JP2009207417A - 線虫における簡便な多重遺伝子同時機能抑制法 - Google Patents

線虫における簡便な多重遺伝子同時機能抑制法 Download PDF

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Abstract

【課題】線虫における複数の標的遺伝子の同時機能抑制技術を提供する。
【解決手段】複数の標的遺伝子のcDNA全長配列又は部分配列を連結して挿入したRNAi用ベクターを用いて、微生物を形質転換することにより、微生物中で前記複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAがそれぞれ発現し、該微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子が同時機能抑制される方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、線虫における簡便な多重遺伝子同時機能抑制法に関する。
線虫は、線形動物門に属する多細胞動物であり、表皮、神経、筋肉、消化器官、生殖器官といった動物としての必要最小限の体制を有している。特に、線虫は単純な神経回路を有しており、遺伝学的解析に優れていることから、学習行動の神経回路レベル、分子レベルにおけるメカニズムの解析や神経疾患の解析などに有用である。
線虫の一種であるCaenorhabditis elegans(C.エレガンス)は、ゲノム上の遺伝子の多くがヒトを含む高等動物のものと類似しており、モデル生物として世界中の研究者によって基礎研究ならびに新薬の開発・評価に用いられている(特許文献1)。その理由として(1)飼育が極めて容易であり、個体差が殆ど無いこと、(2)ライフサイクルが短く(卵から成虫まで約3日)、研究の進展が早いこと、(3)多細胞生物で初めてゲノム配列が決定したこと、(4)遺伝子導入・遺伝子破壊が可能なこと、などが挙げられる。ヒトの遺伝病の原因遺伝子と相同な遺伝子を有していることから、遺伝子破壊線虫を用いた疾病メカニズムの解明・新薬開発などに利用されている。しかしながら、線虫では相同組換えが起こらないことから、相同組換え機能を用いた遺伝子ノックアウト技術を利用することができない。したがって、線虫においては、化学物質やX線、ガンマ線などの放射線を用いて標的遺伝子をノックアウトする変異誘発法が用いられている(非特許文献1)。しかしながら、前記方法は変異体の分離に膨大な労力を必要とするだけでなく、DNAをランダムに傷つけることから、繁殖能力が低下したりすることや、標的遺伝子以外の遺伝子の損傷による影響を排除できないことなど、様々な問題点が残っている。
また、生命現象は多数の遺伝子から構成されるネットワークによって制御されており、単独遺伝子の破壊あるいは機能抑制では明確な表現型が認められない場合が多いことから、多重遺伝子破壊あるいは多重遺伝子機能抑制、もしくはそれらを組み合わせて解析が行われている。
近年、mRNAが相補的な塩基配列を持つ二本鎖RNAにより分解される現象が発見され、この現象を利用することにより、人工的に二本鎖RNAを導入し任意の遺伝子の発現を抑制することができるようになった(特許文献2)。このRNA干渉(RNAi)は、遺伝子の機能を解析する上で非常に有用なツールとなっているだけでなく、将来の医療分野への応用も期待されている。
線虫においては、顕微注入法、浸漬法及び摂食法によるRNAiがあり、遺伝子機能抑制が容易に行えることから、ゲノムワイドな遺伝子機能解析が行われている(非特許文献2、3)。現在、線虫におけるRNAiを用いた多重遺伝子の同時機能抑制は、顕微注入法又は浸漬法により行われている。しかしながら、顕微注入法は特別な装置及び技術を必要とし、煩雑かつコスト高である。また、浸漬法は、複数遺伝子を同程度に機能抑制することは困難であり、かつコスト高であるという問題点を有している。
摂食法は、2本鎖RNAを合成する微生物を餌として線虫に与えることにより、RNAiを誘導するという最も簡便かつ低コストな方法であり、摂食法を用いた多重遺伝子抑制の例が1件報告されている(非特許文献4)。しかしながら、この方法も個々のRNAi用バクテリアを作出し、同時に摂食させるという煩雑な操作を必要とし、複数遺伝子を同程度に機能抑制することは困難である。
特表2002−542466 特表2002−516062 Gengyo−Ando等、Biochem Biophys Res Commun.2000 Mar 5;269(1):64−69 Poulin等、Oncogene.2004 Nov 1;23(51):8340−5. Review Kamath等、Methods.2003 Aug;30(4):313−21. Shimada等、Genes to Cells 2002 Sept;7(9):933−947
そこで、最も簡便な摂食法を用いて、線虫において簡便に複数の標的遺伝子を同時に効率よくRNAiを実施する方法の開発が切望されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、線虫における複数の標的遺伝子の同時機能抑制技術の提供を目的とする。
RNAiでは、RNAi用ベクターに標的遺伝子のcDNAを挿入するが、これまでは、1種類のcDNAの挿入により、1種類の標的遺伝子のみの機能抑制が行われてきた。そこで本発明では、標的とする複数遺伝子に対応するcDNAを連結してRNAiベクターに挿入した。これにより、摂食法に供する遺伝子組換え大腸菌を1種のみ調製することにより、同時に複数遺伝子の機能抑制が可能となった。本発明は、先行技術である複数の遺伝子組換え大腸菌を摂食させる煩雑性と同時機能抑制の非効率性を克服するものである。実際に、後述する実施例に示すように、本発明の技術を用いて、胚発生制御に機能する2種の遺伝子(互いに機能相補性を有し、同時機能抑制時においてのみ胚性致死を示す)の同時機能抑制を実現することに成功しており、本発明の有効性が実証されている。
すなわち、本発明によれば、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むベクターであって、微生物中で前記複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するための、微生物形質転換用ベクターが提供される。本発明は、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むため、微生物中において複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより線虫において複数遺伝子が同時機能抑制される。
また、本発明によれば、rrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と該配列に隣接した制限酵素サイトとを有するベクターであって、微生物中でrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と前記制限酵素サイトに挿入された標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫の神経細胞系において前記標的遺伝子を機能抑制するための、微生物形質転換用ベクターが提供される。本発明は、標的遺伝子の一つとしてrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むため、微生物中においてrrf−3遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNA及び他の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより、線虫神経細胞系において前記標的遺伝子が機能抑制される。
本発明によれば、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むため、微生物中において前記複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより線虫において前記複数の標的遺伝子が同時機能抑制される。
<発明の経緯>
従来、線虫でのRNAiにおいては、RNAi用ベクターに標的遺伝子のcDNAを挿入するが、1種類のcDNAが挿入され、1つのベクターで1種類の標的遺伝子のみの機能抑制が行われてきた。
これまでに、1種類のRNAiベクターを有する遺伝子組換え大腸菌を、2種類の標的遺伝子について作出し、線虫と共に培養することにより、2種類の遺伝子の機能が抑制されたという報告がある。しかしながら、培地中のそれぞれの大腸菌数及び/又は線虫が摂食する2種類の大腸菌数にばらつきがあり、複数遺伝子を同程度に抑制するという目的には適さないことが本発明者らによる実験によって明らかとなっている(データ未掲載)。
そこで、本発明者は、複数の標的遺伝子について、それぞれのcDNAを挿入したRNAiベクターを複数種類用意し、大腸菌に複数種類のベクターを導入するという方法を試みた。しかしながら、複製開始点(Ori)が同一のRNAiベクターを用いたことから、不和合性により、大腸菌内では1種類のRNAiベクターのみしか複製されず、複数種類のRNAiベクターを有する遺伝子組換え大腸菌を量産することはできなかった(データ未掲載)。
次に、本発明者は、異なるOriを有するRNAiベクターを用いて、複数種類のRNAiベクターの導入を試みたが、Oriが異なることにより、大腸菌内の複製数がそれぞれのRNAiベクター間で異なり、複数遺伝子を同程度に抑制するという目的には適さないことが明らかとなった(データ未掲載)。
そこで、標的とする複数遺伝子に対応するcDNAを連結してRNAiベクターに挿入するという方法を試みたところ、複数遺伝子が同程度に抑制されるという結果を示し、摂食法に供する遺伝子組換え大腸菌を一種のみ調製することにより同時に複数遺伝子の機能抑制を可能とする本発明を完成した。本発明は、先行技術である複数の遺伝子組換え大腸菌を摂食させる煩雑性と同時機能抑制の非効率性を克服するものである。
なお、後述する実施例では、本発明の技術を用いて、胚発生制御に機能する2種の遺伝子(互いに機能相補性を有し、同時機能抑制時においてのみ胚性致死を示す)の同時機能抑制を実施することに成功しており、本法の有効性が実証されている。
<用語の説明>
本明細書において、各種用語の意味は、下記の通り定義するものとする。
(1)標的遺伝子
「標的遺伝子」とは、線虫の遺伝子のうち、機能抑制の標的となる遺伝子を意味する。線虫はゲノム配列が解読されており、約19000の遺伝子cDNA配列が明らかになっていることから、ゲノム上の全ての遺伝子を標的遺伝子とすることができる。標的遺伝子の具体例として、コスミド上の遺伝子番号Y54G9A.3、F35H12.3、Y76A2A.2、Y110A7A.5、F38B4.3、ZK783.1などの遺伝子が挙げられるが、これらに限られるものではない。ヒトの疾病メカニズムの解明・新薬開発などにおいては、ヒトのホモログ遺伝子から選択することができる。また、「多重遺伝子」は、複数の標的遺伝子と同義的に用いられ、1又は数個の標的遺伝子を意味するものである。
(2)cDNA
「cDNA」とは、mRNAから逆転写反応によって合成されたDNAをいう。線虫のゲノム配列は決定されていることから、ここで用いられる標的遺伝子のcDNA配列は、公的又は民間のデータベース、例えばDDBJ、WormBase、NCBIなどのデータベースを利用して容易に入手することができる。
DDBJ(http://www.ddbj.nig.ac.jp/index-j.html)
WormBase(http://www.wormbase.org/)
NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)
(3)全長配列又は部分配列
「全長配列又は部分配列」とは、ある遺伝子の全長配列の全て、又は全長配列の一部の配列、及び全長配列もしくは全長配列の一部の配列に対し、天然配列にハイブリダイズする程度の一定の変異を有する変異体配列を含む配列を意味する。一般に、ヒトを含む哺乳動物の遺伝子の塩基配列は、必ずしも同一ではなく、個体によっては最大多数を占める遺伝子配列と多少異なる変異体をゲノム上にコードしている場合があることから、ここでいう「全長配列又は部分配列」は、データベース等に公開された全長配列と比較した際に、1以上の塩基を欠失、置換、付加してなる塩基配列からなる変異体をコードするポリヌクレオチドを含んでもよい。ここで、1以上の塩基とあるのは、1ないし数塩基を意味するものであり、例えば、1塩基、2塩基、3塩基、4塩基、5塩基、6塩基、7塩基、8塩基、9塩基、10塩基のいずれかを欠失、置換、付加してもよいという意味である。
(4)形質転換用ベクター
「形質転換用ベクター」とは、遺伝子組換えに用いることのできる、組換えDNAを導入するための核酸分子を意味する。ここでは特に、2本鎖RNAを発現するためのベクターが好ましい。例えば、pPD129.36やLITMUS 28i(New England Biolabs社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(5)制限酵素サイト
「制限酵素」とは、特定の塩基配列を有するDNAを切断する酵素を意味し、「制限酵素サイト」とは、制限酵素が認識し、切断する特定の塩基配列を有する部位を意味する。後述の実施例においては、制限酵素EcoRIを用いている。その他にNotI、BamHI又はXhoIなどがあるが、これらに限定されるものではない。
(6)微生物
「微生物」とは、真正細菌や古細菌を含む原核生物、藻類、原生生物、菌類、粘菌等を含む真核生物、ウイルスなどを意味し、好ましくは、線虫の餌となるバクテリアや糸状菌などの微生物を意味する。具体的には、大腸菌、サルモネラ菌、枯草菌、アオカビ、コウジカビ、灰色カビなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(7)ライブラリ
「ライブラリ」とは、ある属性を持った一群のDNA断片がベクターにクローン化されたものを意味する。ここでは特に、様々な標的遺伝子が挿入されたRNAi用ベクター群を意味するものとする。
(8)同時機能抑制
ここでいう「同時機能抑制」とは、複数の標的遺伝子を同程度に抑制することを意味する。複数の標的遺伝子の機能を抑制するにあたって、抑制効率に影響を及ぼさない範囲内で、完全に同程度の抑制である必要はない。
(9)連結
ここでいう「連結された」とは、複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列が結合していることを意味する。それぞれの配列は、直接結合していてもよく、1塩基以上のリンカー配列を介して結合していてもよいが、リンカー配列は、プロモーター配列、ターミネーター配列、エンハンサー配列などの種々の調節エレメントを含まないものとする。また、「隣接する」とは、0又は1塩基以上のリンカー配列を挟んで存在することをいうものとする。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<微生物形質転換用ベクター>
本実施形態は、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むベクターであって、微生物中で前記複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するための、微生物形質転換用ベクターである。後述の実施例に示すように、本実施形態のベクターは、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むため、微生物中において前記複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより線虫において前記複数の標的遺伝子が同時機能抑制される。
なお、本実施形態における標的遺伝子の数は、2以上である。ここで、2以上とあるのは、2もしくはそれ以上の遺伝子を標的とすることができるという意味であり、例えば、2、3、4、5、6個の何れかという意味である。
本実施形態の標的遺伝子は、直接もしくは1塩基以上のリンカーを介して結合していてもよい。ここで、1以上の塩基とあるのは、1ないし数塩基を意味するものであり、例えば、1塩基、2塩基、3塩基、4塩基、5塩基、6塩基、7塩基、8塩基、9塩基、10塩基のいずれかの長さとしてもよいという意味である。
本実施形態における標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列の長さは、100から5000塩基であってよい。好ましくは300から3000塩基であり、より好ましくは500から1000塩基であることが好ましい。
本実施形態のベクターは、大腸菌内で標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させるためのRNAi用ベクターであってもよい。好ましくは、pPD129.36又はLITMUS 28i(New England Biolabs社製)であり、より好ましくはpPD129.36である。
本実施形態における標的遺伝子機能抑制の程度は、対照区と比較した場合に、少なくとも80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%もしくは10%以下に抑制される。また、標的遺伝子間の機能抑制の程度の違いは、少なくとも60%、50%、40%、30%、20%もしくは10%以下である。また、発現する標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNA量の標的遺伝子間における違いは、少なくとも50%、40%、30%、20%もしくは10%以下である。
本実施形態のベクターは、標的遺伝子の一つがrrf−3であってもよい。標的遺伝子の一つをrrf−3遺伝子としているため、微生物中でrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNA及び他の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現し、線虫神経細胞系において前記他の標的遺伝子が機能抑制される。
ある実施形態においては、本実施形態のベクター及び微生物の形質転換に必要な試薬類を含むキットであってもよい。本実施形態のキットに含まれる試薬としては、特に限定するものではないが、例えば、市販の形質転換用試薬を好適に用いることができる。例えば、日本ジーン株式会社が市販している試薬であるLigation−Convenience Kitなどを、形質転換用試薬として好適に使用できる。
また、本実施形態は、rrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と該配列に隣接した制限酵素サイトとを有するベクターであって、微生物中でrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と前記制限酵素サイトに挿入された標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫の神経細胞系において前記標的遺伝子を機能抑制するための、微生物形質転換用ベクターである。後述の実施例に示すように、本実施形態のベクターは、標的遺伝子の一つとしてrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むため、微生物中においてrrf−3遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNA及び他の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより、線虫神経細胞系において前記標的遺伝子が機能抑制される。
本実施形態における制限酵素サイトは、当業者であれば、標的遺伝子の配列を考慮することにより、多数存在する制限酵素及び制限酵素サイトの中から適したものを選択することができる。後述の実施例においては、制限酵素EcoRI及び前記酵素により切断できる制限酵素サイトを用いているが、その他にNotI、BamHI又はXhoIなどの制限酵素及びそれに対応する制限酵素サイトを用いてもよい。
本実施形態のライブラリは、標的遺伝子の一つとしてrrf−3が選択されたベクター群を含むライブラリであって、その他の標的遺伝子として、約19000ある線虫遺伝子から任意の遺伝子を含むライブラリとすることができる。例えば、約19000の遺伝子を全て含むライブラリであってもよく、神経系細胞で発現する遺伝子群、咽頭筋で発現する遺伝子群、及び/又は陰門筋で発現する遺伝子群を含むライブラリであってもよい。また、ヒトの疾病メカニズムの解明・新薬開発などに用いる場合は、ヒトのホモログ遺伝子が好ましいことから、ヒトのホモログ遺伝子群を含むライブラリであってもよい。
<組換え微生物>
また、本実施形態は、上記のベクターを用いて形質転換された、線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するための微生物である。後述の実施例に示すように、本実施形態の微生物は、連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を有する形質転換用ベクターで形質転換されているため、前記複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAが発現するので、前記微生物を摂食することにより線虫において前記複数の標的遺伝子が同時機能抑制される
なお、本実施形態の微生物は、線虫の餌となるバクテリアや糸状菌などの微生物であればよく、大腸菌、サルモネラ菌、枯草菌、酵母、アオカビ、コウジカビ、灰色カビが好ましい。遺伝子導入技術が確立されていることや増殖速度、生育が簡便さなどから大腸菌がより好ましい。
<複数の標的遺伝子が同時機能抑制された線虫>
また、本実施形態は、上記の微生物を用いて複数の標的遺伝子が同時機能抑制された線虫又はその一部である。本実施形態の線虫又はその一部は、複数の標的遺伝子が同時機能抑制されているため、遺伝子の機能解析や、疾病メカニズムの解明・新薬開発などに有用である。ここで、後述の実施例においては、線虫としてC.エレガンスが用いられているが、C.ブリグセ、C.レマニであってもよい。
<複数の標的遺伝子を同時機能抑制する方法>
また、本実施形態は、上記の微生物を線虫に摂食させることによる複数の標的遺伝子を同時機能抑制する方法である。後述の実施例に示すように、本実施形態の方法は、線虫において複数の標的遺伝子を同時機能抑制するため、線虫を用いた遺伝子の機能解析や、疾病メカニズムの解明・新薬開発などに有用である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 線虫におけるRNAiを用いたoma−1、oma−2遺伝子の同時機能抑制
本実施例では、oma−1遺伝子及びoma−2遺伝子を用いて複数の標的遺伝子同時機能抑制について試験した。OMA−1及びOMA−2は、胚発生制御に関与するCCCHジンクフィンガーモチーフを有するRNA結合型タンパク質である。OMA−1とOMA−2は、一方が機能を喪失しても他方が機能していれば正常な卵母細胞が形成されるというパラログの関係にあり、両者の機能が喪失された場合のみ卵母細胞の形成が阻害されることから、本発明の同時機能抑制作用の有効性を証明するためのモデルとして用いた。
(材料と方法)
(RNAiプラスミドの構築)
ISOGEN(日本ジーン社製)ならびにPoly(A)+Isolation Kit(日本ジーン社製)を用いてmRNAを調製した。次いで、TaKaRa RNA PCR Kitを用いてcDNAを合成し、PCRの鋳型とした。
oma−1、oma−2の部分cDNAの増幅には以下のプライマーを用いた。
oma−1−FW:5’−CAACGAGAAGATCGATGAGC−3’(配列番号:1)
oma−1−RV:5’−CCAAGCGTCTAGAGCAAACA−3’(配列番号:2)
oma−2−FW:5’−ATCCAGAATAATGAGGCTCG−3’(配列番号:3)
oma−2−RV:5’−CAGACTATCCAATGCGAAGA−3’(配列番号:4)
上記cDNAを鋳型としてPCRを行い、その産物をpGEM−T Easy Vector(Promega社製)にサブクローニングし、塩基配列分析を行うことにより、目的のcDNAが得られたことを確認した。それぞれのプラスミドを制限酵素EcoRIで消化し、目的のcDNAを得た。
RNAi用ベクターpPD129.36(cDNAを挿入するマルチクローニングサイトの両端にT7配列が付加したもの:+鎖、−鎖を鋳型とした転写が可能:米国スタンフォード大学Andew Fire博士より分与)のEcoRI部位にoma−1cDNA部分配列、oma−2cDNA部分配列、両者を挿入し、RNAiプラスミド(それぞれpOMA−1RNAi、pOMA−2RNAi、pOMA−1・2RNAi)とした(図1)。
これらのRNAiプラスミドを宿主大腸菌HT115(DE3)株(米国Caenorhabiditis Genetic Centerより入手)に導入し、摂食法によるRNAiを実施した。また、対照区として、oma−1cDNA部分配列又はoma−2cDNA部分配列のどちらも挿入していないRNAi用ベクターを導入した大腸菌HT115(DE3)株を用いた。
(RNAi)
RNAiプラスミドあるいはRNAi用ベクターを保持する形質転換株をアンピシリン(100μg/ml)テトラサイクリ(12.5μg/ml)を含むLB培地に殖菌し、一昼夜37度にて振とう培養した。この培養液12μlをアンピシリン(100μg/ml)テトラサイクリ(12.5μg/ml)を含む2 X YT培地に加え、600nmの吸光度(濁度)が0.4になるまで37度にて振とう培養を行った。続いて、100mM IPTGを4μl添加し、4時間振とう培養を継続した。この培養液をRNAi用線虫培地(通常の線虫生育培地NGM(nematode growth medium)にアンピシリン(100μg/ml)テトラサイクリ(12.5μg/ml)を加えたもの)に塗布後、4齢を移し、25度にて生育した。成虫時の生殖巣内の卵母細胞を顕微鏡下で写真撮影すると共に、排出された卵の数を測定した。
一般に、RNAiを設計するにあたり、非翻訳領域(UTR)と開始コドン周辺の領域は適さないことが知られている。また、開始コドンの50から100ヌクレオチド下流の領域を選択すること、選択した配列のGC含量を少なくとも30%から70%の間になるように選択すること、データベース等を利用して上記基準で選択した配列が標的遺伝子のみに結合するかを確認することなどの工程を経て設計することができる。このような配列の選択作業は簡潔であり、多くの研究でその効果が証明されていることから、当業者であれば標的遺伝子の機能抑制に適した配列を選択することができる。
(結果)
成虫の生殖巣内の卵母細胞を顕微鏡下で観察したところ、pOMA−1RNAi導入区、pOMA−2RNAi導入区及び対照区においては成熟した卵母細胞が確認されたが、pOMA−1・2RNAi導入区においては成熟した卵母細胞が確認されなかった(図2)。さらに、それぞれの区における産卵数を測定したところ、pOMA−1RNAi導入区及びpOMA−2RNAi導入区における産卵数は、対照区と同程度であった。それに対し、pOMA−1・2RNAi導入区における産卵数は、他の3区に比べて有意に低い値であった(図3)。
(考察)
上記の結果は、oma−1部分cDNA及びoma−2部分cDNAを連結した配列を有するベクターを導入した大腸菌を用いて、oma−1遺伝子及びoma−2遺伝子の機能を同時に抑制したことを示すものである。つまり、複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列が連結された配列を挿入したRNAiベクターで微生物を形質転換することにより、微生物中で複数の標的遺伝子cDNA全長配列又は部分配列に対する2本鎖RNAがそれぞれ発現し、該微生物を摂食した線虫において複数の標的遺伝子が同時機能抑制されることが明らかとなった。本発明は、顕微注入法による特別な装置及び技術を必要とする点や煩雑かつコスト高である点を解消するものであり、また、浸漬法における複数遺伝子を同程度に機能抑制できないという問題点を解消するものである。さらに、本発明は、複数種類の組換え大腸菌を摂食させることによる複数の標的遺伝子機能抑制方法及び複数種類のベクターを導入した組換え大腸菌を用いる複数の標的遺伝子機能抑制方法における課題であった同時機能抑制という問題点をも解消するものである。
ここで、RNAiの問題点として、神経系や咽頭筋、陰門筋で発現する遺伝子の機能抑制効率が極めて低いことが挙げられる。この点を解消するために、RNAi高感受性変異体の線虫が用いられている。RNAi高感受性変異体として単離されたrrf−3変異体は、rrf−3遺伝子の欠損によりRNA依存性RNAポリメラーゼの機能が喪失しており、神経系などにおいてもRNAiが誘導されることが明らかとなっている(Simmer F.等 Curr Biol.2002 Aug 6;12(15):1317−1319.)。しかしながら、rrf−3変異体は、高頻度で雄が生じる、産卵数が小さいなどの変異表現型を有していることなど、rrf−3遺伝子以外の遺伝子が損傷している可能性が考えられ、そのような損傷による影響を排除できないという問題点を有している。
そこで、本発明において、標的遺伝子の一つをrrf−3とし、rrf−3遺伝子の機能を抑制することで、rrf−3と連結して全長配列又は部分配列として挿入された他の標的遺伝子機能を神経系などにおいてもRNAiにより抑制することができる可能性が考えられる。さらに、標的遺伝子の一つをrrf−3とすることで、rrf−3遺伝子を有する既存の変異株において、神経系や咽頭筋、陰門筋で発現する遺伝子の機能をRNAiにより抑制することができるようになる。これらの技術は、神経疾患などの疾病メカニズムの解明・新薬開発などにおいて強力なツールを提供することとなる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例において使用した、RNAi用ベクターの模式図である。 本実施例における線虫生殖巣内の卵母細胞を示す像である。pOMA−1RNAi導入区、pOMA−2RNAi導入区及び対照区においては成熟した卵母細胞が確認されたが、pOMA−1・2RNAi導入区においては成熟した卵母細胞が確認されなかった。 本実施例における生殖巣内の卵母細胞数を示すグラフである。pOMA−1RNAi導入区及びpOMA−2RNAi導入区における産卵数は、対照区と同程度であったのに対し、pOMA−1・2RNAi導入区における産卵数は、他の3区に比べて有意に低い値であった。 rrf−3遺伝子cDNA配列を示す図である。 rrf−3遺伝子cDNA配列を示す図である。 rrf−3遺伝子cDNA配列を示す図である。 rrf−3遺伝子cDNA配列を示す図である。

Claims (9)

  1. 連結された複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含むベクターであって、微生物中で前記複数の標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するための、微生物形質転換用ベクター。
  2. 前記標的遺伝子の一つがrrf−3である、請求項1に記載のベクター。
  3. 請求項1又は2に記載のベクターを含む、前記微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するためのキット。
  4. 請求項1又は2に記載のベクターで形質転換された、線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制するための微生物。
  5. 前記微生物が大腸菌である、請求項4に記載の微生物。
  6. 請求項4又は5に記載の微生物を摂食させることによって、前記複数の標的遺伝子が同時機能抑制された線虫又はその一部。
  7. 請求項4から6の何れか1項に記載の微生物を摂食させることによる、前記微生物を摂食した線虫において前記複数の標的遺伝子を同時機能抑制する方法。
  8. rrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と該配列に隣接した制限酵素サイトとを有するベクターであって、微生物中でrrf−3遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列と前記制限酵素サイトに挿入された標的遺伝子cDNAの全長配列又は部分配列を含む2本鎖RNAを発現させ、前記微生物を摂食した線虫の神経細胞系において前記標的遺伝子を機能抑制するための、微生物形質転換用ベクター。
  9. 前記制限酵素サイトに線虫遺伝子cDNA全長配列又は部分配列が挿入された、請求項8に記載の微生物形質転換用ベクターを含むライブラリ。
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