JP2009235515A - 耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法 - Google Patents

耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【要 約】
【課 題】 耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールをその好ましい製造方法とともに提供する。
【解決手段】 質量%でC:0.73〜0.85%,Si:0.5〜0.75%,Mn:0.3〜0.65%,P:0.035%以下,S:0.0005〜0.006%,Cr:0.2〜1.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、Mn含有量を[%Mn]としCr含有量を[%Cr]として[%Mn]/[%Cr]値が0.3以上1.0未満であり、かつレール頭部の長手方向断面に存在する粒径1〜170μmのA系介在物が被検面積1mm2当たり5.5個未満であり、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるビッカース硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法に関し、詳しくは、貨車重量が重くかつ急曲線が多い海外の鉱山鉄道のような、過酷な高軸荷重条件下で使用されるレールの長寿命化を達成する耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールおよびその製造方法に関する。
鉱石の運搬等を主体とする高軸重鉄道では、貨車の車軸にかかる荷重は客車に比べて遥かに高く、レールの使用環境も過酷なものとなっている。このような環境下で使用されるレールは従来、耐摩耗性重視の観点から主としてパーライト組織を有する鋼が使用されている。しかし近年においては鉄道による輸送の効率化のために貨車への積載重量のさらなる増加が進められており、一層の耐摩耗性,耐疲労損傷性の向上が求められている。なお、高軸重鉄道とは、列車や貨車の積載重量の大きい(貨車1両あたりの積載重量がたとえば150トン程度以上の)鉄道である。
近年、さらなる耐摩耗性向上を目指して様々な研究が行なわれている。たとえば特許文献1,特許文献2ではC量を0.85%超え1.20%以下に増加し、また、特許文献3,特許文献4ではC量を0.85%超え1.20%以下とするとともにレール頭部に熱処理を施す等、C量を増加して、セメンタイト分率を増加させることによって耐摩耗性の向上を図る等の工夫がなされている。なお上記のC含有量の単位は質量%である。
一方、高軸重鉄道の曲線区間のレールには、車輪による転がり応力と遠心力による滑り力が加わるためレールの摩耗がより厳しくなるとともに、滑りに起因した疲労損傷が発生する。上記のように単にC量を0.85%超え1.20%以下にすると、熱処理条件によっては初析セメンタイト組織が生成し、また脆いパーライト層状組織のセメンタイト層の量が増加するため、耐疲労損傷性の向上は見込めない。そのため、特許文献5ではAl,Siの添加により初析セメンタイト生成を抑制し、耐疲労損傷性を向上させる技術が提案されている。しかし、Alの添加は疲労損傷の起点となる酸化物が生成する等、パーライト組織を有するレールにおいて耐摩耗性と耐疲労損傷性の両特性を満足させることは困難であった。
レールの使用寿命向上を目指して、特許文献6では、レールの頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲のビッカース硬さがHv370以上となるようにすることでレールの使用寿命向上を図っている。また特許文献7では、パーライトブロックを制御することにより、レールの頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲のビッカース硬さがHv300〜500の範囲となるようにすることでレールの使用寿命向上を図っている。なお、以下ではビッカース硬さをHvと記す。
しかしながらレールの高強度化を図ることで遅れ破壊の危険性が高くなり、特許文献1〜7では遅れ破壊を防止する効果は不十分である。
パーライト鋼からなるレール(以下、パーライト鋼レールという)の遅れ破壊を防止する技術として、たとえば特許文献8,特許文献9には、高強度パーライト鋼を強伸線加工することによって耐遅れ破壊性を向上させる技術が開示されている。しかし、この技術をレールに適用した場合は、強伸線加工によりレールの製造コストが増大するという問題が生じる。
また、耐遅れ破壊性を改善する技術としては、特許文献10〜特許文献13に開示されているようなA系介在物の形態と量の制御が有効であることが知られている。しかし特許文献10〜特許文献13はレールの靭性や延性を改善するためにA系介在物の形態と量を制御するものである。たとえば特許文献11では、A系介在物の大きさを0.1〜20μmとし、A系介在物の個数を1mm2あたり25〜11000個に制御することによってレールの靭性および延性を向上させる。したがって、この技術では必ずしも良好な耐遅れ破壊性が得られるとは限らない。ここでA系介在物は、JIS規格G0555付属書1で定義されるA系介在物を指す。
特開平8-109439号公報 特開平8-144016号公報 特開平8-246100号公報 特開平8-246101号公報 特開2002-69585号公報 特開平10-195601号公報 特開2003-293086号公報 特許第3648192号公報 特開平5-287450号公報 特開2000-328190号公報 特開平6-279928号公報 特許第3323272号公報 特開平6-279929号公報
しかしながらパーライト鋼レールの使用環境がさらに過酷化しており、パーライト鋼レールの使用寿命向上のためには、さらなる高硬度化かつ硬化深度範囲の拡大、さらに耐遅れ破壊性の向上が課題となっていた。本発明は、この課題を解決するべくなされたもので、従来の亜共析,共析および過共析型パーライト鋼レールに比べて、Si,Mn,Crの添加量の適正化を行なうことで、レール頭頂部表面を起点として深さ25mm範囲内の硬度を上昇させ、かつ焼入れ性指数(以下、DIという)と炭素当量(以下、Ceqという)の適正化を行なうことで、耐遅れ破壊性に優れた内部高硬度型パーライト鋼レールをその好ましい製造方法とともに提供するものである。
発明者らは、上記の課題を解決するため、Si,Mn,Cr,の含有量を変化させたパーライト鋼レールを製作し、組織,硬さ,耐遅れ破壊性を鋭意調査した。その結果、Mn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]から算出される[%Mn]/[%Cr]値を0.3以上1.0未満とすることで、パーライト層のラメラー(以下、単にラメラーともいう)間隔が微細化し、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満となり、かつレール頭部の長手方向断面に存在する粒径1〜170μmのA系介在物が被検面積1mm2当たり5.5個未満となり、高強度でありながら耐遅れ破壊性を向上する効果を安定して維持できることが分かった。
ここで、レール頭部の長手方向断面は、AREMA(American Railway Engineering and Maintenance-of-Way Association の略)規格Sec.2.1.9.6.3で規定された図1に示す面(以下、A面という)および図2に示す面(以下、B面という)を指す。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、質量%でC:0.73〜0.85%,Si:0.5〜0.75%,Mn:0.3〜0.65%,P:0.035%以下,S:0.0005〜0.006%,Cr:0.2〜1.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、Mn含有量を[%Mn]としCr含有量を[%Cr]として[%Mn]/[%Cr]値が0.3以上1.0未満であり、かつレール頭部の長手方向断面に存在する粒径1〜170μmのA系介在物が被検面積1mm2当たり5.5個未満であり、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるビッカース硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満である内部高硬度型パーライト鋼レールである。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールにおいては、前記した組成のC含有量をC含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],P含有量を[%P],S含有量を[%S],Cr含有量を[%Cr]として、下記の(1)式で算出されるDI値が5.6〜8.6であり、かつ下記の(2)式で算出されるCeq値が1.04〜1.27であることが好ましい。
DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
また、前記した組成のSi含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],Cr含有量を[%Cr]として、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値が1.55〜2.50であることが好ましい。さらに、前記した組成に加えて、V:0.005〜0.30%,Cu:1.0%以下,Ni:1.0%以下,Nb:0.001〜0.05%およびMo:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
また、本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールは、好ましくは、レール頭部の表層から少なくとも25mmの深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔が0.04〜0.15μmである。
また本発明は、上記した組成を有する鋼材を、1260℃以上に加熱した後、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール頭表部をパーライト変態開始温度以上の温度から1.2〜5℃/秒の冷却速度で400〜650℃まで加速冷却する内部高硬度型パーライト鋼レールの製造方法である。
本発明によれば、従来のパーライト鋼レールに比べて遥かに優れた耐遅れ破壊性を有するパーライト鋼レールを安定して製造することが可能となり、高軸重鉄道のパーライト鋼レールの高寿命化や鉄道事故防止に寄与し、産業上有益な効果がもたらされる。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールの組成をはじめとする諸要件の限定理由を説明する。なお、各元素の含有量の単位は質量%である。
C:0.73〜0.85%
Cはパーライト組織においてセメンタイトを形成し、耐摩耗性を確保するための必須元素であり、含有量の増加に伴い耐摩耗性が向上する。しかし、0.73%未満では従来の熱処理型パーライト鋼レールと比較して優れた耐摩耗性を得ることが難しい。また、0.85%を超えると熱間圧延後の変態時に初析セメンタイトがオーステナイト粒界に生成し、耐疲労損傷性が著しく低下する。したがって、C量は0.73〜0.85%とする。好ましくは0.75〜0.85%である。
Si:0.5〜0.75%
Siは脱酸素剤およびパーライト組織の強化元素として0.5%以上必要であるが、0.75%を超えるとSiの有する高い酸素との結合力のため、酸化物系介在物が多量に生成し、耐遅れ破壊性が低下する。さらにSiの高い焼入れ性のため、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイト組織が生成し易くなる。したがってSi量は0.5〜0.75%とする。好ましくは0.5〜0.70%である。
Mn:0.3〜0.65%
Mnは、A系介在物の形態で内部高硬度型パーライト鋼レール中に存在し、パーライト変態温度を低下させてラメラー間隔を細かくすることにより、内部高硬度型パーライト鋼レールの高強度化および高延性化に寄与する。しかし、0.3%未満ではその効果が得られない。また、0.65%を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レール中のA系介在物の大きさや個数が増加し、耐遅れ破壊性が低下する。したがって、Mn量は0.3〜0.65%とする。好ましくは0.3〜0.60%である。
P:0.035%以下
0.035%を超えるPの含有は、内部高硬度型パーライト鋼レールの延性を劣化する。したがって、P量は0.035%以下とする。好ましくは0.020%以下である。
S:0.0005〜0.006%
Sは主にA系介在物の形態で内部高硬度型パーライト鋼レール中に存在するが、0.006%を超えるとこの介在物量が著しく増加し、同時に粗大な介在物を生成するため、内部高硬度型パーライト鋼レールの清浄性が悪化する。また、0.0005%未満にすると、製鋼コストの増加を招く。したがって、S量は0.0005〜0.006%とする。
Cr:0.2〜1.3%
Crはパーライト平衡変態温度を上昇させ、ラメラー間隔の微細化に寄与すると同時に、固溶強化によりさらなる高強度化をもたらす元素である。しかし、0.2%未満では十分な内部硬度が得られず、一方、1.3%を超えて添加すると焼入れ性が高くなりすぎ、マルテンサイトが生成する。したがって、Cr量は0.2〜1.3%とする。好ましくは0.3〜1.3%、より好ましくは0.5〜1.3%である。
[%Mn]/[%Cr]:0.3以上1.0未満
MnおよびCrは内部高硬度型パーライト鋼レールの硬さを上昇させるために添加する元素である。ただし、Mn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]のバランスが適正でないと、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するようになる。なお[%Mn]と[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。[%Mn]/[%Cr]の値が0.3未満であると、Crの添加量が多くなり、Crの高い焼入性のため、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成しやすくなる。また、[%Mn]/[%Cr]の値が1.0以上になると、Mnの添加量が多くなり、Mnの高い焼入性のため、同様に内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成しやすくなる。Mn,Crの含有量をそれぞれ上記した範囲とした上で、[%Mn]/[%Cr]の値を0.3以上1.0未満とすることで、表層へのマルテンサイトの生成を防止しつつ、レール頭部の内部硬さ(内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さ)を後述する範囲に制御できるようになる。したがって、[%Mn]/[%Cr]の値は0.3以上1.0未満とする。好ましくは0.3以上0.9以下である。
A系介在物の大きさ:レール頭部の長手方向断面において1〜170μm
内部高硬度型パーライト鋼レール中のA系介在物の大きさが、レール頭部の長手方向断面において1μm未満では、A系介在物が球状化し、耐遅れ破壊性を向上する効果を発揮し難くなる。一方、170μmを超えると、耐遅れ破壊性が低下する。したがって、A系介在物の大きさは、レール頭部の長手方向断面において1〜170μmとする。好ましくは1〜160μmである。
A系介在物の個数:レール頭部の長手方向断面において被検面積1mm2あたり5.5個未満
内部高硬度型パーライト鋼レール中のA系介在物の個数が、レール頭部の長手方向断面において被検面積1mm2あたり5.5個以上になると、粗大なA系介在物が増加し、耐遅れ破壊性が低下する。したがって、A系介在物の個数は、レール頭部の長手方向断面において被検面積1mm2あたり5.5個未満とする。好ましくは5.0個未満である。
DI:5.6〜8.6
DI値は、C含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],P含有量を[%P],S含有量を[%S],Cr含有量を[%Cr]として下記の(1)式で算出される値である。なお[%C],[%Si],[%Mn],[%P],[%S],[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。
DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
このDI値は焼入れ性を表わすものであり、焼入れ性の良否を判断する指標として活用されるが、本発明では、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するのを抑制するとともにレール頭部の内部硬さの目標値を達成するための指標として使用し、好適な範囲に維持することが好ましい。DI値が5.6未満であると、所望の内部硬さは得られるが目標の硬さ範囲の下限に近くなるので、一層の耐遅れ破壊性の向上が期待できない。また、DI値が8.6を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レールの焼入れ性が上昇し、レール頭部の表層にマルテンサイトが生成し易くなる。したがって、DI値は5.6〜8.6とすることが好ましい。より好ましくは5.6〜8.2である。
eq:1.04〜1.27
eq値は、C含有量を[%C],Si含有量を[%Si],Mn含有量を[%Mn],Cr含有量を[%Cr]として下記の(2)式で算出される値である。なお[%C],[%Si],[%Mn],[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。
eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
このCeq値は合金成分の配合比率から、得られる最大硬度と溶接性を見積もるために活用されるが、本発明では、内部高硬度型パーライト鋼レールの表層にマルテンサイトが生成するのを抑制するとともにレール頭部の内部硬さの目標値を達成するための指標として使用し、好適な範囲に維持することが好ましい。Ceq値が1.04未満であると、所望の内部硬さは得られるが目標の硬さ範囲の下限に近くなるので、一層の耐遅れ破壊性の向上が期待できない。また、Ceq値が1.27を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レールの焼入れ性が上昇し、レール頭部の表層にマルテンサイトが生成し易くなる。したがって、Ceq値は1.04〜1.27とすることが好ましい。より好ましくは1.04〜1.20である。
レール頭部の内部硬さ(内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲における硬さ):Hv380以上Hv480未満
レール頭部の内部硬さがHv380未満になると耐摩耗性が低下し、内部高硬度型パーライト鋼レールの使用寿命が低下する。一方、Hv480以上になるとマルテンサイトが生成し、内部高硬度型パーライト鋼レールの耐疲労損傷性が低下する。よって、レール頭部の内部硬さはHv380以上Hv480未満とする。好ましくはHv390超えHv480未満である。また、レール頭部の内部硬さの定義域を内部高硬度型パーライト鋼レールの頭部表層から少なくとも25mm深さの範囲としたのは、深さ25mm未満では、レール頭部の表層から内部に入るにつれて内部高硬度型パーライト鋼レールの耐摩耗性が低下し、使用寿命が低下するからである。
[%Si]+[%Mn]+[%Cr]:1.55〜2.50
Si含有量[%Si]とMn含有量[%Mn]とCr含有量[%Cr]の合計(=[%Si]+[%Mn]+[%Cr])の値が1.55未満であると、レール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満を満足し難い。また2.50を超えると、Si,Mn,Crの高い焼入れ性のため、マルテンサイト組織が生成し、延性および靭性が低下しがちとなる。したがって、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値は1.55〜2.50とすることが好ましい。より好ましくは1.55〜2.30である。なお[%Si],[%Mn],[%Cr]の単位は、いずれも質量%である。
上記の組成には、さらに、V:0.005〜0.30%,Cu:1.0%以下,Ni:1.0%以下,Nb:0.001〜0.05%およびMo:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種以上が必要に応じて添加されてもよい。
V:0.005〜0.30%
Vは炭窒化物を形成し、基地中へ分散析出し、耐摩耗性,耐遅れ破壊性を向上するが、0.005%未満ではその効果が少なく、一方、0.30%を超えると、内部高硬度型パーライト鋼レールの加工性が低下し、製造コストが増加する。したがってVを添加する場合は、V量は0.005〜0.30%とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.15%である。
Cu:1.0%以下
CuはCrと同様に固溶強化により更なる高強度化を図るための元素である。ただし、1.0%を超えるとCu割れが生じ易くなる。したがってCuを添加する場合は、Cu量は1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5%である。
Ni:1.0%以下
Niは延性を劣化することなく高強度化を図るための元素である。また、Cuと複合添加することによりCu割れを抑制するため、Cuを添加した場合にはNiも添加することが望ましい。ただし、1.0%を超える添加により焼入れ性が上昇し、マルテンサイトが生成するようになり、耐摩耗性と耐疲労損傷性が低下しがちとなる。したがってNiを添加する場合は、Ni量は1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5%である。
Nb:0.001〜0.05質量%
Nbは鋼中のCと結び付いて圧延中および圧延後に炭化物として析出し、耐遅れ破壊性を向上する。ただし、Nb量が0.001%未満では十分な効果が得られない。また0.05%を超えて添加しても、添加量に見合う効果が得られない。したがって、Nbを添加する場合は、Nb量は0.001〜0.05%とすることが好ましい。より好ましくは0.001〜0.03%である。
Mo:0.5%以下
Moは固溶強化によりさらなる高強度化を図るための元素である。ただし、0.5%を超えるとベイナイト組織が生じ易くなり、耐摩耗性が低下する。したがって、Moを添加する場合は、Mo量は0.5%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.3%である。
レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔:0.04〜0.15μm
パーライト層のラメラー間隔については、微細なほど、内部高硬度型パーライト鋼レールの硬さが上昇し、耐摩耗性および耐疲労損傷性の向上の観点から有利となるが、0.15μm超では、これらの特性の向上が不十分となるので、0.15μm以下とすることが好ましい。また、ラメラー間隔を0.04μm未満にしようとすると、焼入性を向上させて、より微細化する手法を用いることとなり、この場合、表層にマルテンサイトが生成しやすくなり耐疲労損傷性に悪影響を及ぼす。よって、0.04μm以上とすることが好ましい。
なお、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。ここで、不純物としては、P,N,O等が挙げられ、Pは上記の通り0.035%まで許容できる。また、Nは0.006%まで、Oは0.004%まで許容できる。さらに本発明では、不純物として混入するTiを0.0010%まで許容できる。特にTiは酸化物を形成し、レールの基本特性である耐疲労損傷性の低下を招くので、0.0010%以下に制御することが好ましい。
本発明の内部高硬度型パーライト鋼レールは、本発明に係る組成を有する鋼材を、1260℃以上に加熱した後、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール形状体の少なくとも頭部を、パーライト変態開始温度以上の温度から、1.2〜5℃/秒の冷却速度で400〜650℃まで加速冷却することによって製造することが好ましい。加熱温度:1260℃以上,圧延仕上温度:850〜950℃,加速冷却の冷却速度:1.2〜5℃/秒および冷却停止温度:400〜650℃とする理由を次に述べる。
熱間圧延に先立つ鋼材の加熱温度:1260℃以上
熱間圧延に先立つ加熱温度が1260℃未満では、鋼材中に粗大なA系介在物が多数存在するので、熱間圧延後の内部高硬度型パーライト鋼レールに粗大なA系介在物が残留し、耐遅れ破壊性が低下する。したがって、熱間圧延に先立つ鋼材の加熱温度は1260℃以上とする。
熱間圧延の圧延仕上温度:850〜950℃
熱間圧延の圧延仕上温度が850℃より低い場合は、オーステナイト低温域まで圧延を行なうことになり、オーステナイト結晶粒に加工歪が導入されるだけでなく、オーステナイト結晶粒の伸長度合いも顕著となる。転位の導入かつオーステナイト粒界面積の増加により、パーライト核生成サイトが増加し、パーライトコロニーサイズは微細化するものの、パーライト核生成サイトの増加により、パーライト変態開始温度が上昇し、パーライト層のラメラー間隔が粗大化するので、レール頭部の内部硬さが低下する。そのため、内部高硬度型パーライト鋼レールの耐摩耗性が低下し、寿命が短くなる。一方、圧延仕上温度が950℃を超える場合は、オーステナイト結晶粒が粗大になるため、最終的に得られるパーライトコロニーサイズが粗くなり、耐疲労損傷性が低下する。したがって、熱間圧延の圧延仕上温度は850〜950℃とするのがよい。
熱間圧延後のパーライト変態開始温度以上の温度からの冷却速度:1.2〜5℃/秒
熱間圧延後の冷却速度が1.2℃/秒未満の場合、パーライト変態開始温度が上昇し、パーライト層のラメラー間隔が粗大化し、レール頭部の内部硬さが低下する。そのため、内部高硬度型パーライト鋼レールの耐摩耗性が低下し、寿命が短くなる。一方、冷却速度が5℃/秒を超える場合は、マルテンサイト組織が生成し、延性および靭性が低下する。したがって、冷却速度は1.2〜5℃/秒の範囲とするのがよい。好ましくは1.2〜4.6℃/秒である。パーライト変態開始温度は冷却速度によっても変化するが、本発明では平衡変態温度のことを言うものとし、本発明の成分範囲では720℃以上からこの範囲の冷却速度を採用すればよい。
冷却停止温度:400〜650℃
本発明に係る組成,冷却速度の場合、冷却速度1.2〜5℃/秒の範囲で均質なパーライト組織を得るためには、冷却停止温度として平衡変態温度よりも70℃程度以上低い温度を確保するのが好ましい。しかしながら、冷却停止温度が400℃未満になると、冷却時間の増大により、内部高硬度型パーライト鋼レールのコストアップにつながる。したがって、冷却停止温度は400〜650℃とするのがよい。好ましくは450〜650℃である。
次に、A系介在物の寸法,A系介在物の個数,耐遅れ破壊性,レール頭部の内部硬さ,ラメラー間隔の測定ないし評価方法について説明する。
(A系介在物の寸法)
図1,2に示すレール頭部の長手方向断面から試験片(12.7mm×19.1mm)を採取し、被検面に鏡面仕上げを施す。これらのサンプルの中央部(5mm×10mm)を顕微鏡(500倍,ノーエッチング)で観察し、A系介在物の長辺を測定する。顕微鏡で観察する面を被検面(被検面積50mm2)とし、図1に示す被検面をA面,図2に示す被検面をB面とする。その測定値をA系介在物の長さとし、被検面内の最大値をA系介在物の大きさとする。なお、A系介在物は、JIS規格G0555付属書1で定義されるA系介在物を指す。
(A系介在物の個数)
A系介在物の寸法と同様に、図1,2に示す被検面(すなわちA面,B面)を顕微鏡(500倍,ノーエッチング)で観察してA系介在物の長辺を測定し、その長辺が1〜170μmのA系介在物の個数を測定する。次いで、その被検面内の個数を、被検面積1mm2当たりの個数に換算する。
(耐遅れ破壊性)
図3に示すようにレール頭部3の上面から25.4mmを中心として、SSRT(Slow Strain Rate Technique)試験片4を採取する。SSRT試験片4の寸法形状は図4に示す通りであり、ねじ部とR部以外は▽▽▽仕上げとし、平行部は#600までエメリー研磨する。このSSRT試験片を試験装置に装着し、大気中25℃で歪速度3.3×10-6/秒にてSSRT試験を行ない、大気中でのSSRT試験片の伸びE0を得る。また、20質量%チオシアン酸アンモニウム水溶液中25℃で歪速度3.3×10-6/秒にてSSRT試験を行ない、チオシアン酸アンモニウム水溶液中でのSSRT試験片の伸びE1を得る。耐遅れ破壊性を評価する指標となる遅れ破壊感受性(すなわちDF)は、DF(%)=100×(1−E1/E0)で算出する。そして基準材(すなわちC量0.68質量%の熱処理型パーライト鋼レール)の遅れ破壊感受性に対して向上代が10%以上であるものを耐遅れ破壊性が向上したと判定する。なお、遅れ破壊感受性向上代は、〔{(試験材の遅れ破壊感受性)−(基準材の遅れ破壊感受性)}/(基準材の遅れ破壊感受性)〕×100で算出した。
(レール頭部の内部硬さ)
レール頭部の表層から深さ25mmまでの範囲のビッカース硬さを荷重98N,1mmピッチで測定する。そして、すべての硬さのうち、最小の値をレール頭部の内部硬さとした。
(ラメラー間隔)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてレール頭部の表層近傍(深さ1mm程度)と深さ25mmの位置それぞれについて、倍率7500倍で任意の5つの視野内を観察する。さらにラメラー間隔が一番狭い部分が存在した場合には、倍率20000倍で観察し、視野内のラメラー間隔の測定を行なう。なお、倍率7500倍の視野内にラメラー間隔が狭い部分がない場合や、ラメラーの断面がラメラー面に対して垂直でなく斜めになっている場合は、別の視野に切り替えて測定する。ラメラー間隔は、5視野のラメラー間隔測定値の平均値で評価する。
(実施例1)
表1に示す組成を有する鋼材について、表2に示す条件で加熱,圧延,冷却を行なって、パーライト鋼レールを製造した。冷却はレール頭部のみに行ない、冷却停止後は放冷した。表1,2中の発明例1−B〜1−H,1−Lは、成分および加熱,圧延,冷却が本発明の範囲を満足する例である。比較例1−I〜1−KはMn含有量が本発明の範囲を外れる例,比較例1−Mは[%Mn]/[%Cr]値が本発明の範囲を外れる例,比較例1−Nは加熱温度が本発明の範囲を外れる例である。
これらのパーライト鋼レールについて、A系介在物の寸法,A系介在物の個数,ビッカース硬さ,ラメラー間隔および耐遅れ破壊性を評価した。その結果を表3に示す。表2中の圧延仕上温度とは、最終圧延ミル入側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を圧延仕上温度として示している。冷却停止温度は、冷却設備出側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を冷却停止温度として示している。冷却速度は、冷却開始から冷却停止までの間の温度の時間変化を冷却速度とした。
Figure 2009235515
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これらの結果から、Mnの含有量とA系介在物の個数との関係を図5に示す。また、A系介在物の個数と耐遅れ破壊感受性の向上代との関係を図6に示す。さらに、Mnの含有量とA系介在物の大きさとの関係を図7に示す。A系介在物の大きさと耐遅れ破壊感受性の向上代との関係を図8に示す。
表1〜3に示す結果から、[%Mn]/[%Cr]値を0.3以上1.0未満とすることで、少なくともレール頭部の表層から25mm範囲がHv380以上Hv480未満となることが分かる。また図5〜8から、Mn含有量を好適範囲に維持することによって、A系介在物の個数と大きさを制御することが可能であり、その結果、発明例1−B〜1−H,1−Lの遅れ破壊感受性は、基準材1−Aに比べて10%以上向上していることが分かる。
つまり発明例1−B〜1−H,1−Lのパーライト鋼レールは、Hv380以上Hv480未満の高硬度を有しながら、優れた耐遅れ破壊性を有していることが確かめられた。
さらに発明例1−B〜1−Hのように、DI値,Ceq値,[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値を好適範囲に維持することによって、耐遅れ破壊性を低下することなく、レール頭部の内部硬さを一層向上できることが分かった。
一方、比較例1−I,1−Jは、レール頭部の内部硬さが不十分であった。比較例1−K,比較例1−M,1−Nは、A面,B面ともにA系介在物の個数と大きさが過剰であった。
(実施例2)
表4に示す組成を有する鋼材について、表5に示す条件で加熱,圧延,冷却を行なって、パーライト鋼レールを製造した。冷却はレール頭部のみに行ない、冷却停止後は放冷した。表4,5中の発明例2−B〜2−Iは、成分および加熱,圧延,冷却が本発明の範囲を満足する例である。比較例2−J,2−KはC含有量が本発明の範囲を外れる例,比較例2−LはMn含有量と[%Mn]/[%Cr]値が本発明の範囲を外れる例,比較例2−MはMn含有量が本発明の範囲を外れる例,比較例2−NはSi含有量が本発明の範囲を外れる例,比較例2−Oは[%Mn]/[%Cr]値が本発明の範囲を外れる例,比較例2−Pは加熱温度が本発明の範囲を外れる例,比較例2−QはCr含有量が本発明の範囲を外れる例,比較例2−RはTiを添加する例,比較例2−SはS含有量が本発明の範囲を外れる例である。
これらのパーライト鋼レールについて、A系介在物の寸法,A系介在物の個数,ビッカース硬さ,ラメラー間隔および耐遅れ破壊性を評価した。その結果を表3に示す。表2中の圧延仕上温度とは、最終圧延ミル入側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を圧延仕上温度として示している。冷却停止温度は、冷却設備出側のレール頭部側面表層の温度を放射温度計で測定した値を冷却停止温度として示している。冷却速度は、冷却開始から冷却停止までの間の温度の時間変化を冷却速度とした。
Figure 2009235515
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これらの結果から、[%Mn]/[%Cr]値を0.3以上1.0未満とすることで、少なくともレール頭部の表層から25mm範囲がHv380以上Hv480未満となることが分かる。またMn含有量を好適範囲に維持することによって、A系介在物の個数と大きさを制御することが可能であり、その結果、発明例2−B〜2−Iの遅れ破壊感受性は、基準材2−Aに比べて10%以上向上していることが分かる。
つまり発明例2−B〜2−Iのパーライト鋼レールは、Hv380以上Hv480未満の高硬度を有しながら、優れた耐遅れ破壊性を有していることが確かめられた。
一方、比較例2−J,2−K,2−Mは、レール頭部の内部硬さが不十分であった。比較例2−Lは、A面,B面ともにA系介在物の個数と大きさが過剰であった。比較例2−N,2−O,2−Qは、レール頭部の表層の硬さが本発明の範囲外であった。。比較例2−Pは、レール頭部の内部硬さが不十分であり、かつA面,B面ともにA系介在物の個数と大きさが過剰であった。比較例2−Rは、Tiを添加したことによって耐遅れ破壊性の向上代が減少した。
被検面(A面)の位置を模式的に示す断面図である。 被検面(B面)の位置を模式的に示す断面図である。 SSRT試験片の採取位置を示すレール頭部の断面図である。 SSRT試験片の寸法形状を示す側面図である。 Mnの含有量とA系介在物の個数との関係を示すグラフである。 A系介在物の個数と耐遅れ破壊感受性の向上代との関係を示すグラフである。 Mnの含有量とA系介在物の大きさとの関係を示すグラフである。 A系介在物の大きさと耐遅れ破壊感受性の向上代との関係を示すグラフである。
符号の説明
1a AREMA Sec.2.1.9.6.3で規定された面
1b 長手方向断面
2a 被検面(A面)
2b 被検面(B面)
3 レール頭部
4 SSRT試験片

Claims (6)

  1. 質量%でC:0.73〜0.85%、Si:0.5〜0.75%、Mn:0.3〜0.65%、P:0.035%以下、S:0.0005〜0.006%、Cr:0.2〜1.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、Mn含有量を[%Mn]としCr含有量を[%Cr]として[%Mn]/[%Cr]値が0.3以上1.0未満であり、かつレール頭部の長手方向断面に存在する粒径1〜170μmのA系介在物が被検面積1mm2当たり5.5個未満であり、レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるビッカース硬さで定義されるレール頭部の内部硬さがHv380以上Hv480未満であることを特徴とする内部高硬度型パーライト鋼レール。
  2. 前記組成のC含有量を[%C]、Si含有量を[%Si]、Mn含有量を[%Mn]、P含有量を[%P]、S含有量を[%S]、Cr含有量を[%Cr]として、下記の(1)式で算出されるDI値が5.6〜8.6であり、かつ下記の(2)式で算出されるCeq値が1.04〜1.27であることを特徴とする請求項1に記載の内部高硬度型パーライト鋼レール。
    DI=(0.548[%C]1/2 )×(1+0.64[%Si])×(1+4.1[%Mn])
    ×(1+2.83[%P])×(1−0.62[%S])×(1+2.23[%Cr]) ・・・(1)
    eq=[%C]+([%Si]/11)+([%Mn]/7)+([%Cr]/5.8) ・・・(2)
  3. 前記組成のSi含有量を[%Si]、Mn含有量を[%Mn]、Cr含有量を[%Cr]として、[%Si]+[%Mn]+[%Cr]値が1.55〜2.50であることを特徴とする請求項1または2に記載の内部高硬度型パーライト鋼レール。
  4. 前記組成に加えて、質量%でV:0.005〜0.30%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Nb:0.001〜0.05%およびMo:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内部高硬度型パーライト鋼レール。
  5. 前記レール頭部の表層から少なくとも25mm深さの範囲におけるパーライト層のラメラー間隔が0.04〜0.15μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内部高硬度型パーライト鋼レール。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載される組成を有する鋼材を、1260℃以上に加熱した後、圧延仕上温度が850〜950℃となるようにレール形状に熱間圧延し、引き続きレール頭表部をパーライト変態開始温度以上の温度から1.2〜5℃/秒の冷却速度で400〜650℃まで加速冷却することを特徴とする内部高硬度型パーライト鋼レールの製造方法。
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