JP2009258380A - 表示素子、及びこれを用いた電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供する。
【解決手段】導電性液体13を有効表示領域側または非有効表示領域側に移動させることにより、表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子において、複数の信号電極(信号ライン)6と、複数の信号電極6に対して交差するように設けられた複数の走査電極(走査ライン)5とを備え、信号ドライバ(信号電圧印加部)及び走査ドライバ(走査電圧印加部)が、信号電極6及び走査電極5に対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、信号電極6と走査電極5との間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、信号電極6と走査電極5との交差部単位に導電性液体13を有効表示領域側に移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、導電性液体を移動させることにより、画像や文字などの情報を表示する表示素子、及びこれを用いた電気機器に関する。
近年、表示素子では、エレクトロウェッティング方式の表示素子に代表されるように、外部電界による導電性液体の移動現象を利用して、情報の表示を行うものが開発され、実用化されている。
具体的にいえば、上記のような従来の表示素子では、例えば下記特許文献1に記載されているように、第1及び第2の基板と、これらの基板間に形成された表示用空間の内部に封入された導電性液体としての透明な水及び所定の色に着色されたオイルとが設けられている。また、この従来の表示素子は、第1の基板側に設けられたカウンタ電極と、第2の基板側に設けられたアドレス電極及び保持電極とを備えている。これらの電極のうち、カウンタ電極及び保持電極はマトリクス状の行方向に設けられた行電極を構成し、アドレス電極はマトリクス状の列方向に設けられた列電極を構成しており、従来の表示素子では、マトリクス駆動が行えるようになっている。
すなわち、上記従来の表示素子では、アドレス電極に対して、0Vよりも大きい+電位の電圧またはこの+電位の電圧よりも大きい++電位の電圧を印加することにより、1つの行に対する列(アドレス電極)に、オンまたはオフ情報を与える。その後、従来の表示素子では、行電極、つまりカウンタ電極及び保持電極の行電位を+電位とすることによって行を選択する。これにより、従来の表示素子では、選択された行と交差するアドレス電極に++電位が印加された画素ではオンが維持されて、当該アドレス電極側(非有効表示領域側)に集められていたオイルが保持電極側(有効表示領域側)に広がらずに、当該画素の表示色が変更されない。
一方、従来の表示素子では、選択された行と交差するアドレス電極に+電位が印加された画素ではオンからオフに変化して、当該アドレス電極側に集められていたオイルが保持電極側に広がり、当該画素の表示色が変更される。このように、従来の表示素子では、マトリクス駆動が行われて、表示面側の表示色が画素単位に変更されるように構成されている。
特表2006−519412号公報
しかしながら、上記のような従来の表示素子では、マトリクス駆動を行うために、カウンタ電極を第1の基板側に設けるとともに、アドレス電極(非有効表示領域側)及び保持電極(有効表示領域側)を第2の基板側に設けていた。このため、従来の表示素子では、その構造が複雑化するという問題点があった。
また、上記従来の表示素子では、マトリクス駆動を行わせる場合に、印加する駆動電圧が複雑であり、その駆動制御を容易に行えなかった。具体的にいえば、従来の表示素子では、+電位の電圧または++電位の電圧をアドレス電極に印加した後、カウンタ電極及び保持電極に対して、+電位の電圧を同時に印加する必要があった。つまり、この従来の表示素子では、カウンタ電極への+電位の電圧印加のタイミングと保持電極への+電位の電圧印加のタイミングがずれると、画素の表示色の状態がリセットされるおそれがあり、+電位の電圧をカウンタ電極及び保持電極に同時に印加する必要があった。このため、従来の表示素子では、その駆動制御の簡単化を図ることが困難であった。
上記の課題を鑑み、本発明は、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる表示素子は、表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設けられ、所定の電圧範囲内の信号電圧が印加可能に構成された複数の信号ラインと、
前記複数の信号ラインに対して交差するように、前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設けられ、所定の電圧範囲内の走査電圧が印加可能に構成された複数の走査ラインと、
前記複数の各信号ラインに対して、前記信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の各走査ラインに対して、前記走査電圧を印加する走査電圧印加部とを備え、
前記信号電圧印加部及び前記走査電圧印加部が、前記信号ライン及び前記走査ラインに対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、前記信号ラインと前記走査ラインとの間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、前記信号ラインと前記走査ラインとの交差部単位に前記導電性液体を前記有効表示領域側に移動させることを特徴とするものである。
上記のように構成された表示素子では、有効表示領域側及び非有効表示領域側の一方側に設けられ、所定の電圧範囲内の信号電圧が印加可能に構成された複数の信号ラインが設けられている。また、表示素子では、複数の信号ラインに対して交差するように、有効表示領域側及び非有効表示領域側の他方側に設けられ、所定の電圧範囲内の走査電圧が印加可能に構成された複数の走査ラインが設けられている。さらに、表示素子では、上記信号電圧印加部及び上記走査電圧印加部が、信号ライン及び走査ラインに対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、信号ラインと走査ラインとの間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、信号ラインと走査ラインとの交差部単位に導電性液体を有効表示領域側に移動させる。これにより、上記従来例と異なり、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子を構成することができる。
また、上記表示素子において、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板に前記表示用空間に導通するように、前記非有効表示領域側に設けられるとともに、前記導電性液体を溜める液溜部を備え、
前記信号ライン及び前記走査ラインの一方には、前記液溜部内の前記導電性液体に接触するように設けられた第1の電極部材が用いられ、
前記信号ライン及び前記走査ラインの他方には、前記導電性液体及び前記第1の電極部材に対して電気的に絶縁された状態で、前記有効表示領域側に設けられた第2の電極部材が用いられていることが好ましい。
この場合、信号ラインと走査ラインとの間の電圧差が所定の電圧差以上とされたときに、導電性液体が液溜部から有効表示領域側に移動されて、表示面側の表示色を変更される。
また、上記表示素子において、前記信号ライン及び前記走査ラインの一方は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられ、
前記信号ライン及び前記走査ラインの他方は、前記第1及び第2の基板の他方側に設けられていることが好ましい。
この場合、製造簡単な表示素子を容易に構成することができる。
また、上記表示素子において、複数の画素領域が、前記表示面側に設けられるとともに、
前記複数の各画素領域は、前記信号ラインと前記走査ラインとの交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られてもよい。
この場合、表示面側の複数の各画素において導電性液体を移動させることにより、表示面側での表示色を画素単位に変更することができる。
また、上記表示素子において、前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられてもよい。
この場合、複数の各画素において対応する導電性液体が適切に移動されることにより、カラー画像表示を行うことができる。
また、上記表示素子において、前記表示用空間の内部には、前記導電性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されていることが好ましい。
この場合、導電性液体の移動速度の高速化を容易に図ることができる。
また、上記表示素子において、前記信号ライン及び前記走査ラインのうち、前記有効表示領域側に設けられた一方側には、誘電体層が設けられていることが好ましい。
この場合、誘電体層が導電性液体に印加する電界を確実に大きくして、当該導電性流体の移動速度をより容易に向上することができる。
また、上記表示素子において、前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されてもよい。
この場合、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域を適切に、かつ、確実に設定することができる。
また、本発明の電気機器は、文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、上記いずれかの表示素子を用いたことを特徴とするものである。
上記のように構成された電気機器では、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な電気機器を容易に構成することができる。
本発明によれば、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することが可能となる。
以下、本発明の表示素子及び電気機器の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図1において、本実施形態の画像表示装置1では、本発明の表示素子2を用いた表示部が設けられており、この表示部には矩形状の表示面が構成されている。すなわち、表示素子2は、図1の紙面に垂直な方向で互いに重ね合うように配置された上部基板3及び下部基板4を備えており、これらの上部基板3と下部基板4との重なり部分によって上記表示面の有効表示領域が形成されている(詳細は後述。)。
また、表示素子2では、複数の走査電極5が互いに所定の間隔をおいて、かつ、Y方向に沿ってストライプ状に設けられている。これら複数の各走査電極5は、下部基板4に設けられた後述の溝(液溜部)の内部に設置されている。また、表示素子2では、複数の信号電極6が互いに所定の間隔をおいて、かつ、X方向に沿ってストライプ状に設けられている。これらの複数の走査電極5と、複数の信号電極6とは、互いに交差するように設けられており、表示素子2では、走査電極5と信号電極6との交差部単位に、複数の各画素領域が設定されている。
また、これら複数の走査電極5及び複数の信号電極6は、所定の電圧範囲内の走査電圧及び所定の電圧範囲内の信号電圧がそれぞれ印加可能に構成されている(詳細は後述。)。
さらに、表示素子2では、後に詳述するように、上記複数の各画素領域が仕切壁にて区切られるとともに、複数の画素領域が、上記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている。そして、表示素子2では、マトリクス状に設けられた複数の画素(表示セル)毎に、エレクトロウェッティング現象にて後述の導電性液体を移動させ、表示面側での表示色を変更するようになっている。
また、複数の走査電極5及び複数の信号電極6では、各々一端部側が表示面の有効表示領域の外側に引き出されて、端子部5a及び6aが形成されている。
複数の信号電極6の各端子部6aには、配線8aを介して信号ドライバ8が接続されている。信号ドライバ8は、信号電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各信号電極6に対して、情報に応じて信号電圧を印加するように構成されている。
また、複数の走査電極5の各端子部5aには、配線7aを介して走査ドライバ7が接続されている。走査ドライバ7は、走査電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各走査電極5に対して、走査電圧を印加するように構成されている。
また、走査ドライバ7では、複数の各走査電極5に対して、上記導電性液体が移動するのを阻止する非選択電圧と、導電性液体が信号電圧に応じて移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を走査電圧として印加するようになっている。
そして、画像表示装置1では、走査ドライバ7が例えば図1の左側から右側の各走査電極5に対し、選択電圧を順次印加することにより、ライン毎の走査動作が行われるように構成されている。さらに、画像表示装置1では、走査ドライバ7による走査動作が行われたときに、信号ドライバ8が情報に応じて信号電圧を印加して、互いに交差する走査電極5と信号電極6との間の電圧差を所定の電圧差以上することにより、対応する画素において、導電性液体が動作して表示面側の表示色が変更されるようになっている(詳細は後述。)。
また、走査ドライバ7及び信号ドライバ8には、例えば直流電源が含まれており、所定の電圧範囲内の走査電圧及び所定の電圧範囲内の信号電圧を供給するようになっている。
また、信号電極6及び配線8aが画素領域での後述の有効表示領域側及び非有効表示領域側の一方側に設けられた信号ラインを構成し、走査電極5及び配線7aが画素領域での上記有効表示領域側及び非有効表示領域側の他方側に設けられた走査ラインを構成している。
ここで、図2〜図5も参照して、表示素子2の画素構造について具体的に説明する。
図2は表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図であり、図3は表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図4は上記表示素子の具体的な構成を示す平面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。なお、図2〜図4では、図面の簡略化のために、上記表示面に設けられた複数の画素のうち、図1の左上端部に配設された9個の画素を図示している(後掲の図7〜図9においても、同様。)。
図2〜図5において、表示素子2は、表示面側に設けられた第1の基板としての上記上部基板3と、上部基板3の背面側(非表示面側)に設けられた第2の基板としての上記下部基板4とを備えている。また、表示素子2では、上部基板3と下部基板4が互いに所定の間隔をおいて配置されることにより、これら上部基板3及び下部基板4の間に所定の表示用空間Sが形成されている。さらに、表示素子2では、表示用空間Sに導通するように、後述の非有効表示領域P2側で下部基板4に設けられるとともに、上記導電性液体13を溜める液溜部としての上記溝10が複数形成されている。すなわち、図3に例示するように、複数の溝10が、互いに所定の間隔をおいて、かつ、Y方向に沿ってストライプ状に下部基板4に設けられており、各溝10の内部には、上述したように、走査電極5が設置されている。
また、表示用空間Sの内部には、導電性液体13に加えて、この導電性液体13と混じり合わない絶縁性のオイル14が当該表示用空間Sの内部で上記X方向(図4の左右方向)に移動可能に封入されており、導電性液体13は後述の有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動できるようになっている。
導電性液体13には、例えば溶媒としての水と、溶質としての所定の電解質を含んだ水溶液が用いられている。具体的には、例えば1mmol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が導電性液体13に用いられている。また、導電性液体13には、顔料や染料などによって黒色に着色されたものが使用されている。
また、導電性液体13は黒色に着色されているので、当該導電性液体13は、各画素において、光の透過を許容または阻止するシャッターとして機能するようになっている。つまり、表示素子2の各画素では、後に詳述するように、導電性液体13が表示用空間Sの内部を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側(溝10側)に移動することによって表示色が黒色またはRGBのいずれかの色に変更されるよう構成されている。
また、オイル14には、例えば側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種または複数種からなる無極性で、かつ、無色透明なオイルが用いられている。また、このオイル14は、導電性液体13の移動に伴って、表示用空間Sの内部を移動するようになっている。
上部基板3には、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、上部基板3の非表示面側の表面には、カラーフィルタ層9が形成されている。尚、カラーフィルタ層9の非表示面側の表面には、図示しない撥水層が形成されている。
また、下部基板4には、上部基板3と同様に、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、下部基板4では、図3に例示するように、その表示面側の表面上に、例えばコ字状のリブ12が画素単位に設けられている。このリブ12は、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ12a、12bを有している。なお、これらのリブ12a、12bの表面には、図示しない撥水層が形成されている。
また、下部基板4には、溝10の内部に設置された走査電極5に加えて、上記信号電極6が設けられている。この信号電極6は、少なくとも有効表示領域P1側では、下部基板4の表示面側の表面上に形成されており、この下部基板4上に形成された信号電極6の部分の表面上には、誘電体層16及び撥水層17が順次形成されている。また、信号電極6は、非有効表示領域P2側では、走査電極5と電気的に絶縁された状態となるように、溝10の下方に設けられている。具体的にいえば、図5に示すように、信号電極6は、溝10を囲むように、下部基板4に形成されており、溝10との間に設けられた絶縁層18により、走査電極5及び導電性液体13と電気的に絶縁されている。
また、下部基板4では、親水層15が溝10の有効表示領域P1側で撥水層17と接した状態で、誘電体層16上に形成されている。
さらに、下部基板4の背面側(非表示面側)には、例えば白色の照明光を発光するバックライト19が一体的に組み付けられており、透過型の表示素子2が構成されている。すなわち、本実施形態の表示素子2では、バックライト19からの照明光を使用して表示動作が行われるので、外光が不十分な場合や夜間などでも、適切な表示動作を行えるようになっている。
カラーフィルタ(Color Filter)層9には、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のカラーフィルタ部9r、9g、及び9bと、遮光膜としてのブラックマトリクス部9sとが設けられており、RGBの各色の画素を構成するようになっている。つまり、カラーフィルタ層9では、図2に例示するように、RGBのカラーフィルタ部9r、9g、9bがX方向に沿って順次設けられるとともに、各々3つのカラーフィルタ部9r、9g、9bがY方向に沿って設けられており、X方向及びY方向にそれぞれ3個及び3個、合計9個の画素が配設されている。
また、表示素子2では、図2に例示するように、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示領域P1に対応する箇所にRGBのいずれかのカラーフィルタ部9r、9g、及び9bが設けられ、非有効表示領域P2に対応する箇所にブラックマトリクス部9sが設けられている。つまり、表示素子2では、上記表示用空間Sに対し、ブラックマトリクス部(遮光膜)9sによって非有効表示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラックマトリクス部9sに形成された開口部(つまり、いずれかのカラーフィルタ部9r、9g、及び9b)によって有効表示領域P1が設定されている。
また、表示素子2では、カラーフィルタ部9r、9g、9bの各面積は、有効表示領域P1の面積に対し、同一または若干大きい値が選択されている。一方、ブラックマトリクス部9sの面積は、非有効表示領域P2の面積に対し、同一または若干小さい値が選択されている。言い換えれば、表示素子2では、カラーフィルタ部9r、9g、9bの各面積よりも、導電性液体13が有効表示領域P1側に引き出される面積(つまり、有効表示領域P1側に設けられて、エレクトロウェッティング現象によって導電性液体13を引き出すための電極面積(信号電極面積))の方が若干大きく設定されている。尚、図2では、隣接する画素の境界部を明確にするために、隣接する画素に応じた2つのブラックマトリクス部9s間の境界線を点線にて示しているが、実際のカラーフィルタ層9では、ブラックマトリクス部9s間の境界線は存在しない。
また、表示素子2では、上記仕切壁としてのリブ12により表示用空間Sが画素領域P単位に区切られている。すなわち、表示素子2では、各画素の表示用空間Sは、図3に例示するように、同図3のX方向では、隣接する2つのリブ12aによって区画されている。また、図3のY方向では、表示用空間Sは、互いに対向する2つのリブ12bによって区画されている。さらに、表示素子2では、リブ12によって導電性液体13が隣接する画素領域Pの表示用空間Sの内部に流入するのが防がれている。すなわち、リブ12には、例えば光硬化性樹脂が用いられており、リブ12では、隣接する画素間で導電性液体13の流入出が防止されるように、下部基板4からの突出高さが決定されている。また、下部基板4では、リブ12にて区画された部分に、信号電極6の一部分、親水層15、誘電体層16、及び撥水層17が形成されている。
誘電体層16は、例えばパリレンや窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、あるいは酸化アルミニウムを含有した透明な誘電体膜によって構成されている。また、撥水層17には、透明な合成樹脂、好ましくは電圧印加時に導電性液体13に対し親水層となる、例えばフッ素系樹脂が使用されている。これにより、表示素子2では、下部基板4の表示用空間S側の表面側での導電性液体13との間の濡れ性(接触角)を大きく変化させることができ、導電性液体13の移動速度の高速化を図ることができる。
親水層15には、例えばヒドロキシ基、アミド基、あるいはカルボキシル基等の親水基を有する有機系材料が用いられており、親水層15は、溝10と撥水層17との間の離間寸法を所定寸法以上としている。そして、親水層15は、導電性液体13の溝10側(非有効表示領域P2側)から有効表示領域P1側への移動を円滑行わせるようになっている。
尚、この説明以外に、例えば二酸化ケイ素などの無機系材料、金、アルミニウム、銅などの金属材料、またはPVA(ポリビニルアルコール)、尿素樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂を親水層に使用することもできる。また、下部基板4及び絶縁層18が親水性を有する材料を使用して構成されている場合では、親水層15の設置を省略することもできる。
走査電極5は、溝(液溜部)10内の導電性液体13に接触するように設けられた第1の電極部材を構成しており、走査電極5には、非有効表示領域P2側でY方向に平行となるように配置された線状配線が用いられている。
また、この走査電極5には、導電性液体13に対して電気化学的に不活性な材料が使用されており、当該走査電極5に上記走査電圧(例えば、4V)が印加されたときでも、導電性液体13と電気化学反応を極力生じないように構成されている。これにより、走査電極5の電気分解の発生を防いで、表示素子2の信頼性及び寿命を向上させることができる。
具体的にいえば、走査電極5には、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを含んだ電極材料が用いられている。また、走査電極5は、上記金属材料からなる細線を溝10の内部に固定したり、スクリーン印刷法などを用いて、溝10の底面上に金属材料を含んだ導電性ペースト材などのインク材を載置したりすることで形成されている。
信号電極6は、導電性液体13及び走査電極(第1の電極部材)5に対して電気的に絶縁された状態で、有効表示領域P1側に設けられた第2の電極部材を構成しており、信号電極6には、X方向に平行となるように配置された透明な線状配線が用いられている。具体的にいえば、信号電極6には、酸化インジウム系(ITO)、酸化スズ系(SnO2)、または酸化亜鉛系(AZO、GZO、あるいはIZO)などの透明な電極材料が用いられている。
また、信号電極6は、スパッタ法等の公知の成膜方法により、下部基板4上に帯状に形成されている。具体的にいえば、下部基板4では、まず溝10の設置箇所に当該溝10よりも大きい切欠部が形成された後、X方向に沿って帯状の信号電極6が下部基板4の表面上に形成される。その後、非有効表示領域P2側において、溝10が形成されるように、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル、エポキシ、あるいはシリコンなどの電気絶縁性を有する合成樹脂を用いた絶縁層18が信号電極6を覆うように設けられる。そして、この絶縁層18により、信号電極6は、溝10の内部に設置される走査電極5と当該溝10に充填される導電性液体13とに対して、電気的に絶縁される。尚、上記の説明以外に、アルミナ、酸化チタンなどの無機系材料を絶縁層18に用いることもできる。
上記のように構成された表示素子2の各画素では、図5の左端部の画素に例示するように、導電性液体13がカラーフィルタ部9rと信号電極6との間で保持されると、バックライト19からの光が導電性液体13により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示)が行われる。一方、図5の右端部の画素に例示するように、導電性液体13が溝10で維持されてブラックマトリクス部9sと走査電極5との間で保持されると、バックライト19からの光は導電性液体13に遮光されることなく、カラーフィルタ部9bを通過することにより、青色表示(CF着色表示)が行われる。
上記のように構成された本実施形態の表示素子2の表示動作について、図6も参照して具体的に説明する。
図6は、図4に示した表示素子の左側の画素列に対する具体的な印加電圧の波形図であり、図6(a)は図4に示した走査電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図であり、図6(b)〜図6(d)は図4に示した信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
図6(a)に示すように、走査ドライバ7は、図4の左側の走査電極5に対して供給する走査電圧を、時点T1で非選択電圧V2(例えば、0V)から選択電圧V1(例えば、4V)とする。これにより、表示素子2では、図4の左側の画素列に対する走査動作が開始される。そして、走査ドライバ7が、時点T2で走査電圧を非選択電圧V2とするまで、図4の左側の画素列に対する走査動作が維持される。
また、信号ドライバ8は、時点T1で上記走査動作が開始されると、図6(b)〜(d)に例示するように、表示すべき情報に応じて、信号電圧を電圧V3(例えば、0V)または電圧V4(例えば、−4V)とする。これにより、図4の左側の画素列において、上から一番目及び三番目の画素では、走査電極5と信号電極6との電圧差が所定の電圧差(例えば、8V)以上とされ、同図4に示すように、導電性液体13が非有効表示領域P2側(溝10側)から有効表示領域P1側に移動する。この結果、これらの画素では、時点T1から時点T2までの走査動作の間、上記非CF着色表示が行われて、黒色表示が行われる。
一方、図4の上から二番目の画素では、走査電極5と信号電極6との電圧差は所定の電圧差(例えば、8V)以上とされない。この結果、導電性液体13は非有効表示領域P2側から移動せずに維持され、この画素では、時点T1から時点T2までの走査動作の間、上記CF着色表示が行われて、赤色表示が行われる。
以上のように構成された本実施形態の表示素子2では、有効表示領域P1側に設けられ、所定の電圧範囲内の信号電圧が印加可能に構成された複数の信号電極(信号ライン)6が設けられている。また、本実施形態の表示素子2では、複数の信号電極6に対して交差するように、非有効表示領域P2側に設けられ、所定の電圧範囲内の走査電圧が印加可能に構成された複数の走査電極(走査ライン)5が設けられている。さらに、本実施形態の表示素子2では、信号ドライバ(信号電圧印加部)8及び走査ドライバ(走査電圧印加部)7が、信号電極6及び走査電極5に対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、信号電極6と走査電極5との間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、信号電極6と走査電極5との交差部単位に導電性液体13を有効表示領域P1側に移動させる。これにより、本実施形態の表示素子2では、上記従来例と異なり、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる。
また、本実施形態の表示素子2では、図6に例示したように、走査ドライバ(走査電圧印加部)7が選択電圧V1または非選択電圧V2の電圧印加を行い、信号ドライバ(信号電圧印加部)8が電圧V3または電圧V4の電圧印加を行うことにより、導電性液体13の移動または維持させて、表示色を変更している。このように、本実施形態の表示素子2では、走査ドライバ7及び信号ドライバ8の各々は、ハイレベル及びローレベルのいずれかの電圧を印加するだけにより、表示色の変更を行えるので、上記従来例に比べて、電圧印加部(ドライバ)の負担を容易に低減することができる。
また、本実施形態では、従来例と異なり、信号電極6と走査電極5とによってマトリクス駆動を実施可能に構成されているので、構造簡単な表示素子2を構成することができる。
また、本実施形態の画像表示装置(電気機器)1では、表示素子2が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な画像表示装置1を容易に構成することができる。
[第2の実施形態]
図7は表示面側から見た場合での本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の上部基板側の要部構成を示す拡大平面図であり、図8は表示面側から見た場合での本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、信号電極を上部基板側に設けた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
つまり、図7に示すように、本実施形態の表示素子2では、信号電極6及びリブ12が上側基板3側に設けられ、図8に示すように、下側基板4側には走査電極5が設置されている。また、信号電極6は、図7に“H1”及び“H2”にて例示するように、Y方向での寸法が異なる略帯状に構成されている。言い換えれば、信号電極6では、非有効表示領域P2に対向される部分が、少なくとも有効表示領域P1に対向される部分に比べて、大幅に小さくされた櫛歯状に構成されている。これにより、本実施形態の表示素子2では、第1の実施形態と同様に、走査電極5と信号電極6との間の電圧差が所定の電圧差以上とされたときに、導電性液体13を溝10側から有効表示領域P1側に確実に移動させることができるようになっている。また、信号電極6において、上記寸法H1及びH2は、好ましくはH2/H1=1/10、より好ましくはH2/H1=1/20に設定されている。
ここで、図9及び図10を参照して、本実施形態の表示素子2について具体的に説明する。
図9は本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の具体的な構成を示す平面図であり、図10は図9のX−X線断面図である。
図9及び図10に示すように、本実施形態の表示素子2では、上部基板3の非表示面側の表面に、カラーフィルタ層9、信号電極6、誘電体層16、リブ12、及び撥水層17が順次形成されている。また、この上部基板3の非表示面側の表面には、親水層15が溝10に対向するように設けられている。但し、この親水層15は、信号電極6の形成部分を除く、ブラックマトリクス部9s上に形成されている。
一方、下部基板4の表示面側の表面には、撥水層20が形成されている。また、この撥水層20には、撥水層17と同様に、フッ素系樹脂が用いられており、溝10の開口部を除く、下部基板4の表示面側の表面上に設けられて、導電性液体13の移動を円滑に行わせるようになっている。
そして、図10に例示するように、走査電極5と信号電極6との電圧差が所定の電圧差以上とされたときには、導電性液体13が非有効表示領域P2側(溝10側)から有効表示領域P1側に移動して、上記非CF着色表示が行われて、黒色表示が行われる。また、走査電極5と信号電極6との電圧差が、所定の電圧差(例えば、8V)未満のときには、導電性液体13は非有効表示領域P2側から移動せずに、上記CF着色表示が行われて、緑色表示や青色表示が行われる。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、信号電極(信号ライン)6が上部基板(第1の基板)3側に設けられ、走査電極(走査ライン)が下部基板(第2の基板)4側に設けられている。これにより、本実施形態の表示素子2では、第1の実施形態のものと異なり、絶縁層18を設けて、信号電極6と走査電極5及び導電性液体13とを電気的に絶縁する必要がない。従って、本実施形態では、製造簡単な表示素子2を容易に構成することができる。
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部が設けられた電気機器であれば何等限定されるものではなく、例えば電子手帳等のPDAなどの携帯情報端末、パソコンやテレビなどに付随する表示装置、あるいは電子ペーパーその他、各種表示部を備えた電気機器に好適に用いることができる。
また、上記の説明では、導電性液体への電界印加に応じて、当該導電性液体を移動させるエレクトロウェッティング方式の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明の表示素子は、これに限定されるものではなく、外部電界を利用して、表示用空間の内部で導電性液体を動作させることにより、表示面側の表示色を変更可能な電界誘導型の表示素子であれば何等限定されるものではなく、電気浸透方式、電気泳動方式、誘電泳動方式などの他の方式の電界誘導型表示素子に適用することができる。
但し、上記各実施形態のように、エレクトロウェッティング方式の表示素子を構成する場合の方が、導電性液体を低い駆動電圧で高速に移動させることが可能となる。それ故、動画表示を容易に行うことが可能で、表示性能に優れた表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、エレクトロウェッティング方式の表示素子では、導電性液体の移動に応じて表示色が変更されるので、液晶表示装置等と異なり、視野角依存性がない点でも好ましい。さらには、画素毎にスイッチング素子を設ける必要がないので、構造簡単で高性能なマトリクス駆動方式の表示素子を低コストで構成できる点でも好ましい。しかも、液晶層などの複屈折材料を用いていないので、情報表示に使用される、バックライトからの光や外光の光利用効率に優れた高輝度な表示素子を容易に構成できる点でも好ましい。
また、上記の説明では、走査ライン及び信号ラインをそれぞれ非有効表示領域側及び有効表示領域側に設けた場合について説明したが、本発明は信号電圧印加部及び走査電圧印加部が、信号ライン及び走査ラインに対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、信号ラインと走査ラインとの間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、信号ラインと走査ラインとの交差部単位に導電性液体を有効表示領域側に移動させるものであればよく、信号ライン及び走査ラインをそれぞれ非有効表示領域側及び有効表示領域側に設けてもよい。
また、上記の説明では、下部基板(第2の基板)側にY方向に平行な溝(液溜部)を設けた構成について説明したが、本発明の液溜部は、第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板に表示用空間に導通するように、非有効表示領域側に設けられるとともに、導電性液体を溜めるように構成されたものであれば何等限定されない。
また、上記の説明では、画素領域の左端部側に設けた溝(液溜部)の内部に走査電極(第1の電極部材)を設置して、当該左端部側に非有効表示領域側を設定した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、信号ライン及び走査ラインの一方には、液溜部内の導電性液体に接触するように設けられた第1の電極部材が用いられ、信号ライン及び走査ラインの他方には、導電性液体及び第1の電極部材に対して電気的に絶縁された状態で、有効表示領域側に設けられた第2の電極部材が用いられていればよい。
具体的にいえば、例えば図11及び図12に示すように、画素領域Pの中央部に溝(液溜部)10を形成し、この溝10の左端部側及び右端部側にリブ(仕切壁)12を設けてもよい。すなわち、画素領域Pにおいて、中央部に非有効表示領域P2を設定し、左端部及び右端部に有効表示領域P1を設定する構成でもよい。尚、左端部及び右端部の各有効表示領域P1に対して、上記実施形態のものと同様に、開口部を形成して、RGBいずれかのカラーフィルタ部を形成することでカラー画像表示を実施可能な表示素子を構成することができる。
また、図13に例示するように、走査電極5と溝10とを互いに平行に設ける。さらに、走査電極5が、溝10の内部の導電性液体と画素単位に接触するように構成してもよい。つまり、この走査電極5には、下部基板4の表面上で溝10と平行に設けられる電極本体部5bと、この電極本体部5bから溝10の内部側に突出するように画素単位に形成された突出部5cとが設けられており、走査電極5は、突出部5cを介して溝10内部の導電性液体と電気的に接触するようになっている。尚、このように構成した場合には、溝10の内部を画素単位に区切って、導電性液体を溜める液溜部を画素単位に構成することもできる。
また、図14に例示するように、溝(液溜部)10内に溜められた導電性液体を走査ラインとして用いることもできる。すなわち、同図14に示すように、溝10の内部には、走査電極5の端部だけが導入されて、当該溝10内部の導電性液体と電気的に接触するように構成されている。そして、走査ドライバ(走査電圧印加部)が走査電圧を印加したときに、溝10の内部に設けた走査電極5に代えて、導電性液体自体を走査ラインに用いて、印加された走査電圧を各画素領域に対して供給可能に構成されている。このように導電性液体自体を用いる場合には、走査ラインまたは信号ラインに使用する第1の電極部材を大幅に小さくすることができ、製造簡単な表示素子をより容易に構成することができる。
また、上記の説明では、帯状または略帯状(櫛歯状)の信号電極(第2の電極部材)6を用いて、図5または図10などに例示したように、ブラックマトリクス部9s(非有効表示領域P2)に対向する部分にも当該信号電極6を設置し、さらに誘電体層16及び撥水層17を順次積層した場合について説明したが、本実施形態の第2の電極部材は、これに限定されるものではなく、少なくとも有効表示領域P1(つまり、いずれかのカラーフィルタ部9r、9g、9b)に対向するように当該有効表示領域P1側に設けられて、電圧が印加されたときにエレクトロウェッティング現象を発生させて導電性液体13を有効表示領域P1側に移動可能に構成されたものであれば何等限定されない。
また、上記の説明では、塩化カリウムの水溶液を導電性液体に用いるとともに、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを用いて、走査電極(第1の電極部材)を構成した場合について説明したが、本発明は導電性液体と接触する第1の電極部材に、当該導電性液体に対して電気化学的に不活性な材料を用いたものであれば何等限定されない。具体的にいえば、導電性液体には、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、酸化亜鉛、塩化ナトリウム、リチウム塩、リン酸、アルカリ金属炭酸塩、酸素イオン伝導性を有するセラミックスなどの電解質を含んだものを使用することができる。また、溶媒には、水以外に、アルコール、アセトン、ホルムアミド、エチレングリコールなどの有機溶媒を使用することもできる。さらに、本発明の導電性液体には、ピリジン系、脂環族アミン系、または脂肪族アミン系などの陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ素系などの陰イオンとを含んだイオン液体(常温溶融塩)を使用することもできる。
但し、上記の各実施形態のように、所定の電解質を溶かした水溶液を導電性液体に使用する場合の方が、取扱性に優れるとともに、製造が簡単な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。
また、本発明の第1の電極部材には、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタル、ニオブあるいはそれらの合金などの導電性を有する金属を用いた電極本体と、この電極本体の表面を覆うように設けられた酸化被膜とを備えた不動態を使用することができる。
但し、上記の各実施形態のように、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを第1の電極部材に用いる場合の方が、イオン化傾向の小さい金属を使用することとなり、当該電極の簡略化を図りつつ、導電性液体との間での電気化学反応を確実に防ぐことが可能となって信頼性の低下が防がれた長寿命な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、イオン化傾向の小さい金属は導電性液体との間の界面に生じる界面張力を比較的小さくすることができることから、導電性液体を移動させないときでは、その固定位置で当該導電性液体を安定した状態で容易に保持できる点でも好ましい。
また、上記の説明では、信号電極(第2の電極部材)を下部基板(第2の基板)の表面または上部基板(第1の基板)の表面に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁材料からなる第1または第2の基板の内部に埋設した第2の電極部材を用いることもできる。このように構成した場合には、第1または第2の基板を誘電体層として兼用させることができ、当該誘電体層の設置を省略することができる。
但し、上記実施形態のように、信号ライン及び走査ラインのうち、有効表示領域側に設けられた一方側に、誘電体層を設ける場合の方が、誘電体層が導電性液体に印加する電界を確実に大きくして、当該導電性流体の移動速度をより容易に向上することができる点で好ましい。
また、上記の説明では、透過型の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明の表示素子はこれに限定されるものではなく、例えば図15及び図16にそれぞれ例示するように、反射型の表示素子及び半透過型の表示素子にも適用することができる。
つまり、図15に例示するように、下部基板4の背面側には、拡散反射板21が設けられている。この拡散反射板21には、ブラックマトリクス部9sに対向するように設けられた透明部21aと、カラーフィルタ部9r、9g、9bの各々に対向するように設けられるとともに、上部基板2側(表示面側)から入射された外光を表示面側に反射する光反射部21bとが設けられている。そして、この表示素子では、光反射部21bが外部から入射された外光を反射することにより表示動作を行うようになっており、反射型の表示素子が構成されている。
また、図16に例示するように、下部基板4の背面側には、拡散反射板21とバックライト19とがこの順番で設けられている。この拡散反射板21では、光反射部21bの大きさが図15に示した光反射部21bの1/2の大きさとされている。つまり、この表示素子では、カラーフィルタ部9r、9g、9bの各々に対して、透明部21aと光反射部21bとが対向するようになっている。そして、この表示素子では、光反射部21bにて反射された外光及びバックライト19からの照明光により表示動作が行われるようになっており、半透過型の表示素子が構成されている。
また、上記の説明では、無極性のオイルを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性液体と混じり合わない絶縁性流体であればよく、例えばオイルに代えて、空気を使用してもよい。また、オイルとして、シリコーンオイル、脂肪系炭化水素などを使用することができる。
但し、上記の各実施形態のように、導電性液体と相溶性がない無極性のオイルを用いた場合の方が、空気と導電性液体とを用いる場合よりは、無極性のオイル中で導電性液体の液滴がより移動し易くなって、当該導電性液体を高速移動させることが可能となり、表示色を高速に切り換えられる点で好ましい。
また、上記の説明では、黒色に着色された導電性液体及びカラーフィルタ層を用いて、RGBの各色の画素を表示面側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の画素領域が、表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられているものであればよい。具体的には、RGB、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のCMY、またはRGBYCなどに着色された複数色の導電性液体を用いることもできる。
また、上記の説明では、カラーフィルタ層を上部基板(第1の基板)の非表示面側の表面に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の基板の表示面側の表面や下部基板(第2の基板)側にカラーフィルタ層を設置することもできる。このように、カラーフィルタ層を用いる場合の方が、複数色の導電性液体を用意する場合に比べて、製造簡単な表示素子を容易に構成できる点で好ましい。また、このカラーフィルタ層に含まれたカラーフィルタ部(開口部)及びブラックマトリクス部(遮光膜)により、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域をそれぞれ適切に、かつ、確実に設定することができる点でも好ましい。
本発明は、マトリクス駆動を行わせる場合でも、その駆動制御を容易に行うことができる構造簡単な表示素子、及びこれを用いた電気機器に対して有用である。
本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。 表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 上記表示素子の具体的な構成を示す平面図である。 図4のV−V線断面図である。 図4に示した表示素子の左側の画素列に対する具体的な印加電圧の波形図であり、(a)は図4に示した走査電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図であり、(b)〜(d)は図4に示した信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。 表示面側から見た場合での本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 表示面側から見た場合での本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の具体的な構成を示す平面図である。 図9のX−X線断面図である。 表示面側から見た場合での図9に示した表示素子の変形例の下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 表示面側から見た場合での図11に示した表示素子の上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 表示面側から見た場合での図9に示した表示素子の別の変形例の下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 表示面側から見た場合での図9に示した表示素子の別の変形例の下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 図9に示した表示素子の別の変形例の要部構成を示す断面図である。 図9に示した表示素子の別の変形例の要部構成を示す断面図である。
符号の説明
1 画像表示装置(電気機器)
2 表示素子(表示部)
3 上部基板(第1の基板)
4 下部基板(第2の基板)
5 走査電極(走査ライン、第1及び第2の電極部材)
5a 端子部(走査ライン)
6 信号電極(信号ライン、第1及び第2の電極部材)
6a 端子部(信号ライン)
7 走査ドライバ(走査電圧印加部)
7a 配線(走査ライン)
8 信号ドライバ(信号電圧印加部)
8a 配線(信号ライン)
9 カラーフィルタ層
9r、9g、9b カラーフィルタ部(開口部)
9s ブラックマトリクス部(遮光膜)
10 溝(液溜部)
12 リブ(仕切壁)
13 導電性液体
14 オイル(絶縁性流体)
16 誘電体層
S 表示用空間
P 画素領域
P1 有効表示領域
P2 非有効表示領域

Claims (9)

  1. 表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
    前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設けられ、所定の電圧範囲内の信号電圧が印加可能に構成された複数の信号ラインと、
    前記複数の信号ラインに対して交差するように、前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設けられ、所定の電圧範囲内の走査電圧が印加可能に構成された複数の走査ラインと、
    前記複数の各信号ラインに対して、前記信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
    前記複数の各走査ラインに対して、前記走査電圧を印加する走査電圧印加部とを備え、
    前記信号電圧印加部及び前記走査電圧印加部が、前記信号ライン及び前記走査ラインに対してそれぞれ信号電圧及び走査電圧を印加して、前記信号ラインと前記走査ラインとの間の電圧差を所定の電圧差以上とすることにより、前記信号ラインと前記走査ラインとの交差部単位に前記導電性液体を前記有効表示領域側に移動させる、
    ことを特徴とする表示素子。
  2. 前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の基板に前記表示用空間に導通するように、前記非有効表示領域側に設けられるとともに、前記導電性液体を溜める液溜部を備え、
    前記信号ライン及び前記走査ラインの一方には、前記液溜部内の前記導電性液体に接触するように設けられた第1の電極部材が用いられ、
    前記信号ライン及び前記走査ラインの他方には、前記導電性液体及び前記第1の電極部材に対して電気的に絶縁された状態で、前記有効表示領域側に設けられた第2の電極部材が用いられている請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記信号ライン及び前記走査ラインの一方は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられ、
    前記信号ライン及び前記走査ラインの他方は、前記第1及び第2の基板の他方側に設けられている請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 複数の画素領域が、前記表示面側に設けられるとともに、
    前記複数の各画素領域は、前記信号ラインと前記走査ラインとの交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られている請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示素子。
  5. 前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている請求項4に記載の表示素子。
  6. 前記表示用空間の内部には、前記導電性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示素子。
  7. 前記信号ライン及び前記走査ラインのうち、前記有効表示領域側に設けられた一方側には、誘電体層が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示素子。
  8. 前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
    前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示素子。
  9. 文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
    前記表示部に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示素子を用いたことを特徴とする電気機器。
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