JP2009257191A - タービンの冷却構造、タービンおよびタービンの組立治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸2の端部から径方向外側に延びるとともに回転軸2と一体に形成され外周端に動翼が取り付けられる円板部3内を通過して、動翼に冷却媒体を導く冷媒流路11,12,13と、円板部3における冷媒流路11,12,13の一部を構成するとともに、円板部3と他の円板部とを締付ける締結部5の端部が納められる収納部14と、収納部14における締結部5と対向する壁部22に形成され、円板部3および他の円板部の締付け時に締結部5と係合される治具が挿通される貫通孔24と、貫通孔24に着脱可能に配置される蓋部25と、が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
最終段円板部と軸とを一体とした構造では、これらが分離された構造と比較して、構造の簡素化が図られることにより軸芯の保持が容易になるという利点がある。
本発明のタービンの冷却構造は、回転軸線まわりに回転可能に支持された回転軸内から、該回転軸の端部から径方向外側に延びるとともに前記回転軸と一体に形成され外周端に動翼が取り付けられる円板部内を通過して、前記動翼を冷却する冷却媒体を導く冷媒流路と、前記円板部における前記冷媒流路の一部を構成するとともに、前記円板部と他の円板部とを締付ける締結部の端部が納められる収納部と、前記収納部における前記締結部と対向する壁部に形成され、前記円板部および前記他の円板部の締付け時に前記締結部と係合される治具が挿通される貫通孔と、該貫通孔に着脱可能に配置される蓋部と、が設けられていることを特徴とする。
貫通孔は蓋部を用いて閉じられるため、収納部は冷媒流路の一部として構成される。
冷媒流路によって回転軸および円板部内を通過して冷却媒体を供給するため、ダミーディスクを設けて冷媒流路を形成する方法と比較して、ロータ長の増加および重量の増加が防止され、軸芯の安定を得るとともに、コスト低減や信頼性向上やタービン全体の体格縮小が図られる。
図1は、本実施形態に係るガスタービンの構成を説明する部分拡大図である。
ガスタービン(タービン)1は、図1に示すように、動翼7および静翼8との間に作動流体が供給され、作動流体から回転エネルギを抽出して外部の機器に供給するものである。
シャフト2には、後述する冷却構造10を構成する軸流路11が回転軸線Lに沿って設けられている。
最終段円板3には、後述する冷却構造10を構成する第1円板流路12および第2円板流路13や、収納部14などが設けられている。
なお、締付けボルト5としては公知のボルトを用いることができ、とくに限定するものではない。
なお、動翼7および静翼8としては、公知のものを用いることができ、特に限定するものではない。
冷却構造10には、図1から図3に示すように、シャフト2内における冷却媒体の流路である軸流路(冷媒流路)11と、最終段円板3内における冷却媒体の流路である第1円板流路(冷媒流路)12および第2円板流路(冷媒流路)13と、冷却媒体の流路であるとともに締付けボルト5の端部が収納される収納部14と、が設けられている。
第1円板流路12は、図3に示すように、周方向に等間隔に配置され、かつ、締付けボルト5の間に向かって開口する位置に配置されている。
第2円板流路13は、図1から図3に示すように、最終段円板3の内部を径方向に沿って延びる流路であって、収納部14と最終段円板3の外周端との間を連通させる流路である。
収納部14には、図2および図3に示すように、最終段円板3との間で径方向外側に向かって開口する溝部21を形成する壁部22と、溝部21の開口を塞ぐ筒部23と、壁部22に形成された貫通孔24と、貫通孔24に着脱可能に取り付けられる蓋部25と、が設けられている。
壁部22の径方向外側の端面には、シールリング35A,35Bが収納されるシール溝34が設けられている。
シールリング35A,35Bは、壁部22と筒部23との間の隙間を埋めて、収納部14から外部への冷却媒体の漏れを防止するものである。
溝部21の径方向内側の面には第1円板流路12と連通する開口が設けられている。一方、最終段円板3側の側面には、締付けボルト5と噛み合わされるナット6が当接するナット着座面41が設けられ、さらに、第2円板流路13と連通する開口が設けられている。
ボルト26は、取付け鍔部25Aの外面に周方向に複数個配置され、ボルト26を締め込むことにより、筒部23を最終段円板3の外側面に固定できる。また、筒部23は、回転軸線L方向から嵌め込みが可能な構造であるので、筒部23の着脱は容易である。
まず、ロータを収納するケーシング(図示せず)からロータ全体を取外し、図4に示すボルト26を取りはずして、筒部23を回転軸線L方向(図4の右方向)に引き抜いて取外す。その後、最終段円板3における収納部14の壁部22に形成された貫通孔24に嵌合されている蓋部25を分解して、取外す。さらに、締付けボルト5からナット6を取外すことにより、貫通孔24を介して回転軸線L方向(図4の右方向)に締付けボルト5を引き抜くことができる。
また、ガスタービンのメンテナンスの際の締付けボルト及びナットの着脱作業を容易にするため、筒部23を収納部14の蓋替りとして着脱可能な構造とした。
更に、筒部23と壁部22との間のシールが問題となるので、図4に示すシール構造を備えて、冷却空気が確実にシール出来るようにした。
なお、上述のように筒部23を略円筒状に形成し、壁部22と筒部23との間をシールリング35A,35Bで埋めてもよい。また、図5に示すように、筒部23の鍔部23Aに対する他端には、その端部を径方向内側に環状に折り曲げた係合部23Bを備え、係合部23と壁部22の外周端22Aを重ねてボルト27で締結する構造としてもよい。このような構造とすれば、筒部23と壁部22の接触面23Bからのリークを確実に防止できる。
蓋部25には、径方向外側に延びる鍔状の抜止め部25Aが設けられ、蓋部25のスリーブ25Bと貫通孔24との間は嵌め合い構造となっている。このようにすることで、抜止め部25Aが壁部22と当接し、蓋部25は抜き止め部25A及びスリーブ25Bで冷却媒体の内圧を受け止め、収納部14内の冷却空気が外部へ洩れることを防止している。
ガスタービン1における動翼7および静翼8の間には、図1に示すように。例えば、燃焼器(図示せず)により生成された高温高圧の燃焼ガスである作動流体が供給される。作動流体は、動翼7を回転軸線Lまわりに回転させながら下流側(図1の右側)に向かって流れる。
動翼7の回転は、中間段円板4や最終段円板3を介してシャフト2に伝達され、回転エネルギとして外部に取り出される。
ガスタービン1が運転されると、外部から供給された冷却媒体である空気が、冷却構造10を介して動翼7に供給される。冷却媒体は、動翼7を冷却するために用いられる。
そのため、収納部14から外部へ冷却媒体が漏れる経路が全て塞がれ、冷却媒体の漏れが防止される。
図6は、中間段円板と最終段円板とを締付ける際に用いられる第1および第2ブロック部の構成およびその配置を説明するB−B断面視図である。図7は、締付けボルトにボルトテンショナーが取付けられた状態を説明する部分拡大図である。
一方、締付けボルト5には、図7に示すように、貫通孔24を介してボルトテンショナー61が挿通され、ボルトテンショナー61と締付けボルト5とが噛み合わされる。
冷媒流路によってシャフト2および最終段円板3内を通過して冷却媒体を供給するため、ダミーディスクを設けて冷媒流路を形成する方法と比較して、ダミーディスクを設ける必要がなく、ロータ長、つまり最終段円板3や中間段円板4などの回転軸線L方向の長さの増加、および、重量の増加を防止できる。そのため、軸芯の安定が得られ信頼性の向上が図られるとともに、ガスタービン1の製造コスト低減およびガスタービン全体のコンパクト化を図ることができる。
貫通孔24は蓋部25を用いて閉じられるため、収納部14は冷却媒体が流れる流路の一部として構成される。
なお、上述の実施形態のように略円板状の蓋部25を用いて貫通孔24を塞いでもよいし、図8に示すように、切欠き部126を設けた蓋部125を用いてもよく、特に限定するものではない。
このように蓋部125に切欠き部126を設けることにより、締付けボルト5の端部と壁部22との隙間が、蓋部25の厚さよりも狭い場合であっても、貫通孔24に蓋部125を配置することができる。
2 シャフト(回転軸)
3 最終段円板(円板部)
4 中間段円板(他の円板部)
5 締付けボルト(締結部)
6 ナット(締結部)
7 動翼
10 冷却構造
11 軸流路(冷媒流路)
12 第1円板流路(冷媒流路)
13 第2円板流路(冷媒流路)
14 収納部
21 溝部
22 壁部
23 筒部
24 貫通孔
25,125 蓋部
51 第1ブロック部
52 第2ブロック部
L 回転軸線
Claims (4)
- 回転軸線まわりに回転可能に支持された回転軸内から、該回転軸の端部から径方向外側に延びるとともに前記回転軸と一体に形成され外周端に動翼が取り付けられる円板部内を通過して、前記動翼を冷却する冷却媒体を導く冷媒流路と、
前記円板部における前記冷媒流路の一部を構成するとともに、前記円板部と他の円板部とを締付ける締結部の端部が納められる収納部と、
前記収納部における前記締結部と対向する壁部に形成され、前記円板部および前記他の円板部の締付け時に前記締結部と係合される治具が挿通される貫通孔と、
該貫通孔に着脱可能に配置される蓋部と、
が設けられていることを特徴とするタービンの冷却構造。 - 前記収納部には、
前記壁部と前記円板部との間で前記回転軸線まわりに延びるとともに径方向外側に開口する溝部と、
前記溝部の開口を塞ぐ円筒状の筒部と、
が設けられていることを特徴とする請求項1記載のタービンの冷却構造。 - 回転軸線まわりに回転可能に支持された回転軸と、
該回転軸の端部から径方向外側に延びるとともに前記回転軸と一体に形成され、外周端に動翼が取り付けられる円板部と、
請求項1または請求項2に記載の冷却構造と、
が設けられていることを特徴とするタービン。 - 請求項2記載の冷却構造を有するタービンの組立治具であって、
前記円板部と他の円板部とを締結部により締付ける際に、前記溝部内に前記回転軸線に沿う方向に並んで配置され、
互いに対向する面が、径方向外側に向かって前記円板部に接近または前記円板部から離間する傾斜を有する第1ブロック部および第2ブロック部が設けられていることを特徴とするタービンの組立治具。
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