JP2009208260A - 射出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂供給通路内に介在する樹脂原料のブリッジを回避するため、通路形成部材を冷却水にて冷却する従来の冷却装置は、設備コストが嵩む上に定期的な点検が必要である。
【解決手段】原料樹脂11を収容するチャンバ16が画成され、このチャンバ16内に押し込まれる原料樹脂11を加熱するためのシリンダヒータ20が配された射出シリンダ部13と、この射出シリンダ部13のチャンバ16に連通する樹脂供給通路43が画成された中間支持板31を有し、この中間支持板31の樹脂供給通路43に供給される原料樹脂11を射出シリンダ部13のチャンバ16へと押し込むための材料供給ユニット14とを具えた本発明による射出装置10は、大気側に面する発熱部47と、材料供給ユニット14の中間支持板31に接合される吸熱部46とを有し、樹脂供給通路43内に介在する原料樹脂11のブリッジ現象を阻止するためのペルチェユニット45をさらに具える。
【選択図】図4
【解決手段】原料樹脂11を収容するチャンバ16が画成され、このチャンバ16内に押し込まれる原料樹脂11を加熱するためのシリンダヒータ20が配された射出シリンダ部13と、この射出シリンダ部13のチャンバ16に連通する樹脂供給通路43が画成された中間支持板31を有し、この中間支持板31の樹脂供給通路43に供給される原料樹脂11を射出シリンダ部13のチャンバ16へと押し込むための材料供給ユニット14とを具えた本発明による射出装置10は、大気側に面する発熱部47と、材料供給ユニット14の中間支持板31に接合される吸熱部46とを有し、樹脂供給通路43内に介在する原料樹脂11のブリッジ現象を阻止するためのペルチェユニット45をさらに具える。
【選択図】図4
Description
本発明は、原料樹脂を加熱するためのヒータが配された射出シリンダ部と、原料樹脂を射出シリンダ部へと押し込むための材料供給ユニットとを具えた射出装置に関する。
型締め装置と共に射出成形機の主要部を構成する射出装置は、原料樹脂を収容するチャンバが画成された射出シリンダ部を具え、この射出シリンダ部のチャンバへと原料樹脂を押し込むための材料供給ユニットが付設されている。材料供給ユニットは、射出シリンダ部のチャンバに連通する樹脂供給通路が画成された通路形成部材を有し、ホッパなどからこの通路形成部材の樹脂供給通路内に供給された原料樹脂が射出シリンダ部のチャンバへと押し込まれるようになっている。
このような射出成形機においては、射出シリンダ部から金型に画成された成形キャビティ全体に亙って成形材料を確実に射出する必要がある。このため、射出装置の射出シリンダ部には、そのチャンバ内に供給される原料樹脂を充分に加熱してこれを溶融させるためのヒータが配されている。
しかしながら、射出シリンダ部のチャンバ内に押し込まれた原料樹脂をヒータで加熱すると、熱伝導によって射出シリンダ部に連結された材料供給ユニットの通路形成部材の温度が次第に上昇することとなる。この結果、特に射出シリンダ部のチャンバに近接する樹脂供給通路内の原料樹脂の一部が軟化したり、あるいは溶融して団塊状のブリッジを形成してしまう場合がある。このようなブリッジが発生すると、樹脂供給通路に目詰まりが発生し、原料樹脂を所定量ずつ円滑に射出シリンダ部のチャンバ内に押し込むことができなくなる。
特許文献1は、このような不具合を解消するため、射出シリンダ部のチャンバに近接する樹脂供給通路の周囲に冷却水通路を形成し、ここに冷却水を流すようにした技術を開示している。これによると、冷却水通路に冷却水を流すことにより、樹脂供給通路を形成した通路形成部材が冷却されることとなり、樹脂供給通路内に介在する原料樹脂のブリッジを回避することが可能となる。
特許文献1に開示された射出成形機においては、通路形成部材を冷却するために冷却水通路を通路形成部材に形成したり、冷却水を給排するための配管および冷却水の供給/循環設備が必要であり、そのためのコストが嵩んでしまうこととなる。また、冷却水を用いることから、漏水対策などのために比較的頻繁に点検作業を行う必要があり、設備の稼働率の低下を招来してしまう不具合があった。
本発明の目的は、日常的な点検作業がほとんど不要であって、かつコストが嵩むことなく、材料供給ユニットの通路形成部材に画成された樹脂供給通路内に介在する樹脂原料のブリッジを回避し得る射出装置を提供することにある。
本発明は、原料樹脂を収容するチャンバが画成され、このチャンバ内に押し込まれる原料樹脂を加熱するためのヒータが配された射出シリンダ部と、この射出シリンダ部の前記チャンバに連通する樹脂供給通路が画成された通路形成部材を有し、この通路形成部材の樹脂供給通路に供給される原料樹脂を前記射出シリンダ部のチャンバへと押し込むための材料供給ユニットとを具えた射出装置であって、大気側に面する発熱部と、前記材料供給ユニットの前記通路形成部材に接合される吸熱部とを有し、前記樹脂供給通路内に介在する原料樹脂のブリッジ現象を阻止するためのペルチェユニットをさらに具えたことを特徴とするものである。
本発明による射出装置において、材料供給ユニットの通路形成部材の温度を検知するための温度センサと、この温度センサによる検出温度に基づいてペルチェユニットに対する通電を制御する制御手段とをさらに具えることができる。
通路形成部材の樹脂供給通路を挟んでペルチェユニットの吸熱部の反対側に温度センサを配することができる。
ペルチェユニットの吸熱部と、この吸熱部が接合される通路形成部材との間に通路形成部材を構成する材料よりも熱伝導率の大きな伝熱部材を組み込むようにしてもよい。
ペルチェユニットの発熱部に組み付けられる熱交換部を有し、この熱交換部にて発熱部の周囲の大気を加熱させて熱回収を行う熱回収手段をさらに具えることができる。
本発明の射出装置によると、発熱部が大気側に面するペルチェユニットの吸熱部を材料供給ユニットの通路形成部材に接合してこれを吸熱するようにしたので、通路形成部材に画成された樹脂供給通路内に介在する原料樹脂のブリッジ現象を阻止することができる。
通路形成部材の温度を検知する温度センサと、このセンサによる検出温度に基づいてペルチェユニットへの通電を制御する手段とを具えた場合、樹脂供給通路中の原料樹脂にブリッジ現象が発生しそうな場合にのみ、ペルチェユニットに通電を行うことができる。これにより、エネルギーの無駄な消費を防止することが可能となる。
通路形成部材の樹脂供給通路を挟んでペルチェユニットの吸熱部の反対側に温度センサを配した場合、この温度センサによって検出される温度よりもペルチェユニットの吸熱部が接合された通路形成部材の部分の温度を低温に保つことができる。
ペルチェユニットの吸熱部と、この吸熱部が接合される通路形成部材との間に通路形成部材を構成する材料よりも熱伝導率の大きな伝熱部材を組み込んだ場合、通路形成部材からの熱が伝熱部材を介してペルチェユニットの吸熱部へと伝わることとなる。この結果、さらに効率よく通路形成部材から熱を吸熱して通路形成部材の冷却を促進させることができる。
ペルチェユニットの発熱部に組み付けられる熱交換部を有し、この熱交換部にて発熱部の周囲の大気を加熱させて熱回収を行う熱回収手段をさらに具えた場合、回収された熱を何らかの形で再利用することができる。これにより、ペルチェユニットへの通電に伴うエネルギー損失を抑えることができる。
本発明による射出装置を竪型の射出成形機に応用した一実施形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明はこのような実施形態のみに限らず、必要に応じて本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも応用することができることは言うまでもない。
本実施形態における射出装置の概略構造を図1に模式的に表し、およびその右側面形状を図2に示し、その制御ブロックを図3に示し、この射出装置に付設された熱回収手段を模式的に図4に示す。すなわち、この射出成形機は、射出装置10と、図示しない型締め装置とを具えた一般的なものである。射出装置10は、成形材料である原料樹脂11を可塑化してこれを固定側金型12と図示しない可動側金型との間に画成される図示しない成形キャビティ内へ射出する。型締め装置は、固定側金型12に対して可動側金型をその対向方向に駆動する。
本実施形態における射出装置10は、射出シリンダ部13と、材料供給ユニット14と、熱回収手段15とを具えている。射出シリンダ部13は、ペレット状をなす原料樹脂11を可塑化してこれを成形キャビティ内に所定量ずつ射出するためのものであり、材料供給ユニット14は、原料樹脂11をこの射出シリンダ部13へと供給する。
射出シリンダ部13は、原料樹脂11が供給されるチャンバ16を画成した射出シリンダ17と、射出プランジャ18と、プランジャ駆動手段19とを具えている。射出プランジャ18は、射出シリンダ17のチャンバ16に対して摺動自在に嵌合され、プランジャ駆動手段19は、この射出プランジャ18を往復駆動する。外周がシリンダヒータ20で囲まれた射出シリンダ17の先端部には、外周をノズルヒータ21で囲まれたノズル22が設けられており、これらヒータ20,21は、チャンバ16内に供給される原料樹脂11を加熱溶融させるためのものである。このため、射出シリンダ17の温度およびノズル22の温度をそれぞれ検出するシリンダ用温度センサ23およびノズル用温度センサ24がこれら射出シリンダ17およびノズル22に付設されている。そして、これらの検出信号がケーブル25,26を介して制御装置27に出力されるようになっている。制御装置27は、これら温度センサ23,24からの検出信号に基づき、射出シリンダ17およびノズル22が所定の温度範囲内に保持されるように、ヒータ20,21に対する通電のオン/オフを制御する。なお、ノズル22のテーパ状をなすその先端面(下端面)は、固定側プラテン28に装着されたノズル受け板29のテーパ状をなす受け面(上端面)に対して緊密に押し当たり、ノズル受け板29に対してノズル22が正確に位置決めされるようになっている。
固定側金型12が取り付けられる固定側プラテン28には、複数本の支柱30が植設されており、これらの上端に中間支持板31が連結され、射出シリンダ17を取り囲んだ状態でこれを保持している。この中間支持板31には、さらに複数本の案内シャフト32が上向きに突設され、これらの上端に端板33が一体的に連結されている。この端板33と固定側プラテン28との間にはスライダ34が配され、このスライダ34を貫通する複数本の案内シャフト32により、スライダ34はこれらに沿って摺動可能に保持されている。先の射出プランジャ18は、このスライダ34から射出シリンダ17側に下向きに突設された状態となっている。先のプランジャ駆動手段19は、射出用モータ35と、端板33に対して回転自在に支持されたボールナット36と、スライダ34から射出プランジャ18と反対側、つまり上方に突設されてボールナット36に螺合する図示しないボールねじ軸とを具えている。射出用モータ35には駆動スプロケット37が一体的に連結され、この駆動スプロケット37と、先のボールナット36に対して一体に設けられた従動スプロケット38とには、無端の歯付きベルト39が掛け渡されている。
従って、上述した射出用モータ35を正逆転することにより、歯付きベルト39を介してボールナット36が正逆転することとなる。この結果、ボールねじ軸と一体のスライダ34が案内シャフト32に沿って往復動し、射出プランジャ18を射出シリンダ17に対して往復動させことができる。なお、射出装置10としてこのような射出プランジャ18の往復動作を行うことができるものであれば、本実施形態以外の任意の周知の構成のものを適宜採用し得ることは言うまでもない。
本実施形態における材料供給ユニット14は、本発明における通路形成部材としての先の中間支持板31と、原料樹脂11を貯溜するホッパ40と、押込みプランジャ41と、プランジャ駆動モータ42とを具えている。中間支持板31には、ほぼ水平方向に延在して一端が射出シリンダ部13のチャンバ16に連通する樹脂供給通路43が画成されている。ホッパ40は、ホッパジョイント44を介して中間支持板31に連結され、樹脂供給通路43の中間部がホッパジョイント44を通ってホッパ40に連通している。押込みプランジャ41は、樹脂供給通路43に対して摺動自在に嵌合され、ホッパ40から樹脂供給通路43内に流下する原料樹脂11を射出シリンダ17内に送出する。プランジャ駆動モータ42には押込みプランジャ41が連結され、この押込みプランジャ41を樹脂供給通路43内で往復駆動させる。この押込みプランジャ41の往復動により、原料樹脂11をホッパ40から樹脂供給通路43を介して射出シリンダ17のチャンバ16内へと所定量ずつ間欠的に送り込むことができる。
従って、1回の射出作業毎に先の射出プランジャ18の往復動と、押込みプランジャ41の往復動とを組み合わせ、チャンバ16内に供給される原料樹脂11を可塑化した状態でノズル22から成形キャビティ内へと所定量ずつ順に射出することができる。
材料供給ユニット14は、樹脂供給通路43内に介在する原料樹脂11のブリッジを阻止するためのペルチェユニット45をさらに具えている。本実施形態における熱回収手段15は、このペルチェユニット45からの排熱を回収してホッパ40内に収容された原料樹脂11の乾燥を行うためのものである。ペルチェユニット45の特性として、吸熱部46にて吸熱される熱エネルギーよりも発熱部47にて発熱する熱エネルギーの量が多くなる。このため、熱回収手段15にてペルチェユニット45の発熱部47にて発生する熱を回収することはエネルギー効率の点からも有効である。このようなペルチェユニット45を用いた場合、材料供給ユニット14の冷却と同時に原料樹脂11の加熱乾燥とを実現することが可能となるため、設備の複雑化を回避すると共にエネルギー効率を向上させることができる。
上述したように、射出シリンダ17にはシリンダヒータ20が組み込まれているため、射出シリンダ17に接続する中間支持板31は射出シリンダ17側からの伝熱によって150℃〜200℃もの高温に達する場合がある。そこで、中間支持板31を冷却して中間支持板31に形成された樹脂供給通路43内に介在する原料樹脂11のブリッジ現象を回避する必要がある。
ペルチェユニット45は、中間支持板31の底面に接合される吸熱部46と、大気側に面する発熱部47とを有する。このペルチェユニット45は、周知のようにP型熱電半導体とN型熱電半導体とを交互に接続したものである。そして、これらのPN接合部に電流を流すことにより、N→P接合部、つまり吸熱部46では吸熱現象が発生し、P→N接合部、つまり発熱部47では発熱現象が発生することを利用して中間支持板31の冷却を行うようにしている。
ペルチェユニット45に対する通電のオン/オフは、中間支持板31に組み込まれたブリッジ防止用温度センサ48からの検出信号に基づいて上述した制御装置27により行われる。より具体的には、ブリッジ防止用温度センサ48によって検出される温度が50℃〜70℃の範囲に収まるように、ペルチェユニット45に対する通電のオン/オフが制御される。つまり、ブリッジ防止用温度センサ48によって検出される温度が70℃を越えた場合にはペルチェユニット45に対して通電を行い、50℃未満の場合には、非通電状態に保持する。このような制御を行うことにより、ペルチェユニット45が不必要な電力を消費しないようにすることができる。なお、通電方向を逆にすることにより、吸熱部46と発熱部47とを切り換えることも可能であり、50℃未満の場合に中間支持板31を加熱するためにペルチェユニット45に対して逆方向の通電を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態ではブリッジ防止用温度センサ48を通路形成部材である中間支持板31の樹脂供給通路43を挟んでペルチェユニット45の吸熱部46の反対側に配している。しかしながら、これを射出シリンダ17から最も遠い中間支持板31の端部(図1中、左端部)に配することも可能である。何れにしろ、ブリッジ防止用温度センサ48によって検出される温度が原料樹脂11の軟化温度以下の場合、吸熱部46を接合した領域の温度がそれ以下となることが確実となるような位置にブリッジ防止用温度センサ48を組み込むことが有効である。また、これによってブリッジ防止用温度センサ48がペルチェユニット45の吸熱部46による冷却の影響を直に受けにくくすることも可能となる。
本実施形態では、炭素鋼などから作られる中間支持板31の外周面(表面)に熱伝導率の高い銅めっきまたはアルミニウムめっきなどの熱伝導向上処理49を施している。これにより、中間支持板31の熱をその底面に接合されるペルチェユニット45の吸熱部46へと効率よく伝達し、その吸熱効果(冷却効果)を高めるように配慮している。同様な効果を得るために、中間支持板31の表面を銅,銅合金,黄銅,アルミニウム,アルミニウム合金などの板材で被覆し、その表面にペルチェユニット45の吸熱部46を接合することも有効である。また、ペルチェユニット45に関する設置スペースなどに制約がない場合、中間支持板31を取り囲むようにペルチェユニット45の吸熱部46を配することも可能である。また、中間支持板31の底面とペルチェユニット45の吸熱部46との間に隙間が生じて伝熱性を損なうことがないように、伝熱グリースなどをこれらの間に塗布することも有効である。何れの場合であっても、中間支持板31に対するペルチェユニット45の吸熱部46の接合位置は、樹脂供給通路43内で原料樹脂11のブリッジが発生しやすい中間支持板31と射出シリンダ17との接合部分にできるだけ近い位置が好ましいと言えよう。
このように、ペルチェユニット45を材料供給ユニット14の冷却のために用いることで、冷却水を用いた従来の冷却装置の如き冷却用配管やポンプなどが不要となり、部品コストを削減することができる上、日常的なメンテナンスもほとんど不要となる。
本実施形態における熱回収手段15は、多数の放熱フィン50を持った熱交換部51と、一端がホッパ40内に連通すると共に他端が熱交換部51に連通する熱風ダクト52と、排気ファン53と、排気ダクト54とを具えている。ペルチェユニット45の発熱部47に接合される熱交換部51の放熱フィン50は、熱風ダクト52内に組み込まれてその周囲に介在する空気を加熱する。熱風ダクト52の他端側の開口には防塵フィルタ55が装着され、塵埃などが熱風ダクト52内に吸い込まれないように配慮している。排気ファン53は、熱交換部51にて回収された熱を熱風として熱風ダクト52からホッパ40内に導くためのものである。この排気ファン53は、その作動によって発生するホッパ40内の静圧が大気圧よりも負圧となるように、ホッパ40に形成された排気口56に連通する排気ダクト54に組み込まれている。これにより、熱風ダクト52内を流れる熱風やホッパ40内に貯留された原料樹脂11の粉塵などを外部へ漏洩しにくくすることができる。この結果、熱風ダクト52と熱交換部51との連結部分や、熱風ダクト52とホッパ40との連結部分あるいはホッパ40と排気ダクト54との連結部分などの気密性をそれほど厳密に考慮する必要がなくなり、部品の製造コストなどを抑えることが可能である。本実施形態における排気ファン53は、その停止状態において排気ダクト54を塞ぐシャッタとしての機能を併せ持っているが、この排気ファン53に連動して排気ダクト54を開閉し得るシャッタを排気ダクト54に別途組み込むことも可能である。
ところで、熱交換部51を通過して加熱された空気が常時ホッパ40内に導かれると、ホッパ40内に介在する原料樹脂11が過乾燥状態となる可能性がある。原料樹脂11が過乾燥状態になると、射出成形品の寸法安定性や耐熱性,難燃性,剛性などの特性を調整するための原料樹脂11に含まれる添加剤が蒸発したり飛散して成形不良の原因となる可能性がある。このような原料樹脂11の過乾燥を防止するため、本実施形態においては、熱風ダクト52内の温度を検出する熱風ダクト用温度センサ57と、排気ダクト54内の温度を検出する排気ダクト用温度センサ58とを設けている。熱風ダクト用温度センサ57は、熱交換部51よりも下流側の熱風ダクト52に組み込まれ、排気ダクト用温度センサ58は排気ファン53よりも上流側の排気ダクト54に組み込まれている。なお、排気ダクト用温度センサ58をホッパ40の排気口56の近傍に設けてホッパ40内の温度を検出するようにしてもよい。これら2つの温度センサ57,58の検出信号は、制御装置27へと出力され、制御装置27は、これら2つの温度センサ57,58からの検出信号に基づいて排気ファン53のオン/オフを制御する。より具体的には、熱風ダクト用温度センサ57で検知した温度と排気ダクト用温度センサ58で検知した温度との差が℃単位で5度以下の場合、排気ファン53の作動を停止する。これにより、熱風がホッパ40内へは導かれないので、原料樹脂11の過乾燥を防止することができる。また、熱風ダクト用温度センサ57で検知した温度と排気ダクト用温度センサ58で検知した温度との差が10度以上の場合、排気ファン53を作動させる。これにより、熱交換部51からの熱風をホッパ40内へ導き、原料樹脂11の除湿や防湿が可能となる。このように、本実施形態では排気ファン53のオン/オフを切り換えるための2つの温度センサ57,58による検出温度の差に5度および10度のヒステリシスを持たせ、排気ファン53のオン/オフの頻繁な繰り返しを防止している。このように制御することにより、騒音の発生防止や、排気ファン53の駆動源やそのオン/オフを制御するスイッチ部品などの寿命を向上させることができる。
上述した実施形態では、2つの温度センサ57,58を用いて排気ファン53の作動を制御するようにしている。これら2つの温度センサ57,58の代わりに、ホッパ40内または排気ダクト54内の湿度を検出する湿度センサを組み込み、この湿度センサによって検出される湿度に基づいて排気ファン53の作動を制御するようにしてもよい。
本実施形態のように、熱交換部51にて加熱された空気をホッパ40内に導くことにより、ホッパ40内に介在する原料樹脂11の乾燥状態を適切に維持することが可能となる。この結果、射出成形時に原料樹脂11に含まれる水分による射出成形品の銀条や気泡の発生を防止することができ、射出成形品の品質向上を維持することが可能である。
なお、上述した実施形態では、ペルチェユニット45の発熱部47からの回収熱をホッパ40内の原料樹脂11の加熱乾燥に利用したが、この射出成形機に付随する金型の加熱保温処理や他の樹脂材料の加熱乾燥処理にも利用することができる。また、熱風ダクト52の途中に分岐ダクトを接続し、ペルチェユニット45の発熱部47からの回収熱をホッパ40側かあるいは分岐ダクト側に供給を切り換えるための切り換えダンパをこの接続部分に組み込むことも可能である。あるいは、射出シリンダ17やノズル22の補助加熱源として、この回収熱を利用することも可能であり、この場合にはシリンダヒータ20やノズルヒータ21の消費電力量を削減させることができる。
本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。例えば、竪型の射出成形機に限らず、横型の射出成形機にも適用することができる。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
10 射出装置
11 原料樹脂
12 固定側金型
13 射出シリンダ部
14 材料供給ユニット
15 熱回収手段
16 チャンバ
17 射出シリンダ
18 射出プランジャ
19 プランジャ駆動手段
20 シリンダヒータ
21 ノズルヒータ
22 ノズル
23 シリンダ用温度センサ
24 ノズル用温度センサ
25,26 ケーブル
27 制御装置
28 固定側プラテン
29 ノズル受け板
30 支柱
31 中間支持板
32 案内シャフト
33 端板
34 スライダ
35 射出用モータ
36 ボールナット
37 駆動スプロケット
38 従動スプロケット
39 歯付きベルト
40 ホッパ
41 押込みプランジャ
42 プランジャ駆動モータ
43 樹脂供給通路
44 ホッパジョイント
45 ペルチェユニット
46 吸熱部
47 発熱部
48 ブリッジ防止用温度センサ
49 熱伝導向上処理
50 放熱フィン
51 熱交換部
52 熱風ダクト
53 排気ファン
54 排気ダクト
55 防塵フィルタ
56 排気口
57 熱風ダクト用温度センサ
58 排気ダクト用温度センサ
11 原料樹脂
12 固定側金型
13 射出シリンダ部
14 材料供給ユニット
15 熱回収手段
16 チャンバ
17 射出シリンダ
18 射出プランジャ
19 プランジャ駆動手段
20 シリンダヒータ
21 ノズルヒータ
22 ノズル
23 シリンダ用温度センサ
24 ノズル用温度センサ
25,26 ケーブル
27 制御装置
28 固定側プラテン
29 ノズル受け板
30 支柱
31 中間支持板
32 案内シャフト
33 端板
34 スライダ
35 射出用モータ
36 ボールナット
37 駆動スプロケット
38 従動スプロケット
39 歯付きベルト
40 ホッパ
41 押込みプランジャ
42 プランジャ駆動モータ
43 樹脂供給通路
44 ホッパジョイント
45 ペルチェユニット
46 吸熱部
47 発熱部
48 ブリッジ防止用温度センサ
49 熱伝導向上処理
50 放熱フィン
51 熱交換部
52 熱風ダクト
53 排気ファン
54 排気ダクト
55 防塵フィルタ
56 排気口
57 熱風ダクト用温度センサ
58 排気ダクト用温度センサ
Claims (5)
- 原料樹脂を収容するチャンバが画成され、このチャンバ内に押し込まれる原料樹脂を加熱するためのヒータが配された射出シリンダ部と、
この射出シリンダ部の前記チャンバに連通する樹脂供給通路が画成された通路形成部材を有し、この通路形成部材の樹脂供給通路に供給される原料樹脂を前記射出シリンダ部のチャンバへと押し込むための材料供給ユニットと
を具えた射出装置であって、
大気側に面する発熱部と、前記材料供給ユニットの前記通路形成部材に接合される吸熱部とを有し、前記樹脂供給通路内に介在する原料樹脂のブリッジ現象を阻止するためのペルチェユニットをさらに具えたことを特徴とする射出装置。 - 前記材料供給ユニットの通路形成部材の温度を検知するための温度センサと、
この温度センサによる検出温度に基づいて前記ペルチェユニットに対する通電を制御する制御手段と
をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の射出装置。 - 前記温度センサは、前記通路形成部材の樹脂供給通路を挟んで前記ペルチェユニットの吸熱部の反対側に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出装置。
- 前記ペルチェユニットの吸熱部と、この吸熱部が接合される前記通路形成部材との間に前記通路形成部材を構成する材料よりも熱伝導率の大きな伝熱部材が組み込まれていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の射出装置。
- 前記ペルチェユニットの発熱部に組み付けられる熱交換部を有し、この熱交換部にて前記発熱部の周囲の大気を加熱させて熱回収を行う熱回収手段をさらに具えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の射出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008051238A JP2009208260A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 射出装置 |
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-
2008
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CN117301413A (zh) * | 2023-11-28 | 2023-12-29 | 成都瀚德胜邦光学有限公司 | 一种高光透明制件热循环注塑成型装置及其成型方法 |
CN117301413B (zh) * | 2023-11-28 | 2024-02-20 | 成都瀚德胜邦光学有限公司 | 一种高光透明制件热循环注塑成型装置及其成型方法 |
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