JP2009202535A - 押出成形体の乾燥治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】含水坏土を押出成形機から押し出した成形した成形体を変形させることなく容易、迅速に乾燥させることのできる押出成形体の乾燥治具を提供する。
【解決手段】押出成形体の乾燥治具1は、押出成形機から押出成形された外形が略円形状の押出成形体100を載置する金属製の受治具2と、受治具2を収容する金属製の筒状の棚板3と、棚板3の上端側を閉鎖する蓋体4と、を備えている。蓋体4を、受治具2に載置されている押出成形体100の上端に対して0.5mm未満の微小な隙間6をもって棚板3の上端側に取り付けた。
【選択図】図4
【解決手段】押出成形体の乾燥治具1は、押出成形機から押出成形された外形が略円形状の押出成形体100を載置する金属製の受治具2と、受治具2を収容する金属製の筒状の棚板3と、棚板3の上端側を閉鎖する蓋体4と、を備えている。蓋体4を、受治具2に載置されている押出成形体100の上端に対して0.5mm未満の微小な隙間6をもって棚板3の上端側に取り付けた。
【選択図】図4
Description
本発明は、含水坏土を押出成形機から成形して押し出した成形体を所定の形状に維持し、上記成形体を変形させないで乾燥させることのできる押出成形体の乾燥治具に関するものである。
含水坏土を押出成形機から押し出し成形した直後の成形体は、多くの水分を含み軟らかく変形し易い。そこで、押出成形機から押し出された断面略円形状の成形体は、受治具に載置されて、乾燥装置で熱風を吹き付けるなどして乾燥される。
図16に示すように、上記受治具101として、上面に半円形状の凹部101aを備え、該凹部101aに、断面略円形状の成形体100の下半部100aを嵌合した状態で断面略円形状の成形体100を支持するポリウレタン樹脂によるスポンジ状多孔質の低反発性素材で形成された受治具101が知られている。(特許文献1参照)。
また、図17に示すように、断面略円形状の成形体100を複数支持する複数の断面略V字状の凹部111aを備え、アルミニウム等の金属、アルミナ等の金属粉焼結体等の金属製素材で形成された受治具(乾燥用治具)111が知られている。(特許文献2参照)
ここで、乾燥とは、成形体から水分を除去することであり、理想的な乾燥は、予熱期間、恒率乾燥期間、減率乾燥期間を経ることにより行われる。(例えば特許文献3参照)
予熱期間とは、成形体の温度が上昇して一定の温度に保たれるまでの期間をいう。予熱期間においては成形体の表面からの水分の蒸発を抑制し、成形体全体の温度を速やかに上昇することが求められる。
ここで、乾燥とは、成形体から水分を除去することであり、理想的な乾燥は、予熱期間、恒率乾燥期間、減率乾燥期間を経ることにより行われる。(例えば特許文献3参照)
予熱期間とは、成形体の温度が上昇して一定の温度に保たれるまでの期間をいう。予熱期間においては成形体の表面からの水分の蒸発を抑制し、成形体全体の温度を速やかに上昇することが求められる。
恒率乾燥期間とは、成形体の温度が略一定に保たれた状態から成形体の水分率が限界水分率に達するまでの期間をいう。恒率乾燥期間では成形体の温度は略一定に保たれ、成形体の表面から水分の蒸発に伴って、成形体の内部の水分が表面に向かって移動する状態にあり、恒率乾燥期間では成形体の水分率が限界水分率に達するまで略一定の乾燥速度で成形体が乾燥される。
減率乾燥期間とは、成形体の水分率が限界水分率から平衡水分率に達するまでの期間をいう。減率乾燥期間では成形体の表面から蒸発する水分が内部から表面に移動する水分よりも多くなり、成形体に残存する水分の低下に伴って乾燥速度は低下する。減率乾燥期間では成形体の温度は上昇し、成形体の水分率が平衡水分率に達すると、成形体の乾燥が終了する。減率乾燥期間では乾燥による成形体の収縮は殆ど発生しないので乾燥による変形や亀裂は発生しない。
ところで、図16,図17に示すように、押出成形機の成形型から押し出された断面略円形状の成形体100をポリウレタン樹脂によるスポンジ状多孔質の低反発性素材で形成された受治具101やアルミニウム等の金属、アルミナ等の金属粉焼結体等の金属製素材で形成された受治具111に載せ、乾燥装置に送り込んで、該乾燥装置内において上記成形体100に直接、熱風を吹き付けるなどして乾燥させた場合には、成形体に対する予熱は十分でなく、熱風が成形体の表面に当たって表面の水分が蒸発した場合に、成形体内部から表面に向かっての水分の移動が無いために、成形体の表面近傍が局所的に乾燥して歪や亀裂が発生する。また、熱風は、図16,図17に示すように、受治具101,111と反対側の成形体100の露出している上面10bに当たるが、受治具101,111と接触している下面100aには当たらないため、成形体100の下面100aと上面100bとで温度差が生じ、成形体102の長さ方向の両端部が反り上がるように変形してしまう。
そこで、図18に示すように、通気性を有する布等の素材121で囲った箱122内に成形体100を入れ、上記箱122を温度や湿度が制御されたチャンバー内に置くことにより、熱風123が直接、成形体100に当たるのを防止し、成形体100の各部の乾燥速度を一定にして亀裂等の発生を防止する方法(例えば特許文献4参照)、或いは、図19に示すように、成形体100を受治具(乾燥治具)131に載置し、これら成形体100および受治具131を透湿性を有するフィルム132で覆ってから乾燥装置内に入れることにより、上記フィルム132内を均一な湿度(水分量)に保って、成形体100の各部、及び内外部において不均一な水分の蒸発を防いで乾燥による亀裂等の発生を防止する方法(例えば特許文献5参照)も開発されている。なお、図19において、133はフィルム132が成形体102に接触するのを防止する枠材である。
特開2004−142160号公報(段落0032、段落0038、段落0039等)
特公平6−45131号公報(第2頁右欄下から11行目〜第3頁左欄上から3行目)
特許第3455813号公報(特開2000−234862号公報)(段落0004〜段落0011)
特開平11−291217号公報(段落0005、段落0008)
特開2005−281094号公報(段落0007、段落0015)
ところで、上記特許文献4、特許文献5の乾燥方法においては、通気性を有する布等の素材121で囲った箱122或いは透湿性を有するフィルム132により熱風が直接、成形体100に当たるのを防止するが、間接加熱という性質上、成形体100全体を迅速に温度上昇させることは困難であった。特に、成形体100の下側には受治具や搬送用のベルトコンベア等が存在することから、加熱開始直後において、成形体100の下側は受治具や搬送用のベルトコンベア等に熱を奪われて温度上昇が緩やかであるのに対して成形体100の上側は熱を奪うものが存在しないので急激に温度上昇するために、成形体100の上側と下側とで水分の蒸発が不均一になり成形体100の上側と下側とで乾燥度に差異が生じて成形体100に曲がりが発生するという問題点があった。
本発明の目的は、熱風を成形体に直接、当てない間接加熱においても、成形体の全体を略均一な温度に保ちながら迅速に加熱することができる押出成形体の乾燥治具を提供することにある。
請求項1の発明の押出成形体の乾燥治具は、押出成形機から押出成形された断面略円形状の成形体を載置する金属製の受治具と、該受治具を収容する金属製の棚板と、該棚板の上端側に取り付ける蓋体と、を備え、
上記蓋体を、上記受治具に載置されている押出成形体の上端に対して微小な隙間をもって上記棚板の上端側の開口部を閉鎖する構成にした。
上記蓋体を、上記受治具に載置されている押出成形体の上端に対して微小な隙間をもって上記棚板の上端側の開口部を閉鎖する構成にした。
請求項2の発明は、請求項1に記載の押出成形体の乾燥治具において、上記隙間を、0.5mm未満にした。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の押出成形体の乾燥治具において、受治具を、薄肉厚の金属板によりモノコック構造に形成し、上面の中央部に上記押出成形体を載置する凹部を設けた。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具において、上記棚板を、積み重ね可能にし、下部の棚板の上端側の開口部を上部の棚板で閉鎖し、最上部の棚板の上端側の開口部を上記蓋体で閉鎖する構成にした。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具において、上記棚板を、矩形状の底壁の長辺側の側縁を起立させて一対の側壁を形成したチャンネル状に形成し、上記底壁の短辺側の側縁よりも内側に後退させた位置に、上記底壁の短辺側の側縁と並行に、且つ両端部を上記側壁に当接させて一対のストッパーを設け、これら一対のストッパーを、上記蓋体との間に微小な隙間を形成する高さに形成した。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具において、受治具、棚板、蓋体を、アルミニウムで形成した。
(1)請求項1の押出成形体の乾燥治具は、押出成形体を受治具に載置して棚板内に収納し蓋体を取り付けるので、乾燥装置に入れて熱風に曝した場合でも、熱風が直接、成形体に当たらずに熱風は専ら棚板や蓋体を加熱する。そして、加熱された棚板や蓋体により上記受治具に載置された成形体の全体を周囲から略均等に間接加熱するので、水分の蒸発は均等に開始され、乾燥による亀裂や曲がりが抑制され、真直ぐに乾燥した成形体を得ることができる。特に、本発明においては、受治具に載置されている成形体の上端と蓋体の間の隙間を微小にしたので、例え、棚板内に熱風が侵入した場合でも、上記隙間への熱風の侵入は阻止され、上記受治具に載置された成形体の上端に熱風が当たることによる成形体の変形を防止することができる。
(2)請求項2の押出成形体の乾燥治具は、上記隙間を、0.5mm未満にしたので、熱風が入り込むのを確実に防止することができる。
(3)請求項3の押出成形体の乾燥治具は、受治具を、薄肉厚の金属板によりモノコック構造(応力外皮構造)に形成されているので、軽量で、しかも機械的強度に優れたものになる。また、熱容量が少ないので棚板を介しての熱伝導や棚板や蓋体からの輻射熱によって受治具を迅速に均一な温度に上昇させ、載置している成形体の受治具の接触部と非接触部に温度差が発生するのを防止する。
(4)請求項4の押出成形体の乾燥治具は、成形体を載置した受治具を積み重ねることにより、多数の成形体を同時に乾燥させることができる。
(5)請求項6の押出成形体の乾燥治具は、成形体が乾燥する際に発生する水蒸気を、ストッパーと蓋体との間の微小な隙間を介して、外部に排出することができる。
(6)請求項6の押出成形体の乾燥治具は、受治具、棚板、蓋体を、アルミニウムで形成したので軽く、熱効率の優れたものになる。
(2)請求項2の押出成形体の乾燥治具は、上記隙間を、0.5mm未満にしたので、熱風が入り込むのを確実に防止することができる。
(3)請求項3の押出成形体の乾燥治具は、受治具を、薄肉厚の金属板によりモノコック構造(応力外皮構造)に形成されているので、軽量で、しかも機械的強度に優れたものになる。また、熱容量が少ないので棚板を介しての熱伝導や棚板や蓋体からの輻射熱によって受治具を迅速に均一な温度に上昇させ、載置している成形体の受治具の接触部と非接触部に温度差が発生するのを防止する。
(4)請求項4の押出成形体の乾燥治具は、成形体を載置した受治具を積み重ねることにより、多数の成形体を同時に乾燥させることができる。
(5)請求項6の押出成形体の乾燥治具は、成形体が乾燥する際に発生する水蒸気を、ストッパーと蓋体との間の微小な隙間を介して、外部に排出することができる。
(6)請求項6の押出成形体の乾燥治具は、受治具、棚板、蓋体を、アルミニウムで形成したので軽く、熱効率の優れたものになる。
以下、本発明を、(1)乾燥治具全体の概略構成、(2)受治具の構成、(3)棚板およびストッパーの構成、(4)蓋体の構成、(5)乾燥治具の使用例および作用、の順で説明する。
(1)乾燥治具全体の概略構成
図1は乾燥治具の斜視図、図2は分解斜視図、図3は図1のA−A断面図、図4は図1のB−B断面図である。
図1は乾燥治具の斜視図、図2は分解斜視図、図3は図1のA−A断面図、図4は図1のB−B断面図である。
図1,図2に示すように、乾燥治具1は、押出成形機(図示省略)から押出成形された断面略円形状の中空状、中実状、ハニカム構造等を含むモノリス構造の成形体100を載置する金属製の受治具2と、受治具2を収容する金属製の棚板3と、棚板3の上端側に取り付けられる金属製の蓋体4と、を備えていて、成形体100を載置した受治具2を棚板3の一対のストッパー5,5間に収納載置して棚板3の上端側の開口部を蓋体4で閉鎖して、乾燥装置で乾燥させる。乾燥装置においては、熱風で棚板3および蓋体4を加熱することで成形体100を間接加熱する構成になっている。
図3,図4に示すように、本発明においては、特に、成形体100の上端と蓋体4の間の隙間6を、0.5mm未満の微小隙間とすることにより乾燥のための熱風が成形体100の上端と蓋体4の間に侵入するのを阻止し、成形体100の上端に熱風で直接加熱されることにより生じる成形体100の変形を未然に防止する。
(2)受治具の構成
図5,図6に示すように、受治具2は、チャンネル材11と、該チャンネル材11内に取り付けられた一対のアングル材12,13と、これら一対のアングル材12,13に架橋されていて成形体100を載置する成形体支持板14と、で構成されていて、成形体支持板14の上面側の凹部15に成形体100が載置される。
図5,図6に示すように、受治具2は、チャンネル材11と、該チャンネル材11内に取り付けられた一対のアングル材12,13と、これら一対のアングル材12,13に架橋されていて成形体100を載置する成形体支持板14と、で構成されていて、成形体支持板14の上面側の凹部15に成形体100が載置される。
図7に示すように、チャンネル材11は、底壁11aと左右の側壁11b、11cにより断面略コ字状に形成されている。チャンネル材11は、例えば幅(内寸)25mm、高さ(外寸)15mm、長さ1200mm、厚み1mmに作られている。
一対のアングル材12,13は、直角2等辺形状に形成されている。上記一対のアングル材12,13は、例えば、9mm角、長さ1200mm、厚み0.9mmに作られている。
一方のアングル材12は、中央の折り曲げ部(角部)12aを境にして一方の辺(以下、第1辺と称する)12b側の先端部が上記チャンネル材11の一方の側壁11bの内面の上端部に接着され、他方の辺(以下、第2辺と称する)12c側の先端部が上記チャンネル材11の一方の側壁11bの内面の下端部(側壁11bと底壁11aの角部)11dに接着されている。また、他方のアングル材13は、中央の折り曲げ部13aを境にして一方の辺(以下、第1辺と称する)13b側の先端部が上記チャンネル材11の他方の側壁11cの内面の上端部に接着され、他方の辺(以下、第2辺と称する)13c側の先端部がチャンネル材11の他方の側壁11cの内面の下端部(側壁11cと底壁11aの角部)11eに接着されている。
成形体支持板14は、一対のアングル材12,13と同様に直角2等辺形状のアングル状に形成されている。成形体支持板14は、例えば、15mm角、長さ1200mm、厚み1mmに作られている。
成形体支持板14は、中央の折り曲げ部(角部)14aを境にして第1辺14b側が一方のアングル材12の第1辺12b上に重ね合わせた状態で接着されると共に、第2辺14c側が他方のアングル材13の第1辺13b上に重ね合わせた状態で接着されている。
上記接着には、耐熱性、伸縮性を有する、例えばセメダイン・スーパーX(登録商標)等の接着剤が使用されている。
チャンネル材11と、一対のアングル材12,13および成形体支持板14は、表面にアルマイト処理(陽極酸化処理)を施したアルミニウム板で形成されている。
アルマイト処理を施したアルミニウム板で成形体支持板14を形成した場合に、その表面は平滑性に乏しく、上記凹部15内に成形体100を載置した場合に成形体100が凹部15の表面に付着して、乾燥収縮時に悪影響を受け、成形体100が破断したり、或いは受治具2との接触線が成形体100の表面に発生したりする虞がある。このような虞をなくすために、図8に示すように、上記成形体支持板14の表面には、平滑で、かつ潤滑性に富む表面処理部16が形成されている。この表面処理部16は、成形体支持板5の表面を研磨し、或いは成形体支持板14の表面にテフロン(登録商標)等の耐熱性に優れた低摩擦のフッ素樹脂をコーティングすることにより形成される。
上記実施例においては、受治具2を、チャンネル材11と、該チャンネル材11内に取り付けられた一対のアングル材12,13と、これら一対のアングル材12,13に架橋されていて成形体100を載置する成形体支持板14と、を接着することにより形成した場合を示したが、図9に示すように、押し出し成形により受治具2全体を一体的に形成してもよい。この場合に、成形体100が大径で重量が重いと、成形体支持板が変形する虞があるので、このような場合には、2点鎖線で示すように、補強部材17を取り付けて成形体支持板を補強してもよい。また、成形体100を載置する凹部の形状はV字状に限定されず、U字状、半円形状、多角形状等であってもよい。また、受治具2の素材はアルミニウムに限定されず他の金属、例えば銅やステンレススチールなどであってもよい。
(3)棚板およびストッパーの構成
図2に示すように、棚板3は、矩形状の底壁3aの長辺側の側縁を起立させて側壁3b,3cを形成することによりチャンネル状に形成されていて、長さ方向の両側部に一対のストッパー5,5が配置されている。
図2に示すように、棚板3は、矩形状の底壁3aの長辺側の側縁を起立させて側壁3b,3cを形成することによりチャンネル状に形成されていて、長さ方向の両側部に一対のストッパー5,5が配置されている。
一対のストッパー5,5は、底壁3aの短辺側の側縁よりも内側に後退させた位置に、底壁3aの短辺側の側縁と並行に、両端部を側壁3b,3cに当接させた状態で設けられている。そして、一対のストッパー5,5の間および棚板3の側壁3b,3cで構成される受治具収納部に、複数個、例えば10個の受治具1を並列に収納可能になっている。
図3に示すように、棚板3の側壁3b,3cの高さHは、受治具2のチャンネル材11の左右の側壁11b、11cと略同じ高さに形成されている。そして、
成形体100を載置した受治具2を棚板3内に収容して蓋体4を取り付けたときに、蓋体4と成形体100の間には微小な第1の隙間6、例えば0.5mm未満の隙間が生じるようになっている。
成形体100を載置した受治具2を棚板3内に収容して蓋体4を取り付けたときに、蓋体4と成形体100の間には微小な第1の隙間6、例えば0.5mm未満の隙間が生じるようになっている。
図4に示すように、ストッパー5は、ベース部5aと、起立壁5bにより略L字状に形成されていて、ベース部5aが棚板3の底壁3a上に取り付けられている。起立壁5bの高さH1は、棚板3の左右の側壁3b,3cの高さH2よりも若干、低め(H1<H2)に形成されている。そして、蓋体4を取り付けたときに、蓋体4とストッパー5の起立壁5bの上端との間にはH2−H1=H3の第2の隙間7が生じるようになっている。第2の隙間7は、第1の隙間6よりも大きめに形成されている。
図10に示すように、棚板3は、積み重ね可能になっていて、下部の棚板3の上端側の開口部を上部の棚板3で塞ぎ、最上段の棚板3の上端側の開口部を蓋体4で塞ぐようになっている。上記棚板3は、アルミニウム等の金属板により形成されているが、その他の金属であってもよい。
(4)蓋体の構成
図2や図11等に示すように、蓋体4は、フラットな板状に形成されているが、図12に示すように、棚板3を蓋体4として使用してもよい。蓋体4は、受治具2に載置されている成形体100の上端に対して上記第1の微小隙間6をもって、また、ストッパー5の起立壁5bの上端との間には上記第2の隙間7をもって棚板3の上端側の開口部を閉鎖している。上記蓋体4は、アルミニウム等の金属板により形成されているが、その他の金属であってもよい。蓋体4には必要に応じて錘20が載置される。上記蓋体4には必要に応じて錘20が載置される。
図2や図11等に示すように、蓋体4は、フラットな板状に形成されているが、図12に示すように、棚板3を蓋体4として使用してもよい。蓋体4は、受治具2に載置されている成形体100の上端に対して上記第1の微小隙間6をもって、また、ストッパー5の起立壁5bの上端との間には上記第2の隙間7をもって棚板3の上端側の開口部を閉鎖している。上記蓋体4は、アルミニウム等の金属板により形成されているが、その他の金属であってもよい。蓋体4には必要に応じて錘20が載置される。上記蓋体4には必要に応じて錘20が載置される。
(5)乾燥治具の使用例および作用
押出成形体100を載置した受治具2を収納した棚板3は蓋体4を取り付けられ、或いは数段に積み重ねられて最上段の棚板3に蓋体4を取り付けられた乾燥治具1は、図13に示すように、乾燥装置21内で熱風22に曝されて棚板3および蓋体4が加熱される。棚板3および蓋体4が加熱されると、その熱は伝導や輻射により受治具2に伝達されて熱容量の小さな受治具2は速やかに加熱する。そして、受治具2に載置された成形体100の全体を周囲から略均等に加熱されるので、水分の蒸発は均等に開始され、乾燥による亀裂や曲がりが抑制され、真直ぐに乾燥した成形体を得ることができる。また、成形体100が乾燥する際に発生する水蒸気は、上記第1、第2の隙間6,7等を介して外部に排出される。
押出成形体100を載置した受治具2を収納した棚板3は蓋体4を取り付けられ、或いは数段に積み重ねられて最上段の棚板3に蓋体4を取り付けられた乾燥治具1は、図13に示すように、乾燥装置21内で熱風22に曝されて棚板3および蓋体4が加熱される。棚板3および蓋体4が加熱されると、その熱は伝導や輻射により受治具2に伝達されて熱容量の小さな受治具2は速やかに加熱する。そして、受治具2に載置された成形体100の全体を周囲から略均等に加熱されるので、水分の蒸発は均等に開始され、乾燥による亀裂や曲がりが抑制され、真直ぐに乾燥した成形体を得ることができる。また、成形体100が乾燥する際に発生する水蒸気は、上記第1、第2の隙間6,7等を介して外部に排出される。
乾燥治具1を乾燥装置21内で熱風22に曝して加熱乾燥させる場合に、熱風22の流れる方向に対して受治具2の長手方向が略直角になるように棚板3を配置する。
上述したように棚板3のストッパー5の起立壁5bは、棚板3の底壁3aの短辺側の側縁よりも内側に後退させた位置に配置されているので、熱風22は専ら棚板21の外側を流れて、底壁3aの短辺側の側縁よりも内側への侵入は抑制される。侵入した場合でもストッパー5の起立壁5bによって侵入が阻止される。
ストッパー5の起立壁5bの上端と蓋体4の間の隙間7から熱風22が成形体100側に侵入した場合でも、蓋体4と成形体100の上端の間は、図4に示すように0.5mm未満の微小な隙間6になっているので、該隙間6への熱風22の侵入は阻止され、成形体100の上端が熱風22で加熱されることによる成形体100の変形は阻止される。
因みに、図14に示すように、ストッパー5の起立壁5bの上端と蓋体4の間の隙間6を9mmにして成形体100を乾燥させたところ、図15に示すように成形体100の両端部には、変形(反り)が発生した。この変形量は隙間6の値を小さくするに従って減少し、0.5mm未満にすると変形は検出されなかった。
1…乾燥治具
2…受治具
3…棚板
4…蓋体
5…一対のストッパー
6…第1の隙間
7…第2の隙間
11…チャンネル材
12…アングル材
13…アングル材
14…成形体支持板
15…凹部
16…表面処理部
100…押出成形体
2…受治具
3…棚板
4…蓋体
5…一対のストッパー
6…第1の隙間
7…第2の隙間
11…チャンネル材
12…アングル材
13…アングル材
14…成形体支持板
15…凹部
16…表面処理部
100…押出成形体
Claims (6)
- 押出成形機から押出成形された断面略円形状の成形体を載置する金属製の受治具と、該受治具を収容する金属製の棚板と、該棚板の上端側に取り付ける蓋体と、を備え、
上記蓋体は、上記受治具に載置されている成形体の上端に対して微小な隙間をもって上記棚板の上端側の開口部を閉鎖していることを特徴とする押出成形体の乾燥治具。 - 上記隙間は、0.5mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の押出成形体の乾燥治具。
- 上記受治具は、薄肉厚の金属板によりモノコック構造に形成されていて、上面の中央部に上記成形体を載置する凹部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の押出成形体の乾燥治具。
- 上記棚板は、積み重ね可能になっていて、下部の棚板の上端側の開口部を上部の棚板で閉鎖し、最上部の棚板の上端側の開口部を上記蓋体で閉鎖したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具。
- 上記棚板は、矩形状の底壁の長辺側の側縁を起立させて一対の側壁を形成したチャンネル状に形成されていて、上記底壁の短辺側の側縁よりも内側に後退させた位置に上記底壁の短辺側の側縁と並行に、且つ両端部を上記側壁に当接させて配置された一対のストッパーを備え、
上記一対のストッパーは、上記蓋体との間に微小な隙間を形成する高さに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具。 - 上記受治具、棚板、蓋体は、アルミニウムで形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の押出成形体の乾燥治具。
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JP2008049775A JP2009202535A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 押出成形体の乾燥治具 |
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Cited By (2)
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US8311694B2 (en) | 2008-12-17 | 2012-11-13 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus for vehicular power transmitting system |
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-
2008
- 2008-02-29 JP JP2008049775A patent/JP2009202535A/ja active Pending
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