JP2009237138A - Keyboard device of piano - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、鍵やハンマーを備えるとともに、打弦により弦に楽音を発生させるためのピアノの鍵盤装置に関する。 The present invention relates to a piano keyboard apparatus that includes a key and a hammer and generates a musical tone on a string by striking the string.
従来、この種の鍵盤装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この鍵盤装置は、グランドピアノに適用されたものであり、キャプスタンボタンが取り付けられた揺動自在の鍵と、弦を打弦するためのハンマーと、鍵の押鍵に伴ってハンマーを回動させるアクションを備えている。ハンマーには、シャンクローラが取り付けられており、このシャンクローラは、クロスとその外側のスキンにより円柱状に構成されている。アクションは、回動自在のウィッペンと、このウィッペンに回動自在に設けられたレペティションレバーおよびジャックを有している。
Conventionally, as this type of keyboard device, for example, one disclosed in
以上の構成の鍵盤装置では、鍵の離鍵時において、鍵には、キャプスタンボタンを介してウィッペンが、レペティションレバーには、シャンクローラを介してハンマーが、それぞれ載置されている。この状態から、鍵が押鍵されると、鍵は、キャプスタンボタンを介して、ウィッペンを突き上げ、それにより、ウィッペンは、レペティションレバーおよびジャックと一緒に、上方に回動する。それに伴い、ジャックは、シャンクローラを介してハンマーを突き上げ、上方に回動させ、それにより、ハンマーが弦を打弦することによって、楽音が発生する。 In the keyboard device configured as described above, when the key is released, a whippen is placed on the key via a capstan button, and a hammer is placed on the repetition lever via a shank roller. From this state, when the key is depressed, the key pushes up the whippen via the capstan button, so that the whippen rotates upward together with the repetition lever and the jack. Along with this, the jack pushes the hammer up through the shank roller and rotates it upward, so that the hammer hits the string to generate a musical sound.
上述した押鍵時のキャプスタンボタンによるウィッペンの突上げなどに伴って、両者の衝突による雑音が発生することがあるため、それを防止するために、ウィッペンのキャプスタンボタンとの当接部分には一般に、緩衝材、例えばフェルトが貼り付けられている(以下、このフェルトを「ウィッペンヒールクロス」という)。また、上述したシャンクローラも、押鍵時のジャックによる突上げなどに伴って発生する、両者の衝突による雑音を防止するために、クロスやスキンで構成されている。このような雑音は、鍵の強打によって大きな楽音を発生させる場合には、楽音に埋没し、ほとんど問題にはならないものの、鍵の弱打によって小さな楽音を発生させる場合には、特に問題になる。この雑音を防止するには、これらのウィッペンヒールクロスやシャンクローラを、より柔らかい材料で構成するのが好ましい。 In order to prevent noise caused by collision between the two when the capstan button is pushed up by the capstan button at the time of the key depression described above, it is necessary to prevent the whippen from contacting the capstan button. In general, a cushioning material, for example, felt is attached (hereinafter, this felt is referred to as “Whippen heel cross”). Further, the above-described shank roller is also configured with a cloth or a skin in order to prevent noise caused by the collision between the two, which occurs when the jack is pushed up when the key is pressed. Such noise is buried in the musical sound when a large musical sound is generated by a strong key hit, and hardly causes a problem. However, when a small musical sound is generated by a weak key hit, it becomes a problem. In order to prevent this noise, it is preferable that these wicken heel cloths and shank rollers are made of a softer material.
しかし、上記のようにウィッペンヒールクロスやシャンクローラを柔らかい材料で構成した場合には、両者の変形により吸収される鍵の押鍵エネルギが大きくなり、すなわち、弦への押鍵エネルギの伝達ロスが大きくなり、押鍵エネルギに対して得られる楽音がより小さくなる。このことは、鍵の強打によって大きな楽音を発生させる場合には、特に顕著になり、その結果、楽音のダイナミックレンジが小さくなり、高い演奏性が得られない。 However, when the whippen heel cross or the shank roller is made of a soft material as described above, the key pressing energy absorbed by the deformation of both increases, that is, the transmission loss of the key pressing energy to the string. Becomes larger, and the musical sound obtained with respect to the key depression energy becomes smaller. This is particularly noticeable when a large musical sound is generated by striking a key. As a result, the dynamic range of the musical sound is reduced, and high performance cannot be obtained.
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、鍵の弱打時における雑音の発生を防止できるとともに、鍵の強打時に、鍵の押鍵エネルギを弦に十分に伝達でき、それにより、ピアノの楽音のより大きなダイナミックレンジを得ることができるピアノの鍵盤装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made to solve the above-described problems, and can prevent noise from being generated when a key is hit weakly, and can sufficiently transmit key pressing energy to a string when the key is hit strongly. An object of the present invention is to provide a piano keyboard device that can obtain a larger dynamic range of the musical tone of the piano.
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、打弦により弦に楽音を発生させるためのピアノの鍵盤装置であって、突上げ部を有する揺動自在の鍵と、被突上げ部を有し、鍵の押鍵に伴い、鍵の突上げ部で被突上げ部を介して突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、突上げ部を有し、ウィッペンに設けられ、回動するウィッペンと一緒に上方に移動するジャックと、被突上げ部が設けられ、上方に移動するジャックの突上げ部で被突上げ部を介して突き上げられることにより回動し、弦を打弦するハンマーと、を備え、鍵の突上げ部、ウィッペンの被突上げ部、ジャックの突上げ部、およびハンマーに設けられた被突上げ部の少なくとも1つが、ダイラタント特性を有する材料で構成されていることを特徴とする。
In order to achieve the above object, the invention according to
このピアノの鍵盤装置によれば、鍵の押鍵時、ウィッペンが、その被突上げ部を鍵の突上げ部で突き上げられることにより上方に回動し、このウィッペンの回動に伴い、ジャックがウィッペンと一緒に上方に移動するとともに、ジャックの突上げ部が、ハンマーの被突上げ部を介してハンマーを突き上げることにより、ハンマーが弦を打弦する。このように、押鍵時、鍵の押鍵エネルギが、鍵の突上げ部や、ウィッペンの被突上げ部、ジャックの突上げ部、ハンマーの被突上げ部を介して、弦に伝達される。 According to the keyboard device of this piano, when the key is depressed, the whippen is rotated upward by pushing the raised portion by the push-up portion of the key, and the jack is moved along with the rotation of the whippen. While moving upward together with the whippen, the jack push-up portion pushes the hammer through the hammer raised portion, so that the hammer strikes the string. Thus, when a key is pressed, the key pressing energy is transmitted to the string via the key push-up portion, the wippen push-up portion, the jack push-up portion, and the hammer push-up portion. .
また、上述した構成によれば、鍵の突上げ部、ウィッペンの被突上げ部、ジャックの突上げ部、およびハンマーの被突上げ部の少なくとも1つ(以下「少なくとも1つの要素」という)が、ダイラタント特性を有する材料で構成されている。ここで、ダイラタント特性を有する材料とは、外力が急激に作用したときに剛くなり、それ以外のときには柔らかい状態になるという特性を有する材料である。鍵の弱打時には、鍵やジャックによる突上げ力が急激には作用しないため、上述した構成により、少なくとも1つの要素が柔らかい状態に保持される。これにより、鍵の弱打時、少なくとも1つの要素に対応する上記の突上げ部と被突上げ部の間の衝突による雑音の発生を防止することができる。また、鍵の強打時には、鍵やジャックによる突上げ力が急激に作用するため、上述した構成により、少なくとも1つの要素が剛くなる。これにより、鍵の強打時、鍵の押鍵エネルギを弦にロスなく十分に伝達でき、それにより、ピアノの楽音のより大きなダイナミックレンジを得ることができる。 Further, according to the above-described configuration, at least one of the key push-up portion, the wippen push-up portion, the jack push-up portion, and the hammer push-up portion (hereinafter referred to as “at least one element”). , Composed of a material having dilatant characteristics. Here, the material having a dilatant characteristic is a material having a characteristic that it becomes stiff when an external force is applied suddenly and becomes soft at other times. When the key is hit weakly, the push-up force by the key or jack does not act abruptly, so that at least one element is held soft by the above-described configuration. Accordingly, it is possible to prevent the occurrence of noise due to the collision between the above-described thrust-up portion corresponding to at least one element and the thrust-up portion when the key is weakly struck. Further, when the key is struck, a pushing force by the key or the jack acts abruptly, so that at least one element becomes stiff by the above-described configuration. As a result, when the key is strongly struck, the key pressing energy can be sufficiently transmitted to the strings without loss, thereby obtaining a larger dynamic range of the musical sound of the piano.
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態による鍵盤装置1を、弦Sとともに概略的に示している。この鍵盤装置1は、アコースティックタイプのグランドピアノに適用されたものであり、図1に示すように、多数の鍵2と、鍵2ごとに設けられた、弦Sを打弦するための多数のハンマー21(いずれも1つのみ図示)と、鍵2の押鍵に伴ってハンマー21を回動させるアクション11を備えている。以下の説明では、グランドピアノを演奏者から見た場合の手前側(図1の右側)を「前」、奥側(図1の左側)を「後」とし、鍵2の並び方向(図1の奥行き方向)を「左右方向」とする。
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 schematically shows a
鍵2は、前後方向に延びており、そのほぼ中央において、筬に立設されたバランスピン(いずれも図示せず)に、揺動自在に支持されている。また、鍵2の上面の後部には、真鍮で構成されたキャプスタンボタン3(突上げ部)が立設されている。この筬の左右端部にはそれぞれ、アクション11やハンマー21を取り付けるためのブラケット31(図1に一方のみ図示)が設けられている。これらの左右のブラケット31,31の間には、ウィッペンレール32およびハンマーシャンクレール33が渡されており、両者32,33は左右方向に長く延びている。
The key 2 extends in the front-rear direction, and is supported in a swingable manner by a balance pin (none of which is shown) erected on the collar at substantially the center thereof. A capstan button 3 (push-up portion) made of brass is erected on the rear portion of the upper surface of the key 2. Brackets 31 (only one is shown in FIG. 1) for attaching the
アクション11は、左右方向に延びており、上記の左右のブラケット31,31の間で、かつ、鍵2の上方に配置されている。また、アクション11は、鍵2ごとに設けられた多数のウィッペン12、レペティションレバー14およびジャック15を有している(いずれも1つのみ図示)。ウィッペン12は、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、前後方向に延びる本体部と、その中央から下方に延びるヒール部12aを一体に有している。図2に示すように、このヒール部12aの底面の中央部は若干、凹んだ凹部12bになっており、この凹部12bには、被突上げ部12cが取り付けられている。
The
この被突上げ部12cは、内側の中芯12dと、その下側に設けられた表皮12eを有している。この中芯12dは、ダイラタント特性を有する材料、例えば、d3olab社から販売されている「d3o」で構成されている。また、中芯12dは、上記の凹部12bに部分的に設けられ、その中央に配置されている。上記の表皮12eは、比較的柔らかいフェルトで構成されており、中芯12dを覆った状態で凹部12bに全体的に設けられている。
The raised
また、ウィッペン12は、その後端部において、上記のウィッペンレール32にねじ止めしたウィッペンフレンジ13に回動自在に取り付けられている。ウィッペン12は、鍵2の離鍵状態では、被突上げ部12cを介して、対応する鍵2に設けられたキャプスタンボタン3に載っており、この状態では、キャプスタンボタン3および中芯12dは、互いに対向している。さらに、ウィッペン12には、離鍵時にレペティションレバー14およびジャック15を復帰回動させるためのレペティションスプリング16が取り付けられている。
Further, the
レペティションレバー14は、上述したウィッペン12と同様、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、断面が矩形状で、斜め前上がりに前後方向に延びている。また、レペティションレバー14は、その中央部において、ウィッペン12に回動自在に連結されている。さらに、レペティションレバー14の前部の所定位置には、上下方向に貫通する案内孔14aが前後方向に延びるように形成されており、この案内孔14aよりも前側の上面には、レバースキン14bが貼り付けられている。
The
ジャック15は、ウィッペン12と同様、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、上下方向に延びる断面矩形の突上げ部15aと、その下端部から前方にほぼ直角に延びるボタン当接部15bとから、L字状に形成されている。また、ジャック15は、突上げ部15aとボタン当接部15bとの角部において、ウィッペン12の前端部に回動自在に取り付けられている。突上げ部15aの上端部は、上述したレペティションレバー14の案内孔14aに、前後方向に移動自在に係合している。
The
また、前記ハンマーシャンクレール33の下面には、レギュレーティングレール34がねじ止めされており、このレギュレーティングレール34の下面に、ジャック15の上方への移動を規制するためのレギュレーティングボタン35が、進退自在に螺合している。このレギュレーティングボタン35は、離鍵状態では、ジャック15のボタン当接部15bの前端部と所定の間隔をもって対向している。
A regulating
ハンマー21は、前後方向に延びるハンマーシャンク22と、その先端に取り付けたハンマーヘッド23などで構成されており、ハンマーシャンク22の基端部において、ハンマーシャンクレール33にねじ止めしたハンマーシャンクフレンジ24に回動自在に取り付けられている。このハンマーシャンクフレンジ24の下面には、レペティションレバー14の上方への移動を規制するためのドロップスクリュー26が進退自在に螺合している。このドロップスクリュー26は、離鍵状態では、レバースキン14bが貼り付けられたレペティションレバー14の前端部と所定の間隔をもって対向している。
The
また、上記のハンマーシャンク22の下面前部の所定位置には、シャンクローラ25(被突上げ部)が取り付けられている。このシャンクローラ25は、図3に示すように、板状のローラ芯25aと、このローラ芯25aに設けられた中芯25bおよび表皮25cから成る円柱状のローラを有している。この中芯25bは、前述したウィッペン12の中芯12dと同様、ダイラタント特性を有する材料で構成されている。また、中芯25bは、ローラ芯25aに、その上部を残して表裏の両面をくるむように巻かれた状態で貼り付けられている。上記の表皮25cは、ポリエステルをベースにした比較的柔らかい人工皮革で構成されている。また、表皮25cは、中芯25bの周面全体を覆うとともに、ローラ芯25aの表裏の両面をその上端部を残してくるんだ状態で、中芯25bおよびローラ芯25aに貼り付けられている。ローラ芯25a、中芯25bおよび表皮25cの左右方向の幅は、互いに同じ大きさに設定されている。
In addition, a shank roller 25 (a raised portion) is attached to a predetermined position on the front surface of the lower surface of the
以上の構成のシャンクローラ25は、ローラ芯25aの上端部をハンマーシャンク22に形成された取付溝22aにはめ込み、接着することによって、ハンマーシャンク22に取り付けられている。また、離鍵状態では、シャンクローラ25は、レペティションレバー14の上面に、案内孔14aをまたいだ状態で載っており、前述したジャック15の突上げ部15aと微小な間隔をもって対向している。さらに、この場合、シャンクローラ25の中芯25bは、突上げ部15aの延長線上に位置している。
The
次に、以上の構成の鍵盤装置1の押鍵の開始から終了までの一連の動作について説明する。図1に示す離鍵状態から鍵2が押鍵されると、鍵2はバランスピンを支点として揺動し、ウィッペン12は、その被突上げ部12cを介して、鍵2のキャプスタンボタン3で突き上げられることにより、上方に回動する。それに伴い、レペティションレバー14およびジャック15がウィッペン12と一緒に上方に移動し、レペティションレバー14は、シャンクローラ25を摺動させながらハンマー21を押し上げ、上方に回動させる。
Next, a series of operations from the start to the end of key pressing of the
そして、レペティションレバー14が、ドロップスクリュー26に係合することにより、ウィッペン12に対して回動することによって、ジャック15の突上げ部15aが、レペティションレバー14に対して上方に突出し、シャンクローラ25を介してハンマー21を突き上げる。その後、ハンマー21が、上方に張られた弦Sを打弦する直前まで回動した時点で、ジャック15は、そのボタン当接部15bがレギュレーティングボタン35に係合することにより、ウィッペン12に対して回動し、その突上げ部15aがシャンクローラ25から抜ける。これにより、ハンマー21は、アクション11および鍵2との連結を解かれ、自由回動状態で弦Sを打弦し、その結果、楽音が発生する。
When the
さらにその後、押鍵が終了し、鍵2が離鍵されると、レペティションスプリング16の付勢力により、レペティションレバー14が、離鍵時の元の位置に復帰回動し、シャンクローラ25を摺動させながらこれを押し上げる。それに伴い、ジャック15が、レペティションスプリング16の付勢力により、離鍵時の元の位置に復帰回動し、元の位置に戻ることによって、鍵2が完全に戻らなくても、次の打弦を確実に行うことが可能になる。以上のように、ウィッペン12や、鍵2、ハンマー21が元の離鍵状態に復帰することによって、押鍵の開始から終了までの一連の動作が終了する。
After that, when the key depression is finished and the key 2 is released, the
以上のように、本実施形態によれば、ウィッペン12の被突上げ部12cの中芯12dおよびシャンクローラ25の中芯25bが、ダイラタント特性を有する材料で構成されているので、鍵2の弱打時において、鍵2のキャプスタンボタン3と被突上げ部12cの間、およびジャック15の突上げ部15aとシャンクローラ25の間での衝突による雑音の発生を防止することができる。同じ理由により、鍵2の強打時において、鍵2の押鍵エネルギを弦Sにロスなく十分に伝達でき、それにより、ピアノの楽音のより大きなダイナミックレンジを得ることができる。また、中芯12dが、離鍵時にキャプスタンボタン3に対向するように配置されるとともに、中芯25bが、離鍵時に突上げ部15aの延長線上に位置するように配置されているので、上述した効果をより有効に得ることができる。
As described above, according to the present embodiment, the
さらに、キャプスタンボタン3およびジャック15の突上げ部15aにそれぞれ、ダイラタント特性を有する材料で構成された中芯12dおよび25bが直接、当接するのではなく、フェルトおよび人工皮革でそれぞれ構成された表皮12eおよび25cが直接、当接しているので、中芯12d,25bの摩擦抵抗が大きい場合でも、キャプスタンボタン3および突上げ部15aとの摩擦抵抗を抑えることができる。また、表皮12eおよび25cが柔らかいフェルトおよび人工皮革でそれぞれ構成されているので、衝突による雑音の発生を確実に防止することができる。
Furthermore, the
なお、上述した第1実施形態において、被突上げ部12cの中芯12dに加え、表皮12eをダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、また、シャンクローラ25の中芯25bに加え、表皮25cをダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。さらに、被突上げ部12cを剛性が比較的高い材料、例えば合成樹脂などで構成するとともに、被突上げ部12cとのキャプスタンボタン3の当接部を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、あるいは、被突上げ部12cおよびキャプスタンボタン3の互いの当接部の双方を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。この場合にも、中芯12dおよび/または表皮12eをダイラタント特性を有する材料で構成してもよいことは、もちろんである。
In addition, in 1st Embodiment mentioned above, in addition to the core 12d of the to-
また、シャンクローラ25を剛性が比較的高い材料、例えば合成樹脂などで構成するとともに、シャンクローラ25とのジャック15の突上げ部15aの当接部を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、あるいは、シャンクローラ25および突上げ部15aの互いの当接部の双方を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。この場合にも、中芯25bおよび/または表皮25cをダイラタント特性を有する材料で構成してもよいことは、もちろんである。
Further, the
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態による鍵盤装置51について説明する。この鍵盤装置51は、アコースティックタイプのアップライトピアノに適用されたものであり、図4に示すように、多数の鍵52と、鍵52ごとに設けられた、弦Sを打弦するための多数のハンマー71(いずれも1つのみ図示)と、鍵52の押鍵に伴ってハンマー71を回動させるアクション61を備えている。以下の説明では、アップライトピアノを演奏者から見た場合の手前側(図4の右側)を「前」、奥側(図4の左側)を「後」とし、鍵52の並び方向(図4の奥行き方向)を「左右方向」とする。
Next, a
鍵52は、前後方向に延びており、そのほぼ中央において、棚板81上のバランスレール82に立設されたバランスピン82aに、揺動自在に支持されている。また、鍵52の上面の後端部には、合成樹脂で構成されたキャプスタンボタン53(突上げ部)が立設されている。この棚板81の後端部の左右の端部にはそれぞれ、アクション61やハンマー71を取り付けるためのブラケット83が設けられている(1つのみ図示)。これらの左右のブラケット83,83の間には、センターレール84やハンマーレール85が渡されており、両者84,85は左右方向に長く延びている。
The key 52 extends in the front-rear direction, and is supported by a
アクション61は、左右方向に延びており、上記の左右のブラケット83,83の間で、かつ、鍵52の上方に配置されている。また、アクション61は、鍵52ごとに設けられた多数のウィッペン62、ジャック64およびバット66を有している(いずれも1つのみ図示)。ウィッペン62は、第1実施形態と同様、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、前後方向に延びる本体部と、その前部から下方に延びるヒール部62aを一体に有している。図5に示すように、このヒール部62aの底面の中央部は若干、凹んだ凹部62bになっており、この凹部62bには、被突上げ部62cが取り付けられている。
The
この被突上げ部62cは、内側の中芯62dと、その下側に設けられた表皮62eを有している。この中芯62dは、前述した第1実施形態のウィッペン12の中芯12dと同様、ダイラタント特性を有する材料で構成され、上記の凹部62bに部分的に設けられており、その中央に配置されている。上記の表皮62eは、フェルトで構成されており、中芯62dを覆った状態で凹部62bに全体的に設けられている。
The raised
また、ウィッペン62は、その後部において、上記のセンターレール84にねじ止めしたウィッペンフレンジ63に回動自在に取り付けられている。ウィッペン62は、離鍵状態では、被突上げ部62cを介して、対応する鍵52に設けられたキャプスタンボタン53に載っており、この状態では、キャプスタンボタン53および中芯62dは、互いに対向している。
Further, the
ジャック64は、ウィッペン62と同様、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、前後方向に延びる基部64aと、基部64aの後端部から上方に延びる、基部64aよりも長い突上げ部64bとから、L字形に形成されている。また、ジャック64は、基部64aと突上げ部64bとの角部において、ウィッペン62の前部に回動自在に取り付けられている。さらに、ジャック64の基部64aとウィッペン62の間には、離鍵時にジャック64を復帰回動させるためのジャックスプリング65が設けられている。
The
また、センターレール84には、複数のレギュレティングブラケット86(1つのみ図示)を介して、左右方向に延びるレギュレティングレール87が取り付けられている。このレギュレティングレール87の下面には、ジャック64の上方の移動を規制するためのレギュレティングボタン88が、鍵52ごとに取り付けられている(1つのみ図示)。このレギュレティングボタン88は、離鍵状態では、ジャック64の基部64aと所定の間隔をもって対向している。
Further, a regulating
バット66は、ウィッペン62と同様、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されており、その上面に、ハンマー71が立設されている。バット66の背面の上端部には、離鍵時にバット66をハンマー71とともに復帰回動させるためのバットスプリング66fが取り付けられている。また、図6に示すように、バット66の下面の前端部は、若干、凹んだ凹部66aになっており、この凹部66aには、被突上げ部66bが取り付けられている。
The
この被突上げ部66bは、内側の第1中芯66cおよび第2中芯66dと、その下側に設けられた表皮66eを有している。第1中芯66cは、上述したウィッペン62の中芯62dと同様、ダイラタント特性を有する材料で構成されており、上記の凹部66aの後部に設けられている。上記の第2中芯66dは、フェルトで構成され、凹部66aの前部に設けられており、表皮66eは、ポリエステルをベースにした人工皮革で構成され、第1および第2の中芯66c,66dを覆った状態で凹部66aに全体的に設けられている。
The raised
また、バット66は、その背面側の下端部において、センターレール84の上端部に固定されたバットフレンジ67に、回動自在に取り付けられている。さらに、バット66は、離鍵状態では、上記の被突上げ部66bを介して、ジャック64の突上げ部64bが下方から係合することによって、ハンマー71とともに静止した状態になっている。この状態では、突上げ部64bおよび被突上げ部66bの第1中芯66cは互いに対向している。
The
ハンマー71は、ハンマーシャンク72およびハンマーヘッド73を有している。ハンマーシャンク72は、一定径の円形の断面を有する細長い棒状のものであり、上述したバット66の上面に立設され、上下方向に延びている。ハンマーヘッド73は、ハンマーシャンク72の上端部に設けられている。また、ハンマー71は、離鍵状態では、ハンマーシャンク72が前述したハンマーレール85に後方から当接するとともに、ハンマーヘッド73が弦Sに対向している。
The
次に、以上の構成の鍵盤装置51の押鍵の開始から終了までの一連の動作について説明する。図4に示す離鍵状態から鍵52が押鍵されると、鍵52はバランスピン82aを支点として揺動し、ウィッペン62は、その被突上げ部62cを介して、鍵52のキャプスタンボタン53で突き上げられることにより、上方に回動する。それに伴い、ジャック64は、ウィッペン62と一緒に上方に移動し、その突上げ部64bが、バット66の被突上げ部66bを介してハンマー71を突き上げ、それにより、ハンマー71は、後方の弦Sに向かって回動する。
Next, a series of operations from the start to the end of key pressing of the
そして、ウィッペン62がさらに回動するのに従い、ジャック64は、レギュレティングボタン88で上方への移動が規制されることによって、ウィッペン62に対して回動する。これにより、ジャック64の突上げ部64bがバット66から前方に外れ、ジャック64がハンマー71から離脱することによって、ハンマー71は、自由回動状態で弦Sを打弦し、その結果、楽音が発生する。
As the
その後、押鍵が終了し、鍵52が離鍵されると、鍵52およびウィッペン62は、押鍵時とは逆方向にそれぞれ回動する。それに伴い、ジャック64およびバット66はそれぞれ、ジャックスプリング65およびバットスプリング66fの付勢力により離鍵時の元の位置に復帰回動するとともに、ハンマーシャンク72がハンマーレール85に当接する。この場合、ジャック64は、その突上げ部64bの上端の後ろ側の角部がバット66の被突上げ部66bの前端部に当たった後、被突上げ部66bの下面に沿って後方に摺動して、バット66の下側に入り込み、これと係合することによって、離鍵時の元の位置に復帰する。以上のように、ウィッペン62や、鍵52、ハンマー71が元の離鍵状態に復帰することによって、押鍵の開始から終了までの一連の動作が終了する。
Thereafter, when the key pressing is finished and the key 52 is released, the key 52 and the
以上のように、本実施形態によれば、ウィッペン62の被突上げ部62cの中芯62dおよびバット66の被突上げ部66bの第1中芯66cが、ダイラタント特性を有する材料で構成されているので、鍵52の弱打時において、鍵52のキャプスタンボタン53と被突上げ部62cの間、およびジャック64の突上げ部64bと被突上げ部66bの間での衝突による雑音の発生を防止することができる。同じ理由により、鍵52の強打時において、鍵52の押鍵エネルギを弦Sにロスなく十分に伝達でき、それにより、ピアノの楽音のより大きなダイナミックレンジを得ることができる。また、中芯62dおよび第1中芯66cが、離鍵時にキャプスタンボタン53および突上げ部64bにそれぞれ対向するように配置されているので、上述した効果をより有効に得ることができる。
As described above, according to the present embodiment, the
さらに、キャプスタンボタン53およびジャック64の突上げ部64bにそれぞれ、ダイラタント特性を有する材料で構成された中芯62dおよび第1中芯66cが直接、当接するのではなく、フェルトおよび人工皮革でそれぞれ構成された表皮62eおよび66eが直接、当接しているので、中芯62dおよび第1中芯66cの摩擦抵抗が大きい場合でも、キャプスタンボタン53および突上げ部64bとの摩擦抵抗を抑えることができる。また、表皮62eおよび66eが柔らかいフェルトおよび人工皮革でそれぞれ構成されているので、衝突による雑音の発生を確実に防止することができる。さらに、離鍵時のジャック64の復帰回動の際、その突上げ部64bが当たる被突上げ部66bの前端部の内側に、柔らかいフェルトで構成された第2中芯66dが設けられているので、離鍵時における両者64b,66bの衝突による雑音の発生を確実に防止することができる。
Further, the
なお、上述した第2実施形態において、被突上げ部62cの中芯62dに加え、表皮62eをダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、また、被突上げ部66bの第1中芯66cに加え、第2中芯66dおよび/または表皮66eを、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。さらに、ウィッペン62の被突上げ部62cを剛性が比較的高い材料、例えば合成樹脂などで構成するとともに、被突上げ部62cとのキャプスタンボタン53の当接部を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、あるいは、被突上げ部62cおよびキャプスタンボタン53の互いの当接部の双方を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。この場合にも、中芯62dおよび/または表皮62eをダイラタント特性を有する材料で構成してもよいことは、もちろんである。
In the second embodiment described above, in addition to the core 62d of the raised
また、バット66の被突上げ部66bを剛性が比較的高い材料、例えば合成樹脂などで構成するとともに、被突上げ部66bとのジャック64の突上げ部64bの当接部を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよく、あるいは、被突上げ部66bおよび突上げ部64bの互いの当接部の双方を、ダイラタント特性を有する材料で構成してもよい。この場合にも、第1中芯66c、第2中芯66dおよび表皮66eの少なくとも1つをダイラタント特性を有する材料で構成してもよいことは、もちろんである。
Further, the raised
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、ダイラタント特性を有する材料として、「d3o」を用いているが、ダイラタント特性を有していれば、他の任意の材料を用いてもよいことはもちろんである。また、本実施形態は、本発明をアコースティックタイプのピアノに適用した例であるが、本発明は、ウィッペンやジャックを備える電子ピアノにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。 In addition, this invention can be implemented in various aspects, without being limited to the described embodiment. For example, “d3o” is used as the material having the dilatant characteristic, but it is needless to say that any other material may be used as long as it has the dilatant characteristic. Moreover, although this embodiment is an example which applied this invention to the acoustic type piano, this invention is applicable also to an electronic piano provided with a whippen and a jack. In addition, it is possible to appropriately change the detailed configuration within the scope of the gist of the present invention.
1 鍵盤装置
2 鍵
3 キャプスタンボタン(突上げ部)
S 弦
12 ウィッペン
12c 被突上げ部
15 ジャック
15a 突上げ部
21 ハンマー
25 シャンクローラ(被突上げ部)
51 鍵盤装置
52 鍵
53 キャプスタンボタン(突上げ部)
62 ウィッペン
62c 被突上げ部
64 ジャック
64b 突上げ部
66b 被突上げ部
71 ハンマー
1 Keyboard device 2
51
62
Claims (1)
突上げ部を有する揺動自在の鍵と、
被突上げ部を有し、前記鍵の押鍵に伴い、前記鍵の前記突上げ部で前記被突上げ部を介して突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、
突上げ部を有し、前記ウィッペンに設けられ、前記回動するウィッペンと一緒に上方に移動するジャックと、
被突上げ部が設けられ、前記上方に移動するジャックの前記突上げ部で前記被突上げ部を介して突き上げられることにより回動し、前記弦を打弦するハンマーと、を備え、
前記鍵の前記突上げ部、前記ウィッペンの前記被突上げ部、前記ジャックの前記突上げ部、および前記ハンマーに設けられた前記被突上げ部の少なくとも1つが、ダイラタント特性を有する材料で構成されていることを特徴とするピアノの鍵盤装置。 A piano keyboard device for generating musical tones by striking strings,
A swingable key having a push-up portion;
A whippen that has a pushed-up part and rotates upward by being pushed up by the pushed-up part of the key through the pushed-up part as the key is depressed;
A jack having a push-up portion, provided on the whippen, and moved upward together with the rotating whippen;
A to-be-raised part, and a hammer that turns by pushing through the to-be-raised part at the raised part of the jack that moves upward and hammers the string,
At least one of the raised portion of the key, the raised portion of the whippen, the raised portion of the jack, and the raised portion provided on the hammer is made of a material having a dilatant characteristic. A piano keyboard device characterized by that.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008081713A JP2009237138A (en) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | Keyboard device of piano |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008081713A JP2009237138A (en) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | Keyboard device of piano |
Publications (1)
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JP2009237138A true JP2009237138A (en) | 2009-10-15 |
Family
ID=41251175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008081713A Withdrawn JP2009237138A (en) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | Keyboard device of piano |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009237138A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108630169A (en) * | 2017-03-16 | 2018-10-09 | 卡西欧计算机株式会社 | Key board unit and keyboard instrument |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008081713A patent/JP2009237138A/en not_active Withdrawn
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Legal Events
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