JP2009239489A - 無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】無線伝播状態に変動が生じている場合においても、安定的に通信経路を定めること。
【解決手段】無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得する統計情報取得部14と、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部16と、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部18と、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する送信制御部24と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得する統計情報取得部14と、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部16と、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部18と、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する送信制御部24と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
近時において、各ノードが無線ネットワークにより接続されたアドホックネットワークにおいて、端末間の通信エリアの拡大が容易に実現できる無線マルチホップネットワーク技術が知られている。
一般的な無線マルチホップネットワークは、ノード間の通信路はルーティングプロトコルによって決定され、その決定された経路に従ってノード間の通信が行なわれる。従って、各ノードは、パケット毎に異なる宛先に対して、ルーティングプロトコルによって決定されたノードにパケットを送信することにより、パケットを宛先まで送信することが可能となる。
このように、全てのノードが無線ネットワークにより接続されたアドホックネットワークにおいて、端末間の通信エリアの拡大が容易に実現できる無線マルチホップネットワーク技術は重要な技術の一つである。
無線マルチホップネットワークでは、宛先ノードへの経路が複数存在し、その結果、複数の隣接ノードの送信候補から1つを選択する場合がある。この場合、良好な経路を選択するために、隣接ノードとの無線リンク状態(無線伝播状態)を示す統計情報を利用する。
無線リンク状態を示す統計情報は、想定するシステムによって様々な情報が考えられる。例えば、ストリーム伝送や高トラフィックなシステムを構築する場合、各無線リンクの状態はスループット値や遅延時間等が統計情報として考慮されることになる。一方、スループットは多少低くてもパケット送受信の信頼性が高いシステムを構築する場合、各無線リンクの状態はRSSI(Received Signal Strength Indicator)やパケット誤り率PER(Packet Error Rate)等が統計情報として考慮されることになる。
しかしながら、無線リンク状態に変動が生じている場合、統計情報に基づいて次ホップを切り換えると、次ホップが煩雑に切り換わることとなり、経路テーブルが安定しないという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線伝播状態に変動が生じている場合においても、安定的に通信経路を定めることが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置であって、無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するパラメータ取得部と、取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部と、異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部と、前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する通信制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
上記構成によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置では、無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータが取得され、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態が複数のステータスに分類され、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率が取得され、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路が選択される。従って、複数の観測時間において、各ステータスの時間占有率に基づいて通信経路が選択されるため、無線伝播状態の変化が大きい状況においても、無線伝播状態が良好な隣接ノードが煩雑に切り換わることを抑えることができ、通信経路を安定的に選択することが可能となる。
また、前記通信制御部は、前記複数の観測時間のうち、より長い観測時間における前記時間占有率を優先的に用いて隣接ノードへの通信経路を選択するものであってもよい。かかる構成によれば、複数の観測時間のうち、より長い観測時間における時間占有率を優先的に用いることで、無線伝播状態が良好な隣接ノードが煩雑に切り換わることを確実に抑止できる。
また、前記通信制御部は、前記時間占有率が所定の経路選択条件を満たす場合に、当該時間占有率に対応する隣接ノードを通信経路として選択するものであってもよい。かかる構成によれば、ステータスが無線伝播状態と関連付けられるため、時間占有率が所定の経路選択条件を満たす場合に、当該時間占有率に対応する隣接ノードを通信経路として選択することができる。
また、前記通信制御部は、前記複数の観測時間のうち、少なくとも2つの観測時間における前記時間占有率がともに前記経路選択条件を満たす場合は、より長い観測時間において前記経路選択条件を満たした時間占有率に対応する隣接ノードを通信経路として選択するものであってもよい。かかる構成によれば、無線伝播状態が良好な隣接ノードが複数存在する場合に、より安定した通信経路を選択することが可能となる。
また、前記通信制御部は、通信が不可であることを示すステータスの時間占有率が所定の閾値よりも低い隣接ノードを通信経路として選択するものであってもよい。かかる構成によれば、現時点において通信が不可になる可能性の低い隣接ノードを通信経路として選択することが可能となる。
また、前記通信制御部は、通信が可能であることを示すステータスの時間占有率が所定の閾値よりも高い隣接ノードを通信経路として選択するものであってもよい。かかる構成によれば、現時点において通信が可能であることが見込まれる低い隣接ノードを通信経路として選択することが可能となる。
また、前記通信制御部は、隣接ノードとの間の無線伝播状態が、通信が不可であることを示すステータスである場合は、当該隣接ノードを通信経路の候補から外すものであってもよい。かかる構成によれば、通信が不可である隣接ノード以外の隣接ノードから通信経路を選択することが可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線マルチホップネットワークを構成する複数のノードからなる無線通信システムであって、前記ノードは、隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するパラメータ取得部と、取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部と、異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部と、前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する通信制御部と、を備える無線通信システムが提供される。
上記構成によれば、無線マルチホップネットワークを構成する複数のノードからなる無線通信システムにおいて、各ノードでは、無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータが取得され、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態が複数のステータスに分類され、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率が取得され、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路が選択される。従って、複数の観測時間において、各ステータスの時間占有率に基づいて通信経路が選択されるため、無線伝播状態の変化が大きい状況においても、無線伝播状態が良好な隣接ノードが煩雑に切り換わることを抑えることができ、通信経路を安定的に選択することが可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置における無線通信方法であって、隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するステップと、取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステップと、異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得するステップと、前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択するステップと、を備える無線通信方法が提供される。
上記構成によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置における無線通信方法において、無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータが取得され、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態が複数のステータスに分類され、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率が取得され、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路が選択される。従って、複数の観測時間において、各ステータスの時間占有率に基づいて通信経路が選択されるため、無線伝播状態の変化が大きい状況においても、無線伝播状態が良好な隣接ノードが煩雑に切り換わることを抑えることができ、通信経路を安定的に選択することが可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置におけるプログラムであって、隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得する手段、取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類する手段、異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する手段、前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
上記構成によれば、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置におけるプログラムにおいて、無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータが取得され、取得したパラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態が複数のステータスに分類され、異なる複数の観測時間において、ステータスのそれぞれの時間占有率が取得され、時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路が選択される。従って、複数の観測時間において、各ステータスの時間占有率に基づいて通信経路が選択されるため、無線伝播状態の変化が大きい状況においても、無線伝播状態が良好な隣接ノードが煩雑に切り換わることを抑えることができ、通信経路を安定的に選択することが可能となる。
本発明によれば、無線伝播状態に変動が生じている場合においても、安定的に通信経路を定めることが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[無線通信システムの概要および前提技術]
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システム200を示す模式図である。図1に示すように、無線通信システム200は、複数のノード#A〜#Dにより構成される。各ノード#A〜#Dは、位置が固定された、又は移動可能な無線通信装置100からなる。各ノード#A〜#Dのそれぞれは、他のノードから送信された信号を中継伝送できる機能を備えており、これにより無線マルチホップネットワークが構成されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システム200を示す模式図である。図1に示すように、無線通信システム200は、複数のノード#A〜#Dにより構成される。各ノード#A〜#Dは、位置が固定された、又は移動可能な無線通信装置100からなる。各ノード#A〜#Dのそれぞれは、他のノードから送信された信号を中継伝送できる機能を備えており、これにより無線マルチホップネットワークが構成されている。
図1において、ノード#Aからノード#Dへ通信する際には、#A→#B→#Dの経路と#A→#C→#Dの経路がある。どの経路で通信を行うかは、無線リンク状態を示す統計情報に基づいて決定される。
無線リンク状態を示す統計情報は、想定するシステムによって様々な情報が考えられる。例えば、ストリーム伝送や高トラフィックなシステムを構築する場合、各無線リンクの状態はスループット値や遅延時間等が統計情報として考慮されることになる。一方、スループットは多少低くてもパケット送受信の信頼性が高いシステムを構築する場合、各無線リンクの状態はRSSI(Received Signal Strength Indicator)やパケット誤り率PER(Packet Error Rate)等が統計情報として考慮されることになる。
無線リンクの状態を示す統計情報により無線リンクの状態の良し悪しが判断された後、ルーティングプロトコルが各無線リンクの状態を考慮して最終的に経路テーブルを作成する。このため、無線リンク状態の判断が経路テーブルの作成に大きく左右することになる。
例えば、図1に示すような無線マルチホップネットワークにおいて、ノード#Aにおける無線リンク状態と経路テーブルの関係について例を挙げてみる。以下では、RSSIやPERを統計情報として、無線リンク状態を判断する場合について説明する。図2は、ノード#Aにおいて、隣接ノードであるノード#Bおよびノード#Cとの無線リンク(以下、それぞれLink[A,B]、Link[A,C]と記載する)における、RSSI、PERの時間変動の例を示す。ここで、図2(A)は、Link[A,B]でのRSSI,PERの変動を示しており、図2(B)は、Link[A,C]でのRSSI,PERの変動を示している。なお、図中において平均RSSIは、時刻t11からt16までのRSSIの平均値であり、aRSSI(averaged RSSI)と表記する。また、平均PERは、時刻t11からt16までのPERの平均値であり、aPER(averaged PER)と表記する。
また、Link[B,D]ならびにLink[C,D]については、PER及びRSSIがともに良好であるものとする。従って、ノード#Aからノード#Dに至る経路は、Link[A,B]、Link[A,C]のRSSI、PERによって決定される。そして、このときの、ルーティングプロトコルによって決定される、ノード#Aにおける宛先ノード#Dへの経路テーブルの遷移例を図3に示す。
図2において、時刻t11〜t12間では、Link[A,B]と比較してLink[A,C]のほうがRSSIおよびPERがともに良好な状態を推移している。従って、図3に示すように、RSSIおよびPERが良好な経路を選択するようにルーティングプロトコルが動作する場合、ノード#Aにおける宛先ノード#Dの経路として次ホップはノード#Cを選択することになる。
時刻t12〜t13間では、Link[A,C]のRSSIおよびPERが低下している。一方、Link[A,B]では、RSSIも高い状態を推移しておらず、かつパケット誤りもある程度発生しているが、通信不可までには至っていない。このため、Link[A,B]を使用するようにルーティングプロトコルが動作する結果、図3に示すように、ノード#Aにおける宛先ノード#Dの経路として次ホップはノード#Bに切り替わる。
その後、時刻t4〜t5間において、Link[A,C]のRSSIおよびPERが良好となり、その結果、図3に示すように、ノード#Aにおける宛先ノード#Dの経路として次ホップは再びノード#Cへと切り替わる。
このように、瞬時的な無線リンク状態によりルーティングプロトコルを動作させることは、無線リンク状態の変動が大きいネットワークの場合、次ホップはノード#C→#B→#Cのように切り換わり、経路テーブルが安定しないという問題がある。
一方で、経路テーブルの安定化を目的として経路を選択する場合に、図2に示すようなRSSI及びPERのそれぞれの平均値(aRSSI、aPER)を利用する方法が考えられる。しかし、図2の場合、Link[A,B]およびLink[A,C]のaPERを比較すると、両者は同じ値を示している。このため、aRSSIやaPERを利用する場合、時刻t13〜t14間でLink[A,C]のPERが悪化している状況は認識することができない。このように、平均値を利用する方法では、経路テーブル作成にとって重要な情報が隠れてしまう。また、平均化することで、本来は良好でない無線リンク状態がある程度良好な無線リンク状態であると判断されてしまう可能性がある。従って、長期的に安定した無線リンクを選択しようとした場合に、平均化などの手法により長期的な観測時間で取得した統計情報を適用するだけでは、ノード#Aにおける宛先ノード#Dの経路として、無線リンク状況が低下しているノード#Cを選択してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、以下に詳細に説明するように、無線リンク状態を示すステータスと、このステータスの時間占有率に基づいて無線リンク状態を判断するようにしている。
[無線通信装置の構成]
図4は、本実施形態にかかる無線通信装置100の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、無線通信装置100は、通信部12と、統計情報取得部14と、ステータス分類部16と、時間占有率取得部18と、記憶部20と、送信データ生成部22と、送信制御部24を備える。
図4は、本実施形態にかかる無線通信装置100の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、無線通信装置100は、通信部12と、統計情報取得部14と、ステータス分類部16と、時間占有率取得部18と、記憶部20と、送信データ生成部22と、送信制御部24を備える。
通信部12は、無線通信装置100などの外部装置とのインターフェースであって、他の無線通信装置などと各種情報を送受信する送信部、および受信部としての機能を有する。例えば、通信部12は、他の無線通信装置100から送信された高周波の無線信号をベースバンド信号にダウンコンバージョンし、ベースバンド信号をビット列に変換する。また、通信部12は、送信データ生成部18により生成された送信データのビット列をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号を高周波の無線信号に周波数変換して他の無線通信装置100へ送信する。
なお、通信部12は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers) 802.11a、b、gなどに規定される無線通信機能を有してもよいし、IEEE802.11nに規定されるMIMO(Multiple Input Multiple Output)通信機能を有してもよい。さらに、通信部12は、IEEE802.16に企画されるWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)に対応する通信機能を有してもよい。
統計情報取得部14は、無線リンク状態を示す統計情報として、RSSI、PERを取得する。ステータス分類部16は、統計情報に基づいて、所定の閾値との比較の結果、ステータス情報を取得する。時間占有率取得部18は、取得された各ステータス情報に基づいて、各ステータス情報の時間内の占有率を取得する。
記憶部16は、各種情報が記録される記憶媒体である。各種情報としては、統計情報、ステータス情報、時間占有率に関する情報等が挙げられる。また、記憶部16は、送信するデータパケットを一時的に保存するバッファとしての機能も有する。記憶部16は、例えば、EEPROM、EPROMなどの不揮発性メモリや、DRAMなどの揮発性メモリから構成されることができる。
送信データ生成部18は、通信部12から送信するためのメッセージを生成する。送信データ生成部18は、他の無線通信装置100へ映像、音声などを送信するため、データパケットを生成する。
送信制御部20は、送信データ生成部18で生成されたデータパケットを、通信部12から他の無線通信装置100へ送信する際の制御を行う。送信制御部20は、後述するステータスの時間占有率に基づいて次ホップノードを決定し、ルーティングプロトコルを決定する。図4に示す機能ブロックは、ハードウェア、又は演算処理部(CPU)とこれを機能させるソフトウエア(プログラム)によって構成することができる。これらの機能ブロックを演算処理部とソフトウエアによって構成した場合、そのプログラムは、無線通信装置100が備える記憶部16等の記録媒体に格納されることができる。
[ステータス、時間占有率について]
本実施形態では、無線リンク状態を抽象化してステータスに分類する。ステータスは以下のように定義される。なお、以下において、ノード#Aにおける隣接ノード#BとのステータスをStatus[A,B]と表記することにする。
本実施形態では、無線リンク状態を抽象化してステータスに分類する。ステータスは以下のように定義される。なお、以下において、ノード#Aにおける隣接ノード#BとのステータスをStatus[A,B]と表記することにする。
本実施形態では、無線リンク状態を示すステータスとして、以下の3種類を定義する。
GOOD:想定するシステムの所要品質を十分に満たしている状態
POOR:想定するシステムの所要品質を十分に満たしているとはいえないものの、ほぼ所要品質を満たしており、通信が可能な状態
BAD:想定するシステムの所要品質を満たしていない状態であり、通信が不可の状態
GOOD:想定するシステムの所要品質を十分に満たしている状態
POOR:想定するシステムの所要品質を十分に満たしているとはいえないものの、ほぼ所要品質を満たしており、通信が可能な状態
BAD:想定するシステムの所要品質を満たしていない状態であり、通信が不可の状態
なお、本実施形態において、無線リンク状態を示すステータスは、GOOD、POOR、BADの3種類としているが、ステータスは何種類でも構わない。また、無線リンク状態を示す統計情報として、本実施形態では、RSSIおよびPERを用いているが、それ以外にスループットや遅延時間等を考慮した統計情報とすることも可能である。無線リンク状態を示す統計情報として様々なパラメータが存在するが、本実施形態では、ステータスによって各種パラメータを統一した状態で無線リンク状態を示すようにしている。
ステータスは、RSSI、PERのそれぞれで設定される。図5は、Link[A,B]、Link[A,C]のそれぞれにおいて、RSSI、PER、Statusの値を示す模式図である。ここで、図5(A)は、Link[A,B]におけるRSSI、PER、Status[A,B]を示しており、図5(B)は、Link[A,C]におけるRSSI、PER、Status[A,C]を示している。
図5において、RSSIおよびPERが変動する様子は、図2の場合と同一である。図5(A)及び図5(B)に示すStatus[A,B]、Status[A,C]は、図2のようにRSSI、PERが変動した場合に、無線リンク状態を示すステータスが遷移する様子を示している。ここで、RSSIおよびPERから無線リンク状態を示すステータスを決定するために、RSSIおよびPERのそれぞれにおいて以下のように閾値が定義されている。
ステータスを決定するための閾値は、以下の4つである。
thRSSI_GP:RSSIに関する、GOODとPOORの境界を規定する閾値
thRSSI_PB:RSSIに関する、POORとBADの境界を規定する閾値
thPER_GP:PERに関する、GOODとPOORの境界を規定する閾値
thPER_PB:PERに関する、POORとBADの境界を規定する閾値
thRSSI_GP:RSSIに関する、GOODとPOORの境界を規定する閾値
thRSSI_PB:RSSIに関する、POORとBADの境界を規定する閾値
thPER_GP:PERに関する、GOODとPOORの境界を規定する閾値
thPER_PB:PERに関する、POORとBADの境界を規定する閾値
そして、本実施形態では、以下の条件を用いて、ステータスを決定する。
GOOD:「RSSI≧thRSSI_GPかつPER≦thPER_GP」(条件1)
BAD:「RSSI<thRSSI_PBあるいはPER>thPER_PB」(条件2)
POOR:条件1および条件2のどちらにも該当しない(条件3)
GOOD:「RSSI≧thRSSI_GPかつPER≦thPER_GP」(条件1)
BAD:「RSSI<thRSSI_PBあるいはPER>thPER_PB」(条件2)
POOR:条件1および条件2のどちらにも該当しない(条件3)
以上のように、条件1に該当する場合は、ステータスがGOODとされ、条件2に該当する場合は、ステータスがBADとされる。また、条件3に該当する場合、すなわち条件1、条件2のいずれにも該当しない場合は、ステータスがPOORとされる。
例えば、図5(A)においてStatus[A,B]を決定する場合、Link[A,B]に関するPERならびにRSSIと閾値を比較した結果は以下の通りである。
thPER_PB>PER>thPER_GP
thRSSI_PB<RSSI<thRSSI_GP
以上より、条件3に該当することから、Status[A,B]=POORと判断される。
thPER_PB>PER>thPER_GP
thRSSI_PB<RSSI<thRSSI_GP
以上より、条件3に該当することから、Status[A,B]=POORと判断される。
また、図4(B)の場合、時刻t11〜t12間でLink[A,C]に関するPERならびにRSSIと閾値を比較した結果は以下の通りである。
PER<thPER_GP
RSSI>thRSSI_GP
以上より、条件1に該当することから、Status[A,C]=GOODと判断される。
また、時刻t12以降、RSSI,PERはともに変動しているため、上記閾値との比較の結果、Status[A,C]は、GOOD→POOR→BAD→POOR→GOOD→POOR→BADのように遷移する。
PER<thPER_GP
RSSI>thRSSI_GP
以上より、条件1に該当することから、Status[A,C]=GOODと判断される。
また、時刻t12以降、RSSI,PERはともに変動しているため、上記閾値との比較の結果、Status[A,C]は、GOOD→POOR→BAD→POOR→GOOD→POOR→BADのように遷移する。
以上のように、ステータスの決定は、ある観測時間内でRSSI、PERを観測し、上記閾値との比較の結果、条件1〜3のいずれに該当するかに応じて決定する。このようにして、比較的短い観測時間毎に無線リンク状態を示すステータスを決定していくことで、ステータスの遷移状況を把握することが可能である。
また、想定するシステムの所要品質を考慮するため、様々なパラメータを用いて無線リンクの状態を把握する際、本実施形態ではそれらの情報すべてを加味して統一的に無線リンク状態を示すステータスとして管理する。このため、特定のパラメータを必要とせず、様々な無線マルチホップネットワークへの適用が可能となる。
そして、本実施形態では、無線リンク状態を示すステータスの遷移状況を示すパラメータとして、ステータスの決定に要する観測時間と比較して長い観測時間内において、各ステータスの占有率を示す時間占有率[%]を使用する。
図6は、ステータスの時間占有率の例を示す模式図であって、図5に示すようにステータスが遷移した場合における、ステータスの時間占有率を示している。本実施形態では、時間占有率を算出する観測時間として2種類の時間T1、時間T2(T1<T2)を用い、2つの観測時間内のそれぞれにおいて、GOOD,POOR,BADの時間占有率を求める。これにより、中期的、および長期的な時間でのステータスの遷移状況を把握することが可能である。Link[A,B]において、観測時間T1における時間占有率をTS1[A,B,S]、観測時間T2における時間占有率をTS2[A,B,S]とする。また、Link[A,C]において、観測時間T1における時間占有率をTS1[A,C,S]、観測時間T2における時間占有率をTS2[A,C,S]とする。ここで、Sはステータスを示し、例えばステータスがGOODの時間占有率は、それぞれTS1[A,B,GOOD]、TS2[A,B,GOOD]のように表記される。図6(A)は、Link[A,B]におけるStatus[A,B]、TS1[A,B,S]、TS2[A,B,S]を示しており、図6(B)は、Link[A,C]におけるStatus[A,C]、TS1[A,C,S]、TS2[A,C,S]を示している。
図6(A)及び図6(B)において、観測時間T1は、区間DA1、区間DA2、区間DA3、区間DA4に対応する時間である。また、観測時間t2は、区間DB1、区間DB2に対応する時間である。本実施形態では、T2をT1の2倍の時間としている。
図6(A)に示すように、Link[A,B]では、TS1[A,B,S]およびTS2[A,B,S]の双方において、全ての区間DA1〜DA4、DB1〜DB2で、無線リンク状態を示すステータスはPOORの状態で安定している。
一方、図6(B)に示すように、Link[A,C]については、中期的な観測時間によるTS1[A,C,S]の結果に示されるように、GOODで安定している状況もあれば(図中の区間DA1、DA4)、POORやBADの時間占有率が高い状況も存在している(図中の区間DA2、DA3)。また、長期的な観測時間であるTS2[A,C,S]の結果においても、区間DB1ではGOODで遷移しているものの、区間DB2ではPOORやBADの時間占有率が高い状況となっている。
このようなLink[A,C]におけるステータスの遷移状況は、図2で説明した長期的な観測結果である平均RSSI、平均PERから予測することはできない。また、ステータスがBADにどの程度遷移したかという情報(BADの時間占有率)は、無線マルチホップネットワークにおける経路作成に際して考慮すべき重要な情報となる。ステータスがBADにどの程度遷移したかを把握し、通信不可な状態がどの程度存在しているかを把握することによって、その無線リンクを使用しないようにルーティングプロトコルが動作することが可能となる。この結果、安定した経路テーブルを作成することが可能となる。
このように、複数の観測時間を用いてステータスの時間占有率を求め、これに基づいて経路の選択を行うことで、観測時間に応じた最適な精度でステータスの遷移状況を取得することが可能となり、安定した経路の選択が可能となる。本実施形態では、後述するように、TS1およびTS2に関してステータスがBADに遷移している時間占有率に対して閾値(TH_TS1_BAD,TH_TS2_BAD)を設定し、ステータスがBADに遷移している時間占有率が、この閾値よりも低いノードを優先的に経路として選択する。なお、ステータスがGOODに遷移している時間占有率が、所定の閾値よりも高いノードを優先的に経路として選択するようにしても良い。
また、本実施形態では、安定した経路テーブル作成を目的として、長期的な時間で安定した無線リンクを有する隣接ノードを次ホップノードとして使用するように動作する。このため、中期的な観測時間T1と長期的な観測時間T2については、長期的な観測時間で得られた時間占有率の情報を優先的に採用して経路を選択する。これにより、ステータスの遷移がより安定しているノードを経路として選択することができる。
[経路選択処理について]
図7は、2つの観測時間TS1およびTS2を用いた場合に、複数経路から1つの経路を選択する処理を示すフローチャートである。この処理では、ルーティングプロトコルにより検索された複数経路の中から、次ホップ候補として複数の隣接ノードが存在した際に、TS1およびTS2を用いて複数の経路の候補から1つを選択する。なお、TS1およびTS2のパラメータをルーティングプロトコルにおける検索時において使用することも可能であり、例えば、テーブル駆動型ルーティングプロトコルにおいてTC(Topology Control)メッセージ等を利用して、すべてのノード間においてTS1およびTS2の情報交換を行うことで、TS1およびTS2の情報を含んだすべての無線リンク状態を加味した経路テーブル作成が可能となる。
図7は、2つの観測時間TS1およびTS2を用いた場合に、複数経路から1つの経路を選択する処理を示すフローチャートである。この処理では、ルーティングプロトコルにより検索された複数経路の中から、次ホップ候補として複数の隣接ノードが存在した際に、TS1およびTS2を用いて複数の経路の候補から1つを選択する。なお、TS1およびTS2のパラメータをルーティングプロトコルにおける検索時において使用することも可能であり、例えば、テーブル駆動型ルーティングプロトコルにおいてTC(Topology Control)メッセージ等を利用して、すべてのノード間においてTS1およびTS2の情報交換を行うことで、TS1およびTS2の情報を含んだすべての無線リンク状態を加味した経路テーブル作成が可能となる。
図6において、先ずステップS1において、自局ノードをノード#Xとして、TS1に関する閾値TH_TS1_BAD、TS2に関する閾値TH_TS2_BADを設定する。
ここで、安定したリンクかどうかを判断する基準として、TS1およびTS2に関してステータスがBADに遷移している時間占有率の閾値をそれぞれ、以下のように定義する。
TH_TS1_BAD:TS1に関する閾値(%)
TH_TS2_BAD:TS2に関する閾値(%)
TH_TS1_BAD:TS1に関する閾値(%)
TH_TS2_BAD:TS2に関する閾値(%)
次に、ステップS2では、ルーティングプロトコルによって検索された経路に対して、次ホップ候補(以下、ノード#Yとする)に該当するすべての隣接ノードに関して、Link[#X,#Y]について現在の無線リンク状態を示すステータスであるStatus[#X,#Y]のチェックを開始する。
そして、Status[#X,#Y]=BADであるか否かを判断し(ステップS3)、Status[#X,#Y]=BADの場合は、次ホップ候補から該当する隣接ノードを削除する(ステップS4)。
一方、ステップS3でStatus[#X,#Y]=BADでない場合は、ステップS5で全ての次ホップ候補のLink[#X,#Y]をチェックしたか否かを判定し、全ての次ホップ候補のLink[#X,#Y]をチェックしていない場合はステップS2に戻る。このように、ステップS5までの処理により、次ホップ候補に該当する全ての隣接ノードに関して、現在の無線リンク状態を示すステータスのチェックが終了する。
ステップS5で全ての次ホップ候補のLink[#X,#Y]のチェックが完了した場合は、ステップS6へ進む。ステップS6では、現時点での次ホップ候補(以下、ノード#yとする)について、この時点で次ホップ候補ノード#yが複数存在するか否かを判定する。そして、次ホップ候補ノード#yが複数存在しない場合は、ステップS7で次ホップ候補ノード#yが1つ存在するか否かを判定する。次ホップ候補ノード#yが1つも存在しない場合は、現在全ての隣接ノードのステータスがBADであるため、隣接ノードとの通信が不可であり、経路無しとして処理を行う(ステップS8)。一方、ステップS7で次ホップ候補ノード#yが1つ存在する場合は、ステップS9へ進み、その1つの次ホップ候補ノード#yを次ホップ候補ノードとして選択する。
一方、ステップS6で次ホップ候補#yとして複数のノードが存在する場合、ステップS10以降の処理に進み、観測時間TS1およびTS2における時間占有率の情報を利用して次ホップ候補#yを絞り込む処理を行う。
なお、TS1およびTS2におけるステータスの時間占有率については、それぞれ最新の情報を利用することとし、例えばTS2について図6(A)の区間DA4までの時間占有率が得られている場合は、区間DA4の時間占有率を用いる。
先ず、ステップS10では、複数存在する次ホップ候補の中から、中期的ならびに長期的に安定したリンクが存在するかどうかをチェックする。ここでは、条件A:TS1[X,y,BAD]<TH_TS1_BADかつTS2[X,y,BAD]<TH_TS2_BADを満足する次ホップ候補ノードが#a存在するか否かを判定する。
そして、条件Aを満足する次ホップ候補ノードが存在する場合は、中期的(観測時間T1)ならびに長期的(観測時間T2)に安定したリンクが存在すると判断することができる。この場合、長期的に安定したリンクを優先的に選択するために、条件Aに該当するすべての次ホップ候補ノードのうち、TS2[X,a,BAD]が最小であるノード#aを次ホップノードとして選択する(ステップS11)。なお、ここで条件Aに該当するすべての次ホップ候補ノードのうち、TS2[X,a,GOOD]が最大であるノード#aを次ホップノードとして選択しても良い。例えばTS2[X,a,BAD]が最小であるノード#aが複数存在する場合(TS2[X,a,BAD]=0の場合など)は、TS2[X,a,GOOD]が最大であるノード#aを次ホップノードとして選択しても良い。
一方、ステップS10において、条件Aを満足する次ホップ候補ノード#aが存在しない場合は、ステップS12へ進む。ステップS12では、長期的に安定したリンクを検索するため、観測時間TS2について、条件B:TS2[X,y,BAD]<TH_TS2_BADを満足する次ホップノード#bが存在するか否かを判定する。ここで、条件Bは、条件AからTS1[X,y,BAD]<TH_TS1_BADの条件を外したものである。そして、条件Bを存在する次ホップノード#bが存在する場合には、ステップS13へ進み、条件Bに該当するすべての次ホップ候補ノードのうち、TS2[X,b,BAD]が最小であるノード#bを次ホップノードとして選択する。
一方、ステップS12において、条件Bを満足する次ホップ候補ノードが存在しない場合は、ステップS14において中期的に安定したリンクを優先して使用するように処理する。すなわち、ステップS14では、観測時間TS1について、条件C:TS1[X,y,BAD]<TH_TS1_BADを満足する次ホップノード#cが存在するか否かを判定する。そして、条件Cを満足する次ホップノード#cが存在する場合には、ステップS15へ進み、条件Cに該当するすべての次ホップ候補ノードのうち、TS1[X,c,BAD]が最小であるノード#cを次ホップノードとして選択する。
一方、ステップS14で条件Cを満足する次ホップノードが存在しない場合は、次ホップ候補ノード#yのすべてが条件A、BならびにCのいずれにも該当しないことになる。この場合、長期的に安定したリンクの使用を優先するために、ステップS16へ進み、次ホップ候補ノードのうちTS2[X,d,BAD]が最小であるノード#dを次ホップ候補として選択する。
[各パラメータの遷移と経路選択結果について]
図8は、図5及び図6に示す各パラメータの遷移をまとめて示す模式図である。また、図9は、本実施形態の手法により経路を決定した場合のノード#Aにおける宛先ノード#Dへの経路テーブルの遷移を示す模式図である。以下、図8に基づいて、図3と図9を比較しつつ、本実施形態による経路テーブル作成例を説明する。なお、Link[A,B]およびLink[A,C]ともに、図8に示されている時間以前には、RSSIおよびPERに変動がなかったものとする。すなわち、Status[A,B]についてはPOOR、Status[A,C]についてはGOODの状態が継続していたものとする。
図8は、図5及び図6に示す各パラメータの遷移をまとめて示す模式図である。また、図9は、本実施形態の手法により経路を決定した場合のノード#Aにおける宛先ノード#Dへの経路テーブルの遷移を示す模式図である。以下、図8に基づいて、図3と図9を比較しつつ、本実施形態による経路テーブル作成例を説明する。なお、Link[A,B]およびLink[A,C]ともに、図8に示されている時間以前には、RSSIおよびPERに変動がなかったものとする。すなわち、Status[A,B]についてはPOOR、Status[A,C]についてはGOODの状態が継続していたものとする。
図8において、時刻t11〜t12間では、Status[A,B]およびStatus[A,C]の双方において、ステータスはBADではないので、ノード#Bおよびノード#Cともに次ホップ候補ノードとなる。そして、TS1[A,B,BAD]、TS2[A,B,BAD]、およびTS1[A,C,BAD]、TS2[A,C,BAD]がともに条件Aを満足することから、図7のステップS11の場合に該当する。この場合、ノード#Bおよびノード#Cがともに最終的な次ホップ候補として残るが、TS2[A,C,GOOD]>TS1[A,B,GOOD]であるため、ステップS11の処理によりノード#Cを次ホップ候補として選択する。
その後、時刻t12〜t13間において、Link[A,C]のRSSIおよびPERが悪化し、その結果、時刻t13〜t14間でStatus[A,C]がBADになることから、図7のステップS4の処理により、ノード#Cは次ホップノード候補から外れる。一方、Status[A,B]はBADにならないため、ノード#Bが次ホップ候補となる。したがって、図8に示すように、時刻t13以降、ノード#Aにおける宛先ノード#Dへの経路として次ホップはノード#Bに切り替わる。
その後、時刻t14〜t15間において、Link[A,C]のRSSIおよびPERが良好となるが、条件Aを満足する次ホップ候補ノードはノード#Bのみであることから、図9に示すように、ノード#Aにおける宛先ノード#Dの経路として、次ホップはノード#Bのままとなる。
なお、時刻t14〜t15間において、ノード#CのTS2については、最新の観測時間は区間DB1となり、TS2[A,C,BAD]<TH_TS2_BADを満足する。しかし、ノード#CのTS1については、TS1[A,C,BAD]<TH_TS1_BADの条件を満足しないため、ノード#Cは条件Aに該当しないことになる。一方、Link[A,B]では、ノード#Bが条件Aを満足するため、時刻t14以降の次ホップはノード#Bとなる。
以上のように、図3と図9を比較すると明らかなように、本実施形態によれば、中期的、長期的に安定な無線リンクを優先的に使用するように経路情報を制御することが可能となり、その結果、安定した経路テーブルの作成を実現することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、無線伝播状態の変化が大きい状況において、長期的な観測時間で得られた統計情報を基に長期的に安定した無線リンクを使用するようにルーティングプロトコルを動作させることができる。これにより、安定した経路を作成することが可能であり、例えば一時的に完全に通信不可状態となることの影響が大きい動画伝送等のストリーム伝送を想定したシステム等の経路切り替えのコストが大きいシステムへ適用することで、経路切り換えを最小限に抑えることが可能となる。
また、特定のパラメータを必要とせず、無線リンクの状態を示す統一的なパラメータであるステータスを使用することにより、様々なシステムへの適用が可能である。更に、ノード間におけるシグナリング等も不要であることから、既存システムとの親和性も高いシステムを構築することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
14 統計情報取得部
16 ステータス分類部
18 時間占有率取得部
24 送信制御部
100 無線通信装置
200 無線通信システム
16 ステータス分類部
18 時間占有率取得部
24 送信制御部
100 無線通信装置
200 無線通信システム
Claims (10)
- 無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置であって、
無線マルチホップネットワークを構成する隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するパラメータ取得部と、
取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部と、
異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部と、
前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する通信制御部と、
を備えることを特徴とする、無線通信装置。 - 前記通信制御部は、前記複数の観測時間のうち、より長い観測時間における前記時間占有率を優先的に用いて隣接ノードへの通信経路を選択することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記通信制御部は、前記時間占有率が所定の経路選択条件を満たす場合に、当該時間占有率に対応する隣接ノードを通信経路として選択することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記通信制御部は、前記複数の観測時間のうち、少なくとも2つの観測時間における前記時間占有率がともに前記経路選択条件を満たす場合は、より長い観測時間において前記経路選択条件を満たした時間占有率に対応する隣接ノードを通信経路として選択することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記通信制御部は、通信が不可であることを示すステータスの時間占有率が所定の閾値よりも低い隣接ノードを通信経路として選択することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記通信制御部は、通信が可能であることを示すステータスの時間占有率が所定の閾値よりも高い隣接ノードを通信経路として選択することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記通信制御部は、隣接ノードとの間の無線伝播状態が、通信が不可であることを示すステータスである場合は、当該隣接ノードを通信経路の候補から外すことを特徴とする、請求項1に記載の無線通信装置。
- 無線マルチホップネットワークを構成する複数のノードからなる無線通信システムであって、
前記ノードは、
隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するパラメータ取得部と、
取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステータス分類部と、
異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する時間占有率取得部と、
前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する通信制御部と、
を備えることを特徴とする、無線通信システム。 - 無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置における無線通信方法であって、
隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得するステップと、
取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類するステップと、
異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得するステップと、
前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択するステップと、
を備えることを特徴とする、無線通信方法。 - 無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置におけるプログラムであって、
隣接ノードとの間の無線伝播状態を表すパラメータを取得する手段、
取得した前記パラメータに基づいて、隣接ノードとの間の無線伝播状態を複数のステータスに分類する手段、
異なる複数の観測時間において、前記ステータスのそれぞれの時間占有率を取得する手段、
前記時間占有率に基づいて、隣接ノードへの通信経路を選択する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081198A JP2009239489A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081198A JP2009239489A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009239489A true JP2009239489A (ja) | 2009-10-15 |
Family
ID=41252942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008081198A Withdrawn JP2009239489A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009239489A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013070310A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Fujitsu Ltd | 無線端末 |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008081198A patent/JP2009239489A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013070310A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-18 | Fujitsu Ltd | 無線端末 |
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