状態になったと判断する。現在の通過ネットワークが混雑状態の場合は、平均値と閾値(100〔ms〕)とを比較し、その閾値より平均値が下回ったときに、その通過ネットワークが安定状態に移行したと判断する(ステップS73)。
ネットワーク状態に変化があったと判断した場合には、サービス情報・通過経路情報の該当するサービス部品のネットワーク状態を更新する(ステップS74)。
そして、変化検出機能に基づき、サービス情報・通過経路情報を参照し、ネットワーク状態が変化したことの検知により、統合サービス情報を再構成し、再構成処理の後、統合サービス情報を公開する(ステップS75)。即ち、現在の統合サービス情報は、再構成処理によって更新されることになる。
次に、統合サービス情報の処理について、図27を参照する。図27は、統合サービス情報の処理手順を示すフローチャートである。図27に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この統合サービス情報の処理手順は、選択された構成要素の料金が高いため、「無料ポリシー」に基づいた検知及びその通知の処理を含んでいる。
この処理手順では、図27に示すように、「無料ポリシー」の設定について、その「無料ポリシー」に基づく指数として例えば、サーバコスト、ネットワークコストが0以上1以下であることを設定する(ステップS81)。
この設定に基づき、最小コストパスを求める(ステップS82)。この最小コストパスの計算は、既述のステップS52〜S55(図22)に基づいて実行すればよい。
この最小コストパスの計算の後、統合サービス確定機能に基づき、最小コストパス計算が成功した場合には、最小コストパスを通るサービス部品数(以下、nとする)を求め、最小コストパスのトータルコストが、サーバコスト、ネットワークコストの最大値の和2にnを乗じた値と比較する(ステップS83)。
その比較の結果、トータルコストの方が大きい場合、統合サービス情報の構成要素に料金のかかるサービス部品が選択されたことが検知され、シナリオに基づく統合サービス情報は構成したが、それが「無料ポリシー」に従ったものではないことを統合サービス事業者に通知する(ステップS84)。
斯かる処理により、最小コストパスの計算に基づき、トータルコストが大きい場合等、ポリシーに適合しない場合には、統合サービス確定機能に含まれる通知機能によってその旨を通知することができ、斯かる通知を受けたユーザ(事業者)は再計算等を行うことができる。
次に、他のポリシー及びサービス構成について、図28、図29及び図30を参照する。図28は、ポリシーを示す図、図29は、サービス情報・通過経路情報を示す図、図30は、サービス構成を示す図である。図28、図29及び図30の構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図28ないし図30において、図12、図17、図20、図21、図23又は図24と同一部分には同一符号を付してある。
この統合サービス情報では、価格と安定度とのバランス型ポリシーである。そこで、リンクコストは、図28のポリシー140に示すように、「リンクコスト=(α3 サーバコスト+β3 ネットワークコスト+γ3 料金コスト)」で与えられている。この式において、α3 =β3 =1、γ3 =3とする。
リンクコストは、サーバコストとネットワークコストと料金コストとの和で与えられる。そこで、このポリシー140では、既述のサーバコストテーブル1412及びネットワークコストテーブル1422(図17)に加え、料金コスト1430が料金コストテーブル1432に処理されて格納され、料金コストテーブル1432には、料金1434として例えば、「10円/分」、コスト1436として例えば、「0.1」が設定されている。
この場合、サービス情報・通過経路情報として、各サービス部品に対応する提供サーバ、通過ネットワーク、ネットワーク状態、料金及びサーバ安定度は、図29に示すように、サービス情報・通過経路情報テーブル1000に処理されてサービス情報・通過経路情報部10(図1)に格納されている。この場合、料金1009が設定され、サービス部品毎の料金が格納されている。具体的な数値は一例であって、斯かる数値に本発明が限定されるものではない。
この場合のサービス構成は、図30に示すように、ソースノード58からサービス部品のノード521に至るリンク601のリンクコストは0.6、ソースノード58からサービス部品のノード522に至るリンク602のリンクコストは1.2、中継点ノード53からノード541に至るリンク641のリンクコストは0.9、中継点ノード53からノード542に至るリンク642のリンクコストは1.4、中継点ノード53からノード57に至るリンク644のリンクコストは1.2、中継点ノード55からノード561に至るリンク681のリンクコストは1.4、中継点ノード55からノード562に至るリンク682のリンクコストは0.4である。
このようなサービス構成において、最小コストパス220は、ソースノード58−リンク601−ノード521−リンク644−ノード57−デスティネーションノード59に至るリンクコストの低いパスで構成され、これが統合サービス情報である。
この統合サービス情報は、Aの天気情報サービス(遅延保証あり)、Cの宿&交通機関予約サービスで構成され、その料金は、最小コストである10円/分で提供される。
次に、統合サービス確定機能部28の構成例として、図31を参照する。統合サービス確定機能部28は、統合サービス情報が許容範囲に構成されるか否かを判断する機能を備える構成としてもよく、図31に示すように、統合サービス処理部280、許容範囲設定部282、判定部284及び通知部286を備える構成とすればよい。斯かる構成はハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。統合サービス処理部280は、ポリシーに沿うサービス部品と、シナリオによるサービス部品の組合せとからなる統合サービス情報の確定手段であり、許容範囲設定部282は、予め最適な構成として許容できる範囲を数値的に決定する手段であり、また、判定部284は、統合サービス処理部280で最終的に決定された統合サービス情報の構成が許容範囲設定部282で設定されている許容範囲に含まれるか否かを判定する手段である。その判定の結果、最終的な統合サービス情報の構成が許容範囲を逸脱している場合には、通知部286から通知される。この通知部286が警告手段である。許容範囲はポリシーやシナリオによって決定され、具体的には無料か有料か、安定性があるか否か、検索速度、ネットワーク状態の良否等を数値化したものである。
このような構成によれば、統合サービス処理部280で構成された統合サービス情報に対し、許容範囲設定部282に外部又は内部で設定された許容範囲の設定入力として異なるポリシーやシナリオに基づき、統合サービス情報の選択又は優先順位等の処理を行い、情報提供者、ユーザ又は時期等の多様な基準に適合する情報を公開することができる。
以上説明した第1の実施の形態について、特徴事項や効果を以下に列挙する。
(1) 以上説明したように、ポリシーに基づいた統合サービス情報を生成する方法及びシステムを実現することができる。
(2) このサービス情報提供システム2Aでは上記の通り、複数のサービス事業者が公開しているサービス情報を収集する機能部(公開サービス情報収集・管理機能)と、サービス事業者に関するネットワーク情報、サーバ情報を収集する機能部(サービス提供サーバ・通過ネットワーク調査機能)と、シナリオの記述を元に、収集されたサービス情報から利用可能なサービス部品候補を抽出する検索対象抽出部(検索要素抽出機能)と、統合サービス事業者が自身で定義したポリシーに従うように、かつ収集されたサービス情報やネットワーク情報を用いて最適にサービス提供できるように、シナリオの記述に従った適切なサービス部品の組合せを決定する検索機能部(サービス構成要素検索機能)と、検索結果を元に、統合サービス公開を確定する統合サービス確定機能部(統合サービス確定機能)とを備えてシステムが構成されている。
(3) シナリオやポリシーの追加変更による構成変更に関し、シナリオの変更やポリシーの追加変更を検出し、再度適切なサービス部品の組合せを決定、公開サービスのシナリオを変更することを可能とする変化検出機能を備えている。
(4) ネットワークやサービス状態変化による構成変更に関し、ネットワークやサービス情報の変化を検出し、再度適切なサービス部品の組合せを決定、公開サービスのシナリオを変更することを可能とする変化検出機能を備えている。
(5) 最適な構成ができなかった場合の通知に関し、予め最適な構成として許容できる範囲を数値的に決めておく手段を持ち、最終的に決定した最適な統合サービス情報の構成が上記数値の範囲に収まらなかった場合、決定した構成がそれほど好ましくないことを通知する手段(統合サービス確定機能)を備えている。
(6) 統合サービス情報の提供において、サービス部品を提供する事業者のネットワーク、サーバ、ユーザからの評判といった環境変動の影響を受けるが、これらを迅速に反映させた有益な統合サービスを生成し、公開することができる。
(7) 同じ機能を持つサービス部品が複数の事業者サーバによって提供されている場合、どの事業者サーバからサービス部品を選択すればよいかを容易に判断できる。
(8) サービス部品を提供する事業者サーバのネットワーク、サーバの品質が変動した場合にもポリシーに従った統合サービス情報を提供できる。
(9) 一つの統合サービス情報であってもポリシー毎に異なるサービス部品から構成されるバリエーションを作成することができ、ユーザは利用したいポリシーのサービスを選択することができる。
(10) 統合サービス事業者サーバでは、シナリオやポリシーの追加や変更だけで、新たな統合サービス情報の公開を迅速に行うことができ、また、公開中の統合サービス情報の構成変更を迅速に行うことができる。
(11) 統合サービス情報を構成した時点とサービス提供サーバやネットワークの状況といった環境情報が変わった場合でも、ポリシー毎に作成したシナリオそれぞれを迅速に最適な構成に変更することができ、最新の統合サービス情報を公開し、提供できる。
(12) 統合サービス事業者サーバでは、利用可能なサービス部品を使った場合の最適な構成であっても、ポリシーに適合しないことを検知でき、公開前にその統合サービス情報を提供するか否かの判断を行い、最適な統合サービス情報を提供できる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態について、図32及び図33を参照する。図32は、第2の実施の形態に係るサービス情報提供システムを示す図、図33は、統合サービス情報のアクセスシーケンスを示す図である。図32及び図33に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図32及び図33において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このサービス情報提供システム2Bは、既述のサービス情報提供システム2A(図1)に統合サービス実行システム300を備えたものである。統合サービス実行システム300は、ユーザによる統合サービス情報の利用システムであって、図32に示すように、統合サービス情報部16が設置されるとともに、統合サービス実行機能部302が備えられている。サービス情報提供システム2Bにおいて、既述のサービス情報提供システム2Aと共通部分は同一の構成及び機能であるので、サービス情報提供システム2Aと同一符号を付し、その説明を省略する。
統合サービス実行機能部302は、統合サービス情報部16にある統合サービス情報を要求に基づいて提供する実行手段であって、統合サービス情報のユーザ情報端末304による統合サービスアクセス要求306又は統合サービス一覧要求308に対応し、各要求に応じて統合サービス情報部16をアクセスして統合サービス情報を取得し、提供する。
この統合サービス実行システム300のアクセスについて、図33に示すシーケンスを参照すると、ユーザ情報端末304から統合サービス一覧要求308が発せられ(ステップS101)、この統合サービス一覧要求308を受けた統合サービス実行機能部302が統合サービス情報部16から統合サービス一覧の取得処理を実行する(ステップS102)。この統合サービス一覧は、統合サービス実行システム300の統合サービス実行機能部302に伝達され(ステップS103)、統合サービス実行機能部302からユーザ情報端末304に提供される(ステップS104)。
ユーザ情報端末304では、統合サービス一覧を参照し、統合サービスアクセス要求306を発する(ステップS105)。この統合サービスアクセス要求306を受けた統合サービス実行機能部302は、統合サービス情報部16から統合サービス情報の取得処理を実行し(ステップS106)、これに対応し、統合サービス情報部16から統合サービス情報が統合サービス実行機能部302に提供される(ステップS107)。
この場合、統合サービス情報はその構成要素にサービス部品1及びサービス部品2が含まれている。サービス部品1はサービス部品提供サーバ44、サービス部品2はサービス部品提供サーバ46から提供されるサービス部品である。
そこで、統合サービス実行機能部302からネットワーク32を通してサービス部品提供サーバ44に対し、サービスアクセス要求が発せられ(ステップS108)、これを受けたサービス部品提供サーバ44はサービス実行結果を統合サービス実行機能部302に供給する(ステップS109)。
また、統合サービス実行機能部302からネットワーク34を通してサービス部品提供サーバ46に対し、サービスアクセス要求が発せられ(ステップS110)、これを受けたサービス部品提供サーバ46はサービス実行結果を統合サービス実行機能部302に供給する(ステップS111)。
そして、これらサービス実行結果を受けた統合サービス実行機能部302は、その統合サービス実行結果をユーザ情報端末304に提供し(ステップS112)、統合サービス情報の提供処理を完了する。
斯かる構成により、サービス情報提供システム2Bによれば、一定のポリシーによって選択されたサービス部品1、2を用いてシナリオにより統合された統合サービス情報がユーザ情報端末304からのアクセスによって提供される。
この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で述べた特徴事項や機能を備えるので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態について、図34を参照する。図34は、第3の実施の形態に係るサービス情報提供システムを示す図である。図34に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図34において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このサービス情報提供システム2Cは、シナリオの設定を契機に、サービス情報又はサービス部品からシナリオに用いるサービス部品を抽出し、そのサービス部品を用いて統合サービス情報を生成するものである。この場合、統合処理部400には、公開サービス情報収集・管理機能部18と、統合サービス構成要素決定部402とが備えられている。サービス部品情報部6、シナリオ構成部12及び公開サービス情報収集・管理機能部18は既述の通りであるので、その説明を省略する。
サービス部品は、例えば、Webサービス等、ネットワーク30上で公開されている。例えば、ネットワークプロバイダIに接続したサービスプロバイダや、ネットワークプロバイダIIに接続したサービスプロバイダがサービスを公開している。Webサービスの公開方法としては、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)に登録すること等により、サービス部品やサービス情報を検索できる。サービスを利用するにあたって必要となるインタフェース情報は標準的な記述言語、WSDL(Web Services Description Language )で記述すればよい。
そこで、統合サービス情報は、公開サービス情報収集・管理機能により、サービス部品やサービス情報を収集、管理し、統合サービス構成要素決定機能により、複数のサービス部品を組み合わせた統合サービス情報のシナリオを作成し、シナリオに利用可能な要素としてサービス部品を利用するかを定義する。
そして、記述のシナリオに沿って定義されたサービス構成にサービス部品を組み合わせることにより、統合サービス情報が構成される。この統合サービス情報は統合サービス情報部16を通じて公開される。
即ち、統合サービス構成要素決定部402は、シナリオ構成部12に設定されたシナリにより、サービス部品情報部6にあるサービス部品を抽出して組み合わせ、その結果得られる統合サービス情報を統合サービス情報部16に格納し、ネットワーク30上に公開する。このようにシナリオの設定を契機に、利用可能なサービス部品を組み合わせて統合サービス情報を構成し、公開する構成としてもよい。
この実施の形態では、第1又は第2の実施の形態と異なり、ポリシーによるサービス部品の選択はないが、ポリシーに無関係に、シナリオの設定を契機に、統合サービス情報を構成することができ、シナリオに応じた種々の統合サービス情報を実現することができる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態について、図35を参照する。図35は、第4の実施の形態に係るネットワークシステムを示す図である。図35に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図35において、図1、図32又は図34と同一部分には同一符号を付してある。
ネットワークシステム900ではネットワーク30に複数のサービス部品提供サーバ911、912・・・91nが接続され、種々のサーバ部品が公開され、クライアントとしてユーザ情報端末921、922・・・92nが接続され、そのサービス部品の提供を受ける環境下において、ネットワーク30には例えば、サービス情報提供システム2Bを搭載したサービス情報提供サーバ930が接続されている。
このようなネットワークシステム900では、サービス情報提供サーバ930には既述の統合処理により、ポリシーによって選択されたサービス部品がシナリオによって組み合わせられた統合サービス情報をポリシー毎に生成することができる。
そこで、ユーザ情報端末921、922・・・92nでは、サービス情報提供サーバ930をネットワーク30を通してアクセスし、所望のポリシーに従った統合サービス情報の提供を受けることができる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態について、図36を参照する。図36は、第5の実施の形態に係るサービス情報提供システムに用いられるサーバを示す図である。図36に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図36において、図1、図32又は図34と同一部分には同一符号を付してある。
このサーバ450は統合処理部4、サービス部品情報部6、プロバイダ情報部8、サービス情報・通過経路情報部10、シナリオ構成部12、ポリシー部14、統合サービス情報部16を構成する手段であって、統合サービス提供事業者サーバ72等を構成する。このサーバ450は、図36に示すように、通信部452と、入出力部454と、プロセッサ456と、プログラム記憶部458と、データ記憶部460と、RAM462と、表示部464とを備える。
通信部452は、ネットワーク30を通して他のサーバとの通信による情報の送受を行う通信手段であって、プロセッサ456によって制御される。入出力部454は、情報の入出力手段であって、例えば、シナリオやポリシーの入力に用いられる。
プロセッサ456は、プログラム記憶部458にあるOS(Operating System)や統合サービス情報処理プログラム等、アプリケーションプログラムの実行手段であって、CPU(Central Processing Unit )等で構成され、各種機能部の制御や、サービス部品の収集、ポリシーによるサービス部品の抽出、シナリオによるサービス部品の組合せ、サービス部品の統合処理等の各種処理を実行する。
プログラム記憶部458は、OSや統合サービス情報処理プログラム等を記録している記憶手段であって、記録媒体によって構成される。データ記憶部460は、プロバイダ情報部8、サービス情報・通過経路情報部10、シナリオ構成部12、ポリシー部14、統合サービス情報部16を構成する記録媒体である。RAM462は、ワークエリアを構成する。表示部464は、情報を提示する提示手段であって、外部表示装置等の表示用のユーザインタフェースである。
斯かる構成によれば、既述の通りの各種サーバを構成し、既述のサービス情報提供システム2A、2B又は2Cを構築することができる。
次に、以上述べた本発明の実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1) ネットワーク上に提供されたサービス情報及び/又はサービス部品を収集する収集手段と、
設定されたシナリオに基づいて、前記サービス情報又は前記サービス部品から前記シナリオに用いるサービス部品を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記サービス部品を用いて前記シナリオに基づく統合サービス情報を生成する生成手段と、
を備えることを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記2) 付記1記載のサービス情報提供装置において、
前記生成手段は、前記シナリオと、前記サービス部品に対するポリシーとが設定され、前記ポリシーに従うサービス部品の選択により前記シナリオに基づく統合サービス情報を生成することを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記3) 付記1記載のサービス情報提供装置において、
前記統合サービス情報を前記ネットワーク上に公開する統合サービス情報公開手段を備え、前記生成手段で生成された前記統合サービス情報を前記統合サービス情報公開手段によりネットワーク上に公開することを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記4) 付記1記載のサービス情報提供装置において、
前記サービス情報を公開する公開源及び/又はネットワークに関する情報を収集する情報収集手段を備え、前記生成手段は、公開源情報及び/又はネットワーク情報を用いて前記統合サービス情報を制御することを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記5) 付記1記載のサービス情報提供装置において、
前記シナリオの変化を検出する変化検出手段を備え、前記生成手段は、前記変化検出手段の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記シナリオを変更することを可能としたことを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記6) 付記2記載のサービス情報提供装置において、
前記ポリシーの変化を検出する変化検出手段を備え、前記生成手段は、前記変化検出手段の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記サービス部品の組合せを変更することを可能としたことを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記7) 付記4記載のサービス情報提供装置において、
前記ネットワークの変化及び/又は前記サービス情報の変化を検出する変化検出手段を備え、前記生成手段は、前記変化検出手段の検出結果に基づき、前記サービス部品の組合せを変更することを可能としたことを特徴とするサービス情報提供装置。
。
(付記8) 付記1記載のサービス情報提供装置において、
前記統合サービス情報に対して許容範囲を設定する設定手段と、
前記生成手段で生成された前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果として少なくとも前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合していない場合にその結果を通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とするサービス情報提供装置。
(付記9) ネットワーク上に提供されたサービス情報及び/又はサービス部品を収集するステップと、
設定されたシナリオに基づいて、前記サービス情報又は前記サービス部品から前記シナリオに用いるサービス部品を抽出するステップと、
前記ステップで抽出された前記サービス部品を用いて前記シナリオに基づいて統合サービス情報を生成するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記10) 付記9記載のサービス情報提供方法において、
前記シナリオと、前記サービス部品に対するポリシーとを設定し、前記ポリシーに従うサービス部品の選択により前記シナリオに基づく統合サービス情報を生成するステップを含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記11) 付記9記載のサービス情報提供方法において、
生成した統合サービス情報を前記ネットワーク上に公開するステップを含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記12) 付記9記載のサービス情報提供方法において、
前記サービス情報を公開する公開源及び/又はネットワークに関する情報を収集するステップと、
公開源情報及び/又はネットワーク情報を用いて前記統合サービス情報を制御するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記13) 付記9記載のサービス情報提供方法において、
前記シナリオの変化を検出するステップと、
前記シナリオの変化の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記シナリオを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記14) 付記10記載のサービス情報提供方法において、
前記ポリシーの変化を検出するステップと、
前記ポリシーの変化の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記サービス部品の組合せを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記15) 付記12記載のサービス情報提供方法において、
前記ネットワークの変化及び/又は前記サービス情報の変化を検出するステップと、
前記ネットワークの変化及び/又は前記サービス情報の変化の検出結果に基づき、前記サービス部品の組合せを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記16) 付記9記載のサービス情報提供方法において、
前記統合サービス情報に対して許容範囲を設定するステップと、
生成された前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合しているか否かを判定するステップと、
前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合していない場合にその結果を通知するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供方法。
(付記17) コンピュータに、
ネットワーク上に提供されたサービス情報及び/又はサービス部品を収集するステップと、
設定されたシナリオに基づいて、前記サービス情報又は前記サービス部品から前記シナリオに用いるサービス部品を抽出するステップと、
前記ステップで抽出された前記サービス部品を用いて前記シナリオに基づいて統合サービス情報を生成するステップと、
を実行させることを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記18) 付記17記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記シナリオと、前記サービス部品に対するポリシーとを設定し、前記ポリシーに従うサービス部品の選択により前記シナリオに基づく統合サービス情報を生成するステップを含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記19) 付記17記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
生成した統合サービス情報を前記ネットワーク上に公開するステップを含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記20) 付記17記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記サービス情報を公開する公開源及び/又はネットワークに関する情報を収集するステップと、
公開源情報及び/又はネットワーク情報を用いて前記統合サービス情報を制御するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記21) 付記17記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記シナリオの変化を検出するステップと、
前記シナリオの変化の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記シナリオを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記22) 付記18記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記ポリシーの変化を検出するステップと、
前記ポリシーの変化の検出結果に基づき、前記統合サービス情報の前記サービス部品の組合せを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記23) 付記20記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記ネットワークの変化及び/又は前記サービス情報の変化を検出するステップと、
前記ネットワークの変化及び/又は前記サービス情報の変化の検出結果に基づき、前記サービス部品の組合せを変更するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
(付記24) 付記17記載のサービス情報提供プログラムにおいて、
前記統合サービス情報に対して許容範囲を設定するステップと、
生成された前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合しているか否かを判定するステップと、
前記統合サービス情報が前記許容範囲に適合していない場合にその結果を通知するステップと、
を含むことを特徴とするサービス情報提供プログラム。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。