JP2009207055A - 無線通信システム - Google Patents

無線通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP2009207055A
JP2009207055A JP2008049460A JP2008049460A JP2009207055A JP 2009207055 A JP2009207055 A JP 2009207055A JP 2008049460 A JP2008049460 A JP 2008049460A JP 2008049460 A JP2008049460 A JP 2008049460A JP 2009207055 A JP2009207055 A JP 2009207055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base station
radio
wireless terminal
indoor
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008049460A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5186244B2 (ja
Inventor
Katsuhiro Asano
勝洋 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Kokusai Electric Inc filed Critical Hitachi Kokusai Electric Inc
Priority to JP2008049460A priority Critical patent/JP5186244B2/ja
Publication of JP2009207055A publication Critical patent/JP2009207055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5186244B2 publication Critical patent/JP5186244B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】従来の複数の前進基地局を介した複数の屋内エリア向け無線通信システムは、空港ビルのように広大な空間においては、各屋内通信エリアにおける主無線基地局から無線端末への送信波の到達時間と前進基地局から無線端末への送信波の到達時間の差に起因して電波干渉が生じ、回線品質が劣化してしまう問題があった。
【解決手段】本発明の無線通信システムは、無線端末16、17が前進基地局10、11を介して主基地局3とTDMA方式で通信する無線通信システムにおいて、無線端末16、17は、前進基地局10、11の設置された屋内通信エリア8、9の情報を取得して主基地局3に送信する手段を備え、主基地局3は、無線端末16、17に割り当てたTDMAスロットの主アンテナ7より輻射する送信信号に対して、無線端末16、17から受信した屋内通信エリア8、9の情報に基づく遅延時間を設定する遅延時間設定手段5を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信システムに係り、特に、主無線基地局が直接主アンテナから輻射する電波と、屋内通信エリアに設置され上記主無線基地局と有線で接続された前進基地局の屋内アンテナから輻射する電波が干渉しないようにした無線通信システムに関する。
主無線基地局と複数の無線端末により構成されるデジタル無線通信システムが、広く普及している。そのような無線システムとして、例えば、PDC(Personal
Digital Cellular)システム、MCA(Multi-Channel Access)システム、或いは公共業務用デジタル通信システム等がある。
これらの無線通信システムでは、屋内や地下街等の電波の届きにくい特定のエリアにおける通信を確保するために前進基地局を設置する場合がある。この前進基地局は、同軸ケーブルや光ケーブルを介して主無線基地局の送受信信号を所望の場所まで延長し、当該エリアに存在する無線端末と通信する機能を持つものであり、新たな基地局を設置するよりも低コストでエリア拡大が可能になるというメリットがある。また光ケーブルで接続する場合は、10km以上の遠方であっても前進基地局が設置可能である。
図7は、従来の無線システムの一例である。図7に示す例では、主無線基地局31は、主アンテナ32を介した屋外の無線通信と、別の建物の屋内通信エリア33に設置した前進基地局34に接続する屋内アンテナ35を介した屋内の無線通信により、無線通信システムを構成している。また、主無線基地局31と前進基地局34は光ケーブル36にて接続されている。屋外に存在する移動局(例えば、車載端末(無線端末38)、携帯端末(無線端末39))は、専ら主アンテナ32を介して無線通信を行い、屋内通信エリア33内に存在する携帯端末などの移動局(無線端末37)は専ら屋内アンテナ35を介した無線通信を行うことを想定して回線設計が成されるのが一般的である。
図7に示した無線通信システムにおいて、無線端末37が受信する電波は、主無線基地局31が主アンテナ32を用いて屋外に輻射する電波(経路X)と前進基地局34が室内アンテナ35を用いて屋内通信エリア33内に輻射する電波(経路Y)が合成されたものとなる。
更に図8を用いて、経路Xと経路Yの信号伝送に要する時間関係について説明する。無線端末37が受信する経路Xからの信号を受信信号Sx(図8の(a)参照)、経路Yからの信号を受信信号Sy(図8の(b)参照)とすると、受信信号Sxと受信信号Syは経路Xの遅延時間と経路Yの遅延時間との差Δtだけずれた状態で主無線基地局31から無線端末37に到達する。従って、無線端末37の受信状態を観測すると、図8の(c)の「受信信号Sx+受信信号Sy」のようになり、Δtの時間差を持つ二波マルチパス環境における状態と同等の劣化を受けた信号に見える。
特に、主アンテナ32と屋内通信エリア33を隔てる構造物がガラス製である場合、減衰は非常に小さいことが知られており、屋内通信エリア33における希望波(経路Yを経由する信号)と干渉波(経路Xを経由する信号)の信号レベルは同程度になることもあり、このような場合には通信品質劣化の問題が深刻になる。
本発明者は、このような問題を解決する技術を、特許文献1に挙げた特願2006−320974号(従来技術1とする)として先に出願している。この技術は主アンテナ32から輻射する信号に遅延を与え、屋内通信エリア33で無線端末37が受信する主アンテナ32からの電波と室内アンテナ35からの電波の干渉を防止するものである。
なお無線システムとして、空港エリア内に存在する航空機の安全性やユーザの快適性を確保するという空港向けマルチチャンネルアクセス(MCA:Multi
Channel Access)無線システムが非特許文献1に規格化されている。このシステムにおいても前進基地局を備える場合がある。
特願2006−320974号 ARIB STD−T87「空港内デジタル移動通信システム」、社団法人電波産業会
上記従来技術1は、比較的簡単な追加回路で、同一波干渉の問題を回避できる。しかしながら、例えば、空港ビルのように広大な空間においては、各屋内通信エリアにおける主無線基地局からの送信波の到達時間と、屋内の前進基地局への有線ケーブル引き回し経路長に起因する遅延時間との差の時間(即ち、主アンテナ輻射波に設定すべき最適な遅延時間)の時間範囲が大きくなる。その場合の主アンテナ輻射波に設定する遅延時間は、使われる頻度の高いエリアを優先して多数決的に決定せざるを得ない。このような状態ではシステム全体で見た平均的な回線品質が劣化してしまう。しかしながら、従来技術1では、主アンテナからの送信信号に設定可能な遅延時間は一種類なので、全ての屋内通信エリアで最適な通信環境を実現することはできない問題がある。
本発明は、前進基地局の輻射波と、主無線基地局の主アンテナの輻射波の到来時間差による同一波干渉の問題解決を主無線基地局側で実現し、且つエリア構成の制限を最小限に抑えることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明による無線通信システムは、無線端末が前進基地局を介して主基地局とTDMA方式で通信する無線通信システムにおいて、前記無線端末が、前記前進基地局の設置された屋内通信エリアの情報を取得して前記主基地局に送信する手段を備え、前記主基地局が、前記無線端末に割り当てたTDMAスロットの主アンテナより輻射する送信信号に対して、前記無線端末から受信した前記屋内通信エリアの情報に基づく遅延時間を設定する遅延時間設定手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、前進基地局の輻射波と、主無線基地局の主アンテナの輻射波の到来時間差による同一波干渉の問題解決を主基地局側で実現し、且つエリア構成の制限を最小限に抑えることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明による無線通信システムの実施の形態(無線通信システム1)を示すものである。
無線通信システム1の無線通信は、局舎2に設置した送信信号遅延回路付き無線基地局3(以下、単に主基地局3という)による主アンテナ7を介した屋外の無線端末との無線通信と、光ケーブル12、13で主基地局3に接続された前進基地局10、11による屋内アンテナ14、15を介した屋内通信エリア内の無線端末との無線通信とからなる。前進基地局10、11による無線通信は、屋内通信エリア8、9内に在る無線端末16、17との通信を行う。本説明においては、前進基地局10が設置される屋内通信エリアを屋内通信エリア8、前進基地局11が設置される屋内通信エリアを屋内通信エリア9とする。
局舎2に設置された主基地局3は信号の送受信を司る送受信部4と、光ケーブル12を介して送出する信号に対して主アンテナ7から送出する信号を所定の時間遅延させる送信信号遅延回路5と、各屋内通信エリア8、9内の無線端末の位置情報を記憶し、また、送信信号遅延回路5に設定する遅延時間などを記憶し、主アンテナ7から送出する信号に対して遅延時間を設定するためのデータを送受信信号遅延回路5に供給する無線端末位置情報管理部6を備えている。また、送受信部4には無線端末位置情報管理部6に設定された上記遅延時間の変更などのメンテナンスを行う保守端末18が接続されている。
なお、屋内通信エリア8、屋内通信エリア9においては、それぞれの屋内通信エリアに対応する室内アンテナ14、15を介して無線通信を行うことを想定した回線設計が成されるものとする。また、主基地局3と前進基地局10、11の接続は光ケーブルだけでなく、同軸ケーブルを適用しても良い。また、図1では、説明の簡単化のために前進基地局を前進基地局10、11の2つの例を示しているが、無線通信システム1の処理可能な範囲で増やすことができる。また、屋内通信エリア8、屋内通信エリア9内の無線端末を、説明の簡単化のために無線端末16、無線端末17のそれぞれ1つの例を示したが、これも無線通信システム1の処理可能な範囲で増やすことができる。また、屋外の無線端末(図7に示した無線端末38、39など)は省略している。
図2は、無線端末16、無線端末17の機能ブロックを示したもので、21は送受信部、22は位置情報取得手段、23はアンテナである。図2に示すように、本実施の形態における無線端末16、無線端末17は、従来の無線機機能を実現するための送受信部21に加えて、無線端末がどの屋内通信エリアに位置しているかの屋内通信エリア情報を主基地局2に通知するために位置情報取得手段22を持つ。
位置情報取得手段22としては、無線端末16、無線端末17の使用者が、無線端末を使用する屋内通信エリアを特定するための上記屋内通信エリア情報をマニュアルで入力する方法が最も簡単であり、低消費電力化やハードウェア小型化の観点からも好ましい。その他の方法としては、IEEE802.11系の一般的な無線LAN機能を実装し、各屋内通信エリアに対応するアクセスポイントを設定すれば、無線接続するアクセスポイントのMACアドレス(Media
Access Control address)やIPアドレス(Internet Protocol Address)により屋内通信エリアは容易に特定が可能である。あるいは、IEEE802.15系のZigBeeなどの近距離通信システム、RFID(Radio
Frequency IDentification)などを利用し、前進基地局あるいは屋内通信エリアの特定の場所からエリア内の無線端末に屋内通信エリア情報を送って受信させ自動的に取得させることも可能である。
無線端末16、無線端末17は主基地局3との無線リンクを確立する際に、位置情報取得手段22が取得した屋内通信エリア情報を送受信部21により主基地局3に通知し、主基地局3では、通知された屋内通信エリア情報を無線端末位置情報管理部6にて記憶する(図3の無線端末位置情報管理表61における屋内通信エリア情報64を参照)。
屋内通信エリアを特定する屋内通信エリア情報は、通信フレームに埋め込まれた制御情報領域を利用することで主基地局3に通知することができる。例えば、ARIB STD−T87で規定される「空港内デジタル移動通信システム」などに適用する場合であれば、通信用物理チャンネル内で制御情報伝送のための信号として使用されるハウスキーピングチャンネルなどを利用可能である。
次に、無線端末位置情報管理部6の機能について説明する。
無線端末位置情報管理部6では図3の(a)に示す無線端末位置情報管理表61を記憶しており、無線接続した無線端末16、無線端末17それぞれの屋内通信エリア情報64を記憶すると共に、接続時に主基地局3が各無線端末16、無線端末17に割り当てるタイムスロット情報(TDMAタイムスロット番号63)、そして複数の無線チャンネルがある場合には使用する無線チャンネルの情報(通信周波数62、TDMAタイムスロット番号63)を一括して管理する機能を持つ。
図3に示す無線端末位置情報管理表61は、2つの周波数(下り周波数F1、上り周波数F2)、2つの屋内通信エリア(屋内通信エリア8は識別子Aにより区別、屋内通信エリア9は識別子Bにより区別するものとする)、4つのTDMAスロット(チャンネル1〜チャンネル4)を使用するシステムにおける、情報管理の一例を示したものである。無線端末位置情報管理部6では、上記のような無線端末位置情報管理表61相当の情報を保持、管理し、無線端末16、無線端末17と接続して通信を開始する度に、割り当てたTDMAスロット番号63に対応する屋内通信エリア情報64を、屋内通信エリアが屋内通信エリア8のとき識別子A、屋内通信エリアが屋内通信エリア9のとき識別子Bを書き込んで保持する(書き込む識別子はA,Bに限定されることは無く、屋内通信エリア8と屋内通信エリア9が識別できる識別子であれば良い)。
屋内通信エリア情報64は、送信信号遅延回路5で設定する遅延時間を与えるための情報であるから、屋内通信エリア8、9に適用する遅延時間を設定する必要があり、例えば図3(b)に示すように、屋内通信エリア識別子66(A、B)と遅延時間設定値67(ΔtA、ΔtB)を対応させたテーブル(遅延時間対応表65)として管理することができる。この遅延時間対応表65も無線端末位置情報管理部6に記憶される。
なお、遅延時間対応表65に設定する遅延時間設定値67のΔtA、ΔtBは、主基地局3との距離が支配的要因となるため通信周波数62(下り周波数F1、上り周波数F2)と伝送距離の関係から計算できるが、遅延時間を実測可能な場合は実測値を用いるのが好ましい。遅延時間を実測するには、例えば特許文献1として挙げた特願2006−320974号の段落0024〜段落0030に記載された測定方法を利用することができる。
このようなシステムに固有の情報については、保守端末18などを用いて、システム構築時に固有な値として無線端末位置情報管理部6に設定するものとし、システム構成の変更が発生した場合も、保守端末18により遅延時間対応表65の屋内通信エリア識別子66の識別子A(屋内通信エリア8に対応)、識別子B(屋内通信エリア9に対応)と対応する遅延時間設定値67のΔtA、ΔtBを再設定して保守する機能を持つことが好ましい。
送信信号遅延回路5では、無線端末位置情報管理部6が保持する図3に示す管理情報を基に、無線端末16又は無線端末17と通信を確立する際に通知された屋内通信エリア情報64と、各屋内通信エリア8、9にそれぞれ対応する独立した遅延時間設定値ΔtA、ΔtBを与える機能を有する。
次に、本実施の形態の無線システム1の各無線端末16、17における受信信号の最適化方法を説明する。
まず、本発明を適用しないときの無線端末16、17の受信状態を説明する。
図1に示すように、主基地局3の主アンテナ7から電波として輻射され直接無線端末16に到達する経路を経路Aとし、主基地局3から光ケーブル12、前進基地局10を介して屋内アンテナ14から電波として輻射され、無線端末16に到達する経路を経路A’とする。また、主基地局3の主アンテナ7から電波として輻射され直接無線端末17に到達する経路を経路Bとし、主基地局3から光ケーブル12、光ケーブル13、前進基地局11を介して屋内アンテナ15から電波として輻射され、無線端末17に到達する経路を経路B’とする。また、屋内通信エリア8において、無線端末16が受信する信号の経路Aと経路A’との到達時間差をΔtAとし、屋内通信エリア9において、無線端末17が受信する信号の経路Bと経路B’との到達時間差をΔtBとする。
このとき、主基地局における送信信号遅延制御を行わない場合は、図4に示すように、無線端末16ではΔtAの遅延時間差を持つマルチパス信号が観測され、また、無線端末17ではΔtBの遅延時間差を持つマルチパス信号が観測される。これを図4を参照して説明する。
無線端末16が経路Aを経由して主基地局3から受信する信号を受信信号Sa(図4の(a)に示す信号)とする。また、無線端末16が経路A’を経由して主基地局3から受信する信号を受信信号Sa'(図4の(b)に示す信号)とする。受信信号Saと受信信号Sa'は伝送路の特性の違いにより伝送の遅延時間に差が生じ、到達時間差がΔtAとなる。無線端末16は経路Aを経由した信号と経路A’を経由した信号を同時に受信するので、無線端末16が受信する信号は合成された受信信号Sa+Sa'(図4の(c)に示す信号)となる。
同様に、無線端末17が経路Bを経由して主基地局3から受信する信号を受信信号Sb(図4の(d)に示す信号)とする。また、無線端末17が経路B’を経由して主基地局3から受信する信号を受信信号Sb'(図4の(e)に示す信号)とする。受信信号Sbと受信信号Sb'は伝送路の特性の違いにより伝送の遅延時間に差が生じ、到達時間差がΔtBとなる。無線端末17は経路Bを経由した信号と経路B’を経由した信号を同時に受信するので、無線端末17が受信する信号は合成された受信信号Sb+Sb'(図4の(f)に示す信号)となる。この場合の到達時間差がΔtBは、光ケーブル13が余計に介在しているので無線端末16に生じる到達時間差ΔtAに対して大きくなる。
主基地局3の送信信号遅延回路5には、この到達時間差ΔtA、ΔtBを補償する遅延時間の設定値を遅延時間設定値ΔtA、ΔtBとすれば良いわけであるが、空港の設備のように、主基地局3に対して屋内通信エリア8、9が広範囲に存在し、その距離に大きな開きがあると遅延時間設定値ΔtAと遅延時間設定値ΔtBの差が大きくなり、従来技術1のように遅延時間設定値が1種類では補償が困難になることが分かる。
本実施の形態による無線通信システム1では、各前進基地局に送信する信号を時分割による所謂TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)方式によって送信し、上記到達時間差ΔtA、ΔtBを割り当てられたそれぞれの時間帯において補償するようにTDMAスロット毎に独立して設定するものである。即ち、無線端末16に割り当てられた時間帯には経路Aの到達時間差ΔtAを補償する遅延時間設定値ΔtAが設定され、無線端末17に割り当てられた時間帯には経路Bの到達時間差ΔtBを補償する遅延時間設定値ΔtBが設定される。
次に、本発明を適用した無線通信システム1の送信信号遅延制御を行う場合の無線端末17の受信状態を例として説明する。
無線端末16、17が例えば、図3の(a)に示すようにTDMAスロットが割り当てられ、それぞれTDMAスロット番号1〜4が付けられて管理される。このTDMAスロット番号の割り当ては無線端末16、17との通信が開始される毎に適宜変更されて管理されることは勿論である。無線端末16、17のTDMAスロットが図3の(a)のように割り当てられている場合には、通信周波数F1の下り通信のとき、TDMAスロット番号の1と2には屋内通信エリア情報にAとあるので無線端末16が割り当てられており、TDMAスロット番号の3と4には屋内通信エリア情報にBとあるので無線端末17が割り当てられていることになる。そして、図3の(b)に示すように屋内通信エリア識別子66(図3(a)の屋内通信エリア情報64)のA、Bに対応して遅延時間の設定時間ΔtA、ΔtBが遅延時間対応表65としてそれぞれ無線端末位置情報管理部6に記憶されているので、これら無線端末位置情報管理表61、遅延時間対応表65を基に屋内通信エリア8、9に対応して該当する遅延時間が送信信号遅延回路5に設定される。
具体的には、主基地局3の送信信号遅延回路5において、屋内通信エリア8の前進基地局10による無線端末17に向けた送信では、無線端末17が使用するTDMAタイムスロットでΔtBだけ送信時間を遅延させる。このような制御により主アンテナ7から無線端末17への空間波(経路B)はΔtBだけ遅延して図5の(b)として示した受信信号Sb"が、経路B’の受信信号Sb'(図5の(c)参照)と同じタイミングで受信される。受信信号Sb'や受信信号Sb"の受信タイミングは、無線端末の位置や周囲の環境により変動するので、完全に遅延波の無い環境とすることはできないものの、このような遅延時間を設定することにより、前進基地局11からの受信信号(経路B’)との遅延時間差はほとんど無視できることになり、無線端末17における受信信号は遅延時間広がりの少ない受信信号Sb'+Sb"となり(図5の(d)参照)、良好な受信品質を実現できる。
なお、以上の説明では無線端末17の受信状態を例として説明したが、本発明では各屋内通信エリアとの通信に同様の処理を施すので、無線端末16における受信信号も、前述の無線端末17の場合と同様に同一信号干渉の影響を低減した遅延広がりの小さい信号となる。
次に、TDMAスロットと送信信号遅延制御との関係を図6を用いて説明する。
この例では、周波数F1の下り信号(主基地局3から無線端末16、17方向の通信)に関する遅延時間設定例を示しており、無線端末位置情報管理部6の管理する情報は図3の二つの表示に纏められている。本実施の形態では、TDMAスロット1、2では屋内通信エリア8に位置する無線端末16との通信を行うために、主基地局3の送信信号に遅延時間ΔtAを与え、一方、TDMAスロット3、4では、屋内通信エリア9に位置する無線端末17との通信を行うために、主基地局3の送信信号に遅延時間ΔtBを与えるように動作する。このように、本実施の形態によれば、例えば、遅延時間ΔtAと遅延時間ΔtBの差が大きい場合でも、個々の屋内通信エリアで準最適な送信信号遅延時間を容易に設定可能になり、システム全体としての通信品質を向上させることができる。
なお、本説明においては、簡単のために2種類の屋内通信エリアを持つシステムについて説明しているが、屋内通信エリア数は、システムで管理可能な範囲で大きくしても差し支えない。
以上説明したように、本実施の形態では、前進基地局が形成する屋内通信エリアにおける同一波干渉の影響を軽減することができる。また、複数の前進基地局が形成する屋内通信エリアそれぞれに対して、個別の遅延時間が設定できるので、広いエリアで通信品質を向上させることができる。また、システムを構成する主基地局と前進基地局間の接続方法の自由度が高くなるので、敷設済の光ケーブルを利用する場合に有利になるなどの利点がある。
なお、以上の説明では、屋外の無線端末には主アンテナによる電波による通信、前進基地局には光ケーブルを介した電波による通信が適用された例を挙げたが、本発明は電波による通信や光ケーブルによる通信に限定されない。即ち、伝送途中に異なる伝送時間を持つ通信媒体を使用して無線端末と通信するものにおいて、これらの間の遅延時間を、時分割された各スロットごとに遅延時間設定して補償するようにして本発明の目的は達せられる。
上記説明した実施の形態の主な特徴を纏めると下記のようになる。
本実施の形態の無線通信システムは、無線端末が前進基地局を介して主基地局とTDMA方式で通信することができる無線通信システムにおいて、前記無線端末が、前記前進基地局の設置された屋内通信エリアの情報を取得して前記主基地局に送信する手段を備え、前記主基地局が、前記無線端末に割り当てたTDMAスロットの主アンテナより輻射する送信信号に対して、前記無線端末から受信した前記屋内通信エリアの情報に基づく遅延時間を設定する遅延時間設定手段を備えたことを特徴とする。
また、本実施の形態の無線通信システムは、主基地局と、前記主基地局に接続された複数の前進基地局と、前記前進基地局と無線通信する複数の無線端末とにより構成されるTDMA方式を用いた無線通信システムにおいて、前記無線端末が、使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を取得して前記無線基地局に送信する送信手段を備え、前記主基地局が、前記複数の無線端末のうち特定の無線端末が前記主基地局と通信を開始するごとに、前記通信を開始した無線端末に割り当てられたTDMAスロット毎に、前記通信を開始した無線端末が使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報に基づいて、主アンテナより輻射する送信信号に対して遅延時間を独立して設定する遅延時間設定手段を備えたことを特徴とする。
また、前記無線端末は、使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を、当該無線端末の使用者がマニュアルで入力することを特徴とする。
また、前記無線端末は、使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を、当該無線端末の使用者が無線LAN機能のアクセスポイント設定を利用して取得することを特徴とする。
また、前記無線端末は、使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を、当該無線端末の使用者が近距離通信システム(ZigBee、RFIDなど)を利用して取得することを特徴とする。
また、本実施の形態の無線通信システムは、主基地局と、前記主基地局に接続された複数の前進基地局と、前記前進基地局と無線通信する複数の無線端末とにより構成されるTDMA方式を用いた無線通信システムにおいて、前記無線端末が、使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を取得する位置情報取得手段と、取得した前記通信エリア情報を前記無線基地局に送信する送信手段とを備え、前記主基地局が、主アンテナより輻射する送信信号に対して遅延時間を与える送信信号遅延手段と、前記無線端末から受信した前記屋内通信エリア情報と前記遅延時間の設定値とを記憶する無線端末位置情報管理手段とを備え、前記複数の無線端末のうち特定の無線端末が前記主基地局と通信を開始する毎に、前記主基地局は前記通信を開始した無線端末が使用する屋内通信エリアの屋内通信エリア情報を受信し、前記通信を開始した無線端末に割り当てられたTDMAスロット毎に、当該屋内通信エリア情報に基づいた遅延時間を前記無線端末位置情報管理手段から取り出し送信信号遅延手段に独立して設定する遅延時間値設定手段を備えたことを特徴とする。
また、前記無線端末位置情報管理手段に記憶された遅延時間値を変更することができる保守手段を備えたことを特徴とする。
以上、実施の形態で説明したものは本発明の例示であり、これには限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形して実施できることは勿論である。
本発明は、伝送時間の異なる通信手段により前進基地局に信号を伝送する無線通信システムに適用可能で、特に前進基地局が広い範囲に存在する無線通信システムに適用して好適である。
本発明による実施の形態である無線通信システムを示す図である。 本発明による実施の形態の屋内通信エリアで使用される無線端末の機能ブロック図である。 本発明による実施の形態の無線通信システムにおいて使用される無線端末位置情報管理表である。 本発明を適用しないときの屋内通信エリアで使用される無線端末の受信状態を説明する図である。 本発明が適用された屋内通信エリアで使用される無線端末の受信状態を説明する図である。 本発明による実施の形態のTDMAスロットと送信信号遅延制御との関係を説明する図である。 従来技術による無線通信システムを示す図である。 従来技術による無線通信システムにおける屋内通信エリアで使用される無線端末の受信状態を説明する図である。
符号の説明
1・・・無線通信システム、 2・・・局舎、 3・・・主基地局(送信信号遅延回路付き無線基地局)、 4・・・送受信部、 5・・・送信信号遅延回路、 6・・・無線端末位置情報管理部、 7・・・主アンテナ、 8、9・・・屋内通信エリア、 10、11・・・前進基地局、 12、13・・・光ケーブル、 14、15・・・屋内アンテナ、 16、17・・・無線端末、 18・・・保守端末、 21・・・送受信部、 22・・・位置情報取得手段、 23・・・アンテナ、 31・・・主無線基地局、 32・・・主アンテナ、 33・・・屋内通信エリア、 34・・・前進基地局、 35・・・屋内アンテナ、 36・・・光ケーブル、 37・・・無線端末(屋内)、 38、39・・・無線端末(屋外)、 61・・・無線端末位置情報管理表、 62・・・通信周波数、 63・・・TDMAスロット番号、 64・・・屋内通信エリア情報、 65・・・遅延時間対応表、 66・・・屋内通信エリア識別子、 67・・・遅延時間設定値

Claims (1)

  1. 無線端末が前進基地局を介して主基地局とTDMA方式で通信する無線通信システムにおいて、
    前記無線端末は、前記前進基地局の設置された屋内通信エリアの情報を取得して前記主基地局に送信する手段を備え、
    前記主基地局は、前記無線端末に割り当てたTDMAスロットの主アンテナより輻射する送信信号に対して、前記無線端末から受信した前記屋内通信エリアの情報に基づく遅延時間を設定する遅延時間設定手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
JP2008049460A 2008-02-29 2008-02-29 無線通信システム Active JP5186244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008049460A JP5186244B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 無線通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008049460A JP5186244B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 無線通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009207055A true JP2009207055A (ja) 2009-09-10
JP5186244B2 JP5186244B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41148846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008049460A Active JP5186244B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 無線通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5186244B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4621797B1 (ja) * 2009-10-29 2011-01-26 京セラ株式会社 大セル基地局及び通信制御方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002027534A (ja) * 2000-07-07 2002-01-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線通信システムの基地局装置及びタイミング調整方法
JP2003304576A (ja) * 2002-04-12 2003-10-24 Mitsubishi Electric Corp 基地局装置及びデータ送信方法
WO2008041527A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-10 Kyocera Corporation SystÈme de communication radio, terminal de communication radio, station de base, et procÉDÉ de communication radio

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002027534A (ja) * 2000-07-07 2002-01-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線通信システムの基地局装置及びタイミング調整方法
JP2003304576A (ja) * 2002-04-12 2003-10-24 Mitsubishi Electric Corp 基地局装置及びデータ送信方法
WO2008041527A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-10 Kyocera Corporation SystÈme de communication radio, terminal de communication radio, station de base, et procÉDÉ de communication radio

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4621797B1 (ja) * 2009-10-29 2011-01-26 京セラ株式会社 大セル基地局及び通信制御方法
JP2011097372A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Kyocera Corp 大セル基地局及び通信制御方法
US8831036B2 (en) 2009-10-29 2014-09-09 Kyocera Corporation Large cell base station and communication control method

Also Published As

Publication number Publication date
JP5186244B2 (ja) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102328700B1 (ko) 무선 통신 시스템에서 릴레이 링크 셋업 방법 및 장치
US11825433B2 (en) Synchronizing multiple-input/multiple-output signals in distributed antenna systems
AU2018264101B2 (en) Cluster-based beacon signal transmission
US10383075B2 (en) Method and apparatus for providing connection with radio access network through wireless backhaul
US7965681B2 (en) Channel allocation procedure in a meshed network
KR100856045B1 (ko) 다중 홉 전달방법, 장치 및 그 방법에서 사용되는매체접근제어 데이터 자료구조
JP6624203B2 (ja) デバイスツーデバイス通信のための方法及びシステム
WO2013172637A1 (en) Communication method and apparatus for jointly transmitting and receiving signal in mobile communication system
JP3940062B2 (ja) 無線通信中継装置,無線通信システム
JP2018515003A (ja) トラッキングチャネルのためのシステム及び方法
CN110830975A (zh) 电子装置、无线通信方法和计算机可读介质
JP4118699B2 (ja) 無線通信方法および無線通信システム
KR102068283B1 (ko) 무선랜 시스템에서 섹터 디스커버리 방법 및 장치
US20100215009A1 (en) Method and apparatus for resource allocation in a multi hop relay network
RU2008139301A (ru) Устройство и способ поддержки услуги ретрансляции в системе связи широкополосного беспроводного доступа с несколькими шагами ретрансляции
JP5153507B2 (ja) 無線通信装置
US20110092218A1 (en) Method and system of location of a mobile staton within a radio coverage zone of a cell and to a radio cellular network implementing this system
US20120040695A1 (en) Method and apparatus for providing location based service in wireless communication system
US8989093B2 (en) Apparatus and method for transmitting and receiving signal in a near field communication system
CN113875290A (zh) 虚拟无线网络
JP5186244B2 (ja) 無線通信システム
KR20150007886A (ko) 인-밴드 기반 통신 시스템에서 기지국간 통신을 위한 자원 할당 방법 및 장치
US20060268922A1 (en) Apparatus and method for channel allocation in a wireless local area network mesh communication system
KR101781195B1 (ko) 와이파이 통합 소형 셀 환경에서 간섭을 제어하는 방법 및 장치
JP6487310B2 (ja) 基地局および無線通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5186244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250