JP2009198201A - 感温変色体付設具 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電気接続端子金具とその近傍、端子金具に付いた絶縁キャップ、特に端子金具、電線、絶縁キャップの既設体に、既設状態を維持したまま後付可能な感温変色体を保持するか又は感温変色体を有する感温変色体付設具を提供する
【解決手段】
長さ方向に切れ目のある円管状の樹脂体又は、螺旋帯状の樹脂体又は帯状又はリング状樹脂体であり、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気接続端子金具(以下端子金具という)とその近傍、端子金具に付いた絶縁キャップ、特に端子金具、電線、絶縁キャップの既設体に、既設状態を維持したまま後付可能な感温変色体を保持するか又は感温変色体を有する感温変色体付設具に関するものである。
従来、配電盤と分電盤間を結ぶ屋内配線等に使用される電線やコード、屋外配線を構成するケーブル、各種電気機器の部品等において、加熱を検知するための熱変色成形体が知られている。これらは、合成樹脂材料に熱変色性物質を混入してシート体やチューブ等の所定の形状に成形されたり、又、合成樹脂材料からの成形物の表面上に熱変色性物質を塗布することにより製造され、検知対象物である上記の電線等に貼付したり被覆したりして用いられている。
然しながら、上述の屋内配線、屋外配線等の配線に使用されている電線、コード、ケーブルは、一般的には、その末端に端子金具が装着されており、配電盤、分電盤等において、端子金具を介して他の配線と接続されることとなる。図5は、分電盤を示す図である。
分電盤500は、主電源配線用の主ブレーカ501があり、この出力がブスバー502を介して、副電源配線用の副ブレーカ503に分電されている。副ブレーカ503の出力は
端子金具で各電線に接続され、端子金具と電線の接続部504には絶縁キャップが付設されている。このような端子金具と電線の接続部504には、新設時には感温変色機能が付いた絶縁キャップを付設することが多くなってきている。端子金具と電線の接続部504は、長い使用年月の経過において、接続の緩み等により、接触抵抗が大きくなり、ここに電流が流れることによる発熱で火災を誘発する危険がある。そのため、安全監視のため、火災発生の前に発熱を検知できる感温変色機能付絶縁キャップを付設する動きとなっている。ところが既設の配電盤、分電盤には、多数の端子金具と電線の接続部504には、感温変色機能が無い絶縁キャップが既に付設してある。
図6は、端子金具と電線の接続部を示す図である。6−Aにおいて、端子金具600の先端は、副ブレーカ503の端子のボルトを差し入れる取り付け穴の開いた円形板状リング部601とこれに一体に接続した電線結束バレル部602があり、電線結束バレル部602は電線603の絶縁被覆の無い部分で金属線に電気接続している。6−Bにおいては、絶縁キャップ604が付いた状態を示している。一つのブレーカから複数の電線が、絶縁キャップ604の付いた状態で出ていて、多数のブレーカが図5のように並んでいる。
このような既設の配電盤、分電盤の絶縁キャップ604に付設状態を維持したまま、新たに感温変色機能を付加し安全を確保したいという要求が出てきた。
一対応策として、感温変色材料をチューブ状に成形し、該チューブを電線結束バレル部602から電線603の末端部分に装着することが考えられる。しかし、図6から明らかなように、一般的な端子金具においては、ボルト締めによる接続を確実にするために、リング状の端子金具600のよび径が電線603の径よりも大きく、さらに、端子金具600は電線603の底面に沿って配置されている。このため、感温変色体の装着においては、電線結束バレル部602のかしめ付けを開放し、電線603から端子金具600をはずした後に、感温変色体に電線603を挿入し、その後、再度電線結束バレル部602のかしめ付けを行い端子金具600を電線603に装着し、最終的に感温変色体を電線結束バレル部602および電線603の末端部分に密着させるという非常に煩雑な操作が要求されるという欠点を有しているため、わざわざ既設の端子金具と絶縁キャップを外して感温変色機能付絶縁キャップを付設するという対策が進まなかった。
別の対応策として、絶縁キャップ604の上に感温変色テープを貼ることが行われたが、熱や長年の使用により、粘着材が劣化して剥がれ落ちてしまう問題があり、不満足な対策になっている。
更に別の対応策として、熱収縮チューブのような感温変色体を用いて、電線603から端子金具600をはずすことなく感温変色体を装着し、熱により密着させることも考えられるが、感温変色体の熱収縮率が小さい場合にはこの方法は使用できない。また、熱収縮率が大きい場合であっても、加熱による密着操作が必要となり煩雑である。さらに、加熱温度によっては、不可逆性の熱変色性の物質が使用できない場合がある。
電線の発熱を検出するものとして特許文献1に感温変色成形体が提案されている。電線単体又は多数の電線の集合体を結節する感温変色成形体が提案されているが、一般に発熱が多いのは、電線そのものよりも電線と端子の接続部である。発熱は、接続部の緩みによる接触抵抗の増加によるからである。どこに設置していいか不特定の電線より、端子接続部に特定される方が、監視対策としては実施しやすい。但し、電線は、絶縁被覆があり、径により変わるだけで、線状で単純である。一方、端子は形が複雑で、端子は露出しているので、端子接続部に対応する感温変色体は、絶縁機能を確保した絶縁キャップの形状の複雑さや、熱の伝導を考慮した対応をする必要がある。
特開H11−41760
又、本出願人は、特許文献2において、端子部に簡単に応用できる巻き込み型の感温変色体を提案している。
特開2005−308567
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたもので、電気接続端子金具(以下端子金具という)とその近傍、端子金具に付いた絶縁キャップ、特に端子金具、電線、絶縁キャップの既設体に、既設状態を維持したまま後付可能な感温変色体を保持するか又は感温変色体を有する感温変色体付設具を提供することを目的とする。
本発明は、以上のような背景であって従来の問題点を解決するために提案されたものであり、長さ方向に切れ目のある円管状の樹脂体又は、螺旋帯状の樹脂体又は帯状樹脂体又は、リング状樹脂体であり、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とした構成を特徴としている。以下詳細に説明する。
請求項1記載の発明は、請求項1記載の感温変色体付設具は、電気端子金具に付設された絶縁キャップに密着して取り付ける、長さ方向に切れ目のある円管状の樹脂体であって、
前記樹脂体は、前記樹脂体を前記絶縁キャップに密着させるための締め付け部を有し、
電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、
前記切れ目は、前記絶縁キャップ又は前記絶縁キャップが付設された電線を前記樹脂体の前記円管の内側に取り込む開口部であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の感温変色体付設具において、前記締め付け部は、前記樹脂体の復元力によるか、又は前記樹脂体の周にわたり付設したバネ体の復元力によるか、又は、前記切れ目を形成する前記樹脂体の両端に互いに噛み合う噛み合部による締め付けであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の感温変色体付設具において、前記締め付け部による前記樹脂体の締まりは、前記切れ目が狭まるか、又は、前記切れ目を形成する前記樹脂体の両端が互いにぶつからないように重なるものであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、感温変色体付設具は電気端子金具に付設された絶縁キャップに密着して取り付ける、螺旋帯状の樹脂体であって、
前記樹脂体は、前記樹脂体を前記絶縁キャップに密着させるための締め付け部を有し、
電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、
前記締め付け部は、前記樹脂体の復元力によるか、又は前記樹脂体の前記螺旋帯の周にわたり付設したバネの復元力によることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の感温変色体付設具において、前記バネ体は、前記バネ体の湾曲の凸面を押すと前記湾曲が凹面に反転するものであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の感温変色体付設具において、前記樹脂体には、前記樹脂体を人手により伸縮するための取手又は、前記樹脂体の内側への挿抜により前記樹脂体を伸縮するための拡張補助具を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、感温変色体付設具は、一端の表面に突起を有する帯状樹脂体であり、前記帯状樹脂体の他端には、前記帯状樹脂体の端同士の面を合わせたときに前記突起が挿入され噛み合うための噛み合い穴を有するか、又は、一対の帯状樹脂体であり、一つの前記帯状樹脂体は、U字型の形状と、その両端の表面に突起を有し、他の前記帯状樹脂体は、その両端に前記突起が挿入され噛み合うための噛み合い穴を有し、
前記帯状樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能としていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、感温変色体付設具は、帯状樹脂体であり、前記の帯状樹脂体の一端に他端を挿入し噛み合わせるための噛み合い穴を有し、前記帯状樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能としていることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、感温変色体付設具であって、リング状樹脂体であり、前記樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、前記リング状部は伸縮自在になっていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の感温変色体付設具において、前記樹脂体又は前記帯状樹脂体の全体又は一部に透明部を有し、前記透明部の内側にある前記感温変色体の色を視認可能としたことを特徴とする。
以上の様に構成されているので、本発明の感温変色体付設具は、配電盤、分電盤のブレーカの接続端子に既設の絶縁キャップに、接続状態を維持したまま、感温変色体を付設でき、接触不良による火災発生を未然防止が出来るので、既設物の安全管理面で大きな効果がある。
各請求項の効果は、以下の通りである。
請求項1、請求項4、請求項7、請求項8、請求項9により、既設の絶縁キャップに、接続状態を維持したまま付設できる感温変色体付設具を提供できる。請求項2により、前記樹脂体を前記絶縁キャップに密着させることができる。請求項3により、樹脂体の締まりが確実になる。請求項5により、簡単な構成で感温変色体付設具が実現でき、使用上も容易となる。
請求項6により、人手による扱いが容易となる。請求項10により、絶縁キャップ側に密着した感温変色体を透明体を通して監視できるので、温度の感知精度が上がる。
発明を実施するための最良の形態として、本発明の感温変色体付設具は、端子金具、電線、絶縁キャップの既設体に、既設状態を維持したまま後付可能な感温変色体を保持可能とするか又は感温変色体を有する感温変色体付設具である。以下実施態様をもって説明する。
尚、本出願明細書及び請求の範囲においては、感温変色体を有するとは、感温変色体付設具に同体になっていて、その表面に貼り付け又は塗布によりで感温変色体が存在する場合か、感温変色剤を混合により全体に分布して含む場合のいずれかをいい、感温変色体を保持可能とするとは、感温変色体付設具とは別体であり、感温変色体を使用に当たり付設可能、または感温変色体を使用にあたり絶縁キャップ上に固定可能であることを言う。
図1は、本発明の感温変色体付設具の一実施態様を示す図である。図6の既設の端子金具600と電線603に付設してある絶縁キャップ604の表面に付設する。1−Aにおいて、感温変色体付設具100は、樹脂体101を有し、図のように板状のものを円形に巻いた形状、言い換えると、長さ方向に切れ目102のある円管状であり、絶縁キャップ604の表面に密着する曲面103を内側に有している。
切れ目102は、感温変色体付設具100を開いた状態では、電線603又は、絶縁キャップ604の径より大きな開口部を形成し、既設状態の電線603又は、絶縁キャップ604に切れ目102を通じて被せることができる。被せた後は、樹脂体101の復元力又は、樹脂体101にバネ体104がある場合には、バネ体104の復元力により、切れ目102の開口部が小さくなる方向(円管の径が小さくなる方向)に閉じて、絶縁キャップ604を挟み込み、これに固定される。曲面103は、絶縁キャップ604の表面に密着する。バネ体104としては、金属又は、硬質の樹脂による線状、又は板状のバネが利用できる。
切れ目102の開口部が小さくなる方向に閉じた状態を、1−Bと1−Cに示す。1−Cでは、切れ目102を形成する樹脂体101の対向端が向き合い近接するように閉じるものであり、1−Bは、樹脂体101の対向端が、互いにぶつからないように樹脂体101が内側と外側にオーバーラップして巻き込むことで、閉じる状態を大きくしたものである。
1−Dにおいて、感温変色体付設具100は、円管状の樹脂体101で、切れ目102を有していて、樹脂体101の切れ目102を人手により開くための取手113を有している。樹脂体101はそれ自体で復元力を有するか、バネ体104を有してもよい。
両方の取手113を握れば、切れ目102が広がる方向に開き、離すと閉じるようになっている。
1−Aにおいて、拡張補助具105であり、感温変色体付設具100の切れ目102による開口部を広げる手段である。開口部を広げるには、人手で行うことも考えられるが、感温変色体付設具100の使用以前では、拡張補助具105が感温変色体付設具100の樹脂体101の内側にはめ込んだ状態で、拡張補助具105により、感温変色体付設具100の開口部が広がった状態になっている。この状態で、感温変色体付設具100を絶縁キャップ604に付設し、拡張補助具105を外すと、感温変色体付設具100の拡張状態が外れて、感温変色体付設具100が閉じて、絶縁キャップ604に固定される。拡張補助具105には、人手で摘むやすいように取手106が付いているのが好ましい。
以上の拡張補助具105を用いる以外に、バネ体104に押し圧により、カーブが反転する反転板を用いることも出来る。この場合には拡張補助具105は不要となる。反転板は、ある方向に湾曲した板バネを湾曲の凸面を押すと湾曲が反対になるように反転するものであり、そのことにより、反転板の両端側にある樹脂体101の切れ目102が開いた状態から、閉じる状態に変化するものである。これは、例えば、断面が半円周状の樋を長さ方向に曲げた形状の板状のバネ体が考えられる。長さ方向に反転した湾曲に反転させることが可能である。
1−Fにおいては、感温変色体付設具100と感温変色体付設具100の内側に拡張補助具105を付設したものを示している。取手106は、指が掛かるように輪状になっている。感温変色体付設具100を絶縁キャップ604に付設した状態を付設状態107に示している。
1−Gにおいては、感温変色体付設具100は、幅広の螺旋帯状体108となっている。この帯は、絶縁キャップ604に直接、又は電線603側から挿入して絶縁キャップ604に取り付けるに便利で且つ自然には取れないように、螺旋の巻き数は、樹脂体101の切れ目102となる両端がずれながら向き合う場合を1巻きとして、オーバーラップして巻き込まれ、再度両端がずれながら向き合う場合を2巻きとすると、1巻き半から2巻き程度が使用上好ましい。
又、螺旋帯状体108は、絶縁キャップ604に強固に巻きつくことが必要なので、巻きつく径方向には復元力があり、1巻き目の帯と2巻目の帯の隙間から電線603や絶縁キャップ604を差し入れるので、螺旋の長さ方向に引っ張りで伸びることで、隙間が広がるように構成することが好ましい。これには、螺旋帯状体108が螺旋バネになっているか、コイルバネ109の回りに樹脂体101が付設されていてもよい。又、螺旋帯状体108の両端に指を掛ける取手部をつけると、伸縮しやすいので好都合である。感温変色体付設具100を絶縁キャップ604に付設した状態を付設状態110に示している。
螺旋帯状体108の伸縮には、拡張補助具105の使用も可能である。
1−Hにおいて、リング状のもの又はリング状のものに、絶縁キャップ604を抑える強さを持つかまぼこ状の形状部を持たせたものであり、リング状部は伸縮自在に伸びるようになっていて、伸ばした状態で6−Bの端子金具600の先から差し入れ、絶縁キャップ604に被せて放すと、絶縁キャップ604に密接するようになっている。
図2は、本発明の感温変色体付設具の別の実施態様を示す図である。感温変色体付設具200は、樹脂体201を有し、樹脂体201は、長さ方向に切れ目202のある円管状であり、切れ目202のある両端には、切れ目202を狭める方向にしたときに状態を維持するために互いに噛み合う噛み合部203を両端に有するものである。噛み合部203は、一端噛み合うと外れない状態となる。
2−A、2−B、2−Dはこれに、切れ目202を狭める方向に人手で押すための取手204が付いている。2−Cは、取手204がついていないので、樹脂体201そのものを押すことになる。
上記図1、図2の例において、樹脂体101の復元力又はバネ体104、螺旋帯状体108の復元力又はコイルバネ109は、樹脂体101又は螺旋帯状体108の伸縮を可能とする締め付け部となっている。
図3は、本発明の感温変色体付設具の別の実施態様を示す図である。感温変色体付設具300において、3−Aでは、柔軟な帯状樹脂体301の帯の一端の表面に突起302があり、他端には、端同士の面を合わせたときに突起302が挿入され噛み合う噛み合い穴303があるものである。突起302と噛み合い穴303は、1個ずつでは、縛りの度合いが決まってしまうので、どちらかが複数個ある必要がある。又、両者が複数個では、その間隔が同じである必要がある。突起304は、別の形態の突起の例を示している。
3−Bでは、帯状樹脂体301が二つの帯状樹脂片301Aと301Bに分かれていて、片方の帯状樹脂片301Aの端には突起302があり、他の帯状樹脂片301Bには、突起302を差し入れる噛み合い穴303が、突起302の対応位置に存在する。突起302は、複数の突起があるので、突起302の噛み合い穴303への挿入度合いにより、付設された絶縁キャップへのしまり具合が決まる。帯状樹脂片301Aと301Bのいずれか側に感温変色体を含む、貼り付け、被覆、使用時に存在等の形態であることになる。
3−Cにおいて、柔軟な帯状樹脂体の一端305を挿入する噛み合い穴306があり、挿入の度合いで縛りの度合いが決まる。感温変色体部又は感温変色体付設部307は、帯状樹脂体301全体でも、一部であってもよい。又、感温変色体部又は感温変色体付設部307のみ透明の樹脂とし、その内側にある感温変色体部を見えるようにしてもよい。
尚、帯の幅は、絶縁キャップ604の幅広部の長さに近いことが好ましい。
以上、図1から図3を用いて、本発明の感温変色体付設具の実施態様を説明した。本発明の感温変色体付設具の各実施態様に共通に言えることとして以下のことがある。
各実施態様において、感温変色体付設具100、200、300は、感温変色体を感温変色体付設具100、200、300の全体に含んでもよいし、感温変色体を感温変色体付設具100、200、300の一面、特に内側の面に有してもよい。例えば、感温変色体を被覆又は貼り付けた状態で有してもよい。又、例えば感温変色体のテープ又はシートを感温変色体付設具100、200、300とは別に有し、感温変色体のテープ又はシートを絶縁キャップ604に貼り付けた状態で、これをはがれないように保持する感温変色体付設具100、200、300であってもよい。このような場合には、少なくとも感温変色体の変色が観測しやすいように感温変色体付設具100、200、300の少なくとも当接する部分が透明で内側が見える透明部(図1では111)を有することが好都合である。勿論、感温変色体付設具100、200.300全体が透明であってもよい。1−Eには、このような状況示している。感温変色体付設具100上でバネ体104が視認において邪魔にならないようになっている。透明部111を通じて、内側のある感温変色体112の色を確認することが出来る。図4は本発明の感温変色体付設具において感温変色体貼付層の貼り付けたものを示す図である。透明な感温変色体付設具100、200、300の内側(絶縁キャップが当たる側)に感温変色体貼付層401を貼り付けている。
尚、本発明に使用できる感温変色体付設具の樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。適度な柔軟性を有していれば、装着の際に容易であり、密着性にも優れるという観点から、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂等が好ましい。更に、感熱変色成形体のケーブルとの密着性を高めることにより、感熱変色性を向上させる観点から、熱収縮する樹脂も好ましく、かかる特性を示す樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。また、上記の樹脂は、単独で使用されても良いし、二種類以上が混合されて使用されても良い。
本発明において使用される感温変色体に使用する温度変色性物質は、温度により変色する物質であれば、温度が低下すれば元の色に戻る可逆性の温度変色性物質、および、温度が低下しても元の色に戻らない不可逆性の温度変色性物質のいずれであっても良い。本発明において使用される感温変色性物質は、常態においては、所定の色を示しているが、所定温度以上となると異なる色を示すこととなる。そして可逆性の温度変色性物質を用いた場合には、所定温度より低温になると、元の色に戻り、非可逆性のものを用いた場合には、変色した状態が維持される。例えば、温度変色性物質の色の変化としては、常態において、赤、白、青、緑、黒、黄等の色の温度変色性物質が、加熱により透明又はほぼ透明に変色することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において使用可能な可逆性の温度変色性物質は、繰り返し使用できるという利点を有している。この観点から、可逆性の温度変色物質としては、長期間にわたって使用できるマクロカプセル化したものを用いることが望ましい。例えば、(株)日本カプセルプロダクツ製の感温染色マイクロカプセルパウダーを用いることが出来る。これは、電子受容性化合物(顕色剤)類、この化合物類と反応して発色する無色染料である電子供与性色素類、及び、電子受容性化合物と電子供与性呈色性色素類との混合物に対して両者の反応をある温度以上もしくはある温度以下で阻害する性質を有する減感剤との混合物から構成される温度変色性物質を、透明で内部成分が染み出さず、外部からの浸透を防止しえる材料でマイクロカプセル化したものであり、ある温度以上(以下)で色が消える特性を有する。尚、電子受容性化合物類としては、フェノール性水酸基を有する化合物(例えば、ビスフェノールA)もしくはその金属塩、カルボン酸金属塩、又は、酸性酸エステル(例えば、没食子酸プロピルエステル)もしくはその金属塩等が用いられている。電子供与性呈色性色素類としてはクリスタルバイオレットラクトン(青)、マカライトグリーンラクトン(緑)、ローダミンBラクタム(赤)、3,6−ジメトキシフルオラン(黄)、3−シクロヘキシルアミノー6−クロロフルオラン(橙)、ジエチルアミノベンゾフルオラン(桃)、8−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(黒)等が用いられている。減感剤としては、アルコール、脂肪酸等が用いられている。
本発明において使用可能な不可逆性の温度変色性物質としては、所定の温度において、変色し、温度低下後も変色が元に戻らない物質であれば任意の物質を使用できる。例えば、サーモクロミック有機色素スピロピラン類、ビアントロンやジキサンチレン等の縮合芳香環の置換したエチレン誘導体など;金属錯塩結晶CoCl・(CH・10HO、PbCrO、CuHgI、AgHgIなど;コレステリック液晶(マイクロカプセルに封入して用いる);電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物と有極性有機化合物の組み合わせ・電子供与性呈色性化合物フェニルメタン系化合物(各種フルオラン、フェニルフタリド類等)、各種インドリルフタリド、スピロピラン、ロイコオーラミン類、アシルまたはアリールオーラミン類など・電子受容性化合物フェノール性水酸基を有する化合物、フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩、各種トリアゾール類、カルボン酸類、カルボン酸の金属塩など・有極性有機物アルコール類(オレイルアルコール等)、アミド類(アセトアセチルアニリド等)、エステル類(ジフェニルフタレート等)、水難溶性のカルボン酸の第一級アミン塩、ケトン又はエーテル類、少なくとも1個の芳香族基を結合基とするアゾメチン類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において使用可能な温度変色製物質は、可逆性または不可逆性のいずれであっても、その変色温度は、物質の分子構造や変色温度を制御する物質の含有量を調整することにより、所望の温度の約±30℃、好ましくは約±20℃の範囲で適宜設定することが出来る。上記の温度変色性物質は単独で使用されても良いし、複数の物質が混合されて使用されても良い。
本発明の目的を損なわない範囲で、その効果が発現する量の各種添加剤、無機充填剤を添加してもよい。各種添加剤としては、難燃剤、難燃助剤、滴下防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、着色剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以上のような感温変色体付設具は、配電盤、分電盤のブレーカの接続端子に既設の絶縁キャップに、接続状態を維持したまま、感温変色体を付設できるので、産業上利用性が極めて大きい。
本発明の感温変色体付設具の一実施態様を示す図である。 本発明の感温変色体付設具の別の実施態様を示す図である。 本発明の感温変色体付設具の別の実施態様を示す図である。 本発明の感温変色体付設具において感温変色体貼付層の貼り付けたものを示す図である。 分電盤を示す図である。 端子金具と電線の接続部を示す図である。
符号の説明
100、200、300 感温変色体付設具
101、201、301、301A、301B 樹脂体
102、202 切れ目
103 曲面
104 バネ体
105 拡張補助具
106、204、113 取手
107、110 付設状態
108 螺旋帯状体
109 コイルバネ
111 透明部
112 感温変色体
203 噛み合部
302、304 突起
303、306 噛み合い穴
305 帯状樹脂体の一端
307 感温変色体付設部
401 感温変色体貼付層
500 分電盤
501 主ブレーカ
502 ブスバー
503 副ブレーカ
504 端子金具と電線の接続部
600 端子金具
601 円形板状リング部
602 電線結束バレル部
603 電線
604 絶縁キャップ

Claims (10)

  1. 電気端子金具に付設された絶縁キャップに密着して取り付ける、長さ方向に切れ目のある円管状の樹脂体であって、
    前記樹脂体は、前記樹脂体を前記絶縁キャップに密着させるための締め付け部を有し、
    電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
    有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、
    前記切れ目は、前記絶縁キャップ又は前記絶縁キャップが付設された電線を前記樹脂体の前記円管の内側に取り込む開口部であることを特徴とする感温変色体付設具。
  2. 前記締め付け部は、前記樹脂体の復元力によるか、又は前記樹脂体の周にわたり付設したバネ体の復元力によるか、又は、前記切れ目を形成する前記樹脂体の両端に互いに噛み合う噛み合部による締め付けであることを特徴とする請求項1記載の感温変色体付設具。
  3. 前記締め付け部による前記樹脂体の締まりは、前記切れ目が狭まるか、又は、
    前記切れ目を形成する前記樹脂体の両端が互いにぶつからないように重なるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感温変色体付設具。
  4. 電気端子金具に付設された絶縁キャップに密着して取り付ける、螺旋帯状の樹脂体であって、
    前記樹脂体は、前記樹脂体を前記絶縁キャップに密着させるための締め付け部を有し、
    電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
    有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、
    前記締め付け部は、前記樹脂体の復元力によるか、又は前記樹脂体の前記螺旋帯の周にわたり付設したバネ体の復元力によることを特徴とする感温変色体付設具。
  5. 前記バネ体は、前記バネ体の湾曲の凸面を押すと前記湾曲が凹面に反転するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の感温変色体付設具。
  6. 前記樹脂体には、前記樹脂体を人手により伸縮するための取手又は、前記樹脂体の内側への挿抜により前記樹脂体を伸縮するための拡張補助具を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の感温変色体付設具。
  7. 一端の表面に突起を有する帯状樹脂体であり、前記帯状樹脂体の他端には、前記帯状樹脂体の端同士の面を合わせたときに前記突起が挿入され噛み合うための噛み合い穴を有するか、又は、一対の帯状樹脂体であり、一つの前記帯状樹脂体は、U字型の形状と、その両端の表面に突起を有し、他の前記帯状樹脂体は、その両端に前記突起が挿入され噛み合うための噛み合い穴を有し、
    前記帯状樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を
    有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能としていることを特徴とする感温変色体付設具。
  8. 帯状樹脂体であり、前記の帯状樹脂体の一端に他端を挿入し噛み合わせるための噛み合い穴を有し、前記帯状樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能としていることを特徴とする感温変色体付設具。
  9. リング状樹脂体であり、前記樹脂体は、電気端子金具からの発熱による温度を感知して変色する感温変色体を有するか又は前記感温変色体を前記樹脂体の表面に保持可能とし、前記リング状部は伸縮自在になっていることを特徴とする感温変色体付設具。
  10. 前記樹脂体又は前記帯状樹脂体の全体又は一部に透明部を有し、前記透明部の内側にある前記感温変色体の色を視認可能としたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の感温変色体付設具。
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