JP2009250789A - 河川の流量算出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、河川の1地点における流量を、その地点での水位及び水面勾配に基づいて、精度よくかつ容易に求めることが可能な河川の流量算出装置を提供する。
【解決手段】河川の1地点における、水位と通水能との相関関係が記憶された水位通水能相関関係記憶部2と、この河川の1地点における水位を取得する主水位取得部3と、水位通水能相関関係記憶部2に記憶された水位と通水能との相関関係と、主水位取得部3により取得された水位と、に基づいて、主水位取得部3により取得された水位に対応する通水能を取得する通水能取得部5と、この河川の1地点における水面勾配を取得する水面勾配取得部6と、通水能取得部5により取得された通水能と水面勾配取得部により取得された水面勾配とに基づいてこの河川の1地点における流量を取得する流量取得部7と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】河川の1地点における、水位と通水能との相関関係が記憶された水位通水能相関関係記憶部2と、この河川の1地点における水位を取得する主水位取得部3と、水位通水能相関関係記憶部2に記憶された水位と通水能との相関関係と、主水位取得部3により取得された水位と、に基づいて、主水位取得部3により取得された水位に対応する通水能を取得する通水能取得部5と、この河川の1地点における水面勾配を取得する水面勾配取得部6と、通水能取得部5により取得された通水能と水面勾配取得部により取得された水面勾配とに基づいてこの河川の1地点における流量を取得する流量取得部7と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、河川の流量算出装置に関する。
河川のある地点における流量を連続的、自動的に計測する方法として、非特許文献1に開示されているように、実測された水位と、予め取得された水位流量曲線(以下、H−Q曲線という。)とを利用した方法が用いられている。このH−Q曲線は、河川のある地点における流量Qが、水位Hが定まれば一意に定まると仮定して得られるものである。しかしながら、実際の河川は、海の潮汐、高潮、他の河川の合流、下流の可動堰などによる背水の影響を受けるので、流量Qが水位Hに対して一意に定まるわけではなく、H−Q曲線を用いて精度よく流量を測定することは困難である。
そこで、特許文献1では、2地点の水位及びその間の距離から求めた水面勾配I、河川の断面積A、流れの粗度係数n、径深Rを用いることにより、下式(1)、(2)により流量を求めることが記載されている。
Q=A・v (1)
v=(1/n)・I1/2・R2/3 (2)
水文観測(平成14年版)、国土交通省河川局監修、p221,232,233(2002) 特開2000−230224号公報
Q=A・v (1)
v=(1/n)・I1/2・R2/3 (2)
水文観測(平成14年版)、国土交通省河川局監修、p221,232,233(2002)
しかしながら、上式(1)、(2)を用いる場合には、河川の各地点における断面積A、流れの粗度係数n、及び径深Rを求める必要があり、これらを独立に精度よく求めることは困難である。
そこで本発明は、河川の1地点における流量を、その地点での水位及び水面勾配に基づいて、精度よくかつ容易に求めることが可能な河川の流量算出装置を提供することを目的とする。
本発明者らが検討したところ、河川の各地点において、水位Hと、通水能K=(A・R2/3)/nとの間に高い相関関係があり、予め各地点においてこの相関関係を求めておくことにより、実測した水位Hに基づいて流量を極めて容易にかつ精度よく求めることができることを見出した。
そこで本発明に係る河川の流量算出装置は、河川の1地点における、水位と通水能との相関関係が記憶された水位通水能相関関係記憶部と、この河川の1地点における水位を取得する主水位取得部と、水位通水能相関関係記憶部に記憶された水位と通水能との相関関係と、主水位取得部により取得された水位と、に基づいて、主水位取得部により取得された水位に対応する通水能を取得する通水能取得部と、この河川の1地点における水面勾配を取得する水面勾配取得部と、通水能取得部により取得された通水能と水面勾配取得部により取得された水面勾配とに基づいてこの河川の1地点における流量を取得する流量取得部と、を備える。
本発明によれば、あらかじめ河川の1地点において定められた、水位と通水能との相関関係と、実測された水位とに基づいて、この地点における正確な通水能Kが求まり、さらに、この通水能と、測定された水面勾配iとから、下式(3)に基づいて流量Qを容易にかつ精度よく取得することができる。なお、本発明において河川の1地点とは、水位と通水能との相関関係が成り立つ範囲内の地点であることを意味する。
Q=K・i1/2 (3)
Q=K・i1/2 (3)
すなわち、水面勾配を用いることにより、背水の影響を考慮に入れた精度の高い流量の取得ができるうえ、さらに、予め取得された水位と通水能との相関関係と、実測された水位とに基づいて通水能を求めているので、河川の断面積A、流れの粗度係数n、径深R等を個別に求める必要が無く、きわめて迅速かつ容易に流量を精度よく測定できるのである。
通常は(3)式を用いて流量Qを精度よく取得することができるが、水面が時間的に急激に上昇する場合などは、下式(4)のように水面勾配iの他に、第2項、第3項のような補正の項を含む式を用いる必要がある。
Q=K・[i−(∂(Q2/2gA2)/∂x)
+(1/g・∂(Q/A)/∂t)]1/2 (4)
しかし、通常は上式(4)の根号内の第2項、第3項は第1項の水面勾配に比べて十分に小さいので、第2項、第3項を省略した(3)式を用いても実用上差支えない。
Q=K・[i−(∂(Q2/2gA2)/∂x)
+(1/g・∂(Q/A)/∂t)]1/2 (4)
しかし、通常は上式(4)の根号内の第2項、第3項は第1項の水面勾配に比べて十分に小さいので、第2項、第3項を省略した(3)式を用いても実用上差支えない。
ここで、本発明に係る河川の流量算出装置は、河川の他の1地点における水位を取得する補助水位取得部をさらに備え、水面勾配取得部は、主水位取得部より得られる水位と、補助水位取得部より得られる水位と、に基づいて水面勾配を取得することが好ましい。
ある1地点の通水能を取得するために必要なその特定の地点の水位の他に、別の1地点の水位を測定することにより、この2地点間の水位差が求まる。さらに、この水位差及び2地点の河川の流路の距離とから水面勾配が求まる。このようにして求まる水面勾配及び通水能と上式(3)との関係から、流量を精度よく、かつ容易に取得することができる。
本発明の河川の流量算出装置によれば、河川の1地点における流量を、その地点での水位及び水面勾配に基づいて、精度よくかつ容易に求めることができる。
(流量算出装置)
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る河川の流量算出装置1を含む流量観測装置100を示す概略構成図である。本実施形態の流量観測装置100は、主水位計9、補助水位計10、及び、河川の流量算出装置1を主として備えている。
主水位計9は、河川の流量が測定されるべき観測地点A(図2参照)の水位haをリアルタイムに、例えば、所定時間間隔で測定する。このような主水位計9としては、例えば、水圧式水位計、圧力式水位計等が挙げられる。なお、ここでの水位haは、観測地点Aでの河床の標高Gaを基準とする。
補助水位計10は、河川の観測地点Aとは異なる他の補助地点Bの水位hbをリアルタイムに、例えば、所定時間間隔で測定する。補助水位計10も、主水位計9と同様のものを使用できる。補助地点Bは、観測地点Aよりも下流側であることが好ましいが、上流側でも実施は可能である。なお、ここでの水位hbは、補助地点Bでの河床の標高Gbを基準とする。
河川の流量算出装置1は、主に、水位通水能相関関係記憶部2、主水位取得部3、補助水位取得部4、通水能取得部5、水面勾配取得部6、流量取得部7、流量出力部8を備えており、好ましくはいわゆるコンピュータにより実現される。
水位通水能相関関係記憶部2は、河川の観測地点Aの水位haと、観測地点Aにおける通水能Kとの相関関係を予め記憶している。河川の地点毎に、水位と通水能K=(A・R2/3)/nとは、例えば図3に示すように高度な相関関係を示す。図1の水位通水能相関関係記憶部2は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶手段であり、これらの記憶手段に、例えば、水位haと通水能Kとの相関関係が記憶されている。この相関関係は、例えば、K=f(ha)のような、haに対してKが一対一に対応する関数や、haの所定範囲ごとに対応するKの関係式や、haの値やhaの所定範囲ごとに対応するKの値を定めたデータテーブル等として記憶されている。
主水位取得部3は、主水位計9により取得された、河川の観測地点Aの水位haを取得する。例えば、主水位計9によって測定された水位haは、電圧等の電気信号に変換され、主水位取得部3が取得する。さらに、主水位取得部3は、測定された水位haの値に観測地点Aの河床の標高Gaの値を加える計算機能を備えることが好ましい。これにより、主水位取得部3は、図2に示すような、測定された水位haの値と観測地点Aの河床の標高Gaの値との和である観測地点Aの河川の水面の標高Haの値を取得する。ただし、観測地点Aの河床の標高Gaの値は、必ずしも観測地点Aの河床の標高Gaの値そのものを用いなくてもよく、例えば、観測地点Aの周辺に観測所等が設置されている場合には、観測所の標高を河床の標高の代わりに用いてもよい。
通水能取得部5は、水位通水能相関関係取得部2にあらかじめ記憶された、水位haと通水能Kとの相関関係と、主水位取得部3によって取得された水位haとに基づいて、測定された水位haに対応する通水能Kの値を取得する。たとえば、水位haと通水能Kとの相関関係が、例えば、K=f(ha)のような関数であれば、haとして主水位取得部3が取得した値を代入すればよく、データテーブルであれば、haの値に対応するKの値を探索すればよい。
補助水位取得部4は、補助水位計10により取得された、河川の補助地点Bの水位hbを取得する。例えば、補助水位計10によって測定された水位hbは、電圧等の電気信号に変換され、補助水位取得部4が取得する。さらに、補助水位取得部4もまた、主水位取得部3と同様に、測定された水位hbの値に補助地点Bの河床の標高Gbの値を加える計算機能を備えることが好ましい。これにより、補助水位取得部4は、図2に示すような、測定された水位hbの値と補助地点Bの河床の標高Gbの値との和である補助地点Bの河川の水面の標高Hbの値を取得する。ただし、補助地点Bの河床の標高Gbの値もまた、必ずしも補助地点Bの河床の標高Gbの値そのものを用いなくてもよく、補助地点Bの周辺に観測所等が設置されている場合には、観測所の標高を河床の標高の代わりに用いてもよい。
水面勾配取得部6は、主水位取得部3によって得られた観測地点Aでの河川の水面の標高Ha(=ha+Ga)と、補助水位取得部4によって得られた補助地点Bでの河川の水面の標高Hb(=hb+Gb)と、に基づいて河川の水面の標高差を求め、この値を2地点AB間の直線距離で除した値を水面勾配iとして取得する。
ここで、図2を参照して、水面勾配iを取得する具体的な方法について説明する。
図2は、河川と、河川に沿って設置されている観測地点A、補助地点B、補助地点Cを示す。観測地点Aに対して補助地点Cが上流側、補助地点Bが下流側であり、観測地点Aが流量を測定すべき地点である。また、観測地点Aから補助地点Bまでの直線距離がW1、観測地点Aから補助地点Cまでの直線距離がW2である。さらに、Lは河川の水面、Gは河床、Ha(=ha+Ga)、Hb(=hb+Gb)、Hc(=hc+Gc)は観測地点A、補助地点B、補助地点Cそれぞれで測定される各地点での河川の水面の標高であり、各地点での水位と河床の標高との和で表わされる。標高の基準は、例えば、河口の平均海面である。
河川の水面の標高差ΔHは、観測地点Aと補助地点Bとの間、観測地点Aと補助地点Cとの間で、それぞれ、Ha−Hb、Hc−Haとなる。
そして、本実施形態では、観測地点Aと補助地点Bとの河川の水面の標高差ΔHとすると、観測地点Aと補助地点Bとの水面勾配はΔH/W1より求まる。本実施形態では、観測地点Aでの水面勾配iを、観測地点Aと、観測地点Aよりも下流側の補助地点Bとの間の水面勾配とみなしている。これにより、背水の影響を十分考慮した上で観測地点Aの水面勾配を取得できる。W1は観測地点Aの水面勾配iを使用する意味で、水面勾配の測定誤差が大きくならない範囲でできるだけ小さいことが望ましく、例えば、0.5〜10kmである。なお、近似的には、観測地点Aと、観測地点Aよりも上流側の補助地点Cとの間の水面勾配をもって観測地点Aでの水面勾配iとしてもよく、また補助地点Bと補助地点Cとの水面勾配をもって観測地点Aでの水面勾配としてもよい。
また、水面勾配取得部6は、必ずしも主水位取得部3が得た水位haに基づいて水面勾配を取得する必要はなく、例えば、図1に点線で示すように、観測地点A等に設けた水面勾配計11により得られた値を取得してもよい。
流量取得部7は、通水能取得部5及び水面勾配取得部6によりそれぞれ得られた、観測地点Aにおける通水能K及び水面勾配iを用いて、(3)式により観測地点Aにおける流量Qを取得する。
Q=K・i1/2 (3)
Q=K・i1/2 (3)
流量出力部8は、取得された流量Qや、通水能K、水面勾配i等を、画面に表示したり、記録したり、他の場所に送信したりする。
(水位通水能相関関係の取得方法)
続いて、水位通水能相関関係記憶部2に記憶される水位と通水能との相関関係の取得方法を説明する。
続いて、水位通水能相関関係記憶部2に記憶される水位と通水能との相関関係の取得方法を説明する。
水位と通水能との相関関係を取得するために、まず、当該観測地点Aにおける、様々な時刻における、水位ha、流量Q、水面勾配iの組み合わせのデータを取得する。例えば年間を通して様々な水文環境下での、水位ha、流量Q及び水面勾配iの組み合わせのデータを測定する。
流量Qの測定方法としては、下式(5)を用いた区分法によることが好ましい。
Q=ΣAi・vi=A・v (5)
(各区分の断面積:Ai、各区分を代表する区分流速:vi、全断面:A、全断面Aに関する平均流速:v)
すなわち、観測地点Aにおける河川の流れに直交する断面Aを、図4に示すように水平方向に複数に区分し、各区分の断面積Aiを求める一方、各区分を代表する区分流速viを測定し、上式(5)を用いて全流量を求めるのである。
Q=ΣAi・vi=A・v (5)
(各区分の断面積:Ai、各区分を代表する区分流速:vi、全断面:A、全断面Aに関する平均流速:v)
すなわち、観測地点Aにおける河川の流れに直交する断面Aを、図4に示すように水平方向に複数に区分し、各区分の断面積Aiを求める一方、各区分を代表する区分流速viを測定し、上式(5)を用いて全流量を求めるのである。
各区分の流速の測定方法としては、例えば三映式流速計、プライス電気式流速系、電磁流速計等を用いることができるが、水圧式水深流速計を用いると、河川の水深と流速とを同時に測定できるため好ましい。
また、区分法で無く、ADCP(Acoustic Doppler CurrentProfiler)等のドップラー効果を応用した流速の測定方法を用いることも好ましい。ADPC法では、河川の断面において水平方向及び鉛直方向の流速分布を高精度に測定でき、流速を積分することにより、精度の高い流量Qが得られる。
このようにして、水位ha、流量Q及び水面勾配iについての多数のデータを測定したのち、下式(6)を用いて、流量Q及びiに基づいて通水能Kをそれぞれ算出する。
K=Q/i1/2 (6)
K=Q/i1/2 (6)
そして、このようにして得られた、水位haと、通水能Kとの組み合わせのデータを、図3のようにプロットすることにより、水位haと通水能Kとの相関関係が明らかとなる。その後、適切な回帰式を取得したり、データテーブルを取得し、公知の方法で、水位通水能相関関係記憶部2に記憶させればよい。
なお、既に精度の高いデータが十分にある場合には、新たにデータを測定することなく、従来からあるデータを用いて相関関係を求めてもよいことは言うまでもない。
(流量観測装置の動作)
続いて、本実施形態の河川の流量観測装置100の動作について説明する。
続いて、本実施形態の河川の流量観測装置100の動作について説明する。
まず、測定対象である観測地点Aにおける水位haが主水位計9により測定され、主水位計9で得られた水位の情報は主水位取得部3に伝送される。また、測定対象の観測地点Aよりも下流の補助地点Bにおける水位が補助水位計10により測定され、補助水位計10で得られた水位の値は補助水位取得部4に伝送される。なお、観測地点Aと補助地点Bとの間の直線距離は、あらかじめ測定され、水面勾配取得部6に記憶されているものとする。また、観測地点Aと補助地点Bとの間の河川の水面の標高差ΔH算出するために、各地点の河床の標高Ga,Gbは、水面勾配取得部6に記憶されていてもよいし、上述のように、あらかじめ主水位取得部3及び補助水位取得部4に記憶されていてもよい。
次に、主水位取得部3により得られた水位haと、水位通水能相関関係記憶部2にあらかじめ記憶されている水位と通水能との相関関係と、に基づいて、水位haに対応する地点Aの通水能Kが取得される。また、主水位計取得部3及び補助水位取得部4においてそれぞれ得られた水位ha,hbの値に基づいて算出された河川の水面の標高Ha,Hbの値から、水面勾配iが取得される。
そして、取得された観測地点Aの通水能Kと、水面勾配iとに基づいて、観測地点Aの流量Qが取得され、出力される。
本実施形態によれば、河川における流量が測定されるべき観測地点Aにおける、予め定められた水位haと通水能Kとの相関関係と、実測された水位haとに基づいて、正確な通水能Kが求まり、さらにこの通水能Kと、測定された水面勾配iとから、流量Qを容易にかつ精度よく取得することができる。すなわち、水面勾配を用いることにより、感潮区間や堰の上流などの背水の影響を多く受ける場所でも、精度の高い流量の取得ができる。さらに、予め取得された水位と通水能との相関関係と、実測された水位とに基づいて通水能を求めているので、河川の断面積A、流れの粗度係数n、径深R等を個別に求める必要が無く、きわめて迅速かつ容易に流量を測定できるのである。つまり、河道の形状によるエネルギー損失、水制及び立木などの抵抗力、水の中の乱流によるエネルギー損失等、全ての損失に係る係数である流れ粗度係数nや、水位と共に複雑な変化をする断面特性A・R2/3を個別に評価することなく、精度の高い流量の測定が可能なのである。
なお、本実施形態は、上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。
例えば、上記実施形態では、水位と通水能との相関関係において、水位として観測地点Aの河床の標高を基準とした水位を採用しているが、例えば、水面勾配を取得する区間である観測地点Aと補助地点B又はCとの間で代表的な、河床の標高を基準とした水位を採用してもよい。さらに、過去に測定された水位−流量曲線のデータとの比較のために、水位と通水能との相関関係において、水位として観測地点Aの河床の標高を基準とした水位を採用しているが、観測地点Aの河川の水面の標高を採用しても構わない。また、各地点での水位は、より正確には径深Rで表わすことができる。径深とは、各地点での河川の断面積を、潤辺(河川の断面のうち、水と接触している部分)の長さで除した値である。そのため、各地点での河川の断面積及び潤辺の長さが明らかとなる場合には、各地点での水位の代わりにこのような径深を用いてもよい。
1…河川の流量算出装置、2…水位通水能相関関係記憶部、3…主水位取得部、4…補助水位取得部、5…通水能取得部、6…水面勾配取得部、7…流量取得部、100…河川の流量測定装置。
Claims (2)
- 河川の1地点における、水位と通水能との相関関係が記憶された水位通水能相関関係記憶部と、
前記河川の1地点における水位を取得する主水位取得部と、
前記水位通水能相関関係記憶部に記憶された水位と通水能との相関関係と、前記主水位取得部により取得された水位と、に基づいて、前記主水位取得部により取得された水位に対応する通水能を取得する通水能取得部と、
前記河川の1地点における水面勾配を取得する水面勾配取得部と、
前記通水能取得部により取得された通水能と前記水面勾配取得部により取得された水面勾配とに基づいて前記河川の1地点における流量を取得する流量取得部と、
を備える河川の流量算出装置。 - 前記河川の他の1地点における水位を取得する補助水位取得部をさらに備え、
前記水面勾配取得部は、前記主水位取得部より取得された水位と、前記補助水位取得部より取得された水位と、に基づいて水面勾配を取得する請求項1記載の河川の流量算出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008099225A JP2009250789A (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 河川の流量算出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008099225A JP2009250789A (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 河川の流量算出装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009250789A true JP2009250789A (ja) | 2009-10-29 |
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JP2008099225A Pending JP2009250789A (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 河川の流量算出装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2009250789A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004293080A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Kanto Regional Development Bureau Ministry Of Land Infrastructure & Transport | 河川の下流水位予測方法 |
-
2008
- 2008-04-07 JP JP2008099225A patent/JP2009250789A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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