JP2009247532A - 踏台及び防汚カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】踏台に載った状態で手術や作業を長時間にわたって行なっても、手術や立ち作業等による疲労が抑制可能な踏台を提供すること。また、血液等が付着され易い環境で用いられても踏台への汚染を抑制することが可能な防汚カバーを提供すること。
【解決手段】踏台10であって、足を載置可能な受部材14と、前記受部材14を支持する支持部材12とを備え、前記受部材14は、上面に低反発性材料からなるマット16を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、手術等の立ち作業に際して、疲労の発生を抑制可能な踏台及び踏台への汚染物質等の付着を抑制可能な防汚カバーに関するものである。
周知のように、手術台に載置された患者に対する手術や作業台に載置された製品等に対する手作業等(以下、手術等という)を行なうにあたって、手元高さを調整して正確かつ効率的に手術等を行なうために昇降により高さを調整可能な手術台等が広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
上記手術台等を用いて複数人が連携しながら手術等をする場合、手術台等の昇降だけでは手元高さの個人差を調整できない場合があり、その個人差を調整する手段として踏台が用いられる場合がある。
特開2002−209957号公報
しかしながら、手術を例にすると医師は手術に集中して踏台上でほとんど移動することができず、又手術が長時間にわたる場合には、足裏、脚部が疲労し、この足裏、脚部の疲労が全身に拡がるという問題がある。
一方、手術等においては血液をはじめとする体液が踏台上に飛散又は滴下して踏台に付着して踏台が汚染される場合がある。この汚染に起因する感染症等を防止するために医療スタッフが長時間掛けて踏台を洗浄することが行なわれており、医療スタッフ不足が社会問題視される昨今の社会情勢において、かかる汚染を抑制するための有効な手段が要請されている。
また、例えば、有害な化学物質や油を用いる作業現場においても同様の要請がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、踏台に載った状態で手術や作業を長時間にわたって行なっても、手術等による疲労の発生を抑制可能な踏台を提供することにある。
また、踏台を、血液をはじめとする体液や有害物質等が飛散等する環境において使用しても、踏台の汚染を抑制可能な防汚カバーを提供することにある。
上記のような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、踏台であって、足を載置可能な受部材と、前記受部材を支持する支持部材とを備え、前記受部材は、上面に低反発性材料からなるマットを有していることを特徴とする。
この発明に係る踏台によれば、低反発性材料からなるマットに足を載せて手元高さを調整したうえで手術等を行なうので、足裏、脚部の疲労が軽減されて長時間の手術等における身体的な疲労が抑制される、
これは、マットが低反発性材料で形成されることにより足裏面がマットにより広い面積で接触することにより足裏の局部的な接触が抑制されるためと考えられる。
この明細書において、低反発性材料とは、歩行する足が着地する際に足の着地速度と略同じ速度で変形することで足に対する衝撃をやわらげることが可能な材料であり、例えば、反発弾性率20%以下(エネルギー吸収率80%以上)、さらに好適には、反発弾性率10%以下(エネルギー吸収率90%以上)のものをいう。
上記条件のもと、化学的に単一な材質、化学的に単一な材質を複数混合して得られる材料のいずれも含み、又構造的に複数の層を有するもの、空気やゲルからなる部材を内部に有するもの等、種々の材料が対象とされる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の踏台であって、前記低反発性材料は、発泡ニトリルゴムにより構成されていることを特徴とする。
この発明に係る踏台によれば、低反発性材料が発泡ニトリルゴムにより構成されているので、充分な低反発性と耐久性とを確保することが可能となり、その結果、マットが劣化、破損することによる立ち作業での不安定の発生が抑制されるとともにランニングコストが低減される。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の踏台を被覆するための防汚カバーであって、請求項1又は請求項2に記載の踏台を被覆するための防汚カバーであって、被覆部材と、前記被覆部材に設けられた弾性収縮部材又は巾着部材からなる取付手段とを備え、前記被覆部材は、少なくとも一方の面に防水層が形成されたシート状の不織布、又は樹脂製シートからなり、前記取付手段は、前記受部材の平面視外形に対応する領域の周縁側に配置され、前記弾性収縮部材が伸縮し又は前記巾着をすぼめることにより前記受部材を被覆した状態で前記踏台に取り付け可能とされていることを特徴とする。
この発明に係る防汚カバーによれば、弾性収縮部材が伸縮し又は巾着をすぼめることにより被覆部材が受部材を被覆した状態で踏台に取り付け可能とされるので、容易に踏台に取り付けられるとともに受部材を安定して被覆することができる。
また、被覆部材が不織布により形成されているので、手術等において足の位置が移動しても被覆部材に破損、孔が発生することが抑制されるとともに、防水層を有しているので手術における血液等又は作業における有害物質等が落下してもマットへの付着、汚染が抑制される。
本発明に係る踏台によれば、踏台に載って行なう手術等において、疲労の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る防汚カバーによれば、踏台に容易に取り付けられるとともに受部材を安定して被覆することができるので、手術における血液等又は作業における有害物質等の踏台への付着、汚染を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1、図2は一実施形態に係る踏台10、防汚カバー30を示す図である。
踏台10は、手術や手作業(以下、手術等という)を行なう際に、医師等の医療スタッフ又は作業者等(以下、医師等という)が載って手術台又は作業台(以下、手術台等という)に対する手元高さを調整するために用いるためのものである。
踏台10は、例えば、ステンレス鋼により柱状に形成された4本の支持部材12と、これら支持部材12を立設した状態で支持部材12の上方に配置され矩形平板状とされた受部材14とを備えており、受部材14は、矩形平板状の受部材基部15と、受部材基部15の上面に配置されるマット16とから構成されている。
受部材基部15は、例えば、ステンレス鋼板の周縁部を下方に垂下して形成した基部本体15Aと、基部本体15Aから上方に伸び基部本体15Aの4つの角部に配置されたコーナー部材15Bとを備えており、コーナー部材15Bは、平板状に形成され基部本体15Aの4つの角部にて隣り合う2つの辺同士間に直線的に接続するように立設配置され、スポット溶接により基部本体15Aに固定されている。
なお、隣り合う2つの辺を直線的に結ぶコーナー部材15Bに代えて、例えば、基部本体15Aの面方向内方に突出するR部を有する部材をスポット溶接により基部本体15Aに固定してもよい。
マット16は、4つの角部にコーナー部材15Bに対応するコーナー形状部が形成されている。
マット16の4つの角部にコーナー形状部が形成されることにより、踏台10の受部材14に別の踏台10の支持部材12を安定して載せることが可能とされ、その結果、踏台10を積み重ねて高さ調整をすることが可能とされている。
なお、踏台10を積み重ねて高さ調整をする場合を考慮して、踏み台の高さに関して、例えば、8cm、13cmといった複数の高さを設けて、その組み合わせにより種々に高さの人、必要とされる手元高さに対応可能とすることがより好適である。
また、マット16は、例えば、厚さ約2cmの発泡ニトリルゴム(低反発性材料)から構成されていて、人が載った場合に足裏の形状に沿って変形しその変形が維持され易いようになっている。
この実施形態における発泡ニトリルゴムは、例えば、硬度 ショアーA H45〜52、さらに好適にはH48〜50、伸び 620〜660%とされている。
また、支持部材12の下部には、例えば、ゴム製のキャップが被せられていて床面に対するすべりを抑制するとともに、床面に落下した血液がキャップに付着した場合に、キャップのみを交換することが可能とされている。なお、キャップは、有害ガス等の発生をともなわずに焼却等が可能な材料等により形成されることが好適である。
防汚カバー30は、踏台10に被せて受部材14を被覆するためのものであり、この実施形態において、受部材14及び支持部材12を含む踏台10全体を被覆可能とされている。なお、防汚カバー30は少なくとも受部材14を被覆可能な形状及び大きさに形成されており、複数の踏台10を積み重ねる場合に対応して、例えば、2段用、3段用のものを用意することも可能である。
防汚カバー30は、被覆部材32と、踏台10への取付手段として被覆部材32に設けられた環状ゴム(弾性収縮部材)34とを備えている。
被覆部材32は、シート状の不織布32Aからなり、裏面(受部材14と接する側の面)に防水層32Bが形成されて、水、血液等の体液、油等が浸透しないようになっている。
また、被覆部材32は、例えば、熱接着等の接着手段又は縫製により踏台10を覆うことが可能に形状に成形されている。
また、環状ゴム34は、被覆部材32の周縁部近傍に設けられ、環状ゴム34の内周は受部材14を平面視した場合の受部材14の外形に対応する領域より外方(周縁側)に配置され、環状ゴム34が伸縮することにより受部材14及び支持部材12を被覆するとともに踏台10に取り付け可能とされている
防汚カバー30は、踏台10全体を被覆するように行なわれ、図3は、例えば、2つの踏台10を積み重ねた場合の例を示している。
なお、防汚カバー30は、踏台10全体を被覆することは必要とされず、踏台10の少なくとも受部材14を被覆可能であればよい。
踏台10によれば、マット16が発泡ニトリルゴムからなる低反発性材料により構成されているので、手術、手作業等に際して、足裏、脚部の疲労が軽減されて長時間の手術等において神経を集中することが可能とされる。
また、発泡ニトリルゴムにより構成されていることにより充分な耐久性が確保され、マット16が劣化することによる立ち作業時の不安定の発生を抑制するとともにコストの低減が実現される。
また、複数の踏台10を積み重ね可能とされているので、手元高さを柔軟に調整することができる。
防汚カバー30によれば、被覆部材32が不織布32Aにより形成されているので、足を頻繁に移動させても被覆部材32の破損、孔あきの発生が抑制され、また、防水層32Bを有しているので、手術における血液等の体液や、作業における有害物質等が滴下してもこれらがマット16側に浸透することが抑制される。その結果、マット16、ひいては踏台10の汚染及び劣化が抑制される。また、防汚カバー30を医療廃棄物(又は産業廃棄物として適切に処理することにより踏台10の洗浄作業が不要又は軽減されるのでそれにともなう労働時間、コストを低減することができる。
また、防汚カバー30によれば、環状ゴム34が伸縮することで受部材14に対して容易かつ安定して取り付けることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態においては、低反発性材料が発泡ニトリルゴムにより構成されている場合について説明したが、ブチルゴム、発泡ウレタンフォーム等、他の低反発性材料によって構成してもよい。
上記実施の形態においては、被覆部材32を構成する不織布32Aの裏面に防水層32Bが形成されている場合について説明したが、防水層32Bは不織布の表面(踏台10に被せた場合に露出する側の面)、又は裏面と表面の双方に形成してもよい。
また、被覆部材32を不織布に代えて合成樹脂をシート状に形成された樹脂製シート、例えば、ポリエチレンシートにより構成してもよい。この場合、ポリエチレンシートが防水性を有しているために被覆部材を1層として加工を容易にするとともにコストを低減することができる。
また、樹脂製シートの表面にエンボス加工による微細な凹凸を設けた、例えば、エンボス加工ポリエチレンシートを用いて滑り難くし、又は他の部材と組み合わせて用いることも可能である。
また、上記実施の形態においては、防汚カバー30の周縁部近傍に環状ゴム34が配置される場合について説明したが、環状ゴム34等の取付部材を被覆部材32の内方に配置することにより踏台10を被覆した際に被覆部材32の周縁がスカート状となる構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、取付手段が、環状ゴム34からなる場合について説明したが、環状ゴム34に代えて、両端部を連結して環状としたコイルスプリング、C形に湾曲させて離間した端部を近接離間することで弾性を得る弾性部材等、弾性収縮性を有する他の部材を用いてもよいし、弾性伸縮部材に代えて、他の実施形態として図4に示すように紐等の索状体を引っ張ることによりすぼめる巾着36を設ける構成としてもよい。
また、受部材14の角部に他の踏台10の支持部材12を載置して積み重ねることにより踏台10の高さが調整可能な場合について説明したが、例えば、支持部材12にネジからなるジャッキ構造を設けて高さを調整するようにしてもよい。
また、複数の踏台10を横方向に並べて使用するために、隣接する踏台10同士を接続して踏台10が個々に動かないようにする固定フックとともに使用可能な構成とし、そのために、固定フックを取り付けるためのフック受部を踏台10に設けてもよい。
また、上記実施の形態においては、踏台10を構成する支持部材12、受部材基部15がステンレス鋼により構成される場合について説明したが、ステンレス鋼に代えて、例えば、鉄、アルミ、エンジニアリングプラスチック等、他の材料により構成してもよく、又踏台10を構成する部材の全部又は一部を、銀、銅等、細菌の増殖を抑制する抗菌材料により被覆してもよい。
本発明の一実施形態に係る踏台を示す斜視図である。 本発明に係る防汚カバーの一実施形態を示す図であり、(A)は防汚カバーの概略を示す斜視図を、(B)は被覆部材の一部断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係る踏台を積み重ねて防汚カバーに被せた状態を示す斜視図である。 本発明に係る防汚カバーの他の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
10 踏台
12 支持部材
14 受部材
16 マット
30 防汚カバー
32 被覆部材
32A 不織布
32B 防水層
34 環状ゴム(弾性収縮部材)
36 巾着

Claims (3)

  1. 足を載置可能な受部材と、
    前記受部材を支持する支持部材とを備え、
    前記受部材は、上面に低反発性材料からなるマットを有していることを特徴とする踏台。
  2. 請求項1記載の踏台であって、
    前記低反発性材料は、発泡ニトリルゴムにより構成されていることを特徴とする踏台。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の踏台を被覆するための防汚カバーであって、
    被覆部材と、前記被覆部材に設けられた弾性収縮部材又は巾着部材からなる取付手段とを備え、
    前記被覆部材は、少なくとも一方の面に防水層が形成されたシート状の不織布、又は樹脂製シートからなり、
    前記取付手段は、前記受部材の平面視外形に対応する領域の周縁側に配置され、前記弾性収縮部材が伸縮し又は前記巾着をすぼめることにより前記受部材を被覆した状態で前記踏台に取り付け可能とされていることを特徴とする防汚カバー。

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