JP2009219785A - X線透視撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査種別や患者の体形に応じてハンドグリップの長さを容易に変更可能とする。
【解決手段】起倒動可能に構成された寝台10の側部に被検体によって把持されるハンドグリップ20Aを備え、このハンドグリップ20Aは、寝台10の一側部に起立し、少なくともその一方が寝台10の一側部に沿ってスライド可能に取付けられた一対の支柱31a、31bと、この支柱31a、31bの開放端にそれぞれ連結され、その支柱31a、31bが寝台10の一側部に沿ってスライドされることにより伸縮するように構成された一対の把持部21、22とから構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明はX線透視撮影装置に関し、特に胃や腸等の検査時における被検体の安全を確保するのに好適なX線透視撮影装置に関する。
図20及び図21は、従来のX線透視撮影装置の全体構成を示す正面図である。一般にX線透視撮影装置では、X線発生部61とX線像検出部62とが被検体を載置するための寝台63を挟んで相対向して配置され、X線発生部61より曝射されたX線は被検体の診断部位を透過してそのX線透過像がX線像検出部例えばイメージングインテンシファイア(以下、I.I.と称す)62で可視光像に変換され、この可視光像をTVカメラ64で受像することにより透視撮影が行われる。この寝台63は、床面の基台65に立設した寝台保持機構部66によって上下動可能及び起倒動可能に支持され、この寝台63の上面には被検体が横臥するための天板67が設けられる。
このようなX線透視撮影装置を使用して胃や腸等の診断を行う場合には、バリウム系造影剤を経口投与した被検体に対して、図21に示す様な立位置、及び逆傾斜位置等のボジショニングを行うと共に、被検体の方に倒し出した圧迫筒68で被検体の検査部位を圧迫することにより造影剤を臓器内壁の隅々にまで行き渡らせる。これに伴い、被検体は天板67の動きと共に立位置、逆傾斜位置、横向き位置、うつ伏せ位置等の様々な姿勢を保つ必要がある。
このため、従来よりこの種の寝台63には、被検体が握るハンドグリップ69(例えば特許文献1)、立位置時にて被検体の足を支えるフットレスト70、あるいは逆傾斜位置にて被検体の肩を支えるショルダレスト71等を取付け可能となっている。
特開平7−299063
しかしながら、従来のハンドグリップ69は寝台側部長手方向の取付位置及びその長さが固定であったため、被検体の身長が異なるような場合には、医師や検査技師(以下、検査技師等という)が寝台63からハンドグリップ69を一旦取り外し、その全体を安全に掴める位置に付け替える必要があった。また、検査の種別によっては、ショルダレスト71等の付属品とハンドグリップ69とを組み合わせて検査を行う必要があるが、その都度ハンドグリップ69と付属品の付け位置を調整する作業が繁雑であった。更にまた、この種のX線透視撮影装置の中には、天板67の幅を狭くすることによりX線撮影系の移動範囲を制限し、これにより検査能率の向上を図ったものもあるが、このような場合には、被検体が天板67の上で左/右を向く際にハンドグリップ69を超えて天板67から落下するのではないかと言う不安感を抱かせる場合があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、検査種別や被検体の体形に応じてハンドグリップの長さや高さを容易に変更可能なX線透視撮影装置を提供することにある。
請求項1記載の発明の特徴は、起倒動可能に構成された寝台の側部に被検体によって把持されるハンドグリップを備えたX線透視撮影装置において、前記ハンドグリップは、前記寝台の一側部に起立し、少なくともその一方が寝台の一側部に沿ってスライド可能に取付けられた一対の支柱と、この支柱の開放端にそれぞれ連結され、その支柱が前記寝台の一側部に沿ってスライドされることにより伸縮するように構成された一対の把持部とから構成されていることである。
本発明によれば、ハンドグリップの長さ及び又は高さを容易に変更可能とすることで、被検者は常にハンドグリップを安全な姿勢でしっかりと掴むことが出来ると共に、検査技師等は被検者に応じて例えば長さあるいは高さの異なったハンドグリップに一々付け替える手間が省ける。
(第1の実施の形態)
以下、本発明による第1の実施の形態に係るX線透視撮影装置を図面を参照しながら説明する。図1はX線透視撮影装置の全体構成図で、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその側面図である。このX線透視撮影装置は、床面に据え付けた基台8に寝台保持機構部5を立設すると共に、その内部の回転機構部6を介して上下動可能及び起倒動可能に支持された寝台10を備える。この寝台10の上面には被検体が横臥するための天板11が設けられる。また、この寝台10には被検体が安全にその位置や姿勢を保てるように、被検体立位時にて被検体の足が位置する位置に設けられたフットレスト12、被検体の左右に設けられた一対のハンドグリップ20R、20L、フットレスト12と反対側に設けられたハンドグリップ20H及び被検体の両肩の位置にそれぞれ設けられたショルダレスト13R、13L等が取付け可能となっている。
また、この回転機構部6には支柱7が取付けられ、この支柱7の先頭部にはX線を曝射するX線管1と、この曝射されたX線の照射範囲を制限するためのX線可変絞り2とを備え、更に天板11を挟んだその対向位置には被検体を透過したX線を可視光像に変換するX線像検出部例えばI.I.3と、この変換された可視光像を撮影するTVカメラ4とを備える。また、この支柱7には圧迫筒15が収納されており、この圧迫筒15は必要に応じて天板11の側に倒し出されて被検体の胃や腸の部分を圧迫動作する。
この様な構成により、X線透視撮影装置10は、被検体を立位置〜水平位置〜逆傾斜位置(頭が足より下になる位置)まで動かす起倒動、天板11を被検体の体長方向へ動かす天板上下動(天板長手動)、天板11を被検体の横方向へ動かす天板左右動(天板横手動)、X線管1を受像面に近づけたり遠ざけたりする管球前後動、被検体を圧迫筒15にて局部的に圧迫する圧迫動等が可能である。
図2はハンドグリップ20Aの取付構造を一部を断面にして示す正面図、図3はその平面図、図4はその縦断側面図である。なお、以下の説明では、図1(a)に示した寝台10に向かって左側の部材には添え字aを付し、右側の部材には添え字bを付して説明する。
図2、図3において、このハンドグリップ20A(図1の20Rに相当)は、基本的には、寝台10の一側部に起立し、寝台10の一側部に沿ってスライド可能に取付けられた一対の支柱31a、31bと、この支柱31a、31bの開放端にそれぞれ連結され、その支柱31a、31bが寝台10の一側部に沿ってスライドされることにより伸縮するように構成された外側円筒21と内側円筒22(本発明の一対の把持部に相当)とから構成されている。より詳しくは、寝台10の長手方向に設けた外側円筒21と、この外側円筒21の内径よりも僅かに小さい外径の内側円筒22とをスライド可能に嵌合させ、かつそれぞれの一端を連結部28a、28bにより長さ一定の2本の支柱31a、31bに固定すると共に、支柱31a、31bが寝台10の長手方向にスライド可能に取付けられている。このような、外側円筒21、内側円筒22及び支柱31a、31bは鉄パイプにクロムメッキしたもの、又はアルミ合金等により構成できる。なお、支柱31a、31bの開放端とは、支柱31a、31bの一端側であって、寝台10から突出した側の端部を意味する。
ハンドグリップ20Aは、外側円筒21と内側円筒22との間にこれらのスライド移動を係止するためのスライド移動係止手段23を備えている。図5は、スライド移動係止手段23の構成を拡大して示している。このスライド移動係止手段23は、有底円筒部材24の内部にコイルバネ25を挿入したもので、この有底円筒部材24の開口端に挿入したベアリングボール26をコイルバネ25で開口端側に付勢する構造となっている。このような有底円筒部材24が内側円筒22に対してその長さ方向と垂直となる方向に埋設され、このような内側円筒22の全体が外側円筒21の内側に嵌入されている。
一方、外側円筒21には、少なくとも左右の両端部付近にベアリングボール26が係止して両円筒21、22間のスライド移動を一時的に停止させるための孔27a、27bを設けている。孔27a、27bの直径はベアリングボール26の直径より小さく、かつ、ベアリングボール26の一部が穴27a、27bに係止するように形成されている。これにより、ベアリングボール26が孔27a、27bに対向して位置する場合に、ベアリングボール26が孔27a、27bに係止する。
このようなスライド移動係止手段23は、両円筒21、22間のスライド移動を完全に止めると言うよりは、むしろ、スライド移動を行う検査技師等にベアリングボール26が孔27に係止したことの感覚を与え、それによって検査技師等にスライド操作を止めるきっかけを与えるものである。なお、このような孔27は所定間隔で更に複数個設けても良く、これによりハンドグリップ20Aの長さ調節を複数段階に分けて行える。
更に、このハンドグリップ20Aでは、図4に示すように、寝台10の側面上端部にはハンドグリップ20Aを固定するための溝10’が形成されている。また、支柱31a、31bの端部には、支柱31a、31bを寝台10に固定するためのクランプ部材32が取付けられている。このクランプ部材32は、その断面形状が一部を溝10’に係止させて寝台10の側面上端部を挟み込む形状に形成されている。
また、このクランプ部材32の上面にはネジ孔が形成されており、このネジ孔にボルト33が螺合されている。更に、このボルト33の先端部にプレート35が取付けられ、その前面側を寝台10の上面に当接されている。一方、このボルト33の頭部には、人の手で握って操作し易くするために、樹脂等により握り易いサイズ及び形状に構成された支柱固定操作部34が設けてある。この状態で、支柱固定操作部34を右側に回せばプレート35が寝台10の上面に圧接して支柱31を寝台10に堅固に固定する。また、この支柱固定操作部34を左側に回せばプレート35が寝台10の上面から離れて支柱31をスライド移動可能にする。スライド移動の構成については、他にも様々に構成できることは言うまでもない。
次に、上記のように構成されたハンドグリップ20Aの長さを伸縮させる操作を説明する。図2及び図3は、ハンドグリップ20Aが最も短い状態を示しており、この状態では外側円筒21と内側円筒22とが略全長に渡って重なり合っている。また、スライド移動係止手段23のベアリングボール26は左側の孔27aと係止している。更に、支柱31a、31bは共に寝台10上に固定されている。
この位置からハンドグリップ20Aを左側(被検体の頭の方向)に延ばす場合は、支柱固定操作部34aを手で左側に回して、支柱31aの固定を緩めると共に、好ましくは、孔27aに係止しているベアリングボール26の凸部を外から指で押し込みながら支柱31aを左側に引っ張る。これにより、図6に示す如く、ベアリングボール26の凸部が孔27aから外れた状態で外側円筒21が左方向にスライド移動を開始する。なお、ベアリングボール26の凸部を指で押し込まなくても、支柱31aを幾分強目に引っ張れば、ベアリングボール26の凸部が孔27aから自動的に外れて外側円筒21が左方向にスライド移動を開始する。
そして、支柱31aを更に左側に引っ張ると、やがて、図7に示す如く、ベアリングボール26の凸部が右側の孔27bに係止し、外側円筒21のスライド移動が一時的に停止される。この状態で支柱固定操作部34aを手で右側に回すことで、支柱31aを寝台10に固定することができる。ハンドグリップ20Aの長さを元に戻す場合は、上記と逆の操作を行えばよい。
なお、上記スライド移動係止手段23は必ずしも必要では無い。スライド移動係止手段23が無い場合は、支柱31aの側をスライド移動途中の任意の位置で検査技師等が止め、その位置で支柱31aを固定すれば良い。こうすれば、ハンドグリップ20Aを検査技師等の目分量で所望の長さにセットする事が可能である。勿論、スライド移動係止手段23がある場合でも、上記同様の操作でハンドグリップ20Aを所望の長さにセットできる。
また、図示しないが、このハンドグリップ20Aを図2の初期状態から右側(被検体の足の方向)に延ばすことも可能である。この場合は、支柱固定操作部34bを手で左側に回して支柱31bの固定を緩めると共に、この支柱31bを右側に引っ張ることで内側円筒22が右方向にスライド移動を開始する。そして、支柱31bを更に右側に引くと、やがて、ベアリングボール26の凸部が右側の孔27bに係止し、内側円筒22のスライド移動が一時的に停止される。この状態で支柱固定操作部34bを手で右側に回すことで、支柱31bを寝台10に固定することができる。このハンドグリップ20Aの長さを元に戻す場合は、上記と逆の操作を行えばよい。
なお、このようなハンドグリップ20Aは、例えば図2のように短くした状態のままで寝台10の側面上端部のどの位置にでも取付けることが可能であるから、このハンドグリップ20Aは実質的に寝台10の長手方向のどの位置及びどの範囲でも自由かつ容易にカバーできることになる。以上は、被検体が右手で握るハンドグリップ20A(図1の20Rに相当)について述べたが、被検体が左手で握るハンドグリップ20A(図1の20Lに相当)についても同様である。
また、上記第1の実施の形態では支柱31a、31bが共にスライド移動可能に構成されていたが、これに限らない。何れか一方の支柱が移動できないように寝台10に固定されていても良いことは明らかである。
(第2の実施の形態)
図8は本発明の第2の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップ20Bの取付構造を示す正面図、図9はその縦断側面図である。このハンドグリップ20Bは、長さ方向のみならず、高さ方向にも伸縮可能に構成されている。図8及び図9は、ハンドグリップ20Bを低くした状態を示している。このハンドグリップ20B(図1の20Rに相当)は、基本的には、寝台10の長手方向側面に起立して寝台10の長手方向にスライド可能に設けられると共に、スライド可能に嵌合された内側支柱42及び外側支柱41から構成された一対の高さ可変支柱31Aa、31Abと、この高さ可変支柱31Aa、31Abの各内側支柱42と外側支柱41との相対位置を保持する支柱移動係止手段43(図10参照)と、この高さ可変支柱31Aa、31Abの開放端にそれぞれその一端が固定され寝台10の長手方向にスライド可能に嵌合された一対の把持部(外側円筒21と内側円筒22に相当)及び一対の支柱31Aa、31Abの間の相対位置を保持するスライド移動係止手段(不図示)とから構成されている。なお、このハンドグリップ20Bは高さを可変に構成した高さ可変支柱31A以外の部分については上述した第1の実施の形態(図1ないし図7)で説明したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。
図10に高さ可変支柱31Aの一部を断面にした正面図を示す。この高さ可変支柱31Aは、寝台10の高さ方向に設けた断面円形で中空の外側支柱41と、この外側支柱41の内径よりもわずかに小さい外径の内側支柱42とをスライド可能に嵌合させることで高さ方向にスライド可能とすると共に、これらの一対の支柱41、42の間にスライド移動を係止するための支柱移動係止手段43を備えている。更に、外側支柱41の下端部をクランプ部材32の上面に固定し、かつ内側支柱42の上端部を連結部28の下端部に固定している。なお、これとは逆に、外側支柱41の上端部を連結部28の下端部に固定し、かつ内側支柱42の下端部をクランプ部材32の上面に固定するように組み合わせても良い。また、このような外側支柱41及び内側支柱42は鉄パイプにクロムメッキしたもの、又はアルミ合金等で構成できる。
支柱移動係止手段43は、有底円筒部材44の内部にコイルバネ45を挿入したもので、有底円筒部材44の開口端部に挿入した円柱形のストッパ部材46をコイルバネ25で外側に付勢する構造となっている。ストッパ部材46の一端にはフランジ部46fが設けられており、このフランジ部46fが有底円筒部材44の開口端に設けた径の小さい縁部と当接することによりストッパ部材46が有底円筒部材44から飛び出すのを防止している。
このような支柱移動係止手段43を内側支柱42に対してその長さ方向と垂直となる方向に埋設し、このような内側支柱42の全体を外側支柱41の内側に挿入する。これに対して、外側支柱41の周囲面には、少なくとも上下の両端部付近にストッパ部材46と係止して両支柱41、42間のスライド移動を停止させるための孔47、48が貫通されている。孔47、48の径は外側支柱41の内周側から外周側に向けて略一定であり、この孔に嵌入したストッパ部材46は両支柱41、42間のスライド移動を完全に停止させ、かつガタツキの無い状態で保持する。
次に、このように構成されたハンドグリップ20Bの高さを伸縮させる操作を説明する。図8及び図9は、ハンドグリップ20Bの高さが最も低い状態を示しており、この状態では外側支柱41a、41bと内側支柱42a、42bとがそれぞれ略全長に渡って重なり合っている。また、支柱移動係止手段43の各ストッパ部材46はそれぞれ下側の孔47と係止している。
この位置からハンドグリップ20Bの把持部21、22を高くする場合は、高さ可変支柱31Aa側のストッパ部材46の先端を指等で押し込んで外側支柱の孔47との係止状態を解除し、同様にして高さ可変支柱31Ab側のストッパ部材46の先端と外側支柱の孔47との係止状態を解除する。そして、外側円筒21及び内側円筒22(ハンドグリップ20Bの一対の把持部に相当)を上方に持ち上げることにより、各ストッパ部材46が各下側の孔47から外れたままで各内側支柱42a、42bがスライド移動を開始し、やがて、各ストッパ部材46が次に遭遇した各上側の孔48のところでバネ力により外側に押し出され、それぞれが上側の孔48に係止する。この状態で手を離すと、ハンドグリップ20Bは図11、図12に示す高さで固定される。また、この状態からハンドグリップ20Bの把持部21、22を低くする場合は、同様にストッパ部材46の先端と外側支柱の孔48との係止状態を解除した後、ハンドグリップ20Bの一対の把持部21、22を下方に押し戻せば良い。なお、このような孔47、48を多数設けることでハンドグリップ20Bの把持部21、22を様々な高さに調節することができる。また、上記第1の実施の形態で採用したスライド移動係止手段23を両支柱41、42間の支柱移動係止手段として用いても良い。但し、この場合には、ベアリングボール26と孔47、48との係止状態が容易に解除されないようにするため例えば大きな付勢力を有するバネを用いる。
(第3の実施の形態)
図13は本発明の第3の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップ20Cの取付構造を示す正面図、図14はその縦断側面図である。このハンドグリップ20Cは、高さ可変支柱の他の例を示すものであり、それ以外の部分については第2の実施の形態(図8ないし図12)と同様であるため、ここでの説明を省略する。
図15に高さ可変支柱31Bの一部を断面にした側面図を示す。この高さ可変支柱31Bは、寝台10の高さ方向に設けた断面円形で中空の外側支柱41’と、この外側支柱41’の内径よりもわずかに小さい外径の内側支柱42’とをスライド可能に嵌合させることで高さ方向にスライド可能とすると共に、これらの一対の支柱41’、支柱42’の間にスライド移動を係止するための支柱移動係止手段51を備えたものである。更に、外側支柱41’の下端部をクランプ部材32の上面に固定し、かつ内側支柱42’の上端部を連結部28の下端部に固定している。
更に、この支柱移動係止手段51は、内側支柱42’の外周壁の一部に長手方向に設けたラック52と、このラック52の位置に対応させて外側支柱41’の外周壁の一部に取付けたラチェット56とを備えている。このラチェット56は支持軸57の周りに回動するような杆を形成しており、この支持軸57に巻き回したバネ58により先端部のラチェット歯59を常にラック52の歯の方に付勢している。一方、ラック52の表面にはノコギリ刃状の歯を設け、この歯の下側はラチェット歯59を係止するように略直角方向に形成され、かつ歯の上側にはラチェット歯59を摺動させるための緩やかな傾斜面が形成されている。
従って、このようなハンドグリップ20Cの高さを高くする場合は、内側支柱42’(又は把持部21、22)を単に引き上げるだけでラチェット歯59がラック52の歯の上面に沿って移動し、その係止位置が変わる。逆にハンドグリップ20Cの高さを低くする場合は、ラチェット56の下側を指で押すことで先端のラチェット歯59を後退させると共に、内側支柱42’(又は把持部21、22)を押し下げる。あるいは、ラチェット歯59を後退させるだけで、ハンドグリップ20Cの把持部は自重により降下する。
更には、ハンドグリップ20Cの高さをその位置で強固に保持するため、内側支柱42’におけるラック52の反対側位置に長手方向に沿って所定長の溝53を設ける。一方、外側支柱41’における溝53の対応位置にはボルト孔55を穿設し、ここにボルト54を螺合することでこのボルト54の先端部を溝53の底面に圧接可能とする。このボルト54を右に回すと、その先端部が溝53の底面に圧接し、内側支柱42’の高さ固定する。またボルト54を左に回すと、その先端部による圧接が緩み、外側支柱41’と内側支柱42’とがスライド移動可能となる。
好ましくは、このようなボルト54の頭部を樹脂等により所定のサイズ及び形状に構成することで、ボルト54の頭部を手でも操作できるようにする。また、このボルト54の先端部は、溝53の上端部と下端部とで溝53の長手方向に沿った位置の溝壁と当接するようになっており、これによりハンドグリップ20Cの把持部の高さ方向の移動を所定の範囲内に規制している。図16は、ハンドグリップ20Cの把持部を高くした状態におけるハンドグリップ20Cの取付構造を示す正面図、図17はその縦断側面図である。
(第4の実施の形態)
図18は本発明の第4の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップ20Dの取付構造を一部を断面にして示す正面図、図19はその水平断面図である。なお、このハンドグリップ20Dは、長さ方向と高さ方向とに伸縮可能な場合を示しているが、高さ方向には固定でもよい。ここでは長さ方向の伸縮構成について説明する。
図18及び図19において、このハンドグリップ20Dは、2本の支柱31Ba、31Bbにそれぞれ一端を固定された第1、第2の内側円筒22a、22bの中間部に、これら内側円筒22a、22bの外径よりも僅かに大きい内径の1本の中間筒である外側円筒21’を嵌合させて長さ方向にスライド移動可能とすると共に、これら外側円筒21’と第1、第2の内側円筒22a、22bとの間にスライド移動を係止するための第1、第2のスライド移動係止手段23a、23bを第1、第2の内側円筒22a、22bの側に設けている。このスライド移動係止手段23a、23bは、図2に示したものと同じであり、有底円筒部材24の内部にコイルバネ25を挿入し、ベアリングボール26をコイルバネ25で開口端側に付勢する構造となっており、第1、第2の内側円筒22a、22bの開放端側に設けられている。また、外側円筒外側円筒21’には、ベアリングボール26が係止する孔27a、27b、27c、27dが形成されている。
更に、第1の内側円筒22aの左端と高さ可変支柱31Baとが連結部28aによりL字状に固定され、かつ第2の内側円筒22bの右端と高さ可変支柱31Bbとが連結部28bによりL字状に固定されている。このような高さ可変支柱31Ba、31Bbを寝台10にスライド移動可能に取付けることで、中間部に介在させた中間筒としての外側円筒21’を両側から支える構造となっている。
なお、図示しないが、好ましくは、このハンドグリップ20Dの第1、第2の内側円筒22a、22bの外周面の長手方向に各所定長の溝を凹設し、これに対して外側円筒21’の両端部付近にはネジ孔を設けて、それぞれにボルトを螺合し、溝の端部壁とボルト先端部とが当接することで、スライド移動の移動範囲を規制するように設ける。このような構造とすることで、ハンドグリップ20Dの伸縮比が最大略3倍となり、寝台10のより長い範囲を柔軟にカバーできる。
また、この第4の実施の形態のハンドグリップは、上記図18及び図19のハンドグリップ20Dとは逆に、第1、第2の外側円筒の中間部に、これら円筒の内径よりも僅かに小さい外径の1本の内側円筒をスライド可能に嵌合させて長さ方向にスライド可能とすると共に、この中間の内側円筒の両端部に第1、第2の外側円筒との間のスライド移動を係止するための第1、第2のスライド移動係止手段を設けた構造にしても良い。或いは、一方の支柱から順に延出し嵌合する第1〜第3の円筒が、その径を順に大きくし又は小さくするように設けても良い。
また、上記各実施の形態ではハンドグリップ20R、20Lを寝台10の側面上端部に取付ける場合を述べたが、これに限らない。ハンドグリップ20R、20Lを天板11の側部に取付けるように構成しても良い。こうすれば天板長手動と共にハンドグリップ20R、20Lも移動するため、被検体は同じ把持姿勢を維持できる。本発明の「寝台の一側部」にはこのような構成も含まれる。また、上記各実施の形態では被検体が右手で握るハンドグリップ(図1の20Rに相当)の例を図示したが、左手で握るハンドグリップ(図1の20Lに相当)については対称に表れる。
また、上記第1の実施の形態におけるスライド移動係止手段23に代えて、上記第2の実施の形態における支柱移動係止手段43を使用してハンドグリップ20Aの両円筒21、22の間のスライド移動を係止するように構成しても良い。
また、上記実施の形態ではX線管1が天板11の上側に位置するオーバーテーブルチューブタイプのX線透視撮影装置について述べたが、本発明はX線管1が天板11の下側に位置するアンダーテーブルチューブタイプのX線透視撮影装置にも適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るX線透視撮影装置の全体構成を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 ハンドグリップの取付構造を一部を断面にして示す正面図である。 その平面図である。 その縦断側面図である。 スライド移動係止手段の構成を示す断面図である。 ハンドグリップを伸ばした状態を示す断面図である。 ハンドグリップを最長位置まで伸ばした状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップの取付構造を示す正面図である。 その縦断側面図である。 高さを伸ばした状態の高さ可変支柱を一部を断面にして示す正面図である。 高さを伸ばした状態のハンドグリップの取付構造を示す正面図である。 その縦断側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップの取付構造を示す正面図である。 その縦断側面図である。 高さを伸ばした状態の高さ可変支柱を一部を断面にして示す正面図である。 高さを伸ばした状態のハンドグリップの取付構造を示す正面図である。 その縦断側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るX線透視撮影装置のハンドグリップの取付構造を一部を断面にして示す正面図である。 その水平断面図である。 従来例のX線透視撮影装置の全体構成を示す正面図である。 図20に示す状態から寝台を回動させた状態を示す正面図である。
符号の説明
10 寝台
20 ハンドグリップ
21 外側円筒(把持部)
21’ 外側円筒(把持部、中間筒)
22 内側円筒(把持部)
22a、22b 内側円筒(把持部)
23 スライド移動係止手段
31 支柱
41、41’ 外側支柱
42、42’ 内側支柱
43 支柱移動係止手段
51 支柱移動係止手段

Claims (5)

  1. 起倒動可能に構成された寝台の側部に被検体によって把持されるハンドグリップを備えたX線透視撮影装置において、
    前記ハンドグリップは、前記寝台の一側部に起立し、少なくともその一方が寝台の一側部に沿ってスライド可能に取付けられた一対の支柱と、
    この支柱の開放端にそれぞれ連結され、その支柱が前記寝台の一側部に沿ってスライドされることにより伸縮するように構成された一対の把持部と
    から構成されたことを特徴とするX線透視撮影装置。
  2. 前記ハンドグリップは、前記一対の支柱が寝台の一側部に沿ってスライド可能に取付けられていることを特徴とする請求項1記載のX線透視撮影装置。
  3. 前記ハンドグリップの一対の把持部は、前記支柱の一方に連結された外側円筒と、この外側円筒にスライド可能に嵌合された内側円筒から構成され、この両円筒間にはその位置を保持するためのスライド移動係止手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のX線透視撮影装置。
  4. 前記支柱は、寝台の高さ方向に設けた断面円形で中空の外側支柱と、この外側支柱の内径よりもわずかに小さい外径の内側支柱をスライド可能に嵌合させると共に、これら外側支柱と内側支柱との間にスライド移動を係止するための支柱移動係止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のX線透視撮影装置。
  5. 前記ハンドグリップは、前記一対の把持部にそれぞれその両端が嵌合された中間筒を有することを特徴とする請求項1、2、4の何れか一つに記載のX線透視撮影装置。
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