JP2009185693A - 回転式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造で効率の高いエネルギー変換を行うことが可能な回転式流体機械を提供する。
【解決手段】第1のかさ歯車12を有する第1のロータ10と、第2のかさ歯車22を有する第2のロータ20と、両かさ歯車12,22を収容するケーシング30と、連動機構40とを備える。第2のかさ歯車22の歯数は第1のかさ歯車12の歯数より1つ少なく、両かさ歯車12,22はその回転によりケーシング30内で膨張と収縮を繰り返す複数の流体室を形成する。膨張する流体室内に圧力流体が導入され、収縮する流体室から圧力流体が排出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体エネルギーを機械的エネルギーに変換するタービンや水車、流量計、あるいは機械的エネルギーを流体エネルギーに変換するポンプや圧縮機、送風機として用いられる回転式流体機械に関するものである。
従来、流体エネルギーと機械的エネルギーとの間でエネルギー変換を行うための流体機械として、回転式のものが多く用いられている。この回転式流体機械は、ケーシングと、このケーシング内に回転可能に収容されるロータとを備える。そして、このロータが流体エネルギーによって回転駆動されることにより、当該流体エネルギーが機械的エネルギーとして取り出される。あるいは、前記ロータがモータ等によって回転駆動することにより、流体にエネルギーが与えられて当該流体が昇圧する。
例えば、特許文献1には、蒸気のもつエネルギーを回転エネルギーに変換するための小型タービンが開示されている。この小型タービンのロータの外周部には周方向に並ぶ複数枚の羽根が形成され、これらの羽根に蒸気が吹付けられることにより前記ロータが回転し、その回転エネルギーが外部に取り出される。
特開平6−159002号公報
前記のような従来のタービンでは、流体から各羽根に与えられる衝撃力が動力として取り出される。従って、流体のもつエネルギーのうち当該流体が羽根から跳ね返される分は無駄に消費され、その分効率が低下する。換言すれば、従来のタービンでは、圧力流体のもつエネルギーを動力として十分に取り出すことが困難であるという課題がある。同様に、ロータを回転駆動することにより流体にエネルギーを与える圧縮機や送風機においても、当該ロータの回転エネルギーを流体エネルギーに変換する効率を高めることが大きな課題となる。
なお、前記圧縮機や送風機の中には、例えばベーン型のように、ロータの回転に伴ってケーシング内の流体の体積を変化させる回転容積形のものが存在するが、これらは構造が複雑で部品点数が多いという欠点がある。また、前記ベーン等の可動部材の往復運動はエネルギーのロスにつながる。
本発明は、このような事情に鑑み、簡素な構造で効率の高いエネルギー変換を行うことが可能な回転式流体機械を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、流体エネルギーと機械的エネルギーとの間でエネルギー変換をするための回転式流体機械であって、90°よりも大きな歯先円すい角を有する第1のかさ歯車を含む第1のロータと、90°よりも大きな歯先円すい角を有し、歯数が前記第1のかさ歯車の歯数よりも1つ少ない第2のかさ歯車を含む第2のロータと、前記第1のかさ歯車及び前記第2のかさ歯車を収容するケーシングと、前記両かさ歯車が噛合った状態で前記両ロータを連動回転させる連動機構とを備え、前記第1のかさ歯車及び前記第2のかさ歯車は、当該第2のかさ歯車の歯の先端部が当該第1のかさ歯車の歯面に摺接するとともに、当該第1のかさ歯車のうち予め定められた第1の周方向位置にある歯の先端部が前記第2のかさ歯車における2つの歯の間の谷に対向し、かつ、当該第1の周方向位置から180°離間した第2の周方向位置で両かさ歯車の歯の先端部同士が接触するように噛合う形状を有するとともに、前記両かさ歯車の各歯は、前記ケーシングの内側面に対して歯車回転方向に摺接可能な形状の外周面を有し、前記連動機構は、前記第1のかさ歯車の1回転あたりに前記第2のかさ歯車が当該第2のかさ歯車の1ピッチ分だけ先行する回転比で前記両ロータを連動させるものであり、前記ケーシングは、前記第2のかさ歯車において互いに隣り合う任意の2つの歯の側面及び当該ケーシングの内側面が独立した流体室を囲み、かつ、当該両かさ歯車の回転方向に沿って前記第1の周方向位置から前記第2の周方向位置に到達するまでの第1の領域では、当該第2の周方向位置に向かうに従って当該流体室の容積が増大し、当該第2の周方向位置から当該第1の周方向位置に戻る間での第2の領域では当該第1の周方向位置に向かうに従って当該流体室の容積が減少するように、前記両かさ歯車を収容し、前記ケーシングは、前記第1の領域内に位置する流体室内に流体を導入するための流体導入口と、前記第2の領域内に位置する流体室内から外部に流体を排出するための流体排出口とを有するものである。
この流体機械によれば、共通のケーシング内で互いに噛合う第1のかさ歯車と第2のかさ歯車とが回転するだけの簡素な構造で、効率の高いエネルギー変換が実現される。
具体的に、ケーシングに設けられた流体導入口から第1の領域における流体室内に導入された流体は、両ロータの回転に伴う当該流体室の体積増大に伴って膨張する。その後、前記第1の領域から第2の周方向位置を過ぎて第2の領域に入ると、前記流体は前記流体室の体積減少に伴って圧縮され、前記ケーシングに設けられた流体排出口から排出される。従って、この流体機械が例えばタービンや水車、流量計として用いられる場合には、前記流体導入口から前記ケーシング内に導入される流体の圧力や膨張力が効率よく両ロータに伝えられ、回転力として取り出される。逆に、当該流体機械が例えばポンプや圧縮機、送風機として用いられる場合には、両ロータの回転に伴う前記流体室の体積変化により流体の吸入及び吐出が効率よく行われる。
この流体機械が前記タービン等に用いられる場合、前記両ロータを回転させるだけの圧力をもつ圧力流体を前記流体導入口に供給するための流体供給管が前記ケーシングの流体導入口に接続され、前記第1のロータ及び前記第2のロータの少なくとも一方が、これらのロータの回転エネルギーをケーシングの外部に出力するための出力軸を有すればよい。
また、前記流体機械が例えばポンプや圧縮機、送風機として用いられる場合には、前記第1のロータ及び前記第2のロータを回転させることにより前記流体導入口から前記ケーシング内に流体を吸入させるとともに前記流体排出口から前記流体を吐出させる回転駆動源を備えればよい。この場合、前記ケーシングは前記第2の領域における各流体室ごとに連通する複数の流体排出口を有し、これらの流体排出口に当該流体排出口から排出される流体を集合させて送出するための共通の流体排出管が接続されるのが、好ましい。
この流体機械では、前記第1かさ歯車及び前記第2かさ歯車の中心部分が互いに対向することになるが、これらの中心部分が互いに接触した状態で両かさ歯車が相対回転することは、当該中心部分の著しい摩損や圧力漏れを生じさせやすく、あるいは両ロータの円滑な回転を妨げるおそれがある。これに対し、前記各中心部分に互いに対向する凹部が形成されるとともに、これらの凹部に嵌り込んで前記両かさ歯車同士の相対回転を許容するように当該かさ歯車の中心部分同士の間に介在する球状の中子を備えたものでは、当該中子が前記両中心部分同士の直接的な接触を阻むとともに、両ロータの回転を円滑化する。
なお、前記中子は両かさ歯車のうちのいずれか一方に固定されていてもよい。
以上のように、本発明によれば、共通のケーシング内で第1のかさ歯車と第2のかさ歯車が互いに噛合いながら連動して回転するだけの簡素な構成で、流体エネルギーと機械的エネルギーとの間での効率の高いエネルギー変換を実現することができる効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る回転式流体機械の全体構成を示したものである。この実施の形態に係る回転式流体機械は、圧力気体のエネルギーにより回転駆動されるタービン(例えば蒸気タービン)として用いられるもので、第1のロータ10と、第2のロータ20と、ケーシング30と、連動機構40と、中子50とを備える。
図3および図4にも示されるように、前記第1のロータ10は、第1のかさ歯車12と、この第1のかさ歯車12からその回転中心軸に沿って延びる回転軸14とを備える。前記第1のかさ歯車12は、略円錐台状の基部15と、この基部15の大径側の面上に配列された複数の歯16とを有する。これらの歯16の歯先円すい角(各歯16の先端部16aが並ぶ円すい面の母線と回転中心軸とがなす角度)は90°よりも大きく、従って歯先円すい面は回転中心に向かって窪んでいる。また、前記各歯16の外周面16bは、前記歯先円すいの頂点を中心とする球面となっている。
同様に、前記第2のロータ20は、第2のかさ歯車22と、この第2のかさ歯車22からその回転中心軸に沿って延びる回転軸24とを備える。前記第2のかさ歯車22は、略円錐台状の基部25と、この基部25の大径側の面上に配列された複数の歯26とを有するが、その歯数は前記第1のかさ歯車12の歯数よりも1つ少ない。前記各歯26の歯先円すい角(各歯26の歯先が並ぶ円すい面の母線と回転中心軸とがなす角度)も90°よりも大きく、歯先円すい面は回転中心に向かって窪んでいる。また、前記各歯26の外周面26bは、前記歯先円すいの頂点を中心とする球面となっている。
なお、図4は前記かさ歯車12(22)の概略形状を示したものであり、同図に示される歯の形状及び歯数は適宜設定されるものである。
前記第1のかさ歯車12及び前記第2のかさ歯車22は、次の条件を満たす噛合い状態でケーシング30に収容される形状を有する。
条件A:両かさ歯車12,22の回転中、第2のかさ歯車22の歯26の先端部26aが、第1のかさ歯車12の歯16の先端部16aに摺接する(図5(a)〜(d))。
条件B:予め決められた第1の周方向位置(図1及び図2の例では最下位置)P1では、第1のかさ歯車12の歯16の先端部16aが第2のかさ歯車22の歯26の谷に対向し、当該第1の周方向位置から180°離間した第2の周方向位置P2で前記歯16,26の先端部16a,26a同士が接触するように噛合う。
なお、図例では前記第1の周方向位置P1で前記第1のかさ歯車12の歯車16の先端部16aが第2のかさ歯車22の歯26の谷に接触しているが、この接触は必ずしも要さず、例えば当該先端部16aと当該谷との間に隙間が存していてもよい。
以上記した噛合い状態で、両ロータ10,20の回転中心軸は図1に示されるように所定の角度(鈍角)を形成する。
このような噛合いを実現する歯16,26の形状は、一般にはそのピッチに比べて肉厚の小さい比較的薄肉の形状となる。当該形状はシミュレーションの繰返しにより取得することが可能である。例えば図6(a)(b)に示されるように歯16,26の肉が厚い場合、当該歯同士の干渉は避け難い。これに対し、例えば図6(c)に示される形状であれば、当該干渉を避けながらかつ第2のかさ歯車の歯26の先端部26aを第1のかさ歯車の歯面に摺接させることが可能である。
また、本発明では必ずしも第1のかさ歯車12の歯16の形状と、第2のかさ歯車22の歯26の形状が同一でなくてもよく、これらの形状は前記条件A,Bを満たす範囲で適宜異ならせることが可能である。例えば、図7(a)〜(d)に示されるように、前記第1のかさ歯車12の歯16をより薄肉にする分、第2のかさ歯車22の歯26を厚肉にしても、両者間に良好な噛合い状態を形成することが可能である。
前記ケーシング30は、前記両かさ歯車12,22同士が噛合った状態でこれらのかさ歯車12,22を収容するものであり、第1側壁31と、第2側壁32と、周壁34とを備える。前記第1側壁31は円板状をなし、その中心を前記第1のロータ10の回転軸14が貫通する状態で当該回転軸14を軸支する。同様に、前記第2側壁32は前記第1側壁31に対して前記角度(回転中心軸同士がなす角度)だけ傾斜する円板状をなし、その中心を前記第2のロータ20の回転軸24が貫通する状態で当該回転軸24を軸支する。前記周壁34は、前記各歯16,26の径方向外側に位置し、その外周面16b,26bと摺接可能な球面状の内側面34aを有する。上述のように、両ロータ10,20の回転中心軸は傾斜しているので、前記第1の周方向位置P1から前記第2の周方向位置P2に向かうに従って前記周壁34の周長(図1のように両回転軸14,24を含む断面で見た周長)は長くなっている。
前記連動機構40は、前記第1のロータ10の回転と前記第2のロータ20の回転とを連動させるためのものである。この実施の形態に係る連動機構40は歯車機構により構成されている。具体的には、伝動軸42と、その両端に固定された第1伝動歯車44及び第2伝動歯車46と、前記第1のロータ10の回転軸14に固定された第1のロータ歯車18と、前記第2のロータの回転軸24に固定された第2のロータ歯車28とを有し、前記第1伝動歯車44が前記第1のロータ歯車18に噛合され、前記第2伝動歯車46が前記第2のロータ歯車28に噛合される。
この連動機構40は、両ロータ10,20が同期回転するようにこれらを連動させる。その回転比は、前記第1のかさ歯車12の1回転あたりに当該第1のかさ歯車12よりも前記第2のかさ歯車22が当該第2のかさ歯車22の1ピッチ分だけ先行する回転比に設定されている。換言すれば、図5(a)に示される第1の周方向位置P1にある前記第1のかさ歯車12の歯16が同図(c)に示される第2の周方向位置P2に至るまでの間に、当該第1の周方向位置において前記歯16よりも第2のかさ歯車22の半ピッチ分だけ後ろ側にある第2のかさ歯車22の歯26が当該歯16に追いつく(すなわち歯16,26の先端部16a,26a同士が接触する)ような回転比に設定される。
図5(a)〜(d)に示すように、前記両かさ歯車12,22のうち互いに隣接する歯の側面は、前記ケーシング30における周壁34の内側面34aとともに、互いに独立した流体室33を囲む。そして、これらの流体室33は、前記両かさ歯車12,22の回転方向に沿って前記第1の周方向位置(すなわち第1のかさ歯車12の歯16の先端部16aが第2のかさ歯車22の2つの歯26同士の間の谷に接触する位置)P1から前記第2の周方向位置(すなわち歯の先端部16a,26a同士が接触する位置)P2に到達するまでの第1の領域A1では、当該第2の周方向位置P2に向かうに従って膨張(すなわち当該流体室33の容積が増大)し、逆に当該第2の周方向位置P2から当該第1の周方向位置P1に戻る間での第2の領域A2では当該第1の周方向位置P1に向かうに従って収縮(すなわち当該流体室33の容積が減少)する。
例えば、図5(a)の中段に示される第1かさ歯車12の歯16と、この歯16の前後に位置する第2のかさ歯車22の2つの歯26について着目すると、同図(a)に示される第1の周方向位置では、前記歯26同士の間に前記歯16によって分割された流体室33が形成される。その後、前記歯16よりも前記2つの歯26が少しずつ先行することにより、これらの歯26同士の間に形成される流体室33の容積が増大する。そして、第2の周方向位置に至った時点で、当該流体室33の容積は、互いに隣接する歯16同士の間の容積と互いに隣接する歯26同士の容積の和となり、最大となる。その後、さらに歯26が第1の周方向位置に向かって進行することにより、前記流体室33の容積は減少していき、第1の周方向位置で最小の容積に戻る。
この実施の形態では、前記第1のかさ歯車12の中心部分と前記第2のかさ歯車22の中心部分との間に球状の中子50が介在している。具体的には、前記各中心部分に互いに対向する凹部17,27がそれぞれ形成され、これらの凹部17,27に前記中子50の左半球および右半球がそれぞれほぼ隙間なく嵌入されている。この中子50の介在は、前記両かさ歯車12,22の中心部分が直接接触する場合に比べ、当該中心部分の損耗を顕著に抑制し、また両かさ歯車12,22の相対回転を円滑にする。
なお、前記中子50は前記凹部17,27のいずれか一方に固定されていてもよい。
前記ケーシング30の周壁34には、前記第1の領域A1内に位置する特定の流体室(図例では第1の周方向位置P1に近い側の流体室)内に流体を導入するための流体導入口35と、前記第2の領域A2内に位置する特定の流体室(図例では第2の領域A2内の全ての流体室)内から外部に流体を排出するための流体排出口36とを有する。前記各流体導入口35は、前記周壁34の径方向内側に向かうに従って前記第2の周方向位置側に変位する向きに傾斜し、前記各流体排出口36は、前記周壁34の径方向外側に向かうに従って前記第1の周方向位置側に変位する向きに傾斜している。
また、この回転式流体機械では、図2に示すように、前記各流体導入口35に共通の流体供給管51が接続され、前記各流体排出口36に共通の流体排出管52が接続される。
次に、この回転式流体機械の作用を説明する。
図略の圧力流体発生源(例えば蒸気発生源)で生成された圧力流体が前記流体供給管51を通じて各流体導入口35に導入されると、この圧力流体のもつ流体エネルギーが各ロータ10,20の回転エネルギーに変換される。
具体的に、前記圧力流体は、第1の領域A1に形成されている流体室33内に流入し、そのエネルギーで両かさ歯車12,22を回転させる。さらに、この回転により当該流体室33が第1の周方向位置P1から第2の周方向位置P2に移動するのに伴って当該流体室33の容積が増大する(図5(b))ことにより当該流体室33内の圧力流体が膨張し、その膨張により発生したエネルギーが効率よく両ロータ10,20の回転エネルギーに変換される。その後、前記第2の周方向位置P2を過ぎて第2の領域A2に移行すると、前記流体室33の容積が減少する(図5(d))ことにより当該圧力室33内の圧力流体は圧縮され、各流体排出口36からケーシング30の外部に排出される。この圧力流体は流体排出管52で集気されて系外に排出される。
ここで、両ロータ10,20の回転エネルギーは、当該ロータ10,20の回転軸14または回転軸24を出力軸として直接取り出され、あるいはこれらと連動する伝動軸42から間接的に取り出されることが可能である。
この流体機械では、第1の領域A1における流体室33に導入された圧力流体が、その流体室33内に閉じ込められたまま膨張することにより、当該圧力流体のもつ流体エネルギーが効率よくロータ10,20の回転エネルギーに変換される。しかも、当該流体室33の形成及び容積変化は、共通のケーシング30内で互いに噛合う第1のかさ歯車12及び第2のかさ歯車22の連動回転のみで達成することが可能であり、前記のエネルギー変換を簡素な構造で実現することができる。
なお、この流体機械は、流量計として用いることも可能であるし、水車のように液体のもつエネルギーにより回転駆動されるもの、例えば水車として用いることも可能である。その場合、例えば図8に示されるように、ケーシング30の周壁34に、第1の周方向位置P1から両ロータ10,20の回転方向に沿って第2の周方向位置P2に至る第1の領域A1に、当該第1の領域A1に形成される各流体室に連通する流体導入口35が形成され、これらの流体導入口35に共通の流体供給管55が接続されればよい。
本発明の第2の実施の形態を図9及び図10に示す。この第2の実施の形態に係る回転式流体機械は、前記第1の実施の形態に係る流体機械とほぼ同等の構造を有するが、機械的エネルギーを流体エネルギーに変換する流体機械、例えばポンプや圧縮機、送風機として用いられる。
そのために、この流体機械は、第1のロータ10及び第2のロータ20を回転させるための回転駆動源であるモータ54を備える。このモータ54は、図示のように伝動軸42に連結されてもよいし、第1のロータ10の回転軸14もしくは第2のロータ20の回転軸24に連結されてもよい。
この実施の形態において、各流体室への流体の導入はロータ10,20の回転中心軸に近い位置から行われることが好ましい。この位置からの導入は、流体に作用する遠心力の利用を可能にし、これにより効率を高める。そのため、この実施の形態では、ケーシング30のうち第1のロータ10に近い側の第1側壁31に流体導入路が形成される。
この流体導入路は、ケーシング30の内側に開口する流体導入溝31aと、この流体導入溝31aから第1側壁31の外面まで至る流体導入孔31bとからなり、当該流体導入孔31bに流体導入管56が接続される。前記流体導入溝31aは、前記流体導入孔31bから吸入される圧力流体を第1の領域A1内の各流体室に分配するための形状を有する。具体的には、両ロータ10,20の回転中心軸付近でこれを中心とした半円に近い円弧状をなす(図10)。一方、第1のロータ10には、各圧力室と前記流体導入溝31aとを連通するための複数の流体導入孔11が形成されている。
一方、前記第2の周方向位置P2から両ロータ10,20の回転方向に沿って第1の周方向位置P1に至る第2の領域A2には、同領域A2に形成される各流体室に連通する複数の流体排出口36が形成され、これらの流体排出口36に共通の流体排出管52が接続されている。
この流体機械において、前記モータ54の作動により両ロータ10,20が回転駆動されると、前記第1の領域A1では、各流体室の容積が増大するためにこれら流体室内に前記流体導入管56から流体導入孔31b、流体導入溝31a、及び各流体導入孔11を通じて圧力流体(例えばエア)が吸入される。そして、当該流体室が第2の周方向位置P2を通過した時点から当該流体室の容積が減少することにより当該流体室内の圧力流体が圧縮され、昇圧して、流体排出管52内に押し出される。この圧力流体は当該流体排出管52内で集気されて系外に吐出される。
なお、本発明において両ロータを連動させるための連動機構は、図1等に示される連動機構40のような歯車機構に限定されず、例えばタイミングベルトとプーリを含む巻掛け伝動機構であってもよい。また、当該連動機構はケーシングの内部に設けられてもよい。その例を第3の実施の形態として図11に示す。
この実施の形態では、両かさ歯車12,22同士の間に中空球体状の中子50′が介在し、この中子50′の内部に、両ロータ10,20の回転軸14,24の内端部が突入するとともに、連動機構60が収容されている。この連動機構60は、前記各回転軸14,24の内端部にそれぞれ固定されたかさ歯車61,62を含み、これらのかさ歯車61,62が前記中子50′内で噛合されている。
その他、中子を装着するための構造についても、流体機械の大きさや用途に応じて適宜設定することが可能である。
例えば前記第1の実施の形態に係る流体機械において、前記中子50が比較的大きい場合、この中子50と当該中子50を収納するための凹部17(すなわち第2のかさ歯車22の歯26の内側面)との隙間が大きくなり、この隙間は圧力漏れの要因となる。しかし、当該かさ歯車の歯先円すい角は90°を超えるので、前記隙間をあまり小さく設定すると前記凹部17の入口開口の径が中子50の外径よりも小さくなってしまい、当該凹部17内に当該中子50をはめ込むことが困難になる。従って、前記隙間の削減には設計上限界がある。
このような場合、第4の実施の形態として図12〜図14に示すような中子把持構造を適用するのが効果的である。この構造では、第2のかさ歯車に含まれる任意の一つまたは複数の歯26の内側部にこれとは別部材のシール板70が装着される。このシール板70は、図13に示すように、球形の中子50の半径と等しい半径をもつ円弧状の内側面72と、この内側面72よりも曲率半径の小さい円弧状の外側面74とを有する。一方、前記歯26の内側部であって当該歯26の板厚方向の中心部分には、前記外側面74に合致する円弧状の底面をもつ取付溝26cが形成され、この取付溝26cの底面と前記外側面74とが嵌り合って互いに摺動可能となる姿勢で当該取付溝26c内に前記シール板70がはめ込まれる。
このような構造によれば、図12(a)(b)に示すようにシール板70を後ろ寄りに傾かせた状態でその内側に球形の中子50を挿入し、その挿入に伴って前記シール板70を前寄りに移動させる(すなわち取付溝26cの底面に対してシール板70の外側面74を摺動させる)ようにすれば、最終的に、図14(a)(b)に示すようにシール板70の内側面72を中子50の外周面に密着させることができる。このとき前記シール板70の前端部が前記歯26の先端部26aの面(歯先面)からはみ出さないように、当該シール板70の前端部が予め切除される等して当該シール板70に平面状の前端面76が形成されることが好ましい。
また、この構造は、前記第1のかさ歯車12の中央部についても同様に適用されることが、より好ましい。
本発明の第1の実施の形態に係る回転式流体機械の一部断面正面図である。 前記回転式流体機械のケーシングと配管を示す断面側面図である。 前記回転式流体機械の第1のロータおよび第2のロータを示す一部断面正面図である。 前記各ロータに含まれるかさ歯車の形状を示す斜視図である。 (a)〜(d)は前記回転式流体機械に形成される流体室の容積変化を示す図である。 (a)〜(c)は各種形状の歯の噛合い状態または干渉状態を示す図である。 (a)〜(d)は図5とは歯の形状が異なる回転式流体機械に形成される流体室の容積変化を示す図である。 前記回転式流体機械が液体対象である場合の構造例を示す断面側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る回転式流体機械の一部断面正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る回転式流体機械の断面側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る回転式流体機械の一部断面正面図である。 (a)(b)は本発明の第4の実施の形態に係る回転式流体機械の中子の取付構造を示す断面正面図である。 前記中子の取付構造に含まれるシール板の正面図である。 (a)は図12に示される構造によって前記中子の取付が完了した状態を示す側面図、(b)は当該状態を示す正面図である。
符号の説明
10 第1のロータ
12 第1のかさ歯車
14 第1のロータの回転軸
16 第1のかさ歯車の歯
16a 第1のロータの歯の先端部
16b 第1のロータの歯の外周面
17 第1のロータの凹部
20 第2のロータ
22 第2のかさ歯車
24 第2のロータの回転軸
26 第2のロータの歯
26a 第2のロータの歯の先端部
26b 第2のロータの歯の外周面
30 ケーシング
34 ケーシングの周壁
34a 周壁の内側面
35 流体導入口
36 流体排出口
40,60 連動機構
50,50′ 中子
51,55 流体供給管
52 流体排出管
54 モータ(回転駆動源)
A1 第1の領域
A2 第2の領域
P1 第1の周方向位置
P2 第2の周方向位置

Claims (5)

  1. 流体エネルギーと機械的エネルギーとの間でエネルギー変換をするための回転式流体機械であって、
    90°よりも大きな歯先円すい角を有する第1のかさ歯車を含む第1のロータと、
    90°よりも大きな歯先円すい角を有し、歯数が前記第1のかさ歯車の歯数よりも1つ少ない第2のかさ歯車を含む第2のロータと、
    前記第1のかさ歯車及び前記第2のかさ歯車を収容するケーシングと、
    前記両かさ歯車が噛合った状態で前記両ロータを連動回転させる連動機構とを備え、
    前記第1のかさ歯車及び前記第2のかさ歯車は、当該第2のかさ歯車の歯の先端部が当該第1のかさ歯車の歯面に摺接するとともに、当該第1のかさ歯車のうち予め定められた第1の周方向位置にある歯の先端部が前記第2のかさ歯車における2つの歯の間の谷に対向し、かつ、当該第1の周方向位置から180°離間した第2の周方向位置で両かさ歯車の歯の先端部同士が接触するように噛合う形状を有するとともに、
    前記両かさ歯車の各歯は、前記ケーシングの内側面に対して歯車回転方向に摺接可能な形状の外周面を有し、
    前記連動機構は、前記第1のかさ歯車の1回転あたりに前記第2のかさ歯車が当該第2のかさ歯車の1ピッチ分だけ先行する回転比で前記両ロータを連動させるものであり、
    前記ケーシングは、前記第2のかさ歯車において互いに隣り合う任意の2つの歯の側面及び当該ケーシングの内側面が独立した流体室を囲み、かつ、当該両かさ歯車の回転方向に沿って前記第1の周方向位置から前記第2の周方向位置に到達するまでの第1の領域では、当該第2の周方向位置に向かうに従って当該流体室の容積が増大し、当該第2の周方向位置から当該第1の周方向位置に戻る間での第2の領域では当該第1の周方向位置に向かうに従って当該流体室の容積が減少するように、前記両かさ歯車を収容し、
    前記ケーシングは、前記第1の領域内に位置する流体室内に流体を導入するための流体導入口と、前記第2の領域内に位置する流体室内から外部に流体を排出するための流体排出口とを有することを特徴とする回転式流体機械。
  2. 請求項1記載の回転式流体機械において、
    前記両ロータを回転させるだけの圧力をもつ圧力流体を前記流体導入口に供給するための流体供給管が前記ケーシングの流体導入口に接続され、
    前記第1のロータ及び前記第2のロータの少なくとも一方は、そのロータの回転エネルギーをケーシングの外部に出力するための出力軸を有することを特徴とする回転式流体機械。
  3. 請求項1記載の回転式流体機械において、
    前記第1のロータ及び前記第2のロータを回転させることにより前記流体導入口から前記ケーシング内に流体を吸入させるとともに前記流体排出口から前記流体を吐出させる回転駆動源を備えることを特徴とする回転式流体機械。
  4. 請求項3記載の回転式流体機械において、
    前記ケーシングは前記第2の領域における各流体室ごとに連通する複数の流体排出口を有し、
    これらの流体排出口に当該流体排出口から排出される流体を集合させて送出するための共通の流体排出管が接続されることを特徴とする回転式流体機械。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の回転式流体機械において、
    前記第1かさ歯車及び前記第2かさ歯車の中心部分にそれぞれ互いに対向する凹部が形成されるとともに、
    これらの凹部に嵌り込んで前記両かさ歯車同士の相対回転を許容するように当該かさ歯車の中心部分同士の間に介在する球状の中子を備えることを特徴とする回転式流体機械。
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