JP2009207395A - 原核生物、特に、真正細菌のcDNAの簡易な調製方法 - Google Patents

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繁春 守屋
Shinji Fukuda
真嗣 福田
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博司 大野
Atsushi Kikuchi
淳 菊地
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【課題】本願発明の第1の課題は、真正細菌由来のmRNAから、簡便な方法で、cDNAを調製する方法を確立することである。さらに本願発明の第2の課題は、真正細菌の簡便なcDNAライブラリーの調製方法を提供することである
【解決手段】本発明者等は、真正細菌から抽出したRNAからランダムプライマー及び逆転写酵素を用いてcDNAを調製し、サイズ分画により、rRNAより大きいオペロン構成遺伝子群のcDNAを分離できることを見出し、真正細菌の簡便なcDNA調製法を完成させた。更に、本願発明は、前記cDNAを適宜なクローニングベクターに組み込むことでcDNAライブラリーを調製する方法をも提供する。
【選択図】図1

Description

本願発明は、原核生物特に、真正細菌のcDNAの簡易な調製方法、及び原核生物特に、真正細菌のcDNAライブラリー及びその調製方法に関する。
原核生物、バクテリア(真正細菌)の培養技術は、バクテリアの個別的培養条件を特定する必要があり、現在地球上に存在する微生物のうち、僅か1%未満の微生物についてのみしか培養法が確立していない。そのため、膨大な種類の微生物の有用遺伝子資源がまだ利用可能な状態となっていない。
個別的に培養条件を決定していく作業は非常に手数のかかる作業であることから、すべての微生物について行なうことは現実的ではない。そこで現在では、サンプルとして入手した試料微生物中の遺伝子を解析する手法がとられている。現在このような未利用微生物資源へのアクセス法としては、メタゲノム法という手法が用いられている。この方法では、環境中の微生物から直接的にゲノムDNAを抽出し、クローニングし、配列決定し、配列の相同性によって活性を推定し、各種有用物質などの生産に寄与すべく研究が行われている。しかしながらこの方法は、たとえば、多種類の微生物のゲノムの集積物のゲノム配列全てを読む必要があることから国家プロジェクト並みの膨大な資金と労力がかかる。更に、ゲノム情報は、配列決定しただけでは必要な遺伝子情報か否かが不明であり、必要な情報の抽出が更に必要となり、実質的に効率が非常に悪いものである。
真核生物では、mRNAの3’末端に存在するPolyAを利用して、mRNAのみを回収し、cDNAライブラリーを作成することが出来る。このcDNAライブラリーを利用することで、発現している遺伝子情報だけを取得できることができるので、情報価値の高いライブラリーとなる。ところが、バクテリアのmRNAには、3’末端のPolyAが存在しない。一方、生物から抽出した全RNAの大部分は転写RNA(tRNA)とリボソームRNA(rRNA)であるために、PolyAによる選択的なmRNA選択が不可能であるバクテリアからのcDNAライブラリー調製は困難となっている。
現在までの、バクテリアmRNAの採取方法としては、バクテリアから抽出した全mRNAか超遠心法によりrRNAを除去する方法(非特許文献1)、rRNAに対して特異的な固定化DNAを用いてrRNAを前記特異的DNAにハイブリッドさせ、その後RNaseHでDNA-RNAにハイブリダイズしているrRNAを分解する方法(非特許文献2-5)がある。しかしながら、いずれもrRNAの混入が避けられず、mRNAの回収率も低く、実用的な真正細菌cDNAライブラリーは未だ知られていない。
John M. Graham, David Rickwood, (1997). Subcellular Fractionation: A Practical Approach Oxford Press, Instruction manual for RibominusTM Transcriptome Isolation Kit (Yeast and Bacteria) Invitrogen, Version A, 2005 Braasch, D. A., and Corey, D. R. (2001). Locked Nucleic Acid (LNA): Fine-tuning the Recognition of DNA and RNA. Chem Biol. 1, 1-7. McTigue, P. M., Peterson, R. J., and Kahn, J. D. (2004). Sequence-dependent Thermodynamic Parameters for Locked Nucleic Acid (LNA)-DNA Duplex Formation. Biochemistry. 43, 5388-5405. Ruan, Y., Le Ber, P., Ng, H., and Liu, E. (2004). Interrogating the Transcriptome. Trends Biotechnol. 22, 23-30.
本願発明の第1の課題は、原核生物、特に、真正細菌由来のmRNAから、簡便な方法で、cDNAを調製する方法を確立することである。
さらに本願発明の第2の課題は、原核生物、特に、真正細菌の簡便なcDNAライブラリーの調製方法を提供することである。
本発明者らは、原核生物、特に、真正細菌においては、遺伝子がオペロンを形成し、mRNAの多くがポリシストロニックな転写様式で転写されるため、長鎖mRNAとして転写されることを利用して、分子量により、rRNAから分画できることを見出して本願発明を完成させたものである。
具体的には、本発明者等は、真正細菌から抽出したRNAからランダムプライマー及び逆転写酵素を用いてcDNAを調製し、サイズ分画により、rRNAより大きいオペロン構成遺伝子群のcDNAを分離できることを見出し、真正細菌の簡便なcDNA調製法を完成させた。更に、本願発明は、前記cDNAを適宜なクローニングベクターに組み込むことでcDNAライブラリーを調製する方法をも提供する。
本願発明の方法により、初めて、多様な種類のバクテリアcDNAを提供できる。また、本願発明は、初めて実用的な、バクテリアcDNAライブラリーを提供できるという格別の効果を奏するものである。
1.はじめに
原核生物・バクテリアは、広範な種類が包含され、農業、化学工業、食品工業、或いは医療、環境など様々な分野での利用が試みられている。しかしながら、バクテリアのこれら利用において、現在までその培養法が確立している種はごく僅かに過ぎない。培養法の確立していないバクテリアについて、その遺伝子を同定し、利用しようとゲノム解析による方法も研究されている。しかしながら、ゲノム解析やメタゲノムによる方法では、環境応答により発現している特定の遺伝子をターゲットにすることが出来ない上に、全ゲノムを冗長性の安全度を見積もってスクリーニングすることが必要なため、非常な労力及びコストがかかり、その上、目的遺伝子を得る可能性が低いという非効率的な方法となっている。
真核生物では、PolyAテイルを用いて、たとえば、臓器ごとのcDNA ライブラリーの調製や、cDNAを用いたマイクロアレイを利用することで、特定のストレス条件下でのストレス応答遺伝子の遺伝子の特定などが可能となっている。
そこで、原核生物、特に、真正細菌でも、効率的にcDNAが調製でき、cDNAライブラリーが作成できれば、環境応答遺伝子探索や、特定条件で発現される代謝遺伝子探索などきわめて有用である。
他方、原核生物、特に、真正細菌では、環境誘導で重要な遺伝子は、オペロンを形成する遺伝子として複数の遺伝子がmRNAとして転写されることから、比較的大きなmRNAとなる。これに対して、rRNAはこれらオペロン形成遺伝子mRNAと比較して大きさが小さく、せいぜい2kbの大きさである。
なお、本願明細書中では、オペロン形成遺伝子とは、一つのプロモータで転写される遺伝子が2以上あるとき、その2以上の遺伝子をオペロン形成遺伝子と呼ぶ。これには例えばラクトースを資化する遺伝子セットが含まれるラクトースオペロン遺伝子などが含まれる。
2.バクテリア(真正細菌)cDNAの調製
2−1.概要
本願発明の方法によると、バクテリアcDNAはおよそ次の工程により調製される。
(1)バクテリアからの全RNAの抽出工程、(2)ランダムプライマーを用いて抽出された全RNAを鋳型として逆転写酵素により相補鎖DNAを調製する工程、(3)一本鎖である相補鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを調製する工程、及び(4)分子量によるサイズ分画工程がある。このような工程を経ることで、全RNA中80%以上を示すrRNA(リボソームRNA)を除去して、cDNAを精製することができる。
2−2.バクテリアからの全RNAの抽出
バクテリアからの全RNAの抽出工程は、周知のいずれの方法を用いても良いが、RNaseを失活させるような条件で行なうことが望ましい。たとえば、酸性フェノール法、グアニジン―塩化セシウム超遠心法、Acid Guanidinium-Phenol-Chloroform法(バイオ実験イラストレイテッド、Vol.2 第9章、秀潤社)、フェノール-SDS-塩化セシウム超遠心法(「新生化学実験講座第2 核酸I−分離精製−」東京化学同人、1991年、44−45ページ)等の方法を用いることができる。
2−3.ランダムプライマーを用いて抽出された全RNAを鋳型として逆転写酵素により相補鎖DNAを調製する工程
ランダムプライマーを用いて抽出された全RNAを鋳型として逆転写酵素により相補鎖DNAを調製する工程に用いるランダムプライマーとしては、5塩基から10塩基、好適には、6塩基(6mer)〜9塩基(9mer)のランダムに調製したランダムオリゴマーの混合物を用いることができる。たとえば、6merであれば、4x4x4x4x4x4=4096オリゴヌクレオチドの混合物とすることが出来る。このランダムプライマーはホスホアミダイド法などの周知の手法を用いて作成することが出来る。
逆転写酵素としては、RNase H活性がない逆転写酵素を用いることが望ましく、たとえばMMLV-RTase、SuperScriptIIIなどを用いることができる。
複数遺伝子を制御するオペロン形成遺伝子のmRNAについては、オペロンとして転写されるRNA長が比較的長いと想定され、上記選択したランダムプライマーは、1本のオペロン形成遺伝子群のmRNAに複数のランダムプライマーがアニールする可能性が高いと考えられる。鋳型となるmRNAに複数のランダムプライマーがアニールして複数の位置から逆転写すると、1つの逆転写の終了位置と次のプライマーからの逆転写開始位置との間にニックが生じることとなる。このニックをligase(リガーゼ)を用いて、修復する。この修復に用いるligaseとしては、ニック修復に特異的なligaseであれば、良いが、E. coli ligaseが好ましい。
2−4.一本鎖である相補鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを調製する工程
二本鎖cDNAの調製には、RNaseHを用いて鋳型mRNAを分解しつつ、残ったmRNA部分をプライマーとし、DNAポリメラーゼを用いて二本鎖cDNAを合成し、ニック部分は、E. coli ligaseを用いて修復することができる。この場合、RNaseHに加え、2−3と同様に、ランダムプライマーを加えることも出来る。
また、DNA-RNAの2本鎖のうちRNAを、たとえばアルカリ分解した後、上記2−3と同様に、ランダムプライマー(2−3と同様のもの)及びDNAポリメラーゼを用いて、2本鎖DNAを合成させることが出来る。前記と同様に、ニック部分は、E. coli ligaseを用いて修復することができる。
上記いずれの場合も、DNAポリメラーゼとしては、T4 DNAポリメラーゼ、E. coli DNAポリメラーゼ、クレノウフラグメントなどを用いることができる。このようにして、全RNAに対するcDNAが調製できる。
2−5.分子量によるサイズ分画工程によるオペロン形成cDNAの回収
本願発明では、オペロンを形成する遺伝子のmRNAに対するcDNAは分子量が大きいため、rRNAに対するcDNAとは鎖長で分画できる点を一つの特徴とする。
この分画には、アガロースゲル電気泳動、或いはシュークロース超遠心法などにより分画することが出来る。分画分子量としては、少なくとも、1.6Kb、好適には、2Kb以上の分子量のものを、オペロン形成遺伝子cDNAとして回収することが出来る。
3.cDNAライブラリーの構築
本発明は対象となる特定微生物が特定環境条件下で転写するオペロン形成遺伝子のcDNAライブラリーを簡便に調整することができる。たとえば、かかる特定環境の原核微生物から、上記2.記載のcDNA調製方法によりcDNAを調製し、周知の適宜なベクターにクローニングすることで、cDNAライブラリーを構成することが出来る。
たとえば、得られたcDNAに対して、周知の方法で、リンカー、アダプターなどを付してベクターにクローニングすることが出来る(たとえば、バイオ実験イラストレイティッド第4巻、第1章、秀潤社)。たとえば、Taq polymeraseにより常法通りの量のdNTPとbufferを加えて72度で15分反応させて3’Aを付加してから、pGEM-T等のPCRクローニング用のプラスミドへクローニングすることもできる。
また、長鎖画分についてはSau3AI等で限定分解を行った後、BamHI等で処理したプラスミドへ常法によりクローニングすることが出来る。このようにして得られたクローン群は、バクテリアcDNAライブラリーとして利用することが出来る。
さらに、また、得られたcDNAは、常法により、直接平滑化リンカーを接続することができる。それによって直接的にem(emulsion)PCRおよびsst(single stranded template) DNAライブラリー化することも出来る。
このようにして周知の方法を用いることで、Pyro sequencerを初めとするハイスループットシークエンシングを直接実施することもできる。
4.cDNA及びcDNAライブラリーの利用
得られたcDNAは、たとえば、マイクロアレイの作成に用いることができる。たとえば、スポット法により、スライドガラスやシリコンアドの基板に、得られたcDNAをスポットして、DNAチップを作成ることが出来る(「DNAチップ―スポッテイングによるDNAチップ作成技術―」、「高分子 48巻8月号」(1999年)、峰野純一、加藤郁之進著、(社)高分子学会発行、582頁〜585頁)。
また、たとえば特定ストレス条件下、たとえば、高塩濃度、高温、低温、有毒物存在下など様々なストレス条件下においたバクテリアから得られたcDNAを用いて、DNAチップにより、ストレス条件下で特に発現される遺伝子の同定に用いることもできる。
更に、たとえば、種々の代謝産物につき、ある代謝産物の増加或いは減少と関連する遺伝子を見出すために、たとえば、ある代謝産物の増減と代謝産物が増減したサンプルから作成したcDNA ラリブラリーを用いて、遺伝子発現解析をするなど、メタボローム研究に応用することもできる。
また、得られたcDNAを周知の方法を用いることで、Pyro sequencerを初めとするハイスループットシークエンシングを直接実施することもできる。
(1)RNAの抽出
大腸菌を酸性フェノール中で溶菌し、クロロフォルムを加えることで水層にRNAを抽出した。得られたRNAはエタノール沈殿法で精製した。
(2)cDNAの調製 第1番目の鎖の合成
抽出したtotal RNAを蒸留水で21μlとし、10μl 5xReaction buffer (Invitrogen), 5μl 100mM ジチオスレイトール, 10μl 2.5mM dNTP, 1μl 1nmol/μlランダムプライマー(6塩基又は9塩基)、逆転写酵素(Superscript III (Invitrogen))を添加して55度で18時間反応した。反応後のサンプルに蒸留水398μlと10xE. coli ligase buffer (Takara Bio) 10μl, 1μl 50mM NAD, 1μl E. coli ligaseを添加し、37度で15分間反応させた。反応産物をフェノール抽出法で精製後、エタノール沈殿法を用いてさらに精製し、33μlの蒸留水へ溶解した。
(3)cDNAの調製 第2番目の鎖の合成
溶解したサンプルに5μl 0.1% BSA, 5ul 10x T4 DNA polymerase buffer (Takara Bio), 5μl 2.5mM dNTP, 1μl RNaseH, 1μl 1nmol/μl ランダムプライマー(6塩基または9塩基。なお、上記第1番目の鎖の合成において6塩基のランダムプライマーを用いた場合は、第2番目の鎖の合成も6塩基、第1番目の鎖の合成が9塩基の場合は第2番目の差の合成も9塩基とした。), 1μl T4 DNA polymerase (Takara Bio)を加え、16度で4時間反応させた。得られたサンプルに蒸留水398ulと10xE. coli ligase buffer (Takara Bio) 10μl, 1μl 50mM NAD, 1μl E. coli ligaseを添加し、37度で15分間反応させた。反応産物をフェノール抽出法で精製後、エタノール沈殿法を用いてさらに精製し、蒸留水へ溶解する。得られた産物は短鎖から長鎖まで含まれるtotal RNA由来cDNAである。
(4)オペロン形成遺伝子cDNAの分画
得られたcDNAを、1%アガロース電気泳動にて泳動後、2kbp以上の画分を回収することによって、ribosomal RNAを含まない発現遺伝子のみからなるcDNA画分を得ることが出来る。結果を図1に示す。
(5)cDNAクローニング
分画されたcDNAをアガロースゲルから切り出し、Taq polymeraseと0.25mM dNTPとPCR用反応bufferを加えて72度で15分反応させてから、Sau3AIで限定分解を行った後、BamHIで処理したpGEM-5Zf(-)にクローニングし、バクテリアcDNAライブラリーを作成した。該ライブラリーからインサート部分を切り出し、PCRで増幅し、アガロース電気泳動した。結果を図2に示す。
(6)遺伝子配列決定
上記ライブラリー約150クローンについて、ABI社のBig Dye Terminator kitおよびABI3130xlを用いてシーケンスを行ったところ、ribosomal RNA配列はこれに含まれなかった。
結果を以下に示す。
Figure 2009207395
Figure 2009207395
Figure 2009207395
比較例
Ribo-minus(Invitrogen社)にてリボソームRNA(ribosomal RNA)をサブトラクションしたマウス糞便サンプルを用いて上記実施例記載の方法でcDNA合成後、Taq DNA polymeras反応を行い、続いてpGEM-Tへクローニングしたサンプルについて配列決定したところ、構造遺伝子の他にリボソームRNA由来と思われる配列の存在が確認された。このことより、全く同じ条件でのcDNA合成過程で、本発明の方法を用いることでリボゾームRNAを含まない構造遺伝子を濃縮した発現ライブラリーをバクテリアより構築可能であることを初めて示すことに成功した。
本件発明は、微生物工学の分野で、広く利用できるものである。
バクテリアから調製したcDNAを1%アガロース電気泳動にて泳動した結果を示す。ゲルの右側に示されるバーの内、上のバー部分に、目的のオペロンを形成する遺伝子のcDNAが見られる。下のバー部分にrRNAが見られる。 得られたcDNAライブライーのインサート部分をPCRで増幅し、アガロース電気泳動をした結果を示す。

Claims (7)

  1. 以下の(1)〜(4)の工程を含む、真正細菌のオペロン形成遺伝子cDNAの調製方法。
    (1)真正細菌から全RNAを抽出する工程、
    (2)ランダムプライマー及び逆転写酵素を用いて全RNAに対して相補的な一本鎖DNAを合成し、得られた一本鎖cDNA間のニックをE. coli ligase(大腸菌ライゲース)を用いて結合する工程、
    (3)結合された一本鎖cDNAを鋳型にDNAポリメラーゼを用いて二本鎖DNAとする工程、及び
    (4)二本鎖cDNAを鎖長により分画する工程
  2. ランダムプライマーが5塩基長から10塩基長である請求項1記載の方法。
  3. 鎖長による分画がゲル電気泳動法により行なわれる請求項1または2記載の方法。
  4. 鎖長が2Kb以上のものを分画する請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
  5. 結合された一本鎖cDNAを二本鎖DNAとする工程が、ランダムプライマー及び/又はRNAaseH並びにDNAポリメラーゼを用いる請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
  6. DNAポリメラーゼがT4 DNAポリメラーゼ、E. coli DNAポリメラーゼI、及びクレノウフラグメント、から選ばれる請求項5記載の方法。
  7. ランダムプライマー、逆転写酵素、リガーゼ(ligase)、DNAポリメラーゼ、及びRNaseHを含む、真正細菌生物由来のオペロン形成遺伝子cDMAライブラリー調製用キット。
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