JP2009191356A - スパッタ装置およびスパッタ方法 - Google Patents

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雅弘 芝本
Kazuto Yamanaka
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Abstract

【課題】プロセスガスの均一性の向上を図るガス導入路を提供する。
【解決手段】本発明に従ったスパッタ装置は、基板を保持する基板保持手段、及び基板の周囲を囲む複数の位置に閉曲線状に配置された複数のガス噴出口を有するガス導入経路を有し、閉曲線上の略対向する少なくとも2つの位置にガス導入接続口が設けられている。このようなガス導入経路の2つが基板の表面側と裏面側にそれぞれ基板に対し対称的に設けられている。
【選択図】図1A

Description

本発明はスパッタリング装置に関し、特に、反応性ガスを利用して基板に反応性スパッタリングに基づく成膜を行うスパッタリング装置およびスパッタ方法に関する。
スパッタリング装置では、カソードに取り付けられたターゲットの材料をイオンでたたき出し、それによって生じたターゲット材粒子(スパッタ粒子)を、ターゲットに対向するように配置された基板に当ててターゲット材の薄膜を形成する。そのため、スパッタリング装置では、真空容器で、スパッタリングを行わせるためのガス(スパッタガスまたはプラズマ生成ガス)を真空室内に導入し、ターゲットに高周波電力を供給するかまたは直流電圧を印加してエネルギを与えてプラズマを発生し、スパッタ粒子を作るためのイオンを生じさせる。基板の表面に当ったスパッタ粒子に基づきターゲット材が基板の表面に堆積される。
上記のスパッタリング装置では反応性スパッタリング装置が知られている。反応性スパッタリング装置(以下「スパッタリング装置」と略す)では、真空室内に、スパッタリングを行わせるためのアルゴン(Ar)などの不活性ガス(スパッタガス)と併せて、酸素や窒素などの反応性ガスが導入される。このようなスパッタリング装置では、生成されたプラズマ中のアルゴンイオンがターゲット材に衝突することによってターゲット材粒子がたたき出され、そのターゲット材粒子が、上記反応性ガスと反応し、その結果、反応物質による膜が基板の表面上に堆積することになる。また反応性ガスの濃度が高いと、ターゲット材の表面が反応性ガスにより化合物層が形成され、これらがスパッタされることにより基板上に所望の組成の反応性物質が堆積する。
特開平5−243155号には、半導体基板およびスパッタ源の周辺からそれぞれ同時に反応性ガスを均一に供給するスパッタ装置が開示されている。また、特開2004−346406号には、反応性ガスをカソードユニットの中央部からターゲット表面に沿って外方へ流す導入機構を備えたスパッタリング装置が開示されている。又、特許文献3には、大型基板に成膜する際にプロセスガスの供給を均一化して良好な膜厚を得ることができる反応性スパッタリング装置を開示している。
特開平5−243155号公報 特開2004−346406号公報 特開2001−107228号公報
上記従来技術によっても、プロセスガスの均一性を十分に得ることができない。
上記課題を解決するため、本発明に従ったスパッタ装置は、基板を保持する基板保持手段、及び基板の周囲を囲む複数の位置に閉曲線状に配置された複数のガス噴出口を有するガス導入経路を有し、閉曲線上の略対向する少なくとも2つの位置にガス導入接続口が設けられていることを特徴とする。ここにプロセスガスとは、不活性ガス又は反応性ガスを意味する。
本発明によれば、基板に対してプロセスガスを均一に導入できる。そのため膜特性の均一性を改善することができる。
図1Aは、縦に配列された基板の面に垂直な方向から見た、ガス導入機構100の側面断面図である。図1Aに示すように、ガス導入機構100の内部には、基板ホルダー(図2に示す)に支持された基板106aと基板106bが、縦置き状態(垂直姿勢)に支持され、ガス導入機構100の中心軸に対して対称に配置されている。基板106a、106bは、全体として薄い円板形状である。ガス導入機構100の中央上部には、外部(単一のガス供給源)からガスを導入するためのガス入口101が設けられており、ここからプロセスガス(不活性ガス及び反応性ガス)が導入される。
導入されたプロセスガスは、後述する図3に示すようにガス導入機構100内部を流動し、ガス流入口102a及び102bに至る。ガス導入機構100の左側上部に設けられたガス流入口102aから流入するプロセスガスは、ガス流入口102aからガス配管103aを介して、基板106aの全周囲を包囲するように配置されているガス導入経路104aに至り、ガス導入経路104aに設置されている複数のガス噴出口105aから噴出される。ガス噴出口105aは、基板106aの周囲を囲む複数の位置に配置されている。また、ガス導入経路104aは、中空構造となっている。本実施例において、ガス配管103aは分岐しており、分岐したガス配管103aとガス導入経路104aは、2つの略対向するガス導入接続口107aにおいて、相互に連結している。なお、2つのガス導入接続口107aは、ガス導入経路104aの中心軸に対して、実質的に対称的に設けられるのが望ましい。こうすることにより、基板106aに対してプロセスガスを均一に供給することができる。
ガス噴出口105aは、ガス導入経路104aの基板の周囲側に、ガス導入経路104aの中心軸に対して対称的に設けられているのが望ましい。本実施例においては、ガス導入経路104aは、基板106aの周囲を包囲するように配置されており、かつ基板106aの中心線に対して実質的に対称に配置されている。一方、ガス導入機構100の右側上部に設けられたガス流入口102bから流入するプロセスガスは、ガス流入口102bからガス配管103bを介して、基板106bの全周囲を包囲するように配置されているガス導入経路104bに至り、ガス導入経路104bに設置されている複数のガス噴出口105bから噴出される。ガス噴出口105bは、基板106bの周囲を囲む複数の位置に閉曲線状に配置されている。本実施例において、ガス配管103bは分岐しており、分岐したガス配管103bとガス導入経路104bは、2つの略対向するガス導入接続口107bにおいて、相互に連結している。
なお、2つのガス導入接続口107bは、ガス導入経路104bの中心軸に対して、実質的に対称的に設けられるのが望ましい。複数のガス噴出口105bは、ガス導入経路104bの基板の周囲側に、ガス導入経路104bの中心軸に対して対称的に設けられているのが望ましい。本実施例において、ガス導入経路104bは、基板106bの周囲を包囲するように配置されており、かつ基板106bの中心線に対して実質的に対称に配置されている。また、ガス導入経路104bは、中空構造となっている。このように構成することにより、基板に供給されるガスの流れやすさを一様にすることができる。ガス配管のコンダクタンスは、例えば参考文献1の第38頁で説明されているように、ガス配管の断面積Aに比例し、ガス配管の長さlに反比例する。図1Aのように構成することにより、ガス噴出口105から噴出されるプロセスガスを、基板106の面上において、ほぼ均一に導入することができる。
[参考文献1]真空技術実務読本 中山勝也 オーム社
又、反応性ガス流入口102a、bからの距離が短い場所に設けられるガス噴出口105a、bの開口径は、反応性ガス流入口102a、bからの距離が長い場所に設けられるガス噴出口105a、bの開口径よりも小さく設定することが可能である。さらに、噴出されるガスを一様にするため、反応性ガス流入口102a、bからの距離が短い場所に設けられるガス噴出口105a、bの数を、反応性ガス流入口102a、bからの距離が長い場所に設けられるガス噴出口105a、bの数より少なくなるように設定してもよい。さらに、使用するガスの種類によって、コンダクタンスが異なるので、ガスの種類に応じて、予め、ガス噴出口の数や開口径の大きさを設定してもよい。ガス噴出口の数、大きさ、形状及び方向性は、調整可能である。
図1Bは、図1Aとは逆の裏側位置から見たガス導入機構100の断面図である。
図1Bに示すように、図1Aで示したガス導入経路と基板106a、106bを挟んで、実質的に同一形状であるが、別のガス導入経路102c−103c−107c−104c−105c;102d−103d−107d−104d−105dが形成されている。すなわち、図1Aで示したガス導入経路と、図1Bで示すガス導入経路とは、基板と同一平面に対して、略対称に設けられている。より具体的には、ガス流入口102aとガス流入口102c、ガス配管103aとガス配管103c、ガス導入経路104aとガス導入経路104c、ガス噴出口105aとガス噴出口105c、ガス導入接続部107aとガス導入接続部107cは、基板と同一平面に対して、略対称に設けられている。さらにガス流入口102bとガス流入口102d、ガス配管103bとガス配管103d、ガス導入経路104bとガス導入経路104d、ガス噴出口105bとガス噴出口105dは、ガス導入接続部107bとガス導入接続部107cは、基板と同一平面に対して、略対称に設けられている。
図1Cは、ガス流入口102、ガス配管103、ガス導入経路104、ガス噴出口105、ガス導入接続口107及び基板106の配置に関する、別の実施例を示す図である。本実施例において、ガス導入経路104cは、基板106cの周囲を包囲するように配置されており、かつ基板106cの中心線に対して実質的に対称に配置されている。本実施例では、1つのガス流入口102cから流入したガスが、2つに分岐して、ガス配管103cを介して、ガス導入経路104cに至り、ガス導入経路104c上に設けられており、基板106cの周囲を囲む複数の位置に配置されたガス噴出口105cから噴出されるように構成されている。ガス配管103cとガス導入経路104cは、略対向する2つのガス導入接続口107cにおいて、相互に連結している。なお、2つのガス導入接続口107cは、ガス導入経路104cの中心軸に対して対称的に設けられるのが望ましい。ガス配管103c及びガス導入経路104cを、基板106に対してどのように配置するかは、本発明の趣旨に基づいて、適宜設計変更してもよい。例えば、ガス導入経路を正多角形または円状に構成することも可能である。なお、詳細な説明は省略するが、図1Aと図1Bで示したと同様に図1Cに示すガス導入機構とそれとは別のガス導入機構とが、基板の両面を成膜できるように、基板の表面側と裏面側に、それぞれ基板面に対し略対称に配置されている。
図1Dは、ガス流入口102、ガス配管103、ガス導入経路104、ガス噴出口105、ガス導入接続口107及び基板106の配置に関する、別の実施例を示す図である。図1Aのガス導入機構100においては、2つの基板それぞれの全周囲を包囲するようにガス導入経路を設けたが、本実施例では、2つの基板の全周囲を包囲するようにガス導入経路を設けた。本実施例では、ガスが、2つのガス流入口102a及び102bから流入するように構成した。
まず、ガス流入口102aから流入したガスは、ガス配管103aを介して、ガス導入経路104に至る。ガス配管103aとガス導入経路104は、2つの略対向するガス導入接続口107a及び107bにおいて、相互に連結している。ガス導入接続口107a及び107bは、ガス導入経路104の中心軸に対して、実質的に対称的に設けられるのが望ましい。ガス導入経路104に至ったガスは、ガス導入経路104上に設けられ、2つの基板106a、106bの周囲を囲む複数の位置に配置された複数のガス噴出口105から噴出されるように構成されている。一方、ガス流入口102bから流入したガスは、ガス配管103bを介して、ガス導入経路104に至る。ガス配管103bとガス導入経路104は、2つの略対向するガス導入接続口107a及び107bにおいて、相互に連結している。ガス導入経路104に至ったガスは、ガス導入経路104上に設けられ、2つの基板106a、106bの周囲を囲む複数の位置に配置された複数のガス噴出口105から噴出されるように構成されている。本実施例においても、ガス導入経路104は、基板106a、106bの中心線に対して実質的に対称に配置した。このように構成することにより、基板に対して均一にガスを供給することが可能となる。なお、詳細な説明は省略するが、図1Dに示すガス導入機構とそれとは別のガス導入機構が、図1Aと図1Bで示したと同様に基板の両面を成膜できるように、基板の表面側と裏面側に、それぞれ、基板面に対し略対称に配置されている。
図2は、真空チャンバー200内を側面方向からみた断面図であり、チャンバー200内に設けられたガス導入機構100の位置関係を示している。まず、真空チャンバー200について説明する。真空チャンバー200は、ターボ分子ポンプ210、メインバルブ209を備え、これらの構成要素が、真空チャンバー200のガス排気系を構成する。メインバルブ209の上方には、搬送マグネット208が配置されており、さらにその上方には、基板206を保持する基板ホルダー207が配置されており、搬送マグネット208の磁力を利用して、基板ホルダー207が、搬送マグネット208に沿って搬送可能に構成されている。
図2に示すように、ガス導入機構100は、その幅方向の中央部において、一組のセンターシールド202により形成されるスペースを有するように構成されており、このスペースに、搬送マグネット208上方に配置されている基板ホルダー207が配置される。基板ホルダー207は、同一平面上にある複数の基板を保持することが可能である。基板ホルダー207を挟んで、ターゲット載置台205a、205bが配置され、ターゲット載置台205a、205bには、ターゲット205が載置されている。ターゲット205の背後には、マグネット204が載置されている。ガス導入機構100は、ガス入口101から供給されたガスが、ガス201としてガス導入機構100内部に導入可能なように、ガス導入機構100の左側部分100a及びガス導入機構100の右側部分100bを有している。図2の矢印は、ガス201の流れを示すものである。ガス導入機構100の左側部分100a及びガス導入機構100の右側部分100bそれぞれは、ガス導入経路を有している。これらのガス導入経路が、中空構造をしており、基板ホルダー207の両側を挟んで対称的に設けられた一対のガス導入経路を構成する。また、ターゲット205と、基板ホルダー207に保持された基板とは、ガス導入経路の中空構造を介して連通している。ガス導入機構100の左側部分100aと右側部分100bの間には、ガス入口101を有する中央部分100cが設けられている。この2列のガス導入経路により、基板ホルダー207に保持される複数の基板206の両面から、ガスを導入することが可能である。このように、本発明に従ったガス導入機構は、基板ホルダー207に保持されている少なくとも一つの基板206を挟んで、対向する2つのガス導入経路を有する。
上述のようにガス導入機構100は、センターシールド202を有しており、センターシールド202は、基板ホルダー207の一部を挟むように配置されるが、センターシールド202は、基板ホルダー207に保持されている基板206の基板法線方向の投影面と重なることのないように配置されるのが望ましい。そして、センターシールド202と相対するように、アウターシールド203が、背後にマグネット204を有するターゲット205の両端近傍から延在している。このように構成することで、ガス201の拡散を防止しつつ、基板206に対して均一にガスを供給することが可能となる。ベークヒーター211は、真空チャンバー200内部やチャンバー内部のシールド等に付着した不純物(水など)を熱することにより、蒸発させるものである。
以下、図2に記載の真空チャンバー200の動作を説明する。まず、基板ホルダー207が真空チャンバー200内に搬送される前に、不図示のガス供給源からガス導入機構100を介して供給された不活性ガスArが、真空チャンバー200内を常に流れるモードにする必要がある。そのために、メインバルブ209を、圧力をコントロールするために中間停止というハーフオープン状態にする。こうすることにより、ガス導入機構100により供給されたArガスが、ターゲット205近傍を通過して、ターボ分子ポンプもしくはクライオポンプ210に流れ込み、排気される。次に、真空チャンバー200のゲートバルブが開放され、別のチャンバーにあった基板ホルダー207が、真空チャンバー200内に搬送される。次に、不図示のガス供給源からガス導入機構100を介して供給された活性ガス(酸素や窒素)を、ターゲット205近傍に供給する。このときも、Arは常に流れている。所定時間経過後、圧力が均一になったところで、不図示の電源によりプラズマ放電させる。プラズマ中のイオンは、ターゲット205のスパッタ面と反対側に配置されたカソード(不図示)により、引き付けられ、ターゲット205をスパッタし、ターゲット材粒子が叩き出される。叩き出せたターゲット材粒子は活性ガスと反応し、その結果、反応物質による膜が基板206の表面上に堆積することになる。放電終了後、活性ガスの供給を断ち、ゲートバルブが開き、基板ホルダー207を搬送する。また、不活性ガスArも活性ガスも常に流さず、活性ガスと同様な制御をしてもよい。
図3は、本発明のガス導入機構100を、真上から見た断面図である。ガス導入機構100の上部には、単一のガス供給源からプロセスガスを導入するための、ガス入口101が設けられている。ガス入口101から導入されたプロセスガスは、ガス導入機構100の中央部100c(ガス配管)に沿って、ガス入口101からガス導入機構100の両端部301へ向かって均等に流動し、端部301近傍に設けられたガス流入口102a、102b、102c、及び102dおいて分岐する。ガス流入口102a、102bに流入したプロセスガスは、図1に示すように基板106を包囲するように配置されたガス導入機構100の左側部分100aに導入される。一方、ガス流入口102c、及び102dに流入したプロセスガスは、ガス導入機構100の図2に示すガス導入機構100の右側部分100bに沿って流動する。ガス導入機構100は更に、内壁302を有している。図3は、ガス導入機構100の左側部分100a、右側部分100b及び中央部分100c内部を、上面側から見た状態を示しており、ガス導入機構100の左側部分100a及び右側部分100bを側面側から見た状態は、図1と図2のガス配管103a、103b、103c、103d、ガス導入経路104a、104b、104c、104dに対応する。
なお、上述したように、単一の供給源から単一のガス入口101により、ガス導入機構100にガスを導入することにより、ガス導入機構100の全体におけるガスの制御が容易であり、製造コストの面でも好適である。しかしながら、必ずしもこれに限りものではなく、例えば、ガス導入機構100の左側部分100a、右側部分100bに個別にガス入口を設け、さらに左側部分100aのガス入口、右側部分100bのガス入口に個別にガス供給源を設けるようにしてもよい。
図4は本願発明の第1の実施形態に係る薄膜作成装置400の概略構成を示す平面図である。本実施形態の装置では、複数の真空チャンバー1、2、4、31−34、50−54及び500が方形の輪郭に沿って直列的に配置されている。各真空チャンバーは、専用または兼用の排気系によって排気される真空容器である。各真空チャンバーの境界部にはゲートバルブ10が配置されている。基板9は、基板ホルダー207に保持されて搬送されるようになっている。複数の直列的に配置された真空チャンバーに沿って方形の移動路80が設置されており、この移動路80に沿って基板ホルダー207を移動させる移動手段が設けられている。基板ホルダー207は基板9を保持したままこの移動手段により各チャンバー内を搬送されるようになっている。
複数の真空チャンバーのうち、方形の一辺に配置された二つの真空チャンバーが、基板ホルダー207への基板9の搭載を行なうロードロックチャンバー1及び基板ホルダー207からの基板9の回収を行なうアンロードロックチャンバー2になっている。尚、方形の移動路80のうち、ロードロックチャンバー1とアンロードロックチャンバー2との間の部分は、アンロードロックチャンバー2からロードロックチャンバー1に基板ホルダー207を戻すリターン移動路になっている。ロードロックチャンバー1内には、基板9を基板ホルダー207に搭載する搭載用ロボット11が設けられている。搭載用ロボット11は、そのアームによって基板投入用ストッカーから基板9を2枚同時に保持して、基板ホルダー207に搭載するよう構成されている。また、アンロードロックチャンバー2には、搭載用ロボット11と同様の構成の回収用ロボット21が設けられている。回収用ロボット21は、そのアームによって基板ホルダー207から基板9を2枚同時に保持して基板回収用ストッカーに載置する。なお、基板投入用ストッカーを設けたのは、基板投入用チャンバー12内のすべての基板を基板投入用ストッカーに載置すれば、次の基板を基板投入用チャンバー12に投入することが可能となり、生産性を向上させることができるからである。基板投回収用ストッカーについても同様であり、基板回収用チャンバー22が設けられている。
また、方形の他の三辺に配置された真空チャンバー4、31−34、50−54及び500は、基板9に各種処理を行なう真空チャンバーである。方形の角の部分の真空チャンバー31−34は、搬送される基板ホルダー207の向きを90度方向転換する、方向転換手段を備えた方向転換チャンバー31、32、33、34である。本実施例において、真空チャンバー500は予備チャンバー500となっている。この予備チャンバー500は、必要に応じて基板9を冷却したりするチャンバーとして構成される。この予備チャンバー500を経た後、最後の方向転換チャンバー34を経て基板9がアンロードロックチャンバー2に達するようになっている。
図4において、基板9を保持した基板ホルダー207は、薄膜作成装置400内を時計回りに搬送される。基板ホルダー207に保持された基板9が一番最初に搬送される処理用の真空チャンバーは、成膜に先だって基板9を所定温度に予備加熱するプリヒートチャンバー4である。プリヒートチャンバー4での予備加熱の後、基板9は、基板9の表面に所定の薄膜を作成する1つ又は複数の成膜チャンバー内を搬送される。本実施例においては、方形の辺に沿って直列的に配置された複数の成膜チャンバー51、52、53、54、50内が使用される。成膜チャンバー51、52,53及び54は、スパッタリングにより基板上に成膜を行うスパッタ成膜チャンバーであり、成膜チャンバー50は保護膜作成チャンバーである。なお、プリヒートチャンバー4、成膜チャンバー51−54、保護膜作成チャンバー50のうち少なくとも一室の成膜処理室は、本発明に適用できる真空チャンバー200を採用することができる。また、成膜チャンバー51−54はそれぞれ、物理的気相蒸着室(PVD)室、化学的気相蒸着室(CVD)室、物理的エッチング室、化学的エッチング室、基板加熱室、基板冷却室、酸化処理室、還元処理室、アッシング室のうちから1つの真空処理室を選択して採用することができ、成膜処理室と少なくとも1つの真空処理室とは大気に晒すことなく連結されている。
また、膜剥離防止チャンバー70は、ロードロックチャンバー1とアンロードロックチャンバー2との間に設けられている。膜剥離防止チャンバー70も、薄膜を作成するチャンバー51、52、53、54、50同様に、排気系(不図示)を備えた真空チャンバーとなっている。
第1実施形態の薄膜作成装置400において、移動手段は、基板9を保持した基板ホルダー207を移動路80に沿って時計回りに移動させて基板9が順次処理されるようになっている。移動手段の例として、基板ホルダー207を直線的に移動させる直線移動手段等について、図5及び図6を使用して説明する。
図5及び図6は、図4に示す装置における基板ホルダー207及び移動手段の構成を説明する図であり、図5はその正面概略図、図6は側断面概略図である。
基板ホルダー207の構成は、基板ホルダー本体92と基板ホルダー本体92の周縁に設けられた保持爪91とからなる。保持爪91は合計で六つ設けられており、三つが一組となって一枚の基板9を保持する。このような三つの保持爪91のうち、下側に位置する保持爪91は可動保持爪となっている。即ち、この保持爪91をその弾性に逆らって押し下げるレバー93が設けられている。基板9を基板ホルダー207に搭載する際には、レバー93によって下側の保持爪91を押し下げ、基板9を基板ホルダー本体92の円形の開口内に位置させる。そして、レバー93を戻して下側の保持爪91をその弾性によって元の姿勢に復帰させる。この結果、基板9が三つの保持爪91によって係止され、基板ホルダー207によって二枚の基板9が保持された状態となる。基板ホルダー207から基板9を回収する場合には、これと全く逆の動作となる。また、基板ホルダー207は同時に二枚の基板9を保持するようになっている。本第1実施形態における基板ホルダー207は、図5に示すように、その下端部に磁石(以下「保持具側磁石」という。)96を多数備えている。各保持具側磁石96は、上下の面に磁極を有している。そしてこの保持具側磁石96は、図5に示すように、配列方向に沿って、交互に逆の極性をもつように配置されている。
また、基板ホルダー207の下側には、隔壁83を挟んで搬送マグネット208が設けられている。搬送マグネット208は丸棒状の部材であり、図5に示すように、螺旋状に伸びる細長い磁石(以下「ローラ側磁石」という。)82を有している。このローラ側磁石82は互いに異なる磁極で二つ設けられており、二重螺旋状になっている。搬送マグネット208は、ローラ側磁石82が隔壁83を挟んで保持具側磁石96に向かい合うよう配置されている。隔壁83は、透磁率の高い材料で形成されており、保持具側磁石96とローラ側磁石82とは、隔壁83を通して磁気結合している。尚、隔壁83の基板ホルダー207側の空間は真空(各真空チャンバーの内部側)であり、搬送マグネット208側の空間は大気である。このような搬送マグネット208は、図4に示す方形の移動路80に沿って設けられている。
また、図6に示すように、基板ホルダー207は、水平な回転軸の回りに回転する主プーリー84の上に載せられている。主プーリー84は、基板ホルダー207の移動方向に沿って多数設けられている。また、基板ホルダー207の下端部分には、垂直な回転軸の回りに回転する一対の副プーリー85、85が当接している。この副プーリー85、85は、基板ホルダー207の下端部分を両端から挟むように押さえて基板ホルダー207の傾きを防止している。この副プーリー85、85も基板ホルダー207の移動方向に多数設けられている。図6に示すように、搬送マグネット208には傘歯車を介して駆動棒86が連結されている。そして、駆動棒86には移動用モータ87が接続されており、駆動棒86を介して搬送マグネット208をその中心軸の周りに回転されるようになっている。
搬送マグネット208が回転すると、図5に示す二重螺旋状のローラ側磁石82も回転する。この際、ローラ側磁石82が回転する状態は、保持具側磁石96から見ると、交互に異なる磁極の複数の磁石が一列に並んでその並び方の方向に沿って一体に直線移動しているのと同様の状態となる。従って、ローラ側磁石82に磁気結合している保持具側磁石96は、ローラ側磁石82の回転とともに直線移動し、この結果、基板ホルダー207が全体として直線移動することになる。この際、図6に示す主プーリー85、85は従動する。
図7は、図4に示す装置に設けられた膜剥離防止チャンバー70の構成について説明する側断面概略図である。膜剥離防止チャンバー70もまた、上述した処理チャンバー等と同様に気密な真空チャンバーである。膜剥離防止チャンバー70は排気系71を有している。排気系71は、膜剥離防止チャンバー70内を1×10−6Pa程度まで排気できるように構成される。膜剥離防止チャンバー70の両端には、ゲートバルブ10が設けられている。
膜コーティング手段は、内部にプロセスガスを導入するガス導入系56と、内部の空間に被スパッタ面を露出させて設けたターゲット57と、ターゲット57にスパッタ放電用の電圧を印加するスパッタ電源58と、ターゲット57の背後に設けられた磁石機構59とを含むように構成される。本実施例では、ターゲット57の材料として、タンタル(Ta)を使用している。このほか、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、カーボン(C)、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)などをターゲット57の材料として使用してもよい。
排気系71は膜剥離防止チャンバー70内を1×10−6Pa程度まで排気可能である。ガス導入系56は、プロセスガスとしてアルゴン等のガスを所定の流量で導入できるように構成される。スパッタ電源58は、ターゲット57に−300V〜−500V程度の負の高電圧を印加できるよう構成される。磁石機構59はマグネトロン放電を達成するためのものであり、中心磁石591と、この中心磁石591を取り囲むリング状の周辺磁石592と、中心磁石591及び周辺磁石592をつなぐ板状のヨーク593とから構成される。尚、ターゲット57や磁石機構59は、絶縁ブロック571を介して膜剥離防止チャンバー70に固定されている。膜剥離防止チャンバー70は電気的には接地されている。
ガス導入系56によってプロセスガスを導入しながら排気系71によって膜剥離防止チャンバー70内を所定の圧力に保ち、この状態でスパッタ電源58を動作させる。この結果、スパッタ放電が生じてターゲット57がスパッタされ、スパッタされたターゲット57の材料であるTaが基板ホルダー207、及び基板保持爪91に達して、基板ホルダー207、及び保持爪91の表面にTaのコーティング膜が作成される。尚、図7に示すように、ターゲット57、磁石機構59及びスパッタ電源58の組は、膜剥離防止チャンバー70内の基板ホルダー207、及び保持爪91を挟んで両側に設けてあり、基板ホルダー207、及び保持爪91の両側に同時にコーティング膜が作成されるようになっている。図7に示すように、基板ホルダー207は、ターゲット57の正面に位置するように配置され、基板ホルダー207全体をコーティングする。
上述の実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本実施例の教示ないし示唆に基づいて、本発明請求の範囲の主題内容を実現すべく、上述の諸実施例を適宜変更することができる。
本発明の一実施態様に係るガス導入機構の基板の表面側からみた断面図である。 本発明の一実施態様に係るガス導入機構の基板の裏面側からみた断面図である。 本発明の一実施態様に係るガス導入機構の別の断面図である。 本発明の一実施態様に係るガス導入機構の別の断面図である。 本発明の一実施態様に係る真空チャンバーの断面図である。 本発明の一実施態様に係るガス導入機構の別な断面図である。 本発明の一実施態様に係る薄膜作成装置の概略構成を示す平面図である。 図4に示す薄膜作成装置における基板ホルダー及び移動手段の正面概略図である。 図4に示す薄膜作成装置における基板ホルダー及び移動手段の側断面概略図である。 図4に示す薄膜作成装置の構成について説明する側断面概略図である。
符号の説明
100 ガス導入機構
101 ガス入口
102 ガス流入口
103 ガス配管
104 ガス導入経路
105 ガス噴出口
106 基板
107 ガス導入接続口

Claims (8)

  1. 基板を保持する基板保持手段、及び
    前記基板の周囲を包囲するように配置され、かつ複数のガス噴出口を有する閉曲線状のガス導入経路を有し、
    前記ガス導入経路は、前記基板の両面に対してそれぞれ実質同一形状に設けられており、
    前記閉曲線上の略対向する少なくとも2つの位置にガス導入接続口を有することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記ガス噴出口が、前記ガス導入経路に対称的に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記基板保持手段が、同一平面上に複数の基板を保持するものであり、
    前記ガス導入経路が、複数の基板のそれぞれに対して設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置。
  4. 前記ガス導入経路が、正多角形または円状であることを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置。
  5. 前記ガス噴出口の数、大きさ、形状及び方向性が調整可能であることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
  6. 前記基板保持手段を挟んで、ターゲット載置台が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置。
  7. 請求項1に記載のスパッタ装置を備えた成膜処理室と、
    物理的気相蒸着室(PVD)室、化学的気相蒸着室(CVD)室、物理的エッチング室、化学的エッチング室、基板加熱室、基板冷却室、酸化処理室、還元処理室、アッシング室のうちの少なくとも1つの真空処理室と、
    を備え、前記成膜処理室と前記少なくとも1つの真空処理室とは大気に晒すことなく連結されていることを特徴とする薄膜形成装置。
  8. 請求項1に記載のスパッタ装置により、不活性ガスを真空チャンバー内に供給する工程と、
    前記不活性ガスをプラズマ放電させる工程と、
    ターゲットをスパッタする工程と、
    前記スパッタ装置により、反応性ガスを真空チャンバー内に供給する工程と、
    を有する反応性スパッタ方法。
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