JP2009211322A - 管理制御装置、データ記憶システム、障害処理方法、及び障害処理プログラム - Google Patents

管理制御装置、データ記憶システム、障害処理方法、及び障害処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、データ記憶システムにおいて障害処理における各部の処理を迅速化できる管理制御装置を提供する。
【解決手段】管理制御装置2は、一のデータ記憶部との間でデータ転送処理を行う第1の要求を一のデータ記憶部に対して送信し第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段32a、無応答の場合に一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段42、無応答の場合に前記障害診断と並行して、一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段14cを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、データ記憶システムに用いられる管理制御装置、転送制御装置、及び記憶媒体多重化制御装置と、さらにはデータ記憶システムそれ自体と、加えて、データ記憶システムにおける障害処理方法、データ記憶システムにおける障害処理プログラム、転送制御用障害処理プログラム、及び多重化制御用障害処理プログラムに関し、特にディスクアレイ装置などのデータ記憶装置を含むデータ記憶システムの障害処理に関する。
コンピュータシステムでは、HDD(Hard・Disk・Drive:ハードディスク装置)等の記憶媒体に対しアクセスの高速化や信頼性の向上を図る技術としてRAID(Redundant Array of Independent Disks)技術がある。
RAIDでは、HDDを複数台使用することでディスクアレイ装置(データ記憶装置)を構成する。ディスクアレイ装置は、単体のハードディスク装置に比べて高い信頼性を得ることができる方式として知られ、RAID0、RAID1、・・・、RAID5等の異なる複数の仕様に分類されている。
RAIDでは、データの読み書きの際に、複数のHDDに対して、データを分割して並列にデータの読み書きを行うストライピング(非冗長構成)や、データに冗長構成をもたせるミラーリングといった様々な工夫を行うことで、高速化、高信頼性、耐故障性を高めている。
まず、RAID0は、複数のハードディスク装置に対してストライピングを行う仕様である。RAID1は、ハードディスク装置を2重化(ミラーリング)する仕様であり、RAID2及びRAID3は、データをビット単位で分割して個々のハードディスク装置に格納する仕様である。RAID4及びRAID5は、独立して個々のハードディスク装置を動作させ、読み出し/書き込み命令を並列処理できる仕様である。
このようなデータ記憶装置を含むコンピュータシステム(データ記憶システム)では、専用インタフェースで周辺装置(データ記憶装置)と接続され、障害処理を行う機能が盛り込まれており、オペレーティングシステム(OS)とファームウェア(FW)やハードウェア(HW)の両方で対応している。
このようなデータ記憶装置を含むデータ記憶システムにおける障害処理においては、以下に示すような処理が行われていた。この障害処理の具体的例を図22を用いて説明する。図22は、関連技術のデータ記憶システムにおける管理制御装置内のCPU、IOP(入出力処理部)と、周辺装置(データ記憶装置)と間の障害処理動作を説明した説明図である。
図22では、管理制御装置(ホストコンピュータ)からデータ記憶装置(ディスク装置)に対して一方の経路からコマンド(例えばライトコマンド)の送信を行う。この際、コマンドの送信に対してエラーが発生した場合には、コマンドのリトライを3回まで行い、3回ともエラーが生じた場合には、経路障害であるとみなして、前記一方の経路と異なる他方の経路(代替経路)を用いてコマンドの送信を行う。さらに、他方の経路においても、コマンドの送信に対してエラーが発生した場合には、コマンドのリトライを2回まで行い、2回ともエラーが生じた場合には、ディスク障害とみなす障害制御処理を行う。
このように、リトライ回数のしきい値管理と、順次、経路を切り替える障害処理を行っている。
一方、ミラーリングを行う冗長構成のデータ記憶装置を含んだデータ記憶システムにおいて障害処理を行う場合の構成例として、例えば特許文献1などが挙げられる。
特許文献1では、I/O監視部は、二重化されたI/O指示が各ディスクサブシステムにて正常に終了したか否か(つまり、ディスクサブシステムに障害がないか否か)を、各ディスクサブシステムからのI/O完了通知を監視することで判断する(特許文献1の段落番号0040)。
すなわち、I/O監視部がデータ書込み指示が正常に処理されたと判断するための、各ディスクサブシステムにデータ書込み指示を送ってから各ディスクサブシステムからI/O完了通知が返されるまでのデータ書込み許容時間が過ぎても、各ディスクサブシステムからI/O完了通知が返されない場合には、そのデータ書込み指示がいずれかのディスクサブシステムで正常に処理されなかった(そのディスクサブシステムに障害がある)と、I/O監視部によって判断されることになる(特許文献1の段落番号0048)。
また、特許文献1では、チェックの結果が否定の場合(つまり、2つの通信経路のいずれからも書込み完了通知が来ていない場合)には、I/O監視部が、I/O二重化制御部へ、I/O異常終了通知を発行する(特許文献1の段落番号0056)。
さらに、I/O二重化制御部は、2つのディスクサブシステムのいずれか一方に障害が発生した場合、データ二重化の処理を停止して、正常である他方のディスクサブシステムのみに対してデータの書込み及び読出しの制御を行う(パススルーモード)というパススルーモード制御機能を有している(特許文献1の段落番号0039)。
I/O監視部は、二重化I/O監視機能によって一方のディスクサブシステムに異常を検知した場合、そのディスクサブシステムが障害から回復するまで、そのディスクサブシステムとの通信経路を閉塞し、I/O二重化制御部にパススルーモードで動作するよう指示する機能も有する(特許文献1の段落番号0040)。
特開2005−196490号公報
しかしながら、関連技術の装置においては、次のような不具合がある。
すなわち、管理制御装置が発行したコマンドに対してデータ記憶装置が無応答の場合はコマンド終了まで秒単位で時間がかかることがあり、無駄なI/O遅延が発生し、処理に時間がかかる、という不具合があった。
さらに、接続経路の問題では無く、データ記憶装置本体の問題であれば、経路を切り替えてリトライしても成功する確率は低く、I/Oが遅延する可能性が高くなってしまい、その分処理に時間がかかる、という不具合があった。
また、特許文献1では、一方のデータ記憶装置にデータを転送する際に、異常が発生すると、障害の内容(種類・程度)にかかわらず、直ちに閉塞処理を行うために、前記一方のデータ記憶装置に対する障害に関する診断を行うことができない、という不具合があった。
すなわち、データ記憶装置と管理制御装置との間の通信経路(接続経路)の障害であるのか、データ記憶装置本体の障害であるのか、障害の内容を把握できない。この際、システムの構成によっては、通信経路の障害である場合、データ記憶装置の閉塞を行うことなく、代替経路を用いてデータ転送を行う可能性が残されており、直ちに閉塞処理を行うことが、障害を復旧させるのに有効であるとは限らない。
仮に、閉塞を行う必要がないシステムの構成例にて直ちに閉塞処理としてしまうとディスク交換を行う作業に時間がかかり、障害から復旧までの障害処理におけるトータル時間が増えることになる。特に、ディスク装置が複数ある場合、それぞれに障害が生じた場合には、さらに障害処理における時間が増えることになる。このように、障害を診断することなく直ちに閉塞処理を行うと、閉塞する必要のないディスク装置までもディスク交換してしまう分、障害処理における時間がかかる、という不具合がある。
本発明は、上記した技術の不具合を解決することを課題としてなされたものであって、その目的とするところは、データ記憶システムにおいて障害が発生した場合の障害処理における各部の処理を迅速に行うことが可能な管理制御装置、データ記憶システムなどを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の管理制御装置は、データ記憶部に関連する障害の管理制御を行うデータ記憶システムに用いられる管理制御装置であって、一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段と、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段と、を含むことを特徴としている。
本発明の転送制御装置は、記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間でデータ転送制御を行うデータ記憶システムに用いられる転送制御装置であって、前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御手段と、前記転送処理制御手段での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、を含み、前記記憶媒体多重化制御部に、前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記障害の診断と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴としている。
本発明の記憶媒体多重化制御装置は、データ記憶部と転送制御部を介して通信可能に形成されデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置であって、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力手段と、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領手段と、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御手段と、を含むことを特徴としている。
本発明のデータ記憶システムは、複数のデータ記憶装置と、前記データ記憶装置に関連する障害の管理制御を行う管理制御装置と、を含み、前記管理制御装置は、一の前記データ記憶装置との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段と、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶装置への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶装置と異なる他のデータ記憶装置に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶装置との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段と、を含むことを特徴としている。
本発明のデータ記憶システムは、複数のデータ記憶装置と、各々の前記データ記憶装置のデータの多重化を行う記憶媒体多重化制御装置と、前記記憶媒体多重化制御装置と前記データ記憶装置との間でデータ転送制御を行い、前記データ記憶装置に関連する障害の診断制御を行う転送制御装置と、を含み、前記転送制御装置は、前記記憶媒体多重化制御装置からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶装置に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御装置に通知する制御を行う転送処理制御手段と、前記転送処理制御手段での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶装置に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、を含み、前記記憶媒体多重化制御装置は、一の前記データ記憶装置に対するデータ転送処理要求を前記転送制御装置より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力手段と、前記転送制御装置にて発行される前記転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領手段と、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶装置に切替えて、前記転送制御装置による前記一のデータ記憶装置に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶装置との間のデータ転送を行うように制御する切替制御手段と、を含むことを特徴としている。
本発明の障害処理方法は、コンピュータがデータ記憶部の障害に関する処理を行う障害処理方法であって、コンピュータが、一の前記データ記憶部に対して第1の要求を送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御ステップと、コンピュータが、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップと、コンピュータが、前記無応答の場合に、前記診断実行制御ステップによる前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御ステップと、を含むことを特徴としている。
本発明の障害処理方法は、記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能なデータ記憶システムに用いられる転送制御装置が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行する障害処理方法であって、前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御ステップと、前記転送処理制御ステップでの前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップと、を含み、前記診断実行制御ステップと並行して、前記記憶媒体多重化制御部に前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴としている。
本発明の障害処理方法は、データ記憶部と転送制御部を介して通信可能なデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行する障害処理方法であって、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力ステップと、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領ステップと、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御ステップとを含むことを特徴としている。
本発明の障害処理プログラムは、を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴としている。コンピュータにデータ記憶部の障害に関する処理を実行させる障害処理プログラムであって、一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御機能と、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御機能と、前記無応答の場合に、前記診断実行制御機能による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御機能と、を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明の転送制御用障害処理プログラムは、記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能なデータ記憶システムに用いられる転送制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させる転送制御用障害処理プログラムであって、前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御機能と、前記転送処理制御機能での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御機能と、を含む機能をコンピュータに実行させ、前記記憶媒体多重化制御部に、前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記診断実行制御機能と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴としている。
本発明の多重化制御用障害処理プログラムは、データ記憶部と転送制御部を介して通信可能なデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させる多重化制御用障害処理プログラムであって、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力機能と、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領機能と、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御機能と、を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明によれば、一方のデータ記憶部に対する第1の要求が無応答である場合、切替制御手段により他方のデータ記憶部にデータ転送を行うのと並行して、診断実行制御手段により一方のデータ記憶部に対する障害に関する診断処理を同時に行うことができ、障害が発生した場合、管理制御装置内の各部の入出力処理の遅延を最小限に止め継続してデータ転送処理が可能となることに加え、障害診断を行い障害処理を迅速に行うことができるという、関連技術にない優れた管理制御装置、データ記憶システムなどを提供することができる。
〔管理制御装置の基本的構成〕
先ず、管理制御装置の基本的構成について説明する。本発明の管理制御装置(例えば図2、図5に示す符号2など)は、データ記憶部に関連する障害の管理制御を行うデータ記憶システム(例えば図2に示す符号1など)に用いられる管理制御装置であって、一の前記データ記憶部(例えば図2に示す符号50−1など)との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段(例えば図5に示す符号32aなどによるIOP内の機能など)と、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段(例えば図5に示す符号42などによるCH内の機能など)と、前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部(例えば図2に示す符号50−2など)に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段(例えば図5に示す符号14cなどによるOS内の機能など)と、を含む構成としている。
このような構成の管理制御装置によれば、一方のデータ記憶部に対する第1の要求が無応答である場合、切替制御手段により他方のデータ記憶部にデータ転送を行うのと並行して、診断実行制御手段により一方のデータ記憶部に対する障害に関する診断処理を同時に行うことができ、障害が発生した場合、管理制御装置内の各部の入出力処理の遅延を最小限に止め継続してデータ転送処理が可能となることに加え、障害診断を行い障害処理を迅速に行うことができる。
以下、このような本発明の「管理制御装置」を、「データ記憶システム」に適用した好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(データ記憶システムの全体構成)
先ず、本実施の形態のデータ記憶システムの具体的構成について、全体構成から説明し、続いて各部の詳細構成について説明することとする。図1は、本発明における第1実施の形態のデータ記憶システムの全体の概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態のデータ記憶システム1は、図1に示すように、データ記憶装置の一例である複数の各ディスク装置50(50−1、50−2)と、この各ディスク装置50(50−1、50−2)と通信可能に形成され各ディスク装置50(50−1、50−2)を管理する管理制御装置2と、を含んで構成される。
管理制御装置2は、プログラム制御により動作するホストコンピュータであり、ネットワーク関連の機能を有していれば、デスクトップ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、その他無線・有線通信機能を有する情報機器、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよい。
本実施の形態のデータ記憶システム1では、2つのディスク装置50−1、50−2により、RAID構成を実現し、データ2重化を行う場合の構成例を示しているが、3以上のディスク装置によってデータ多重化を行う場合であっても、本実施の形態を適用することができる。
各ディスク装置50−1、50−2は、第1のデータ記憶装置、第2のデータ記憶装置ということもできるし、データ記憶装置内にある、一方のデータ記憶部、他方のデータ記憶部ということもできる。
図2は、管理制御装置2の各部の構成要素を表している。
管理制御装置2は、図2に示すように、ハードウエア構成として、CPU(中央処理装置)21と、このCPU21に接続される複数のIOP(入出力処理装置)31と、このIOP31に接続される複数のCH(チャネル)41と、を含んで構成される。
図2に示す例では、1個のIOP31に対して2個のCH41が構成され、4個のIOP31(31−1、31−2、31−3、31−4)により、8個のCH41(41−1、41−2、41−3、41−4、41−5、41−6、41−7、41−8)が構成される。
8個のCH41(41−1、41−2、41−3、41−4、41−5、41−6、41−7、41−8)のうち、4個のCH41(41−1、41−2、41−3、41−4)は、一方のディスク装置50−1と通信可能に接続される。このため、管理制御装置2は、一方のディスク装置50−1との間で、4個の通信経路R1、R2、R3、R4を構成している。
同様に、他の4個のCH41(41−5、41−6、41−7、41−8)は、他方のディスク装置50−2と通信可能に接続される。このため、管理制御装置2は、他方のディスク装置50−2との間で、4個の通信経路R5、R6、R7、R8を構成している。
また、4個のIOP31(31−1、31−2、31−3、31−4)とCPU21との間には、4個のバスラインなどによる通信経路HR1、HR2、HR3、HR4が形成されている。
さらに、管理制御装置2は、図2に示すように、ホストコンピュータ自身が備えた記憶手段にOS(オペレーティングシステム)11をソフトウエア構成として備えている。
図4には、これらの各部の更に詳細な機能構成が示されている。
OS(オペレーティングシステム)11には、図4に示すように、ソフトウェア(SW)2重化ディスク制御手段12を有する。ソフトウエア2重化ディスク制御手段12は、ソフトウェア2重化ディスクの制御を司るディスク管理ソフトウエアなどにて構成される。この機能は、OS(オペレーティングシステム)11に内蔵される機能であっても、OS(オペレーティングシステム)11と切り離した専用のディスク管理ソフトウエアであってもよい。
ソフトウエア2重化ディスク制御手段12は、CPU21からI/O命令の不成功(無応答)が通知されると、2重化ディスク構成の場合は、即座に他系ディスクにI/O命令を切り替える制御を行う切替制御機能を有している。
また、ソフトウエア2重化ディスク制御手段12は、I/O命令を切り替えた後も無応答のディスク装置に対する診断が成功した通知を受けた場合は、ソフトウェア2重化ディスクの一致制御処理を行う。
一方、ソフトウエア2重化ディスク制御手段12は、診断が失敗した場合は、該当ディスク装置を閉塞する制御処理を行う。
CPU(中央処理装置)21は、図4に示すように、OS11とIOP31との間でI/O処理を行う機能であるI/O処理手段22を含んで構成される。
I/O処理手段22は、OS11が発行するI/O命令を実行して、IOP31に対するI/Oリクエストを起動する。また、I/O処理手段22は、IOP31から転送処理異常終了(無応答)の通知を受けて、OS11にI/O不成功(無応答)を通知するI/O不成功通知機能を有している。
IOP31(31−1〜31−4)は、図4に示すように、転送処理手段32を含んで構成される。転送処理手段32は、図2の例では4個、図4の例ではn個(32−1〜32−n)となる。
転送処理手段32は、CPU(中央処理装置)21からI/Oリクエストを受けると、ディスク装置50との間のデータ転送処理を実行する。
また、転送処理手段32は、CH(チャネル)41を経由してディスク装置50の無応答を検出すると、転送処理異常終了(無応答)をCPU(中央処理装置)21に通知する転送処理異常終了通知機能を有している。
CH(チャネル)41(図2では41−1〜41−8)は、図4に示すように、診断実行手段42を含んで構成される。診断実行手段42は、図2の例では8個、図4の例では(42−1−1〜42−1−m)のm個×n個構成される(42−n−1〜42−n−m)。
診断実行手段42は、一方のディスク装置50―1の無応答を検出した後、対応するディスク装置50−1に対する障害のディスク診断を実行するディスク診断実行機能を有している。診断実行手段42は、一方のディスク装置50―1に対する複数の通信経路を通じて診断実行するのに加え、他方のディスク装置50―nに対する複数の通信経路を通じて診断実行することができるように、CH毎、通信経路毎に設けられている。
また、診断実行手段42は、無応答を検出した後、対応する通信経路に対する障害の診断を実行する通信経路診断機能を有している。
ここで、IOP31及びCH(チャネル)41により、転送制御装置30を構成することもできる。
上述のような構成からなるデータ記憶システム1における障害処理は、概略つぎのように動作する。
すなわち、図2において、ディスク装置50−1に対してOS11から第1の要求が出力されると、通信経路HR1、R1を通じて第1の要求をディスク装置50−1に対して送信し、データ転送処理を行う。
ここで、OS11ではI/O命令、CPU21ではI/Oリクエスト、IOP31及びCH42では転送処理コマンドと各部で処理が連携されるが、この概略動作説明では説明を簡略化するため、これらをまとめて第1の要求としている。
第1の要求に対する応答が無応答の場合に、CH31−1はディスク装置50−1に対する障害診断を実行するとともに、無応答である旨の通知をIOP31−1、CPU21を介してOS11へ送る。
OS11がこの通知を受けると、他のディスク装置50−2に対する経路に切替え、第1の要求の送信先を他のディスク装置50−2とした第2の要求を出力し、通信経路HR3、R5を通じて第2の要求をディスク装置50−2に対して送信し、データ転送処理を行う。
これにより、他方のディスク装置50−2に対するデータ転送処理と、一方のディスク装置50−1に対する障害診断処理とを並行して行うことができる。
この際、障害診断処理としては、通信経路R1の経路障害診断、ディスク障害診断などが挙げられる。また、通信経路R1の経路障害診断の他に、通信経路R2の経路障害診断、通信経路R3の経路障害診断、通信経路R4の経路障害診断なども並行して行うようにしてもよい。
障害診断処理の結果、障害なしの場合には、他方のディスク装置50−2と同様のデータを一方のディスク装置50−1に書き込むように、通信経路R1、R2、R3、R4のいずれかを通じてデータ転送処理を行う。
障害診断処理の結果、経路障害であると診断された場合には、経路障害の通信経路R1を除く他の通信経路R2、R3、R4のいずれかを通じてデータ転送処理を行う。
障害診断処理の結果、ディスク障害であると診断された場合には、一方のディスク装置50−1を閉塞する。この場合、ディスク装置50−1の交換後、閉塞を解除して2重化を行うことができる。
より具体的には、本実施の形態では、転送処理手段32及びI/O処理手段22は、OS(オペレーティングシステム)11にI/O命令の不成功を報告する際に、無応答であること示す付加情報を追加する。OS(オペレーティングシステム)11は、その付加情報により、ソフトウェア2重化ディスクであれば、即刻、他系のディスク装置50−2へのアクセスに切り替え制御を行う。
また、OS(オペレーティングシステム)11にて他系のディスク装置50−2へのアクセスを切り替えた後も、無応答のディスク装置50−1に対して、CH(チャネル)41の診断実行手段42により障害に関する診断を実施し、当該障害の診断結果をOS(オペレーティングシステム)11に通知する。
ここで、診断成功の場合は、OS(オペレーティングシステム)11のソフトウエア(SW)2重化ディスク制御手段12は、ソフトウェア2重化ディスク一致処理を実施し、障害前の状態に復旧する。
一方、診断失敗の場合は、OS(オペレーティングシステム)11のソフトウエア2重化ディスク制御手段12は、対象となるディスク装置50−1を閉塞する処理を行う。これにより、ディスク装置50−1での無応答におけるI/O遅延を最小限にとどめることができる。
このように、本実施の形態では、データ記憶システムにおいて、転送処理手段、I/O処理手段によりOSへディスク装置に対する転送コマンド無応答を通知する。OSは、上記通知を受けた場合、即刻、他系のディスク装置のI/O切り替えを実現するソフトウェア2重化ディスク制御手段を設ける。転送コマンドに対して無応答の場合はCH(FWレベル)で診断をOSのI/O切り替え処理と並行して実施する診断実行手段を設ける。これにより、IOP(入出力処理装置)、CH(チャネル)と、PCU(周辺処理装置)に関する障害が発生した場合、入出力処理の遅延を最小限に止め、継続して処理が可能になる。
(代替経路を構成するためのハードウエア構成例)
一つのディスク装置に対して複数の代替経路を構成するための構成例としては、例えば一例としてファイバチャネルネットワークなどが挙げられる。
ファイバーチャネル(Fibre Channel、以後FCという)は、ギガビット級ネットワーク技術の一種であり、主にストレージエリアネットワーク(Storage Area Network)などにおいて大規模ストレージを構築する際に、コンピュータと周辺機器を結ぶためのデータ転送方式の一つとして使用されている。FCは、光ファイバーケーブルのみならず、銅線の同軸ケーブルやツイストペアケーブルなどを使用しても構築可能である。
FCは、特に大規模なストレージを必要とするサーバなどのコンピュータ装置に外部記憶装置を接続するのに適した性能を備えている。
CPU21は、コンピュータ本体である管理制御装置2の中枢機能を担う演算処理装置で、OS、BIOS、アプリケーションプログラムなどを実行する。CPU21は、外部バスを介してチップセット4に接続され、そこから各デバイスに接続されて信号の送受を行っている。
メインメモリ3は、やはりチップセット4に接続されており、CPU21が実行するプログラムの読み込み領域、処理データを書き込む作業領域として利用されるRAMである。
I/Oポート31は、複数のスロット33を有し、各種周辺機器を接続することが可能である。ここで、スロットの数は4つに限定されない。CPU21およびメインメモリ3は、チップセット4を経由して、スロット33に接続された周辺機器にアクセスすることができる。
いま、スロット33にはFCデバイスを接続するためのインターフェイスであるFCカード41が接続されている。同様に他の各スロット33にもFCカード41が接続されている。FCカード41は、FCスイッチ61に接続され、それぞれが異なるFCチャネルとして形成されている。FCカード61の各FCチャネルを各チャネルとする。
FCスイッチ61には、FCデバイスであるディスク装置50が接続されている。FCスイッチ61により、FCカード41のいずれからも、ディスク装置50のいずれにもアクセスできる。FCスイッチ61は、ローカルメモリエリア62を含んでよい。
チップセット4は、サービスプロセッサ(SP)を有する。SPは、このデータ記憶システム1を制御する組み込みシステムであり、SPを介して外部からこのデータ記憶システム1のブートおよび診断などの制御を行うことができる。また、SPの記憶領域にはBIOS、ブートプログラム、各種プログラムおよび各種テーブルなどを記憶してよい。
ちなみに、図4は、本実施の形態を説明するために、主要なハードウェアの構成および接続関係を簡素化して記載したに過ぎないものである。データ記憶システム1を構成するためには、これら以外にも多くのデバイスが使われるが、それらは詳しく言及しない。また、図4で記載した複数のブロックを1個の装置や回路としたり、逆に1個のブロックを複数の装置や回路に分割して構成したりすることも、当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。
(管理制御装置の機能構成)
図5に、管理制御装置の機能構成を示す。
管理制御装置2は、図5に示すように、データ記憶部に関連する障害の管理制御を行う管理制御装置であり、図3に示すIOP31及びCH41の機能である転送制御部30aと、図3に示すCPU21の機能であるI/O処理手段22と、図3に示すOS11の機能である記憶媒体多重化制御部14と、を含む機能構成とすることができる。
転送制御部30aは、データ記憶システムに用いられる転送制御装置として構成することもできる。図5に示す転送制御部30a内の各ブロックは、図2に示すIOP31及びCH41が発揮する複数の機能を構成要件として各ブロックで表現したものである。各ブロックの機能は、電子回路ブロックからなるハードウエア構成であってもよいし、ソフトウエア構成であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
このため、図2、図4に示す複数のIOPの各転送処理手段32(32−1〜32−n)や複数のCHの各診断実行手段42(42−1−1〜42−1−m、・・、42−n−1〜42−n−m)の機能を一まとめに整理して、図5に示す機能表現としている。
転送制御部30aは、記憶媒体多重化制御部14とデータ記憶部との間でデータ転送制御を行うものであって、図5に示すように、一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段32aと、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段42と、送信先を他の前記データ記憶部に切替えられた前記データ入出力要求に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する第2の転送処理手段32−2と、前記診断実行制御手段42による障害診断結果が正常である場合に、前記記憶媒体多重化制御部14に対して前記他のデータ記憶部のデータと前記一のデータ記憶部のデータを多重化して一致させるデータ一致要求を出力するデータ一致要求出力制御手段45と、を含む構成とすることができる。
転送制御部30aは、前記記憶媒体多重化制御部14に、前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記障害の診断と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることができる。
転送処理制御手段32aは、前記記憶媒体多重化制御部14からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答である場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部14に通知する制御を行うことができる。
転送処理制御手段32aは、一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信する第1の転送処理手段32−1と、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う判定手段44と、を含むことができる。
診断実行制御手段42は、前記転送処理制御手段32aでの前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行うことができる。
前記診断実行制御手段42は、前記一のデータ記憶部との間の経路障害を診断する制御を行うことができる。
前記診断実行制御手段42は、前記一のデータ記憶部のディスク障害を診断する制御を行うことができる。
前記診断実行制御手段42は、前記一のデータ記憶部の少なくとも一つのボリューム領域の障害を診断する制御を行うことができる。
記憶媒体多重化制御部14は、データ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置を構成することもできる。記憶媒体多重化制御部14は、OS(オペレーティングシステム)11に内蔵される機能であっても、OS(オペレーティングシステム)11と切り離した専用のディスク管理ソフトウエアであってもよい。
記憶媒体多重化制御部14は、データ記憶部と転送制御部30aを介して通信可能なものであって、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力手段14aと、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領手段14bと、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御手段14cと、を含むことができる。
さらに、記憶媒体多重化制御部14は、前記診断実行制御手段42にて障害なしと診断された場合に、前記一のデータ記憶部を前記他のデータ記憶部と多重化する制御を行う多重化制御手段12と、前記診断実行制御手段42にてディスク障害ありと診断された場合に、前記一のデータ記憶部を閉塞する制御を行う閉塞制御手段14dと、を含むことができる。
切替制御手段14cは、前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段4による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行することができる。
前記多重化制御手段12は、前記診断実行制御手段14にて経路障害なしと診断された場合に、第1の通信経路を通じて前記一のデータ記憶部の第1のボリューム領域を、他の第2のボリューム領域と多重化する制御を行うことができる。
前記多重化制御手段12は、前記診断実行制御手段14にて経路障害ありと診断された場合に、経路障害となる第1の通信経路と異なる第3の通信経路を通じて前記一のデータ記憶部を多重化する制御を行うことができる。
(処理手順について)
次に、上述のような構成を有するデータ記憶システムにおける各部の処理は、障害処理方法としても実現可能であり、障害処理方法における各種の処理手順について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る障害処理方法は、コンピュータがデータ記憶部の障害に関する処理を行うものを対象とするものである。
この障害処理方法は、第1の基本的構成として、コンピュータが、一の前記データ記憶部に対して第1の要求を送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御ステップ(例えば図6に示すステップS101ないしステップS103からなるステップ、図7に示すステップS201ないしステップS203からなるステップ、など)と、コンピュータが、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップ(例えば図6に示すステップS121、図7に示すステップS221など)と、コンピュータが、前記無応答の場合に、前記診断実行制御ステップによる前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御ステップ(例えば図6に示すステップS107ないしステップS109からなるステップ、図7に示すステップS207ないしステップS209からなるステップなど)と、を含むことを特徴としている。
また、本実施の形態に係る障害処理方法は、記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能な転送制御装置(例えば図6に示すIOP/CH(A)及びIOP/CH(B)からなる構成)が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行するものを対象とするものである。
この障害処理方法は、第2の基本的構成として、前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御ステップ(例えば図6に示すステップS103ないしステップS105からなるステップ、図7に示すステップS203ないしステップS205からなるステップ、など)と、前記転送処理制御ステップでの前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップ(例えば図6に示すステップS121、図7に示すステップS221など)とを含むことができる。
この際、前記診断実行制御ステップと並行して、前記記憶媒体多重化制御部に前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることができる。
さらに、本実施の形態に係る障害処理方法は、データ記憶部と転送制御部を介して通信可能な記憶媒体多重化制御装置(例えば図6に示すOS(SW)からなる構成)が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行するものを対象とするものである。
この障害処理方法は、第3の基本的構成として、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力ステップ(例えば図6に示すステップS101、図7に示すステップS201など)と、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領ステップ(例えば図6に示すステップS106、図7に示すステップS206など)と、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御ステップ(例えば図6に示すステップS107、図7に示すステップS207など)と、を含むことができる。
より詳細なI/O処理の一連の流れを説明する。
(診断成功の場合)
診断実行を行った結果、診断成功の場合の処理手順について、図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態によるデータ記憶システムによる障害処理方法における診断成功の場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
まず、図6に示すように、管理制御装置(コンピュータ)のオペレーティングシステム(OS)は、I/O処理を実行するため、I/O命令をCPUに対して発行する(ステップS101)<第1のI/O命令発行処理ステップないしは第1のI/O命令発行処理機能>。
管理制御装置のCPUは、OSからI/O命令を発行されると、管理制御装置のI/O処理手段により実際に転送処理を行うIOPに対して、I/Oリクエストを起動する処理を行う(ステップS102)<第1のI/Oリクエスト起動処理ステップないしは第1のI/Oリクエスト起動処理機能>。
管理制御装置のIOP/CH(A)は、CPUからI/Oリクエストを起動されると、管理制御装置の転送処理手段により、CH経由でディスク装置(DISK−A、Bと表記)に対して転送処理コマンドを送信する(ステップS103)<第1の転送処理コマンド送信ステップないしは第1の転送処理コマンド送信機能>。
一方のディスク装置(DISK−A)では、転送処理コマンドを受け付け、この転送処理コマンドに基づいて、処理を行う(ステップS104)。ここにおいて、転送処理コマンドが例えばライトコマンドである場合には、一方のディスク装置(DISK−A)に対してデータの書き込み処理が行われる。また、転送処理コマンドが例えばリードコマンドである場合には、一方のディスク装置(DISK−A)からデータの読出し処理が行われる。
ここで、一方のディスク装置(DISK−A)からの応答がない(無応答)の場合、一方の転送制御装置(IOP/CH<A>)は、転送処理異常終了をCPUに通知する(ステップS105)<転送処理異常終了通知ステップないしは転送処理異常終了通知機能>。
さらに、CPUは、I/O不成功(無応答)をOSに通知する(ステップS106)<I/O不成功通知ステップないしはI/O不成功通知機能>。
I/O不成功(無応答)通知を受けた管理制御装置のOSのソフトウェア(SW)2重化ディスク制御手段は、即刻、副系のディスク装置(DISK−B)へI/O命令を切り替える処理を行う(ステップS107)<I/O命令切替処理ステップないしはI/O命令切替処理機能>。
また、並行してDISK−Aの無応答を検出したCHは、診断実行手段により該当ディスク装置(DISK−A)に対して診断を実行する(ステップS121)<診断実行処理ステップないしは診断実行処理機能>。
ここで行う障害診断としては、経路障害の診断、ディスク障害の診断などが挙げられる。経路障害の診断では、一方のディスク装置との間の複数の通信経路のうち、転送処理コマンドが転送された通信経路について経路障害の診断を行う。この際、他の通信経路に対して経路障害の診断を行ってもよい。また、他の通信経路を通じてディスク障害の診断を行ってもよい。
管理制御装置のCPUは、ソフトウェア2重化ディスク制御手段により切り替え発行されたDISK−BへのI/Oリクエストを起動する(ステップS108)<第2のI/Oリクエスト起動処理ステップないしは第2のI/Oリクエスト起動処理機能>。
管理制御装置のIOP/CH(B)は、CPUからI/Oリクエストを起動されると、転送処理手段3により、CH経由でDISK−Bに対して転送処理コマンドを送信する(ステップS109)<第2の転送処理コマンド送信ステップないしは第2の転送処理コマンド送信機能>。
他方のディスク装置(DISK−B)では、転送処理コマンドを受け付け、この転送処理コマンドに基づいて、処理を行う(ステップS110)。ここにおいて、転送処理コマンドが例えばライトコマンドである場合には、他方のディスク装置(DISK−B)に対してデータの書き込み処理が行われる。また、転送処理コマンドが例えばリードコマンドである場合には、他方のディスク装置(DISK−B)からデータの読出し処理が行われる。
転送終了後、他方のディスク装置(DISK−B)では、コマンドが終了すると、IOP/CH(B)にその旨を通知する(ステップS111)<コマンド終了通知ステップないしはコマンド終了通知機能>。
そして、IOP/CH(B)は、転送終了をCPUに通知する(ステップS112)<転送終了通知ステップないしは転送終了通知機能>。さらに、CPUは、I/O成功をOSに通知する(ステップS113)<I/O成功通知ステップないしはI/O成功通知機能>。OSは、I/O命令の終了処理を行う(ステップS114)<I/O命令終了処理ステップないしはI/O命令終了処理機能>。
一方、並行して実施していた該当ディスク装置(DISK−A)に対する診断実行の結果、DISK−Aに対する診断が正常終了(ステップS122)した場合は、管理制御装置のIOP/CH(A)の診断実行手段からCPUのI/O処理手段に対して診断正常終了を通知する(ステップS123)<診断正常終了通知ステップないしは診断正常終了通知機能>。さらに、ソフトウェア2重化ディスク一致要求をCPUに出力する(ステップS124)<2重化ディスク一致要求出力ステップないしは2重化ディスク一致要求出力機能>。
管理制御装置のCPUは、OSに診断成功の通知を行う(ステップS125)<診断成功通知ステップないしは診断成功通知機能>。
管理制御装置のOSのソフトウェア(SW)2重化ディスク制御手段は、DISK−AとDISK−B間の一致処理を実行する(ステップS126)<2重化ディスク一致処理ステップないしは2重化ディスク一致処理機能>。
この際、一方のディスク装置であるDISK−AとCHとの間の通信経路としては、経路障害の診断にて通信経路に障害がないと診断された通信経路であれば、複数の通信経路のうちいずれの通信経路を用いてもよい。
(診断失敗の場合)
診断実行を行った結果、診断失敗の場合の処理手順について、図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態によるデータ記憶システムによる障害処理方法における診断失敗の場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
まず、図7に示すように、管理制御装置のオペレーティングシステム(OS)は、I/O処理を実行するため、I/O命令をCPUに対して発行する(ステップS201)<第1のI/O命令発行処理ステップないしは第1のI/O命令発行処理機能>。
管理制御装置のCPUは、OSからI/O命令を発行されると、I/O処理手段により実際に転送処理を行うIOPに対して、I/Oリクエストを起動する処理を行う(ステップS202)<第1のI/Oリクエスト起動処理ステップないしは第1のI/Oリクエスト起動処理機能>。
管理制御装置のIOP/CH(A)は、CPUからI/Oリクエストを起動されると、管理制御装置の転送処理手段により、CH経由でディスク装置(DISK−A、Bと表記)に対して転送処理コマンドを送信する(ステップS203)<第1の転送処理コマンド送信ステップないしは第1の転送処理コマンド送信機能>。
一方のディスク装置(DISK−A)では、転送処理コマンドを受け付け、この転送処理コマンドに基づいて、処理を行う(ステップS204)。ここにおいて、転送処理コマンドが例えばライトコマンドである場合には、一方のディスク装置(DISK−A)に対してデータの書き込み処理が行われる。また、転送処理コマンドが例えばリードコマンドである場合には、一方のディスク装置(DISK−A)からデータの読出し処理が行われる。
ここで、一方のディスク装置(DISK−A)からの応答がない(無応答)の場合、一方の転送制御装置(IOP/CH<A>)は、転送処理異常終了をCPUに通知する(ステップS205)<転送処理異常終了通知ステップないしは転送処理異常終了通知機能>。
さらに、CPUは、I/O不成功(無応答)をOSに通知する(ステップS206)<I/O不成功通知ステップないしはI/O不成功通知機能>。
I/O不成功(無応答)通知を受けた管理制御装置のOSのソフトウェア(SW)2重化ディスク制御手段は、即刻、副系のディスク装置(DISK−B)へI/O命令を切り替える処理を行う(ステップS207)<I/O命令切替処理ステップないしはI/O命令切替処理機能>。
また、並行してDISK−Aの無応答を検出したCHは、管理制御装置の診断実行手段により該当ディスク装置(DISK−A)に対して診断を実行する(ステップS221)<診断実行処理ステップないしは診断実行処理機能>。
ここで行う障害診断としては、経路障害の診断、ディスク障害の診断などが挙げられる。経路障害の診断では、一方のディスク装置との間の複数の通信経路のうち、転送処理コマンドが転送された通信経路について経路障害の診断を行う。この際、他の通信経路に対して経路障害の診断を行ってもよい。また、他の通信経路を通じてディスク障害の診断を行ってもよい。
管理制御装置のCPUは、ソフトウェア(SW)2重化ディスク制御手段により切り替え発行されたDISK−BへのI/Oリクエストを起動する(ステップS208)<第2のI/Oリクエスト起動処理ステップないしは第2のI/Oリクエスト起動処理機能>。
IOP/CH(B)は、CPUからI/Oリクエストを起動されると、転送処理手段3により、CH経由でDISK−Bに対して転送処理コマンドを送信する(ステップS209)<第2の転送処理コマンド送信ステップないしは第2の転送処理コマンド送信機能>。
他方のディスク装置(DISK−B)では、転送処理コマンドを受け付け、この転送処理コマンドに基づいて、処理を行う(ステップS210)。ここにおいて、転送処理コマンドが例えばライトコマンドである場合には、他方のディスク装置(DISK−B)に対してデータの書き込み処理が行われる。また、転送処理コマンドが例えばリードコマンドである場合には、他方のディスク装置(DISK−B)からデータの読出し処理が行われる。
転送終了後、他方のディスク装置(DISK−B)では、コマンドが終了すると、IOP/CH(B)にその旨を通知する(ステップS211)<コマンド終了通知ステップないしはコマンド終了通知機能>。
そして、IOP/CH(B)は、転送終了をCPUに通知する(ステップS212)<転送終了通知ステップないしは転送終了通知機能>。さらに、CPUは、I/O成功をOSに通知する(ステップS213)<I/O成功通知ステップないしはI/O成功通知機能>。OSは、I/O命令の終了処理を行う(ステップS214)<I/O命令終了処理ステップないしはI/O命令終了処理機能>。
一方、並行して実施していた該当ディスク装置(DISK−A)に対する診断実行の結果、DISK−Aに対する診断が異常終了(ステップS222)した場合は、IOP/CH(A)の診断実行手段からCPUのI/O処理手段に対して診断異常終了を通知する(ステップS223)<診断異常終了通知ステップないしは診断異常終了通知機能>。
CPUは、OSに診断失敗の通知を行う(ステップS225)<診断失敗通知ステップないしは診断失敗通知機能>。
OSのソフトウェア2重化ディスク制御手段は、一方のディスクであるDISK−Aを閉塞する処理を行う(ステップS226)<ディスク閉塞処理ステップないしはディスク閉塞処理機能>。
閉塞後は、対象ディスクを取り替えるなどして、復旧させ、その後、多重化を行うこととなる。
以上のように本実施の形態によれば、一方のデータ記憶部に対する第1の要求が無応答である場合、切替制御手段により他方のデータ記憶部にデータ転送を行うのと並行して、診断実行制御手段により一方のデータ記憶部に対する障害に関する診断処理を同時に行うことができ、障害が発生した場合、管理制御装置内の各部の入出力処理の遅延を最小限に止め継続してデータ転送処理が可能となることに加え、障害診断を行い障害処理を迅速に行うことができる。
すなわち、I/O処理をリトライで救済しようとして遅延させることなく、ソフトウェア2重化のもう一方のディスクに即座にI/Oを切り替えて、I/O遅延を防ぐことができる。
ここで、図5に示すブロック図における一部の各ブロックは、コンピュータが適宜なメモリに格納された各種プログラムを実行することにより、該プログラムにより機能化された状態を示すソフトウエアモジュール構成であってもよい。
すなわち、その場合、物理的構成は、例えば一又は複数の各種の回路、入出力インターフェース等ではあるが、各部(回路・手段)によるソフトウエア構成は、プログラムの制御によって各種の回路が発揮する複数の機能を、それぞれ複数の部(手段)による構成要素として表現したものである。
プログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、特定のハードウエア構成内に各部(手段)が構成されることになる。プログラムが実行されていない静的状態にあっては、各手段の構成を実現するプログラム全体(或いは各手段の構成に含まれるプログラム各部)は、メモリなどの記憶領域に記憶されている。
以上に示した各部(手段)の説明は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に説明したものと解釈することも出来るし、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置を説明したものとも解釈することが出来ることは、当然である。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
[その他の各種変形例]
ここで、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、IOPが4個、CHが8個、CPUが1個、OSが1個の場合を示したが、本発明は、これらの個数を制限するものではない。
また、図8に示すように、一方のディスク装置50−1に対する障害診断処理の実行に際しては、通信経路R1の経路診断処理と並行して、通信経路R4からディスク障害診断を行うようにしてもよい。
これらの制御は、転送制御部30aの診断実行制御手段の機能によっても実現可能であるし、記憶媒体多重化制御部14に設けた診断経路制御手段(機能)とを組み合わせることによっても実現可能である。
さらに、図9に示すように、一方のディスク装置50−1に対して、通信経路R1の経路障害診断処理と並行して、通信経路R4からディスク障害診断を行い、さらに、他方のディスク装置50−2に対して、通信経路R5経由での転送処理コマンドが無応答である場合、他方のディスク装置50−2に対する他の通信経路R8経由でのデータ転送を行い、並行して他方のディスク装置50−2への通信経路R5の経路障害診断を行うようにしてもよい。
これらの制御は、転送制御部30aの診断実行制御手段の機能によっても実現可能であるし、記憶媒体多重化制御部14に設けた診断経路制御手段(機能)とを組み合わせることによっても実現可能である。
さらに、図10に示すように、一方のディスク装置50−1に対する障害診断処理の実行に際しては、通信経路R1の経路診断処理、通信経路R2の経路診断処理、通信経路R3の経路診断処理と並行して、通信経路R4からディスク障害診断を行うようにしてもよい。
またさらに、図11に示すように、IOP130(130−1〜130−8)、CHが複数個あってもよく、2重化に限らず、3以上の多重化であってもよい。図11のデータ記憶システム100では、第1のディスク装置150−1が無応答、第2のディスク装置150−2が無応答で、第3のディスク装置150−3にデータ転送を行いつつ、第1のディスク装置150−1、第2のディスク装置150−2それぞれについて障害診断を行う例を示している。このような構成とすることも可能である。
さらに、ソフトウェア2重化に限らず、図12に示すように、単一のディスク装置250に対して複数の通信経路R1、R2、R3、R4を有するデータ記憶システム200であってもよい。この場合、通信経路R1からは無応答で、経路を切替えて、通信経路R4からデータ転送を行い、並行して通信経路R1での経路障害診断を行うことができる。
このように、ソフトウェア2重化されていなければ、他の経路を利用して、同一ディスク装置へのリトライを実施できる。
また、図13に示すように、一方のディスク装置50−1に対する障害診断処理の実行に際しては、通信経路R1の経路診断処理、通信経路R2の経路診断処理、通信経路R3の経路診断処理と並行して、通信経路R4からデータ転送を行うようにしてもよい。
この場合、通信経路R1で転送処理コマンドが無応答の場合、他系へ切替え、通信経路R5で転送処理コマンドが無応答で、通信経路R8から転送処理を行う。この際、並行して、通信経路R1の経路診断処理、通信経路R2の経路診断処理、通信経路R3の経路診断処理を行うが、通信経路R4で転送処理コマンドにて転送可能な場合には、転送処理を行ってしまってもよい。
さらに、データ記憶システムとしては、図14に示すように、管理制御装置2に、複数の転送制御装置30(30−1〜30−4)と、記憶媒体制御装置10とを構成することもできる。
また、図15に示すように、データ記憶システム300としては、管理制御装置であるホストコンピュータ310に、複数の転送制御装置をまとめて一つの転送制御装置330を構成することもできる。例えば、図16に示すように、IOP331−1にCH41−1〜41−8を対応するように構成することで、転送制御装置330が構成できる。
さらに、図17に示すような処理手順にて障害処理を行うこともできる。先ず、管理制御装置(コンピュータ)は、第1のデータ記憶装置に第1の要求を送信する(ステップS401a)。続いて、第1の要求が無応答か否かを判定する(ステップS401b)。
無応答でない場合には、第1のデータ記憶装置にデータ転送する処理を行い、転送を完了させる(ステップS402)。
無応答の場合には、障害診断を行い、まず、経路障害があるか否かの経路障害の診断を行う(ステップS403a)。経路障害の診断の結果、経路障害がある場合には、第3の通信経路経由で第1のデータ記憶装置の多重化処理を行う(ステップS405)。
経路障害の診断の結果、経路障害がない場合には、ディスク障害の診断を行う(ステップS403b)。
ディスク障害の診断の結果、ディスク障害があると判定された場合には、第1のデータ記憶装置を閉塞する(ステップS406)。
ディスク障害の診断の結果、ディスク障害がないと判定された場合には、第1の通信経路経由で第1のデータ記憶装置の多重化処理を行う(ステップS407)。
さらに、ステップS401bで無応答の場合には、障害診断と並行して、第2の通信経路経由で第2のデータ記憶装置に第2の要求を送信する処理を行う(ステップS404)。
ここで、ステップS401aとステップS401bにより、「転送処理制御ステップ」を構成でき、ステップS403aとステップS403bにより、「診断実行制御ステップ」を構成でき、ステップS404により、「切替制御ステップ」を構成できる。
さらに、図16に示すようなIOP1個、CH8個の例に限らず、図18に示すように、IOP2個、CH8個による構成であってもよい。
また、データ記憶システムとして、(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)転送制御装置の機能をデータ記憶装置側に搭載する場合であってもよい。例えば図19に示すように、データ記憶システム500として、ホストコンピュータ510と、第1のデータ記憶装置550を有し、第1のデータ記憶装置550のRAIDコントローラに(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)転送制御装置553を搭載し、内部に複数のディスクである第1のデータ記憶部551、第2のデータ記憶部552を有する構成であってもよい。
さらに、データ記憶システムとして、(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)転送制御装置の機能を1台のコンピュータに搭載する場合であってもよい。例えば図20に示すように、データ記憶システム600として、コンピュータ610に、中央制御装置620と、(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)転送制御装置630と、データ記憶装置650とを搭載する構成であってもよい。この場合、データ記憶装置650は、内部に複数のディスクである第1のデータ記憶部651、第2のデータ記憶部652を有する。
さらに、データ記憶システムとして、(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)転送制御装置の機能を、管理制御装置と独立して別体的に構成してもよい。例えば図21に示すように、データ記憶システム700として、ホストコンピュータ710と、(転送先切替制御機能、データ多重化機能、診断実行機能などを含む)複数の転送制御装置730−1〜730−4と、第1のデータ記憶装置750−1と、第2のデータ記憶装置750−2とを有する構成であってもよい。
またさらに、ディスク装置に対する転送処理コマンドとして、転送制御装置がディスク装置にライトコマンドを送信する場合、ライトコマンドとともに実データ部を送信する場合に限らず、ライトコマンドのみを一度送信し、ディスク装置側からの応答、無応答の確認を行った後に、改めて実データ部を転送するようにしてもよい。
この場合、転送制御装置は、実データ部を転送する前に、異常の可否をチェックすることができる。
さらに、ディスク装置に対する転送処理コマンドとして、転送制御装置がディスク装置にライトコマンドを送信する場合、ライトコマンドとともに実データ部を送信する場合に限らず、ライトコマンドのみを一度送信し、ディスク装置側のディスクサブシステム内のRAIDコントローラにて転送の可否を示す付帯情報を付したライトコマンドに対する応答コマンドを生成し、ディスクサブシステム側から前記付帯情報付き応答コマンドを転送制御装置に送信し、転送制御装置が前記付帯情報を確認した後に実データ部の転送を開始するようにしてもよい。
この場合、転送制御装置は、実データ部を転送する前に、異常の可否をチェックすることができる。
さらにまた、転送制御装置30は、ハードウエア構成上、ホストコンピュータ10・ディスク装置50と独立して構成してもよいし、ホストコンピュータ10と一体的に構成されてもよいし、ディスク装置50を含むディスクサブシステムとして一体構成されてもよい。
また、管理制御装置2のハードウエア構成は、種々の情報等を表示するための表示手段(スクリーン)、この表示手段の表示画面上(の各種入力欄等)にデータを操作入力するための操作入力手段(例えばキーボード・マウス等)、各種信号・データを送受信するための送受信手段(通信手段)、各種プログラム・各種データを記憶しておく記憶手段(例えばメモリ、ハードディスク等)、これらの制御を司る制御手段(例えばCPU等)などを有してよい。
さらに、上述の各実施の形態では、ディスク装置として、HDDの場合を例に挙げたが、他の種々の記憶媒体、例えば、HD−DVDやCD−RWなどによる構成例やそれらの組み合わせであってもよい。
ここで、以上述べたその他の各種変形例において、その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素をプログラム化し、コンピュータに実行させてもよい。
(プログラム)
また、前述した実施形態の機能を実現する本発明のソフトウエアのプログラムは、前述した各実施の形態における各種ブロック図などに示された処理部(処理手段)、機能などに対応したプログラムや、フローチャートなどに示された処理手順、処理手段、機能などに対応したプログラムなどにおいて各々処理される各処理プログラム、本明細書で全般的に記述される方法(ステップ)、説明された処理、データの全体もしくは各部を含む。
具体的には、本発明の障害処理プログラムは、コンピュータにデータ記憶部の障害に関する処理を実行させるものを対象とするものである。
この障害処理プログラムは、一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御機能(例えば図5に示す符号32aなどによるIOP内の機能など)と、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御機能(例えば図5に示す符号42などによるCH内の機能など)と、前記無応答の場合に、前記診断実行制御機能による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御機能(例えば図5に示す符号14cなどによるOS内の機能など)と、を含む機能をコンピュータに実行させることができる。
また、本発明の転送制御用障害処理プログラムは、記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能なデータ記憶システムに用いられる転送制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させるものを対象とするものである。
この転送制御用障害処理プログラムは、前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御機能(例えば図5に示す符号32aなどによる機能など)と、前記転送処理制御機能での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御機能(例えば図5に示す符号42aなどによる機能など)と、を含む機能をコンピュータに実行させ、前記記憶媒体多重化制御部に、前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記診断実行制御機能と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることができる。
さらに、本発明の多重化制御用障害処理プログラムは、データ記憶部と転送制御部を介して通信可能なデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させるものを対象とするものである。
この多重化制御用障害処理プログラムは、一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力機能(例えば図5に示す符号14aなどによる機能など)と、前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領機能(例えば図5に示す符号14bなどによる機能など)と、前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御機能(例えば図5に示す符号14cなどによる機能など)と、を含む機能をコンピュータに実行させることができる。
プログラムは、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムは、高水準プロシージャ型またはオブジェクト指向プログラミング言語で、あるいは必要に応じてアセンブリまたはマシン言語で実装することができる。いずれの場合も、言語はコンパイラ型またはインタープリタ型言語であってもよい。上述のプログラムを、一般のパソコンや携帯型情報端末などで動作可能なアプリケーションソフトに組み込んだものも含む。
プログラムを供給する手法としては、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、コンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、プログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるサーバも、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明のプログラムによれば、当該プログラムを格納するROM等の記憶媒体から、当該プログラムをコンピュータ(CPU)に読み込んで実行させれば、或いは、当該プログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る装置を比較的簡単に実現できる。発明の思想の具現化例として装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記憶した記憶媒体上においても当然に存在し、利用される。
また、プログラムは、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。プログラムの供給方法として通信回線を利用して行なう場合であれば通信回線が伝送媒体となって本発明が利用されることになる。むろん、プログラムの発明として特定することもできる。さらに、装置における従属請求項は、方法,プログラムにおいて従属請求項に対応した構成にすることも可能である。
(情報記録媒体)
また、上述のプログラムを、情報記録媒体に記録した構成であってもよい。情報記録媒体には、上述のプログラムを含むアプリケーションプログラムが格納されており、コンピュータが当該情報記録媒体からアプリケーションプログラムを読み出し、当該アプリケーションプログラムをハードディスクにインストールすることが可能である。これにより、上述のプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体あるいはROMなどの情報記録媒体に記録してプログラムを提供することができる。そのようなプログラムが記録された情報記録媒体を、コンピュータにおいて使用することは、好都合な情報処理装置を構成する。
プログラムを供給するための情報記録媒体としては、例えばROM、RAM、フラッシュメモリやSRAM等の半導体メモリ並びに集積回路、あるいはそれらを含むUSBメモリやメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気記録媒体等を用いてよく、さらに、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD―R、CD―RW、FD、DVDROM、HDDVD(HDDVD−R−SL<1層>、 HDDVD−R−DL<2層>、HDDVD−RW−SL、HDDVD−RW−DL、HDDVD−RAM−SL)、DVD±R−SL、DVD±R−DL、DVD±RW−SL、DVD±RW−DL、DVD−RAM、Blu−Ray Disk<登録商標>(BD−RーSL、BD−R−DL、BD−RE−SL、BD−RE−DL)、MO、ZIP、磁気カード、磁気テープ、SDカード、メモリスティック、不揮発性メモリカード、ICカード、等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置、等に記録して構成して用いてよい。
さらに「情報記録媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、コンピュータ上で稼働しているOS、端末(例えば携帯電話など)上のRTOS等が処理の一部又は全部を行う場合にも、上記実施の形態と同等の機能を実現できると共に、同等の効果を得ることができる。
さらに、プログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。この場合、本発明の構成は、プログラムの各構成要素(各種の手段、ステップ及びデータ)と、前記プログラム(各種の手段、ステップ及びデータ)を暗号化する暗号化手段と、を含んでよい。
さらに、上述のプログラムなどが搭載される情報処理装置としては、サーバは、例えばパーソナルコンピュータに限らず、各種サーバー、EWS(エンジニアリングワークステーション)、中型コンピュータ、メインフレームなどが挙げられる。情報端末は、以上の例に加えて、携帯型情報端末、各種モバイル端末、PDA、携帯電話機、ウエアラブル情報端末、種々の(携帯型などの)テレビ・DVDレコーダ・各種音響機器及びそのリモコン、各種情報通信機能を搭載した家電機器、ネットワーク機能を有するゲーム機器等からも利用できる構成としても構わない。あるいは、これらの端末に表示されるアプリケーションとして改良されたものも本発明の範囲に含めることができる。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
さらにまた、本明細書において、シーケンス図、フローチャートなどに示されるステップは、記載された手順に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。また、実装では、プログラム手順(ステップ)が実行される順序を変更することができる。さらに、実装の必要に応じて、本明細書で説明した特定の手順(ステップ)を、組み合わされた手順(ステップ)として実装、除去、追加、または再配置することができる。
さらに、装置の各手段、各機能、各ステップの手順の機能などのプログラムの機能を、専用のハードウエア(例えば専用の半導体回路等)によりその機能を達成してもよく、プログラムの全機能のうち一部の機能をハードウエアで処理し、全機能のうちさらに他の機能をソフトウエアで処理するようにしてもよい。専用のハードウエアの場合、各部を集積回路例えばLSIにて形成されてもよい。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全部を含むように1チップ化されても良い。また、LSIには、ストリーミングエンジンなど他の機能ブロックが含まれていても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
さらに、「通信」では、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、即ち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであってもよい。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであってもよい。
そして、この通信には通信網が含まれる。通信網を構成するネットワークとしては、例えば携帯電話回線網(基地局及び交換システムを含む)、公衆電話回線網、IP電話網、ISDN回線網などこれに類する各種回線網、インターネット(乃ち、TCP・IPプロトコルを用いた通信態様)やイントラネット、LAN<イーサネット(登録商標)やギガビットイーサネット(登録商標)などを含む>、WAN、光ファイバー通信網、電力線通信網、ブロードバンド対応可能な各種専用回線網などいずれのハードウエア構成でもよい。さらに、ネットワークは、TCP・IPプロトコルの他、種々の通信プロトコルを用いたネットワークあるいはソフトウエア的に構築された仮想ネットワークやこれに類するあらゆるネットワークを含むネットワークなどいかなる通信プロトコルであってもよい。また、ネットワークは、有線に限らず、無線(衛星通信、各種高周波通信手段等を含む)ネットワーク(例えば、簡易電話システムや携帯電話のようなシングルキャリア通信システム、W―CDMAやIEEE802.11bに準拠した無線LANのようなスペクトラム拡散通信システム、IEEE802.11aやHiperLAN/2のようなマルチキャリア通信システム、などを含むネットワーク)であっても構わず、これらの組み合わせを利用してもよく、他のネットワークと接続されたシステムであってもよい。さらに、ネットワークは、ポイントツーポイント、ポイントツーマルチポイント、マルチポイントツーマルチポイントなど如何なる形態でもよい。
また、管理制御装置とディスク装置との間の通信構造に際し、いずれか一方又は双方に形成されるインタフェースの種類は、ファイバチャネルに限らず、例えばUSBインタフェース、IEEE1394、LANやWAN等のネットワークやその他これに類するもの、もしくは今後開発される如何なるインタフェースであっても構わない。
また、前記実施の形態における「システム」とは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない。このため、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
さらに、障害処理において障害診断とデータ転送処理とを並行して処理する手法は、必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、方法にかかる発明も、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。この場合、方法を実現するための一例として管理制御装置、転送制御装置、記憶媒体多重化制御装置、データ記憶システムなども含めることができる。
ところで、このような装置は、単独で存在する場合もあるし、ある機器例えばコンピュータに組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記憶した記憶媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合であってもよく、一部を記憶媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。
また、発明の範囲は、図示例に限定されないものとする。
さらに、上記各実施の形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含む。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及びそれらの変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながら実施の形態の作用効果として含めることができる。逆に、本実施の形態に記載されたすべての作用効果を奏することのできる構成が、本発明の本質的特徴部分の必須構成要件であるとは限らない。また、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成による実施の形態並びにその構成に基づく技術的範囲も発明になりうる。
そして、各実施の形態及びそれらの変形例を含むこれまでの記述は、本発明の理解を容易にするために、本発明の多様な実施の形態のうちの一例の開示、すなわち、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、例証するものであり、制限するものではなく、適宜変形及び/又は変更が可能である。本発明は、その技術思想、またはその主要な特徴に基づいて、様々な形で実施することができ、各実施の形態及びその変形例によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
従って、上記に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物を含む趣旨である。
本発明は、ディスクアレイ装置を管理するコンピュータ、その周辺装置、システム全般に利用可能である。
本発明の第1の実施の形態によるデータ記憶システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 図1のデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 図1のデータ記憶システムの各部の機能の概略構成の一例を示すブロック図である。 図1のデータ記憶システムの各部の詳細構成の一例を示すブロック図である。 図1のデータ記憶システムの各部の機能の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態によるデータ記憶システムによる障害処理方法における処理手順の一例を示すシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態によるデータ記憶システムによる障害処理方法における処理手順の一例を示すシーケンス図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムによる障害処理方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態によるデータ記憶システムの概略構成の一例を示すブロック図である。 関連技術のデータ記憶システムによる障害処理を説明するための説明図である。
符号の説明
1 データ記憶システム
2 管理制御装置
11 OS
12 ソフトウエア(SW)2重化ディスク制御手段(多重化制御手段)
14 記憶媒体多重化制御部
14a データ入出力要求出力制御手段
14b 異常終了通知受領手段
14c 切替制御手段
14d 閉塞制御手段
21 CPU
22 I/O処理手段
30a 転送制御部
31 IOP
32a 転送処理制御手段
32−1 第1の転送処理手段
32−2 第2の転送処理手段
41 CH(チャネル)
42 診断実行手段(診断実行制御手段)
44 判定手段
45 データ一致要求出力制御手段
50(50−1、50−2) ディスク装置(データ記憶部)

Claims (20)

  1. データ記憶部に関連する障害の管理制御を行うデータ記憶システムに用いられる管理制御装置であって、
    一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段と、
    前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、
    前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段と、
    を含むことを特徴とする管理制御装置。
  2. 請求項1に記載の管理制御装置において、
    前記診断実行制御手段は、前記一のデータ記憶部との間の経路障害を診断する制御を行うことを特徴とする管理制御装置。
  3. 請求項1に記載の管理制御装置において、
    前記診断実行制御手段は、前記一のデータ記憶部のディスク障害を診断する制御を行うことを特徴とする管理制御装置。
  4. 請求項1に記載の管理制御装置において、
    前記診断実行制御手段にて障害なしと診断された場合に、前記一のデータ記憶部を前記他のデータ記憶部と多重化する制御を行う多重化制御手段をさらに有することを特徴とする管理制御装置。
  5. 請求項1に記載の管理制御装置において、
    前記診断実行制御手段にてディスク障害ありと診断された場合に、前記一のデータ記憶部を閉塞する制御を行う閉塞制御手段をさらに有することを特徴とする管理制御装置。
  6. 請求項1に記載の管理制御装置において、
    前記一のデータ記憶部は、
    第1の通信経路を通じて前記第1の要求が送信される送信先となる第1のデータ記憶装置を含み、
    前記他のデータ記憶部は、
    前記第1の通信経路と異なる第2の通信経路を通じて前記第2の要求が送信される送信先となる第2のデータ記憶装置を含むものであることを特徴とする管理制御装置。
  7. 請求項4に記載の管理制御装置において、
    前記多重化制御手段は、
    前記診断実行制御手段にて経路障害なしと診断された場合に、前記第1の要求が送信される第1の通信経路を通じて前記一のデータ記憶部を、他のデータ記憶部と多重化する制御を行うことを特徴とする管理制御装置。
  8. 請求項4に記載の管理制御装置において、
    前記多重化制御手段は、
    前記診断実行制御手段にて経路障害ありと診断された場合に、経路障害となる第1の通信経路と異なる第3の通信経路を通じて前記一のデータ記憶部を多重化する制御を行うことを特徴とする管理制御装置。
  9. 記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間でデータ転送制御を行うデータ記憶システムに用いられる転送制御装置であって、
    前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御手段と、
    前記転送処理制御手段での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、
    を含み、
    前記記憶媒体多重化制御部に、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記障害の診断と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴とする転送制御装置。
  10. 請求項9に記載の転送制御装置において、
    前記診断実行制御手段による障害診断結果が正常である場合に、前記記憶媒体多重化制御部に対して前記他のデータ記憶部のデータと前記一のデータ記憶部のデータを多重化して一致させるデータ一致要求を出力するデータ一致要求出力制御手段をさらに有することを特徴とする転送制御装置。
  11. データ記憶部と転送制御部を介して通信可能に形成されデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置であって、
    一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力手段と、
    前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領手段と、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御手段と、
    を含むことを特徴とする記憶媒体多重化制御装置。
  12. 請求項11に記載の記憶媒体多重化制御装置において、
    前記転送制御部による障害診断結果が正常である場合に通知されるデータ一致要求に基づいて、障害診断対象の前記一のデータ記憶部を復旧させて前記他のデータ記憶部のデータと前記一のデータ記憶部のデータを多重化して一致させる制御を行う多重化制御手段をさらに有することを特徴とする記憶媒体多重化制御装置。
  13. 複数のデータ記憶装置と、
    前記データ記憶装置に関連する障害の管理制御を行う管理制御装置と、
    を含み、
    前記管理制御装置は、
    一の前記データ記憶装置との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御手段と、
    前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶装置への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、
    前記無応答の場合に、前記診断実行制御手段による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶装置と異なる他のデータ記憶装置に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶装置との間のデータ転送処理を実行する切替制御手段と、
    を含むことを特徴とするデータ記憶システム。
  14. 複数のデータ記憶装置と、
    各々の前記データ記憶装置のデータの多重化を行う記憶媒体多重化制御装置と、
    前記記憶媒体多重化制御装置と前記データ記憶装置との間でデータ転送制御を行い、前記データ記憶装置に関連する障害の診断制御を行う転送制御装置と、
    を含み、
    前記転送制御装置は、
    前記記憶媒体多重化制御装置からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶装置に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御装置に通知する制御を行う転送処理制御手段と、
    前記転送処理制御手段での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶装置に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御手段と、
    を含み、
    前記記憶媒体多重化制御装置は、
    一の前記データ記憶装置に対するデータ転送処理要求を前記転送制御装置より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力手段と、
    前記転送制御装置にて発行される前記転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領手段と、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶装置に切替えて、前記転送制御装置による前記一のデータ記憶装置に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶装置との間のデータ転送を行うように制御する切替制御手段と、
    を含むことを特徴とするデータ記憶システム。
  15. コンピュータがデータ記憶部の障害に関する処理を行う障害処理方法であって、
    コンピュータが、一の前記データ記憶部に対して第1の要求を送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御ステップと、
    コンピュータが、前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップと、
    コンピュータが、前記無応答の場合に、前記診断実行制御ステップによる前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御ステップと、
    を含むことを特徴とする障害処理方法。
  16. 記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能なデータ記憶システムに用いられる転送制御装置が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行する障害処理方法であって、
    前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御ステップと、
    前記転送処理制御ステップでの前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御ステップと、
    を含み、
    前記診断実行制御ステップと並行して、前記記憶媒体多重化制御部に前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴とする障害処理方法。
  17. データ記憶部と転送制御部を介して通信可能なデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置が、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行する障害処理方法であって、
    一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力ステップと、
    前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領ステップと、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御ステップと、
    を含むことを特徴とする障害処理方法。
  18. コンピュータにデータ記憶部の障害に関する処理を実行させる障害処理プログラムであって、
    一の前記データ記憶部との間でデータ転送処理を行うための第1の要求を前記一のデータ記憶部に対して送信し、前記第1の要求に対する応答が無応答であるか否かを判定する制御を行う転送処理制御機能と、
    前記無応答の場合に、前記一のデータ記憶部への障害診断を実行する制御を行う診断実行制御機能と、
    前記無応答の場合に、前記診断実行制御機能による前記障害診断と並行して、前記一のデータ記憶部と異なる他のデータ記憶部に対して前記第1の要求の送信先を変更した第2の要求を送信する切替制御を行い、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送処理を実行する切替制御機能と、
    を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴とする障害処理プログラム。
  19. 記憶媒体多重化制御部とデータ記憶部との間で通信可能なデータ記憶システムに用いられる転送制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させる転送制御用障害処理プログラムであって、
    前記記憶媒体多重化制御部からのデータ入出力要求に基づいて少なくとも一の前記データ記憶部に対してデータ転送処理要求を送信し、前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に転送処理異常終了通知を発行し前記記憶媒体多重化制御部に通知する制御を行う転送処理制御機能と、
    前記転送処理制御機能での前記転送処理異常終了通知の発行に基づいて、前記一のデータ記憶部に対する障害の診断を実行する制御を行う診断実行制御機能と、
    を含む機能をコンピュータに実行させ、
    前記記憶媒体多重化制御部に、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記診断実行制御機能と並行して前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うようにさせることを特徴とする転送制御用障害処理プログラム。
  20. データ記憶部と転送制御部を介して通信可能なデータ記憶システムに用いられる記憶媒体多重化制御装置が備えたコンピュータに、前記データ記憶部の障害に関する処理を実行させる多重化制御用障害処理プログラムであって、
    一の前記データ記憶部に対するデータ転送処理要求を前記転送制御部より送信させるためのデータ入出力要求を出力するデータ入出力要求出力機能と、
    前記データ入出力要求に基づき前記データ転送処理要求を送信して前記データ転送処理要求に対する応答が無応答の場合に、前記転送制御部にて発行される転送処理異常終了通知を受領する異常終了通知受領機能と、
    前記転送処理異常終了通知に基づいて、前記データ入出力要求の送信先を他の前記データ記憶部に切替えて、前記転送制御部による前記一のデータ記憶部に対する障害診断と並行して、前記他のデータ記憶部との間のデータ転送を行うように制御する切替制御機能と、
    を含む機能をコンピュータに実行させることを特徴とする多重化制御用障害処理プログラム。
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