JP2009230466A - 情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラム Download PDF

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JP2009230466A JP2008075104A JP2008075104A JP2009230466A JP 2009230466 A JP2009230466 A JP 2009230466A JP 2008075104 A JP2008075104 A JP 2008075104A JP 2008075104 A JP2008075104 A JP 2008075104A JP 2009230466 A JP2009230466 A JP 2009230466A
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Abstract

【課題】共有資源のプロセッサへの割当を効率的に行え、かつ、各プロセッサの負荷の低
減も図りつつ、情報処理装置全体の処理効率の向上を図る。
【解決手段】複数のCPU11A〜11Dで実行されている複数のタスク処理に対し共有
資源を排他的に割り当てる制御を行う情報処理装置10において、各CPU11A〜11
Dが実行しているタスク処理の優先度レベルをCPU11A〜11D毎に記憶する優先度
/タスクID記憶部12A〜12Dと、いずれか複数のタスク処理から対応するCPUを
介して共有資源の割当要求を受け付けた場合に、優先度/タスクID記憶部12A〜12
Dに記憶されている各タスク処理の優先度レベルに基づいて、共有資源の割当要求を受け
付けるべきタスク処理を定める排他制御部13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラムに係り、特に
複数のプロセッサを有するマルチプロセッサ型の情報処理装置において、マルチタスク処
理時に各プロセッサにハードウェアやデータ等の共有資源を排他的に割り当てる技術に関
する。
従来複数のプロセッサを備え、同時に複数のタスクを処理するマルチタスクプロセッサ
(マルチタスク情報処理装置)が知られている。
このようなマルチタスクプロセッサにおいては、排他制御を行う際には、たとえば、排
他制御を行いたいメモリ領域へのアクセス制限を行ったり、バスアクセス制限を行ったり
していた(たとえば、特許文献1あるいは特許文献2参照)。
このような場合に、並行して動作しているプロセス間で同期を取るための制御や割り込
み処理の制御を行なうための一手法として、たとえば、セマフォ(semaphore)
があり、複数のプロセスでメモリ領域やディスク上のファイルを共有している場合に、同
時にアクセスして内容の破壊や不整合が起きるのを防ぐために使われている。
特開平5−54005号公報 特開2001−142861号公報
特許文献1記載の技術においては、複数のプロセッサから同時にセマフォの獲得要求が
なされた場合に、単純にバス調停回路の判別に基づいてセマフォの獲得がなされることと
なり、必ずしも実行中の複数のタスクのうち、優先度が高いタスクを実行しているプロセ
ッサがセマフォを獲得できるものではなかった。
また、特許文献2記載の技術においても、各プロセッサが実行しているタスクの優先度
を考慮するものではなかった。
したがって、いずれの技術においても、優先度の高いタスクを実行しているプロセッサ
にセマフォ、すなわち、共有資源が割り当てられるとは限らないという不具合があった。
そこで、本発明の目的は、排他制御を行うに際し、効率的に共有資源の割当/解放を行
え、情報処理装置全体の処理効率の向上を図ることが可能な情報処理装置、情報処理方法
および制御プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、複数のプロセッサに対し共有資源を
排他的に割り当てる制御を行う情報処理装置において、前記プロセッサが実行している処
理あるいは実行すべき処理の優先度レベルを前記処理毎に記憶する優先度記憶部と、いず
れか複数の前記プロセッサを介して各プロセッサが実行している処理からの前記共有資源
の割当要求を受け付けた場合に、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の優先度
レベルに基づいて、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき前記処理を定める共有資源
管理部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、優先度記憶部は、プロセッサが実行している処理あるいは実行すべ
き処理の優先度レベルを前記処理毎に記憶している。
これにより共有資源管理部は、いずれか複数のプロセッサを介して各プロセッサが実行
している処理からの前記共有資源の割当要求を受け付けた場合に、優先度記憶部に記憶さ
れている各処理の優先度レベルに基づいて、共有資源の割当要求を受け付けるべき処理を
定める。
したがって、実行されている処理の優先度レベルを考慮して、共有資源を割り当てるこ
とができ、効率的な共有資源の割り当てが行え、ひいては、情報処理装置全体の効率の向
上が図れる。
第2の態様は、第1の態様において、前記共有資源管理部は、前記優先度記憶部に記憶
されている各前記処理の優先度レベルに基づいて、より優先度レベルの高い処理を、前記
共有資源の割当要求を受け付けるべき処理として定める、ことを特徴としている。
したがって、より処理優先度が高い処理に対して優先的に共有資源を割り当てることが
でき、より一層効率的に共有資源を割り当てることができる。
第3の態様は、第2の態様において、前記共有資源の割当要求が受け付けられなかった
前記処理について、当該処理を行っていた前記プロセッサを解放し、当該処理を休止させ
待機状態とさせる処理割当部を備えたことを特徴としている。
これにより、各プロセッサは、共有資源の割当がなされないことにより、待機状態とな
ることなく、他の処理を実行できるので、プロセッサの稼働効率を向上し、ひいては、情
報処理装置全体の処理効率の向上が図れる。
第4の態様は、第3の態様において、前記処理割当部は、前記共有資源の割当要求を受
け付けるべき処理が休止状態にある場合に、当該処理を処理すべきプロセッサを割り当て
、前記待機状態を解除することを特徴としている。
したがって、共有資源が割当可能となった段階で、必要以上に待機させることなく、休
止状態にある処理を実行させることができ、処理の効率化が図れる。
第5の態様は、第1の態様ないし第4の態様のいずれかにおいて、前記処理には、外部
割込処理および通常タスク処理を含むことを特徴としている。
したがって、外部割込処理および通常タスク処理を考慮して、より効率的な共有資源割
り当てが行える。
第6の態様は、第1の態様ないし第5の態様のいずれかにおいて、前記要求受付部は、
前記プロセッサから前記共有資源の解放要求を受け付けるものであり、前記共有資源管理
部は、前記共有資源を割り当てたプロセッサに前記外部割込処理及び前記タスク処理より
高い優先度レベルを割り当てて、前記処理優先度記憶部に記憶させるとともに、前記要求
受付部においていずれか複数の前記プロセッサを介して当該プロセッサが実行している処
理からの前記共有資源の解放要求が受け付けられた場合に、前記処理優先度記憶部に記憶
されている各前記処理の優先度レベルを互いに比較し、より優先度レベルの高い処理を、
前記共有資源の解放要求を受け付けるべき処理として前記共有資源の解放を行わせること
を特徴としている。
したがって、すでに共有資源が割り当てられている処理は、共有資源の解放要求を優先
的に行えるため、情報処理装置全体で効率的に共有資源の再割当を行うことができ、効率
的に共有資源を割り当てて、利用することができる。
第7の態様は、第1ないし第4ないし第6の態様のいずれかにおいて、前記共有資源の
排他的割当情報の記憶手段として、セマフォを用いることを特徴としている。
したがって、確実に共有資源の排他的な割当が行える。この場合において、セマフォは
、ソフトウェアで実現するソフトウェアセマフォあるいはハードウェアで実現するハード
ウェアセマフォのいずれであっても構わない。
第8の態様は、第7の態様において、前記セマフォは、ハードウェアとして実現された
ハードウェアセマフォあるいはソフトウェアで実現されたソフトウェアセマフォであるこ
とを特徴としている。
したがって、複数のプロセッサから同時に共有資源の割り当て要求がなされたとしても
、迅速、かつ、確実に処理を行える。
第9の態様は、複数のプロセッサに対し共有資源を排他的に割り当てる制御を行う情報
処理装置の制御方法において、前記プロセッサが実行している処理あるいは実行すべき処
理の優先度レベルを前記処理毎に記憶する優先度記憶過程と、いずれか複数の前記プロセ
ッサを介して各プロセッサが実行している処理からの前記共有資源の割当要求を受け付け
た場合に、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の優先度レベルに基づいて、前
記共有資源の割当要求を受け付けるべき前記処理を定める共有資源管理過程と、を備えた
ことを特徴としている。
上記構成によれば、実行されている処理の優先度レベルを考慮して、共有資源を割り当
てることができ、効率的な共有資源の割り当てが行え、ひいては、情報処理装置全体の効
率の向上が図れる。
また、第10の態様は、各種情報を記憶する記憶部を有し、複数のプロセッサに対し共
有資源を排他的に割り当てる制御を行う情報処理装置をコンピュータにより制御するため
の制御プログラムにおいて、前記プロセッサが実行している処理あるいは実行すべき処理
の優先度レベルを前記処理毎に記憶させ、いずれか複数の前記プロセッサを介して各プロ
セッサが実行している処理からの前記共有資源の割当要求を受け付けた場合に、前記優先
度記憶部に記憶されている各前記処理の優先度レベルに基づいて、前記共有資源の割当要
求を受け付けるべき前記処理を定めさせる、ことを特徴としている。
上記構成によれば、実行されている処理の優先度レベルを考慮して、共有資源を割り当
てることができ、効率的な共有資源の割り当てが行え、ひいては、情報処理装置全体の効
率の向上が図れる。
この場合において、上記制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録する
ようにしてもよい。
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の情報処理装置の概要構成ブロック図である。
情報処理装置10は、マルチプロセッサシステムとして構成されており、大別すると、
実際の演算処理を行う4個のプロセッサとしてのCPU11A〜11Dと、各CPU11
A〜11Dに対応し、各CPU11A〜11Dが実行しているタスク処理(外部割込処理
等の割込処理タスクも含む)の優先度レベルおよび当該タスク処理を特定するためのタス
クIDを記憶する優先度/タスクID記憶部12A〜12Dと、CPU11A〜11Dの
共有資源の排他制御を含む排他制御を行う排他制御回路13と、外部からの割込(外部割
込)の要求を受け付ける外部割込要求受付部14と、外部割込要求受付部14により受け
付けられた外部割込を各CPU11A〜11Dに割り当てる外部割込処理割当部15と、
を備えている。
図2は、排他制御回路の機能ブロック図である。
本実施形態においては、排他制御回路13は、CPU制御、共有資源割当制御、共有資
源解放制御を含む共有資源管理制御などを行う専用ハードウエアで構成されている。なお
、排他制御回路13をハードウェアで構成するのではなく、各種制御プログラムを予め格
納したROM、各種データを一時的に記憶するRAMなどを有するマイクロプロセッサユ
ニットとして構成するようにすることも可能である。
この排他制御回路13は、排他制御においてCPU11A〜11Dに対して、例えば、
数値演算プロセッサのように、コプロセッサ的な処理を行うものである。
この排他制御回路13は、大別すると、優先度/タスクID記憶部12A〜12Dを構
成する優先度値記憶レジスタ16A〜16Dに記憶されている優先度レベルを比較し、比
較結果として最も優先度の高いタスク(最高優先度タスク)を行っているCPUを特定し
、当該CPUに対応するタスクIDを優先度/タスクID記憶部12A〜12Dを構成す
るタスクID記憶部19A〜19Dのいずれかから読み出して出力するとともに、最も優
先度の高いいずれかのタスクが獲得あるいは解放しようとしている排他的使用権(共有資
源の排他的使用権)であるセマフォ(Semaphore)を特定するためのID(以下
、セマフォIDという。)を出力する優先度比較回路21と、共有資源の使用状態をセマ
フォIDに対応づけて記憶するセマフォレジスタ22と、優先度比較回路21の比較結果
およびセマフォレジスタ22の記憶内容に基づいて、共有資源の各CPU11A〜11D
への割当制御および解放制御を行うとともに、制御結果に基づいてセマフォレジスタ22
を更新するセマフォ操作回路23と、を備えている。
ここで、セマフォレジスタ22について説明する。
この場合において、本実施形態では、共有資源が8個あるものとする。
セマフォレジスタ22は、大別すると、共有資源を特定するためのセマフォIDデータ
(=1〜8)22Aと、セマフォIDデータにより特定される共有資源がすでにいずれか
のタスクにより獲得されている場合に“1”が格納され、セマフォIDデータにより特定
される共有資源をいずれのタスクも獲得していない場合に“0”が格納される有効データ
格納部22Bと、有効データ格納部に“1”が格納されている場合に、対応する共有資源
を獲得しているタスクを特定するためのタスクIDが格納されるタスクID格納部22C
と、を備えている。なお、有効データ格納部22Bに“0”が格納されている場合に、対
応するタスクID格納部22Cに格納されているタスクIDは、前回対応する共有資源を
獲得したタスクのタスクIDであり、実際の動作には影響を与えない。
より具体的に説明すると、図2の例の場合、セマフォIDデータ=1に対応する共有資
源がタスクID=3で特定されるタスクにより獲得されており、セマフォIDデータ=5
、8に対応する二つの共有資源がタスクID=2で特定されるタスクにより獲得されてい
る状態を示しており、他の共有資源は未割当状態(未使用状態)となっていることを示し
ている。また、セマフォIDデータ=3に対応する共有資源がタスクID=8で特定され
るタスクにより前回獲得されており、セマフォIDデータ=7に対応する共有資源がタス
クID=6で特定されるタスクにより前回獲得されていたことを示している。
この場合において、優先度値記憶レジスタ16Aは、優先度レベルとしての優先度値(
本実施形態では7ビット)を記憶するレジスタであり、共有資源獲得有無記憶部17A(
本実施形態では、最上位1ビット)と、対応するCPU11Aが実際に処理を行っている
外部割込処理の優先度レベル(割り込みレベル)あるいはタスク処理の優先度レベルを記
憶する処理優先度レベル記憶部18A(本実施形態では、下位6ビット)と、を備えてい
る。同様に、優先度値記憶レジスタ16Bは、共有資源獲得有無記憶部17Bと、処理優
先度レベル記憶部18Bと、を備え、優先度値記憶レジスタ16Cは、共有資源獲得有無
記憶部17Cと、処理優先度レベル記憶部18Cと、を備え、優先度値記憶レジスタ16
Dは、共有資源獲得有無記憶部17Dと、処理優先度レベル記憶部18Dと、を備えてい
る。
ここで、優先度レベルについて説明する。
図14は、タスク処理(含む、外部割込処理)の優先度レベル(処理優先度レベル)の
説明図である。
処理優先度レベルは、上述したように6ビットであるので、その値としては、0〜63
までの64の値を採ることができる。さらに、本実施形態では、外部割込処理の優先度レ
ベルをすべてのタスク処理の優先度レベルよりも高くなるように設定している。
すなわち、本実施形態では、通常タスク(Normal task)処理に対応する優
先度レベルは0〜31の値、外部割込処理(含む、多段外部割込処理)に対応する優先度
レベルは32〜63の値を採ることとしており、単純に優先度レベルの値を比較するだけ
で外部割込処理であるかあるいは通常タスク処理であるかを考慮することなく、複数の処
理(タスク)のうち、いずれの処理が優先度が高いかを容易に判別することができるので
ある。
さらに共有資源を獲得している場合には、共有資源獲得有無記憶部17Aとしての最上
位ビット(MSB)が“1”となっているので、共有資源を獲得しているタスク処理は、
共有資源の未獲得のタスク処理よりもより優先度レベルが高くなるようにされている。す
なわち、共有資源を獲得しているタスク処理の優先度レベルは、64〜127の値を採る
こととなる。
したがって、優先度比較回路21は、共有資源の獲得要求あるいは解放要求がなされた
場合に、優先度値記憶レジスタ16A〜16Dに格納された優先レベルおよびセマフォレ
ジスタ22を参照するだけで、容易にタスク処理のうち、いずれのタスク処理の共有資源
獲得要求あるいは共有資源解放要求を受け付けて処理を行うべきかを容易に判断すること
ができる。
次に概要動作を説明する。
以下の説明においては、説明の簡略化のため、セマフォレジスタ22が図2に示した状
態となっている状況下にあるものとする。
まず、この状況下で、タスク処理TA(タスクID=1,優先レベル=「000110
1」)が共有資源を必要として、当該タスク処理TAを実行しているCPU11Aが共有
資源の獲得要求を行う場合について説明する。
ここで、CPU11Bにおいては、タスク処理TB(タスクID=2,優先レベル=「
1011111」)が実行されており、CPU11Cにおいては、タスク処理TC(タス
クID=3,優先レベル=「1010001」)が実行されており、CPU11Dにおい
ては、タスク処理TD(タスクID=4,優先レベル=「0000111」)が実行され
ているものとする。すなわち、処理の優先レベルは、
(高) タスク処理TB>タスク処理TC>タスク処理TA>タスク処理TD
となっている。
まず、CPU11Aにおいて実行されているタスク処理TAがセマフォID=2の共有
資源の獲得要求を行った場合について説明する。
タスク処理TAの処理に伴ってCPU11AがセマフォID=2の共有資源の獲得要求
を行った場合には、セマフォID=2の共有資源は、いずれのタスク処理も未獲得の資源
であるので、いずれか最も優先レベルの高いタスク処理がセマフォID=2の共有資源を
獲得することとなる。
すなわち、タスク処理TAと同時にセマフォID=2の共有資源の獲得要求を行ったタ
スク処理がない場合、あるいは、同時に獲得要求を行ったタスク処理がタスク処理TDで
ある場合には、優先度比較回路21は、セマフォID=2の共有資源の獲得要求を行って
いるタスク処理のうち、タスク処理TAが最も優先レベルが高いと判別し、セマフォ操作
回路23はセマフォレジスタ22を参照し、セマフォID=2の共有資源が未獲得である
ことを判別する。
これに伴い、優先度比較回路21は、セマフォ操作回路23に対し、最高優先度タスク
IDとして、タスク処理TAに対応するタスクID=1を出力するとともに、獲得対象の
共有資源に対応するセマフォID=2を出力する。
この結果、セマフォ操作回路23は、セマフォID=2の共有資源をタスク処理TAに
割り当てるとともに、セマフォID=2に対応する有効データを“1”とし、対応するタ
スクID=“1”に更新する。
これと並行して、同時に獲得要求を行ったタスク処理がタスク処理TDである場合には
、当該タスク処理TDは、休止状態へと遷移されることとなる。
一方、同時に獲得要求を行ったタスク処理が、タスク処理TBあるいはタスク処理TC
である場合には、優先度比較回路21は、セマフォID=2の共有資源の獲得要求を行っ
ているタスク処理のうち、タスク処理TBあるいはタスク処理TCが最も優先レベルが高
いと判別し、セマフォ操作回路23は、セマフォレジスタ22を参照し、セマフォID=
2の共有資源が未獲得であることを判別する。
これに伴い、優先度比較回路21は、セマフォ操作回路23に対し、最高優先度タスク
IDとして、タスク処理TBに対応するタスクID=2あるいはタスク処理TCに対応す
るタスクID=3を出力するとともに、獲得対象の共有資源に対応するセマフォID=2
を出力する。
この結果、セマフォ操作回路23は、セマフォID=2の共有資源をタスク処理TBあ
るいはタスク処理TCに割り当てるとともに、セマフォID=2に対応する有効データを
“1”とし、対応するタスクID=“2”あるいは“3”に更新する。
これと並行して、同時に獲得要求を行ったタスク処理TAは、休止状態へと遷移される
こととなる。
次に、CPU11Cにおいて実行されているタスク処理TCが現在獲得しているセマフ
ォID=1の共有資源の解放要求を行った場合について説明する。
CPU11Cにおいて実行されているタスク処理TCがセマフォID=1の共有資源の
解放要求を行った場合には、タスク処理TCと同時に共有資源の獲得要求を行ったタスク
処理および共有資源の解放要求を行ったタスク処理がない場合には、タスク処理TCが最
も優先レベルが高いと判別し、セマフォ操作回路23は、セマフォレジスタ22を参照し
、セマフォID=1の共有資源がタスク処理TCにより獲得済みであることを判別する。
これに伴い、優先度比較回路21は、セマフォ操作回路23に対し、最高優先度タスク
IDとして、タスク処理TCに対応するタスクID=3を出力するとともに、解放対象の
共有資源に対応するセマフォID=1を出力する。
この結果、セマフォ操作回路23は、セマフォID=1の共有資源を解放するとともに
、セマフォID=1に対応する有効データを“0”として処理を終了する。
これにより、セマフォID=1の共有資源の獲得を要求していて、休止状態へと遷移さ
れていた他のタスク処理の内、最も優先度の高いタスク処理にセマフォ、ひいては、共有
資源が割り当てられることとなる。
また、CPU11Cにおいて実行されているタスク処理TCがセマフォID=1の共有
資源の解放要求を行うのと同時に、共有資源の獲得要求あるいは共有資源の解放要求を行
ったタスク処理が、タスク処理TAあるいはタスク処理TDである場合には、優先度比較
回路21は、これらのタスク処理のうち、タスク処理TCが最も優先レベルが高いと判別
し、セマフォ操作回路23は、セマフォレジスタ22を参照し、セマフォID=1の共有
資源がタスク処理TCにより獲得済みであることを判別する。
これに伴い、優先度比較回路21は、セマフォ操作回路23に対し、最高優先度タスク
IDとして、タスク処理TCに対応するタスクID=3を出力するとともに、解放対象の
共有資源に対応するセマフォID=1を出力する。
この結果、セマフォ操作回路23は、セマフォID=1の共有資源を解放するとともに
、セマフォID=1に対応する有効データを“0”に更新する。
これにより、セマフォID=1の共有資源の獲得を要求していて、休止状態へと遷移さ
れていた他のタスク処理の内、最も優先度の高いタスク処理にセマフォ、ひいては、共有
資源が割り当てられることとなる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、共有資源は、同時に獲得要求を行ったタス
ク処理TA〜TDのうち、最も処理の優先度が高いタスク処理に割り当てられ、獲得され
ることとなるとともに、共有資源を獲得できなかったタスク処理については、休止状態に
遷移されて当該休止状態に遷移されたタスク処理を実行していたCPUは、他のタスク処
理を実行することができ、CPUの稼働効率を高めて効率よく処理を行え、ひいては、情
報処理装置全体の処理効率を向上させることができる。
同様に共有資源の解放時には、同時に解放要求(あるいは獲得要求)を行ったタスク処
理TA〜TDのうち、最も処理の優先度が高いタスク処理から優先的に受け付けられるの
で、共有資源の解放が遅れることによる処理の遅延を回避でき、効率的な処理が行える。
次により具体的な実施形態について説明する。
[1]情報処理システムの構成
図3は、より詳細な情報処理システムの構成ブロック図である。
情報処理システム100は、大別すると、複数のプロセッサとしてのCPU(プロセッ
サ)101A〜101Dと、複数のCPU101A〜101Dにおけるタスク割当、共有
資源割り当てなどの調停を行う本実施形態の情報処理装置を構成するコプロセッサ(情報
処理装置)102と、を備えている。
ここで、コプロセッサ102について説明する。
本実施形態におけるCPU101A〜101Dは、通常のCPUバスを介して通信を行
うためのCPUバスインタフェースを備えるとともに、コプロセッサ102とコプロセッ
サバスを介して通信を行うためのコプロセッサバスインタフェースを備えている。
これにより、各CPU101A〜101Dは、CPUバスインタフェースを介した通常
のデータ入出力と並行して、コプロセッサバスを介したコプロセッサ命令のコプロセッサ
102への出力およびコプロセッサバスを介したデータ入出力が可能となっている。
このような構成を採っているので、本実施形態のコプロセッサ102によれば、各CP
U101A〜101Dが(標準で)備えていない機能をハードウェア及びソフトウェアの
両面で柔軟性を持って拡張できるという効果が得られている。
コプロセッサ102は、外部からのデバッグ割込要求を受け付け、デバッグ割込要求信
号を出力するデバッグ入力受付回路110と、外部からの割込要求を受け付け、外部割込
要求信号を出力する外部割込入力受付回路111と、複数のCPU、ひいては、複数のタ
スク処理からのコプロセッサに対する処理要求を受け付け、処理要求信号を出力する処理
要求受付回路112と、デバッグ割込要求信号、外部割込要求信号および処理要求信号が
入力され、要求信号別の優先度判定を行い、要求別優先度判定結果を後述の制御部に通知
する処理要求要因決定回路113と、後述する個別レジスタ部の内容に基づいて処理割当
対象(タスクスイッチ対象)のCPUを決定する割当対象決定回路114と、割当対象決
定回路114の決定結果に基づいて、割込要求を行い各CPU11A〜11Dに割込処理
を行わせる割込要求発生回路115と、を備えている。
また、コプロセッサ102は、処理割当対象(タスクスイッチ対象あるいは外部割込み
処理割り当て対象)のCPUを管理し、あるいは、外部割り込み状態を管理するための管
理用データを格納する共通レジスタを有する共通レジスタ部116と、処理優先度レベル
データおよび各CPU11A〜11Dの状態を記憶する個別のレジスタを有する個別レジ
スタ部117と、共有資源の割り当てなどの処理データの論理的な整合性を保つために排
他的に処理する必要がある場合に排他制御を行う排他制御部118と、CPU101A〜
101Dで動作しているOS(operating system)などからのコプロセ
ッサ命令をデコードするデコーダ119と、デコーダ119によりデコードされたコマン
ドのシーケンス制御を行うシーケンサ120と、シーケンサ120の制御下でデコードさ
れたコマンドに基づいて各部の制御を行うとともに、コプロセッサ102全体を制御する
制御部121と、を備えている。
共通レジスタ部116は、大別すると、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタttc
rと、外部割込ステータスレジスタisrと、不正操作検出レジスタiodrと、セマフ
ォ委譲タスクIDレジスタsttrと、を備えている。
個別レジスタ部117は、大別すると、CPU101Aに対応するデータを記憶する第
1レジスタ群117Aと、CPU101Bに対応するデータを記憶する第2レジスタ群1
17Bと、CPU101Cに対応するデータを記憶する第3レジスタ群117Cと、CP
U101Dに対応するデータを記憶する第4レジスタ群117Dと、を備えている。
[2]コプロセッサの入出力信号
ここで、コプロセッサの入出力信号について簡単に説明する。
図4は、コプロセッサの入出力信号の説明図である。
図4において、たとえば、c33_co_din_i信号は、32ビットのビット幅を
有し、入出力方向は、出力方向(O)であり、CPUへのデータ出力信号線であることが
わかる。同様に、clken信号は、入出力方向は、入力方向(I)であり、コプロセッ
サのクロックイネーブル信号であることがわかる。また、c33_int_lv_i信号
は、4ビットのビット幅を有し、入出力方向は、出力方向(O)であり、CPUへの割込
レベルを表す信号であることがわかる。以下、同様にして、出力信号が8系統、入力信号
が14系統であることがわかる。
[3]共通レジスタ部の構成
ここで、共通レジスタ部を構成する各レジスタについて説明する。
[3.1]外部割込ステータスレジスタ
図5は、外部割込ステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。
外部割込ステータスレジスタ(Interrupt Status Register
)isrは、図5に示すように、32ビットのレジスタである。
この外部割込ステータスレジスタisrの第19ビット〜第16ビットは、外部割り込
みレベルが格納されるフィールドであり、このフィールドの各ビットは、書き込み(図中
、wで示す。以下同様。)および読み込み(図中、rで示す。以下、同様)が可能である
外部割り込みレベルは、受理可能な外部割り込みレベルを示すものであり、設定可能な
値は、4ビットで表現可能な0〜15である。コプロセッサは、このフィールドで指定さ
れたレベル以下の外部割り込みをマスクする。たとえば、設定されている外部割り込みレ
ベルの値が3の場合、4以上のレベルを持つ外部割り込みを受理し、3以下のレベルを持
つ外部割り込みをマスクして、受理しないこととなる。なお、本実施形態においては、外
部割り込みを受理した際に、コプロセッサ102がこのフィールドを更新しないこととし
ているので、CPU101A〜101Dが割り込み処理を開始するまでは外部割り込みレ
ベルの入力を一定に保つ必要がある。
また、外部割込ステータスレジスタisrの第8ビットは、外部割込許可状態フラグが
格納されるフィールドである。この第8ビットが“1”である場合には、割込を許可し、
“0”である場合には割込が禁止される。なお、いずれか任意のCPUがデバッグモード
にある場合は、この外部割込許可状態フラグの設定にかかわらず、コプロセッサは外部割
り込みをマスクする。
また、外部割込ステータスレジスタisrの第0ビットは、いずれか任意のCPUにお
いてbrk命令(break命令)が実行されてデバッグモードへ遷移した際に、他のC
PUに対してデバッグ割り込みを発生させる方法を指定するためのハードウェアデバッグ
モードのオン/オフが指定されるフィールドである。この第0ビットが“1”である場合
には、ハードウェアデバッグモードがオンとされ、いずれか任意のCPUがデバッグモー
ドへ遷移したことをコプロセッサが検出したら、コプロセッサが他CPUへデバッグ割り
込みを発生させる。また、この第0ビットが“0”である場合には、ハードウェアデバッ
グモードがオフとされ、いずれか任意のCPUがデバッグモードへ遷移したことをコプロ
セッサが検出しても、コプロセッサは他CPUへデバッグ割り込みを発生させない。この
場合、デバッグモードへ遷移したCPUは、他CPUに対してデバッグ割込を発生させる
ためのfbrk命令(後に詳述する)を実行することによって他CPUをデバッグモード
へ遷移させる必要がある。
[3.2]ハードウェアセマフォレジスタ
図6は、ハードウェア(HW)セマフォステータスレジスタのビットフォーマットの説
明図である。
ハードウェア(HW)セマフォステータスレジスタ(Hardware Semaph
ore Status Register)hssrは、32ビットのレジスタである。
このハードウェアセマフォステータスレジスタhssrの第7ビット〜第0ビットは、
各ビットが対応するハードウェアセマフォに割り当てられており、たとえば、第7ビット
が、セマフォID=7のハードウェアセマフォに割り当てられ、第4ビットがセマフォI
D=4のハードウェアセマフォに割り当てられる。そして、対応するハードウェアセマフ
ォがすでにいずれかのCPUに割り当てられ、獲得されている場合には、当該ビットが“
1”とされ、使用中であることが容易に把握できるようになっている。
[3.3]タスクスイッチ対象CPUIDレジスタ
図7は、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタのビットフォーマットの説明図である

タスクスイッチ対象CPUIDレジスタ(Taskswitch Target CP
UID Register)ttcrは、図6に示すように、32ビットのレジスタであ
る。
このタスクスイッチ対象CPUIDレジスタttcrの第7ビット〜第0ビットは、タ
スクスイッチ対象のCPUを特定するためのCPUIDが格納されるフィールドであり、
このフィールドの各ビットは、読み込みのみが可能である。
タスクスイッチ対象のCPUとは次の状態(1)、(2)を指している。
(1) HALT状態にあるCPU
(2) 次に外部割り込み処理が割り当てられるCPU(HALT状態にあるCPU
が存在しない場合)
ここで、同じ条件に合致するCPUが複数存在する場合は、そのうちひとつをコプロセ
ッサが判断してタスクスイッチ対象CPUIDを設定する。
上記状態のうち、HALT状態にあるCPUが存在する場合には、0〜126の値の範
囲で、HALT状態にあるCPUのIDを表す。
また、HALT状態にあるCPUが存在しない場合には、128〜254の値の範囲で
、次に外部割り込み処理を割り当てられるCPUのIDを示すこととなり、この値は、対
象となるCPUのIDに128を加えた値になっている(たとえば、CPUIDが“1”
の場合には、CPUIDとして“129”が設定される)。
なお、コプロセッサが適切なCPUIDを設定できない場合には、エラーパターンとし
て、127あるいは255の値が設定される。
[3.4]不正操作検出レジスタ
図8は、不正操作検出レジスタのビットフォーマットの説明図である。
不正操作検出レジスタ(Illegal Operation Detection
Register)iodrは、図8に示すように、32ビットのレジスタである。
この不正操作検出レジスタiodrの第2ビットは、内部割り込み系命令の実行の際、
対象となるCPUが内部割り込み禁止のため内部割り込みを発生させられなかった場合に
“1”となる内部割込失敗フラグであり、書き込みおよび読み込みが可能である。
また、不正操作検出レジスタiodrの第1ビットは、獲得していないハードウェアセ
マフォをハードウェアセマフォを解放するためのfrs命令によって解放した場合に“1
”となるハードウェアセマフォの不正解放フラグであり、書き込みおよび読み込みが可能
である。
また、不正操作検出レジスタiodrの第0ビットは、コプロセッサで定義されていな
い命令コードを実行した場合に“1”となるコプロセッサ未定義命令実行フラグであり、
書き込みおよび読み込みが可能である。
[3.5]セマフォ委譲タスクIDレジスタ
図27は、セマフォ委譲タスクIDレジスタのビットフォーマットの説明図である。
セマフォ委譲タスクIDレジスタ(Semaphore Transfer Task
ID Register)sttrは、図27に示すように32ビットのレジスタである

このセマフォ委譲タスクIDレジスタsttrの第7ビット〜第0ビットは、セマフォ
の移譲先のタスク処理のタスクIDが格納されるフィールドであり、このフィールドの各
ビットは、各CPUからは読み込みのみが可能である。
[4]個別レジスタ部
次に個別レジスタ部117を構成する各レジスタについて、再び図3を参照して説明す
る。
個別レジスタ部117の第1レジスタ群117Aは、CPU101Aが処理を行ってい
るタスク処理あるいは外部割込処理の処理優先度レベルデータを記憶する優先度値保持レ
ジスタ131Aと、CPU101Aの動作状態を表すCPU状態データを記憶するCPU
状態レジスタ132Aと、を備えている。
第2レジスタ群117Bは、CPU101Bが処理を行っているタスク処理あるいは外
部割込処理の処理優先度レベルデータを記憶する優先度値保持レジスタ131Bと、CP
U101Bの動作状態を表すCPU状態データを記憶するCPU状態レジスタ132Bと
、を備えている。
第3レジスタ群117Cは、CPU101Cが処理を行っているタスク処理あるいは外
部割込処理の処理優先度レベルデータを記憶する優先度値保持レジスタ131Cと、CP
U101Cの動作状態を表すCPU状態データを記憶するCPU状態レジスタ132Cと
、を備えている。
第4レジスタ群117Dは、CPU101Dが処理を行っているタスク処理あるいは外
部割込処理の処理優先度レベルデータを記憶する優先度値保持レジスタ131Dと、CP
U101Dの動作状態を表すCPU状態データを記憶するCPU状態レジスタ132Dと
、を備えている。
ここで、優先度値保持レジスタ131A〜131Dとして機能するtisrおよびCP
U状態レジスタ132A〜132Dとして機能するCPU状態レジスタcsrの具体的構
成について説明する。
[4.1]タスク/割り込みステータスレジスタtisr
図9は、タスク/割り込みステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。
タスク/割り込みステータスレジスタ(Task/Interrupt Status
Register)tisrは、図(9)に示すように、32ビットのレジスタである

このタスク/割り込みステータスレジスタtisrの第31ビット〜第16ビットは、
ソフトウェア用制御ビットであり、ソフトウェアで任意に使用できるフィールドとして、
書き込みおよび読み込みが可能である。
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第12ビットは、RUN/HA
LT状態フラグであり、対応するCPUの状態を示すものであり、このフラグはコプロセ
ッサ102によってのみ更新され、CPU側からは読み込みのみ可能である。なお、CP
UのSLEEP状態は反映されない。このフラグは、CPUがHALT状態の場合に“1
”にセットされる。
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第8ビットは、内部割り込み許
可フラグであり、コプロセッサ102からCPUへの割り込みを制御し、割込許可の場合
に“1”にセットされる。また、内部割込みを発生させた場合,コプロセッサ102は、
このフラグを割り込み禁止に設定するために“0”とする。さらに内部割込みの発生に失
敗した場合はフラグの更新を行わない。また外部割り込み処理の割り当て時には,コプロ
セッサ102がこのフラグを割り込み禁止に設定する.
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第6ビットは、CPUがデバッ
グ状態であるか否かを示すフラグであり、CPU側からは読み込みのみ可能である。この
フラグはコプロセッサ102によってのみ更新され、デバッグ状態で“1”にセットされ
る。
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第5ビットは、CPUで実行さ
れている処理が割込処理かタスク処理であるかを示す割り込み/タスク状態フラグであり
、CPUで実行されている処理が割込処理である場合に“1”がセットされる。このフラ
グは、書き込みおよび読み込みが可能である。
そして、タスク処理を実行する際と,割込処理からタスク処理の実行へ復帰する際には
、ソフトウェアにより更新され,タスク処理を実行中のCPUに割込処理を割り当てる場
合はコプロセッサ102により更新されることとなる。なお、内部割込みの場合は更新さ
れない。
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第4ビット〜第1ビットは、C
PUで実行されている処理の優先度(タスクの場合)あるいは割込レベル(外部割り込み
処理の場合)を示すフィールドである。このフィールドにおいて、取り得る値はタスク処
理あるいは割込処理のいずれの場合も、0〜15の値である。
タスク処理を実行する際と、割込処理からタスク処理の実行へ復帰する際は、ソフトウ
ェアにより更新され、タスクを実行中のCPUに割込処理を割り当てる場合は、コプロセ
ッサ102により更新される。なお、内部割込みの場合は更新されない。
また、タスク/割り込みステータスレジスタtisrの第0ビットは、CPUで実行さ
れている割込処理が多重割り込みであるか否かを示す多重割込フラグであり、多重割込時
に“1”にセットされる。
なお、割り込み/タスク状態フラグが、タスク処理を示している時(“0”となってい
る)に、この多重割込フラグが“1”にセットされていても無効である。
また、この多重割込フラグは、多重割り込み処理から非多重割り込み処理へ復帰する際
あるいは、非多重割り込み処理状態のCPUに多重割り込みを発生させる際にソフトウェ
アにより更新される。
[4.2]CPUステータスレジスタcsr
図10は、CPUステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。
CPUステータスレジスタ(CPU Status Register)csrは、図
(10)に示すように、32ビットのレジスタである。
このCPUステータスレジスタcsrの第31ビット〜第24ビットは,当該CPUが
実行中のタスクIDを示すフィールドであり、その取り得る値は、0〜255となってい
る。このフィールドは書き込みおよび読み込みが可能である。
また、CPUステータスレジスタcsrの第23ビット〜第16ビットは、当該CPU
が獲得に成功したハードウェアセマフォを示すフィールドであり、第23ビットが“1”
となると、第7番目のハードウエアセマフォ(セマフォID=7)を獲得していることを
示し、第22ビットが“1”となると、第6番目のハードウエアセマフォ(セマフォID
=6)を獲得していることを示し、以下同様にして、第16ビットが“1”となると、第
0番目のハードウエアセマフォ(セマフォID=0)を獲得していることを示す。
このフィールドは、後述するtas命令あるいは後述するfrs命令を実行した場合に
更新され、ハードウエアセマフォの獲得成功,あるいは獲得中に“1”にセットされる。
また、CPUステータスレジスタcsrの第7ビット〜第0ビットは、各CPU固有の
レジスタに対して操作(ロード/ストア)を行う場合に,対象となるCPUIDを指定す
るフィールドであり、その取り得る値は、0〜126となっている。このフィールドは、
書き込みおよび読み込みが可能である。
[5]排他制御部
図11は、排他制御部の概要構成ブロック図である。
排他制御部118は、大別すると、ハードウェアセマフォの状態を記憶するセマフォレ
ジスタ140と、セマフォが獲得できなかったタスク処理、ひいては、当該タスク処理を
実行しているCPU101A〜101Dがセマフォの獲得を予約するための情報を記憶す
るセマフォ予約ブロック部141と、ハードウェアセマフォステータスレジスタhssr
およびセマフォ予約ブロック部141の状態に基づいてセマフォ操作を行うセマフォ操作
部142と、を備えている。
[5.1]セマフォレジスタ
図12は、セマフォレジスタの概要構成ブロック図である。
セマフォレジスタ140は、8個の共有資源(セマフォID=0〜7)にそれぞれ対応
した8個のセマフォ情報格納部143−0〜143−7を備えている。
各セマフォ情報格納部143−0〜143−7は、同一構成を採っており、セマフォI
Dに対応するセマフォが獲得されている場合に“1”となり、セマフォが未獲得である場
合に“0”となるセマフォ獲得中フラグ144Aと、セマフォIDに対応するセマフォが
獲得され、セマフォ獲得中フラグ144Aが“1”となっている場合に、当該セマフォを
獲得しているタスク処理を特定するためのタスクIDがセマフォ獲得中タスクIDとして
格納されるセマフォ獲得中タスクID格納部144Bと、を備えている。
[5.2]セマフォ予約ブロック部
図13は、セマフォ予約ブロック部の概要構成ブロック図である。
セマフォ予約ブロック部141は、8個のセマフォにそれぞれ対応させた8個のセマフ
ォ予約キュー145−0〜145−7を有している。これら8個のセマフォ予約キュー1
45−0〜145−7は、同一構成を採っており、それぞれ3個のCPUがセマフォの予
約を行えるように、3段のFIFO(First In First Out)型の予約
情報格納部146−1〜146−3を備えている。
各予約情報格納部146−1〜146−3は、同一構成を採っており、予約状態か否か
を判別するためのセマフォ予約フラグ147と、セマフォ獲得の予約を行っているタスク
処理を特定するためのタスクIDを格納するセマフォ予約タスクIDフィールド148と
、を備えている。この場合において、予約情報格納部146−xの個数については、少な
くともCPU数(本実施形態の場合、4個)分必要であり、一つのCPUで複数のセマフ
ォを獲得する可能性がある場合を考慮すると、CPU数の倍程度(本実施形態の場合、8
個)設ければ実用的には問題がない。
[5.3]処理優先度レベルデータ
次に、個別レジスタ25に格納される処理優先度レベルデータについて説明する。
図14は、処理優先度レベルデータのデータフォーマットの一例の説明図である。
処理優先度レベルデータ40は、6ビットのデータであり、上位ビット(MSB)側か
ら下位ビット(LSB)側に向かって、1ビットの処理種別フラグI/T、4ビットの優
先度レベルフィールドPR、1ビットの多重割込レベルフラグINと、を備えている。
処理種別フラグI/Tは、処理対象が通常タスク処理なのか、外部割込処理なのかを表
すデータである。本実施形態の場合、処理対象が通常タスク処理であれば、処理種別フラ
グI/T=0、外部割込処理であれば、処理種別フラグI/T=1となっている。
優先度レベルフィールドPRは、処理の優先度を表すデータであり、0〜15(0h〜
Fh:hは16進数を表す。以下同じ。)の値を持つ。優先度レベルデータ=0が最も低
優先度であり、優先度レベルデータ=15が最も高優先度である。
多重割込レベルフラグINは、割込処理中にさらに外部割込処理(多重割込処理)がな
されたか否かを表すデータである。多重割込レベルフラグIN=0の場合は、多重割込が
なされていないことを示し、多重割込レベルフラグIN=1の場合は、多重割込がなされ
ていることを示す。
[5.4]コプロセッサのメモリマップ
続いて、コプロセッサのメモリマップについて説明する。
図15は、コプロセッサ102の第1の態様のメモリマップの説明図である。
これに加えてマルチプロセッサ構成時においては、デバッグ割り込みあるいはbrk命
令の実行によってCPUがレジスタを退避させるためのスタック領域をCPU毎に設けて
いる。各スタックのサイズは256バイトとしている。これらの領域はメモリアドレスの
最上位から順にCPU101A(図中、CPU0と示す。)、CPU1014B(図中、
CPU1と示す。)、…とCPUの数に応じ、アドレスの下位方向へ向かって割り当てら
れている。
各CPU101A〜101Dに割り当てられた領域は、図15に示すように、アドレス
の下位8ビットが0x00h〜0x0Fhの領域は、予約済み領域(Reserved)
となっており利用できず、アドレスの下位8ビットが0x10h〜0xFFhの領域は、
デバッグルーチン内で自由に利用できるようにされている。
図16は、コプロセッサの第2の態様のメモリマップの説明図である。
第1の態様と比較して、予約済み領域が多くなっているが、確保するデバッグ領域は同
様である。
図15および図16のメモリマップに示すように、本実施形態では、CPU毎にデバッ
グ用スタック領域を設けるが、ソフトウェアがスタック領域にアクセスする際はいずれの
CPU101A〜101Dからでも共通のアドレスによってアクセスできる必要がある。
そこで本実施形態では、CPU101A〜101Dから出力されるアドレスをCPUに
応じてオフセットさせるハードウェアとしてのアドレスデコーダが設けられてい^−る。
図17は、第1の態様のメモリマップ時に4個のCPU101A〜101Dに対応する
デバッグ用スタック領域のアドレスの説明図である。
図17は、CPUのdbbrレジスタで指定されるデバッグベースアドレスが「0x0
0060000h」、かつ、4CPU構成時におけるCPU毎のデバッグ用スタック領域
のアドレスを示している。図17中、破線円内に示したCPU101Aに対応するアドレ
スは、他のCPU101B〜101Dの実際のアドレスに対応する代表アドレスとして各
ソフトウェアにより用いられる。これにより、アドレスデコーダは、ソフトウェアが生成
した代表値のアドレスを当該ソフトウェアを処理しているCPU101A〜101Dに応
じたアドレスへ変換する機能をサポートしている。これにより、ソフトウェアはこのアド
レス代表値を指定することで、どのCPU101A〜101Dで実行されても適切なアド
レスへ変換されることが保証されている。
一方、デバッグ例外処理ベクタは、全CPU101A〜101Dで共通であるので、こ
れについてはアドレスのオフセットを行わない。またPCとR0に対応するアドレスのデ
ータについては、brk命令実行時またはデバッグ割り込み発生時に、各CPU101A
〜101Dが各々備えるデバッグモジュールへ自動的に退避させるので、これらのアドレ
スについてもアドレスのオフセットを行わないようになっている。
[6]命令セット
次にコプロセッサの命令セットについて説明する。
本実施形態においては、コプロセッサの命令セットは、大別すると、ストア系命令、ロ
ード系命令、その他の命令の3つに分けられる。
CPU101A〜101Dがコプロセッサ102に対して未定義命令の実行を要求した
場合はエラーとなり、不正操作検出レジスタiodrのコプロセッサ未定義命令実行フラ
グUIがセットされる。しかしエラーは発生するが例外とはならず、何ら他に影響を及ぼ
すことなくコプロセッサ処理を要求したCPUに対してack信号を返すこととなる。
[6.1]ストア系命令セット
図18は、ストア系命令の命令フォーマットの説明図である。
ストア系の命令としては、図17に示すように、以下の11個の命令がある。なお、詳
細については後に述べる。
(1)st.isr命令
(2)st.stisr命令
(3)st.scsr命令
(4)st.ptisr命令
(5)st.pcsr命令
(6)st.iodr命令
(7)csw命令
(8)ivk命令
(9)haltcpu命令
(10)tas命令
(11)frs命令
[6.2]ロード系命令セット
図19は、ロード系のコプロセッサの命令フォーマットである。
ロード系の命令としては、以下の10個の命令がある。なお、詳細については後に述べ
る。
(1)ld.isr命令
(2)ld.hssr命令
(3)ld.stisr命令
(4)ld.scsr命令
(5)ld.ptisr命令
(6)ld.pcsr命令
(7)ld.iodr命令
(8)ld.pcpuid命令
(9)ld.ttcr命令
(10)ld.sttr命令
[6.3]その他命令セット
図20は、その他のコプロセッサの命令フォーマットである。
その他の命令としては、以下の二つの命令がある。なお、詳細については後に述べる。
(1)fbrk命令
(2)iiack命令
[7]タスク優先度/割り込みレベル
CPU毎に設けられたタスク/割り込みステータスレジスタtisrには、現在実行し
ているタスクの優先度あるいは割り込みレベルが書き込まれる。
タスク優先度または割り込みレベルを表す優先度レベルフィールドPRは、4ビット幅
であり、0〜15までの値を設定できる。
また、タスクと割り込み処理との区別を表すためには、I/T(Interrupt/
Task)フラグが用いている。
また割り込み処理の場合は、多重割り込みか否かを表すのにIN(Interrupt
Nesting)フラグを用いている。
ここで、再び図14を参照して説明する。
図14においては、通常タスク処理の最高優先度が0、最低優先度が15、かつ、割り
込み処理の最高優先度が15、最低優先度が0のとき、コプロセッサ内部においてタスク
と割り込みを一貫させて扱う場合のタスク優先度について示している。
この場合において、割り込みレベルが同じ場合、多重割り込みの方がコプロセッサ内部
における優先度が高い。また、I/Tフラグ=0,INフラグ=1という組み合わせはな
く、そのような場合には、I/Tフラグ=0,INフラグ=0として解釈するようにして
いる。
図21は、内部割り込み命令に対応した,CPUのベクタテーブルの説明図である。
16番〜18番のこれら予約済み割り込みベクタ(vector)を、先に列挙した3
つの内部割り込み命令にそれぞれ割り当てる。
[8]コプロセッサのトラップ要因
次にコプロセッサ102のトラップ処理について説明する。
図22は、コプロセッサのトラップ要因の説明図である。
複数のトラップ要因が同時に発生した場合、コプロセッサ102は、優先順位に基づい
てトラップ処理を行う。トラップ要因がリセット(Reset)の場合は、コプロセッサ
102がどのような状態であっても、即座にトラップ処理を受け付ける。リセット以外の
トラップ要因で最も優先度が高いのが内部割込処理要求(Internal Inter
rupt)である。次に優先度が高いのが、コプロセッサからの要求(Co−Proce
ssor Request)である。
また、トラップ要因がデバッグ例外(Debug exception)の場合、コプ
ロセッサで命令を実行中であっても即座にデバッグ割り込み信号の出力を行う。これは、
コプロセッサ102がコプロセッサ処理要求中は次の動作に移れないことを利用している
その他のトラップ要因(NMIおよびMaskable Interrupt)におい
ては、コプロセッサで命令が実行中の場合は終了するまで保留し、コプロセッサ命令の終
了後に要因の優先度を判断しトラップ処理へ移る。コプロセッサ命令が実行されていない
場合は即座にトラップ処理へ移ることとなる。
[9]割込処理
次に割込処理時の動作について説明する。
図23は、割込処理の比較概要説明図である。
[9.1]マスカブル割込
まず、マスカブル割込(INT)について説明する。
マスカブル割り込み発生時に、各CPU101A〜101Dに割り込み処理を割り当て
る優先度条件(1)〜(4)を示す。
(1) HALT状態のCPU
(2) より優先度の低いタスクを実行中のCPU
(3) 多重割り込みも含め、より割り込みレベルの低い割り込み処理を実行中のC
PU
(4) CPUIDの小さい順(全CPUで実行中のタスク優先度が全て同じ場合)
割込処理の割り当て時には、割込処理を割り当てたCPUのタスク/割込ステータスレ
ジスタtisrの割込/タスク状態フラグI/Tと優先度レベルフィールドPRをコプロ
セッサ102が適切に更新する。
また、タスク/割込ステータスレジスタtisrの内部割込許可フラグIIEを禁止に
設定する。これは割込フラグINの更新をソフトウェアが行うため、他要因による更新を
防ぐためである。割込フラグINの更新後に内部割込許可フラグIIEを許可に再設定す
る。この再設定は、割込処理ルーチンにおける入口処理の最後に行うことが望ましい。
一方、各CPU101A〜101Dにおいて割込処理を終え、タスクの実行に復帰する
場合には、ソフトウェア的にタスク/割込ステータスレジスタtisrの下位6ビットを
適切に更新する。
さらに、割込/タスク状態フラグI/Tを、割込みからタスクへと更新する必要がある
。同様に、多重割込状態から出る場合は、割込フラグINを多重割り込みから非多重割り
込みへと更新する必要がある。なお、多重割り込みの場合、多重割り込み回数は、ソフト
ウェア側で管理する必要がある。
また、次の条件(1)、(2)に合致するCPUは、割込処理の割り当て対象から外し
ている。
(1) HW セマフォを獲得中であるCPU
(2) 内部割り込みを禁止しているCPU
なお、割込処理の割り当てが不能な状態が起こった場合には、タスクスイッチ対象CP
UIDレジスタttcrにエラーパターンを設定する。特に全CPU101A〜101D
が内部割り込みを禁止している場合には、コプロセッサ102は、マスカブル割込をマス
クすることとなる。
次に割込処理の受理について説明する。
CPU101A〜101Dで実行される割込処理ルーチン内で、割込発生元(例えば外
部周辺機器など)へ割込処理を受理したことを直接通知する。
すなわち、割込処理要求を受けるCPUが受理通知を行う→割込発生元が割り込み要求
取り下げ→コプロセッサ102へ割込処理の割り当て終了通知の順で通知がされる。
続いて、割込処理の終了について説明する。
各CPU101A〜101Dで実行される割込処理ルーチン内で、次に示す操作によっ
て割込処理の終了をコプロセッサ102へ通知する。
非多重割り込みから通常タスク処理へ復帰する場合には、自己のタスク/割込ステータ
スレジスタtisrの割込/タスク状態フラグI/Tをタスクに更新し、優先度レベルフ
ィールドPRを割り込み発生前の通常タスク処理の優先度に戻す。
また、多重割り込みから非多重割り込みへ復帰する場合には、自己のタスク/割込ステ
ータスレジスタtisrの割込フラグINを非多重割り込みに更新し、優先度レベルフィ
ールドPRフィールドを多重割り込み前の割り込みレベルに戻す。
また、3回以上の多重割り込み状態から2回以上の多重割り込み状態へ復帰する場合に
は、自己のタスク/割込ステータスレジスタtisrの優先度レベルフィールドPRをひ
とつ前の多重割り込みの割込レベルに戻す。
続いて、マスク条件について説明する。
発生した割込要因の割込レベルが、外部割込ステータスレジスタisrのILフィール
ドで設定されている割込レベル未満で、かつ、以下に示すいずれかの条件(1)〜(5)
が成り立つ場合、外部割込ステータスレジスタisrのIEフラグの設定に関わらず割り
込みをマスクさせる。
(1) ハードデバッグ状態にある。
(2) 全CPU101A〜101Dのタスク/割込ステータスレジスタtisr
の内部割込許可フラグIIEが内部割り込み禁止に設定されている。
(3) いずれかのCPU101A〜101Dに対して割り込み信号INTを出力
中である。
(4) 新規割り込み要因の割り込みレベルが現在処理中の割り込み要因の割り込
みレベル未満である。
(5) ttcrの値がエラーパターンである。
[9.2]NMI
次にNMI(Non−Maskable Interrupt)について説明する。
CPUの数によらずコプロセッサ102外部へは、NMIポートをひとつだけ設けてい
る。このため、コプロセッサ102外部からのNMI発生時には、コプロセッサ102か
ら全CPU101A〜101DへNMIを同時に発生させる。本実施形態では、このよう
な特殊動作を行わせているため、NMI発生時にはコプロセッサ102が外部割込ステー
タスレジスタisrの外部割込許可フラグIEを割り込み禁止に設定することによって、
外部割り込みを禁止している。
そして、本実施形態では、NMI終了後に再度外部割り込みを許可するためには、ソフ
トウェアが外部割込許可フラグIEの再設定を行う必要がある。
またNMIの場合は、マスカブル割込みの場合とは異なり、割込み処理を割り当てたC
PUのタスク/割込ステータスレジスタtisrの下位6ビットを更新しないようになっ
ている。
NMIの割込み処理を受理する場合には、マスカブル割り込みと同様、CPUで実行さ
れる割込処理ルーチン内で、割り込み発生元へ割り込みを受理したことを直接通知してい
る。
すなわち、割込処理要求を受けるCPUが受理通知を行う→割込発生元が割り込み要求
取り下げ→コプロセッサ102へ割込処理の割り当て終了通知の順で通知がされる。
また、NMIの割込処理の終了時には、マスカブル割り込みの場合と異なり、割込処理
の終了の通知は行っていない。
また、NMIは本来マスクされない割り込みではあるが、以下に示す条件(1)、(2
)が成り立つ場合にのみ、これをマスクするようにしている。
(1) ハードデバッグ状態である。
(2) CPUに対してNMI信号を出力中である。
[9.3]内部割込処理
次に内部割込みについて説明する。
内部割り込み系命令の実行によって、対象となるCPUに対して割り込みを発生させる
。コプロセッサ102からCPU101A〜101Dへ割り込みを発生させる際は割り込
みレベルを最低に設定する。この場合には、NMIと同様に、タスク/割込ステータスレ
ジスタtisrの下位6ビットは更新しない。またコプロセッサ102は、内部割り込み
の対象となるCPUのタスク/割込ステータスレジスタtisrの内部割込許可フラグI
IEを禁止に設定する。
内部割込処理を終えると、所定の命令(csw命令、ivk命令)によりタスクの実行
が再開されたり、CPU101A〜101Dが所定の命令(cpuhalt命令)により
HALT状態へ遷移したりする。
このため、内部割込処理の最後に、所定の命令により内部割込許可フラグIIEを許可
に設定する必要がある。
また、内部割込処理を受理する場合には、割込処理ルーチン内で、内部割込受理命令i
iackを実行する。
一方、内部割込処理を終了する場合には、内部割込受理命令iiackを実行して内部
割り込みを受理したことを通知した後、内部割込許可フラグIIEを許可に設定すること
で内部割り込み処理を終了したことを通知する。
また、内部割込み禁止の場合、すなわち、内部割込み系命令の対象となるCPUが内部
割り込みを禁止していた場合には、コプロセッサ102は、内部割り込みの発生はさせず
に命令発行元のCPUに対してack信号を返す。また、コプロセッサ102は、不正操
作検出レジスタiodrの内部割込失敗フラグIFをセットする。
また、いずれかのCPUに対して割込信号INTを出力中の場合は、内部割り込みをマ
スクするようにされている。
[9.4]割込処理におけるその他の動作
本実施形態においては、割込処理において、コプロセッサ命令実行中はNMIを発生さ
せないようにしている。
また、割り込み処理割り当てと、コプロセッサ命令実行と、は同時に行わないようして
いる。
[10]コプロセッサ処理要求
次にコプロセッサ処理要求について説明する。
各CPU101A〜101Dからのコプロセッサ処理要求が競合した場合、コプロセッ
サ102は、次の優先度条件(1)〜(3)に従って要求を受理するCPU101A〜1
01Dを決定する。
(1) ハードウェアセマフォを獲得している
(2) 実行中のタスク/割り込み処理の優先度が高い
(3) CPUIDの値が小さい
コプロセッサ処理要求が受理されたCPU101A〜101Dに対しては、コプロセッ
サ102は、所定のポート(c33 co ackポート)を用いて終了通知を行う。C
PU間で処理要求が競合して要求が受理されなかったCPUの要求はそのまま保留する。
現在のコプロセッサ処理が終了後、コプロセッサ102は、再度優先度条件に従って要求
を受理するCPU101A〜101Dを決定する。
[11]ハードウェアセマフォ
本実施形態では、上述したように、コプロセッサ102は、CPU101A〜101D
間で共有される資源(リソース)に対する排他的なアクセスを実現するための手段として
、ハードウェアセマフォを提供している。
本実施形態では、一般的にソフトウェアで実現されるセマフォをハードウェアで実現さ
せている。この理由は、マルチプロセッサ化に伴って時間的同時にセマフォの獲得要求が
発生する可能性があり、ソフトウェアでセマフォを実現した場合には、処理能力的に対応
できない場合が生じるのを防止するためである。
上述したように、本実施形態のコプロセッサ102は、8つ(0番〜7番)のハードウ
ェアセマフォを備えており、ハードウェアセマフォの獲得と解放にはそれぞれ専用の命令
を実行する。
[11.1]ハードウェアセマフォの獲得
ハードウェアセマフォを各CPU101A〜101Dが獲得するには、tas命令を実
行する。tas命令は引数に獲得したいハードウェアセマフォ番号を指定する。たとえば
ハードウェアセマフォの3番を獲得したい時の操作は次のようになる。
#macro TAS $1
ld.c 14、 $1
#endm
ld.w %r0、 0x03 ;レジスタr0=3
tas %r0 ;HWセマフォ3番の獲得要求
tas命令を実行したら、実際に要求したハードウェアセマフォが獲得できたか否かを
調べる必要がある。tas命令の実行結果は自CPUのCPUステータスレジスタcsr
に反映されるので、それを読み出す。
操作は、たとえば次のようになる。最後のcmp命令の結果が0ならばハードウェアセ
マフォの獲得失敗、0でなければ獲得成功を示す。
#macro LD.PCSR $1
ld.c $1、 5
#endm
LD.PCSR %r1 ;CPUステータスレジスタcsrの値を
レジスタr1に代入
ld.w %r2、 0x08 ;ビット3が1のマスクパターン生成
and %r1、 %r2 ;r1=r1&0x00000008
cmp %r1、 0x00 ;r1−0x00000000
コプロセッサ102は、引数で指定されたレジスタの下位3ビットのみを検査するので
、ハードウェアセマフォの番号として0〜7以外の数を指定した場合、エラーにはならず
下位3ビットのみが有効になる。
[11.2]ハードウェアセマフォの解放
獲得しているハードウェアセマフォを解放するには、frs命令を実行する。frs命
令は、tas命令と同様、解放したいハードウェアセマフォ番号を指定する。たとえばハ
ードウェアセマフォの4 番を解放する時の操作は次のようになる。
#macro FRS $1
ld.c 15、 $1
#endm
ld.w %r0、 0x04 ;レジスタr0=4
FRS %r0 ;HWセマフォ4番を解放
なお、自タスク処理、ひいては、自CPUで獲得していないハードウェアセマフォ番号
を指定してfrs命令を実行した場合、該当するハードウェアセマフォが未使用であると
ないとに関わらずエラーとなり、不正操作検出レジスタiodrのハードウェアセマフォ
不正解放フラグ(HR)がセットされる。対象となったハードウェアセマフォが他のタス
ク処理(他CPU)で獲得されていた場合は、解放されずにそのままの状態を維持する。
[11.3]ハードウェアセマフォにおける制限
本実施形態では、ハードウェアセマフォに対して次の制限を設けている。
(1)ハードウェアセマフォを使用できるのは、OSタスクのみである。
なお、コプロセッサ102側では、タスクの種類(OSタスクであるか否か)を判断で
きないので、ソフトウェア設計者の責任でOSタスクのみが使用できる仕様とする必要が
ある。
(2)ハードウェアセマフォ獲得時は、セマフォ番号を指定し、獲得確認は、フラグで
行うようにしている。
[11.4]ハードウェアセマフォの予約
上述したように、ハードウェアセマフォの獲得にはコプロセッサ102に対し、処理要
求(この場合tas命令)を行うが、上述したように、コプロセッサ102は、その時点
における各条件の総合的な優先度が最も高いタスク処理を実行しているCPUからの処理
要求を受け付けることとなっている。このため、ハードウェアセマフォの獲得は、各CP
U101A〜101Dがtas命令を実行するタイミングによって左右されてしまい、場
合によっては、ハードウェアセマフォを獲得できないために長時間にわたって処理を先に
進めることができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、各ハードウェアセマフォに対して獲得要求を行ったと
き、対象となるセマフォが他のCPUによって既に獲得されている場合、獲得要求を行っ
たタスク処理(CPU)は、このハードウェアセマフォを「予約」する。
そして、当該タスク処理は、休止状態に遷移され、当該タスク処理を実行していたCP
Uは解放されて他のタスク処理が実行可能な状態となる。これにより、タスク処理が他タ
スクのハードウェアセマフォの解放をポーリングしながら待つことに起因するCPUの利
用効率の低下を抑制することができる。
さらに、このハードウェアセマフォが解放された際に、その時点での優先度に関わらず
、先に予約していたタスク処理がそのハードウェアセマフォを獲得することとなる。
これによりハードウェアセマフォは、複数のタスク処理から獲得要求があっても要求が
早かった順に獲得されるので、偶然タイミング良く後から要求が発生したタスク処理(C
PU)にハードウェアセマフォが獲得され、要求した時期が早かったにも関わらずハード
ウェアセマフォをいつまでも獲得できないタスク処理が現れるという状況を防ぐことがで
きるようになっている。
[11.4.1]ハードウェアセマフォ予約動作
次にハードウェアセマフォの予約動作について説明する。
ハードウェアセマフォを獲得しようとしてtas命令を実行したが、獲得対象のハード
ウェアセマフォが既に他のタスク処理(CPU)に獲得されていた場合には、ハードウェ
アセマフォを獲得できなかったタスクを獲得対象ハードウェアセマフォの予約リスト(セ
マフォ予約ブロック部141)に登録する。なお、同じタスク処理の二重登録を防ぐため
、以下に示す条件(1)、(2)ではリストへの登録は行わない。
(1)既に同じタスク処理が登録されている場合
(2)獲得対象となるハードウェアセマフォを現在既に獲得している場合
[11.4.2]ハードウェアセマフォ移譲動作
タスク処理からの予約があるハードウェアセマフォを現在獲得中のタスク処理(CPU
)がfrs命令によってハードウェアセマフォを解放した場合、解放と同時に予約リスト
の先頭にある休止状態の他のタスク処理にハードウェアセマフォを獲得させる。
この時、CPUステータスレジスタcsrのTASResultフィールドを適切に更
新する。すなわち、frs命令を実行したCPU(ハードウェアセマフォを解放したCP
U)のCPUステータスレジスタcsrの対象ハードウェアセマフォのビットフィールド
をクリアし、予約リストの先頭にあってハードウェアセマフォを新たに獲得したタスク処
理を実行するCPUのCPUステータスレジスタcsrの対象ハードウェアセマフォのビ
ットフィールドをセットする。なお、ハードウェアセマフォに対する不正解放操作を行っ
た場合は移譲動作を行わないことはもちろんである。
[12]デバッグ
次にデバッグについて説明する。
本実施形態のマルチプロセッサシステムである情報処理システム100では、全CPU
101A〜101Dが非デバッグモードにある状態から、任意のCPUがデバッグモード
へ遷移した場合、全CPU101A〜101Dがデバッグモードへ遷移することが要求さ
れる仕様としている。
このため、本実施形態のコプロセッサ102においては、ハードウェアデバッグモード
およびソフトウエアデバッグモードの2つのデバッグモードを設けている。
この二つのデバッグモードの切り替えは、外部割込ステータスレジスタisrのハード
ウェアデバッグモードフラグHDの設定によって行っている。
ハードウェアデバッグモードでは、任意のCPUがデバッグモードへ遷移したことをコ
プロセッサが検出すると、直ちに全CPU101A〜101Dに対してデバッグ割込みを
発生させる。
ソフトウエアデバッグモードでは、任意のCPUがデバッグモードへ遷移してもハード
ウェア的なサポートは行わず、最初にデバッグモードへ遷移したCPUが、デバッグ処理
ルーチン内でfbrk命令(デバッグ割込発生命令)を発行することで、他のCPUをデ
バッグモードへ遷移させる。
しかし、デバッグモードにおいて、たとえば、ステップ実行時のように制御の複雑さが
想定される動作状態においては、ハードウェアデバッグモードのみを用いることにしてい
る。
[12.1]デバッグ割り込みの受理通知
本実施形態では、デバッグ割り込みによって、CPU101A〜101Dのc33_c
pu_dbgmd信号がアクティブになる。コプロセッサではデバッグ割り込み発生後、
各CPU101A〜101Dから出力されるこのc33_cpu_dbgmd信号をモニ
タし、非アクティブからアクティブへの変化を検出して、デバッグ割り込みの受理通知と
みなしている。
[12.2]デバッグ割り込みの終了通知
CPU101A〜101Dが、デバッグモードから非デバッグモードへ遷移する際には
retd命令を実行する。このretd命令の実行によってCPU内部の状態がデバッグ
モードから復帰し、c33_cpu_dbgmd信号に反映される。コプロセッサ102
では、このc33_cpu_dbgmd信号がアクティブから非アクティブへ変化するこ
とを検出し、デバッグ割り込みの終了通知とみなしている。
[12.3]デバッグモード時におけるコプロセッサの動作
本実施形態では、ハードウェアデバッグモード時に、任意のCPUがデバッグモードに
ある時、コプロセッサ102もデバッグモードとなるようにしている。この場合、コプロ
セッサ102は、リセットとコプロセッサ処理要求以外のトラップ要因を全て受け付けな
い。同様に、全CPU101A〜101Dがデバッグモードから復帰することで、コプロ
セッサ102もデバッグモードから復帰する。
[12.4]コプロセッサのデバッグ割り込み信号制御
任意のCPU101A〜101Dがデバッグモードへ遷移した後、コプロセッサ102
が発生させるデバッグ割り込みによって全CPU101A〜101Dは、デバッグモード
へ遷移する。しかしデバッグモードからの復帰タイミングは、各CPU101A〜101
Dによって差異があるため、連続してデバッグ割り込みが発生するような場合(たとえば
ステップ実行)には、どのCPUがデバッグ割込要因として機能しているのか判断がつか
なくなる。
そこで、本実施形態のコプロセッサ102では次の手順(1)〜(7)で対応するよう
にしている。
(1) 全CPU101A〜101Dが非デバッグモードである状態から任意のCP
Uがデバッグモードへ遷移する。
(2) コプロセッサ102は、最初にデバッグモードへ遷移したいずれかのCPU
のCPUIDを記録する。
(3) コプロセッサ102は、全CPU101A〜101Dに対してデバッグ割り
込みを発生させる。
(4) 全CPU101A〜101Dがデバッグモードへ遷移完了する。
(5) コプロセッサ102は、全CPU101A〜101Dに対するデバッグ割り
込み要求を取り下げる。
(6) (2)の処理において、CPUIDが記録されたCPUがデバッグモードか
ら復帰する。
(7) コプロセッサ102は、新たなデバッグ割り込みを受け付ける。
コプロセッサ102が、(5)の処理において、全CPU101A〜101Dへのデバ
ッグ割り込み要求を取り下げた後、各CPU101A〜101Dは、デバッグ処理ルーチ
ンを終えてデバッグモードから復帰する。デバッグ割り込み発生要因となったCPU以外
のCPUがデバッグモードから復帰した後、brk命令を実行することにより新たなデバ
ッグ割り込み要因になり得る。コプロセッサ102は、最初のデバッグ割り込み要因とな
ったCPUがデバッグモードから復帰するまで、この新たなデバッグ割り込み要因による
全CPUに対するデバッグ割り込み要求を保留することとなる。
図24は、デバッグ割込要求の保留状態の説明図である。
具体的には、図23に示すように、コプロセッサ102は、時刻t1においてCPU1
01D(CPU3)が最初のデバッグ割り込み要因となり、時刻t2においてデバッグモ
ードに移行した場合に、CPU101D(CPU3)が時刻t3においてデバッグモード
から復帰したとしても、すべてのCPUが時刻t4においてデバッグモードから復帰する
までデバッグ割り込み要求を保留し、時刻t3から時刻t4の間がデバッグ割り込み保留
期間となる。
[12.5]デバッグモードにおけるその他の動作
同時に複数のbrk命令実行がなされた場合には、ソフトウェアがハードウェアセマフ
ォを利用して同時にひとつのbrk命令実行を行うようにして、競合を防止している。
[13]コプロセッサ命令
次に本実施形態のコプロセッサ102において定義している全命令について説明する。
[13.1]ストア系命令
まず、ストア系命令から説明する。
[13.1.1]st.isr %rs
本命令の機能は、外部割込ステータスレジスタisrへの値のストア(格納)を行うも
のであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、%rsで指定したレジスタの値を外部割込ステータスレジスタi
srへストアする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro ST.ISR $1
ld.c 0、 $1
#endm
ST.ISR %r0 ;コプロセッサ isr <− r0
[13.1.2]st.stisr %rs
本命令の機能は、自CPU以外のタスク/割込ステータスレジスタtisrへのストア
を行うものであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのレジスタ操作対象
CPUIDフィールドHCIDで指定したCPUのタスク/割込ステータスレジスタti
srに対して、%rsで指定したレジスタの値をストアする。HCIDが自CPUIDと
同じ場合、後述するst.ptisr命令と動作は等価になる。
またタスク/割込ステータスレジスタtisrの未定義ビットフィールドであるビット
15、14を制御ビットとして用いることで、IIEフラグのみの更新を行うことが可能
である(内部割込許可フラグIIE以外のビットフィールドには影響を及ぼさない)。こ
れは、%rsで指定したレジスタ値のビット15、14を設定することで実現できる。
bit15 bit14 動作
0 0 全ビット更新
0 1 IIEのみ0にセット(内部割り込み禁止)
1 0 IIEのみ1にセット(内部割り込み許可)
1 1 全ビット更新
ここで、制御ビットを用いた操作を行う必要があるのは、多重割込処理から復帰時にソ
フトウェアが割込/タスク状態フラグI/T、優先度レベルフィールドPR、多重割込フ
ラグINを更新する際である。新規外部割り込み処理の割り当て等によってこれらのフィ
ールドがコプロセッサ102によって自動更新されるのを防ぐために、制御ビットを用い
て内部割込許可フラグIIEのみを禁止に設定する。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.PCSR $1
ld.c $1、 5
ST.STISR $2
ld.c 2、 $2
#endm
LD.PCSR %r0 ;コプロセッサ r0<−(自CPUの)csr
ld.w %r1、 0x02 ;r1=0x00000002
and %r1、 %r0 ;r1=r1&r0
ST.STISR %r0 ;tisr <− r0
[13.1.3]st.scsr %rs
本命令の機能は、自CPU以外のCPUステータスレジスタcsrへのストアを行うも
のであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのレジスタ操作対象
CPUIDフィールドHCIDで指定したCPUのCPUステータスレジスタcsrに対
して、%rsで指定したレジスタの値をストアする。CPUIDフィールドHCIDが自
CPUIDと同じ場合、st.pcsr命令と動作は等価になる。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.PCSR $1
ld.c $1、 5
ST.SCSR $2
ld.c 3、 $2
#endm
LD.PCSR %r0 ;r0 <− (自CPUの)csr
ld.w %r1、 0x02 ;r1=0x00000002
and %r1、 %r0 ;r1=r1&r0
ST.SCSR %r0 ;csr2 <− r0
[13.1.4]st.ptisr %rs
本命令の機能は、自CPUのタスク/割り込みステータスレジスタ(tisr) への
ストアを行うものであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのタスク/割込ステータスレジスタtisrに対して、
%rs で指定したレジスタの値をストアする。
またタスク/割込ステータスレジスタtisrの未定義ビットフィールドであるビット
15、14を制御ビットとして用いることで、内部割込許可フラグIIEのみの更新を行
うことが可能である(内部割込許可フラグIIE以外のビットフィールドには影響を及ぼ
さない)。これは%rsで指定したレジスタ値のビット15、14を設定することで実現
できる。
bit15 bit14 動作
0 0 全ビット更新
0 1 IIEのみ0にセット(内部割り込み禁止)
1 0 IIEのみ1にセット(内部割り込み許可)
1 1 全ビット更新
制御ビットを用いた操作を行う必要があるのは、多重割り込み処理から復帰時にソフト
ウェアが割り込み/タスク状態フラグI/T、優先度レベルフィールドPR、多重割り込
みフラグINを更新する際である。新規外部割り込み処理の割り当て等によってこれらの
フィールドがコプロセッサによって自動更新されるのを防ぐために、制御ビットを用いて
IIE のみを禁止に設定する。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro ST.PTISR $1
ld.c 4、 $1
#endm
ST.PTISR %r0 ;コプロセッサ tisr <− r0
[13.1.5]st.pcsr %rs
本命令の機能は、自CPUのCPUステータスレジスタcsrへのストアを行うもので
あり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrに対して、%rsで
指定したレジスタの値をストアする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro ST.PCSR $1
ld.c 5、 $1
#endm
st.pcsr %r0 /
[13.1.6]st.iodr %rs
本命令の機能は、不正操作検出レジスタiodrへのストアを行うものであり、クロッ
クサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、不正操作検出レジスタiodrに対して、%rsで指定したレジ
スタの値をストアする。検出フラグをクリアする際に使用する。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro ST.IODR $1
ld.c 8、 $1
#endm
ST.IODR %r0 ;コプロセッサ iodr <− r0
[13.1.7]csw %rs
本命令の機能は、コンテキストスイッチ内部割り込みを発生させるものであり、クロッ
クサイクルは、2サイクルである。
本命令の実行により、%rsで指定した番号を持つCPUに対して、コンテキストスイ
ッチ内部割り込みを発生させる。%rsで指定したCPUがtisrで内部割込許可フラ
グIIEを禁止に設定していた場合は、不正操作検出レジスタiodrの内部割込失敗フ
ラグIFがセットされる。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro CSW $1
ld.c 11、 $1
#endm
ld.w %r1、 0x02 ;対象CPUを2番に設定
CSW %r1 ;コプロセッサ コンテキストスイッチ内部割
り込み発生
[13.1.8]ivk %rs
本命令の機能は、CPU起動内部割り込みを発生させるものであり、クロックサイクル
は、2サイクルである。
本命令の実行により、%rsで指定した番号を持つCPUに対して、CPU起動内部割
り込みを発生させる。%rsで指定したCPUがtisrで内部割込許可フラグIIEを
禁止に設定していた場合は、不正操作検出レジスタiodrの内部割込失敗フラグIFが
セットされる。
既に非HALT状態にあるCPUに対してivk命令を実行しても、効果はない(但し
内部割込失敗フラグIFはセットされない)。
コプロセッサは本命令実行後規定サイクル後に、対象CPUへのクロック供給を開始さ
せるかクロックイネーブル信号をアクティブにする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro IVK $1
ld.c 12、 $1
#endm
ld.w %r1、 0x02 ; 対象CPUを2番に設定
IVK %r1 ;コプロセッサ CPU起動内部割り込み発生
[13.1.9]haltcpu %rs
本命令の機能は、HALT状態化内部割り込みを発生させるものであり、クロックサイ
クルは、2サイクルである。
本命令の実行により、%rsで指定した番号を持つCPUに対して、CPUHALT状
態化内部割り込みを発生させる。%rsで指定したCPUがtisrで内部割り込み許可
フラグIIEを禁止に設定していた場合は、不正操作検出レジスタiodrの内部割込失
敗フラグIFがセットされる。
既にHALT状態にあるCPUに対してhaltcpu命令を実行しても、効果はない
(但し、内部割失敗フラグIFはセットされない)。
コプロセッサ102は、本命令実行後規定サイクル後に、対象CPUへのクロック供給
を停止させるかクロックイネーブル信号を非アクティブにする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro HALTCPU$1
ld.c 13、 $1
#endm
ld.w %r1、 0x02 ;対象CPUを2番に設定
HALTCPU%r1 ;コプロセッサ CPU起動内部割り込み発生
[13.1.10]tas %rs
本命令の機能は、ハードウェアセマフォの獲得要求を行うものであり、クロックサイク
ルは、2サイクルである。
本命令の実行により、%rs で指定した番号のハードウェアセマフォの獲得要求を行
う。より具体的には、指定されたハードウェアセマフォが既に他のCPUによって獲得さ
れているか否かを確認し、その結果どのCPUからも獲得されていない空き状態であれば
獲得する。本命令の実行によりハードウェアセマフォの獲得に成功した場合、自CPUス
テータスレジスタcsrのハードウェアセマフォ獲得フィールドTASResultのう
ち、指定したハードウェアセマフォ番号に該当するビットがセットされる。
したがって本命令の実行が指定されたハードウェアセマフォの獲得を保証するわけでは
ないので、本命令実行後に自CPUステータスレジスタcsrのハードウェアセマフォ獲
得フィールドTASResultを参照し、指定されたハードウェアセマフォが獲得でき
たか否かを調べる必要がある。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro TAS $1
ld.c 14、 $1
LD.PCSR $2
ld.c $2、 5
#endm
ld.w %r1、 0x02 ;r1=0x00000002
TAS %r1 ;コプロセッサ ハードウェアセマフォ2番を
獲得要求
LD.PCSR %r2 ;自CPUのcsrをロード
[13.1.11]frs %rs
本命令の機能は、獲得しているハードウェアセマフォの解放を行うものであり、クロッ
クサイクルは、4サイクルである。
本命令の実行により、%rsで指定した番号のハードウェアセマフォの解放を行う。本
命令の実行により自CPUステータスレジスタ(csr)のハードウェアセマフォ獲得フ
ィールド(TASResult)のうち、指定したハードウェアセマフォ番号に該当する
ビットがクリアされる。
自CPUで獲得していないハードウェアセマフォ番号を指定して本命令を実行した場合
エラーとなり、不正操作検出レジスタiodrのハードウェアセマフォの不正解放フラグ
HRがセットされる。
この場合、指定されたハードウェアセマフォの解放は行われない。このエラーは他タス
ク処理(CPU)が獲得しているハードウェアセマフォの解放はもちろん、いずれのタス
ク処理(CPU)からも獲得されていない空き状態のハードウェアセマフォを解放した場
合にも適用される。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro FRS $1
ld.c 15、 $1
#endm
ld.w %r1、 0x02 ; r1=0x00000002
FRS %r1 ;コプロセッサ ハードウェアセマフォ2番を
解放
[13.2]ロード系命令
次にロード系命令について説明する。
[13.2.1]ld.isr %rd
本命令の機能は、外部割込ステータスレジスタisrのロードを行うものであり、クロ
ックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、%rdで指定したレジスタに外部割込ステータスレジスタisr
の値をロードする。
具体的使用例は以下の通りである。
#macro LD.ISR $1
ld.c $1、 0
#endm
LD.ISR %r0 ;コプロセッサ r0 <− isr
[13.2.2]ld.hssr %rd
本命令の機能は、ハードウェアセマフォステータスレジスタhssrのロードを行うも
のであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、%rdで指定したレジスタにハードウェアセマフォステータスレ
ジスタhssrの値をロードする。
具体的使用例は以下の通りである。
#macro LD.HSSR $1
ld.c $1、 1
#endm
LD.HSSR %r0 ;コプロセッサ r0 <− hssr
[13.2.3]ld.stisr %rd
本命令の機能は、自CPU以外のタスク/割込ステータスレジスタtisrのロードを
行うものであり、クロックサイクルは1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのレジスタ操作対象
CPUIDフィールドHCIDで指定したCPUのタスク/割込ステータスレジスタti
srを、%rdで指定したレジスタにロードする。HCIDが自CPUIDと同じ場合、
ld.ptisr命令と動作は等価になる。
具体的使用例は以下の通りである。
#macro LD.STISR $1
ld.c $1、 2
#endm
LD.STISR %r0 ;コプロセッサ r0 <− tisr
[13.2.4]ld.scsr %rd
本命令の機能は、自CPU以外のタスク/割込ステータスレジスタtisrのロードを
行うものであり、クロックサイクルは1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのレジスタ操作対象
CPUIDフィールドHCIDで指定したCPUのCPUステータスレジスタcsrを、
%rdで指定したレジスタにロードする。レジスタ操作対象CPUIDフィールドHCI
Dが自CPUIDと同じ場合、ld.pcsr命令と動作は等価になる。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.SCSR $1
ld.c $1、 3
#endm
LD.SCSR %r0 ;コプロセッサ r0 <− csr
[13.2.5]ld.ptisr %rd
本命令の機能は、自CPUのタスク/割込ステータスレジスタtisrのロードを行う
ものであり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのタスク/割込ステータスレジスタtisrを、%rd
で指定したレジスタにロードする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.PTISR $1
ld.c $1、 4
#endm
LD.PTISR %r0 ;コプロセッサ r0 <− tisr
[13.2.6]ld.pcsr %rd
本命令の機能は、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのロードを行うものであ
り、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrを、%rdで指定し
たレジスタにロードする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.PCSR $1
ld.c $1、 5
#endm
LD.PCSR %r0 ;コプロセッサ r0 <− pcsr
[13.2.7]ld.iodr %rd
本命令の機能は、不正操作検出レジスタiodrのロードを行うものであり、クロック
サイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、不正操作検出レジスタiodrを、%rdで指定したレジスタに
ロードする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.IODR $1
ld.c $1、 8
#endm
LD.IODR %r0 ;コプロセッサ r0 <− iodr
[13.2.8]ld.pcpuid %rd
本命令の機能は、自CPUのCPUIDのロードを行うものであり、クロックサイクル
は、1サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUIDを%rdで指定したレジスタにロードする

具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.PCPUID $1
ld.c $1、 9
#endm
LD.PCPUID %r0 ;コプロセッサ r0 <− CPUID
[13.2.9]ld.ttcr %rd
本命令の機能は、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタttcrのロードを行うもの
であり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタttcrを、%rdで指
定したレジスタにロードする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.TTCR $1
ld.c $1、 10
#endm
LD.TTCR %r0 ;コプロセッサ r0 <− ttcr
[13.2.10]ld.sttr %rd
本命令の機能は、セマフォ移譲タスクID保持レジスタsttrのロードを行うもので
あり、クロックサイクルは、1サイクルである。
本命令の実行により、セマフォ移譲タスクID保持レジスタsttrの値を、%rdで
指定したレジスタにロードする。
具体的使用例は、以下の通りである。
#macro LD.STTR $1
ld.c $1、 10
#endm
LD.STTR %r0 ;コプロセッサ r0 <− sttr
[13.3]その他の命令
次にその他の命令について説明する。
[13.3.1]fbrk
本命令の機能は、デバッグ割り込みを発生させるものであり、クロックサイクルは、1
サイクルである。
本命令の実行により、自CPUのCPUステータスレジスタcsrのレジスタ操作対象
CPUIDフィールドHCIDで指定したCPUに対して、デバッグ割り込みを発生させ
る。指定したCPUが既にデバッグモードである場合、コプロセッサ102がデバッグ割
り込みをマスクする。
コプロセッサ102が任意のCPUに対してデバッグ割り込み信号出力中に、fbrk
命令の実行によって新規にデバッグ割り込み信号出力要求をしてもコプロセッサがマスク
するので、連続してfbrk命令を実行する場合は注意が必要である。
具体的使用例は、以下の通りである。
#define FBRK do.c 0
FBRK ;コプロセッサ デバッグ割込みを発生
[13.2.10]iiack
本命令の機能は、内部割り込みを受理したことを通知するものであり、クロックサイク
ルは、1サイクルである。
本命令の実行により、内部割り込みの対象となったCPUがコプロセッサ102に対し
て内部割り込みを受理したことを通知する。本命令の実行によって、コプロセッサ102
は本命令の実行要求を行ったCPUに対する内部割り込み信号の発生を止める。
コプロセッサ102からCPUに対して内部割り込み信号が発生されていない状態で本
命令を実行しても何も起こらない。
具体的使用例は、以下の通りである。
#define IIACK do.c 1
IIACK // [COPRO] 内部割り込みを受理
次に実施形態の動作を説明する。
以下の説明においては、説明の簡略化のため、セマフォの獲得および解放については、
CPU101Aにより実行されているタスク処理TAついて考慮するものとし、他のCP
U101B〜101Dにより実行されている他のタスク処理TB〜TDの状態については
、排他制御部118が把握しているものとする。この場合において、説明の簡略化のため
、以下の説明においては各CPU101A〜101Dが実行しているタスク処理を、タス
ク処理TA〜TDと表記しているが、実際には、様々な処理状況によりその都度、変化し
ている。
図25は、セマフォ獲得時の処理タイミングチャートである。
まず、CPU101Aは、自己が処理しているタスク処理(通常タスク処理あるいは外
部割込処理など)において、共有資源の獲得が必要となった場合には、図11に示したよ
うに、獲得しようとする共有資源に対応するセマフォを特定するためのセマフォIDをセ
ットして(ステップS11)、コプロセッサ102に対しセマフォ獲得要求を行う(ステ
ップS12)。
これにより、排他制御部118のセマフォ操作ブロック142は、セマフォレジスタ1
40を参照し(ステップS13)、CPU101AによりセットされたセマフォIDに対
応するセマフォがいずれかのタスク処理TB〜TDに既に獲得されているか否かを判別す
る(ステップS14)。
ステップS14の判別において、CPU101AによりセットされたセマフォIDに対
応するセマフォがいまだ獲得されていない場合には(ステップS14;No)、いずれの
CPUで実行されているタスク処理TB〜TDも当該セマフォを使用していないので、セ
マフォレジスタ140の対応するセマフォ獲得中フラグ144Aをセットし(=“1”)
、セマフォ獲得中タスクID格納部144Bに当該タスク処理TAのタスクIDで更新す
るセマフォ割当処理を行う(ステップS15)。
次にセットされたタスクIDに対応するタスク処理を実行しているCPUのCPU状態
レジスタ(本例の場合、CPU状態レジスタ132A)の値をセマフォ獲得状態とする(
ステップS17)。なお、この場合において、上述したように、同時に同一のセマフォの
獲得を要求している他のタスク処理(他のCPU)が存在するか否かを判別し、他のタス
ク処理が存在する場合には、現在実行中のタスク処理の優先度を比較して、最もタスク処
理の優先度が高いタスク処理のタスクIDがセマフォレジスタ140のCPUID格納部
144Bにセットされ、当該タスク処理を実行しているCPUのCPU状態レジスタが選
択されることとなる。また同時に他のセマフォの獲得あるいは解放を要求している他のタ
スク処理が存在するか否かを判別し、より処理の優先度が高い他のタスク処理が存在する
場合には、当該優先度が高い他のタスク処理に対応する処理(セマフォ獲得処理あるいは
セマフォ解放処理)が先に行われることとなる。
これによりタスク処理TAを実行しているCPU101Aは、自己に対応するCPU状
態レジスタ132Aを参照して確認を行い(ステップS18)、CPU状態レジスタ13
2A)の値をセマフォ獲得状態となっているか否かを判別する(ステップS19)。
この場合には、ステップS19の判別において、CPU101Aは、自己がセマフォを
獲得したことを知ることができるので(ステップS19;Yes)、獲得したセマフォに
対応する共有資源を利用してタスク処理TAを継続して実行することとなる。
一方、ステップS14の判別において、CPU101AによりセットされたセマフォI
Dに対応するセマフォ獲得中フラグ144Aが既にセット(=“1”)状態である場合に
は(ステップS14;Yes)、既に他のタスク処理(他のCPU)が当該セマフォID
に対応する共有資源を使用しているので、セマフォ操作ブロック142は、セットされた
セマフォIDに対応するセマフォ予約キューのセマフォ予約フラグ147をセット(=“
1”)し、対応するセマフォ予約タスクIDフィールド148にタスクIDを格納するセ
マフォ予約処理を行う(ステップS16)。
次に対応するCPU状態レジスタ(本例の場合、CPU状態レジスタ132A)の値を
セマフォ未獲得状態とする(ステップS17)。
これによりCPU101Aは、自己に対応するCPU状態レジスタ132Aを参照して
確認を行い(ステップS18)、CPU状態レジスタ132A)の値をセマフォ獲得状態
となっているか否かを判別する(ステップS19)。
この場合には、ステップS19の判別において、CPU101Aは、自己がセマフォの
獲得に失敗したことを知ることができるので(ステップS19;No)、現在実行してい
るタスク処理TAを休止状態に遷移させるべく、タスクスケジューラを呼び出す(ステッ
プS21)。
これにより他のいずれかのCPU101B〜101Dで実行されるタスクスケジューラ
は、セマフォの獲得に失敗したタスク処理TAを休止状態に遷移させることとなる。
そして、タスクスケジューラは、今まで実行していたタスク処理TAが休止状態に遷移
した結果、解放されたCPU101Aに対し、新たなタスク処理を割り当てることとなる
図26は、共有資源(セマフォ)解放時の処理タイミングチャートである。
まず、CPU101Aは、共有資源を利用して自己のタスク処理(通常タスク処理、外
部割込処理など)を行っている場合に、当該共有資源の利用が終了し、解放が必要となっ
た場合には、図11に示したように、獲得しようとするセマフォを特定するためのセマフ
ォIDをセットして(ステップS31)、コプロセッサ102に対しセマフォ解放要求を
行う(ステップS32)。
これにより、排他制御部118のセマフォ操作ブロック142は、セマフォレジスタ1
40を参照し(ステップS33)、CPU101AによりセットされたセマフォIDに対
応するセマフォが当該CPU101Aに既に獲得されているか否かを判別する(ステップ
S34)。
ステップS34の判別において、対応するセマフォが当該CPU101Aが既に獲得し
ているものではない場合には(ステップS34;No)、不正操作とみなして各レジスタ
の値の更新は行わず、不正操作がなされた旨の通知を行うエラー処理を行って処理を終了
する(ステップS35)。
一方、ステップS34の判別において、CPU101AによりセットされたセマフォI
Dに対応するセマフォが当該CPU101Aに既に獲得されている場合には(ステップS
34;Yes)、セマフォ操作ブロック142は、セマフォレジスタ140のセマフォ獲
得中フラグ144Aをリセットするセマフォ解放処理を行う(ステップS36)。
次に対応するCPU状態レジスタ(本例の場合、CPU状態レジスタ132A)の値を
セマフォ未獲得状態とする(ステップS37)。なお、この場合において、上述したよう
に、同時にセマフォの獲得あるいは解放を要求している他のCPUが存在するか否かを判
別し、他のCPUが存在する場合には、処理の優先度を比較して、最も処理の優先度が高
いCPUについてセマフォの獲得あるいは解放がなされることとなる。
これによりCPU101Aは、自己に対応するCPU状態レジスタ132Aを参照して
状態の確認を行う(ステップS38)。
状態確認の結果、CPU101Aは、自己が獲得していたセマフォの解放に成功した場
合には、通常処理に移行する(ステップS39)。
一方、セマフォ操作ブロック142は、解放されたセマフォに対応するセマフォ予約キ
ュー145−y(y=0〜7)を参照し、セマフォ獲得の予約がなされているか否かを判
別する(ステップS40)。
ステップS40の判別において、セマフォ獲得の予約がなされていない場合には(ステ
ップS40;No )、何も処理を行わずに待機状態となる。
ステップS40の判別において、セマフォ獲得の予約がなされている場合には(ステッ
プS40;Yes)、セマフォ操作ブロック142は、当該セマフォ予約キュー145−
yの先頭に格納されているセマフォ予約タスクIDでセマフォ委譲タスクIDレジスタs
ttrを更新する(ステップS41)。
続いて、セマフォ操作ブロック142は、割込要求発生回路115に対してセマフォ委
譲割込要求を行う(ステップS42)。
この場合において、割込要求発生回路115によりセマフォ委譲割込処理が割り当てら
れるCPUは、各CPUが現在実行しているタスク処理のタスク優先度や、その他の条件
に基づいて、割当対象決定回路114によって決定される。
この結果、セマフォ委譲割込要求を受理し、セマフォ委譲割込処理が割り当てられたC
PU101Z(=CPU101A〜CPU101Dのうち,その時点でセマフォ委譲割込
処理を実行するのに最も適切なCPU)」は、当該セマフォ委譲割込処理ルーチン内でセ
マフォ委譲タスクIDレジスタsttrの値を読み出し(ステップS43)、タスクスケ
ジューラーを呼び出す(ステップS44)。
これと並行して、割当対象決定回路114は、現在各CPU101A〜101Dが実行
しているタスク処理のタスク優先度やその他の条件に基づいて、休止状態から復帰させ、
セマフォを獲得させるタスク処理を実際に実行させるCPUをタスクスイッチ対象CPU
として決定し、タスクスイッチ対象CPUに対応するCPUIDをタスクスイッチ対象C
PUIDレジスタttcrにセットする。
これらの結果、タスクスケジューリング処理を実行するCPU101Y(=(CPU1
01A〜CPU101Dのうち,その時点でタスクスケジューリング処理を実行するのに
最も適切なCPU)は、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタttcrからCPUID
を読み込み(ステップS45)、タスクスイッチ対象CPUIDレジスタttcrが示す
CPUIDに対応するCPUのCPU状態レジスタのセマフォ取得状態フィールドを予約
していたセマフォを獲得したという値にセットする(ステップS46)。
続いてタスクスケジューラとして機能するCPU101Yは、休止状態にあるタスク処
理の中から、対応するタスクIDを有するタスク処理を、タスクスイッチ対象CPUID
レジスタttcrが示すCPUIDに対応するCPUに実行させ、当該CPUのCPU状
態レジスタのタスクIDフィールドを更新するタスク復帰処理を行うこととなる(ステッ
プS47)。
以上の説明のように、本実施形態によれば、マルチプロセッサを構成する各CPU10
1A〜101Dに実行されているタスク処理TA〜TDが共有資源の獲得あるいは解放を
行う場合に、各タスク処理TA〜TDの処理の優先度に応じて共有資源を割り当てるべき
、あるいは、解放させるべきタスク処理を容易、かつ、迅速に判別することができ、ひい
ては、各タスク処理に対する共有資源の割り当てを効率的、かつ、迅速に行え、共有資源
の割り当て処理に起因する負荷および待合いにより処理効率の低下を抑制して、情報処理
装置全体で効率よく処理を行わせることができる。
さらに共有資源の獲得ができなかったタスク処理については、休止状態として、当該タ
スク処理を実行していたCPUを解放し、他のタスク処理を実行させることができ、各C
PUの稼働効率、ひいては、情報処理装置全体の処理効率の向上を図ることができる。
以上の実施形態の説明では、プロセッサ(CPU)が4つの場合および共有資源が8つ
の場合にについて説明したが、複数ある場合であれば同様に適用が可能である。
以上の説明においては、上記各機能を実現するための制御プログラムが、予めROMに
格納する場合について説明したが、制御プログラムを、コンピュータ読取可能な記録媒体
に記録するようにしてもよい。このような構成であれば、コンピュータによってプログラ
ムが記憶媒体から読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実
行すると、上記実施形態の画像情報処理装置と同等の作用および効果が得られる。
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶
型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記
憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のい
かんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、どのような記憶媒
体であってもよい。
実施形態の情報処理装置の概要構成ブロック図である。 排他制御回路の機能ブロック図である。 より詳細な情報処理システムの構成ブロック図である。 コプロセッサの入出力信号の説明図である。 外部割込ステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。 ハードウェア(HW)セマフォステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。 タスクスイッチ対象CPUIDレジスタのビットフォーマットの説明図である。 不正操作検出レジスタのビットフォーマットの説明図である。 タスク/割り込みステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。 CPUステータスレジスタのビットフォーマットの説明図である。 排他制御部の概要構成ブロック図である。 セマフォレジスタの概要構成ブロック図である。 セマフォ予約ブロック部の概要構成ブロック図である。 処理優先度レベルデータのデータフォーマットの一例の説明図である。 コプロセッサ102の第1の態様のメモリマップの説明図である。 コプロセッサの第2の態様のメモリマップの説明図である。 第1の態様のメモリマップ時に4個のCPU101A〜101Dに対応するデバッグ用スタック領域のアドレスの説明図である。 ストア系命令の命令フォーマットの説明図である。 ロード系のコプロセッサの命令フォーマットである。 その他のコプロセッサの命令フォーマットである。 内部割り込み命令対応に対応したベクタテーブルの説明図である。 コプロセッサのトラップ要因の説明図である。 割込処理の比較概要説明図である。 デバッグ割込要求の保留状態の説明図である。 共有資源(セマフォ)獲得時の処理タイミングチャートである。 共有資源(セマフォ)解放時の処理タイミングチャートである。 セマフォ委譲タスクIDレジスタのビットフォーマットの説明図である。
符号の説明
11A〜11D…CPU(プロセッサ)、12A…優先度/タスクID記憶部、13…
排他制御回路(共有資源管理部)、14…外部割込要求受付部、15…外部割込処理割当
部、16A〜16D…優先度値記憶レジスタ、17A〜17D…共有資源獲得有無記憶部
、18A〜18D…処理優先度レベル記憶部(優先度記憶部)、21…優先度比較回路、
22…セマフォレジスタ、22C…タスクID格納部、23…セマフォ操作回路、100
…情報処理システム、101A〜101D…CPU、102…コプロセッサ、110…デ
バッグ入力受付回路、111…外部割込入力受付回路、112…処理要求受付回路、11
3…処理要求要因決定回路、114…割当対象決定回路、142…セマフォ操作ブロック
、115…割込要求発生回路、116…共通レジスタ部、117…個別レジスタ部、11
8…排他制御部(共有資源管理部)、119…デコーダ、120…シーケンサ、121…
制御部、131A〜131D…優先度値保持レジスタ(優先度記憶部)、132A〜13
2D…CPU状態レジスタ、140…セマフォレジスタ、141…セマフォ予約ブロック
部、142…セマフォ操作部、143…セマフォ情報格納部、144A…セマフォ獲得中
フラグ、144B…セマフォ獲得中タスクID格納部、hssr…ハードウェアセマフォ
ステータスレジスタ、sttr…セマフォ委譲タスクIDレジスタ。

Claims (10)

  1. 複数のプロセッサに対し共有資源を排他的に割り当てる制御を行う情報処理装置におい
    て、
    前記プロセッサが実行している処理あるいは実行すべき処理の優先度レベルを前記処理
    毎に記憶する優先度記憶部と、
    いずれか複数の前記プロセッサを介して各プロセッサが実行している処理からの前記共
    有資源の割当要求を受け付けた場合に、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の
    優先度レベルに基づいて、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき前記処理を定める共
    有資源管理部と、
    を備えたことを特徴とする情報処理装置。
  2. 請求項1記載の情報処理装置において、
    前記共有資源管理部は、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の優先度レベル
    に基づいて、より優先度レベルの高い処理を、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき
    処理として定める、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  3. 請求項2記載の情報処理装置において、
    前記共有資源の割当要求が受け付けられなかった前記処理について、当該処理を行って
    いた前記プロセッサを解放し、当該処理を休止させ待機状態とさせる処理割当部を備えた
    ことを特徴とする情報処理装置。
  4. 請求項3記載の情報処理装置において、
    前記処理割当部は、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき処理が休止状態にある場
    合に、当該処理を処理すべきプロセッサを割り当て、前記待機状態を解除することを特徴
    とする情報処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の情報処理装置において、
    前記処理には、外部割込処理および通常タスク処理を含むことを特徴とする情報処理装
    置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の情報処理装置において、
    前記要求受付部は、前記プロセッサから前記共有資源の解放要求を受け付けるものであ
    り、
    前記共有資源管理部は、前記共有資源を割り当てたプロセッサに前記外部割込処理及び
    前記タスク処理より高い優先度レベルを割り当てて、前記処理優先度記憶部に記憶させる
    とともに、前記要求受付部においていずれか複数の前記プロセッサを介して当該プロセッ
    サが実行している処理からの前記共有資源の解放要求が受け付けられた場合に、前記処理
    優先度記憶部に記憶されている各前記処理の優先度レベルを互いに比較し、より優先度レ
    ベルの高い処理を、前記共有資源の解放要求を受け付けるべき処理として前記共有資源の
    解放を行わせる、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報処理装置において、
    前記共有資源の排他的割当情報の記憶手段として、セマフォを用いることを特徴とする
    情報処理装置。
  8. 請求項7記載の情報処理装置において、
    前記セマフォは、ハードウェアとして実現されたハードウェアセマフォあるいはソフト
    ウェアで実現されたソフトウェアセマフォであることを特徴とする情報処理装置。
  9. 複数のプロセッサに対し共有資源を排他的に割り当てる制御を行う情報処理装置の制御
    方法において、
    前記プロセッサが実行している処理あるいは実行すべき処理の優先度レベルを前記処理
    毎に記憶する優先度記憶過程と、
    いずれか複数の前記プロセッサを介して各プロセッサが実行している処理からの前記共
    有資源の割当要求を受け付けた場合に、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の
    優先度レベルに基づいて、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき前記処理を定める共
    有資源管理過程と、
    を備えたことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  10. 各種情報を記憶する記憶部を有し、複数のプロセッサに対し共有資源を排他的に割り当
    てる制御を行う情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおい
    て、
    前記プロセッサが実行している処理あるいは実行すべき処理の優先度レベルを前記処理
    毎に記憶させ、
    いずれか複数の前記プロセッサを介して各プロセッサが実行している処理からの前記共
    有資源の割当要求を受け付けた場合に、前記優先度記憶部に記憶されている各前記処理の
    優先度レベルに基づいて、前記共有資源の割当要求を受け付けるべき前記処理を定め さ
    せる、
    ことを特徴とする制御プログラム。
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