JP2009235620A - インクジェット捺染方法および捺染物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を、赤の分散染料を使用してインクジェット捺染するに際し、各種染色堅牢度が良好であり、また目剥き現象の発生も見られない、インクジェット捺染方法および該方法により捺染された捺染物を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛をインクジェット捺染する方法であって、該混用布帛に対して、赤インクの色材として150℃以上の融点をもつ分散染料を使用してインクジェット捺染をおこなうインクジェット捺染方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛に対するインクジェット捺染方法および該方法により捺染された捺染物に関する。
通常、ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を染色しようとする場合、染料としては分散染料が選択される。その場合の問題点として、本来であればポリエステル系繊維の方に重点的に分散染料を吸着させたいのであるが、ポリウレタン繊維の方がポリエステル系繊維よりも分散染料を吸着しやすいので、結果的に、ポリウレタン繊維へ分散染料が過度に吸着してしまう。また厄介なことに、ポリウレタン繊維は分散染料の吸着もしやすいが、脱落もしやすく、このため、分散染料により染色されたポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛は、総じて各種染色堅牢度が悪くなる傾向にあり、その顕著な例として、ドライクリーニング時における液汚染が問題にされる場合が多い。
特許文献1には、ポリウレタン弾性糸とポリエステル系繊維より構成される繊維製品を分散染料で染色後、還元剤として二酸化チオ尿素とハイドロサルファイトナトリウムを併用して一浴にて還元洗浄することにより、高い発色性と優れた染色堅牢度、特に優れたドライクリーニング堅牢度を有する分散染料染色物を得ることができるポリウレタン弾性糸含有繊維製品の処理方法が開示されている。しかしながらこの方法は、還元洗浄の条件を強力にして余分な染料を落とそうとするものであり、結果的に余分な染料ばかりか染着している染料も落としてしまうおそれがあり、濃色を得ようとした場合には不向きな方法である。また更には、バッチ間の色バラツキも発生しやすく、色の再現性を保ちにくいという欠点もある。
また、この各種染色堅牢度が悪くなるという問題は、捺染(プリント)をする場合においては、分散染料が柄部分から白場へしみ(泣き)出してくることにより著しく品位を低下させてしまうので、浸染(無地染め、ベタ染め)をする場合よりも深刻な問題であり、捺染(プリント)のなかでも、低粘度のインクを布帛の片面より付与するインクジェット方式を用いる場合において特に問題となっている。
この各種染色堅牢度が悪くなるという問題についてもう少し詳しくふれると、この問題は特に赤の染料を使用した場合において顕著であり、何らかの改善策が必要である。
上述してきたように、ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を染色しようとする場合、分散染料のポリウレタン繊維への過度の吸着が最大の問題であった。しかしながら、ポリウレタン繊維が全く染まっていない状態がよいかというと、この場合、例えば、染色された混用布帛を引き伸ばしたとき、染まっていないポリウレタン繊維が剥き出しになり、生地が白っぽくみえる(目剥き)という現象が発生してしまうのでこれも好ましいとは言えない。理想としては、過度ではなく、適度に、分散染料がポリウレタン繊維に吸着することではあるが、現実には困難であり、その有効な改善策については未だ提案されていない。
特開平10−280285号公報
上記事情に鑑み、本発明は、ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を、赤の分散染料を使用してインクジェット捺染するに際し、各種染色堅牢度が良好であり、また目剥き現象の発生も見られない、インクジェット捺染方法および該方法により捺染された捺染物を提供することを目的とする。
上記課題に対し、以下の構成により本発明の目的を達成することができた。すなわち本発明は、下記のインクジェット捺染方法および該方法により捺染された捺染物である。
1)ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛をインクジェット捺染する方法であって、該混用布帛に対して、赤インクの色材として150℃以上の融点をもつ分散染料を使用してインクジェット捺染をおこなうことを特徴とするインクジェット捺染方法。
2)赤インクがC.I.ディスパーズレッド60、86、152、177、179、343および202からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有することを特徴とする上記1)のインクジェット捺染方法。
3)上記1)または2)記載のインクジェット捺染方法により捺染された捺染物。
本発明のインクジェット捺染方法により、ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を赤の分散染料を使用してインクジェット捺染した際に、各種染色堅牢度が良好であり、また目剥き現象の発生も見られない捺染物を得ることができる。
本発明のインクジェット捺染方法において使用する赤インクに含まれる色材は、150℃以上の融点を有する分散染料である。前記赤インクに含まれる分散染料の融点が150℃以上であることにより、各種染色堅牢度が良好であり、また、目剥きの発生を防止することができる。この理由については、インクジェット捺染における分散染料のポリウレタン繊維への過度な吸着は、インクジェット捺染後の染料を固着させるための熱処理にて主におこっており、その原因が分散染料の溶解による布帛内部への過浸透にあるためであると考えられる。つまり、インクジェット捺染直後には分散染料の大半が混用布帛表面(ポリエステル系繊維側)に留まっている状態であるが、染料を固着させるための熱処理(150℃以上)時には、この熱処理温度よりも低い融点をもつ分散染料が溶けだしてしまい、それがポリエステル系繊維へ吸着するよりも先に布帛内部(ポリウレタン繊維側)へ多くが浸透していってしまうと考えられ、赤インクに含まれる分散染料の融点を150℃以上とすることにより、この現象を適度に抑えることができるものと考えられる。
分散染料の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析により容易に測定することができる。
本発明のインクジェット捺染方法において赤インクに含有される分散染料として、C.I.ディスパーズレッド60、86、152、177、179、343および202からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有することが好ましい。
またインクジェットプリンターに装備されるインクについては、上記赤インクの他に、
黄および青の3原色インク、グレー、ベージュ、茶色等の中間色インク、黒インク、等を挙げることができる。これらのインクに含有される分散染料については、通常、赤インクに含有される分散染料に比べて融点が高いものが多く、それ程厳密に選択する必要はないものであるが、より高い効果を求めるのであれば、これらのインクに含まれるすべての分散染料の融点が150℃以上であるものとすることが好ましい。
インク中の分散染料の含有量は、インク全体量に対し、0.05〜20重量%であることが好ましい。含有量が0.05重量%未満であると充分な着色が得られず、20重量%を超えると過剰となり、コスト高となる。
インク中の分散染料の平均粒子径としては、0.01〜0.35μmであるのが好ましく、0.02〜0.30μmであるのがより好ましい。この範囲であれば、インクジェットノズルからの吐出が安定して可能となるためである。
またインクは、少なくとも色材、色材の分散剤および水性溶媒を含有する。
分散剤としては、アニオン系界面活性剤を含むアニオン系化合物、ノニオン系界面活性剤を含むノニオン系化合物のいずれも使用できるが、例えば、アニオン系化合物としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩およびこれらの置換誘導体等;ノニオン系化合物としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーおよびこれらの置換誘導体等が挙げられる。
インク中の分散剤の含有量は、インク全体量に対し、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。分散剤の含有量が0.1重量%未満であると、水溶性染料中に存在する分散染料粒子全体に吸着することができず、分散粒子同士が凝集を示し、粗大化した粒子が沈降性を示し、吐出性を低下させるおそれがあり、15重量%を超えると、インク中で分散粒子に吸着せずに存在する分散剤が析出し、凝集することによってインクの安定性が低下するおそれがある。
水性溶媒には、水のほかに補助溶媒を含有させることができる。補助溶媒としては、水と相溶性の有る有機溶媒が挙げられ、有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類が挙げられる。
本発明に使用するインクには、さらに、防腐剤および消泡剤等を含有させることができる。防腐剤としては、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル等のイミダゾール系化合物、1,2−ベンツチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン等のチアゾール系化合物、また、ヨード系、ニトリル系、フェノール系、ハロアルキルチオ系、ピリジン系、トリアジン系、ブロム系等の各化合物が挙げられる。消泡剤としては、低級アルコール、オレイン酸、ポリプロピレングリコール等の有機極性化合物、およびシリコーン樹脂が挙げられる。
分散染料をインク化する際に使用する分散機には、従来公知のボールミル、サンドミル、ロールミル、ラインミル、サンドグラインダー等の各種分散機を使用することができる。
ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維、等が例示でき、また、ポリウレタン繊維については、通常、エーテル系とエステル系の2つに分類されるが、その何れでもよく、特に限定されない。ポリウレタン繊維は、裸糸で使用する場合よりもポリウレタン繊維にPET繊維等の他の繊維を巻きつけたりして使用する場合(カバード、コアスパン)が多く、また布帛の設計に関してみても、ポリウレタン繊維が布帛表面に露出しないように布帛の内部または裏面に位置するようにされ、極力、ポリウレタン繊維に直接光が当たらないような工夫がなされている。
本発明によりインクジェット捺染する対象となる混用布帛の形態は、織物、編物、不織布等いずれの形態でもよく、特に限定されない。
ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛を、本発明によりインクジェット捺染する前には、該混用布帛を前処理することが好ましい。かかる前処理に用いる前処理剤としては、水溶性ポリマー、非水溶性不活性有機化合物、難燃剤、紫外線吸収剤、還元防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、ヒドロトロープ剤、消泡剤、浸透剤、ミクロポーラス形成剤等を例示することができる。
水溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、クリスタルビアガム、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、デンプン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子が挙げられる。
非水溶性不活性有機化合物で混用布帛表面を前処理すると、混用布帛の表面が平滑となり、繊維の表面を均一に疎水性化することができるため、インクを布帛表面に均一に付与することができる。このため、非水溶性不活性有機化合物はより好ましく用いることができる。非水溶性不活性有機化合物としては、融点が40〜150℃である有機モノマー、オリゴマーまたは低分子量ポリマーが用いられる。これらの数平均分子量は、通常10000以下、好ましくは5000以下、さらに好ましくは100〜2000である。
かかる非水溶性不活性有機化合物としては、低分子量合成樹脂類、炭化水素系ワックス化合物、天然系ワックス化合物、高級脂肪酸アミド系化合物、高級アルコール系化合物、多価アルコール高級脂肪酸エステル系化合物等が例示され、好ましくは、ポリエチレン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の低級アルキレンポリマー系化合物、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックスなどの石油化学系合成ワックス類等の炭化水素系ワックス化合物、エチレンビスステアリンアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチロールステアリンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド系化合物、および、グリセリンオレイン酸エステル、グリセリンステアリン酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールステアリン酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸エステル等の多価アルコ−ル高級脂肪酸エステル系化合物が例示される。これらのなかでは、炭化水素系ワックスとその他との混合物が、乳化分散性に優れる点等により特に好ましい。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等が挙げられる。還元防止剤としては、ニトロベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸誘導体等が挙げられる。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、クエン酸アンモニウム、リン酸二水素カリウム等の酸性調整剤や、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ性調整剤が挙げられる。pH調整剤の添加量を変えることでpHを微調整することにより、混用布帛を構成するそれぞれの繊維の染着性を細かくコントロールすることができるため好ましい。
ヒドロトロープ剤としては、尿素、ポリエチレングリコール、チオ尿素等が挙げられる。消泡剤としては、低級アルコール、オレイン酸、ポリプロピレングリコール等の有機極性化合物およびシリコーン樹脂が挙げられる。浸透剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸エステルナトリウム、オレイン酸ブチルエステル等のアニオン性界面活性剤、およびノニルフェノール、ラウリルアルコール等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
ミクロポーラス形成剤としては、水不溶性または難溶性であって沸点が105〜200℃の低沸点液体を、微粒子状態で水中に均一に乳化分散させたものが好ましく用いられる。かかる低沸点液体としては、炭化水素系のトルエン、キシレン、ハロゲン化炭化水素系のパークロルエチレン、モノクロルベンゼン、ジクロルペンタン、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
上記の成分を含む前処理剤を混用布帛に付与する方法としては、パッド法、スプレー法、ディップニップ法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法などが挙げられ、いずれの方法も使用することができる。
本発明のインクジェット捺染方法において使用するインクジェット記録装置については、とくに限定されない。たとえば、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式およびインクミスト方式などの連続方式、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式および静電吸引方式などのオン・デマンド方式などを用いることができる。
さらに本発明のインクジェット捺染方法においては、布帛にインクジェット捺染した後、分散染料の染着および発色を目的として、該布帛を150〜180℃で熱処理する。150℃より低いと染料が発色不良となるおそれがあり、また180℃より高いと布帛の黄変や劣化のおそれがある。また熱処理の時間は、0.5〜60分である。0.5分より短いと発色むらとなるおそれがあり、また60分を超えると染料が退色するおそれがある。熱処理条件としては、150〜160℃で5〜30分間加熱することがより好ましい。
熱処理後、インクジェット捺染した布帛を一般的な洗浄および乾燥をすることにより、本発明の捺染物を得ることができる。本発明の捺染物の用途については、その代表的なものとして、水着等のスポーツ、ショーツ等のインナー、等の衣料が例示できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔インクの調製〕
下記表1に記載の分散染料を18重量%、分散剤(リグニンスルホン酸塩、アニオン系界面活性剤)を8重量%、防腐剤(サンアイバックIT20、三愛石油(株)製)を0.1重量%、消泡剤(信越シリコーンKM−70、日信学工業(株)製)を0.05重量%、および純水73.85重量%を混合し、ガラスビーズの存在下、サンドミルで10時間湿式粉砕し微粒子化した後、吸引濾過によりガラスビーズを取り除き、下記表1に記載のインクジェット用インク(R1〜3、B1、Y1)を調製した。
Figure 2009235620
表1に記載した分散染料の融点は、示差走査熱量計(ブルカーAXS(株)製)を用いて測定した。
〔混用布帛の前処理〕
インクジェット捺染する前の混用布帛に対して、下記処方により調製した前処理剤をディップニップ法により付与した。ディップニップ処理後、混用布帛をテンター方式の乾燥機により、120℃で130秒間乾燥した。
〔前処理剤の調製〕
カルボキシメチルセルロース(水溶性ポリマー、ファインガムHE、第一工業製薬(株)製)を5.0重量部、リンゴ酸(pH調整剤、扶桑化学工業(株)製)を0.3重量部、MS−リキッド(還元防止剤、明成化学工業(株)製)を2.0重量部、および純水92.7重量部を混合し、前処理剤を調製した。
〔インクジェット捺染方法〕
オン・デマンド方式シリアル走査型インクジェット方式を使用して、布帛に対するインク付与量が20nl/mmになるように5×5cmのパターンをプリントした。
実施例1
PET繊維80重量%およびポリウレタン繊維20重量%からなる2wayトリコットに上記前処理をおこない、次いで、赤インクR1を使用し、上記インクジェット捺染方法によりプリントした。ついで該布帛を160℃×20分間で湿熱処理し、その後、ソーダ灰 2g/L、ハイドロ 2g/Lの条件にて70℃×20分間の還元洗浄をおこない、170℃×1分間乾燥して捺染物を得た。
実施例2
赤インクとしてR2を使用した以外は、実施例1と同様にして捺染物を得た。
比較例1
赤インクとしてR3を使用した以外は、実施例1と同様にして捺染物を得た。
実施例3
カチオン可染ポリエステル繊維85重量%およびポリウレタン繊維15重量%からなる2wayトリコットに上記前処理をおこない、次いで、インクR2、B1およびY1を使用し、上記インクジェット捺染方法によりプリントした。ついで該布帛を160℃×20分間で湿熱処理し、その後、その後、苛性ソーダ 2g/L、チオウレア 2g/L、ハイドロ 2g/Lの条件にて90℃×20分間の還元洗浄をおこない、170℃×1分間乾燥して捺染物を得た。
比較例2
カチオン可染ポリエステル繊維85重量%およびポリウレタン繊維15重量%からなる2wayトリコットに上記前処理をおこない、次いで、インクR3、B1およびY1を使用し、上記インクジェット捺染方法によりプリントした。ついで該布帛を160℃×20分間で湿熱処理し、その後、その後、苛性ソーダ 2g/L、チオウレア 2g/L、ハイドロ 2g/Lの条件にて90℃×20分間の還元洗浄をおこない、170℃×1分間乾燥して捺染物を得た。
〔評価方法〕
実施例1〜3および比較例1〜2にて得られた捺染物について、以下の評価方法にて評価した。結果を表2にしめす。
〔湿潤堅牢度〕
JIS L0844 A−2法に基づき洗濯堅牢度を測定し、JIS L0801に基づき添付白布の汚染について判定を行った。
〔ドライクリーニング液汚染〕
JIS L0860 A法に基づきドライクリーニング堅牢度を測定し、JIS L0801に基づきドライクリーニング液汚染の判定を行った。
〔目剥き〕
得られた捺染物を手で引っ張り布帛内部のポリウレタンの色相を目視にて確認した。
1:ポリウレタン繊維が染色されず白く見える。
2:染色されてはいるが、布帛表面と色相が違う。
3:布帛表面とほぼ同一の色相である。
Figure 2009235620

Claims (3)

  1. ポリエステル系繊維とポリウレタン繊維から構成される混用布帛をインクジェット捺染する方法であって、該混用布帛に対して、赤インクの色材として150℃以上の融点をもつ分散染料を使用してインクジェット捺染をおこなうことを特徴とするインクジェット捺染方法。
  2. 前記赤インクがC.I.ディスパーズレッド60、86、152、177、179、343および202からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット捺染方法。
  3. 請求項1または2記載のインクジェット捺染方法により捺染された捺染物。
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