JP2009226012A - カテーテル用圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、センサに対する微弱な圧力変化であっても従来よりもさらに感度良く検出することができるカテーテル用圧力センサを提供することにある。
【解決手段】カテーテル先端部またはカテーテル側面に対し、コイル状炭素繊維を弾性材料中に分散したセンサ素子マトリクス部を設け、当該分散状態のコイル状炭素繊維によって接触圧を検出するようにしたカテーテル用圧力センサにおいて、
前記センサ素子マトリクス部に一つ以上の空隙を形成したことを特徴とするカテーテル用圧力センサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、カテーテルの先端部に取り付けられ、カテーテルが挿入される人体の部分を刺激することなく機能させるために用いられるカテーテル用圧力センサに関するものである。
カテーテルは、血管内治療などの低侵襲治療・検査の目的で人間及び動物の体内に挿入される可撓性を有する管である。胸腔や腹腔などの体腔内、消化管や尿管などの管腔部または血管などに挿入され、体液の排出、薬液や造影剤などの注入・点滴に用いられるが、所定位置までの挿入過程でカテーテルの先端部が体内管腔内壁に接触して、該内壁を傷つけるものであってはならない。また、血管内に挿入する場合には血圧や脈拍の変化を常に監視し、安全を心掛ける必要がある。
血管や心臓の中は痛みを感じる神経がないのでカテーテルの進行に際しては痛みをともなうことはないが、管内壁を傷付けることを回避し、血圧や脈拍の変化を検出して、治療・検査の危険性を減らすことができる高感度のセンサが常に要望されているのである。
カテーテルに用いられるセンサとしては、隔壁を介して薬液(血液)流路と圧力測定空間を設けたカテーテル本体の前方に圧力センサ部を配置し、カテーテル本体の後方に薬液注入(採血)ラインと圧力センサ−ラインを装着した圧力センサ付ダブルルーメンカテーテル(特許文献1)がある。また、圧力センサの感圧面に伝達するための圧力伝達媒体(ゲル状または流動状の物質)を用いたもの(特許文献2)も提案されており、これらの圧力センサは半導体型圧力センサを使用したものである。一般に、圧力検出素子の種類による分類では、シリコンダイヤフラムを用いた半導体圧力センサが約70%の市場を占めているものの、低圧(1kPa以下)の圧力領域では静電容量型が優位であり、半導体型は1kPa〜100MPaの圧力領域で使用されているのが現状である。従って半導体型を微小な圧力変化を計測するために使用することは必ずしも適切ではない場合がある。
一方、心臓内薬物投与装置と、カテーテル位置に応じて信号を発生する位置センサ及びカテーテルの先端に圧力センサを備えた例がある(特許文献3及び特許文献4)。また、患者血管の治療処置のための流体通路および/又は機械的工具を有するカテーテルにおいて、使用者に患者体内における該カテーテルによる作業の治療効果に関する指示を与える信号を簡単な形式で発生させ、これを圧力センサまたは音響センサにより検知するというものもある(特許文献5)。しかし、これら例では、具体的な圧力センサとして如何なるものを使用するのかについては詳細に開示されてはいない。
本発明者らは既に、コイル状炭素繊維を弾性材料に分散して構成された圧力センサを、カテーテルに装着して用いる方法について提案している(特許文献6)。このセンサは、弾性材料内にコイル状炭素繊維が固定されているとともに、該コイル状炭素繊維の螺旋構造に基づくインダクタンス(L)成分並びにキャパシタンス(C)成分及びレジスタンス(R)成分を有しLCR共振回路として作用するセンサである。このコイル状炭素繊維には伸縮性があり、その伸縮によって電気特性であるLCRが変化するため、それらの変化量に基づいて外圧を検出することができるというものである。このセンサをカテーテルの先端部に装着することにより、血管内での血液の圧力変化を検出して異常を未然に防止したり、カテーテルが血管内壁に当たったときにそれを検出して血管内壁を傷つけることを回避することができる。
特開平7−231879号公報 特開平9−122085号公報 特開2001−87392号公報 米国特許第6254573号公報 特開平10−314177号公報 特開2006−204378号公報
本発明者らは、前記提案後も継続して検討を進めることにより、改良すべき課題が存在していることが判った。すなわち、コイル状炭素繊維が弾性材料に分散されてマトリクスを形成し、分散状態のコイル状炭素繊維の微小な変形とそれに伴う電気特性(LCR成分)の変化を検知することにより外圧が検出されるものであるが、弾性材料の体積弾性率による極微小変形に基づいているため、コイル状炭素繊維の変形量に伴う電気的特性の変化量が充分ではない場合には、圧力センサとしての感度が低くなるおそれがあったのである。
本発明は、このような従来技術における課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、センサに対する微弱な圧力変化であっても従来よりもさらに感度良く検出することができるカテーテル用圧力センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のカテーテル用圧力センサは、カテーテル先端部またはカテーテル側面に対し、コイル状炭素繊維を弾性材料中に分散したセンサ素子マトリクス部を設け、当該分散状態のコイル状炭素繊維によって接触圧を検出するようにしたカテーテル用圧力センサにおいて、前記センサ素子マトリクス部に一つ以上の空隙を形成したことを特徴とする。
コイル状炭素繊維を分散させる弾性材料として、柔軟な材質を選択すればある程度の感度向上に寄与することができるが、カテーテルに必要な強度・取扱性を維持するためには選択できる材質の柔軟性には限界があり、コイル状炭素繊維を分散させることによってセンサ素子を形成したときの柔軟性の低下が無視できないものであった。そこで、本発明の特徴である、物理的に弾性材料に空隙を設けることによって、僅かな触圧に対しても一定の強度を備えた弾性材料が変形し易い状態にし、それに基づいてコイル状炭素繊維の構造変化をもたらして、電気特性の変化を大きく発現させることができるようにしたものである。
また、本発明は、前記弾性材料に形成される空隙率が10〜90%の範囲、好ましくは20〜80%、より好ましくは30〜60%であることを特徴とする。この空隙率とは、コイル状炭素繊維を含む弾性材料の体積中に締める空隙の体積を百分率で表したものである。前記範囲よりも空隙率が低くなると空隙を形成した効果が発現し難くなり、一方前記範囲よりも空隙率が高くなるとセンサ素子に含有されるコイル状炭素繊維が実質的に不足するため、弾性材料の変形の割には検出レベルが低下するからである。
弾性材料に加えられる圧力が微小であっても、空隙を設けたことによりセンサ素子が変形し易くなり、結果としてコイル状炭素繊維の構造変化をもたらして、電気特性(LCR成分)の変化が大きくなって検出感度が向上する。また、空隙率の調整により、センサ素子としての検出レベルを適宜調整することができる。そして用いる弾性材料や含有させるコイル状炭素繊維の量などとの関係で適当な空隙率を選択することにより、検出レベルを調整することができる。さらにセンサ素子により柔軟性を付与することになるので、カテーテルの挿入により血管内での血圧変化の異常を未然に防止したり、カテーテルが血管内壁に当たったときに血管内壁を傷つけることを回避することができる。
弾性材料への空隙の形成により、センサ素子の利用の幅が広がり、例えばカテーテル以外の医療用診断装置の触診、人型ロボットや義手・義足の代替皮膚、各種工業の表面性状検査用センサなどに利用可能である。
以下本発明について添付図面に基づいて具体的に説明する(なお、同様の機能を持つ部材・部分については同一の番号で示した。また、特開2006−204378号と共通する事項については引用して説明する)。
本実施態様におけるカテーテル用圧力センサ(以下、単に圧力センサという)は、コイル状炭素繊維が弾性材料に分散されて構成されたセンサ素子マトリクス部を備えており、弾性材料の変形によりコイル状炭素繊維の構造変化を基本として触圧が検出される。カテーテルは血管内治療などの低侵襲治療・検査の目的で人体に挿入される可撓性を有する管である。胸腔や腹腔などの体腔内、消化管や尿管などの管腔部または血管などに挿入され、体液の排出、薬液や造影剤などの注入・点滴に用いられるが、所定位置までの挿入過程でカテーテルの先端部が体内管腔内壁に接触して、該内壁を傷つけないように、或いは血圧変化の異常を検出できるように、圧力センサが取り付けられている。
図3には従来のカテーテル10の先端部11に圧力センサ12を装着した状態の断面図を示す。カテーテルは円環状のポリエチレン製のチューブであり、先端部の外周面にはカテーテルの外径に略等しい内径を有する円筒状の圧力センサが装着され、カテーテルの先端からやや後方に圧力センサの電気特性の変化を感受するように各電極13が設けられている。電極には、それぞれ接続線がチューブ内を通って延びている。図に示すように、従来の圧力センサ12はセンサ素子に特に気泡、空間などの空隙は形成されていないものを使用していた。
一方図1には、本発明の実施態様の一つである先端部11に比較的大きな気泡14が形成された圧力センサ12を装着した状態の断面図を示す。従来例と同様に圧力センサ12からの接続線が図示しないLCR測定装置に接続され、圧力センサからの信号を検出するようになっている。LCR測定装置は図示しない表示装置としてのデジタルオシロスコープに接続され、電気特性としてインダクタンス(L)、静電容量(C、キャパシタンス)及び電気抵抗(R、レジスタンス)の波形を表示することができるようになっている。
センサ素子マトリクス部は、弾性材料にコイル状炭素繊維が分散されて構成されている。弾性材料としての樹脂は誘電体であって、静電容量(C)を有し、コンデンサとして作用する。弾性材料としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレンと熱可塑性エラストマーとの共重合樹脂等が用いられる。具体的には、シリコーン樹脂として、信越化学(株)製の商品名、KE103〔JISK6301に規定されるJIS−A硬度(以下、同様)18〕、KE106(JIS−A硬度50)、KE1202(JIS−A硬度65)、KE1950(JIS−A硬度20)、KE521(JIS−A硬度14)等が挙げられる。スチレンと熱可塑性エラストマーとの共重合樹脂として、(株)クラレの商品名、セプトン樹脂#4033(JIS−A硬度76)、#8104(JIS−A硬度98)等が挙げられる。液状エポキシ樹脂として大日本インキ化学工業(株)の商品名、EXA−5850−150等が挙げられる。ゲル状形態をなすゲル樹脂として、大場機工(株)の商品名、ゲル−OK−パッキング等が挙げられる。ウレタン樹脂として日本ポリウレタン(株)の商品名、コロネート4387等が挙げられる。
弾性材料の硬さは圧力センサ12の感度を向上させる上で重要であり、弾性材料として弾性力の優れたシリコーン樹脂等を用いた場合には、微小な圧力でも伸縮してその圧力を高感度で検出することができる。さらに本発明では、後述する方法により、これらの弾性材料中に空隙を形成してあるので、圧力に対してより敏感に反応させることができるのである。
弾性材料の硬さはJIS−A硬度で10〜100が好ましく、15〜50がより好ましい。JIS−A硬度で10未満の場合には、弾性材料が軟らかくなり過ぎて、ノイズの検出が大きくなって好ましくない。一方、JIS−A硬度が100を越える場合には、空隙率にもよるが、弾性材料が硬くなり過ぎて触圧による変形が起こり難くなり、検出感度が低下する。
前記弾性材料にはコイル状炭素繊維が分散されるが、そのコイル状炭素繊維としては一重巻きのコイル状炭素繊維、二重巻きのコイル状炭素繊維、超弾性コイル又はそれらの混合物等が用いられる。コイル状炭素繊維は伸縮性(弾力性)があり、その伸縮により電気特性であるインダクタンス(L)、静電容量(C)及び電気抵抗(R)が変化するため、それらの変化量に基づいて圧力を検出することができる。例えば、コイル状炭素繊維を伸ばすと上記L、C及びRが増加し、収縮させるとL、C及びRが減少する。具体的には、所定のコイル状炭素繊維を例えば4mm伸ばすと、Lは0.1mH増加し、Cは600pF増加し、Rは4.5kΩ増加する。そして、コイル状炭素繊維を収縮させて元の長さに戻すと、L、C及びRは元の値まで再現性良く戻る。
コイル状炭素繊維を弾性材料中に分散させたときには、外部から圧力が加わったとき、まず弾性材料が伸縮し、次いでコイル状炭素繊維が伸縮するため、弾性材料を介してコイル状炭素繊維に加わる圧力に基づいて前記L、C及びRの値が変化する。
前記一重巻きのコイル状炭素繊維としては、1本のコイルの直径が0.01〜50μm、コイルのピッチが0.01〜10μm及びコイルの長さが0.01〜1mmであるものが好ましい。製造の容易性等の観点から、コイルの直径は0.1〜10μmであることが好ましく、ピッチは0.1〜10μmであることが好ましい。このコイル状炭素繊維は、一定の太さを有するコイルが一定のピッチ(間隔)をおいて一重巻きで螺旋状に延びるように形成されている。このため、一重巻きのコイル状炭素繊維は、弾力性に優れ、あらゆる方向からの圧力に対して容易に変形し、従ってあらゆる方向からの圧力を高感度で検出することができる。
一方、二重巻きのコイル状炭素繊維の場合には、2本のコイルが交互に密接した状態で螺旋状に延び、従って全体としてほぼ円筒状をなし、中心には空洞が形成されている。二重巻きのコイル状炭素繊維としては、コイルの直径が0.01〜50μm、ピッチがほぼ0及び長さが0.01〜1mmであるものが好ましい。二重巻きのコイル状炭素繊維は一重巻きのコイル状炭素繊維に比べて弾力性が乏しく、圧力を受けたときに変位しにくいという性質がある。
また、超弾性コイルはコイルの直径が大きく、線径が小さいものをいい、弾力性がより大きいコイルのことをいう。具体的には、超弾性コイルは、コイルの直径が5〜50μm、コイルのピッチが0.1〜10μm及びコイルの長さが0.3〜5mmであるものが好ましい。なお、コイル状炭素繊維の巻き方向は、コイルの軸線を中心として時計方向(右巻き)又は反時計方向(左巻き)のいずれであってもよい。
上記のような各種のコイル状炭素繊維は、カテーテル用の圧力センサとして用いる場合には、その長さがより好ましくは20〜150μmであり、コイルの直径がより好ましくは0.1〜10μmである。このようなコイル状炭素繊維を使用することにより、圧力センサ12がカテーテルに装着された場合に圧力の検出感度を一層向上させることができる。また、コイル状炭素繊維の線径は通常20nm〜10μmである。
コイル状炭素繊維の含有量は、弾性材料中に0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは2〜12質量%である。この含有量が0.1質量%未満の場合には、弾性材料中におけるコイル状炭素繊維の割合が少なく、コイル状炭素繊維に基づく圧力センサ12の感度が低下する。一方、含有量が30質量%を越える場合には、弾性材料中におけるコイル状炭素繊維の割合が多くなり過ぎて硬くなり、却って圧力センサ12の感度が低下するととともに、成形性等も悪くなる傾向を示す。
コイル状炭素繊維は、どのような製法で製造されたものであってもよいが、例えば触媒活性化CVD(化学気相成長)法等により得られる。この気相成長法は、Ni粉末触媒を塗布したグラファイト基板上に、チオフェン又は硫化水素を不純物として含有するアセチレン、水素ガス、アルゴンを流入させ、600〜3000℃に加熱して、気相中でアセチレンを分解してコイル状炭素繊維を得る方法である。この方法により得られるコイル状炭素繊維は非晶質であり、その大半が繊維の中心部分まで微細な炭素粒が詰まった状態で形成されている。また、一部には中空状に形成されたものも観察される。
さらに、加熱処理を施すことにより、非晶質のコイル状炭素繊維をグラファイト化(六方晶系)することができる。加熱条件としては、ヘリウム又はアルゴンなどの不活性雰囲気下で、処理温度を700〜3000℃、好ましくは1500〜3000℃、最も好ましくは2000〜3000℃である。また処理時間は、0.1〜100時間、好ましくは1〜20時間、最も好ましくは3〜10時間である。このような処理を経ることにより、グラファイト層において炭素繊維を構成する炭素粒が規則正しく配列されることにより磁場の変動などを検知する際に生じる電気抵抗の変動が著しくなるために、共振特性が顕著となる。すなわちLCR共振回路におけるR成分などの変動が顕著となるので、センサの検出感度を向上させることができる。
なお、前記方法以外にもコイル状炭素繊維の製造方法としては、遷移金属触媒を設けた基板上に5b族化合物または6b族化合物よりなる不純物ガスと炭素原料ガスを600〜900℃の温度下において反応領域に静磁場を与えながら熱分解させて製造する方法(特開平11−124740号公報)や、鎖状飽和炭化水素などを原料として400〜900℃の温度範囲で、0.3〜60.0MPaの絶対圧力範囲で、触媒として遷移金属と酸化物半導体を共存させて製造する方法(特開2004−352592号公報)、インジウム・スズ・鉄系触媒を用いることを特徴とする方法(特開2004−261630号公報)などがあり、これらの製造方法により得られるコイル状炭素繊維を用いることも勿論可能である。
こうして得られたコイル状炭素繊維をカテーテルの前進方向および周囲方向に対して配向させて形成する場合には、圧力を受ける方向にコイル状炭素繊維が延びるので、圧力の検出をより効果的に行うことができる。配向させる方法としては例えば、コイル状炭素繊維の表面に強磁性体膜をコーティングする工程、前記コイル状炭素繊維を弾性材料前駆体中に添加し、混合する工程、前記混合物を鋳型内に充填して、該型に対して配向させたい方向に強力磁石(永久磁石では磁場強度が1テスラ(1万ガウス)程度であるのに対し、高温超電導バルク磁石は10テスラ以上の磁場発生が可能)をセットしたのち、混合物を固化させる工程、固化させた弾性材料に一対の電極を接続する工程、からなる製造方法がある。強磁性体のコーティングによってコイル状炭素繊維が、磁場内で整列され、その状態で弾性材料前駆体を固化させて固定し、コイル状炭素繊維が配向されたセンサを得ることができるのである。なお、弾性材料前駆体とは、コイル状炭素繊維を混合する際には、液状(低粘度が好ましい)であって、均一に混合後、適当な鋳型に充填して室温または加熱等により固化し、コイル状炭素繊維を機械的に保持するものである。
弾性材料中には、コイル状炭素繊維以外に気相成長繊維(VGCF)、カーボンナノファイバー、炭素粉末、金属粉末、誘電体粉末、圧電体粉末等を配合することもできる。また、コイル状炭素繊維の表面には、導電性を高めるために、金、銅等の金属薄膜を形成することにより、圧力センサ12の感度及び安定性を向上させることができる。
前記弾性材料にコイル状炭素繊維を分散させる方法としては、前駆体としてのシリコーン樹脂にコイル状炭素繊維を添加し、撹拌して均一に分散させた後、脱泡し、鋳型に充填する方法や、ポリスチレンや熱可塑性エラストマーのペレットを加熱溶融し、それにコイル状炭素繊維を添加し、撹拌して均一に分散させた後、鋳型に流し込み、加圧成形する方法などがある。この方法で、使用される前駆体としては他に、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。さらに、可塑剤、充填剤、有機繊維、無機繊維、セルロース、安定剤、着色剤などを必要に応じて添加してもよい。またコイル状炭素繊維を均一に分散させるために有機溶剤を添加することもできる。
本発明ではセンサ素子としたときに弾性材料に一つ以上の空隙が形成されていることを特徴とするが、この空隙形成方法としては以下の方法がある。一つは図1に示すような比較的大きな空間を形成するものであり、弾性材料としてJIS−A硬度が高いものを使用した場合に有効であり、他方は図2に示すような比較的小さい気泡をセンサ素子全体に略均一に分散させて形成させるもので、弾性材料としてJIS−A硬度が低いものを使用した場合である。いずれの空隙の形成であっても、目的とする触圧で弾性材料の変形が大きくなれば良く、センサとして部分的に検出感度を上げたい位置に選択的に空隙を形成することで、カテーテルの部位によって検出レベルを適宜調整することもできる。
コイル状炭素繊維を分散させた弾性材料に、大きな空間を形成する方法としては、具体的には以下の方法により形成することができる。まず、前記のようにシリコーン樹脂にコイル状炭素繊維を添加し、攪拌して均一に分散させた後、脱泡し、圧力センサの鋳型に流し込み適当な時間放置して固化反応を促進させ、液が適度な粘度となったときにマイクロシリンジで気泡を注入し、さらに固化を促進すれば良い。このとき気泡を形成してからマイクロシリンジを抜き取る。また、鋳型には各電極13を配置した状態にしておくことによりセンサ素子との電気的接続が形成されて成形できる。
一方、小さな気泡を形成する方法としては、前記コイル状炭素繊維を分散させた弾性材料に発泡剤としてペンタン、ブタンなどの脂肪族炭化水素や、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、塩化メチレン、ジフルオロジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素などの不活性ガスを吸収させ、加熱して圧力を加えることで発泡させるというものである。特にシリコン系弾性材料の場合には、発泡体を形成する用途で開発されたKE−513、KE−521(いずれも信越化学製の商品名)などを使用することもできる。また、弾性材料に分散させたコイル状炭素繊維は気泡を含んでいるために脱泡しないで鋳型に流し込み、適当な減圧操作を加えながら固化を進行させることで、発泡体にすることもできる。なお、このような減圧下の空隙は気泡内部の圧力が常圧よりも低いために、常に弾性体が収縮する方向に力が作用しているので、弾性材料に加えられる微弱な圧力変化であっても敏感に検出することが可能である。さらにまた、前記同様に各電極13を配置した状態にしておくことにより成形することもできる。
前記発泡剤の含有量は、0.1重量%以上が好ましく、また15重量%以下が好ましい。前記範囲未満では発泡剤の添加する意味(発泡体の形成)がなく、前記範囲を超えると発泡が激しいので空隙率が多大となり、相対的に圧力センサ中のコイル状炭素繊維の比率が低下して検出感度が低下する可能性があるからである。
圧力センサの形状については図1または2に示すようにカテーテル10の先端部11に装着するのに適当な形状であればよく、本例に示すようなチューブ状の他、先端部のみにリング状に装着するもの、棒状に成形して先端部に複数本を配置するものなどがある。これらの形状は任意であるが、いずれにしてもカテーテル挿入時に血管壁などに最初に接触する部位(一般的には先端部)で検出することが望ましく、この部位にカテーテルの外径をできるだけ拡張しないように装着することができることが必要である。カテーテルの挿入目的は血管内治療などの低侵襲治療・検査であり、それに支障をきたすようではセンサの装着意味がないからである。
こうして形成された圧力センサは、センサ素子マトリクスに一つ以上の空隙が形成されているので、弾性材料の変形が大きくなる。この圧力センサがカテーテルの先端部に装着されて血管内などに挿入され、加えられた接触圧が微弱であっても弾性材料が変形し、内部のコイル状炭素繊維が構造変化を起こす。それにともないコイル状炭素繊維が形成するLCR共振回路の電気特性が変動するので、その変動が検出されてオシロスコープなどに表示される。
(実施例)以下、実施例及び比較例により、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。
コイル状炭素繊維として、コイル長さが90μm以下、コイル径が平均5μm程度のものを二液型RTVゴム(商品名:KE1950(デュロメータA 20);信越化学工業製)中に10.0重量%添加して、図1または図3に示すような空隙形成状態の異なる種類のカテーテル用圧力センサ素子1または3を作成した。なお、センサ素子1は二液型RTVゴム硬化前に先端部にマイクロシリンジで気泡を注入して、その後シリンジを抜き取り硬化させたもので、気泡の内圧は760mmHgで形成されている。またセンサ素子2は発泡性の二液型RTVゴム(商品名:KE521(デュロメータA 14);信越化学工業製)に前記同様のコイル状炭素繊維を添加して、素子全体に気泡を発生させたのち硬化させたものである。センサ素子3は従来技術のものであるが、混合後、脱泡し、鋳型に充填して硬化させたものである。前記いずれのセンサ素子成形の場合にも、鋳型には電極13が配置された状態で硬化させた。
成形したセンサ素子の形状は、カテーテルに合わせて内径0.8mm、外径2.0mm、長さ13mmである。このセンサ素子の先端をアクリルのブロックに10gの荷重をかけて押し付け、その時のセンサ出力電圧を測定した。その結果を図4に示す。図には、アクリルブロックに接触させたときに立ち上がりの出力電圧が検出され、その後一定の荷重をかけ、押し付けを開放したときの変化を示したものである。図より判るように、本発明の圧力センサは従来型のセンサに比較して同じ圧力が加えられた場合の出力が著しく増大される。この為、より小さな圧力であっても電気特性の変動として検出できるので、カテーテルの挿入により血管内での血圧変化の異常を未然に防止したり、カテーテルが血管内壁に当たったときに血管内壁を傷つけることを回避することができる。
以上のように簡単な構成により、センサが製造できるので、工業的にも生産性の高いものが提供される。また弾性材料の変形を容易にしてコイル状炭素繊維が電気特性を変動しやすいので、触圧に敏感に反応することができ、共振特性も顕著となる。
本発明のカテーテル用圧力センサは、センサを構成する弾性材料に少なくとも一つの空隙を設けたので、従来の圧力センサよりも感度が著しく向上して血圧変化の検知や血管内壁を傷つけることを回避することができる。また、高感度な圧力センサは、その形状を用途に応じて変化させることにより、各種触覚情報検知用センサ、鉗子用触覚センサ、内視鏡ロボット用センサ、血圧測定用センサ、ロボットハンド、ロボットアームなどの触覚センサとしても利用可能である。
本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図である。 従来のカテーテル用圧力センサを示す断面図である。 本発明の各実施形態における出力電圧を示す図である。
符号の説明
10 カテーテル
11 先端部
12 センサ素子
13 電極
14 空隙

Claims (2)

  1. カテーテル先端部またはカテーテル側面に対し、コイル状炭素繊維を弾性材料中に分散したセンサ素子マトリクス部を設け、
    当該分散状態のコイル状炭素繊維によって接触圧を検出するようにしたカテーテル用圧力センサにおいて、
    前記センサ素子マトリクス部に一つ以上の空隙を形成したことを特徴とするカテーテル用圧力センサ。
  2. 前記弾性材料の空隙率が10〜90%である、請求項1記載のカテーテル用圧力センサ。
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