JP2009189652A - 自律神経評価指標出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被験者の個人差に関係なく、被験者の自律神経機能を評価するための評価指標の正当性を判定し、判定結果に応じて当該評価指標に関する指標を出力する自律神経評価指標出力装置を提供する
【解決手段】 自律神経評価指標出力装置300は、心拍数のマイヤー波成分を算出する心拍関連情報算出部302と、血圧のマイヤー波成分を算出する血圧関連情報算出部304と、心拍数及び血圧のマイヤー波から標準偏差を算出する同期判定指標算出部306と、標準偏差から心拍数と血圧とのマイヤー波が同期しているか否かを判定し、判定結果に応じて出力する評価指標を選択する評価指標選択部308と、同期していると判定された場合、ρmaxを出力する同期用指標出力部310と、非同期であると判定された場合、位相差及び標準偏差の両方を出力する非同期用指標出力部312とを含む。
【選択図】 図8

Description

本発明は、自律神経評価指標出力装置に関し、特に、生体の自律神経機能を利用者が評価可能である評価指標を出力する自律神経評価指標出力装置に関する。
近年、高齢化社会及び代謝症候群(メタボリックシンドローム)等の問題で、健康の自己管理が注目を浴びている。それらの問題の中で最も注目されているのは生活習慣病である。生活習慣を変えれば、生活習慣病の回避及び早期回復が可能であると言われている。自分の生活習慣に問題があることを個人に気付かせるために、健康状態を短時間で簡単に評価する方法が最も有効であると考えられている。そこで、健康状態を評価するためには、自律神経機能を評価することが有効であることが知られている。
非特許文献1では、ρmaxと称される評価指標を用いて、自律神経機能の評価を行なっている。ρmaxとは、人間の心拍数及び血圧の各々におけるマイヤー(Mayer)波成分の相互相関係数の最大値である。マイヤー波とは、血圧及び心拍数に現れる、約10秒周期の揺らぎ成分のことである。
以下、ρmaxの算出手順について説明する。
1‐1)被験者の脈波を時系列で測定する。
1‐2)測定した脈波の時系列データから、心拍数の時系列データを算出する。
脈波から心拍数を算出するための1例について述べる。図1は、脈波の時系列データから心拍数を算出する方法について説明するための図である。図1を参照して、波形曲線30は、1‐1)によって測定された脈波の時系列データである。脈波の波形曲線30には、時間帯38及び40等のように、値が急激に増加する複数の時間帯が存在する。それら複数の時間帯の各々の開始時刻を立ち上がり点と呼ぶ。時間帯38及び40の立ち上がり点は、それぞれ時刻34及び36である。脈波の立ち上がり点の各々に対して、当該立ち上がり点から次の立ち上がり点までの範囲の脈波を脈拍と呼ぶ。脈拍の各々について、当該脈拍の開始時刻は当該脈拍の立ち上がり点であり、次の立ち上がり点を当該脈拍の終了時刻と呼ぶ。脈拍32に注目すると、脈拍32の開始時刻は時刻34であり、終了時刻は時刻36である。
心拍数は以下のように算出される。脈拍の各々に対して、当該脈拍の終了時刻から立ち上がり点の時刻を引いた値の逆数を、当該立ち上がり点における心拍数とする。脈拍32では、1/(時刻36−時刻34)が、時刻34における心拍数となる。
1‐3)1‐2)で算出した心拍数の時系列データからマイヤー波成分を抽出する。
マイヤー波は約10秒周期の揺らぎ成分なので、通常、0.08Hz〜0.12Hzの周波数帯域でフィルタリング処理を行なえばよい。
1‐4)1‐1)で測定した脈波のデータから、血圧の時系列データを算出する。
脈波から血圧を算出するための1例について述べる。脈拍の各々に対して、当該脈拍の開始時刻から終了時刻までの脈波のデータを積分した値を、当該立ち上がり点における血圧とする。
図2は、脈波の時系列データから血圧を算出する方法について説明するための図である。図2を参照して、脈拍32の血圧は、時刻34から時刻36までの脈波のデータを積分した面積42として算出される。
1‐5)1‐3)と同様にして、1‐4)で算出した血圧の時系列データからマイヤー波成分を抽出する。
1‐6)脈波の立ち上がり点の各々において、以下の処理を行なう。
当該立ち上がり点の時刻をt秒とする。心拍数のマイヤー波成分及び血圧のマイヤー波成分の各々に対して、時刻t秒の前後1分間の合計2分間にわたるデータにハニング窓をかける。それらのデータの相互相関係数を算出し、相互相関係数の最大値を時刻tにおけるρmaxとする。
自律神経機能を評価するために、ρmaxが用いられる理由について説明する。
人間の体内において、安静時には、心拍数を操作して血圧を調整するようなフィードバック制御が行なわれている。フィードバック制御の応答には遅れが生じるため、周期が約10秒であるマイヤー波と呼ばれる揺らぎ成分が現れると考えられている。しかし、生体状況が急変して安静ではなくなると、安静時に比べ、血圧と心拍数とのマイヤー波成分の相関が変化することが確認されている。そのため、安静時と非安静時との自律神経機能を評価するために、ρmaxという評価指標が用いられている。
安静時、フィードバック制御は乱れなく機能するため、ρmaxは非安静時と比べて大きい値になる。非安静時、フィードバック制御が乱れるため、ρmaxは安静時と比べて小さい値になる。
図3(A)は、安静時における、心拍数及び血圧の各々のマイヤー波成分の変動を示す図である。図3(B)は、安静時における、心拍数のマイヤー波成分と血圧のマイヤー波成分との相互相関係数の変動を示す図である。図3(A)を参照して、波形50は心拍数のマイヤー波成分の時系列データであり、波形52は血圧のマイヤー波成分の時系列データである。安静時、人間の体内におけるフィードバック制御が上手く機能しているため、波形52は波形50とほぼ似通った曲線となる。図3(B)を参照して、曲線54は、波形50と波形52との相互相関係数である。相互相関係数の最大値56がρmaxであり、ρmaxは1に近い値を取る。
図4(A)は、非安静時における、心拍数及び血圧の各々のマイヤー波成分の変動を示す図である。図4(B)は、非安静時における、心拍数のマイヤー波成分と血圧のマイヤー波成分との相互相関係数の変動を示す図である。図4(A)を参照して、波形80は心拍数のマイヤー波成分の時系列データであり、波形82は血圧のマイヤー波成分の時系列データである。非安静時、人間の体内におけるフィードバック制御が乱れるため、安静時と比べて、波形82と波形80とは、似通った曲線とはならない。図4(B)を参照して、曲線84は、波形80と波形82との相互相関係数である。相互相関係数の最大値86がρmaxであり、安静時と比べρmaxは小さい値となる。
杉田典大、吉澤誠、田中明、阿部健一、山家智之、仁田新一、「血圧‐心拍数間の最大相互相関係数を用いた映像刺激の生体影響評価」、ヒューマンインタフェース学会論文誌、2002年11月、第4巻、第4号、p.227‐234。
マイヤー波成分は、約10秒周期の揺らぎ成分なので、通常は、血圧及び心拍数のそれぞれを0.08Hz〜0.12Hzの周波数帯域でフィルタリング処理すればよいと言われている。しかし、マイヤー波のピーク周波数には個人差があり、また、年齢によって変化すると言われている。したがって、個人差によらずに、血圧及び心拍数のそれぞれのマイヤー波成分を抽出するときは、より幅広い周波数帯域でフィルタリング処理すればよいと考えられるが、そのような周波数帯の選定を行なうと、マイヤー波以外の成分をも抽出してしまう可能性がある。そうすると、ρmaxを算出したとしても、自律神経機能の正当な評価ができない場合がある。例えば、身体状況が安静である被験者からρmaxを算出したとしても、それが低い値を取ることが起こり得るのである。
したがって、本発明の目的は、被験者の個人差に関係なく、被験者の自律神経機能を評価するための評価指標の正当性を判定し、判定結果に応じて当該評価指標に関する指標を出力する自律神経評価指標出力装置を提供することである。
本発明の第1の局面に係る自律神経評価指標出力装置は、被験者の心拍数を測定するための心拍数測定手段と、心拍数測定手段によって測定された心拍数に対して、所定の周波数帯域でフィルタリング処理を行なうための第1のフィルタリング手段と、被験者の血圧を測定するための血圧測定手段と、血圧測定手段によって測定された血圧に対して、所定の周波数帯域でフィルタリング処理を行なうための第2のフィルタリング手段と、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差に基づいて、被験者の心拍数と血圧とが同期しているか否かを判定するための同期判定手段と、同期判定手段による判定結果に応じて、自律神経機能を評価するための評価指標を出力するための評価指標出力手段とを含む。
同期判定手段は、被験者の心拍数と血圧とが同期しているか否かを判定し、評価指標出力手段は、同期判定手段による判定結果に応じて、自律神経機能を評価するための評価指標を出力する。したがって、自律神経評価指標出力装置の利用者は、出力された評価指標が信頼できるものであるかを考慮することなく、出力された評価指標により被験者の自律神経機能を正当に評価することができる。その結果、被験者の個人差に関係なく、被験者の自律神経機能を評価するための評価指標の正当性を判定し、判定結果に応じて当該評価指標に関する指標を出力する自律神経評価指標出力装置を提供することができる。
好ましくは、自律神経評価指標出力装置は、被験者の脈波を逐次的に測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものである。心拍数測定手段は、脈波測定装置によって測定された脈波から最新の脈拍を検出するための検出手段と、検出手段によって最新の脈拍が検出されたことに応答して、最新の脈拍の開始時刻から終了時刻までの脈波から成る最新脈波データを記憶するための脈波記憶手段と、検出手段によって最新の脈拍が検出されたことに応答して、脈波記憶手段によって記憶されている最新脈波データから、最新脈波データの代表時刻における心拍数を算出するための心拍数算出手段とを含む。血圧測定手段は、検出手段によって最新の脈拍が検出されたことに応答して、脈波記憶手段によって記憶されている最新脈波データから、代表時刻における血圧を算出するための血圧算出手段を含む。同期判定手段は、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差に基づいて、被験者の心拍数と血圧とが代表時刻において同期しているか否かを判定するための逐次同期判定手段を含む。評価指標出力手段は、逐次同期判定手段によって同期していると判定された場合、自律神経機能を評価するための代表時刻における評価指標を出力するための手段を含む。
心拍数測定手段は、脈波測定装置によって測定された脈波から最新の脈拍を検出し、検出された最新の脈拍の心拍数を算出する。また、血圧測定手段は、検出された最新の脈拍から血圧を算出する。逐次同期判定手段は、最新の脈拍の代表時刻において、心拍数と血圧とが同期しているか否かを判定し、評価指標出力手段は、逐次同期判定手段によって同期していると判定された場合、被験者の自律神経機能を評価するための評価指標を出力する。したがって、被験者の脈拍が検出される度に被験者の自律神経を評価するための評価指標が出力されるので、自律神経評価指標出力装置の利用者は、出力された評価指標が信頼できるものであるか否かを考慮することなく、出力された評価指標により被験者の自律神経機能を実時間で正当に評価することができる。
より好ましくは、自律神経評価指標出力装置は、被験者の脈波を測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものである。心拍数測定手段は、脈波測定装置によって測定される脈波から脈拍を検出するための検出手段と、検出手段によって検出された脈拍の終了時刻から開始時刻を引いた値の逆数を、心拍数として出力するための手段とを含む。
心拍数測定手段は、脈波測定装置によって測定された脈波から心拍数を出力する。したがって、被験者の心拍数を直接に測定することが困難であっても、脈波測定装置を用いれば、測定された脈波から容易に心拍数を算出することができる。
さらに好ましくは、自律神経評価指標出力装置は、被験者の脈波を測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものである。血圧測定手段は、脈波測定装置によって測定される脈波から脈拍を検出するための検出手段と、検出手段によって検出された脈拍の開始時刻から終了時刻までの脈波を積分した値を、血圧として出力するための手段とを含む。
血圧測定手段は、脈波測定装置によって測定された脈波から血圧を出力する。したがって、被験者の血圧を直接に測定することが困難であっても、脈波測定装置を用いれば、測定された脈波から容易に血圧を算出することができる。
さらに好ましくは、同期判定手段は、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を算出するための位相差算出手段と、位相差算出手段によって算出された位相差から、同期しているか否かを判定するための同期判定評価指標を算出するための同期判定指標算出手段と、同期判定指標算出手段によって算出された同期判定評価指標に基づいて、同期しているか否かを判定するための評価指標判定手段とを含む。評価指標出力手段は、評価指標判定手段によって同期していると判定された場合、自律神経機能を評価するための評価指標を出力するための手段と、評価指標判定手段によって同期していないと判定された場合、同期判定指標算出手段によって算出された同期判定評価指標を出力するための手段とを含む。
位相差算出手段は、心拍数にフィルタリング処理を施した第1のフィルタリング手段の出力信号と、血圧にフィルタリング処理を施した第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を算出し、同期判定指標算出手段は、位相差算出手段によって算出された位相差から、同期しているか否かを判定するための同期判定評価指標を算出する。評価指標判定手段は、同期判定指標算出手段によって算出された同期判定評価指標から、同期しているか否かを判定する。評価指標判定手段によって同期していると判定された場合、評価指標出力手段は、自律神経機能を評価するための評価指標を出力する。評価指標判定手段によって同期していないと判定された場合、評価指標出力手段は同期判定評価指標を出力する。
したがって、心拍数と血圧とが同期していれば、出力された評価指標が信頼できるものであるかを考慮することなく、出力された評価指標により被験者の自律神経機能を正当に評価することができる。逆に、心拍数と血圧とが非同期であれば、自律神経評価指標出力装置の利用者は、出力された同期判定評価指標を参照して、なぜ同期していないのかを判断して、その原因を調査することができる。
さらに好ましくは、位相差算出手段は、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含む。同期判定指標算出手段は、位相差系列算出手段によって算出された、第1の時刻から第2の時刻までの位相差の標準偏差を算出するための標準偏差算出手段を含む。評価指標判定手段は、標準偏差算出手段によって算出された標準偏差が所定のしきい値以下であれば第2の時刻において同期していると判定し、標準偏差が所定のしきい値より大きいのであれば第2の時刻において同期していないと判定するための手段を含む。
位相差系列算出手段は、位相差の時系列データを算出し、標準偏差算出手段は、第1の時刻から第2の時刻までの位相差の標準偏差を算出する。評価指標判定手段は、標準偏差算出手段によって算出された標準偏差が、所定のしきい値以下であれば同期していると判定し、所定のしきい値より大きいのであれば同期していないと判定する。
第1の時刻から第2の時刻までの位相差の変化があまり大きくない場合、算出された標準偏差は、大きな値を取らない。しかし、第1の時刻から第2の時刻までの位相差の変化が大きい場合、算出された標準偏差は比較的大きい値を取る。したがって、標準偏差が所定のしきい値より大きいか否かを調べることによる簡単な仕組みで、位相差が大きく変化しているか否かを判定することができて、同期しているか否かを判定することができる。
さらに好ましくは、位相差算出手段は、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含む。同期判定指標算出手段は、位相差系列算出手段によって算出された位相差の各々の変化率を算出するための変化率算出手段を含む。評価指標判定手段は、変化率算出手段によって算出された変化率の絶対値が所定のしきい値以下であれば当該変化率の時刻において同期していると判定し、当該変化率が所定のしきい値より大きいのであれば当該変化率の時刻において同期していないと判定するための手段を含む。
位相差系列算出手段は、位相差の時系列データを算出し、変化率算出手段は、位相差の変化率を算出する。評価指標判定手段は、変化率の絶対値が所定のしきい値以下であれば同期していると判定し、所定のしきい値より大きいのであれば同期していないと判定する。
位相差があまり変化しない場合、位相差の変化率は大きな値を取らない。したがって、変化率の絶対値が所定のしきい値より大きいか否かを調べることによる簡単な仕組みで、位相差が大きく変化しているか否かを判定することができて、同期しているか否かを判定することができる。
さらに好ましくは、位相差算出手段は、第1のフィルタリング手段の出力信号と第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含む。同期判定指標算出手段は、位相差系列算出手段によって算出された位相差が所定の値を横切る時刻を算出するための通過時刻算出手段を含む。評価指標判定手段は、通過時刻算出手段によって算出された時刻において同期していると判定し、通過時刻算出手段によって算出された時刻以外の時刻において同期していないと判定するための手段を含む。
位相差系列算出手段は、位相差の時系列データを算出し、通過時刻算出手段は、位相差が所定の値を横切る時刻を算出する。評価指標判定手段は、通過指標判定手段によって算出された時刻において、同期していると判定し、通過指標判定手段によって算出された時刻以外の時刻において同期していないと判定する。
位相差があまり変化しない場合、位相差はある一定の範囲内の値を取り続ける。したがって、位相差が所定の値を横切る時刻を調べることによる簡単な仕組みで、位相差が大きく変化しているか否かを判定することができて、同期しているか否かを判定することができる。
さらに好ましくは、所定の周波数帯域は、0.08Hz〜0.12Hzである。
マイヤー波成分は、約10秒周期の揺らぎ成分なので、フィルタリング処理する場合での周波数帯域を0.08Hz〜0.12Hzとすれば、ほとんどの場合において、マイヤー波成分を抽出することができる。
[ρmaxの正当性の検討]
以下、準備のためにρmaxの正当性を判断するための方法について検討する。ρmaxは、心拍数のマイヤー波成分と血圧のマイヤー波成分との相互相関係数から算出されるので、ρmaxの正当性は、それぞれのマイヤー波成分の位相の差に依存すると考えられる。
心拍数及び血圧のマイヤー波成分の位相差を算出する手順について説明する。
2‐1)心拍数のマイヤー波成分及び血圧のマイヤー波成分の各々に対して、ヒルベルト変換法に基づく方法により位相を算出する。
時刻tのマイヤー波成分をf(t)とする。ここで、tはa〜bまでの数である。
Figure 2009189652
を算出して、
Figure 2009189652
を算出する。このように算出されたφ(t)が、マイヤー波成分の位相である。
2‐2)心拍数のマイヤー波の位相をφ1(t)とし、血圧のマイヤー波の位相をφ2(t)として、φ1(t)−φ2(t)を位相差とする。
図5は、ρmaxと位相差との関連性について示す図である。図5(A)及び図5(B)は、それぞれ時刻125秒〜525秒までのρmax及び位相差の変動を示す図である。図5(A)及び図5(B)を参照して、曲線150及び180は、それぞれ時刻125秒〜525秒までのρmax及び位相差である。時間帯154、156、及び160は、心拍数及び血圧にマイヤー波成分以外の成分が含まれている時間帯である。時間帯152及び158は、被験者の身体状況が非安静であり、かつ正常にマイヤー波成分が抽出されている時間帯である。時間帯152、154、156、158、及び160以外の時間帯は、被験者の身体状況が安静であり、かつ正常にマイヤー波成分が抽出されている時間帯である。
マイヤー波成分が抽出されている時間帯では、位相差は360度×N(Nは整数である。)に近い値をとり、両者の位相の差は大きくないと言える。しかし、マイヤー波成分が抽出されている場合と比較すると、マイヤー波成分以外の成分が含まれている時間帯154、156、及び160では、位相差は360度×Nとは大きく離れた値をとり、両者の位相の差は大きいと言える。したがって、被験者の身体状況が安静であっても、ρmaxは小さい値となり、そのようなρmaxでは、被験者の自律神経機能を正当に評価することはできない。
したがって、これらの結果から、マイヤー波成分が抽出されているかどうかは、心拍数及び血圧のマイヤー波成分の位相差が360度×Nに近い値を取るか否かによって判定できると言える。
以下、心拍数と血圧とのマイヤー波成分の位相差が360度×Nに近い値を取る場合、心拍数と血圧とのマイヤー波成分は「同期」すると呼ぶ。
以下、同期しているか否かを判定するための一手法である標準偏差法について述べる。
標準偏差法では、任意の時刻において、当該時刻の過去1分間分の位相差の標準偏差を求める。図6は、図5(B)に示される位相差に対して、時刻125秒〜525秒までの標準偏差の時系列データを示す図である。図6を参照して、時間帯154、156、及び160の付近において、それぞれ標準偏差が90度を超えている時間帯202、204、及び206が存在する。
したがって、標準偏差の時系列データにおいて、90度以下である場合、同期すると判定し、90度を超える場合、非同期であると判定する。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1の実施の形態]
図7は、被験者の脈波を測定するための脈波測定装置290の外観構成を示す図である。図8は、本発明の第1の実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置300を含むシステム314の機能ブロック図である。図7及び図8を参照して、システム314は、脈波測定装置290と、脈波測定装置290によって測定された被験者の脈波から心拍数と血圧との両方のマイヤー波成分を抽出して、各マイヤー波成分が同期するか否かを判定し、判定結果に応じて被験者の自律神経機能を評価するための評価指標を出力する自律神経評価指標出力装置300とを含む。
脈波測定装置290は、特定の波長の光を発する発光部292と、発光部292から発せられ、被験者の指296に照射された光を受けて、被験者の脈波を測定する受光部294とを含む。
脈波測定装置290は、被験者の指296の血流量に応じて発光部292が発する光の透過度が変化することを利用し、脈波を得ることができるという原理に基づいている。
自律神経評価指標出力装置300は、脈波測定装置290によって測定された脈波から心拍数のマイヤー波成分を算出するための心拍関連情報算出部302と、脈波測定装置290によって測定された脈波から血圧のマイヤー波成分を算出するための血圧関連情報算出部304と、心拍関連情報算出部302及び血圧関連情報算出部304によってそれぞれ算出された心拍数及び血圧のマイヤー波から、標準偏差の時系列データを算出するための同期判定指標算出部306とを含む。自律神経評価指標出力装置300はさらに、同期判定指標算出部306によって算出された標準偏差の時系列データから、心拍数と血圧とのマイヤー波が同期しているか否かを判定し、判定結果に応じて出力する評価指標を選択するための評価指標選択部308と、評価指標選択部308において同期していると判定された場合、ρmaxを出力するための同期用指標出力部310と、評価指標選択部308において非同期であると判定された場合、位相差及び標準偏差の両方の時系列データを出力するための非同期用指標出力部312とを含む。
(自律神経評価指標出力装置300のソフトウェア構成)
図9〜図11は、自律神経評価指標出力装置300で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図9は、自律神経評価指標出力装置300が起動された後に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図9を参照して、このプログラムは、脈波測定装置290に被験者の脈波を測定させるステップ350と、ステップ350の後、測定の終了を利用者が要求しているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ352と、ステップ352の判定結果がYESの場合に、被験者の脈波から立ち上がり点を検出して、各脈拍の立ち上がり点の時刻と終了時刻とを記録するステップ354とを含む。なお、ステップ352の判定結果がNOの場合、制御はステップ350に戻る。このプログラムはさらに、ステップ354の後、脈波から心拍数並びに血圧のマイヤー波成分及び位相を算出するステップ356と、ステップ356の後、ステップ356において算出された位相から位相差を算出するステップ358と、ステップ358の後、位相差から標準偏差の時系列データを算出するステップ360とを含む。このプログラムはさらに、標準偏差の時系列データから同期している時間帯に応じて評価指標を算出し、内部メモリに記憶させるステップ362と、ステップ362の後、ステップ362において内部メモリに記憶された評価指標を出力して、このプログラムを終了するステップ364とを含む。
図10は、図9に示すステップ356の詳細なフローである。図10を参照して、このルーチンは、ステップ354において検出された脈拍から心拍数の時系列データを算出するステップ380と、ステップ380の後、ステップ380において算出された心拍数の時系列データから、フィルタリング処理によりマイヤー波成分を抽出するステップ382と、ステップ382の後、ステップ382において抽出されたマイヤー波成分の時系列データから位相を算出するステップ384とを含む。このルーチンはさらに、ステップ384の後、ステップ354において検出された脈拍から血圧の時系列データを算出するステップ386と、ステップ386の後、ステップ386において算出された血圧の時系列データから、フィルタリング処理によりマイヤー波成分を抽出するステップ388と、ステップ388の後、ステップ388において抽出されたマイヤー波成分の時系列データから位相を算出し、このルーチンを終了するステップ390とを含む。
図11は、図9に示すステップ362の詳細なフローである。図11を参照して、このルーチンは、標準偏差の時系列データにおいて、標準偏差が90度を横切る時刻を示す変数STに0を代入するステップ400と、ステップ400の後、標準偏差の時系列データを時刻STから順次検索して、標準偏差が初めて90度を横切る時刻を変数ETに代入するステップ402と、ステップ402の後、時刻STから時刻ETまでの標準偏差が90度以下であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ404とを含む。このルーチンはさらに、ステップ404の判定結果がYESの場合に、時刻STから時刻ETまでの心拍数及び血圧のマイヤー波成分からρmaxの時系列データを算出して、時刻ST及び時刻ETと、時刻STから時刻ETまでのρmaxの時系列データとを内部メモリに記憶させるステップ406と、ステップ404の判定結果がNOの場合に、時刻ST及び時刻ETと、時刻STから時刻ETまでの標準偏差の時系列データとを内部メモリに記憶させるステップ408とを含む。このルーチンはさらに、ステップ406及びステップ408のいずれかの後、時刻ETが、標準偏差の時系列データのうちの最後のデータの時刻でないか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ410と、ステップ410の判定結果がYESの場合に、変数STに時刻ETを代入して、制御をステップ414に戻すステップ414とを含む。なお、ステップ410の判定結果がNOの場合、このルーチンは終了する。
(動作)
図7〜図11を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置300は以下のように動作する。
被験者は脈波測定装置290に指を挿入し、被験者が測定の終了を要求するまで脈波測定装置290は被験者の脈波を繰返し測定する(図9に示すステップ350及び352)。自律神経評価指標出力装置300は、脈波測定装置290によって測定された脈波から立ち上がり点を検出して、各脈拍の立ち上がり点と終了時刻とを記録する(図9に示すステップ354)。自律神経評価指標出力装置300は、脈波から心拍数を算出し(図10に示すステップ380)、算出された心拍数からマイヤー波成分を抽出して(図10に示すステップ382)、マイヤー波成分から位相を算出する(図10に示すステップ384)。自律神経評価指標出力装置300は、脈波から血圧を算出し(図10に示すステップ386)、算出された血圧からマイヤー波成分を抽出して(図10に示すステップ388)、マイヤー波成分から位相を算出する(図10に示すステップ390)。自律神経評価指標出力装置300は、心拍数のマイヤー波成分の位相と血圧のマイヤー波成分の位相とから、位相差を算出し(図9に示すステップ358)、位相差から標準偏差の時系列データを算出する(図9に示すステップ360)。自律神経評価指標出力装置300は、変数STに0(脈波測定装置290が測定を開始した時刻)を代入する(図11に示すステップ400)。自律神経評価指標出力装置300は、標準偏差の時系列データを時刻STから順次検索して、標準偏差が初めて90度を横切る時刻を変数ETに代入する(同期又は非同期である時間帯を抽出する。図11に示すステップ402)。自律神経評価指標出力装置300は、時刻STから時刻ETまでの標準偏差が90度以下(同期している)であれば、心拍数及び血圧のマイヤー波成分からρmaxを算出して、時刻ST及び時刻ETと、時刻STから時刻ETまでのρmaxの時系列データとを内部メモリに記憶させる(図11に示すステップ406)。自律神経評価指標出力装置300は、時刻STから時刻ETまでの標準偏差が90度を超えていれば(非同期である)、時刻ST及び時刻ETと、時刻STから時刻ETまでの標準偏差の時系列データとを内部メモリに記憶させる(図11に示すステップ408)。ステップ406及びステップ408のいずれかの後、自律神経評価指標出力装置300は、時刻ETが、標準偏差の時系列データのうちの最後のデータの時刻ではない場合、変数STに時刻ETを代入して、ステップ402以降の処理を繰返す。
標準偏差の全データに対して上記の処理を行なった後、自律神経評価指標出力装置300は、内部メモリに記憶されたデータを出力し、処理を終了する(図9に示すステップ364)。
(本実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置300を利用することにより、自律神経評価指標出力装置300は、心拍数及び血圧のマイヤー波成分が同期している時間帯においてのみ、ρmaxを出力する。したがって、利用者は、出力されたρmaxが信頼できるものであるか否かを考慮することなく、出力されたρmaxにより被験者の自律神経機能を正当に評価することができる。
[第2の実施の形態]
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置450を含むシステム466の機能ブロック図である。図12を参照して、システム466は、脈波測定装置290と、脈波測定装置290によって測定された被験者の脈波から心拍数と血圧との両方のマイヤー波成分を抽出して、各マイヤー波成分が同期するか否かを判定し、判定結果に応じて被験者の自律神経機能を評価するための評価指標を実時間で出力する自律神経評価指標出力装置450とを含む。
自律神経評価指標出力装置450は、脈波測定装置290によって測定された脈波、心拍数のマイヤー波成分、心拍数の位相、血圧のマイヤー波成分、血圧の位相、位相差、同期である場合に出力する評価指標、及び非同期である場合に出力する評価指標等を記憶するための記憶部464を含む。自律神経評価指標出力装置450はさらに、脈波測定装置290によって測定された脈波から脈拍が検出される度に、心拍数のマイヤー波成分を算出し、記憶部464に記憶するための心拍関連情報算出部452と、脈波測定装置290によって測定された脈波から脈拍が検出される度に、血圧のマイヤー波成分を算出して、記憶部464に記憶するための血圧関連情報算出部454と、心拍関連情報算出部452及び血圧関連情報算出部454によってそれぞれ算出された心拍数及び血圧のマイヤー波から、標準偏差の時系列データを算出して、記憶部464に記憶するための同期判定指標算出部456とを含む。自律神経評価指標出力装置450はさらに、同期判定指標算出部456によって算出された標準偏差の時系列データから、心拍数と血圧とのマイヤー波が同期しているか否かを判定し、判定結果に応じて出力する評価指標を選択して算出し、算出した評価指標を記憶部464に記憶させるための評価指標選択部458と、評価指標選択部458において同期していると判定された場合、非同期である場合での評価指標を記憶部464から読出して出力するための同期用指標出力部460と、評価指標選択部458において非同期であると判定された場合、非同期である場合での評価指標を記憶部464から読出して出力するための非同期用指標出力部462とを含む。
(自律神経評価指標出力装置450のソフトウェア構成)
図13〜図14は、自律神経評価指標出力装置450で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図13は、自律神経評価指標出力装置450が起動された後に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図13を参照して、このプログラムは、脈波測定装置290に被験者の脈波を逐次的に測定し、記憶部464に順次記憶させるステップ500と、ステップ500の後、脈波測定装置290の測定が開始されてから1分間が経過し、かつ記憶部464に記憶されている脈波から最新の立ち上がり点が検出されたか否かを判定して、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ502とを含む。なお、ステップ502の判定結果がNOの場合、制御はステップ500に戻る。このプログラムはさらに、ステップ502の判定結果がYESの場合に、ステップ502において検出された立ち上がり点と、その直前の立ち上がり点までの脈拍の時系列データを記憶部464から抽出するステップ504と、ステップ504の後、ステップ504において抽出された脈拍の時系列データから、心拍数並びに血圧のマイヤー波成分及び位相を算出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ506と、ステップ506の後、ステップ506において記憶部464に記憶させた位相から位相差を算出して記憶部464に追加して記憶させるステップ508とを含む。このプログラムはさらに、ステップ508の後、ステップ508において算出された位相差の時刻における標準偏差を算出して、同期であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ510と、ステップ510の判定結果がYESの場合に、記憶部464に記憶されている心拍数及び血圧のマイヤー波成分からρmaxを算出して、記憶部464に記憶させるステップ512と、ステップ510の判定結果がNOの場合に、ステップ510において算出された標準偏差を記憶部464に追加して記憶するステップ514と、ステップ510及びステップ514のいずれかの後、ステップ510の判定結果がYESであれば記憶部464に追加して記憶されたρmaxを出力し、判定結果がNOであれば、記憶部464に追加して記憶された標準偏差を出力するステップ516と、ステップ516の後、利用者が測定の終了を要求しているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ518とを含む。なお、ステップ518の判定結果がNOの場合、制御はステップ500に戻り、ステップ518の判定結果がYESの場合、このプログラムは終了する。
図14は、図13に示すステップ506の詳細なフローである。図14を参照して、このルーチンは、ステップ504において抽出された脈拍から心拍数を算出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ550と、ステップ550の後、フィルタリング処理により、ステップ504において抽出された脈拍の立ち上がり点における心拍数のマイヤー波成分を抽出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ552と、ステップ552の後、ステップ504において抽出された脈拍の立ち上がり点における心拍数のマイヤー波成分の位相を算出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ554とを含む。このルーチンはさらに、ステップ504において抽出された脈拍から血圧を算出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ556と、ステップ556の後、フィルタリング処理により、ステップ504において抽出された脈拍の立ち上がり点における血圧のマイヤー波成分を抽出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ558と、ステップ558の後、ステップ504において抽出された脈拍の立ち上がり点における血圧のマイヤー波成分の位相を算出して、記憶部464に追加して記憶させるステップ560とを含む。
(動作)
図12〜図14を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置450は以下のように動作する。
脈波測定装置290は、被験者の脈波を1分間測定し続け、自律神経評価指標出力装置450は、脈波測定装置290によって測定された脈波を記憶部464に繰返し記憶する(図13に示すステップ500及び502)。測定が開始されてから1分が経過した後、自律神経評価指標出力装置450は、最新の立ち上がり点を検出し、立ち上がり点を検出したとき、当該立ち上がり点を終了時刻とする脈拍の時系列データを記憶部464から抽出する(図13に示すステップ504)。自律神経評価指標出力装置450は、抽出された脈拍の時系列データから、ステップ504において抽出された脈拍の立ち上がり点における、心拍数並びに血圧のマイヤー波成分及び位相を算出し、記憶部464に記憶させる(図14に示すステップ550〜560)。自律神経評価指標出力装置450は、記憶部464に記憶された心拍数及び血圧の位相から、最新の脈拍の立ち上がり点における位相差を算出し、記憶部464に記憶させ(図13に示すステップ508)。自律神経評価指標出力装置450は、最新の脈拍の立ち上がり点における標準偏差を算出し、同期であるか否かを判定する(図13に示すステップ510)。同期である場合、自律神経評価指標出力装置450は、ρmaxを算出して記憶部464に記憶させ(図13に示すステップ512)、非同期である場合、ステップ510において算出された標準偏差を記憶部464に記憶させる(図13に示すステップ514)。ステップ512及び514のいずれかの後、自律神経評価指標出力装置450は、同期である場合には、ρmaxを出力し、非同期である場合には、標準偏差を出力する(図13に示すステップ516)。自律神経評価指標出力装置450は、利用者が測定の終了を要求するか否かを問い合わせ、要求する場合は、処理を終了し、要求していない場合は、ステップ500以降の処理を繰返す。
(本実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置450を利用することにより、自律神経評価指標出力装置450は、心拍数及び血圧のマイヤー波成分が同期しているか否かを実時間で判定し、その都度、評価指標を出力する。したがって、利用者は、出力されたρmaxが信頼できるものであるか否かを思慮することなく、出力されたρmaxにより被験者の自律神経機能を実時間で正当に評価することができる。
[変形例]
上記した実施の形態では、心拍数及び血圧のデータの時刻を、脈拍の開始時刻としていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、各脈拍の代表時刻として、脈拍の開始時刻の他に、終了時刻でも、開始時刻から終了時刻の間の時刻でも良い。
また、上記した実施の形態では、標準偏差が90度を超えているか否かを判定することによって、同期の判定を行なっていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、位相差の変化率によって同期しているか否かを判定しても良い。
再び図5(B)を参照して、時間帯154、156、及び160では、位相差の傾きが大きい。したがって、位相差の変化率の絶対値が所定のしきい値を超えた場合に非同期と判定し、位相差の変化率の絶対値が所定のしきい値以下である場合に、同期と判定するようにしても良い。その場合、非同期であるときに出力するための評価指標として、非同期であると判定された時間帯と、その時間帯での変化率の時系列データとを出力すればよい。
また、位相差がしきい値を超えたか否かによって、同期を判定しても良い。図5(B)に示す時間帯154、156、及び160では位相差は、(180+360×N)度を横切っている。したがって、位相差の時系列データにおいて(180+360×N)度を横切った時刻を、非同期が起こった時刻であると判定しても良い。その場合、非同期であるときに出力する評価指標として、(180+360×N)度を横切った時刻を出力すればよい。
さらに、上記した実施の形態では、心拍数及び血圧のマイヤー波成分を抽出するために、0.08Hz〜0.12Hzの周波数帯域でフィルタリング処理を行なっていた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、マイヤー波のピーク周波数を含むのであれば、どのような周波数帯域でフィルタリング処理しても良い。また、被験者に合ったフィルタを自動的に設計するための適応フィルタを用いても良い。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
脈波の時系列データから心拍数を算出する方法について説明するための図である。 脈波の時系列データから血圧を算出する方法について説明するための図である。 安静時における、心拍数及び血圧の各々のマイヤー波成分とρmaxの変動を示す図である。 非安静時における、心拍数及び血圧の各々のマイヤー波成分とρmaxの変動を示す図である。 ρmaxとそれぞれのマイヤー波成分の位相差との関連性について示す図である。 時刻125秒〜525秒までの標準偏差の時系列データを示す図である。 被験者の脈波を測定するための脈波測定装置290の外観構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置300を含むシステム314の機能ブロック図である。 自律神経評価指標出力装置300の機能を実現するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図9に示すステップ356の詳細なフローである。 図9に示すステップ362の詳細なフローである。 本発明の第2の実施の形態に係る自律神経評価指標出力装置450を含むシステム466の機能ブロック図である。 自律神経評価指標出力装置450の機能を実現するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図13に示すステップ506の詳細なフローである。
符号の説明
290 脈波測定装置
300,450 自律神経評価指標出力装置
302,452 心拍関連情報算出部
304,454 血圧関連情報算出部
306,456 同期判定指標算出部
308,458 評価指標選択部
310,460 同期用指標出力部
312,462 非同期用指標出力部
464 記憶部
314,466 システム

Claims (9)

  1. 被験者の心拍数を測定するための心拍数測定手段と、
    前記心拍数測定手段によって測定された心拍数に対して、所定の周波数帯域でフィルタリング処理を行なうための第1のフィルタリング手段と、
    前記被験者の血圧を測定するための血圧測定手段と、
    前記血圧測定手段によって測定された血圧に対して、前記所定の周波数帯域でフィルタリング処理を行なうための第2のフィルタリング手段と、
    前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差に基づいて、前記被験者の心拍数と血圧とが同期しているか否かを判定するための同期判定手段と、
    前記同期判定手段による判定結果に応じて、自律神経機能を評価するための評価指標を出力するための評価指標出力手段とを含む、自律神経評価指標出力装置。
  2. 前記自律神経評価指標出力装置は、前記被験者の脈波を逐次的に測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものであり、
    前記心拍数測定手段は、
    前記脈波測定装置によって測定された脈波から最新の脈拍を検出するための検出手段と、
    前記検出手段によって前記最新の脈拍が検出されたことに応答して、前記最新の脈拍の開始時刻から終了時刻までの脈波から成る最新脈波データを記憶するための脈波記憶手段と、
    前記検出手段によって前記最新の脈拍が検出されたことに応答して、前記脈波記憶手段によって記憶されている前記最新脈波データから、前記最新脈波データの代表時刻における心拍数を算出するための心拍数算出手段とを含み、
    前記血圧測定手段は、前記検出手段によって前記最新の脈拍が検出されたことに応答して、前記脈波記憶手段によって記憶されている前記最新脈波データから、前記代表時刻における血圧を算出するための血圧算出手段を含み、
    前記同期判定手段は、前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差に基づいて、前記被験者の心拍数と血圧とが前記代表時刻において同期しているか否かを判定するための逐次同期判定手段を含み、
    前記評価指標出力手段は、前記逐次同期判定手段によって同期していると判定された場合、自律神経機能を評価するための前記代表時刻における評価指標を出力するための手段を含む、請求項1に記載の自律神経評価指標出力装置。
  3. 前記自律神経評価指標出力装置は、前記被験者の脈波を測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものであり、
    前記心拍数測定手段は、前記脈波測定装置によって測定される脈波から脈拍を検出するための検出手段と、
    前記検出手段によって前記検出された脈拍の終了時刻から開始時刻を引いた値の逆数を、心拍数として出力するための手段とを含む、請求項1に記載の自律神経評価指標出力装置。
  4. 前記自律神経評価指標出力装置は、前記被験者の脈波を測定する脈波測定装置に接続されて用いられるものであり、
    前記血圧測定手段は、前記脈波測定装置によって測定される脈波から脈拍を検出するための検出手段と、
    前記検出手段によって前記検出された脈拍の開始時刻から終了時刻までの脈波を積分した値を、血圧として出力するための手段とを含む、請求項1に記載の自律神経評価指標出力装置。
  5. 前記同期判定手段は、
    前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を算出するための位相差算出手段と、
    前記位相差算出手段によって算出された位相差から、前記同期しているか否かを判定するための同期判定評価指標を算出するための同期判定指標算出手段と、
    前記同期判定指標算出手段によって算出された前記同期判定評価指標に基づいて、前記同期しているか否かを判定するための評価指標判定手段とを含み、
    前記評価指標出力手段は、
    前記評価指標判定手段によって前記同期していると判定された場合、自律神経機能を評価するための前記評価指標を出力するための手段と、
    前記評価指標判定手段によって前記同期していないと判定された場合、前記同期判定指標算出手段によって算出された前記同期判定評価指標を出力するための手段とを含む、請求項1、請求項3、及び請求項4のいずれかに記載の自律神経評価指標出力装置。
  6. 前記位相差算出手段は、前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含み、
    前記同期判定指標算出手段は、前記位相差系列算出手段によって算出された、第1の時刻から第2の時刻までの位相差の標準偏差を算出するための標準偏差算出手段を含み、
    前記評価指標判定手段は、前記標準偏差算出手段によって算出された前記標準偏差が所定のしきい値以下であれば前記第2の時刻において前記同期していると判定し、前記標準偏差が前記所定のしきい値より大きいのであれば前記第2の時刻において前記同期していないと判定するための手段を含む、請求項5に記載の自律神経評価指標出力装置。
  7. 前記位相差算出手段は、前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含み、
    前記同期判定指標算出手段は、前記位相差系列算出手段によって算出された位相差の各々の変化率を算出するための変化率算出手段を含み、
    前記評価指標判定手段は、前記変化率算出手段によって算出された変化率の絶対値が所定のしきい値以下であれば当該変化率の時刻において前記同期していると判定し、当該変化率が前記所定のしきい値より大きいのであれば当該変化率の時刻において前記同期していないと判定するための手段を含む、請求項5に記載の自律神経評価指標出力装置。
  8. 前記位相差算出手段は、前記第1のフィルタリング手段の出力信号と前記第2のフィルタリング手段の出力信号との位相差を時系列に算出するための位相差系列算出手段を含み、
    前記同期判定指標算出手段は、前記位相差系列算出手段によって算出された位相差が所定の値を横切る時刻を算出するための通過時刻算出手段を含み、
    前記評価指標判定手段は、前記通過時刻算出手段によって算出された時刻において前記同期していると判定し、前記通過時刻算出手段によって算出された時刻以外の時刻において前記同期していないと判定するための手段を含む、請求項5に記載の自律神経評価指標出力装置。
  9. 前記所定の周波数帯域は、0.08Hz〜0.12Hzである、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の自律神経評価指標出力装置。
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