JP2009213479A - ポリケチド類及びそれらの合成 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規ポリケチド(plyketide)類及びそれらを組換え合成により調製するための方法及び手段の提供。
【解決手段】スターターモジュール及び多くの異種延長モジュールを典型的に含むハイブリッドタイプIポリケチドシンターゼ遺伝子が、新規のポリケチドを合成するために使用される。好ましくは、タイプIIポリケチドシンターゼプロモーター、たとえばストレプトミセス.コエリカラーのactIプロモーターの制御下にある。
【選択図】図2a

Description

本発明は、新規ポリケチド(plyketide) 類及びそれらを組換え合成により調製するための方法及び手段に関する。異なったポリケチド生合成遺伝子クラスターに由来する、ポリケチド生合成遺伝子類又はそれらの一部は、予測される構造の特定の新規ハイブリッドポリケチドの生成を可能にするために操作され得る。本発明はまた、天然及び非天然のポリケチドの両者のインビボ及びインビトロの両者での高められたレベルの生成を可能にする新規宿主−ベクターシステムにも関する。
ポリケチド類は、抗生物質又は他の薬理学的性質を有する多くの化合物、たとえばエリスロマイシン、テトラサイクリン、ラパマイシン、アビルメクチン及びFK506 を包含する多くの及び構造的に異なった種類の天然の生成物である。特に、ポリケチド類は、ストレプトミセス(Streptomyces) 及び関連する放線菌により多量に生成される。それらは、脂肪酸生合成の態様に類似する態様で、アシルチオエステルの反復した段階的縮合により合成される。天然のポリケチド間に見出される高い構造的な多様性が、“開始剤(starter)”又は“連鎖延長剤(extender) ”単位としての(通常)アセテート又はプロピオネートの選択から;及び個々の縮合の後に観察される□β−ケト基の異なった程度の処理から生じる。処理段階の例は、□β−ヒドロキシアシル−への還元、還元に続く、2−エノイル−への脱水、及び飽和アシルチオエステルへの完全な還元を包含する。それらの処理段階の立体化学的成果がまた、個々のサイクルの鎖延長のためにも特定されている。
ポリケチド類の生合成は、ポリケチドシンターゼとして知られる一群の鎖−形成酵素類により開始される。2種類のポリケチドシンターゼ(PKS) が、放線菌において説明されている。1つの種類、すなわちマクロライドエリスロマイシン、アベルメクチン及びラパマイシンのためのPKS により表わされるタイプI PKS(図1)は、個々のサイクルのポリケチド鎖延長のための異なった組又は“モジュール”の酵素から成る(図2)(Cortes, J. など. Nature (1990)348 : 176-178 ; Donadio, S. など. Science (1991) 252 : 675-679 ; MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 115 : 119-125 ; Schurecke, T. など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843) 。注:用語“天然のモジュール”とは、本明細書において使用される場合、1つのサイクルのポリケチド鎖延長を達成する、β−ケトアシル−ACP シンターゼ(“KS”)遺伝子からアシルキャリヤータンパク質(“ACP ”)遺伝子までの隣接したドメインの組を言及する。用語“組合せモジュール”とは、第1の天然のモジュールにおける第1の点から第2の天然のモジュールにおける第2の同等の点まで延長する隣接したドメイン(及びドメイン部分)のいづれかのグループを言及するために使用される。前記第1及び第2点は、一般的に、すべてのモジュールに、すなわち代表的なKS, AT(アシルトランスフェラーゼ)又はACP ドメインの同等の点で存在するコアドメインであろう。形成されるポリケチドの長さは、エリトロマイシン生合成の場合、鎖−開放チオエステラーゼ/サイクラーゼ活性を含むエリトロマイシン−生成PKS の酵素ドメインの遺伝子工学を用いての特異的転移により変更される(Cortes, J.など.Science (1995) 268 : 1487-1489 ; Kao, C. M. など.J. Am. Chem. Soc. (1995) 117 : 9105-9106) 。
エリスロマイシン−生成 PKS(また、6−デオキシエリトロノリドBシンターゼ、DEBSとしても知られている)のモジュール5におけるケトレダクターゼドメインの部分をコードするDNA のイン−フレーム欠失は、エリスロマイシン類似体5,6−ジデオキシ−3−α−ミカロシル−5−オキソエリスロノリドB、5,6−ジデオキシ−5−オキソエリトロノリドB、及び5,6−ジデオキシ−6,6□−エポキシ−5−オキソエリスロノリドBの形成を導びくことが示されている(Donadio, S. など.Science, (1991) 252 : 675-679)。同様に、対応する PKS−コードのDNA の遺伝子工学及びサッカロポリスポラ エリソスエ(Saccharopolyspora erythraea)中へのその導入による、DEBSにおけるモジュール4のエノイルレダクターゼドメインの活性部位残基の変更が、6,7−アンヒドロリリスロマイシンCの生成を導びいた(Donadio S.など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1993) 90 : 7119-7123) 。国際特許出願番号WO93/13663号は、変更されたポリケチドを生成することができるDEBS遺伝子のさらなるタイプの遺伝子操作を記載する。しかしながら、多くのそのような試みは、非生産的であることが報告されており(Hutchinson C. R. and Fujii, I. Annu. Rev. Microbiol. (1995) 49 : 201-238, p231) 、そして変更されたポリケチドのさらなる例は報告されていない。高分子環状免疫抑制ポリケチドラパマイシンの生合成を支配するモジュラータイプI PKSをコードする、ストレプトミセス ヒグロスコピカスからの遺伝子の完全なDNA 配列が開示されている(Schwecke, T.など.(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 : 7839-7843) (図3)。そのDNA 配列は、受託番号X86780としてEMBL/Genbank Databaseに寄託されている。
第2種類のPKS 、すなわちタイプII PKSは、芳香族化合物のためのシンターゼにより表わされる。タイプII PKSは、鎖延長のための一組の酵素活性のみを含み、そしてそれらは連続的なサイクルにおいて適切に再使用される(Bibb, M. J. など.EMBO J. (1989) 8 : 2727-2736 ; Sherman, D. H. など.EMBO J. (1989) 8 : 2717-2725 ; Fernandez - Moreno, M. A.など.J. Biol. Chem. (1992) 267 : 19278-19290)。タイプII PKSのための“連鎖延長体”単位は通常、アセテート単位であり、そして特異的サイクラーゼの存在が芳香族生成物への完結された鎖の環状化のための好ましい経路を検出する(Hutchinson, C. R. and Fujii, I. Annu. Rev. Microbiol.(1995) 49 : 201-238)。ハイブリッドポリケチドは、クローン化されたタイプII PKS遺伝子含有DNA の、異なったタイプII PKS遺伝子クラスターを含む他の株中への導入により、たとえばアクチノルホジン(actinorhodin) 、すなわちストレプトミセスコエリカラー(Streptomyces coelicolor)からの青色着色されたポリケチドのための遺伝子クラスターに由来するDNA の、ストレプトミセスガリレウス(Streptomyces galileus)のアントラキノンポリケチド産生株中への導入により得られて来た(Barrel, P. L. など.J. Bacteriol. (1990) 172 : 4816-4826) 。
国際特許出願番号WO95/08548号は、ハイブリッドポリケチドを得るために、他のタイプII PKSクラスターからの非相同DNA によるアクチノルホジンPKS 遺伝子の置換を記載する。その同じ国際特許出願番号WO95/08548号は、アクチノルホジンのための生来の遺伝子クラスターを実質的に欠いているストレプトミセスコエリカラーの株の構成、及びストレプトミセスコエリカラーから単離された低コピー数のプラスミドベクター SCP2 に由来するプラスミドベクターpRM5の前記株への使用を記載し(Bibb, M. J. and Hopwood, D. A. J. Gen. Microbiol. (1981) 126 : 427) を記載し、そしてここで、非相同 PKS−含有DNA がアクチノルホジン遺伝子クラスターの分岐 ActI/ ActIIIプロモーター領域の制御下で発現され得る(Fernandez - Moreno, M. A. など.J. Biol. Chem. (1992) 267 : 19278-19290)。プラスミドpRM5はまた、特異的活性化因子タンパク質、すなわち ActII− orf4のための遺伝子をコードするアクチノルホジン生合成遺伝子クラスターからのDNA も含む。前記 ActII− orf4タンパク質は、 ActI/ ActII二方向性プロモーターの制御下で配置される遺伝子の転写のために必要とされ、そして生長する菌子体における定常期への増殖からの変化の間、発現を活性化する(Hallam, S. E. など.Gene (1988) 74 : 305-320) 。
ストレプトミセスにおけるタイプII PKSクラスターは、経路特異的活性化因子遺伝子により活性化されることが知られており(Narva, K. E. and Feitelson, J. S. J. Bacteriol. (1990) 172 : 326-333 ; Stutzman - Engwall, K. J.など.J. Bacteriol (1992) 174 : 144-154 ; Fernandez - Moreno, M.など.Cell (1991) 66 : 769-780 ; Takeno, E. など.Mol. Microbiol. (1992) 7 : 837-845 ; Takano, E. など.Mol. Microbiol. (1992) 6 : 2797-2804) 、その遺伝子生成物が特異的プロモーターからの転写のために必要とされる。前記活性化因子遺伝子の遺伝子生成物は、その活性化因子遺伝子が位置するPKS 遺伝子クラスターのプロモーターにおける特異的DNA 配列に結合することによって作用することが推定される(Stutzman - Eagwall, K. J. など.J. Bacteriol (1992) 174 : 144-154 ; Takano, E.など.Mol. Microbiol. (1992) 7 : 837-845)。 DnrI遺伝子生成物は、S.コエリカラーの ActII− orf4遺伝子における突然変異を補足し、このことは、 DnrI及び ActII− orf4タンパク質が類似する標的物に対して作用することを意味する。マクロライドポリケチドスピラマイシンのためのタイプI PKS遺伝子クラスター近くに位置する遺伝子(srmR) が記載されており(EPO 524 832 A2) 、この遺伝子はマクロライドポリケチドスピラマイシンの生成を特異的に活性化するが、しかしそのような遺伝子の他の例は見出されていない。また、タイプI PKS遺伝子に対して作用する活性化因子の ActII− orf4/ DnrI/RedDファミリーの相同体も記載されていない。
多数の治療的に重要なポリケチドが同定されているが、増強された性質を有し、又は完全に新規の生物活性を有する新規ポリケチドを得る必要性が残っている。モジューラータイプI PKSにより生成される複合体ポリケチドは、それらが抗駆虫剤、殺昆虫剤、免疫抑制剤、抗菌剤、又は抗細菌剤としての既知の利用性を有する化合物を包含することにおいて、特に価値ある。それらの構造的な複雑さのために、そのようなポリケチドは、全体的な化学合成により、又は既知のポリケチドの化学的変性により容易に得ることはできない。
構成され、生存性であり、そして所望するポリケチド生成物を生成するハイブリッドPKS 遺伝子のすべて又は大きな画分が得られるよう、実際的に個々のモジュールを開発する信頼でき且つ特異的な手段を開発する必要性がある。これは、多数の個々のPKS 遺伝子組を、そのPKS 遺伝子組のすべてのメンバーの分析が実施できない場合、タイプIモジュラーPKS 遺伝子を組合して用いて創造することが所望される場合、特に真実である。そのようなポリケチドのライブラリーは、価値ある生物活性性質を有する新規のポリケチドの発見のために、土壌サンプルのランダムスクリーニングに代わるひじょうに魅力ある変法を提供する。
同様に、ストレプトミセス リビデンス(Streptomyces lividans) 66 及びストレプトミセス コエリカラーのために記載されるような添加されるチオストレプトンによる誘発を用いて(Takano, E.など.Gene (1995) 166 : 133-137)、及び国際特許出願番号WO95/08548号におけるストレプトミセス コエリカラーに関して、分化の開始で栄養シグナルを用いることによって、一定のストレプトミセスにおいて異種遺伝子の制御された発現を可能にする特定の宿主−ベクター組合せが報告されているが、ストレプトミセス又は関連する糸状菌の構築された株において、実質的に価値ある二次代謝物、たとえば複合体ポリケチドの1つの生合成を支配する、1つの構造遺伝子又は一組の構造遺伝子の発現を制御し、そしてさらに増強するための一般的な方法の開発のための重要な必要性が残っている。
本発明の1つの観点は、PKS 遺伝子アセンブリー(特にタイプIの)が負荷モジュール(続く延長モジュール)をコードする本発明者の認識から発生する。従って、図2は、DEBS遺伝子の構成を示す。
第1の読取り枠は、次の3種のモジュール:負荷モジュール(ery−負荷)及び2種の延長モジュール(モジュール1及び2)から成る第1の、多−酵素又はカセット(DEBS1)をコードする。負荷モジュールは、アシルトランスフェラーゼ及びアシルキャリヤータンパク質を含んで成る。これは、WO93/13663(上記で言及された)の図1と比較され得る。これは、わずか2種のモジュールから成る ORF1を示し、それらの第1のモジュールは、実際、負荷モジュール及び第1の延長モジュールの両者である。
1つの観点において、本発明は、第1のタイプI PKSの少なくとも1つのドメインをコードする第1の核酸部分(又は複数の部分)を、前記第1のPKS に対して非相同である少なくとも1つのタイプI PKSドメインをコードする第2の核酸部分(又は複数の部分)と共に一緒にアセンブルすることによって、負荷モジュール、及び少なくとも1つの、及び好ましくは多くの延長モジュールを含んで成るハイブリッドPKS 遺伝子アセンブリーの生成に関する。一般的に、前記核酸はDNA である。前記第1及び第2の部分は、それぞれ異なったPKS のドメインをそれぞれコードすることができる。
好ましくは、ハイブリッドPKS は、いづれか与えられたカセット内の負荷モジュール及び1〜6の延長モジュールをコードする。より好ましくは、少なくとも2つの延長モジュールが存在する。NB:6以上のモジュールに起因する生成物は、シンターゼ(たとえば、ラパマイシン)のアセンブリーに起因する。前記第1の部分は負荷モジュールをコードするが、ところが第2の部分は、1又は複数の延長モジュールをコードする。他方では、前記第1の部分は負荷モジュールのすべて又は一部、前記第1の2種の延長モジュール、及びたとえばエリスロマイシンPKS の連鎖停止酵素(一般的には、チオエステラーゼ)をコード、そして前記第2の部分は異なったPKSの1又は複数のドメイン及び/又はモジュールに対応する。
負荷モジュールが延長モジュールに対して非相同であり、そして変更されたスターター単位を有するポリケチドを誘導するハイブリッドPKS 遺伝子アセンブリーを供給することが特に有用である。NB:これは、負荷モジュールの存在を認識しないので、従来技術には、まったく知られていない概念である。WO93/13663は、単一の機能(すなわち、単一の酵素)を不活性化することによる、又は“完全なモジュール”をその欠失、挿入又は置換により影響することによるPKS 遺伝子の変更を言及する。しかし、それらの用語においては、負荷アセンブリーはモジュールではない。負荷モジュールが多くの異なったカルボン酸単位を受容するモジュールである場合、ハイブリッド遺伝子アセンブリーが多くの異なったポリケチドを生成するために使用され得る。たとえば、ハイブリッド遺伝子アセンブリーは、ery 延長モジュールと共にavr 負荷モジュールをコードする核酸を用いることができる。負荷モジュールは異常な酸単位を許容することができる。他方では又はさらに、本発明者は、遺伝子アセンブリーの末端を変更することができる。従って、PKS の正常な連鎖停止酵素(通常、チオエステラーゼ)は、異なったタイプの生成物を誘導する酵素により置換され得る。従って、アミノ酸鎖にポリケチド鎖を連結するラパマイシンシステムからの酵素を使用することができる。これは、たとえば□β−ラクタム誘導体を生成するためのポリペプチド/ポリケチドの組合せを合成するために使用され得る。
もちろん、異なった酸化状態で及び/又は異なった立体化学を伴って、ケチド単位を付与するモジュールにより延長モジュールを置換することによって、生成物ポリケチド内を変更することができる。NB:ポリケチド鎖におけるメチル基の立体化学がアシルトランスフェラーゼにより決定されることが一般的に仮定されている。しかし、それは実際、PKS の他のドメインの特徴であり、そして従って、それぞれ、それらのドメインの置換により、又はモジュール置換によってのみ変動に開放的である。メチル及び他の置換基は、アシルトランスフェラーゼドメイン置換又は全体のモジュール置換により付加され又は除去され得る。
本発明のこの観点は、酵素システム及び従って、所望するタイプのポリケチド生成物を構成するために使用され得るビルディングブロックとしてのPKS 遺伝子モジュールの処理に大きく関係している。これは一般的に、モジュール及び複−モジュール群の切除及びアセンブリーを包含する。モジュラー間連結を製造し、そして破壊するための正しい位置はモジュール間の連結領域に存在すると思われ、ここで制限されたタンパク質分解を用いる本発明者の前に報告された実験がタンパク質の表面上に存在するそれらのリンカーを示している(Aparicio, J. F. など.(1994) J. Biol. Chem. 269 : 8524-8528 ; Staunton, J.など.(1996) Nature Structural Biol. 3 : 188-192) 。しかしながら、本発明者は、ドメインの端に隣接する酵素コード部分内で切断し、そして連結することが好ましいことを見出した。DNA は、すべてのモジュラーPKS 間で、ここに高く保存され、そしてこれが転写され得るハイブリッドの構成を助けることができる。それはまた、重要である、コードされる酵素の活性部位の空間の維持を助ける。たとえば、avr 負荷モジュールによりery 負荷モジュールを置換することによってハイブリッド遺伝子を生成することにおいて、本発明者は、少量の続くケトシンターゼ(KS)ドメインと一緒にery モジュールを除去した。KSドメイン(活性部位から十分に間隔が開いている)の開始は、高く保存されており、そして従って、負荷モジュールとKSドメインとの間のリンカー領域における明白な部位に他のスプライシング部位を供給する。次に、切除されたery モジュールが、avr 負荷モジュールにより置換された。
実際、負荷モジュールを置換する場合、負荷モジュールドメイン(一般的にアシルトランスフェラーゼ(AT)及びアシルキャリヤータンパク質 (ACP)) のみならず、また続く延長モジュールの開始でのKSを置換することが所望される。典型的には、切除された負荷モジュールは、プロピオネートスターターを提供し、そしてその置換は、1又は複数の異なったスターターを提供するよう意図される。しかし、プロピオネートは宿主細胞におけるプロピオネートプールから延長モジュールのKSまでを供給し、所望する生成物の希釈を導びく。これは、KSドメインのすべて又はほとんどを包含する延長された負荷モジュールを置換することによって十分に妨げられ得る。(スプライス部位は、KS遺伝子の末端領域に、又は続くAT遺伝子の始めに、又はKSとATドメインとの間のリンカー領域に存在することができる。)
“モジュール”を置換する場合、本発明者は、“天然の”モジュールに制限されない。たとえば、切断され、そして/又は置換され、そして/又は挿入されるべき“組合せモジュール”は、天然型モジュールのその対応するドメインから、たとえば1つのモジュールのATから次のモジュールのATまで、又はKSからKSまで延長することができる。スプライス部位は、その対応する保存された端の領域に、又は制限されたタンパク質分解のための既知の部位近くのドメイン間のリンカー領域に存在するであろう。組合せモジュールはまた、同時に複数のモジュールを付加するために、“二重”又はそれ以上の複数で存在することができる。本発明はさらに、そのような遺伝子アセンブリー、そのような遺伝子アセンブリーを含むベクター、及びそれらを発現することができる形質転換生物を提供する。形質転換生物は、組換えプラスミドを含むことができ、又はプラスミドが組込むことができる。int 配列を有するプラスミドは、宿主の染色体の特異的結合部位(atl) 中に組込むであろう。形質転換生物は、たとえばエリスロマイシン(図2Bに示されるような)及び/又は他のポリケチドの生成において通常な生合成修飾のすべて又はいくつかを実施することによって、初期生成物を修飾することができる。1又は複数の“天然”のヒドロキシ基又は糖基を有さない生成物を生成するために、通常の経路のいくつかが阻止されるような変異体生物を利用することができる。本発明はさらに、形質転換体生物により直接的に又は間接的に生成できるような新規のポリケチドを供給する。(これは、生物において酵素的修飾を受けており、そして/又は単離され、そして化学的修飾にゆだねられているポリケチドを包含する。)
第2の観点においては、本発明は、天然においては、連結されず、そして好ましくはその特異的な同起源活性化因子遺伝子に連結されるタイプII PKSのものであるプロモーターに操作可能的に連結される構造遺伝子成分を含んで成るハイブリッド遺伝子アセンブリーを供給する。S.コエリカラー以外の宿主(通常、他のアクチノミセス、特に他のストレプトミセス)における発現のために、S.コエリカラーからの actIプロモーター及び ActII− orf4活性化因子遺伝子を使用することが、特に好ましい。構造遺伝子成分は、タイプI PKS遺伝子システムのものであり得る。
本発明は、その第2の観点において、そのような遺伝子アセンブリーを含むベクター、及びそれを発現することができる形質転換体生物をさらに供給する。ハイブリッドタイプI遺伝子がタイプIIプロモーターの制御下で発現されるよう、本発明の前記2つの観点を組合すことが可能である。
さらなる観点において、本発明は前記観点により得ることができる新規ポリケチドを供給する。それらは次のものを包含する:
(i)C−13がエチル以外の側鎖、一般的には、□−枝分れC −C アルキル基、C −C シクロアルキル又はシクロアルケニル基(任意には、たとえば1又は複数のヒドロキシ、C アルキル又はアルコキシ基、もしくはハロゲン原子により置換されている)、又は置換され、又は十分に又は部分的に不飽和の、任意には置換された、O又はSを含む3〜6員の複素環(シクロアルキルに関しては)を担持するエリスロマイシン類似体(14−員環を有するマクロライド化合物である)。C−13置換基Rのための好ましい候補体は、avr スターターモジュール又はラパマイシンスターター変異体による基質として使用できるカルボキシレート単位R・CO. O−の基である。好ましい基質は、イソブチレート(R=i−Pr) 及び2−メチルブチレート(R=1−メチルプロピル)を包含する。他の可能性は、n−ブチレート、シクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘプタニルカルボキシレート、シクロヘキセニルカルボキシレート、シクロヘプテニルカルボキシレート、及び環状カルボキシレートの環メチル化された変異体を包含する。エリスロマイシン類似体は、PKS の初期生成物(6−デオキシエリスロノリド)、又は1又は初数の通常の生合成段階の後の生成物に対応する。図2Bに示されるように、それらは、6−ヒドロキシル化;3−O−グリコシル化;5−O−グリコシル化;12−ヒドロキシル化;及び特異的糖メチル化を含んで成る。
従って、前記類似体は、6−デオキシエリスロノリドB、エリスロマイシンA、及び図2Bに示されるような種々の中間体及び代用物に対応する類似体を包含する。さらに、又は他方では、化学的変性が存在する。たとえば、1又は複数のヒドロキシ基が、酸化され得(たとえば、3−ケト誘導体を生成するために)、又は排除され得る(たとえば、10−エン誘導体を生成するために)。本発明に適用できる化学的変性のいくつかの例は、アジスロマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、及びいくつかのフラス特許(Roussel Uclaf)第 2697523号、第 2697524号及び第 2702480号に開示されるものを生ぜしめる化学的変性の例である。
(ii)1又は複数のケチド単位の酸化状態(すなわち、基−CO−,−CH(OH)−,=CH−及び−CH −からの代用物の選択)においてその対応する“天然の”化合物(図2a)とは異なるエリスロマイシン類似体。
いづれかの−CH(OH)−の立体化学がまた、独立して選択できる。
(iii)“天然の”メチル側鎖の不在下でのその対応する“天然の”化合物とは異なるエリスロマイシン類似体。(これは、変異体ATの使用により達成できる)。通常の延長モジュールは、メチル化されていない及びメチル化されたケチド単位を供給するためにC 又はC 単位のいづれかを用いる。本発明者は、メチル化された単位が天然である場合、メチル化されていない単位を供給し(そして、天然において、メチル化されていない単位が存在するシステムにおいて、逆もまた同じである)、そしてまた、エチル置換基を供給するために、大きな単位、たとえばC を供給することができる。
(iv)“天然の”メチルの立体化学におけるその対応する“天然の”化合物とは異るエリスロマイシン類似体;及び/又はメチル以外の環置換基。
(v)(i)〜(iv)の複数の選択の特徴を有するエリスロマイシン類似体。
(vi)下記構造式:
Figure 2009213479
で表わされるトリケチドラクトン(“TKL ”)。R は、スターター単位に由来する側鎖であり、そして上記(i)に記載されるC−13側鎖について記載される変動を受けやすい。R 及びR は、“天然の”メチルであるが、しかしそれらのいづれか又は両者は水素又はエチルにより置換され得る(ブチレート用いる連鎖延長単位を使用する)。天然の立体化学は、下記構造式:
Figure 2009213479
により表わされ、ここでR ,R ,R 及びOHのいづれか1つ又は2つ、又はすべては反対の立体化学を有することができる。一般的に、TKL 類似体は、上記(i)〜(v)においてエリスロマイシンについて記載されるような変動性を有することができる。
(vii)エリスロマイシン以外の型のポリケチド、たとえばセクション(i)〜(v)に記載される変性に対応する変性を有するラパマイシン又はアベルメクチン。たとえば、本発明者は、下記構造式

Figure 2009213479
で表わされる化合物を、添加されるスターター酸として用いてラパマイシン変異体を生成した。
(viii)ポリケチド鎖の切断された又は延長された下記型:
a)ジケチド R −CHOH−CHR−COH
b)トリケチド R −CHOH−CHR−CHOH−CHR−COH
c)テトラケチド R −CHOH−CHR−CHOH−CHR−CHOH−CHR
−COH
d)五−、六−、七−、及びより大きなケチド鎖。
前記鎖は、(i)〜(iv)に記載されるような変異体を有することができる。
(ix)ケチド/非ケチド融合体。ラパマイシンは、ポリケチド/ペプチド融合体の天然の例である。手段、たとえばペプチド組込み酵素が、1又は複数のアミノ酸に融合されるポリケチドを創造するために使用され得る。
(x)ラクトン、ヘミケタール、ケタール、ラクタム又はラクトールの形成により環化されるポリケチド(又は融合体)。
(xi)非PKS 酵素による追加の処理、たとえば1又は複数のヒドロキシル化、エポキシ化、グリコシル化及びメチル化を受けた、上記のいづれかの誘導体。
本発明は、新規の複合体ポリケチドを得るための方法;及び新規及び既知の両者のポリケチドの生成を高めるための新規方法を提供する。従って、本発明の1つの態様においては、天然のタイプI PKS(“ドナー”PKS)内の個々のモジュール又はドメインをコードするDNA の1又は複数のセグメントが、もう1つの天然のタイプI PKS(“受容体”PKS)の個々のモジュール又はドメインをそれぞれコードするDNA を置換するために使用されて来た。ハイブリッドPKSにアセンブルされる延長モジュールの合計数は固定されていないが、しかしいづれか1つの多酵素又はカセットにおけるそのようなモジュールの好ましい数は、最小の可能な機能的PKS を創造する1〜天然のタイプI PKS、すなわちストレプトミセスヒグロスコピカスのrap PKS の単一の多酵素に収容されることが見出された連続モジュールの最大数に等しい6の範囲である。
ハイブリッドPKS 遺伝子が生存性であり且つ生産性であろうことを定義するための特に好ましい態様においては、受容体PKS DNA は、適切なプラスミドベクターに収容される、ery PKS 、又は他の、好ましくは天然のタイプI PKSの、負荷モジュール、第1の2種の延長モジュール及び連鎖停止チオエステラーゼから成るか、又はそれらを含んで成る。1又は複数の個々のドメイン、又は1又は複数の個々のモジュールのいづれかが、類似するドメイン又はモジュールをコードし、そして異なった天然のタイプI PKS(“ドナー”PKS)に由来するDNA により特異的に置換される。変更されたDNA 配列が、適切な微生物中に導入され、そして遺伝子的に構築された微生物がポリケチド生成のために適切な条件下で培養される。
驚くべき事には及び思いがけなく、それらの遺伝子的に構築された微生物は、適切な条件下で培養される場合、天然の受容体PKS のポリケチド生成物の非天然類似体を生成することが見出されており、そして適切な場合、その生成物は天然のポリケチドと同じ処理を受けることが見出されている。本発明のこの観点において、前記プラスミドベクターは、ストレプトミセス及び関連するグラム陰性細菌におけるクローニングのために有用であることが十分に知られているプラスミドベクターの列挙から選択されたいづれかのものであり得る。ストレプトミセスコエリカラーM110 の SCP2 プラスミドに基づいて広い宿主範囲を有する低いコピー数のプラスミドベクターを選択することが特に有用であることが見出された。この目的のために特に適切な2種の SCP2 −由来のプラスミドの構成は本明細書に記載されている。複製のストレプトミセス放線菌起点を欠いているが、しかし同じ特徴を有するそれらの2種のプラスミドの1つの構成における前駆体プラスミドがまた、特に適切である。相同組換えによる組込みが、E.コリ及び放線菌において活性的な複製の起点を単に有するそのようないわゆる自殺ベクターを用いて達成され得ることは当業界において良く知られている(ery CI遺伝子を包含する染色体DNA フラグメントのS.エリスラエアの染色体中への組込みによるエリスロマイシン生成の刺激、Hanel, F. など.Biotechnology Letters (1993) 15 : 105-110 ; ストレプトミセスグリセオフスカスの染色体中へのプラスミドの挿入、Larson, J. L. and Hershberger, C. L. Plasmid (1990) 23 : 252-256;また、環状又は線状DNA の変性がストレプトミセスコエリカラーA3(2)のインテグラティブ形質転換を促進する:他の生物への可能な関連性、Oh, S. H. and Charter, K. F. (1997) J. Bacteriol. 179: 122-127 も参照のこと)。“受容体”PKS のトリケチドラクトンシンターゼは、負荷モジュール、延長モジュール、及びいづれか天然の又は非天然のタイプI PKSからの連鎖停止活性体から構成され得るが、しかし、この目的のために特に適切なものは、エリスロマイシン、ラパマイシン、アベルメチクン、テトロナシン、オレアンドマイシン、モネンシン、アンホテリシン及びリファマイシンの生合成のためのタイプI PKSの成分であり、それらのすべてに関して、遺伝子及びモジュラー構成は少なくとも部分的に、遺伝子配列分析を通して知られている。ドナーPKS の負荷モジュールの特に好ましい例は、ゆるめられた特異性を示すそれらの負荷モジュール、たとえばストレプトミセス アベルミチリス(Streptomyces avermitilis) のアベルメクチン(avr) −産生PKS の負荷モジュール;又は異常な特異性を有するそれらの負荷モジュール、たとえばラパマイシン−、FK506 −及びアスコマイシン−産生 PKS(それらのすべては、天然において、シキメート由来のスターター単位を受容する)の負荷モジュールである。
ハイブリッドタイプI PKS遺伝子の発現のために適切な遺伝子的に構築された細胞は、自律形又は組込まれた形のいづれかで、ベクターを維持することができるいづれかの放線菌から選択され得る。特に効果的な宿主は、サッカロポリスポラ エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea)、ストレプトミセス コエリカラー、ストレプトミセス アベルミチリス、ストレプトミセス グリセオフスカス(Streptamyces griseofuscus)、ストレプトミセス シンナモネンシス(Streptomyces cinnamonensis) 、ミクロモノスポラ グリセオルビダ(Micromonospora griseorubida)、ストレプトミセス ヒグロスコピカス、ストレプトミセス フラジアエ(Streptomyces fradiae) 、ストレプトミセス ロンジスポロフラバス(Streptomyces longisporoflavus)、ストレプトミセス ラサリエンシス(Streptomyces lasaliensis) 、ストレプトミセス ツクバエンシス (Sterptomyces tsukubaensis)、ストレプトミセス グリセウス (Sterptomyces griseus) 、ストレプトミセス リビダンス、ストレプトミセス リモサス(Streptomyces rimosus) 及びストレプトミセス アルバス(Streptomyces albus) である。それらは、 SCP2 −由来のプラスミドベクターが自律的に複製することが知られている宿主、たとえばS.コエリカラー、S.アベルミチリス及びS.グリセオフスカス、及び SCP2 −由来のプラスミドがプラスミド挿入体上の配列と染色体上の配列との間の相同組換えを通して染色体中に組込まれるようになる他宿主、たとえばサッカロポリスポラエリスラエア;及び自殺プラスミドベクターにより完全に形質転換されるすべての宿主を包含する。本発明のさらなる観点においては、ドナー“PKS DNA を含むプラスミドが、ハイブリッドPKS を創造するために、前記プラスミドが相同組換えにより細菌染色体上の受容体PKS 遺伝子中に組込まれるようになる条件下で宿主細胞中に導入される。好ましい態様は、ドナーPKS DNA が負荷モジュールをコードするセグメントを含む場合であり、そのような場合、この負荷モジュールは染色体上の受容体PKS 遺伝子に連結されるようになる。そのようなハイブリッドPKS は、本明細書に記載されるような適切な条件下で培養される場合、価値あり且つ新規のハイブリッドポリケチド生成物を生成する。特に、受容体PKS の負荷モジュールがアベルメクチン−産生(avr) PKSの負荷モジュールにより置換される場合、そのハイブリッドポリケチド生成物は、avr PKS により使用される生成物に代表的なスターター単位を含む。従って、ery PKS の負荷モジュールがavr 負荷モジュールにより置換される場合、そのようなハイブリッドPKS を含むサッカロポリスポラエリス ラエア株は、avr PKS により典型的に使用されるスターター単位を含む14−員のマクロライドを生成することが見出される。
S.エリスラエアのそのような組換え細胞により生成される14−員のマクロライドポリケチドがコリ又はマイシンAの誘導体を含むことが見出されることは、ひじょうに驚くべき且つ意外なことであり、このことは、新規の及び治療的に価値あるエリスロマイシンA誘導体へのハイブリッドPKS の生成物の形質転換のために必要とされるいくつかの処理段階が正しく実施されることを示す。本発明のさらなる観点は、ハイブリッドタイプI PKS遺伝子(この構成は本明細書に記載される)の形質転換が、ハイブリッド遺伝子がプロモーターのための特異的活性化因子遺伝子に連結されるタイプII PKS遺伝子のためのプロモーターの制御下に配置される場合、特異的に高められる意外で且つ驚くべき発見である。そのような制御下でのハイブリッドタイプI遺伝子を含む遺伝子的に構築された細胞がポリケチド生成のために適切な条件下で培養される場合、有意に高められたレベルのハイブリッドポリケチドが生成されることは、特に注目すべきである。価値あるポリケチド生成物の収量におけるそのような特異的上昇はまた、タイプII PKSプロモーター及び活性化因子遺伝子の制御下塗り層に配置されるタイプI PKSにより生成される天然のポリケチドに関しても見られる。好ましい態様においては、 SCP2 −由来のプラスミド、又は複製のストレプトミセス放線菌起点のみを欠いている前駆体プラスミド上に存在するタイプI PKS遺伝子が、ストレプトミセスコエリカラーのアクチノルホジン生合成遺伝子クラスターに由来する actIプロモーターの制御下に配置され、そしてここで、ベクターはまた、特異的活性化因子タンパク質 ActII− orf4をコードする構造遺伝子を含む。組換えプラスミドは、ストレプトミセス及び関連する属から選択されたストレプトミセスコエリカラー以外の細菌宿主中に、その導入されるPKS 遺伝子、又は宿主株にすでに存在するPKS 遺伝子のいづれかが actIプロモーターの制御下で発現される条件下で導入される。
組換え菌株は所望する特異的ポリケチド生成物を生成し、そして活性化因子遺伝子は、プロモーターからの転写効率を増強するために、特定のプロモーターの存在のみを必要とする。これは、 ActII− orf4ファミリーの活性化因子がDNA 結合タンパク質の認識される種類に属さないことにおいて特に驚くべきことである。従って、追加のタンパク質又は他の制御要素が、アクチノルホジン又は関連するイソクロマンキノン色素を生成することが知られていない異種宿主における活性化を可能にするために必要とされることが予測される。組換え株が、同じPKS 遺伝子が天然のプロモーターの制御下にある場合よりも10倍以上までの特異的ポリケチド生成物を生成し、そしてその特異的ポリケチド生成物がまた、増殖期から定常期への転移の間でのみよりもむしろ、増殖する培養物において早熟して生成されることはまた驚くべきことである。そのようなポリケチドは、抗生物質、抗癌剤、免疫抑制剤として、及びヒト及び獣医学における多くの他の目的のために有用である。
遺伝子的に構築された細胞がサッカロポリスポラ エリスラエアである場合、その活性化因子及びプロモーターは、アクチノルホジンPKS 遺伝子クラスターに由来し、そして actI/ actII− orf4−調節されたPKS 遺伝子クラスターは、プラスミドベクターの部位特異的組込みに従って、染色体に収容され、適切な条件下でのそれらの細胞の培養はそのような異種制御下でなくても、相当する菌株においてよりも合計10倍以上までの14−員のマクロライド生成物を生成する。S.エリスラエアのそのような遺伝子的に構築された細胞において、この異種制御下でのPKS 遺伝子がその構成が本明細書に記載されるハイブリッドタイプI PKS遺伝子である場合、再び、10倍以上までのハイブリッドポリケチド生成物が、そのような制御下にない同じハイブリッドタイプI PKS遺伝子に比較して、得られる。特に、ハイブリッドタイプI PKS遺伝子が、負荷モジュールがavr 負荷モジュールにより置換されているery PKS 遺伝子である場合、10倍の上昇が、本明細書に記載されるような適切な条件下で培養される場合、遺伝子的に構築された細胞により生成される新規の14−員のマクロライドの合計量に見出される。細胞フリーのシステムにおいてモジュラーポリケチドシンターゼが機能する能力が、サッカロポリスポラ エリスラエアのDEBS1−TEシステムに関して(Leadlay, P. F. Lecture to 9th International Symposium on the Biology of Actinomycetes, Moscow, July 10-15 (1994) S7-2 ;Wiesmann, K. E. など.Poster Presentation P2-02, P154, Abstracts of the 9th International Symposium on the Biology of Actinomycetes, Moscow, July 10-15 (1994) ; Wiesmann, K. E.など.(1995) Chem. and Biol. 2 : 583-589) 、及びDEBS1,DEBS2及びDEBS3による6−デオキシエリスロノリドBの生成に関して(Pieperなど.(1995) Nature 378 : 263-266)、開示されている。従って、S.エリスラエラにおいて actIプロモーターを活性化し、そしてその生来の宿主株においてよりもより効果的に活性化する actII− orf4遺伝子の驚くべき且つ意外な能力は、本明細書に記載されるような組換えS.エリスラエア株により生成される活性DEBS酵素の量の対応する印象的且つ価値ある上昇を導びく。
遺伝子的に構築された細胞を増殖する適切且つ好ましい手段、及び天然及びハイブリッドポリケチドの両者を単離する好ましい手段は、例に十分に記載されている。
本発明のいくつかの態様が添付図面により記載されるであろう。
図1は、3種の既知のポリケチドの化学式を付与し; 図2aは、6−デオキシエリスロノリドシンターゼB(DEBS)、PKS 産生6−デオキシエリスロノリドB(6−DEB)、エリスロマイシンAの前駆体の機能を示す図であり; 図2bは、エリスロマイシンAへの6−DEB の転換を包含するエリスロマイシンの後−PKS 生合成を示し; 図3は、ラパマイシンの生合成を示す図であり; 図4は、プラスミドpDEL702 の構成を示す図であり; 図5は、プラスミドpJC3の構成を示す図であり; 図6は、プラスミドpCJRJ01 、及び現在、pCJR24と改名されている前駆体プラスミドp20.5 の構成を示す図であり; 図7は、現在、プラスミドpCJR29と改名されているプラスミドpCJR110 の構成を示す図であり; 図8は、プラスミドpNTEP2の構成を示す図であり; 図9は、プラスミドpRMTE 及びpCJRTEの構成を示す図であり;後者のプラスミドは現在、pCJR30と改名されており; 図10及びは、プラスミドpIG1の構成を示す図であり;
図11は、プラスミドpND20 の構成を示す図であり; 図12は、プラスミドpKW15 の構成を示す図であり;これは負荷モジュール、第1の延長モジュール、及びモジュールを受けることができる連鎖−停止チオエステラーゼをコードするDNA を包含し; 図13は、プラスミドpAR33 の構成を示す図であり; 図14は、プラスミドpAR8の構成を示す図であり; 図15は、プラスミドpE1A2TE の構成を示す図であり; 図16は、プラスミドpKS22 の構成を示す図であり; 図17aは、プラスミドpIBO18の構成を示す図であり; 図17bは、プラスミドpIBO17の構成を示す図であり; 図18は、プラスミドpIBO15及びプラスミドpIBO16の構成を示す図であり; 図19は、プラスミドpJLK15の構成を示す図であり; 図20は、プラスミドpJLK18の構成を示す図であり;
図21は、プラスミドpJLK21の構成を示す図であり; 図22は、プラスミドpKR1-0の構成を示す図であり; 図23は、プラスミドpKET0 の構成を示す図であり; 図24は、プラスミドpM07の構成を示す図であり; 図25は、プラスミドpCJR26の構成を示す図であり; 図26は、プラスミドpC-ATXの構成を示す図であり; 図27は、プラスミドpC-AT12 の構成を示す図であり; 図28は、プラスミドpCJR49の構成を示す図であり; 図29は、プラスミドpCART11 の構成を示す図であり; 図30は、プラスミドpARE24の構成を示す図であり; 図31は、プラスミドpARL3 の構成を示す図であり; 図32は、プラスミドpAVLD の構成を示す図であり; 図33は、S.エリスラエアNRRL2338のゲノム中へのpAVLD の組込みを示し;そして 図34は、S.エリスラエアTER43 のゲノム中へのpAVLD の組込みを示す。
本発明が現在、例により例示されるが、それらは本発明を制限するものではない。次の培地及び溶液が使用された。
スクロース−スクシネート限定の培地
スクロース 69g
KNO 10g
琥珀酸 2.36g
KHPO 2.7g
MgSO ・7HO 1.2g
ZnCl 10mg
MnCl ・4HO 6.2g
CuCl ・2HO 0.53mg
CoCl 0.55mg
FeSO ・7HO 2.5mg
CaCl ・2HO 38mg
Mill−Q 水 全体を1lにするまでの量
KOH pH6〜6.4 にするまでの量
YEME
水道水培地
スクロース 340g
グルコース 5g
酵母抽出物 3g
トリプトン 5g
ペプトン 5g
酵母抽出物 2.5g
麦芽抽出物 3g
EDTA 36mg
グルコース 10g
水道水 全体を1lにするまでの量
KOH pH7.1 にするまでの量
殺菌後:2.5MのMgCl 2ml
微量元素溶液:ZnCl ,40mg/l;FeCl ・6HO, 200mg/l; CuCl ・2HO ,10mg/l;MnCl ・4HO ,10mg/l;NaBO ・10HO ,10mg/l;(NH)MOO24 ・4HO ,10mg/l。
BW1培地
CaCO 2g
Difco トリプトン 2.5g
ダイズ粉末 5g
Difco 酵母抽出物 5g
可溶性スターチ(Sigma) 20g
pH7.2
KHPO・7HO 1.2g
MgSO ・7HO 1.2g
FeSO ・7HO 0.012g
MnSO 0.0012g
ZnSO ・7HO 0.0012
水道水 全体を1lにするまでの量
BW2培地
CaCO 7g
ダイズ粉末 5g
Difco 酵母抽出物 5g
可溶性スターチ(Sigma) 80g
KHPO 1g
MgSO ・7HO 1g
10mlの微量元素溶液
蒸留水により全体を1lにする。
pH7.2
例1
サッカロポリス ポラエリスラエアJC2株の構成
連鎖停止チオエステラーゼをコードするeryAIII DNAの領域を除く、エリスロマイシン産生タイプI PKSをコードする生来のeryA遺伝子のすべてを除去するよう遺伝子的に構築されたS.エリスラエア宿主細胞を、S.エリスラエアNRRL2338から出発して、相同組換えにより構成した。S.エリスラエアNRRL2338は、Northern Regional Research Laboratories, Peoria, Illinois, USAから得られた野生型エリスロマイシン産生株である。ery クラスターを、グリコシル化、ヒドロキシル化及びメチル化に関与する段階を包含するエリスロマイシン生合成の後期段階に包含される他の遺伝子を端に有するPKS 遺伝子から製造した。プラスミドpDELを次の通りにして構成した(図4)。eryAIの開始コドンを含む1.4kbpの SmaIセグメントをpUC18 中にクローン化し、p612SLを得、そのセグメントを、pUC18 の複数のクローニング部位を用いてBamHI− SacIフラグメントとして切出し、そして BglII−Sac フラグメントが切除されたDEBS3のC−末端をコードするeryAIIIの SacI/ KpnIフラグメントを含むプラスミドpT7−18(Roberts, G. A.など.Eur. J. Biochem. (1993) 214 : 305-311))の誘導体中にサブクローン化した。プラスミドpDELの本体を制限分析により確認した。
プラスミドpDELをBamH1により消化し、そしてウシ小腸アルカリホスファターゼにより処理し、そして、 BglIIにより線状化されたプラスミドpIJ702 (Katz, E.など.J. Gen. Microbiol. (1983) 129 : 2703-2714)に連結した。その得られる混合物は、所望するプラスミドpDEL702 を含む(図4)。
S.エリスラエアNRRL2338(Yamamoto, H.など.J. Antibiot. (1986) 39 : 1304-1313) のプロトプラストを10μgのpDEL702 により形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーを選択し、そして非選択性液体培地(トリプシンタイズブイヨン)において4度、継代培養し、続いてプロトプラストを調製し、そして再生した。チオストレプトン感受性コロニーを単離し、そして制限分析及びサザンハイブリダイゼーションにより特徴づけた。1つのそのようなコロニーを、JC2と命名した。S.エリスラエア株JC2を、NCIMB 40802 として、National Collection of Industrial and Marine Bacteria, 23 st Machar Drive, Aberdeen, Scotland AB2 1RY に寄託した。
例2
サッカロポリスポラ エリスラエアJC3株の構成
相同及び非相同遺伝子の発現のために有用な染色体に組込まれるpCJR29の誘導体プラスミドを含む、遺伝子的に構築されたS.エリスラエア宿主細胞を、S.エリスラエアJC2から出発して、相同組換により構成した(図5)。
プラスミドpCJR29K を次の通りにして構成した(図5)。プラスミドpIJ6021 (Takano, E. など.Gene (1995) 166 : 133-137)からのカナマイシン耐性遺伝子を含む1.4kbpの SacI− SphI制限フラグメントを、 SacI− SphI消化されたpUC18 中にクローン化し、pKANを生成し、このプラスミドを PvuIIにより消化し、そしてカナマイシン耐性遺伝子を含む 1.7kbのフラグメントを、EcoRV消化されたpCJR29中にクローン化し、プラスミドpCJR29K を生成した。
プラスミドpJC3を次の通りにして構成した(図5)。pNCO62(Gaisser, 5. など.Mol. Gen. Genet. (1997) in Press) からの6.2kbpの SpeI− XbaI制限フラグメントを、 XbaI消化されたpCJR29K 中にクローン化し、pJC3を生成した。
S.エリスラエアNRRL2338に関して記載されるようにして調製されたS.エリスラエアJC2のプロトプラストを、10μgのpJC3により形質転換し、そして安定したカナマイシン(100μg/ml)耐性コロニーを単離した。個々のコロニーを単離し、そして制限分析及びサザンハイブリダイゼーションにより特徴づけた。1つのそのようなコロニーを、S.エリスラエアJC3と命名した。
例3
S.エリスラエア JC103 (NRRL2338/pNHE) 株の構成
DEBS1,DEBS2及びDEBS3を過剰発現するS.エリスラエア株を得るために、中間体プラスミドの構成を次の通りに実施した。
pARLD の構成
ヌクレオチド1〜1680からのエリスロマイシンポリケチドシンターゼの負荷ドメインをコードする1.6kbpのDNA セグメントを、プライマーとして下記2種のオリゴヌクレオチド:
5'-ACGCGUACUAGUCCGATTAATTAAGGAGGACCATCATGGCGGACCTGTCAAAGCT
C-3'及び
5'-AUGGAGAUCUCUCCGCTAGCGGTTCGCCGGGCGCCGCTTCGTTGGTCCGCGCGCG
GGTTTCCC-3'
及び鋳型としてプラスミドpNTEP2のDNA を用いて、CloneAmp方法(Raschtian, A. など.Anal. Biochem. (1992) 91 : 91-97を用いてのPCR により増幅した。約30〜60ngのPCR 生成物(1.6kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNA (Gibco BRL) の存在下で37℃で30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてE.コリTG1rec0 を形質転換するために使用し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有率について調べた。所望するプラスミドを、その制限地図により同定し、そしてpARLD と命名する。
pNHEの構成
プラスミドpARLD の1.6kbpフラグメントを、 PacI及び NheIを用いて切出し、ゲル電気泳動により精製し、そして PacI及び XbaIにより切断されているプラスミドpCJR24に連結する。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B (Gibco BRL) を形質転換し、そしてアンピシリン(100μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドをその制限地図により同定し、そしてpNHEと命名する。
S.エリスラエアエ JC103 (NRRL2338/pNHE) の構成
E.コリ、DH10B (pNHE)から単離された約5μgのpNHEを用いて、S.エリスラエアエNRRL2338プロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを選択した。このコロニーの1つを選択し、そして全DNA をサザンハイブリダイゼーションのために調製し、プラスミドが、N−末端負荷ドメインをコードする領域におけるeryAI遺伝子の染色体コピー中に特異的に組込まれたことを確める。この株を、S.エリスラエア JC103 (NRRL2338/pNHE)と命名する。
例4
組換えベクターpCJR101 の構成
pCJR101(図6)は、放線菌におけるPKS 遺伝子の発現のために使用されるよう構成されたシャトルプラスミドである。それは、E.コリにおいてその複製を可能にするためのColEIレプリコン、 SCP2 低コピー数ストレプトミセスレプリコン(Bibb, M. J. and Hopwood, D. A. J. Gen. Microbiol. (1981) 126 : 427) 、及び増殖性糸状菌における増殖相から定常期までの間、act プロモーターからの転写を活性化するact クラスターからの actII− orf4活性化因子遺伝子を含む。それを次の通りにして構成する:pMF1015 (actII− orf4活性化因子遺伝子を含む)(Fernandez - Moreno, M. A. など.Cell (1991) 66 : 769-780) からの約 970bpのDNA フラグメントを、プライマーとして、下記合成オリゴヌクレオチド:5'-ACT AGT CCA CTG CCT CTC GGT AAA ATC CAG C-3' 及び5'-CTT AAG AGG GGC TCC ACC GCG TTC ACG GAC-3' (また、フランキング SpeI及び AflII制限部位を導入する)を用いて、PCR により増幅する。このフラグメントを、プラスミドpUC19 の末端修復された AatII部位中に導入し、プラスミドp18.14 (pCJR18と改名された)を生成する。約 215bpのDNA フラグメントを、プライマーとして、次の合成オリゴヌクレオチド:5'-ACA TTC TCT ACG CCT AAG TGT TCC CCT CCC TGC CTC-3' 及び5'-GTG ATG TAT GCT CAT ATG TGT(また、フランキング NdeI及び AflII部位を導入する)を用いて、二方向性プロモーター対PactIII/PactIを含むpMV400 (Parro, V. など.Nucl. Acid Res. (1991) 19 : 2623-2627)から増幅する。前記PCR 生成物を NdeI及び AflIIにより消化し、そして NdeI及び AflIIにより前もって切断されたプラスミドp18.14 (pCJR18) により連結し、プラスミドp19.4 (pCJR19 と改名される)を生成する。チオストレプトンに対する耐性を付与するtsr 遺伝子を含む1.1kbpのHindIII− SphIフラグメントを、プライマーとして次のオリゴヌクレオチド:5'-TGA ACA CCA AGC TTG CCA GAG AGC GAC GAC TTC CCC-3' 及び5'-GAC AGA TTG CAT GCC CTT CGA GGA GTG CCC GCC CGG-3' (また、フランキングHindIII及び SphI部位を導入する)を用いて、鋳型としてのプラスミドpIJ922 (Lydiate, D. J.など.Gene (1985) 35 : 223-235) から、PCR により得た。PCR 生成物をHindIII及び SphIにより消化し、そしてHindIII及び SphIにより切断されたプラスミドp19.4 (pCJR19)により連結し、プラスミドp20.5 (pCJR24)を得る。プラスミドpIJ922をBamHI及び SstIにより消化し、そして稔性遺伝子座の一部及び複製の起点を含むフラグメント(Lydiate, D. J.など.Gene (1985) 35 : 223-235) を、BamHI及び SstIにより消化されたpUC19 中に連結し、二官能性プラスミド p16/2.2 (pCJR16 と改名された)(14.7kbp) を生成する。プラスミドp20.5 (pCJR24)を SalI及び SphIにより消化し、その消化物からの2つの大きなフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして XhoI及び SphIにより消化されたプラスミド16/2.2 (pCJR16)と共に4−成分連結において組合す。その連結混合物を用いて、ストレプトミセスリビダンスを形質転換し、そしてコロニーをチオストレプトンの存在下で選択する。1つのそのようなコロニーを、その制限パターンにより同定することにより、所望する pCJR101(約12.4kbp)を含むことを示す。
例5
プラスミドpCJR29 (pCJR110 から改名された)の構成
プラスミドpCJR29 (pCJR110)の構成は、図7に例示される。チオストレプトンに対する耐性を付与するtsr 遺伝子を含む1.1kbpのHindIII− XhoIフラグメントを、プライマーとして、次のオリゴヌクレオチド:5'-TGA ACA CCA AGC TTG CCA GAG AGC GAC GAC TTC CCC-3' 及び5'-GAC AGA TTC TCG AGC CTT CGA GGA GTG CCC GCC CGG-3' (また、フランキングHindIII及び XhoI部位を導入する)を用いて、鋳型としてのプラスミドpIJ922から、PCR により得る。PCR 生成物をHindIII及び XhoIにより消化し、そしてHindIII及び XhoIにより消化されたプラスミド16/2.2 (pCJR16)により連結し、プラスミド22.1(pCJR25) を生成する。プラスミドp22.1 (pCJR25)をHindIII及び SphIにより消化し、そしてHindIII及び SphIにより消化されたプラスミドp19.4 (pCJR19)により連結し、その制限パターンにより同定される所望するプラスミドpCJR29(pCJR110) (約12.4kbp)を生成する。プラスミドpCJR29(pCJR110)は、複数の SCP2 −由来の起点に関して、tsr 遺伝子、 actII− orf4遺伝子及び actI/ actIIIプロモーターの配向において、pCJR101 と異なる。
例6
プラスミドpRM52 の構成
プラスミドpRM52 は、プラスミドpRM5(McDaniel, R.など.Science, (1993) 262 : 1546-1550)の誘導体である。pRM5をまず、 NdeIによる消化により線状化し、末端−修復し、そして次に、再連結し、pRM51 を生成した。pRM51 を PacI及び NsiIにより切断し、そして大きな PacI− NsiIフラグメントを単離し、そして NdeI部位を含み、そして一緒にアニーリングされた合成オリゴヌクレオチド5'-TAAGGAGGACACATATGCA-3' 及び5'-TAATTCCTCCTGTGTAT-3' から構成された短い二本鎖オリゴヌクレオチドリンカーに連結した。その連結混合物を用いて、E.コリ TGIrec0を形質転換し、そして単離されたコロニーを、それらのプラスミド含有率についてスクリーンした。所望するプラスミド(19.6kbp)を、その制限地図により同定し、そしてpRM52 と命名した。
例7
プラスミドpNTEP2の構成
プラスミドpNTEP2は、キメラDEBS1のための完全な読取り枠及びチオエステラーゼ遺伝子、並びに開始コドンでのユニーク NdeI部位、及び停止コドンの3’側に隣接してユニーク XbaI及びHindIII部位を含む。それを、次のようにして、いくつかの中間体プラスミドにより構成する(図8)。
プラスミドpTENCO11の構成
S.エリスラエアTED8 (Cortes, J.など.Science (1995) 268 : 1487-1489) からの全DNA のライブラリーを、ベクターDASHII(Stratagene) において構成し、そしてeryA遺伝子フラグメントによりプローブした。λ−4Bと称する1つの組換えバクテリオファージは、eryAI開始コドンの 700bp上流からS.エリスラエアTED8における組込まれたプラスミドのチオストレプトン耐性遺伝子まで及ぶ挿入体を有した。λ−4b DNAを NcoIにより消化し、そして12kbp の NcoIフラグメントを末端修復し、そして SmaI−切断されたpUC18 中に連結し、そしてE.コリTG1rec0 を形質転換した。個々のクローンを、それらのプラスミド含有についてスクリーンし、そして NcoI挿入体を担持する1つのプラスミドを選択し、そしてpTENCO11と命名した。
プラスミドpNK8の構成
前に決定されたような正しいeryAI開始コドン(Caffrey, P. など.FEBS Letters (1992) 304 : 225-228)の1.4kbp上流からS.エリスラエアのeryAI遺伝子内の2.6kbpまで延長する4.0kb の KpnIフラグメントを、プラスミドpBK25 (Bevitt, D. J.など.Eur. J. Biochem. (1992) 204 : 39-49)から切り出し、そしてpUC18 中にクローン化し、プラスミドpBK6.12 を得た。このプラスミドのDNA をPCR 反応のための鋳型として使用し、ユニーク NdeI部位がeryAIの開始コドンで創造され、そしてユニーク SmaI部位がPCR 生成物の他の端で創造されている 360bpの生成物を得た。使用されるオリゴペプチドは、5'-CCC ATA TGG CGG ACC TGT CAA AGC-3' 及び5'-ATT GCG CGC CCT GGC CCG GGA A-3' であった。生成物を末端修復し、そして SmaI切断されたpUC18 中に連結し、そしてE.コリTG1rec0 を形質転換した。
個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンし、そして SmaI部位がポリリンカーの KpnI部位に隣接するような配向で挿入体を担持する1つのプラスミドを選択し、そしてプラスミドpNDE6 と命名した。プラスミドpNDE6 を SmaI及び KpnIにより消化し、そして SmaI及び XpnIによるプラスミドpBK6.12 の消化により得られるeryAI遺伝子の2.3kbpフラグメントにより連結した。連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンした。所望する2.6kbpの NdeI− KpnIフラグメントを含むプラスミドを単離し、そしてプラスミドpNDE7 と命名した。 NdeI− KpnI挿入体をプラスミドpNDE7 から切り出し、そして前もって NdeI及び KpnIにより消化されたプラスミドpT7−18中に連結した。プラスミドpT7−18は、ポリリンカーがpUC18 からポリリンカーにより置換されている、プラスミドpT7−7(Tabor, S. and Richardson, C. C. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1985) 82 : 1074-1078) の誘導体である。連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンし、そして所望する2.6kbpの NdeI− KpnI挿入体を含む1つのプラスミドを選択し、そしてpNK8と命名した。
プラスミドpNTE5 の構成
プラスミドpNK8を用いて、E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)のメチル化−不完全株を形質転換し、そしてプラスミドpNK8をこの株から単離し、そして ClaIにより消化した。pTENCO11の消化により得られた11kbp の ClaIフラグメントを、前記消化されたpNK8中に連結し、そしてE.コリTG1rec0を形質転換した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンし、そして11kbp の挿入体がeryAIの読取り枠を再生するよう正しく配向されている1つのプラスミドを選択し、そしてpNTE5 と命名した。
プラスミドpNTEP2の構成
XbaI及びHindIIIのためのユニーク制限部位を担持する ClaI−EcoRIポリリンカーを、次の相補的合成オリゴヌクレオチドから構成した:5'-AATTCATAGTCTAGAAGCTTAT-3'及び5'-CGATAAGCTTCTAGACTATG-3'。ポリリンカーを、2.3kbpの ClaI−EcoRIフラグメントを除去するために ClaI及びEcoRIにより消化されているプラスミドpNTE5 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンした。ポリリンカーを含む1つのプラスミドを同定し、そしてpNTEP2と命名した。
例8
プラスミドpRMTE の構成
プラスミドpNTEP2(14kbp)を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体をスクロースグラジエント上での沈降により精製した。精製された挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されたプラスミドpRM52 (19.6kbp)(例4)中に連結し、そしてそのベクターをスクロースグラジエント上での沈降により精製した。連結混合物を用いて、E.コリを形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpRMTE (31.5kbp)を、その制限パターンにより同定する(図9)。
例9
プラスミドpCJRTE(また、pCJR30と称する)の構成
プラスミドpNTEP2(例5)を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体をスクロースグラジエント上での沈降により精製した。精製された挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミドpCJR101 (12.4kbp) 中に連結し、そしてスクロースグラジエント上での沈降により精製した。その連結混合物を用いて、E.コリDHB/O を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について選択した。所望するプラスミドpCJRTE(pCJR30)(24.3kbp) を、その制限パターンにより同定する(図9)。
例10
S.アベルミチリスATCC 31272/pCJRTE(pCJR30)の構成、及びそれによるトリケチドラクトン(“TKL ”)の生成。
(i)構成
約5μgのプラスミドpCJRTE(pCJR30)を用いて、S.アベルミチリスATCC 31272のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのそのようなコロニーを、それらのプラスミドDNA 含有について分析する。制限地図がpCJRTE(pCJR30)と同一であることを示すプラスミドを含むコロニーを、S.アベルミチリスATCC 31272/pCJRTE(pCJR30)と命名する。
(ii)(Ac)−TKL 及びTKL の生成
S.アベルミチリスATCC 31272//pCJRTE(pCJR30)を、50μg/mlのチオストレプトンを含むBW1培地中に接種し、そして28〜30%のC下で4日間、増殖せしめる。この後、細胞懸濁液15mlを用いて、50μg/mlのチオストレプトンを含む液体培地BW2 150mlに接種し、そして6日間、増殖せしめる。この後、細胞を遠心分離により除去し、水により洗浄し、そして上清液を組合し、そして酢酸エチル(250ml) により3度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を等量の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下での蒸発により除去する。残留物のサンプルを、最少量のジエチルエーテルに取り、シリカのプラグを通して濾過し、そしてGCにより分析し、これは、(Ac)−TKL 及び TKL (式II:R =R =Me;(Ac)−TKL に関して、R =Me、及びTKL に関して、R =Et)の両者の存在、及び純粋な合成サンプルに対して同一の保持時間を示す。
例11
プラスミドpIG1及びpIG101の構成
プラスミドpIG1及びpIG101はそれぞれ、ery 負荷モジュールの代わりのavr 負荷モジュール、ery PKS の第1の2つの延長モジュール、及びery PKS のチオエステラーゼを含んで成るハイブリッドタイプI PKS遺伝子を含む SCP2 −由来のプラスミドから成る。それらを、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成する(図10)。
プラスミドpVE3.4の構成
アベルメクチン(avr) PKS 遺伝子の一部を含むプラスミドpVE1446 を、E.コリ株ATCC 68250 (MacNeil, D. J.など.Ann. N. Y. Acad. Sci. (1994) 721 : 123-132) から得た。プラスミドpVE1446をBamHIにより消化し、そして同等物32.15 及び3.40(MacNeil, D. J.など.Ann. N. Y. Acad. Sci. (1994) 721 : 123-132) 間の7.6kbpフラグメントを、ゲル電気泳動により精製し、そして再環化した。その混合物は、E.コリ株TG1rec0 の形質転換の後に単離された所するプラスミドpVE3.4を含んだ。
プラスミドpNCO12の構成
プラスミドpBK25 (Bevitt, D. J.など.Eur. J. Biochem. (1992) 204 : 39-49)を、 NcoIにより消化し、そして12kbp のフラグメントを末端−修復し、そして SmaIにより線状化されているプラスミドpUC18 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpNCO12を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpCRabcの構成
プラスミドpCRabc(図10)を次の通りに構成した。3種の別々のPCR 反応を実施した:第1に、それぞれ20pモルの合成オリゴヌクレオチドA1(5'-CTC GTC GGT GGC TTT GCG-3')及びA2(5'-CCC GGG AAA AAC GAA GAC TAG TGG CGC GGA CGG CCG-3')を用いて、 100ngのpNCO12鋳型から1.0kbpの生成物を増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、リン酸化し、そして SmaI−切断されたpUC18 中にクローン化し、プラスミドpCRaを得た。第2に、それぞれ20pモルの合成オリゴヌクレオチドC1(5'-CAC GCG CAG CGC GGC GGA-3')及びC2(5'-CGAA CCG CTA GCG GTC GTC GCG ATG GCC T-3') を用いて、 100ngのpNCO12鋳型から1.5kbpの生成物を増幅した。生成物を末端−修復し、リン酸化し、そして SmaI−切断されたpUC18 中にクローン化し、プラスミドpCRcを得た。第3に、それぞれ20pモルの合成オリゴヌクレオチド(5'-GTGGCCCGGCCGTCCGCGCCACTAGTCTTCGTTTTT-3') 及びB2(5'-AACAGCTAGCGGTTCGTCCGCCGCTGCCGTGCC-3')を用いて、 100ngのpVE3.4鋳型から1.4kbpの生成物を増幅した。生成物を末端−修復し、リン酸化し、そして SmaI−切断されたpUC18中にクローン化し、プラスミドpCRbを得た。
プラスミドpCRaをHindIII及び SpeIにより消化し、そして1.0kbpの挿入体を、HindIII及び SpeIにより前もって消化されたプラスミドpCRbにより連結した。プラスミドpCRcを NheI及びEcoRIにより消化し、そして1.5kbpの挿入体を、 NheI及びEcoRIにより前もって消化されたプラスミドpCRab により連結し、プラスミドpCRabcを得た。
プラスミドpNEWAVETE の構成
プラスミドpCRabcを MfeI及び SfiIにより消化し、そしてavr PKSの負荷ドメインを含むDNA フラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして MfeI及び SfiIにより消化されているプラスミドpNTEP2により連結し、そして大きな方のフラグメントをゲル電気泳動により精製した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpNEWAVETE (13.7kbp) をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpIG1の構成
プラスミドpNEWAVETE を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体をスクロースグラジエント上での沈降により精製した。精製された挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミドpRM52 (19.6kbp) 中に連結し、そしてベクターをスクロースグラジエント上での沈降により精製した。連結混合物を用いて、E.コリを形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpIG1を、その制限地図により同定した。
プラスミドpIG101の構成
プラスミドpNEWAVETE を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体をスクロースグラジエント上での沈降により精製する。精製された挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミド pCJR101(例4)中に連結し、そしてゲル電気泳動により精製する。連結混合物を用いて、E.コリDHB/O を形質転換し、個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンする。所望するプラスミドpIG101を、その制限パターンにより同定する。
例12
S.コエリカラー CH999/pIG1の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリ ET12567 (MacNeil. D. J.など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpIG1を用いて、S.コエリカラー CH999のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調らべ、そしてプラスミドpIG1の存在をその制限地図により確かめた。
(ii)S.コエリカラー CH999/pIG1を用いてのTKL, (Ac) TKL, (i−but) TKL及び(s−pent) TKL の生成
S.コエリカラー CH999/pIG1を、50μg/mlのチオストレプトンを含む 100mlのYEME培地中に接種し、そして28〜30℃で5日間、増殖せしめた。この後、そのブイヨンを濾過し、菌糸体を除いた。ブイヨンを同体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除いた。残留物を酢酸エチルに取り、そしてシリカのプラグを通して濾過し、酢酸エチルを再び除去し、そして残留物をジエチルエーテルに取り、そしてジエチルエーテルにより溶出される、シリカゲルのカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにゆだねた。(s−pent) −TKL 及び(i−but)−TKL を含む画分を、TKL を含む画分から分離し、そして少量の(Ac)−TKL を第3画分に分けた。化合物を、GC分析(70℃で2分間、次に、 250℃に24分間にわたって高められるようプログラムされた25mmカラム)に基づいて、純粋な標準と共にそれらの同時移動により同定した。(s−pent)−TKL ,(i−but)−TKL, TKL及び(Ac)−TKL についての保持時間はそれぞれ、14.9, 13.6, 12.9及び11.9であった。GC、エレクトロスプレーMS及び 1H−NMR を用いて、主成分(50〜60%)がTKL であることを示した。
例13
S.コエリカラー CH999/pIG101の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpIG101を用いて、S.コエリカラー CH999のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調らべ、そしてプラスミドpIG101の存在をその制限地図により確かめた。
(ii)S.コエリカラー CH999/pIG101を用いてのTKL,(Ac)−TKL,(i−but) TKL及び(s−pent) TKL の生成
S.コエリカラー CH999/pIG101を、50μg/mlのチオストレプトンを含む 100mlのYEME培地中に接種し、そして28〜30℃で5日間、増殖せしめた。ブイヨンを同体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去した。残留物を例12におけるようにして処理し、そして類似する結果を得た。
例14
S.アベルミチリスATCC 31272/pIG1の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpIG1を用いて、S.アベルミチリスATCC 31272のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調らべ、そしてプラスミドpIG1の存在をその制限地図により確かめた。
(ii)S.アベルミチリスATCC 31227/pIG1を用いてのTKL,(Ac)TKL, (i−but) TKL及び(s−pent) TKL の生成
S.アベルミチリスATCC 31227/pIG1を、まず50μg/mlのチオストレプトンを含むBW1培地中に接種し、そして28〜30℃で4日間、増殖この後、ブイヨン20mlを用いて、50μg/mlのチオストレプトンを含むBW2培地 150mlに接種した。
次に、接種された生物を10日間、増殖せしめた。ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして同量の酢酸エチルにより3度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、1l当たり約10gの粗生成物を得た。残留物を酢酸エチルに溶解し、シリカのプラグに通し、そして溶媒を除去した。残留物をジエチルエーテルに溶解し、そしてジエチルエーテルにより溶出されるシリカカラム(1cm×15cm)上でのフラッシュクロマトグラフィーにゆだね、そしてそれぞれ10mlの画分を集め、そしてGCによりアッセイした。ジエタルエーテルを蒸発し、トリケチドラクトンを含む油状残留物約10mgを得た。主成分(50〜60%)は、(s−pent) −TKL であり、そして(i−but)−TKL, TKL及び(Ac)−TKL もまた存在した(すなわち、R =R =Mc、及びR =1−メチルプロピルである式IIの化合物((s−pent)−TKL ),i−Pr((i−but)−TKL),Et(TKL)及びMe((Ac)−TKL)) 。
例15
S.アベルミチリスATCC 31272/pIG101の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpIG101を用いて、S.アベルミチリスATCC 31272のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調らべ、そしてプラスミドpIG101の存在をその制限パターンにより確かめる。
(ii)TKL,(Ac) TKL, (i−but) TKL及び(s−pent) TKL のS.アベルミチリスATCC 31272/pIG101を用いての生成
S.アベルミチリスATCC 31272/pIG101をまず、上記のBW1培地中に接種し、そして10〜12日間、増殖せしめた。前の例におけるような生成物の単離により、(s−pent) −TKL 及び(i−but)−TKL を含む画分、TKL を含む画分、及び少量の(Ac)−TKL を有する第3画分を得る。化合物を、GC分析に基づいての純粋な標準との同時移動により同定する。
例16
S.エリスラエアJC2/pIG1の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
約5μgのプラスミドpIG1を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのそのようなコロニーから、全DNAを得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが、相同組換えにより、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分中に特異的に組込んだことを確かめる。
(ii)S.エリスラエアJC2/pIG1を用いてのトリケチドラクトンの生成
S.エリスラエアJC2/pIG1を、50μg/mlのチオストレプトンを含む水道水培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめる。この後、20mlの菌糸体を用いて、2lのフラスコにおける、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 500mlを、凝集を減じるために、280rpmで振盪しながら接種する。 3.5〜6日後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、同体積の酢酸エチルにより3度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして蒸発により溶媒を除去する。GC及びエレクトロスプレーMSを用いての生成物混合物の分析は、合計5〜6mg/lのトリケチドラクトン生成物のうち、主成分は(s−pent) −TKL (約 1.5mg/l)であり、そして存在する他の成分は(i−but)−TKL, TKL及び少量の(Ac)−TKL であることを示した。
例17
S.エリスラエアJC2/pIG101の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
約5μgのプラスミドpIG101を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが、相同組換えにより、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分中に特異的に組込んだことを確かめる。
(ii)S.エリスラエアJC2/pIG101を用いてのトリケチドラクトンの生成
例16(ii)におけるのと同じ方法に従った。GC及びエレクトロスプレーMSを用いての生成物混合物の分析は、合計5〜6mg/lのトリケチドラクトン生成物のうち、主成分は(s−pent) −TKL (約 1.5mg/l)であり、そして存在する他の成分は(i−but)−TKL, TKL及び少量の(Ac)−TKL であることを示した。
例18
プラスミドpND20 の構成
これは次の2種の段階で達成された:
(i)プラスミドpHISAVE の構成
プラスミドpNEWAVETE を、EcoRI及びHindIIIにより消化し、そしてベクターをゲル電気泳動により精製した。6−ヒスチジン標識をコードし、そしていづれかの末端でそれらの部位を有する合成オリゴヌクレオチド二本鎖挿入体(下記に示される)を、ベクターに連結した:
(5'-AATTCACATCACCATCACCATCACTAGTAGGAGGTCTGGCCATCTAGA-3')
(3'-GTAGTGGTAGTGGTAGTGATCATCCTCCAGACCGGTAGATCTTCGC-5') 。
前記連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個人のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンした。所望するプラスミドpHISAVE を、その制限パターンにより同定した。
(ii)プラスミドpND20 の構成
プラスミドpHISAVE を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されたpCJR24中に連結した。その連結混合物を用いて、DH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンした。所望するプラスミドpND20 を、その制限パターンにより同定した。
例19
(i)S.エリスラエアJC3/pND20 の構成
E.コリET12567 から単離されたプラスミドpND20 を用いて、S.エリスラエアJC3のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。
(ii)TKL 及び(Ac)TKL の生成
S.エリスラエアJC3/pND20 を、50μg/mlのチオストレプトンを含む水道水培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめる。この後、20mlの菌糸体を用いて、2lのフラスコにおける、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 500mlを、凝集を減じるために、280rpmで振盪しながら接種する。 3.5〜6日後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、同体積の酢酸エチルにより3度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして蒸発により溶媒を除去する。GC及びエレクトロスプレーMSを用いての生成物混合物の分析は、合計20mg/lのトリケチドラクトン生成物のうち、約99%がTKL から成り、そして残りはAc(TKL)であったことを示す。
例20
プラスミドpKW15 の構成
プラスミドpKW15 は、負荷モジュール、第1の延長モジュール及びery PKS のチオエステラーゼを含んで成る、ジケチドシンターゼ遺伝子の発現を得るために SCP2 −に基づくベクター中へのサブクローニングのために適切な、及びまた、1又は複数の損なわれていないモジュールを含む非相同DNA の挿入のためにも適切な挿入体を含むpT7−由来のベクターである。プラスミドpKW15 を、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより得る(図12)。
プラスミドpKW11 の構成
プラスミドpNTEP2(例5)を BglIIにより消化し、その付着端をフィルインし、そして再連結し、プラスミドpKW11 を生成した。プラスミドpKW11 における挿入体は、負荷ジドメイン、DEBS1からのモジュール1及びモジュール2、及びDEBS3からのチオエステラーゼを包含するキメラeryAI−eryAII遺伝子から成る。この“ジケチドシンターゼ”を得るための方法は、モジュール1の一部、モジュール2の全部分、及びチオエステラーゼの一部をコードするDNA を、EcoRV及びEcoR1によるプラスミドpKW11 の消化により除去し、そして次に、適切なPCR 生成物の挿入により、モジュール1及び ACP1のN−末端部分を再構成することであり、そして同様に、PCR生成物が、 ACP2のC−末端部分及びチオエステラーゼを置換するよう企画された。前記2種のPCR 生成物を、DL(アスパラギン酸、続くロイシン)に、 ACP1及び ACP2ドメインに見出されるようなEL(グルタミン酸、続くロイシン)からのハイブリッドACP ドメインのアミノ酸配列における変更を包含する、ACP の活性部位に創造されるユニーク BglII部位により連結する。機能を保持しながら、PKS 活性部位での配列におけるそのような変更はこれまで試みられたことはなく、そしてそのような変更された部位が活性のまま存続すべきであることは明らかではない。
プラスミドpKW12, pKW13, pKW14 及びpKW15 の構成
モジュール1のためのDNA のPCR 増幅のためには、次の合成オリゴヌクレオチドが突然変誘発プライマーとして使用され、1つはEcoRV部位を含み、そして他の1つは BglII部位を含む:
5'-GCAGGGATATCGCACGTTCCTGG-3'
及び 5'-CGCCGAGATCTGCGAAGGCCTGGTCGGCGGG-3'。
PCR をPfu DNA ポリメラーゼを用いて、鋳型としてのpNTEP2に基づいて、及び10%(体積/体積)ジメチルスルホキシドの存在下で、95%(1分);55%C(1分)でのアニーリング;及び72%C(2分)での延長の30サイクル、実施した。生成物(PCR1)を末端修復し、そして SmaI−切断されたファゲミドpUC119中にクローン化し、そして連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換した。プラスミドDNA を個々のコロニーから調製し、そして所望のプラスミド(5.0kbp) をその制限パターンにより同定し、そしてpKW12 と命名した。
モジュール2及びチオエステラーゼドメインの5’端のためのDNA のPCR 増幅のためには、それぞれ BglII部位及びEcoRI部位を含む次のオリゴヌクレオチドを、突然変異誘発プライマーとして使用した:
5'-ATGAATTCCCTCCGCCCAGCCAG-3'
及び
5'-ACAGATCTCGGCTTCGACTCGCTGACCG-3'。
PCR を、 PCR1について上記に正確に記載されるようにして、鋳型としてのpNTEP2に基づいて実施し、そして生成物(PCR2)を末端修復し、そして SmaI−切断されたファゲミドpUC119中にクローン化した。連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてプラスミドDNA を個々のコロニーから調製した。所望するプラスミド(4.1kbp) をその制限パターンにより同定し、そしてpKW13 と命名した。
プラスミドpKW12 をEcoRV及びHindIIIにより消化し、そして1.8kbpの挿入体を末端−修復し、そして次に、EcoRVにより線状化され、そしてアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpKW11 と一緒に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0を形質転換し、そして個々のコロニーのプラスミド含有を調べた。ユニークEcoRV部位が再構成されている所望するプラスミド(15.8kbp)を同定し、そしてこのプラスミドをpKW14 と命名した。
プラスミドpKW13 を BglII及びEcoRIにより消化し、そして0.9kbpの挿入体を、 BglII及びEcoRIにより消化されているプラスミドpKW14 に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーのプラスミド含有を調べた。pKW13 の0.9kbpの BglII−EcoRIフラグメントがpKW14 の9.5kbpの BglII−EcoRIセグメントを置換している所望するプラスミド(9.32kbp)を同定し、そしてこのプラスミドをpKW15 と命名した。
プラスミドpKW16 の構成及び使用
(i)構成
プラスミドpKW15 を NdeI及び XbaIにより消化し、そしてその挿入体を、 NdeI及び XbaIによりまた消化されているプラスミドpRM52 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0を形質転換し、そして単離されたコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンした。所望するプラスミドをその制限地図により同定し、そしてpKW16 と命名した。
(ii)S.コエリカラー CH999/pKW16 の構成のためへのプラスミドpKW16 の使用
プラスミドpKW16 を用いて、メチル化−欠失株E.コリET12567(MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)を形質転換し、そしてこの株から単離された、ジメチル化されたプラスミドpKW16DNA を用いて、S.コエリカラー CH999 (McDaniel, R.など.Science (1993) 262 : 1546-1550) を形質転換した。pKW16 を用いて、S.コエリカラーのプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを、50μg/mlのチオストレプトンを含む水道水培地寒天プレートに移した。
(iii)(2S)−メチル(3R)−ヒドロキシペンタン酸及び(2S)−メチル−(3R)−ヒドロキシブタン酸の単離及び特徴化
S.コエリカラー CH999/pKW16 のコロニーを採取し、そして50μg/mlのチオストレプトンにより補充された 100mlのYEMEに移し、そして30℃で増殖せしめた。4日後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、pH3.0 に酸性化し、そして固体塩化ナトリウムを、その溶液が飽和されるまで添加した。ブイヨンを等体積の酢酸エチルにより5度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を、飽和塩化ナトリウム溶液による抽出により乾燥せしめ、そして蒸発により濃縮した。酢酸エチル:酢酸99:1(v/v)により溶出され、そして過マンガン酸カリウムにより染色された、シリカゲルプレート上での薄層クロマトグラフィー処理は、S.コエリカラー CH999のみから得られた抽出物に存在しない、(2S)−メチル−(3R)−ブタン酸の対照サンプルと同じ移動度(Rf0.55) を有する化合物の存在を示した。酢酸エチル抽出物の、負のイオンモード下でのエレクトロスプレー質量分析(ESMS) は、対照サンプルに存在しないm/e 117での主要ピークを示した。正のイオンモード及び蟻酸の存在下で、ピークはm/e 119で観察され、これは添加されたナトリウムイオンの存在下でm/e 141に移動された。ナトリウム添加物の正確な質量は、141.05171 であることが決定された(2−メチル−3−ヒドロキシブタン酸のナトリウム塩は141.05248 を必要とする)。S.コエリカラー CH999/pKW16 のコロニーが取られ、そして50μg/mlのチオストレプトンにより補充された 100mlのYEMEに移され、そして30℃で7日間増殖せしめられる場合、上記で調製された酢酸エチル抽出物は、m/e 131で、負のイオンモードで作動されるESMSにおいて、追加のピークを示した。正のイオンモードで作動されるESMSにおいて、及び添加される蟻酸の存在下で、ピークはm/e 155で見出される。このピークの正確な質量は、155.06973 であることが決定された(2−メチル−3−ヒドロキシペンタン酸のナトリウム塩は155.06890 を必要とする)。
例22
プラスミドpAR33 の構成
プラスミドpAR33 は、ery 負荷モジュール、ery PKS の延長モジュール1,rap PKS の延長モジュール12、及びery 連鎖停止チオエステラーゼを含んで成るハイブリッドタイプI PKSを含む。それを、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成する(図13):
プラスミドpARRAPの構成
ラパマイシンPKS のモジュール12をコードするrapC遺伝子の4.7kbpのDNA セグメントを、Clone Amp 方法(Raschtian, A. など.Anal. Biochem. (1992) 91 : 91-97) 、及びプライマーとして、次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-ACGCGUACUAGUCAGATCTGGGCATCAATTCGCTGACCGCGGTGGAACTGCGCAA
-3'
及び
5'-AUGGAGAUCUCUCAGATCTTGAATGCGGCGGCTGCGGGGATGGTGCTGGCGTCA-
3'
並びに、鋳型として、クローン−λ−1C(Schwecke, T.など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1995) 92 : 7839-7843) のDNA を用いて、PCR により増幅した。約30〜60ngのPCR 生成物(4.7kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNA (Gibco BRL) の存在下で37℃で30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(7.4kbp) を、その制限地図により同定し、そしてpARRAPと命名する。
プラスミドpAR32 の構成
プラスミドpARRAPを、 BglIIにより消化し、rap モジュール12をコードする4.7kbpのフラグメントを開放し、これをゲル電気泳動により精製し、そして BglIIによる消化により線状化されているプラスミドpKW15 中に連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドは、rap モジュール12が、ハイブリッドトリケチドラクトンシンターゼ遺伝子が生成されるよう、pKW15 における挿入体の読取り枠のコード配列に対して正しい配向を有する1つである。そのようなプラスミドを、その制限パターンにより同定し、そしてpAR32 と命名する。
プラスミドpAR33 の構成
プラスミドpAR32 は、 NdeI及び XbaIによる消化により切り出され得る挿入体を含むが、しかしその挿入体には、切断に対して特異的に保護されるべき追加の NdeI部位が存在する。これを、RecA保護方法(Koob, M.など.Nacl. Acids Res. (1990) 20 : 5831-5835) を用いて行なう。合成オリゴヌクレオチド 5'-GCACCCACGACGCCACCACCACATATGCCCTGCACCCTGCCCTCC-3'(ここで、 NdeI部位が下線を引かれている)を、精製されたRecAタンパク質及びATP S と一緒に使用し、消化からrap モジュール12における内部 NdeI部位を特異的に保護する安定した三量体 DNA−タンパク質複合体を形成する。保護されたプラスミドpAR32 を NdeI及び XbaIにより消化し、所望する十分な長さの挿入体(13.1kbp)を生成し、そしてこれを、 NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミド pRM52(例4)により連結する。その連結混合物を用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有についてスクリーンする。所望するプラスミドpAR33 を、その制限パターンにより同定する。
例23
S.エリスラエアJC2/pAR33 の構成及びTKL 誘導体の調製
(i)構成
約5μgのプラスミドpAR33 を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを選択する。1つのそのようなコロニーからの全DNA を単離し、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分の染色体コピー中に特異的に組込んだことを確する。この株を、S.エリスラエアJC2/pAR33 と命名する。
(ii)S.エリスラエアJC2/pAR33 による新規トリケチドラクトンの生成
S.エリスラエアJC2/pAR33 を、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして28〜30%C下で5日間、培養する。この後、ブイヨンを濾過し、そして等体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で、蒸発により除去する。残留物のエレクトロスプレーMSは、Ac−2−ノル−3−エピ−TKL(III,R=Me)及び2−ノル−3−エピ−TKL(III,R=Et)の存在を示した。
例24
プラスミドpAR8の構成
ery 負荷ジドメイン、及びery 連鎖停止チオエステラーゼ/サイクラーゼ、及びrap PKS のモジュール11及び12を含むハイブリッドトリケチドラクトンシンダーゼの構成。
この例は、5種の別々のプラスミド、標的構造体の4種の別々のハウジング要素、及びテトラサイクリンに対して耐性を付与する遺伝子を収容第5要素の初期構成を必要とする。それらのプラスミドにおける挿入体を、標準のインビトロ組換えDNA 技法により連続的に組合し、プラスミドpAR5を形成する。さらなる三段階のクローニングが、最終発現プラスミドpAR8を導びく(図14)。
プラスミドpARLD の構成
負荷AT−ACP ジドメインをコードする、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド1673までのeryAI遺伝子のセグメントを、プライマーとして次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-
ACGCGUACUAGUCCGATTAATTAAGGAGGACCATCAATGGCGGACCTGTCAAAGCT
C-3'及び
5'-
AUGGAGAUCUCUCCGCTAGCGGTTCGCCGGGCGCCGCTTCGTTGGTCCGCGCGCGGG
TTTCCC-3'
及び鋳型としてのプラスミドpBK6.12(例5)を用いて、CloneAmp方法を使用してのPCR により増幅し、プラスミドpARLD を生成した。
プラスミドpAR11 の構成
rap モジュール11をコードするDNA の5’−末端でのヌクレオチド112 からヌクレオチド2095までの、S.ヒグロスコピカスのrapC遺伝子のセグメント(Schwecke, T.など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843) を、プライマーとして次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-AUGGAGAUCUCUCCGCTAGCGATTGTGGGTATGGCG-3'
及び
5'-ACGCGUACUAGUCCATGCATCTGCAGCACGGCGGCCTCATCACCGGA-3' 、
及び鋳型としての組換えバクテリオファージ λ−1(Schwecke, T.など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843)のDNA を用いて、CloneAmp方法を用いるPCR により増幅する。約30〜60ngのPCR 生成物(2.0kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNA の存在下で37%C下で、30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてそれを用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(4.7kbp) を、その制限地図により同定し、そしてpAR11 と命名する。
プラスミドpAR12 の構成
rap モジュール12をコードするDNA の3’末端のヌクレオチド7405からヌクレオチド9396までの、S.ヒグロスコピカスのrapC遺伝子のセグメント(Schwecke, T.など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843)を、プライマーとして次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-ACGCGUACUAGUCCATGCATTCCCGGAGCGGCGATCTGTGG-3'
及び
5'-AUGGAGAUCUCUCCCGCGGCCGCGCTGTCACGCACCAGCTTCAGCAGTGCGTC-3' 、及び鋳型としての組換えバクテリオファージλ−1C(Schwecke, T.など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843)のDNA を用いて、CloneAmp方法を用いてのPCR により増幅する。
約30〜60ngのPCR 生成物(2.0kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNAの存在下で、37%C下で30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてそれを用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(4.7kbp) を、その制限地図により同定し、そしてpAR12 と命名する。
pARTE の構成
eryAIII停止コドンの3’側から KpnI部位までの132 のヌクレオチド12及び、そしてDEBSのC−末端連鎖停止チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードする、eryAIII遺伝子の1.3kbpのセグメントを、プライマーとして次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-ACGCGUACUAGUCCGCGGCCGCGATCCTCGGGCATTCCAGC-3'
及び
5'-AUGGAGAUCUCUAAGCATTGGTAACTGTC-3' 、及び鋳型としてのプラスミドpEXDB3(Roberts, G. A.など.Eur. J. Biochem. (1993) 214 : 305-311)を用いて、CloneAmp方法を用いてのPCR により増幅する。約30〜60ngのPCR 生成物(1.3kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNA の存在下で、37%C下で30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてそれを用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(4.0kbp) を、その制限地図により同定し、そしてpARTE と命名する。
プラスミドpARTr の構成
テトラサイクリン耐性遺伝子を含むプラスミドpBR322の1.3kbpのセグメントを、プライマーとして次の2種のオリゴヌクレオチド:
5'-ACGCGUACUAGUATCTAGACCATGCATGTTTGACAGCTTATCATC-3'
及び
5'-AUGGAGAUCUCUATCTAGACCATGCATGCCGCCGGCTTCCATTCA-3' 、及び鋳型としてのプラスミドpBR322を用いて、CloneAmp方法により増幅する。約30〜60ngのPCR 生成物(1.3kbp) を、25ngのpAMP18ベクターDNA の存在下で、37%C下で、30分間、ウラシルDNA グリコシラーゼにより消化し、その混合物を氷上で冷却し、そしてそれを用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(4.0kbp)をその制限地図により同定し、そしてpARTr を命名する。
プラスミドpAR1の構成
プラスミドpARLD を NheI及びHindIIIにより消化し、そしてプラスミドpAR11 から得られた2.0kbpの NheI−HindIII挿入体に連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドをその制限地図により同定し、そしてpAR1と命名する。
プラスミドpAR2の構成
プラスミドpAR1を NsiIにより線状化し、そしてpARTr からの NsiIフラグメントにより連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドをその制限地図により同定し、そしてpAR2と命名する。
プラスミドpAR3の構成
プラスミドpAR2を、 SpeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 SpeIにより線状化されたプラスミドpAR12 により連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドを、その制限地図により同定し、そしてpAR3と命名する。
プラスミドpAR4の構成
プラスミドpAR3を NsiIにより消化し、そしてそのベクターを、テトラサイクリン耐性遺伝子を含む、pARTr の NsiIフラグメントに連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン(12.5μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミドを、その制限地図により同定し、そしてpAR4と命名する。
プラスミドpAR5の構成
プラスミドpAR4を NotI及び XbaIにより消化し、そしてプラスミドpARTE の消化により得られた NotI− XbaIフラグメントにより連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン(12.5μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望のプラスミドをその制限地図により同定し、そしてpAR5と命名する。
プラスミドpAR5−2の構成
S.ヒグロスコピカスのrapC遺伝子の7.2kbpセグメントを、コスミド13(Schwecke, T.など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843) から、BstXI及び NdeIを用いて切り出し、ゲル電気泳動により精製し、そしてまたBstXI及び NdeIにより消化されているプラスミドpAR5により連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン(12.5μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(11.9kbp)を、その制限地図により同定し、そしてpAR5−2と命名する。
プラスミドpAR5−3の構成
プラスミドpAR5の3.0kbpセグメントを、 NdeIによる消化により切り出し、ゲル電気泳動により精製し、そして NdeIにより線状化されているプラスミドpAR5−2により連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン(12.5μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(14.9kbp)を、その制限地図により同定し、そしてpAR5−3と命名する。
プラスミドpAR8の構成
プラスミドpAR5−3の12.2kbp セグメントを、 PacI及び XbaIを用いて切除し、ゲル電気泳動により精製し、そして PacI及び XbaIにより切断されているプラスミド pRM52 (例4)により連結する。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン(30.3μg/ml)の存在下で増殖された個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。所望するプラスミド(14.9kbp)を、その制限地図により同定し、そしてpAR8と命名する。
S.エリスラエアJC2/pAR8の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリDH10B (pAR8)から単離された約5〜10μgのpAR8を用いて、S.エリスラエアJC2プロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを選択する。それらのコロニーの1つを選択し、そして全DNA をサザンハイブリダイゼーション分析のために調製し、前記プラスミドが、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の一部の染色体コピー中に特異的に組込んだことを確かめる。この株を、S.エリスラエアJC2/pAR8と命名する。
(ii)2,4−ビスノル−3−エピ−TKL 及び(Ac)−2,4−ビスノル−3−エピ−TKL の生成
S.エリスラエアJC2/pAR8のコロニーを採取し、そして50μg/mlのチオストレプトンにより補充されたスクロース−スクシネート培地に移し、そして30℃で増殖せしめる。3日後、ブイヨンを濾過し、そして等体積の酢酸エチルにより2度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして減圧下で濃縮する。残留物のGC−MSは、2,4−ビスノル−3−エピ−TKL(IV,R=Et)及び(Ac)−2,4−ビスノル−3−エピ−TKL(IV,R=Me)の存在を示す。
例26
プラスミドpE1A2TE の構成
プラスミドpE1A2TE(本明細書にまた記載されるプラスミド pE1A2TE−2のような)は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1の延長モジュール、次に、avr PKS の第2の延長モジュール、及びery PKS のチオエステラーゼを含んで成るハイブリッドタイプI PKS遺伝子を含むpT7.7 由来のプラスミドから成る。それを、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成する(図15)。
プラスミドpIG70 の構成
アベルメクチンPKS 遺伝子の一部を含むプラスミドpVE1446 を、E.コリATCC 68250から得た。プラスミドpVE1446 をBamHIにより消化し、そして座標6.05及び13.05 間の7.0kbpフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そしてBamHIにより線状化されたプラスミドpUC119中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べる。BamHI挿入体の2つの可能な配向のうち、 PstIにより消化される場合、約 2.0及び8.6kbpのフラグメントが得られ、そしてEcoRIにより消化される場合、約 5.1及び5.5kbpのフラグメントが得られるように、pIG70 を選択した。
プラスミドpIG71 の構成
アベルメクチンPKS 遺伝子の一部を含むプラスミドpVE1446 を、E.コリATCC 68250から得た。プラスミドpVE1446 をBamHIにより消化し、そして座標13.05 及び20.15 間の7.1kbpフラグメントをゲル電気泳動し、そしてBamHIにより線状化されたプラスミドpUC119中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。BamHI挿入体の2つの可能な配向のうち、EcoRI及び XhoIにより消化される場合、約5kbp の2つのフラグメントが得られるように、pIG71 を選択した。
プラスミドpIG70 ΔPst の構成
pIG70 を Pst1により切断し、そして再連結した。pIG70 ΔPstを、E.コリTG1rec0 の形質転換の後、単離した。
プラスミドpIG70 ΔEco の構成
pIG70 をEcoRIにより切断し、そして再連結した。pIG70 ΔEcoを、E.コリTG1rec0 の形質転換の後、単離した。
プラスミドpIG71 ΔSac の構成
pIG71 を SacIにより切断し、そして再連結した。pIG71 ΔSacを、E.コリTG1rec0 の形質転換の後、単離した。
プラスミドpIGPCRstart の構成
BglII部位を導入している合成オリゴヌクレオチド8985(5'-GAGCAGTCGTTCCGAGATCTCGGCTTCGATTCA-3')及び9204(5'-GGGAGGAGATCAGATCCCAGAAGT-3') のそれぞれ50pモルをPCR に使用し、60ngのpIG70 ΔEco から 300bpの生成物を増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、リン酸化し、そして SmaIにより線状化され、そして脱リン酸化されているpUC18 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。pIGPCRstart の配向を、EcoRI及び BglIIによる二重制限酵素消化物により同定し、 300bpフラグメントを含んでいるパターンを付与した。
プラスミドpIGPCRend の構成
BglII部位を導入している合成オリゴヌクレオチド8986(5'-GAGGGAGTCGAACCGAGATCTCGGAACGCGCGG-3')及び9205(5'-GGGGGATCCTGGGGTCGGCCGGGCAGGGCAA-3')のそれぞれ50pモルをPCR に使用し、60ngのpIG71 ΔSac から 440bpの生成物を増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、リン酸化し、そして SmaIにより線状化され、そして脱リン酸化されているpUC18 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。pIGPCRend の配向を、その制限酵素消化物パターンにより同定した。
プラスミドpIGstart+middleの構成
プラスミドpIGPCRstart を PstIにより消化し、そして 300bpのフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして PstIにより線状化され、そして脱リン酸化されているプラスミドpIG70 ΔPst 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 PstI− PstI挿入体の正しい配向を含むプラスミドを、DNA 配列決定により同定した。
プラスミドpIGAve2Bglの構成
プラスミドpIGstart+middleを、BamHIにより消化し、そして5.0kbpのフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そしてBamHIにより切断され、そして脱リン酸化されているプラスミドpIGPCRend中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。BamHI−BamHI挿入体の正しい配向を含むプラスミドを、DNA 配列決定により同定した。
プラスミドpE1A2TE の構成
プラスミドpIGAve2Bglを BglIIにより消化し、そして6kbp のフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして BglIIにより線状化され、そして脱リン酸化されているプラスミド pKW15(例16)中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 BglII− BglII挿入体の正しい配向を含むプラスミドを、EcoRIにより制限酵素消化物により同定した。
例27
プラスミドpIG2の構成及び使用
(i)構成
プラスミドpE1A2TE を NdeI及び XbaIにより消化し、そして11kbp のフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして NdeI及び XbaIにより切断されているプラスミド pRM52(例4)中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。
(ii)S.コエリカラー CH999/pIG2の構成
E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpIG2を用いて、S.コエリカラーCH999 のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べ、そしてプラスミドpIG2の存在をその制限パターンにより確かめた。
例28
プラスミドpIG102の構成
プラスミドpE1A2TE を NdeI及び XbaIにより消化し、そして11kbp のフラグメントをゲル電気泳動により精製し、そして NdeI及び XbaIにより切断されたプラスミド pCJR101(例2)中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。
例29
(i)プラスミドpKS22 の構成
プラスミドpKS22 は、DEBS1−TE−由来のトリケチドシンターゼ、及びKS1ドメインの代わりのKS2ドメインを含む、pNTEP2−由来のベクターである。プラスミドpKS22 を、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより得る(図16)。
プラスミドpMO07, pMO08及びpMO09 の構成
プラスミドpMO07 についてのPCR 増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、この1つはHindIII部位を含み、そして他はEcoRV部位を含む:
5'-GTCTCAAGCTTCGGCATCAGCGGCACCAA-3'
及び 5'-CGTGCGATATCCCTGCTCGGCGAGCGCA-3' 。
プラスミドpMO08 についての増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、この1つは PstI部位を含み、そして他はHindIII部位を含む:
5'-CATGGCCTGCAGGCTGCCCGGGGAGGTCGACT-3'
及び 5'-CCCGAAGCTTGACACACCTGCCCGGCGCACCCCGT-3'。
プラスミドpMO09 についての増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、この1つは MunI部位を含み、そして他は PstI部位を含む:
5'-GCGCGCCAATTGCGTGCACATCTCGAT-3'
及び 5'-CCTGCAGGCCATCGCGACGACCGCGACCGGTTCGCCG-3'。
PCR を、Pwo DNA ポリメラーゼ、及び次の1回のサイクル:96℃(1分);50℃(3分)でのアニーリング;及び72℃(1分)での延長;及び次の25回のサイクル:96℃(1分);50℃(1分)でのアニーリング;及び10%(体積/体積)のジメチルスルホキシドの存在下で72℃(1分)での延長;を用いて、鋳型としてのpNTEP2に基づいて実施した。生成物を、末端修復し、そして SmaIにより消化されたpUC18 中にクローン化し、そしてその連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。プラスミドDNA を個々のコロニーから調製した。pMO07 (3.8kbp),pMO08 (3.9kbp)及びpMO09 (4.3kbp)のための所望するプラスミドを、それらの制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpMO08 をHindIIIにより消化し、そして1.2kbpの挿入体を、HindIIIにより消化されたpMO07 中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(5.0kbp) を、その制限パターンにより同定し、そしてpMO10と命名した。
プラスミドpMO09 を PstIにより消化し、そして1.6kbpの挿入体を、 PstIにより消化されているpMO10 中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(6.6kbp) を、その制限パターンにより同定し、そしてpMO11 と命名した。
プラスミドpMO11 を、 MunI及びEcoRVにより消化し、そして3.9kbpのフラグメントを、 MunI及びEcoRVにより消化されているpNTEPH (下記を参照のこと)中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(13kbp)を、その制限パターンにより同定し、そしてpKS22 と命名した。
プラスミドpNTEPHを、HindIII部位を除去することによってpNTEP2から得た。pNTEP2をHindIIIにより消化し、5’オーバーハングをクレノウフラグメントDNA ポリメラーゼIによりフィルインし、そして再連結した。所望するプラスミド(13.6kbp)を、その制限パターンにより同定した。
例30
(i)プラスミドpIBO18の構成
プラスミドpIBO18は、KS2の代わりのKS1と共に、 DEBS1TE−由来のトリケチドシンターゼを含むpCJR24−由来のベクターである。プラスミドpIBO18を、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドを通して得た(図17A)。
プラスミドpKSA, pKSB及びpKSCの構成
プラスミドpKSAについてのPCR 増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、1つは PstI部位を含み、そして他はHindIII部位を含む:
5'-GATGGCCTGCAGGCTGCCCGGCGGTGTGAGCA-3'
及び 5'-GCCGAAGCTTGAGACCCCCGCCCGGCGCGGTCGC-3' 。
プラスミドpKSBについてのPCR 増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、1つは EspI部位を含み、そして他は PstI部位を含む:
5'-TGGCTTCGCTGGCGGACACGCTCAG-3'
及び 5'-CCTGCAGGCCATGCCGACGATCGCGATCGGCT-3' 。
プラスミドpKSCについてのPCR 増幅に関しては、次の合成オリゴヌクレオチドを突然変異誘発プライマーとして使用し、1つはHindIII部位を含み、そして他はBspEI部位を含む:
5'-GTCAAGCTTCGGGGTGAGCGGGACGAA-3'
及び 5'-GCGTCCGGACGTGGCTCCAGCA-3' 。
PCR を、Pwo DNA ポリメラーゼ、及び次の1回のサイクル:96℃(1分);50℃(3分)でのアニーリング;及び72℃(1分)での延長;及び次の25回のサイクル:96℃(1分);50℃(1分)でのアニーリング;及び10%(体積/体積)のジメチルスルホキシドの存在下で72℃(1分)での延長;を用いて、鋳型としてのpNTEP2に基づいて実施した。生成物を末端−修復し、そして SmaIにより消化されたpUC18 中にクローン化し、そしてその連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。プラスミドDNA を、個々のコロニーから調製した。pKSA (4.0kbp), pKSB (4.2kbp)及びpKSC (3.2kbp) のための所望するプラスミドを、それらの制限パターンにより同定した。
プラスミドpKSAを PstIにより消化し、そして1.2kbpの挿入体を、 PstIにより消化されているpKSB中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(5.5kbp) をその制限パターンにより同定し、そしてpKSDと命名した。
プラスミドpKSCをHindIIIにより消化し、そして0.5kbpの挿入体を、HindIIIにより消化されているpKSC中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(6.0kbp) を、その制限パターンにより同定し、そしてpKSEと命名した。
プラスミドpKSEを EspI及び EspeEIにより消化し、そして3.3kbpのフラグメントを、 EspI及び BspeEIにより消化されているpUCTE 中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(13.9kbp)を、その制限パターンにより同定し、そしてpIBO04と命名した。
プラスミドpIBO04を NdeI及び XbaIにより消化し、そして11.2kbp の挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているpCJR24中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(15.9kbp)を、制限パターンにより同定し、そしてpIBO18と命名した。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pIBO18の構成のためへのプラスミドpIBO18の使用
約5μgのプラスミドpIBO18を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2の末端中に組込んだことを確認した。
S.エリスラエアNRRL2338/pIBO18を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめた。この種子培養物20mlを用いて、凝集を減じるために、300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培養物 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH4に調節し、そして等体長の酢酸エチルにより3度抽出した。溶媒を蒸発により除去した。トリケチドラクトン生成物(10mg/l)を、GC−MS及びNMR により同定した。主成分は、(2R,3S,4S,5R)−2,4−ジメチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘキサン酸δラクトンであり;(2R,3S,4S,5R)−2,4−ジメチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ペプタン酸δラクトンもまた見出された(それらの化学式は下記の通りである):
Figure 2009213479
次のマクロライドが、HPLC/MSにより同定された:
Figure 2009213479
例31
(i)プラスミドpIBO17の構成
プラスミドpIBO17は、KS1の代わりのKS2、及びKS2の代わりにKS1と共に、 DEBS1TE−由来のトリケチドシンターゼを含むpCJR24−由来のベクターである。プラスミドpIBO17を、次の通りにして、いくつかの中間体プラスミドにより得る(図17B)。
プラスミドpIBO04をEcoRV及びEcoRIにより消化し、そして7.2kbpのフラグメントを、EcoRV及びEcoRIにより消化されているpKS22 中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10Bを形質転換した。所望するプラスミド(13.6kbp)を、その制限パターンにより固定し、そしてpIBO09と命名した。
プラスミドpIBO09を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして11.2kbp の挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているpCJR24中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(15.9kbp)をその制限パターンにより同定し、そしてpIBO17と命名した。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pIBO17の構成
約5μgのプラスミドpIBO17を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2の末端中に組込んだことを確する。
S.エリスラエアNRRL2338/pIBO17を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子20mlを用いて、凝集を減じるために、300rpmで振盪された、2lのフラスコに、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH4に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出した。溶媒を蒸発により除去した。トリケチドラクトン(0.4mg/l)の分析をGC−MS、光学回転及びNMR により行なった。単離された化合物は、下記式で表わされる(2R,3S,4S,5S)−2,4−ジメチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘキサン酸δラクトン;及び(2R,3S,4S,5S)−2,4−ジメチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘプタン酸δラクトンであることが見出された:
Figure 2009213479
次のマクロライドが、HPLC/MSにより同定された:
Figure 2009213479
例32
(i)プラスミドpIBO15の構成
プラスミドpIBO15は、LD,KS1,AT2,KR2, ACP2/6及びTEと共にジケチドシンターゼを含むpCJR24−由来のベクターである。プラスミドpIBO15を、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより得る(図18)。
プラスミドpIBO09を PstIにより消化し、4.4kbpのフラグメントを除去し、そして再連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(9.2kbp) を、その制限パターンにより固定し、そしてpIBO11と命名した。
プラスミドpIBO11を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして6.8kbpの挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているpCJR24中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(9.2kbp) を、その制限パターンにより同定し、そしてpIBO15と命名した。
(ii)S.エリスラエアJC2/pIBO15の構成のためへのプラスミドpIBO15の使用
約5μgのプラスミドpIBO15を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがTE中に組込んだことを確認する。
S.エリスラエアJC2/pIBO15を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を減じるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトン、 0.1mg/mlの4−ペンチン酸及び 0.1mg/mlの3−テトラデシルスルファニル−プロピオン酸を含むスクロース−スクシネート培地 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH3に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出した。溶媒を蒸発により除去した。ジケチド酸の分析を、標準としてジケチド酸のすべて4種の合成立体異性体を用いて、キラルカラム(Hydrodex−β−PM,25m×0.25mm ID (Machery - Nagel GmbH & CokG, Germany)) を備えたGC−MSにより行なった。生成される化合物を、(2R,3S)−2−メチル−3−ヒドロキシペンタン酸として同定した。
(iii)S.エリスラエア ORF5/pIBO15の構成のためへのプラスミドpIBO15の使用
約5μgのプラスミドpIBO15を用いて、S.エリスラエア ORF5のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2中に組込んだことを確認する。
S.エリスラエア ORF5/pIBO15を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒をESMSにより分析する。次の化合物が検出された:
Figure 2009213479
例33
(i)プラスミドpIBO16の構成
プラスミドpIBO10は、LD,KS2,AT2,KR2, ACP2/6及びTEと共にジケチドシンターゼを含むpCJR24−由来のベクターである。プラスミドpIBO16を、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより得る(図18)。
プラスミドpIBO09をHindIIIにより消化し、4.4kbpのフラグメントを除去し、そして再連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(9.2kbp) を、その制限パターンにより固定し、そしてpIBO12と命名した。
プラスミドpIBO12を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして6.8kbpの挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されているpCJR24中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換した。所望するプラスミド(9.2kbp) を、その制限パターンにより同定し、そしてpIBO16と命名した。
(ii)S.エリスラエア ORF5/pIBO16の構成のためへのプラスミドpIBO16の使用
約5μgのプラスミドpIBO16を用いて、S.エリスラエア ORF5のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2中に組込んだことを確認する。
S.エリスラエア ORF5/pIBO16を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒をESMSにより分析する。次の化合物が検出された:
Figure 2009213479
例34
プラスミドpJLK15の構成
プラスミドpJLK15は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む、pCJR24に基づくプラスミドであるが、但し、アシルトランスフェラーゼの末端と第2ery 延長モジュールのACP の開始との間のDNA セグメントがrap PKS のモジュール13の同等のセグメントにより置換されている。それを次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図19)。
プラスミドpJLK01の構成
S.エリスラエアのeryAI遺伝子の約0.46kbp のDNA フラグメントを、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-GGAGTATCGCGAGGGCGTGGGCAT-3 及び5'-CACCTAGGACCGCTTCCCAGTCGACC-3'、及び鋳型としてのプラスミドpNTEPHを用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されたプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK01をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpJLK08の構成
S.エリスラエアのeryAI遺伝子の約1.47kbp のDNA フラグメントを、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-TACCTAGGCCGGGCCGGACTGGTCGACCTGCCGGGTT-3' 及び
5'-ATCCTCAGGCTCTCCGTCTCCGGTTCTCC-3' 、
及び鋳型としてのプラスミドpNTEPHを用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されたプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK08をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpJLK09の構成
S.エリスラエアのeryAI遺伝子の約1.12kbp のDNA フラグメントを、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-TACCTGAGGGACCGGCTAGCGGGTCTGCCGCGTG-3'及び
5'-CTTCTAGACTATGAATTCCCTCCGCCCAGC-3'、
及び鋳型としてのプラスミドpNTEPHを用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されたプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK08をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpJLK10の構成
プラスミドpJLK08を、 PstI及び Bsu36Iにより消化し、そして PstI及び Bsu36Iにより消化されているプラスミドpJLK09により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK10をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK11の構成
プラスミドpJLK01を、 PstI及び AvrIIにより消化し、そして PstI及び AvrIIにより消化されているプラスミドpJLK10により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。
所望するプラスミドpJLK11をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK12の構成
プラスミドpJLK11を、 ScaIにより消化し、そして ScaIにより消化されているプラスミドpCJR34により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK12をその制限パターンにより同定した。pCJR34を次の手段により構成した。pNTEP2を NdeI及び XbaIにより消化し、そして NdeI及び XbaIにより前もって消化されているpUC19 中にクローン化した。所望するプラスミドpCJR34をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK13の構成
プラスミドpJLK12を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミドpCJR24により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。
所望するプラスミドpJLK13をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK14の構成
モジュール13の還元ループをコードするS.ヒグロスコピカスのrapC遺伝子の約3.3kbpのDNA を、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-CGCCTAGGCACCACCACAACCCGGGTACTGGACC-3'及び
5'-TAGCTAGCCGGGCGCTCAGGGGCTGCGAGCCGACCT-3'、鋳型としてのコスミドcos31 (Schwecke, T. など.(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 : 7839-7843) を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されたプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK14をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpJLK15の構成
プラスミドpJLK14を、 AvrII及び NheIにより消化し、そして AvrII及び NheIにより消化されているプラスミドpJLK13により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。
所望するプラスミドpJLK15をその制限パターンにより同定した。
例35
JC2/pJLK15の構成のためのプラスミドpJLK15の使用
約5μgのプラスミドpJLK15を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがTE中に組込んだことを確かめる。JC2/pJLK15を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培養物 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH3に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒を蒸発により除去し、そして残留物をメタノール(5ml)に溶解し、そしてエレクトロスプレー質量分析法により分析する。主生成物を、(2R,4R,5R)−2,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸δ−ラクトン(C14 ;MH :計算値:143.1072、実測値:143.110 ; MNa :計算値:165.0891;実測値:165.093)として、及び(2R,4R,5R)−2,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−n−ヘプタン酸δ−ラクトン(C16 ;MH :計算値:156.1150;実測値:156.118 ; MNa :計算値:178.0970;実測値:178.099)として同定した。
例36
プラスミドpJLK18の構成
プラスミドpJLK18は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む、pCJR24に基づくプラスミドであるが、但し、アシルトランスフェラーゼの末端と第2ery 延長モジュールのACP の開始との間のDNA セグメントがrap PKS のモジュール4の同等のセグメントにより置換されている。それを次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図20)。
プラスミドpJLK16の構成
モジュール4の還元ループをコードするS.ヒグロスコピカスのrapA遺伝子の約2.8kbpのDNA を、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-CCTAGGCACCACCACGGCCCGGGTGCTGGACCTT-3'及び
5'-CCTCAGGCTGTCACCGGTAGAGGCGGCCCT-3'、鋳型としてのコスミドcos25 (Schwecke, T. など.(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92 : 7839-7843) を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されたプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK16をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpJLK17の構成
プラスミドpJLK16を、 AvrII及び Bsu36Iにより消化し、そして2.8kbpのフラグメントを、 AvrII及び Bsu36Iにより消化されているプラスミドpJLK12により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK17をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK18の構成
プラスミドpJLK17を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして11.2kbp のフラグメントを、 NdeI及び XbaIにより消化されているプラスミドpCJR24により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK18をその制限パターンにより同定した。
例37
JC2/pJLK18の構成のためへのプラスミドpJLK18の使用
約5μgのプラスミドpJLK18を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがTE中に組込んだことを確かめる。S.エリスラエアJC2/pJLK18を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトン、 0.1mg/mlの4−ペンチン酸及び 0.1mg/mlの3−テトラデシルスルファニル−プロピオン酸を含むスクロース−スクシネート培養物 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH3に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒を蒸発により除去し、そして残留物をメタノール(5ml)に溶解し、そしてエレクトロスプレー質量分析法により分析する。主生成物を、(E,4R,5R)−2,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−n−2−ヘキサン酸(C24 ;MH :計算値:159.1021、実測値:159.098 ; MNa :計算値:181.0841;実測値:181.079)として、及び(E,4R,5R)−2,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−n−2−ヘプテン酸(C16 ;MH :計算値:173.1178;実測値:173.118 ; MNa :計算値:195.0997;実測値:195.104)として同定した。
例38
プラスミドpJLK21の構成(図21)
プラスミドpJLK19の構成
プラスミドpJLK19についての約1.3kbpのDNA フラグメントのPCR増幅のためには、次の合成オリゴヌクレオチド:
5'-GTCAAGCTTCGGGGTGAGCGGGACGAA-3'
及び 5'-ATCCTAGGACCGCTTCCCAGTCGACCGCGACA-3' をプライマーとして使用した。PCR を、鋳型としてpNTEPHを用いて実施した。PCR生成物をT4ポリヌクレオチドキナーゼにより処理し、そして次に、 SmaIによる消化により線状化されているプラスミドpUC18 により連結し、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJLK19をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK20の構成
プラスミドpIBO11を、HindIII及び NdeIにより消化し、そして2.9kbpのフラグメントを、HindIII及び NdeIにより消化されているプラスミドpJLK19中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJKL20をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpJLK21の構成
プラスミドpJLK20を、 AvrII及び NdeIにより消化し、そして AvrII及び NdeIにより消化されているプラスミドpJLK15中にクローン化した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpJKL21をその制限パターンにより同定した。
例39
JC2/pJLK21の構成のためへのプラスミドpJLK21の使用
約5μgのプラスミドpJLK21を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがチオエステラーゼ中に組込んだことを確かめる。JC2/pJLK21を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトン、 0.1mg/mlの4−ペンチン酸及び 0.1mg/mlの3−テトラデシルスルファニル−プロピオン酸を含むスクロース−スクシネート培養物 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH3に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒を蒸発により除去し、そして残留物をメタノール(5ml)に溶解し、そしてエレクトロスプレー質量分析法により分析する。主生成物を、(2R)−2−メチル−ブタン酸(C10 ;MH :計算値:103.0759;実測値:103.071 ; MNa :計算値:125.0578;実測値:125.052)として、及び(2R)−2−メチル−ペンタン酸として同定した。
プラスミドpJLK22の構成
プラスミドpJLK20を、 AvrII及び NdeIにより消化し、そして AvrII及び NdeIにより消化されているプラスミドpJLK18により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。
所望するプラスミドpJLK22をその制限パターンにより同定した。
例41
JC2/pJLK22の構成のためへのプラスミドpJLK22の使用
約5μgのプラスミドpJLK22を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがチオエステラーゼ中に組込んだことを確かめる。JC2/pJLK22を、50μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間、増殖せしめる。この種子培養物20mlを用いて、凝集を低めるために300rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトン、 0.1mg/mlの4−ペンチン酸及び 0.1mg/mlの3−テトラデシルスルファニル−プロピオン酸を含むスクロース−スクシネート培養物 400mlを接種する。6日後、ブイヨンを濾過し、pH3に調節し、そして等体積の酢酸エチルにより3度抽出する。溶媒を蒸発により除去し、そして残留物をメタノール(5ml)に溶解し、そしてエレクトロスプレー質量分析法により分析する。主生成物を、(E)−2−メチル−ブテン酸(C ;MH :計算値:101.0602;実測値:101.062 ; MNa :計算値:123.0422;実測値:123.043)及び(E)−2−メチル−ペンテン酸(C10 ;MH :計算値:115.0759;実測値:115.077 ; MNa ;計算値:137.0578;実測値:137.058)として同定した。
例42
プラスミドpKR1−0、すなわちケトラクトンシンターゼをコードするpCJR24の誘導体の構成のために、いくつかの中間体プラスミドを構成した(図22)。
プラスミドp37 の構成
ヌクレオチド9838〜11214(DEBS1−TEのアミノ酸3279〜末端までをコードする)を含むプラスミドpNTEP2の1.4kbpセグメントを、プライマーとして下記2種の合成オリゴヌクレオチド:
5'-GCCACTAGTGTGGCGTGGGGGCTGTGGG-3'及び
5'-TGAATTCCCTCCGCCCAGCCAGGCGTCGAT-3'、及び鋳型としてプラスミドpNTEP2を用いてPCR により増幅する。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そしてアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 SpeI部位がこのフラグメントの5’末端で導入されている所望するプラスミドp37 を、その制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドp37Nの構成
プラスミドp37 を、EcoRI及び KpnIにより消化し、そして1.4kbpのフラグメントを、EcoRI及び KpnIにより前もって消化されたpNTEP2に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するp37Nをその制限パターンにより同定した。
プラスミドpSCA7 の構成
ヌクレオチド8202からヌクレオチド9306まで延長するS.エリスラエアのeryAI遺伝子の1.1kbpのDNA セグメントを、プライマーとして下記合成オリゴヌクレオチド:
5'-CCTGGAGTACTGCGAGGGCGTG-3'及び
5'-CTGACTAGTGGCGGTGACGTGGGCGGGGGAAA-3'、
及び鋳型としてプラスミドpNTEP2を用いてPCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次にアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 SpeI部位がこのPCR 生成物の3’末端で導入されている所望するプラスミドpSCA7 をその制限パターン及びDNA 配列決定により同定した。
プラスミドpSH の構成
プラスミドp37Nを SpeI及びHindIIIにより消化し、そして1.4kbpのフラグメントを、 SpeI及びHindIIIにより前もって消化されたプラスミドpSCA7 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpSH をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpUCTE の構成
プラスミドpNTEP2を BglII及びHindIIIにより消化し、そして11.2kbp の挿入体を、BamHI及びHindIIIにより消化されたプラスミドpUC18 に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpUCTE をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpUC1−0の構成
pUCTE の3.9kbpの ScaI制限フラグメントと、pSH の3.4kbpの ScaI制限フラグメントとを置換した。所望するプラスミドpUC1−0をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpKR1−0の構成
pUC1−0の10.7kbp の NdeI及び XbaI制限フラグメントを、 NdeI及び XbaIにより消化されたpCJR24に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpKR1−0をその制限パターンにより同定した。
例43
S.エリスラエアJC2/pKR1−0の構成及び使用
(i)構成
約5μgのプラスミドpKR1−0を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがC−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分中に相同組換えにより特異的に組込んだことを確めた。1つのそのようなクローンを選択し、そしてS.エリスラエアJC2/pKR1−0と命名した。
(ii)S.エリスラエアJC2/pKR1−0を用いてのトリケチドラクトンの生成
S.エリスラエアJC2/pKR1−0を、10μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、酢酸エチルにより2度抽出した。組合された酢酸エチル抽出物をガスクロマトグラフィー、質量検出及びNMR により分析し、そして主生成物はそれぞれ20mg/lの合計収率での(2R,4R,5R)−2,4−ジメチル−3−ケト−5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸δ−ラクトン及び(2R,4R,5R)−2,4−ジメチル−3−ケト−5−ヒドロキシ−n−ヘプタン酸δ−ラクトンであることが見出される。
例44
ケトライドを生成するS.エリスラエア株の構成のためには、プラスミドpKET0 の構成が次の中間体プラスミドの構成を必要とする(図23)。
p1−0の構成
ヌクレオチド8715〜10645 のpUC1−0の1.9kbpセグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5'-CCCCTGCAGCCGGACCGCACCACCCCTCGTGACGA-3' 及び
5'-CTTCTAGACTATGAATTCCCTCCGCCCAGC-3 、及び鋳型としてpUC1−0のDNA を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そしてアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。p1−0と命名された所望するプラスミドを、制限分析及びDNA 配列決定により同定した。
pX3 の構成
ヌクレオチド7006〜7066のeryAIIIの60bpセグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5'-GGCGGAACGTCTTCCCGGCGGCACCT-3'及び
5'-CCCCTGCAGCCAGTACCGCTGGGGCTCGAA-3'、及び鋳型としてpEXDB3(Roberts, G. A., など.(1993) Eur. J. Biochem. 214 : 305-311)を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を、末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次にアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。pD3Pと命名された所望するプラスミドを、制限分析及びDNA 配列決定により同定した。
pT3 の構成
pX3 からの0.1kbpのEcoRI及び PstI制限フラグメントを、EcoRI及び PstIにより消化されたpT7−18により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。pT3 と命名された所望するプラスミドを、制限分析により同定した。
pT31−0の構成
p1−0からの1.9kbpの PstIフラグメントを、 PstIにより消化されたpT3 に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリDH10Bを形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。pT31−0と命名された所望するプラスミドを制限分析により同定した。
pD31−0の構成
pEXDB3 (Roberts, G. A., など.(1993) Eur. J. Biochem. 214: 305-311)からの3.3kbpの XmnI制限フラグメントと、pT31−0の2.7kbpの XmnI制限フラグメントとを置換した。所望するプラスミドpD31−0を制限分析により同定した。
pKET0 の構成
プラスミドpD31−0を BglIIにより消化し、そして11.3kbp のフラグメントを、 BglIIによる消化により線状化されたpIJ702に連結した。その連結混合物を用いてE.コリDH10B を形質転換し、そして個々のコロニーをプラスミド含有について調べた。pKET0 と命名された所望するプラスミドを、制限分析により同定した。
例45
(i)S.エリスラエアNRRL2338/pKET0 の構成
E.コリDH10B から単離された約5μgのプラスミドpKET0 を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが相同組換えによりeryAIII遺伝子中に特異的に組込んだことを確かめた。1つのそのようなクローンを選択し、そしてS.エリスラエアNRRL2338/pKET0 と命名した。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pKET0 を用いてのケトライドの生成
S.エリスラエアNRRL2338/pKET0 を、10μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、その上清液をpH9.5 に調節し、そして次に、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。組合された酢酸エチル抽出物を蒸発乾燥せしめ、残留物をメタノール(5ml)に採取し、そして次にHPLC及びエレクトロスプレーMSにより分析した。主生成物は、約10mg/lの収率での予測される3−ケトライドであることが見出された。エレクトロスプレー質量スペクトルの分析は、この化合物のためのプロトンアダクトが、正確な質量分析により確かめられる、558.4のMH 質量を示し;MH は 558.36418のC29527(556.36427 の実測)を要する。
Figure 2009213479
例47
プラスミドpMO7の構成
プラスミドpMO7(本明細書においてまた記載されるプラスミドpMO107のような)は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖−停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む SCP2 −に基づくプラスミドであるが、但し、前記第1ery 延長モジュール内のメチルマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA セグメントが、rap PKSのモジュール13のマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA により特異的に置換されている。それを、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図24)。
プラスミドpMO1の構成
eryAI(Donadio, S. など.Science (1991) 252 : 675-679) のヌクレオチド1948から3273に及ぶS.エリスラエアのeryAI遺伝子の約1.3kbpのDNA セグメントを、プライマーとして、次の合成オリゴヌクレオチド:
5'-CATGCTCGAGCTCTCCTGGGAAGT-3'及び
5'-CAACCCTGGCCAGGGAAGACGAAGACGG-3'、及び鋳型としてプラスミドpNTEP2(例5)を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。挿入体と接する StuI部位がポリリンカーにおけるHindIII部位に隣接している所望するプラスミドpMO1(3.9kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO2の構成
rapAのヌクレオチド1643からヌクレオチド2486まで延長する、S.ヒグルスコピカスのrapA遺伝子の約0.85kbp のDNA セグメントを、プライマーとして次のオリゴヌクレオチド:
5'-TTCCCTGGCCAGGGGTCGCAGCGTG-3' 及び
5'-CACCTAGGACCGCGGACCACTCGAC-3' 、及び鋳型として、組換えバクテリオファージ−1E(Schwecke, T.など.Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995) 92 : 7839-7843) を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18/2 より連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO2(3.5kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO3の構成
eryAIのヌクレオチド4128〜ヌクレオチド5928の、S.エリスラエアのeryAI遺伝子の約1.7kbpのDNA セグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5'-TGGCCAGGGAGTCGGTGCACCTAGGCA-3' 及び
5'-GCCGACAGCGAGTCGACGCCGAGTT-3' 、及び鋳型としてプラスミドpNTEP2を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次にアルカリホスファターゼにより処理されたプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 BalI及び AvrII部位がポリリンカーのHindIII部位に隣接している所望するプラスミドpMO3(4.4kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO4の構成
プラスミドpMO1を、HindIII及び BalIにより消化し、そして1.3kbpの挿入体を、HindIII及び BalIにより消化されているプラスミドpMO3により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO4 (5.6kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO5の構成
プラスミドpMO4を、 StuIにより消化し、そして3.0kbpの挿入体を、 StuIにより消化され、そしてベクターが3.8kbpの挿入体を除去するためにゲル電気泳動により精製されているプラスミドpNTEP2により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO5(12.8kbp)を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO6の構成
プラスミドpMO2を、 BalI及び AvrIIにより消化し、そして挿入体を、 BalI及び AvrIIにより消化されているプラスミドpMO5により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO6 (13.5kbp)を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO7の構成
プラスミドpMO6を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより、消化され、そしてゲル電気泳動により精製されているプラスミド pRM52 (例4)により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO7(また、pRMAT2とも称する)を、その制限パターンにより同定した。
例48
S.コエリカラー CH999/pMO7の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
E.コリET12567 (MacNeil, D. J. など.Gene (1992) 111 : 61-68)から単離されたプラスミドpMO7を用いて、S.コエリカラー CH999のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べ、そしてプラスミドpMO7の存在をその制限パターンにより確認した。
(ii)S.コエリカラー CH999/pMO7を用いての4−ノル−TKL 及び(Ac) 4−ノル−TKL の生成及び単離
S.コエリカラー CH999/pMO7を、50mg/mlのチオストレプトンを含むYEME培地中に接種し、そして28〜30%C下で5日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そしてpHを3に調節した。ブイヨンを等体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を等体積の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、約 200mgの粗生成物を得た。これを2mlのメタノールにより消化し、そして 0.5gの乾燥シリカゲルと共に混合し、そして次に、同じ材料のカラム(1cm×15cm)上でのフラッシュクロマトグラフィーにゆだねた。カラムをジエチルエーテルにより溶出し、そしてそれぞれ10mlの画分を集めた。画分4〜8をプールし、そしてジエチルエーテルを蒸発し、興味ある化合物を含む油状残留物約10mgを得た。それらをまず、水/メタノール(75:25;体積/体積)の混合物により、次に上昇するメタノールの線状グラジエント(30分後、水/メタノール55/45(体積/体積)に達する)により2ml/分の流速で溶出されるオクタデシルシリカ逆相カラム(10mm×25cm)上でのHPLCによりさらに精製した。約11分後、マイナー成分として、(Ac)4−ノル−TKL (R =Me,R =H,R =Me)を含む画分を集め、そして約18分後、主成分として、4−ノル−TKL (R =Me,R =H,R =Et)を含む画分を集めた。
4−ノル−TKL の 1Hスペクトルを、 Brnker AM−400 NMR 分光計を用いて決定した。実測:H(400 MHz, CDCl3) 4.18 (1H,dtd, 11.8, 6.1, 2.9 Hz, H−5),3.75(1H,ddd, 11.0, 10.0, 4.0 Hz,H−3),2.35(1H,dq,10.0, 7.0 Hz, H−2),2.20(1H,ddd, 13.3, 4.0, 2.9 Hz, H−4eq) ,1.6 −1.88(3H,m,2xH−6,H−4ax),1.41(1H,d,7.0 Hz, CH3−3’),1.01(1H,t,7.5 Hz, CH3−7)ppm 。
4−ノル−TKL の13C NMRスペクトルをまた決定した(100 MHz, CDCl) : 173.3 (C−1),77.7(C−5),70.4(C−3),45.1(C−2),37.7(C−4),28.8(C−6),13.5(C−3’),9.1 (C−7)。
例49
プラスミドpMO107の構成及びTKL 誘導体の生成
(i)構成
プラスミドpMO6を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されたプラスミド pCJR101(例2)により連結し、そしてゲル電気泳動により精製した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO7107 を、その制限パターンにより同定した。
(ii)S.エリスラエアJC2/pMO107を用いての4−ノル−TKL 及び(Ac)4−ノル−TKL の生成及び単離
S.エリスラエアJC2/pMO107を標準技法(たとえば、例26(i))により調製し、そして50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして28〜30%C下で35日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そしてpHを3に調節した。ブイヨンを等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を等体積の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、約10mg/lの粗生成物を得た。これを2mlのメタノールにより消化し、そして 0.5gの乾燥シリカゲルと共に混合し、そして次に、同じ材料のカラム(1cm×15cm)上でのフラッシュクロマトグラフィーにゆだねた。カラムをジエチルエーテルにより溶出し、そしてそれぞれ10mlの画分を集めた。画分4〜8をプールし、そしてジエチルエーテルを蒸発し、興味ある化合物を含む油状残留物約15mgを得た。それらをまず、水/メタノール(75:25;体積/体積)の混合物により、次に上昇するメタノールの線状グラジエント(30分後、水/メタノール55/45(体積/体積)に達する)により2ml/分の流速で溶出されるオクタデシルシリカ逆相カラム(10mm×25cm)上でのHPLCによりさらに精製した。約11分後、マイナー成分として、(Ac)4−ノル−TKL を含む画分を集め、そして約18分後、主成分として、4−ノル−TKL を含む画分を集めた。
精製された4−ノル−TKL 及び(Ac)4−ノル−TKL の H及び13Cスペクトルは、純粋な材料について得られたスペクトルと同一であった。
例50
プラスミドpCJR26の構成
プラスミドpCJR26は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖−停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む SCP2 に基づくプラスミドであるが、但し前記第1延長モジュール内のメチルマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA セグメントがrap PKS のモジュール2のマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA により特異的に置換されている。それを次の通りに構成した(図25):
プラスミドpMO6を NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化されたプラスミドpCJR24により連結し、そしてゲル電気泳動により精製した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCJR26をその制限パターンにより同定した。
例51
S.エリスラエアJC2/pCJR26の構成及びTKL 誘導体の生成
プラスミドpCJR26を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換した。チオストレプトン耐性コロニーを、10μg/mlのチオストレプトンを含むR2T20 培地上で選択した。いくつかのクローンを、 DIG−ラベルされたDEBS1−TE遺伝子とそれらのゲノムDNA とのサザンブロットハイブリダイゼーションにより、染色体中に組込まれるpCJR26の存在について試験した。pCJR26の組込まれたコピーを有するクローンを、5μg/mlのチオストレプトンを含むSSM 培地において増殖し、そして28〜30℃で7日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そしてpHを3に調節した。ブイヨンを2体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を等体積の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、約 500mgの粗生成物を得た。生成物は、下記式で表わされる(Ac)4−ノル−TKL 及び4−ノル−TKL であることが示された:
Figure 2009213479
例52
S.エリスラエアNRRL2338/pCJR26の構成及び14−員のマクロライドの生成へのその使用
約5μgのpCJR49のDNA を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、プラスミドが染色体中に組込まれている菌株を得た。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2に組込んだことを確かめ、新規マクロライド生合成経路を得た。さらなる組込みが生じ、反復されたプラスミド配列を得た。S.エリスラエアNRRL2338/pCJR49を、5μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間インキュベートした。この種子培養物 100mlを用いて、分散を助けるために2つのバネを有し、そして300rpmで振盪された、それぞれ 500mlの培地を含む5×2lのフラスコにおける5μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地を接種した。さらなる5日間の増殖の後、培養物を遠心分離し、そして上清液のpHを9に調節した。次に、上清液を等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして蒸発により溶媒を除去した。生成物をHPLC/MSにより分析し、そして下記2つのマクロライドをエリスロマイシン類似体として同定した:
Figure 2009213479
例53
プラスミドpC−ATX の構成
プラスミドpC−ATX は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖−停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む SCP2 に基づくプラスミドであるが、但し、前記第1延長モジュール内のメチルマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA セグメントが、ストレプトミセスシンナモネンシスATCC 14513 (ポリエーテルポリケチドモネンジンの生成体)からクローン化された推定上のタイプI PKS遺伝子クラスターからのマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA により特異的に置換されている。それを次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図26)。
コスミドpSCINO2 の単離
ストレプトミセスシンナモネンシスATCC 14513 (モネンジンの生成体)のゲノムライブラリーを、BamHI−線状化され、そしてアルカリホスファターゼ処理されたコスミドベクターpWE15 中に連結された染色体DNA のサイズ分別された35〜45kbp のSan3A フラグメントから構成した。連結混合物を、Gigapuckパッケージング抽出物を用いてλ−粒子中にパッケージし、そしてE.コリNM1blue 中にトランスフェクトした。前記ライブラリーの約 600のコロニーを、ナイロン膜の表面上で増殖せしめ、溶解し、そしてそれらのDNA をUV照射により膜に架橋せしめた。続いて、前記膜を、スクリーニング方法のために使用した。DEBSのモジュール2からのケトシンターゼドメインを含んで成るpMO8の挿入体を、32PαATP の存在下でのランダムプライミングによりラベルし、そしてDNA ハイブリダイゼーションのためのプローブとして使用した。プローブを、 0.4×SSC緩衝液において68℃で16時間ハイブリダイズし、そして続いて、 0.8×SSC 緩衝液において68℃で1時間、洗浄した。3個の陽性クローンを単離した。すべての3個のクローンの挿入体のDNA を、ベクターpWE15 に存在するT3及びT4プライミング部位から末端配列決定した。タイプIケトシンターゼ及びマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼドメインに対して相同の領域が、鋳型としてクローン2(pSCINO2 と命名される)を用いてT7プライミング部位からのDNA 配列において発見された。マロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼドメイン(ATX と称する)の部分DNA 配列決定は、前述のマロネート−又はメチルマロネート特異的CoA : ACPアシルトランスフェラーゼとは実質的に異なるドメインの推定上の基質認識部分に異常な配列型を示した(Haydock, S. F.など., FEBS (1995) 374 : 246-248) 。
プラスミドpMO38 の構成
ATX ドメインの約0.9kbpのDNA セグメントを、プライマーとして次のオリゴヌクレオチド:
5' CTGGCCAGGGCGCGCAATGGCCGAGCAT 3'及び
5' CCCTAGGAGTCGCCGGCAGTCCAGCGCGGCGCCC 3'、及び鋳型としてコスミドpSCINO2 からのDNA を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そしてアルカリホスファターゼにより処理されたプライマーpUC18により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO33 (3.5kbp)を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO34 は構成
プラスミドpMO34 は、挿入されたD1−AT2 遺伝子の停止コドンの後に挿入されるポリクローニング部位を有するpMO6の誘導体である。プラスミドpMO6をEcoRI及びHindIIIにより消化し、そしてポリクローニング部位の二本鎖領域を形成する下記2種のオリゴヌクレオチドによりアニーリングした:
5' AATTCATAACTAGTAGGAGGTCTGGCCATCTAGA 3'及び
5' TCGAAGATCTACCGGTCTGGAGGATGATCAATAC 3'。その混合物を連結し、そしてそれを用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換した。個々のコロニーを、それらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO34 (13.5kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO35 の構成
プラスミドpMO35 は、TKLS−AT2 遺伝子、及びストレプトミセスコリナスからの一時的に結合されたクロトニル−CoA −レダクターゼ遺伝子(Wallace など., E. J. Biochem. (1995) 233 : 954-962) を含むpMO34 の誘導体である。クロトニル−CoA −レダクターゼ遺伝子をプラスミドpZYB3 (Prof. K. Reynoldsの贈与物)から NdeI−BamHIフラグメントとして切出し、これをヤエナリヌクレアーゼにより処理し、ブラント末端化し、そして SpeIにより前もって切断され、そして同様にヤエナリヌクレアーゼを用いてブラント末端化されたpMO34 中に連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。クロトニル−CoA −ケトレダクターゼ遺伝子の正しい配向を有する所望するプラスミドpMO35 (14.2kbp) を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO36 の構成
プラスミドpMO33 を、 BalI及び AvrIIにより消化し、そして挿入体を、 BalI及び AvrIIにより消化されているプラスミドpMO35により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO36 (13.5kbp) を、その制限パターンにより同定した。
例54
プラスミドpC−ATX の構成
プラスミドpMO36 を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化され、そしてゲル電気泳動により精製されたプラスミドpCJR29により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpC−ATX をその制限パターンにより同定した。
例55
S.エリスラエアJC2/pC−ATX の構成及びTKL 誘導体の生成
プラスミドpC−ATX を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換した。チオストレプトン耐性コロニーを、10μg/mlのチオストレプトンを含むR2T20 培地上で選択した。いくつかのクローンを、 DIG−ラベルされたDEBS1−TE遺伝子コードのDNAとそれらのゲノムDNA とのサザンブロットハイブリダイゼーションにより、染色体中に組込まれるpC−ATX の存在について試験した。pC−ATX の組込まれたコピーを有するクローンを、5μg/mlのチオストレプトンを含むSSM 培地において増殖し、そして28〜30℃で7日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そしてpHを3に調節した。ブイヨンを2体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を等体積の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、約 500mgの粗生成物を得た。生成物をガスクロマトグラフィー、質量分析法及びNMR により特徴づけ、そして(2S,3R,4S,5R)−2−メチル−4−エチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘキサン酸δ−ラクトン及び(2S,3R,4S,5R)−2−メチル−4−エチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘプタン酸δ−ラクトンであることを示した:
Figure 2009213479
例56
S.エリスラエアNRRL2338/pC−ATX の構成及び14−員のマクロライドの生成へのその使用
約5μgのpC−ATX のDNA を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、プラスミドが染色体中に組込まれている菌株を得た。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2に組込んだことを確かめ、新規マクロライド生合成経路を得た。さらなる組込みが生じ、反復されたプラスミド配列を得た。S.エリスラエアNRRL2338/pC−ATX を、5μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間インキュベートした。この種子培養物 100mlを用いて、分散を助けるために2つのバネを有し、そして300rpmで振盪された、それぞれ 500mlの培地を含む5×2lのフラスコにおける5μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地を接種した。さらなる5日間の増殖の後、培養物を遠心分離し、そして上清液のpHを9に調節した。次に、上清液を等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして蒸発により溶媒を除去した。生成物をHPLC/MSにより分析し、そして下記2つのマクロライド生成物を同定した:
Figure 2009213479
例57a
プラスミドpC−AT12の構成
プラスミドpC−AT12は、ery 負荷モジュール、ery PKS の第1及び第2延長モジュール、及びery 連鎖−停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含む SCP2 に基づくプラスミドであるが、但し、前記第2延長モジュール内のメチルマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA 配列がrap PKS のモジュール2のマロニル−CoA : ACP アシルトランスフェラーゼをコードするDNA により特異的に置換されている。それを次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図27)。
プラスミドpMO25 の構成
eryAI(Donadio, S. など., Science (1991) 252, 675-679) のヌクレオチド6696からヌクレオチド7707まで及ぶS.エリスラエアのeryAI遺伝子の約1.0kbpのDNA セグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5' GGCGGGTCCGGAGGTGTTCACCGAGTT 3'
及び 5' ACCTTGGCCAGGGAAGACGAACACTGA 3'、及び鋳型として、プラスミドpNTEp2を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次にアルカリホスファターゼにより処理されているプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。挿入体に接している StuI部位がポリメラーゼにおけるHindIII部位に隣接している所望するプラスミドpMO25 (3.6kbp)を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO26 の構成
eryAIのヌクレオチド8660からヌクレオチド9258まで延長するS.エリスラエアのeryAI遺伝子の約0.6kbpのDNA セグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5' TCCTAGGCCGGGCCGGACTGGTCGACCTGCCGGGTT 3'
及び 5' AAACACCGCGACCTGGTCCTCCGAGC 3' 、及び鋳型としてプラスミドpNTEP2を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、 SmaIによる消化により線状化され、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理されているプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 AvrIII部位がポリリンカーのHindIII部位に隣接している所望するプラスミドpMO26 (3.2kbp)を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO27 の構成
プラスミドpMO25 を、EcoRI及び BalIにより消化し、そして1.0kbpの挿入体を、EcoRI及び BalIにより消化されているプラスミドpMO2により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO27 (4.4kbp)をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO32 の構成
プラスミドpMO26 を、 AvrII及びHindIIIにより消化し、そして0.6kbpの挿入体を、 AvrII及びHindIIIにより消化されているプラスミドpMO27 により連結した。その連結混合物を用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpMO32 (5.1kbp)をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpMO33 の構成
プラスミドpMO32 をBspEI及びSexAIにより消化し、そして2.7kbpの挿入体を、前記同じ酵素により消化され、そしてゲル電気泳動により精製され、2.8kbpの挿入体が除去されているプラスミドpNTEP2により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。プラスミドpMO33 (12.8kbp) を、その制限パターンにより同定した。
例57b
プラスミドpC−AT12の構成
プラスミドpMO33 を、 NdeI及び XbaIにより消化し、そして挿入体を、 NdeI及び XbaIにより消化され、そしてゲル電気泳動により精製されているプラスミドpCJR29により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpC−AT12をその制限パターンにより同定した。
例58a
S.エリスラエアJC2/pC−AT12の構成及びTKL 誘導体の生成
プラスミドpC−AT12を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換した。チオストレプトン耐性コロニーを、10μg/mlのチオストレプトンを含むR2T20 培地上で選択した。いくつかのクローンを、 DIG−ラベルされたDEBS1−TE遺伝子コードのDNAとそれらのゲノムDNA とのサザンブロットハイブリダイゼーションにより、染色体中に組込まれるpC−AT12の存在について試験した。pC−AT12の組込まれたコピーを有するクローンを、5μg/mlのチオストレプトンを含むSSM 培地において増殖し、そして28〜30℃で7日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そしてpHを3に調節した。ブイヨンを2体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を等体積の飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして酢酸エチルを減圧下で除去し、約 500mgの粗生成物を得た。生成物は、(3R,4S,5R)−4−メチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘキサン酸δ−ラクトン及び(3R,4S,5R)−4−メチル−3,5−ジヒドロキシ−n−ヘプタン酸δ−ラクトンであることが示された:
Figure 2009213479
例58b
S.エリスラエアNRRL2338/pC−AT12の構成及び14−員マクロライドの生成へのその使用
約5μgのpC−AT12のDNA を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、プラスミドが染色体中に組込まれている菌株を得た。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2の3’側に組込んだことを確かめ、新規マクロライド生合成経路を得た。さらなる組込みが生じ、反復されたプラスミド配列を得た。S.エリスラエアNRRL2338/pC−AT12を、5μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間インキュベートした。この種子培養物 100mlを用いて、分散を助けるために2つのバネを有し、そして300rpmで振盪された、それぞれ 500mlの培地を含む5×2lのフラスコにおける5μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地を接種した。さらなる5日間の増殖の後、培養物を遠心分離し、そして上清液のpHを9に調節した。次に、上清液を等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして蒸発により溶媒を除去した。生成物をHPLC/MSにより分析し、そして下記2つのマクロライドを同定した:
Figure 2009213479
例59
プラスミドpCJR49の構成
pCJR49は、モジュール2にケトレダクターゼを有さず、そしてモジュール2におけるATドメインが第2モジュールにおけるメチルマロニル延長体の代わりにマロニル延長体を組込むようにRAPS, AT2により置換されている変異体DEBS1−TE遺伝子を含むpCJR24に基づくプラスミドである(図28)。
pMO32 をBspEI及びSexAIにより消化し、そしてRAP モジュールからのATを含むフラグメントを、BspEI及びSexAIにより前もって消化されているpUC1−0中にクローン化し、プラスミドpCJR43を生成した。pCJR43を NdeI及び XbaIにより消化し、そして変異体DEBS1−TE遺伝子を含むフラグメントを、 NdeI及び XbaIにより前もって消化されているpCJR24中にクローン化し、プラスミドpCJR49を生成した。pCJR49を制限酵素マッピングにより確かめた。
例60
S.エリスラエアJC2/pCJR49の構成及びTKL 誘導体の生成
約5μgのpCJR49のDNA を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、プラスミドが染色体中に組込まれている菌株を得た。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryTE 中に組込んだことを確かめた。S.エリスラエアJC2/pCJR49を5μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間インキュベートした。この種子培養物 100mlを用いて、分散を助けるために2つのバネを有し、そして300rpmで振盪された、それぞれ 500mlの培地を含む5×2lのフラスコにおける5μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地を接種した。さらなる5日間の増殖の後、培養物を遠心分離し、そして上清液のpHを9に調節した。次に、上清液を等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして蒸発により溶媒を除去した。生成物をメタノールに溶解し、そしてFinnegan−MAT GCQ System上でGCMSにより分析した。この分析は、合成標準との比較により、2種の新規ラクトンが存在することを示した。それらの生成物は、下記(4S,5R)−4−メチル−3−ケト−5−ヒドロキシヘキサン酸δラクトン及び(4S,5R)−4−メチル−3−ケト−5−ヒドロキシヘプタン酸δラクトンであった:
Figure 2009213479
例61
S.エリスラエアNRRL2338/pCJR49の構成及び14−員マクロライドの生成へのその使用
5μgのpCJR49のDNA を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、プラスミドが染色体中に組込まれている菌株を得た。いくつかのコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドがeryAIのモジュール2に組込んだことを確かめ、新規マクロライド生合成経路を得た。さらなる組込みが生じ、反復されたプラスミド配列を得た。S.エリスラエアNRRL2338/pCJR49を、5μg/mlのチオストレプトンを含むトリプシン性大豆ブイヨン中に接種し、そして30℃で3日間インキュベートした。この種子培養物 100mlを用いて、分散を助けるために2つのバネを有し、そして300rpmで振盪された、それぞれ 500mlの培地を含む5×2lのフラスコにおける5μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地を接種した。さらなる5日間の増殖の後、培養物を遠心分離し、そして上清液のpHを9に調節した。次に、上清液を等体積の酢酸エチルにより3度抽出し、そして蒸発により溶媒を除去した。生成物をHPLC/MSにより分析し、そして下記2つのマクロライドを同定した:
Figure 2009213479
例62:プラスミドの構成(図29A−F)
プラスミドpCART11 は、アベルメクチン負荷モジュール、ery PKS のモジュール5及び6、及びery 連鎖−停止チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含むpRM52 に基づくプラスミドである。それを、次の通りに、いくつかの中間体プラスミドにより構成した。
プラスミドpCAR1 の構成
プラスミドpARLD をBamHI及び BglIIにより消化し、そして1.70kbp の挿入体を、BamHI及び BglIIにより消化されているプラスミドpEXD3 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCAR1 をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpCAR5 の構成
eryAIIIのヌクレオチド4807からヌクレオチド5052まで延長するS.エリスラエアのeryAIII遺伝子の 250bpのDNA セグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド:
5' TTTGCTAGCGATCGTCGGCATGGCGTGCCGGTT3'及び
5'CCCACGAGATCTCCAGCATGATCC3'、及び鋳型としてプラスミドpEXD3 を用いて、PCR により増幅した。PCR 生成物を末端−修復し、 SmaIによる消化により線状化され、そして次に、アルカリホスファターゼにより処理されているプラスミドpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 NheI部位がポリリンカーのEcoRI部位に隣接している所望するプラスミドpCAR5 を、その制限パターン及び配列分析により同定した。
プラスミドpCAR2 の構成
プラスミドpCAR5 を、 NheI及び BalIIにより消化し、そして 250bpの挿入体を、 NheI及び BalIIにより消化されているプラスミドpCAR1 より連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCAR2 をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpCAR21の構成
プラスミドpARTr を、 XbaIにより消化し、そして1.2kbpのテトラサイクリン遺伝子を、 XbaIにより消化されているプラスミドpCAR2 により連結した。その連結混合物を用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCAR21をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpCART3の構成
プラスミドpCAR21を PacI及び PstIにより消化し、そして13.0kbp の挿入体を、 PacI及び NsiIにより消化されているプラスミド pRM52により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCART3をその制限パターンにより同定した。
プラスミドpIGletの構成
プラスミドpARTr を XbaIにより消化し、そして1.20kbp のテトラサイクリン遺伝子を、 XbaIにより消化されているプラスミドpIGIにより連結した。その連結混合物を用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpIGletをその制限パターンにより同定した。
プラスミドpCART11 の構成
プラスミドpCAR21を、 NheIにより消化し、そして12.0kbp の挿入体を、 NheIにより消化されているプラスミドpIGletにより連結した。その連結混合物を用いてE.コリTG1rec0 を形質転換し、そしてテトラサイクリン活性に対して耐性の個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCART11 をその制限パターンにより同定した。
例63
S.エリスラエアNRRL2338/pCART11 の構成及びトリケチドラクトンの生成のためへのその使用
TG1rec0 から単離された約5〜10μgのpCART11 を用いて、S.エリスラエアNRRL2338を形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。
S.エリスラエアNRRL2338/pCART11 の5ml発酵を、TSB 培地において実施し、そして30℃での2日後、菌糸体を用いて、チオストレプトン(50μg/ml)を含む50mlのスクロース−スクシネート培地を接種した。30℃で4日間の増殖の後、全ブイヨンを、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。溶媒を濃縮し、そしてその混合物をGC−MS上で分析した。次の化合物が同定された:
Figure 2009213479
例64
プラスミドpARE24の構成
プラスミドpARE24は、ery 負荷モジュール、ery PKS のモジュール5及び6、及びery 連鎖停止チオエステラーゼを含んで成るPKS遺伝子を含むpCJR24に基づくプラスミドである。それを次の通りにして構成した(図30)。
プラスミドpCJR24の構成
プラスミドpCJR21を PacI及び XbaIにより消化し、そして13.0kbp の挿入体を、 PacI及び XbaIにより消化されているプラスミドpCJR24により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpCJR24を、その制限パターンにより同定した。
S.エリスラエアNRRL2338/pARE24の構成及びトリケチドラクトンの生成のためへのその使用
TG1rec0 から単離された約5〜10μgのpARE24を用いて、S.エリスラエアNRRL2338を形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。
S.エリスラエアNRRL2338/pARE24の5ml発酵を、TSB 培地において実施し、そして30℃での2日後、菌糸体を用いて、チオストレプトン(50μg/ml)を含む50mlのスクロース−スクシネート培地を接種した。30℃で4日間の増殖の後、全ブイヨンを、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。溶媒を濃縮し、そしてその混合物をGC−MS上で分析した。次の化合物が同定された:
Figure 2009213479
例65
プラスミドpARA24の構成(図30)
プラスミドpIG1は、 PacI及び NheIにより消化し、そして1.70kbp の挿入体を、 PacI及び NheIにより消化されているプラスミドpARE24により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpARA24を、その制限パターンにより同定した。
例66
S.エリスラエアNRRL2338/pARA24の構成
TG1rec0 から単離された約5〜10μgのpARA24を用いて、S.エリスラエアNRRL2338を形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。
S.エリスラエアNRRL2338/pARA24の5ml発酵を、TSB 培地において実施し、そして30℃での2日後、菌糸体を用いて、チオストレプトン(50μg/ml)を含む50mlのスクロース−スクシネート培地を接種した。30℃で4日間の増殖の後、全ブイヨンを、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。溶媒を濃縮し、そしてその混合物をGC−MS上で分析した。次の化合物が同定された:
Figure 2009213479
例67
プラスミドpARL3 の構成
プラスミドpARL3 は、ery 負荷モジュール、ery PKS のモジュール5及び6、及びery チオエステラーゼを含んで成るPKS 遺伝子を含むpCJR24に基づくプラスミドである。前記負荷モジュールとKS5ドメインとの間の連結がKS5 の最N−末端縁で行なわれる。それを次の通りにして、いくつかの中間体プラスミドにより構成した(図31)。
プラスミドpARL1 の構成
eryAIのヌクレオチド1からヌクレオチド10631 まで延長するeryAI遺伝子の 450bpのDNA セグメントを、プライマーとして次の合成オリゴヌクレオチド(太文字での塩基は、制限酵素部位を示す)を用いて、PCR により増幅した:
SphI
5' GGCGGCATGCGGCGGTTCCT3'
NheI HpaI
5' AAGCTAGCGGTTCGCCGGGCGCCGCTTCGTTGGTCCGCGCGCGGGTTAAC3' 。
プラスミドpARE24を鋳型として使用した。PCR 生成物を末端修復し、そして SmaIによる消化により線状化され、そして次にアルカリホスファターゼにより処理されたpUC18 により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。 NheI部位がポリリンカーのEcoRI部位に隣接している所望のプラスミドpARL1 をその制限パターン及び配列分析により同定した。
プラスミドpARL2 の構成
プラスミドpARL2 を NheI及び SphIにより消化し、そして 450bpの挿入体を、 NheI及び SphIにより消化されているプラスミドpARE24により連結した。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpARL2 を、その制限パターンにより同定した。
プラスミドpARL3 の構成
次の相補的合成オリゴヌクレオチドが、アニールされる場合、それらが、それぞれ HpaI及び NheIの作用により生成される5’及び3’末端で、必要なパターンを有するよう合成された:
5' AACCCGCGCGCGGACCAACGAAGCGGCGCCCGGCGAACCG3' 及び
5' CTAGCGGTTCGCCGGGCGCCGCTTCGTTGGTCCGCGCGCGGGTT3' 。
合成オリゴヌクレオチドをアニールし、 NheI及び HpaIにより消化されたプラスミドpARL2 に連結された二本鎖DNA を得た。その連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpARL3 を、その制限パターンにより同定した。
例68
S.エリスラエアJC2−pARL3 の構成及びトリケチドラクトンの生成のためへのその使用
TG1rec0 から単離された約5〜10μgのpARL3 を用いて、S.エリスラエアJC2を形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。S.エリスラエアJC2−pARL3 の5ml発酵を、TSB 培地において実施し、そして30℃での2日後、菌糸体を用いて、チオストレプトン(50μg/ml)を含む50mlのスクロース−スクシネート培地を接種した。30℃で4日間の増殖の後、全ブイヨンを、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。溶媒を濃縮し、そしてその混合物をGC−MS上で分析した。次の化合物が同定された:
Figure 2009213479
例69
avr 負荷ドメインがS.エリスラエアNRRL2338のery 負荷ジドメインにより置換されているハイブリッドPKS 遺伝子を担持するS.エリスラエアERMD1の構成
(i)プラスミドpAVLD の構成
プラスミドpCRabc(例9)をBamHIにより線状化し、そして BglIIにより前もって消化されたpIJ702に連結した。その混合物は、所望するプラスミドpAVLD(図32)を含んだ。前記連結混合物を用いて、E.コリTG1rec0 を形質転換し、そして個々のコロニーをそれらのプラスミド含有について調べた。所望するプラスミドpAVLD を、その制限パターンにより同定した(図32)。
(ii)S.エリスラエアERM D1の構成
E.コリTG1rec0 (pAVLD) から単離された約5〜10μgのpAVLDを用いて、S.エリスラエアNRRL2338を形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。それらのコロニーの1つを選択し、そして全DNA を PstIにより消化し、そしてケトシンターゼドメインKS1 をコードするeryAI遺伝子のフラグメントを含むプラスミドpCRcからの挿入体をプローブとして用いて、サザンハイブリダイゼーションにより分析した。その分析は、8.5kbp,4.8kbp及び33kbp の陽性ハイブリダイズ PstIフラグメントを示し、これらがpAVLD の2つのタンデムに組込まれたコピーの存在を示す(図33)。
例70
C−13で変更されたエリスロマイシンの単離
S.エリスラエアERMD1の50ml発酵を、水道水培地上で実施し、そして30℃で4日後、菌糸体を収穫し、そしてチオストレプトン(50μg/ml)を含む 1.5lのスクロース−スクシネート培地を接種するために使用した。
30℃で4日間の増殖の後、全ブイヨンを、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。組合された抽出物を減圧下で濃縮し、そしてクロロホルム/メタノール/0.88%アンモニア(8:2:0.01;体積による)により溶出される、シリカプレート(20×20cm)上での分離用薄層クロマトグラフィーに2度ゆだねた。生成物を、1ml/分で、メタノール/ 0.5%酢酸アンモニウム(70:30(体積/体積))により溶出される、Phase Sep C18 塩基−不活性化された逆相カラムS5odS(オクタデシルシリカ)6(4.6mm ×250mm)上でのHPLCにより分離した。画分を、3つの別々の注入から、7〜11分間集め、そしてプールされた画分を10の別々の注入により再注入した。カラムからの溶出の順序は、エリスロマイシンB類似体、続いて、エリスロマイシンD類似体及びエリスロマイシンA類似体であった。B及びD類似体は、8〜10分後に出現し、エリスロマイシンA類似体は3〜4分後に出現した。C−4(イソブチリル)スターター単位を含む類似体は、より早く溶出され、そしてC−5(2−メチルブチリル)スターター単位を有する類似体は数分後に出現し、但しC−4が遅く(eryA類似体)、そして早いC−5(エリスロマイシンB及びD類似体)はオーバーラップする。高い解像度のMSは、C−4eryA,eryB及びeryD類似体、及びC−5eryA及びeryB類似体に関する結果を付与し、それらは計算された結果に密接に対応する:
類似体 計算された質量 測定された質量
C5−eryA 762.5004 762.5021
C4−eryA 748.4847 748.4820
C5−eryB 746.4898 748.5077
C4−eryB 732.4898 732.4933
それらの実験においては、天然のエリスロマイシンは低い量でか又は検出できない量でのみ存在し、そして検出できる量のeryC類似体は存在しなかった。ブイヨンの酢酸エチル抽出物のESMSにより評価されるような、発酵ブイヨンにおけるC−4/C−5化合物の全体の濃度比は、C−4化合物のためには4:1〜6:1であった。A:B:D類似体の比は変動性であり、約15:60:25であるが、しかし発酵が進行するにつれて、A類似体の割合が上昇する。エリスロマイシンの全体の収率は、約 400μg/lである。
例71
S.エリスラエアNRRL2338/pRMTE の構成及び使用
(i)構成
E.コリTG1rec0 から単離された約5μgのプラスミド pRMTE(例6)を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。それらの1つを選択し、そしてS.エリスラエアNRRL2338/pRMTE の命名した。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pRMTE を用いてのエリスロマイシンA及びエリスロノリドの増強された生成
S.エリスラエアNRRL2338/pRMTE を、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース及びスクシネート培地において、28〜30℃で増殖せしめた。3日後、全ブイヨンを等体積の酢酸エチルにより2度抽出し、組合された酢酸エチル抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして減圧下で濃縮した。イソプロピルエーテル:メタノール:水酸化アンモニウム75:35:1(体積による)により溶出される、シリカプレート上での薄層クロマトグラフィーによる抽出物の試験は、いくつかの成分の存在を示した。抽出物のエレクトロスプレー質量分析は、エリスロマイシンA、エリスロノリドB(EB)及び6−デオキシエリスロノリドB(6−DEB)、並びに、そのナトリウムアダクトとして少量の(Ac)−6−DEB ,Naアダクトとして(Ac)−EB(411.1)、及びNaアダクトとしてEB(424.1)、及びまた TKL(m/e 159.1) の混合物の存在を示した。エリスロマイシンA及びエリスロノリドBの収率は培地1l当たり約 500mgであり、比較して、同一の条件下で発酵されるS.エリスラエアNRRL2338により生成される前記のものの収率は約50mg/lであった。3日後、発酵ブイヨンから収穫されたS.エリスラエアNRRL2338/pRMTE の細胞を破壊し、そしてそれらのタンパク質含有を、ドデシル硫酸ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動により試験した。エリスロマイシンPKS 多酵素サブユニットDEBS1,DEBS2及びDEBS3に対応する3種の高分子量バンドが観察され、このバンドは、同じ方法により調製されたS.エリスラエアNRRL2338の細胞抽出物から見出される同じタンパク質バンドよりも約10倍強かった(Caffrey, P. など. FEBS Letters (1992) 304 : 225-228)。
S.エリスラエアNRRL2338/pRMTE の同一の発酵を実施したが、但し、培地が5mMのプロピオン酸カリウムにより補充された。3日後、ブイヨンを前記のようにして、酢酸エチルにより抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして濃縮した。イソプロピルエーテル:メタノール:水酸化アンモニウム75:35:1(体積による)のシステムを用いての分離用TLC は、2種の主成分を分離した。分析用TLC は、より早く移動する成分(Rf=0.8)が純粋の6−DEB と同じ移動度を有し;そして遅く移動する材料は、TKL の純粋なサンプルと同時移動する、Rf=0.63の成分とのほぼ同じ混合物であり;そしてRf=0.60の成分はEBの純粋なサンプルと同じ移動度を有することを示した。陽性イオンモードで作動するVG BioQ 質量分光計に基づくエレクトロスプレー質量分光法(ESMS) は、Rf=0.75の成分が、6−DEB のために必要とされるように、m/e=387.4 を有することを示した。Rf値=0.60及び0.63を有する成分の混合物のESMSが、TKL 及びEBの存在を確認した。
例72
S.エリスラエア TER43/pRMTE の構成及び使用
(i)構成
約5μgのプラスミドpRMTE を用いて、S.エリスラエアTER43(Cortes, J. など., Science (1995) 268 : 1487-1489)のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。それらの1つを選択し、そしてS.エリスラエア TER43/pRMTE と命名づけた。
(ii)S.エリスラエア TER43/pRMTE を用いてのTKL の増強された生成
S.エリスラエア TER43/pRMTE を、1lのスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして28〜30℃で3日間、増殖せしめた。3日後、ブイヨンを等体積の酢酸エチルにより2度抽出し、そして組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして濃縮した。エレクトロスプレー質量分光法(陽性イオンモードで作動される)による抽出物の分析は、TKL(m/e 173.1) 及び(Ac)−TKL(m/e 159.1) の存在を示した。トリケチドラクトンの組合された収率は 100mg/lであり、比較して、10mg/lが同一の条件下でのS.エリスラエアTER43 の発酵により得られた。3日後、発酵ブイヨンから収穫されたS.エリスラエア TER43/pRMTE の細胞を破壊し、そしてそれらのタンパク質含有率を、ドデシル硫酸ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動により試験した。結合されたチオエステラーゼドメインを有するエリスロマイシンPKS サブユニットDEBS1に対応する高分子量バンド(Cortes, J.など., Science (1995) 268 : 1487-1489)が観察され、このバンドは、同じ方法により調製されたS.エリスラエアの細胞抽出物から見出される同じタンパク質バンドよりも約10倍、より強かった。
例73
S.エリスラエアNRRL2338/pCJRTE (pCJR30) の構成及び使用
(i)構成
約5μgのプラスミドpCJRTE (pCJR30) を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離した。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドpCJRTE (pCJR30) に由来する actIプロモーターの制御下に存在のeryA遺伝子を配置するために、プラスミドが相同組換えによりeryA遺伝子中に特異的に組込み、そして入って来るプラスミドにより担持されるDEBS1−TE遺伝子が染色体eryAプロモーターの制御下に、組込み現象により配置されることを確かめた。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pCJRTE (pCJR30) を用いてのエリスロマイシン及びそれらの前駆体の増強された生成
S.エリスラエアNRRL2338/pCJRTE (pCJR30) を、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、等体積の酢酸エチルにより2度抽出した。組合された酢酸エチル抽出物を質量分析法により分析し、そして、混合物が6−DEB, (Ac)−DEB, TKL及び(Ac)−TKL と共にエリスロマイシンAを、 100mg/lの合計量で、又は同じ条件下でS.エリスラエアNRRL2338を用いて得られるエリスロマイシン及びその前駆体の合計量の5倍の量で含むことが見出された。
例74
S.エリスラエアJC2/pCJRTE (pCJR30) の構成及び使用
(i)構成
約5μgのプラスミドpCJRTE (pCJR30) を用いて、S.エリスラエアJC2のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが、相同組換えにより、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分中に特異的に組込んだことを確かめる。
(ii)S.エリスラエアJC2/pCJRTE (pCJR30) を用いてのトリケチドラクトンの増強された生成
S.エリスラエアJC2/pCJRTE (pCJR30) を、50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめた。この後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、等体積の酢酸エチルにより2度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を質量分光法及びNMR により分析し、そして主生成物がTKL であり、そしてマイナー生成物が(Ac)TKL であり、合計収率が10mg/lであり、これはS.エリスラエアTER43 を用いて得られた収率よりも10倍、高いことが見出される。
例75
S.エリスラエアNRRL2338/pIG1の構成及び使用
(i)構成
約5μgのプラスミドpIG1を用いて、S.エリスラエアNRRL2338のプロトプラストを形質転換し、そして安定したチオストレプトン耐性コロニーを単離する。いくつかのそのようなコロニーから、全DNA を得、そしてサザンハイブリダイゼーションにより分析し、プラスミドが、相同組換えにより、C−末端チオエステラーゼ/サイクラーゼをコードするeryAIII遺伝子の部分中に特異的に組込んだことを確認する。
(ii)S.エリスラエアNRRL2338/pIG1を用いての14−員ラクトンの生成
S.エリスラエアNRRL/pIG1を、50μg/mlのチオストレプトンを含む水道水培地中に接種し、そして30℃で4日間、増殖せしめる。この後、菌糸体溶液20mlを用いて、凝集を減じるために280rpmで振盪された、2lのフラスコに50μg/mlのチオストレプトンを含むスクロース−スクシネート培地 500mlを接種する。 3.5〜6日後、ブイヨンを濾過し、菌糸体を除去し、そして次に、1/4体積の酢酸エチルにより3度抽出する。組合された酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥せしめ、そして蒸発により溶媒を除去する。GC及びエレクトロスプレーMSを用いての生成物混合物の分析は、合計5〜6mg/lの14−員マイクロライド生成物のうち、主成分は(s−pent) −エリスロマイシンD(約 1.5mg/l)であり、そして存在する他の成分は(s−pent)−エリスロマイシンB及び(s−pent) −エリスロマイシンA;(i−but)−エリスロマイシンA,B及びD;及び少量の天然のエリスロマイシンA,B及びDであることを示した。抽出物はまた、有意な量(11mg/l)のTKL :(s−pent)−TKL(5mg/l)、(i−but)−TKL 及びTKL を含んだ。(NB,s−pent及びi−but は、それぞれ1−メチルプロピル及びイソプロピル側鎖を示し、s−2−メチルブチル及びi−ブタノイルスターター基質の使用に対応する。)
例76
新規エリスロマイシンA類似体の抗生物質活性の決定
バシラスサブチリス(Bacillus subtilis) ATCC 6633の一晩の培養物3mlを、栄養ブイヨン(Difco) において30%C下で増殖せしめた。46%C下での 1.5%の栄養寒天(difco) 200ml を、S.サブチリス培養物1mlにより接種する、そしてすぐに、ペトリ皿中に注いだ。層流フード下でプレートを15分間、乾燥せしめた後、ウェル(直径 0.4mm)を、コルク穴開け器を用いて切断し、そしてエタノール中、試験化合物の溶液(5〜10mg/l)20μlを、個々のウェルに添加した。プレートを4%C下で5〜7時間維持し、化合物の拡散を可能にし、そして次に、プレートを30℃で一晩インキュベートした。増殖阻害の透明な部分が、(i−but)−及び(s−pent)−エリスロマイシンAの両者に関して見られた。
本発明は上記例により例示されるが、それらは本発明を限定するものではない。上記の記載は、まず、予測に反して、その特定の認識活性化因子遺伝子に結合されるタイプII PKS遺伝子のための特定のプロモーターが、異種宿主においてタイプI PKS遺伝子の制御され、且つ増強された発現を達成するためにいかにして使用され得るかを示す。与えられるそれらの宿主の例は、S.エリスラエア、及びS.アベルミチリスであるが、しかし広範囲の放線菌からの他の宿主が発現宿主として同等に作動するであろうことは、当業者に明らかであろう。同様に、 actIプロモーター及びその認識活性化因子遺伝子 actII− orf4がそれらの例に使用されて来たが、広範囲の放線菌からの異種細胞において制御され、そして増強されたタイプI PKS遺伝子の発現の方向づけにおいて同等に効果的である他のタイプII PKSプロモーター/活性化因子遺伝子組合せが、良く知られており、そして特徴づけられることは、当業者に明らかであろう。そのようなプロモーター/活性化因子遺伝子組合せの例は、dnr遺伝子クラスターのプロモーター及びストレプトミセスペウチセウス(Streptomyces peucetius) のダウノルビシン遺伝子からの dnrI活性化因子遺伝子(Madduri, K. and Hutchinson, C. R. J. Bacteriol (1995) 177 : 1208-1215)、及び遺伝子redXのプロモーター及びS.コエリカラーのウンデシルプロジゴシン遺伝子クラスターからの活性化因子遺伝子redD (Takano, E.など. Mol. Microbiol.(1992) 2 : 2797-2804) を包含する。
第2に、上記の記載は、キラル合成中間体として又は生物活性材料、たとえば抗生物質として利用性の新規ポリケチド生成物を得るためへのハイブリッドタイプI PKS遺伝子の構成及びそれらの使用について最初に例示する。ハイブリッドPKS 遺伝子は、負荷モジュールの置換により、又は延長モジュールにおける個々のドメインの置換により、もしくは完全なモジュールの置換により構成された。従って、avr 負荷モジュールによるery 負荷モジュールの置換が、新規エリスロマイシンA類似体又はトリケチドラクトンのいづれかを得るために本明細書に記載されている。ery 負荷モジュールの他の変更が他のタイプI PKS遺伝子組の負荷モジュールによるその置換を通して得られることは当業者に容易に理解できるであろう。そのような変更の例は、rap PKS の負荷モジュール;及び FK506−産生PKS の負荷モジュールによる置換を包含する。そのような変更は、それらのスターター単位において特異的に変更されるポリケチドの合成を導びくであろう。
avr 負荷モジュールが、発酵培地に含まれる場合、広範囲の非天然カルボン酸を代わりのスターター単位として受容することができることは、当業者に良く知られている。従って、本発明においては、C−13置換基がエチルの代わりに、本明細書に示されたイソプロピル又は sec−ブチルである新規エリスロマイシンA誘導体の合成の他に、多くの他の新規エリスロマイシンA誘導体が、ハイブリッドPKS を有する適切な菌株に、適切な非天然カルボン酸(又は発酵によりそれらに転換できる化合物)、たとえば一般式R−COOH(ここで、Rはα−枝分れ基であり、そして−COOH基を担持する炭素がまた、水素以外の少なくとも2つの他の原子又は基に結合されている)で表わされる非天然カルボン酸(好ましい非天然カルボン酸は、ヨーロッパ特許EP 214,731, March 18, 1987, Pfizerにおいて非天然アベルメクチンの生成について記載されるものである)を供給することによって、得られることは明らかである。そのエリスロマイシンAの得られる新規類似体は、当業界において十分に理解されている方法により、細菌感染の処理への相当の利用性を有するエリスロマイシンAのさらなる新規半−合成誘導体、たとえばケトライド及びアザライドに転換され得る。本発明のそれらの態様は、価値ある生物活性生成物の化学合成における可能性ある利用性の新規キラル材料である。14−員マクロライドである生成物は、既知のエリスロマイシン及び既知のエリスロマイシンの半合成誘導体、たとえばフランス特許第 2697523号(06/05/94)Roussel Uclaf ; 第269724号(06/05/94)Roussel Uclaf ; 及び第 2702480号(16/09/94)Roussel Uclaf に開示されるケトライドと同じ微生物標的物を有する高い価値の抗細菌剤である新規エリスロマイシンA類似体である。
rap PKS の負荷モジュールによるery 負荷モジュールの置換がまた、新規で且つ有用なエリスロマイシンAの類似体(ここで、天然のプロピオネートスターター単位がシクロアルキルカルボン酸スターター単位により置換されている)を導びくであろうことは、当業者に明らかであろう。そのようなハイブリッドタイプI PKSの形成のさらなる例は、非天然のラパマイシンの形成を誘導する、avr 負荷モジュールによるストレプトミセスヒグロスコピカスにおけるrap 負荷モジュールの置換;及び非天然のアベルメクチンのさらなる例の形成を誘導する、rap 負荷モジュールによるストレプトミセスアベルミチリスにおけるavr 負荷モジュールの置換を包含するが、但しそれらだけには限定されない。本発明はまた、例に記載される1以上の遺伝子操作が組合されている変異体も包含する。
本発明においては、タイプI PKSの負荷モジュールの特異性の変更が、他方では、インビトロ遺伝子組換えの技法(Stemmer, W. P. Nature (1994) 370 : 389-391) において実施されるように、天然の負荷モジュールをコードする遺伝子の突然変異誘発、及び次に、所望する変更された特異性についての選択により達成され得ることもまた明らかであろう。
上記に列挙される例はまた、適切な放線菌宿主中へのPKS 遺伝子の供給のためのベクターとしての低コピー数のプラスミドベクターpCJR101 の構成及び使用を教授する。プラスミドpCJR101 は、受託番号NRRL 15041としてNorthern Regional Research Laboratory, Peoria, Illinois, USAに寄託されている株ストレプトミセスコエリカラーM110 に見出されるプラスミド SCP2 (Bibb, M. J. and Hopwood, D. A. J. Gen. Microbiol. (1977) 154 : 155-166) に由来する。プラスミド SCP2 は、いくつかの有用なベクター、例えばpIJ2839 (Ingram, C. など. J. Bacteriol. (1989) 171 : 6617-6624) ;プラスミドpHJL197 (Larson, J. L. and Hershberger, C. L. J. Bacteriol. (1983) 157 : 314-317) 及びpRM5 (McDaniel, R.など.Science (1993) 262 : 1546-1550) の構成においてこれまで使用されて来た。それらの又は他の SCP2 に基づくプラスミドのいづれかが、本明細書に記載されるいくつかの例にプラスミドpRM5の使用により示されるように、直接的に又はPKS 遺伝子に結合される適切なプロモーターを導入するためにベクターの修飾の後、pCJR101 により置換され得ることは、当業者に明らかであろう。高いコピー数のベクター、例えばストレプトミセスガナエンシス(Streptomyces ghanaensis)プラスミドpGS5に由来するプラスミドpGM8 (Mnth, G.など. Mol. Gen. Genet. (1989) 219 : 341-350)はまた、インテグレイティブベクター、たとえばプラスミドpSAM2 (Murakami, T. など. J. Bacteriol. (1989) 171 : 1459-14??) のように、pCJR101 のための置換基として適切である。当業者は、放線菌における遺伝子工学のために有用なような当業界において良く知られているベクターの多くの誘導体への、本明細書に開示されるようなタイプII PKS活性化因子遺伝子及びそれらの同系プロモーターの異種使用を通して、天然又は非天然の複合体ポリケチド、たとえばマクロライド及びポリエーテルの生合成速度を早めるためのアプローチの多様性を容易に理解するであろう。
ハイブリッドタイプI PKS遺伝子の構成において、前記例は、ドナー及び受容体PKS 成分をコードする構造遺伝子が、新規ポリケチドの合成をもたらすことができる機能的触媒を創造するために、いかにして一緒にスプライスされ得るかを教授する。本発明は、連結がドナーと受容体DNA との間で創造されるであろう場合を選択する際、いわゆるリンカー領域におけるドメイン間に存在することが知られているか又は予測される位置にその選択を制限することが、驚くべきことには必要でないことを示す。代わりに、連結は、配列が高く保存されるドメイン(特にKS又はATドメイン)の縁領域に存在することが好ましい。ハイブリッドを創造するためには、PKS モジュールが複数の天然のPKS から組合され得ることはまた明らかである。本明細書における例においては、ドナーDNA がアシルキャリヤータンパク質(ACD) ドメインにおける又はモジュールのケトシンターゼ(KS)ドメインにおける種々の位置で受容体DNA 中にスプライスされるが、しかし本発明の範囲は、相同ドメイン間の連結がタイプI PKSモジュールのいづれかの構成部分内に存在するよう選択されるハイブリッドPKS を包含することもまた明らかである。しかしながら、ドメイン内に存在し、そしてドメインの一端に隣接して存在する個々の連結のための位置を選択することが最とも好都合であることが見出され、その結果、キメラモジュールの特異性が容易に予測され得、そしてその正しい機能の障害が最少にされるであろう。
本発明においては、ハイブリッドPKS が、それぞれ、負荷モジュール、少なくとも6の数までの種々の数の延長モジュール、及び連鎖−開放チオエステラーゼドメインをコードするDNA の断片を選択し;そして前記DNA を、遺伝子生成物が作用すると思われる順序で、標準方法を用いて連鎖することによって構成され得ることは、容易に理解されるであろう。NB:6個のモジュールを有するハイブリッドPKS は、6以上の延長モジュールにより生成される生成物に誘導するシンターゼのアセンブリーの一部であり得る。モジュール−サイズ分けされたDNA フラグメントが多少、構成され得ることは、当業者にまた、容易に理解されるであろう。従って、本発明は、一本鎖ポリペプチドに次の活性を含む構造体により例示される官能ハイブリッドPKS の構成を包含する:
AT0-ACP0-KS1-[ATR1-DHR1-ERR1-KRR1-ACPR1-KSR2]-AT2-KR2-
ACP2-TE
ここで、四角の括弧で示される活性はrap PKS のモジュール1及び2に由来し、そして残りはDEBS1の負荷モジュール、延長モジュール1及び2、及び連鎖−停止チオエステラーゼに由来する。そのような構造体においては、個々のケトシンターゼドメインは、それ自体のモジュールの活性と共に維持されるよりもむしろ、それが由来する天然に存在するPKS においてその前方に存在するモジュールのACP, AT 及び還元ドメインと共に維持される。ハイブリッドPKS の構成のためのモジュール−サイズ分けされたDNA 構築ブロックの他ではあるが、しかし同等の機能的配置は、当業者に容易に理解されるであろう。

Claims (23)

  1. ハイブリッドポリケチドシンターゼ(“PKS”)遺伝子であって、第1のタイプI PKSの少なくとも1つのドメインをコードする第1の核酸部分又は複数の部分、及び前記第1のPKS に対して非相同である少なくとも1つのタイプI PKSドメインをコードする第2の核酸部分又は複数の部分を含んで成るハイブリッドPKS 遺伝子。
  2. 前記第1の核酸部分が少なくとも負荷モジュールをコードし、そして前記第2の核酸部分が少なくとも1つの延長モジュールをコードする請求の範囲第1項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  3. 前記負荷モジュールが、アシルトランスフェラーゼ及びアシルキャリヤータンパク質を含んで成る請求の範囲第2項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  4. 前記第1の核酸部分が、相同延長モジュールのケトシンターゼ(“KS”)ドメイン(のみ)と共に負荷モジュールをコードする請求の範囲第2又は3項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  5. 前記負荷モジュールが、前記延長モジュールと通常関係しているスターター単位とは異なるスターター単位を生成するために基質を負荷することができる請求の範囲第2,3又は4のいづれか1項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  6. 前記負荷モジュールが、異なったスターター単位の多様性のいづれかを負荷することができる請求の範囲第2〜5のいづれか1項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  7. 前記負荷モジュールが、avr 負荷モジュールである請求の範囲第6項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  8. 前記核酸部分が、2種の天然のモジュールの対応するドメイン間で個々に延長する組合せモジュールをコードする請求の範囲第1〜7のいづれか1項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  9. チオエステラーゼ以外の連鎖停止酵素をコードする核酸を包含する請求の範囲第1〜8のいづれか1項記載のハイブリッドPKS遺伝子。
  10. 前記第2の核酸部分又は複数の部分が、酸化状態及び/又は立体化学及び/又は置換パターンにおいて天然の単位とは異なるケチド単位を導びく延長モジュールをコードする部分を含んで成る請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載のハイブリッドPKS 遺伝子。
  11. PKS タイプIIプロモーターに操作可能的に結合される請求の範囲第1〜10のいづれか1項記載の遺伝子をコードする核酸。
  12. 前記プロモーターが、その天然の活性化因子遺伝子により付随される請求の範囲第11項記載の核酸。
  13. 前記プロモーターが、S.コエリカラーの actIである請求の範囲第11又は12項記載の核酸。
  14. 請求の範囲第1〜10のいづれか1項記載の遺伝子によりコードされるようなハイブリッドポリケチドシンターゼ。
  15. 請求の範囲第1〜13のいづれか1項記載の遺伝子又は核酸を含むベクター。
  16. 請求の範囲第1〜13のいづれか1項記載の遺伝子又は核酸を含み、そしてそれによりコードされるポリケチドシンターゼを発現することができる形質転換された生物。
  17. 請求の範囲第16項記載の生物を生成するための方法であって、“ドナー”DNA を含むプラスミドを宿主細胞に、異種染色体PKSDNA との相同組換えが存在するような条件下で導入する段階を含んで成る方法。
  18. 請求の範囲第16項記載の生物を培養することによってポリケチドを製造するための方法。
  19. 請求の範囲第18項記載の方法により調製されるようなポリケチド。
  20. 異種遺伝子を制御するためへのタイプII PKSプロモーターの使用。
  21. 異種遺伝子に対して操作可能的に結合されるタイプII PKSプロモーターを含んで成る核酸。
  22. 前記プロモーターがその天然の活性化因子遺伝子により付随される請求の範囲第20又は21項記載の使用又は核酸。
  23. 前記プロモーターがS.コエリカラーの actIである請求の範囲第20, 21又は22のいづれか1項記載の使用又は核酸。
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