JP2009209997A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケージポケットの開口側球面部に発生しやすい剥離等を抑制できて、耐久性の向上を図ることができ、しかも組み込み性についても改善できる固定式等速自在継手を提供する。
【解決手段】ケージ28のポケット29は、一対の長ポケット30、30を周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケット30、30と短ポケットとを周方向に沿って交互に配置する。長ポケット30には2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容する。ケージ28の長ポケット30に対応する外方部材の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくした。あるいは、ケージ28の長ポケット30に対応する外方部材の球面入口インロー部のアール部の曲率半径を他の球面入口インロー部のアール部の曲率半径よりも大きくした。
【選択図】図5

Description

本発明は固定式等速自在継手及びその製造方法に関し、詳しくは、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で角度変位のみを許容する固定式等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手の一種に固定式等速自在継手がある。この固定式等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。一般的に、前述した固定式等速自在継手としては、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)が広く知られている。
例えば、UJタイプの固定式等速自在継手は、図17と図18に示すように内球面1に複数のトラック溝2が形成された外方部材としての外輪3と、外球面4に外輪3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が形成された内方部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪3の内球面1と内輪6の外球面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。ケージ8には、ボール7が収容されるポケット9が周方向に沿って複数配設されている。
前記外輪3のトラック溝2は、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝2aと、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝2bとからなる。奥側トラック溝2aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪3の開口側にずらしている。また、内輪6のトラック溝5は、トラック溝底が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝5aと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝5bとからなる。開口側トラック溝5bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪3の奥側トラック溝2aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
また、ケージ外球面8aは、その曲率半径O3を継手中心Oから軸方向にケージ8の開口側にずらし、ケージ内球面8bは、その曲率中心O4を継手中心Oから軸方向にケージ外球面8aの曲率中心O3と反対側の奥側に等距離k1だけ離して設けている。従来のこの種の等速自在継手では、内外輪のトラックオフセット量を大きく、ケージのオフセット量を小さくしている。また、隣合う2個のボール7のピッチ角は、60度である。すなわち、ボール7が周方向に沿って60度ピッチで6個配置されている。
ところで、固定式等速自在継手において、近年では、小型化できてしかもトルク負荷容量を上げることが求められている。6個のボールを有する固定式等速自在継手を小型化し、かつトルク負荷容量を上げる方法として、出来るだけ大きなボールを出来るだけ小さなPCD上に配置することが考えられる。しかしながら、大きなボールを使用すると、ケージのポケット間の柱(窓柱)が細くなり、ケージの剛性が低下する。特に高角時の捩りトルク負荷に対しては、ケージの破損が生じ易く、等速自在継手の強度低下の要因となっている。
特に、内外輪のトラックオフセット量が大きく、ケージのオフセット量が小さい場合、外輪奥側のトラック溝深さが浅くなり、高角時のトルク負荷容量が小さくなる。つまり、高角時のトルク負荷に対してボールがトラックエッジに乗り上げ易く、エッジ部に過大な応力が発生する。そのため、エッジ部の欠けによる損傷や、塑性変形が生じることによるケージとのロック現象が発生する。これらの損傷やロック現象は、作動性を悪くし、耐久寿命を低下させたり、ケージ破損の要因となっている。また、内輪においても奥側のトラック深さも浅くなっており、外輪と同様の欠点を有する。このため、高角度域での継手強度および耐久性の向上は従来からの課題である。
そこで、図19と図20と図21と図22に示すように、ケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量を略同一となる様に大きくして、外輪奥側のトラック溝深さを深くして、高角時のトルク負荷容量を大きくしたり、ケージ8のポケット9を全体として4箇所に設け、かつ、円周上対向する位置に長ポケット9(9a)および短ポケット9(9b)をそれぞれ2箇所配設し、長ポケット9aには2個のボール7を配置し、短ポケット9bに1個のボール7を配置したものがある(特許文献1)。これによって、小さなPCDに大きなボールを配置することができ、負荷容量を低下させずにコンパクト化が可能となるようにしている。
特開2007−263163号公報
しかしながら、図19、図20に示すような等速自在継手では、図23に示すように、大きな作動角θを取って回転すると、2個のボール7を収納しているケージ8の長ポケット9aの相対面する長辺のうち、開口側エッジ部11が外輪3の球面内径入口エッジ部10を乗り越える現象が繰り返される。
特に負荷トルク及び作動角が大きい場合、ケージ8の長ポケット9aの相対面する長辺の開口側エッジ部11と外輪3の球面内径入口エッジ部10の干渉が起こり易くなる。このため、この部位にはグリース等の潤滑剤が介在し難くなり、図24に示すように、ケージ8の長ポケット9aの相対面する長辺の開口側エッジ部11近傍に表面剥離などによる損傷部12が発生し易くなるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて、ケージポケットの開口側球面部に発生しやすい剥離等を抑制できて、耐久性の向上を図ることができ、しかも組み込み性についても改善できる固定式等速自在継手を提供する。
本発明の第1の固定式等速自在継手は、内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備え、前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容した固定式等速自在継手であって、ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくしたものである。
本発明の第2の固定式等速自在継手は、内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備え、前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容した固定式等速自在継手であって、ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部のアール部の曲率半径を、他の球面入口インロー部のアール部の曲率半径よりも大きくしたものである。
本発明の第1および第2の固定式等速自在継手では、長ポケットを有することによって、内輪のケージへの組込みが容易となる。
また、長ポケットの相対面する長辺の開口側エッジ部が外輪(外方部材)の球面内径入口エッジ部を乗り越える現象が繰り返されたとしても、(第1の固定式等速自在継手では、ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくしており、第2の固定式等速自在継手では、ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部のアール部の曲率半径を、他の球面入口インロー部のアール部の曲率半径よりも大きくしているので)、内径入口エッジ部に対するケージの外径面の摺接を回避することができる。このため、外輪の球面内径入口エッジ部における表面剥離等を防止できる。
ボールのピッチ円直径をPCDBALLとするとともに、ボール直径をDBALLとし、この比であるPCDBALL/DBALLを3.0以上3.3以下とするのが好ましい。等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができる。
ピッチ円直径とボールの直径との比が3.0未満であると、ボールの直径が大きい場合は内方部材の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、ボールのピッチ円直径が小さい場合は内方部材(内輪)・外方部材(外輪)とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、3.3を越えると、ボールの直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、ボールのピッチ円直径が大きい場合は、外方部材外径が大きくなり、コンパクト化が達成できない。
外方部材の外径をDOUTERとするとともに、ボール直径をDBALLとし、この比であるDOUTER/DBALLを4.6以上4.8以下とするのが好ましい。外方部材の外径とボールの直径との比が4.6未満であると、ボールの直径が大きい場合は外方部材の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、外方部材の外径が小さい場合は内方部材・外方部材とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、4.8を越えると、ボールの直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、外方部材の外径が大きい場合はコンパクト化が達成できない。
ケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくするのが好ましい。これによって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、開口側のケージの肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。
外方部材のトラック溝の曲率中心と内方部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、作動角が0°のときにおいて、ケージの外球面の曲率中心とボール中心とを結んだ直線と、継手中心とボール中心とを結んだ直線との成す角度、及びケージの内球面の曲率中心とボール中心とを結んだ直線と、継手中心とボール中心とを結んだ直線との成す角度をそれぞれ2.7°以上5.7°以下に設定するのが好ましい。
上記ケージのオフセット角度を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージの継手開口側の端部の肉厚が、他の部分に比べて厚く成形される。ケージのオフセット角が、2.7°未満であると、ケージの継手開口側の端部が薄くなり、十分な強度が確保できない。また、5.7°を越えると、ケージの継手奥側の端部の肉厚が極端に薄くなる。ケージの製造工程において一般的に熱処理を施すが、ケージの肉厚が極端に薄くなると、その肉厚の薄い部分では熱処理による未硬化層が少なくなり、靱性が低下し十分な強度が確保できなくなる。また、ケージの継手開口側の端部と継手奥側の端部とで、肉厚差が大きいと加工性の悪化も懸念される。
また、ケージのポケット中心位置におけるケージ肉厚をtCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボールのピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるtCAGE/PCRBALLを0.20以上0.23以下に設定するのが好ましい。
本発明の固定式等速自在継手では、ボールの数が6個であるので、比較的大きなボールを使用することができ、しかもケージのポケット間の柱幅も厚くすることができる。ところで、tCAGE/PCRBALLが0.20未満となると、外径が大きくなり、コンパクト化が困難になったり、ケージの肉厚が薄くなったり、大角度時の必要継手強度を確保することが困難となる。一方、tCAGE/PCRBALLが0.23を越えると、内径セレーション部(シャフト嵌合部)における内輪(内方部材)の肉厚が薄くなり、大角度時(高作動角時)の必要継手強度の確保が困難になったり、内方部材及び外方部材のトラック溝深さが小さくなることにより、許容可能なトルクレベルが低下したりする。この結果、ボールが内方部材及び外方部材のトラック溝のエッジ部に乗り上げ易くなり、耐久性が著しく低下してしまうおそれがある。このため、0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボールのトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。
外方部材のトラック溝および内方部材のトラック溝を円周方向に不等ピッチで配設することも可能である。内方部材のトラック溝及び外方部材のトラック溝を円周方向に不等ピッチで配設したものであれば、ケージのポケットも円周方向に不等ピッチで配設される。
長ポケットに収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボールのピッチ角を60度よりも大きくした。これにより、長ポケットに収納した2個のボールのピッチ間距離が小さくなり、これに対応する外方部材、及び内方部材のトラック溝のピッチ間距離が小さくなる。長ポケットに収容した2個のボールのピッチ間距離を小さくすることに依って、ケージのポケット間の4つの窓柱の1本あたりの周方向長さを長くすることができ、各ケージの窓柱の剛性を大きくすることができる。
前記長ポケットの相対面する長辺の少なくとも一方に、内方部材組み込み時において内方部材に非干渉部位となるポケット内方膨出部を設けることも可能である。このようなポケット内方膨出部を設けることによって、ケージの剛性および強度の向上を図ることができる。しかも、ポケット内方膨出部は内方部材組み込み時において非干渉部位となるので、組み込み性の低下を招かない。
本発明では、各ケージ窓柱の剛性を大きくすることができるので、小さなPCDに大きなボールを配置することができ、負荷容量を低下させずにコンパクト化が可能となる。しかも、高角度時の捩りトルク負荷に対して、ケージの破損を防止できる。また、長ポケットを有することによって、内方部材のケージへの組込みが容易となる。特に、長ポケットの周方向間隔の最小長さよりも前記内方部材の軸方向長さを短くすることにより、内輪のケージへの組込みが一層容易となって、組立作業性を向上することができる。
外方部材の内径入口エッジ部に対するケージの外径面の摺接を回避することができ、外方部材の球面内径入口エッジ部における表面剥離等を防止できる。これによって、等速自在継手としての耐久性の向上を図ることができ、長期にわたって安定した機能を発揮することができる。
ボールのピッチ円直径とボールの直径との比を、3.0以上3.3以下としたことによって、等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができ、高精度の等速自在継手を提供することができる。また、外方部材の外径とボールの直径との比を、4.6以上4.8以下とすることによって、一層強度・耐久性を確保することができる。ケージのオフセット角度を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージの継手開口側の端部の肉厚を、他の部分に比べて厚く成形することができ、継手の小型軽量化を図るためにケージを薄く成形しても、ケージの継手開口側の端部は、継手の高作動角回転時に付与される負荷に耐え得る強度を確保することができる。
0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボールのトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。すなわち、このように設定することによって、コンパクト化(小型化)を可能とするとともに、小型化してもケージの強度を確保でき、さらには、高角捩りトルク負荷時のケージ損傷を防止できて、高角強度の向上を図ることができる。このため、よりコンパクトなフォルムにて継手強度耐久性を従来品と同等以上に確保することができる。
また、長ポケットに収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボールのピッチ角を60度よりも大きくしたことによって、長ポケットに収納した2個のボールのピッチ間距離を小さくでき、これに対応する外方部材のトラック溝のピッチ間距離を小さくできる。これにより、ケージの外方部材への組込みが容易となる。特に、このピッチ間距離(トラック溝間肩幅寸法)を、ケージ軸方向におけるポケット幅よりも小さくでき、これにより、ケージの外方部材への組込みが一層容易となって、組立作業性を向上することができる。
長ポケットに、ポケット内方膨出部を設けることによって、ケージの剛性および強度の向上を図ることができる。しかも、ポケット内方膨出部は内方部材組み込み時において非干渉部位となるので、組み込み性の低下を招かない。
本発明に係る固定式等速自在継手の実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
この固定式等速自在継手は、図1と図2に示すように内球面21に複数のトラック溝22が形成された外方部材(外側継手部材)としての外輪23と、外球面24に外輪23のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝25が形成された内方部材(内側継手部材)としての内輪26と、外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数のボール27と、外輪23の内球面21と内輪26の外球面24との間に介在してボール27を保持するケージ28とを備えている。
前記外輪23のトラック溝22は、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25の曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
ケージ28は、外球面28aの曲率中心O3と内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心(ケージ中心)Oに対して等距離k1だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージ28のオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくしている。
また、ケージ28にはボール27を収容するポケット29が設けられている。この場合、ケージ28のポケット29は、図2に示すように、周方向間隔が大の一対の長ポケット30と、周方向間隔が小の一対の短ポケット31との合計4個を有している。そして、一対の長ポケット30を周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケット31を周方向に沿って180度ずらせて、長ポケット30と短ポケット31とを周方向に沿って交互に配置している。このため、ポケット間に設けられる窓柱34(ケージ窓柱)が4個となる。
長ポケット30には2個のボール27を収容するとともに、短ポケット31には1個のボール27を収容する。この場合、全6個のボール27は円周方向に沿って等ピッチ(60°ピッチ)で配設されている。
この第1の実施形態では、図3と図4に示すように、ケージ28の長ポケット30に対応する外輪23の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくしている。すなわち、外輪23の球面入口インロー部の一部(ケージ28の長ポケット30に対応する部位)に、その切欠端面33aが軸線に沿って延びる切欠部33を設ける。この切欠部33の内径S1(図3参照)を、切欠部33が形成されない球面入口インロー部の内径S2(図4参照)よりも大きく設定する。
ところで、内輪26をケージ28に組み込む作業は以下のように行われる。まず、ケージ28の軸線に対して内輪26をその軸線が垂直になるように配置した状態(ケージ28に対して内輪26を90°回転させた状態)で、その内輪26の外球面24の一部をケージ28のポケット29に落とし込む。この状態で内輪26をケージ28に挿入し、その後、内輪26をケージ28に対して90°回転させて、ケージ28の軸線に内輪26の軸線を一致させて正規の姿勢に配置する。
このため、本発明に係るケージ28では、内輪26をケージ28に組み込む際に、長ポケット30に内輪26の外球面24の一部を落とし込むようにでき、内輪26のケージへの組込みが容易となる。
また、長ポケット30の相対面する長辺30a,30bの開口側エッジ部が外輪23の球面内径入口エッジ部を乗り越える現象が繰り返されたとしても、ケージ28の長ポケット30に対応(位置)する外輪23の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくしているので、内径入口エッジ部に対するケージ28の外径面の摺接を回避することができる。このため、外輪23の球面内径入口エッジ部における表面剥離等を防止でき、等速自在継手としての耐久性の向上を図ることができ、長期にわたって安定した機能を発揮することができる。
次に図5、図6、図7に示す第2の実施形態では、外輪23の球面入口インロー部にアール部35を設け、ケージ28の長ポケット30に対応する部位のアール部35aを、他の球面入口インロー部のアール部35bよりも大きくしている。すなわち、アール部35aの曲率半径R1を、アール部35bの曲率半径R2よりも大きく設定している。
この図5に示す等速自在継手の他の構成は図1に示す等速自在継手と同様であるので、図1と同一部材は同一符号を付してそれらの説明を省略する。
このため、図5から図7に示す等速自在継手においても、図1に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。特に、ケージ28の長ポケットに対応(位置)する外輪23の球面入口インロー部のアール部35aを、他の球面入口インロー部のアール部35bよりも大きくしているので、内径入口エッジ部に対するケージの外径面の摺接を回避することができ、外輪の球面内径入口エッジ部における表面剥離等を防止できる。
図8に示すように、ボール27のピッチ円直径PCDBALLとボール27の直径DBALLとの比r1を、3.0以上3.3以下とするのが好ましい。すなわち、3.0≦r1≦3.3としている。外輪23の外径DOUTERとボール27のピッチ円直径PCDBALLとの比r2を、4.6以上4.8以下とするのが好ましい。すなわち、4.6≦r2≦4.8としている。ここで、ピッチ円直径PCDBALLとは、ボール中心が描く円の軌跡の直径である。
PCDBALL/DBALLを3.0以上3.3以下とすることによって、等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができ、高精度の等速自在継手を提供することができる。ピッチ円直径PCDBALLとボールの直径DBALLとの比が3.0未満であると、ボール27の直径が大きい場合は内輪26の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、ボール27のピッチ円直径PCDBALLが小さい場合は内輪26・外輪23とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、3.3を越えると、ボール27の直径が小さい場合はボール27の負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、ボール27のピッチ円直径PCDBALLが大きい場合は、外輪外径が大きくなり、コンパクト化が達成できない。
外輪23の外径をDOUTERとするとともに、ボール直径をDBALLとし、この比であるDOUTER/DBALLを4.6以上4.8以下とするのが好ましい。外輪23の外径とボールの直径との比が4.6未満であると、ボール27の直径が大きい場合は外輪23の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、外方部材の外径が小さい場合は内方部材・外方部材とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、4.8を越えると、ボール27の直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、外輪23の外径が大きい場合はコンパクト化が達成できない。
ところで、前記実施形態では、トラック溝にストレート部を有さないバーフィールド型(BJ型)であったが、図9に示すように、トラック溝にストレート部を有するアンダーカットフリー型(UJ型)であってもよい。
すなわち、この等速自在継手では、外輪23のトラック溝22は、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝22aと、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝22bとからなる。奥側トラック溝22aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25は、トラック溝底が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝25aと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝25bとからなる。開口側トラック溝25bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の奥側トラック溝22aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
この場合、作動角が0°のときにおいて、ケージ28の外球面28aの曲率中心O3とボール中心O5とを結んだ直線L3と、継手中心Oとボール中心O5とを結んだ直線Lとの成す角度θ3、及びケージ28の内球面28bの曲率中心O4とボール中心O5とを結んだ直線L4と、継手中心Oとボール中心O5とを結んだ直線Lとの成す角度θ4をそれぞれ2.7°以上5.7°以下に設定している。なお、角度θ3及びθ4は、ケージオフセット角(θCAGE)と呼ぶ。また、作動角が0°とは、外輪23の軸線と内輪26の軸線とが一致する状態である。
また、作動角が0°のときにおいて、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1とボール中心O5とを結んだ直線L1と、継手中心Oとボール中心O5とを結んだ直線Lとの成す角度θ1、及び内輪26のトラック溝25の曲率中心O2とボール中心O5とを結んだ直線L2と、継手中心Oとボール中心O5とを結んだ直線Lとの成す角度θ2をそれぞれ前記オフセット角(θCAGE)と略同一に設定される。なお、角度θ1及び角度θ2は、トラックオフセット角(θTRACK)と呼ぶ。この実施形態では、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1をケージ28の外球面28aの曲率中心O3よりも反継手中心側に配置するとともに、内輪26のトラック溝25の曲率中心O2を、ケージ28の内球面28bの曲率中心O4よりも反継手中心側に配置している。このため、この実施形態では、トラックオフセット角(θTRACK)がケージオフセット角(θCAGE)よりも僅かに大きく設定されている。
ケージ28のオフセット角度θ3及びθ4を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージ28の継手開口側の端部の肉厚を、他の部分に比べて厚く成形することができ、継手の小型軽量化を図るためにケージ28を薄く成形しても、ケージ28の継手開口側の端部は、継手の高作動角回転時に付与される負荷に耐え得る強度を確保することができる。ケージ28のオフセット角θ3、θ4が、2.7°未満であると、ケージ28の継手開口側の端部が薄くなり、十分な強度が確保できない。また、5.7°を越えると、ケージ28の継手奥側の端部の肉厚が極端に薄くなる。ケージ28の製造工程において一般的に熱処理を施すが、ケージ28の肉厚が極端に薄くなると、その肉厚の薄い部分では熱処理による未硬化層が少なくなり、靱性が低下し十分な強度が確保できなくなる。また、ケージ28の継手開口側の端部と継手奥側の端部とで、肉厚差が大きいと加工性の悪化も懸念される。
また、図10に示すように、ケージ28のポケット中心位置におけるケージ肉厚をtCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボール27のピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるtCAGE/PCRBALLを0.20以上0.23以下とすることも可能である。ここでピッチ円半径PCRBALLとは、ボール中心が描く円の軌跡の半径である。
ところで、tCAGE/PCRBALLが0.20未満となると、外径が大きくなり、コンパクト化が困難になったり、ケージ28の肉厚が薄くなったり、大角度時の必要継手強度が確保することが困難となる。一方、tCAGE/PCRBALLが0.23を越えると、内径セレーション部(シャフト嵌合部)における内輪26の肉厚が薄くなり、大角度時(高作動角時)の必要継手強度の確保が困難になったり、内輪26及び外輪23のトラック溝深さが小さくなることにより、許容可能なトルクレベルが低下したりする。この結果、ボール27が内輪26及び外輪23のトラック溝25、22のエッジ部に乗り上げ易くなり、耐久性が著しく低下してしまうおそれがある。
このため、0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボール27のトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。すなわち、本発明によれば、コンパクト化(小型化)を可能とするとともに、小型化してもケージ28の強度を確保でき、さらには、高角捩りトルク負荷時のケージ損傷を防止できて、高角強度の向上を図ることができる。このため、よりコンパクトなフォルムにて継手強度耐久性を従来品と同等以上に確保することができる。
前記実施形態では、ボール27を円周方向に沿って等ピッチで配設していたが、図11に示すように、不等ピッチで配設してもよい。この場合、長ポケット30に収容される2個のボール27のPCD上のピッチ角βを60度よりも小さくするとともに、その他のボール27ピッチ角αを60度よりも大きくしている。
このように、長ポケット30に収納した2個のボール27のピッチ間距離を小さくしたことによって、対応する外輪23のトラック溝22のピッチ間距離を小さくできる。これにより、ケージ28の外輪23への組込みが容易となる。図12に示すように、このピッチ間距離(トラック肩幅寸法f)を、ケージ軸方向におけるポケット幅gよりも小さくすれば、これにより、ケージ28の外輪23への組込みが一層容易となって、組立作業性を向上することができる。
ところで、図13、図14、図15(a)に示すように、長ポケット30の相対面する長辺30a、30bの長手方向中央部に、長ポケット内方側へ張り出す膨出部36、36を設けて、長ポケット30にスリット37を介して連設される2つのボール収容部38、38を形成してもよい。この場合、膨出部36、36は、その外面がケージ28の外球面28aと同一曲率半径の連続した球面であり、内面がケージ28の内球面28bと同一曲率半径の連続した球面である。なお、この実施形態では、膨出部36の形状は、ケージ外周側からみて側辺が円弧面とされた台形状(いわゆる富士山形状)である。
このため、各膨出部36の突出端面36aは、ケージ周方向に沿って延びる平面であり、所定間隔Wをもって対向(対面)している。また、所定間隔Wを、内輪26の凸部47の幅寸法(トラック溝間肩幅寸法)hよりも大きくしている。
所定間隔Wとしては、図13と図14に示すように、組立時に内輪26の肩部47(隣合うトラック溝間の突部)に干渉しない寸法とする。また、膨出部36の大きさや形状としても、作動角を付けて回転したとき等において、ボール収容部38に収容されるボール27の動きを阻害しないようにする必要がある。なお、膨出部36としては、長ポケット30を形成する際に、機械加工や塑性加工で形成することができる。
長ポケット30に膨出部36、36を設けることによって、この長ポケット30を構成するための枠(窓枠)の剛性を向上できる。これによって、窓枠の剛性不足によるケージ28の変形を防止でき、この継手の作動性を損なわずに済み、長期に亘って安定した作動性を発揮することができる。
前記実施形態の長ポケット30は図15(a)に記載のように、膨出部36、36がいわゆる富士山形状であったが、図15(b)(c)(d)のような形状であってもよい。すなわち、図15(b)の膨出部36、36は、膨出部36の突出端面36aのコーナ部がアール状とされ、図15(c)の膨出部36、36は矩形状とされ、図15(d)の膨出部36、36は、基部コーナ部がなだらかでない台形状とされている。
この図15(b)(c)(d)のような形状の長ポケット30を有するケージ28であっても、図15(a)のケージ28と同様の作用効果を奏する。
また、図16に示すように、一対の膨出部36、36のうちいずれか一方を省略してもよい。図16(a)では膨出部36を継手開口部側の長辺30a側にのみ設け、図16(b)では膨出部36を継手奥側の長辺30b側にのみ設けている。
図16(a)に示すものでは、外輪23の開口(入口)のインローエッジ部と、ケージ外球面28a側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができ、図16(b)に示すものでは、内輪26の外球面24の奥側エッジ部とケージ内球面28b側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができる。このため、ケージ28が外輪23の内球面21や内輪26の外球面24に案内しやすくなり、継手の作動性が悪化するのを防止でき、窓枠の剛性向上による継手の作動性の悪化防止と相俟って、ケージ28の欠けや割れを有効に防止できる。
ところで、長ポケット30を有するケージ28を製造する場合、周方向に沿って60°ピッチでポケットが形成された既存のケージにおいて、周方向に隣合うポケット間の窓柱を除去すればよい。すなわち、ケージ中心に関して180°反対方向の一対の窓柱を除去すればよい。このように、このケージ28としては、既存のケージにおいて、窓柱を除去することによって簡単に成形することができ、しかも、この窓柱の除去としては、プレス加工であっても、ミーリング加工であってもよく、これらの種々の塑性加工にて安定して成形することができる。図15や図16に示すケージ28の場合、除去すべき窓柱の一部を残しているが、図21と図22に示すケージ28では除去すべき窓柱の全体(全部)を除去している。つまり、長ポケット30を長円形状としている。
ケージ28内に内輪26を組み込む場合、図14に示すようにケージ28の一つの長ポケット30に、内輪26の一つの凸部47を落とし込むことになる。このため、このポケット内方膨出部36は、内輪組み込み時において内輪に非干渉部位となる。
長ポケット30に、ポケット内方膨出部36,36を設けることによって、ケージ28の剛性および強度の向上を図ることができる。しかも、膨出部36,36は内輪組み込み時において非干渉部位となるので、組み込み性の低下を招かない。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、曲率中心O1と曲率中心O3とは僅かにずれた位置に配置されるとともに、曲率中心O2と曲率中心O4とは僅かにずれた位置に配置されているが、曲率中心O1と曲率中心O3とが同一位置であっても、曲率中心O2と曲率中心O4とが同一位置であってもよい。
また、長ポケット30の周方向間隔としても、内輪26のケージ28への組込み性の向上が図れて、しかも、窓柱34の剛性が低下しない範囲で種々設定できる。さらに、トラック溝間肩幅寸法hやケージ28のケージ軸方向におけるポケット幅等も、ケージ28の外輪23への組込み性等を考慮して設定できる。
本発明の第1実施形態を示す固定式等速自在継手の縦断面図である。 前記固定式等速自在継手の横断面図である。 前記固定式等速自在継手の要部拡大断面図である。 前記固定式等速自在継手の他の要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態を示す固定式等速自在継手の縦断面図である。 前記図5に示す固定式等速自在継手の要部拡大断面図である。 前記図5に示す固定式等速自在継手の他の要部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態を示す固定式等速自在継手の横断面図である。 本発明の第4実施形態を示す固定式等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第5実施形態を示す固定式等速自在継手の横断面図である。 本発明の第6実施形態を示す固定式等速自在継手の横断面図である。 ケージと外輪の関係を示す図である。 他のケージと内輪との関係を示す図である。 図13に示すケージへの内輪の組み込に状態を示す図である。 ケージの変形例を示す簡略図である。 ケージの変形例を示す簡略図である。 従来の等速自在継手の縦断面図である。 従来の等速自在継手の横断面図である。 従来の他の等速自在継手の縦断面図である 従来の他の等速自在継手の横断面図である ケージの正面図である。 ケージの斜視図である。 従来の他の等速自在継手が作動角を取った状態の断面図である。 ケージが損傷した状態の正面図である。
符号の説明
21 内球面
22 トラック溝
24 外球面
25 トラック溝
27 ボール
28 ケージ
28a 外球面
28b 内球面
29 ポケット
30 長ポケット
31 短ポケット

Claims (10)

  1. 内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備え、前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容した固定式等速自在継手であって、
    ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部の内径を、他の球面入口インロー部の内径よりも大きくしたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備え、前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容した固定式等速自在継手であって、
    ケージの長ポケットに対応する外方部材の球面入口インロー部のアール部の曲率半径を、他の球面入口インロー部のアール部の曲率半径よりも大きくしたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  3. ボールのピッチ円直径をPCDBALLとするとともに、ボール直径をDBALLとし、この比であるPCDBALL/DBALLを3.0以上3.3以下としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定式等速自在継手。
  4. 外方部材の外径をDOUTERとするとともに、ボール直径をDBALLとし、この比であるDOUTER/DBALLを4.6以上4.8以下としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  5. ケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  6. 外方部材のトラック溝の曲率中心と内方部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、作動角が0°のときにおいて、ケージの外球面の曲率中心とボール中心とを結んだ直線と、継手中心とボール中心とを結んだ直線との成す角度、及びケージの内球面の曲率中心とボール中心とを結んだ直線と、継手中心とボール中心とを結んだ直線との成す角度をそれぞれ2.7°以上5.7°以下に設定したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  7. ケージのポケット中心位置におけるケージ肉厚をtCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボールのピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるtCAGE/PCRBALLを0.20以上0.23以下に設定したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  8. 外方部材のトラック溝および内方部材のトラック溝を円周方向に不等ピッチで配設したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  9. 前記長ポケットに収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボールのピッチ角を60度よりも大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  10. 前記長ポケットの相対面する長辺の少なくとも一方に、内方部材組み込み時において内方部材に非干渉部位となるポケット内方膨出部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
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