JP2009247528A - 運動評価装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】スポーツにおける合理的な力の使い方の習得を支援する仕組みを提供すること。
【解決手段】読み出し制御部25〜27は、加速度センサ11により取得した加速度波形、加速度波形の1階微分波形、加速度波形の2階微分波形、および3階微分波形の各サンプル列を評価制御部28へ引き渡す。評価制御部28は、それらのサンプル列を基に加速度波形の特徴点を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を生成し、そのテーブル32とリファレンスデータテーブル31の各レコードが示す特徴点の模範とのずれ量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、運動の際の緩急の評価に好適な運動評価装置およびプログラムに関する。
テニスやゴルフなどのスポーツのトレーニングの多くの時間は、その基本となる運動の習得に費やされている。特許文献1および2には、性別や年齢を問わず広く普及しているスポーツの一つであるゴルフのスイングの習得を支援する仕組みの開示がある。特許文献1に開示された動作練習装置は、腰、肩、肘などの競技者の身体の各部位の動作をセンサにより検出し、検出した各部位の動作とそれらのお手本との一致の程度を和音として表現する。また、特許文献2に開示されたスイング診断装置は、練習者の身体の各部に装着した加速度センサを用いてスイングの間のそれら各部の加速度を検出し、検出した加速度の微分値を基に割り出した極の数を基に、スイングの滑らかさの有無を判定する。
特開2004−24627号公報 特開平10−272216号公報
ところで、各スポーツにおいて上級者と呼ばれる者は、各々が行うスポーツの特性に合わせた合理的な力の使い方を身につけている。例えば、複数のプロゴルファーのスイングの間のクラブヘッドの加速度の変化の時間波形を比較すると、加速度がインパクトの瞬間までほぼ同じような曲線を描いて変化していることが分かる。これは、ボールのインパクトの瞬間のヘッドのスピードを極大化させるための合理的な加速度の緩急の付け方が存在し、上級者はいずれも、長年の研鑽によりその緩急の付け方を体得できているためである。どこで力を抜きどこで力を入れるのが理に適う運動であるかは、各スポーツの競技特性に依存し、それらのスポーツの日々のトレーニングの反復を通じてのみ体得されるものである。
しかしながら、上級者のレベルに至っていない者は、上級者からコーチングを受けることなく自らの運動(例えばスイング)中における力の入れ具合の良否を判断することができず、上級者の支援なしに理想的な運動を体得することは難しかった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、スポーツにおける合理的な力の使い方の習得を支援する仕組みを提供することを目的とする。
本発明の好適な態様にかかる運動評価装置は、被験者の力の作用を受けて運動する運動対象の運動量を検出し、検出した運動量の変化を示す運動量波形を取得する取得手段と、前記運動量波形を一階または複数階微分し、一階または複数階微分の微分値を取得する微分手段と、前記運動量波形の一または複数の特徴点を前記取得される微分値を基に抽出し、抽出した特徴点を評価する評価手段とを備える。
この態様によると、運動対象の運動量の変化を示す運動量波形の微分値を基に、その特徴点を抽出して評価する。よって、運動の開始から終了までの運動量波形の形状が理に適った力の使い方を反映したものであるかを、その間に検出した運動量のすべてを参照することなく評価することができる。これにより、被験者は、スポーツの基本的な運動を行うたびに表示される評価結果を確認し、力を入れるときと力を抜くときとを使い分ける訓練を積むことにより、上級者のような合理的な力の使い方を身につけることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態の特徴は、スポーツの基本的な運動の評価を受ける者(以下、「被験者」と呼ぶ)が運動を行う間に加速される身体や道具の部位(以下、「加速対象部位」と呼ぶ)の加速度を加速度センサにより測定し、測定した加速度の加速度波形から抽出した特徴点とその模範の加速度波形から抽出しておいた特徴点のずれ量を算出することにより、被験者が模範にどれだけ近い力の緩急の付け方を再現できているかを評価するようにした点である。本実施形態において、「特徴点」は、加速度波形の一階微分または複数階微分の微分値によってその波形の特徴を分類できる点を意味し、極大、極小、停留点などが該当する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる運動評価装置10の構成を示す図である。この運動評価装置10は、加速度センサ11、リファレンスデータ用メモリ12、ノイズ除去フィルタ13、微分回路14,15、ADC(Analog Digital Converter)16,17,18、書き込み制御部19,20,21、リングバッファ22,23,24、読み出し制御部25,26,27、評価制御部28、評価処理用メモリ29、およびディスプレイ30を有する。これらの各部は、被験者の掌に収まるサイズの筺体に搭載され、その筺体は、図示しない装着部材により加速対象部位へ装着される。被験者の身体や道具のどの部位に運動評価装置10を装着するかは、評価を行うスポーツの特性に依存して決まる。
加速度センサ11は、一軸のセンサであり、加速対象部位に加わる加速度を測定する。より詳細には、加速度センサ11は、第1の向きから加わる加速度を検出すると、その大きさに比例したレベルの正のアナログ信号を出力し、第1の向きと逆の第2の向きから加わる加速度を検出すると、その大きさに比例したレベルの負のアナログ信号を出力する。
リファレンスデータ用メモリ12は、リファレンスデータテーブル31を記憶するメモリである。
図2は、リファレンスデータテーブル31のデータ構造を示す図である。このテーブル31は、上級者による運動において取得された加速度の実測値が示す加速度波形の各特徴点に対応するレコードの集合体である。なお、リファレンスデータテーブル31のデータは実測値ではなく、理想的な加速度波形を示す理論値(計算値)でもよい。
1つの特徴点を示す1つのレコードは、その特徴点の出現時刻を示す「時刻」フィールドと、その特徴点における加速対象部位の加速度の大きさを示す「加速度」フィールドと、その特徴点の種別を示す「種別」フィールドとからなる。
リファレンスデータテーブル31の各レコードの「時刻」フィールドと「加速度」フィールドの内容は、加速度が正の最大値となる特徴点を基準の特徴点とみなし、この基準の特徴点と対応するレコード(以下、「基準レコード」という)の「時刻」フィールドの内容が「0」、「加速度」フィールドの内容が「1.0」となるように正規化されている。さらに詳述すると、各特徴点を示すレコードにおいて、「時刻」フィールドは、基準レコードの「時刻」フィールドが示す時刻(加速度の正の最大値の出現時刻)に対する各特徴点の出現時刻の相対時刻を示しており、正の最大値の出現時刻よりも前の時刻は負、後の時刻は正となっている。また、各特徴点を示すレコードにおいて、「加速度」フィールドは、基準レコードの「加速度」フィールドが示す加速度(加速度の正の最大値)に対する各特徴点の加速度を、正規化した比率で示している。
また、「種別」フィールドは、「極小」、「極大」、「上に凸の波形から下に凸の波形に切り換わる停留点」、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」、「その他の特徴点」の5つのうちのいずれかの種別を示す。
図1において、ノイズ除去フィルタ13は、加速度センサ11が出力するアナログ信号から高周波成分を除去して出力する。
微分回路14は、ノイズ除去フィルタ13から出力されるアナログ信号を微分し、加速度の1階微分値を示すアナログ信号を出力する。
微分回路15は、微分回路14から出力されるアナログ信号を微分し、加速度の2階微分値を示すアナログ信号を出力する。
ADC16は、ノイズ除去フィルタ13から出力されるアナログ信号を所定の周期のサンプリングクロックφによりサンプリングし、そのサンプル値を示すデジタル信号を出力する。
ADC17は、微分回路14から出力される加速度の1階微分値のアナログ信号をADC16と共通のサンプリングクロックφによりサンプリングし、そのサンプル値を示すデジタル信号を出力する。
ADC18は、微分回路15から出力される加速度の2階微分値のアナログ信号をADC16,17と共通のサンプリングクロックφによりサンプリングし、そのサンプル値を示すデジタル信号を出力する。
書き込み制御部19,20,21は、ADC16〜18から出力されるサンプル値をリングバッファ22,23,24に書き込む手段である。これらの書き込み制御部19〜21は、サンプリングクロックφのカウント数に従ってリングバッファ22〜24の書き込み先アドレスを歩進させつつ、ADC16〜18から出力されるサンプル値をその出力時の書き込み先アドレスへ書き込んでいく。
さらに、書き込み制御部19は、運動の始まりから終わりまでの時間Tのサンプル列がリングバッファ22〜24に得られた時点で自らと他の2つの書き込み制御部20,21による書き込みを停止させる第1の役割と、必要な波形のサンプル列が得られたことおよびリングバッファ22〜24におけるそのサンプル列の所在を評価制御部28と読み出し制御部25〜27へそれぞれ通知する第2の役割とを果たす。
第1の役割において、書き込み制御部19は、ADC16から出力される加速度のサンプル値が閾値thを超えるか否かを監視し、サンプル値が閾値thを超えてから時間T/2が経過した時に、リングバッファ22への書き込みを停止するとともに他の2つの書き込み制御部20,21によるリングバッファ23,24への書き込みを停止させる。ここで、閾値thは時間Tの間の最大ピークの加速度よりもわずかに小さい近傍値であることが望ましく、本装置10による評価を行うスポーツの特性、被験者の体力や身体の切れの状態などに応じて適宜変更されるとよい。
第2の役割において、書き込み制御部19は、リングバッファ22〜24への書き込みを停止すると、必要な波形のサンプル列が得られたことを示す採取完了通知信号を評価制御部28へ出力するとともに、リングバッファ22〜24への書き込みを停止した時の書き込み先のアドレスを示すアドレス通知信号を読み出し制御部25〜27へ出力する。
採取完了通知信号を受け取った評価制御部28は読み出し制御部25〜27へサンプル列の読み出し指令を出し、その指令を受けた読み出し制御部25〜27は、書き込み制御部19から受け取ったアドレス通知信号を頼りに、リングバッファ22〜24における最新の時間Tのサンプル列を読み出し、評価制御部28へ出力する。読み出しの具体的な手順は以下の通りである。読み出し制御部25〜27は、アドレス通知信号が示すアドレスよりも時間T相当だけ前のアドレスを読み出し先アドレスの開始アドレスとする。そして、この開始アドレスからアドレス通知信号が示すアドレスまでの各アドレスに書き込まれているサンプル値を順に読み出し、評価制御部28へ出力する。
評価処理用メモリ29は、被評価データテーブル32を記憶するためのメモリである。この被評価データテーブル32は、被験者の加速対象部位の加速度の実測を行うことにより得られた加速度波形の各特徴点を示すテーブルであり、評価制御部28によって作成される。この被評価データテーブル32は、リファレンスデータテーブル31と同様なデータ構造を有する。
評価制御部28は、以下に示す4つの制御を行う。1つ目は、読み出し制御部25〜27を介して、リングバッファ22〜24から加速対象部位の加速度波形、加速度波形の1階微分波形、加速度波形の2階微分波形の各サンプル列を読み出し、これらの読み出し波形に基づいて、加速対象部位の加速度波形の特徴点を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を作成し、評価処理用メモリ29に格納する制御である。2つ目は、被評価データテーブル32の各レコードの「時刻」フィールドと「加速度」フィールドを、リファレンスデータテーブル31の各レコードとの比較に供し得るように正規化する制御である。3つ目は、リファレンスデータテーブル31の各レコードと、それらのレコードとの比較に供する被評価データテーブル32の各レコードとを1組ずつマッチングする制御である。4つ目は、マッチングした各組のレコードの「時刻」フィールド同士の差と「加速度」フィールド同士の差とを基に、特徴点ごとのずれ量を算出し、それらのずれ量の総計から得た評価結果を提示する制御である。
ここで、以上説明した構成要素のうち、評価制御部28は、「加速度波形の一または複数の特徴点を加速度波形の微分値を基に抽出し、抽出した特徴点を評価する評価手段」を構成する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
図3は、評価制御部28の動作を示すフローチャートである。
ADC16がサンプリングした加速度が閾値thを超えて一定時間T/2が経過し、採取完了通知信号を書き込み制御部19から受け取ると、評価制御部28は、図3に示す処理を実行する。
まず、評価制御部28は、読み出し制御部25〜27を介して、リングバッファ22〜24から加速対象部位の加速度波形、加速度波形の1階微分波形、加速度波形の2階微分波形の各サンプル列を読み出し、これらの読み出し波形に基づいて、加速対象部位の加速度波形の特徴点を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を作成し、評価処理用メモリ29に格納する(S100)。
具体的には、評価制御部28は、最新の時間T内の加速度、加速度の1階微分値、加速度の2階微分値を走査しつつ、次のようにして加速度波形の特徴点を検出し、被評価データテーブル32を構成するレコードを生成する。
a.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」でかつその2階微分値が正である場合、または、加速度の1階微分値が負の無限大から正の無限大に変わる境目である場合、その加速度は極小である。そこで、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「極小」を「種別」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、例えば、リングバッファ22における加速度のサンプル値の読み出し先のアドレスに所定の演算を施すことにより求める。
b.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」でかつその2階微分値が負である場合、または、加速度の1階微分値が正の無限大から負の無限大に変わる境目である場合、その加速度は極大である。そこで、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「極大」を「種別」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
c.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」で且つその2階微分値が負から正に変わる境目である場合、その加速度は加速度波形が上に凸の波形から下に凸の波形に変わる停留点のものである。そこで、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「上に凸の波形から下に凸の波形に変わる停留点」を「種別」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
d.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」で且つその2階微分値が正から負に変わる境目である場合、その加速度は加速度波形が下に凸の波形から上に凸の波形に変わる停留点のものである。そこで、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」を「種別」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
e.ある時刻よりも前の加速度の1階微分値が変化しておりその時刻以降の所定時間長の加速度の1階微分値が変化していない場合(ある時刻で曲線に直線が接続)、ある時刻よりも前の所定時間長の加速度の1階微分値が変化しておらずその時刻以降の加速度の1階微分値が変化している場合(ある時刻で直線に曲線が接続)、または、ある時刻における加速度の2階微分値が正から負もしくは負から正に変わる境目であるものの上記c.とd.のいずれにも該当しない(即ち加速度の1階微分値が「0」でない)場合、それらの時刻における加速度は、その他の特徴点のものである。そこで、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「その他の特徴点」を「種別」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
次に、評価制御部28は、正規化処理を行う(S110)。
この処理は、被評価データテーブル32の各レコードにおける「時刻」と「加速度」の両フィールドを、リファレンスデータテーブル31の各レコードにおけるそれらのフィールドと比較し得るように変更する処理である。
この正規化処理では、被評価データテーブル32をなす各特徴点を示すレコードの中から加速度の正の最大値を示す基準レコードを求める。そして、この基準レコードの「時刻」フィールドの内容が例えばT0である場合に、各レコードの「時刻」フィールドの内容からT0を減算し、これらの減算結果により各レコードの「時刻」フィールドの内容を置き換える。また、基準レコードの「加速度」フィールドの内容が例えばA0である場合に、各レコードの「加速度」フィールドの内容に1/A0を乗算し、これらの乗算結果により各レコードの「加速度」フィールドの内容を置き換える。
次に、評価制御部28は、マッチング処理を行う(S120)。
この処理は、リファレンスデータテーブル31の各特徴点を示すレコードと、それらとの比較に供する被評価データテーブル32のレコードとを1組ずつマッチングする処理である。マッチングにより組として対応付けられるための条件は、特徴点の種別が同じであること、加速度波形の正の最大値との間の前後関係が同じであること、加速度波形の正の最大値から見た順番が同じであること、の3つである。
このマッチング処理では、両テーブル31,32の各レコードのうち、基準時「0」を示す「時刻」フィールドを持つレコード、つまり、加速度波形の正の最大値のレコードを基準レコードとしてそれぞれ特定する。その上で、「極小」フィールドを有するレコードおよび「極大」フィールドを有するレコードのマッチングを先に行い、その後に、「上に凸の波形から下に凸の波形に切り換わる停留点」フィールド、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」フィールド、および「その他の特徴点」フィールドを有するレコードのマッチングを行う。
「極小」フィールドを有するレコードおよび「極大」フィールドを有するレコードのマッチングにおいては、まず、リファレンスデータテーブル31の基準レコードの前に連なる一連のレコードおよび被評価データテーブル32の基準レコードの前に連なる一連のレコードから、「極小」フィールドを有するレコード群を個別に抽出する。そして、両レコード群の各レコードへ、基準レコードに近い順の番号を割り振り、同じ番号が割り振られたレコード同士をマッチングする。また、基準レコードの後に連なる「極小」フィールドを有するレコード群、基準レコードの前と後にそれぞれ連なる「極大」フィールドを有するレコード群についても、同様の手順に従ってそれぞれマッチングする。
「上に凸の波形から下に凸の波形に切り換わる停留点」フィールド、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」フィールド、および「その他の特徴点」フィールドを有するレコードのマッチングにおいては、リファレンスデータテーブル31からそれらのレコードの各々の前後に位置する「極小」と「極大」のレコードを対をそれぞれ特定する。さらに、その対のレコードの各々と同じ番号が割り振られている2つのレコードを被評価データテーブル32からも特定し、それらの2つのレコードの間にある一または複数のレコードから、リファレンスデータテーブル31のものと「種別」を同じくするレコードを探索する。そして、「種別」を同じくするレコードを探索し得た場合はそのレコードをマッチングし、探索し得なかった場合はマッチング相手がないものとして取り扱う。
このマッチング処理について、具体例を参照してさらに詳述する。図4は、リファレンスデータテーブル31の各レコードが示す特徴点an(nは2桁の正の整数)を結んだ加速度波形と、正規化処理済みの被評価データテーブル32の各レコードが示す特徴点bn(nは2桁の正の整数)を結んだ加速度波形とを、両者の正の最大値Pを揃えて重ね合わせた図である。この図4において、前者の加速度波形は実線により示し、後者の加速度波形は鎖線により示す。
両加速度波形の最大値Pの周辺がこの図4に示すような形状になっている場合、最大値Pの前に出現する「極小」である特徴点a11は、種別と最大値Pから見た順番とを同じくする特徴点b11とマッチングされる。また、最大値Pの後に出現する「極小」である特徴点a12は特徴点b12と、最大値Pの後に出現する「極大」である特徴点a21は特徴点b21と、それぞれマッチングされる。
「上に凸の波形から下に凸の波形に切り換わる停留点」、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」、および、「その他の特徴点」である特徴点anについては、その前後に位置する「極大」と「極小」を考慮に入れたマッチング相手の探索がなされる。例えば、「その他の特徴点である」である特徴点a52は、「極大」である最大値Pと「極小」である特徴点a11の間に出現している。そして、この特徴点a11は特徴点b11とマッチング済みであり、その特徴点b11と最大値Pとの間に出現する特徴点b52が、特徴点a52のマッチング相手となる。これに対し、「下に凸の波形から上に凸の波形に切り換わる停留点」である特徴点a31は、マッチング相手がないものとして扱われる。なぜなら、この特徴点a31は、「極大」である最大値Pと「極小」である特徴点a12の間に出現しており、特徴点a12とマッチング済みの特徴点b12と最大値Pとの間には、「その他の特徴点」である特徴点b51はあるものの、特徴点a31と種別を同じくする特徴点bnはないからである。
図3において、評価制御部28は、マッチングされたレコードの各組ごとに特徴点のずれ量を算出し、算出したずれ量を自らのメモリに記憶する(S130)
ずれ量は、図4の2次元座標系において、マッチングされた各組のレコードの「加速度」と「時刻」の両フィールドによりそれぞれ位置決めされる特徴点間の距離に相当する。よって、ずれ量は、「加速度」フィールドのレコード同士の差の2乗と「時刻」フィールドのレコード同士の差の2乗をそれぞれ求めて加算し、その平方根をとることにより得られる。
マッチングされたすべての組のずれ量を算出し終えると、評価制御部28は、それらのずれ量の総計を求め、求めた総計にマッチング相手がなかったレコードの分に相当するずれ量を上乗せして得た評価結果をディスプレイ30に表示させる(S140)。
ここで、マッチング相手がなかったレコードが示す特徴点の分に相当するずれ量は、マッチングされた各組について求めたずれ量のうちの最大値に、1より大きい定数(例えば2)を乗じることにより求める。図4の特徴点a31に対応するレコードのように、マッチング相手がないということは、力の緩急を付けねばならない箇所で緩急が付いていない運動であったということを意味し、模範に忠実な力の緩急の付け方を身につけるという目的から見れば、望ましいことではない。よって、このようなレコードについては、マッチングされたいずれの組のものよりも大きなずれがあるものとして取り扱うこととした。
以上説明したように、本実施形態では、加速対象部位の加速度変化を加速度センサ11により測定して得た加速度波形の特徴点と上級者の模範の運動を測定して得た加速度波形の特徴点とをマッチングする。その上で、マッチングし得た特徴点同士のずれ量の総計にマッチングし得なかった特徴点の分のずれ量を上乗せした値を、被験者が模範にどれだけ近い力の緩急の付け方を再現できているかを示す評価結果として提示する。よって、加速度センサ11の検出値のすべてを上級者の模範の検出値と比較するよりも簡単な処理によって、加速対象部位の加速度が模範と同じような曲線を描いて変化しているかを示す信頼性の高い評価を提示することができる。被験者は、運動を行うたびに表示される評価結果を確認し、加速対象部位に力を入れてその加速度を速めるときと力を抜いてその加速度を緩めるときとを使い分ける訓練を積むことにより、上級者のような理想の緩急の付け方を身につけることができる。
本実施形態にかかる運動評価装置10を用いて訓練を行うことにより改善が期待されるスポーツの基本的な運動の例を以下に示す。
a.テニスのサービス
テニスプレーヤがスイングするラケットに打撃されるボールの速度は、インパクトの瞬間のラケットの速度に依存する。サービスにおいては、トスされたボールが空中でほぼ静止した状態のときにインパクトされるので、インパクトの瞬間のラケットの速度がほぼそのままボールの速度に変換される。このサービスのラケットのスイングの際、ラケットをスイングする運動の最初から最大限の力を入れると、インパクトの瞬間までその力を持続できず、思ったほどの速度を得られない。これに対し、上級者は、力を抜いてスイングの運動に入り、スイングの始まりからインパクトまでのほぼ中間のタイミングで最大限の力を入れてそのままラケットを振り抜くことで、インパクトの瞬間の速度を極大化している。よって、上級者がサービスを行う間のラケットの先端の加速度波形の特徴点を示すレコードを集めたリファレンスデータテーブル31を運動評価装置10のリファレンスデータ用メモリ12に記憶させ、その運動評価装置10を被験者のラケットの先端に装着してサービスの訓練を行うことにより、上級者と同じような力の使い方を習得することが可能である。
b.カーレースの滑りやすい地面での急発進
停止した状態の自動車を発進させようとしてアクセルを踏み込むと、回転するタイヤと地面との間に地面の最大静止摩擦力を超えない程度のグリップ力が働き、自動車が前に進む。これに対し、雨で地面が濡れるなどによりその最大静止摩擦力が低下しているときに同じようにアクセルを踏み込むと、回転するタイヤと地面との間に働くグリップ力が地面の最大静止摩擦力を超えてタイヤが空回りしてしまう。そして、その様な状況にいったん陥ると、タイヤのグリップ力が最大静止摩擦力よりも小さな最大動摩擦力を下回るまでアクセルを緩めなければ空回りは止まらないため、発進に難儀する。これに対し、上級者は、天候などの諸条件から道路の最大静止摩擦係数を予測し、グリップ力がその最大静止摩擦力を超えないようにアクセルの踏み込み力を加減することで、急発進を確実に成功させる。よって、上級者が自動車を急発進させる間のアクセルの踏み込み足のつま先の加速度波形の特徴点を示すレコードを集めたリファレンスデータテーブル31を、運動評価装置10のリファレンスデータ用メモリ12に記憶させ、その運動評価装置10を被験者の踏み込み足のつま先に装着して急発信の訓練を行うことにより、上級者と同じようなアクセルの踏みこみ力の加減の仕方を習得することが可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態における「特徴点」の意味は第1実施形態と同様である。
図5は、本実施形態にかかる運動評価装置10Aの構成を示す図である。本実施形態における運動評価装置10Aは、上記第1実施形態(図1)における微分回路15の後段に、微分回路35を設け、さらにその後段に、ADC36、書き込み制御部37、リングバッファ38、および読み出し制御部39を設けたものである。微分回路35は、微分回路15が出力するアナログ信号を微分し、加速度の3階微分値を示すアナログ信号を出力する。そして、その後段に連なるADC36、書き込み制御部37、リングバッファ38、および読み出し制御部39が、ADC16〜18、書き込み制御部19〜21、リングバッファ22〜24、および読み出し制御部25〜27と同様の動作を行うことにより、時間Tの間の加速度の3階微分波形の各サンプル列が評価制御部28へ出力される。
また、本実施形態にかかる運動評価装置10Aのリファレンスデータテーブル31のデータ構造は第1実施形態と異なる。
図6は、本実施形態におけるリファレンスデータテーブル31のデータ構造を示す図である。このテーブル31は、加速度波形の1階微分値、2階微分値、および3階微分値のいずれかが0になる各特徴点と対応するレコードの集合体である。
このテーブル31において、1つの特徴点を示す1つのレコードは、その特徴点の出現時刻を示す「時刻」フィールドと、その特徴点における加速対象部位の加速度を示す「加速度」フィールドと、その特徴点を得た微分階数を示す「階数」フィールドとからなる。「階数」フィールドの内容は、「1階」、「2階」、「3階」のいずれかである。
また、本実施形態においては、図6に示したデータ構造を有する被評価データテーブル32が、評価制御部28によって生成され、評価処理用メモリ29に格納される。
次に、本実施形態の動作を説明する。
図7は、評価制御部28の動作を示すフローチャートである。
ADC16がサンプリングした加速度が閾値thを超えて一定時間T/2が経過し、採取完了通知信号を書き込み制御部19から受け取ると、評価制御部28は、図7に示す処理を実行する。
まず、評価制御部28は、読み出し制御部25,26,27,39を介して、リングバッファ22,23,24,38から加速対象部位の加速度波形、加速度波形の1階微分波形、加速度波形の2階微分波形、および3階微分波形の各サンプル列を読み出し、これらの読み出し波形に基づいて、加速対象部位の加速度波形の特徴点を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を作成し、評価処理用メモリ29に格納する(S101)。
具体的には、評価制御部28は、最新の時間T内の加速度、加速度の1階微分値、加速度の2階微分値、および加速度の3階微分値を走査しつつ、次のようにして加速度波形の特徴点を検出し、被評価データテーブル32を構成するレコードを生成する。
a.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」である場合、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「1階」を「階数」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、例えば、リングバッファ22における加速度のサンプル値の読み出し先のアドレスに所定の演算を施すことにより求める。
b.ある時刻において、加速度の1階微分値が「0」でなく2階微分値が「0」である場合、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「2階」を「階数」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
c.ある時刻において、加速度の1階微分値と2階微分値のいずれも「0」でなく3階微分値が「0」である場合、その時刻を「時刻」フィールドの内容とし、その時刻における加速度を「加速度」フィールドの内容とし、「3階」を「階数」フィールドの内容とするレコードを生成する。時刻は、a.と同様にして求める。
次に、評価制御部28は、正規化処理を行う(S111)。このステップS111における正規化処理の具体的な手順は、第1実施形態におけるステップS110と同様である。
評価制御部28は、自らのメモリに変数nを記憶する領域を確保し、その領域の変数nを1に設定した後(S112)、「n階」の「階数」フィールドを有するレコードについてマッチング処理を行う(S121)。マッチング処理の具体的な手順は以下の通りである。まず、基準時「0」を示す「時刻」フィールドを有するレコードを両テーブル31,32の各レコードから基準レコードとしてそれぞれ特定し、両レコード31,32において基準レコードの前に連なる一連のレコードから、「n階」を示す「階数」フィールドを有するレコード群を個別に抽出する。そして、両レコード群の各レコードへ、基準レコードに近い順の番号を割り振り、同じ番号が割り振られたレコード同士をマッチングする。また、基準レコードの後に連なる一連のレコードからも「n階」の「階数」フィールドを有するレコード群を抽出し、同様にマッチングする。
次に、評価制御部28は、ステップS121においてマッチングされたレコードの各組ごとにずれ量を算出し、算出したずれ量を自らのメモリに記憶する(S131)。このステップS131におけるずれ量の算出の具体的な手順は、第1実施形態におけるステップS130と同様である。
マッチングされたすべての組のずれ量を算出し終えると、評価制御部28は、ずれ量を算出し終えた時点の変数nに応じた重み係数をそれらのずれ量の総計に乗ずることにより階数別ずれ評価値を算出し、その階数別ずれ評価値を自らのメモリに記憶する(S132)。ここで、重み係数は、「1階」、「2階」、および「3階」の各々について個別に設定された係数であり、「1階」と対応する重み係数は「2階」と対応するものよりも大きく、「2階」と対応する重み係数は「3階」と対応するものよりも大きい。
階数別ずれ評価値を取得した評価制御部28は、変数nが3であるか否かを判断する(S135)。ステップS135において、変数nが3でないと判断した場合(S135:No)、評価制御部28は、nを1つインクリメントした後(S136)、ステップS121に戻り、以降の処理を実行する。この結果、nが3と等しくなるまで、図7に示すステップS121からステップS136の処理が繰り返され、「1階」、「2階」、および「3階」の階数別ずれ量価値がメモリに得られる。
ステップS135において、変数nが3であると判断した場合(S135:Yes)、評価制御部28は、それまでにメモリに記憶した、「1階」、「2階」、および「3階」の階数別ずれ評価値の総計を評価結果としてディスプレイ30に表示させる(S141)。
以上説明したように、本実施形態では、加速度波形の1階微分値、2階微分値、および3階微分値のいずれかが0になる特徴点の時刻、加速度、および微分階数を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を評価処理用メモリ29に形成した後、その被評価データテーブル32とリファレンスデータテーブル31の各レコードを、同じ「階数」フィールドを有するレコード群ごとにマッチングする。その上で、「1階」、「2階」、「3階」の各レコード群ごとに求めたずれ量の総計に個別の重み係数を乗じて階数別ずれ評価値を求め、それらの階数別ずれ評価値の総計を評価結果としてディスプレイ30に表示させる。また、本実施形態では、評価結果において、「1階」の「階数」フィールドを有するレコード群の評価別ずれ評価値の割合が大きくなり、「3階」の「階数」フィールドを有するレコード群の評価別ずれ評価値の割合が小さくなるように、それらの各階数の重み係数に傾斜をつけている。よって、初級者が最初に再現を試みなければならない特徴点である極大や極小などが模範からほど遠いにも関わらず、それよりも優先度が低い特徴点が模範に近いために高評価が提示され、その初級者が自らの技量を誤解する、といった不都合が回避され、被験者のレベルを適正に反映した評価結果を提示することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態における「特徴点」の意味は第1および第2実施形態のそれと同じである。
本実施形態にかかる運動評価装置10Aの構成は、第2実施形態と同様である。
次に、本実施形態の動作を説明する。
図8は、評価制御部28の動作を示すフローチャートである。図8においては、図7のステップS132がステップS133に置き換えられ、また、ステップS141がステップS142に置き換えられている。
図7との違いについて具体的に説明する。ステップS131において、マッチングされたすべての組のずれ量を算出し終えた評価制御部28は、そのずれ量の総計が予め設定された閾値を超えるか否か判断する(S133)。
ステップS133において、ずれ量の総計が閾値を超えないと判断した場合(S133:No)、評価制御部28は、ステップS135に進み、変数nが3であるか判断する。そして、変数nが3でないと判断すると、ステップS136においてnを1つインクリメントした後、ステップS121に戻り、以降の処理を実行する。この結果、ずれ量の総計が閾値を超えると判断されるか、nが3と等しくなるまで、図8に示すステップS121からステップS136の処理が繰り返される。
ステップS133において、ずれ量が閾値を超えると判断した場合(S133:Yes)、評価制御部28は、その時の変数nに応じた評価レベルを評価結果としてディスプレイ30に表示させる(S142)。具体的には、nが1であれば「初級レベル」、nが2であれば「中級レベル」、nが3であれば「上級レベル」というように、nが大きいほど高い評価レベルであることを示す文字列を表示させる。
本実施形態では、第2実施形態と同様に、リファレンスデータテーブル31と被評価データテーブル32の各レコードを、「1階」、「2階」、「3階」の各々の「階数」フィールドを有するレコード群ごとにマッチングする。その上で、「1階」の「階数」フィールドを有するレコード群について求めたずれ量の総計と閾値との比較、「2階」の「階数」フィールドを有するレコード群について求めたずれ量の総計と閾値との比較、および「3階」の「階数」フィールドを有するレコード群について求めたずれ量の総計と閾値との比較を、この順番で段階的に進め、ずれ量の総計が閾値を超えることなくどの段階の比較まで進み得たかを評価結果として提示する。よって、被験者のレベルを適正に反映した評価結果をより簡単な処理によって提示することができる。
(他の実施形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
(1)上記第1〜第3実施形態において、リングバッファ22,23,24,38に個別の書き込み制御部19,20,21,37と読み出し制御部25,26,27,39を設けるのではなく、リングバッファ22,23,24,38の書き込みと読み出しをそれぞれ1つの書き込み制御部と読み出し制御部とにより行ってもよい。
(2)上記第1〜第3実施形態では、リファレンスデータテーブル31と被評価データテーブル32の各レコードをマッチングし、マッチングした組ごとのずれ量を算出した。これに対し、加速対象部位の加速度波形のある時刻の加速度がより大きい(小さい)ほど良好なフォームと言えるような性質を持つ運動の評価においては、加速度波形の微分値を基にその加速度波形の特徴点を抽出し、その特徴点の加速度が大きい(小さい)ほどより良好な評価結果を提示するようにしてもよい。また、加速対象部位の加速度波形のある大きさの加速度の時刻が最大値の時刻により近い(遠い)ほど良好なフォームと言えるような性質を持つ運動の評価においては、加速度波形の微分値を基にその加速度波形の特徴点を抽出し、抽出した特徴点の時刻が最大値の時刻により近い(遠い)ほどより良好な評価結果を提示するようにしてもよい。さらに、最大値との間の時間間隔の代わりに、たとえば、最大値の90パーセント以上の加速度が連続している時間であるピークホールド時間を特定し、その長さが長いほどより良好な評価結果を提示するようにしてもよい。
(3)上記第2および第3実施形態において、3階よりも大きなN階の微分値(Nは自然数、以下同じ)を求め、1階微分値からそのN階微分値までのいずれかが0になる特徴点の特徴点の時刻、加速度、および微分階数を示すレコードを集めた被評価データテーブル32を評価処理用メモリ29に形成した後、その被評価データテーブル32とリファレンスデータテーブル31の各レコードを同じ「階数」フィールドを有するレコード群ごとにマッチングし、マッチングした組ごとのずれ量を求めるようにしてもよい。
(4)上記第1〜第3実施形態において、リファレンスデータテーブル31と被評価データテーブル32の各レコードの「時刻」フィールドは、最大値の出現時刻を基準とする相対時刻とは別の手法によって各特徴点の出現時刻を示してもよい。例えば、運動評価装置10,10Aが装着されたラケットやゴルフクラブがボールをインパクトする瞬間や、運動評価装置10,10Aを装着した被験者がジャンプすることによりその足が地面を離れる瞬間を基準とする相対時間により各特徴点の出現時刻を示してもよい。また、運動の評価を行う被験者の運動の開始のタイミングをガイド音により案内し、そのガイド音の発音時を基準とする相対時刻により各特徴点の出現時刻を示してもよい。要するに、加速度波形の基準の特徴点(基準レコード)の選定は、評価対象となる運動の内容に応じて任意に設定すればよい。
(5)上記第1〜第3実施形態において、ディスプレイ30の代わりにスピーカを搭載し、そのスピーカから評価結果の内容を報知する音声を放音するようにしてもよい。
(6)上記第1〜第3実施形態では、マッチングされた各組のレコードの「加速度」と「時刻」の両フィールドにより2次元座標系に位置決めされる特徴点間の距離を、それらのレコードが示す特徴点のずれ量として算出した。しかし、リファレンスデータテーブル31および被評価データテーブル32の各レコードの「時刻」フィールドを生成せずに、マッチングされた各組のレコードの「加速度」フィールドの差だけをずれ量として算出してもよい。また、それれらの各レコードの「加速度」フィールドを生成せずに、マッチングされた各組の「時刻」フィールドの差だけをずれ量として算出してもよい。
(7)上記第1〜第3実施形態の正規化処理では、被評価データテーブル32の各レコードにおける「時刻」と「加速度」の両フィールドを、リファレンスデータテーブル31の各レコードにおけるそれらのフィールドと比較し得るように変更した。しかし、被評価データテーブル32の各レコードにおける「時刻」フィールドだけを、リファレンスデータテーブル31の各レコードと比較し得るように変更してもよいし、「加速度」フィールドだけをそのように変更してもよい。これに対応して、ずれ量は、「加速度」フィールドのレコード同士の差、または、「時刻」フィールドのレコード同士の差により求めるとよい。
(8)上記第1〜第3実施形態において、マッチングした各組のレコードが示す特徴点を図4に示すような波形図としてディスプレイ30に表示し、ボタンやスイッチなどの選択手段を通じてその中から被験者が選択した特徴点についてのみ、ずれ量を算出するようにしてもよい。
(9)上記第1〜第3実施形態では、加速度センサ11が他の部品とともに1つの筺体に搭載され、加速度センサ11は、その筺体が装着された加速対象部位に加わる加速度を検出した。しかし、運動評価装置10,10Aの筺体と加速度センサ11を別体化し、加速度センサ11のみを加速対象部位に装着するようにしてもよい。この場合、その加速度センサ11と運動評価装置10,10Aの筺体内のノイズ除去フィルタ13とは、有線接続してもよいし、無線接続してもよい。
(10)上記第1〜第3実施形態では、被験者が運動を行う間に加速される身体や道具の部位である加速対象部位に加速度センサ11を備えつけ、この加速度センサ11が検出した加速度の加速度波形の微分値を基にその波形の特徴点を抽出し、その特徴点を評価した。しかし、ジャイロセンサ(角速度センサ)、位置センサ、角度センサなどを加速度センサ11の代わりに備えつけ、これらのセンサの出力信号を基に同様の評価を行ってもよい。要するに、被験者の力の作用を受けて運動する運動する運動対象の運動量を各種センサにより検出し、検出した運動量の運動量波形の微分値を基にその波形の特徴点を抽出し、抽出した特徴点を評価するようになっていればよい。
(11)上記第1実施形態のマッチング処理では、特徴点の種別が同じであること、加速度波形の最大値との間の前後関係が同じであること、加速度波形の最大値から見た順番が同じであること、の3つのルールに従って、リファレンスデータテーブル31の各レコードと被評価データテーブル32の各レコードのマッチングを行った。しかし、マッチングの優先順位や判断基準を示す別のルールを取り決め、このルールに従ってマッチングを行ってもよい。
(12)上記第1実施形態では、上級者による運動において取得された加速度波形の各特徴点の出現時刻と加速度の大きさの対をリファレンスデータテーブル31に収録し、加速度センサ11の出力信号が示す加速度波形から抽出した特徴点とこのリファレンスデータテーブル31の特徴点とのずれ量を求めた。しかし、このリファレンスデータテーブル31には、被験者自身の過去の運動において取得された加速度波形の特徴点の出現時刻と加速度の大きさの対を収録してもよい。要するに、評価基準となる特徴点の情報を予め準備しておき、加速度センサ11の出力信号が示す加速度波形から抽出した特徴点の出現時刻、加速度の大きさ、または、その両者と評価基準となる情報とのずれ量を求めるようになっていればよい。
(13)上記第1〜第3実施形態にかかる運動評価装置10,10Aの微分回路14,15、ADC16,17,18,36、および評価制御部28と同じ機能をコンピュータに実現させるプログラムを、WWW(World Wide Web )上のサーバ装置から、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)、携帯電話端末へダウンロードさせてもよい。この場合、それらの端末に標準装備されている、加速度センサ、ディスプレイなどを、ダウンロードしたプログラムによって制御し、運動評価装置10,10Aと同様の作用を実現することが可能である。また、そのようなプログラムを記憶媒体に記憶させた上で配布するようにしてもよい。
この発明の第1実施形態である運動評価装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるリファレンスデータテーブルおよび被評価データテーブルのデータ構造図である。 同実施形態において評価制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。 リファレンスデータテーブルの各レコードが示す特徴点を結んだ加速度波形と、正規化処理済みの被評価データテーブルの各レコードが示す特徴点を結んだ加速度波形とを重ね合わせた図である。 この発明の第2実施形態である運動評価装置の構成を示す図である。 同実施形態におけるリファレンスデータテーブルおよび被評価データテーブルのデータ構造図である。 同実施形態において評価制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。 この発明の第3実施形態において評価制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
10,10A…運動評価装置、11…加速度センサ、12…リファレンスデータ用メモリ、13…ノイズ除去フィルタ、14,15,35…微分回路,16,17,18,36…ADC、19,20,21,37…書き込み制御部、22,23,24,38…リングバッファ、25,26,27,39…読み出し制御部、28…評価制御部、29…評価処理用メモリ、30…ディスプレイ、31…リファレンスデータテーブル、32…被評価データテーブル。

Claims (10)

  1. 被験者の力の作用を受けて運動する運動対象の運動量を検出し、検出した運動量の変化を示す運動量波形を取得する取得手段と、
    前記運動量波形を一階または複数階微分し、一階または複数階微分の微分値を取得する微分手段と、
    前記運動量波形の一または複数の特徴点を前記取得される微分値を基に抽出し、抽出した特徴点を評価する評価手段と
    を備えることを特徴とする運動評価装置。
  2. 被験者の運動により加速される加速対象の加速度を検出し、検出した加速度の変化を示す加速度波形を取得する取得手段と、
    前記加速度波形を一階または複数階微分し、一階または複数階微分の微分値を取得する微分手段と、
    前記加速度波形の一または複数の特徴点を前記取得される微分値を基に抽出し、抽出した特徴点を評価する評価手段と
    を備えることを特徴とする運動評価装置。
  3. 前記評価手段は、
    前記加速度波形における前記特徴点の出現時刻と、その特徴点の評価基準となる特徴点の出現時刻とのずれ量を算出するずれ量算出手段
    を有することを特徴とする請求項2に記載の運動評価装置。
  4. 前記評価手段は、
    前記加速度波形における前記特徴点の加速度の大きさと、その特徴点の評価基準となる特徴点の加速度の大きさとのずれ量を算出するずれ量算出手段
    を有することを特徴とする請求項2に記載の運動評価装置。
  5. 前記評価手段は、
    前記加速度波形における前記特徴点の出現時刻と、その特徴点の評価基準となる特徴点の出現時刻とのずれ量を算出する第1のずれ量算出手段と
    前記加速度波形における前記特徴点の加速度の大きさと、その特徴点の評価基準となる特徴点の加速度の大きさとのずれ量を算出する第2のずれ量算出手段と
    を有することを特徴とする請求項2に記載の運動評価装置。
  6. 前記評価手段は、
    前記加速度波形の最大値を特定し、前記特徴点の出現時刻、加速度の大きさ、または、その両者を、前記最大値との関係を基に正規化した上で前記ずれ量算出手段によるずれ量の算出に供する正規化手段
    を有することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の運動評価装置。
  7. 前記評価手段は、
    前記ずれ量算出手段が算出した特徴点のずれ量へ、その特徴点の微分値が0になる微分階数に応じた重み係数を乗じることにより、階数別ずれ評価値を求める
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の運動評価装置。
  8. 前記評価手段は、
    前記ずれ量算出手段が算出するずれ量が閾値を超えるか判断する判断手段と、
    特徴点のずれ量が閾値を超えると前記判断手段が判断したとき、その特徴点の微分値が0になる微分階数に応じた評価レベルを提示する評価レベル提示手段と
    を有することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の運動評価装置。
  9. 前記抽出した特徴点のうち、前記ずれ量算出手段によるずれ量の算出に供する一部または全部の特徴点を選択する選択手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載の運動評価装置。
  10. コンピュータに、
    被験者の力の作用を受けて運動する運動対象の運動量を検出し、検出した運動量の変化を示す運動量波形を取得する取得手段と、
    前記運動量波形を一階または複数階微分し、一階または複数階微分の微分値を取得する微分手段と、
    前記運動量波形の一または複数の特徴点を前記取得される微分値を基に抽出し、抽出した特徴点を評価する評価手段と
    を実現させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014124341A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Bridgestone Corp スイングのシミュレーションシステム、シミュレーション装置、およびシミュレーション方法
JP2019092649A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 カシオ計算機株式会社 電子機器、評価方法及びプログラム
CN117647745A (zh) * 2023-12-01 2024-03-05 青岛艾诺仪器有限公司 基于环形缓存器的电池微短路数据采集方法
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