JP2009236110A - 内燃機関の吸気構造及び排気構造 - Google Patents

内燃機関の吸気構造及び排気構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸気温度の上昇抑制効果が高く、耐久性に優れた内燃機関の吸気構造を提供する。
【解決手段】 シリンダヘッド1内の吸気ポート2の内周面には、環状の溝8が長手方向に等間隔で複数個形成してある。環状の溝8はシリンダヘッド1側の吸気ポート2とインテークマニホールド5側の吸気通路12の双方に跨って形成してある。環状の溝8は、燃料噴射弁6の燃料噴射領域Z内にある吸気ポート2の上半部のみに形成してある一方、その他の領域では吸気ポート2の全体に亘って環状に形成してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は内燃機関の吸気構造及び排気構造に関する。
内燃機関においては、燃焼室内の吸気温度が低い程、耐ノック性を向上させることができ、これにより圧縮比を高くして熱効率を向上させることができる。しかし、吸気ポートはシリンダヘッドに形成されているため、シリンダヘッドからの熱伝達による吸気温度の上昇は避けられない。そこで、吸気ポートの内周面に樹脂コーティング層を設けて吸気通路を断熱した構造が提案されている(特許文献1参照)。また、シリンダヘッドの吸気ポートの開口部を大径にし、そこに熱伝達率が低い材料からなる断熱スリーブを配置して、このスリーブに吸気ポートの内周の一部を構成させることにより、断熱スリーブとシリンダヘッドとの間に空隙を形成した構造も提案されている(特許文献2参照)。
ところで、排気ポートに断熱スリーブを装着して排気ガスの温度低下を抑制し、その熱エネルギーを回収利用する技術が記載されている(特許文献3照)。
実開平2−69043号公報(第1図) 特開2007−56794号公報(段落〔0056〕、図3) 特開2002−115601号公報(段落〔0013〕〔0016〕図1、図3)
しかし、特許文献1の構造によると、樹脂コーティング層の温度が時間の経過により上昇し、十分な断熱効果が得られないばかりでなく、樹脂コーティング層が剥がれ易く、耐久性にも問題がある。
一方、特許文献2の構造によると、シリンダヘッド内の吸気ポートの一部にしか空隙が設けられていないため、吸気ポートの断熱が十分でなく、吸気温度の上昇抑制に限界がある。
また、特許文献3の構造によると、断熱スリーブを別途設ける必要があり、部品点数が嵩み、コストアップの要因となる。
本発明は、このような事情に鑑み、断熱性を高めた内燃機関の吸気構造及び排気構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明は、シリンダヘッドに吸気ポートを形成してなる内燃機関において、前記吸気ポートの内周面に、周方向に延びる溝を長手方向に間隔をおいて複数個形成した内燃機関の吸気構造であって、前記各溝は、隣接する他の溝との間隔が幅の2倍よりも小さいことを特徴とする。
かかる構成によれば、吸気流の一部が吸気ポートの内周面の溝に流れ込んで渦を生じるが、その流速は吸気ポート内の吸気流の流速よりも非常に小さくなる。このため、溝内に生じる境界層の厚さは、溝が形成されていない場合の吸気ポート内の内周面近くに生じる境界層の厚さに較べて大きく、渦の温度は溝が形成されていない場合の、吸気ポート内の内周面近くに生じる吸気流の温度よりも低くなり、溝内の渦が断熱層として機能する。
また、溝内の渦の一部は吸気ポートの内周面近くの吸気流と衝突するため、流速の小さい層(境界層)の厚さが大きくなる。この流速の小さい層と、溝内に形成される流速の非常に遅い層がそれぞれ断熱層として機能し、吸気温度の上昇が抑制される。
さらに、各溝は、隣接する他の溝との間隔が幅の2倍よりも小さく形成されているので、溝内の渦によって、吸気ポートの内周面一般部の全体に流速の小さい層(境界層)が厚い部分が広がり、吸気温度の上昇抑制効果が更に高くなる。
前記溝は、シリンダヘッドの吸気ポートの内周面と、前記吸気ポートと連通する吸気装置の吸気通路の内周面の双方に形成してあるのが好ましい。
かかる構成によれば、前記吸気装置側の吸気通路にも渦による断熱層が形成されるので、吸気温度の上昇抑制効果がさらに向上する。
前記溝は、燃料噴射弁の燃料噴射領域を除いて吸気ポート内周面の略全体に形成することができる。
かかる構成によれば、燃料噴射弁の燃料噴射領域には溝が形成されていないので、噴射燃料が吸気ポート内に溜まることを防止することができる。前記燃料噴射弁による燃料噴射領域では前記溝が形成されないが、その他の領域では吸気ポートの内周面全体に亘って環状に溝を形成してあるので、十分な吸気温度の上昇抑制効果が得られる。
前記吸気ポート及び/又は前記吸気通路の内周面には、前記溝と交差して長手方向に延びるリブを形成してあるのが好ましい。
かかる構成によれば、前記吸気ポートもしくは前記吸気装置の吸気通路の湾曲部を吸気が流れる際、遠心力が最も強くかかる箇所から、渦が溝に沿って吸気通路周方向に移動し、渦の回転を加速しようとすることが考えられるが、渦の移動はリブによって阻止される。このため、周方向への移動が制限されることにより、渦の回転速度の上昇が抑えられ、十分な境界層の厚さが確保され、吸気温度の上昇抑制効果が維持される。
前記溝の直径を吸気ポートの直線部分でその軸芯と略直交させてあるのが好ましい。
かかる構成によれば、溝の直径が吸気ポートの軸芯と斜めである場合と比べて、吸気ポートの内周面に形成された各溝の全体の長さが短くなることから、溝形成による吸気量の低下を抑制することができる。
前記溝は、吸気ポートの内周面であって、吸気バルブのバルブガイド挿入孔よりも燃焼室側の部分を除く略全体に形成してあるのが好ましい。
かかる構成によれば、吸気流が吸気バルブのシャフトに当たって流速を低下させ、バルブガイド挿入孔の周辺には空気の流れの遅い部分が形成される。従って、この部分に溝を形成しても、境界層の厚さ増加による断熱効果の向上は然程でもなく、溝省略による吸気量の低下抑制のメリットの方が大きい。
前記課題を解決するための本発明は、シリンダヘッドに排気ポートを形成してなる内燃機関において、前記排気ポートの内周面に、周方向に延びる溝を長手方向に間隔をおいて複数個形成した内燃機関の吸気構造であって、前記各溝は、隣接する他の溝との間隔が幅の2倍よりも小さいことを特徴とする。かかる構成による作用効果は、上述の吸気の場合と同じであるので、以下、その説明は省略する。
前記溝は、シリンダヘッドの排気ポートの内周面と、前記排気ポートと連通する排気装置の排気通路の内周面の双方に形成してあるのが好ましい。
前記排気ポート及び/又は前記排気通路の内周面には、前記溝と交差して長手方向に延びるリブを形成してあるのが好ましい。
前記溝の直径を排気ポートの直線部分でその軸芯と略直交させてあるのが好ましい。
本発明によれば、吸気流の一部が吸気ポート内周面の溝に流れ込んで渦を生じ、この渦が断熱層として機能し、その分だけ吸気流の吸気ポート内周面に対する接触面積が少なくなるので、吸気温度の上昇を抑制することができる。なお、排気についても同様の作用により排気温度の低下を抑制することができる。
さらに、吸排気ポートの内周面に溝を形成した簡単な構造であるので、コストの上昇が少なくて済み、シリンダヘッドの吸気ポートの内周面に断熱材を接合した構造に較べると、耐久性が高い。
図1は本発明の内燃機関の吸気装置を模式的に示す図で、シリンダヘッド内 の給排気通路の部分を断面で示す図である。 図2は図1の吸気通路を拡大して示す図である。 図2のA−A線断面図である。 リブの作用を説明する図で、(a)はリブのない場合の渦の動きを示す図、( b)はリブのある場合の渦の動きを示す図である。 図3のC−C線断面図で、(b)は(a)の変形例を示す図である。 図2の変形例を示す図である。 図3の変形例を示す図である。 図2の他の変形例を示す図である。 本発明の作用を説明する図である。 本発明の作用を説明する図である。 境界層の厚さを比較する図である。 吸気ポート内の流速分布を示す図である。 バルブリフト量と有効開口面積の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、シリンダヘッド1はアルミニウム合金を鋳造して吸排気ポート2,3と燃焼室4を形成してある。シリンダヘッド1には、吸気ポート2と連通する吸気装置5が取り付けてある。シリンダヘッド1は、吸気ポート2と排気ポート3の軸芯CLで3つの部分1a,1b,1cに分割してある。一方、シリンダヘッド1には燃料噴射弁6が取り付けてあり、燃料噴射弁6から噴射された燃料は分岐通路7を通って吸気ポート2内の空気と混合する。さらに、シリンダヘッド1には、排気ポート3と連通する排気装置11が取り付けてある。吸気装置5はアルミニウム合金または樹脂で成形される一方、排気装置11は鉄またはステンレスで成形されている。
燃料噴射弁6はシリンダヘッド1の他にも、吸気ポート2と吸気装置5との間に吸気ポート2と連通する吸気通路を備えるプレート部材を介在させ、これに取り付けても良い。この場合、前記プレート部材の内周面にも後述する溝8を形成することができる。
シリンダヘッド1側の吸気ポート2の内周面には、周方向に延びる環状の溝8が互いに平行かつ長手方向に略等間隔で複数個形成してある。吸気ポート2の直線部分では、これらの溝8は、その中心Oを軸芯CLと一致させて半径Rで形成してある(図5参照)。つまり、各溝8の直径を吸気通路2の軸芯CLと直交させることで、溝8内に後述する渦Sを生じ易くしてある。なお、吸気ポート2及び吸気装置5側吸気通路12の軸芯CLとは横断面の中心を結ぶ線をいう。このため、吸気ポート2の断面形状によっては、溝8の中心Oは必ずしも吸気通路2の軸芯CLと完全に一致していなくてもよい。すなわち、直線部分では、溝8の直径は吸気ポート2及び吸気通路12の軸芯CLと直交させてある。一方、湾曲部分では、溝8の直径は軸芯CLに対し傾斜させてある。また、溝8は直線部分と湾曲部分の双方で幅aと間隔bを等しく形成してある。吸気装置5側の吸気通路12の内周面にも、同様の溝8を形成してある。
各溝8は、隣接する他の溝8との間隔bが幅aの2倍よりも小さく形成してある(図5参照)。これは、後述の渦Sが溝8内に形成されて、吸気ポート2の内周面一般部2aの全体に流速の小さい層(境界層)が厚い部分を広げることができるからであり、吸気温度の上昇抑制効果が更に高くなる。
吸気装置5の一例としては、インテークマニホールドが挙げられる。インテークマニホールドは、その内部にサージタンク室を有しており、スロットルバルブ装置を通過した空気がサージタンク室内に流入する。サージタンク室は、インテークマニホールドの長手方向に延びるように形成され、そのサージタンク室の周囲に、サージタンク室内の空気をエンジンの各気筒に供給するためにサージタンク室と吸気ポート2を連通させる吸気通路12が設けられている。吸気装置5側に設けられる溝8はこのインテークマニホールドの吸気通路12の内周面に形成されるが、特にシリンダヘッドからの熱伝達が見込まれるシリンダヘッド側の出口部分(例えば、サージタンク出口までの部分)のみに溝8を形成することもできる。
吸気通路2の内周面には、溝8と交差して長手方向に延びるリブ9が周方向に等間隔で2本形成してある(図4参照)。これらリブ9は吸気ポート2の内周面一般部2aと面一に形成してある。リブ9の図示は、図4と図7を除き省略されている。なお、吸気装置5側の吸気通路12にも同様のリブ9が形成してある。
ところで、本実施形態では図2に示すように吸気ポート2の内周面のうち、燃料噴射領域Zには、溝8が形成されていない。ここで、燃料噴射領域Zとは、吸気ポート2の内周面のシリンダ軸線Cと平行な断面から見て軸芯CLよりも燃焼室4の外壁面4a側半分の領域であって、燃料噴射弁6から噴射される燃料があたる箇所のうち、もっとも燃焼室4から離れた箇所を含むシリンダ軸線Cと平行な断面と吸気ポート2の燃焼室4への開口面とによって囲まれた領域をいう。燃料噴射領域Zに溝8を形成しないことにより、噴射燃料が吸気ポート2内に溜まることを防ぐことができる。
図2に示すように燃料噴射弁6からの噴射燃料が吸気ポート2の内周面のうち、シリンダ軸線Cと平行な断面から見て燃焼室4の外壁面4aと反対側半分にもあたる場合が考えられるが、この場合であっても、シリンダ軸線Cと平行な断面から見て燃焼室の外壁面4aと反対側半分の領域には吸気ポート2の燃焼室4への開口面に至るまで溝8を形成することにより、より高温となる燃焼室に近い領域において、溝8の内部で渦Sを発生させ、吸気流Fの温度抑制効果を発揮させることができるからである。勿論、この吸気ポート2の燃焼室の外壁面4aとは反対側半分の内周面においても、噴射燃料があたる箇所のうち、もっとも燃焼室4から離れた箇所を含むシリンダ軸線Cと平行な断面と吸気ポート2の燃焼室4への開口面とによって囲まれた領域には溝8を形成しなくても良い。これにより、より一層噴射燃料が吸気ポート2の内周に溜まることを防ぐことができる。
更に、燃料噴射弁6から燃料が円錐状に噴射されることからすれば、前記燃料噴射領域Zに該当する領域の中でも、燃料が付着する領域と付着しない領域とが現れる。この場合に、前記燃料噴射領域Zにあっても、実際に直接燃料が付着しない領域には溝8を形成することにより、より効果的に吸気流Fの温度抑制効果を発揮させることができる。また、シリンダ軸線Cと平行な断面から見て燃焼室の外壁面4aと反対側半分の内周面の一部に溝8を設けない場合にあっても、前記燃料噴射領域の場合と同様に、実際に燃料が付着しない領域には溝8を形成し、付着する領域には溝8を形成することができる。一方、図6と図7に示すように燃焼室4内に燃料を直接噴射する場合には、噴射燃料が吸気ポート2内に溜まることはないので、吸気ポート2の全体に亘って環状の溝8を形成してある。
図9と図10は本発明の作用を説明する図である。
以上のような構造の吸気ポート2では、図9に示すように、吸気ポート2の内周面に空気の流れの遅い境界層Lが発生する。そして、この内周面に溝8を形成することにより、吸気流Fの一部が溝8に流れ込んで渦Sを生じるが、その流速は吸気ポート2内の吸気流Fの流速よりも小さくなる。このため、溝8内に生じる境界層Lの厚さは、吸気ポート2の内周面の一般部(溝8の形成されていない部分)2aに生じる境界層Lの厚さに較べて大きく、溝8の内面と渦Sとの間に断熱層が形成され、渦Sの温度は吸気流Fの温度よりも低くなる。つまり、溝8内の渦Sが断熱層として機能し、その分だけ吸気流Fが吸気ポート2の内周面一般部2aと接触する面積が少なくなるので、吸気温度の上昇が抑制される。吸気弁が閉じると、吸気ポート2内の圧力が減少し、図10に示すように溝8内の渦Sが吸気ポート2に引き出されることが考えられ、次回の吸気行程でも同様のことが繰り返される。
すなわち、吸気流Fの一部が吸気通路内周面の溝8に流れ込んで渦Sを生じ、この渦Sが断熱層として機能するので、その分だけ吸気流Fの内周面一般部2aとの接触面積が少なくなり、吸気温度の上昇が抑制される。この場合に、溝8内に生じる境界層Lの厚さが大きく、渦Sの温度は吸気流Fの温度よりも低いことから、溝8内の渦Sが吸気ポート2に引き出されても、渦S自体の温度は境界層Lが厚いことから低く、吸気流Fの温度上昇への影響は小さい。また、従来の吸気ポート(溝8のない構造)に較べて、吸気流Fの流速が小さくなるため、吸気ポートの内周面一般部に生じる境界層Lの厚さも大きくなり、吸気温度の上昇抑制に役立つ。
また、流れの遅い渦Sが溝8内で形成されることにより、吸気ポート2の内周面一般部2aに形成される流れの遅い層が更に厚くなる。この吸気ポート2の内周面一般部2aに形成される流れの遅い層M(以下、「中間層M」という。図11、図12参照)は、境界層Lや渦Sよりも流れが速いものの、吸気流Fの主流よりも流れが遅い層であり、この中間層Mが形成されることにより、断熱効果が更に向上する。
ところで、吸気ポート2の湾曲部を吸気が流れる際、吸気流Fに遠心力fが作用するので、リブ9を設けていない場合、渦Sが溝8に沿って吸気ポート2の周方向に移動し、渦Sの回転を加速しようとすることが考えられる(図4(a)参照)。ただし、リブ8を設けてある場合、渦Sの移動はリブ9によって阻止されるため(図4(b)参照)、渦Sの回転速度の上昇が抑えられ、十分な境界層L及び中間層Mの厚さが確保され、吸気温度の上昇抑制効果が維持される。
さらに、吸気ポート2の内周面に溝8を形成しただけの簡単な構造であるので、コストの上昇が少なくて済み、吸気ポート2の内周面に断熱材を接合した構造に較べると、耐久性が高い。
図8は図2の他の変形例を示している。
溝8は、吸気ポート2の内周面であって、吸気バルブ20のバルブガイド挿入孔21よりも燃焼室4側の部分を除く略全体に形成してある。この場合、吸気流Fが吸気バルブ20のシャフト20aに当たって流速を低下させているので、バルブガイド挿入孔21の周辺には空気の流れの遅い部分が形成される(図12(a)〜(d)参照)。従って、この部分に溝を形成しても、境界層Lの厚さ増加による断熱効果の向上は然程でもなく、溝省略による吸気量の低下抑制のメリットの方が大きい。また、生産コストの削減効果も大きい。このため、以上のような構造を採用しているのである。
ところで、溝8内の渦Sを断熱層として機能させるためには、図5に示すように、溝8はある程度の深さcを有するのが望ましい。これは、溝8に十分な深さがない場合、渦Sが溝8からはみ出して、吸気流Fに混ざって流れることから溝8内部に断熱層となる境界層Lが形成されないおそれがあり、渦Sが溝8からはみ出して吸気流Fと混ざることにより、渦Sによる吸気ポート2の内周面側の空気の流れの遅い境界層Lや中間層Mを厚くする効果が損なわれるのを防止するためである。
また、溝8の断面形状は、図5(a)に示すように、成形性を考慮すると、隅部に縁取りを施すのが好ましいが、渦Sの停留を良くするには、同図(b)に示すように、縁取りを省くのが好ましい。これは、渦Sが溝8の内面から熱を受けにくくなるためである。
図11は吸気ポート2の内周面一般部2aに生じる境界層L及び中間層Mの厚さの相違を示している。同図(a)は溝のないものを、同図(b)(c)は溝のあるものを示している。
図11(a)に示すように、吸気ポート2の内周面に溝8が形成されていない場合、内周面近傍の流速は、流体の粘性によって多少遅くなるものの、溝8の内部ほど遅くならず、吸気流Fと境界層Lの中間的な流速(中間層M)になる。
一方、図11(b)に示すように、各溝8は、隣接する他の溝8との間隔bが幅aの2倍よりも小さくする必要がある。このようにすれば、溝8と溝8の間の内周面一般部2aにおいて、流速の遅い境界層Lがつながり易くなる。また、溝8の上部においては、溝8(渦S)の影響によって中間層Mの厚さが大きくなり、これがつながることによって中間層Mの厚さが全体的に大きくなり、断熱効果が向上する。
なお、図11(c)に示すように、間隔bが溝8の幅aの2倍より大きくなれば、吸気ポート内周面一般部2aにおいて溝8(渦S)の影響が小さくなるため、空気の流れの遅い境界層Lが形成されなくなる。また、溝8のある部分では溝8(渦S)の影響によって中間層Mが若干厚くなるが、溝8と溝8の間の内周面一般部2aでは、溝8(渦S)の影響が消えるので、中間層Mの厚さは大きくならない。そのため、かかる構造では断熱効果が損なわれてしまう。これは図11の(b)と(c)の比較より分かる。
また、溝8の幅aは間隔bよりも大きくすることが望ましい。吸気ポート2の内周面一般部2aの面積を小さくするためである。
なお、溝8の深さcについては大きい方が望ましく、冷却水通路及び締付ボルトの配置等のレイアウト上の制約はあるが、1mm以上であり、幅aの1/2以上あることが望ましい。
図12は吸気ポート2内の流速分布を示している。
図12(a)は、吸気ポート2に溝を設けない場合を示しており、吸気ポート2の内周面に吸気流Fよりも流速の遅い中間層Mが薄く形成されている。また、溝8の内部と同程度の流速の層(すなわち境界層L、図12(b)参照)は形成されておらず、断熱効果が低い。
図12(b)は、吸気ポート2の内周面に吸気ポート2の軸芯CLと傾斜する溝8を溝8の幅の2倍よりも小さい間隔(具体的には、溝幅の1/2の間隔)で設けた場合を示している。図12(b)の溝8の間隔は、溝8の幅の2倍よりも小さいので、溝8と溝8の間の内周面一般部2aに境界層Lが形成されている。さらに、溝8によって中間層Mの厚さが全体的に大きくなっており、断熱効果が高められている。
図12(c)は、吸気ポート2の内周面に吸気ポート2の軸芯CLと傾斜する溝8を溝8の幅の2倍以上の間隔(具体的には、溝幅の2倍の間隔)で設けた場合を示している。図12(c)の溝8の間隔は、溝8の幅の2倍以上であるので、図12(b)に比較して、溝8と溝8の間の内周面一般部2aに境界層Lが形成されていない。また、溝8が形成されて渦Sが形成されている部分では、中間層Mの層厚が大きくなっているが、内周面一般部2aにおいては中間層Mの厚さは大きくならず、図12(b)に比較して、断熱効果に乏しい。
図12(d)は、吸気ポート2の内周面に吸気ポート2の軸芯CLと直交する溝8を溝8の幅の2倍よりも小さい間隔(具体的には、溝幅の1/2の間隔)で設けた場合を示している。かかる場合も、図12(b)と同じように、溝8の内部及び溝8と溝8の間に流速の遅い境界層Lが形成されるとともに、溝8によって中間層Mの厚さが全体的に大きくなっており、断熱効果が高められている。また、図12(d)に示すように、溝8の直径を吸気ポート2の軸芯CLと直交させると、溝8を軸芯CLに対して傾斜させた場合に比較して、吸気流が溝8に流れ込み易くなり、吸気ポート2の内周面付近での流速低下が大きくなるのが分かる。
図13はバルブリフト量と有効開口面積の関係を示している。
図13において、線Aは溝のないもの(図12(a)に相当する構造)を、線Bは後述の直交溝をバルブガイド挿入孔21を除いてポート全体に形成したもの(図12(d)に相当する構造)を、線Cは後述の傾斜溝をバルブガイド挿入孔21を除いてポート全体に形成したもの(図12(b)(c)に相当する構造)を、線Dは傾斜溝をポート全体に形成したものを示している。
傾斜溝をポート全体に形成すると、有効開口面積が低下する(A→D)のがわかる。ここで、バルブガイド挿入孔への傾斜溝を省くと、有効開口面積の低下が少なくなる(D→C)。つまり、吸気量の低下抑制に役立つことが分かる。
ところで、図12(d)に示すように、溝8の直径を吸気ポート2の軸芯CLと直交させているのは、これを吸気ポート2の軸芯CLに対し傾斜させた場合と比べて、吸気ポート2の内周面に形成される溝8の深さcが小さくなり、溝8の形成による吸気量の低下が少なくなるためである。このことは、図13の線Bと線Cに示されている。なお、吸気ポート2の湾曲部で溝8の直径を吸気ポート2の軸芯CLに対し傾斜させているのは、金型からの離脱を考慮したためである。
なお、吸気温度を低く保つためには、シリンダヘッド1側の吸気ポート2と吸気装置5側の吸気通路12の双方に跨って溝8とリブ9を形成するのが好ましいが、インテークマニホールド5が熱伝導率の低い材料で成形されている場合、つまり、インテークマニホールド5の温度が然程高くならない場合には、吸気装置5側の吸気通路12の溝8とリブ9は省いてもよい。
ところで、以上のような断熱構造を排気通路に採用すると、排気ガスの温度低下を抑制できる。すなわち、排気通路の全体に亘って(シリンダヘッド1側の排気ポート3と排気装置11側の内部空間13の双方に跨って)溝8とリブ9を形成すればよい(図1参照)。あるいは、シリンダヘッド1側の排気ポート3だけに溝8とリブ9を形成してもよい。このようにすると、溝8内に生じる渦が断熱層として機能し、この渦が生じることにより排気ポート内周壁に形成される流れの遅い層が更に厚くなることで断熱層を形成し、内周壁に近い部分の排気よりも軸芯に近い排気流がより流れることから、排気温度の低下が抑制される。
これによる効果としては、例えば排気ガスで触媒の暖機を行う場合に、触媒の早期暖機が可能になり、排気ガスの浄化に役立つ。また、ランキンサイクルを適用した廃熱回収装置(特開2001−132444号参照)を使用する場合、蒸発器に送る排気ガスの温度が高くなり、熱効率の向上に役立つ。
1 シリンダヘッド
2 吸気ポート
3 排気ポート
4 燃焼室
5 吸気装置
6 燃料噴射弁
7 分岐通路
8 溝
9 リブ
11 排気装置
12 吸気装置の吸気通路
13 排気装置の排気通路
20 吸気バルブ
21 バルブガイド挿入孔

Claims (11)

  1. シリンダヘッドに吸気ポートを形成してなる内燃機関において、前記吸気ポートの内周面に、周方向に延びる溝を長手方向に間隔をおいて複数個形成した内燃機関の吸気構造であって、
    前記各溝は、隣接する他の溝との間隔が幅の2倍よりも小さいことを特徴とする内燃機関の吸気構造。
  2. 前記溝は、シリンダヘッドの吸気ポートの内周面と、前記吸気ポートと連通する吸気装置の吸気通路の内周面の双方に形成してあることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。
  3. 前記溝は、燃料噴射弁の燃料噴射領域を除いて前記吸気ポートの内周面の略全体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。
  4. 前記吸気ポート及び/又は前記吸気通路の内周面には、前記溝と交差して長手方向に延びるリブを形成してあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
  5. 前記溝の直径を吸気ポートの直線部分でその軸芯と略直交させてあることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
  6. 前記溝は、吸気ポートの内周面であって、吸気バルブのバルブガイド挿入孔よりも燃焼室側の部分を除く略全体に形成してあることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
  7. シリンダヘッドに排気ポートを形成してなる内燃機関において、前記排気ポートの内周面に、周方向に延びる溝を長手方向に間隔をおいて複数個形成した内燃機関の排気構造であって、
    前記各溝は、隣接する他の溝との間隔が幅の2倍よりも小さいことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  8. 前記溝は、シリンダヘッドの排気ポートの内周面と、前記排気ポートと連通する排気装置の排気通路の内周面の双方に形成してあることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気構造。
  9. 前記排気ポート及び/又は前記排気通路の内周面には、前記溝と交差して長手方向に延びるリブを形成してあることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の内燃機関の排気構造。
  10. 前記溝の直径を排気ポートの直線部分でその軸芯と略直交させてあることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の内燃機関の排気構造。
  11. 前記溝は、排気ポートの内周面であって、排気バルブのバルブガイド挿入孔よりも燃焼室側の部分を除く略全体に形成してあることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気構造。
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