JP2009229872A - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触状態の温度センサを用いた定着装置において、環境温度が変化しても、高温オフセットや低温オフセット、タッキング等が生じないようにする。
【解決手段】定着ローラ11の外周部で、且つ上下方向に離れた位置に、2つの温度センサ2a,2bを定着ローラ11に対して非接触に設ける。そして、2つの温度センサ2a,2bの検知温度の差によって環境状態を判断し、定着ローラ11の設定温度を変化させる。ここで、定着ローラ11の設定温度を2種類以上とし、2つの温度センサ2a,2bの検知温度差が大きいほど、定着ローラ11の設定温度が高くなるように、定着ローラ11の2種類以上の設定温度のうちの1つを選択するようにするのがよい。
【選択図】図2
【解決手段】定着ローラ11の外周部で、且つ上下方向に離れた位置に、2つの温度センサ2a,2bを定着ローラ11に対して非接触に設ける。そして、2つの温度センサ2a,2bの検知温度の差によって環境状態を判断し、定着ローラ11の設定温度を変化させる。ここで、定着ローラ11の設定温度を2種類以上とし、2つの温度センサ2a,2bの検知温度差が大きいほど、定着ローラ11の設定温度が高くなるように、定着ローラ11の2種類以上の設定温度のうちの1つを選択するようにするのがよい。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱源により加熱される定着回転体と、加圧回転体とが圧接して形成されるニップ部に被転写部材を通過させることによって、被転写部材上の未定着トナー像を加熱・加圧して被転写部材に溶融定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
ファクシミリやプリンタ、複写機などの画像形成装置に用いられる定着装置として、ハロゲンヒータ等の熱源によって加熱される定着ローラと、加圧ローラとが圧接されてなる定着装置がこれまでから広く用いられている。このような定着装置では、温度センサによって定着ローラの温度を検知して、定着ローラが所定温度を維持するように、熱源への通電を制御していた。ここで用いられる温度センサとしては、サーミスタなどの接触式センサが多く用いられていた。
接触式センサによれば定着ローラの温度を感度よく検知することはできる。しかし、接触式センサと定着ローラとが摺動することによって両者が摩耗し、接触式センサは検知感度が低下し、定着ローラはトナー画像の乱れやトナー付着を生じさせる。そこで、接触式センサを定着ローラから離した状態で使用することも行われている。
ところが、接触式センサを定着ローラから離して使用すると、接触式センサと定着ローラとの隙間があるため、接触式センサの検知温度と定着ローラの温度との間に温度差が不可避的に発生する。この温度差は、画像形成装置が置かれている環境温度に影響される。
定着ローラの温度制御に環境温度を加味するには、環境温度を検知するための環境温度センサを新たに設ければよいが、環境温度センサは、その検知範囲が、通常、温度10〜30℃の範囲であるため、200℃程度まで温度上昇する定着装置に近傍に配置することはできない。また、環境温度センサを定着装置から離れた位置に取り付けると、定着装置の雰囲気温度を精度よく検知できない。
また、画像形成処理の回数や主電源が入とされてからの経過時間などを、定着装置の雰囲気温度の一つの指標として、定着ローラの温度制御に加味させることも考えられるが、温度制御用の記憶容量が増大し温度制御が複雑化する。
特開平10-31390号公報
特開2000-39800号公報
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環境温度が変化しても、非接触状態の温度センサを用いて定着ローラなどの定着回転体の温度制御を安定して行える定着装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、環境温度が変化しても高温オフセットや低温オフセット、さらには用紙同士がトナーで付着するいわゆるタッキング等の生じることのない定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る定着装置は、熱源により加熱される定着回転体と、この定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体とを備え、一方面に未定着のトナー像が形成された被転写部材をニップ部を通過させることによって、トナー画像を加熱・加圧して被転写部材に溶融定着させる定着装置であって、前記定着回転体の外周部で、且つ上下方向に離れた位置に、2つの温度検知手段が前記定着回転体に対して非接触に設けられ、前記2つの温度検知手段の検知温度差に基づいて、前記定着回転体の設定温度を変化させることを特徴とする。
ここで、前記定着回転体の設定温度を2種類以上とし、前記2つの温度検知手段の検知温度差が大きいほど、前記定着回転体の設定温度が高くなるように、前記定着回転体の2種類以上の設定温度のうちの1つを選択するようにしてもよい。
環境温度の変化を精度よく検知する観点からは、前記2つの温度検知手段を、前記熱源の中心を通る鉛直線上の近傍で、前記定着回転体を挟んだ位置に配置するのが好ましい。また、前記2つの温度検知手段としては、同一又は異なっていて、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体のいずれかであるのが好ましい。
また、本発明によれば、前記のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の定着装置及び画像形成装置では、定着回転体の外周部で、且つ上下方向に離隔した位置に、2つの温度検知手段を定着回転体に対して非接触に設け、前記2つの温度検知手段による検知温度差に基づいて、定着回転体の設定温度を変化させるので、環境温度が変化しても、非接触状態の温度センサを用いて定着ローラなどの定着回転体の温度制御を精度よく安定して行える。これにより、低温オフセットやタッキングなどの発生が防止される。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の画像形成装置及び定着装置の一実施形態を示す概説図である。図1の画像形成装置Dは所謂タンデム方式のカラープリンタである。もちろん、プリンタのほか、さらにスキャナを有する複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。また、画像形成方式としてはタンデム方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、回転軸の周囲に4つの現像装置を配置し、これらを順次静電潜像担持体に対向させてフルカラー画像を作成する所謂4サイクル方式、あるいは一つの現像装置でモノクロ画像を作成するモノクロ方式であっても構わない。
画像形成装置Dは、無端状の中間転写ベルト40を有する。中間転写ベルト40は、3つのローラ41,42,43によって掛架され、反時計回りに回転する。ローラ41に支持されているベルト部分の外側には、二次転写ローラ44が圧接している。この二次転写ローラ44と中間転写ベルト40とのニップ部(二次転写領域)において中間転写ベルト40上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙Pに転写される。
また、ローラ43に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルト40の表面をクリーニングするクリーニング部材45が設けられている。このクリーニング部材45は中間転写ベルト40を介してローラ43に圧接しており、その接触部で未転写トナーを回収する。
中間転写ベルト40の下側には、中間転写ベルト40の回転方向上流側から順に、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)シアン(C)の4つの作像部3K,3Y,3M,3C(以下、「作像部3」と総称することがある)が配置されている。これらの作像部3では、各色の現像剤をそれぞれ用いて対応する色のトナー像が作成される。
作像部3は、静電潜像担持体として円筒状の感光体30を有する。そして、感光体30の周囲には、その回転方向(時計回り方向)に沿って順に、帯電器31、露光器32、現像装置33、一次転写ローラ34、および感光体クリーニング部材35が配置されている。一次転写ローラ34は中間転写ベルト40を挟んで感光体30に圧接し、ニップ部(一次転写領域)を形成している。クリーニング部材45の下方には、この画像形成装置Dの全体を制御する制御装置61が配置されている。また、作像部3の下方には、露光制御装置62が配置されている。制御装置61から露光制御装置62へ画像信号が送られ、露光制御装置62は各露光器32を制御して、各色に応じた静電潜像を感光体30上に形成させる。
この図に示す実施形態では、帯電器31としてコロナ放電方式の帯電チャージャを用いているが、帯電器31の種類は特に限定されるものでなく、ローラ方式の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等を用いてももちろん構わない。また、この実施形態では、感光体クリーニング部材35として板状ブレードを用い、その一端側を感光体30の外周面に接触させて、感光体30の表面に残留するトナーを回収除去しているが、感光体クリーニング部材35は板状ブレードに限られるものでなく、例えば、固定ブラシ、回転ブラシ、ローラ、及びそれら複数の部材を組み合わせたものを使用することもできる。なお、感光体クリーニング部材35は必ずしも設ける必要はなく、感光体30上の未転写トナーの回収を現像装置33によって行うクリーナレス方式を採用することもできる。
また、露光制御装置62の下部には、給紙装置として給紙カセット50が装置本体に対して着脱可能に配置されている。給紙カセット50内に積載収容された用紙(被転写部材)Pは、給紙カセット50の上方側部に配置された給紙ローラ51の回転によって最上紙から順に1枚ずつ搬送路に送り出される。給紙カセット50から送り出された用紙Pは、レジストローラ対52に搬送され、ここで所定のタイミングで二次転写領域に送り出される。
なお、画像形成装置Dは、1色のトナー(例えばブラック)を用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードと、4色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラーモードとに切り替え可能となっている。
カラーモードにおける画像形成動作例について簡単に説明すると、まず、各作像部3において、所定の周速度で回転駆動される感光体30の外周面が帯電器31により帯電される。次に、帯電された感光体30の表面に、画像情報に応じた光が露光器32から投射されて、感光体30の表面に静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像は、現像装置33から供給される現像剤としてのトナーにより顕在化される。このようにして感光体30の表面に形成された各色のトナー像は、感光体30の回転によって一次転写領域に達すると、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順で、感光体30から中間転写ベルト40上へ転写(一次転写)されて重ねられる。
中間転写ベルト40に転写されることなく感光体30上に残留した未転写トナーは、感光体クリーニング部材35で掻き取られ、感光体30の外周面から除去される。
重ね合わされた4色のトナー像は、中間転写ベルト40によって二次転写領域に搬送される。一方、そのタイミングに合わせて、レジストローラ対52から二次転写領域に用紙Pが搬送される。そして、4色のトナー像が、二次転写領域において中間転写ベルト40から用紙Pに転写(二次転写)される。4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着装置1へ搬送される。定着装置1において用紙Pは、定着ローラ11と加圧ローラ12とのニップ部N(図2に図示)を通過する。この間に用紙Pは加熱・加圧され、用紙P上のトナー像は用紙Pに溶融定着する。なお、定着装置1の具体的な構成については後述する。トナー像が定着した用紙Pは排紙トレイ53に排出される。
一方、二次転写領域を通過した中間転写ベルト40はクリーニング部材45で清掃され、不図示の搬送スクリューで廃トナー容器(不図示)に搬送され回収される。その後、各感光体30及び中間転写ベルト40の回転駆動が停止される。
図2に、図1の画像形成装置に搭載されている定着装置1の概略構成図を示す。定着装置1は、定着ローラ11と、加圧ローラ12とを備える。加圧ローラ12は、押圧部材としてのバネSによって定着ローラ11側へ押圧され、定着ローラ11と加圧ローラ12との間にニップ部Nが形成される。定着ローラ11は、不図示の回転駆動手段によって図中反時計回りに回転し、これによって加圧ローラ12は時計回りに従動回転する。
定着ローラ11は、円筒状に成形されてなる芯金111を備える。そして、芯金111の中心部の軸方向には、熱源としてのハロゲンヒータHが設けられている。芯金111の材質は、アルミニウムや鉄などの金属材料が好ましい。また、その厚さは、0.1〜5mmの範囲が好ましく、軽量化及びウォームアップ時間の短縮化等を考慮すると0.2〜1.5mmの範囲がより好ましい。また、表面の離型性を向上させるために、芯金111の表面に、PFAやPTFE、ETFE等のフッ素系材料からなるチューブを被着する、あるいは前記フッ素系材料でコーティング層を形成して表層としてもよい。表層の厚さは5〜100μmの範囲が好ましい。また、水との接触角は90度以上が好ましく、より好ましくは110度である。さらに、表面荒さRaは0.01〜50μmの範囲が好ましい。フッ素系チューブとしては、市販品の「PFA350-J」、「451HP-J」、「951HP Plus」(いずれも三井・デュポンケミカル社製)が好適に使用できる。また、ニップ部Nの幅を大きくするために、芯金111と表層との間に、弾性層をさらに設けてもよい。弾性層の材質としては、弾性と耐熱性を有するものが望ましく、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどが挙げられる。弾性層の厚さに特に限定はないが、通常は、0.05〜2mmの範囲が好ましい。
加圧ローラ12は、円筒状の芯金121の表面に、シリコーンゴムからなる弾性層122が形成され、その表面に表層としてのPFAチューブ123が被着されてなる。なお、芯金121及び弾性層122、表層123の好適態様は定着ローラ11の場合と同様である。
そして、ハロゲンヒータHの中心軸を通る鉛直線上の、定着ローラ11を挟んだ位置には、定着ローラ11に非接触に、2つの温度センサ(温度検知手段)2a,2bが設けられている。図3に、温度センサの一例を示す。この図の温度センサはサーミスタ20であって、支持体21の側面から突出した突出片22の表面に、ポリイミドフィルム23を介して貼着されている。支持体21を、定着装置の枠体(不図示)の所定位置に取り付けることによって、サーミスタ20は、定着ローラ11の軸方向の所定位置で、定着ローラ11表面から微小間隙を隔てた所に位置するようになる。
本発明で使用する温度センサ2a,2bは、同一の物であってもよいし、異なった物であってもよい。また、温度センサ2a,2bとしては、上述のサーミスタの他、熱電対や白金測温抵抗体、IC化温度センサ、サーモバイル、NCセンサなどを使用できる。
なお、図2において温度センサ2aは、定着ローラ11の上部、即ち定着ローラ11により熱せられて対流する空気の温度を検知しやすい位置に設けられている。この温度センサ2aにより検知される温度は、定着ローラ11の熱の影響が支配的であり、環境の影響を受けにくくなっている。定着ローラ11表面の熱の影響を主として測定するという観点では、温度センサとして特にサーモバイルやNCセンサを使用してもよい。また定着ローラ11からの熱の影響を主に検知することが可能である限り、温度センサ2aの位置は図2に示されるような定着ローラ11の上部に限定されない。
一方、図2において、温度センサ2bは定着ローラ11の下部に設けられているが、画像形成装置内の気流における定着ローラ11の上流側の位置であるなど、定着ローラ11の近辺であって、かつ環境温度の影響を受けやすい位置である限り、温度センサ2bの位置は定着ローラ11の下部には限定されない。
2つの温度センサ2a,2bの取り付け位置の関係は、定着ローラ11の外周部で、上下方向に離れた位置であれば特に限定はなく、例えば図4に示すような、温度センサ2a,2bの取り付け位置でも構わない。ただし、環境温度を精度よく検知する観点からは、2つの温度センサ2a,2bはできるだけ離して配置するのが好ましい。定着ローラ11の外周部において、2つの温度センサ2a,2bの距離が最も離れるのは、図2に示すような、定着ローラ11の中心を通る鉛直線上で、定着ローラ11を挟んで上下位置にあるときである。温度センサ2a,2bの、定着ローラ11表面からの距離は、通常、数mm程度が好ましく、より好ましくは1〜5mmの範囲である。また、温度センサ2a,2bの、定着ローラ11の軸方向における取り付け位置に特に限定はなく、軸方向中央部であってもよいし、軸方向端部であってもよい。
図2に示す構成の定着装置1において、定着ローラ11の上下に配置された温度センサ2a,2bの検知温度に基づいてハロゲンヒータHへの通電が制御され、定着ローラ11の表面温度は所定温度に加熱・保持される。そして、搬送されてきた用紙Pは、未定着のトナー画像tが載った面が定着ローラ11側になるように、定着ローラ11と加圧ローラ12とのニップ部Nを通過する。ニップ部Nを通過する間に、トナー画像tに対して加熱及び加圧がなされ、トナー画像tは溶融して用紙Pに定着する。そして、トナー画像tが定着した用紙Pは、定着ローラ11から分離され排紙トレイ53(図1に図示)へ排出される。
次に、2つの温度センサ2a,2bの検知温度による、定着ローラ11の温度制御例について説明する。本発明の定着装置では、温度センサ2aの検知温度に基づいて定着ローラ11の温度制御を行い、温度センサ2aと温度センサ2bとの検知温度の差によって、どのような環境状態であるか、例えば通常環境、高温環境、低温環境のいずれであるのかを判定し、判定した環境状態によって定着ローラ11の設定温度を変化させる。通常、暖められた空気は上昇することから、温度センサ2aと温度センサ2bとの検知温度差が大きいと低温環境であると判定でき、反対に、検知温度差が小さいと高温環境であると判定できる。
図5に、定着ローラ11の前述の温度制御例のフローチャートを示す。まず、主電源が入れられると(ステップS101)、温度センサ2a,2bによって温度が検知され、それぞれt1及びt2とされる(ステップS102,S103)。そして、温度センサ2aと温度センサ2bの検知温度差Δtが算出される(ステップS104)。また、温度センサ2aの検知温度に基づき定着ローラ11の表面温度Tが算出される(ステップS105)。温度センサ2aと定着ローラ11の表面との間には微小な隙間があるため、定着ローラ11の実際の表面温度は温度センサ2aの検知温度よりも高い。そこで、温度センサ2aの検知温度t1に、補正係数R(例えばR=1.13)を掛けたものが定着ローラ11の表面温度Tとされる。なお、この補正係数Rは、温度センサ2aの種類や取り付け位置などから適宜決定される。
次に、温度センサ2aと温度センサ2bとの検知温度差Δtがa1〜a2の範囲、例えば17〜22℃の範囲の場合は(ステップS106)、環境状態は通常環境であると判断され、定着ローラ11の設定温度STはST1(例えば170℃)とされる(ステップS107)。一方、温度センサ2aと温度センサ2bとの検知温度差Δtがa1以下の場合は(ステップS108)、環境状態は高温環境であると判断され、定着ローラ11の設定温度STはST2(例えば165℃)とされる(ステップS109)。これは、高温環境において排出後の用紙の温度が冷めにくく、そのために溶融したトナーがすぐに固まらずに用紙同士がトナーによって付着するタッキングの問題を防止するためである。
反対に、温度センサ上下の検知温度差Δtがa2以上の場合は(ステップS108)、環境状態は低温環境であると判断され、定着ローラ11の設定温度STはST3(例えば175℃)とされる(ステップS110)。これは、低温環境時に定着ローラ11の温度が下がりやすいことによって生じる低温オフセットの発生を防止するためである。
そして次に、前記のようにして、環境状態に応じて定めた設定温度STと定着ローラの表面温度Tとが比較される(ステップS111)。定着ローラ11の表面温度Tが設定温度STよりも低ければ、ハロゲンヒータHが点灯され、定着ローラ11は加熱される(ステップS112)。他方、定着ローラ11の表面温度Tが設定温度ST以上であれば、ハロゲンヒータHは消灯される(ステップ)S113)。以上の制御が画像形成が終了するまで繰り返される(ステップS114)。また、画像形成の終了後は、定着装置1を完全に停止させてもよいし、定着ローラ11を画像形成時よりも低い温度で維持する待機モードとしてもよい。
なお、この実施例では、環境状態を3つの状態に区分しているが、環境状態を2つあるいは4つ以上の状態に区分して、定着ローラ11の温度制御をしても構わない。定着ローラ11の設定温度を2種類以上とした場合、温度センサ2a,2bの検知温度差が大きいほど、定着ローラ11の設定温度が高くなるように、定着ローラ11の2種類以上の設定温度のうちの1つを選択するようにするのが好ましい。また、環境状態を判断して定着ローラ11の設定温度を変化させる時期は、連続的であってもよいし、所定時間ごとであってもよい。
図6に、本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す。図6の定着装置は、定着ローラ71と加熱ローラ72との間に無端状の定着ベルト(定着回転体)73が掛架され、定着ベルト73を介して定着ローラ71に加圧ローラ12が圧接されてなる。定着ローラ71は、円筒状の芯金711と、芯金711の外周に形成されたシリコーンゴムからなる弾性層712とを有する。離型性を高めるために、弾性層712の表面にPFAチューブを被着する、あるいはPFAコーティングをしてもよい。加熱ローラ72は、円筒状の芯金721を備え、芯金721の表面にはPFAコーティング(不図示)がなされている。そして、芯金721の内部には、熱源としてのハロゲンヒータHが配設されている。定着ベルト73は、ニッケルやステンレスなどの金属材料又はポリイミドやポリアミドなどの樹脂材料で成形した無端状の基体の外周面に、シリコンゴム等の弾性層を形成し、その表面に、フッ素樹脂などからなる離型層を形成してなる。加圧ローラ12は、図2の定着装置のものと同じである。このように定着ローラ71及び加圧ローラ12がいずれも弾性層712と弾性層122を備えていることで、この図の定着装置では、定着ベルト73と加圧ローラ12との間のニップ部Nの幅(用紙Pの搬送方向の長さ)を大きくできる。これにより、画像形成が高速の場合でも、トナー画像tが用紙Pに溶融定着するに十分な加熱・加圧が行えるようになる。
加圧ローラ12は不図示の駆動手段によって図中時計回りに、例えば周速165mm/secで回転し、これによって、定着ベルト73及び定着ローラ71が従動する。また定着ベルト73が回転することによって加熱ローラ72も回転する。ハロゲンヒータHからの熱は、加熱ローラ72を介して定着ベルト73に伝えられる。定着ベルト73の温度制御は、ハロゲンヒータHの中心を通る鉛直線上近傍で、定着ベルト73から微小隙間(例えば2.5mm)を隔てた位置に取り付けられた2つ温度センサ2a,2bの検知温度によって、前述と同様にしてなされる。
温度センサ2a,2bの取り付け位置は、定着ベルト73の外周部で、定着ベルト73に非接触位置ならば特に限定はないが、定着ベルト73の表面温度及び環境状態を精度よく検知するには、図6に示した取り付け位置が好ましい。また、ここで使用する温度センサとしては、前記実施形態で例示したものと同様のものが使用できる。
以上説明した定着装置の実施形態では、通紙方向は上下方向であったが、これに限定されるものでははく、水平方向や、水平方向に対して所定角度の傾斜を有していてもよい。
1 定着装置
2a,2b 温度センサ(温度検知手段)
D 画像形成装置
H ハロゲンヒータ(熱源)
P 用紙(被転写部材)
N ニップ部
t トナー画像
11 定着ローラ(定着回転体)
12 加圧ローラ(加圧回転体)
71 定着ローラ
72 加熱ローラ
73 定着ベルト(定着回転体)
2a,2b 温度センサ(温度検知手段)
D 画像形成装置
H ハロゲンヒータ(熱源)
P 用紙(被転写部材)
N ニップ部
t トナー画像
11 定着ローラ(定着回転体)
12 加圧ローラ(加圧回転体)
71 定着ローラ
72 加熱ローラ
73 定着ベルト(定着回転体)
Claims (5)
- 熱源により加熱される定着回転体と、この定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体とを備え、一方面に未定着のトナー像が形成された被転写部材をニップ部を通過させることによって、トナー画像を加熱・加圧して被転写部材に溶融定着させる定着装置において、
前記定着回転体の外周部で、且つ上下方向に離れた位置に、2つの温度検知手段を、前記定着回転体に対して非接触に設け、
前記2つの温度検知手段による検知温度差に基づいて、前記定着回転体の設定温度を変化させることを特徴とする定着装置。 - 前記定着回転体の設定温度を2種類以上とし、前記2つの温度検知手段の検知温度差が大きいほど、前記定着回転体の設定温度が高くなるように、前記定着回転体の2種類以上の設定温度のうちの1つを選択する請求項1記載の定着装置。
- 前記2つの温度検知手段を、前記熱源の中心を通る鉛直線上の近傍で、前記定着回転体を挟んだ位置に配置した請求項1又は2記載の定着装置。
- 前記2つの温度検知手段は、同一又は異なっていて、サーミスタ、熱電対、白金測温抵抗体のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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2008
- 2008-03-24 JP JP2008075889A patent/JP2009229872A/ja active Pending
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